JP2012103419A - 光学シート、バックライト・ユニット及びディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用され、液晶パネル側最表面に使用される光学シートにおいて、高い隠蔽性能と正面輝度を両立できる光学シートを提供する。
【解決手段】ディスプレイ用バックライトにおける照明光路制御に使用される光学シートであって、透光性の基材の片面に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第一レンズアレイを有し、基材の逆面に、第一レンズアレイと直交する方向に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第二レンズアレイを有することで構成することにより光入射面側の光拡散性が略中央部に近付くほど低くなるようにした。
【選択図】なし
【解決手段】ディスプレイ用バックライトにおける照明光路制御に使用される光学シートであって、透光性の基材の片面に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第一レンズアレイを有し、基材の逆面に、第一レンズアレイと直交する方向に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第二レンズアレイを有することで構成することにより光入射面側の光拡散性が略中央部に近付くほど低くなるようにした。
【選択図】なし
Description
本発明は、照明光路制御に用いられる凹凸形状光学シート、光源ユニットおよびディスプレイ装置に係り、特に、フラットパネルディスプレイに代表される画像表示装置における照明光路制御に使用される光学シート、バックライト・ユニット及びディスプレイ装置に関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)型液晶パネルやSTN(Super Twisted Nematic)型液晶パネルを使用した液晶ディスプレイ装置は、主としてOA分野のカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。このような液晶ディスプレイ装置においては、液晶パネルの背面側(観察者側とは反対側)に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する方式、いわゆるバックライト方式が採用されている。
この種のバックライト方式に採用されているバックライト・ユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT:Cold Cathode Fluorescent Tube)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる「エッジライト方式」)と、導光板を用いずに冷陰極管(CCFL)等の光源ランプからの光で直接照明する「直下型方式」とがある。
導光板ライトガイド方式のバックライト・ユニットが搭載された液晶ディスプレイ表示装置としては、例えば、図4に示すものが一般に知られている。
図4に示す液晶ディスプレイ装置50は、表裏両面を偏光板51、52で挟んでなる液晶パネル53を装置の上部側に位置して配設し、この液晶パネル53の下面側に略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板54を設置してなり、この導光板54の上面(光射出面54a側)に拡散フィルム55(拡散層)が設けられている。さらに、導光板54の下面には、導光板54に導入された光を効率よく液晶パネル53に向け均一となるように散乱して反射させるための散乱反射パターン部(図示省略)が印刷などによって設けられるとともに前記散乱反射パターン部の下方に反射フィルム56(反射層)が設けられている。
また、導光板54の側端側部分には、光源ランプ57が設けられており、さらに光源ランプ57の光を効率よく導光板54の中に入射させるべく、光源ランプ57にその背面側を覆うようにして高反射率の反射板58が設けられている。前記散乱反射パターン部は、白色である二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を所定パターン、例えばドットパターンにて印刷し、乾燥、形成したものであり、導光板54内に入射した光に指向性を付与し、光射出面54a側へと導くようになっている。これは、高輝度化を図るための工夫である。
しかし、この図4に例示した装置では、視野角の制御が拡散フィルム55の拡散性のみに委ねられており、その制御が難しいという問題があった。例えば、正面方向から見た場合、液晶ディスプレイの表示画面は明るいが、横方向から見た場合には表示画面が暗くなることがある。また、液晶表示画面の中心部は明るく、液晶表示画面の周辺部が暗くなるという欠点もあった。このように図4に例示した装置では、光の利用効率が悪いという問題があった。
