JP2012108215A - 静電潜像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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愼也 花谷
Shinko Watanabe
真弘 渡邊
Tsutomu Sugimoto
強 杉本
Mamoru Hozumi
守 穂積
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Abstract

【課題】低温定着性に優れ、耐熱保存性に優れ、定着時の離型性が良好なトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも非結晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有するトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させてトナー組成液を調製する工程と、前記トナー組成液を水系媒体中に乳化乃至分散させる工程とを含むトナーの製造方法において、前記トナー組成液を調製する工程が、前記結晶性ポリエステルを有機溶媒中で熱溶解させ、次いで冷却して前記有機溶媒中に前記結晶性ポリエステルを再結晶化させ、かつ分散させる工程を含み、前記有機溶媒中での前記結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度Tc(℃)と、前記結晶性ポリエステルの再結晶化温度Ts(℃)とが、Tc−10<Ts<Tcの関係を満たすトナーの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスによる画像形成に用いられる静電潜像現像用トナーの製造方法に関する
近年、市場においては、出力画像の高品質化のためのトナーの小粒径化や、省エネルギーのため、トナーの低温定着性の向上が要求されている。
従来の混練粉砕法により得られるトナーは、小粒径化が困難であり、形状が不定形であり、粒径分布がブロードであり、そして定着エネルギーが高い等の様々な問題点があった。特に、定着については、混練粉砕法で作製されたトナーは、粉砕が離型剤(ワックス)の界面で行われるために、ワックスがトナー表面に多く存在する。そのため、離型効果が発現される一方で、キャリア、感光体及びブレードへのトナーの付着が起こりやすくなり、全体的な性能としては、満足のいくものではない。
一方、混練粉砕法による上述の問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案されている。重合法で製造されたトナーは、小粒径化が容易であり、粒度分布も粉砕法によるトナーの粒度分布に比べてシャープであり、さらに、ワックスの内包化も可能である。
重合法によるトナーの製造方法としては、トナーの流動性の改良、低温定着性の改良及びホットオフセット性の改良を目的とし、トナーバインダーとして、ウレタン変性されたポリエステルの伸長反応物を用いて製造された、実用球形度が0.90〜1.00であるトナーの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、低温定着性を改善する目的に、重合法によるトナーの製造方法において結晶性ポリエステル樹脂を導入する方法も開示されている(例えば、特許文献2ないし7参照)。結晶性ポリエステル樹脂を導入すると、トナーのガラス転移温度(Tg)の低下が見込める。トナーのTgが低下するとナーが低粘性となるので、低温定着が可能となる。
しかしながら、結晶性ポリエステル樹脂は、再結晶化する際に温度が高すぎると結晶化せず、かつ冷却しすぎると結晶が成長し分散径が大きくなるので、結晶性が低くなり、このため、トナーの耐熱保存性が悪化するという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、低温定着性に優れ、耐熱保存性に優れ、定着時の離型性が良好なトナーの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明のトナーの製造方法は、少なくとも非結晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有するトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させてトナー組成液を調製する工程と、前記トナー組成液を水系媒体中に乳化乃至分散させる工程とを含むトナーの製造方法において、前記トナー組成液を調製する工程が、前記結晶性ポリエステルを有機溶媒中で熱溶解させ、次いで冷却して前記有機溶媒中に前記結晶性ポリエステルを再結晶化させ、かつ分散させる工程を含み、前記有機溶媒中での前記結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度Tc(℃)と、前記結晶性ポリエステルの再結晶化温度Ts(℃)とが、Tc−10<Ts<Tcの関係を満たすことを特徴とする。
2.本発明のトナーの製造方法は、さらに、前記結晶性ポリエステルが、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールとから合成されることを特徴とする。
3.本発明のトナーの製造方法は、さらに、示差走査型熱量計により測定した前記結晶性ポリエステルの吸熱ピークが60〜80℃であることを特徴とする。
4.本発明の静電潜像現像用トナーは、前記トナーの製造方法により製造されたことを特徴とする。
5.本発明の二成分像現像剤は、トナーとキャリアとを含有する静電潜像現像用の二成分現像剤であって、トナーとして、前記静電潜像現像用トナーを用いることを特徴とする。
本発明によれば、低温定着性に優れ、耐熱保存性に優れ、定着時の離型性が良好なトナー、このトナーを有する現像剤を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における実施の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明のトナーに製造方法は、少なくとも非結晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有するトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させてトナー組成液を調製する工程と、前記トナー組成液を水系媒体中に乳化乃至分散させる工程とを含むトナーの製造方法において、前記トナー組成液を調製する工程が、前記結晶性ポリエステルを有機溶媒中で熱溶解させ、次いで冷却して前記有機溶媒中に前記結晶性ポリエステルを再結晶化させ、かつ分散させる工程を含む。結晶性ポリエステル樹脂を結晶化温度付近で冷却することによって、結晶性ポリエステル樹脂をゆっくりと再結晶化させるので、分散径を小さく、かつ結晶性を向上させることができる。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、高温で結晶性ポリエステル樹脂を完全に溶解して均一溶液を形成し、その反面、低温に冷却すると結晶性ポリエステル樹脂と相分離し、不透明な不均一溶液を形成するものが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独あるいは2種以上を組み合せて用いることができる。
有機溶媒の使用量は、トナー材料100質量部に対して、通常30〜70質量部程度、好ましくは40〜60質量部、より好ましくは45〜55質量部である。
(結晶性ポリエステル樹脂の効果)
