JP2012119030A - 磁性粒子粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁性粒子粉末及び磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、磁性粒子粉末に関するものであり、優れた磁気特性を有すると共に、磁気記録媒体のノイズ低減に効果的な六方晶フェライト粒子粉末に関するものである。
【解決手段】 六方晶フェライト粒子粉末からなり、平均板面径が10〜30nmであり、保磁力(Hc)が95.5kA/m以上である六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在するとともに、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面及び粒子中に存在するCo量がCo換算で0.1〜2重量%であり、且つ、該六方晶フェライト粒子粉末に含有される白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)の各元素の合計量が10ppm以下である磁性粒子粉末である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気記録媒体に用いる磁性粒子粉末に関するものであり、詳しくは、六方晶フェライト粒子粉末からなり、平均板面径が10〜30nmであり、六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在する、優れた磁気特性を有するとともに、磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性に優れた六方晶フェライト粒子粉末からなる磁性粒子粉末に関するものである。
磁気記録技術は、従来、オーディオ用、ビデオ用、コンピューター用等をはじめとしてさまざまな分野で幅広く用いられている。近年、機器の小型軽量化、記録の長時間化及び記録容量の増大等が求められており、記録媒体に対しては、記録密度のより一層の向上が望まれている。
従来の磁気記録媒体に対してより高密度記録を行うためには、高いC/N比が必要であり、ノイズ(N)が低く、再生出力(C)が高いことが求められている。近年では、これまで用いられていた誘導型磁気ヘッドに替わり、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)や巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)等の高感度ヘッドが開発されており、これらは誘導型磁気ヘッドに比べて再生出力が得られやすいことから、高いC/N比を得るためには、出力を上げるよりもノイズを低減する方が重要となってきている。
磁気記録媒体のノイズは、粒子性ノイズと磁気記録媒体の表面性に起因して発生する表面性ノイズに大別される。粒子性ノイズの場合、粒子サイズの影響が大きく、微粒子であるほどノイズ低減に有利であることから、磁気記録媒体に用いる磁性粒子粉末の粒子サイズはできるだけ小さいことが求められている。
一方、表面性ノイズの場合、磁気記録媒体の表面平滑性を改良することが重要であり、磁気記録層中に配合される磁性粒子粉末に対しては、磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性改善が求められている。
一般に、微粒子、且つ、高保磁力値を有する磁性粒子粉末としては、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及び六方晶フェライト粒子粉末等が知られており、六方晶フェライト粒子粉末は針状の金属磁性粒子粉末に比べ短波長領域で高い出力が得られるという特徴があり、再生にMRヘッドやGMRヘッドを用いた高密度記録の磁気記録媒体用磁性粉末として非常に有望である。
六方晶フェライト粒子粉末は、従来、磁気特性改善、電気抵抗低減等を目的として、六方晶フェライト粒子粉末とコバルト塩及び第一鉄塩とを加熱処理することにより、六方晶フェライト粒子表面にCoスピネルフェライト被膜を形成する方法(特許文献1乃至特許文献7)等が知られている。
特開昭59−102823号公報 特開昭62−139122号公報 特開昭64−23502号公報 特開平2−33723号公報 特開平2−87606号公報 特開平6−77034号公報 特開平8−191009号公報
前出特許文献1乃至7には、六方晶フェライト粒子粉末とコバルト塩及び第一鉄塩とを加熱処理することにより、粒子表面にCoスピネルフェライト被膜が形成された六方晶フェライト粒子粉末が記載されているが、いずれも保磁力は高くなっているものの、実施例に記載の六方晶フェライト粒子粉末の保磁力はいずれも31.8〜87.5kA/m(400〜1100Oe)程度であり、被処理粒子である未処理の六方晶フェライト粒子粉末の保磁力が95.5kA/m未満であればCoスピネルフェライト被膜を形成することによって保磁力を向上させることは可能であるが、95.5kA/m以上の保磁力を有する六方晶フェライト粒子粉末の場合、後出比較例に示す通り、Coスピネルフェライト被膜を形成することで逆に保磁力は低下する。
