JP2012149971A - インバータ駆動回転電機の部分放電試験法 - Google Patents

インバータ駆動回転電機の部分放電試験法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では回転電機の巻線ターン間にインバータ駆動時と同じ大きさの電圧を発生させて正しく巻線ターン間の部分放電を計測する方法を提供するとともに、これを用いて適切な品質を確保したインバータ駆動回転電機を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の目的は以下の方法によって実現できる。すなわち、回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に導電箔あるいは導電ゴムを設置し、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量を介して各部の対地電圧波形を計測し、この対地電圧波形の差分から、コイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を測定しながら部分放電計測する。また、測定した巻線ターン間電圧を基にインパルス電圧部分放電計測の試験電圧を決定する方法によって実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明の技術分野はインバータ駆動回転電機であり、特にインバータ駆動回転電機の部分放電計測法に関する。
近年、省エネルギー化の観点からインバータを用いた回転電機の可変速運転が盛んに行われている。しかし、インバータで回転電機を駆動した場合、回転電機の絶縁に関して様々な問題が発生する事が報告されている(例えば非特許文献1参照)。例えば、インバータ内部のスイッチング素子がON/OFFすることで発生する急峻電圧(インバータサージ電圧)がケーブルを伝播し回転電機端に到達すると、ケーブルと回転電機のサージインピーダンスの不整合が原因となり、回転電機端でインバータサージ電圧が元の大きさの2倍まで跳ね上がることが報告されている。また、急峻なインバータサージ電圧が回転電機内部に侵入すると、回転電機巻線の口出し側のコイルやその内部の巻線ターン間に大きな電圧が発生することなどが報告されている。このため、インバータ駆動用回転電機ではこれらのインバータサージ電圧に耐えられるように回転電機を絶縁設計するとともに、製作した回転電機が所定のインバータサージ絶縁耐力を有するか検査する必要がある。
インバータ駆動回転電機の絶縁検査方法の1つとして、インパルス電圧を用いた絶縁検査方法が行われている(特許文献1,非特許文献2,3)。この中で特に非特許文献2,3では、回転電機にインパルス電圧を印加して回転電機巻線の口出し側のコイルやその内部の巻線ターン間に電圧を発生させ、部分放電を計測している。この際、回転電機をインバータ駆動した際に回転電機に加わるインバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間のインパルス電圧を使用することが述べられている。
特開2010−8199号公報
電気学会技術報告第739号,p.12〜20 IEC60034−18−41 IEC60034−18−42
しかしながら、実際には市販のインパルス電源の電圧立ち上がり時間は一定であり、常にさまざまなインバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間のインパルス電圧を作成し、回転電機に印加することが困難であった。また、大型回転電機では回転電機巻線とアース間には大きな静電容量(高周波に対しインピーダンスが小さくなる回路素子)が存在するため、無負荷で所定の電圧立ち上がり時間のインパルス電圧を発生できるインパルス電源を用意しても、回転電機を接続すると出力電圧の高周波成分が減衰し、回転電機には電圧立ち上がり時間が緩やかなインパルス電圧しか印加できない問題が発生した。
さらに、種々の検討の結果、インバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間のインパルス電圧を回転電機に印加しても、必ずしも回転電機巻線ターン間にインバータ駆動時と同じ電圧を発生させることができず、巻線ターン間の部分放電試験が正しく行えない問題も発生した。つまり、従来、回転電機をブラックボックスとし、インバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間のインパルス電圧を印加すれば、回転電機内部でインバータ電圧と同じ電圧分布となっているものと仮定してきたが、実際には、高周波振動を伴う複雑なインバータ電圧波形と、三角波や矩形波型のインパルス電圧とでは電圧立下り部分の波形が異なるため、必ずしも同じ大きさの電圧を巻線ターン間に発生させることができず、不足電圧あるいは過剰電圧となり、インバータ駆動時と同じ電圧を発生させて巻線ターン間の部分放電を正しく計測できない問題が発生した。
このような問題を解決するため、回転電機巻線の絶縁を除去し、電圧分布測定用電極を直接、素線導体に接続し、電圧分布を測定しながら部分放電を測定することが考えられる。しかし、実際の出荷製品では絶縁を除去して電圧分布測定用電極を取り付けることができないため、現実的ではなかった。特にワニスを全含浸して製作する回転電機では、ワニスが細部まで含浸され強固に固着しているため、所定の箇所の絶縁だけを除去しようとしてもうまく除去できず、製品の絶縁部を損傷する問題があった。このような問題に対し少品種・大量生産される回転電機では、複数の回転電機のロットを抜き取り、電圧分布を測定して試験電圧を補正する対策を行うことができるが、大型回転電機のように多品種・少量生産の製品ではこのような方法を実施することができなかった。近年の解析技術の発達に基づき、複雑なインバータ電圧とインパルス電圧が印加された場合の電圧分布を比較し、これを基にインパルス電圧の大きさを補正することも考えられるが、解析の定数には設計図面を使用するため、実際の製品が設計図面どおりにできているかを検査する試験にこれを用いることは試験の本来の目的を逸脱する恐れがあった。
