JP2012102014A - 結晶性アルミノシリケートゼオライト質組成物:uzm−15 - Google Patents

結晶性アルミノシリケートゼオライト質組成物:uzm−15 Download PDF

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Abstract

【課題】UZM−15と称される新しいゼオライトを提供する。
【解決手段】アルミノシリケートゼオライト、及びUZM−15と称される置換態を合成した。これらのゼオライトは、少なくとも2つの炭素原子を有している少なくとも1つの有機基を有する有機アンモニウムカチオンをテンプレートとして用いることで調製される。このようなカチオンの例としては、ジエチルジメチルアンモニウムカチオンがある。上記テンプレートは、必要に応じてその他の有機アンモニウムカチオン、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を含む。これらのUZM−15物質は種々のプロセスによって脱アルミニウム化され、UZM−15HS組成物を生成する。上記UZM−15及びUZM−15HS両組成物は、環状炭化水素の非環状炭化水素への転換及びオレフィンオリゴマー化などの種々のプロセスにおける触媒又は触媒担持体として有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、UZM−15及びUZM−15HSと称されるアルミノシリケートゼオライト、前記ゼオライトの調製方法及びその使用法に関するものである。UZM−15及びUZM−15HSは、環状炭化水素の非環状炭化水素への変換、つまり開環反応などの種々の炭化水素反応において有効である。
ゼオライトは、微小孔性であって、AlO2及びSiO2四面体の頂点共有から形成される結晶性アルミノシリケート組成物である。天然産、及び合成によって作られる多くのゼオライトが、種々の工業生産において用いられている。合成ゼオライトは、Si、Alの好適な供給源や、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミンあるいは有機アンモニウムカチオンなどの構造指向剤を用いた水熱合成を経由して調製される。上記構造指向剤はゼオライトの細孔内に存在し、最終的に形成される特定構造を大きく左右する。これらの種はアルミニウムに関連する骨格電荷の平衡を保ち、また空間充填剤としての役割も果たす。
ゼオライトは、寸法が均一な細孔開口部を有し、大きなイオン交換容量を有し、永久ゼオライト結晶構造を構成するいずれの原子も大きく移動させることなく、結晶の内部空洞を通じて分散される吸着相を可逆的に脱着させることが可能であるという点で特徴付けられる。ゼオライトは、外表面上で、そして細孔内の内表面上で起こる炭化水素転化のための触媒として用いることも可能である。
米国特許第4,209,498号明細書には、ゼオライトの調製法及びゼオライトの使用法と共に、FU−1と称されるアルミノシリケートゼオライトが開示されている。上記米国特許第4,209,498号の発明において、FU−1は“メチル化第4級アンモニウム”カチオンをアルカリ金属と共に用いて調製される。さらに、上記FU−1ゼオライトは2.5よりも大きいSi/Al比を有し、キシレン異性化のために用いることが可能である、とも述べられている。
FU−1の全シリカ版が、米国特許第4,689,207号明細書に報告されている。その合成には、層状シリケートマガディアイト及びNa/エチルトリメチルアンモニウム(ETMA)テンプレート方式を用いる。その固体生成物は、X線解析によって20%のFU−1を含有していることが確認された。
FU−1ゼオライトに関する多くの特許出願が確認されている。上述の、また英国特許第1563346号明細書に開示されているキシレン異性化に加えて、キシレン及びエチルベンゼンなどのアルキルベンゼンの変換が、英国特許公開公報第2052554号、第2006818号、第2042490号及び第2006262号に開示されている。米国特許第4,172,856号明細書には、FU−1を用いて、好適な原料としてのメタノール又はジメチルエーテルからオレフィンを作り出す例が開示されており、一方米国特許第4,191,709号、第4,205,012号明細書及び英国特許公開公報第2013660号には、FU−1系触媒を用いてアルコールからアミンを合成する例が開示されている。最後に米国特許第4,197,186号明細書において、ナフサ系生成物に対しての重質分分解にFU−1系触媒を用いる例が開示されている。
本発明者等は、FU−1のものと似てはいるが、異なるX線回折パターンを有し、その他の特性において違いのあるゼオライトの一族であるUZM−15を調製した。違いの1つは、合成時のUZM−15が、有機基の内の少なくとも1つが少なくとも2つの炭素原子を有する、少なくとも1つの第4級有機アンモニウムカチオンテンプレートを含んでいることである。好適なテンプレートは、ETMA、DEDMA、TMBA、PEDMA及び必要に応じてアルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又はその他の有機アンモニウムカチオンから選択される。上記UZM−15のSi/Al比は7〜50の範囲であり、アルミニウムをガリウム又はイオンなどのその他の金属と置き換えることも可能である。
