JP2012160300A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流量計の検知精度の経年変化等の変化を検知できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】システムは、燃料電池1と、カソードガスをカソード11に供給させるカソードガス搬送源71をもつカソードガス通路70と、カソード通路70に設けられた流量計72と、排ガスを排出させる排ガス通路75と、貯湯槽77と循環通路78と水搬送源79とをもつ貯湯系と、排ガス通路75を流れる排ガスからの伝熱で循環通路78の水を加熱させる熱交換器76とを有する。制御部100は、排ガスを熱交換器76を介して排出させることにより、熱交換器76内の水の温度を上昇させ、熱交換器内76の水の温度上昇に関する物理量の基準値に対する変化に基づいて、流量計72の検知精度の変化を検知する流量計精度判定処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池のカソードに供給させるカソードガスの流量を計測する流量計を有する燃料電池システムに関する。
特許文献1には、校正したい流量計が配置されたラインに対してバイパスラインを設け、バイパスラインにマスター流量計を配置し、校正したい流量計で計測した値をマスター流量計の値に基づいて校正する流量計測制御システムが開示されている。特許文献2には、流量計を使用してない期間に対象流体を遮断し、流量計のゼロ点を校正する流量計が開示されている。特許文献3には、貯留部に貯めた液体を配管下流部に流すシステムにおいて、通常時には、流路に配置された流速計で流速を計測して流速に基づいて流量を演算する。このものによれば、流速低下などにより流速が検出できなくなった場合の対処法として、貯留部の水位を検出し、さらに水位から貯留部の断面積を求め、その積から現在の流量を推定することにしている。
特開平5-296815号公報 特開2003-270008号公報 特開2006-300845号公報
産業界では、カソードガス通路を流れるカソードガスの流量を検知する流量計の検知精度の経年変化等の変化を検知できることが要請されている。ここで、特許文献1〜3によれば、流量計の検知精度の経年変化等の変化を容易に検知できない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、高温の排ガスの排熱を貯湯槽の温水として回収する熱交換器の熱交換作用を利用することにより、燃料電池のカソードに供給させるカソードガスの流量を計測する流量計の検知精度の経年変化等による変化を容易に検知できる燃料電池システムを提供することを課題とする。
(1)様相1に係る燃料電池システムは、アノードガスが供給されるアノードおよびカソードガスが供給されるカソードをもつ燃料電池と、カソードガスを燃料電池のカソードに供給させるカソードガス搬送源をもつカソードガス通路と、カソード通路に設けられカソード通路からカソードに供給されるカソードガスの単位時間あたりの流量を計測する流量計と、燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、燃料電池および改質部のうちの少なくとも一方を加熱させる燃焼部と、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された排ガスを外部に排出させる排ガス通路と、温水を貯留させる貯湯槽と貯湯槽の水を貯湯槽の外部に取り出して循環させる循環通路と循環通路の水を循環搬送させる水搬送源とをもつ貯湯系と、排ガス通路および循環通路に設けられ、排ガス通路を流れる排ガスの熱からの伝熱で循環通路の水を加熱させる熱交換器と、燃料電池の発電運転を停止させ且つ水搬送源の駆動を停止させた状態において、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを熱交換器を介して外部に排出させて、熱交換器において排ガスと水とを熱交換させることにより、熱交換器内の水の温度を上昇させ、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の基準値に対する変化に基づいて、流量計の検知精度の変化を検知する流量計精度判定処理を実行する制御部とを具備することを特徴とする。
カソードガスは燃料電池のカソード(酸化剤極)に供給されるガスとして定義される。アノードガスはアノード(燃料極)に供給されるガスとして定義される。物理量は熱交換器内の水の温度上昇に関するものであれば何でも良い。物理量としては、熱交換器内の水が所定の温度分上昇するのに必要な時間、所定時間内において上昇した温度等が例示される。物理量の基準値は、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期などのいずれかのように、ユーザが燃料電池システムの実用的な発電運転をまだ充分にしていないときにおける値が好ましい。この場合には、流量計の経年変化が発生していないためである。物理量の基準値は、制御部のメモリ等の記憶媒体に予め記憶させておくことが好ましい。
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の発電運転を停止させ且つ水搬送源の駆動を停止させた状態において、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを、熱交換器を介して排出させる。熱交換器は、排ガス通路および循環通路に設けられており、排ガス通路を流れる排ガスの熱からの伝熱で循環通路の水を加熱させる。これにより、高温の排ガスの排熱により熱交換器内の水の温度を上昇させる。流量計精度判定処理において、制御部は、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量を求める。制御部は、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量と基準値とを比較し、基準値に対する物理量の変化を求める。これにより流量計の検知精度の変化を検知する。ここで、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の基準値に対する変化量が相対的に大きければ、流量計の検知精度が経年変化等により低下していることに相当する。この場合、必要に応じて、警報を出力したり、流量計で計測した流量値を校正することが好ましい。物理量の基準値に対する変化量が相対的に小さければ、流量計の検知精度が良好に維持されていることに相当する。
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の発電運転が停止された状態において流量計精度判定処理が開始される。このため流量計精度判定処理が実行されているとき、改質器において吸熱反応である改質反応が発生しておらず、排ガスの熱量の変動が抑制され、排ガスが熱交換器において失う熱量のばらつきが低減され、ひいては、熱交換器内の水が得る熱量のばらつきが低減される。よって、排ガスとの熱交換により熱交換器において昇温される水の昇温のばらつきが低減できる。これにより流量計精度判定処理における判定精度を高めるのに有利となる。
(2)様相2に係る燃料電池システムによれば、上記した様相において、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量は、熱交換器内の水が第1所定温度T1から第2所定温度T2(T2>T1)に上昇するまでの時間であることを特徴とする。熱交換器内の水が第1所定温度T1から第2所定温度T2(T2>T1)に上昇するまでの時間が変動していることは、流量計の検知精度が変動していることに相当する。熱交換器内の水の温度上昇に関する時間(物理量)の時間基準値に対する変化量が相対的に大きければ、流量計の検知精度が低下していることに相当する。この場合、必要に応じて、警報を出力したり、流量計で計測した流量値を校正することが好ましい。時間(物理量)の基準値に対する変化量が相対的に小さければ、流量計の経年変化等が少なく、流量計の検知精度が良好に維持されていることに相当する。第1所定温度T1は例えば1〜50℃の範囲で適宜選択できる。第2所定温度T2は例えば20〜95℃の範囲で適宜選択できる。要するにT2>T1であれば良い。
(3)様相3に係る燃料電池システムによれば、上記した様相において、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量は、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを排ガス通路に熱交換器を介して第1所定時間流したとき、熱交換器内の水の温度上昇幅であることを特徴とする。熱交換器内の水の温度上昇幅の変動は、流量計の検知精度が変動していることに相当する。このため、熱交換器内の水の温度上昇幅が相対的に大きければ、流量計の検知精度が低下していることに相当する。この場合、必要に応じて、警報を出力したり、流量計で計測した流量値を校正することが好ましい。時間(物理量)の基準値に対する変化量が相対的に小さければ、流量計の検知精度が良好に維持されていることに相当する。第1所定時間としては、排ガスと水とを熱交換器において熱交換させる時間であれば良く、下限値は例えば10秒、20秒にでき、上限値は例えば10分間、20分間、30分間、40分間にできる。
