JP2012102429A - 炭素繊維製造用アクリル繊維油剤、炭素繊維製造用アクリル繊維および炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維製造用アクリル繊維油剤、炭素繊維製造用アクリル繊維および炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた炭素繊維強度が得られる炭素繊維製造用アクリル繊維油剤の提供。
【解決手段】変性シリコーン(A)と、下記一般式(1)および(2)で示されるシロキサン(B)とを含有する。
Figure 2012102429

Figure 2012102429

【選択図】なし

Description

本発明は、強度の優れた炭素繊維を提供するための炭素繊維製造用アクリル繊維油剤、炭素繊維製造用アクリル繊維および炭素繊維の製造方法に関する。より詳しくは、炭素繊維製造用アクリル繊維(以下、プレカーサーと称することがある)を製造する際に使用することで、優れた強度が得られる炭素繊維製造用アクリル繊維油剤(以下、プレカーサー油剤と称することがある)、該油剤を付与させて製糸した炭素繊維製造用アクリル繊維、および該油剤を用いた炭素繊維の製造方法に関する。
炭素繊維はその優れた機械的特性を利用して、マトリックス樹脂と称されるプラスチックとの複合材料用の補強繊維として、航空宇宙用途、スポーツ用途、一般産業用途等に幅広く利用されている。
炭素繊維を製造する方法としては、まずプレカーサーを製造する(このプレカーサーの製造工程を製糸工程と称することがある)。このプレカーサーを200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換し(この工程を以下、耐炎化工程と称することがある)、続いて300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭素化する(この工程を以下、炭素化工程と称することがある)方法が一般的である(以下、耐炎化工程と炭素化工程をあわせて、焼成工程と称することがある)。このプレカーサーの製造には通常のアクリル繊維と比較しても高倍率に延伸される延伸工程を経ることになるため、単繊維同士の融着が発生しやすい。この融着を防止するため、優れた耐熱性および繊維−繊維間の平滑性による優れた剥離性を有するシリコーン系油剤、特に架橋反応により耐熱性をさらに向上出来るアミノ変性シリコーン系油剤をプレカーサーに付与する技術が多数提案され(特許文献1〜2参照)、工業的に広く利用されている。
これらシリコーン系油剤は、工業的に安全にかつプレカーサーに均一に付着させるため、水中に分散したエマルジョンとすることが一般的である。そのため、使用されるシリコーン成分が自己乳化性を有しない場合においては、各種界面活性剤などが乳化剤成分として併用され、エマルジョン化される。しかし、従来技術に記載されたシリコーン系油剤であっても、十分な強度を有する炭素繊維が得られないことがあった。
特開平6−220722号公報 特開2004−149983号公報
かかる従来の技術背景に鑑み、本発明の目的は、優れた炭素繊維強度が得られる炭素繊維製造用アクリル繊維油剤、炭素繊維製造用アクリル繊維および炭素繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、変性シリコーン(A)と特定の低分子量シロキサン(B)とを含有する炭素繊維製造用アクリル繊維油剤であれば、優れた強度を有する炭素繊維を製造できることを見出した。
すなわち本発明は、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン(A)と、下記一般式(1)で示されるシロキサンおよび下記一般式(2)で示されるシロキサンから選ばれる少なくとも1種の低分子量シロキサン(B)とを含有する、炭素繊維製造用アクリル繊維油剤である。
Figure 2012102429
(式(1)中、mは1〜4の整数を示す。)
Figure 2012102429
(式(2)中、nは3〜6の整数を示す。)
油剤の純分全体に占める前記変性シリコーン(A)の重量割合は60〜95重量%であり、前記低分子量シロキサン(B)の重量割合は0.1〜10重量%であることが好ましい。
また、炭素繊維製造用アクリル繊維油剤は、さらに界面活性剤(C)を含有し、油剤の純分全体に占める該界面活性剤(C)の重量割合が5〜40重量%であることが好ましい。
また、前記変性シリコーンは、窒素原子を含む変性基持つ変性シリコーンであることが好ましい。
また、本発明にかかる炭素繊維製造用アクリル繊維油剤は、水中に分散したエマルジョンとなっていることが好ましい。
また、本発明にかかる炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)は、炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に、上記の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤を付着させて製糸したものである。