本発明者等は、さらに、UZM−15HSと称されるUZM−15の脱アルミニウム型を調製した。上記UZM−15HS原料は、イオン交換容量、酸性度及び多孔率を含め、出発時のUZM−15とは異なる性質を有している。そして、上記UZM−15及びUZM−15HS両組成物は、環状炭化水素の非環状炭化水素への転換及びオレフィンオリゴマー化などの種々のプロセスにおける触媒又は触媒担持体として有用である。
本発明者等は、UZM−15と称される新しい族を合成した。合成時の形態において、上記UZM−15ゼオライトは、無水ベースで以下の式によって表される組成を有している。
Figure 2012102014
ここで、Mは交換性カチオンであって、アルカリ及びアルカリ土類金属から成る群より選択される。Mカチオンの具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム及びそれらの混合物等が挙げられる、しかしこれらに限定はされない。M対(Al+E)のモル比である“m”の値は0〜2.0の範囲で変化する。Rは、少なくとも2つの炭素原子を有する少なくとも1つの有機基を含む少なくとも1つの第1の有機アンモニウムカチオンである。これらの有機アンモニウムカチオンの例としては、エチルトリメチルアンモニウム(ETMA)、ジエチルジメチルアンモニウム(DEDMA)、トリメチルブチルアンモニウム(TMBA)、N,N,N,N′,N′,N′−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウム(DQ4)及びプロピルエチルジメチルアンモニウム(PEDMA)等が挙げられる。しかしこれらに限定はされない。また必要に応じて、Rは少なくとも1つの第1の有機アンモニウムカチオン及び第2の有機アンモニウムカチオンとの混合物でもよく、第2の有機アンモニウムカチオンは、第4級アンモニウムカチオン、プロトン化アミン、プロトン化ジアミン、プロトン化アルカノールアミン、ジ第4級アンモニウムカチオン、4級化アルカノールアンモニウムカチオン及びそれらの混合物から成る群より選択されたる。R対(Al+E)のモル比である“r”の値は、0.25〜5.0の範囲内で変化する。Mの加重平均原子価である“n”の値は、+1〜+2の範囲内で変化する。有機カチオンの平均加重原子価である“p”の値は、+1〜+2の範囲内である。Eは、上記骨格内に存在し、ガリウム、鉄、ホウ素、クロム、インジウム及びそれらの混合物から成る群より選択される元素である。Eのモル分率である“x”の値は、0〜1.0の範囲内で変化する。シリコン対(Al+E)の比は、7〜50の範囲で変化する“y”によって表され、一方O対(Al+E)のモル比は“z”によって表され、以下の式によって示す値を有する。
Figure 2012102014
Mが1つの金属のみである場合には、加重平均原子価は、上記1つの金属、つまり+1又は+2の原子価である。しかし、2つ以上のM金属が存在する場合には、その総量が下式で示される。
Figure 2012102014
そして加重平均原子価“n”は、以下の式によって表される。
Figure 2012102014
同様に、ただ1つのR有機カチオンのみが存在する場合には、加重平均原子価は、1つのRカチオン、つまり+1又は+2の原子価である。2つ以上のRカチオンが存在する場合には、Rの総量は以下の式によって表される。
Figure 2012102014
そして加重平均原子価“p”は以下の式によって表される。
Figure 2012102014
これらのアルミノシリケートゼオライトは、R、アルミニウム、必要に応じてE及び/又はM及びシリコンの反応源を水性媒体中で結合させることによって調製した反応混合物の水熱合成によって調製される。従って上記アルミニウム源には、アルミニウムアルコキシド、沈降アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミニウム塩及びアルミニウム金属等が含まれる。アルミニウムアルコキシドの具体例としては、アルミニウムオルトsec−ブトキシド及びアルミニウムオルトイソプロポキシド等が挙げられる。シリカの供給源としては、テトラエチルオルトシリケート、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ及びコロイダルシリカ等が挙げられる。M金属の供給源としては、ハライド塩、硝酸塩、酢酸塩、及びアルカリ又はアルカリ土類金属それぞれの水酸化物等が挙げられる。E元素の供給源としては、ホウ酸アルカリ、ホウ酸、沈殿オキシ水酸化ガリウム、硫酸ガリウム、硫酸第2鉄、塩化第2鉄、塩化クロム、硝酸クロム、塩化インジウム及び硝酸インジウム等が挙げられる。
Rが、少なくとも2つの炭素原子を有する少なくとも1つの有機基を有する第1有機アンモニウムカチオン、つまりDEDMA、ETMA、TMBA、DQ4及びPEDMAである場合には、上記供給源には、水酸化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化化合物等が含まれる。また必要に応じて、Rは第2の有機アンモニウム化合物(上記第1有機アンモニウムカチオンに加えて)であってもよい。R(第2の)が第4級アンモニウムカチオン又は4級化アルカノールアンモニウムカチオンである場合、上記供給源は水酸化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化化合物であってもよい。