JP2012126080A - フッ素系樹脂被覆鋼板および鋼板一体型太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼板一体型太陽電池モジュールの基板に適したフッ素系樹脂被覆鋼板、および、絶縁性、耐食性(耐候性)、加工性に優れ、かつ密着性にも優れた鋼板一体型太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面に、樹脂成分と10質量%以上65質量%以下の防錆顔料とを含み、厚みが1μm超20μm以下である防錆プライマー層と、その上層に厚みが15μm以上250μm以下で、前記防錆プライマー層側の面の上に、両面がコロナ放電処理されてなるフッ素系樹脂被覆層を有するフッ素系樹脂被覆鋼板とする。また、該フッ素系樹脂被覆鋼板のフッ素系樹脂被覆層とシート型太陽電池モジュールの下面部分とを接着して、鋼板一体型太陽電池モジュールとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板一体型太陽電池モジュールの基板に適した鋼板であって、シート型太陽電池モジュールとの接着性や耐食性、加工性、耐候性に優れたフッ素系樹脂被覆鋼板、およびその上層にシート型太陽電池モジュールを配設してなる絶縁性、耐食性、加工性、耐候性に優れた鋼板一体型太陽電池モジュールに関する。
近年、地球環境の保全の要望が強く、炭酸ガスの排出規制が強化されるようになり、自然エネルギーの利用が活発となっている。なかでも、太陽光を利用した発電が注目され、太陽電池の性能向上にも影響されて、屋根等に太陽電池を多数敷設して、太陽光発電を行うようになっている。このような状況から、施工性の改善等を目的に、太陽電池と屋根用材料とを一体化した太陽電池一体型屋根材の開発が要望されていた。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、ソーラー屋根材が提案されている。特許文献1に記載された技術は、主板の中間に、下方に屈曲成形された両段部を介し一段低くなる中間平坦部を形成し、主板の両側には屈曲結合部が形成された鉄系薄鋼板製の屋根板本体と、中間平坦部上に載置貼着されたソーラーと、該ソーラー上に固定されたガラス板又は硬質プラスチックからなるソーラー屋根板である。特許文献1に記載された技術では、ソーラーは、結晶系の太陽電池セルを上下でEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂で被覆されるとともに、EVA樹脂の下側に絶縁シートが、さらにその下側にEVA樹脂が設けられた構造となっている。そして、特許文献1に記載された技術では、ソーラーは、段部を介して低くなる中間平坦部のみを形成した状態の屋根板本体とともに、真空加熱され、該中間平坦部にソーラーのEVA樹脂を熱圧着して、ソーラーを屋根板本体に貼着固定し、その後に、屋根板本体の両端部に屈曲結合部を形成するとしている。これにより、強度性に優れ、施工が容易で、かつ安価な、デザイン性や耐風圧性にも優れた、ソーラー屋根板を提供できるとしている。
また、特許文献2には、薄膜太陽電池を屋根材の前壁および上面の両面域にまたがって敷設した屋根材一体型太陽電池モジュールが提案されている。特許文献2に記載された技術では、太陽電池モジュールを、フレキシブルな基板とし、薄型太陽電池等をシート状の封止材および耐候性の表面保護材でサンドイッチ状に封止した構成として、屋根材の表面に貼り付けている。封止材としては、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂が、表面保護材としてはETFEなどのフッ素系樹フィルムが例示されている。これにより、ロール曲げ、型曲げ加工を施すことが容易になるとしている。特許文献2に記載された技術では、太陽電池モジュールの屋根材への貼り付けは、屋根材が平板状態であるときに行い、その後に曲げ加工するとしている。
特開2002−194858号公報 特開2004−87769号公報
最近では、太陽電池モジュールに使用される太陽電池素子としては、軽量性、加工性の点から、シート型の薄膜アモルファス系太陽電池が広く使われている。このようなシート型の太陽電池素子を封止材で挟み込んだ太陽電池モジュール(ソーラー)を、特許文献1に記載された技術では、ソーラーの封止材であるEVA樹脂を熱圧着して、屋根板本体に貼着固定している。また、特許文献2に記載された技術では、シート型の太陽電池素子を封止材で挟み込んだ太陽電池モジュールを、接着剤で、屋根板本体に貼り付けている。接着剤としては、一般的に、シリコン系接着剤が使用されている。
しかしながら、上記シリコン系接着剤では、太陽電池モジュールと屋根板本体の接着端面から、水等の侵入により、長期間の使用で剥離することが懸念され、接着性に問題を残していた。また、引用文献1,2に記載された技術において、太陽電池モジュールで封止材として使用されているEVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体)は、耐候性や耐熱性が悪く、長期間屋外で放置された場合、屋根用鋼板との密着性が不十分となるという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、耐食性(耐候性)、加工性に優れ、かつ太陽電池モジュールとの密着性にも優れたフッ素系樹脂被覆鋼板、およびその上層にシート型太陽電池モジュールを配設してなる絶縁性、耐食性、加工性、耐候性に優れた鋼板一体型太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、鋼板一体型太陽電池モジュールの密着性、とくに太陽電池モジュールと基板である鋼板との密着性に及ぼす各種要因について、鋭意研究した。その結果、基板である鋼板の表面にフッ素系樹脂被覆層を形成し、該フッ素系樹脂被覆層の両面にコロナ放電処理を施し、そのフッ素系樹脂被覆層を介して太陽電池モジュールと鋼板を接着することが、密着性向上に有効であることを知見した。