また、本発明にかかる炭素繊維の製造方法は、炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に上記の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤(プレカーサー油剤)を付着させて、炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)を製造する製糸工程と、その製糸工程で製造された炭素繊維製造用アクリル繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる炭素化処理工程とを含む製造方法である。
本発明の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤は、炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に付着させて処理することによって、炭素繊維製造における焼成工程での欠点を抑制し、炭素繊維の強度を向上させることができる。また、本発明の炭素繊維の製造方法では、この炭素繊維製造用アクリル繊維油剤を付着させるので、高強度の炭素繊維を製造できる。
本発明の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤(プレカーサー油剤)は、炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)を製造する工程で、均一なプレカーサー繊維束を製造する為に、延伸工程前にプレカーサーの原料アクリル繊維に付与することを第一の目的とした油剤である。
本発明は、変性シリコーン(A)と、上記一般式(1)で示されるシロキサンおよび上記一般式(2)で示されるシロキサンから選ばれる少なくとも1種の低分子量シロキサン(B)とを含有する炭素繊維製造用アクリル繊維油剤である。以下に詳細に説明する。
[変性シリコーン(A)]
本発明のプレカーサー油剤は、変性シリコーン(A)を必須に含有する。変性シリコーン(A)とは、一般には、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖両末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。
変性シリコーン(A)としては、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン、ジメチルシリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキレンオキサイド変性シリコーン(ポリエーテル変性シリコーン)、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、メタクリレート変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。一種類の変性シリコーンを用いてもよく、複数の変性シリコーンを併用してもよい。これらの中でも、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンが好ましい。
油剤の純分全体に占める変性シリコーン(A)の重量割合は、60〜95重量%が好ましく、65〜90重量%がより好ましく、70〜85重量%がさらに好ましく、70〜80重量%が特に好ましい。油剤の純分全体に占める変性シリコーン(A)の重量割合が60重量%未満の場合、焼成工程での融着防止効果が劣り高強度の炭素繊維が得られ難い場合がある。また、油剤の純分全体に占める変性シリコーン(A)の重量割合が95重量%超の場合、水系乳化が困難となり、安定な溶液が得られ難い場合がある。なお、本発明において油剤の純分とは、水を除く油剤成分を意味する。
(窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーン)
窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンにおいて、窒素原子を含む変性基であれば変性基の種類は特に限定されない。窒素原子を含む変性基としては、アミノ結合やイミノ結合を含有する変性基(即ち、アミノ基)や、アミド結合を含有する変性基(即ち、アミド基)などが挙げられ、アミノ結合とアミド結合など異なる結合が複数存在する変性基でもよい。窒素原子を含む変性基は、主鎖であるシリコーンの側鎖と結合していてもよいし、末端と結合していてもよいし、また両方と結合していてもよい。また、分子中にポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等)を有していてもよい。
窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーンやアミノポリエーテル変性シリコーン、アマイド変性シリコーン、アマイドポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられ、一種類の変性シリコーンを用いてもよいし、複数の変性シリコーンを併用してもよい。また、変性シリコーンにおける窒素原子の含有量は、0.1〜3.5重量%であることが好ましい。窒素原子の含有量が0.1重量%より低いと、架橋性が劣り、十分な耐熱性が得られない場合がある。また、3.5重量%より高い場合は、変性シリコーンの粘着性が高くなり、ガムアップの原因となってしまう場合がある。