具体例(第1又は第2カチオンのどちらでも)としては、水酸化エチルトリメチルアンモニウム(ETMAOH)、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム(DEDMAOH)、水酸化プロピルエチルジメチルアンモニウム(PEDMAOH)、水酸化トリメチルプロピルアンモニウム、水酸化トリメチルブチルアンモニウム(TMBAOH)、水酸化テトラエチルアンモニウム、臭化ヘキサメトニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、水酸化N,N,N,N′,N′,N′−ヘキサメチル−1,4−ブタンジアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム等が挙げられる。またRの上記供給源は、中性アミン、ジアミン及びアルカノールアミンであってもよい。具体例としては、トリエタノールアミン、トリエチルアミン及びN,N,N′,N′テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンが挙げられる。特殊な例においては、アルミノシリケート原液の形態の試薬を用いることも可能である。これらの溶液は、1つ又は複数の水酸化有機アンモニウム、及び一般に試薬として蓄えられ用いられる清澄均質溶液を形成するシリコン及びアルミニウムの供給源によって構成される。上記試薬は、シリコン及びアルミニウムの別々の供給源から直接形成されるゼオライト反応混合物中に通常現れないアルミノシリケート種を含んでいる。通常上記試薬はアルカリを含まないか、又はシリコン、アルミニウム及び水酸化有機アンモニウム供給源からの不純物レベルのアルカリを含んでいる。これらの溶液の1つ又は複数をゼオライト合成に用いることも可能である。またAlの代わりにEを用いる場合においては、対応するメタロシリケート溶液を合成に用いることも可能である。
所望の成分の反応源を含んだ反応混合物を、酸化物のモル比の観点から以下の式によって表す。
Figure 2012102014
ここで、“a”はMの酸化物のモル比であって、0〜5の値を有し、“b”はRの酸化物のモル比であって、1.5〜80の値を有し、“d”はシリカのモル比であって、10〜100の値を有し、“c”はEの酸化物のモル比であって、0〜1.0の値を有し、そして“e”は水のモル比であって、100〜15000の値を有する。ここで上記反応混合物を、自生圧下、密閉反応容器中で、85℃〜225℃、好ましくは140℃〜175℃の温度下、12時間〜20日間、好ましくは2日間〜10日間といった条件を含む反応条件下で反応させる。結晶化が完了した後、上記固体生成物を濾過又は遠心分離などの手段によって上記不均質混合物から分離し、続いて脱イオン水で洗浄し、そして100℃までの大気温度下の空気中で乾燥する。
上記結晶質ゼオライトは、少なくともSiO2及びAlO2四面体単位の3次元骨格構造によって特徴付けられる。これらのゼオライトはさらに、そのX線回折パターンによって特徴付けられる。上記X線回折パターンは、以下の表Aに示すdスペースと相対強度を有する少なくとも回折ラインを有する。
Figure 2012102014
合成された時点で、ゼオライトは交換性又は電荷平衡カチオンをその孔内に幾分か含んでいる。これらの交換性カチオンはその他のカチオンと交換され、あるいは有機カチオンの場合は、制御条件下で加熱することによって除去される。イオン交換には、ゼオライトを、交換条件において所望のカチオン(モル過剰で)を含む溶液と接触させる処理が含まれる。交換条件としては、15℃〜100℃の温度、そして20分〜50時間の時間とが含まれる。焼成の条件としては、300℃〜600℃の温度で2〜24時間の焼成が含まれる。
アンモニウム型のゼオライトを提供する有機カチオン除去のための特別な処理は、アンモニア焼成である。アンモニア雰囲気にて焼成することによって、有機カチオンは、推定上、アンモニアによって中和されアンモニウムカチオンを形成するプロトン形態になるまで分解される。その結果生じたアンモニウム型のゼオライトはさらにイオン交換され、その他のいずれかの所望の形態となる。アンモニア焼成の条件としては、アンモニア雰囲気中で、250℃〜600℃の温度で、より好ましくは250℃〜450℃の温度で10分〜5時間の間に行われる処理が含まれる。必要に応じて上記処理は、上記アンモニア雰囲気中での総合時間が5時間を超えないように、この温度範囲内で複数の段階に分けて実行される。500℃を超える場合は、上記処理はより短く、30分未満、より好ましくは約5〜10分でとり行われる。500℃以上の温度で焼成時間を延長すると、所望のアンモニウムイオン交換に伴って、意図せぬ脱アルミニウム化作用を引き起こし、そして殆どの有機アンモニウムテンプレートは低温度下で容易に分解してしまうため、焼成が不必要に荒くなってしまう。
イオン交換型のUZM−15は、以下の実験式によって表される。
Figure 2012102014
ここでR、x、y及びEは上に述べたのと同じ定義にて用いられるが、m’は0〜7.0の値を有し、M’は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、水素イオン、アンモニウムイオン、及びそれらの混合物から成る群より選択されるカチオンであり、n’はM’の加重平均原子価であって、1〜3の範囲で変化し、r’は0〜7.0であって、r’+m’>0であり、そしてpはRの加重平均原子価であって、+1〜+2の範囲で変化する。z’の値は以下の式によって表される。
Figure 2012102014
