JP2012154712A - 流量センサ及びこれを用いたレジスト塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被測定流体中への金属等の不純物の溶出を抑制することができるとともに、従来に比べて精度良く流体の流量を測定することができ、かつ、堅牢性を備えた流量センサ等を提供する。
【解決手段】内部に被測定流体が流通される樹脂製配管と、樹脂製配管の外部に設けられ、被測定流体を加熱するための加熱機構と、樹脂製配管の外部に設けられ、被測定流体の流れによる温度変化を検出するための温度検出機構と、を具備した流量センサであって、加熱機構及び温度検出機構の配置部位より樹脂製配管の両端側に、それぞれ少なくとも1つずつ、樹脂製配管外側に突出する固定部材を固着し、2つの前記固定部材を、当該固定部材の管軸の回りの回転を制限しつつ保持する保持部材に固定したことを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】内部に被測定流体が流通される樹脂製配管と、樹脂製配管の外部に設けられ、被測定流体を加熱するための加熱機構と、樹脂製配管の外部に設けられ、被測定流体の流れによる温度変化を検出するための温度検出機構と、を具備した流量センサであって、加熱機構及び温度検出機構の配置部位より樹脂製配管の両端側に、それぞれ少なくとも1つずつ、樹脂製配管外側に突出する固定部材を固着し、2つの前記固定部材を、当該固定部材の管軸の回りの回転を制限しつつ保持する保持部材に固定したことを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、流量センサ及びこれを用いたレジスト塗布装置に関する。
従来から、配管内を流れる液体、気体等の流体の流量を測定するための流量センサとして、配管の外側に設けられ配管内部の流体を加熱するための加熱機構と、加熱された流体が配管内部を流れることによって生じる温度変化を測定するための温度測定機構とを具備し、測定される温度情報から配管内部を流れる流体の流量(質量流量)を求める流量センサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、半導体装置の製造工程において、微細な回路パターンを形成するためのフォトリソグラフィー工程で半導体ウエハ等の被処理基板にフォトレジストを塗布するレジスト塗布装置が従来から使用されている。このようなレジスト塗布装置としては、半導体ウエハを保持し、回転させるためのスピンチャックと、スピンチャック上の半導体ウエハ表面にフォトレジストを供給するためのフォトレジスト供給機構と、スピンチャック上の半導体ウエハの周囲を囲むように配置されたカップ等を具備したものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
上記のレジスト塗布装置では、フォトレジスト供給機構に設けられたベローズポンプ等で一定量のフォトレジストを半導体ウエハ表面に供給し、この後、スピンチャックによって半導体ウエハを回転させることによって、フォトレジストを半導体ウエハの全面に拡散させ、余分なフォトレジストをカップ内に飛散させて半導体ウエハ表面から除去するようになっている。
上記のように、従来のレジスト塗布装置では、ある程度余裕を見込んだ量のフォトレジストを半導体ウエハ表面に供給し、余分なフォトレジストをスピンチャックの回転によって振り切って除去するようになっている。しかしながら、近年では半導体装置の回路パターンが微細化される傾向にあり、微細な回路パターンの形成を可能とする高価なフォトレジストを使用することが多くなってきている。
このため、フォトレジストの使用量を削減することが求められている。この場合、フォトレジストの供給量を高精度で制御し、必要最低限のフォトレジストを半導体ウエハに供給することが考えられる。しかしながら、フォトレジストの供給量は、0.5ml程度であり、このような少量の流体の流量を精度よく測定することは困難である。また、フォトレジストの供給配管系には、金属等の汚染物が混入することを防止するため、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)等の樹脂製の配管が使用されており、金属配管やガラス配管を用いた流量センサは使用することができないという問題がある。さらに、流量センサには、配管取り付け時等に破損等を起こさないように、ある程度の堅牢性が求められる。
本発明は、上記従来の事情に対処してなされたもので、被測定流体中への金属等の不純物の溶出を抑制することができるとともに、従来に比べて精度良く流体の流量を測定することができ、かつ、堅牢性を備えた流量センサ及びこれを用いたレジスト塗布装置を提供しようとするものである。