そして、上記知見のもと、鋼板にフッ素系樹脂被覆層を設けることにより、鋼板一体型太陽電池モジュールの基板に適した鋼板が得られることに想到した。また、鋼板を亜鉛系めっき鋼板とし、且つフッ素系樹脂被覆層の下層として所定の顔料を含む防錆プライマー層を設けることにより、屋外に設置されるソーラー屋根板に適用した場合であっても、過酷な環境下に耐え得る耐食性・耐候性が得られることを知見した。
更に、上記したことに加えて、さらに太陽電池モジュールをシート型太陽電池モジュールとして、フッ素系樹脂フィルムで太陽電池素子をサンドイッチ状に包封したものを使用するか、あるいは少なくとも保護シートとしてフッ素系樹脂フィルムで覆われたものを使用して、太陽電池モジュールの端部を樹脂の熱融着により接着することにより、太陽電池モジュールと基板である鋼板との密着性が顕著に向上することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
[1]亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面に、防錆プライマー層と、その上層にフッ素系樹脂被覆層を有するフッ素系樹脂被覆鋼板であって、前記防錆プライマー層を、樹脂成分と10質量%以上65質量%以下の防錆顔料とを含み、厚みが1μm超20μm以下である防錆プライマー層とし、前記フッ素系樹脂被覆層を、厚みが15μm以上250μm以下で、前記防錆プライマー層側の上に両面がコロナ放電処理されてなるフッ素系樹脂被覆層とすることを特徴とするフッ素系樹脂被覆鋼板。
[2][1]において、前記防錆プライマー層の樹脂成分が、アクリル−シリコン系樹脂またはポリエステル−シリコン系樹脂であることを特徴とするフッ素系樹脂被覆鋼板。
[3][1]または[2]において、前記防錆プライマー層の防錆顔料が、ストロンチウム−クロメート、リン酸カルシウムの1種または2種を含むことを特徴とするフッ素系樹脂被覆鋼板。
[4][1]ないし[3]の何れかにおいて、前記亜鉛系めっき鋼板が、化成処理を施してなることを特徴とするフッ素系樹脂被覆鋼板。
[5][1]ないし[4]の何れかに記載のフッ素系樹脂被覆鋼板の上層に、シート型太陽電池モジュールを配設してなる鋼板一体型太陽電池モジュールであって、
前記フッ素系樹脂被覆鋼板のシート型太陽電池モジュール側のフッ素系樹脂被覆層面がコロナ放電処理され、該フッ素系樹脂被覆層と前記シート型太陽電池モジュールの下面部分とを接着してなることを特徴とする鋼板一体型太陽電池モジュール。
[6][5]において、前記シート型太陽電池モジュールの下面部分が、前記フッ素系樹脂被覆層に、接着剤層を介して接着されてなることを特徴とする鋼板一体型太陽電池モジュール。
[7][5]または[6]において、前記シート型太陽電池モジュールが、フッ素系樹脂フィルムで該シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子をサンドイッチ状に包封したものであることを特徴とする鋼板一体型太陽電池モジュール。
[8][5]または[6]において、前記シート型太陽電池モジュールが、少なくとも該シート型太陽電池モジュールの上面側がフッ素系樹脂フィルムで覆われてなることを特徴とする鋼板一体型太陽電池モジュール。
[9][7]または[8]において、前記フッ素系樹脂被覆層と前記シート型太陽電池モジュールの下面部分との接着が、前記太陽電池素子の存在する部分では接着剤層を介しての接着とし、前記太陽電池素子の存在しない部分では前記フッ素系樹脂フィルムの熱融着による接着とすることを特徴とする鋼板一体型太陽電池モジュール。
本発明によれば、耐候性、耐食性等の耐久性に加えて、鋼板と太陽光電池モジュールとの密着性に優れた鋼板が得られる。また、本発明によると、鋼板と太陽光発電モジュールとの密着性に優れ、しかも耐久性、絶縁性も良好な一体型太陽電池モジュールを提供することができ、産業上格段の効果を奏する。また、本発明の鋼板一体型太陽光発電モジュールは、屋根材、外壁材、さらには高速道路等の遮音壁、などとして広く利用可能であるという効果がある。
本発明で使用する、基板である亜鉛系めっき鋼板の表面にフッ素系樹脂被覆層を形成した断面状況の一例を、模式的に示す説明図である。 本発明の鋼板一体型太陽光発電モジュールの断面の一例を模式的に示す説明図である。 本発明で使用するシート型太陽電池モジュールの断面の一例を模式的に示す説明図である。
本発明の鋼板はフッ素系樹脂被覆鋼板であって、図1に示すように、亜鉛系めっき鋼板3の少なくとも一方の表面に、防錆プライマー層2と、その上層にフッ素系樹脂被覆層1を有することを特徴とする。