(4)様相4に係る燃料電池システムによれば、上記した様相において、循環通路は、貯湯槽の吐出ポートから熱交換器の水通路に繋がる往路と、熱交換器の水通路から貯湯槽の帰還ポートに繋がる復路と、往路に設けられ往路を流れる水を冷却させる冷却要素とを備えており、制御部は、流量計精度判定処理を実行する前においてあるいは流量計精度判定処理において、熱交換器内の水の温度が閾値温度よりも高温であるときあるいは高温であると予想されるとき、冷却要素を作動させて往路または熱交換器を流れる水を冷却させ、熱交換器内の水の温度を冷却要素の作動前よりも低下させることを特徴とする。
流量計精度判定処理を実行する前においてあるいは流量計精度判定処理において、熱交換器内の水の温度が閾値温度よりも高温であるときには、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを排ガス通路に熱交換器を介して流したとしても、熱交換器内の水の昇温は制約される。この場合、熱交換器内の水の温度上昇は少なくなる。従って、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の変化が相対的に少なくなる。このため、流量計の検知精度の変化量が相対的に減少し、流量計精度判定処理を良好に実行できなくなるおそれがある。そこで、制御部は、流量計精度判定処理を開始する前にあるいは流量計精度判定処理において、熱交換器内の水の温度が閾値温度よりも高温であるときあるいは高温であると予想されるとき、冷却要素を作動させて往路を流れる水を冷却させる。これにより熱交換器内の水の温度を冷却要素の作動前よりも低下させる。この結果、熱交換器内の水の昇温幅は増加する。よって、熱交換器内の水の温度上昇幅は高くなる。従って、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の変化が相対的に多くなる。このため、流量計の検知精度の変化量が相対的に増加し、流量計精度判定処理を良好に実行できる。
(5)様相5に係る燃料電池システムによれば、上記した様相において、制御部は、燃料電池の発電運転を停止した後に、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方の温度が規定温度未満となったとき、流量計精度判定処理を実行することを特徴とする。この場合、燃料電池の発電運転が停止され、且つ、排ガスの発生源である燃焼部、燃料電池および改質器のうちの一方の温度が規定温度未満となったとき、流量計精度判定処理が開始される。このように排ガスの発生源の温度が規定温度未満となっているため、熱交換器を介して排ガス通路を流れる排ガスの単位時間当たりの流量の変動が抑制されている。このように排ガスの単位時間当たりの流量の変動が抑制されている状態において、流量計精度判定処理が実行される。このため、排ガスが熱交換器において失う熱量のばらつきが低減される。従って、熱交換器内の水が得る熱量のばらつきが低減される。よって、排ガスとの熱交換により熱交換器において昇温される水の昇温のばらつきが低減できる。これにより流量計精度判定処理における判定精度を高めるのに有利となる。
本発明に係る燃料電池システムによれば、排ガスの発生源である燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを熱交換器を介して外部に排出させる。これにより、高温の排ガスから熱交換器内の水の温度を上昇させる。ここで、熱交換器において排ガスが失った熱量は、熱交換器において水が得た熱量に相当すると考えることができる。そこで、制御部は、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の基準値に対する変化に基づいて、流量計の検知精度の変化を検知する流量計精度判定処理を実行する。熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の基準値に対する変化量が相対的に大きければ、流量計の検知精度が経年変化等で低下していることに相当すると考えられる。物理量の基準値に対する変化量が相対的に小さければ、流量計の検知精度が良好に維持されていることに相当すると考えられる。このように本発明によれば、燃料電池のカソードに供給させるカソードガスの単位時間あたりの流量を計測する流量計の検知精度について、経年変化等による変化を容易に検知できる燃料電池システムを提供することができる。
実施形態1に係り、燃料電池システムを模式的に示す図である。 発電モジュールの燃料電池の発電運転を停止させた後に実行される冷却処理における温度変化を示すグラフである。 流量計特性調査処理を示すフローチャートである。 流量計特性調査処理を実行したときにおける変化状況を示すタイミングチャートである。 空気流量誤差判定フローチャートである。 流量計校正処理のフローチャートである。 システムの初期検査時において各空気流量についての基準線Fを示すと共に校正形態を示すグラフである。 システムの初期検査時において流量計アナログ電圧値と空気流量との関係に関する基準線Kiniを示すと共に校正形態を示すグラフである。 熱交換器における排ガスと水との熱交換形態を示す図である。 別の実施形態に係り、燃料電池システムを模式的に示す図である。
制御部は、熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量を求めるとき、熱交換器の水の温度を上昇させているとき、排ガスが熱交換器を単位時間あたり流れる流量をできるだけ固定させることが好ましい。後述する実施形態のように、流量計精度判定処理において、カソードガス搬送源の単位時間あたりの駆動量(例えば回転数)を同一とさせることが好ましい。流量計精度判定処理においてカソードガス搬送源からカソードに供給されるカソードガスの単位時間あたりの流量をV1,V2,V3,V4…等のように変化させるときであっても、V1,V2,V3,V4のそれぞれにおいてカソードガスの流量をこれが大きく変動しないように固定させることが好ましい。排ガスが熱交換器において失う単位時間あたり熱量をV1,V2,V3,V4…等においてそれぞれ固定的とさせるためである。流量計精度判定処理は、改質器において改質反応が行われていないときに実行されることが好ましい。改質反応による吸熱や発熱等の影響で、排ガスの温度が変動することを避けるためである。
(実施形態1)
図1は実施形態1の概念を示す。図1に示すように、燃料電池システムは、燃料電池1と、液相状の水を蒸発させて水蒸気を生成させる蒸発部2と、蒸発部2で生成された水蒸気を用いて燃料を改質させてアノードガスを形成する改質部3と、蒸発部2に供給される液相状の水を溜めるタンク4と、これらを収容する筐体5とを有する。燃料電池1は、イオン伝導体を挟むアノード10とカソード11とをもち、SOFCとも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(運転温度:例えば400℃以上)に適用されている。アノード10側から排出されたアノード排ガスは流路103を介して、燃焼部105に供給される。カソード11側から排出されたカソード排ガスは流路104を介して、燃焼部105に供給される。燃焼部105は前記アノード排ガスとカソード排ガスとを燃焼させ、蒸発部2と改質部3を加熱させる。燃焼部105には排ガス通路75が設けられ、燃焼部105における燃焼後のガスおよび、未燃焼のガスを含む燃焼排ガスが排ガス通路75を介して排出ポート75pから筐体5の外部(大気)に放出される。改質部3は、セラミックス等の担体に改質触媒を担持させて形成されており、蒸発部2に隣設されている。改質部3および蒸発部2は改質器2Aを構成しており、燃料電池1と共に断熱壁19で包囲され、発電モジュール18を形成している。発電モジュール18の改質部3の内部には改質部3の温度を検知する温度センサ33が設けられ、カソード11には燃料電池1の温度を検知する温度センサ39が設けられ、燃焼部105の内部には燃料を着火させるヒータである着火部35が設けられている。温度センサ33,39の検知信号は制御部100に入力される。着火部35は燃焼部105の燃料に着火できるものであれば何でも良い。制御部100は着火部35を作動させて燃焼部105を着火させて高温化させる。運転時には、改質器2Aは改質反応に適するように断熱壁19内において燃焼部105により加熱される。運転時には、蒸発部2は水を加熱させて水蒸気とさせ得るように加熱される。燃料電池1がSOFCタイプの場合には、アノード10側から排出されたアノード排ガスとカソード11側から排出されたカソード排ガスが燃焼部105で燃焼するため、改質部3および蒸発部2は燃焼部105で同時に加熱される。燃料通路6は、燃料源63からの燃料を改質器2Aに供給させるものであり、燃料ポンプ60、脱硫器62および流量計69をもつ。燃料電池1のカソード11には、カソードガス(空気)をカソード11に供給させるためのカソードガス通路70が繋がれている。カソードガス通路70には、カソードガス搬送用の搬送源として機能するカソードポンプ71と、カソードガス通路70を流れるカソードガス(空気)の単位時間あたりの流量計72とが設けられている。流量計72,69の検知信号は制御部100に入力される。制御部100は、タイマー計測機能をもつCPUと、記憶媒体としてのメモリ101とを内蔵する。
