JP2012097863A - 配管のき裂進展抑制方法及び装置 - Google Patents

配管のき裂進展抑制方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉一次系配管などの配管についてプラント運転期間中に、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制できること。
【解決手段】原子力発電プラント10の原子炉一次系配管27、29、31、33、34等に生じた、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制する配管のき裂進展抑制方法であって、原子力発電プラント10の運転停止時に、き裂が生じた前記配管に加圧機構41から圧力を付与し、この状態で前記配管におけるき裂が存在する局部領域を局部加熱源42が加熱するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラントの配管に生じた、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制する配管のき裂進展抑制方法及び装置に関する。
原子力発電プラントの構成について沸騰水型原子炉(BWR)を例に説明する。沸騰水型原子炉の原子炉一次系水が循環する原子炉一次系は、一般に以下のような構成となっている。
すなわち、原子炉建屋内に原子炉格納容器が設置され、この原子炉格納容器内に原子炉圧力容器がペデスタル上に設置されている。原子炉圧力容器内には炉心および冷却材(冷却水)が収容されており、この冷却材は炉心の下方から上方へ流動する間に、炉心の核反応熱を奪って加熱される。加熱された冷却材は蒸気と水との気液混合流となり、炉心の上方に設けられた気水分離器で水と蒸気に分離される。分離された蒸気は、気水分離器の上方に設けられた蒸気乾燥器で乾燥されて乾燥蒸気となり、原子炉圧力容器に接続された主蒸気系配管を経てタービン系へ供給され、タービン系で仕事に供される。一方、気水分離器で分離された水は、原子炉圧力容器内で炉心の下方に流下し、再度炉心の上方に向かって流動して加熱される。以下同様のサイクルを繰り返す。
このような原子力発電プラントにあって、原子炉一次系を循環する高温水中に接触する原子炉一次系構造物には、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れにより、き裂の発生及び進展が生じる場合がある。プラントの健全性をより強固なものとし、またプラントの長寿命化を図る観点から、このような事象を抑制するための技術開発が必要となる。
このような事象は、応力腐食割れに対して感受性のある構成材料において、応力条件と環境条件が組み合わさって発生する事象である。このため、応力腐食割れに対して感受性の低い改良材料や、高周波誘導加熱による応力改善法(IHSI:Induction Heating Stress Improvement)を用いる応力改善技術や、沸騰水型原子炉を備えた原子力発電プラントにおける水素注入などの水質改善技術などが開発されている。
また、近年、上述の原子炉一次系水に接触する原子炉一次系構造物において応力腐食割れなどによる損傷事例が発生した場合でも、構造健全性評価を行って支障ないことが確認されれば、構造物表面にき裂を有する状態でプラントが運転される運用が提案されている。このような場合にき裂の進展を抑制することは、その後のプラントの健全性の維持、長寿命化を図る上で重要である。
特許文献1には、配管のき裂存在箇所に引張荷重を負荷した後に除荷することによって、き裂先端部に圧縮側の残留応力を発生させ、き裂の進展を抑制(抑止)する配管のき裂進展抑止方法が開示されている。
特開平7−151295号公報
ところが、特許文献1に記載の配管のき裂進展抑止方法では、配管への引張荷重の負荷が機械的手段(固着部材及びテーパ部材など)によってなされるため、配管の寸法によって異なるサイズの機械的手段が必要になる。更に、機械的手段の装着や取扱が煩雑になってしまう。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、煩雑な機械的手段を用いることなく、原子炉一次系配管などの配管についてプラント運転期間中に、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制できる配管のき裂進展抑制方法及び装置を提供することにある。
本発明に係る配管のき裂進展抑制方法は、プラントの配管に生じた、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制する配管のき裂進展抑制方法であって、プラントの運転停止時に、き裂が生じた前記配管内に圧力を付与し、この状態で前記配管におけるき裂が存在する局部領域を加熱することを特徴とするものである。