これらの窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンの中でも、架橋性に優れ、焼成工程でより耐熱性が優れる理由から、アミノ変性シリコーンやアミノポリエーテル変性シリコーンが好ましい。更に経時安定性にも優れるという観点からアミノ変性シリコーンが特に好ましい。
(アミノ変性シリコーン)
変性シリコーン(A)がアミノ変性シリコーンである場合、そのアミノ変性シリコーンの構造は特に限定されるものではない。即ち、変性基であるアミノ基は、主鎖であるシリコーンの側鎖と結合していてもよいし、末端と結合していてもよいし、また両方と結合していてもよい。また、そのアミノ基は、モノアミン型であってもポリアミン型であってもよく、1分子中に両者が併存していてもよい。
アミノ変性シリコーンにおけるアミノ基(NH)の含有量(以下、「アミノ重量%」という)は、0.1〜4.0重量%が好ましく、0.3〜1.5重量%がより好ましく、0.4〜0.8%が更に好ましい。アミノ重量%が0.1重量%より低いと、架橋性が劣り、十分な耐熱性が得られない場合がある。また、4.0重量%より高い場合は、アミノ変性シリコーンの粘着性が高くなり、ガムアップの原因となってしまう場合がある。
アミノ変性シリコーンの25℃における粘度については、特に限定はないが、低粘度過ぎると油剤の飛散や、焼成工程での耐熱性不足による熱揮散が原因で、繊維の融着を防止できないことが問題となることがある。また逆に高粘度すぎると、粘着性に起因するガムアップが問題となることがある。これらの問題を防止する観点から、アミノ変性シリコーンの25℃での粘度は、100〜15,000mm/sが好ましく、500〜10,000mm/sがさらに好ましく、1,000〜5,000mm/sが特に好ましい。
[低分子量シロキサン(B)]
本発明のプレカーサー油剤は、上記一般式(1)で示されるシロキサンおよび上記一般式(2)で示されるシロキサンから選ばれる少なくとも1種の低分子量シロキサン(B)を必須に含有する。これら低分子量シロキサンは、1種または2種以上を併用してもよい。
上記変性シリコーン(A)に加え、低分子量シロキサン(B)を含有する本発明のプレカーサー油剤を付着させて製造された炭素繊維が高強度を発現できる理由は定かではないが、以下の様に推定される。すなわち、一般的にプレカーサー製造工程において、プレカーサー油剤は乾燥緻密化前の水膨潤状態のプレカーサーに付与される。そのため、油剤分子などが繊維内部に浸透しやすい。特に各種界面活性剤等の成分は、シリコーン化合物に比較して分子量が小さいことが多いため繊維内部に非常に浸透しやすく、また浸透したこれら成分は焼成工程における熱処理においてタール化して炭素繊維内部の欠点となるおそれがある。しかし、油剤中に低分子量シロキサン(B)を含有することにより、疎水性の強い低分子量シロキサン(B)が優先的に繊維内部に浸透し、各種界面活性剤等のタール化を引き起こす成分の浸透を一部抑制する働きをする。一方浸透した低分子量シロキサン(B)は揮発性に優れるため、油剤付与後の乾燥工程で揮発し、仮に繊維内部に残存したものについてもその後の焼成工程においてタール化、繊維欠点となることなく揮発する。以上の作用により、結果として製造された炭素繊維は高強度を発現するものと推測される。
油剤の純分全体に占める低分子量シロキサン(B)の重量割合は、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜7.5重量%がより好ましく、1〜5重量%がさらに好ましく、2.5〜5重量%が特に好ましい。低分子量シロキサン(B)の重量割合が0.1重量%未満の場合、本願効果の各種界面活性剤の繊維内部浸透抑制効果が得られ難い。また、10重量%超の場合、油剤組成物としての粘度が低下し過ぎてプレカーサーの集束性不足となったり、揮発成分過多による焼成炉汚染が顕著になったりする場合がある。
上記一般式(1)で示されるシロキサンは、鎖状の低分子量シロキサンである。式(1)中、mは1〜4の整数を示し、揮発性の点から2〜4が好ましい。mが4超の場合、十分な揮発性が得られないことがある。
上記一般式(2)で示されるシロキサンは、環状の低分子量シロキサンである。一般的に環状シロキサンとしては、シロキサン結合(SiOR:R、Rは有機基を示す)の結合量が3〜20の環状シロキサンD(nは結合量を示す整数)が挙げられるが、本発明の処理剤では、ジメチルシロキサン(SiO(CH)の3〜6量体である環状の低分子量シロキサン(D〜D)を用いる。従って、式(2)中、nは3〜6の整数を示す。揮発性の点から、nは4〜5が好ましい。
低分子量シロキサン(B)としては、分子中のSiの数が同一の場合、一般式(2)で示される環状シロキサンの方が、一般式(1)で示されるシロキサンよりも揮発性が大きくなるという理由から、一般式(2)で示されるシロキサンが好ましい。
低分子量シロキサン(B)の数平均分子量は、500以下が好ましく、200〜400がより好ましく、200〜300がさらに好ましい。数平均分子量が500超の場合、揮発性が小さくなることがある。
低分子量シロキサン(B)の粘度(25℃)は、0.5〜4.5mm/sが好ましく、1〜4mm/sがより好ましく、2〜4mm/sがさらに好ましい。
〔界面活性剤(C)〕
