JP2012100215A - 画像処理装置、撮像装置および画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 欠陥画素の補正処理と高画質化の処理とを、高精度かつ高速に行うことができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、画像処理部は、第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて、係数パターンを選択し加重加算する。
【選択図】 図1
【解決手段】 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、画像処理部は、第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて、係数パターンを選択し加重加算する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像処理装置、撮像装置および画像処理プログラムに関する。
従来、CCDやCMOSなどの撮像素子は、製造時または製造後に生じる傷などにより正常に動作しない受光素子を欠陥画素として有する。そうした欠陥画素を有する撮像素子によって撮像された画像は、欠陥画素により画質が低下してしまう。そこで、欠陥画素による画質低下を回避するための様々な技術が開発されている。
例えば、欠陥画素を中心とする参照領域における画素値の変化を検出することにより、欠陥画素の画素値を補正するのに最適な方向を決定し、その方向に配置された画素対を参照領域内から選択して、欠陥画素の画素値を補正する技術がある(特許文献1など参照)。
ところで、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のカラーフィルタが所定の位置に配置(例えば、ベイヤ配列など)された撮像素子で撮像された画像の各画素は、いずれか1つの色成分の色情報しか有しない。そこで、従来技術では、高画質化するために、欠陥画素の補間処理した後、各画素が3つ全ての色成分の色情報を有するように、空格子補間や色変換などの処理を行うが、処理に時間がかかるという問題がある。
上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の目的は、欠陥画素の補正処理と高画質化の処理とを、高精度かつ高速に行うことができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、画像処理部は、第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて、係数パターンを選択し加重加算する。
本発明の画像処理装置は、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部を備え、第1画像は、欠陥画素の画素位置の情報が付加され、画像処理部は、第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて、係数パターンを選択し加重加算する。
また、画像処理部は、注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置とともに、その判定結果に基づいて、係数パターンを選択してもよい。
また、画像処理部は、注目画素に隣接する画素が欠陥画素である場合、隣接する画素の画素位置に基づいて、注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定してもよい。
また、係数パターンは、注目画素の画素位置を中心に複数の色成分の色情報が含まれる最小の領域内の画素の色情報を加重加算する零以上の値からなってもよい。
本発明の画像処理装置は、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、画像処理部は、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて係数を変え、注目画素の色情報と注目画素に隣接する画素の色情報とを加重加算する。
本発明の画像処理装置は、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部を備え、第1画像は、欠陥画素の位置情報が付加され、画像処理部は、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて係数を変え、注目画素の色情報と注目画素に隣接する画素の色情報とを加重加算する。
また、画像処理部は、注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置とともに、その判定結果に基づいて、係数を変えてもよい。
また、画像処理部は、注目画素に隣接する画素が欠陥画素である場合、隣接する画素の画素位置に基づいて、注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定してもよい。
また、画像処理部は、第1画像の全ての画素において、第1画像の色情報を常に一定の色成分比率で加重加算してもよい。
また、画像処理部は、第1画像が、画素密度の高い第1色成分と画素密度の低い第2色成分および第3色成分とからなる場合、第2色成分の色情報と第3色成分の色情報とを同一の色成分比率で加重加算してもよい。
本発明の画像処理装置は、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、予め決められた固定のフィルタ係数によるフィルタ処理を行うことによって、異なる色成分を補正し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、画像処理部は、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて係数を変える。
本発明の画像処理装置は、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、予め決められた固定のフィルタ係数によるフィルタ処理を行うことによって、異なる色成分の値を補正し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部を備え、第1画像は、欠陥画素の位置情報が付加され、画像処理部は、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置に基づいて係数を変える。
また、画像処理部は、注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定し、注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置とともに、その判定結果に基づいて、係数を変えてもよい。
また、画像処理部は、注目画素に隣接する画素が欠陥画素である場合、隣接する画素の画素位置に基づいて、注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定してもよい。
また、画像処理部は、予め決められた固定のフィルタ係数として、正および負の値を含むフィルタ係数を用いてもよい。
また、異なる色成分は、輝度成分および色差成分であってもよい。
また、画像処理部は、第1画像が、第1色成分、第2色成分および第3色成分を有する場合、第1色成分と第2色成分とで構成される第1類似度成分、第2色成分と第3色成分とで構成される第2類似度成分、第3色成分と第1色成分とで構成される第3類似度成分、第1色成分のみで構成される第4類似度成分、第2色成分のみで構成される第5類似度成分、第3色成分のみで構成される第6類似度成分の少なくとも1つの類似度成分を用いて、複数の方向に対する類似度を算出し、該類似度に基づいて、複数の方向に対する類似性の強弱を判定してもよい。
本発明の撮像装置は、撮像素子と、本発明の画像処理装置と、を備える。
本発明の画像処理プログラムは、各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有し、欠陥画素の画素位置の情報が付加された第1画像を読み込む入力手順と、第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算して注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理手順と、をコンピュータに実行させ、画像処理手順は、第1画像の色情報を注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、注目画素の色成分および欠陥画素の位置関係に基づいて、係数パターンを選択し加重加算する。
本発明によれば、欠陥画素の補正処理と高画質化の処理とを、高精度かつ高速に行うことができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
ただし、本発明の実施形態では、本発明の画像処理装置が行う画像の高画質化の機能を備えた電子カメラを用いて説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に対応する電子カメラ1の機能ブロック図である。