本発明フッ素系樹脂被覆鋼板の基材となる鋼板は、亜鉛系めっき鋼板とする。亜鉛系めっきは、鋼板に耐食性および端面錆性を付与する目的で基板の片面または両面に設けられる。基材として、亜鉛系めっき層が設けられていない鋼板を用いると、耐食性・耐候性が不十分となり、例えば屋外に設置されるソーラー屋根板等、過酷な環境下での用途に適用することができない。亜鉛系めっき鋼板の基板としては、強度や加工性の観点から厚さ0.1〜1.6mm程度の冷延鋼板とすることが望ましい。なお、亜鉛系めっき層は、基板の少なくとも片面に形成することが好ましいが、更なる耐食性、耐端面錆性向上を考慮すれば、両面に形成することが好ましい。
ここで、亜鉛系めっきとしては、電気亜鉛めっき、亜鉛−ニッケル系合金めっき、亜鉛−クロム系合金めっき、溶融亜鉛系めっき板、合金化溶融亜鉛系めっき、亜鉛−アルミニウム系合金めっき等からなるめっきが挙げられる。なお、価格や性能等からは、溶融亜鉛系めっきとすることが好ましい。特に、好ましい溶融亜鉛系めっき鋼板としては、5%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルファン,GF)、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム,GL)、等が例示される。また、これらの亜鉛およびアルミニウム−亜鉛合金中に、Mg,Mn,Si,Ti,Ni,Co,Mo,Pb,Sn,Cr,La,Ce,Y,Nb等を添加してもなんら問題はない。
また、本発明では基材である亜鉛系めっき鋼板の両面に防錆プライマー層を設けるが、亜鉛系めっき鋼板と防錆プライマー層との密着性向上という観点から、亜鉛系めっき鋼板に何らかの化成処理を施してもよい。化成処理の種類は特に限定されず、公知のリン酸塩処理、クロメート処理、クロメートフリー処理等が例示される。環境負荷軽減という観点からは、クロメートフリー処理とすることが好ましい。クロメートフリー処理としては、リン酸系、シリコーン系、珪酸塩系、マグネシウム系、バナジウム系等の化合物を含有した無機系処理および/または有機系処理が例示でき、本発明ではいずれも好適であるが、耐熱性の観点から無機系処理とすることが好ましい。なお、化成処理層の付着量(固形分)は、コストや生産性の点から、薄膜厚とし、通常、乾燥重量で3g/m以下とすることが好ましい。
基材である亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面に設ける防錆プライマー層は、樹脂成分と10質量%以上65質量%以下の防錆顔料とを含む混合物からなり、その厚みは1μm超20μm以下とする。
防錆プライマー層に含まれる樹脂成分の種類は特に限定されないが、所定の耐熱性を有することが要求される。後述のとおり、本発明では防錆プライマー層の上層にフッ素系樹脂被覆層を形成する際、防錆プライマー層を具えた鋼板にフッ素系樹脂フィルムをラミネートするが、このラミネート温度は250℃以上の高温になる。そのため、上記樹脂成分は、250℃で30秒以上加熱しても粉化、重量減少、変色等の分解が発生しない樹脂であることを要する。また、300℃で30秒以上加熱しても分解しない樹脂であることが好ましく、350℃で30秒以上加熱しても分解しない樹脂であることがより好ましい。
上記樹脂成分としては、公知のポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニルサルファイド系樹脂等から選択される1種または2種以上の組み合わせから成る塗料樹脂が例示される。
また、接着性の観点からは、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニルサルファイド系樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂と、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂の混合物、或いは共重合体が好ましい。また、これらの混合物或いは共重合体のうち、特にアクリル−シリコン系樹脂またはポリエステル−シリコン系樹脂が、耐熱性、接着性のバランスの観点から特に好ましい。
また、防錆プライマー層に含まれる防錆顔料の種類も特に限定されず、リン酸塩系、クロム酸系、シリコーン系、珪酸塩系、マグネシウム系、チタニウム系、バナジウム系等から選択される1種または2種以上の化合物が例示されるが、耐食性の観点からは、ストロンチウム−クロメート、リン酸カルシウムの1種または2種を含むことが好ましい。
上記防錆顔料の含有量は、乾燥状態の防錆プライマー層の全重量に対して10質量%以上65質量%以下とする。防錆顔料の含有量が10質量%未満では、屋外に設置されるソーラー屋根板等、過酷な環境下での用途に適用し得る耐食性・耐候性を具えた鋼板とすることができない。一方、防錆顔料の含有量が65質量%を超えると、塗料調製時、塗料中で防錆顔料と樹脂成分が混和しなくなり、塗膜を成形することができなくなる。そのため、防錆顔料の含有量は10質量%以上65質量%以下とする。好ましくは、30質量%以上60質量%以下である。
防錆プライマー層の厚さは、1μm超20μm以下とする。防錆プライマー層の厚さが1μm以下では、所望の耐食性を具えた鋼板とすることができない。一方、防錆プライマー層の厚さが20μmを超えると、耐食性向上効果が飽和するため経済的に不利となるうえ、加工性の低下が懸念される。なお、好ましくは3μm以上10μm以下である。
本発明の防錆プライマー層は、上記した樹脂成分および防錆顔料を含有する限り、本発明の目的を損なわない範囲で着色顔料、体質顔料、界面活性剤、滑剤、消泡剤、骨剤等を含有してもよい。なお、これらの含有量は、乾燥状態の防錆プライマー層全質量に対して合計で40質量%以下とすることが好ましい。