本発明のプレカーサー油剤は水系乳化できることが好ましく、そのために界面活性剤(C)を含有していることが好ましい。界面活性剤(C)は非イオン性界面活性剤でもよく、アニオン性界面活性剤でもよく、カチオン性界面活性剤でもよく、両性界面活性剤でもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレン直鎖アルキルエーテル;ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等のポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル;ポリオキシエチレン1−ヘキシルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−オクチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン1−ヘキシルオクチルエーテル、ポリオキシエチレン1−ペンチルへプチルエーテル、ポリオキシエチレン1−へプチルペンチルエーテル等のポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアリールフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノミリスチレート、ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンジミリスチレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンひまし油エーテル等のポリオキシアルキレンひまし油エーテル;ポリオキシエチレン硬化ひまし油エーテル等のポリオキシアルキレン硬化ひまし油エーテル;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端アルキルエーテル化物;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックまたはランダム共重合体の末端ショ糖エーテル化物;等を挙げることができる。
これら非イオン性界面活性剤の中でも、シリコーン化合物の水系乳化力に特に優れるという理由で、ポリオキシアルキレン分岐第一級アルキルエーテル、ポリオキシアルキレン分岐第二級アルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体の末端アルキルエーテル化物が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、オレイン酸ナトリウム塩、パルミチン酸カリウム塩、オレイン酸トリエタノールアミン塩等の脂肪酸(塩);ヒドリキシ酢酸、ヒドロキシ酢酸カリウム塩、乳酸、乳酸カリウム塩等のヒドロキシル基含有カルボン酸(塩);ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸(ナトリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸(塩);トリメリット酸カリウム、ピロメリット酸カリウム等のカルボキシル基多置換芳香族化合物の塩;ドデシルベンゼンスルホン酸(ナトリウム塩)等のアルキルベンゼンスルホン酸(塩);ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルスルホン酸(カリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸(塩);ステアロイルメチルタウリン(ナトリウム)、ラウロイルメチルタウリン(ナトリウム)、ミリストイルメチルタウリンN(ナトリウム)、パルミトイルメチルタウリン(ナトリウム)等の高級脂肪酸アミドスルホン酸(塩);ラウロイルサルコシン酸(ナトリウム)等のN−アシルサルコシン酸(塩);オクチルホスホネート(カリウム塩)等のアルキルホスホン酸(塩);フェニルホスホネート(カリウム塩)等の芳香族ホスホン酸(塩);2−エチルヘキシルホスホネートモノ2−エチルヘキシルエステル(カリウム塩)等のアルキルホスホン酸アルキル燐酸エステル(塩);アミノエチルホスホン酸(ジエタノールアミン塩)等の含窒素アルキルホスホン酸(塩);2−エチルヘキシルサルフェート(ナトリウム塩)等のアルキル硫酸エステル(塩);ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルサルフェート(ナトリウム塩)等のポリオキシアルキレン硫酸エステル(塩);ラウリルホスフェート(カリウム塩)、セチルホスフェート(カリウム塩)、ステアリルホスフェート(ジエタノールアミン塩)等のアルキル燐酸エステル(塩);ポリオキシエチレンラウリルエーテルホスフェート(カリウム塩)、ポリオキシエチレンオレイルエーテルホスフェート(トリエタノールアミン塩)等のポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル燐酸エステル(塩);ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルホスフェート(カリウム塩)、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルホスフェート(カリウム塩)等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル(塩);ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩;等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等の第4級アンモニウム塩;(ポリオキシエチレン)ラウリルアミノエーテル乳酸塩、ステアリルアミノエーテル乳酸塩、(ポリオキシエチレン)ラウリルアミノエーテルトリメチルホスフェート塩等の(ポリオキシアルキレン)アルキルアミノエーテル塩等;を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤のなかでも、イオン性を持つ界面活性剤は乳化後の経時変化が起こる場合があり、またシリコーンの架橋性にも影響を与える場合がある。