本発明において、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有するがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。すなわち、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することができる。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)についても、良好な結果を示すことが判った。
示差走査型熱量計(DSC)によるトナーのガラス転移温度の測定において、昇温1回目におけるガラス転移温度をT1、昇温2回目におけるガラス転移温度T2とした場合、45℃<T1<65℃でかつ、25℃<T2<35℃とすることで、低温定着及び耐熱保存性の両立したトナーが得られる。T1は、好ましくは50〜60℃である。
T1は、トナーを形成する樹脂のうちの最もガラス転移温度の低い樹脂に由来するが、製造工程中で結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとが一部もしくは全部相溶した場合、T1が大幅に低くなり、保存性が悪化する。一方、熱溶融後のガラス転移温度T2は、トナーを形成する材料とは関係なく、樹脂の相溶化により新たに生ずる特徴的な温度である。T1が45℃以下であると耐熱性に弱く、保存性が悪化することがある。またT1が65℃以上であると、トナーの溶融開始する温度が高くなり、低温定着性が得られないことがある。またT2が25℃以下の場合、定着時における樹脂の相溶化が過度となり、定着後の画像の安定性が悪化することがある。T2が35℃以上の場合、樹脂の相溶化が不十分となり、低温定着性が悪化することがある。
結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有するがゆえに吸熱ピーク温度付近において、急激に粘度低下するという熱溶融特性を示すため、結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピークを60〜80℃にすることで、トナーの低温定着性と耐熱保存性とを同時に満たすことが可能となる。
吸熱ピーク温度は、結晶性ポリエステルのモノマー構成、重量平均分子量により調整することができる。また、吸熱ショルダー温度と吸熱ピークの温度差を小さくするためには、結晶性ポリエステルの結晶性を高めるモノマー構成、具体的には酸・アルコールのモノマー構成をより類似した化合物で構成することにより、分子鎖中での同一構造の重なり合い確率を上げることで調整することができる。またそれ以外にも、結晶性ポリエステルの数平均分子量と重量平均分子量の差を小さくすることでも、吸熱ショルダー温度と吸熱ピークの温度差を調整することができる。
<DSC測定方法>
本発明において、トナーのガラス転移温度は、例えばDSCシステム(示差走査熱量計)(DSC−60、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料約5mgを入れたアルミニウム製の試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に、窒素雰囲気下、10℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した時のトナーのガラス転移温度をT1とし、さらに1回目の加熱後150℃で10分間放置し、降温速度10℃/minにて10℃まで試料を冷却して10分間放置し、さらに昇温速度10℃/minで2回目の加熱した時のトナーのガラス転移温度をT2とする。トナーガラス転移温度は、システム中の解析プログラムを用いて、ガラス転移温度近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出する。
また、結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク(T2-cp)、吸熱ショルダー1(T2-cs1)、吸熱ショルダー2(T2-cs2)についても同様にして、下記手順により測定することができる。
まず、ポリエステル樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、この試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、さらに昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(DSC−60、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の「吸熱ショルダー温度」を用いて、対象試料の昇温1回目における吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2を求めることができ、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、「吸熱ショルダー温度」を用いて、対象試料の昇温2回目における吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2を求めることができる。ショルダー温度は、低い温度から順に、吸熱ショルダー1、吸熱ショルダー2・・・と定義する。また、得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム中の「吸熱ピーク温度」を用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目における吸熱ピークを求めることができ、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、解析プログラム中の「吸熱ピーク温度」を用いて、対象試料の昇温2回目における吸熱ピークを求めることができる。
<発熱ピーク測定法>
DSCシステム(示差走査熱量計)(Q−200、TAインスツルメンツ社製)を用いて以下の方法で測定することができる。まず、樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に精秤して入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下(流量50mL/min)、昇温速度1℃/min、温度変調周期60秒、温度変調振幅0.159℃で−20℃から150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却し、示差走査熱量計(Q−200、TAインスツルメンツ製)によりDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、1回目の降温時におけるDSC曲線の発熱ピークを選択して、発熱ピーク温度を算出する。
(結晶性ポリエステル樹脂)
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分として炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物(例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12ドデカンジオール及びこれらの誘導体)と、少なくとも酸成分として二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸又は炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸(例えば、フマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12−ドデカン二酸及びこれらの誘導体)を用いて合成される。
