JP2012119628A - 太陽電池の製造方法および太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造方法および太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウムを含む電極ペーストの焼成により形成されるアルミニウム電極を裏面に備える太陽電池の製造において電極ペーストの焼成中の膨れを防止・抑制して歩留まりおよび信頼性に優れた太陽電池を得ること。
【解決手段】第1導電型の半導体基板の一面側に、第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する不純物拡散層形成工程と、前記半導体基板の表面に対して洗浄処理を施して前記半導体基板の表面層における結晶粒界近傍に存在する金属不純物を除去する除去工程と、アルミニウムを含む電極材料ペーストを前記半導体基板の表面に塗布する電極材料ペースト塗布工程と、前記電極材料ペーストを焼成して電極を形成する焼成工程と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池の製造方法および太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に、アルミニウムペーストの焼成によって形成されるアルミニウム電極を備える太陽電池の製造方法および太陽電池モジュールの製造方法に関する。
現在、地球上で用いられている電力用太陽電池の主流はシリコン太陽電池である。このようなシリコン太陽電池の量産においては、そのプロセスフローをなるべく簡素化して製造コストの低減を図ることが一般的に行われている。そして、シリコン太陽電池に設けられる電極に関しては、金属ペーストをスクリーン印刷等で形成する方法が採用されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1におけるシリコン太陽電池の製造方法について説明する。まず、p型シリコン(Si)基板を準備し、その表面に例えばリン(P)を熱的に拡散させ、導電型を反転させたn型拡散層を形成する。通常、リンの拡散源としては、オキシ塩化リン(POCl)が用いられることが多い。一般的には、n型拡散層はSi基板の全面に形成される。なお、このn型拡散層のシート抵抗は数十Ω/□程度であり、その深さは0.3μm〜0.5μm程度である。
続いて、基板の一主面側のn型拡散層をレジストにより保護した後、該基板の一主面側のみにn型拡散層を残すようにエッチング処理を実施する。処理後の残存レジストは、有機溶剤等を用いて除去される。次いで、プラズマCVD法等により、絶縁膜(反射防止膜)としてのシリコン窒化膜を、n型拡散層上に700Å〜900Å程度の膜厚で形成する。
つぎに、基板の裏面にアルミニウムペーストをスクリーン印刷し、乾燥させる。通常、アルミニウムペースト面上の一部あるいは開口部に銀ペーストを重ねて印刷し、その上に配線を半田付けする。一方、基板の表面(受光面)側のシリコン窒化膜上には表面電極となる銀ペーストを裏面と同様にスクリーン印刷し、乾燥する。
その後、基板を700℃〜900℃で数分から十数分間、近赤外ランプ炉中で焼成する。その結果、基板の裏面側では、焼成中にアルミニウムペーストから不純物としてのアルミニウムが基板中に拡散し、アルミニウムの高濃度不純物を含んだp+層が形成される。この層は、一般にBSF(Back Surface Field)層と呼ばれ、太陽電池のエネルギー変換効率の向上に寄与するものである。また、焼成後、アルミニウムペーストは裏面アルミニウム電極となる。一方、表面側の銀ペーストは、焼成中にシリコン窒化膜を溶融・貫通し、n型拡散層と電気的な接触を取ることが可能となる。
また、高集積回路半導体デバイスや薄膜トランジスタデバイスにおいても金属配線としてアルミニウムを使用することが多く行われている。そして、このアルミニウム配線を形成する際の熱処理プロセスにおいて、アルミニウムと基板間における熱膨張率差に基づくアルミニウムの膨れ(いわゆるヒロック)が生ずる場合があることが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
このような熱膨張率差に起因した不具合を抑制するために、特許文献2においてはアルミニウムとガラス基板との間に窒化アルミニウム等の中間層を挿入してアルミニウムの膨れを抑制することが有効であると記されている。
一方、特許文献1にかかる多結晶太陽電池セルの製造プロセスにおいても、半導体デバイスや薄膜トランジスタデバイスと同様にアルミニウム電極の膨れが生ずることがある。
特開2004−207493号公報 特開2005−33198号公報
しかしながら、このような太陽電池セルの製造プロセスで裏面電極を形成する場合の膨れのメカニズムは発明者らの詳細な実験結果によると、熱膨張率差に基づくものとは考え難い。また、アルミニウム電極とシリコン基板との間に中間層を挿入することは、上記BSF層の生成を妨げるため、容易に実施できるものではない。
