JP2012128840A - 異常監視システムおよび異常監視方法 - Google Patents

異常監視システムおよび異常監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】監視対象の種類を意識することなく汎用的に適用でき、かつその異常を高精度に検知することができる異常監視システム等を提供すること。
【解決手段】統計的監視指標化処理部275は、事前に正常動作時の監視対象から得られたM種(M≧1)の所定の動作が行なわれる区間の時系列データからM×L種の変数を取得し、このM×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を1つの正常パターンとして、正常パターンの分散の度合いを算出する。一方、統計的監視指標化処理部375は、操業時において定動作設備から得られるM種の時系列データのそれぞれからM×L種の変数を取得し、M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を操業時パターンとし、正常パターンの分散の度合いをもとに操業時パターンの正常パターンの分布からの逸脱度を算出する。判定処理部377は、逸脱度をもとに監視対象の異常を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラント設備から得られる時系列データをもとに、プラント設備の異常を検知する異常監視システムおよび異常監視方法に関するものである。
プラント設備の状態監視では、一般に、そのプラント設備から得られる信号データに対して適当な上下限を設定することでプラント設備の異常を検知している。ただし、バルブ等の一部の特定機器を監視対象とする場合は、機器の特性に応じた特徴量を抽出することで状態監視を行っている。
しかしながら、1つの目的を実行するために複数の要素機器(設備)を組み合わせて構成されるプラント、例えば鉄鋼製品の製造プラント等では、前述のような状態監視では不十分の場合がある。例えば、このようなプラントでは、各設備は、多くの場合同じ動作を繰り返し行う。このため、各々の動作パターンから信号データの変化率や最大値、最小値、整定に要する時間といった特徴量をそれぞれ抽出し、抽出した特徴量を管理することで動作パターンを監視する必要がある。また、動作パターンが一定の設備に対しては、特徴量の抽出にかえて、ユーザによる手作業に従って動作パターン自体に上下限を設定することで動作パターンを監視し、異常を判定する場合もある(例えば特許文献1を参照)。
一方で、別の視点からのアプローチとして、多変量解析を利用した状態監視の手法も知られている。例えば、監視対象のプラント設備から収集した複数のプロセス量に対して主成分分析を行い、プロセス量をその主要な変化を表す少数の特徴量に変換するようにしたものが知られている(例えば特許文献2を参照)。
特開平10−6028号公報 特開2001−75642号公報
しかしながら、上記したような監視対象から得られる信号データに対して上下限を設定する手法や、特許文献1のように動作パターンに対して上下限を設定する手法では、プラントが複数の設備で構成されている場合、これら複数の設備のそれぞれに対して個別に上下限の設定を行わなければならず、マンパワーやコストが増大するという問題があった。一方、特許文献2の手法では、時間方向の情報が活かせないため、動作パターンを有する設備の状態監視では、異常検知の精度が低下する場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、監視対象の種類等を意識することなく汎用的に適用でき、かつその異常を高精度に検知することができる異常監視システムおよび異常監視方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる異常監視システムは、製造プロセスで正常動作時に所定の動作を繰り返し行う定動作設備から得られる時系列データをもとに前記定動作設備の異常を検知する異常監視システムであって、事前に正常動作時の前記定動作設備から得られたM種(M≧1)の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれからL個サンプリングし、M×L種の変数として取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を正常パターンとし、空間内での複数の正常パターンの各変数間の相関係数を算出する正常パターン抽出手段と、前記相関係数の最大値が所定の閾値未満の場合は、前記定動作設備を第1モデルとして各変数の平均と分散とを算出し、前記相関係数の最大値が所定の閾値以上の場合は、前記定動作設備を第2モデルとして各変数に対して主成分分析を行って主成分の変換係数を算出する監視指標作成手段と、操業時において前記定動作設備から得られる前記M種の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれから前記M×L種の変数を取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を操業時パターンとする操業時パターン抽出手段と、前記定動作設備が第1モデルの場合に、前記監視指標作成手段が取得した前記正常パターンの平均と分散とをもとに前記操業時パターンのマハラノビス距離を逸脱度として算出し、前記定動作設備が第2モデルの場合に、前記監視指標作成手段が取得した前記正常パターンの主成分の変換係数をもとに前記操業時パターンの主成分からの偏差を逸脱度として算出する操業時逸脱度算出手段と、前記操業時逸脱度算出手段が算出した前記逸脱度をもとに前記定動作設備の異常を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる異常監視システムは、上記の発明において、前記判定手段は、所定の期間において前記定動作設備が異常と判定された回数をもとに前記定動作設備の補修の要否を判定することを特徴とする。