図1において、電子カメラ1は、DFE10、画像処理部(例えば、画像処理専用の1チップ・マイクロプロセッサ)11、CPU12、メモリ13、表示インタフェース(表示I/F)14を備える。また、電子カメラ1は、メモリカード(カード状のリムーバブルメモリ)16とのインタフェースを実現するメディアI/F17、所定のケーブルや無線伝送路を介してPC(パーソナルコンピュータ)18などの外部装置とのインタフェースを実現する入出力I/F19を備える。電子カメラ1のこれら各構成要素は、バスを介して相互に情報伝達可能に接続される。
また、電子カメラ1は、撮像光学系20、撮像素子21、タイミングジェネレータ(TG)22を備える。撮像素子21は、撮像光学系20を透過して結像した光学像を撮像し、画像信号をDEF10に出力する。DFE10は、撮像素子21から出力される画像信号をA/D変換などの所定の信号処理を行うデジタルフロントエンド回路である。DEF10は、バスを介して、画像処理部11にデジタル化した画像信号を出力する。TG22は、CPU12からの制御指示に基づいて、撮像素子21、DEF10、画像処理部11それぞれに対し動作のタイミングを制御する。
また、電子カメラ1は、レリーズボタンやモード切り換え用の選択ボタンなどを有する操作部23を備え、操作部23によって受け付けた操作者からの操作指示を、CPU12に出力する。電子カメラ1は、表示I/F14によって生成出力される表示用画像を表示するモニタ15を備える。
PC18には、モニタ24やプリンタ25などが接続されており、CD−ROM26に記録されたアプリケーションプログラムが予めインストールされている。また、PC18は、不図示のCPU、メモリ、ハードディスクの他に、メモリカード16とのインタフェースを実現するメモリカード用I/F(不図示)や所定のケーブルや無線伝送路を介して電子カメラ1などの外部装置とのインタフェースを実現する外部I/F(不図示)を備える。
図1に示す構成の電子カメラ1において、操作部23を介し、操作者によって撮影モードが選択されてレリーズボタンが押されると、CPU12は、TG22を介して、撮像素子21、DEF10に対するタイミング制御を行う。撮像素子21は、光学像に対応する画像信号を生成する。その画像信号は、DEF10でA/D変換などの所定の信号処理が施され、Raw画像データとして、画像処理部11に供給される。なお、Raw画像データは、入射光の光量に対する出力信号値の関係が線形性を有するデジタル画像データである。
本実施形態の撮像素子21の撮像面には、複数の受光素子がマトリックス状に配列されるとともに、各受光素子には、RGBのカラーフィルタが公知のベイヤ配列にしたがって配置される。撮像素子21によって撮像され画像処理部11に供給されるRaw画像データは、RGB表色系で示され、各画素は、R成分(第2色成分または第3色成分)、G成分(第1色成分)、B成分(第3色成分または第2色成分)のうち、いずれか1つの色成分の色情報を有する。なお、このようなRaw画像データを、「ベイヤ配列型画像データ」と称する。
また、本実施形態の撮像素子21は、製造時または製造後に生じた傷などによって、正常に動作しない受光素子を欠陥画素として有するものとする。欠陥画素には、大きな値の画像信号を出力する「白欠陥」と、画像信号を出力しない「黒欠陥」とがあり、ベイヤ配列型画像データの欠陥画素は、白欠陥または黒欠陥に応じた画素値を有するものとする。本実施形態では、撮像素子21における欠陥画素の画素位置の情報(アドレスなど)が、画像の欠陥画素の画素位置の情報として、メモリ13(記憶部)に予め記憶されているものとする。
画像処理部11は、このようなベイヤ配列型画像データ(第1画像)を入力し、RGB表色系とは異なるYCbCr表色系の色成分である輝度成分と色差成分とを、全ての画素に対して算出し、輝度成分と色差成分との色成分からなる画像(第2画像)を生成する。画像処理部11は、全ての画素に輝度成分が対応付けられて成る輝度面と、全ての画素に色差成分が対応付けられて成る色差面とを、空格子処理により生成して高画質化を実現する。また、画像処理部11は、必要に応じて、このようにして生成した輝度面および色差面からRGB面を算出する色変換処理を行う。なお、本実施形態の画像処理部11は、後述するように、各画素(注目画素)において輝度成分と色差成分とを算出するにあたり、欠陥画素の画素位置を考慮しつつ行う。そして、このような一連の処理を「画像復元処理」と称する。
なお、画像処理部11は、DFE10より出力されたベイヤ配列型画像データに対して画像復元処理を行うにあたり、ホワイトバランス処理、階調変換などの画像処理を行うものとする。また、画像処理部11は、画像復元処理などが完了したベイヤ配列型画像データに対し、必要に応じて圧縮処理を施し、メディアI/F17を介してメモリカード16に記録する。
そして、操作部23を介し、操作者によって再生モードが選択されると、メモリカード16に記録された画像データは、メディアI/F17を介して画像処理部11に読み出され、画像処理部11による伸長処理が施された後、表示I/F14を介してモニタ15に表示される。
なお、伸長処理が施された画像データは、モニタ15に表示されず、PC18側のモニタ24やプリンタ26で採用されている表色系に変換されて、入出力I/F19を介してPC18に供給されてもよい。ただし、画像復元処理によって生成されるRGB面を、モニタ15、24やプリンタ25で採用されている表色系に変換する処理は、公知の技術によって実現でき説明を省略する。
また、画像処理部11は、画像処理が完了したベイヤ配列型画像データを、圧縮処理せずにメモリカード16に記録したり、PC18側のモニタ24やプリンタ25で採用されている表色系に変換して、入出力I/F19を介しPC18に供給したりしてもよい。
図2は、ベイヤ配列型画像データの色成分の配列を示す図である。すなわち、図2では、R、G、Bを用いて色成分の種類を示し、座標[i,j]の値を用いて各々の色成分に対応する画素の位置を示している。
図2(1)は、座標[i,j]の画素がR成分の注目画素である場合を示し、図2(2)は、座標[i,j]の画素がB成分の注目画素である場合を示し、図2(3)は、座標[i,j]の画素がG成分の注目画素である場合を示す。また、G成分の画素のうち、横方向にR成分が存在する画素を「Gr」と表記し、横方向にB成分が存在する画素を「Gb」と表記する。
なお、後述する演算式では、各々の画素における色情報をG成分と他の色成分とで区別する場合、図2のR、BをZに置き換えて、R成分またはB成分の画素の色情報をZ[i,j]のように表記し、G成分の画素の色情報をG[i,j]のように表記する。また、各々の画素における色情報を色成分で区別しない場合、図2のR、G、BをAに置き換えて、任意の画素の色情報をA[i,j]のように表記する。
《一の実施形態》
図3〜図7は、本発明の一の実施形態における画像処理部11の動作フローチャートである。
《一の実施形態》
図3〜図7は、本発明の一の実施形態における画像処理部11の動作フローチャートである。
ただし、図3〜図7は、画像処理部11が行う画像処理のうち、画像復元処理の動作を示す。図3は、画像復元処理のおおまかな動作を示し、図4〜図6は、画像復元処理に含まれる「輝度成分算出処理」の動作を示し、図7は、画像復元処理に含まれる「色差成分算出処理」の動作を示す。なお、以下において、画像処理部11が行う画像処理のうち、画像復元処理の動作を説明し、他の動作の説明は省略する。
1.縦横類似性を示す指標HVの設定処理
画像処理部11は、ベイヤ配列型画像データに対して、G成分が欠落する画素における縦方向および横方向に対する類似性(以下、「縦横類似性」と称する。)を判定し、その判定結果に基づいて、縦横類似性を示す指標HVを設定する(図3S1)。
1.縦横類似性を示す指標HVの設定処理
画像処理部11は、ベイヤ配列型画像データに対して、G成分が欠落する画素における縦方向および横方向に対する類似性(以下、「縦横類似性」と称する。)を判定し、その判定結果に基づいて、縦横類似性を示す指標HVを設定する(図3S1)。
すなわち、画像処理部11は、G成分が欠落する注目画素Zに対し、次式1および式2によって定義される縦方向の同色間類似度Cv0および横方向の同色間類似度Ch0を算出する。また、画像処理部11は、G成分が欠落する注目画素Zに対し、次式3および式4によって定義される縦方向の異色間類似度CvN0および横方向の異色間類似度ChN0を算出する。なお、本実施形態の画像処理部11は、次式1〜式4による各類似度の算出にあたり、注目画素および図2に示す範囲の画素のいずれかが欠陥画素である場合、欠陥画素が出力する画素値をそのまま用いて行うものとする。
・同色間類似度:
・同色間類似度:
ただし、次式5〜式8によって算出される各類似度は、値が小さい程、類似性が強いことを示す。また、次式5〜式8は、図8に示す係数パターンを用いて周辺加算を行うことに相当する。
・同色間類似度:
・同色間類似度:
ところで、式3および式4において、絶対値で括られる項は、隣接する2つの画素の色情報で構成される。そのため、式3および式4によって算出される異色間類似度には、一画素ピッチで変化するナイキスト周波数レベルの微細構造における類似性判定を可能にする。また、このような異色間類似度は、異なる色成分の色情報が全て同一の輝度情報を表していると仮定して算出されるため、異色間類似度を用いた類似性の強弱の判定は、無彩色部において信頼性が高い。
一方、同色間類似度を用いた類似性の強弱の判定は、彩色部・無彩色部ともに全般的に信頼性が高いが、画像の構造が細かい部分では、異色間類似度を用いた場合に比べて信頼性が劣る。したがって、画像全体に対して信頼性の高い類似性の判定を行うには、画像全体を、無彩色部と彩色部に分け、各々の部分に適した類似度を用いる方法が好ましい。
