JP2012101264A - ダブルボールベアリング用内・外輪の鍛造方法 - Google Patents

ダブルボールベアリング用内・外輪の鍛造方法 Download PDF

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正行 置田
Mitsuaki Okita
光明 置田
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Abstract

【課題】ダブルボール型ベアリング用の内・外輪用部品を、丸鋼材から熱間鍛造だけで一貫して製造でき、歩留りの向上と製造コストや材料費の低減、省エネを図る。
【解決手段】鋼材製の短円柱状の素材1を、熱間鍛造機械で加圧して、一側端面の外周寄りに環状のテーパー状部6と短円筒状延出部5を形成し、次に該素材1の前後を反転した状態で加圧して、外周寄りに環状のテーパー状部11と平坦部11と短円筒状延出部10とを形成し、続いて上記環状平坦部11とテーパー状部12との境界線kで打ち抜くと同時に中央部に丸孔13を形成し、残った短円筒状部分を外輪用部品Aにすると共に、打ち抜いた部分を内輪用部品Bの中間部品1bとして、次に丸孔13周部をダイス側へ曲げと圧造加工を行って、短円筒状部18と、外周に環状の鍔部16と内周に環状テーパー状部17を形成して、1個の鍔付き内輪用部品Bとする。
【選択図】 図13

Description

本発明は、外輪内部に2個の内輪をもつダブルボール型ベアリングの外輪用部品と1個の内輪用部品を、丸鋼材から鍛造にて製造する方法に関し、製造コストや材料費の低減と省エネを図ることを特徴とするものである。
一般にベアリング用の内・外輪の製造には、例えば鋼板から製造するもの(例えば特開2007−170586号公報参照)や、鋼管から製造するもの(例えば特開2007−130673号公報参照)もあるが、本発明は丸鋼材から鍛造で容易・迅速かつ経済的に製造する方法である。
丸棒状の鋼材から鍛造で製造する方法としては、例えば、鋼材製の棒状素材を所定寸法に切断して短円柱状部材とし、それを熱間鍛造により円盤状部材に加圧成形した後、次いで冷間鍛造により金型で加圧して据え付け圧造し、有底の鍔付き短円筒状部材を形成し、その後に底板部分を抜き出すことで短円筒状部品を形成し、その後に焼鈍処理等を行うものがあった。
また、外輪用部品と内輪用部品とを製造する場合では、上記と同様にして鍔付き短円筒状部品を形成した後に、上・下に分離して外輪用部品と内輪用部品とを形成している。上記いずれの場合も、熱間鍛造と冷間鍛造との組み合わせにより製造している。
特開2005−205457 特開2005−211929 特開2005−271034 特開2005−288505 特開2002−172450 特開昭59−039443 特開平07−009064 特開2005−205457
ところが、上記の従来から行われている方法や先行技術文献に記載の方法には、次のような問題点があった。
イ)冷間鍛造による工程を用いるので、そこでの鍛造機械は加圧トン数の大きい大型のものが必要となる。そのため、製造コスト高となると共に、金型の寿命も短く、また歩留りも悪くなっている。これは、肉厚の大きいもの、鍔部や短円筒状部が長い製品ほどその傾向が強い。
ロ)熱間鍛造と冷間鍛造の両加工処理を用いるために、両方の鍛造機械を設置するか、複数の機構をもつ鍛造機械を備える必要が生じ、この面からも製品がコスト高とならざるを得ないし、また後の焼鈍処理のために再度の加熱が必要となって、省エネに反すると共に小ロットでの生産も難しかった。
