JP2012133118A - 光電気複合基板、この製造方法、及びこれを用いた光電気複合モジュール - Google Patents

光電気複合基板、この製造方法、及びこれを用いた光電気複合モジュール Download PDF

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大地 酒井
Toshihiro Kuroda
敏裕 黒田
Tomoaki Shibata
智章 柴田
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Abstract

【課題】ハンドリング性を低下させることなく製造することができると共に、厚さを薄くし、且つ、屈曲性を向上させた光電気複合基板、この光電気複合基板の製造方法、及びこの光電気複合基板を用いた、光電気複合モジュールを提供すること。
【解決手段】導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層が積層され、該下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層が積層されてなる、光電気複合基板、この製造方法、及びこれを用いた光電気複合モジュール。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電気複合基板、この製造方法、及びこれを用いた光電気複合基板モジュールに関するものである。
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インターコネクションが提案されており、電気配線と光配線の複合化に関して種々の検討が行われている。特に近年では、携帯電話やノート型パソコンのヒンジ部に光配線を導入する試みがなされており、これらアプリケーションには、光電気複合基板やフレキシブル光電気複合基板が使用される。
従来の光電気複合基板の構造を図3に示す。従来の光電気複合基板100は、基板112の一方の片面には、接着剤層113を介し、下部クラッド層121が積層し、この下部クラッド層121上にコアパターン122a及び上部クラッド層123が積層されている。また、基板112のクラッド層及びコア層とは反対の表面には、導体パターン111aが形成され、更にこの導体パターン111a上には、導体保護層114が形成される。導体保護層114は、導体パターン111aの絶縁保護、更にはほこりや水分、機械的ダメージ等からの保護を目的に形成されるものであり、例えばプリント配線板のソルダーレジストやカバーレイを指す。
また、光導波路と導電配線とを複合するフレキシブル配線板の従来の構造としては、例えば、特許文献1にように、導電配線層と光導波路層とを別層とする構造が知られている。しかしながら、当該構造は、導電配線層と光導波路層とを別層にしているため、フレキシブル配線板の厚みが増し、十分な屈曲性を得ることができない。屈曲性を向上させるためには、フレキシブル配線板の基材を薄くする必要があるが、基材を薄くすると、基材のハンドリング性が悪化し、フレキシブル配線板の生産性が劣る。
また、フレキシブル配線板の厚さを薄くする手段として、特許文献2では、屈曲可撓部において光導波路コア材パターンと導電金属パターンとが同一平面上に配置され、これらがクラッド材カバーレイにより被覆した構造を有することで、厚さを薄くした光電複合フレキシブル配線板が開示されている。
特許第3193500号公報 特開2010−54617号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたフレキシブル配線板は、同一平面にコアパターンと電気配線を形成するため、コアパターンと電気配線の交差配線ができず、小型化ができないという問題を有する。
本発明は、上記問題点に鑑み、ハンドリング性を低下させることなく製造することができると共に、厚さを薄くし、且つ、屈曲性を向上させた光電気複合基板、この光電気複合基板の製造方法、及びこの光電気複合基板を用いた、光電気複合モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接下部クラッドを積層した光電気複合基板が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[3]を提供するものである。
[1]導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層が積層され、該下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層が積層されてなる、光電気複合基板。
[2]上記[1]に記載の光電気複合基板の製造方法であって、導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層を形成する工程(1)と、下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層を順次形成して光導波路を構築する工程(2)とを有する、光電気複合基板の製造方法。
[3]上記[1]に記載の光電気複合基板を用いた、光電気複合モジュール。
本発明の光電気複合基板は、厚さを薄くし、優れた屈曲性を有する光電気複合基板となり得、本発明の光電気複合基板を用いた光電気複合モジュールは、屈曲性が求められる光インターコネクションの分野において適用しうる。また、本発明の製造方法によれば、ハンドリング性を低下させることなく、厚さが薄く、優れた屈曲性を有する光電気複合基板を製造することができる。
本発明の光電気複合基板の一例を示す模式図である。 本発明の光電気複合基板の製造方法の一例を示す模式図である。 従来の光電気複合基板の一例を示す模式図である。
〔光電気複合基板〕
本発明の光電気複合基板は、導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層が積層され、該下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層が積層されてなる。
本発明の光電気複合基板の構造を図1に示す。図1に示すように、本発明の光電気複合基板1は、基板12上に導体パターン11aを形成した電気配線基板10の基板12の導体パターン11a形成側表面に、直接、下部クラッド層21が積層されている。下部クラッド層21は、基板12と接着性のある樹脂を用いることで、接着剤層を設ける必要がなくなり、生産性を向上させ、厚さを薄くすることができるため好ましい。そして、下部クラッド層21上に、コアパターン22a及び上部クラッド層23が積層されている。本発明の光電気複合基板1では、下部クラッド層21が、図3の従来の光電気複合基板100のカバーレイ等の導体保護層114の役割を担う。そのため、導体保護層を別途設ける必要がないため、光電気複合基板の厚さを薄くすることができ、屈曲性を向上させることができる。また、導体パターン11aとコアパターン22aとは、積層方向において、異なる位置に形成されているので、電気配線基板10はコアパターンと導体パターン11aとの交差配線が可能である。
