JP2012134377A - 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム - Google Patents

積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム Download PDF

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Abstract

【課題】結露によってメタライズ層が腐食するのを抑制し、安定した変位を維持する積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システムを提供する。
【解決手段】積層型圧電素子1は、圧電体3および内部電極5が積層された積層体7と、積層体7の側面に設けられて内部電極5と電気的に接続されたメタライズ層8と、メタライズ層8に接合された外部電極6とを含み、外部電極6は、メタライズ層8から少なくとも一部がはみ出たはみ出し部61を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、圧電駆動素子(圧電アクチュエータ),圧力センサ素子および圧電回路素子等として用いられる積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システムに関するものである。
積層型圧電素子(積層型圧電アクチュエータ)として、圧電体および内部電極が積層された積層体と、この積層体の側面に設けられて内部電極と電気的に接続されたメタライズ層と、メタライズ層の上に配置され、当該メタライズ層に導電性接合材を介して接合された外部電極とを含み、この外部電極として網目構造の電極(平板状金網導体)を用いたものが知られている(例えば特許文献1を参照)。
ここで、特許文献1に記載の積層型圧電素子は、メタライズ層および外部電極を正面に見たときに、外部電極がメタライズ層の内側に収まるように配置されている。
特開2002−261339号公報
積層型圧電素子には、高温多湿の過酷な環境下での使用が求められている。積層型圧電素子を高温多湿な環境下で使用すると、駆動停止後に周囲の湿度により結露が生じることが予想される。ここで、メタライズ層の表面に結露が生じると、当該メタライズ層が腐食して剥がれてしまうおそれがある。その結果、積層型圧電素子が安定して変位(伸縮)しなくなってしまう等、耐久性が悪くなるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、結露によってメタライズ層が腐食するのを抑制し、安定した変位を維持する積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システムを提供することを目的とする。
本発明は、圧電体および内部電極が積層された積層体と、該積層体の側面に設けられて前記内部電極と電気的に接続されたメタライズ層と、該メタライズ層に接合された外部電極とを含み、該外部電極は、前記メタライズ層から少なくとも一部がはみ出たはみ出し部を有することを特徴とする積層型圧電素子である。
また本発明は、上記の構成において、前記外部電極が網目構造の電極であることを特徴とする積層型圧電素子である。
また本発明は、上記の構成において、前記はみ出し部が前記積層体の積層方向にはみ出ていることを特徴とする積層型圧電素子である。
また本発明は、上記の構成において、前記はみ出し部が前記積層体の積層方向に垂直な方向にはみ出ていることを特徴とする積層型圧電素子である。
また本発明は、上記の構成において、前記はみ出し部が前記積層体の積層方向および該
積層方向に垂直な方向にはみ出ていることを特徴とする積層型圧電素子である。
さらに本発明は、噴射孔を有する容器と、上記の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に蓄えられた流体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とする噴射装置である。
さらに本発明は、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する上記の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とする燃料噴射システムである。
本発明によれば、外部電極におけるメタライズ層からはみ出した部分は他の部分より冷却速度が速いので、はみ出した部分に優先的に結露を生じさせることができる。そのため、メタライズ層に結露は生じないので、結露によるメタライズ層の腐食を防ぎ、安定した変位を維持することができる。
本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1に示す積層型圧電素子の積層方向に平行な断面における断面図である。 本発明の外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 本発明の外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 本発明の外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 本発明の外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 本発明の外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 外部電極とメタライズ層の配置例を示す図である。 本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の積層型圧電素子の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示す積層型圧電素子の積層方向に平行な断面における断面図である。