そこで、本発明は、六方晶フェライト粒子粉末からなり、平均板面径が10〜30nmであり、六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在する、優れた磁気特性を有するとともに、磁気特性を損なうことなく磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性に優れた磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均板面径が10〜30nmであり、保磁力(Hc)が95.5kA/m以上である六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在するとともに、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面及び粒子中に存在するCo量がCo換算で0.1〜2重量%であり、且つ、該六方晶フェライト粒子粉末に含有される白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)の各元素の合計量が10ppm以下であることを特徴とする磁性粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、粉体の保磁力分布(SFD)が1.6以下である本発明1の磁性粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、非磁性支持体上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記磁性粒子粉末として本発明1又は本発明2のいずれかに記載の磁性粒子粉末を用いることを特徴とする磁気記録媒体である(本発明3)。
本発明に係る磁性粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmであり、六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在することにより、磁気記録媒体のノイズをより低減し、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得ることができるため、高密度磁気記録媒体の磁性粒子粉末として好適である。
本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係る上記磁性粒子粉末を用いることにより、磁気記録媒体のノイズをより低減し、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得ることができるため、高密度磁気記録媒体として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
先ず、本発明に係る磁性粒子粉末について述べる。
本発明に係る磁性粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmであり、保磁力(Hc)が95.5kA/m以上である六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在するとともに、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面及び粒子中に存在するCo量がCo換算で0.1〜2重量%であり、且つ、該六方晶フェライト粒子粉末に含有される白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)の各元素の合計量が10ppm以下である。
本発明に係る磁性粒子粉末は、Ba、Sr及びCaから選ばれる1種又は2種以上の元素を含有するマグネトプランバイト型(M型)フェライト微粒子粉末又はW型フェライト微粒子粉末、あるいはFeもしくはBa、Sr及びCaの原子の一部が他の元素で置換された六方晶フェライト粒子粉末からなる。置換元素としては、具体的にはCo、Ni、Zn、Mn、Mg、Ti、Sn、Zr、Cu、Mo、La、Ce、V、Si、Sc、Sb、Y、Rh、Pd、Nd、Nb、B、P、Ge、Al、Ru、Pr、Bi、W、Re等の元素の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に係る磁性粒子粉末の平均板面径は10〜30nmであり、好ましくは10〜28nm、より好ましくは10〜25nmである。磁性粒子粉末の平均板面径が30nmを超える場合には、粒子サイズが大きいため、粒子性ノイズをより低減することが難しく、高いC/N比を有する磁気記録媒体を得ることが困難となる。また、平均板面径が10nm未満である場合には、磁性粒子粉末の微細化に伴う熱揺らぎの影響が大きくなるため好ましくない。
本発明に係る磁性粒子粉末の板状比(平均板面径と平均厚みの比)(以下、「板状比」という。)は1.5〜10.0が好ましく、より好ましくは1.75〜8.0、更により好ましくは2.0〜6.0である。板状比が10を超える場合には、粒子間のスタッキングが多くなり、磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が低下すると共に、粘度が増加する場合があるため好ましくない。
本発明に係る磁性粒子粉末のBET比表面積値は20〜200m/gが好ましく、より好ましくは25〜200m/g、更により好ましくは30〜150m/gである。BET比表面積値が20m/g未満の場合には、磁性粒子粉末が粗大であるため、これを用いて得られた磁気記録媒体の表面平滑性が低下し、それに起因して出力も向上し難くなる。また、短波長領域における飽和磁化値や保磁力値が低下すると共に粒子性ノイズが増大するため好ましくない。BET比表面積値が200m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、磁性塗料の製造時におけるビヒクル中への分散性が低下する。
本発明に係る磁性粒子粉末の粒子表面に存在するCo化合物としては、非磁性成分であり、水酸化コバルトもしくは水酸化コバルトの水和物である。
本発明に係る磁性粒子粉末は、粒子表面及び粒子中に存在するCo量がCo換算で0.1〜2重量%であり、好ましくは0.1〜1.5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。磁性粒子粉末の粒子表面及び粒子中に存在するCo化合物がCo換算で2重量%を超える場合には、保磁力(Hc)が低下するため好ましくない。0.1重量%未満の場合には、磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性改善効果が得られない。