本発明の流量センサの一態様は、内部に被測定流体が流通される樹脂製配管と、前記樹脂製配管の外部に設けられ、前記被測定流体を加熱するための加熱機構と、前記樹脂製配管の外部に設けられ、前記被測定流体の流れによる温度変化を検出するための温度検出機構と、を具備した流量センサであって、前記加熱機構及び前記温度検出機構の配置部位より前記樹脂製配管の両端側に、それぞれ少なくとも1つずつ、前記樹脂製配管外側に突出する固定部材を固着し、2つの前記固定部材を、当該固定部材の管軸の回りの回転を制限しつつ保持する保持部材に固定したことを特徴とする。
本発明のレジスト塗布装置の一態様は、被処理基板を保持して回転させる回転保持機構と、内部にフォトレジストが流通されるフォトレジスト供給配管を有し、前記回転保持機構に保持された前記被処理基板の表面にフォトレジストを供給するフォトレジスト供給機構と、を具備したレジスト塗布装置であって、内部に前記フォトレジストが流通される樹脂製配管と、前記樹脂製配管の外部に設けられ前記フォトレジストを加熱するための加熱機構と、前記樹脂製配管の外部に設けられ前記フォトレジストの流れによる温度変化を検出するための温度検出機構とを有し、前記加熱機構及び前記温度検出機構の配置部位より前記樹脂製配管の両端側に、それぞれ少なくとも1つずつ、前記樹脂製配管外側に突出する固定部材を固着し、2つの前記固定部材を、当該固定部材の管軸の回りの回転を制限しつつ保持する保持部材に固定した流量センサが、前記フォトレジスト供給配管に介挿されていることを特徴とする。
本発明によれば、被測定流体中への金属等の不純物の溶出を抑制することができるとともに、従来に比べて精度良く流体の流量を測定することができ、かつ、堅牢性を備えた流量センサ及びこれを用いたレジスト塗布装置を提供することができる。
以下、本発明の詳細を、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る流量センサとして、レジスト塗布装置のフォトレジスト流量測定用の流量センサとして好適な流量センサの製造工程を説明するための図である。図1(a)に示すように、本実施形態に係る流量センサでは、内部に被測定流体(例えば、フォトレジスト等)が流通される樹脂製配管10を用いる。本実施形態において、樹脂製配管10は、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)から構成されており、内径(直径)が例えば3mm、外径(直径)が例えば4mm、管壁の厚さが例えば500μmとされている。
本実施形態に係る流量センサを製造する場合、まず、図1(b)に示すように、樹脂製配管10の長手方向中間部に、管壁を外側から切削して薄くした薄肉部10aを設ける。この薄肉部10aにおける管壁の厚さは、例えば、100μm程度とすることが好ましい。すなわち、厚さが500μmの管壁を、略400μm切削して残りの管壁厚が略100μm程度とすることが好ましい。
次に、樹脂製配管10の両側から、それぞれ少なくとも1つ(合計2つ)の固定部材13を挿入し、樹脂製配管10の両端部近傍の管壁の厚さが通常厚の部分(薄肉部10a以外の部分)に固着する。固定部材13としては、樹脂製配管10の管壁外側に突出する形状のものを使用することができ、例えば、樹脂製配管10の管壁全周に亘って鍔状に突出する形状のものを好適に使用することができる。本実施形態では、略六角ナット形状(内側にねじ溝は設けられていない。)の部材を用いている。
固定部材13の材質としては、例えば、金属、樹脂、セラミックス等を用いることができる。固定部材13を樹脂製、例えばPFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)製とした場合は、例えば、熱融着等によって、樹脂製配管10に固定部材13を固着することができる。
そして、この樹脂製配管10の薄肉部10aに、図2(a)に示すように、加熱機構としてのヒータ11と、温度検出機構としての上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bを配設する。なお、上流側温度センサ12aは、樹脂製配管10の内部を流通する被測定流体の流れ方向に対して、ヒータ11より上流側に配置されており、下流側温度センサ12bは、ヒータ11より下流側に配置されている。
本実施形態において、ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bは、図3に示すように、可撓性を有するフレキシブル基板14上に配設されており、フレキシブル基板14を薄肉部10aの周りに例えば略半周程度巻回することによって、薄肉部10aの外側に線接触した状態で、ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bを配設することができるようになっている。なお、図3に示すように、フレキシブル基板14には、夫々ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bに電気的に接続された電極14aが2個ずつ、合計6個設けられている。