また、本発明にかかる異常監視システムは、上記の発明において、前記監視指標作成手段は、前記第2モデルの定動作設備について、前記正常パターンの主成分の寄与率を算出して主要な主成分をさらに決定し、前記判定手段は、前記操業時パターンの主成分のうちの前記主要な主成分以外の外れ成分をもとに前記偏差を算出し、該偏差が所定値以上の場合に前記定動作設備を異常と判定することを特徴とする。
また、本発明にかかる異常監視方法は、製造プロセスで正常動作時に所定の動作を繰り返し行う定動作設備から得られる時系列データをもとに前記定動作設備の異常を検知する異常監視方法であって、事前に正常動作時の前記定動作設備から得られたM種(M≧1)の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれからL個サンプリングし、M×L種の変数として取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を正常パターンとし、空間内での複数の正常パターンの各変数間の相関係数を算出する正常パターン抽出工程と、前記相関係数の最大値が所定の閾値未満の場合は、前記定動作設備を第1モデルとして各変数の平均と分散とを算出し、前記相関係数の最大値が所定の閾値以上の場合は、前記定動作設備を第2モデルとして各変数に対して主成分分析を行って主成分の変換係数を算出する監視指標作成工程と、操業時において前記定動作設備から得られる前記M種の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれから前記M×L種の変数を取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を操業時パターンとする操業時パターン抽出工程と、前記定動作設備が第1モデルの場合に、前記監視指標作成工程で取得した前記正常パターンの平均と分散とをもとに前記操業時パターンのマハラノビス距離を逸脱度として算出し、前記定動作設備が第2モデルの場合に、前記監視指標作成工程で取得した前記正常パターンの主成分の変換係数をもとに前記操業時パターンの主成分からの偏差を逸脱度として算出する操業時逸脱度算出工程と、前記操業時逸脱度算出工程で算出した前記逸脱度をもとに前記定動作設備の異常を判定する判定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明では、事前に正常動作時の監視対象から得られた1種類以上のM種の所定の動作を行なう区間の時系列データのそれぞれからL個ずつサンプリングしてM×L種の変数として取得することとした。そして、このM×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を1つの正常パターンとし、複数の正常パターンの分散の度合いを算出することとした。また、操業時において監視対象から得られるM種の時系列データのそれぞれからL個ずつサンプリングしてM×L種の変数を取得し、このM×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を操業時パターンとして正常パターンの分散の度合いをもとに正常パターンからの逸脱度を算出することとした。そして、算出した操業時パターンの逸脱度をもとに監視対象の異常を判定することとした。これによれば、監視対象の種類を意識することなく汎用的に適用できる異常監視システムおよび異常監視方法を提供することができる。加えて、時系列データのパターンを考慮した高精度な異常検知が実現できる。
図1は、本実施の形態の異常監視システムの全体構成の一例を示すブロック図である。 図2は、対象設備から得られる2つの時系列データの典型的な変化曲線を示す図である。 図3は、1つの時系列データのパターンのL次元空間における分布例を示す図である。 図4は、2つの時系列データのパターンを結合した対象設備の動作パターンの2L次元空間における分布例を示す図である。 図5は、監視指標作成処理の処理手順を示すフローチャートである。 図6は、異常監視処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態の適用例を説明する図である。 図8は、実施の形態の適用例を説明する他の図である。 図9は、実施の形態の適用例を説明する他の図である。 図10は、実施の形態の適用例を説明する他の図である。 図11は、実施の形態の適用例を説明する他の図である。 図12は、実施の形態の適用例を説明する他の図である。