本発明に係る磁性粒子粉末が含有する白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)の各元素の合計は10ppm以下であり、好ましくは8ppm以下、より好ましくは5ppm以下である。白金族元素の含有量が10ppmを超える場合には、これを用いて作製した磁性塗料や磁気記録媒体中に含まれる有機溶剤や樹脂が、白金等の触媒活性のある金属により劣化しやすいため好ましくない。
本発明に係る磁性粒子粉末の磁気特性は、保磁力(Hc)が95.5〜397.9kA/mが好ましく、より好ましくは119.4〜318.3kA/mであり、飽和磁化値が40〜70Am/kgが好ましく、より好ましくは45〜70Am/kgである。また、粉体SFD(Switching Field Distribution)は1.6以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以下である。粉体SFDが1.6を超える場合には、保磁力(Hc)のバラツキが大きいため、好ましくない。
本発明に係る磁性粒子粉末は、必要により、Co化合物による被覆処理前あるいは被覆処理後の六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物(以下、「アルミニウムの水酸化物等」という。)で被覆しておいてもよい。アルミニウムの水酸化物等で被覆処理を行うことにより、磁気記録媒体の塗膜強度が向上する傾向にある。
次に、本発明に係る磁気記録媒体について述べる。
本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係る磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層が非磁性支持体上に形成されてなる。また、必要に応じて、非磁性支持体と磁気記録層との間に非磁性下地層を形成してもよく、更に、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を形成させてもよい。殊に、コンピューター記録用のバックアップテープの場合には、巻き乱れの防止や走行耐久性向上の点から、非磁性下地層やバックコート層を設けることが好ましい。
本発明における非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリスルフォン、セルローストリアセテート、ポリベンゾオキサゾール等の合成樹脂フィルム、アルミニウム、ステンレス等金属の箔や板及び各種の紙を使用することができる。
結合剤樹脂としては、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂等を単独又は組み合わせて用いることができる。
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体と磁気記録層との間に非磁性下地層を形成する場合、非磁性下地層中には非磁性粒子粉末と結合剤が含まれている。
非磁性下地層に用いられる非磁性粒子粉末としては、アルミナ、ヘマタイト、ゲータイト、酸化チタン、シリカ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化亜鉛、チッ化珪素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム及び硫酸バリウム等を、単独又は組合せて用いることができる。好ましくはヘマタイト、ゲータイト、酸化チタンであり、より好ましくはヘマタイトである。
前記非磁性粒子粉末の粒子形状は、針状、紡錘状、米粒状、球状、粒状、多面体状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であってもよい。粒子サイズは、好ましくは0.005〜0.30μmであり、より好ましくは0.010〜0.25μmである。また、必要により、粒子表面をアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物で被覆してもよく、化合物で被覆しない場合に比べ、非磁性塗料中での分散性を改善することができる。
結合剤樹脂としては、前記磁気記録層を作製するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対し、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を形成する場合、バックコート層中には、結合剤樹脂と共に、バックコート層の表面電気抵抗値及び強度向上を目的として、帯電防止剤及び無機粒子粉末を含有させることが好ましい。
無機粉末としては、アルミナ、ヘマタイト、ゲータイト、酸化チタン、シリカ、酸化クロム、酸化セリウム、酸化亜鉛、チッ化珪素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム及び硫酸バリウム等から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。粒子サイズは、好ましくは0.005〜1.0μmであり、より好ましくは0.010〜0.5μmである。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができる。帯電防止の他に、摩擦係数低減、磁気記録媒体の強度向上といった効果が期待できることから、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。
結合剤樹脂としては、前記磁気記録層、及び非磁性下地層を作製するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
本発明における磁気記録層、非磁性下地層及びバックコート層中には、必要に応じて、磁気記録媒体の製造に通常用いられている潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