注目画素の近傍の画像が無彩色部であるか否かの判定には、局所的な色彩の有無を示す色指標が必要となるが、このような色指標として、局所的な色差情報が考えられる。上述したように算出される異色間類似度には、類似性の強弱と同時に局所的な色差情報が反映されることから、色指標として、異色間類似度を直接利用することができる。
ただし、異色間類似度は、値が小さい程、類似性が強いことを示すので、縦方向および横方向に対する異色間類似度が共に大きな値である場合には、無彩色部で縦横両方向に対する類似性が弱いか、または、注目画素の近傍の画像が彩色部であることを意味する。逆に、縦方向と横方向との少なくとも1つの方向に対する異色間類似度が比較的小さな値であれば、注目画素の近傍の画像が無彩色部であり、類似性の強い方向が存在していることを意味する。
そこで、画像処理部11は、閾値ThNv,ThNhについて、
CvN[i,j]≦ThNv または ChN[i,j]≦ThNh … 条件1
が成り立つ場合、注目画素の近傍の画像が無彩色部であると判断し、条件1が成り立たない場合、注目画素の近傍の画像が彩色部であると判断する。ただし、閾値ThNv,ThNhは、階調が0〜255のとき10程度以下の値とする。
CvN[i,j]≦ThNv または ChN[i,j]≦ThNh … 条件1
が成り立つ場合、注目画素の近傍の画像が無彩色部であると判断し、条件1が成り立たない場合、注目画素の近傍の画像が彩色部であると判断する。ただし、閾値ThNv,ThNhは、階調が0〜255のとき10程度以下の値とする。
画像処理部11は、注目画素の近傍の画像が無彩色部である場合、閾値Th0について、
|CvN[i,j]−ChN[i,j]|≦Th0 … 条件2
が成り立つか否かを判定する。この条件2は、縦方向の異色間類似度CvN[i,j]と横方向の異色間類似度ChN[i,j]とが同程度であるか否かを判定するための条件である。閾値Th0は、縦方向の異色間類似度CvN[i,j]と横方向の異色間類似度ChN[i,j]との差異が微少である場合、ノイズの影響によって一方の類似性が強いと誤判定されることを回避する役割を果たす。そのため、ノイズの多いカラー画像に対しては、閾値Th0の値を大きく設定することにより、類似性の判定の精度が更に高められる。
|CvN[i,j]−ChN[i,j]|≦Th0 … 条件2
が成り立つか否かを判定する。この条件2は、縦方向の異色間類似度CvN[i,j]と横方向の異色間類似度ChN[i,j]とが同程度であるか否かを判定するための条件である。閾値Th0は、縦方向の異色間類似度CvN[i,j]と横方向の異色間類似度ChN[i,j]との差異が微少である場合、ノイズの影響によって一方の類似性が強いと誤判定されることを回避する役割を果たす。そのため、ノイズの多いカラー画像に対しては、閾値Th0の値を大きく設定することにより、類似性の判定の精度が更に高められる。
したがって、画像処理部11は、条件2が成り立つ場合、注目画素が縦横両方向に対して類似性が弱い(または、強い)と判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「0」を設定する。一方、画像処理部11は、条件2が成り立たない場合、
CvN[i,j]<ChN[i,j] … 条件3
が成り立つか否かを判定する。そして、画像処理部11は、条件3が成り立つ場合、注目画素が縦方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「1」を設定する。一方、画像処理部11は、条件3が成り立たない場合、注目画素が横方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「−1」を設定する。
CvN[i,j]<ChN[i,j] … 条件3
が成り立つか否かを判定する。そして、画像処理部11は、条件3が成り立つ場合、注目画素が縦方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「1」を設定する。一方、画像処理部11は、条件3が成り立たない場合、注目画素が横方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「−1」を設定する。
また、画像処理部11は、注目画素の近傍の画像が彩色部である場合、閾値Th1について、
|Cv[i,j]−Ch[i,j]|≦Th1 … 条件4
が成り立つか否かを判定する。この条件4は、縦方向の同色間類似度Cv[i,j]と横方向の同色間類似度Ch[i,j]とが同程度であるか否かを判定するための条件である。閾値Th1は、縦方向の同色間類似度Cv[i,j]と横方向の同色間類似度Ch[i,j]との差異が微少である場合、ノイズの影響によって一方の類似性が強いと誤判定されることを回避する役割を果たす。閾値Th1は、閾値Th0と同様に、ノイズの多いカラー画像に対して値を大きく設定することにより、類似性の判定の精度が高められる。
|Cv[i,j]−Ch[i,j]|≦Th1 … 条件4
が成り立つか否かを判定する。この条件4は、縦方向の同色間類似度Cv[i,j]と横方向の同色間類似度Ch[i,j]とが同程度であるか否かを判定するための条件である。閾値Th1は、縦方向の同色間類似度Cv[i,j]と横方向の同色間類似度Ch[i,j]との差異が微少である場合、ノイズの影響によって一方の類似性が強いと誤判定されることを回避する役割を果たす。閾値Th1は、閾値Th0と同様に、ノイズの多いカラー画像に対して値を大きく設定することにより、類似性の判定の精度が高められる。
したがって、画像処理部11は、条件4が成り立つ場合、注目画素が縦横両方向に対して類似性が弱い(または、強い)と判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「0」を設定する。一方、画像処理部11は、条件4が成り立たない場合、
Cv[i,j]<Ch[i,j] … 条件5
が成り立つか否かを判定する。そして、画像処理部11は、条件5が成り立つ場合、注目画素が縦方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「1」を設定する。一方、画像処理部11は、条件5が成り立たない場合、注目画素が横方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「−1」を設定する。
Cv[i,j]<Ch[i,j] … 条件5
が成り立つか否かを判定する。そして、画像処理部11は、条件5が成り立つ場合、注目画素が縦方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「1」を設定する。一方、画像処理部11は、条件5が成り立たない場合、注目画素が横方向に対して類似性が強いと判断し、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「−1」を設定する。
なお、本実施形態の画像処理部11は、指標HVを設定するにあたり、式1〜式8の演算において、注目画素を含む各画素が欠陥画素か否かを考慮しなかったが、考慮して行ってもよい。例えば、画像処理部11は、式1〜式4の演算を行うにあたり、メモリ13より欠陥画素の画素位置の情報を読み込み、画素G[i,j−1]もしくはG[i,j+1]、または画素G[i−1,j]もしくはG[i+1,j]が欠陥画素か否かを判定する。画像処理部11は、画素G[i,j−1]もしくはG[i,j+1]が欠陥画素である場合、式1〜式4の演算を行うことなく、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「1」を設定する。一方、画像処理部11は、画素G[i−1,j]もしくはG[i+1,j]が欠陥画素である場合、式1〜式4の演算を行うことなく、縦横類似性を示す指標HV[i,j]に「−1」を設定する。
また、画像処理部11は、式1〜式4によって算出された各画素の画素位置での同色間類似度Cv0、Ch0および異色間類似度CvN0、ChN0のうち、メモリ13の欠陥画素の画素位置の情報に基づいて、欠陥画素を含んだ同色間類似度および異色間類似度を用いず、式5〜式8の周辺加算を行ってもよい。
これらにより、類似度の精度向上を図ることができるとともに、処理速度を高速化することができる。
2.斜め類似性を示す指標DNの設定処理
次に、画像処理部11は、ベイヤ配列型画像データに対し、G成分が欠落する画素における斜め45度方向および斜め135度方向に対する類似性(以下、「斜め類似性」)を判定し、その判定結果に応じて、斜め類似性を示す指標DNを設定する(図3S2)。
2.斜め類似性を示す指標DNの設定処理
次に、画像処理部11は、ベイヤ配列型画像データに対し、G成分が欠落する画素における斜め45度方向および斜め135度方向に対する類似性(以下、「斜め類似性」)を判定し、その判定結果に応じて、斜め類似性を示す指標DNを設定する(図3S2)。
すなわち、画像処理部11は、G成分が欠落する注目画素Zに対し、次式9および式10によって定義される斜め45度方向の類似度C45_0および斜め135度方向の類似度C35_0を算出する。
そして、画像処理部11は、次式11および式12による周辺加算を行い、斜め45度方向に対する類似度C45[i,j]および斜め135度方向に対する類似度C135[i,j]を算出する。ただし、次式11および式12は、図8に示す係数パターンを用いて周辺加算を行うことに相当する。
次に、画像処理部11は、閾値Th2について、