図1に示すように、筐体5は、外気に連通する吸気口50と排気口51とをもち、吸気口50に対向する外気温度測定用の温度センサ57と、更に、第1室である上室空間52と、第2室である下室空間53とをもつ。燃料電池1は、改質部3および蒸発部2と共に、筐体5の上側つまり上室空間52に収容されている。筐体5の下室空間53には、改質部3で改質される液相状の水を溜めるタンク4が収容されている。タンク4には、電気ヒータ等の加熱機能をもつ加熱部40が設けられている。加熱部40は、タンク4に貯留されている水を加熱させるものであり、電気ヒータ等で形成できる。外気温度等の環境温度が低いとき等には、制御部100からの指令に基づいて、タンク4の水は加熱部40により所定温度(例えば5℃、10℃、20℃)以上に加熱され、凍結が抑制される。なお、タンク4内の水位は基本的にはほぼ同一となるようにされていることが好ましい。
図1に示すように、下室空間53側のタンク4の出口ポート4pと上室空間52側の蒸発部2の入口ポート2iとを連通させる給水通路8が、筐体5内に設けられている。図1に示すように、筐体5内において、タンク4は蒸発部2の下側に配置されているため、給水通路8は、タンク4内に溜められている水をタンク4の入口ポート2iから蒸発部2に供給させる通路である。給水通路8には、タンク4内の水を蒸発部2まで搬送させる水搬送源として機能するポンプ80が設けられている。ポンプ80はギヤポンプ等のシール性が良い公知のポンプを採用できる。なお、給水通路8は蒸発部2,改質部3、燃料電池1等を介して大気に連通するようにされている。
システムの運転時において、ポンプ80が駆動すると、タンク4内の水は、タンク4の出口ポート4pから蒸発部2の入口ポート2iに向けて給水通路8内を搬送され、蒸発部2で加熱されて水蒸気とされる。なお燃料通路6から供給される燃料(13A)がメタン系である場合には、水蒸気改質による水素含有ガス(アノードガス)の生成は、次の(1)式に基づくと考えられている。但し燃料はメタン系に限定されるものではない。
(1)…CH+2HO→4H+CO
CH+HO→3H+CO
水蒸気は燃料通路6から供給される燃料(ガス状が好ましいが、場合によっては液相状としても良い)と共に改質部3に移動する。改質部3において燃料(13A)は水蒸気で改質されてアノードガス(水素含有ガス)となる。アノードガスはアノードガス通路73を介して燃料電池1のアノード10に供給される。更にカソードガス(酸素含有ガス、筐体5内の空気)がカソードガス通路70を介して燃料電池1のカソード11に供給される。これにより燃料電池1が発電する。
上記した発電反応においては、アノードガスとして水素含有ガスが供給されるアノード10では、基本的には(2)の反応が発生すると考えられている。空気(酸素)がカソードガスとして供給されるカソード11では、基本的には(3)の反応が発生すると考えられている。カソード11において発生した酸素イオン(O2−)がカソード11からアノード10に向けて電解質を伝導する。
(2)…H+O2−→HO+2e
COが含まれている場合には、CO+O2−→CO+2e
(3)…1/2O+2e→O2−
発電反応後のアノードオフガスは、発電反応しなかった水素を含む。カソードオフガスは発電反応に未反応な酸素を含む。アノードオフガスおよびカソードオフガスは、燃焼部105に排出されて燃焼される。燃焼した後のアノードオフガスおよびカソードオフガスは、高温の排気ガスとなり、熱交換器76のガス通路76xを経て排ガス通路75を流れ、更に、これの先端の排気ポート75pから筐体5の外部に放出される。排ガス通路75には、凝縮機能をもつ熱交換器76が設けられている。熱交換器76は、排ガス通路75に繋がるガス通路76xと、循環通路78に繋がる水通路78xとをもつ。水通路78の水温を検知する水温度センサ301が設けられている。水温度センサ301の検知信号は制御部100に入力される。
図1に示すように、貯湯槽77に繋がる循環通路78および循環ポンプ79(水搬送源)が貯湯系として設けられている。循環通路78は往路78aおよび復路78cをもつ。貯湯槽77の底部77r付近の低温の水は、循環ポンプ79の駆動により、貯湯槽77の吐出ポート77pから吐出されて往路78aを通過し、熱交換器76の通路78xに至り、排ガスの排熱で熱交換器76で加熱される。熱交換器76で加熱された水は、復路78cを介して帰還ポート77iから貯湯槽77に帰還する。このようにして貯湯槽77の水は温水となる。前記した排ガス通路75を流れる排ガスに含まれていた水蒸気は、熱交換器76で凝縮されて凝縮水となる。凝縮水は、熱交換器76から延設された凝縮水通路42を介して重力等により浄水部43に供給される。浄水部43はイオン交換樹脂等の水浄化剤43aを有するため、凝縮水の不純物は除去される。不純物が除去された水はタンク4に移動し、タンク4に溜められる。ポンプ80が駆動すると、タンク4内の水は給水通路8を介して高温の蒸発部2に供給され、蒸発部2で水蒸気とされて改質部3に供給され、改質部3において燃料を改質させる改質反応として消費される。
ところで、この燃料電池1は、400℃以上の高温(例えば600〜700℃)に昇温された状態で発電運転される。従って発電モジュール18の内部は高温となる。発電運転している燃料電池システムの発電運転を停止させたときには、燃料電池1が前記した温度から所定の規定温度に低下するまで、燃料電池1を搭載する発電モジュール18に空気を流して発電モジュール18の内部を冷却させる。
更に説明を加える。本実施形態によれば、発電運転している燃料電池システムの発電運転を停止させたときには、アノード10等の発電モジュール18の材料が酸化劣化する酸化劣化温度領域Toxide(例えば400℃以上の領域)において、燃料ポンプ60の駆動を継続させて燃料通路6からアノード10に燃料を流し、且つ、ポンプ80の駆動を継続させて給水通路8から改質水を蒸発部2に流し、且つ、カソードポンプ71の駆動を継続させてカソード11に空気(カソードガス)を流しながら発電モジュール18の内部を冷却させる。このように発電モジュール18の内部が空気で冷却されるとき、改質部2Aにおいて水素ガスが発生する。このため、発電モジュール18の内部が還元性雰囲気に維持され、発電モジュール18内部の酸化劣化が抑制され、耐久性が向上する。
発電モジュール18の冷却が進行して発電モジュール18の内部温度が酸化劣化温度領域Toxideの下限の温度Tfinal(規定温度に相当)未満になると、酸化劣化のおそれが解消されるため、水素ガスを発生させずとも良い。そこで制御部100は、燃料ポンプ60を停止させて改質器2Aへの燃料の供給を停止させ、且つ、ポンプ80の駆動を停止させて改質器2Aへの改質水の供給を停止させる。しかし発電モジュール18の内部温度が温度Tfinal未満になっているといえども、制御部100は、カソードポンプ71の駆動を継続させてカソードガスである空気を冷却風としてカソードガス通路70からカソード11に流しながら、発電モジュール18の内部を所定温度Tcool(例えば150℃)まで冷却させる。カソード11に供給された空気は、カソード11を冷却させると共に流路104から燃焼部105(燃料ポンプ60が停止しており、燃料が改質器2Aに供給されていないため、燃焼部105では燃焼が発生していない)に流れ、更に、排ガス通路75の排出ポート75pから熱交換器76のガス通路76xを経て排ガスとして外部に排出される。