以下、図面を参照して、本発明の異常監視システムおよび異常監視方法を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態の異常監視システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の異常監視システム1は、製造プロセスにおいて決まった一定の動作を繰り返す設備を監視対象とし、この監視対象の設備(以下、「対象設備」と呼ぶ。)の状態監視を行って異常を検知するものである。この異常監視システム1は、図1に示すように、オフライン指標作成システム2と、オンライン診断システム3と、操業DB4と、監視指標DB5とを含み、互いにデータの送受が可能に接続されて構成されている。なお、操業DB4および監視指標DB5は、オフライン指標作成システム2またはオンライン診断システム3が備える記憶部23,33に保存された構成としてもよい。
オフライン指標作成システム2は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いて実現され、入力部21と、表示部22と、記憶部23と、各部を制御する制御部25とを含む。
入力部21は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の各種入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた入力信号を制御部25に出力する。表示部22は、LCDやELディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現されるものであり、制御部25から入力される表示信号をもとに各種画面を表示する。
記憶部23は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、CD−ROM等の情報記憶媒体およびその読取装置等によって実現されるものである。この記憶部23には、オフライン指標作成システム2を動作させ、このオフライン指標作成システム2が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め保存され、あるいは処理の都度一時的に保存される。
制御部25は、CPU等で実現され、入力部21から入力される入力信号、記憶部23に保存されるプログラムやデータ等をもとに、オフライン指標作成システム2を構成する各部への指示やデータの転送等を行ってオフライン指標作成システム2の動作を制御する。この制御部25は、監視指標作成処理部27を含む。
監視指標作成処理部27は、オンライン診断システム3が行う対象設備の状態監視に用いられる監視指標を作成する処理(監視指標作成処理)を行う機能部であり、過去の操業時に対象設備から得られた時系列データを用いて対象設備の正常な動作状態を指標化する。この監視指標作成処理部27は、部分時系列切出処理部271と、正規化処理部273と、正常パターン抽出手段および監視指標作成手段としての統計的監視指標化処理部275とを含む。
オンライン診断システム3は、オフライン指標作成システム2と同様に、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いて実現され、入力部31と、表示部32と、記憶部33と、各部を制御する制御部35とを含む。
入力部31は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の各種入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた入力信号を制御部35に出力する。表示部32は、LCDやELディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現されるものであり、制御部35から入力される表示信号をもとに各種画面を表示する。
記憶部33は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、CD−ROM等の情報記憶媒体およびその読取装置等によって実現されるものである。この記憶部33には、オンライン診断システム3を動作させ、このオンライン診断システム3が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め保存され、あるいは処理の都度一時的に保存される。
制御部35は、CPU等で実現され、入力部31から入力される入力信号、記憶部33に保存されるプログラムやデータ等をもとに、オンライン診断システム3を構成する各部への指示やデータの転送等を行ってオンライン診断システム3の動作を制御する。この制御部35は、異常監視処理部37を含む。
異常監視処理部37は、対象設備の状態をオンライン(リアルタイム)で監視し、対象設備の異常を検知する処理(異常監視処理)を行う機能部であり、対象設備から得られる時系列データを用いて対象設備の状態監視を行って異常を検知する。この異常監視処理部37は、部分時系列切出処理部371と、正規化処理部373と、操業時パターン抽出手段および操業時逸脱度算出手段としての統計的監視指標化処理部375と、判定手段としての判定処理部377とを含む。
操業DB4には、過去の操業時に対象設備から取得した時系列データが保存される。また、監視指標DB5には、オフライン指標作成システム2において監視指標作成処理部27が対象設備の正常な動作状態を指標化した監視指標が保存される。