図1に示す積層型圧電素子1は、圧電体3および内部電極5が積層された積層体7と、積層体7の側面に設けられて内部電極5と電気的に接続されたメタライズ層8と、メタライズ層8に接合された外部電極6とを含み、外部電極6は、メタライズ層8から少なくとも一部がはみ出たはみ出し部61を有している。
積層体7は、例えば圧電体3および内部電極5が交互に複数積層された活性部と、活性部の積層方向の両端に配置され圧電体3が複数積層されてなる不活性部とを有し、例えば縦0.5〜10mm、横0.5〜10mm、高さ1〜10mmの柱状に形成されたものである。積層体
2の互いに反対側となる側面(対向する側面)にはメタライズ層8が設けられている。また、内部電極5は正極と負極(グランド)とで構成され、それぞれの極が積層体7の互いに反対側となる側面(対向する側面)に導出され、メタライズ層8と電気的に接続されている。
圧電体3は、圧電特性を有するセラミックスで形成されたもので、このようなセラミックスとして、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrO3−PbTiO3)からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)などを用いることができる。
内部電極5は、圧電体3を形成するセラミックスと同時焼成により形成されたもので、この形成材料として、例えば圧電磁器との反応性が低い銀−パラジウム合金を主成分とする導体、あるいは銅、白金などを含む導体を用いることができる。
なお、積層体7は、駆動時に内部電極5よりも優先的に破断する予定破断層(図示せず)を含む構成であってもよい。予定破断層は、複数の圧電体3の層間のうちの少なくとも一箇所、好ましくは一定の間隔で複数配置され、内部電極5よりも強度が低く、応力によってクラックが発生しやすい応力緩和機能を有する層として形成される。例えば、焼結が不十分な圧電体層、空孔の多い圧電体層もしくは金属層、または圧電体粒子や金属粒子が独立して分布している層などからなる。このような予定破断層を設けることで、積層体7が伸長して積層体7の積層方向に引っ張り応力が加わったときに、優先して予定破断層にクラックが生じ、内部電極5や圧電体3にクラックが生じるのを防ぐことができる。
積層体7の側面には、積層方向に長く被着されたメタライズ層8が設けられていて、内部電極5の積層体7側面へ導出された端部に電気的に接続されている。メタライズ層8は、銀などの導電性材料で形成され、積層体7との密着性を上げるためにガラス成分を含ませることが好ましい。このメタライズ層8は、例えば銀とガラスからなるペーストを塗布して焼き付けることで形成することができ、厚みは10〜500μm程度である。
外部電極6は、導電性接合材2を用いてメタライズ層8と接合されている。ここで用いられる導電性接合材2としては、半田(環境問題の点で好ましくは非鉛系の半田)や導電性樹脂が挙げられ、いずれも厚さは数μm〜500μm程度に形成される。
外部電極6は、銅、鉄、ステンレス、リン青銅等の金属からなり、例えば幅0.5〜10m
m、厚み0.01〜1.0mm程度に形成されたものである。外部電極6は、積層体7の伸縮に
追従するため、平板状の金網、網目状に加工された金属板、幅方向にスリットの入った形状、断面波型の入った形状などが挙げられるが、特に、平板状の金網、網目状に加工された金属板などの網目構造の電極とするのが好ましい。網目構造の電極とすることで、単純な平板に対して表面積が増加し、より多くの水分を保持でき、結露しやすくなるため、結露によってメタライズ層8が腐食することを防ぎ、より安定した変位を維持することができる。また、網目開口部の角部が結露しやすくなり、さらに、網目開口部に水滴を保持することができるので、メタライズ層8を結露させないだけでなく、水滴の流れ込みも防止できる。また、厚みも10〜500μmが好ましく、特に50〜200μm程度が好ましい。さらに、電気伝導性や熱伝導性を向上させるため、すずや銀のメッキを施してもよい。
図に示すように、外部電極6には半田10を介して外部リード部材9が接続され、外部回路に接続される。
そして、外部電極6はメタライズ層8から少なくとも一部がはみ出たはみ出し部61を有している。なお、図1でははみ出し部61が積層体7の積層方向および積層方向に垂直な方向にはみ出ている例を示している。
外部電極6におけるはみ出し部61は他の部分より冷却速度が速いので、はみ出し部61に優先的に結露を生じさせることができる。そのため、メタライズ層に結露は生じないので
、結露によるメタライズ層の腐食を防ぎ、安定した変位を維持することができる。
水蒸気を含有した気体を冷却した際、周囲に水分が無い場合は、過飽和状態になったときに結露を開始する。
ここで、メタライズ層8は結晶粒界にガラス成分が存在し、金属イオンが不安定な状態で存在する。したがって、結晶粒界に過飽和状態の気体が浸入すると、結露が生じる直前に、結晶粒界の酸化物やガラス成分に含まれる金属イオンと気体中の水分とが水素結合を生じ、オキソニウムイオンが形成され、結露によって生じた水分を介して、金属イオンの移動が容易になり、腐食が進行する。
これに対し、外部電極6の表面(金属表面)は水酸基が存在するため、過飽和状態の気体に接触しても、水酸基を核として水滴が形成される。また、長期間結露したままでも水酸基を起点として酸化皮膜である不動体が形成されるため、腐食の進行が容易には進まない。
ゆえに、過飽和の状態で、外部電極6に先に結露させてしまえば、メタライズ層8には過飽和の気体が接触することが無くなり、腐食の原因となるオキソニウムイオンの形成を抑止することができる。なお、過飽和の気体ではなく、水滴が流れ込んできた場合は、水素結合による反応はできないため、腐食は進行しない。