一方、直下型方式は、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの表示装置が用いられている。この直下型方式の液晶ディスプレイ装置としては、図5に例示する装置が一般的に知られている。
この図5に示す液晶ディスプレイ装置60は、表裏両面を偏光板61、62に挟んでなる液晶パネル63が上部に位置して配設され、液晶パネル63の下面側に蛍光管等からなる光源64が配置されている。さらに、光源64の上面側に拡散フィルム65のような光学シートが設けられている。また、光源64の背面には、光源64から液晶パネル63と反対の方向に向かう光を液晶パネル63側へ反射させる反射板66が配置されている。これによって、光源64から射出される光は、拡散フィルム65で拡散され、この拡散光を高効率で液晶パネル63の有効表示エリアに集光させる。
しかし、この図5に示した液晶ディスプレイ装置60では、視野角の制御が拡散フィルム65の拡散性のみに委ねられている。このため、その制御は難しいという問題があった。例えば、液晶表示画面を正面方向から見た場合はその表示画面は明るいが、液晶表示画面を横方向から見た場合にはその表示画面が暗くなる場合があり、また、液晶表示画面の中心部は明るく、液晶表示画面の周辺部が暗くなる欠点もあった。このように、ず図5に示した液晶ディスプレイ装置60では、光の利用効率が悪いという問題があった。
そこで、上述の問題を解決する一つの方法として、図6に示す液晶ディスプレイ装置70では、米国3M社の登録商標である輝度強調フィルム(Brightness Enhancement Film:BEF)71をバックライト用照明光源74の上方に位置して配置してなり、さらに、BEF71の上方である光出射面側に図示しない光拡散フィルムを配置する方法が採用されている。BEF71は、透明基材72の上面である光出射面に断面が三角形状の単位プリズム73が一方向に一定のピッチで配列されたフィルムである。この単位プリズム73は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEFは、“軸外(off−axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on−axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
輝度強調フィルム71は、ディスプレイ装置の使用時(観察時)に、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させ、ディスプレイ装置の表示品位を向上させる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向である。また、輝度強調フィルム71は、通常、単位プリズムの反復的アレイ構造が1方向のみの配列からなり、その配列方向での方向転換またはリサイクルのみが可能となる。そのため、水平方向及び垂直方向の両方向での表示光の輝度制御を行なうためには、単位プリズム群の配列方向が互いに略直交するように、2枚のBEFシートを重ねて組み合わせて用いる必要があった。
そこで、最近では、光利用効率をアップして高輝度化を図るために、図7に示すように、拡散フィルム55と液晶パネル53との間に、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)59(591、592)を設けることが提案されている。このプリズムフィルム591、592は、導光板54の光射出面54aから射出され、拡散フィルム55で拡散された光を高効率で液晶パネル53の有効表示エリアに集光させるものである。このようなBEFを採用することにより、ディスプレイ設計者が電力消費を低減しながら所望の軸上輝度を達成することができるようになった。このようなBEFに代表されるプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイ装置に採用した技術は、例えば、特許文献1乃至3などにおいて従来から知られている。
しかしながら、上述した従来の液晶ディスプレイ装置では、BEFに代表されるプリズムシートや一般的なレンチキュラーシートを用いると、輝度は高いが、隠蔽性能が低いという問題があった。ここでいう「隠蔽性能が低い」とは、光源からの光が観測者に届く際に、光の明暗が透けて見えることであり、その明暗がムラとして視認されてしまうことを指す。
この問題を改善するためには、拡散シートなどの複数の光学シートを重ねる方法もあるが、部材数が増えるため、コストアップに繋がり、最適な部材を重ねないと輝度の低下を引き起こしてしまうことは勿論、部材の積層による光のロスが避けられず、完全な解決策には至っていない。