次に、異常監視システム1が行う状態監視の原理について説明する。図2は、対象設備から得られる2つの時系列データによって定まる2つの変数(以下、「変数A」および「変数B」と表記する。)を説明する図である。本実施の形態では、鉄鋼製品の製造プラントにおける設備、具体的には、その製造過程での処理を施すために鉄鋼製品を所定の搬送位置まで搬送して位置決めするための設備を対象設備とする。この対象設備は、搬送対象の鉄鋼製品をその種類等に応じた搬送位置に順次搬送する動作を繰り返し行うものであり、図2(a)は、繰り返される対象設備の1回の動作で得られる一方の時系列データ(変数Aを定める時系列データ)の典型的な変化曲線を示し、図2(b)は、同じ1回の対象設備の動作で得られる他方の時系列データ(変数Bを定める時系列データ)の典型的な変化曲線を示している。より具体的には、図2(a)の時系列データは、例えば対象設備によって搬送される鉄鋼製品の位置(以下、「製品位置」と呼ぶ。)の時系列データであり、事前に設定される設定値を一点鎖線で示し、実測値を実線で示している。一方、図2(b)の時系列データは、鉄鋼製品を搬送する駆動モータの速度(以下、「モータ速度」と呼ぶ。)の時系列データであり、事前に設定される設定値を一点鎖線で示し、実測値を実線で示している。
上記したように、対象設備は、決まった動作、すなわち、鉄鋼製品を所定の搬送位置まで搬送する動作を繰り返し行うものであり、この対象設備から得られる製品位置およびモータ速度の各時系列データの変化曲線は、繰り返される対象設備の動作単位毎に、図2(a),(b)にそれぞれ示すような規則性(パターン)を示す。すなわち、製品位置の変化曲線は、対象設備の動作単位毎に図2(a)のパターンを示し、モータ速度の時系列データの変化曲線は、対象設備の動作単位毎に図2(b)のパターンを示す。本実施の形態では、この動作単位の製品位置の時系列データをL個のサンプリング時間(1,2,・・・,L)でサンプリングし、サンプリングデータ(サンプリングしたL個の時系列データ)D11,D12,・・・D1Lを製品位置のパターンを表す変数(変数A)として取得する。同様に、動作単位のモータ速度の時系列データを変数Aと同じL個のサンプリング時間(1,2,・・・,L)でサンプリングし、サンプリングデータ(サンプリングしたL個の時系列データ)D21,D22,・・・D2Lをモータ速度のパターンを表す変数(変数B)として取得する。なお、サンプリング数Lは、予め設定される固定値としてもよいし、ユーザ操作に従って可変に設定することとしてもよく、適宜設定してよいが、サンプリング数Lが多いほど対応するパターンの特徴を表した変数を取得できる。
このように製品位置の時系列データをL個サンプリングすることで取得した変数AをL次元空間にプロットすれば、変数Aによって表される製品位置のパターンをL次元空間内の1点によって表すことができる。図3は、L次元空間における製品位置のパターンの分布例を示す図である。対象設備の動作が正常であれば、得られる製品位置のパターンは同じような軌跡を描く。したがって、L次元空間内に正常な製品位置のパターンを表す点P31を複数プロットすると、各点P31は、図3中に一点鎖線で囲って示すようにL次元空間内で球状に分布する。これに対し、対象設備の動作が異常である場合、製品位置のパターンを表す点P33は、球状の分布から外れる。なお、図示しないが、モータ速度のパターンも同様に、対象設備の動作が正常であれば同じような軌跡を描く。そして、このモータ速度のパターンをL次元空間内の点として表すと、正常動作時に得られたものは球状に分布し、異常動作時に得られたものはこの球状の分布から外れる。
ここで、製品位置のパターンと、モータ速度のパターンとを時間軸方向に結合したものを対象設備の1回の動作パターンと定義する。この場合、製品位置の時系列データをL個サンプリングすることで取得した変数Aと、モータ速度の時系列データをL個サンプリングすることで取得した変数Bとを2L個の変数として2L次元空間にプロットすれば、動作パターンを2L次元空間内の1点によって表すことができる。図4は、2L次元空間における動作パターンの分布例を示す図である。
上記したように、動作パターンは、製品位置およびモータ速度の各パターンを結合したものであるため、これら製品位置およびモータ速度の各パターンと同様に、対象設備の動作が正常であれば同じような軌跡を描く。ところで、製品位置の変化は、モータ速度の変化に起因するものであるため、製品位置の時系列データをL個サンプリングして得た変数Aと、モータ速度の時系列データをL個サンプリングして得た変数Bとは相関する。したがって、正常な動作パターン(正常パターン)を表す点P41を複数プロットすると、各点P41は、図4中に一点鎖線で囲って示すように、変数A,Bとして取得したサンプリングデータは楕円状に分布する。これに対し、対象設備において例えばハンチングや応答遅れ等の異常が発生している場合の異常な動作パターン(異常パターン)を表す2L次元空間内の点P43は、楕円状の分布から逸脱する。特に、複数の正常パターンの相関が強い場合には、主成分(楕円の長軸)が顕著にあらわれる。このとき、異常パターンでは正常パターンの主成分(楕円の長軸)に直交する外れ成分が増加することで、楕円状の分布から逸脱する。
本実施の形態では、このように2L次元空間内でのプロット位置が楕円状に分布する複数の正常パターンに対して事前に分散の度合いを算出して対象設備の正常な動作状態を指標化しておく。そして、正常パターンの分布(分散の度合い)からの逸脱度をもとに対象設備の状態を監視し、対象設備の異常を検知する。