本発明においては、結晶性ポリエステルの結晶性が高く、融点付近で急激な粘度変化を示す観点から、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12ドデカンジオールのいずれかの炭素数4〜12の飽和ジオール成分と、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1,8−オクタン二酸、1,10−デカン二酸及び1,12−ドデカン二酸のいずれかの炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸成分のみを用いて合成された結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
本発明に係る結晶性ポリエステル樹脂は、低温定着性と耐熱保存性とを両立させるために、吸熱ピークが60〜80℃であることが好ましい。吸熱ピークが60℃未満であると、耐熱保存性が悪化し、80℃を超えると低温定着性が悪化することがある。
結晶性ポリエステル樹脂の結晶性及び軟化点を制御する方法として、ポリエステル樹脂合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステル等を設計、使用する等の方法が挙げられる。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定等により確認することができるが、簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1又は990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを例として挙げることができる。
本発明に係る結晶性ポリエステルの分子量については、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、鋭意検討した結果、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布で、重量平均分子量が5,000〜20,000であり、かつ数平均分子量の500以下の割合が0〜2.5%であり、かつ前記結晶性ポリエステルMnの1,000以下の割合が0〜5.0%である場合、低温定着性、耐熱保存性の両立が達成されることを見出した。さらに、数平均分子量の500以下の割合が0〜2%であり、かつ前記結晶性ポリエステルMnの1,000以下の割合が0〜4.0%であることが好ましい。
本発明において、結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルとの使用割合は、非結晶性ポリエステル100質量部に対して結晶性ポリエステル6〜41質量部が好ましく、より好ましくは6〜21質量部である。
(GPC測定方法)
本発明における分子量分布は例えば以下の方法で測定することができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー社製)
温度:40℃
溶媒:THF
流速:0.35mL/min
試料:0.15%の試料を0.4mL注入
試料の前処理として、試料をテトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬社製)に0.15質量%で溶解後、0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料(THF試料溶液)として用いる。THF試料溶液を100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580及びトルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
本発明に係る結晶性ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は、酸価をA、水酸基価をBとしたときに、以下の関係式を満たすことが好ましい。
10mgKOH/g<A<40mgKOH/g
0mgKOH/g<B<20mgKOH/g
20mgKOH/g<A+B<40mgKOH/g
酸価が10mg/KOH/g以下である場合、記録部材である紙との親和性が悪化し、耐熱保存性が悪化する場合がある。
また、酸価が40mgKOH以上又は水酸基価が20mgKOH/g以下の場合、高温高湿下でのトナーの帯電能力が低下する場合がある。
また、酸価と水酸基価の合計が20mgKOH/g以下の場合、非結晶性ポリエステルとの相溶性が低下し、低温定着性が充分得られない場合がある。また、酸価と水酸基価の合計が40mgKOH/g以上の場合、結晶性ポリエステルが非結晶性ポリステルとの相溶性が上がりすぎるため、耐熱保存性が悪化する場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の有機溶媒100質量部に対する70℃における溶解度は10質量部以上であることが好ましい。10質量部未満の場合、有機溶媒と結晶性ポリエステルの親和性が乏しいため、有機溶媒中で結晶性ポリエステルをサブミクロンサイズまで分散させることが困難であり、トナー中に存在する結晶性ポリエステルが不均一になり、帯電性の悪化、長期使用での画質の悪化を生じることがある。
結晶性ポリエステル樹脂の有機溶媒100質量部に対する20℃における溶解度は3.0質量部未満であることが好ましい。3.0質量部以上の場合、有機溶媒中に溶解している結晶性ポリエステルが、加熱前から非結晶性ポリエステルと相溶しやすくなり、耐熱保存性の悪化、現像器の汚染、画像の劣化を生じることがある。
本発明のトナーとしては、有機溶媒中に、少なくとも着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、結着樹脂前駆体、及びこれら以外の結着樹脂成分を溶解・分散させて得られる油相に、前記結着樹脂前駆体と伸長又は架橋する化合物を溶解させた後、前記油相を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、前記乳化分散液中で前記結着樹脂前駆体を架橋反応及び/又は伸長反応させ、有機溶媒を除去して得られるトナーが好ましい。
(結着樹脂前駆体)
結着樹脂前駆体としては、変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体が好ましく、イソシアネートやエポキシ等により変性されたポリエステルプレポリマーを挙げることができる。これは、活性水素基を持つ化合物(アミン類等)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果を及ぼす。このポリエステルプレポリマーの合成方法としては、ベースとなるポリエステル樹脂に、従来公知のイソシアネート化剤やエポキシ化剤等を反応させることで容易に合成することができる。イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリン等をその代表例として挙げることができる。
イソシアネート化剤の比率は、イソシアネート基[NCO]と、ベースとなるポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、このポリエステルプレポリマーのウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
このポリエステルプレポリマー中のイソシアネート化剤の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化することがある。