亜鉛系めっき鋼板の表面に防錆プライマー層を形成する方法(塗料の調製方法・塗装方法)は特に限定されないが、ロールコーター等により、鋼板上に、薄く塗装した後、熱風乾燥機等で、乾燥・焼き付けすることにより得られる。
本発明のフッ素系樹脂被覆鋼板では、上記防錆プライマー層の上層として、フッ素系樹脂被覆層を有する。
防錆プライマー層の上層に形成されるフッ素系樹脂被覆層は、鋼板一体型太陽電池モジュールを製造するうえで、基材(亜鉛系めっき鋼板)と太陽電池モジュールとの密着性を確保する重要な被覆層である。
フッ素系樹脂は、EVA樹脂に比べて耐候性や耐熱性に優れるため、基材と太陽電池モジュールとの密着性の劣化を抑制するうえで効果的である。特に、太陽電池モジュールの封止材と基材(亜鉛系めっき鋼板)最上層のフッ素系樹脂被覆層を熱融着すれば、基材と太陽電池モジュールとの接着をより強固にすることができる。先述のとおり、基材と太陽電池モジュールを貼り合わせる際、太陽電池モジュールの封止材であるEVA樹脂を熱圧着して基材に貼着固定する従来技術では、EVA樹脂の耐候性や耐熱性が不十分であることから、長期間屋外で放置された場合、基材と太陽電池モジュールとの密着性が劣化する。
本発明で使用するフッ素系樹脂の種類はとくに限定する必要はなく、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、或いはその共重合体、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)等のフッ素系樹脂が例示でき、いずれも適用できる。接着性、耐候性、耐加水分解性の観点からは、ETFE樹脂、或いはその共重合体とすることが好ましい。
本発明のフッ素系樹脂被覆層は、フッ素系樹脂フィルムを用いて形成される。なお、フッ素系樹脂フィルムとしては、ETFE樹脂を用いた公知の太陽電池モジュールの保護シート及びバックシートや、建材等に広く使用されるものを適用することができる。
フッ素系樹脂被覆層(ETFEフィルム)の厚さは、太陽電池モジュールとの密着性や絶縁性、耐候性、耐食性の観点から、15μm以上250μm以下とする。フッ素系樹脂被覆層の厚さが15μm未満では、太陽電池モジュールとの接着強度や絶縁性、耐候性、耐食性が不十分となる。一方、フッ素系樹脂被覆層の厚さが250μmを超えると、ロール成形等の加工性が劣化するほか、不燃性が低下する。なお、好ましくは20μm以上150μm以下である。
本発明鋼板のフッ素系樹脂被覆層は、両面がコロナ放電処理されていることを特徴とする。これにより、フッ素系樹脂被覆層と太陽電池モジュールとの接着、およびフッ素系樹脂被覆層と防錆プライマー層が形成された亜鉛系めっき鋼板との接着を強固にすることができる。コロナ放電処理が為されていないフッ素系樹脂被覆層では、防錆プライマー層が形成された亜鉛系めっき鋼板、および太陽電池モジュールとの接着強度が不十分となる。
コロナ放電処理は、通常のコロナ放電処理装置を用いて、接着面に対して、所望の表面張力が保持できるように適正な処理条件で、放電加工を施すことが好ましい。例えばETFEフィルムをコロナ放電処理するに際しては、処理条件(放電量)を、300〜3000W・min/m2とすることが好ましい。
なお、フッ素系樹脂被覆層の接着強度を向上するために、本発明の目的を損なわない範囲で、フッ素系樹脂を共重合または変成しても良い。フッ素系樹脂の共重合は、例えば、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族多価カルボン酸類やエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族多価ヒドロキシ化合物等を利用することが考えられる。
また、フッ素系樹脂に、着色や防錆の目的で、本発明の目的を損なわない範囲で、防錆顔料、着色顔料を添加しても良い。防錆顔料としては、クロメート系、リン酸塩系、マグネシウム系、バナジウム系等の化合物の1種以上が例示できる。また、着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。なお、防錆顔料、着色顔料の添加量としては、フィルム製造のし易さや、絶縁性、耐食性の観点から、フッ素系樹脂全量(固形分)に対する質量%で、30%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは、20%以下である。
本発明鋼板のフッ素系樹脂被覆層は、防錆プライマー層が形成された基材である亜鉛系めっき鋼板に、両面にコロナ放電を施したフッ素系樹脂フィルムをラミネートすることにより得られる。ラミネート方法は特に限定されないが、接着剤法、或いは熱融着法とすることが好ましい。特に、熱融着法が、経済的であるうえ特性劣化が少ないことから好ましい。接着剤法を適用するに際しては、接着剤の経年劣化を考慮する必要がある。
接着剤法の具体例を以下に説明する。
基材である鋼板(防錆プライマー層が形成された亜鉛系めっき鋼板)に、接着剤を所定量塗布する。塗布方法は、ロールコーター、スプレーコーター、フローコーター、バーコーター、ダイコーター等を用いて行うことが好ましい。接着剤を塗布後、乾燥・焼付けを行ったのち、フッ素系樹脂フィルムをラミネートロール等で圧着し、水や冷風で鋼板を冷却することで、鋼板表面に上記したフッ素系樹脂被覆層を形成する。なお、接着剤の塗布量は、固形分で3〜10g/m2とすることが好ましい。また、接着剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂のうちの1種または2種以上の組み合わせからなる接着剤が例示できる。なかでも、ポリウレタン系樹脂の接着剤とすることが、フィルム密着性の観点から好ましい。