以上の問題を鑑み、本発明では回転電機の巻線ターン間にインバータ駆動時と同じ大きさの電圧を発生させて正しく巻線ターン間の部分放電を計測する方法を提供するとともに、これを用いて適切な品質を確保したインバータ駆動回転電機を提供することである。
本発明の目的は以下の方法によって実現できる。すなわち、回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に導電箔あるいは導電ゴムなどの電極を設置し、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量Cxを介して各ターン導体部の対地電圧波形を計測し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を測定しながら部分放電を計測するインパルス部分放電試験法よって実現できる。
特に、この際、回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に電極を設置し、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量Cxを介して各ターン導体部の対地電圧波形を計測し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を測定し、これを基に所定の巻線ターン間電圧となるインパルス試験電圧の大きさを決定して部分放電計測することにより、効率的にインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験を行うことができる。
さらに、以上のインパルス部分放電試験の際に、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に直列にコンデンサを接続し、この直列コンデンサに加わる対地電圧波形を測定し、別途計測した絶縁層の静電容量Cxと直列コンデンサの静電容量Cx′の比αxから求めた分圧比を用いて巻線に発生する対地電圧波形に換算し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に加わる電圧を測定しながら部分放電を計測することで、浮遊容量など周囲の条件の影響を少なくすることができる。
特に、この際、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に直列にコンデンサを接続し、この直列コンデンサに加わる対地電圧波形を測定し、別途計測した絶縁層の静電容量Cxと直列コンデンサの静電容量Cx′の比αxから求めた分圧比を用いて巻線に発生する対地電圧波形に換算し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に加わる電圧を測定し、これを基に所定の巻線ターン間電圧となるインパルス試験電圧の大きさを決定して部分放電計測することにより、効率的にインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験を行うことができる。
また、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に直列に接続するコンデンサに、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量C1,C2・・Cnに対し一定の比率αとなる静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサを使用し、部分放電試験する際にこの静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサに発生する対地電圧波形の差分を求めてから、静電容量比αを基にコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を求め、これを測定しながら部分放電を計測することもできる。
特に、この際、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に直列に接続するコンデンサに、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量C1,C2・・Cnに対し一定の比率αとなる静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサを使用し、部分放電試験する際にこの静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサに発生する対地電圧波形の差分を求めてから、静電容量比αを基にコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を求め、これを基に所定の巻線ターン間電圧となるインパルス試験電圧の大きさを決定して部分放電計測することにより、効率的にインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験を行うことができる。