また、このポリエステルプレポリマー中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、伸長反応後のウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
前記結着樹脂前駆体は、重量平均分子量が1×10〜3×10であることが好ましい。
(結着樹脂前駆体と伸長又は架橋する化合物)
結着樹脂前駆体と伸長又は架橋する化合物としては、活性水素基を有する化合物が挙げられ、その代表として、アミン類をあげることができる。アミン類としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、及び、これらのアミノ基をブロックした化合物等が挙げられる。ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール化合物としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。これらのアミノ基をブロックした化合物としては、前記アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン化合物及びジアミン化合物と少量のポリアミン化合物の混合物である。
(着色剤)
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナー中、通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、先に挙げた変性又は未変性ポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン及びパラフィンワックス等が挙げられる。これらは、単独あるいは混合して使用することができる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶媒を用いることができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶媒成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥させる必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃のワックスが好ましい。
このようなワックスは、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。
なお、ワックスの融点は、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求められる。
離型剤としては、以下に示すものを用いることができる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ及びライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ及びラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト及びセルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン及びペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これらの天然ワックス以外の離型剤としては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
さらに、1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド及び塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n−ステアリル及びポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n−ステアリル−メタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子も離型剤として用いることができる。
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものを全て使用することができ、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
帯電制御剤として具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84及びフェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302及びTP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY
VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036及びコピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901及びホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いられ、好ましくは0.2〜5質量部の範囲である。10質量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶媒に直接溶解、分散する際に加えてもよく、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
(非結晶性ポリエステル樹脂)
本発明において、非結晶性ポリエステル樹脂として非結晶性の未変性ポリエステル樹脂を用いる。変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体を架橋及び/又は伸長反応させて得られる変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂は、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。これにより、低温定着性及び耐ホットオフセット性を向上させることができる。このため、変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂のポリオールとポリカルボン酸は、類似の組成であることが好ましい。
結晶性ポリエステルの酸価をA、非結晶性の未変性のポリエステル樹脂の酸価をCとした際に、以下の関係式を満たすことが好ましい。
−10mgKOH/g<A−C<10mgKOH/g
結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルと酸価と水酸基価の差が10以上である場合、結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルの相溶性、親和性が乏しく、低温定着性に劣る場合がある。また結晶性ポリエステルがトナー表面に露出しやすくなり、現像部への汚染、フィルミングが生じやすくなる場合がある。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂は、未変性のポリエステル樹脂以外に、ウレア結合以外の化学結合で変性されているポリエステル樹脂、例えば、ウレタン結合で変性されているポリエステル樹脂と併用することができる。
トナー組成液がウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステル樹脂を含有する場合、変性ポリエステル樹脂は、ワンショット法等により製造することができる。
一例として、ウレア変性ポリエステル樹脂を製造方法について説明する。