図2は、発電モジュール18内の燃料電池1の冷却処理の一例を示す。図2において、特性線W1は燃料電池1の温度(温度センサ39の検知温度)を示す。特性線W2は発電モジュール18から排出される排ガスの温度を示す。特性線W3は改質水の温度を示す。上記した酸化劣化温度領域Toxideは、燃料電池1の温度(温度センサ39の温度)が酸化劣化温度領域Toxideの下限の温度Tfinal(例えば400℃)以上の領域とする。図2から理解できるように、システムの発電運転を停止した時刻t1から、発電モジュール18の内部温度が酸化劣化温度領域Toxideの下限の温度Tfinal(請求項5の規定温度に相当,例えば400℃)に到達する時刻t3まで、制御部100は、燃料ポンプ60の駆動を継続させて燃料通路6からアノード10に燃料を流し、且つ、ポンプ80の駆動を継続させて給水通路8から改質水を蒸発部2に流し、これにより発電モジュール18の内部で水素ガス(還元性ガス)を発生させ、且つ、カソードポンプ71の駆動を継続させてカソード11に空気(カソードガス)を流しながら発電モジュール18の内部を冷却させる。時刻t3において、制御部100は、燃料ポンプ60を停止させて燃料(13A)の供給を停止させると共に、ポンプ80を停止させて改質水の供給を停止させる。そして、時刻t3から燃料電池1の温度が所定の冷却温度Tcool(例えば150℃)になるまで、制御部100は、ポンプ60,80を停止させた状態で、カソードポンプ71の駆動を継続させ、燃料電池1のカソード11に空気(カソードガス)を流しながら発電モジュール18の内部を冷却させる。このとき、図2の特性線W4として示すように、制御部100は、カソードポンプ71の回転数を固定値とし、カソード11に供給させる空気の単位時間あたりの流量を固定値に維持させることが好ましい。
上記したように発電モジュール18の内部を冷却させているとき、前述したようにカソードポンプ71の駆動を継続させてカソードガス通路70からカソード11に空気(カソードガス)を流している。このため、上記した空気は、発電モジュール18から排ガスとして排ガス通路75を流れ、ガス入口ポート76iから熱交換器76のガス通路76xを通過し、ガス出口ポート76pを通過し、更に排ガス通路75の排出ポート75pから外部に放出される。このとき、熱交換器76のガス通路76xを通過する高温の排ガスの熱は、基本的には、熱交換器76の水通路78xの水の温度に変換される。ここで、熱交換器76のガス通路76xにおいて排ガスが失った熱量は、基本的には、熱交換器76の水通路78xにおいて水が得た熱量に相当すると考えることができる。このように本実施形態は、燃料電池1の発電運転を停止させた後の冷却処理において、カソードポンプ71を駆動させてカソード11に空気(カソードガス)のみ流して発電モジュール18の内部を冷却させる空気冷却シーケンスにおいて流量計精度判定処理を実行するものである。このような本実施形態によれば、燃料電池システムの発電運転の停止後に発電モジュール18を空気により冷却させる冷却処理において流量計精度判定処理を実行する。従って、流量計精度判定処理は、改質器2Aにおいて水素を生成させる改質反応が行われていないときに実行される。このため、改質反応に起因する吸熱や発熱等の影響で、排ガスの温度が変動することを避けることができる。
本実施形態によれば、流量計精度判定処理において、発電運転の停止後であり高温状態の発電モジュール18から排出される排ガスがもつ排熱を利用して、制御部100は、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量を固定させる。この状態において、制御部100は、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(例えば10℃,請求項2の第1所定温度T1に相当)から昇温温度Thigh(例えば70℃,請求項2の第2所定温度T2に相当)まで上昇させるに必要な時間(物理量)を計測する。そして制御部100は、計測された時間と、メモリ101に格納されている基準値とを比較する。その時間が基準値に対して変化している変化量の大小に基づいて、制御部100は、カソードガス通路70の流量計72の流量誤差(例えば経年変化による誤差)を判定する。
すなわち、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期では、流量計72の誤差は基本的には無いか、極めて小さく、公差内である。このため、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期のうちのいずれか一つを初期検査時とする。初期検査時において、制御部100は、カソードポンプ71の回転数を固定し、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量を固定させた状態において、熱交換器76の水通路78xの水が、初期温度Tlow(例えば10℃、第1所定温度T1に相当)から昇温温度Thigh(例えば70℃、第2所定温度T2に相当)まで上昇するのに必要な昇温時間(物理量)を計測する。制御部100は、このように計測された昇温時間を初期検査時における基準値として制御部100のメモリ101のエリアに記憶させる。
そして、燃料電池システムの発電運転が停止するごとにあるいは発電運転の停止回数の累積が所定回数となったときに、制御部100は、流量計精度判定処理を実行する。流量計精度判定処理においては、制御部100は、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量を固定した状態とし、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)まで上昇するのに必要な時間を計測する。そして、制御部100は、計測された時間とメモリ101内の基準値とを比較する。両者の間に所定値以上のズレが発生している場合には、制御部100は、カソードガス通路70の流量計72において経年変化等により計測誤差が発生していると判断し、流量計72の交換を促す警報を警報器102に発報する。もしくは制御部100は、流量計72の計測誤差を校正する必要があると判断し、計測した流量を校正し、校正した流量を表示部109に表示する。校正については後述する。上記したズレが相対的に小さい場合には、制御部100は、カソードガス通路70の流量計72は正常である旨を判定する。
(実施形態2)
本実施形態は実施形態1と基本的に共通の構成および共通の作用効果を有するため、図1および図2を準用できる。本実施形態によれば、前記した実施形態と同様に、燃料電池システムの発電運転の停止後に発電モジュール18を空気により冷却させる冷却処理において、停止後であり高温状態の発電モジュール18から排出される排ガスがもつ排熱を利用する。本実施形態によれば、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期等といった初期検査時において、制御部100は、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量をV1→V2→V3……のように段階的に増加させて変化させる。そして制御部100は、空気の各量において、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(例えば10℃,第1所定温度T1に相当)から昇温温度Thigh(例えば70℃,第2所定温度T2に相当)まで上昇させるに必要な時間を計測する。制御部100は、このように計測された昇温時間を初期検査時における基準値として制御部100のメモリ101のエリアに記憶させる。
そして、燃料電池システムの発電運転が停止するごとにあるいは発電運転の停止回数の累積が所定回数となったときに、制御部100は、流量計精度判定処理を実行する。流量計精度判定処理においては、制御部100は、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量をV1→V2→V3……のように段階的に増加させて変化させる。そして制御部100は、空気の各流量V1,V2,V3,……のそれぞれに固定させた状態で、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(例えば10℃,第1所定温度T1に相当)から昇温温度Thigh(例えば70℃,第2所定温度T2に相当)まで上昇させるに必要な時間を計測する。
制御部100は空気の各流量V1,V2,V3,……のそれぞれにおいて、その時間と基準値とを比較する。その時間が基準値に対して変化している変化量の大小に基づいて、制御部100は、カソードガス通路70の流量計72の流量誤差(例えば経年変化による誤差)を判定することができる。すなわち、前述したように、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期では、流量計72の誤差は基本的には無いか、極めて小さく、公差内であると考えられる。このため、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期のうちのいずれか一つの初期検査時において、制御部100は、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(例えば10℃、第1所定温度T1に相当)から昇温温度Thigh(例えば70℃、第2所定温度T2に相当)まで上昇するのに必要な昇温時間(物理量)を求める。制御部100は、この昇温時間を初期検査時における基準値として制御部100のメモリ101のエリアに記憶させる。