下部クラッド層が導体保護層としての役割に担う観点から、下部クラッド層21の厚さは、導体パターンの厚さに対して、好ましくは1.1〜3.0倍、より好ましくは1.1〜2.0倍である。1.1倍以上であれば、導体パターン11aの絶縁保護、ほこりや水分、機械的ダメージ等からの保護する役割を十分に発揮することができる。一方、3倍以下であれば、優れた屈曲性を有する程に、光電気複合基板の厚さを薄くすることができる。
以下、本発明の光電気複合基板の各構成について詳述する。
<電気配線基板>
本発明で用いられる電気配線基板としては、基板の上に導体パターンが設けられた電気配線基板であれば特に制約はなく、目的に応じて種々のものを用いることができる。
導体パターンを構成する導体金属としては、例えば、銅、アルミニウム、銀、金等が挙げられる。
基板材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等を用いた有機配線基板、ガラスエポキシ基板、アルミナ基板、窒化アルミ基板等のセラミック配線基板、シリコン等の半導体ウエハ等が挙げられる。
これらの中でも、フレキシブルタイプの光電気複合基板とするために、基板材料が、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー等が好ましく、耐熱性や入手のしやすさの観点から、ポリイミドを用いた基板がより好ましい。
なお、光導波路の構築に際して、基板を通して導体パターンを視認し易くするためには、透明な基板が好ましい。
基板及び導体パターンの厚さは、用途に応じて適宜決定されるものであって、特に制限はない。例えば、銅張りポリイミドフィルムの場合には、銅の厚みが、好ましくは1〜50μm程度、基板の厚みが、好ましくは5〜100μm程度である。
また、本発明で用いられる電気配線基板は、金属箔付き基板から作製したものを用いることができる。金属箔付き基板の金属箔及び基板としては、目的に応じて種々のものを用いることができる。金属箔としては、銅、アルミニウム、銀、金等があげられる。また、金属箔付き基板の基板としては、上述の基板材料からなるものが挙げられる。
このような金属箔付き基板としては、市販のもので、(株)カネカ製、商品名「ピクシオ」、宇部興産(株)製、商品名「ユピセル」、新日鐵化学(株)製、商品名「エスパネックス」、東レフィルム加工(株)製、商品名「メタロイヤル」、シェルダール製、商品名「フレックスベース」等が挙げられる。
金属箔付き基板を電気配線基板に加工するためには、配線のパターニングが必要であるが、その方法として、従来、金属配線に必要とされる厚みの金属箔が接着剤層を介して基板に積層された3層の金属箔付き基板を用い、金属箔付き基板の金属箔から導体パターンとしての不要部分をエッチング除去する、いわゆるサブトラクティブ法が多く行われてきた。
しかしながら、3層の金属箔付き基板においては、接着剤層の存在が基板の性能、特に、折れ曲げに対する信頼性に影響するため、接着剤層を介さずに金属箔が直接基板に積層された2層の金属箔付き基板が開発されており、金属箔と基板との接着強度を高める試みも多くなされている。
2層の金属箔付き基板としては、スパッタ法や直接めっき法によって基板上に金属薄膜を形成する方法で製造し、更に、電解めっき等の方法で導体金属の厚付けがされることによって製造されたものがあり、そのような2層の金属箔付き基板については、通常、上述のサブトラクティブ法で導体パターンを加工する。
また、2層の金属箔付き基板としては、スパッタ法や直接めっき法によって基板上に金属薄膜を形成して製造されたものがあり、そのような2層の金属箔付き基板については、通常、導体パターンとしての必要部分にのみ電解めっき等の方法で導体金属を析出させて必要な厚みとする、いわゆるセミアディティブ法で導体パターンを加工する。
これらの2層の金属箔付き基板の場合、金属薄膜は銅、アルミニウム、金等の導体金属と同じである必要はなく、ニッケル、パラジウム、鉄等であってもよい。
本発明には、金属箔付き基板としてこのような2層の金属箔付き基板を用い、後に、アディティブ法で電気配線基板を形成する方法(セミアディティブ法)も含まれる。むろん、2層の金属箔付き基板が金属配線に必要とされる厚みの金属箔を有する場合は、サブトラクティブ法で電気配線基板を形成する。
<クラッド層形成用樹脂>
下部クラッド層及び上部クラッド層に使用するクラッド層形成用樹脂としては、クラッド形成用樹脂フィルムの硬化物が、後記するコア層形成用樹脂フィルムの硬化物より低屈折率となるものであり、且つ光又は熱により硬化する樹脂であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂や感光性樹脂を用いることができる。特に、下部クラッド層は、導体パターンを保護する観点から、カバーレイ材よりなることが好ましく、接着性の観点から、電気配線基板と接着性に優れた樹脂よりなることが好ましい。
このようなクラッド層形成用樹脂の具体的なものとしては、(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物、及び(ウ)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されていることが好ましい。
((ア)ベースポリマー)
ここで用いる(ア)ベースポリマーは、クラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
これらのベースポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記(ア)ベースポリマーとしては、耐熱性が高いという観点から、主鎖に芳香族骨格を有する樹脂が好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。
また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。
更に、(ア)ベースポリマーとしては、後述する(イ)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂フィルムの透明性を確保するために重要であるが、この観点からは、フェノキシ樹脂及び/又は(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
上記フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体、及びビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため更に好ましい。
ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。