なお、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に接続するコンデンサには、静電容量が電圧測定プローブの浮遊容量の10倍以上であり、かつ、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層表面に電極を設置したときの部分放電開始電圧を(PDIV)としたとき、
x′<(PDIV)・Cx/(Vimp−(PDIV))
の関係を満足するCx′を用いることで電圧測定誤差の増加を抑制することができる。
本発明の適切な品質を確保したインバータ駆動回転電機は、以上のインパルス電圧部分放電試験法で巻線ターン間の部分放電試験を実施する回転電機の製造,検査工程によって実現することができる。
本発明の結果、回転電機の巻線ターン間にインバータ駆動時と同じ大きさの電圧を発生させて正しく巻線ターン間の部分放電を計測することができる。また、本方法によって適切な品質を確保したインバータ駆動回転電機を提供することができる。
実施例1のインパルス巻線ターン間部分放電計測方法および回転電機。 実施例1の回転電機のコイルエンド部。 コイルシリース接続部の断面図。 コイルターン導体部の断面図。 実施例1のインパルス巻線ターン間部分放電計測方法および回転電機の等価回路。 インバータ電圧波形発生装置。 インパルス電圧巻線ターン間部分放電計測方法のフロー。 第n巻線ターン間規定試験電圧導出方法のフロー。 インバータ電圧印加時の巻線ターン間電圧。 回転電機を接続した際にのインパルス電圧波形および巻線ターン間電圧。 回転電機を接続した際にインバータと同じ電圧立ち上がり時間が実現できるインパルス電源を接続した際のインパルス電圧波形と巻線ターン間電圧。 実施例2の電極配置。 実施例3のコイル内巻線ターン間電圧分布測定方法。 x′の値を変化させたときの電圧計測誤差。 図3の箔電極と絶縁層の隙間の拡大図。 図4の箔電極と絶縁層の隙間の拡大図。
本発明の実施形態を、以下に図面を用いて説明する。
[実施例1]
図1に本発明の実施例1の構成を示す。測定対象となる回転電機1は、固定子2と回転子3から構成される。固定子2には固定子巻線4が配置されており、これに通電することで回転磁界を発生する。一方、回転子3はシャフト5に回転子コア19が締結されている。回転電機が誘導電動機の場合には、これにかご型あるいは巻線型の回転子コイル6が挿入されている。また、同期電動機では回転子コイル6が界磁コイルとなっている。さらに、コイルを用いない永久磁石同期電動機の場合には、回転子コイル6の代わりに永久磁石が使用される。固定子2と回転子3はハウジング7に収められている。実施例1では、固定子巻線4の端部のコイル導体シリース部の表面にシリース絶縁部に対する金属箔電極9,ターン導体の絶縁層の表面にターン導体に対する金属箔電極8を設置し、さらにシリース絶縁の静電容量に対する直列コンデンサ11,ターン導体の静電容量に対する直列コンデンサ10を接続している。
測定対象となる回転電機1には、回転電機入力側の配線切り替え機構15,金属箔電極側の配線切り替え機構17を介してインピーダンスアナライザ16が接続されており、回転電機巻線4のコイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層の静電容量を計測できるようにしている。また、測定対象となる回転電機1には、回転電機入力側の配線切り替え機構15を介してインパルス試験電源12と部分放電計測装置13が接続されており、インパルス電圧を印加して部分放電を計測できるようにしている。さらに、測定対象となる回転電機1には、金属箔電極側の配線切り替え機構17を介して電圧波形計測装置18が接続されており、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量を介して各部の対地電圧波形を計測できるようにしている。この計測した電圧波形を電圧波形計測装置18内部の図示しない演算処理機構で絶縁層の静電容量Cxと直列コンデンサの静電容量Cx′の比αxから求めた分圧比によって実際に巻線に加わる対地電圧波形に換算し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に加わる電圧を測定し、インパルス電圧部分放電計測中に巻線ターン間に発生する電圧をモニタしながら部分放電計測することができる。また、測定した巻線ターン間電圧と印加したインパルス電圧の大きさの比率を基に、巻線ターン間に加わる電圧が所定の値になるようなインパルス試験電圧の大きさを決定し、インパルス試験電源12に試験電圧の指令値を伝達する機構となっている。なお、回転電機に加わるインパルス試験電圧波形は、高電圧プローブ14を介して電圧波形計測装置で計測される。
以上、図1では回転子3が組み込まれた回転電機1を例に回転電機のインパルス部分放電計測の実施例1の構成を示した。しかし、回転子3が無く固定子2のみの状態であっても本試験は実施できる。