そして、燃料電池システムの発電運転が停止するごとにあるいは発電運転の停止回数の累積が所定回数となったときに、制御部100は、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量を段階的に変化させた各流量において、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)まで上昇するのに必要な時間を計測する。そして計測された時間とメモリ101内の基準値とを比較し、両者の間に所定値以上のズレが発生している場合には、制御部100は、カソードガス通路70の流量計72において経年変化等により計測誤差が発生していると判断し、流量計72の交換を促す警報を警報器102に発報する。もしくは制御部100は、流量計72の計測誤差を校正する必要があると判断し、計測した流量を校正し、校正した流量を表示部109に表示する。
本実施形態によれば、制御部100は、燃料電池1の発電運転を停止した後に、流量計精度判定処理を実行する。燃料電池1の発電運転が停止されているため、排ガスの単位時間当たりの流量の変動が抑制されつつ、流量計精度判定処理が実行される。このため、排ガスの排熱が熱交換器76の水通路78xの水に熱交換されて水を昇温させる度合のばらつきを低減できる。これにより流量計精度判定処理における判定精度を高めるのに有利となる。なお、燃料電池1のカソード11に供給される空気(カソードガス)の単位時間あたりの流量をV5→V4→V3……のように段階的に減少させ、空気の各流量V5,V4,V3……のそれぞれにおいて、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlow(第1所定温度T1に相当)から昇温温度Thigh(第2所定温度T2に相当)まで上昇させるに必要な時間を計測することにしても良い。
(実施形態3)
図3は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成、共通の作用効果を奏するため、図1および図2を準用する。図3は、制御部100のCPUが初期検査以降において実行する流量計特性調査処理のフローチャートを示す。まず、制御部100は、燃料電池システムの発電運転が停止され、燃料電池1の温度(温度センサ39の温度)が発電モジュール18の酸化劣化温度領域Toxideの下限温度Tfinal(規定温度に相当)未満となったか否かを判定する(ステップS102)。当該温度が酸化劣化温度領域Toxideの下限温度Tfinal未満となれば(ステップS102のYes)、制御部100は、燃料ポンプ60およびポンプ80を停止させて燃料および改質水の改質器2Aへの供給を停止させると共にカソードポンプ71の駆動を継続させ、更に、カソードポンプ71により燃料電池のカソード11に供給する単位時間あたりの空気流量V1をVairとして設定する(ステップS104)。V1は例えば10NL/minにできる。
次に熱交換器76の水通路78xにおける水の初期温度Tlowを設定すべく、制御部100は、循環ポンプ79を駆動させるべくこれのデューティ値を所定値(例えば80%)に設定する(ステップS106)。すなわち、熱交換器76の水通路78xの水の初期温度TlowがT10(例えば10℃)になるまで、循環ポンプ79を駆動させる。これにより貯湯槽77の底部77r付近の相対的に低温の水が、往路78aを介して熱交換器76の水通路78xに供給される。このように熱交換器76の水の初期温度TlowがT10(例えば10℃)になるまで循環ポンプ79を駆動させる。熱交換器76の水通路78xの水の初期温度がT10(例えば10℃)に低下したら(ステップS108のYes)、制御部100のタイマー計測をスタートさせる(ステップS110)とともに、循環ポンプ79のデューティ値を0%に設定し、循環ポンプ79の駆動を停止させる(ステップS112)。これにより熱交換器76の水通路78xの水の移動は抑えられ、熱交換器76における通水は停止される。この状態で、熱交換器76の水通路78xの温度が昇温温度ThighがT70(例えば70℃)に上昇するまで、制御部100は待機する(ステップS114のNo)。排ガスとの熱交換により、熱交換器76の水通路78xの水の温度がT70(例えば70℃)に上昇すると(ステップS114のYes)、制御部100はタイマー計測を終了させる。そして、空気流量がV1のときにおいて、制御部100は、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_10として、制御部100のメモリ101のエリアに格納させて記憶させる(ステップS116)。
次に、発電モジュール18に供給する単位時間あたりの空気流量VairがV5か否か判定する(ステップS118)。V5は例えば50NL/minに設定できる。空気流量VairがV5にまだ到達していなければ(ステップS118のNo)、現在の空気流量VairにΔV(例えば10NL/minに設定できる)を加算した値V2を、新空気流量Vairとして再設定する(ステップS122)。そしてステップS106〜ステップS122を繰り返す。このようにして燃料電池1のカソード11に供給する空気流量Vairについて、V1→V2→V3→V4→V5として順次増加させ、新空気流量Vairとして再設定する。空気流量VairがV5に到達してタイマー計測が終了すれば(ステップS118のYes)、制御部100は、流量計特性調査処理のフローチャートを終了する。
上記した結果、空気流量がV2と固定されているときにおいて、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_20を、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる(ステップS116)。同様に、空気流量がV3と固定されているときにおいて、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_30として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。同様に、空気流量がV4と固定されているときにおいて、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_40として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。同様に、空気流量がV5と固定されているときにおいて、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_50として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。
本実施形態によれば、流量計精度判定処理ばかりか、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期のうちのいずれかの初期検査時においても、図3に示すフローチャートが実行されている。従って、当該初期検査時において、制御部100は、空気流量がV1のときにおいて、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_ini_10として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。iniはinitialを意味する。
そして初期検査時において制御部100は、空気流量がV2のときにおいて、熱交換器の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_ini_20として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。同様に、初期検査時において空気流量がV3のとき、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_ini_30として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。同様に、初期検査時において空気流量がV4のとき、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_ini_40として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。同様に、初期検査時において空気流量がV5のとき、熱交換器76の水の初期温度Tlow(例えば10℃)から昇温温度Thigh(例えば70℃)に到達するまでの時間t_ini_50として、メモリ101のエリアに格納させて記憶させる。