本実施形態では、図2、図5に示すように、ホルダ15によって、挟み込むようにしてヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bが配設されたフレキシブル基板14を薄肉部10aの周りに固定するようになっている。すなわち、ホルダ15は、図4、図5に示すように、2分割された第1ホルダ部15aと、第2ホルダ部15bとから構成されており、これらの第1ホルダ部15aと、第2ホルダ部15bとの間に、フレキシブル基板14及び樹脂製配管10を挟み込むように配置することによって、フレキシブル基板14を薄肉部10aの周りに固定する構造となっている。
なお、図4、図5に示すように、第1ホルダ部15aは、略直方体形状とされている。一方、第2ホルダ部15bは、上面側から見た形状が、略H状とされており、両側側面部に凹陥部15cが設けられた形状となっている。この凹陥部15cの部分に、図3に示したフレキシブル基板14に設けられた電極14aが露出し、外部との電気的な接続を行えるようになっている。図4に示すように、第1ホルダ部15a及び第2ホルダ部15bには、内部に薄肉部10aを収容するための溝部18と、この溝部18の両側に形成され、薄肉部10aに隣接する管壁厚が通常厚の部分を収容する溝部17が形成されている。
そして、図5に示すように、フレキシブル基板14及びホルダ15を組付けた樹脂製配管10の固定部材13を、外観形状が略直方体形状とされた保持部材19に固定して、流量センサが構成される。保持部材19は、矩形容器状の下側保持部材19aと、同じく矩形容器状の上側保持部材19bを、これらの開口側の縁面を当接させることによって、全体形状が略直方体形状となるよう構成されている。また、保持部材19の長手方向両側側面には、下側保持部材19aと上側保持部材19bとを組み合わせた状態で六角形状となる保持孔19cが、側面を貫通するように設けられている。
そして、下側保持部材19aと、上側保持部材19bとの間に、樹脂製配管10を配置し、保持孔19cの部分で樹脂製配管10に固着された固定部材13を把持するように固定することによって、固定部材13の管軸の回りの回転を制限しつつ樹脂製配管10を保持するようになっている。なお、保持孔19cの内周側縁部には、固定部材13を嵌め込むための溝(図示せず)が形成されており、この溝に固定部材13を嵌め込むことによって、固定部材13及び樹脂製配管10が保持部材19に対して管軸方向に移動することのないように構成されている。
上記のように、本実施形態の流量センサでは、樹脂製配管10の端部近傍の部分に夫々固定部材13が固着され、これらの固定部材13は管軸の回りの回転を制限された状態で、保持部材19に固定されている。このため、樹脂製配管10を被測定流体が流通される配管に取り付ける工程において、配管同士を接続するための接続部材を樹脂製配管10に締め付ける際に、回転トルクが樹脂製配管10の薄肉部10aに加わることを防止することができる。薄肉部10aは、樹脂製配管10の他の部分に比べてその管壁が薄肉とされていることによって物理的強度が低い状態となっている。このため、流量センサを配管に着脱する際等に回転トルクが加わると破損を起こしたり、変形してヒータ11や、上流側センサ12a、下流側センサ12bとの接触状態が不良になる等の不具合が生じる可能性が高い。本実施形態では、この薄肉部10aに回転トルクが加わることを防止することができるので、上記のような不具合が発生する可能性を低減することができ、十分な堅牢性を確保することができる。
図2に示すように、ヒータ11は、電力供給回路8に電気的に接続されており、電力供給回路8からヒータ11に電力が供給されるようになっている。また、上流側温度センサ12aの測定信号及び下流側温度センサ12bの測定信号は、流量算出モジュール7及び2つの熱容量測定回路9に夫々別々に入力されるようになっている。流量算出モジュール7は、信号線によって電力供給回路8及び2つの熱容量測定回路9に接続されており、電力供給回路8と2つの熱容量測定回路9も信号線によって接続されている。
流量算出モジュール7は、温度差検出回路4、流量演算回路5、物性データ変更回路6を具備している。温度差検出回路4は、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bの測定信号からこれらの温度差ΔTを検出する。流量演算回路5は、温度差検出回路4によって検出された温度差ΔT、物性データ変更回路6からの物性データとしての係数ks(又はka)、及び電力供給回路8からヒータ11に供給された電力量に基づく被測定流体の加熱量Wによって被測定流体の流量(質量流量)を算出する。
すなわち、流量演算回路5は、較正用の流体Sの比熱Cp、流体Sの熱容量Cs等により定まる流体Sの物性データとしての係数ks及び温度差検出回路4からの温度差ΔTに次式(1)の関係があることに基づいて、質量流量Fを算出する。
W=ks・Cp・F・ΔT (1)
W=ks・Cp・F・ΔT (1)
任意の被測定流体Aについては、熱容量測定回路9によって測定された被測定流体Aの熱容量Caを用いて、物性データ変換回路6において、次式(2)に基づいて流量算出に必要な被測定流体Aの係数kaを求める。
ka=Ca/Cs (2)
ka=Ca/Cs (2)