また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。
ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
また、(ア)ベースポリマーとしては、上記のように、3次元架橋し、耐熱性が向上するという観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
(ア)ベースポリマーの分子量は、フィルム形成性の点から、通常、数平均分子量が5,000以上である。該数平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上である。
数平均分子量の上限は、特に制限はないが、(イ)光重合性化合物との相溶性や露光現像性の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは500,000以下、更に好ましくは200,000以下である。
なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(ア)ベースポリマーの配合量は、(ア)成分のベースポリマー及び(イ)成分の光重合性化合物の総量に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%、更に好ましくは25〜65質量%である。
配合量が10質量%以上であれば、光導波路構築に必要な50〜500μm程度の厚膜フィルムの形成が容易であるという利点があり、一方、80質量%以下であれば、光硬化反応が十分に進行する。
((イ)光重合性化合物)
(イ)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物や分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物等が挙げられる。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等の2官能芳香族グリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂等の2官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリン等の2官能芳香族グリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール等の多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド等の2官能脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルヒダントイン等の2官能複素環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂、オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物は、通常、その分子量が100〜2000であって、室温で液状のものが用いられる。該分子量は、好ましくは150〜1,000、より好ましくは200〜800である。
また、これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよく、更にその他の光重合性化合物と組み合わせて用いることもできる。なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法又は質量分析法を用いて測定することができる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらのうち透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましく、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上のもののいずれも用いることができる。
1官能性(メタ)アクリレートとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能性(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−(4−アクリロイルポリオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビスフェノールA型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、及びグリシジルエーテル型のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
(イ)光重合性化合物の配合量は、(ア)成分のベースポリマー及び(イ)成分の光重合性化合物の総量に対して、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは25〜85質量%、更に好ましくは30〜80質量%である。
20質量%以上であれば、光重合性化合物にベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、一方、90質量%以下であれば、十分な厚さのクラッド層を容易に形成することできる。
((ウ)光重合開始剤)
(ウ)光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ化合物の開始剤として、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等のアリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート塩等のジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフロロヒドロキシアンチモネート塩等のトリアリールスルホニウム塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロホスホニウム塩、トリフェニルセレノニウムホウフッ化塩、トリフェニルセレノニウムヘキサフロロアンチモネート塩等のトリアリルセレノニウム塩、ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩等のジアルキルフェナジルスルホニウム塩、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート等のジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトン等のスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、アリール基が置換されている場合、2つのアリール基の置換基は同一で対称な二量体であってもよいし、相違して非対称な二量体であってもよい。