図2に、図1の回転電機1の固定子巻線4端部を軸方向斜めから見た図を示す。ここでは、図1の回転子3は簡単のため図示していない。固定子2のコア200には回転電機巻線を構成するコイル202を収めるスロット201が複数形成されており、ここに複数のコイルが収められている。複数のコイル同士は、コイルエンド部203において、シリース接続部204によってお互いに接続されている。このコイル導体シリース接続部には絶縁テープや絶縁シートが巻付けられており、外部と絶縁されている。実施例1では、このシリース絶縁層表面に回転電機口出し側第1コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極205,回転電機口出し側第2コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極207,回転電機口出し側第3コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極209が巻付けられている。また、金属箔電極とアース間には回転電機口出し側第1コイルのシリース接続部絶縁層上の直列コンデンサ206,回転電機口出し側第2コイルのシリース接続部絶縁層上の直列コンデンサ208,回転電機口出し側第回転電機口出し側第2コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極3コイルのシリース接続部絶縁層上の直列コンデンサ210が接続されている。一方、回転電機巻線のコイル、特に口出し側のコイルにはコイルのターン導体に正対する位置にターン導体に相対する金属箔電極211が設置され、これとアースの間にターン導体に相対する直列コンデンサ212が接続されている。
図3に、図2のコイルシリース部断面213部の構造を示す。実施例1では、1つのコイルの導体は素線2本から形成されており、これがシリース接続部では2組集まるため、コイル導体301は合計4本の素線から構成されている。素線の外周にはシリース接続部の絶縁層303が設置されている。さらにシリース接続部の絶縁層303の表面にはシリース接続部絶縁層に対する金属箔電極207が配置されている。この結果、コイル導体301と回転電機口出し側第2コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極207の間に絶縁層の静電容量302が形成される。さらに実施例1では先に述べたように、シリース接続部絶縁層上の金属箔電極207とアース間に直列コンデンサ208が接続されている。
図4に、図2のコイル導体断面214部の構造を示す。実施例1の回転電機では、コイル導体は、素線導体401が2列,5段に配置されている。横方向に隣接する導体はコイルの外部で並列接続されており同電位となっている。一方、縦方向に隣接する導体はそれぞれがコイルのターンを形成し、実施例1のコイルでは5ターンを形成している。この素線導体401の外周にはターン絶縁402が巻かれており、急峻なインバータ電圧が回転電機に加わった際には、コイルのターン間を絶縁するターン絶縁部に大きな電圧が発生する。2本の素線導体からなるコイルの各ターン導体には、相対する位置にターン導体に相対する金属箔電極211が設置されており、コイル導体の外周を絶縁する外周絶縁403によって外周絶縁の静電容量404が形成されている。さらに実施例1では先に述べたように、ターン導体に相対する金属箔電極211とアース間にターン導体に相対する直列コンデンサ212がそれぞれ接続されている。
図5に、実施例1の回転電機の等価回路図を示す。実施例1では、直列に接続されたコイル505のコイル導体シリース部506およびその内部のコイルターン導体507の絶縁層の表面に金属箔電極を設置しており、各部ではコイル導体との間にコイルシリース接続部絶縁層の静電容量501(C1〜Cn),コイルターン接続部絶縁層の静電容量503(C12〜C15)が形成されている。さらに、これらの静電容量に直列にコイルシリース接続部絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ502やコイルターン導体絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ504(C1′〜Cn′)が接続されている。各部のコイルシリース接続部絶縁層の静電容量501あるいはコイルターン導体絶縁層の静電容量503を介してコイルシリース接続部絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ502あるいはコイルターン導体絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ504に電圧を分担させることで、インパルス試験電源12でインパルス電圧を回転電機に印加した際に回転電機巻線の各部に発生する対地電圧波形を測定し、これを基に巻線ターン間に加わる電圧を常時あるいは一時的にモニタしながら、所定の電圧を巻線ターン間に発生させて、回転電機巻線ターン間の部分放電を部分放電計測装置13で計測することができる。なお、印加したインパルス試験電圧は高電圧プローブ14で同時に計測することができる。
以上、本発明の実施例1の機器構成を説明したが、次に試験手順をフローチャートで説明する。図7にインパルス部分放電試験のフローを示す。始めに、図1〜図5で説明した金属箔電極をコイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層の表面に設置する。
この際、金属箔電極と絶縁層表面の接触性をよくするため、外部からゴムなどの柔軟な物体で押さえることが望ましい。また、金属箔と絶縁層の間にはワセリンやグリースなど、後で容易に除去できるゲル状物質をはさむことで接触を良くすることもできる。さらに、金属箔を外部からゴムで押さえるのではなく、始めから導電ゴム電極を使用することもできる。このように電極を形成することができる場合には、フローのS704に進む。しかしながら、このような方法が困難な場合、あるいは、金属箔のエッジの電界集中が問題となる場合には、コイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層の表面に絶縁フィルムを巻き付け、これに導電塗料で電極パターンを描画する方法もできる。この場合、電極端部を拡散電極とすることで抵抗電界緩和させ電界集中を防止することができる。