特許文献1にかかる多結晶太陽電池セルの製造プロセスにおいて、裏面アルミニウム電極の突起状の膨れが生じた場合、その突起を起点として基板割れ率が増加する、という問題がある。また、モジュール化において裏面側を絶縁層でラミネートする際に突起状の膨れが裏面絶縁層を突き破ってしまい、絶縁性が確保できない、という問題がある。したがって、太陽電池では、突起状の裏面アルミニウム電極の膨れを防止・抑制することが重要である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、アルミニウムを含む電極ペーストの焼成により形成されるアルミニウム電極を備える太陽電池の製造において電極ペーストの焼成中の膨れを防止・抑制して歩留まりおよび信頼性に優れた太陽電池を製造可能な太陽電池の製造方法および太陽電池モジュールの製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、第1導電型の半導体基板の一面側に、第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する不純物拡散層形成工程と、前記半導体基板の表面に対して洗浄処理を施して前記半導体基板の表面層における結晶粒界近傍に存在する金属不純物を除去する除去工程と、アルミニウムを含む電極材料ペーストを前記半導体基板の表面に塗布する電極材料ペースト塗布工程と、前記電極材料ペーストを焼成して電極を形成する焼成工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、アルミニウムを含む電極ペーストの焼成中の膨れを防止・抑制することにより、歩留まりおよび信頼性に優れた太陽電池が得られる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により作製した太陽電池セルの概略構成を示す断面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により作製した太陽電池セルの概略構成を示す上面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により作製した太陽電池セルの概略構成を示す下面図である。 図2−1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−2は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−4は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−5は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−6は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−7は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図2−8は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するためのフローチャートである。 図4は、特許文献1に記載の技術を太陽電池の製造に採用した場合の工程を示す断面図である。 図5は、従来の技術により作製された裏面アルミニウムペースト層におけるアルミニウム−シリコンの共融液の状態を説明するための断面図である。 図6は、従来の技術により作製された裏面アルミニウムペースト層における突起状膨れの発生を説明するための断面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池の製造方法および太陽電池モジュールの製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態
図1−1〜図1−3は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により作製した太陽電池セル1の概略構成を示す図であり、図1−1は、太陽電池セル1の断面図、図1−2は、受光面側からみた太陽電池セル1の上面図、図1−3は、受光面と反対側からみた太陽電池セル1の下面図である。図1−1は、図1−2の線分A−Aにおける断面図である。
太陽電池セル1は、図1−1〜図1−3に示されるように、光電変換機能を有する太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板11と、半導体基板11の受光面側の面(おもて面)に形成されて受光面での入射光の反射を防止する反射防止膜17と、半導体基板11の受光面側の面(おもて面)において半導体基板に導通して形成された第1電極である受光面側銀電極19と、半導体基板11の受光面と反対側の面(裏面)に形成された第2電極である裏面側アルミニウム電極21と、を備える。
半導体基板11は、p型(第1の導電型)多結晶シリコン層13と、該p型多結晶シリコン層13の表面の導電型が反転したn型(第2の導電型)不純物拡散層15とを有し、これらによりpn接合が構成されている。反射防止膜17は、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)やシリコン酸窒化膜(SiON膜)などの窒化膜からなる。