次に、熱融着法の具体例を説明する。
基材である鋼板(防錆プライマー層が形成された亜鉛系めっき鋼板)を、使用するフッ素系樹脂の融点(Tm)以上の温度に加熱し、該鋼板にフッ素系樹脂フィルムをラミネートロールで圧着し、フッ素系樹脂を溶融させたのち、鋼板を急冷し、所定厚さのフッ素系樹脂被覆層を形成する。上記において、鋼板の好ましい加熱温度はTm以上(Tm+150℃)以下の温度範囲であり、より好ましくはTm以上(Tm+120℃)以下である。また、フッ素系樹脂の融点は、共重合化により低下することが知られている。よって、本発明で使用するフッ素系樹脂をETFE樹脂とした場合には、その融点が220〜270℃であることから、鋼板の加熱温度を220〜420℃の範囲とすることが好ましい。なお、フッ素系樹脂被覆層形成後の鋼板(被覆鋼板)は、フッ化系樹脂の再結晶化を防止する目的で、水、空気、冷却ロール等を用いて急冷することが好ましい。
以上により、亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面に所望の防錆プライマー層およびフッ素系樹脂被覆層を有する本発明のフッ素系樹脂被覆鋼板が得られる。そして、本発明のフッ素系樹脂被覆鋼板は、耐候性、耐食性等の耐久性に加えて、鋼板と太陽光電池モジュールとの密着性に優れた鋼板となる。
次に、本発明の鋼板一体型太陽電池モジュールについて説明する。
本発明の一体型太陽電池モジュールは、上記したフッ素系樹脂被覆鋼板の上層に、シート型太陽電池モジュールを配設してなるモジュールであって、
前記フッ素系樹脂被覆鋼板のシート型太陽電池モジュール側のフッ素系樹脂被覆層面がコロナ放電処理され、該フッ素系樹脂被覆層と前記シート型太陽電池モジュールの下面部分とを接着してなることを特徴とする。
本発明では、フッ素系樹脂被覆鋼板の最上層として形成したフッ素系樹脂被覆層に、シート型太陽電池モジュールの下面部分を接着する。
フッ素系樹脂被覆層は、耐久性に優れており、太陽電池モジュールとの優れた接着性を有する。このため、フッ素系樹脂被覆層とシート型太陽電池モジュールの下面部分(バックシート)とは、簡易な接着方法で強固に接着でき、容易に鋼板一体型太陽電池モジュールとすることができる。簡易な接着方法としては、例えば、接着剤を利用し、接着剤層を介して接着する方法がある。好ましい接着剤としては、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等が例示できるが、なかでもフッ素樹脂との接着性に優れたシリコン系接着剤とすることが好ましい。なお、太陽電池モジュールの下面部分(バックシート)が特殊な材料である場合には、下面部分(バックシート)との接着に適した接着剤を利用し、接着剤層を形成することが好ましい。
使用する太陽電池モジュールでは、通常、太陽電池素子として、単結晶型、多結晶型、薄膜アモルファス型、球状シリコン型、有機薄膜型、色素増感型等が利用可能である。しかし、本発明の鋼板一体型太陽電池モジュールでは、一体化後に、屋根形状等に加工することが要求されるので、使用する太陽電池モジュールとしては、シート状で、かつ加工可能な薄膜アモルファス型、球状シリコン型、有機薄膜型、色素増感型とすることが好ましい。
また、本発明で使用するシート型太陽電池モジュールは、フッ素系樹脂フィルムを利用して、例えば図3に示すように、太陽電池素子6をサンドイッチ状に包封したものとすることが好ましい。なお、図中、4は保護シート、5はバックシート、6は太陽電池素子である。図3では、保護シート4とバックシート5を同じ材料(フッ素系樹脂フィルム)としているが、これに限定する必要はない。保護シート4とバックシート5を、異なる材料で形成してもよいが、フッ素系樹脂被覆層との接着性の観点から、シート型太陽電池モジュールのバックシート(下面側)5は、フッ素系樹脂製とすることが好ましい。これにより、フッ素系樹脂被覆層とシート型太陽電池モジュールとの接着が、フッ素系樹脂同士の接着となるため、高い接着強度を確保し易くなる。
また、シート型太陽電池モジュールの上面側を、フッ素系樹脂フィルムで覆うような構造としても同じ効果が期待できる。この場合は、シート型太陽電池モジュールの保護シール、バックシールの材質を考慮することなく、上面側を覆ったフッ素系樹脂フィルムと被覆鋼板とで一体化のための接着(熱融着)を行うことができる。この場合、保護シート4及びバックシート5は、ポリエステル(PET)系樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系樹脂、ポリフッ化ビニル(PVF)系樹脂フィルムを使用してもよい。
なお、図3では、太陽電池素子6をサンドイッチ状に包み込む(包封する)ように、保護シート4とバックシート5を形成して、太陽電池素子6の存在しない領域まで覆っているが、これに限定されるものではない。保護シート4やバックシート5を太陽電池素子6の大きさより大きくすることにより、図2に示すように、太陽電池素子6の存在しない部分の保護シート4の端部を利用して、保護シート4がフッ素系樹脂の場合、さらにはバックシート5がフッ素系樹脂の場合に、フッ素系樹脂の熱融着により端部に熱融着部8を形成し、シート型太陽電池モジュールとフッ素系樹脂被覆層、さらには基材(亜鉛系めっき鋼板)との接着を強固にすることができる。また、シート型太陽電池モジュールの保護シート4の端部をフッ素系樹脂の熱融着を利用して接着すれば、接着強度が増加するうえに、太陽電池モジュールの密封性も向上するという利点もある。なお、この場合、シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子6の存在する領域とフッ素系樹脂被覆層1との接着は、太陽電池素子の劣化を防止する観点から、接着剤による接着とすることが好ましい。