式(2)によって表されるUZM−15ゼオライトは、アルミニウム除去のためにさらに処理され、そして必要に応じてシリコンを挿入し、これによってSi/Al比を高め、上記ゼオライトの酸性度及びイオン交換特性を修正する。これらの処理には、a)フルオロシリケート溶液又は懸濁液との接触処理、b)その後に酸抽出又はイオン交換が続く焼成又は蒸気処理、c)酸抽出、又はd)これらの処理をいずれかの順序で組み合わせた処理が含まれる。
フルオロシリケート処理は従来知られている技術であり、ゼオライトをフルオロシリケート塩で処理する工程を含んだ米国特許第4,711,770号を引用する米国特許第6,200,463号明細書中に記載されている。両特許ともその全体が参照として組み込まれている。この処理の一般的条件として、ゼオライトを、20℃〜90℃の温度下でフルオロケイ酸アンモニウム(AFS)などのフルオロシリケート塩を含む溶液に接触させる処理がある。
酸抽出を行う際に用いられる酸には、鉱酸、カルボン酸及びそれらの混合物などが含まれる。これらの例として、硫酸、硝酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、シュウ酸等が含まれる。用いられる酸の濃度は決定的に重要な意味合いは持たないが、1重量%〜80重量%酸、好ましくは5重量%〜40重量%酸の範囲であると都合がよい。酸抽出の条件には、10℃〜100℃の温度で10分〜24時間の条件も含まれる。一旦酸で処理されると、処理済のUZM−15ゼオライトを濾過処理などの方法で分離し、脱イオン水で洗浄し、最大100℃までの大気温度下で乾燥させる。1つ又は複数の処理を通過し、これによってアルミニウムが除去され、また必要に応じてシリコンをその骨格内に挿入されたUZM−15ゼオライトを、以下、UZM−15HSと呼ぶことにする。
酸抽出より得られる脱アルミニウムの効果の程度は、出発UZM−15のカチオン型、そして抽出が行われる際の酸濃度、時間及び温度によって決まる。例えば、出発UZM−15に有機カチオンが含まれている場合、脱アルミニウムの効果の程度は、有機カチオンが除去されたUZM−15と比較すると僅かである。これは、もし脱アルミニウムの作用がUZM−15の表面でのみ生ずるよう意図される場合には好適である。上述のように、有機カチオン除去のための好適な方法としては、焼成、アンモニア焼成、蒸気処理及びイオン交換が含まれる。焼成、アンモニア焼成及びイオン交換の条件は上に示したとおりである。蒸気処理の条件としては、1%〜100%の蒸気で400℃〜850℃の温度で10分〜48時間、好ましくは5〜50%の蒸気濃度で500℃〜600℃の温度で1〜2時間の条件が含まれる。
なお強調すべきこととして、焼成及び蒸気の両処理は有機カチオンを除去するのみならず、ゼオライトを脱アルミニウム化する作用も併せ持つ。従って脱アルミニウム化のための代替的実施の形態には、酸抽出が後に続く焼成処理、及び酸抽出が後に続く蒸気処理が含まれる。また脱アルミニウム化のための更なる実施の形態には、出発UZM−15ゼオライトを焼成又は蒸気処理し、その後にイオン交換が続く処理が含まれる。勿論、酸抽出をイオン交換と同時、その前又はその後に行うことも可能である。
イオン交換の条件は前記に同じ、つまり15℃〜100℃の温度及び20分〜50時間の時間である。イオン交換は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、水素イオン、アンモニウムイオン及びそれらの混合物から構成される群より選択されるカチオン(Ml’)から成る溶液を用いて行われる。このイオン交換を行うことによって、Mlカチオンは第2の又は異なるMl’カチオンと交換される。好適な実施の形態において、蒸気処理又は焼成工程の後、UZM−15HS組成物をアンモニウム塩を含むイオン交換溶液と接触させる。アンモニウム塩の例として、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、酢酸アンモニウムなどが挙げられるが、これらに限定はされない。溶液を含んだアンモニウムイオンは、必要に応じて硝酸、塩酸、硫酸及びそれらの混合物などの鉱酸を含む。上記鉱酸の濃度は、H+対NH4 +比を0〜1とするのに必要なだけの量である。このアンモニウムイオン交換は、蒸気及び/又は焼成処理の後、細孔内に存在するデブリーの除去のために寄与する。
これまで述べたことからも明らかなように、有効な工程条件に関して、脱アルミニウム工程を通じてゼオライトの結晶構造の完全性がほぼ維持され、またゼオライトがその元の結晶化度の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%に維持されることが望ましい。出発物質の結晶化度に対する生成物の結晶化度を評価する簡便な方法は、それら各X線粉末回折パターンのdスペースの相対強度を比較することである。上記の条件を前提とした任意の装置において出発物質のピーク強度の合計を標準として用い、続いて生成物の対応するピーク強度と比較する。例えばモレキュラーシーブ生成物のピーク高さの合計が出発ゼオライトのピーク強度の合計値の85%である場合は、85%の結晶化度が維持されたことになる。実際には、この目的のためのピークの一部のみ、例えば最高ピークの5又は6を利用するのが一般的である。結晶化度維持のその他の目安は、表面領域及び吸着能である。これらの試験は、置換金属が著しく変化、例えば試料によるX線吸収が増加する場合、又はピークが脱アルミニウムなどの工程において実質的に変化する場合に好適である。