受光面側銀電極19としては、太陽電池セルの表銀グリッド電極23および表銀バス電極25を含む。表銀グリッド電極23は、半導体基板11で発電された電気を集電するために受光面に局所的に設けられている。表銀バス電極25は、表銀グリッド電極23で集電された電気を取り出すために表銀グリッド電極23にほぼ直交して設けられている。また、裏面側アルミニウム電極21は、半導体基板11の裏面の全面に形成されている。また、半導体基板11の裏面側には、アルミニウムの高濃度不純物を含んだp+層(BSF)27が形成されている。
このように構成された太陽電池セル1では、太陽光が太陽電池セル1の受光面側から半導体基板11に照射されると、ホールと電子が生成する。pn接合部(p型多結晶シリコン層13とn型不純物拡散層15との接合面)の電界によって、生成した電子はn型不純物拡散層15に向かって移動し、ホールはp型多結晶シリコン層13に向かって移動する。これにより、n型不純物拡散層15に電子が過剰となり、p型多結晶シリコン層13にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。この光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型不純物拡散層15に接続した受光面側銀電極19がマイナス極となり、p型多結晶シリコン層13に接続した裏面側アルミニウム電極21がプラス極となって、図示しない外部回路に電流が流れる。
以上のように構成された本実施の形態にかかる太陽電池セル1では、裏面側アルミニウム電極21の表面に突起状の膨れが生じていない。このため、裏面側アルミニウム電極21の表面の突起状の膨れを起点とした基板の割れが防止・抑制されており、歩留まりが高く信頼性の高い太陽電池セルが実現されている。また、この太陽電池セル1では裏面側アルミニウム電極21の表面に突起状の膨れが生じていないため、太陽電池セル1を絶縁層によりラミネートしてモジュール化する際に裏面側アルミニウム電極21の突起状の膨れが絶縁層を突き破ることが無く、良好な絶縁性が確保され、歩留まりの高く、信頼性の高い太陽電池モジュールが実現可能である。
つぎに、このような太陽電池セル1の製造方法の一例について図2−1〜図2−8を参照して説明する。図2−1〜図2−8は、本実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造工程を説明するための断面図である。図3は、本実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造工程を説明するためのフローチャートである。
まず、半導体基板として、例えば民生用太陽電池向けとして最も多く使用されているp型多結晶シリコン基板を用意する(以下、p型多結晶シリコン基板11aと呼ぶ)(図2−1)。
p型多結晶シリコン基板11aは、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、まずはこのダメージ層の除去も兼ねて、p型多結晶シリコン基板11aを酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、シリコン基板の切り出し時に発生してp型多結晶シリコン基板11aの表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。
また、ダメージ除去と同時に、またはダメージ除去に続いて、p型多結晶シリコン基板11aの受光面側の表面にテクスチャー構造として微小凹凸を形成してもよい(図示せず)。このようなテクスチャー構造をp型多結晶シリコン基板11aの受光面側に設けることで、太陽電池セル1の表面側で光の多重反射を生じさせ、太陽電池セル1に入射する光を効率的に半導体基板11の内部に吸収させることができ、実効的に反射率を低減して変換効率を向上させることができる。
なお、本発明は裏面側アルミニウム電極21の形成に特徴を有する発明であるので、テクスチャー構造の形成方法や形状については、特に制限するものではない。例えば、イソプロピルアルコールを含有させたアルカリ水溶液や主にフッ酸、硝酸の混合液からなる酸エッチングを用いる方法、部分的に開口を設けたマスク材をp型多結晶シリコン基板11aの表面に形成して該マスク材を介したエッチングによりp型多結晶シリコン基板11aの表面にハニカム構造や逆ピラミッド構造を得る方法、或いは反応性ガスエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を用いた手法など、何れの手法を用いても差し支えない。
つぎに、p型多結晶シリコン基板11aを熱拡散炉へ投入し、n型の不純物であるリン(P)の雰囲気下で加熱する。この工程によりp型多結晶シリコン基板11aの表面にリン(P)を拡散させて、導電型を反転させたn型不純物拡散層15aをp型多結晶シリコン基板11aの全表面に形成して半導体pn接合を形成する(ステップS10、図2−2)。