|C45[i,j]−C135[i,j]|≦Th2 … 条件6
が成り立つか否かを判定する。画像処理部11は、条件6が成り立つ場合、注目画素が斜め方向に対して類似性が弱い(または、強い)と判断し、斜め類似性を示す指標DN[i,j]に「0」を設定する。一方、画像処理部11は、条件6が成り立たない場合、
C45[i,j]<C135[i,j] … 条件7
が成り立つか否かを判定する。
|C45[i,j]−C135[i,j]|≦Th2 … 条件6
が成り立つか否かを判定する。画像処理部11は、条件6が成り立つ場合、注目画素が斜め方向に対して類似性が弱い(または、強い)と判断し、斜め類似性を示す指標DN[i,j]に「0」を設定する。一方、画像処理部11は、条件6が成り立たない場合、
C45[i,j]<C135[i,j] … 条件7
が成り立つか否かを判定する。
画像処理部11は、条件7が成り立つ場合、注目画素が斜め45度方向に対して類似性が強いと判断し、斜め類似性を示す指標DN[i,j]に「1」を設定する。一方、画像処理部11は、条件7が成り立たない場合、注目画素が斜め135度方向に対して類似性が強いと判断し、斜め類似性を示す指標DN[i,j]に「−1」を設定する。
なお、本実施形態の画像処理部11は、指標DNを設定するにあたり、上記指標HVの場合と同様に、式9〜式12の演算において、注目画素を含む各画素が欠陥画素か否かを考慮して行ってもよい。また、画像処理部11は、式9および式10より算出された各画素の画素位置での類似度C45_0、C135_0のうち、メモリ13の欠陥画素の画素位置の情報に基づいて、欠陥画素を含んだ類似度を除外し、式11および式12の周辺加算を行ってもよい。これにより、類似度の精度向上を図ることができるとともに、処理速度を高速化することができる。
3.輝度成分算出処理
次に、画像処理部11は、図4〜図6に示すフローチャートに基づいて、各画素に対し輝度成分算出処理を行い、輝度面を算出する(図3S3)。
3.輝度成分算出処理
次に、画像処理部11は、図4〜図6に示すフローチャートに基づいて、各画素に対し輝度成分算出処理を行い、輝度面を算出する(図3S3)。
本実施形態の輝度成分算出処理は、ベイヤ配列型画像データのうち、注目画素を中心とする対象領域内にある複数の画素の色情報を加重加算することによって輝度成分を算出する。この加重加算に用いられる色情報は、注目画素における類似性の強弱に基づいて決められ、加重加算の係数は、輝度成分を構成するRGBの比率が一定となるように設定される。本実施形態では、画像処理部11が、このような輝度成分算出処理を行うために、類似性の強弱および欠陥画素の画素位置に応じて、係数の配置および値が変えられた複数種類の係数パターンを用意する。
図9および図10は、輝度成分を生成する係数パターンの一例を示す。各係数パターンは、類似性および欠陥画素の画素位置に応じて、加重加算の対象となる色情報の位置および係数の値が変えられる。すなわち、RGBの3つの色成分の色情報が含まれる最も狭い領域内で、注目画素の色情報と注目画素に隣接する画素(斜め方向に隣接する画素を含む)の色情報とが加重加算されるようになっている。ここで、α,β,u1,u2,v1,v2,s1,s2,t1,t2は、全て零以上の値で次の条件を満たす。
α+β=1,u1+u2=1,v1+v2=1,s1+s2=1,t1+t2=1
図9および図10に示す係数パターンは、輝度成分を構成するRGBの比率が「β/2:α:β/2」となるような値が設定されており、R成分の色情報とB成分の色情報とが同一の比率で加重加算される。すなわち、輝度成分Yは、
Y=α・G+β・(R+B)/2
の関係にある。これにより、Gr成分の画素とGb成分の画素とで共通の係数パターンを用いることができ、R成分の画素とB成分の画素とで共通の係数パターンを用いることができる。
図9および図10に示す係数パターンは、輝度成分を構成するRGBの比率が「β/2:α:β/2」となるような値が設定されており、R成分の色情報とB成分の色情報とが同一の比率で加重加算される。すなわち、輝度成分Yは、
Y=α・G+β・(R+B)/2
の関係にある。これにより、Gr成分の画素とGb成分の画素とで共通の係数パターンを用いることができ、R成分の画素とB成分の画素とで共通の係数パターンを用いることができる。
一般的に好ましい定数の設定としては、以下のような例が挙げられる。
u1≒u2,v1≒v2,s1≒s2,t1≒t2
(α,β)=(1/3,2/3),(4/9,5/9),(5/11,6/11),(1/2,1/2),(5/9,4/9),(3/5,2/5),(2/3,1/3)
なお、輝度成分を構成するRGBの比率は、「β/2:α:β/2」に限定されず、「α:β:γ」(α+β+γ=1,α≧0,β≧0,γ≧0)などであってもよい。例えば、α=0.3、β=0.6、γ=0.1の値とする。また、RGBの比率を「α:β:γ」とする場合、Gr成分の画素とGb成分の画素とで個別に係数パターンを設定する必要があり、R成分の画素とB成分の画素とで個別に係数パターンを設定する必要がある。
(α,β)=(1/3,2/3),(4/9,5/9),(5/11,6/11),(1/2,1/2),(5/9,4/9),(3/5,2/5),(2/3,1/3)
なお、輝度成分を構成するRGBの比率は、「β/2:α:β/2」に限定されず、「α:β:γ」(α+β+γ=1,α≧0,β≧0,γ≧0)などであってもよい。例えば、α=0.3、β=0.6、γ=0.1の値とする。また、RGBの比率を「α:β:γ」とする場合、Gr成分の画素とGb成分の画素とで個別に係数パターンを設定する必要があり、R成分の画素とB成分の画素とで個別に係数パターンを設定する必要がある。
以上により、画像処理部11は、輝度成分算出処理において、注目画素がG成分であるか否かを判定する(図4S11)。
注目画素がG成分でない場合(図4S11のNO側)、画像処理部11は、注目画素における縦横類似性を示す指標HV[i,j]と斜め類似性を示す指標DN[i,j]との値に応じて(図4S12)、注目画素の類似性の強さを、case1〜case9のいずれかに分類する。
case1:(HV[i,j],DN[i,j])=(0,0):全ての方向の類似性が強い、または、全ての方向の類似性が弱い(類似性の強い方向が不明である)。
case2:(HV[i,j],DN[i,j])=(0,1):斜め45度方向の類似性が強い。
case3:(HV[i,j],DN[i,j])=(0,−1):斜め135度方向の類似性が強い。
case4:(HV[i,j],DN[i,j])=(1,0):縦方向の類似性が強い。
case5:(HV[i,j],DN[i,j])=(1,1):縦および斜め45度方向の類似性が強い。
case6:(HV[i,j],DN[i,j])=(1,−1):縦および斜め135度方向の類似性が強い。
case7:(HV[i,j],DN[i,j])=(−1,0):横方向の類似性が強い。
case8:(HV[i,j],DN[i,j])=(−1,1):横および斜め45度方向の類似性が強い。
case9:(HV[i,j],DN[i,j])=(−1,−1):横および斜め135度方向の類似性が強い。
上記分類結果に応じて、画像処理部11は、輝度成分を算出する。すなわち、注目画素がcase1に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図4S13のNO側)、画像処理部11は、係数パターン1を用いて輝度成分を算出する(図4S14)。一方、注目画素がcase1に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図4S13のYES側)、画像処理部11は、係数パターン1aを用いて輝度成分を算出する(図4S15)。
注目画素がcase2に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図4S16のNO側)、画像処理部11は、係数パターン2を用いて輝度成分を算出する(図4S17)。一方、注目画素がcase2に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図4S16のYES側)、画像処理部11は、係数パターン2aを用いて輝度成分を算出する(図4S18)。
注目画素がcase3に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図4S19のNO側)、画像処理部11は、係数パターン3を用いて輝度成分を算出する(図4S20)。一方、注目画素がcase3に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図4S19のYES側)、画像処理部11は、係数パターン3aを用いて輝度成分を算出する(図4S21)。
注目画素がcase4に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図4S22のNO側)、画像処理部11は、係数パターン4を用いて輝度成分を算出する(図4S23)。一方、注目画素がcase4に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図4S22のYES側)、画像処理部11は、係数パターン4aを用いて輝度成分を算出する(図4S24)。