上述の脱アルミニウム処理のいずれかを経過した後、UZM−15HSは通常乾燥させられ、以下に示すような色々な手順で用いられる。出願人は、上記UZM−15HSの性質が、1つ又は複数の追加処理によってさらに改質が可能であることを発見した。これらの処理には蒸気処理、焼成処理、イオン交換が含まれ、個別に又はいずれかの組み合わせで行うことができる。これら組み合わせのいくつかの例を以下に示す(これらに限定はされない)。
蒸気処理 → 焼成処理 → イオン交換;
焼成処理 → 蒸気処理 → イオン交換;
イオン交換 → 焼成処理 → 蒸気処理;
イオン交換 → 蒸気処理 → 焼成処理;
蒸気処理 → 焼成処理;
必ずしもその結果が等しくなるとは限らないが、上述の脱アルミニウム処理をいずれかの順序で組み合わせ、本発明のゼオライトを生成することも可能である。なお強調すべきこととして、処理の特定の順序、例えばAFS、酸抽出、蒸気処理、焼成処理、その他を必要な回数繰り返し、所望の性質を得ることも可能である。勿論、1つの処理を繰り返しその他の処理を繰り返さない、例えば蒸気処理又は焼成処理等を行う前にAFSを2回以上繰り返すということも可能である。最後に、処理の順序及び/又は反復は、最終的なUZM−15HS組成物の性質を決定する。
上記のように調製されたUZM−15HSは、無水換算で以下の実験式によって表される。
Figure 2012102014
ここでM1は、アルカリ、アルカリ土類金属、希土類金属、アンモニウムイオン、水素イオン及びそれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1つの交換性カチオンであり、aはM1対(Al+E)のモル比であって、0.01〜50の範囲で変化し、nはM1の加重平均原子価であって、+1〜+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、クロム、インジウム及びそれらの混合物から成る群より選択される元素であり、xはEのモル分率であって、0〜1.0の範囲で変化し、y’はSi対(Al+E)のモル比であって、7.0よりも大きい値からほぼ純粋なシリカまでの範囲で変化し、そして、z”はO対(Al+E)のモル比であって、以下の式によって定められる値を有する。
Figure 2012102014
ほぼ純粋なシリカとは、殆ど全てのアルミニウム及び/又はE金属が骨格より除去されたということを意味する。全てのアルミニウム及び/又はE金属を除去するのは、事実上不可能であることはよく知られている。数に関して、y’が少なくとも3,000、好ましくは10,000そして最も好ましくは20,000の値を有している場合、ゼオライトはほぼ純粋なシリカである。従ってy’の値の範囲は、7から3,000までの範囲、好ましくは10より大きい値から3,000までの範囲であり、7.0から10,000までの範囲、好ましくは10より大きい値から10,000までの範囲、そして7.0から20,000までの範囲、好ましくは10より大きい値から20,000までの範囲である。
ゼオライト出発物質の比率又はここで用いられるゼオライト生成物の吸着能等を特定する際、特に明記しない限りゼオライトの『無水状態』を意味する。ここで『無水状態』という用語は、物理吸着及び化学吸着水の両方を実質的に有していないゼオライトを指す用語として用いられる。
この発明のゼオライト(UZM−15及びUZM−15HSの両方)は、分子サイズ(運動直径)又は分子種の極性の度合いに基づいて、分子種の混合物を分離させることができる。分子種の分離が分子サイズに基づく場合、分離は、結晶内空間に入り込む小さな分子種によって、一方でより大きな種を排除しながら行われる。酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素等の種々の分子の運動直径が、D.W. Breck, Zeolite Molecular Sieves, John Wiley and Sons (1974) p. 636に記載されている。
本発明の結晶性ミクロ多孔組成物は、その合成時又は改質後のいずれのものでも、炭化水素転化工程における触媒として又は触媒担持体として用いることができる。炭化水素転化工程は従来よく知られた技術であり、開環、分解、水素化分解、芳香族化合物及びイソパラフィン両方のアルキル化、異性化、重合、改質、脱ろう、水素化、脱水素化、トランスアルキル化、脱アルキル化、水和、脱水、水素処理、水素化脱窒素処理、水素化脱硫処理、メタン生成及び合成ガスシフト工程が含まれている。これらの工程に用いられる供給原料の特定の反応条件及び種類については、本件に参照として組み込まれている米国特許第4,310,440号及び第4,440,871号明細書において述べられている。好適な炭化水素転化工程は開環であって、環状炭化水素はこれによって非環状炭化水素、つまり直鎖又は分枝状の炭化水素に転化する。その他の好適な工程としては、直鎖パラフィンを分枝パラフィン、特に単一分枝パラフィンに転化させる水素化異性化、及び軽質オレフィンを高分子量オレフィンに転化させるオリゴマー化が挙げられる。