次に、図1のインピーダンスアナライザ16の接地側を回転電機入力側の配線切り替え機構15を介して回転電機コイルのU,V,W三相の口出しのいずれかあるいは全てに接続し、一方、インピーダンスアナライザ16の課電側を回転電機入力金属電極側の配線切り替え機構17を介して各金属箔電極部に接続し、コイル導体シリース部およびコイルターン導体の各絶縁層の静電容量CXを計測する。その後、直列コンデンサCX′を各部の金属箔電極とアースの間に接続する。この結果、計測した絶縁層の静電容量CXと直列コンデンサCX′の静電容量比αXが求められる。次に、図1の回転電機入力側の配線切り替え機構15でインピーダンスアナライザを回転電機から切り離し、回転電機のU,V,W三相のいずれかにインパルス試験電源12の電圧出力を部分放電計測装置13を介して接続する。なお、実施例1ではインパルス試験電源12と回転電機1の間に直列に接続するタイプの部分放電計測装置13を使用しており、かつ、部分放電計測装置13内部での電圧降下は小さいため、インパルス試験電源12の出力とほぼ同じ電圧を部分放電計測装置13の出力を介して回転電機に印加できる。一方、金属箔電極側の配線切り替え機構17で、回転電機巻線のコイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層各部の表面に設置した電極をインピーダンスアナライザから切り離し、電圧波形計測装置18に図示しない電圧測定プローブを介して接続する。次に、インパルス電源からあるインパルス電圧を出力し、このインパルス電圧Vimpの波形および、この際回転電機の回転電機巻線のコイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層各部の表面に設置した複数の電極の対地電圧Vn′,Vn+1′の波形を測定する。測定した電圧波形と先に求めた各電極部の容量分圧比αn,αn+1を使って各ターン導体の対地電圧波形を求め、さらにこの電圧波形の差分を電圧波形計測装置18の内部演算機構で計算することで第n巻線ターン間の電圧を導出する。
この第n巻線ターン間の電圧が第n巻線ターン間規定試験電圧Vnt-t(inv)と異なる場合には、導出した第n巻線ターン間の電圧のピーク to ピーク電圧を課電したインパルス電圧のピーク電圧Vimpで割ることで第n巻線ターン間の電圧分担率を求める。このインパルス電圧分担率βn(imp)で、試験仕様で定められた第n巻線ターン間規定試験電圧Vnt-t(inv)を割ることによりインバータ駆動回転電機の巻線ターン間部分放電試験で必要となるインパルス試験電圧Vtestを求めることができ、この電圧を使って対象回転電機の巻線ターン間の部分放電計測を行うことで、回転電機をインバータ駆動した際に巻線ターン間で発生する部分放電の有/無や発生状況を測定することができる。なお、試験が全て完了した後、コイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層各部の表面に設置した複数の電極は除去し、回転電機を出荷することができる。
図7では、予め第n巻線ターン間規定試験電圧Vnt-t(inv)が試験仕様で決められている場合の試験フローを説明した。しかし、この第n巻線ターン間規定試験電圧Vnt-t(inv)が与えられていない場合に、これを求める試験フローを、図8を用いて説明する。先に図7で説明したように、回転電機に電極を設置する工程(S801)から静電容量分圧比を求める工程(S806)までは同じであるため、説明を省略する。ここでは、インバータ電圧あるいはこれを模擬した電源を図1のインパルス試験電源12および部分放電計測装置13と置き換え、回転電機入力側の配線切り替え機構15を介して回転電機コイルのU,V,W三相にインバータ電圧を印加する。インバータ電圧には、実際の高電圧インバータを使用しなくても、図6に示すように、低圧インバータ601とケーブル602の出力603を使用することで作成することができる。また、インバータ電圧を模擬した電源には低電圧の任意波形発生器を使用することができる。このインバータ電圧を印加したときのインバータ電圧Vinvの波形および、この際回転電機の回転電機巻線のコイル導体シリース部およびコイルターン導体の絶縁層各部の表面に設置した複数の電極の対地電圧Vn′,Vn+1′の波形を測定する。測定した電圧波形と先に求めた各電極部の容量分圧比αn,αn+1を使って各部の導体の対地電圧波形を求め、さらにこの電圧波形の差分を電圧波形計測装置18の内部演算機構で計算することで第n巻線ターン間の電圧を導出する。さらに、導出した第n巻線ターン間の電圧のピーク to ピーク電圧を課電したインバータ電圧のピーク電圧Vinvで割ることで第n巻線ターン間の電圧分担率βn(inv)を求める。このインバータ電圧分担率βn(inv)を、インバータ駆動したときに回転電機端に発生する対地電圧急峻電圧変化量ΔVgにかけることで、第n巻線ターン間規定試験電圧Vnt-t(inv)を求めることができる。なお、インバータ駆動したときに回転電機端に発生する対地電圧急峻電圧変化量ΔVgは回転電機の発注仕様に記載されている場合にはこれを使用し、記載されていない場合には、インバータ駆動したときに回転電機端に発生する相間電圧の急峻電圧変化量ΔVgでこれを代用することができる。
以上の方法によって、インバータ電圧波形とは異なるインパルス電圧波形を用いて、回転電機の巻線ターン間にインバータ駆動時と同等の適切な電圧を印加して正しく巻線ターン間の部分放電を計測ことができる。また、本方法を用いて適切な品質を確保したインバータ駆動回転電機を提供することができる。