はみ出し部61としては、図3および図4に示すように積層体7の積層方向(駆動方向)にはみ出ている形態、図5および図6に示すように積層体7の積層方向に垂直な方向(駆動方向に垂直な方向)にはみ出ている形態、図1および図7に示すように積層体7の積層方向(駆動方向)および積層方向に垂直な方向(駆動方向に垂直な方向)にはみ出ている形態が挙げられ、どの形態であっても効果が期待できる。
例えば、図3および図4に示すように、はみ出し部61が積層体の積層方向(駆動方向)にはみ出ている場合は、駆動の応力が大きく腐食すると特に剥がれやすいメタライズ層8の積層方向端部に結露が生じて腐食するのを防ぎ、安定した変位を維持することができる。
また、図5および図6に示すように、はみ出し部61が積層体の積層方向に垂直な方向(駆動方向に垂直な方向)にはみ出ている場合は、腐食すると抵抗値が上がって変位を低下させるメタライズ層8の積層方向に垂直な方向の端部に結露が生じて腐食するのを防ぎ、安定した変位を維持することができる。
また、図1および図7に示すように、はみ出し部61が積層体7の積層方向(駆動方向)および積層方向に垂直な方向(駆動方向に垂直な方向)にはみ出ている場合、すなわち全ての方向にはみ出ている場合は、上記の効果に加えて以下の効果を奏する。
積層体7に過電流が流れると積層型圧電素子1は破壊してしまうが、外部電極6のはみ出し部61が外部の金属部に電流を流す(放電する)役割になって、過電流が積層体7に流れず、積層型圧電素子1の破壊を防ぐことができるため。
さらに、積層型圧電素子1の駆動による自己発熱により導電性接合材の強度が低下するが、外部電極6がメタライズ層8からはみ出すことで熱を放出し、導電性接合材の強度低下を抑制することができる。
図3および図4に示すように、はみ出し部61が積層方向(駆動方向)にはみ出ている場
合は、メタライズ層8の幅方向距離に対して10%以上の領域、好ましくは全域からはみ出しているのが効果的である。また、図5および図6に示すように、はみ出し部61が積層方向に垂直な方向(駆動方向に垂直な方向)にはみ出ている場合は、メタライズ層8の積層方向距離に対して10%以上の領域、好ましくは全域からはみ出しているのが効果的である。
また、はみ出し部61が電源と通電する部分から離れているほど、通電部からの熱の浸入を抑止でき、電源をOFFにした直後の冷却速度が速くなるので、効果的に結露させることができる。
なお、図3乃至図7に示す例では、外部電極6を正面から見たときにはみ出し部61が積層体7の外側まではみ出している構成が示されているが、メタライズ層8からはみ出していればよく、積層体7の外側まではみ出していなくてもよい。
次に、本実施の形態の積層型圧電素子1の製造方法について説明する。
まず、圧電体3となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、ドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーを用いてセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては圧電特性を有するものであればよく、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrO−PbTiO)からなるペロブスカイト型酸化物等を用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオチル(DOP)等を用いることができる。
次に、内部電極5となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法を用いて内部電極5のパターンで塗布する。さらに、この導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを多数枚積層し、所定の温度で脱バインダー処理を行なった後、900〜1200℃の温度で焼成することによって、交互に積層された圧電体3および内部電極5
を備えた積層体7を作製する。
なお、積層体7は、上記の製造方法によって作製されるものに限定されるものではなく、圧電体3と内部電極5とを交互に多数積層してなる積層体7を作製できれば、どのような製造方法によって作製されてもよい。
次に、焼成して得られた積層体7に、平面研削盤等を用いて所定の形状になるよう研削処理を施す。
その後、積層体7側面に銀とガラスから成るペーストを塗布し、焼き付けてメタライズ層8を形成する。
次に、メタライズ層8の上面にメタライズ層8からはみ出す大きさの外部電極(網目構造の電極)4をメタライズ層8からはみ出すように半田2を介して設置する。外部電極6の設置には半田2以外の導電性接合部材を用いてもよい。
次に、半田10を介してリード部材9を外部電極6の表面に接続して固定する。
その後、積層体7の側面に樹脂層(図示せず)をコーティングしてもよい。具体的には
、樹脂層となるシリコーン樹脂を含む樹脂溶液に、外部リード部材9を接続した積層体7を浸漬する。そして、樹脂溶液を真空脱気することにより、積層体7の外周側面に樹脂溶液を密着させ、その後、樹脂溶液から積層体7を引き上げる。これにより、メタライズ層8の表面に外部リード部材9を接続固定した積層体7の側面にシリコーン樹脂からなる樹脂層がコーティングされる。
その後、一対の外部電極6にそれぞれ接続した外部リード部材9に0.1〜3kV/mm