図4は、上記した初期検査時および流量計精度判定処理において実行される流量計特性調査処理のフローチャート(図3)を実行した場合におけるタイミングチャートを示す。図4の(A)は燃料電池1のカソード11に供給される空気流量の変化を示す。図4の(A)に示すように、カソード11に供給される空気流量は、特性線V1→V2→V3→V4→V5のように段階的に増加されて変化される。図4の(B)は、貯湯槽77の底部77r付近の相対的に低温の水を熱交換器76の水通路78xに供給させるための循環ポンプ79のデューティ値およびオンオフ状態の変化を示す。循環ポンプ79は、特性線B11においてオンされ、特性線B12においてオフされ、特性線B21においてオンされ、特性線B22においてオフされる。特性線B31においてオンされ、特性線B32においてオフされる。特性線B41においてオンされ、特性線B42においてオフされる。特性線B51においてオンされ、特性線B52においてオフされる。
このように循環ポンプ79がオンされると、貯湯槽77の底部77r付近の相対的に低温の水は、往路78aを介して熱交換器76の水通路78xに供給される。循環ポンプ79がオフされると、熱交換器76の水通路78xの通水は停止さ、熱交換器76の水は基本的には停止状態とされる。このとき発電モジュール18からの高温の排ガスが排ガス通路75を介して熱交換器76のガス通路76xに流れるため、熱交換器76の水通路78xの水は熱交換により効率よく昇温される。
図4において、燃料電池1の温度が温度Tfinal未満となる時刻t3から、流量計精度判定処理が開始される。図4の(C)は熱交換器76の水通路78xの水の温度を示す。熱交換器76の水通路78xの水は停止状態とされているものの、カソードポンプ71により空気が発電モジュール18に供給され、発電モジュール18から高温の排ガスが排ガス通路75を介して熱交換器76のガス通路76xに流れるため、熱交換器76の水通路78xの水は時刻tbから昇温される。時刻tb〜時刻tcにおいては、熱交換器76の水通路78xの水は停止状態とされ、排ガスとの熱交換により昇温する。時刻td〜時刻teにおいては、熱交換器76の水通路78xの水は停止状態とされ、排ガスとの熱交換により昇温する。時刻tf〜時刻thにおいては、熱交換器76の水通路78xの水は停止状態とされ、排ガスとの熱交換により昇温する。時刻ti〜時刻tjにおいては、熱交換器76の水通路78xの水は停止状態とされ、排ガスとの熱交換により昇温する。時刻tk〜時刻tmにおいては、熱交換器76の水通路78xの水は停止状態とされ、排ガスとの熱交換により昇温する。
このようにして、図4から理解できるように、制御部100は、空気流量がV1のときにおいて熱交換器76の水が初期温度Tlowから昇温温度Thighに到達するまでの時間t_10を求める。制御部100は、空気流量がV2のときにおいて熱交換器76の水が初期温度Tlowから昇温温度Thighに到達するまでの時間t_20を求める。制御部100は、空気流量がV3のときにおいて熱交換器76の水が初期温度Tlowから昇温温度Thighに到達するまでの時間t_30を求める。制御部100は、空気流量がV4のときにおいて熱交換器76の水が初期温度Tlowから昇温温度Thighに到達するまでの時間t_40を求める。制御部100は、空気流量がV5のときにおいて熱交換器76の水が初期温度Tlowから昇温温度Thighに到達するまでの時間t_50を求める。
上記のように制御部100は1回の流量計特性調査処理において、カソード11に供給させる空気流量をV1,V2,V3,V4,V5と増加させつつ変化させつつ、時間t_10、t_20、t_30、t_40、t_50を求める。この場合、V1<V2<V3<V4<V5の関係であるため、t_10>t_20>t_30>t_40>t_50の関係となる。熱交換器74のガス通路76xを流れる排ガスの単位時間あたりの流量が増加すると、排ガスから熱交換器76の水通路78xの水に伝達される単位時間あたりの熱量が増加し、昇温速度が速くなるためである。
図5は、本実施形態に係る流量計精度判定処理の一環として実行される空気流量誤差判定フローチャートを示す。制御部100は、図5のフローチャートを図3のフローチャートの後で実行する。図3に示す流量計特性調査処理が終了すれば(ステップS210のYes)、計測時間と基準値との偏差を演算する演算処理を行う(ステップS220)。演算処理によれば、空気流量がV1のときにおいて、初期検査時に取得した基準値t_ini_10と計測値t_10との偏差d_10を求める。空気流量がV2のときにおいて基準値t_ini_20と計測値t_20との偏差d_20を求める。空気流量V3のときにおいて基準値t_ini_30と計測値t_30との偏差d_30を求める。空気流量がV4のときにおいて基準値t_ini_40と計測値t_40との偏差d_40を求める。空気流量がV5のときにおいて基準値t_ini_50と計測値t_50との偏差d_50を求める(ステップS220)。
次に、流量計72の計測誤差の有無について上記偏差に基づいて判定する(ステップS230)。即ち、制御部100は、上記した偏差d_10,d_20,d_30,d_40,d_50のうち最大値を選択し、最大値が閾値α未満であれば(ステップS230のNo)、カソードガス通路70の流量計72の誤差は許容範囲内であり、正常であると判定する(ステップS240)。最大値が閾値α以上であれば(ステップS230のYes)、制御部100は、許容できない誤差が流量計72に経年変化等により発生している判定する(ステップS250)。この場合、制御部100は、流量計72の交換を促すアラームを警報器102に発報するかあるいは流量計の計測値を補正する流量計校正ロジックフラグをオンさせる(ステップS250)。なお、偏差の最大値ではなく、各偏差の平均値と閾値αaveとを比較しても良い。更には、各偏差の上限と下限との間の中間値と中間閾値αmiddleとを比較しても良い。
図6は、本実施形態に係る流量計精度判定処理の一環として実行される流量計校正処理のフローチャートを示す。制御部100は、図6のフローチャートを図5のフローチャートの後で実行する。すなわち、流量計72の計測値の校正が必要とされ、上記した流量計校正ロジックフラグがオンされているときには(ステップS310のYes)、制御部100は、空気流量校正量演算処理を実行し(ステップS320)、流量計72の実際に計測した空気流量を演算処理に基づいて校正(補正)する(ステップS330)。
この処理について説明を加える。図7に示すように、燃料電池システムの製造時、出荷前、設置時、運転開始初期等のいずれかにおいて初期検査が流量計72について実行されている。即ち、システムの初期検査時(流量計72の経年変化がない状態)において、空気流量を変化させた状態で、熱交換器76の水が第1所定温度T1から第2所定温度T2に昇温するまでの時間をそれぞれ計測して基準線Fを求めておく。ここで、基準線Fによれば、初期検査時において、空気流量がV1(例えば10NL/min)のとき、熱交換器76の水通路78xの水が初期温度Tlowから昇温温度Thighまでに昇温するのに必要とする時間が50secであったと仮定する。そして、初期検査から所定期間経過したときにおいて流量計精度判定処理を実行したとき、空気流量の計測値がV1(例えば10NL/min)とされたにもかかわらず、熱交換器76の水が初期温度Tlowから昇温温度Thighに昇温するまでに必要とする時間が60secであった場合には、基準線Fに基づいて、制御部100は、Δη(例えば2NL/min)分減算して、空気流量はV1(例えば10NL/min)ではなく、V1−Δη(例えば8NL/min)であると演算して校正する。
図8は、カソードガスの流量計72の計測値について他の校正形態を示す。基準線Kiniは、初期検査時(経年変化なし)におけるカソードガス通路70の流量計72が示すアナログ電圧値と計測流量との関係を示す。特性線K2は、初期検査から所定期間経過したときにおいて実行された流量計精度判定処理における流量計72が示すアナログ電圧値と計測流量との関係を示す。初期検査で求めた基準線Kiniによれば、アナログ電圧値がE5であれば、空気流量はV100として示され、アナログ電圧値がE1であれば流量は0として示される。しかし、システムの発電運転を長期間にわたり実行したときには、経年変化等の影響を受けて0点はずれ、流量は実流量に対してΔγ増加して示される。すなわち、アナログ電圧値がE5であれば流量はΔγ増加してV110として示される。アナログ電圧値がE1であれば流量はΔγ増加してV10として示される。このため、制御部100は、アナログ電圧値に基づいて求められた計測値からΔγ減算した値を校正流量値として表示する。
(実施形態4)
図9は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成、共通の作用効果を奏するため、図1および図2を準用する。図9に示すように、熱交換器76のガス通路76xのガス入口ポート76i側の上流の排ガス温度Tg_inを検知する上流温度センサ201が設けられている。熱交換器76のガス通路76xのガス出口ポート76p側の下流の排ガス温度Tg_outを検知する下流温度センサ202が設けられている。熱交換器の水通路78xの水の温度Twを検知する水温度センサ301が設けられている。