注目画素がcase5に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図4S25のNO側)、画像処理部11は、係数パターン5を用いて輝度成分を算出する(図4S26)。一方、注目画素がcase5に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図4S25のYES側)、画像処理部11は、係数パターン5aを用いて輝度成分を算出する(図4S27)。
注目画素がcase6に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図5S28のNO側)、画像処理部11は、係数パターン6を用いて輝度成分を算出する(図5S29)。一方、注目画素がcase6に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図5S28のYES側)、画像処理部11は、係数パターン6aを用いて輝度成分を算出する(図5S30)。
注目画素がcase7に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図5S31のNO側)、画像処理部11は、係数パターン7を用いて輝度成分を算出する(図5S32)。一方、注目画素がcase7に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図5S31のYES側)、画像処理部11は、係数パターン7aを用いて輝度成分を算出する(図5S33)。
注目画素がcase8に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図5S34のNO側)、画像処理部11は、係数パターン8を用いて輝度成分を算出する(図5S35)。一方、注目画素がcase8に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図5S34のYES側)、画像処理部11は、係数パターン8aを用いて輝度成分を算出する(図5S36)。
注目画素がcase9に分類され、注目画素が欠陥画素でない場合(図5S37のNO側)、画像処理部11は、係数パターン9を用いて輝度成分を算出する(図5S38)。一方、注目画素がcase9に分類され、注目画素が欠陥画素である場合(図5S37のYES側)、画像処理部11は、係数パターン9aを用いて輝度成分を算出する(図5S39)。
ここで、画像処理部11は、18通りの係数パターンのうち、例えば、係数パターン1を選択した場合、次式13のように輝度成分Y[i,j]を算出する。
次に、画像処理部11は、G成分の注目画素の輝度成分Y[i,j]を、上述したような類似性の強さに関係なく、欠陥画素か否かに応じて図11に示す係数パターン10または10aを用いて算出する。
ところで、注目画素がG成分であり、かつ注目画素の左側に隣接する画素Z[i−1,j]の指標HV[i−1,j]と指標DN[i−1,j]とが「0」であり、係数パターン10や10aを用いて輝度成分を算出した場合、実際には存在しないチェックパターン状の偽構造が生じることがある。そこで、このような偽構造の発生を抑制するために、G成分の画素における輝度成分を算出する際、本実施形態の画像処理部11は、注目画素がG成分であると判定された場合(図4S11のYES側)、注目画素の左側に隣接する画素Z[i−1,j]の指標HVと指標DNとが「0」であるか否かを判定する(図6S40)。
すなわち、画像処理部11は、指標HV[i−1,j]と指標DN[i−1,j]とが「0」である場合(図6S40のYES側)、画像処理部11は、注目画素またはそれに隣接する画素Zのいずれかが欠陥画素である否かに基づいて、G成分にローパスフィルタを掛ける係数パターン0、0a〜0eのいずれかを選択し、輝度成分Y[i,j]を算出する(図6S46〜S51)。
ここで、図11において、α,β,e1,e2,e3,e4,e5,f1,f2,f3,f4は、零以上の値であり、e1+e2+e3+e4+e5=f1+f2+f3+f4=1、およびe3>e1,e2,e4,e5の関係を満たす。e1,e2,e3,e4,e5の値を可変することによって、ローパスフィルタの強弱の設定ができる。例えば、e1,e2,e3,e4,e5の値は、強いローパスフィルタを掛ける場合「1,1,6,1,1」などと設定し、弱いローパスフィルタを掛ける場合「1,1,14,1,1」などと設定する。
また、係数パターン0a〜0eにおけるe3>e1,e2,e4,e5の関係により、画素G[i−1,j−1]、G[i−1,j+1]、G[i+1,j−1]、G[i+1,j+1]の影響を小さくすることができる。そのため、それらの画素が欠陥画素か否かの判定は省略でき、画像処理部11による画像処理の高速化を図ることができる。
また、係数パターン0a〜0eは、注目画素またはそれに隣接する画素が欠陥画素である場合、欠陥画素における画像値が同色成分を有する近傍の画素の画素値を平均した値となるように設定されている。
例えば、画像処理部11は、注目画素およびそれに隣接する画素が欠陥画素でない場合(図6S46)、係数パターン0を選択し輝度成分Y[i,j]を次式14のように算出する。
一方、指標HV[i−1,j]と指標DN[i−1,j]との少なくとも一方が「0」でない場合(図6S40のNO側)、画像処理部11は、注目画素が欠陥画素でない場合(図6A41のNO側)、係数パターン10を用いて輝度成分を算出し(図6S42)、注目画素が欠陥画素である場合(図6A41のYES側)、係数パターン10aを用いて輝度成分を算出する(図6S43)。
4.輝度面の補正処理
次に、画像処理部11は、算出された輝度面に対し、予め決められた固定のフィルタ係数によるフィルタ処理のエッジ強調処理を行い、輝度面を補正する(図3S4)。
4.輝度面の補正処理
次に、画像処理部11は、算出された輝度面に対し、予め決められた固定のフィルタ係数によるフィルタ処理のエッジ強調処理を行い、輝度面を補正する(図3S4)。
例えば、画像処理部11は、図12に示すように、フィルタ係数として正および負の値を含むバンドパスフィルタを輝度面に掛けた結果を、元の輝度面に加算することによって、エッジ強調処理を行う。すなわち、輝度面の補正は、次式15および式16による演算によって施される。
なお、画像処理部11は、このように算出された輝度面を、モノクロ画像として出力してもよい。
5.色差成分算出処理
次に、画像処理部11は、R成分の画素およびB成分の画素に対して、図7に示す色差成分算出処理を行い、R成分の画素位置にCr成分を算出し、B成分の画素位置にCb成分を算出する(図3S5)。
5.色差成分算出処理
次に、画像処理部11は、R成分の画素およびB成分の画素に対して、図7に示す色差成分算出処理を行い、R成分の画素位置にCr成分を算出し、B成分の画素位置にCb成分を算出する(図3S5)。
本実施形態の色差成分算出処理では、ベイヤ配列型画像データのうち、注目画素を中心とする対象領域に位置する複数の画素の色情報を直接加重加算することによって色差成分を算出する。この加重加算に用いられる色情報や加重加算の係数は、注目画素における類似性の強弱に基づいて決められる。本実施形態では、この色差成分算出処理を行うための係数パターンが予め用意され、メモリ13に記憶されている。
図13および図14は、色差成分を算出するために用いられる係数パターンの一例を示す。図14に示す係数パターンは、図13に示す係数パターンに比べ、偽色の発生を抑制する効果が大きい。なお、本実施形態では、図13に示す係数パターンとともに、注目画素またはそれに隣接する画素が欠陥画素である場合の図15〜図17に示す係数パターンを用いる。
本実施形態の画像処理部11は、注目画素(R成分の画素やB成分の画素)における縦横類似性を示す指標HV[i,j]の値に応じて、次のA〜Cに分類し(図7S60)、色差成分を算出する。
A)HV[i,j]=1の場合
画像処理部11は、注目画素Z[i,j]および縦方向に隣接する画素G[i,j±1]が欠陥画素でない場合(図7S61のNO側)、係数パターン11を用いて色差成分を算出する(図7S62)。一方、画像処理部11は、画素G[i,j−1]が欠陥画素である場合、係数パターン11aを用いて色差成分を算出し(図7S63)、画素G[i,j+1]が欠陥画素である場合、係数パターン11bを用いて色差成分を算出し(図7S64)、注目画素Z[i,j]が欠陥画素である場合、係数パターン11cを用いて色差成分を算出する(図7S65)。
画像処理部11は、注目画素Z[i,j]および縦方向に隣接する画素G[i,j±1]が欠陥画素でない場合(図7S61のNO側)、係数パターン11を用いて色差成分を算出する(図7S62)。一方、画像処理部11は、画素G[i,j−1]が欠陥画素である場合、係数パターン11aを用いて色差成分を算出し(図7S63)、画素G[i,j+1]が欠陥画素である場合、係数パターン11bを用いて色差成分を算出し(図7S64)、注目画素Z[i,j]が欠陥画素である場合、係数パターン11cを用いて色差成分を算出する(図7S65)。
B)HV[i,j]=−1の場合
画像処理部11は、注目画素Z[i,j]および横方向に隣接する画素G[i±1,j]が欠陥画素でない場合(図7S66のNO側)、係数パターン12を用いて色差成分を算出する(図7S67)。一方、画像処理部11は、画素G[i−1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン12aを用いて色差成分を算出し(図7S68)、画素G[i+1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン12bを用いて色差成分を算出し(図7S69)、注目画素Z[i,j]が欠陥画素である場合、係数パターン12cを用いて色差成分を算出する(図7S70)。