なお、正常パターンの分散の度合いを指標化する方法として、各正常パターンの相関の度合いによって、相関が強い場合には、主成分分析を適用し、相関が弱い場合には、平均と分散を算出することとする。例えば、正常パターンの各変数間の相関係数の最大値が所定の閾値以上の場合には、この対象設備を第2モデルとして、主成分分析を行って、主要な主成分(楕円の長軸)を決定することで、対象設備の正常な動作状態を指標化しておく。そして、逸脱度として主要な主成分に直交する外れ成分をもとに、対象設備の異常を検知する。
また、正常パターンの各変数間の相関係数の最大値が所定の閾値未満の場合には、この対象設備を第1モデルとして、各変数の平均(重心)と分散とを算出して、対象設備の正常な動作状態を指標化しておく。そして、逸脱度として周知のマハラノビス距離(重心からの距離をその方向の楕円の幅で割ったもの)をもとに、対象設備の異常を検知する。
また、ここでは、対象設備の製品位置およびモータ速度の2種の時系列データから対応する2種の変数A,Bを取得して対象設備の正常な動作状態を指標化する場合を例示した。これに対し、3種類以上のM種の時系列データからサンプリングデータ数Lに応じたM×L種の変数を取得する場合も同様に、その正常パターンをM×L種の各変数のM×L次元空間内の1点として表すことで、対象設備の正常な動作状態を指標化する。そして、同様に、正常パターンの分布からの逸脱度をもとに対象設備の状態を監視し、対象設備の異常を検知する。
次に、異常監視システム1が行う具体的な処理手順について説明する。図5は、オフライン指標作成システム2が行う監視指標作成処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図6は、オンライン診断システム3が行う異常監視処理の処理手順を示すフローチャートである。異常監視システム1は、オフライン指標作成システム2が図5の処理手順に従って監視指標作成処理を行い、オンライン診断システム3が図6の処理手順に従って異常監視処理を行うことで異常監視方法を実施する。なお、ここで説明する処理は、監視指標作成処理を実現するためのプログラムをオフライン指標作成システム2の記憶部23に保存しておき、オフライン指標作成システム2がこのプログラムを読み出して実行するとともに、異常監視処理を実現するためのプログラムをオンライン診断システム3の記憶部33に保存しておき、オンライン診断システム3がこのプログラムを読み出して実行することで実現できる。
オフライン指標作成システム2が行う監視指標作成処理では、図5に示すように、先ず、制御部25において、監視指標作成処理部27の部分時系列切出処理部271が、操業DB4を参照し、過去の操業時に対象設備から得られた2種類以上のM種の時系列データ(本実施の形態では、製品位置およびモータ速度の2種の時系列データ)のそれぞれについて、正常操業時(対象設備の正常動作時)に得られた時系列データを読み出す(ステップS101)。そして、部分時系列切出処理部271は、ステップS101で読み出した正常操業時におけるM種の時系列データのそれぞれを、対象設備の動作単位で複数切り出す(ステップS103)。例えば、繰り返される対象設備の1回の動作に要する時間長を予め設定しておく。そして、ステップS103では、部分時系列切出処理部271は、対象設備の動作開始位置を基準として前述の時間長の時系列データをM種の時系列データのそれぞれから複数切り出す。
続いて、正規化処理部273が、ステップS103で複数切り出したM種の時系列データに対し、前処理として正規化処理を行う(ステップS105)。対象設備は、上記したように、搬送対象の鉄鋼製品をその種類等に応じた搬送位置まで順次搬送する動作を繰り返し行うものである。ステップS105の正規化処理は、ステップS107以降の後段の処理を搬送位置に起因するM種の時系列データの大小に影響されることなく行うためのものである。
続いて、統計的監視指標化処理部275が、正常パターン抽出工程として、ステップS105での正規化処理後のM種(本実施の形態では変数Aおよび変数Bの2種)の時系列データをそれぞれL個サンプリングし、対応するM×L種の変数を取得する(ステップS107)。そして、統計的監視指標化処理部275は、複数の正常パターンを抽出し、各変数間の相関係数を算出する(ステップS108)。この相関係数の最大値が所定の閾値以上の場合に、統計的監視指標化処理部275は、この対象設備を第2モデルと判定し、監視指標作成処理はステップS109の処理に移行する。一方、相関係数の最大値が所定の閾値未満の場合には、統計的監視指標化処理部275は、対象設備を第1モデルと判定し、監視指標作成処理はステップS110の処理に移行する。
ステップS109の処理では、統計的監視指標化処理部275は、監視指標作成工程として、ステップS107で取得したM×L種の変数をM×L次元空間(本実施の形態では2L次元空間)内の点として表した複数の正常パターンの主成分分析を行う(ステップS109)。
例えば、本実施の形態では、図4に示した2L次元空間において楕円状に分布する各点P41によって表される複数の正常パターンについて公知の主成分分析を行う。この主成分分析では、各正常パターンの変数Aおよび変数Bとしたサンプリングデータを用い、主成分毎の固有ベクトルを求めて各主成分の変換係数を取得し、主成分の式を取得する。次いで、累積寄与率が予め設定される閾値(例えば0.8)以上となる主要な主成分である上位の主成分の成分数kを決定する。なお、成分数kを決定する閾値は、固定値としてもよいし、ユーザ操作に従って可変に設定することとしてもよく、適宜設定してよい。ここで決定した上位k個の主成分(第1主成分〜第k主成分)によって、正常パターンを特徴付ける主要な特性が決定される。一方、第k+1主成分より下位の主成分である外れ成分(残差)は、正常パターンの特性を決定する際の寄与度が低い。