なお、熱容量測定回路9は、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bの測定信号及び電力供給回路8からヒータ11に供給された電力量に基づく被測定流体の加熱量Wによって被測定流体Aの熱容量Caを算出し、算出した被測定流体Aの熱容量Caを流量算出モジュール7の物性データ変更回路6に出力する。ここで、熱容量が既知の被測定流体のみの流量を測定する場合は、熱容量測定回路9を省略し、物性データ変更回路6に、各被測定流体の熱容量等の物性データとしての上記した係数を記憶させておき、被測定流体を指定することによって、物性データ変更回路6に記憶された物性データとしての係数を用いて被測定流体の流量を算出するようにしてもよい。
上記構成の本実施形態の流量センサでは、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)から構成された樹脂製配管10を用いている。このPFA製の樹脂製配管10は、後述するレジスト塗布装置のレジスト供給機構を構成するレジスト供給配管に使用される樹脂製配管と、材質及び内径、外径が同一のものである。このような樹脂製配管10を使用することによって、フォトレジスト中に金属等の不純物が溶出することを抑制することができる。
また、上記樹脂製配管10の薄肉部10aに、ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bを配設しているので、樹脂製配管10内を流通する被測定流体、例えばフォトレジストを効率良く短時間で加熱することができるとともに、高感度でフォトレジストの流れによる温度変化を検出することができる。これによって、高精度で被測定流体の流量を測定することができる。また、例えばフォトレジスト中に気泡が混入した場合は、検出される上記の温度変化が、気泡の無い場合と異なるので、気泡の混入も検出することができる。
図6に、上記の薄肉部10a、ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bの位置関係を、縦断面において模式的に示す。なお、図6に示す矢印は、樹脂製配管10の内部を流通する被測定流体の流れ方向を示している。
また、図7に、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)から構成され、内径が3mm、外径が4mm、管壁の厚さが500μmで薄肉部を有しない樹脂製配管30の外側に、ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bを配設した場合の構成を示す。
図7の構成の場合における上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bで測定される温度検出信号と、図6に示したように、樹脂製配管10の厚さが100μmの薄肉部10aに、ヒータ11、上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bを配設した場合における上流側温度センサ12a、下流側温度センサ12bで測定される温度検出信号をシミュレーションして比較した結果を図8、図9のグラフに示す。
図8、図9のグラフにおいて、縦軸は温度、横軸は時間である。シミュレーションは、ヒータ11の上流側0.3mmの位置に上流側温度センサ12a、下流側0.3mmの位置に下流側温度センサ12bを配設し、被測定流体としてシクロヘキサノンの物性値を用いて行った。また、被測定流体の流量がゼロの状態で、時間0〜18秒までヒータ11による加熱を行い、その後、時間18〜20秒の間、流量0.25ml/sで被測定流体を流した場合についてシミュレーションを行った。図8のグラフは、図6に示した構成の場合であり、図9のグラフは図7に示した構成の場合である。
これらの図8、図9のグラフに示されるように、時間0〜18秒までの間は、薄肉部10aを有しない図7の構成の方が、温度上昇幅が大きくなっている。これは、PFAの熱伝導率が0.25W/m・Kであるのに対して、シクロヘキサノンの熱伝導率が0.12W/m・Kと低く、管壁の厚みが厚い方が、ヒータ11から管壁を伝わって上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bに届く熱が多いことによる。
熱式流量センサとして重要な特性は、被測定流体が流れた時間18〜20秒において、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bによって検出される温度差が大きいことである。この温度差については、図8のグラフに示す薄肉部10aを有する構成の場合の方が明らかに大きくなっている。したがって、図7に示されるように薄肉部10aを設けない構成の場合に比べて、図6に示した薄肉部10aを設けた構成の方が、高精度で被測定流体の流量を測定することができる。また、流体が流れ続けた時に、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bにおける測定温度が一定温度に達するまでの時間も、薄肉部10aを設けた構成の方が短くなる。