ハ)鍔部の下方に短円筒状部を加圧成形し終わった時点で有底で、その後に短円筒状部の底部を抜き出している。短円筒状部を圧造中は、短円筒状部分が底板部分で繋がっているから、加圧時に鋼材の肉がうまく移動せず、流れに抵抗を受けてスムーズな成形が行われなかった。肉厚の大きいものや短円筒状部が長い製品ほどその傾向にある。上記と同様に金型に加える加圧トン数が大きいものが必要となり、この面でも鍛造機械は大型化せざるを得なかった。
ニ)また底有の鍔部付き短円筒状部を圧造後に底部を打ち抜いているので、その際に除去する鋼材のロスも少なく無いし、それまでの工程でその部分も含めて加熱処理しているため、エネルギーの無駄もあった。
ホ)そして、本願発明と同じダブルボール型ベアリング用の内・外輪用部品を丸鋼材から製造するものとして、例えば上記特許文献8の特開2005−205457に記載の手段がある。これは「棒鋼からなる鋼素材を据込み加工して据込み加工材とし、据込み加工材を外輪素形と外輪素形の下段に外径および内径をそれぞれ外輪素形の外径および内径より狭小とし、かつ底部に打抜き部を有する内輪素形を積み重ねた親子鍛造品に熱間鍛造し、これを外輪素形と底面に打抜き部を有する内輪素形とに打抜き分離し、さらに内輪素形の打抜き部を打抜き除去し、得られた外輪素形および内輪素形を一旦熱処理した後、さらに切削加工して外輪および内輪に仕上げる」というものである。
しかしこの技術は、得られた外輪素形および内輪素形を一旦熱処理した後に、製品としての所望寸法の外輪および内輪にするために、目的とする旋削断面形状を大幅に越えた削り代を切削加工する工程が必要となり、手間がかかるし歩留りも良くないという問題点があって、現在は殆ど実施されていないものである。
本発明は、上記従来の鍛造方法の問題点の解決を課題としたものである。本発明の目的は、丸鋼材から鍛造によってダブルボール型ベアリングの内・外輪用部品を製造する場合に、短円筒状の外輪用部品と鍔付き短円筒状の内輪用部品を、冷間加工や切削工程を必要とせずに熱間鍛造だけで削り代が少ない形状のものを、即ち少ない旋削加工によりほぼ目的の旋削断面形状のものを製造できると共に、比較的小さい加圧トン数の鍛造機械による一連の工程で製造を可能として、歩留りの向上と製造コストや材料費の低減や省エネを図れる手段を提供することにある。
本発明に係るダブルボールベアリング用内・外輪の鍛造方法は、
熱間鍛造機械により、鋼材製の短円柱状素材1をダイス2とポンチ3により加圧して、該素材1の一側部に、外輪用部品の片側の短円筒状の延出部5と、その奥部内周に1つの環状のテーパー状部6とを形成し、
次に、その素材1の前部・後部を反転して、次のダイス7とポンチ8で加圧し、中間板部9を残した状態で他側部に、他側の短円筒状の延出部10と、その奥部内周にもう1つの環状のテーパー状部12と、その内周寄りに環状板部11とを形成し、
次いで、該素材1を切断用のダイス33とポンチ34で加圧して、上記環状板部11とテーパー状部12との境界線kに沿って打ち抜くと同時に中央部分に丸孔13を打ち抜いて、残った短円筒状の部分を外輪用部品Aにし、
上記で打ち抜いた丸孔13付きの円盤状部分を内輪用部品Bの中間部品1bとして、さらに別のダイス14とポンチ15で加圧して丸孔13の周部をダイス側への曲げと圧造加工を行い、内輪用部品としての短円筒状部18と、その片側外周に環状の鍔部16と、内周に環状のテーパー状部17とを成形して、それを1個の鍔付き内輪用部品Bとする。
なお、鍔付き短円筒状の内輪用部品Bのもう1個は、本出願人が先に提案した特開2010−188355公報に記載の製造方法により、別途形成することが望ましい。