また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記光重合開始剤のうち、芳香族ケトン及びホスフィンオキサイド類が好ましい。
これらの(ウ)光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
(ウ)光重合開始剤の配合量は、(ア)成分のベースポリマー及び(イ)成分の光重合性化合物総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜4質量部である。
0.1質量部以上であれば、光感度が十分であり、一方、10質量部以下であれば、光導波路の表面のみが選択的に硬化し、硬化が不十分となることがなく、また、光重合開始剤自身の吸収により伝搬損失が増大することもない。
また、この他に必要に応じて、本発明のクラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤等のいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
クラッド層形成用樹脂は、(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物、及び(ウ)光重合開始剤を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解して、クラッド層形成用樹脂ワニスとして用いることもできる。
前記のように、下部クラッド層及び上部クラッド層の形成には、クラッド層形成用樹脂フィルムを使用するのが好ましいが、このクラッド層形成用樹脂フィルムは、クラッド層形成用樹脂ワニスを必要により基材フィルム上に塗布し、溶剤を除去することにより容易に製造することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程において、必要により用いる基材フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムを支持する支持体であって、その材料については特に限定されないが、例えば、クラッド層形成用樹脂フィルムを剥離することが容易であり、且つ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好適に用いられる。
なお、上記基材フィルムは、後にクラッド層形成用樹脂フィルムの剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理等が施されていてもよい。
該基材フィルムの厚さは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、更に好ましくは15〜30μmである。厚さが5μm以上であれば、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であれば、ロール状に製造する場合の巻き取り性が向上するという利点がある。
更に、クラッド層形成用樹脂フィルムには、フィルムの保護やロール状に製造する場合の巻き取り性等を考慮して、保護フィルムを貼り合わせてもよい。
保護フィルムとしては、上記基材フィルムの例として挙げたものと同様なものを用いることができ、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
クラッド層形成用樹脂ワニスに用いる溶媒としては、(ア)〜(ウ)成分を含有する樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。
クラッド層形成用樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常30〜80質量%、好ましくは35〜75質量%、より好ましくは40〜70質量%である。
クラッド層形成用樹脂フィルムの厚さについては、特に限定されないが、乾燥後のクラッド層の厚さが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは10〜100μm、更に好ましくは20〜90μmとなるように調整される。クラッド層の厚さが5μm以上であれば、光の閉じ込めに必要なクラッド層厚さが確保でき、500μm以下であれば、クラッド層膜厚を均一に制御することが容易となる。
また、クラッド層の厚さは、最初に形成される下部クラッド層と、コアパターンを埋め込むための上部クラッド層において、同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、上部クラッド層の厚さはコア層の厚さよりも厚くすることが好ましい。
<コア層形成用樹脂>
次に、本発明で用いるコア層形成用樹脂は、その硬化物がクラッド層より高屈折率であるように設計され、紫外線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。
具体的には、上記クラッド層形成用樹脂と同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。
すなわち、上記(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物及び(ウ)光重合開始剤を含有し、必要に応じて、上記任意成分を含有する樹脂組成物である。
従って、コア層形成用樹脂フィルムの硬化物は、クラッド層に用いる光導波路形成用樹脂フィルムの硬化物より高屈折率であるように設計される。コア層形成用樹脂は、(ア)ベースポリマー、(イ)光重合性化合物及び(ウ)光重合開始剤を含有する樹脂組成物を溶剤に溶解して、コア層形成用樹脂ワニスとして用いることもできる。
コア層形成用樹脂フィルムは、コア層形成用樹脂ワニスを必要により基材フィルム上に塗布し、溶剤を除去することにより容易に製造することができる。コア層形成用樹脂フィルムの製造過程において、必要により用いる基材フィルムは、コア層形成用樹脂フィルムを支持する支持体であって、その材料については特に限定されず、クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材フィルムと同様のものを用いることができる。
例えば、コア層形成用樹脂フィルムを剥離することが容易であり、且つ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を好適に用いることができる。
また、露光用光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減のため、高透明タイプのフレキシブルな基材フィルムを用いるのが好ましい。高透明タイプの基材フィルムのヘイズ値は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下である。
このような基材フィルムとしては、東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」や「コスモシャインA4100」が入手可能である。