本発明は上記のような実情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、単体で従来のものより高い隠蔽性能を有する光学シート、並びにそれを用いたバックライト・ユニット及びディスプレイ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、透光性の基材の片面に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第一レンズアレイを有し、前記透光性の基材の逆面(他方面)に、前記第一レンズアレイと直交する方向に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第二レンズアレイを有することで構成される光学シートであって、前記第二レンズアレイは、前記透光性の基材の逆面の略中央部に近付くにつれて前記第二レンズアレイによる光拡散性が低くなることを特徴とする光学シートである。
請求項2に記載の発明は、前記第二レンズアレイと直交する断面Pにおいて、アスペクト比の異なるレンズが並列されて成り、且つ前記断面Pにおいて並列された前記第二レンズアレイの各頭頂部を繋ぐ曲線Fが式1で表される関数であることを特徴とする、請求項1に記載の光学シートである。上記の式1を、以下に示す。ただし、第二レンズアレイの並列された平面上において、中央部に在るレンズの頭頂部の座標を(0,L)とし、x軸方向における端部にあるレンズの頭頂部の座標を(M,N)および(−M,N)とする。
請求項3に記載の発明は、前記アスペクト比の異なるレンズにおいて、並列された各レンズのピッチが同一で高さのみが異なることを特徴とする、請求項1及び2に記載の光学シートである。
請求項4に記載の発明は、前記第二レンズアレイと直交する断面において、同一のアスペクト比を有するレンズが並列されて成り、且つ前記断面Pにおいて、並列された前記第二レンズアレイの各頭頂部を繋ぐ曲線Fが式2で表される関数であることを特徴とする、請求項1に記載の光学シートである。上記の式2を、以下に示す。ただし、第二レンズアレイの並列された平面上において、中央部に在るレンズの頭頂部の座標を(0,L)とし、x軸方向における端部にあるレンズの頭頂部の座標を(M,N)および(−M,N)とする。
請求項5に記載の発明は、前記第二レンズアレイのアスペクト比が、光学シート端部においては0.45以上0.50以下、光学シート中央においては0.05以上であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の光学シートである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載の光学シートを一枚以上含む、複数の光学シートを積層させて組み合わせた光学シート組合せ体である。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の光学シート、もしくは請求項6に記載の光学シート組合せ体の背面に、少なくとも光源を配置して構成されることを特徴とする、ディスプレイ装置用のバックライト・ユニットである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のバックライト・ユニットと、該バックライトを背面に備え、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子を備えることを特徴とするディスプレイ装置である。
光入射面のパターンとして、全方向に対して集光や拡散を行える、マイクロレンズや拡散ドットを用いても、高い隠蔽性能を実現することは可能だが、これらは正面輝度の低下を引き起こしてしまうことが多い。
しかし、本発明では、エッジライト方式の液晶テレビの構造上、隠蔽性能が低くなりやすい端部に近付くほど拡散性能が高くなる構造にしたことで、マイクロレンズシートや拡散シートと比較して、高い正面輝度と隠蔽性能を同時に得ることが出来る。
しかし、本発明では、エッジライト方式の液晶テレビの構造上、隠蔽性能が低くなりやすい端部に近付くほど拡散性能が高くなる構造にしたことで、マイクロレンズシートや拡散シートと比較して、高い正面輝度と隠蔽性能を同時に得ることが出来る。
以下において本発明の実施形態を説明する。
(構成)
図1中の(a)及び(b)は、各光学シートの略中央部を通り、第二レンズアレイに直交する断面図であり、また、図1中の(c)は各光学シートの斜視図である。図1に示すように、x、y、zの方向を設定する。
図1中の(a)及び(b)は、各光学シートの略中央部を通り、第二レンズアレイに直交する断面図であり、また、図1中の(c)は各光学シートの斜視図である。図1に示すように、x、y、zの方向を設定する。
図1において、1は第一レンズアレイ、2は透明の基材、3は第二レンズアレイであり、これらによって光学シートを構成している。