つぎに、本発明鋼板一体型太陽電池モジュールの好ましい製造方法について説明する。
本発明では、前記した本発明のフッ素系樹脂被覆鋼板とシート型太陽電池モジュールとを一体化する一体化形成工程を施し、鋼板一体型太陽電池モジュールとする。一体化形成工程では、鋼板(フッ素系樹脂被覆鋼板)のフッ素系樹脂被覆層にシート型太陽電池モジュールの下面側(バックシート)を接着し、シート型太陽電池モジュールと鋼板とを一体化する。
フッ素系樹脂被覆層とシート型太陽電池モジュールの下面側(バックシート)との接着は、図2に示すようにシート型太陽電池素子6の下面側(バックシート)全体で接着剤層7を介した接着とすることが好ましい。接着剤層7の形成は、被接着面(シート型太陽電池モジュールの下面側(バックシート))全面に接着剤を塗布して行う。この場合、使用する接着剤としては、フッ素樹脂との接着性に優れたシリコン系接着剤とすることが好ましい。
なお、接着剤の厚さ(塗布量)は2〜10μm(固形分で3〜12g/m2)とすることが、所望の接着強度を確保するために好ましい。2μm (3g/m2)未満では、所望の接着強度が確保できない。一方、10μm(12g/m2)を超える塗布量では接着剤の硬化に長大な時間を要する。
また、フッ素系樹脂被覆層1とシート型太陽電池モジュールとの接着は、シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子6が存在する領域では、上記したように接着剤を塗布し接着剤層7を介しての接着とし、太陽電池素子6が存在しない領域(シート型太陽電池モジュールの端部)では、フッ素系樹脂の熱融着を利用した熱融着部8を形成する接着とすることが好ましい。フッ素系樹脂の熱融着を利用した接着は、接着剤を用いた接着に比べ、接着強度が高く、接着性の信頼度は高い。
このようなフッ素系樹脂の熱融着を利用するためには、図2、図3に示すように、シート型太陽電池モジュールの保護シート4、あるいはさらにバックシート5をフッ素系樹脂製とすることが必要である。しかも、保護シート4、あるいはさらにバックシート5を太陽電池素子6が存在しない領域まで覆う大きさとする必要がある。
熱融着では、誘導加熱装置、熱風溶接機、ヒートシーラー、工業用アイロン等の装置を使用し、被覆鋼板およびシート型太陽電池モジュールの保護シート、あるいはバックシートを、フッ素系樹脂被覆層のフッ素系樹脂の融点、あるいはシート型太陽電池モジュールの保護シート、あるいはバックシートとして使用されているフッ素系樹脂の融点のうち最も高い融点Tm以上、に加熱することが好ましい。また、熱融着に際しては、真空成形等の方法で、可能な限り、接着面の空気を除去しておくことが好ましい。なお好ましい加熱温度は、Tm以上(Tm+150℃)以下、さらに好ましくは、(Tm+30℃)以上(Tm+120℃)以下である。
なお、接着性向上のために、シート型太陽電池モジュールの保護シート、あるいはバックシートに、コロナ放電処理あるいは共重合化等の処理を施してもよい。また、シート型太陽電池モジュールのバックシートがフッ素系樹脂でない場合には、シート型太陽電池モジュールの保護シートとして、フッ素系樹脂フィルムを被せ、シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子が存在する領域の下面側をバックシートに適合した接着剤で接着し、太陽電池素子が存在しない、その他の部分(端部)を、保護シートとして被せたフッ素樹脂フィルムと熱融着しても、同等の効果が得られる。
以下、実施例にて、さらに本発明について説明する。なお、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材となる亜鉛系めっき鋼板として、(a)55質量%アルミ−亜鉛合金めっき鋼板(板厚:0.50mm;AZ-150)、(b)5質量%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(板厚:0.50mm;Y25)の2種を用いた。これらの亜鉛系めっき鋼板表面に、化成処理として、クロメート処理(日本パーカーライジング社製ZM-1300AN)またはクロメートフリー処理(日本パーカライジング社製CT−E224)を施し、化成処理層を形成した。なお、化成処理層の付着量は、クロメート処理の場合は固形分で30mg/m2であり、クロメートフリー処理の場合は固形分で0.8g/m2であった。また、一部の基材では、化成処理なしとした。
これら基材表面に、表1に示す防錆プライマー層を塗装した。なお、塗装条件、付着量(固形分)は表1に示すとおりである。得られた防錆プライマー層の耐熱性について調査した。調査方法は次のとおりとした。