の直流電界を印加し、積層体7を構成する圧電体3を分極することによって、積層型圧電素子1が完成する。この積層型圧電素子1は、外部リード部材9を介してメタライズ層8と外部の電源とを接続して、圧電体3に電圧を印加することにより、各圧電体3を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。これにより、例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能させることが可能となる。
次に、本発明の噴射装置の実施の形態の例について説明する。図10は、本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
図10に示すように、本実施の形態の噴射装置19は、一端に噴射孔21を有する収納容器(容器)23の内部に上記の本実施の形態の積層型圧電素子1が収納されている。
収納容器23内には、噴射孔21を開閉することができるニードルバルブ25が配設されている。噴射孔21には流体通路27がニードルバルブ25の動きに応じて連通可能になるように配設されている。この流体通路27は外部の流体供給源に連結され、流体通路27に常時高圧で流体が供給されている。従って、ニードルバルブ25が噴射孔21を開放すると、流体通路27に供給されていた流体が外部または隣接する容器、例えば内燃機関の燃料室(不図示)に、噴射孔21から吐出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ25の上端部は内径が大きくなっており、収納容器23に形成されたシリンダ29と摺動可能なピストン31になっている。そして、収納容器23内には、上述した本実施の形態の積層型圧電素子1がピストン31に接して収納されている。
このような噴射装置19では、積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン31が押圧され、ニードルバルブ25が噴射孔21に通じる流体通路27を閉塞し、流体の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ33がピストン31を押し返し、流体通路27が開放され噴射孔21が流体通路27と連通して、噴射孔21から流体の噴射が行なわれるようになっている。
なお、積層型圧電素子1に電圧を印加することによって流体通路27を開放し、電圧の印加を停止することによって流体通路27を閉鎖するように構成してもよい。
また、本実施の形態の噴射装置19は、噴射孔を有する容器23と、本実施の形態の積層型圧電素子1とを備え、容器23内に充填された流体を積層型圧電素子1の駆動により噴射孔21から吐出させるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器23の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器23の内部に流体の噴射を制御するための圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本実施の形態の噴射装置19において、流体とは、燃料,インク等の他、導電性ペースト等の種々の液体および気体が含まれる。本実施の形態の噴射装置19を用いることによって、流体の流量および噴出タイミングを長期にわたって安定して制御することができる。
本実施の形態の積層型圧電素子1を採用した本実施の形態の噴射装置19を内燃機関に用いれば、従来の噴射装置に比べてエンジン等の内燃機関の燃焼室に燃料をより長い期間に
わたって精度よく噴射させることができる。
次に、本発明の燃料噴射システムの実施の形態の例について説明する。図11は、本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略ブロック図である。
図11に示すように、本実施の形態の燃料噴射システム35は、高圧流体としての高圧燃料を蓄えるコモンレール37と、このコモンレール37に蓄えられた高圧流体を噴射する多数の本実施の形態の噴射装置19と、コモンレール37に高圧流体を供給する圧力ポンプ39と、噴射装置19に駆動信号を与える噴射制御ユニット41とを備えている。
噴射制御ユニット41は、外部情報または外部からの信号に基づいて高圧流体の噴射の量およびタイミングを制御する。例えば、エンジンの燃料噴射に噴射制御ユニット41を用いた場合であれば、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量およびタイミングを制御することができる。圧力ポンプ39は、燃料タンク43から流体燃料を高圧でコモンレール37に供給する役割を果たす。例えばエンジンの燃料噴射システム35の場合には1000〜2000気圧(約101MPa〜約203MPa)程度、好ましくは1500〜1700気圧(約152MPa〜約172MPa)程度の高圧にしてコモンレール37に流体燃料を送り込む。コモンレール37では、圧力ポンプ39から送られてきた高圧燃料を蓄え、噴射装置19に適宜送り込む。噴射装置19は、前述したように噴射孔21から一定の流体を外部または隣接する容器に噴射する。例えば、燃料を噴射供給する対象がエンジンの場合には、高圧燃料を噴射孔21からエンジンの燃焼室内に霧状に噴射する。
なお、本発明は、上記の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何ら差し支えない。例えば、外部電極8は、上記の例では積層体7の対向する2つの側面に1つずつ形成したが、2つの外部電極8を積層体7の隣り合う側面に形成してもよいし、積層体7の同一の側面に形成してもよい。また、積層体7の積層方向に直交する方向における断面の形状は、上記の実施の形態の例である四角形状以外に、六角形状や八角形状等の多角形状、円形状、あるいは直線と円弧とを組み合わせた形状であっても構わない。