まず、ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルスズオキサイド等の触媒の存在下で、150〜280℃に加熱し、必要に応じて、減圧しながら生成する水を除去して、水酸基を有するポリエステル樹脂を得る。次に、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを40〜140℃で反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを得る。さらに、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を0〜140℃で反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。
ウレア変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、通常、1,000〜10,000であり、1,500〜6,000が好ましい。
なお、水酸基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートを反応させる場合及びイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させる場合には、必要に応じて、溶媒を用いることもできる。
溶媒としては、芳香族溶媒(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等);エーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート基に対して不活性なものが挙げられる。
なお、未変性のポリエステル樹脂を併用する場合は、水酸基を有するポリエステル樹脂と同様に製造したものを、ウレア変性ポリエステル樹脂の反応後の溶液に混合してもよい。
本発明において、油相に含有される結着樹脂成分としては、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、結着樹脂前駆体、未変性樹脂を併用してもよいが、さらにこれらの樹脂以外の結着樹脂成分を含有してもよい。結着樹脂成分としては、ポリエステル樹脂を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂を50質量%以上含有することがさらに好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が50質量%未満であると、低温定着性が低下することがある。結着樹脂成分のいずれもがポリエステル樹脂であることが特に好ましい。
なお、ポリエステル樹脂以外の結着樹脂成分としては、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等のスチレン又はスチレン置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン及びパラフィンワックス等が挙げられる。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用することもできる。混和可能な溶媒としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)及び低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
トナー粒子を形成する、結着樹脂前駆体、着色剤、離型剤、結晶性ポリエステル分散液、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等は、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめ、これらのトナー材料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させることがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式及び超音波等の公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜60分である。分散時の温度としては、通常、0〜80℃(加圧下)、好ましくは10〜40℃である。
トナー組成液100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常100〜1,000質量部である。100質量部未満ではトナー組成液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。1,000質量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いると、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定する点で好ましい。
ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物を反応させる方法としては、水系媒体中でトナー組成物を分散する前に活性水素基を有する化合物を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後に活性水素基を有する化合物を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合、製造されるトナー表面に優先的にポリエステルプレポリマーによる変性したポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー材料が分散された油相(トナー組成液)を水系媒体中に乳化乃至分散させるための分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びリン酸エステル等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体及びイミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩及び塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体及び多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン及びN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)及びフタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤として、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。
また、高分子系保護コロイド又は水に不溶な有機微粒子により分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸等の酸類;水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド及びN−メチロールメタクリルアミド等;ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル及びビニルプロピルエーテル等;ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び酪酸ビニル等;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系化合物;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解等の操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成液の粘度を低くするために、ポリエステルプレポリマーが反応し変性したポリエステルが可溶の溶媒を使用することもできる。溶媒を用いる方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。溶媒は沸点が100℃未満の揮発性であることが、溶媒除去が容易である点から好ましい。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上組合せて用いることができる。