これらの結晶性ミクロ多孔組成物によって、アルキル芳香族化合物の塩基触媒側鎖アルキル化、アルドール縮合、アセチレンのオレフィン二重結合異性化及び異性化、アルコール脱水素化、及びアルコールからオレフィンへのオレフィン二量体化、オリゴマー化、転換を含め、その他の反応が触媒される。これらの原料の適切なイオン交換形態によって、自動車及び産業の排気流中におけるNOxからN2への還元を触媒することができる。これらの工程に用いられる供給原料の反応条件のいくつかと、そして種類については、本件に参照として組み込まれている米国特許第5,015,796号明細書、及びH. Pines, THE CHEMISTRY OF CATALYTIC HYDROCARBON CONVERSIONS Academic Press (1981) pp. 123-154、及びそこに含まれる参照において述べられている。
以下の実施例(及び上記表)において示されるX線パターンは、標準的X線粉末回折技術を用いて得られた。上記放射線源は、45kV及び35maで作動する高強度X線管であった。銅K−アルファ線からの上記回折パターンは、コンピュータを利用した適当な技術によって得られた。平坦な圧縮粉末試料を、分あたり2°(2θ)の走査速度で2°〜70°(2θ)の範囲、また必要に応じて分あたり3°(2θ)の走査速度で、0.05°刻みで3°〜40°(2θ)の範囲を継続的に走査した。2θとして表される回折ピークの位置から、オングストローム単位の面間隔(d)が得られた。ここでθは電子化データより観察した際のブラッグ角である。バックグラウンドデータを減算した後の回折ピークの統合面積から強度を判定した。“Io”は最強線又はピークの強度であり、そして“I”はその他の各ピークの強度であった。
当業者には周知のように、パラメータ2θの判定には人的及び機械による誤差が伴い、両者を合わせて、2θの各報告値には±0.4、そしてナノ結晶性物質の報告値には最大で±0.5の誤差が発生し得る。もちろんこの誤差は、θ値より計算されるdスペースの報告値においても明らかである。この不正確性は当技術を通じて一般的なものであって、本結晶性物質の相互の区別、及び先行技術の組成物との区別を妨げる程のものではない。
報告されたX線パターンのいくつかにおいては、dスペースの相対強度はvs、s、m及びwの表記によって示され、これらは非常に強い強度、強い強度、中位の強度、及び弱い強度をそれぞれ表している。100×I/Ioの観点からみて、上記表記はw=0−15、m=15−60、s=60−80、そしてvs=80−100と定義される。場合によって合成物の純度は、そのX線粉末回折パターンを基準にして判定される。従って例えば、ある試料が純粋であると表記された場合、それは上記試料のX線パターン中に結晶性不純物に起因するラインが存在しないということのみを意図するのであって、非晶質性物質が存在していないというわけではない。
本発明をより十分に説明するため、以下に実施例を示す。なお、この実施例は例を挙げての説明のみを目的として示されるものであって、添付請求項に示される本発明の広範な範囲に過度の制限を設けることを意図して示されるものではない。
〔実施例1−8〕
異なるテンプレート、条件及びシリコン源を用いてUZM−15組成物を調製するために、一連の実施例を行った。一般工程には、Al(OSec−Bu)3及び、例えばDEDMAOHである有機テンプレート化剤の混合物を形成する工程が含まれた。これにシリコン源を加え、上記混合物を均質化させた。上記シリコン源がTEOSであった場合、上記溶液を、エタノール及びsec−ブタノール、及びアルコキシドの加水分解生成物として形成された水を除去することによって濃縮させた。必要に応じて上記溶液/混合物を熟成させ、第2テンプレート化剤を追加し、最後に結晶化を行った。固体生成物を収集し、洗浄、乾燥させて、続いてX線回折分析を含んだ複数の分析手法によって特徴付けを行った。各実施例に対する特定の条件を表1に示し、特性データを表2−5に示す。
Figure 2012102014
Figure 2012102014
Figure 2012102014
Figure 2012102014
Figure 2012102014
〔実施例9〕
実施例1の生成物の一部をHCl溶液、すなわち生成物1g当たり5重量%のHCl溶液を2ml用いて処理した。懸濁液を95℃まで加熱し、その温度のまま1時間撹拌しながら保持した。固体を収集し、脱イオンで洗浄し、そして上記手順を繰り返した。洗浄した物質を95℃で乾燥させた。続いて上記物質を空気中で、450℃で17時間かけて焼成した。HClで処理し、焼成した上記物質は、モル比がSi/Al=13.09、Na/Al=0.01、及びN/Al=0.07の組成を有していた。BET表面積は372m2/gであると判定され、細孔の容積は0.13cc/gであった。X線回折パターンは、それがUZM−15HSであることを示した(表9)。
Figure 2012102014
〔実施例10〕
ETMAOH、Si及びAlを含み、Si/Al比が15.79であるアルミノシリケート原液569.7gに、脱イオン水371.06g中にTMABr32.41g及びKBr50.06gを含んだ溶液を加えた。生成した混合物をParr2リットル撹拌反応器に移し、150℃で48時間反応させ、続いて冷却した。生成物を濾過処理によって分離し、脱イオン水で洗浄し、そして乾燥させた。