画像処理部11は、注目画素Z[i,j]および横方向に隣接する画素G[i±1,j]が欠陥画素でない場合(図7S66のNO側)、係数パターン12を用いて色差成分を算出する(図7S67)。一方、画像処理部11は、画素G[i−1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン12aを用いて色差成分を算出し(図7S68)、画素G[i+1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン12bを用いて色差成分を算出し(図7S69)、注目画素Z[i,j]が欠陥画素である場合、係数パターン12cを用いて色差成分を算出する(図7S70)。
C)HV[i,j]=0の場合
画像処理部11は、注目画素Z[i,j]および縦横方向に隣接する画素G[i±1,j]、G[i,j±1]が欠陥画素でない場合(図7S71のNO側)、係数パターン13を用いて色差成分を算出する(図7S72)。一方、画像処理部11は、画素G[i,j−1]が欠陥画素である場合、係数パターン13aを用いて色差成分を算出し(図7S73)、画素G[i−1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン13bを用いて色差成分を算出し(図7S74)、画素G[i+1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン13cを用いて色差成分を算出し(図7S75)、画素G[i,j+1]が欠陥画素である場合、係数パターン13dを用いて色差成分を算出し(図7S76)、注目画素Z[i,j]が欠陥画素である場合、係数パターン13eを用いて色差成分を算出する(図7S77)。
画像処理部11は、注目画素Z[i,j]および縦横方向に隣接する画素G[i±1,j]、G[i,j±1]が欠陥画素でない場合(図7S71のNO側)、係数パターン13を用いて色差成分を算出する(図7S72)。一方、画像処理部11は、画素G[i,j−1]が欠陥画素である場合、係数パターン13aを用いて色差成分を算出し(図7S73)、画素G[i−1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン13bを用いて色差成分を算出し(図7S74)、画素G[i+1,j]が欠陥画素である場合、係数パターン13cを用いて色差成分を算出し(図7S75)、画素G[i,j+1]が欠陥画素である場合、係数パターン13dを用いて色差成分を算出し(図7S76)、注目画素Z[i,j]が欠陥画素である場合、係数パターン13eを用いて色差成分を算出する(図7S77)。
例えば、HV[i,j]=1、かつ注目画素およびそれに隣接する画素が欠陥画素でなく、注目画素がR成分である場合、画像処理部11は、係数パターン11を選択し色差成分Cr[i,j]を次式17のように算出する(図7S62)。
なお、画像処理部11は、R成分またはB成分の注目画素Z[i,j]における指標HVの設定を、メモリ13に記憶された欠陥画素の画素位置の情報に基づいて行った場合、色差成分算出処理を簡略化することができる。すなわち、図3S1において、画素G[i,j−1]もしくはG[i,j+1]、または画素G[i−1,j]もしくはG[i+1,j]が欠陥画素と判定され、注目画素Zの指標HV[i,j]が1または−1に設定された場合、画像処理部11は、図7S61、S66またはS71において、注目画素Zが欠陥画素か否かを判定するだけでよい。
例えば、HV[i,j]=1の場合、画像処理部11は、メモリ13の欠陥画素の画素位置の情報に基づいて、注目画素Z[i,j]が欠陥画素でないと判定した場合(図7S61のNO側)、係数パターン11を用いて色差成分を算出する(図7S62)。一方、画像処理部11は、注目画素Z[i,j]が欠陥画素であると判定した場合(図7S61のYES側)、係数パターン11cを用いて色差成分を算出する(図7S65)。
また、HV[i,j]=−1の場合、画像処理部11は、欠陥画素の画素位置の情報に基づいて、注目画素Z[i,j]が欠陥画素でないと判定した場合(図7S66のNO側)、係数パターン12を用いて色差成分を算出する(図7S67)。一方、画像処理部11は、注目画素Z[i,j]が欠陥画素であると判定した場合(図7S66のYES側)、係数パターン12cを用いて色差成分を算出する(図7S70)。
また、HV[i,j]=0の場合、画像処理部11は、欠陥画素の画素位置の情報に基づいて、注目画素Z[i,j]が欠陥画素でないと判定した場合(図7S71のNO側)、係数パターン13を用いて色差成分を算出する(図7S72)。一方、画像処理部11は、注目画素Z[i,j]が欠陥画素であると判定した場合(図7S71のYES側)、係数パターン13eを用いて色差成分を算出する(図7S77)。
6.CrCb成分の補間処理
次に、画像処理部11は、上記色差成分算出処理を、全てのR成分の画素およびB成分の画素に対して行った後、Cr成分やCb成分が欠落する画素に、Cr成分やCb成分を補間して色差面を算出する(図3S6)。なお、Cr成分を補間する処理とCb成分を補間する処理とは、同様に行えるため、ここでは、Cr成分を補間する処理の説明を行い、Cb成分を補間する処理の説明は省略する。
6.CrCb成分の補間処理
次に、画像処理部11は、上記色差成分算出処理を、全てのR成分の画素およびB成分の画素に対して行った後、Cr成分やCb成分が欠落する画素に、Cr成分やCb成分を補間して色差面を算出する(図3S6)。なお、Cr成分を補間する処理とCb成分を補間する処理とは、同様に行えるため、ここでは、Cr成分を補間する処理の説明を行い、Cb成分を補間する処理の説明は省略する。
画像処理部11は、Cr成分が欠落する画素におけるCr成分として、その画素の周辺に位置する複数のR成分の画素におけるCr成分の平均値を求め、Cr成分を補間する。すなわち、画像処理部11は、次式18〜20に基づいて、B成分、Gr成分、およびGb成分それぞれの画素位置におけるCr成分の補間値を算出する。
・B成分の画素:
・B成分の画素:
画像処理部11は、上述のようにCr成分やCb成分を補間して色差面を算出し、YCbCrのカラー画像として出力する。
7.RGB面の算出処理
画像処理部11は、輝度面と色差面とに対して表色系変換処理を行い、RGB面を算出する(図3S7)。
7.RGB面の算出処理
画像処理部11は、輝度面と色差面とに対して表色系変換処理を行い、RGB面を算出する(図3S7)。
すなわち、画像処理部11は、表色系変換処理として、例えば、次式25〜式27による演算を行いRGB面を算出する。
本実施形態では、R成分の画素およびB成分の画素に対して18通りの係数パターンを用意し、類似性および注目画素が欠陥画素か否かに応じて係数パターンを選択して、輝度成分が算出される。したがって、微細なエッジ部に至るまで極めて滑らかな輝度面を生成することができる。
また、本実施形態では、注目画素および注目画素に隣接する画素のうち、様々な方向の類似性および欠陥画素の画素位置を考慮しつつ、最も狭い範囲に位置するRGBの3つの色成分の色情報を用いた加重加算を行うため、ベイヤ配列型画像データに対する輝度成分算出処理と相性がよく、滑らかな輝度面を算出することができる。
また、本実施形態では、輝度成分算出処理で用いられる係数パターンは、輝度成分を構成するRGBの比率が一定となるように設定されるとともに、欠陥画素の画素値が、類似性の方向に基づいて、欠陥画素と同色成分を有する近傍の周辺画素の画素値を平均した値に設定される。これにより、被写体に存在し得ない構造(ベイヤ配列に起因する構造)が画素ごとに変化するような構造となって現れることを抑制することができ、各画素で輝度値を構成するRGBの比率が不均一であった従来技術と比べ、より正確な輝度面および色差面を算出することができる。
また、本実施形態では、微細な構造を保持した輝度面にエッジ強調処理を行うことにより、高周波成分の補正が実現でき、高周波成分の補正が不十分であった従来技術と比べ、より高精細な輝度面が得られる。
また、本実施形態では、色差面が、輝度面とは独立にベイヤ配列型画像データから直接算出され、偽色の発生要因となる輝度面の周波数特性の影響を受けないことから、精度よく色差面を算出することができる。
また、図20に示すように、本実施形態では、類似性を示す指標がベイヤ配列型画像データ、または欠陥画素の画素位置の情報から直接算出される。すなわち、各画素における類似方向の分類を、構造的要因に関する高周波成分が一様に破壊されてしまった「ぼかされた輝度値」を参照して行っていた従来技術と異なり、ベイヤ配列型画像データ、または欠陥画素の画素位置の情報を直接用いて類似性が判定されるため、微細な構造部分における解像性能が高い輝度面を算出することができる。
このように、本実施形態によれば、欠陥画素の補正処理と高画質化の処理とが同時に施されることにより、高精度かつ高速に行うことができる。
また、本実施形態では、輝度面を算出する際に類似性が考慮されているので、高周波成分の補正が固定係数のバンドパスフィルタによって実現できる。そのため、従来技術で行われていた各々の画素の類似方向に応じて異なる補正値を用いる補正が不要であり、かつ、補正処理を行うための参照面が少なくて済む。したがって、輝度面の算出をハードウエアで行う場合、従来技術よりも、ハードウエアの構造を簡略化することができ、コストを削減することができる。