本実施の形態の積層型圧電素子1は、例えば、圧電駆動素子(圧電アクチュエータ),圧力センサ素子および圧電回路素子等に用いられる。駆動素子としては、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置,インクジェットのような液体噴射装置,光学装置のような精密位置決め装置,振動防止装置が挙げられる。センサ素子としては、例えば、燃焼圧センサ,ノックセンサ,加速度センサ,荷重センサ,超音波センサ,感圧センサおよびヨーレートセンサが挙げられる。また、回路素子としては、例えば、圧電ジャイロ,圧電スイッチ,圧電トランスおよび圧電ブレーカーが挙げられる。
本発明の積層型圧電素子の実施例について以下に説明する。
本発明の積層型圧電素子を備えた圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:PbZrO−PbTiO
)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダーおよび可塑剤を混合したセラミックスラリーを作製した。このセラミックスラリーを用いてドクターブレード法により厚み100μmの圧電体層3となるセラミックグリーンシートを作製した。また、銀−パラ
ジウム合金にバインダーを加えて、内部電極となる導電性ペーストを作製した。
次に、セラミックグリーンシートの片面に、内部電極層となる導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを300
枚積層した。そして、980〜1100℃で焼成することにより積層体を得た。得られた積層体
を、平面研削盤を用いて所定の形状に研削した。
次に、銀ガラス含有導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、焼付けを行った。これにより、メタライズ層を形成した。
次に、メタライズ層の表面に半田を介して外部電極の一部がメタライズ層よりはみ出すように外部電極を配置し、ヒーターで半田を溶融させ、メタライズ層と外部電極とを接合させた。
ここで、形状が異なる外部電極を5種類作成し、それぞれで上述の方法により積層型圧電素子を作成した(図3〜図9)。
次に、半田を介して外部リード部材を外部電極の表面に接続し固定した。半田としては、作業温度(融点)300℃の銀混入錫−鉛合金系の半田を用いた。
次に、積層体をシリコーン樹脂を含む樹脂溶液に浸漬することによって、外部電極の表面を含む積層体の側面にシリコーン樹脂層をコーティングした。
以上より、積層型圧電素子を作製した。
作製した各積層型圧電素子について、外部リード部材を介して外部電極に3kV/mmの直流電界を15分間印加して、分極処理を行なった。これらの積層型圧電素子に160Vの
直流電圧を印加したところ、積層体の積層方向に40μmの変位量が得られた。
さらに、室温で0V〜+160Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した耐久性試験を行なった。その結果、図8、図9の構造の積層型圧電素子はメタライズ層の腐食が見られたが、図3〜図7の構造の積層型圧電素子には腐食が見られなかった。このことより、本発明によれば、結露によるメタライズ層の腐食を防ぎ、安定した変位を維持することができることがわかる。
1・・・積層型圧電素子
2・・・導電性接合材
3・・・圧電体
5・・・内部電極
6・・・外部電極
61・・・はみ出し部
7・・・積層体
8・・・メタライズ層
9・・・外部リード部材
10・・・半田
19・・・噴射装置
21・・・噴射孔
23・・・収納容器(容器)
25・・・ニードルバルブ
27・・・流体通路
29・・・シリンダ
31・・・ピストン
33・・・皿バネ
35・・・燃料噴射システム
37・・・コモンレール
39・・・圧力ポンプ
41・・・噴射制御ユニット
43・・・燃料タンク

Claims (7)

  1. 圧電体および内部電極が積層された積層体と、該積層体の側面に設けられて前記内部電極と電気的に接続されたメタライズ層と、該メタライズ層に接合された外部電極とを含み、該外部電極は、前記メタライズ層から少なくとも一部がはみ出たはみ出し部を有することを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記外部電極が網目構造の電極であることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記はみ出し部が前記積層体の積層方向にはみ出ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記はみ出し部が前記積層体の積層方向に垂直な方向にはみ出ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型圧電素子。
  5. 前記はみ出し部が前記積層体の積層方向および該積層方向に垂直な方向にはみ出ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型圧電素子。
  6. 噴射孔を有する容器と、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に蓄えられた流体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とする噴射装置。
  7. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する請求項6に記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とする燃料噴射システム。
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