本発明に係る磁気記録媒体は、保磁力値が95.5〜397.9kA/m、好ましくは119.4〜318.3kA/m、保磁力分布SFD(Switching Field Distribution)が、0.70以下、好ましくは0.68以下である。
次に、本発明に係る磁性粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る磁性粒子粉末は、被処理粒子粉末である六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面をCo化合物によって被覆することにより得ることができる。
本発明における被処理粒子粉末である六方晶フェライト粒子粉末の製造法としては特に限定されないが、ガラス結晶化法は、溶融の際に通常、白金からなるるつぼを用いるため、得られる六方晶フェライト粒子粉末の白金族元素の含有量が10ppmを超えるので好ましくない。好ましくは、水熱合成法、共沈−焼成法等の湿式法である。
本発明に係る磁性粒子粉末は、六方晶フェライト粒子粉末を水に分散させて水分散スラリーとした後、Co化合物の水溶液を添加し、次いで、アルカリ水溶液添加後、20〜100℃の温度範囲にて30分〜6時間攪拌し、水洗・ろ過・乾燥を行うことにより得ることができる。
本発明におけるCo化合物としては、水酸化コバルトもしくは水溶性のCo化合物から生成するコバルトの水酸化物を用いることができ、水溶性のCo化合物としては、具体的には、塩化コバルト、硝酸コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、酢酸コバルト及びこれらの水和物を用いることができる。
アルカリ水溶液としては、水酸化アルカリ水溶液を用いることができ、具体的には水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液又はアンモニア水を用いることができ、好ましくは水酸化ナトリウムである。アルカリ水溶液は、反応に関与しないフリーのアルカリが反応スラリー中に0.3mol/L以上存在する量を添加することが好ましく、0.5mol/L以上となる量を添加することがより好ましい。過剰のアルカリ水溶液を添加して反応溶液のフリーのアルカリの濃度を上げることにより、塩化コバルトから生成するコバルトの水酸化物が安定して存在するため、より均一な六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面へのCo化合物による被覆処理を行うことができる。フリーのアルカリの量の上限は特にないが、コスト等の工業的な生産性を考慮すれば、好ましくは10mol/Lであり、より好ましくは9mol/Lである。
アルカリ水溶液添加後の反応は、20〜100℃の温度範囲で行うことが好ましく、より好ましくは30〜100℃である。また、反応時間は30分〜6時間の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは1〜5時間である。
次に、本発明における磁気記録媒体の製造法について述べる。
前記非磁性下地層、磁気記録層、及びバックコート層の形成にあたって用いる溶剤としては、磁気記録媒体に汎用されているアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びテトラヒドロフラン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール及びイソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル及び酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル及びジオキサン等のグリコールエーテル類及びその混合物等を使用することができる。
非磁性下地層、磁気記録層、バックコート層は、各層を構成する成分及び溶剤を一般に使用される混練機及び分散機により混練・分散処理を行い、各塗料を作製する。該各塗料を用いて、非磁性支持体上の一面に非磁性下地層、磁気記録層の順に塗布、乾燥後、カレンダー処理を行う。その際の塗布方法としては、磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布するWet on Wet法でも、非磁性下地層を塗布・乾燥後、その上に磁気記録層を塗布するWet on Dry法のどちらでもよい。また、必要により、バックコート層を設ける場合には、非磁性下地層及び磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上にバックコート層用塗料を塗布、乾燥後、カレンダー処理を行い、磁気記録媒体を得る。
<作用>
本発明において最も重要な点は、本発明に係る磁性粒子粉末は、六方晶フェライト粒子粉末からなり、平均板面径が10〜30nmであり、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在するとともに、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面及び粒子中に存在するCo量がCo換算で0.1〜2重量%であり、且つ、保磁力(Hc)が95.5kA/m以上であることにより、磁気記録媒体のノイズをより低減し、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得ることができるという事実である。