上記生成物は、粉末X線回折分析を経由してUZM−15と同定された。パターン中の代表回折ラインを以下の表10に示す。元素分析によって、上記物質がSi/Al=11.07、K/Al=0.81、Na/Al=0.03、N/Al=1.06及びC/N=4.89の元素モル比によって構成されていることが示された。上記生成物の一部75gを、硝酸アンモニウム溶液(NH4NO375gを脱イオン水750g中に溶解させた)中で80℃の温度下で2時間かけて、2度アンモニウム交換を行った。UZM−15のこのアンモニウム交換生成物を、以下の複数の変形例において用いた。この生成物の一部50gを、N2中で500℃の温度で2時間かけて焼成し、続いて空気中で500℃の温度でさらに6時間焼成した。元素分析によって、上記焼成、交換UZM−15生成物が、Si/Al=11.07、K/Al=0.01及びNa/Al=0.003の元素モル比を有していることが示された。窒素吸着測定によって判定されたBET表面積は361m2/g、細孔容積は0.09cc/gであった。
Figure 2012102014
〔実施例11〕
(NH42SiF61.47gを脱イオン水150gに溶解させることによってAFS溶液を調製した。続いて、脱イオン水200g中に実施例10のアンモニウム交換UZM−15を14g含んだゼオライト懸濁液を、上記AFS溶液に撹拌しながら加えた。懸濁液を20分間撹拌し、次にこの反応混合物をテフロン(登録商標)ボトルに移し、密封し、そして90℃の温度下で17時間シェーカーバス内に置いた。生成物を濾過処理によって分離し、脱イオン水で洗浄し、そして空気中で乾燥させた。
AFS処理の脱アルミニウム生成物を、X線粉末回折分析を通じてUZM−15HSと同定した。パターンは親UZM−15物質のパターンと非常に似通っていた。代表回折ラインを以下の表11に示す。AFS生成物の一部12.55gを、窒素中で、500℃で2時間焼成し、空気中でさらに6時間焼成した。また焼成物質のX線回折パターンを表11に示す。ゼオライト骨格のさらなる脱アルミニウム化が生じる際に、回折ラインのいくつかに僅かな移動及び幅の広がりが観察される。上記焼成生成物の元素分析によって、Si/Al=13.57の元素モル比が示され、上記Alの18%が母材から除去されていることが示された。上記BET表面積は356m2/gであって、一方細孔容積は0.09cc/gであった。
Figure 2012102014
〔実施例12〕
シュウ酸二水和物65gを含んだ溶液250mlに、実施例10の焼成アンモニウム交換UZM−15を30g加え、そして生成した懸濁液を71℃で2時間、撹拌しながら加熱した。生成物を濾過処理によって分離し、脱イオン水で洗浄し、そして150℃で乾燥させた。
上記生成物は、粉末X線回折によってUZM−15HSと同定された。代表回折ラインを以下の表12に示す。上記試料の一部を375℃で3時間焼成した。焼成物質のX線回折パターンは、上記処理された生成物のパターンと同様であった。代表回折ラインを表12に示す。元素分析によって、上記焼成物質がSi/Al=15.88、K/Al=0.02、及びNa/Al=0.007の元素モル比によって構成されていることが示された。脱アルミニウム化の程度は、この物質の含むAlが実施例10の母材よりも28%少ない程度である。上記BET表面積は340m2/g、そして細孔容積は0.093cc/gであった。
Figure 2012102014
〔実施例13〕
実施例10の親ゼオライトの試料60gを、1.57MのHClの120ml中に懸濁させ、95℃の温度で1時間維持した。生成物を濾過処理によって分離し、脱イオン水によって十分に洗浄した。この工程をもう1度繰り返し、この生成物を95℃で乾燥させた。続いて上記生成物を窒素中で、500℃で2時間焼成し、そして空気中でさらに6時間焼成した。
上記生成物はX線回折分析によってUZM−15HSと同定された。代表回折ラインを表13に示す。元素分析によって、上記生成物がSi/Al=13.21、K/Al=0.03及びNa/Al=0.003の元素モル比によって構成されていることが示された。この脱アルミニウム化の結果、ゼオライトよりアルミニウムが15%除去された。このBET表面積は329m2/g、そして細孔容積は0.084cc/gであった。
Figure 2012102014
〔実施例14〕
アルミニウムトリsec−ブトキシド25.68gをETMAOH712.73gに強く撹拌しながら加え、続いてコロイダルシリカ257.64gを加えることによって、アルミノシリケート原液を調製した。混合物を30分間均質化させ、続いて自生圧下で、98℃で36時間反応させた。そして、生成した澄明な溶液を室温になるまで冷却した。KBr50.06g及びTMABr32.41gを脱イオン水371.60gに溶解させることによって第2溶液を調製した。続いてこれをアルミノシリケート溶液全体に加え、30分間混合させた。混合物をオートクレーブに移し、自生圧下、150℃で6日間かけて結晶化させた。UZM−15生成物を濾過処理によって分離させ、脱イオン水によって洗浄し、70℃で乾燥させた。続いてその物質を、1.57MのHCl水溶液に95℃の温度下で1時間かけて懸濁させ、濾過処理し、洗浄した。この手順を2回繰り返した。続いてその物質を洗浄し、95℃で乾燥させた。
上記酸抽出された生成物は、粉末X線回折分析によってUZM−15HSと同定された。上記生成物の代表回折ラインを表14に示す。元素分析によって、上記生成物がSi/Al=14.25の元素モル比から構成されていることが示された。窒素吸着によって判定された焼成物質のBET表面積は380m2/gであり、細孔容積は0.11cc/gであった。