即ち、鋼材製の棒状素材を所定長さに切断して短円柱状の素材を形成した後に、熱間鍛造機械により、上記短円柱状の素材の端面を加圧して円盤状部材とし、次に鍔付き短円筒状へ加圧成形する工程の前の段階で、該円盤状部材の中央部に円形状の凹所を形成すると共に、該円形状凹所の底板部分の中心部に丸孔を打ち抜いて、孔付き円盤状部材とし、その後に該孔付きの円盤状部材をダイスとポンチで加圧し、丸孔の周部を下方へ曲げと圧造加工を行って、下方への短円筒状部を曲げ成形することにより、鍔付き短円筒状部の内輪用部品Bに形成すればよい。
イ)本発明によれば、ダブルボール型ベアリングの外輪用部品と1個の内輪用部品を容易・迅速に製造できる。
即ち、本発明では外輪用部品Aおよび内輪用部品Bの製造を、短円柱状の素材1から後の工程は全て熱間鍛造によればよく、冷間工程や切削工程を必要とせずに一貫して熱間加工の鍛造機械だけで削り代が少ない形状のもの、即ち少ない旋削加工によりほぼ目的の旋削断面形状のもの、つまりほぼ製品としての所望寸法・形状に近いものを製造できる。また後に焼鈍処理のために再度の加熱処理をする工程も必要ない。そのため、外輪用部品Aおよび内輪用部品Bの製造工程は従来方法に比べてシンプルになっており、容易・迅速に製造を行えるようになるし、歩留りも向上できて、製造コストの低減を図ることができると共に、省エネを図ることもできる。
ロ)本発明によれば、全面拘束鍛造にて加工を行うもので、従来の据込み加工よりも鍛造幅が少ないから、加圧トン数が比較的小さい鍛造機械による製造が可能となり、この面からも製造コストの低減と歩留りの向上も図ることができる。
即ち、従来の製造方法は、上記の如く鍛造機械は加圧トン数の大きいものが必要で、製造コスト高となると共に金型の寿命も短く、また歩留りも悪かった。しかし本発明では、鍔付き短円筒状の内輪用部品Bの製造工程において、中間部品1bの中央の丸孔13の周部を下方への曲げと圧造により形成するものであり、加圧成形時に短円筒状部は下部で繋がっていない。そのため、加圧成形時に丸孔13の周部で鋼材の肉が移動しやすく、無理なくスムーズに下方へ折り曲げられて短円筒状へ成形され易くなっており、鍔付き短円筒状の内輪用部品Bの製造を省エネと比較的小さい力で容易・迅速に行える。
ハ)本発明は、その製造工程で不要部分として除去する鋼材を少なくして、材料費の無駄を排し、かつコストダウンを図ることができる。
即ち、本発明は上記の如く、鍔付き短円筒状の内輪用部品Bは、円盤状の中間部品1bに予めポンチ抜きして丸孔13を形成し、該丸孔13の周部を、従来の通常の圧造と異なり曲げと圧造加工によって、その際のポンチ側への短円筒状部18を曲げ成形している。
そのため、従来の通常の圧造後に短円筒状部の底部を打ち抜くものに対しては勿論のこと、圧造前に予め丸孔を形成しておくものと比べても、予め形成しておく丸孔13に比べて小さくてよい。これにより、製造工程で抜きカス(ポンチカス)として鋼材を除去する体積が少なくなり、材料費を削減できる。それに加えて、不要部として除去される部分の体積が小さいことは、加熱処理するエネルギーの無駄も少なくなるから、この面でも省エネを図ることができる。
ニ)さらに省エネを図ることができると共に、小ロット生産も容易になる。
即ち、従来方法では、短円柱状の素材1をまず熱間鍛造で円盤状部材に形成し、それを冷間鍛造で金型で加圧して鍔付き短円筒状部品を成形した後に、焼鈍処理を行っていた。そのため、当初の熱間処理時と後の焼鈍処理時とで各々加熱処理を行う必要があった。
これに対して本発明は、短円柱状の素材1から後の工程は全て熱間鍛造によればよく、一貫して熱間加工の鍛造機械だけで製造できるから、後で焼鈍処理のために再度の加熱処理をする必要もない。この面でも製造コストを低減できると共に、省エネを図ることができ、かつ小ロット生産にも適することになる。