リンの拡散源としては、たとえばオキシ塩化リン(POCl)を用いることができる。本実施の形態では、p型多結晶シリコン基板11aをオキシ塩化リン(POCl)ガス雰囲気中において加熱することにより、n型不純物拡散層15aを形成する。また、n型不純物拡散層15aのシート抵抗は、数十Ω/□程度であり、当該n型不純物拡散層15aの深さは、0.3μm〜0.5μm程度である。このとき、p型多結晶シリコン基板11aの最表面にはリンガラス層31が形成される。
つぎに、p型多結晶シリコン基板11aの端面を例えばプラズマエッチング処理によりエッチングしてpn分離を施した後、p型多結晶シリコン基板11aを例えばフッ酸(HF)に浸漬することにより、リン拡散工程においてp型多結晶シリコン基板11aの最表面に形成されたリンガラス層31を除去する(ステップS20、図2−3)。これにより、第1導電型層であるp型多結晶シリコン層13と、該p型多結晶シリコン層13の受光面側に形成された第2導電型層であるn型不純物拡散層15と、によりpn接合が構成された半導体基板11が得られる。
つぎに、半導体基板11の受光面側に、光電変換効率改善のために、絶縁膜からなる反射防止膜17として例えば700Å〜900Å程度の膜厚のシリコン窒化膜(SiN膜)を形成する(ステップS30、図2−4)。反射防止膜17の形成には、例えばプラズマCVD法を使用し、シランとアンモニアの混合ガスを用いて400℃〜450℃程度、数分間の条件で所定の膜厚を得ることができる。反射防止膜17の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。なお、反射防止膜17として、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。
ここで、p型多結晶シリコン基板である半導体基板11においては、裏面を含めて、異なる結晶方位を有する結晶A41と結晶B43との間に結晶粒界45が存在している(図2−5)。そして、該結晶粒界45部分にプラズマCVD法による窒化シリコン膜の形成工程において金属不純物47が偏析しており、特に、アルミニウムが多く偏析している。なお、ここでは理解の容易のため結晶方位が異なる結晶として結晶A41と結晶B43とを例に挙げたが、結晶方位が異なる結晶の種類は2種類に限るものではない。
このため、半導体基板11の洗浄を実施することにより金属不純物、特にアルミニウムを除去する(ステップS40、図2−6)。半導体基板11の洗浄としては、アルカリ水溶液または酸性水溶液を用いたウェットエッチングを行うことが好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば5wt%程度の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液または水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いることができる。また、酸性水溶液としては、例えば5wt%〜10wt%程度の希塩酸(HCl)水溶液を用いることができる。このような洗浄処理を行うことにより、金属不純物47はエッチング除去される。なお、図2−5および図2−6では、理解の容易のため、結晶A41、結晶B43、結晶粒界45、金属不純物47に注目して拡大図示している。
つぎに、半導体基板11の裏面に電極ペーストであるアルミニウムペーストをスクリーン印刷し、例えば200℃程度で乾燥させる。当該印刷・乾燥処理を施すことにより、半導体基板11の裏面上に、裏面アルミニウムペースト層21aが形成される(ステップS50、図2−7)。当該裏面アルミニウムペースト層21aの厚みは、20μm〜40μm程度である。
つぎに、半導体基板11の表面(受光面)側の反射防止膜17(シリコン窒化膜)上に電極ペーストである銀ペーストを受光面側銀電極19の形状、すなわち表銀グリッド電極23および表銀バス電極25の形状にスクリーン印刷し、乾燥させる(ステップS60、図2−7)。当該印刷・乾燥処理を施すことにより、半導体基板11の表面(受光面)上に、所定のパターンの表銀ペースト層19aが形成される。
つぎに、裏面アルミニウムペースト層21aおよび表銀ペースト層19aが形成された半導体基板11に対して、近赤外ランプ照射炉中で焼成処理を施す(ステップS70、図2−8)。ここで、当該焼成処理は、温度700℃〜900℃程度で、数分から十数分間の期間実施される。当該焼成処理を施すことにより、裏面側アルミニウム電極21および受光面側銀電極19が形成される。また、半導体基板11の裏面側では、裏面アルミニウムペースト層21aから不純物としてのアルミニウムが半導体基板11中に拡散する。これにより、アルミニウムの高濃度不純物を含んだp+層(BSF層27)が、裏面側アルミニウム電極21の下方において形成される。ここで、半導体基板11の裏面の大部分の表面積内にBSF層27を形成する必要が有る。したがって、裏面アルミニウムペースト層21aが半導体基板11の裏面の大部分の表面を覆って形成されていることが望ましい。また、受光面側銀電極19中の銀が反射防止膜17を貫通して、n型不純物拡散層15と受光面側銀電極19とが電気的に接続する。