本実施形態においても、燃料電池システムの発電運転を停止させた後、システムの発電運転を停止した時刻t1(図2参照)から、燃料電池1の温度が酸化劣化温度領域Toxideの下限の温度Tfinal(例えば400℃)に到達する時刻t3まで、燃料ポンプ60の駆動を継続させて燃料通路6からアノード10に燃料を流し、且つ、ポンプ80の駆動を継続させて給水通路8から改質水を蒸発部2に流し、これにより発電モジュール18の内部で水素ガス(還元性ガス)を発生させ、且つ、カソードポンプ71の駆動を継続させてカソード11に空気(カソードガス)を流しながら発電モジュール18の内部を冷却させる。燃料電池1の温度が温度Tfinal(規定温度)に低下した時刻t3において、燃料ポンプ60を停止させて燃料の供給を停止させると共に、ポンプ80を停止させて改質水の供給を停止させる。そして、時刻t3(図2参照)から流量計精度判定処理を開始する。流量計精度判定処理においては、発電モジュール18の内部が所定の冷却温度Tcool(例えば150℃)になるまで、ポンプ60,80を停止させた状態で、カソードポンプ71の駆動を継続させ、燃料電池1のカソード11に空気(カソードガス)のみを流しながら発電モジュール18の内部を冷却させる。
上記したようにカソードポンプ71の駆動を継続させてカソードガス通路70からカソード11に空気(カソードガス)を流しているため、上記した空気は、発電モジュール18から排ガスとして排ガス通路75を流れ、ガス入口ポート76iから熱交換器76のガス通路76xを通過し、ガス出口ポート76pを通過し、更に排ガス通路75の排出ポート75pから外部に放出される。このとき、熱交換器76のガス通路76xを通過する高温の排ガスの熱は、基本的には、熱交換器76の水の温度に変換されると考えられる。ここで、熱交換器76のガス通路76xにおいて排ガスが失った熱量は、基本的には、熱交換器76の水通路78xにおいて水が得た熱量に相当すると考えることができる。
更に説明を加える。本実施形態は、燃料電池1の発電運転を停止させた後の冷却処理において、カソードポンプ71を駆動させてカソード11に空気(カソードガス)のみ流して発電モジュールの内部を冷却させる空気冷却シーケンスに着目したものである。すなわち、前述したように、循環ポンプ79の駆動を停止させた状態において、カソードポンプ71を駆動させて空気(カソードガス)をカソード11に供給し、燃料電池1などの発電モジュール18の内部を冷却させた後に、発電モジュール18から排ガス通路75から熱交換器76を経て排出ポート75pから外部に排出させる。このように高温の排ガスを熱交換器76を介して排ガス通路75から排出させることにより、熱交換器76内の水の温度を上昇させる。制御部100は、所定時間(t_ΔTとして示す)における熱交換器76の水通路78x内の水の温度上昇幅(物理量)を求める。そして所定時間(t_ΔT)における温度上昇幅と基準値とに対する変化に基づいて、流量計72の検知精度の変化を検知する流量計精度判定処理を実行する。
<初期検査時>
初期検査とは、燃料電池システムの製造時、出荷時、設置時、運転開始初期等のいずれかのように、ユーザ側での実質的な発電運転を実施する前における初期段階における検査をいう。初期検査では、流量計72の経年変化は発生しておらず、流量計72が示す流量値は正常であると推定される。初期検査時において熱交換器76内の水が得た熱量Qw_gain_iniは、基本的には式(1)で示される。iniはinitial(初めの)の略記を示す。
式(1)…Qw_gain_ini = Cw×Mw×(Tw_1 − Tw_2)
初期検査時において、時間t_ΔT_ini(第1所定時間)において、熱交換器76内で排ガスが失った熱量Qg_lost_iniは、基本的には式(2)で示される。
式(2)…Qg_lost_ini = Cair×Vair_ini×t_ΔT_ini×dair×(Tg_in_ini − Tg_out_ini)
Vairの単位は[NL/min]であり、単位時間あたりの流量の概念をもつ。
ここで、時間t_ΔT(第1所定時間)において、熱交換器76のガス通路76x内で高温の排ガスが失った熱量が熱交換器76の水通路78x内の水に伝達され、熱交換器76の水通路78x内の水が得た熱量と、熱交換器76のガス通路76x内で高温の排ガスが失った熱量が等しいと考えることができる。したがって、基本的には式(3)、式(4)が成立する。Mwは、熱交換器76内の水の質量を示す。
式(3)… Qw_gain_ini = Qg_lost_ini
Cw×Mw×(Tw_1 − Tw_2)=
Cair×Vair_ini×t_ΔT_ini×dair×(Tg_in_ini −Tg_out_ini)
∴Mw ={Cair×Vair_ini×dair×(Tg_in_ini − Tg_out_ini)}
/ {Cw×(Tw_1 − Tw_2)}
式(4)…Vair_ini={Cw×Mw×(Tw_1 − Tw_2)}
/Cair×t_ΔT_ini×dair×(Tg_in_ini − Tg_out_ini)
但し、Vair_iniについては、式(4)に基づいて演算で求めずとも、初期検査において流量計72が示す値が正値であるとみなしうる。初期検査では、流量計72の経年変化は発生しておらず、正常であるためである。
<流量計精度判定処理>
初期検査が実行された後にシステムの発電運転が長期間にわたり継続される。システムの発電運転が停止する毎にあるいは停止回数の累積値が所定値と到達するときにおいて、前述同様に発電モジュール18の内部温度が温度Tfinal(規定温度)にまで低下したら、制御部100は、ポンプ80,60を停止させて改質水および燃料の改質器2Aへの供給を停止させつつ、カソードポンプ71の作動を継続させて空気のみをカソード11に供給させて発電モジュール18の冷却を行う。更に制御部100は,流量計精度判定処理を自動的に実行する。このように流量計精度判定処理では改質反応により水素は発生していない。流量計精度判定処理において、熱交換器76内の水が得た熱量Qw_gainは、基本的には式(1A)で示される。
式(1A)…Qw_gain =Cw×Mw×(Tw_1 − Tw_2)
初期検査後に実行される流量計精度判定処理において、時間t_ΔT(第1所定時間)において、熱交換器76内で排ガスが失った熱量Qg_lostは、基本的には式(2A)で示される。
式(2A)…Qg_lost = Cair×Vair×t_ΔT×dair×(Tg_in − Tg_out)
ここで、前述同様に、時間t_ΔT(第1所定時間)において、熱交換器76において水が得た熱量と、熱交換器76において排ガスが失った熱量が等しいと考えることができる。したがって、式(3A)が成立する。Mwは、熱交換器76内の水の質量を示す。
式(3A)… Qw_gain = Qg_lost
Cw×Mw×(Tw_1 − Tw_2)=Cair×Vair×t_ΔT×dair×(Tg_in − Tg_out)
∴Vair ={Cw×Mw×(Tw_1 − Tw_2)}
/{Cair×t_ΔT×dair×(Tg_in − Tg_out)}
以上の結果から、カソードガス通路70に設けられているカソードガス用の流量計72について、基準値に対する流量誤差ω=Vair_ini(初期検査における流量計72の計測値,基準値)−Vairが成立する。
上記したように基準値に対する流量誤差ωが閾値β未満であれば、制御部100は、流量計72は正常であると判定する。基準値に対する流量誤差ωが閾値β以上であれば、制御部100は、許容できない誤差が流量計72に経年変化等により発生していると判定する。この場合、制御部100は、流量計72の交換を促すアラームを警報器102に発報するかあるいは流量計校正ロジックフラグをオンさせる。
上記した式において、
Qw_gain _ini: 初期検査時において熱交換器で循環水が得た熱量
Qg_lost_ini :初期検査時において熱交換器で排ガスが失った熱量
Cw:水の比熱
Mw:熱交換器内の水の質量
Tw_1:熱交換器76における循環水の初期温度
Tw_2 :熱交換器76における循環水の昇温温度
Cair:空気の比熱
Vair_ini:初期検査時(initial)における空気流量
dair:空気の密度
t_ΔT_ini:初期検査時(initial)において循環水の温度上昇に要した時間
Tg_out_ini:初期検査時において熱交換器出口側の排気ガス温度
Tg_in_ini:初期検査時において熱交換器入口側の排気ガス温度
Qw_gain: 熱交換器で循環水が得た熱量
Qg_lost:熱交換器で排ガスが失った熱量
Qg_gain : 循環水が得た熱量
Vair:流量計精度判定処理における空気流量
t_ΔT:流量計精度判定処理において循環水の温度上昇に要した時間
Tg_out:熱交換器76の出口側の排気ガス温度
Tg_in:熱交換器76の入口側の排気ガス温度