本発明により形成した外輪用部品の実施例を示す一部縦断正面図である。 本発明により形成した内輪用部品の実施例を示す一部縦断正面図である。 本発明の実施例で用いた短円柱状素材を示す斜視図である。 図1で示した短円柱状素材をダイスとポンチで加圧前の要部縦断正面図である。 図4で示した状態からダイスとポンチで加圧中の要部縦断正面図である。 図5で示した状態から加圧後の要部縦断正面図である。 図6で示した素材を上下反転させてダイス内に載置した要部縦断正面図である。 図7で示した素材を次のポンチで加圧前の要部縦断正面図である。 図8で示した状態から加圧後の要部縦断正面図である。 図9で示した状態からポンチを引き上げた要部縦断正面図である。 図10で示した状態の素材の要部縦断正面図である。 図11で示した素材を切断用ダイスとポンチで打ち抜こうとする状態の要部縦断正面図である。 図12で示した素材から内輪用中間部品と抜きカスとを打ち抜いた場合の縦断正面図である。 図13に示した内輪用中間部品の縦断正面図である。 図14で示した内輪用中間部品を別のダイスとボンチで加圧前の状態を示す要部縦断正面図である。 図15で示した状態からダイスとポンチで加圧中の要部縦断正面図である。 図16で示した状態からさらに加圧中の要部縦断正面図である。 図17で示した状態から加圧後の要部縦断正面図である。 図18の状態から取り出した状態の内輪用部品の縦断正面図である。
図1は本発明により製造した外輪用部品、図2は内輪用部品の各実施例を示し、図3ないし図19は、本発明に係る鍛造方法(製造方法)の実施例を工程順に示すものである。ここでは横型の熱間鍛造機により行ったが、図は理解し易いよう縦向きで描いており、文中でダイス側とは図では下側を、またポンチ側とは図では上側を意味する。
丸棒状の鋼材として、ここでは高炭素クロム軸受け鋼材を用いており、図3で示すように、熱間切断工程において所定寸法の短円柱状の素材1を形成する。所定寸法は、鍔付き短円筒状部品等の各部の外径、内径、肉厚や高さ(長さ)等を考慮して決定する。
ここでは、外輪用部品Aとして冷却後の寸法が、外径:77.5mm、内径:66.0mm、高さ:45.0mmのものを製造し、また内輪用部品Bとして冷却後の寸法が、短円筒状部17の外径:50.5mm、内径:41.1mm、高さ:23.0mm、鍔部の外径:61.5mm、高さ:6.0mmのものを製造するものとした。そのために、上記短円柱状の素材1の所定寸法が、ここでは直径:50.0mmで、高さ:48.2mmのものを使用した。
全ての工程は熱間鍛造で加工処理するが、熱間処理温度としてここでは短円柱状の素材2を約1100°Cに加熱した状態で、図4で示すように、有底短円筒状で内径:78.4mmのダイス2内に設置し、該短円柱状の素材1の一側端面(図では上端面)をポンチ3で加圧していく。
ここで用いるポンチ3の形状は、図4の如く段付きの円柱状で、その先寄り部分は小径部20になっており、直径:66.7mmとして、その外周面とダイス2の内周面との間で、厚み:約5.3mmの短円筒状空所21をなすようにしてある。この短円筒状空所21は、後の加圧時に素材1の外周部寄り部分がポンチ側へ短円筒状に延出部5を形成するためのものである。また該ポンチ3の先端面は、外周寄り部分以外は平坦状であるが、外周寄り部分に上記小径部20の外周面との間に、約45度の角度で正面図で見て逆ハの字型となる環状テーパー状部24を有している。
このポンチ3による加圧により、図5および図6で示す如く、短円柱状の素材1の一側部には上記小径部20により中央部に凹部4が形成され、その外周部にはポンチ3の小径部20外周の短筒状空所21に沿って短円筒状に延びた短円筒状延出部5が形成され、かつその奥部内周に逆ハの字状に環状テーパー状部6が形成される。