その為、経時安定性に優れ、シリコーン架橋性への影響も少なく、更にはシリコーンの乳化力にも優れるという理由から、非イオン性界面活性剤が好ましい。
本発明のプレカーサー油剤において、油剤の純分全体に占める界面活性剤(C)の重量割合は、乳化剤として使用したときのエマルジョンの乳化安定性と油剤の耐熱性維持の観点から、5〜40重量%であり、10〜30重量%がより好ましく、さらに15〜20重量%が好ましい。純分全体に占める界面活性剤(C)の重量割合が5重量%未満となると、良好な乳化安定性が得られにくく、また、40重量%を超えると、油剤の耐熱性が不足し、焼成工程における融着防止性が得られにくい。
[プレカーサー油剤]
本発明のプレカーサー油剤はさらに上記した成分以外にも、直鎖脂肪酸、分岐鎖脂肪酸、低級モノカルボン酸等のモノカルボン酸、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系、キノン系等の酸化防止剤;高級アルコール・高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、スルホン酸塩、高級アルコール・高級アルコールエーテルの燐酸エステル塩、第4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤、アミン塩型カチオン系界面活性剤等の制電剤;高級アルコールのアルキルエステル、高級アルコールエーテル、ワックス類等の平滑剤;抗菌剤;防腐剤;防錆剤;および吸湿剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有してもよい。
プレカーサー油剤は、上述の成分で構成されていてもよいが、繊維への均一な付着性および作業環境の安全性の面からは、乳化剤として界面活性剤を含み、水に乳化または分散させて、水中に分散したエマルジョンとなっている状態が好ましい。
本発明のプレカーサー油剤が水を含む場合、プレカーサー油剤全体に占める水の重量割合、純分の重量割合については、特に限定はなく、たとえば、本発明のプレカーサー油剤を輸送する際の輸送コストや、エマルジョン粘度に因るところの取扱い性等を考慮して適宜決定すればよい。プレカーサー油剤全体に占める水の重量割合は、好ましくは0.1〜99.9重量%、さらに好ましくは10〜99.5重量%、特に好ましくは50〜99重量%である。プレカーサー油剤全体に占める純分の重量割合(濃度)は、好ましくは0.01〜99.9重量%、さらに好ましくは0.5〜90重量%、特に好ましくは1〜50重量%である。
本発明のプレカーサー油剤は、変性シリコーン(A)、低分子量シロキサン(B)、その他上記で説明した成分を混合することによって製造することができる。低分子量シロキサン(B)は、変性シリコーン(A)との混合物として使用されてもよい。また、勿論変性シリコーン重合時に非意図的に含有する未反応物として低分子量シロキサン(B)を所定量含有しても構わない。プレカーサー油剤が水中で乳化または分散させた状態の組成物である場合、上記で説明した成分を乳化・分散させる方法については特に限定されず、公知の手法が採用できる。このような方法としては、たとえば、変性シリコーン(A)、低分子量シロキサン(B)、その他成分を任意の順で攪拌下の温水中に投入して乳化分散する方法、変性シリコーン(A)と低分子量シロキサン(B)とを含有する混合物、その他成分を任意の順で攪拌下の温水中に投入して乳化分散する方法、変性シリコーン(A)と低分子量シロキサン(B)とを含有する混合物及びその他成分を混合し、ホモジナイザー、ホモミキサー、ボールミル等を用いて機械せん断力を加えつつ、水を徐々に投入して転相乳化する方法等が挙げられる。
また、本発明のプレカーサー油剤を用いて、プレカーサーおよび炭素繊維を製造することができる。本発明のプレカーサー油剤を用いたプレカーサーおよび炭素繊維の製造方法は、特に限定されないが、たとえば、以下の製造方法を挙げることができる。
〔プレカーサーおよび炭素繊維の製造方法〕
本発明の炭素繊維の製造方法は、製糸工程と耐炎化処理工程と炭素化処理工程とを含む。本発明のプレカーサーは、この製糸工程で得られるものである。
製糸工程は、炭素繊維製造用アクリル繊維(プレカーサー)の原料アクリル繊維に上記炭素繊維製造用アクリル繊維油剤(プレカーサー油剤)を付着させてプレカーサーを製造する工程であり、付着処理工程と延伸工程とを含む。
付着処理工程は、プレカーサーの原料アクリル繊維を紡糸した後、プレカーサー油剤を付着させる工程である。つまり、付着処理工程でプレカーサーの原料アクリル繊維にプレカーサー油剤を付着させる。またこのプレカーサーの原料アクリル繊維は紡糸直後から延伸されるが、付着処理工程後の高倍率延伸を特に「延伸工程」と呼ぶ。延伸工程は高温水蒸気をもちいた湿熱延伸法でもよいし、熱ローラーをもちいた乾熱延伸法でもよい。