以上の実施例1では、汎用性の観点から、図5に示すコイルシリース接続部絶縁層の静電容量501あるいはコイルターン導体部絶縁層の静電容量503の静電容量CXとコイルシリース接続部絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ502あるいはコイルターン導体部絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ503の静電容量CX′の比率αXが任意の値をとる場合を例に説明した。しかしながら、この値が一定値αconstになるように各直列コンデンサの静電容量CX′の値を調整することにより、各直列コンデンサで測定した対地電圧波形を直接差分演算し、これに(1+αconst)をかけることで巻線ターン間に発生する電圧を求めることができる。このようにすることで、図7のS708や図8のS808での波形演算が簡単になり、リアルタイムで巻線ターン間に発生する電圧をモニタしながら部分放電計測を行うことができるようになる。
また、実施例1で用いる直列コンデンサの静電容量CX′の値と電圧測定誤差の関係の例を図14に示す。一般に、図1の電圧波形計測装置18やこれに付属している電圧測定プローブには浮遊容量が存在する。このため、直列コンデンサの静電容量の値が小さいと絶縁層の静電容量CXと直列コンデンサの静電容量CX′の比率αXが正確でなくなり電圧測定誤差が大きくなる。前述の非特許文献1,2の絶縁検査試験法では、電圧変動にともなう安全率を1割考慮していることを鑑みると、図14で同様に電圧測定誤差が1割を超えないためには、CX′の値を電圧測定プローブの10倍以上にする必要がある。
一方、CX′の値を大きくしていくと、コイル導体シリース部やコイルターン導体の絶縁層の内部や電極と絶縁層の間の空隙で部分放電が発生し、この部分放電によって測定電圧が変動して誤差が発散する問題が発生する。具体的には、図3のコイルシリース接続部の絶縁層303とコイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極207の間には微小な隙間が存在する。また、図4の外周絶縁403とターン導体に相対する金属箔電極211の間には微小な隙間が存在する。
この結果、それぞれ、図15あるいは図16に示すようにコイルシリース接続部絶縁層と金属箔の間の空隙1501あるいはターン導体部の絶縁層と金属箔の間の空隙1601が発生する。これらの空隙部分に高電圧が加わると空隙部分で瞬間的に空隙の短絡1502あるいは空隙の短絡1602(部分放電)が発生し、測定電圧が大きく変動する問題が発生する。このため、部分放電開始電圧を超える電圧がコイル導体301とシリース接続部絶縁層上の金属箔電極207との間,素線導体401とターン導体に相対する金属箔電極211との間に加わってはならない。この部分放電開始電圧(PDIV)は高電圧電源を回転機巻線に接続し、箔電極を接地し、高電圧電源の電圧を0Vから昇圧していき、部分放電測定器で部分放電が発生したときの電圧を測定することで計測できる。したがって、あらかじめ測定した(PDIV)を超える電圧がコイル導体301とシリース接続部絶縁層上の金属箔電極207との間,素線導体401とターン導体に相対する金属箔電極211との間に加わらないように直列コンデンサCX′の上限値を決定する必要がある。この直列コンデンサCX′の上限値は、(PDIV)・Cx/(Vimp−(PDIV))によって与えられる。以上のことから、直列コンデンサCX′の有効範囲は図14に示すような範囲となる。なお、絶縁層の部分放電開始電圧(PDIV)がインパルス試験電圧Vimpよりも高い場合には、試験電圧によってコイル導体シリース部やコイルターン導体の絶縁層の内部や電極と絶縁層の間の空隙で部分放電が発生しないため、図14の上限は存在しない。
[実施例2]
実施例1では、図4に示すように、コイル絶縁層の同じ面に電極を設置した。しかしながら、コイル導体の2列の導体は同電位であるため、実施例2では、図12に示すように、一方のコイル絶縁層に奇数段導体に対応する金属箔電極1201と奇数段導体に対応した金属箔電極への直列コンデンサ1205を設置し、反対側のコイル絶縁層にその他のコイルターン導体に相対する偶数段導体に対応する金属箔電極1202と偶数段導体に対応した金属箔電極への直列コンデンサ1206を設置した。このようにすることで、金属箔電極間の距離を大きくとることができ、金属箔電極間の誤接触や放電を防止することができる。
[実施例3]
実施例1では、図2に示すように、コイル導体シリース部とコイルターン導体の絶縁層の両方に金属箔電極を設置した。しかしながら、コイルの寸法が小さい場合には、コイルターン導体の絶縁層表面に金属箔電極を設置することが困難である。実施例3では、このような場合の対策をしたものである。すなわち、図2のコイル導体シリース部にのみ金属箔電極を取り付け、これによってコイルの巻き始めと巻き終わり間に発生するコイル分担電圧波形を求める。このコイルの巻き始めと巻き終わり間に発生するコイル分担電圧波形を図13に示す任意波形発生器1301によって出力させ、この電圧を回転電機コイル1302に印加し、回転電機コイルの巻線ターンに設置した電圧分布測定電極1304によって電圧波形計測装置1303で巻線ターン間電圧を測定し、図7および図8の巻線ターン間電圧分担率βn(imp),βn(inv)を求める。本方法ではコイルの絶縁層を除去して電圧分布測定電極1304によって直接コイルターン間の電圧を測定するが、回転電機とは別に、ただし回転電機と同じ製作工程で製作したコイルを使用し測定しているため、出荷製品を損傷することはない。
[比較例]