第一レンズアレイ1は、基材2からy方向へ突き出しており、また、各第一レンズアレイ1は、いずれもx方向に沿って直線状に延在する突条のものとして形成され、突条のものは互いに平行に配設されている。そして、この第一レンズアレイ1は、透光性の基材2の片面において直線状に延在する凸状の構造体となっている。ここでの第一レンズアレイ1はその自体の横断面形状が三角形状の凸状のものとした構造体であり、その頂点が基材2の片面から突き出している。また、透光性の基材2の逆側に位置する面には、前記第一レンズアレイ1の向きと直交するz方向に沿って直線状に延在する突条のものとして凸状の構造体からなる第二レンズアレイ3が複数平行に配列されている。
そして、各第二レンズアレイ3の高さは変化する。つまり、前記基材2の逆面において、略中央部に近付くにつれて、前記第二レンズアレイ3による光拡散性が低くなるように形成されている。
図1に示すように、前記第二レンズアレイ3は、延在方向と直交する面により横断する断面Pにおいて、アスペクト比の異なるレンズを並列して成り、且つ前記断面Pにおいて、並列された前記第二レンズアレイ3の各頭頂部を繋ぐ曲線Fが式3で表される関数であるように光学シートを形成するものである。
上記の式3を、以下に示す。ただし、第二レンズアレイ3の並列された平面上において、中央部に在るレンズの頭頂部の座標を(0,L)とし、x軸方向における端部にあるレンズの頭頂部の座標を(M,N)および(−M,N)とする。
上記の式3を、以下に示す。ただし、第二レンズアレイ3の並列された平面上において、中央部に在るレンズの頭頂部の座標を(0,L)とし、x軸方向における端部にあるレンズの頭頂部の座標を(M,N)および(−M,N)とする。
また、本発明は、前記アスペクト比の異なるレンズにおいて、並列された各レンズのピッチが同一で、高さのみが異なる光学シートであってもよい。また、図2の(a)(b)に示すように、並列された各レンズのピッチと高さが異なるものでもよい。
そして、本発明は、図2に示すように、前記第二レンズアレイ3と直交する断面Pにおいて、同一のアスペクト比を有するレンズを並列して成り、且つ前記断面Pにおいて、並列された前記第二レンズアレイ3の各頭頂部を繋ぐ曲線Fが式4で表される関数である光学シートであってもよい。上記の式4を、以下に示す。ただし、第二レンズアレイの並列された平面上において、中央部に在るレンズの頭頂部の座標を(0,L)とし、x軸方向における端部にあるレンズの頭頂部の座標を(M,N)および(−M,N)とする。
また、本発明は、前記各光学シートにおいて、第二レンズアレイ3のアスペクト比が、光学シート端部においては、0.45以上0.50以下、光学シート中央においては、0.05以上である光学シートであってもよい。
また、前記光学シートにおいて、該光学シートを一枚以上含むように複数の光学シートを積層させて組み合わせた光学シート組合せ体であってもよい。
また、前記光学シート、もしくは光学シート組合せ体においてその背面に、少なくとも光源を配置した構成のディスプレイ装置用のバックライト・ユニットを構成してもよい。
また、前記バックライト・ユニットと、該バックライトを背面に備え、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子を備えてなるディスプレイ装置としてもよい。
(作用・効果)
第二レンズアレイの高さが断続的、もしくは直線的に変化する(即ち、L=1である)光学シートを用いた場合、隠蔽性能が局部的に急変してしまう部位が生じることがあり、結果として表示品位を低下させる虞がある。
第二レンズアレイの高さが断続的、もしくは直線的に変化する(即ち、L=1である)光学シートを用いた場合、隠蔽性能が局部的に急変してしまう部位が生じることがあり、結果として表示品位を低下させる虞がある。
そこで、上述したように第二レンズアレイの突起部の高さが滑らかに変化する構造とすることにより、そのような問題を回避することが可能となる。
本発明の光学シートにあっては、第二レンズアレイの各頭頂部を繋ぐ曲線Fが、二次から六次の間で表される関数であることによって高い効果を発揮するが、第二レンズアレイの高さが滑らかに変化した構造でありさえすれば、必ずしも上記の形状でなくとも好適に使用することが出来る。
また、座標(0,L)(M,N)(−M,N)の三点を通り、且つ上記関数によって表し得る範囲内に納まる曲線であるならば、必ずしも前記各式で表現される曲線でなくとも好適に使用することが出来る。例えば、懸垂曲線などでも良い。
しかしながら、第二レンズアレイの各頭頂部を繋ぐ曲線Fを表す関数が、六次を越える次数となった場合、光学シート端部付近における第二レンズアレイのアスペクト変化勾配が非常に急峻になり、光学シート端部に反りやうねりを生じさせる要因となりやすいため、上記曲線Fの次数は二次から六次の間であることが最も好ましい。
また、前記式において、L,MおよびNは、平面座標上において、x軸またはy軸に垂直に引いた線分の長さであり、全て同じ単位で表されるものである。
光学シートは、表面に微細な凹凸を具備し、この表面の微細な凹凸で光の拡散性を有していても良い。ここで、微細な凹凸の種類としては、凸状シリンドリカル形状のもの、レンズ形状のもの、三角プリズム形状のものなどが挙げられるが、これらに限らず、光拡散機能が微細の凹凸が付与される前に比較して向上する凹凸形状のものであれば、上記の形状に限らない。