なお、上記基材フィルムは、後にコア層形成用樹脂フィルムの剥離を容易とするため、離型処理、帯電防止処理等が施されていてもよい。
該基材フィルムの厚さは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、更に好ましくは15〜30μmである。基材フィルムの厚さが5μm以上であれば、支持体としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であれば、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。
また、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造する場合の巻き取り性等、必要に応じコア層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。保護フィルムとしては、クラッド層形成用樹脂フィルムにおいて用いられる基材フィルムと同様なものを用いることができ、必要に応じ、離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
コア層形成用樹脂ワニスに用いる溶媒としては、(ア)〜(ウ)成分を含有する樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。
コア層形成用樹脂ワニス中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは35〜75質量%、更に好ましくは40〜70質量%である。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては、特に限定されないが、乾燥後のコア層の厚さが、好ましくは10〜100μm、より好ましくは29〜90μm、更に好ましくは30〜80μmとなるように調整される。コア層の厚さが10μm以上であれば、光導波路構築後の受発光素子又は光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であれば、光導波路構築後の受発光素子又は光ファイバとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。
また、コア層はスピンコート法等によりコア層形成用樹脂ワニスをクラッド層上に塗布し、溶媒を除去することによっても容易に製造することができる。
〔光電気複合基板の製造方法〕
本発明の光電気複合基板の製造方法は、以下の工程(1)及び(2)を有する。
工程(1):導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層を形成する工程。
工程(2):下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層を順次形成して光導波路を構築する工程。
以下、本発明の光電気複合基板の製造方法について、図2を用いて説明する。
<工程(1)>
本工程において、図2の(a)に示すように、基板12上に導体パターン11aが形成された電気配線基板10を用いる。この電気配線基板10の導体パターン11aが形成された表面上に直接、下部クラッド層21を形成する。
導体パターン11aが形成された表面上に直接、下部クラッド層21を形成することで、製造する上でのハンドリング性を低下させることなく、得られる光電気複合基板の厚さを薄くすることができる。
下部クラッド層21の形成方法としては、導体パターン11a形成側表面にクラッド層形成用樹脂組成物のワニスを塗布して、直接形成する方法が挙げられる。塗布方法としては、スピンコート法等の公知の方法を用いることができ、塗布後に溶剤を除去することで、図2の(b)のように下部クラッド層21を形成することができる。
また、形成方法として、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを用いる方法が、下部クラッド層21の厚さの精度が確保できるので好ましい。
下部クラッド層形成用樹脂フィルムは、下部クラッド層形成用樹脂層と基材フィルムとから構成されている場合は取扱が容易で好ましいが、下部クラッド層形成用樹脂層単独で構成されていてもよい。なお、用いられている下部クラッド形成用樹脂は、電気配線基板10の導体パターン11a側表面と接着性のある樹脂を用いることが好ましい。
更に、下部クラッド層形成用樹脂フィルムにおいて、基材フィルムの反対側に保護フィルムを設けることもでき、該保護フィルムを剥離後、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する。この場合、保護フィルム及び基材フィルムは、下部クラッド層からの剥離を容易にするため接着処理を行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理を施しておいてもよい。
基板12上に導体パターン11aが形成された電気配線基板10は、図2の(a−1)に示す、基板12上に金属箔11が積層した金属箔付き基板9から、導体パターン11aを形成して、電気配線基板10を作製してもよい。
導体パターンを形成する方法として、必要とされる厚みの金属箔から導体パターンとしての不要部分を除去するサブトラクティブ法と、比較的薄い金属箔上の導体パターンとしての必要部分に電解めっき等で金属を析出させて必要な厚みとする、セミアディティブ法とがある。
(サブトラクティブ法)
サブトラクティブ法による導体パターンの形成方法の場合は、先ず、金属箔の表面に光硬化性膜を形成し、フォトマスクを介して露光した後に現像して、エッチングレジストでレジストパターンを形成し、その後、エッチングレジストに覆われていない箇所をエッチング除去して、導体パターンを形成し、最後にエッチングレジストを除去して電気配線基板を構築する。
金属箔の表面に形成する光硬化性膜は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と光硬化剤、硬化促進剤、必要な場合には顔料や流動性調整剤、粘度調整剤等を、希釈剤に混合・分散し、ワニスとしたものを、直接金属箔の表面に塗布・乾燥し、形成することもでき、また、そのワニスをキャリアフィルムに塗布・乾燥して半硬化状にしたドライフィルムを金属箔にラミネートして形成することもできる。
このようなワニス状のエッチング用レジスト材としては、市販のもので、オプトER N−350(日本ペイント株式会社製、商品名)があり、ドライフィルム状のエッチング用レジスト材としては、市販のもので、フォテックH−N930(日立化成工業株式会社製、商品名)がある。