(実施形態5)
図10は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1〜4と基本的には共通の構成、共通の作用効果を奏するため、図2〜図9を準用でき。図10に示すように、循環通路78は、貯湯槽77の吐出ポートから熱交換器76の水通路78xの水入口ポート78iに繋がる往路78aと、熱交換器76の水通路78xの水出口ポート78pから貯湯槽77の帰還ポート77iに繋がる復路78cと、往路78aに設けられ往路78を流れる水を冷却させる冷却要素として機能するラジエータ400とを備えている。ラジエータ400は、往路78aの水が流れる放熱器401と、放熱器401に送風することにより放熱器401の放熱を促進させて放熱器401内の水を冷却させる送風ファン402とを有する。熱交換器76の水通路78xの水温を検知する水温度センサ301が設けられている。水温度センサ301が検知した温度信号は制御部100に入力される。その温度信号等に基づいて制御部100はラジエー400の送風ファン402を作動させる。
本実施形態によれば、流量計精度判定処理を実行する前においてあるいは流量計精度判定処理において、水温度センサ301で検知された熱交換器76の水通路78x内の水の温度が閾値温度よりも高温であるときあるいは高温であると予想されるとき、発電モジュール18から排出された高温の排ガスを排ガス通路75に熱交換器76を介して流したとしても、熱交換器76の水通路78x内の水の昇温は期待されない。夏季や酷暑地などにおいては、貯湯槽77の温水の使用量が相対的に減少するため、貯湯槽77の底部77r付近の水温が高くなることが発生するおそれがある。このような場合、高温の排ガスを熱交換器76のガス通路76xを介して排ガス通路75に流したとしても、熱交換器76内の水通路78xの水の温度上昇は少なくなり、熱交換器76内の水通路78xの水の温度上昇に関する物理量の変化が相対的に少なくなる。この場合、流量計72の検知精度の変化量が相対的に減少し、流量計精度判定処理を良好に実行できなくなるおそれがある。
そこで本実施形態によれば、流量計精度判定処理を実行する前にあるいは流量計精度判定処理において、水温度センサ301または貯湯槽77内の温度センサ77mの検知信号に基づいて、熱交換器76水通路78x内の水の温度が閾値温度よりも高温であるときあるいは高温であると予想されるときには、制御部100は、循環ポンプ79を作動させつつ送風ファン402を作動させ、放熱器401内の水を積極的に冷却させる。これにより循環通路78の往路78aを流れる水を冷却させ、ひいては熱交換器76内の水通路78xの水の温度を低下させる。この結果、熱交換器76内の水通路78xの水の温度上昇幅が良好に確保され、熱交換器76内の水通路78xの水の温度上昇に関する物理量の変化を相対的に多くできる。この場合、流量計72の検知精度の変化量が確保され、流量計精度判定処理を良好に実行できる利点が得られる。なお、往路78aに設けられ往路78を流れる水を冷却させる冷却要素としてラジエータ400が用いられているが、これに限らず、往路78を流れる水を冷却できるものであれば、冷却器、冷凍器等何でも良く、空冷、水冷、他の冷媒冷却等いずれでも良い。
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。実施形態1では、燃料電池1の温度(温度センサ39の温度)が発電モジュール18の酸化劣化温度領域Toxideの下限温度Tfinal(規定温度に相当)未満となったか否かを判定するが、これに限らず、改質部3の温度を検知する温度センサ33を基準としても良い。あるいは、燃焼部105の温度を検知する温度が設けられているときには、この温度センサを基準としても良い。要するには、発電モジュール18の内部に設けられている温度センサを規定温度の基準とすることができる。
更に実施形態1では、初期温度Tlowを10℃としているが、20℃、30℃としても良い。昇温温度Thighを70℃としているが、80℃、85℃としても良い、燃料電池1は、場合によっては、リン酸形燃料電池でも良く、溶融炭酸塩形燃料電池でも良く、固体高分子型燃料電池でも良い。要するには、燃料電池および改質部のうちの少なくとも一方を加熱させる燃焼部と、燃焼部、燃料電池および改質器のうちの少なくとも一方から発生された排ガスの排熱を熱交換器で回収させつつ排ガスを熱交換器を介して外部に排出させる排ガス通路とが設けられている燃料電池システムであれば良い。
1は燃料電池、10はアノード、11はカソード、18は発電モジュール、19は断熱壁、2Aは改質器、2は蒸発部、3は改質部、4はタンク、5は筐体、6は燃料通路、60は燃料ポンプ(燃料搬送源)、70はカソードガス通路、71はカソードガスポンプ(カソードガス搬送源)、72は流量計、73はアノードガス通路、75は排ガス通路、75pは排出ポート、76は熱交換器、76xはガス通路、78xは水通路、77は貯湯槽、77pは吐出ポート、77iは帰還ポート、78は循環通路、79は循環ポンプ、8は給水通路、80はポンプ(水搬送源)、100は制御部、101はメモリ、201は上流温度センサ、202は下流温度センサ、301は水温度センサ、400はラジエータ(冷却要素)、401は放熱器、402は送風ファンを示す。

Claims (5)

  1. アノードガスが供給されるアノードおよびカソードガスが供給されるカソードをもつ燃料電池と、
    カソードガスを前記燃料電池の前記カソードに供給させるカソードガス搬送源をもつカソードガス通路と、
    前記カソード通路に設けられ前記カソード通路から前記カソードに供給されるカソードガスの単位時間あたりの流量を計測する流量計と、
    燃料原料を改質させてアノードガスを生成させる改質器と、
    前記燃料電池および前記改質部のうちの少なくとも一方を加熱させる燃焼部と、
    前記燃焼部、前記燃料電池および前記改質器のうちの少なくとも一方から発生された排ガスを外部に排出させる排ガス通路と、
    温水を貯留させる貯湯槽と前記貯湯槽の水を前記貯湯槽の外部に取り出して循環させる循環通路と前記循環通路の水を循環搬送させる水搬送源とをもつ貯湯系と、
    前記排ガス通路および前記循環通路に設けられ、前記排ガス通路を流れる前記排ガスの熱からの伝熱で前記循環通路の水を加熱させる熱交換器と、
    前記燃料電池の発電運転を停止させ且つ前記水搬送源の駆動を停止させた状態において、前記燃焼部、前記燃料電池および前記改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを前記熱交換器を介して外部に排出させて、前記熱交換器において排ガスと水とを熱交換させることにより、前記熱交換器内の水の温度を上昇させ、前記熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量の基準値に対する変化に基づいて、前記流量計の検知精度の変化を検知する流量計精度判定処理を実行する制御部とを具備することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量は、前記熱交換器内の水が第1所定温度T1から第2所定温度T2(T2>T1)に上昇するまでの時間であることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1において、前記熱交換器内の水の温度上昇に関する物理量は、前記燃焼部、前記燃料電池および前記改質器のうちの少なくとも一方から発生された高温の排ガスを前記排ガス通路に前記熱交換器を介して第1所定時間流したときにおいて、前記熱交換器内の水の温度上昇幅であることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のうちの何れか一項において、前記循環通路は、前記貯湯槽の吐出ポートから前記熱交換器の水通路に繋がる往路と、前記熱交換器の前記水通路から前記貯湯槽の帰還ポートに繋がる復路と、前記往路に設けられ前記往路を流れる水を冷却させる冷却要素とを備えており、
    前記制御部は、流量計精度判定処理を実行する前においてあるいは前記流量計精度判定処理において、前記熱交換器内の水の温度が閾値温度よりも高温であるときあるいは高温であると予想されるとき、前記冷却要素を作動させて前記往路または前記熱交換器を流れる水を冷却させ、前記熱交換器内の水の温度を前記冷却要素の作動前よりも低下させることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1〜4のうちの何れか一項において、前記制御部は、前記燃料電池の発電運転を停止した後に、前記燃焼部、前記燃料電池および前記改質器のうちの少なくとも一方の温度が規定温度未満となったとき、前記流量計精度判定処理を実行することを特徴とする燃料電池システム。
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