また、本発明に係る配管のき裂進展抑制装置は、プラントの配管に生じた、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制する配管のき裂進展抑制装置であって、プラントの運転停止時に、き裂が生じた前記配管内に圧力を付与する圧力付与手段と、この圧力付与手段により前記配管内に圧力が付与された状態で、前記配管におけるき裂が存在する局部領域を加熱する局部加熱手段と、を有することを特徴とするものである。
本発明に係る配管のき裂進展抑制方法及び装置によれば、プラントの配管に応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂が存在している場合に、この配管内に圧力を付与し、この状態で前記配管におけるき裂が存在する局部領域を加熱すると、プラントの定格運転時に形成される塑性域よりも大きな塑性域がき裂先端部に形成される。従って、プラントの定格運転時には、き裂先端部に上述の加圧及び加熱処理で形成された塑性域よりも小さな塑性域が形成されるので、き裂先端部が一種の圧縮応力場に置かれることになる。この結果、配管に引張荷重を与える煩雑な機械的手段を用いることなく、プラント運転期間中に、配管に存在する上述のき裂の進展を抑制できる。
本発明に係る配管のき裂進展抑制装置における一実施の形態が適用された原子力発電プラントの一部を示す系統図。 図1の配管のき裂進展抑制装置を示す構成図。 (A)は図2の局部加熱源を配管と共に示す断面図、(B)は図3(A)のIII矢視図。 図2の局部加熱源により加熱される配管加熱部位の温度昇降波形を示すグラフ。 図2の配管き裂進展抑制装置によりき裂の進展が抑制される状況を示すグラフ。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。但し、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る配管のき裂進展抑制装置における一実施の形態が適用された原子力発電プラントの一部を示す系統図である。この図1に示す原子力発電プラント10の沸騰水型原子炉11は、原子炉圧力容器12内に炉心13を収容する。この炉心13を構成する多数の燃料集合体(不図示)は、炉心シュラウド14に囲まれると共に、炉心支持板15及び上部格子板16により支持される。炉心シュラウド14の上部開口はシュラウドヘッド17により閉塞され、このシュラウドヘッド17の上方に気水分離器18、蒸気乾燥器19が順次配置されている。
原子炉圧力容器12は、容器本体20と、この容器本体20の上部開口を閉塞するように設けられた蓋体21とを有して構成される。容器本体20は、円筒形状の胴体22と、この胴体22の下端に接続されて炉心下部プレナム24を形成する下鏡23を備えて構成される。下鏡23には、制御棒駆動機構25や炉内計装管を挿通させる貫通孔(共に不図示)が設けられている。
この原子炉圧力容器12の内部に、前述の炉心シュラウド14、炉心支持板15、上部格子板16、シュラウドヘッド17、気水分離器18及び蒸気乾燥器19、並びに後述のジェットポンプ36、図示しないシュラウドサポート及び炉心スプレー系配管などの原子炉内構造物が収納されている。
更に、原子炉圧力容器12に、冷却材を給水として取水し、蒸気を放出等する原子炉一次系配管が接続される。この原子炉一次系配管は、主蒸気系26の主蒸気系配管27、給水系28の給水系配管29、原子炉再循環系30の再循環系配管31、原子炉冷却材浄化系32の冷却材浄化系配管33、及びボトムドレン配管34等である。冷却材浄化系配管33は、ボトムドレン配管34及び再循環系配管31に接続されている。
沸騰水型原子炉11の炉心13で発生した蒸気は、気水分離器18にて水分が分離され、蒸気乾燥器19にて乾燥されて、主蒸気系配管27を通りタービン系(不図示)へ供給される。タービン系で仕事をした蒸気は凝縮されて復水となり、給水系28を通る間に加熱されて給水となり、給水系配管29から原子炉圧力容器12内へ冷却材として供給される。
この冷却材は、原子炉再循環系30の再循環ポンプ35により昇圧され、原子炉圧力容器12の容器本体20と炉心シュラウド14との間のダウンカマ部に複数本設置されたジェットポンプ36によって、気水分離器18にて分離された水と共に、炉心13下方の炉心下部プレナム24内へ導かれる。冷却材は、この炉心下部プレナム24から上方へ流動し、炉心13の核反応熱により加熱されて蒸気と水の気液混合流になり、気水分離器18へ至る。上述のサイクルが繰り返される。
前述の原子炉圧力容器12、原子炉内構造物(炉心シュラウド14、炉心支持板15、上部格子板16、気水分離器18、蒸気乾燥器19、ジェットポンプ36、シュラウドサポート及び炉心スプレー系配管など)、原子炉一次系配管(主蒸気系配管27、給水系配管29、再循環系配管31、冷却材浄化系配管33、ボトムドレン配管34など)、及び制御棒駆動機構25等が、原子炉一次系水である前述の冷却材、蒸気及び給水などに接触する、原子炉一次系を構成する原子炉一次系構造物である。