以上のようにして主成分分析を行い、正常パターンの主成分の変換係数によって表される主成分の式および上位の主成分の成分数kを取得したならば、統計的監視指標化処理部275は、取得した主成分の式および成分数kを第2モデルの対象設備の正常な動作状態を指標化した監視指標として監視指標DB5の第2モデル監視指標ファイル52に保存する(ステップS111)。
一方、ステップS110の処理では、統計的監視指標化処理部275は、監視指標作成工程として、ステップS107で取得したM×L種の変数をM×L次元空間(本実施の形態では2L次元空間)内の点として表した複数の正常パターンの各変数の平均(重心)と、分散(偏差の平均)とを算出する。
そして統計的監視指標化処理部275は、算出された平均値と分散値とを第1モデルの対象設備の正常な動作状態を指標化した監視指標として監視指標DB5の第1モデル監視指標ファイル51に保存する(ステップS112)。
また、オンライン診断システム3が行う異常監視処理では、図6に示すように、先ず、制御部35の異常監視処理部37において、部分時系列切出処理部371が、操業中の対象設備から得られたM種の時系列データ(本実施の形態では、製品位置およびモータ速度の2種の時系列データ)を入力し(ステップS201)、入力したM種の時系列データのそれぞれを、対象設備の動作単位で切り出す(ステップS203)。ここでの処理は、図5のステップS101と同様に、繰り返される対象設備の1回の動作に要する時間長を予め設定しておき、M種の時系列データのそれぞれから前述の時間長の時系列データを切り出すことで行う。切り出したM種の時系列データは、記憶部33に一時保存する。その後、正規化処理部373が、一時保存したM種の時系列データに対し、前処理として正規化処理を行う(ステップS205)。
続いて、対象設備が第2モデルの場合(ステップS206,Yes)、異常監視処理はステップS207の処理に移行する。一方、対象設備が第1モデルの場合(ステップS206,No)、異常監視処理はステップS208の処理に移行する。
ステップS207の処理では、統計的監視指標化処理部375が、監視指標DB5の第2モデル監視指標ファイル52を参照し、対象設備の監視指標、すなわち、正常パターンの主成分の変換係数によって表される主成分の式および上位の主成分の成分数kを読み出す(ステップS207)。続いて、統計的監視指標化処理部375は、操業時パターン抽出工程として、ステップS205での正規化処理後のM種(本実施の形態では変数Aおよび変数Bの2種)の時系列データをそれぞれL個ずつサンプリングし、対応するM×L種の変数を取得する(ステップS209)。そして、統計的監視指標化処理部375は、操業時逸脱度算出工程として、ステップS209で取得したM×L種の変数をM×L次元空間(本実施の形態では2L次元空間)内の点として表した操業時パターン(操業中の対象設備の動作パターン)にステップS207で読み出した主成分の式を適用することで、操業時パターン、すなわちステップS209でM×L種の変数として取得したサンプリングデータのk個の主成分およびこのk個の主成分より下位の主成分である外れ成分を算出する(ステップS211)。
その後、判定処理部377が、判定工程として、外れ成分のQ統計量を算出して主成分からの偏差とし、この逸脱度としての偏差をもとに対象設備の異常を判定する(ステップS213)。例えば、判定処理部377は、予め設定される閾値を用いて逸脱度を閾値処理することで逸脱度の大小を判定する。そして、判定処理部377は、逸脱度が大きい場合に、対象設備の動作状態を異常と判定する。判定処理部377は、ここで異常と判定した回数をカウントし、所定の期間でのカウント回数を所定の閾値で閾値処理することで、対象設備の補修の要否を判定する(ステップS215)。
一方、ステップS208の処理では、統計的監視指標化処理部375が、監視指標DB5の第1モデル監視指標ファイル51を参照し、対象設備の監視指標、すなわち、正常パターンの平均および分散の値を読み出す。続いて、統計的監視指標化処理部375は、操業時パターン抽出工程として、ステップS205での正規化処理後のM種(本実施の形態では変数Aおよび変数Bの2種)の時系列データをそれぞれL個ずつサンプリングし、対応するM×L種の変数を取得する(ステップS210)。そして、統計的監視指標化処理部375は、操業時逸脱度算出工程として、ステップS210で取得したM×L種の変数をM×L次元空間(本実施の形態では2L次元空間)内の点として表した操業時パターン(操業中の対象設備の動作パターン)について、ステップS208で読み出した平均(重心)および分散の値に基づいてマハラノビス距離を算出する(ステップS212)。
その後、判定処理部377が、判定工程として、算出されたマハラノビス距離を逸脱度として、この逸脱度をもとに対象設備の異常を判定する(ステップS213)。例えば、上述したように、判定処理部377は、予め設定される閾値を用いて逸脱度を閾値処理することで逸脱度の大小を判定する。そして、判定処理部377は、逸脱度が大きい場合に、対象設備の動作状態を異常と判定する。判定処理部377は、ここで異常と判定した回数をカウントし、所定の期間でのカウント回数を所定の閾値で閾値処理することで、対象設備の補修の要否を判定する(ステップS215)。