レジストパターンを形成し、その後、エッチングレジストに覆われていない箇所をエッチング除去するには、エッチング液として、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、過硫酸アンモニウム溶液等があり、これらのエッチング液をスプレー噴霧して、エッチングレジストに覆われていない箇所を腐食除去して、導体パターンを形成することができる。
(セミアディティブ法)
セミアディティブ法による導体パターンの形成方法の場合は、金属箔にフォトレジスト材料を適用した後フォトリソグラフィを実施してめっきレジスト層(レジストパターン)を形成した後、金属箔を給電膜として用いて電解めっきを行って前記レジスト層のない金属箔の露出部に導体を析出させて導体層(導体パターン)を形成し、次いで、めっきレジスト層を除去して金属箔を露出させた後、導体層をマスクとして用いてエッチングを行ってめっきレジスト層の除去で露出した金属箔を除去することにより電気配線基板を構築する。
フォトレジスト材料としては特に限定されることなく、市販されている様々な材料を用いることができる。例えば、ノボラック樹脂を主成分とし、感光剤、乳酸エチル、酢酸ノルマルブチル等の溶剤を含有する液状ポジレジストを使用することができる。そのような液状ポジレジストは例えば、市販のOFPR(東京応化製)として入手可能である。
フォトレジスト材料としてフォトレジストフィルムを貼付してもよい。フォトレジストフィルムとしては特に限定することなく、市販されている様々な材料を用いることができる。例えば、旭化成製SUNFORT(R) ASG−253を用いる場合には、市販のフィルムラミネータを用いて、110℃で加熱しながら、0.4MPa程度の圧力でポリイミドフィルム上に貼り付けを行う。現像に際しては、炭酸ナトリウム水溶液を用いて、非露光部分の除去を行うことができる。
レジスト層の形成後に、金属箔を給電膜として用いて電解めっきを行い、金属箔の露出部に導体層を析出させる。電解めっき液は、銅をめっきする場合は、硫酸塩浴やスルファミン浴等が挙げられる。銀、金やそれらの合金をめっきする場合には、シアン系浴等が挙げられる。
電解めっき後は、レジスト層を除去して、金属箔を露出させる。例えば、剥離液に浸漬し、フォトレジストを剥離又は溶解すればよい。具体的には、例えば上記の旭化成製フィルムレジストを用いた場合には、2〜3%程度の水酸化ナトリウムか水酸化カリウムの水溶液、若しくは、有機アミン系の剥離液を用いてレジストの除去を行うことができる。また例えば、いわゆるノボラック系樹脂を主成分とする液状レジストの場合には、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートやアルキルベンゼンスルホン酸等の有機溶剤を含む剥離液を用いることができる。レジスト層の形成後に、レジスト層除去で露出した金属箔をエッチング除去し、導体パターン領域にのみ金属箔及び導体層を残存させる。
エッチング液は金属箔膜の金属及び導体層の金属に依存して決定され、エッチング液として金属箔は除去するが導体層は除去しない選択性を有するものを用いることが好ましいが、金属箔と導体層との間には厚さの差があるために、エッチング時間の調整により、導体層を完全に除去することなく、金属箔を完全除去することは可能であるから、金属箔さえエッチング除去できる液であればよい。むろん、金属箔と導体層とが同じ金属である場合には、エッチング時間の調整により、導体層を完全に除去することなく、金属箔を完全除去することとなある。
金属箔がニッケルからなり、導体層が銅からなる場合、エッチング液はFeCl3水溶液、HNO3、又はHNO3を含む酸が使用できる。特にHNO3の場合は、ニッケルを溶解できるが、銅を溶解しないため、特に望ましい。
金属箔が銅からなり、導体層も銅からなる場合には、FeCl3、CuCl2、(NH4228等の水溶液、アンモニア水等が使用できる。
金属箔が銀からなる場合には、エッチング液はHNO3、H2SO4とH22の混合液、Fe(NO33水溶液等が使用できる。
金属箔が鉄からなる場合には、エッチング液はHNO3等が使用できる。
金属箔がパラジウムからなる場合には、エッチング液はNH3I水溶液等が使用できる。
<工程(2)>
本工程において、図2の(c)に示すように、下部クラッド層21上にコア形成用樹脂の層であるコア層22を設ける。そして、そのコア層22を露光・現像することにより、図2の(d)に示すように、コアパターン22aを形成することができる。
コア層22を形成する方法について制限はなく、下部クラッド層21上にコア形成用樹脂のワニスを直接塗布し、乾燥する方法でもよいが、コア層形成用樹脂フィルムを用いる方法が、コア層22の厚さの精度が確保できるので好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムは、コア層形成用樹脂層と基材フィルムとから構成されている場合は取扱が容易で好ましいが、コア層形成用樹脂層単独で構成されていてもよい。
コア層形成用樹脂フィルムにおいて、基材フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、コア層形成用樹脂フィルムを積層する。この場合、保護フィルム及び基材フィルムは、コア層からの剥離を容易にするため接着処理を行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
このようにして設けたコア層22に対して、露光・現像を行うことにより、所望のコアパターン22aを形成する。具体的には、フォトマスクパターンを通して、紫外線を画像状に照射する。紫外線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。
また、コア層22上に基材フィルムが残っている場合には、基材フィルムを剥離し、ウェット現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターン22aを形成する。
ウェット現像の場合は、コア層形成用樹脂フィルムやコア層形成用樹脂ワニスの組成に適した有機溶剤系現像液又はアルカリ現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
有機溶剤系現像液としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、引火防止のため、有機溶剤100質量部に対し、通常1〜20質量部の範囲で水を添加してもよい。
アルカリ現像液としては、アルカリ性水溶液、水系現像液等を用いることができ、アルカリ性水溶液の塩基としては、特に制限はないが、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム等のナトリウム塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等の有機塩基等が挙げられる。
現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11であることが好ましく、その温度はコア形成用樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