以上のような工程を実施することにより、図1−1〜図1−3に示す本実施の形態にかかる太陽電池セル1を作製することができる。なお、電極材料であるペーストの半導体基板11への配置の順番を、受光面側と裏面側とで入れ替えてもよい。また、太陽電池モジュールを作製するには、上記一連の工程により複数の太陽電池セル1を作製した後に、複数の太陽電池セル1を電気的に直列接続または並列接続する接続工程を行う。すなわち、各太陽電池セル1の裏面側アルミニウム電極21および受光面側銀電極19に相互に銅箔等を半田付けし、太陽電池セル1の所望の直列・並列接続を形成する。そして、これらを絶縁層で覆ってラミネートするラミネート工程を行う。これにより、複数の太陽電池セル1から構成される太陽電池モジュールが作製される。
つぎに、本実施の形態にかかる太陽電池の製造方法の効果を説明する前に、特許文献1に記載の技術を太陽電池の製造に採用することにより発生する問題、すなわち裏面アルミニウム電極用ペーストの焼成時に突起状の裏面アルミニウム電極の膨れが発生する問題について説明する。アルミニウムペーストは、主としてアルミニウム粒子、溶剤、ガラスフリットを含んでなるものであるが、焼成前の約200℃での乾燥時に溶剤は揮発し、アルミニウム粒子とガラスフリットとからなる固体層であるアルミニウムペースト電極を形成する。
つぎに、近赤外ランプ照射炉内での焼成工程における昇温時に、アルミニウム粒子(融点660℃)が溶融し始める。この際、基板のシリコン表面が溶融したアルミニウムに溶解するため、アルミニウムとシリコンとが混合したアルミニウム−シリコンの溶融液(共融液)が裏面アルミニウムペースト層内に形成される。この際、近赤外ランプによる裏面アルミニウムペースト層の加熱はシリコン基板による光吸収後の熱伝導によるものであるため、当該裏面アルミニウムペースト層の溶融は基板界面側から始まり、上部に広がってゆくと考えられる。
図4は、特許文献1に記載の技術を太陽電池の製造に採用した場合の工程を示す断面図であり、プラズマCVD法による反射防止膜17(窒化シリコン膜)の形成後に半導体基板11の洗浄を実施せずに半導体基板11の裏面に裏面アルミニウムペースト層21aを形成した時点での断面図である。図4では、理解の容易のため、結晶A41、結晶B43、結晶粒界45、金属不純物47に注目して拡大図示している。図4に示すように、半導体基板11は多結晶基板であるため半導体基板11の表面には異なる結晶方位を有する結晶A41と結晶B43との間に結晶粒界45が存在している。そして、該結晶粒界45部分にプラズマCVD法による窒化シリコン膜の形成工程において金属不純物47が偏析しており、特に、アルミニウムが多く偏析している。ここで、p型多結晶シリコン基板11aの最表面に形成されたリンガラス層31を除去するために施されたウェットエッチングによって結晶間の高さに食い違いが生じている場合がある。このような場合、結晶粒界45においてはいわゆるゲッタリング現象によって金属原子が局所的に偏析することがよく知られている。
また、もとより多結晶基板、特に基板表面数μmの厚さ範囲にはアルミニウム、鉄、銅等の金属不純物が存在しており、これらもまた結晶粒界に偏析していることが多い。焼成工程におけるアルミニウムペーストのアルミニウムと基板表面のシリコンとの溶融液の形成は、結晶粒界においては昇温以前からすでにシリコンがアルミニウムと混合状態にあるため、このような結晶粒界から開始される。そして、アルミニウムとシリコンとが混合したアルミニウム−シリコンの共融液51は、図5に示すように裏面アルミニウムペースト層21aの表面に向かって広がる。図5は、従来の技術により作製された裏面アルミニウムペースト層におけるアルミニウム−シリコンの共融液51の状態を説明するための断面図である。図5では、理解の容易のため、結晶A41、結晶B43、結晶粒界45、アルミニウム−シリコンの共融液51に注目して拡大図示している。
アルミニウムとシリコンとの溶融反応が早く開始することによって結晶粒界45においては他の領域に比べてシリコンの裏面アルミニウムペースト層21aへの流入が加速され、降温時においてアルミニウム−シリコンの共融液が相図に従ってアルミニウムとシリコンとに分離し、凝固する過程で結晶粒界にシリコンが他の領域よりも多く残る。この結果、図6に示すように結晶粒界45の近傍に突起状膨れ53が残される。図6は、従来の技術により作製された裏面アルミニウムペースト層における突起状膨れ53の発生を説明するための断面図である。図5では、理解の容易のため、結晶A41、結晶B43、結晶粒界45、突起状膨れ53に注目して拡大図示している。なお、結晶粒界45の近傍において突起状膨れ53が形成されやすいことは、突起状膨れ53の形成状態の観察から明らかであった。裏面アルミニウムペースト層21aは最終的に裏面側アルミニウム電極21となる。