これらの中で、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステルプレポリマー100質量部に対する溶媒の使用量は、通常0〜300質量部、好ましくは0〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。溶媒を使用した場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下にて加温し、溶媒を除去する。
伸長及び/又は架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは30分〜24時間である。反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは10〜50℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することもできる。具体的にはトリエチルアミン等の三級アミンやイミダゾール等を挙げることができる。
得られた乳化乃至分散液から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化乃至分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化乃至分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等の短時間の処理で十分に目的とする品質を得ることができる。
乳化乃至分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター及び遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子又は粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子等の異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等がある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
(外添剤)
本発明のトナーは、流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、5nm〜500μmであることがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
前記無機微粒子の配合量は、トナー100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.01〜2.0質量部がより好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素及び窒化ケイ素等を挙げることができる。
この他高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイル等が好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合等によって製造された、ポリマー微粒子等を挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
(結晶性ポリエステルの有機溶媒中での溶解及び再結晶化方法)
結晶性ポリエステルの有機溶媒中での溶解及び再結晶化は、例えば以下の方法で行うことができる。
結晶性ポリエステル10gと有機溶媒90gを70℃で1時間攪拌する。攪拌した後の溶液を、20℃で12時間冷却して、結晶性ポリエステルを再結晶化させる。
再結晶化させた後の結晶性ポリエステルの有機溶媒分散体を桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と結晶性ポリエステルを分離する。分離して得られた結晶性ポリエステルを35℃で48時間乾燥させ、結晶性ポリエステルの再結晶化物を得る。
(結晶性ポリエステルの有機溶媒に対する溶解度評価)
結晶性ポリエステルの有機溶媒に対する溶解度は以下の方法で求められる。
結晶性ポリエステル20gと有機溶媒80gを所定の温度下で、1時間攪拌する。攪拌した後の溶液を、所定の温度下で、桐山ロート(桐山製作所製)に、桐山ロート用ろ紙No.4(桐山製作所製)をセットし、アスピレーターで吸引ろ過し、有機溶媒と結晶性ポリエステルを分離する。分離して得られた有機溶媒を有機溶媒の沸点+50℃の温度で1時間加熱して有機溶媒を蒸発させ、加熱前後の質量変化から、有機溶媒中に溶解していた結晶性ポリエステルの溶解量を算出する。
本発明において、ポリエステルの酸価は、JIS K0070−1992に準拠した方法を用いて測定される。
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53
Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。このとき、測定条件は、水酸基価の場合と同様である。
酸価は、以上のようにして測定することができるが、具体的には、予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、滴定量から、式酸価[KOHmg/g]=滴定量[mL]×N×56.1[mg/mL]/試料質量[g](ただし、Nは0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクター)により酸価を算出する。
本発明において、粒度分布は、コールターカウンター法を用いて測定される。
粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
本発明においては、コールターカウンターTA−II型測定装置に、個数分布及び体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)を介して、PC−9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続して、粒度分布の測定を行う。
具体的には、まず、電解液100〜150mL中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加える。なお、電解液とは、一級塩化ナトリウムを用いて、約1質量%の水溶液を調製したものであり、例えば、ISOTON−II(コールター社製)を使用することができる。
次に、試料を2〜20mg加えて懸濁させた後に、超音波分散機で1〜3分間分散させる。100μmアパーチャーを用いて、得られた分散液からトナーの体積及び個数を測定し、体積分布及び個数分布を算出する。