この中でも、特に炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム水溶液は人体への刺激や環境への負荷が少ないため好ましい。
また、必要に応じ、上記アルカリ水溶液には有機溶媒を併用することも可能である。ここでいう有機溶媒とは、アルカリ水溶液と混和可能であれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル等が挙げられる。
これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
現像後の処理として、必要に応じて水と上記有機溶剤からなる洗浄液を用いて光導波路のコアパターンを洗浄してもよい。有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の濃度は通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度はコア形成用樹脂組成物の現像性に合わせて調節される。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スクラッピング等が挙げられ、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。現像後の処理として、必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1,000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン22aを更に硬化して用いてもよい。
続いて、下部クラッド層21及びコアパターン22a上にクラッド層形成用樹脂層を設け、それを硬化させることにより、図2の(e)に示すとおり、上部クラッド層23を設けて、光導波路を有する光電気複合基板1が得られる。
前記のように、クラッド層形成用樹脂組成物のワニスを塗布して直接形成することもできるが、上部クラッド層形成用樹脂フィルムを使用するのが好ましい。
その場合、コアパターン埋込みのため上部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する操作と、該上部クラッド層形成用樹脂フィルムのクラッド層形成用樹脂層を硬化し、上部クラッド層を形成する操作を行う。
この場合の上部クラッド層の厚さは、上記のようにコア層の厚さより大きくすることが好ましい。なお、硬化は、光又は熱によって上記と同様に行う。
クラッド層形成用樹脂フィルムにおいて、基材フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを加熱圧着し、光又は加熱により硬化させ、クラッド層を形成する。この場合、基材フィルムは剥離してもよいし、必要により貼り合せたままでもよい。
貼り合せたままの場合には、クラッド層形成用樹脂層は接着処理を施した基材フィルム上に製膜されていることが好ましい。
一方、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
〔光電気複合モジュール〕
本発明の光電気複合基板は、厚さが薄く、優れた屈曲性を有する。そのため、本発明の光電気複合基板を用いた光電気複合モジュールは、屈曲性が求められる様々な光インターコネクションの分野に適用しうる。本発明の光電気複合基板を用いた光電気複合モジュールとしては、例えば、屈曲性を求められるような携帯電話等が挙げられる。
〔実施例1〕
以下の如くに各工程を実施し、光電気複合基板を作製した。
(1)クラッド層形成用樹脂フィルムの作製
(ア)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)48質量部、(イ)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業(株)製)49.6質量部、(ウ)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業(株)製)2質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、更に真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA4100、東洋紡績(株)製、厚さ:50μm)の非処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層15μm、上部クラッド層65μmとなるように調節した。
(2)コア層形成用樹脂フィルムの作製
(ア)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、(イ)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、(ウ)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は、上記クラッド層形成用樹脂フィルムの作製例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスを調合した後、加圧濾過、及び減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:A31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
(3)導体パターンの形成
銅箔付き基板(長さ150mm、幅150mm、基板:ポリイミド、厚さ:12.5μm、銅箔厚さ:9μm、東レフィルム加工(株)製、商品名「メタロイヤル」)の銅箔表面に光硬化性膜である厚さ30μmのエッチングレジスト用・フォテックH−N930(日立化成工業株式会社製、商品名)をラミネートした。導体パターンのフォトマスクをエッチングレジスト用ドライフィルムに重ね、60mmHgの真空下に、露光を行った。その後現像を行い、エッチングレジストを形成した後、塩化第二銅溶液をスプレー噴霧して、不要な銅箔をエッチング除去し、導体パターンを形成し、電気配線基板を得た。
(4)電気配線基板の導体パターン形成側表面への下部クラッド層の形成(工程(1))
上記(1)で作製した下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥がし、クラッド層形成用樹脂層が、上記(3)で得た電気配線基板の導体パターン形成側表面に接するようにして、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い、圧力0.5MPa、温度80℃、ラミネート速度0.5mの条件で、下部クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートした。その後、紫外線(波長365nm)を3J/cm2照射後、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持基材を剥がし、80℃で10分間加熱処理することによって、導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層を形成した。