また、本実施形態では、フレキシブル基板14に、ヒータ11、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bを配設し、フレキシブル基板14を薄肉部10aに巻回した構成となっている。これによって、ヒータ11、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bを、線接触状態で薄肉部10aに接触させることができる。このような構成とした場合、例えば硬質な基板にヒータ11、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bを配設し、ヒータ11、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bが点接触状態で薄肉部10aに接触させた場合に比べて、ヒータ11の熱を、樹脂製配管10内の被測定流体に効率良く伝達することができる。また、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bによって、効率良く温度を検出することができ、結果として、流量測定を精度良く行うことができる。
なお、上記の実施形態に係る流量センサでは、樹脂製配管10に薄肉部10aを設けた構成とした場合について説明した。しかしながら、例えば図10に示すように、薄肉部10aを設けない樹脂製配管40に固定部材13を配置して、上述した実施形態と同様な流量センサを構成してもよい。このような構成とした場合も、ヒータ11、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bの配設部位に回転トルクが加わることを防止することができ、この部位における樹脂製配管40の変形や破損、ヒータ11、上流側温度センサ12a及び下流側温度センサ12bの樹脂製配管40に対する接触状態の不良等が生じることを防止することができる。なお、この場合、例えば樹脂製配管40として管壁厚の薄いものを使用することによって、流量測定の精度を高めることができる。
図11は、上記実施形態の流量センサを用いたレジスト塗布装置の構成を示すものである。同図に示すように、レジスト塗布装置は、被処理基板としての半導体ウエハWを保持して回転させるための回転保持機構としてのスピンチャック101を具備している。スピンチャック101の周囲には、スピンチャック101及び半導体ウエハWの周囲を囲むように、カップ102が設けられており、スピンチャック101の上方には、レジスト供給ノズル103と、溶剤供給ノズル104とが配設されている。これらのレジスト供給ノズル103、溶剤供給ノズル104は、ノズル駆動機構105に接続されており、図中矢印で示すように、上下及び水平方向に移動可能とされている。
レジスト供給ノズル103は、レジスト供給配管106を介してフォトレジスト供給源107に接続されている。レジスト供給配管106は、PFA製の樹脂製配管からなり、レジスト供給配管106には、上流側(フォトレジスト供給源107側)から順に、ポンプ108、フィルタ109、気泡除去機構110、流量センサ111、開閉バルブ112、サックバックバルブ113が介挿されている。流量センサ111は、前述した図5等に示した構成とされており、レジスト供給配管106と同一のPFA製の樹脂製配管10(図11には図示せず。)を備えている。
一方、溶剤供給ノズル104は、溶剤供給配管114を介して溶剤供給源115に接続されている。溶剤供給配管114には、開閉弁116が介挿されている。
上記構成のレジスト塗布装置では、スピンチャック101上に半導体ウエハWを載置し、スピンチャック101に吸着保持する。そして、この半導体ウエハWに、レジストノズル103から、所定量のフォトレジストを供給し、スピンチャック101によって、半導体ウエハWを回転させることによって、フォトレジストを半導体ウエハWの全面に拡散させて所定膜厚のフォトレジストの塗布を行う。この時、流量センサ111で正確に流量を測定しつつ、フォトレジストを半導体ウエハWに供給することができるので、必要最低限の量のフォトレジストを正確に供給することができる。
したがって、余裕を見込んで必要最低限の量以上の多量のフォトレジストを供給する必要がなく、フォトレジストの消費量の低減を図ることができる。フォトレジストは高価であるため、これによって製造コストの低減を図ることができる。
また、流量センサ111は、薄肉部10aに熱収縮性チューブ14によってチューブ状の補強部材が配設されているので必要な堅牢性を確保することができ、レジスト供給配管106に対して着脱する際等に破損が起きる可能性を低減することができる。
さらに、流量センサ111は、PFA製の樹脂製配管10を用いており、フォトレジストとの接触部が全てPFA製となっているので、フォトレジスト中に金属等の不純物が溶出することを抑制することができる。さらにまた、フォトレジスト中に気泡が混入した場合、流量センサ111において気泡の混入を検知することができるので、気泡が半導体ウエハWに供給されて、フォトレジスト膜の形成状態が不良の半導体ウエハWが発生することを抑制することができる。