プレカーサーは、少なくとも95モル%以上のアクリロニトリルと、5モル%以下の耐炎化促進成分とを共重合させて得られるポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル繊維から構成される。耐炎化促進成分としては、アクリロニトリルに対して共重合性を有するビニル基含有化合物が好適に使用できる。プレカーサーの単繊維繊度については、特に限定はないが、性能と製造コストのバランスから、好ましくは0.1〜2.0dTexである。また、プレカーサーの繊維束を構成する単繊維の本数についても特に限定はないが、性能と製造コストのバランスから、好ましくは1,000〜96,000本である。
プレカーサー油剤は、製糸工程のどの段階でプレカーサーの原料アクリル繊維に付着させてもよいが、延伸工程前に一度付着させておくことが好ましい。延伸工程前の段階であればどの段階でも、例えば紡糸直後に付着させてもよい。さらに延伸工程後のどの段階で再度付着させてもよく、例えば、延伸工程直後に再度付着させてもよいし、巻取り段階で再度付着させてもよいし、耐炎化工程の直前に再度付着させてもよい。その付着方法に関しては、プレカーサー油剤が純分のみからなる場合は、ストレートオイルとしてローラー等を使用して付着してもよいし、プレカーサー油剤が水や有機溶剤等の溶媒中に乳化または分散させたエマルジョンの場合は、浸漬法、スプレー法等で付着してもよい。
付着処理工程において、プレカーサー油剤の付与率は、繊維−繊維間の膠着防止効果や融着防止効果を得ることと、炭素化処理工程において油剤のタール化物によって炭素繊維の品質低下を防止することとのバランスからは、プレカーサーの重量に対して好ましくは0.1〜2重量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。プレカーサー油剤の付与率が0.1重量%未満であると、単繊維間の膠着、融着を十分に防止できず、得られる炭素繊維の強度が低下することがある。一方、プレカーサー油剤の付与率が2重量%超であると、プレカーサー油剤が単繊維間を必要以上に覆うため、耐炎化処理工程において繊維への酸素の供給が妨げられ、得られる炭素繊維の強度が低下することがある。なお、ここでいうプレカーサー油剤の付与率とは、プレカーサー重量に対するプレカーサー油剤の付着した純分重量の百分率で定義される。
耐炎化処理工程は、プレカーサー油剤が付着したプレカーサーを200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する工程である。酸化性雰囲気とは、通常、空気雰囲気であればよい。酸化性雰囲気の温度は好ましくは230〜280℃である。耐炎化処理工程では、付着処理後のアクリル繊維に対して、延伸比0.90〜1.10(好ましくは0.95〜1.05)の張力をかけながら、20〜100分間(好ましくは30〜60分間)にわたって熱処理が行われる。この耐炎化処理では、分子内環化および環への酸素付加を経て、耐炎化構造を持つ耐炎化繊維が製造される。
炭素化処理工程は、耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる工程である。炭素化処理工程では、まず、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中、300℃から800℃まで温度勾配を有する焼成炉で、耐炎化繊維に対して、延伸比0.95〜1.15の張力をかけながら、数分間熱処理して、予備炭素化処理工程(第一炭素化処理工程)を行うのが好ましい。その後、より炭素化を進行させ、且つグラファイト化を進行させるために、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中で、第一炭素化処理工程に対して延伸比0.95〜1.05の張力をかけながら、数分間熱処理して、第二炭素化処理工程を行い、耐炎化繊維が炭素化される。第二炭素化処理工程における熱処理温度の制御については、温度勾配をかけながら、最高温度を1000℃以上(好ましくは1000〜2000℃)とすることがよい。この最高温度は、所望する炭素繊維の要求特性(引張強度、弾性率等)に応じて適宜選択して決定される。
本発明の炭素繊維の製造方法では、弾性率がさらに高い炭素繊維が所望される場合は、炭素化処理工程に引き続いて、黒鉛化処理工程を行うこともできる。黒鉛化処理工程は、通常、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中、炭素化処理工程で得られた繊維に対して張力をかけながら、2000〜3000℃の温度で行われる。
このようにして得られた炭素繊維には、目的に応じて、複合材料とした時のマトリックス樹脂との接着強度を高めるための表面処理を行うことができる。表面処理方法としては、気相または液相処理を採用でき、生産性の観点からは、酸、アルカリなどの電解液による液相処理が好ましい。さらに、炭素繊維の加工性、取り扱い性を向上させるために、マトリックス樹脂に対して相溶性の優れる各種サイジング剤を付与することもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、ここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に示されるパーセント(%)は特に限定しない限り、「重量%」を示す。