(5)コアパターンの形成(工程(2))
上記(4)で作製した、下部クラッド層付き電気配線基板の下部クラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い、圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次いで平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、コア層を形成した。
次に、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥した。
(6)上部クラッド層の形成(工程(2))
次いで、下部クラッド層のラミネートと同様のラミネート条件にて、上記クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートした。更に、紫外線(波長365nm)を3J/cm2照射後、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持基材を剥がし、180℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を形成して、光導波路を構築し、厚さ120μmの光電気複合基板Aを得た。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model 2010)で測定したところ、波長830nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.550であった。また、作製した光導波路の伝搬損失を、光源に850nmの面発光レーザー(EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサに株式会社アドバンテスト製、Q82214を用い、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm、入射ファイバ;GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバ;SI−114/125(NA=0.22))により測定したところ、0.1dB/cmであった。
〔実施例2〕
実施例1において、上記(3)で得た電気配線基板の代わりに、電気配線を有するフレキシブル電気配線基板(長さ48mm、幅4mm、基材:カプトンEN、12.5μm、銅回路厚さ:9μm)を用い、実施例1での(3)を行わなかった以外は実施例1と同様に実施し、厚さ120μmの光電気複合基板Bを得た。
〔比較例1〕
(7)導体保護層(カバーレイ層)の形成
実施例1の上記(3)で作製された電気配線基板の導体パターン形成側表面に、カバーレイフィルム(商品名:ニカフレックスCISG、ニッカン工業株式会社製、ポリイミド厚さ:12.5μm、接着剤厚さ:15μm)、圧力4.0MPa、温度160℃、加圧時間90分の条件で真空プレスし、導体保護層(カバーレイ層)を形成した。そして、電気配線基板の導体パターン形成側とは反対の表面には、実施例1と同様の材料及び方法により、光導波路を形成し、光電気複合基板Cを得た。
以上の実施例及び比較例で得られた光電気複合基板A〜Cを曲げ半径2mm、0.5Hzの条件でスライドさせたところ、Aは18万回、Bは20万回、Cは5000回でコアパターンが破断した。したがって、実施例1、2の光電気複合基板は、比較例のものと比べて、厚さが薄く、優れた屈曲性を有するフレキシブル光電気複合基板となり得る。
本発明の光電気複合基板は、厚さが薄く、優れた屈曲性を有する。そのため、本発明の光電気複合基板は、様々な光インターコネクション等の幅広い分野に適用でき、特に高い屈曲性が求められる場合に有効である。
1、100;光電気複合基板
9;金属箔付き基板
10、110;電気配線基板
11;金属箔
11a、111a;導体パターン
12、112;基板
113;接着剤層
114;導体保護層
21、121;下部クラッド
22;コア層
22a、122a;コアパターン
23、123;上部クラッド層

Claims (9)

  1. 導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層が積層され、該下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層が積層されてなる、光電気複合基板。
  2. 下部クラッド層が、カバーレイ材よりなる、請求項1に記載の光電気複合基板。
  3. 下部クラッド層の厚さが、導体パターンの厚さに対して、1.1〜3.0倍である、請求項1又は2に記載の光電気複合基板。
  4. 光電気複合基板がフレキシブルタイプである、請求項1〜3のいずれかに記載の光電気複合基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光電気複合基板の製造方法であって、
    導体パターンが形成された電気配線基板の導体パターン形成側表面に直接、下部クラッド層を形成する工程(1)と、下部クラッド層上にコアパターン及び上部クラッド層を順次形成して光導波路を構築する工程(2)とを有する、光電気複合基板の製造方法。
  6. 工程(2)が、下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成した後に、露光・現像によりコアパターンを形成し、次いでコアパターン上に上部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層することからなる、請求項5に記載の光電気複合基板の製造方法。
  7. 工程(1)において、金属箔付き基板の金属箔上にエッチングレジストでレジストパターンを形成した後に、エッチングにより導体パターンを形成し、次いでエッチングレジスト除去を行うことにより電気配線基板を構築する、請求項5又は6に記載の光電気複合基板の製造方法。
  8. 工程(1)において、前記電気配線基板が、金属箔付き基板の金属箔上にめっきレジストでレジストパターンを形成した後に、パターンめっきにより導体パターンを形成し、次いでめっきレジスト除去と露出金属箔エッチングとを行うことにより電気配線基板を構築する、請求項5又は6に記載の光電気複合基板の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の光電気複合基板を用いた、光電気複合モジュール。
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