これに対して、本実施の形態にかかる太陽電池の製造方法によれば、反射防止膜17の形成後であって裏面アルミニウムペースト層21aの形成前に、半導体基板11の表面領域の金属不純物、特にアルミニウムを洗浄で除去する洗浄処理を実施する。半導体基板11の洗浄は、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液または水酸化カリウム(KOH)水溶液などのアルカリ水溶液、または酸性水溶液を用いて行うことが好ましい。このような洗浄処理を実施することにより金属不純物47が除去され、結晶粒界45付近でアルミニウム濃度が突出するような不純物濃度分布を抑制でき、半導体基板11の裏面全体において均一なアルミニウム−シリコン溶融が実現できる。これにより、多結晶基板特有の結晶粒界の存在と前工程起因した金属不純物の偏析やゲッタリング、特に、アルミニウムの偏析やゲッタリングが生じた場合でも、焼成工程中の突起状膨れ53の発生を防止・抑制することが可能となる。
したがって、上述した本実施の形態にかかる太陽電池セル1の製造方法では、裏面側アルミニウム電極21の表面に突起状の膨れが生じることを防止することができる。このため、裏面側アルミニウム電極21の表面の突起状の膨れを起点とした基板の割れが防止・抑制され、歩留まりが高く信頼性の高い太陽電池セルを実現することができる。また、この太陽電池セル1の製造方法では裏面側アルミニウム電極21の表面に突起状の膨れが生じないため、太陽電池セル1を絶縁層によりラミネートしてモジュール化する際に裏面側アルミニウム電極21の突起状の膨れが絶縁層を突き破ることが無く、良好な絶縁性が確保され、歩留まりの高く、信頼性の高い太陽電池モジュールが実現可能である。
なお、上記においては裏面側アルミニウム電極21の形成について説明したが、半導体基板11の受光面側の表面に直接アルミニウム電極を形成する場合にも適用可能である。
以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、アルミニウムを含む電極ペーストの焼成により形成されるアルミニウム電極を裏面に備える太陽電池の製造における電極ペーストの焼成中の膨れの防止に有用である。
1 太陽電池セル
11 半導体基板
11a p型多結晶シリコン基板
13 p型多結晶シリコン層
15 n型不純物拡散層
15a n型不純物拡散層
17 反射防止膜
19 受光面側銀電極
19a 表銀ペースト層
21 裏面側アルミニウム電極
21a 裏面アルミニウムペースト層
23 表銀グリッド電極
25 表銀バス電極
27 BSF層
31 リンガラス層
41 結晶A
43 結晶B
45 結晶粒界
47 金属不純物
51 共融液
53 突起状膨れ

Claims (9)

  1. 第1導電型の半導体基板の一面側に、第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する不純物拡散層形成工程と、
    前記半導体基板の表面に対して洗浄処理を施して前記半導体基板の表面層における結晶粒界近傍に存在する金属不純物を除去する除去工程と、
    アルミニウムを含む電極材料ペーストを前記半導体基板の表面に塗布する電極材料ペースト塗布工程と、
    前記電極材料ペーストを焼成して電極を形成する焼成工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記不純物拡散層形成工程と前記除去工程との間に、前記不純物拡散層上に反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記反射防止膜形成工程では、前記反射防止膜として窒化シリコン膜をCVD法により形成すること、
    を特徴とする請求項2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記不純物拡散層形成工程では、リンの熱拡散により前記不純物拡散層を形成し、
    前記不純物拡散層形成工程と前記除去工程との間に、前記不純物拡散層形成工程において前記半導体基板の表面に形成されたリンガラス層をウェットエッチングにより除去する工程を有すること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記除去工程では、アルカリ水溶液または酸性水溶液を用いて前記金属不純物をエッチング除去すること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記半導体基板がシリコン基板であり、前記金属不純物がアルミニウムであること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液であること、
    を特徴とする請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記酸性水溶液が希塩酸水溶液であること、
    を特徴とする請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法により複数の太陽電池を作製する太陽電池作製工程と、
    前記複数の太陽電池を電気的に直列接続または並列接続する接続工程と、
    前記直列接続または並列接続された前記太陽電池を絶縁層で覆ってラミネートするラミネート工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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