なお、上記のフォトレジストの塗布に先だって、必要により、半導体ウエハW表面に溶剤供給ノズル104から溶剤を供給し、半導体ウエハWの表面を溶剤によって濡らした状態とした後、レジスト供給ノズル103からフォトレジストを供給する。
以上、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能であることは、勿論である。
10……樹脂製(PFA製)配管、10a……薄肉部、11……ヒータ、12a……上流側温度センサ、12b……下流側温度センサ、13……固定部材、14……フレキシブル基板、15……ホルダ、19……保持部材。
Claims (8)
- 内部に被測定流体が流通される樹脂製配管と、
前記樹脂製配管の外部に設けられ、前記被測定流体を加熱するための加熱機構と、
前記樹脂製配管の外部に設けられ、前記被測定流体の流れによる温度変化を検出するための温度検出機構と、
を具備した流量センサであって、
前記加熱機構及び前記温度検出機構の配置部位より前記樹脂製配管の両端側に、それぞれ少なくとも1つずつ、前記樹脂製配管外側に突出する固定部材を固着し、
2つの前記固定部材を、当該固定部材の管軸の回りの回転を制限しつつ保持する保持部材に固定した
ことを特徴とする流量センサ。 - 請求項1記載の流量センサであって、
前記樹脂製配管が、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)から構成されていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項1又は2記載の流量センサであって、
前記樹脂製配管の一部に、管壁の厚さを薄くした薄肉部を設け、当該薄肉部に前記加熱機構及び前記温度検出機構を配置し、
前記樹脂製配管外側の前記薄肉部以外の部分に、かつ、前記薄肉部を挟む位置に、前記固定部材を固着したことを特徴とする流量センサ。 - 請求項3記載の流量センサであって、
前記薄肉部は、前記樹脂製配管の外側を切削することによって形成されていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項1〜4いずれか1項記載の流量センサであって、
前記固定部材が、鍔状に前記樹脂製配管外側に突出するよう構成されていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項1〜4いずれか1項記載の流量センサであって、
前記保持部材が直方体形状の箱状に形成され、対向する側面に前記固定部材が固定されていることを特徴とする流量センサ。 - 請求項1〜6いずれか1項記載の流量センサであって、
前記温度検出機構が、前記加熱機構より前記被測定流体の流れに対して上流側に配設された上流側温度検出機構と、下流側に配設された下流側温度検出機構とによって構成されている
ことを特徴とする流量センサ。 - 被処理基板を保持して回転させる回転保持機構と、
内部にフォトレジストが流通されるフォトレジスト供給配管を有し、前記回転保持機構に保持された前記被処理基板の表面にフォトレジストを供給するフォトレジスト供給機構と、を具備したレジスト塗布装置であって、
内部に前記フォトレジストが流通される樹脂製配管と、前記樹脂製配管の外部に設けられ前記フォトレジストを加熱するための加熱機構と、前記樹脂製配管の外部に設けられ前記フォトレジストの流れによる温度変化を検出するための温度検出機構とを有し、
前記加熱機構及び前記温度検出機構の配置部位より前記樹脂製配管の両端側に、それぞれ少なくとも1つずつ、前記樹脂製配管外側に突出する固定部材を固着し、
2つの前記固定部材を、当該固定部材の管軸の回りの回転を制限しつつ保持する保持部材に固定した流量センサが、
前記フォトレジスト供給配管に介挿されている
ことを特徴とするレジスト塗布装置。
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JP2011012692A JP2012154712A (ja) | 2011-01-25 | 2011-01-25 | 流量センサ及びこれを用いたレジスト塗布装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017122626A (ja) * | 2016-01-06 | 2017-07-13 | アズビル株式会社 | 測定装置及び測定装置の製造方法 |
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2011
- 2011-01-25 JP JP2011012692A patent/JP2012154712A/ja not_active Withdrawn
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