本発明に係る磁性粒子粉末を用いることにより、磁気記録媒体のノイズをより低減し、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得ることができる理由について、本発明者は次のように考えている。Co化合物が粒子表面に存在することで磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性が改善される理由は不明であるが、Coスピネルフェライトは一般に飽和磁化値(σs)は高いものの、保磁力(Hc)が低く、従来技術のように保磁力が95.5kA/m未満の六方晶フェライト粒子粉末に対しては保磁力を維持・向上効果が認められるが、本発明の目的とする95.5kA/m以上の高い保磁力を有する六方晶フェライト粒子粉末に対しては、粒子表面にCoスピネルフェライト被膜が形成されることにより、むしろ保磁力(Hc)を低下させることとなる。本発明においては、被処理粒子となる六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCoスピネルフェライトを生成させることなくCo化合物による被覆層を形成することにより、六方晶フェライト粒子粉末の磁気特性を低下させることなく磁気記録層を構成するビヒクル中への分散性を改善できたものと考えている。
以下に、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
被処理粒子である六方晶フェライト粒子粉末及び磁性粒子粉末の平均板面径及び平均厚さは、透過型電子顕微鏡を用いて複数の視野において粒子の写真を撮影し、該写真を用いて粒子360個以上について板面径、厚さをそれぞれ測定し、その平均値で粒子の平均板面径及び平均厚さを示した。なお、平均板面径及び平均厚さを求める際の粒子の選定基準としては、粒子同士が重なっており、境界がはっきりしていないものは測定を行わないものとした。
板状比は、平均板面径と平均厚さとの比で示した。
比表面積は、「モノソーブMS−11」(カンタクロム株式会社製)を用いて、BET法により測定した値で示した。
被処理粒子である六方晶フェライト粒子粉末及び磁性粒子粉末に含有される各種元素の含有量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
磁性粒子粉末の粒子表面に存在するCo化合物からなる被覆層の確認は、下記の方法により行った。
即ち、試料0.2gと塩酸10mlとを100mlのフッ素樹脂製ビーカーへ入れて攪拌し、150℃で20分保持して磁性粒子粉末の粒子表面に被覆されているCo化合物層に相当する部分を酸溶解した(酸溶解液1)。得られた酸溶解液1を0.1μmのメンブランフィルターを用いて吸引濾過を行い、得られた濾液中のCo量(ppm)を「誘導結合プラズマ発光分光分析装置 SPS4000」(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。
一方、前述と同様に、試料0.2gと王水10mlとを100mlのフッ素樹脂製ビーカーへ入れて攪拌し、240℃で20分保持して磁性粒子粉末が完全に溶解するまで攪拌した(酸溶解液2)。前述と同様に、酸溶解液2を0.1μmのメンブランフィルターを用いて吸引濾過を行い、得られた濾液中のCo量(ppm)を「誘導結合プラズマ発光分光分析装置 SPS4000」(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。酸溶解液1と酸溶解液2に含有されるCo量の違いから、粒子表面にCo化合物からなる被覆層が形成されていることを確認した。
磁性粒子粉末のCoスピネルフェライト生成の有無の確認は、X線回折装置「RINT2500」(株式会社リガク製)を用いて、CuのKα線を線源としてCoスピネルフェライトの面指数(3,1,1)面のピークの有無によって判定した。
六方晶フェライト粒子粉末に含有される白金族元素の含有量は、試料0.2gと王水10mlとを100mlのフッ素樹脂製ビーカーへ入れて攪拌し、240℃で20分保持して溶解させ、この溶液を「誘導結合プラズマ発光分光分析装置 SPS4000」(セイコー電子工業株式会社製)を用いて測定した。
六方晶フェライト粒子粉末及び磁気テープの磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM SSM−5−15」(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場1193.7kA/mの条件で測定した。また、粉体SFD及び磁気テープのSFDは、印加磁場が0〜397.9kA/mの範囲ではスイープ速度を79.6(kA/m)/分とし、397.9〜1,193.7kA/mの範囲ではスイープ速度を397.9(kA/m)/分として測定した。
磁気テープの塗膜表面の光沢度は、「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角45°で測定した値であり、標準板光沢を86.3%とした時の値を%で示したものである。
表面粗度Raは、「ZYGO NewView600S」(ZYGO株式会社製)を用いて塗膜の中心線平均粗さを測定した。
磁気記録媒体を構成する非磁性支持体及び磁気記録層の各層の厚みは、デジタル電子マイクロメーターK351C(安立電気株式会社製)を用いて測定した。
磁気テープの電磁変換特性は、ドラムテスターを用い、記録ヘッドにはMIGヘッドを、再生用ヘッドにはMRヘッドを用いて測定を行った。ヘッドと磁気テープとの相対速度は2.5m/secとし、記録周波数10MHzにおける再生信号出力(C)及び記録周波数9MHzにおける出力をノイズ信号出力(N)を、それぞれ後出比較例2−1を0dB(基準テープ)として、基準テープに対する相対値として求めた。またC/Nはこれら再生信号出力(C)とノイズ信号出力(N)を用いて示した。
磁気テープの劣化は、磁気テープを温度60℃、相対湿度90%の環境下で14日間保存し、保存前と保存後の磁気テープそれぞれについて、前述の電磁変換特性を測定したときと同様の条件で得られるエンベロープより、単位時間当たりのドロップアウトの個数をカウントし、保存前に対する保存後のドロップアウトの増加量で示した。
六方晶フェライト粒子1〜5:
被処理粒子粉末として表1に示す特性を有する六方晶フェライト粒子粉末を用意した。
Figure 2012119030
<実施例1−1:Co化合物被覆された磁性粒子粉末の製造>
六方晶フェライト粒子粉末(被処理粒子1)(粒子形状:板状、平均板面径:17.6μm、板状比:3.0、BET比表面積値:86.4m/g、保磁力(Hc):168.8kA/m、飽和磁化値(σs):47.0Am/kg、粉体SFD:0.98、白金族の含有量:1ppm)0.5モルを純水に分散させてラインミル、ビーズミルを通して8Lの水分散スラリーを得た。次いで、六方晶フェライト粒子1モルに対してCo換算で0.0475モルの塩化コバルト水溶液を添加し、10分間攪拌後、18.55mol/LのNaOH水溶液1.08L(反応に関与しないフリーのアルカリは1.99mol/L)を攪拌させながら前記混合溶液中に添加して混合溶液の全量を約10Lとし、30分間攪拌後、100℃まで昇温し、3時間反応を行った。
次いで、得られた反応生成物をpH値が12以下になるまで水洗後、酢酸を用いてpH9に調整後、更に水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、実施例1−1の磁性粒子粉末を得た。
得られた磁性粒子粉末は板状であり、平均板面径は17.6nm、平均厚みは5.8nm、板状比は3.1、BET比表面積値は86.2m/g、Coの含有量は0.50重量%であり、保磁力(Hc)は165.0kA/m、飽和磁化値(σs)は48.1Am/kg、粉体SFDは0.99であった。なお、磁性粒子粉末のCo被覆層のみを溶解した場合のCo量は71,800ppmであり、磁性粒子粉末全量を溶解した場合のCo量は5,031ppmであったことから、Co元素を含む化合物が磁性粒子表面に局在していることが推定できる。また、X線回折により、Coスピネルフェライトの存在を示す(3,1,1)面のピークは認められなかった。
<実施例2−1:磁気記録媒体の製造>
非磁性下地層形成用の非磁性塗料組成
非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 11.8重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 11.8重量部、
シクロヘキサノン 78.3重量部、
メチルエチルケトン 195.8重量部、
トルエン 117.5重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 3.0重量部、
潤滑剤(ブチルステアレート) 1.0重量部。
非磁性下地層用ヘマタイト粒子粉末と結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを固形分が72wt%となるよう混合し、自動乳鉢を用いて30分間混練して混練物を得た。
次いで、上記非磁性塗料組成となるように、上記混練物と、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエン1.5mmφガラスビーズ95gと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って非磁性塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、非磁性下地層用非磁性塗料を調整した。
上記非磁性下地層用非磁性塗料を厚さ4.5μmの芳香族ポリアミドフィルム上に塗布し、次いで、乾燥させることにより非磁性下地層を形成した。
磁気記録層形成用の磁性塗料組成
磁性粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 12.5重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 7.5重量部、
研磨剤(AKP−50) 5.0重量部、
カーボンブラック 2.0重量部、
潤滑剤(ミリスチン酸:ステアリン酸ブチル=1:2) 3.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 5.0重量部、
シクロヘキサノン 170.0重量部、
メチルエチルケトン 170.0重量部。
磁性粒子粉末と研磨剤、カーボンブラック、結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを固形分が76wt%となるよう混合し、自動乳鉢を用いて40分間混練して混練物を得た。
次いで、上記磁性塗料組成となるように、上記混練物と、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエン1.5mmφガラスビーズ95gと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って磁性塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、磁気記録層用磁性塗料を調整した。
上記磁気記録層用塗料を、乾燥後の厚さが1.5μmになるよう前記非磁性下地層の上に塗布した後、磁場中において配向・乾燥した。その後、60℃で24時間硬化反応を行い、12.7mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体は、保磁力値Hcが172.3kA/m、Br/Bmが0.82、保磁力分布SFDが0.66、光沢度が177%、表面粗度Raが9.8nmであり、再生出力(C)が+0.7dB、C/Nが2.1dB、ドロップアウトの増加量が2個/msecであった。
前記実施例1−1及び実施例2−1に従って磁性粒子粉末及び磁気記録媒体を作製した。各製造条件及び得られた磁性粒子粉末及び磁気記録媒体の諸特性を示す。
実施例1−2〜1−3及び比較例1−1〜1−4