亜鉛系めっき鋼板に防錆プライマー塗料を塗布したのち、熱風乾燥機に入れて30秒経過した時点での、鋼板最大到達温度(PMT)が250℃、300℃、350℃となるように加熱し、変色の有無、分解の有無について以下の方法で観察した。変色に関する評価は、スガ試験機製色差計SM-5で色差(ΔE)を求め、ΔEが5以下である場合を○(合格)、5超である場合を×(不合格)とした。また、分解の有無に関する評価は、鋼板を冷却後、フッ素系樹脂被覆層を指で触り、塗膜成分が指に付着しない場合を○(合格)、塗膜成分が指に付着する場合(塗膜が粉化した場合)を×(不合格)とした。
続いて、防錆プライマー層の上層に、表2に示すフッ素系樹脂フィルムを使用して、表2に示す平均厚さのフッ素系樹脂被覆層を形成する、被覆層形成工程を施し、フッ素系樹脂被覆鋼板を得た。なお、フッ素系樹脂被覆層の形成方法は熱融着法、および、一部の鋼板(被覆鋼板No.J)では、接着剤法とした。使用したフッ素系樹脂フィルムは、ETFEまたは共重合ETFEとした。共重合ETFEの共重合成分は、マレイン酸であり、含有量は10%(質量%)である。なお、フッ素系樹脂フィルムには、その両面に、コロナ放電処理を施したのち、接着に用いた。コロナ放電処理条件は、14KV−5秒とした。
フッ素系樹脂被覆層の熱融着法による形成方法はつぎのとおりとした。
まず、基材である鋼板(防錆プライマー層が形成された亜鉛系めっき鋼板)を、熱風乾燥機で、70秒後に、鋼板の最高到達温度が(Tm+80℃)となるように加熱した。なお、Tmはフッ素系樹脂フィルムの融点である。そして、フッ素系樹脂フィルムを、鋼板にラミネートロールで圧着した。なお、ラミネートロールの温度は140℃、ロール圧力は2kg/cm、ラミネートロールの速度は10m/minとした。圧着後、鋼板を水冷した。
また、フッ素系樹脂被覆層の接着剤法による形成方法はつぎのとおりとした。
鋼板(防錆プライマー層が形成された亜鉛系めっき鋼板)の表面に、バーコーターで、接着剤としてポリウレタン系塗料(旭硝子製「ALFLEX-BOND AG-9014A」)を固形分で8g/m2塗装(塗布)し、熱風乾燥機で、鋼板最高到達温度が、70秒後に220℃になるように加熱し、ラミネートロールでETFEフィルムを圧着した。圧着後、鋼板を水で冷却した。これにより、基材表面に、接着剤層を介してフッ素系樹脂被覆層を形成した。
次に、得られたフッ素系樹脂被覆鋼板の被覆層の密着性について評価した。また、得られたフッ素系樹脂被覆鋼板について、耐食性、不燃性、加工性、耐候性を評価した。評価方法は次の通りとした。
(1)耐食性
得られたフッ素系樹脂被覆鋼板から試験材(大きさ:75×150mm)を採取し、JIS Z 2371に準拠して、塩水噴霧試験を実施した。試験条件は、温度:35±1℃、試験時間:3000 hr、噴霧:連続噴霧とした。試験後、目視で、試験片の平面部における、錆やブリスターの発生の有無を観察した。錆やブリスターの発生長さを測定し、3mm以下を○(合格)、3mm超を×(不合格)としてフッ素系樹脂被覆鋼板の耐食性を評価した。
(2)不燃性
得られたフッ素系樹脂被覆鋼板から試験材(大きさ:99×99mm)を採取し、ISO 5660号に準拠して、試験材をコーンカロリーメーターで20分間燃焼させた時の総発熱量を求めた。総発熱量が高いと、不燃性が劣る(燃えやすい)ため、総発熱量が8.0MJ/m2以下を不燃性良好(合格:○)とし、それ以外の場合を×(不合格)としてフッ素系樹脂被覆鋼板の不燃性を評価した。
(3)加工性
得られたフッ素系樹脂被覆鋼板から試験材(大きさ:762×900mm)を採取し、ロールフォーミング法により、折板形状に成形加工した。成形加工後の試験材表面を目視で観察し、傷発生状況を観察し、少しでも傷が発生した場合を×(不合格)、それ以外を○(合格)とし、フッ素系樹脂被覆鋼板の加工性を評価した。
(4)耐候性
得られたフッ素系樹脂被覆鋼板から試験材(大きさ:65×150mm)を採取し、JIS A 1415に準拠した、サンシャインカーボンアーク法により、試験材に紫外線照射を行う試験を実施した。試験時間:2000 hr後に、試験材表面の色差(ΔE)、光沢保持率(GR%)を測定した。ΔEが1.0以下、GR%が80%以上である場合を○(合格)とし、それ以外を×(不合格)として、耐候性を評価した。なお、色差(ΔE)は、スガ試験機製色差計SM-5で、光沢保持率(GR%)はスガ試験機製光沢計SM-5で求めた。
(5)被覆層密着性
得られたフッ素系樹脂被覆鋼板から試験材(大きさ:50×100mm)を採取し、JIS K5600に準拠した碁盤目テープ法により、被覆層の剥離の有無を目視で観察し、剥離無し(異常なし)の場合を○(合格)とし、それ以外を×(不合格)として、フッ素系樹脂被覆層の密着性を評価した。
得られた結果を表4に示す。
本発明例は何れも被覆層の密着性に優れ、耐食性、不燃性、加工性、耐候性に優れた鋼板となっている。一方、比較例では、上記特性の何れかが劣化した鋼板となっている。
(実施例2)
ついで、表3に示すように、得られた各フッ素系樹脂被覆鋼板に、シート型太陽電池モジュール(富士電機製Fwave(商品名))を接着し、フッ素系樹脂被覆鋼板と太陽電池モジュールとを一体化する一体化工程を施し、鋼板一体型太陽電池モジュールを作製した。なお、使用した太陽電池素子は、薄型アモルファス太陽電池素子とし、これら太陽電池素子の上面側および下面側を保護シート、バックシートとして、ETFE(フッ素系樹脂)フィルムで包封するように構成されている。