図9にインバータ電圧を回転電機に印加したときの対地電圧と、この結果発生する巻線ターン間電圧波形の例を示す。比較例1のインバータでは電圧立ち上がり時間tr=0.25μsのインバータ電圧901が回転電機に加わっている。この電圧が回転電機巻線を伝播してインバータ電圧902が発生している。これらの電圧の差分であるインバータ電圧課電時の巻線ターン間電圧903が巻線ターン間に発生している。
回転電機端に加わる対地電圧の大きさに対し巻線ターン間には136%の電圧が発生している。
一方、この複雑なインバータ電圧波形と同じ電圧立ち上がり時間tr=0.25μsのインパルス電圧を無負荷で発生できるインパルス電源を回転電機に接続して巻線ターン間の電圧を測定した結果を図10に示す。回転電機に加わるインパルス電圧1001の電圧立ち上がり時間trは0.30μsに変化している(ただし、ここでは負極性インパルス電源を使用している)。また、巻線間には印加した急峻電圧の97%の電圧しか発生していない。このように、回転電機にインバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間の電圧を印加しようとしても、一般には電圧立ち上がり時間が変化してしまう問題が発生する。
次に、回転電機を接続してもtr=0.25μsのインパルス電圧を印加できるインパルス電源を探索し試験した。この結果を図11に示す。このインパルス電源の出力波形は矩形波であった。図に示すように、回転電機には電圧立ち上がり時間tr=0.25μsのインパルス電圧1101が印加できている。この電圧が回転電機巻線を伝播してインパルス電圧1102が発生している。この差分である電圧1103が巻線ターン間に発生している。ところが、インパルス電圧の電圧立ち上がり時間を回転電機端におけるインバータ電圧901と同じにしたにも関わらず、巻線ターン間には印加した急峻電圧に対し161%の電圧が発生しており、図11の電源を使用した場合には、図9の場合よりも大きな電圧が巻線ターン間に発生している。つまり、回転電機をブラックボックスとみなし、外部からインバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間の電圧を印加するだけではインバータ駆動時に巻線ターン間に発生する電圧と同じ電圧を発生させ、正確に巻線ターン間の部分放電を測定できないことを示している。
以上の鋭意検討の結果、回転電機をブラックボックスとみなし、外部からインバータ電圧と同じ電圧立ち上がり時間の急峻電圧を印加する従来のインパルス電圧巻線ターン間部分放電計測では、インバータ駆動回転電機の巻線ターン間の部分放電を正確に測定することが困難である。また、この試験方法を含む製作工程ではインバータ駆動に適した回転電機を提供することが困難であった。
1 回転電機
2 固定子
3 回転子
4 固定子巻線
5 シャフト
6 回転子コイル
7 ハウジング
8 ターン導体に対する金属箔電極
9 シリース絶縁部に対する金属箔電極
10 ターン導体の静電容量に対する直列コンデンサ
11 シリース絶縁の静電容量に対する直列コンデンサ
12 インパルス試験電源
13 部分放電計測装置
14 高電圧プローブ
15 回転電機入力側の配線切り替え機構
16 インピーダンスアナライザ
17 金属箔電極側の配線切り替え機構
18,1303 電圧波形計測装置
19 回転子コア
200 固定子コア
201 スロット
202 コイル
203 コイルエンド部
204 シリース接続部
205 回転電機口出し側第1コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極
206 回転電機口出し側第1コイルのシリース接続部絶縁層の直列コンデンサ
207 回転電機口出し側第2コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極
208 回転電機口出し側第2コイルのシリース接続部絶縁層の直列コンデンサ
209 回転電機口出し側第3コイルのシリース接続部絶縁層上の金属箔電極
210 回転電機口出し側第3コイルのシリース接続部絶縁層の直列コンデンサ
211 ターン導体に相対する金属箔電極
212 ターン導体に相対する直列コンデンサ
213 コイルシリース部断面
214 コイル導体断面
301 コイル導体
302 絶縁層の静電容量
303 シリース接続部の絶縁層
401 素線導体
402 ターン絶縁
403 外周絶縁
404 外周絶縁の静電容量
501 コイルシリース接続部絶縁層の静電容量
502 コイルシリース接続部絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ
503 コイルターン導体部絶縁層の静電容量
504 コイルターン導体部絶縁層の静電容量に対する直列コンデンサ
601 低圧インバータ
602 ケーブル
603 出力
901 回転電機端におけるインバータ電圧
902 回転電機巻線を伝播したインバータ電圧
903 インバータ電圧課電時の巻線ターン間電圧
1001 インパルス電圧
1002 回転電機巻線を伝播したインパルス電圧
1003 インパルス電圧を印加したときの巻線ターン間電圧
1101 tr=0.25μsのインパルス電圧
1102 回転電機巻線を伝播したインパルス電圧
1103 tr=0.25μsのtr=0.25μsのインパルス電圧を印加したときの巻線ターン間電圧
1201 奇数段導体に対応する金属箔電極
1202 偶数段導体に対応する金属箔電極
1205 奇数段導体に対応した金属箔電極への直列コンデンサ
1206 偶数段導体に対応した金属箔電極への直列コンデンサ
1301 任意波形発生器
1302 回転電機コイル
1304 電圧分布測定電極
1501 コイルシリース接続部絶縁層と金属箔の間の空隙
1502,1602 空隙の短絡
1601 ターン導体部の絶縁層と金属箔の間の空隙