〔実施例1〕
アミノ変性シリコーンKF−861(信越化学工業株式会社製、25℃粘度:3,500mm/s、アミノ当量:2,000g/mol、D4を約1重量%含有)を1.3kPaの減圧下、撹拌しながら80℃で3時間加熱し、D4の含有量を0重量%にしたもの(KF−861Mとする)を調製した。このKF−861MにD5および界面活性剤N−1を配合したものを水系乳化し、油剤の純分(水を除く成分)組成として、KF−861M/D5/N−1=80/5/15の重量比率よりなる油剤エマルジョン(プレカーサー油剤)を得た。なお、油剤の純分濃度は3.0重量%とした。この油剤エマルジョンをプレカーサー(単繊維繊度0.8dtex,24,000フィラメント)に、純分の付与率が1.0%となるように付着し、100〜140℃で乾燥して水分を除去した。この油剤付着後のプレカーサーを250℃の耐炎化炉にて60分間耐炎化処理し次いで窒素雰囲気下300〜1400℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して炭素繊維に転換した。得られた炭素繊維の炭素繊維強度(GPa)を、JIS−R−7601に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じ測定し、測定回数10回の平均値として求めた。その結果を表1に示す。
〔実施例2〜4、比較例1、2〕
実施例1において、表1に示す油剤の純分(水を除く成分)組成になるように油剤エマルションを調製した以外は実施例1と同様にして、油剤付着後のプレカーサーおよび炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の炭素繊維強度評価結果を表1に示す。
Figure 2012102429
表1に記載した成分内容を以下に示す。
シリコーンKF−861M:アミノ変性シリコーンKF−861(信越化学工業株式会社製、25℃粘度:3,500mm/s、アミノ当量:2,000g/mol、D4を約1重量%含有)よりD4の含有量を0重量%にしたもの
シリコーンKF−880:アミノ変性シリコーンKF−880(信越化学工業株式会社製、25℃粘度:650mm/s、アミノ当量:1,800g/mol、D4を約5重量%含有)
D4:環状シロキサン4量体、2.4mm/s
D5:環状シロキサン5量体、4.0mm/s
界面活性剤N−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基の炭素数はC12〜14)のうち、オキシエチレンの繰り返し単位が3〜12のものをシリコーン成分との親水−疎水バランスを考慮して適宜選択して用いた。

Claims (7)

  1. 変性シリコーン(A)と、下記一般式(1)で示されるシロキサンおよび下記一般式(2)で示されるシロキサンから選ばれる少なくとも1種の低分子量シロキサン(B)とを含有する、炭素繊維製造用アクリル繊維油剤。
    Figure 2012102429
    (式(1)中、mは1〜4の整数を示す。)
    Figure 2012102429
    (式(2)中、nは3〜6の整数を示す。)
  2. 油剤の純分全体に占める前記変性シリコーン(A)の重量割合が60〜95重量%であり、前記低分子量シロキサン(B)の重量割合が0.1〜10重量%である、請求項1に記載の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤。
  3. さらに界面活性剤(C)を含有し、油剤の純分全体に占める該界面活性剤(C)の重量割合が5〜40重量%である、請求項1又は2に記載の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤。
  4. 前記変性シリコーン(A)が、窒素原子を含む変性基を持つ変性シリコーンである、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維製造用アクリル繊維用油剤。
  5. 水中に分散したエマルジョンとなっている、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤。
  6. 炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に、請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤を付着させて製糸した、炭素繊維製造用アクリル繊維。
  7. 炭素繊維製造用アクリル繊維の原料アクリル繊維に請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維製造用アクリル繊維油剤を付着させて、炭素繊維製造用アクリル繊維を製造する製糸工程と、その製糸工程で製造された炭素繊維製造用アクリル繊維を200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程と、前記耐炎化繊維をさらに300〜2000℃の不活性雰囲気中で炭化させる炭素化処理工程とを含む、炭素繊維の製造方法。
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