上記試料の内60gを、水平スチーマを用いて50%のスチームで、600℃で4時間スチーム処理をすることによって、試料のさらなる脱アルミニウム化を行った。窒素吸着によって、上記スチーム処理された試料のBET表面積が275m2/gであり、一方細孔容積が0.063cc/gであることが示された。HNO3(69%)19.7gを脱イオン水350g中で希釈することによって調製した溶液を用いて、上記スチーム処理されたUZM−15HSの一部20gを酸抽出した。上記スチーム処理されたUZM−15HSを追加する前に溶液は90℃まで加熱された。生成した懸濁液を90℃の温度下で1時間かけて撹拌した。生成物を濾過処理によって分離し、脱イオン水で洗浄し、そして98℃で乾燥させた。改質した生成物は、X線粉末回折分析によってUZM−15HSであると判定された。上記生成物の特徴的回折ラインを表14に示す。元素分析によって、上記生成物がSi/Al=20.1の元素モル比を有していることが示された。
Figure 2012102014

Claims (6)

  1. 合成時点、そして無水形態での成分のモル比が以下の組成を有しているミクロ多孔結晶質ゼオライトであって、
    Figure 2012102014
    ここで、Mはアルカリ及びアルカリ土類金属から成る群より選択される少なくとも1つの交換性カチオンであり、“m”はM対(Al+E)のモル比であって、0〜2.0の範囲で変化し、Rは少なくとも2つの炭素原子を有する少なくとも1つの有機基を含む少なくとも1つの第1の第4級有機アンモニウムカチオン、及び必要に応じて、第4級アンモニウムカチオン、プロトン化アミン、プロトン化ジアミン、プロトン化アルカノールアミン、ジ第4級アンモニウムカチオン、4級化アルカノールアミン及びそれらの混合物から成る群より選択される第2の有機アンモニウムカチオンであり、“r”はR対(Al+E)のモル比であって、0.25〜5.0の値を有し、EはGa、Fe、In、Cr、B及びそれらの混合物から成る群より選択される元素であり、“x”はEのモル分率であって、0〜1.0の範囲で変化し、“n”はMの加重平均原子価であって、+1〜+2の値を有し、“p”はRの加重平均原子価であって、+1〜+2の値を有し、“y”はSi対(Al+E)のモル比であって、7〜50の範囲で変化し、そして“z”はO対(Al+E)のモル比であって、以下の式によって定義される値を有しており、
    Figure 2012102014
    上記ゼオライトは、表Aに示すdスペース及び相対強度を少なくとも有するX線回折パターンを有している、ことを特徴とするミクロ多孔結晶質ゼオライト。
    Figure 2012102014
  2. “m”が0であることを特徴とする請求項1記載のゼオライト。
  3. Rが、ジエチルジメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルブチルアンモニウム、プロピルエチル−ジメチルアンモニウム、N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチル−1、4−ブタンジアンモニウム各カチオン及びそれらの混合物から成る群より選択される第1の有機アンモニウムカチオンのみであることを特徴とする請求項1記載のゼオライト。
  4. 請求項1記載のゼオライトを処理条件にて調製する方法であって、該方法により骨格アルミニウムの少なくとも一部を除去し、そして必要に応じて、シリコンを上記骨格内に挿入してミクロ多孔結晶質ゼオライトを生成するステップを含み、
    上記処理工程が、フルオロシリケート溶液又は懸濁液による処理、弱、強又は複合酸による抽出処理、焼成、焼成プラスイオン交換、焼成プラス酸抽出、スチーム処理プラスイオン交換、スチーム処理プラス酸抽出、及びそれらの組み合わせから成る群から選択され、そして無水換算で成分のモル比が以下の実験式で表され、
    Figure 2012102014
    ここで、M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アンモニウムイオン、水素イオン及びそれらの混合物から成る群より選択される少なくとも1つの交換性カチオンであり、aはM1対(Al+E)のモル比であって、0.01〜50の範囲で変化し、Eはガリウム、鉄、ホウ素、クロム、インジウム及びそれらの混合物から成る群より選択される元素であり、xはEのモル分率であって、0〜1.0の範囲で変化し、nはM1の加重平均原子価であって、+1〜+3の値を有し、y’はSi対(Al+E)のモル比であって、7より大きい値を有し、そしてz”はO対(Al+E)のモル比であって、以下の式によって定義される値を有しており、
    Figure 2012102014
    上記ゼオライトは、表Bに示すdスペース及び相対強度を少なくとも有するX線回折パタ
    ーンを有している、ことを特徴とする方法。
    Figure 2012102014
  5. 炭化水素転化方法であって、該方法が、炭化水素流を、炭化水素転化条件下で触媒合成物と接触させ、転化生成物を生成するステップを含んでおり、前記触媒合成物が、請求項1記載のミクロ多孔結晶質ゼオライト、又は請求項4記載の方法で調製されたミクロ多孔結晶質ゼオライト、又はそれらの混合物を含んでいることを特徴とする炭化水素転化方法。
  6. 上記炭化水素転化方法が、芳香族化合物のアルキル化、キシレンの異性体化、ナフサ分解、開環、トランスアルキル化、イソパラフィンのアルキル化、エチルベンゼンの異性体化、及びオレフィンオリゴマー化から成る群から選択されることを特徴とする請求項5記載の方法。
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