なお、本実施形態では、図3S6によってCr成分やCb成分が補間されて色差面が算出されたが、このような色差面に、偽色の発生を更に低減するための補正処理(例えば、メディアンフィルタなどによる処理)を適用してもよい。
なお、本実施形態の輝度成分算出処理では、注目画素がG成分の場合、注目画素の左側に隣接する画素における方向類似性に応じて選択的にローパスフィルタを掛けるための異なる係数パターン0、0a〜0e、10、10aを用意したが、通常の画像復元処理だけの場合、G成分の注目画素における輝度成分は、このような方向類似性に関係なく、係数パターン10、10aを用いて算出されてもよい。すなわち、図6S40〜S51の処理のうち、図6S41〜S43の処理のみが行われるのが好ましい。
《一の実施形態の変形例》
以下に、一の実施形態の変形例の動作について説明する。
《一の実施形態の変形例》
以下に、一の実施形態の変形例の動作について説明する。
本実施形態と一の実施形態との相違点は、一の実施形態で行われていた斜め類似性を示す指標DNの設定(図3S2)の処理が省略され、それに伴い図4〜図6に示す輝度成分算出処理が、図21および図22に示すように簡略化される点にある。すなわち、図21S12’および図22S40’において、本実施形態の画像処理部11は、指標HVのみに基づいて、係数パターンを選択する。なお、図21および図22に示す画像処理部11の動作フローチャートにおいて、図4〜図6と同じ動作を行うステップについては、同じステップ番号を付与し説明を省略する。
このように、本実施形態では、一の実施形態で行われていた斜め類似性を示す指標DNの設定が省略され、係数パターンの数が削減される。そのため、本実施形態によれば、様々な方向の微細なエッジ部に至るまで極めて滑らかな輝度面を、一の実施形態よりも簡略な処理手順で生成することができ、欠陥画素の補正処理と高画質化の処理とを高精度かつ高速に行うことができる。
なお、本実施形態の輝度成分算出処理では、注目画素がG成分の場合、注目画素の左側に隣接する画素における方向類似性に応じて選択的にローパスフィルタを掛けるための異なる係数パターン0、0a〜0e、10、10aを用意したが、通常の画像復元処理だけの場合、G成分の注目画素における輝度成分は、このような方向類似性に関係なく、係数パターン10、10aを用いて算出されてもよい。すなわち、図22S40’〜S51の処理のうち、図22S41〜43の処理のみが行われるのが好ましい。
《他の実施形態》
以下に、本発明の他の実施形態の動作について説明する。
《他の実施形態》
以下に、本発明の他の実施形態の動作について説明する。
本実施形態では、図1に示すPC18によって画像処理が行われる。
なお、PC18には、CD−ROM26などの記録媒体に記録された画像処理プログラム(上記一の実施形態の画像処理部11による画像復元処理を実現する画像処理プログラム)が予めインストールされているものとする。すなわち、PC18内の不図示のハードディスクには、画像処理プログラムが不図示のCPUによって実行可能な状態で格納されている。
次に、図1を参照しつつ本実施形態の動作を説明する。
PC18によって画像復元処理される画像データは、電子カメラ1の撮像素子21によって撮像され、DFE10によって所定の信号処理が施されて生成された画像データとする。また、画像データは、画像処理部11によって、ホワイトバランス処理、階調変換やγ補正などの画像処理が予め施されているとする。さらに、その画像データは、画像処理部11によって、欠陥画素の画素位置の情報が付加されて画像ファイルとして生成され、カードI/F17を介してメモリカード16に記憶されているとする。
なお、画像ファイルは、例えば、Exif(Exchangeable image file format for digital still cameras)規格やTIFF/EP規格などに準拠した形式であるとする。また、画像データの欠陥画素の画素値は、公知の欠陥画素補正処理により予め補正されていてもよい。
そして、電子カメラ1において、操作部23を介し操作者によりPC通信モードが選択され画像データの転送が指示されると、カードI/F17および入出力I/F19を介して、カードメモリ16に記憶された画像ファイルがPC18へ転送される。PC18のCPU(不図示)は、電子カメラ1から画像ファイルを読み込むと、上述した画像処理プログラムを実行する。PC18のCPU(不図示)は、画像処理プログラムに基づいて、画像ファイルに付加された欠陥画素の画素位置の情報を読み込み、画像データに対して、一の実施形態と同様の画像復元処理を行う。
なお、画像処理プログラムの実行により、画像復元処理された画像データは、必要に応じて圧縮処理して不図示のハードディスクに記録されたり、モニタ24やプリンタ25で採用されている表色系に変換され表示出力されたりするのが好ましい。
このように、本実施形態では、上記実施形態と同様の画像復元処理がPC18により行われ、欠陥画素の補正処理と高画質化の処理とを高精度かつ高速に行うことができる。
また、PC18のCPU(不図示)は、画像ファイルを記録したメモリカード16がPC18に直接装着された場合、そのメモリカード16から画像データを読み出し画像処理プログラムを実行してもよい。
また、本実施形態では、画像復元処理において、欠陥画素の画素位置の情報が付加された画像データを用いたが、PC18が、画像ファイルとともに、電子カメラ1から撮像素子21の欠陥画素の画素位置の情報を読み込み、不図示のメモリなどに記録することにより、欠陥画素の画素位置の情報が付加されていない画像ファイルの画像データに対しても画像復元処理を行うことができる。
また、画像処理プログラムは、インターネットを介して所定のホームページにアクセスすることによって、PC18にダウンロードされてインストールされてもよい。
また、画像処理プログラムは、PC18で実行せず、インターネットなどを介して接続される遠隔地のサーバなどで実行されてもよい。すなわち、PC18は、電子カメラ1から読み込んだ画像データを、インターネットなどを介して、画像処理プログラムが実行可能なサーバなどに転送することにより、その画像データに対し画像復元処理を行ってもよい。
《実施形態の補足事項》
上記実施形態では、RGB表色系で示され、かつ、各々の画素にR,G,Bのいずれか1つの色成分の色情報が存在する画像に対する処理を説明したが、同様の処理は、他の表色系で示される画像に対しても適用できる。
《実施形態の補足事項》
上記実施形態では、RGB表色系で示され、かつ、各々の画素にR,G,Bのいずれか1つの色成分の色情報が存在する画像に対する処理を説明したが、同様の処理は、他の表色系で示される画像に対しても適用できる。
上記実施形態では、色成分が図2に示すように配列された画像データを処理対象としたが、本発明はこれに限定されず、様々な色成分の配列の画像データを処理対象とすることができる。
上記実施形態では、画像データは、画像復元処理の前にホワイトバランス処理などの画像処理が施されたが、本発明はこれに限定されず、画像復元処理の後にホワイトバランス処理などの画像処理を行ってもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点及び利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神及び権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点及び利点にまで及ぶことを意図する。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良及び変更に容易に想到できるはずであり、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物及び均等物によることも可能である。
1 電子カメラ、10 DFE、11 画像処理部、12 CPU、13 メモリ、14 表示I/F、15、24 モニタ、16 メモリカード、17 メディアI/F、18 PC、19 入出力I/F、20 撮像光学系、21 撮像素子、22 TG、23 操作部、25 プリンタ、26 CD−ROM
Claims (20)
- 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の前記色情報を注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、
前記第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記画像処理部は、前記第1画像の色情報を前記注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置に基づいて、前記係数パターンを選択し加重加算する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の前記色情報を注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部を備え、
前記第1画像は、欠陥画素の画素位置の情報が付加され、