また、微細な凹凸は、光学密着、ムラ、ニュートンリングなどの外観特性を向上することもできる。
本発明の光学シートは、光出射面・光入射面ともに微細な凹凸を有するが、その主だった形状例を図3に示した。ただし、効率的に集光・拡散を行える形状であれば、レンズ形状はここに例示したものに限らない。
また、第一レンズアレイと第二レンズアレイは、同じ形状であっても良いし、異なる形状であっても良い。
第一レンズアレイと第二レンズアレイは直交していることが最も好ましいが、精確に直交していなくとも好適に使用することが出来る。
光入射面において、隣接するレンズアレイ同士の間隙に平坦部を有していても良いが、平坦部の面積率は50%未満であることが好ましい。
それ以上であった場合、要求される隠蔽性能を実現できないことがあり、本発明による光学シートの優位性を十分に発揮できない。
光学シートは、複層構造でも良く、透明層を含んでいても良い。
本発明の光学シートは、厚み20μm以上2000μm以下のものが特に有効である。
本発明の光学シートを使用した場合でも、厚みが20μm未満であると、光源からの光が第二レンズアレイによって拡散された後、第一レンズアレイによって立ち上がるまでに充分な光路を確保できず、拡散性が低くなってしまう為、結果として光学シートの隠蔽性能が低くなりやすい。
また、2000μmよりも厚いと、成形プロセスにおいてロールによる巻き取りが難しくなるため好ましくない。
本発明の光学シートは、表面形状に依存するものであり、光学シートの厚みについては特に制限は無い。
本発明の光学シートは、ポリカーボネート樹脂やポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体など、一般によく用いられている様々な材料において有効である。
また、主となる材質の中に分散された透明粒子を具備することも可能である。
本発明の光学シートの製法例として、まず樹脂シートを溶融し、押出機にてダイよりシート形状に樹脂シートを押し出し、当該シートが冷却、硬化する前に上記基材シートとラミネートし、冷却した後基材シートから剥離して、所望のレンズ形状を有する押出シートを得ることができる。
なお、最終的に同一の表面形状を有する光学シートを作製できるならば、その作製手段については特に制限は無い。
使用する光学シートの枚数は適宜増やしても良いが、シート境界面が増え過ぎることによる光量ロスを考慮すれば、4枚以下の積層であることが好ましい。
本発明の光学シートを使用したバックライト・ユニットは、直下型方式でも良く、また導光板ライトガイド方式でも良い。
本発明の光学シートは、一辺または二辺に光源を備えた導光板ライトガイド方式のテレビにおいて最も有効に働くが、それ以外のテレビにおいても好適に使用できる。
バックライト・ユニットの光源としては、CCFL、LED、有機又は無機ELなど、様々な光源を使用できる。
以上のように作製した光学シートは、従来の光学シートと比較して隠蔽性能が高く、マイクロレンズシートや拡散シートと比較して正面輝度が高い。バックライト・ユニットに使用する際は、市販の拡散板など様々な光学部材と共に本発明の光学シートを組み合わせて使用することで、所望の表示性能を持つディスプレイを提供することができる。
実施形態に係る光路変更シートの作用効果を確認すべく、本発明による光学シートを作製し、その評価を行なった。
その製造法として、熱可塑性の樹脂シートを溶融し、押出機にてダイよりシート形状に樹脂シートを押し出し、当該シートが冷却、硬化する前に上記基材シートとラミネートし、冷却した後基材シートから剥離して、本発明の光学シートを得るという手法を用いた。
以下に示す評価結果は、第一レンズアレイとして三角プリズムを、第二レンズアレイとしてレンチキュラーレンズを用いたときの結果である。
(隠蔽性能評価)
液晶テレビ(SONY製KDL−40ZX1)の液晶パネルを外し、光出射面が上方に向くようにテレビを静置し、導光板の上に拡散フィルムと光学シートを横たえた状態で、光学シートごとの隠蔽性能の差異を、暗所にて目視で確認した。
液晶テレビ(SONY製KDL−40ZX1)の液晶パネルを外し、光出射面が上方に向くようにテレビを静置し、導光板の上に拡散フィルムと光学シートを横たえた状態で、光学シートごとの隠蔽性能の差異を、暗所にて目視で確認した。
ただし表1及び表2における結果は、導光板のドットパターンが視認できるか否かを評価しているものであり、画面内のどこかでドットパターンが視認できるものを×、画面内のどの位置でもドットパターンが視認できないものを○と表記している。
このときの、光入射面における第二レンズアレイの占める面積率が、100%及び50%の場合の結果を、それぞれ表1及び表2に示した。
(正面輝度評価)