次いで、上記筒状延出部5付きの素材1を図7で示す如く、ターンチャック機構により前・後(図では上・下)を反転させた状態で、次の工程のダイス7内に設置し、次のポンチ8で加圧していく。
ここで用いるダイス7の形状も,有底短円筒状であるが、その奥部に上記で形成された凹部4に係合する凸部22と、短円筒状延出部5を受ける環状凹溝23とを有する。またここでのポンチ7の形状は、図8で示す如く、段付きの円柱状でその先寄り部分は小径部25になっており、ここでもその外周面とダイス7の内周面との間で、幅:約5.3mmの短円筒状空所26をもつように、直径:66.7mmにしてある。この短筒状空所26は、次の加圧時に上部外周に短筒状延出部10を形成させるための空所である。
また該ポンチ8の先端面の中央寄り部分には、加圧時に素材1の中央部に凹状部を形成するための曲面の凸状部27を有し、またその外周辺寄りに環状平坦部28を有すると共に、さらにその外周寄りに上記小径部24の外周面との間で約45度の角度で逆ハの字型の環状テーパー状部29を有している。
このポンチ8で加圧することにより、上記素材1は図9および図10で示す如く変形して、中間板部9を残した状態で素材1のその際の側端部に、外周部にはポンチ8の小径部25外周の短筒状空所26に沿って短円筒状に延びた短円筒状延出部10が形成され、その奥部内周に逆ハの字状に環状テーパー状部12が形成され、それより中央寄り部分には環状平坦部11が形成される(図11参照)。
さらに、上記素材1を切断用のダイス33とポンチ34で加圧するが、ここでのダイス33は上記図10で示した素材1の短円筒状延出部5の端縁を支持する段部を有する。ポンチ34の形状は図12で示すように円筒状で、その先端部(図では下端部)に外周端縁の刃35と内周端縁の刃36とを有するものである。
このダイス33で素材1の中間板部9の円柱状の支持部材37で支持し、ポンチ34の外周端縁の刃35は素材1の環状平坦部11と環状テーパー状部12との境界線kに沿って打ち抜き、同時に内周端縁の刃36により素材1の中央寄り部分を円形状に打ち抜いて丸孔13を形成する。ここでは丸孔13の大きさは、直径約25mmとした。この打ち抜きにより、素材1は図13で示す如く、残った短円筒状部分と、丸孔付きの円盤状部分と、丸孔により形成された抜きカス(ポンチカス)部分とに分離されることになる。
上記で残った短円筒状部分は、前部(図で下部)と後部(図で上部)に各短円筒状延出部5,10が、また内側に二箇所の環状テーパー状部6,12をもつ外輪用部品Aとなる(図1参照)。
また上記で生じた丸孔付き円盤状部分は、内輪用部品への中間部品1bとなるものであり、図15で示すように、別のダイス14によりその外周寄り下面を支持し、別のポンチ15で加圧する。ここでのポンチ15は、同図で示す如く段付き円柱状であり、先部寄りには該中間部品1bの丸孔13の周部を加圧する小径部30を有すると共に、該小径部30に大径部へ向けて逆ハの字状に環状テーパー状部31と環状平坦部32とを有する。また該小径部30の外周とダイス14の内周面との間には、内輪用部品Bに厚みが約4.7mmの短円筒状部18を形成するために、短円筒状空所38を有するようにしてある。
このダイス14とポンチ15とで加圧することで、図16および図17で示すように、内輪用部品となる中間部品1bの丸孔13の周部がダイス側への曲げと圧造加工が行われる。これで、曲げ力が作用して図18で示す如く中間部品1bとして短円筒状の延出部18が形成されると共に、同時にポンチ側が側方へ拡張して環状の鍔部16が形成される。その結果、図19で示す如く鍔付き短円筒状の内輪用部品Bの1個が形成されることになる(図2参照)。