前記画像処理部は、前記第1画像の色情報を前記注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置に基づいて、前記係数パターンを選択し加重加算する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定し、前記注目画素の色成分および欠陥画素の画素位置とともに、その判定結果に基づいて、前記係数パターンを選択することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記注目画素に隣接する画素が前記欠陥画素である場合、前記隣接する画素の画素位置に基づいて、前記注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記係数パターンは、前記注目画素の画素位置を中心に前記複数の色成分の色情報が含まれる最小の領域内の画素の色情報を加重加算する零以上の値からなることを特徴とする画像処理装置。 - 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の前記色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、
前記第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記画像処理部は、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置に基づいて前記係数を変え、前記注目画素の色情報と前記注目画素に隣接する画素の色情報とを加重加算する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の前記色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部を備え、
前記第1画像は、欠陥画素の位置情報が付加され、
前記画像処理部は、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置に基づいて前記係数を変え、前記注目画素の色情報と前記注目画素に隣接する画素の色情報とを加重加算する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項6または請求項7に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定し、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置とともに、その判定結果に基づいて、前記係数を変えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項8に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記注目画素に隣接する画素が前記欠陥画素である場合、前記隣接する画素の画素位置に基づいて、前記注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記第1画像の全ての画素において、前記第1画像の色情報を常に一定の色成分比率で加重加算することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項10に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記第1画像が、画素密度の高い第1色成分と画素密度の低い第2色成分および第3色成分とからなる場合、前記第2色成分の色情報と前記第3色成分の色情報とを同一の色成分比率で加重加算することを特徴とする画像処理装置。 - 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の前記色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、予め決められた固定のフィルタ係数によるフィルタ処理を行うことによって、前記異なる色成分を補正し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部と、
前記第1画像における欠陥画素の画素位置の情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記画像処理部は、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置に基づいて前記係数を変える
ことを特徴とする画像処理装置。 - 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有する第1画像の前記色情報を零以上の可変な係数により注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色情報と異なる色成分の値を算出し、予め決められた固定のフィルタ係数によるフィルタ処理を行うことによって、前記異なる色成分を補正し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理部を備え、
前記第1画像は、欠陥画素の位置情報が付加され、
前記画像処理部は、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置に基づいて前記係数を変える
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項12または請求項13に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定し、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の画素位置とともに、その判定結果に基づいて、前記係数を変えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項14に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記注目画素に隣接する画素が前記欠陥画素である場合、前記隣接する画素の画素位置に基づいて、前記注目画素の画素位置における複数の方向に対する類似性の強弱を判定することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記予め決められた固定のフィルタ係数として、正および負の値を含むフィルタ係数を用いることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項12ないし請求項16のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記異なる色成分は、輝度成分および色差成分であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項17に記載の画像処理装置において、
前記画像処理部は、前記第1画像が、第1色成分、第2色成分および第3色成分を有する場合、
前記第1色成分と前記第2色成分とで構成される第1類似度成分、
前記第2色成分と前記第3色成分とで構成される第2類似度成分、
前記第3色成分と前記第1色成分とで構成される第3類似度成分、
前記第1色成分のみで構成される第4類似度成分、
前記第2色成分のみで構成される第5類似度成分、
前記第3色成分のみで構成される第6類似度成分
の少なくとも1つの類似度成分を用いて、複数の方向に対する類似度を算出し、該類似度に基づいて、前記複数の方向に対する類似性の強弱を判定する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 撮像素子と、
請求項1ないし請求項18のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 各画素が複数の色成分のいずれか1つの色成分の色情報を有し、欠陥画素の画素位置の情報が付加された第1画像を読み込む入力手順と、
前記第1画像の前記色情報を注目画素の画素位置で加重加算して前記注目画素の色成分と異なる色成分の値を算出し、前記各画素が複数の色成分を有する第2画像を生成する画像処理手順と、をコンピュータに実行させ、
前記画像処理手順は、前記第1画像の前記色情報を前記注目画素の画素位置で加重加算する複数の係数パターンを用意し、前記注目画素の色成分および前記欠陥画素の位置関係に基づいて、前記係数パターンを選択し加重加算する
ことを特徴とする画像処理プログラム。
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JP2010248602A JP2012100215A (ja) | 2010-11-05 | 2010-11-05 | 画像処理装置、撮像装置および画像処理プログラム |
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Cited By (2)
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JP2017041738A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 株式会社東芝 | 固体撮像装置 |
JP2017055317A (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | キヤノン株式会社 | 画像データ生成装置、撮像装置および画像データ生成プログラム |
-
2010
- 2010-11-05 JP JP2010248602A patent/JP2012100215A/ja not_active Withdrawn
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