なお、チャンネルは、2.00μm以上2.52μm未満、2.52μm以上3.17μm未満、3.17μm以上4.00μm未満、4.00μm以上5.04μm未満、5.04μm以上6.35μm未満、6.35μm以上8.00μm未満、8.00μm以上10.08μm未満、10.08μm以上12.70μm未満、12.70μm以上16.00μm未満、16.00μm以上20.20μm未満、20.20μm以上25.40μm未満、25.40μm以上32.00μm未満及び32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径が2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明のトナーの体積平均粒径は3〜7μmであることが好ましく、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比が1.2以下であることが好ましい。また、粒径が2μm以下である成分を1〜10個数%含有することが好ましい。
本発明のトナーの酸価は、低温定着性及び耐高温オフセット性に対して、重要な指標であり、未変性のポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に由来するが、低温定着性(定着下限温度、ホットオフセット発生温度等)を制御するために、0.5〜40KOHmg/gであることが好ましい。
酸価が40KOHmg/gを超えると、反応性変性ポリエステル樹脂の伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。また、酸価が0.5KOHmg/g未満では、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、反応性変性ポリエステル樹脂の伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを有するが、キャリアをさらに有する二成分系現像剤であることが好ましい。このとき、トナーの含有量は、キャリア100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。
キャリアとしては、粒子径が20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉及びマグネタイト粉等を用いることができる。
キャリアは、被覆樹脂で被覆されていてよく、被覆樹脂としては、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレア樹脂及びポリアミド樹脂等のアミノ系樹脂;エポキシ樹脂;アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂;ポリビニリデン系樹脂;ポリスチレン及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、被覆樹脂は、必要に応じて、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛等の導電粉等を含有していてもよい。
導電粉は、平均粒子径が1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
また、本発明の現像剤は、キャリア有さない一成分系現像剤、すなわち磁性トナー又は非磁性トナーであってもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は、特に記載がない限り「質量部」を表わす。
(実施例1)
〜結晶性ポリエステル樹脂の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに1,10−デカンジオール2300g、1、8−オクタンジオール2530g、ハイドロキノン5.0gを入れ、180℃で8時間反応させた後、200℃に昇温して4時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂を得た。DSCの吸熱ピーク(T2-cp)は70℃、吸熱ショルダー1(T2-cs1)は65℃、吸熱ショルダー2(T2-cs2)は73℃、発熱ピーク温度(Tc)は21℃、数平均分子量(Mn)は3,000、重量平均分子量(Mw)12,000であった。
〜非結晶性ポリエステル(低分子ポリエステル)樹脂の合成〜
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応させ、さらに1,333〜2,000Pa(10〜15mmHg)の減圧下で4時間反応させた後、無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応させ、[非結晶性ポリエステル1]を得た。[非結晶性ポリエステル1]は、数平均分子量2,400、重量平均分子量6,300、Tg43℃、酸価28であった。
〜ポリエステルプレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機及び窒索導入管を備えた反応容器に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに1,333〜2,000Pa(10〜15mmHg)の減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応容器に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応させ、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネートは1.53質量%であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチ(MB)の合成〜
水1,200部、カーボンブラック(Printex35、デクサ社製:DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5)540部及びポリエステル樹脂(非結晶性ポリエステル1)1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
〜油相の作製〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、[非結晶性ポリエステル1]378部、カルナバワックス110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84、オリエント化学工業社製)22部及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1,324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック及びワックスの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65質量%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50質量%であった。
〜結晶性ポリエステル分散液1の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを20℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成させて、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
[微粒子分散液1]を用い、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所社製)にて測定した微粒子の体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥させて樹脂分を単離した。
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜乳化・脱溶媒〜