Claims (8)

  1. 回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に電極を設置し、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量Cxを介して各ターン導体部の対地電圧波形を計測し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を測定しながら部分放電を計測することを特徴とするインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  2. 回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に電極を設置し、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量Cxを介して各ターン導体部の対地電圧波形を計測し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を測定し、これを基に所定の巻線ターン間電圧となるインパルス試験電圧の大きさを決定して部分放電計測することを特徴とする請求項1のインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  3. コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に直列にコンデンサを接続し、この直列コンデンサに加わる対地電圧波形を測定し、別途計測した絶縁層の静電容量Cxと直列コンデンサの静電容量Cx′の比αxから求めた分圧比を用いて巻線に加わる対地電圧波形に換算し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に加わる電圧を測定しながら部分放電を計測することを特徴とする請求項1のインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  4. コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に直列にコンデンサを接続し、この直列コンデンサに加わる対地電圧波形を測定し、別途計測した絶縁層の静電容量Cxと直列コンデンサの静電容量Cx′の比αxから求めた分圧比を用いて巻線に加わる対地電圧波形に換算し、この対地電圧波形の差分からコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を測定し、これを基に所定の巻線ターン間電圧となるインパルス試験電圧の大きさを決定して部分放電計測することを特徴とする請求項2のインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  5. コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量C1,C2・・Cnに対し一定の比率αとなる静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサを回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に設置した電極とアース間に接続し、部分放電試験する際にこの静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサに発生する対地電圧波形の差分と静電容量の一定比αからコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を求め、これを測定しながら部分放電を計測することを特徴とする請求項3のインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  6. コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量C1,C2・・Cnに対し一定の比率αとなる静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサを回転電機巻線のコイルの導体シリース接続部あるいはコイルのターン導体の絶縁層表面に設置した電極とアース間に接続し、部分放電試験する際にこの静電容量C1′,C2′・・Cn′のコンデンサに発生する対地電圧波形の差分と静電容量の一定比αからコイルおよびコイル内の巻線ターン間に発生する電圧を求め、これを基に所定の巻線ターン間電圧となるインパルス試験電圧の大きさを決定して部分放電計測することを特徴とする請求項4のインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  7. コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層の静電容量に対しアース間に接続するコンデンサの静電容量は、電圧測定プローブの浮遊容量の10倍以上であり、かつ、コイル導体シリース部あるいはコイルターン導体の絶縁層表面に電極を設置したときの部分放電開始電圧を(PDIV)としたとき、
    x′<(PDIV)・Cx/(Vimp−(PDIV))
    の関係を満足するCx′を用いる請求項1〜6のインバータ駆動回転電機のインパルス部分放電試験法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のインパルス部分放電試験法を用いて製造した回転電機。
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