上記の如く、短円筒状で内側に二箇所の環状テーパー部6,12をもつ外輪用部品A、および鍔付き短円筒状の内輪用部品Bを製造する全工程は、熱間鍛造工程で行えるものであり、工程中に焼きなまし工程や切削工程を行っておらず、それでいて所望の最終製品にきわめて近い寸法・形状のものが得られる。上記実施例では横型の鍛造機械によったが、これを縦型の鍛造機械により行ってもよいし、また上記短円柱状の素材は、熱間切断工程での形成に限らず、予め切断機で短円柱状に切断したものを用いてもよい。
なお、ダブルボール型ベアリングで必要なもう1個の鍔付き短円筒状の内輪用部品は、上記の如く、特開2010−188355公報に記載の製造方法で別途形成する。即ち、鋼材製の棒状素材を所定長さに切断して短円柱状の素材を形成した後に、熱間鍛造機械により、上記短円柱状の素材の端面を加圧して円盤状部材とし、次に鍔付き短円筒状へ加圧成形する工程の前の段階で、該円盤状部材の中央部に円形状の凹所を形成すると共に、該円形状凹所の底板部分の中心部に丸孔を打ち抜いて孔付き円盤状部材とし、その後にダイスとポンチで加圧して、丸孔の周部を下方へ曲げと圧造加工を行い、下方への短円筒状部を曲げ成形して、鍔付き短円筒状の内輪用部品に形成するようにすればよい。
本発明は、ベアリングの外輪内に2個の内をもつダブルボール型ベアリングに関して、その短円筒状の外輪用部品Aと鍔付き短円筒状の内輪用部品Bの1個とを、シンプルな工程により丸鋼材から一貫して熱間鍛造だけで製造し、歩留りの向上と製造コストや材料費の低減、そして省エネを図ろうとする場合に有用な製造方法である。
A−外輪用部品
B−内輪用部品
1−素材
1b−中間部品
2−ダイス
3−ポンチ
4−凹部
5−延出部
6−テーパー状部
7−ダイス
8−ポンチ
9−中間板部
10−延出部
11−環状平坦部
12−テーパー状部
13−丸孔
14−ダイス
15−ポンチ
16−鍔部
17−テーパー状部
18−短円筒状部
19−抜きカス
20−小径部
21−短円筒状空所
22−凸部
23−環状凹溝
24−テーパー状部
25−小径部
26−短円筒状空所
27−凸状部
28−環状平坦部
29−テーパー状部
30−小径部
31−テーパー状部
32−環状平坦部
33−ダイス
34−ポンチ
35−刃
36−刃
37−支持部材
38−短円柱状空所
k−境界線

Claims (1)

  1. 熱間鍛造機械により、鋼材製の短円柱状素材1をダイス2とポンチ3により加圧して、該素材1の一側部に、外輪用部品の片側の短円筒状の延出部5と、その奥部内周に1つの環状のテーパー状部6とを形成し、
    次に、その素材1の前部・後部を反転して、次のダイス7とポンチ8で加圧し、中間板部9を残した状態で他側部に、他側の短円筒状の延出部10と、その奥部内周にもう1つの環状のテーパー状部12と、その内周寄りに環状板部11とを形成し、
    次いで、該素材1を切断用のダイス33とポンチ34で加圧して、上記環状板部11とテーパー状部12との境界線kに沿って打ち抜くと同時に中央部分に丸孔13を打ち抜いて、残った短円筒状の部分を外輪用部品Aにし、
    上記で打ち抜いた丸孔13付きの円盤状部分を内輪用部品Bの中間部品1bとして、さらに別のダイス14とポンチ15で加圧して丸孔13の周部をダイス側への曲げと圧造加工を行い、内輪用部品としての短円筒状部18と、その片側外周に環状の鍔部16と、内周に環状のテーパー状部17とを成形して、それを1個の鍔付き内輪用部品Bとする、ダブルボール型ベアリング用の内・外輪用部品の製造方法。
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