上記の隠蔽性能評価と同様に、液晶テレビ(SONY製KDL−40ZX1)に光学シート、三角プリズム、DBEFを積層するように設置し、輝度測定を実施した。測定装置にはSR−3(株式会社トプコン製)を使用し、暗所にてTVと50cmの距離から俯瞰する形で実施した。
上記の隠蔽性能評価と同様に、液晶テレビ(SONY製KDL−40ZX1)に光学シート、三角プリズム、DBEFを積層するように設置し、輝度測定を実施した。測定装置にはSR−3(株式会社トプコン製)を使用し、暗所にてTVと50cmの距離から俯瞰する形で実施した。
この光学評価における合否の判断基準として、光入射面側が完全に平坦で(即ち、第二レンズアレイが存在せず)、第一レンズアレイのみで構成される光学シートと比較して、正面輝度が30%以上低下する場合には×評価とし、30%未満の低下の場合には○評価とした。
1<α≦6における光学シートを、αが0.5刻みに異なるよう10種類用意し、上記二項目の評価を行った。その際、どの光学シートを使用しても、表1および表2の結果は変わらなかった。
(シート反り評価)
1<α≦8における光学シートを、αが0.5刻みに異なるよう14種類用意し、シート端部の反りの強弱を評価した。
1<α≦8における光学シートを、αが0.5刻みに異なるよう14種類用意し、シート端部の反りの強弱を評価した。
その方法として、884mm×498mmのサイズにカットした光学シートを各種とも10枚ずつ用意し、常温の室内において床面に平置きした状態で、シート端部が床面から浮き上がる最大距離を測定した。その数値が2mm未満であるならばOK、2mm以上であるならばNGとして合否基準を定めた。
そのとき、1<α≦6の光学シートは全てOKとなり、α≧6.5ではNGとなった。
本発明に係る光学シートは様々な用途において、好適に利用することができる。本発明に係る光学シートを搭載したバックライト・ユニット及びディスプレイ装置などについても、本発明の技術的範囲に含まれる。
1…第一レンズアレイ
2…透明基材
3…第二レンズアレイ
F…第二レンズアレイの各頭頂部を繋ぐ曲線
P…光学シートの断面
2…透明基材
3…第二レンズアレイ
F…第二レンズアレイの各頭頂部を繋ぐ曲線
P…光学シートの断面
Claims (8)
- 透光性の基材の片面に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第一レンズアレイを有し、
前記透光性の基材の逆面に、前記第一レンズアレイと直交する方向に、直線状に延在する凸状の構造体が複数平行に配列された第二レンズアレイを有することで構成される光学シートであって、
前記透光性の基材の逆面の略中央部に近付くにつれて、前記第二レンズアレイによる光拡散性が低くなることを特徴とする光学シート。 - 前記アスペクト比の異なるレンズにおいて、並列された各レンズのピッチが同一で、高さのみが異なることを特徴とする、請求項1及び2のいずれかに記載の光学シート。
- 前記第二レンズアレイのアスペクト比が、光学シート端部においては0.45以上0.50以下、光学シート中央においては0.05以上であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の光学シート。
- 請求項1乃至5に記載の光学シートを一枚以上含む、複数の光学シートを積層させて組み合わせた光学シート組合せ体。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の光学シート、もしくは請求項6に記載の光学シート組合せ体の背面に、少なくとも光源を配置して構成されることを特徴とする、ディスプレイ装置用のバックライト・ユニット。
- 請求項7に記載のバックライト・ユニットと、
該バックライトを背面に備え、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、を備えることを特徴とするディスプレイ装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021529995A (ja) * | 2018-07-04 | 2021-11-04 | ハイパーステルス・バイオテクノロジー・コーポレーション | 向上したカモフラージュのためのレンズシートとして配置される相互連結されたレンズ材料 |
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2010
- 2010-11-09 JP JP2010250944A patent/JP2012103419A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021529995A (ja) * | 2018-07-04 | 2021-11-04 | ハイパーステルス・バイオテクノロジー・コーポレーション | 向上したカモフラージュのためのレンズシートとして配置される相互連結されたレンズ材料 |
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