以上説明したように、本実施の形態では、対象設備から得られる1種類以上のM種の所定の動作を行う区間の時系列データのそれぞれからサンプリングしたL個のサンプリングデータをM×L種の変数として取得することとした。そして、取得したM×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を対象設備の正常パターンとし、複数の正常パターンの分散の度合いを算出して監視指標として用いて操業時における対象設備の操業時パターンの正常パターンの分布からの逸脱度を算出し、対象設備の異常を判定することとした。
例えば、正常パターンの相関が強い場合には、正常パターンの主成分分析を行って、正常パターンの主成分の変換係数によって表される主成分の式および上位の主成分の成分数kを取得することとした。また、取得した主成分の式および上位の主成分の成分数kを監視指標として用いて操業時における対象設備の操業時パターンの主成分および外れ成分を算出し、外れ成分のQ統計量を逸脱度として用いて対象設備の異常を判定することとした。また、正常パターンの相関が弱い場合には、正常パターンの平均(重心)と分散とを算出することとした。また、算出した平均と分散の値を監視指標として用いて操業時における対象設備の操業時パターンの各点についてマハラノビス距離を算出し、マハラノビス距離を逸脱度として用いて対象設備の異常を判定することとした。
本実施の形態によれば、対象設備の例えば種類や特性を意識することのない汎用的な対象設備の状態監視が可能となる。すなわち、本実施の形態の状態監視は、例示した設備に限らず、決まった動作を繰り返す設備であって、得られる1種類以上のM種の時系列データがその動作単位で規則性を示す設備であれば、その設備の種類等に関わらず汎用的に適用が可能である。したがって、例えば、対象設備の種類や特性等に応じてパラメータを変更したり、操業条件等に応じてパラメータを再設定する必要がない。このため、例えば鉄鋼製品の製造プラントのように、プラント設備の数が多い大規模なプラントにおける状態監視の単純化が図れ、状態監視に要するマンパワーやコストの低減が実現できる。また、M種の時系列データをL個ずつサンプリングすることで取得したM×L種の変数を対象設備の動作パターンとし、その正常パターンの分散の度合いを監視指標として用いて操業時パターンの逸脱度を判定することができるので、対象設備の動作パターン(例えば製品位置およびモータ速度のパターン)の特徴を考慮した高精度な異常検知を実現することができる。
なお、本実施の形態では、鉄鋼製品の製造プラントのプラント設備を監視対象として異常を検知する場合について説明したが、鉄鋼製品の製造プラントに限らず、各種製品の製造プラント設備等の所望の監視対象から得られる時系列データをもとに、その異常を検知する場合に同様に適用できる。
(実施例)
図5および図6に示した処理手順に従い、過去の操業時等において事前に得られる第2モデルの対象設備の正常パターンに対して主成分分析を行うことで正常パターンの主成分の変換係数によって表される主成分の式および上位の主成分の成分数kを得た。そして、操業時の対象設備から得られた12回分の製品位置およびモータ速度の時系列データをもとにその操業時パターンの主成分を算出することで、第2モデルの対象設備の状態監視を行った。図7〜図12は、上記した実施の形態の適用例を説明する図である。
ここで、図7(a)は、12回の各動作の製品位置パターン(変数Aのパターン)を重ねて示した図であり、図7(b)は、12回の各動作のモータ速度のパターン(変数Bのパターン)を重ねて示した図である。そして、図8は、12回の各動作の製品位置およびモータ速度のパターンのうち、対象設備の異常動作時における製品位置のパターン(a)、およびモータ速度のパターン(b)のみを取り出して示した図である。また、図9(a),(b),・・・は、12回の各動作の製品位置およびモータ速度のパターンを時間軸方向に結合した操業時パターンのうち、対象設備の正常動作時における操業時パターン(正常パターン(1),(2),・・・)を示す図である。そして、図10は、12回の各動作のうちの異常動作時における操業時パターン(異常パターン)、具体的には、図8(a),(b)に示す製品位置およびモータ速度のパターンを時間軸方向に結合した操業時パターンを示す図である。図8および図10では、変数Aを取得する製品位置のパターンの図8および図10(a)中に一点鎖線で囲った部分が、対象設備でハンチングが発生したことに起因して波打った軌跡となっている。
そして、図11は、12回の各動作の操業時パターンに対し、正常パターンの主成分の変換係数によって表される主成分の式を適用することで行った主成分の算出結果を示す図であり、例えば、サンプリングデータ数L=26とし、成分数k=5として算出した52個の主成分のうちの上位5個の主成分を12回の動作毎に定量化して示している。一方、図12は、上位5個の主成分以外の外れ成分の偏差として算出したQ統計量を示す図である。ここで、12回の動作のうち、10回目の動作が図8および図10に示した異常操業時に相当しており、図12中に一点鎖線で囲って示すように、10回目のQ統計量(逸脱度)は、他のQ統計量と比較して十分に大きい。したがって、このQ統計量の値から、この10回目の動作を異常と判定することができる。