シート型太陽電池モジュールのフッ素系樹脂被覆鋼板への接着方法は表3に示すとおりとした。すなわち、シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子が存在する領域(中央基板領域)の下面側(バックシート)に、シリコン系接着剤(信越化学製「KE-45T」)を塗布し、ハンドローラーでフッ素系樹脂被覆鋼板に圧着した。なお、接着剤層の塗布量(接着剤層厚み)は表3に示すとおりとした。一方、シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子が存在しない領域(端部)においては、ETFE製である保護シート上から誘導加熱装置(ブラウニー(株)製)で、ETFE製であるバックシートをも含め、加熱し、シート型太陽電池モジュールを被覆鋼板に熱融着により接着し、一体化させた。接着幅は表3に示すとおりとした。なお、誘導加熱時間は7秒間とし、加熱温度はETFEの融点+80℃とした。
また、一部のモジュール(モジュールNo.15)では、シート型太陽電池モジュールの下面側全面に、シリコン系接着剤(信越化学製「KE-45T」)を塗布し、ハンドローラーでフッ素系樹脂被覆鋼板に圧着した。
なお、一部のモジュール(モジュールNo.14)では、バックシートがポリエステル(PET)系樹脂製であるシート型太陽電池モジュールを使用した。この場合、シート型太陽電池モジュールの上面側をETFEフィルムで覆い、上記した一体化と同様の一体化を実施した。
得られた鋼板一体化型太陽電池モジュールについて、密着性、絶縁性を評価した。評価方法は次の通りとした。
(1)密着性
得られた鋼板一体化型太陽電池モジュールを、3ヶ月間屋外曝露して、モジュール端面における浮きや剥離の発生状況を目視で観察し、浮きや剥離が発生しない場合(異常なし)を○、それ以外を×として、鋼板一体化型太陽電池モジュールの密着性を評価した。
(2)絶縁性
得られた鋼板一体化型太陽電池モジュールを、日光に当てて、フッ素系樹脂被覆鋼板裏面側への漏電の有無をテスターでチェックし、漏電なしを○、漏電ありを×として、鋼板一体化型太陽電池モジュールの絶縁性を評価した。
得られた結果を表5に示す。
Figure 2012126080
Figure 2012126080
Figure 2012126080
Figure 2012126080
Figure 2012126080
本発明例では何れも、一体として所望の密着性、絶縁性を満足し、耐久性に加えて、密着性、絶縁性にも優れた鋼板一体型太陽電池モジュールとなっている。
1 フッ素系樹脂被覆層
2 防錆プライマー層
3 亜鉛系めっき鋼板
4 保護シート(フッ素系樹脂フィルム)
5 バックシート(フッ素系樹脂フィルム)
6 太陽電池素子
7 接着剤層
8 熱融着部

Claims (9)

  1. 亜鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面に、防錆プライマー層と、その上層にフッ素系樹脂被覆層を有するフッ素系樹脂被覆鋼板であって、前記防錆プライマー層を、樹脂成分と10質量%以上65質量%以下の防錆顔料とを含み、厚みが1μm超20μm以下である防錆プライマー層とし、前記フッ素系樹脂被覆層を、厚みが15μm以上250μm以下で、前記防錆プライマー層側の上に両面がコロナ放電処理されてなるフッ素系樹脂被覆層とすることを特徴とするフッ素系樹脂被覆鋼板。
  2. 前記防錆プライマー層の樹脂成分が、アクリル−シリコン系樹脂またはポリエステル−シリコン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素系樹脂被覆鋼板。
  3. 前記防錆プライマー層の防錆顔料が、ストロンチウム−クロメート、リン酸カルシウムの1種または2種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素系樹脂被覆鋼板。
  4. 前記亜鉛系めっき鋼板が、化成処理を施してなることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のフッ素系樹脂被覆鋼板。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載のフッ素系樹脂被覆鋼板の上層に、シート型太陽電池モジュールを配設してなる鋼板一体型太陽電池モジュールであって、
    前記フッ素系樹脂被覆鋼板のシート型太陽電池モジュール側のフッ素系樹脂被覆層面がコロナ放電処理され、該フッ素系樹脂被覆層と前記シート型太陽電池モジュールの下面部分とを接着してなることを特徴とする鋼板一体型太陽電池モジュール。
  6. 前記シート型太陽電池モジュールの下面部分が、前記フッ素系樹脂被覆層に、接着剤層を介して接着されてなることを特徴とする請求項5に記載の鋼板一体型太陽電池モジュール。
  7. 前記シート型太陽電池モジュールが、フッ素系樹脂フィルムで該シート型太陽電池モジュールの太陽電池素子をサンドイッチ状に包封したものであることを特徴とする請求項5または6に記載の鋼板一体型太陽電池モジュール。
  8. 前記シート型太陽電池モジュールが、少なくとも該シート型太陽電池モジュールの上面側がフッ素系樹脂フィルムで覆われてなることを特徴とする請求項5または6に記載の鋼板一体型太陽電池モジュール。
  9. 前記フッ素系樹脂被覆層と前記シート型太陽電池モジュールの下面部分との接着が、前記太陽電池素子の存在する部分では接着剤層を介しての接着とし、前記太陽電池素子の存在しない部分では前記フッ素系樹脂フィルムの熱融着による接着とすることを特徴とする請求項7または8に記載の鋼板一体型太陽電池モジュール。
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