[顔料・ワックス分散液1]664部、[プレポリマー1]109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]73.9部及び[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)にて5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、13,000rpmで20分間混合し、[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶媒した後、45℃で10時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
〜洗浄・乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、以下の操作により[トナー1]を得た。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
(実施例2)
実施例1において、[結晶性ポリエステル分散液1]を下記の[結晶性ポリエステル分散液2]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、[トナー2]を得た。
〜結晶性ポリエステル分散液2の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを16℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液2]を得た。
(実施例3)
実施例1において、[結晶性ポリエステル分散液1]を下記の[結晶性ポリエステル分散液3]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、[トナー3]を得た。
〜結晶性ポリエステル分散液3の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを12℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液3]を得た。
(比較例1)
実施例1において、[結晶性ポリエステル分散液1]を下記の[結晶性ポリエステル分散液4]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、[トナー4]を得た。
〜結晶性ポリエステル分散液4の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを22℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液4]を得た。
(比較例2)
実施例1において、[結晶性ポリエステル分散液1]を下記の[結晶性ポリエステル分散液5]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、[トナー5]を得た。
〜結晶性ポリエステル分散液5の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを21℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液5]を得た。
(比較例3)
実施例1において、[結晶性ポリエステル分散液1]を下記の[結晶性ポリエステル分散液6]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、[トナー6]を得た。
〜結晶性ポリエステルの分散液6の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを11℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液6]を得た。
(比較例4)
実施例1において、[結晶性ポリエステル分散液1]を下記の[結晶性ポリエステル分散液7]に変更した以外は実施例1と同様に操作して、[トナー7]を得た。
〜結晶性ポリエステルの分散液7の作製〜
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100g及び酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、温度Tsを10℃に制御し再結晶化を行った。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液7]を得た。
このようにして得られたトナー1〜7それぞれ100部に、疎水性シリカ0.7部及び疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合し、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(評価項目)
(耐熱保存性)
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、篩上のトナー残存量からトナー残存率を算出し、下記評価基準で評価した。耐熱保存性が良好なトナー程、トナー残存率が小さい。
◎:トナー残存率が10%未満
○:トナー残存率が10%以上20%未満
△:トナー残存率が20%以上30%未満
×:トナー残存率が30%以上
Figure 2012108215
表1に示すように、実施例1〜3のトナーは耐熱保存性共に優れているが、比較例1〜4のトナーは耐熱保存性が劣る結果となった。
特開平11−133665号公報 特開2002−287400号公報 特開2002−351143号公報 特許第2579150号公報 特開2001−158819号公報 特開平8−176310 特開2005−15589

Claims (5)

  1. 少なくとも非結晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルを含有するトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させてトナー組成液を調製する工程と、前記トナー組成液を水系媒体中に乳化乃至分散させる工程とを含むトナーの製造方法において、
    前記トナー組成液を調製する工程が、前記結晶性ポリエステルを有機溶媒中で熱溶解させ、次いで冷却して前記有機溶媒中に前記結晶性ポリエステルを再結晶化させ、かつ分散させる工程を含み、
    前記有機溶媒中での前記結晶性ポリエステルの発熱ピーク温度Tc(℃)と、前記結晶性ポリエステルの再結晶化温度Ts(℃)とが以下の関係を満たす
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
    Tc−10<Ts<Tc
  2. 請求項1に記載のトナーの製造方法において、
    前記結晶性ポリエステルが、炭素数4〜12の飽和ジカルボン酸と、炭素数4〜12の飽和ジオールとから合成される
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のトナーの製造方法において、
    示差走査型熱量計により測定した前記結晶性ポリエステルの吸熱ピークが60〜80℃である
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造された
    ことを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  5. トナーとキャリアとを含有する静電潜像現像用の二成分現像剤であって、
    前記トナーとして、請求項4に記載の静電潜像現像用トナーを用いる
    ことを特徴とする二成分像現像剤。
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