以上のように、本発明の異常監視システムおよび異常監視方法は、監視対象の種類等を意識することなく汎用的に適用し、かつその異常を高精度に検知するのに適している。
1 異常監視システム
2 オフライン指標作成システム
21 入力部
22 表示部
23 記憶部
25 制御部
27 監視指標作成処理部
271 部分時系列切出処理部
273 正規化処理部
275 統計的監視指標化処理部
3 オンライン診断システム
31 入力部
32 表示部
33 記憶部
35 制御部
37 異常監視処理部
371 部分時系列切出処理部
373 正規化処理部
375 統計的監視指標化処理部
377 判定処理部
4 操業DB
5 監視指標DB
51 第1モデル監視指標ファイル
52 第2モデル監視指標ファイル

Claims (4)

  1. 製造プロセスで正常動作時に所定の動作を繰り返し行う定動作設備から得られる時系列データをもとに前記定動作設備の異常を検知する異常監視システムであって、
    事前に正常動作時の前記定動作設備から得られたM種(M≧1)の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれからL個サンプリングし、M×L種の変数として取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を正常パターンとし、空間内での複数の正常パターンの各変数間の相関係数を算出する正常パターン抽出手段と、
    前記相関係数の最大値が所定の閾値未満の場合は、前記定動作設備を第1モデルとして各変数の平均と分散とを算出し、前記相関係数の最大値が所定の閾値以上の場合は、前記定動作設備を第2モデルとして各変数に対して主成分分析を行って主成分の変換係数を算出する監視指標作成手段と、
    操業時において前記定動作設備から得られる前記M種の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれから前記M×L種の変数を取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を操業時パターンとする操業時パターン抽出手段と、
    前記定動作設備が第1モデルの場合に、前記監視指標作成手段が取得した前記正常パターンの平均と分散とをもとに前記操業時パターンのマハラノビス距離を逸脱度として算出し、前記定動作設備が第2モデルの場合に、前記監視指標作成手段が取得した前記正常パターンの主成分の変換係数をもとに前記操業時パターンの主成分からの偏差を逸脱度として算出する操業時逸脱度算出手段と、
    前記操業時逸脱度算出手段が算出した前記逸脱度をもとに前記定動作設備の異常を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする異常監視システム。
  2. 前記判定手段は、所定の期間において前記定動作設備が異常と判定された回数をもとに前記定動作設備の補修の要否を判定することを特徴とする請求項1に記載の異常監視システム。
  3. 前記監視指標作成手段は、前記第2モデルの定動作設備について、前記正常パターンの主成分の寄与率を算出して主要な主成分をさらに決定し、
    前記判定手段は、前記操業時パターンの主成分のうちの前記主要な主成分以外の外れ成分をもとに前記偏差を算出し、該偏差が所定値以上の場合に前記定動作設備を異常と判定することを特徴とする請求項1または2に記載の異常監視システム。
  4. 製造プロセスで正常動作時に所定の動作を繰り返し行う定動作設備から得られる時系列データをもとに前記定動作設備の異常を検知する異常監視方法であって、
    事前に正常動作時の前記定動作設備から得られたM種(M≧1)の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれからL個サンプリングし、M×L種の変数として取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を正常パターンとし、空間内での複数の正常パターンの各変数間の相関係数を算出する正常パターン抽出工程と、
    前記相関係数の最大値が所定の閾値未満の場合は、前記定動作設備を第1モデルとして各変数の平均と分散とを算出し、前記相関係数の最大値が所定の閾値以上の場合は、前記定動作設備を第2モデルとして各変数に対して主成分分析を行って主成分の変換係数を算出する監視指標作成工程と、
    操業時において前記定動作設備から得られる前記M種の所定の動作が行なわれる区間の時系列データのそれぞれから前記M×L種の変数を取得し、前記M×L種の変数によって定まるM×L次元空間内の点を操業時パターンとする操業時パターン抽出工程と、
    前記定動作設備が第1モデルの場合に、前記監視指標作成工程で取得した前記正常パターンの平均と分散とをもとに前記操業時パターンのマハラノビス距離を逸脱度として算出し、前記定動作設備が第2モデルの場合に、前記監視指標作成工程で取得した前記正常パターンの主成分の変換係数をもとに前記操業時パターンの主成分からの偏差を逸脱度として算出する操業時逸脱度算出工程と、
    前記操業時逸脱度算出工程で算出した前記逸脱度をもとに前記定動作設備の異常を判定する判定工程と、
    を含むことを特徴とする異常監視方法。
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