Co化合物による被覆工程における六方晶フェライト粒子の種類、Co化合物の種類、添加量、水酸化アルカリの種類、添加量及び反応温度、反応時間を変化させた以外は、前記実施例1−1と同様にしてCo化合物により被覆された磁性粒子粉末を得た。
なお、実施例1−2〜1−3及び比較例1−1〜1−4のいずれの試料においても、X線回折により、Coスピネルフェライトの存在を示す(3,1,1)面のピークは認められなかった。
このときの製造条件を表2に、得られた磁性粒子粉末の諸特性を表3に示した。
実施例1−4:
実施例1−1の磁性粒子粉末200gと水1500mlとを用いて分散スラリーを調整し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH値を9とした後、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lとした。このスラリー150Lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液54.44ml(六方晶フェライト粒子粉末に対してAl換算で1.2重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を9に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過・水洗・乾燥・粉砕し、粒子表面がアルミニウムの水酸化物等により被覆されている実施例1−5の磁性粒子粉末を得た。得られた粒子表面がアルミニウムの水酸化物等により被覆されている磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
比較例1−5:特開昭59−102823号公報の実施例1の追試実験
六方晶フェライト粒子粉末(被処理粒子1)200gを0.4%の塩化コバルト水溶液(六方晶フェライト粒子粉末に対してCo換算で0.5重量%)1000mLに分散させ、10分間攪拌処理を行った後、得られた反応性生物を水洗・ろ過・乾燥・粉砕して、比較例1−4の磁性粒子粉末を得た。得られた磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
比較例1−6: 特開平8−191009号公報の実施例3の追試実験
六方晶フェライト粒子粉末(被処理粒子1)0.1モルを加えた水に、Coスピネルフェライト(化学式Co1+x Fe2−x においてx=0.026としたもので表される組成を有する)0.1モルに相当するCoとFeとを含むCoClとFeClの水溶液をさらに加え、撹拌混合した。得られた混合液に水酸化ナトリウム水溶液を混合し、pH13のもとで、六方晶フェライト粒子粉末上にスピネルフェライト成分を共沈させた。その後チッソバブリングを施しながら、このスラリーの温度を約90℃まで昇温した後、チッソバブリングを酸素バブリングに切り替えて4時間反応させた。その後、得られたこのスラリーを水洗いしてアルカリを除去し、次いで乾燥させることにより磁性粒子粉末を得た。得られた磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
Figure 2012119030
Figure 2012119030
<磁気記録媒体の製造>
実施例2−2〜2−4、比較例2−1〜2−6:
磁性粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記実施例2−1の磁気記録媒体の作製方法に従って磁気テープを製造した。
得られた磁気テープの諸特性を表4に示す。
Figure 2012119030
上記実施例より、本発明によって得られた磁性粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmであり、六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在することにより、磁気特性が低下することなく分散性を改善することができるため、これらを用いて得られた磁気記録媒体は、優れた磁気特性を有するとともに、ノイズがより低減されていることがわかる。
本発明に係る磁性粒子粉末は、平均板面径が10〜30nmであり、六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在することにより、磁気記録媒体のノイズをより低減し、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得ることができるため、高密度磁気記録媒体の磁性粒子粉末として好適である。
本発明に係る磁気記録媒体は、本発明に係る上記磁性粒子粉末を用いることにより、磁気記録媒体のノイズをより低減し、優れた磁気特性を有する磁気記録媒体を得ることができるため、高密度磁気記録媒体として好適である。

Claims (3)

  1. 平均板面径が10〜30nmであり、保磁力(Hc)が95.5kA/m以上である六方晶フェライト粒子粉末からなり、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面にCo化合物が存在するとともに、該六方晶フェライト粒子粉末の粒子表面及び粒子中に存在するCo量がCo換算で0.1〜2重量%であり、且つ、該六方晶フェライト粒子粉末に含有される白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金)の各元素の合計量が10ppm以下であることを特徴とする磁性粒子粉末。
  2. 粉体の保磁力分布(SFD)が1.6以下である請求項1記載の磁性粒子粉末。
  3. 非磁性支持体上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記磁性粒子粉末として請求項1又は請求項2のいずれかに記載の磁性粒子粉末を用いることを特徴とする磁気記録媒体。
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