この原子炉一次系構造物には、原子力発電プラント10の運転中に応力腐食割れや腐食疲労などによる環境助長割れを原因としてき裂が生ずることがある。配管のき裂進展抑制装置40は、原子力発電プラント10の運転中に、特に原子炉一次系配管に生じた上記き裂の進展を抑制するものである。この配管のき裂進展抑制装置40は、図2にも示すように、圧力付与手段としての加圧機構41と、局部加熱手段としての局部加熱源42と、これらの加圧機構41及び局部加熱源42を制御する制御装置43とを有し、更に圧力計44及び仕切り弁45を有して構成される。
図1及び図2は、配管のき裂進展抑制装置40が原子炉一次系配管のボトムドレン配管34に生じたき裂の進展を抑制すべく、このボトムドレン配管34に設置された一例を示すが、原子炉一次系配管の他の配管に接続されてもよい。また、ボトムドレン配管34の上記き裂は、図3(A)に示すボトムドレン配管34の溶接部46の内表面に生じたものを一例とする。原子力発電プラント10の定期検査などの運転停止時に、被破壊検査などによってボトムドレン配管34に上記き裂が検出されたとき、このき裂が検出された領域に配管のき裂進展抑制装置40が設置される。
加圧機構41は、原子力発電プラント10の運転停止時に、原子炉一次系配管である例えばボトムドレン配管34の、き裂が存在する領域を含む対象範囲に圧力を付与するものであり、例えば高圧ガスボンベや加圧機械(加圧ポンプなど)が用いられる。この加圧機構41は、接続配管47を介して、圧力を付与すべき原子炉一次系配管、例えばボトムドレン配管34に接続される。この接続配管47は、既存のベントラインやドレンラインを利用してもよく、または新たに設置されてもよい。また、加圧機構41が圧力を付与する際には、圧力を付与すべき、き裂が存在する領域を含む対象範囲を隔離するために前記仕切り弁45が用いられる。この仕切り弁45は、既設の弁であっても、新たに設置される弁であってもよい。
加圧機構41が付与する圧力は、原子力発電プラント10の運転時に圧力付与の対象となる原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)に作用している圧力に相当する圧力(所定圧力)である。前記圧力計44は、例えば接続配管47に設置されて、加圧機構41が付与した圧力が上記所定圧力に到達しているか否かを監視する。
局部加熱源42は、原子力発電プラント10の運転停止時に、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂が存在する領域を含む対象範囲に加圧機構41により所定圧力が付与された状態で、この原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)におけるき裂が存在する局部領域(き裂が存在する一部領域)を加熱する。この局部加熱源42は、例えば誘導加熱装置などが用いられ、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)におけるき裂が存在する局部領域の外周に配置される。この局部加熱源42は、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)におけるき裂が存在する局部領域を、原子力発電プラント10の運転時に上記配管(例えばボトムドレン配管34)が昇温される運転温度を超える温度まで加熱する。
ここで、配管に生じたき裂先端部の塑性域の大きさは、同一の応力条件下では、配管構成材料の耐力の二乗に反比例する。また、配管の主たる構成材料であるSUS316Lなどの耐力は、温度の上昇に従って低下する傾向にある。これらのことから、加圧機構41による圧力付与の状態下で、局部加熱源42により、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)におけるき裂が存在する局部領域を加熱することで、その配管の加熱部位の耐力が低下し、この耐力低下により上記配管の加熱部位におけるき裂先端部の塑性域を増大させることが可能になる。
例えば、沸騰水型原子炉11では、ボトムドレン配管34を含む原子炉一次系配管は、原子力発電プラント10の定格運転時に282〜286℃程度の温度(運転温度)に維持される。そこで、局部加熱源42は、この運転温度を超える温度、例えば設計温度に相当する302℃まで、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂が存在する領域を加熱する。これにより、この原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂存在領域が局部加熱源42によって上記運転温度よりも16〜20℃程度高い温度まで加熱されることになる。この結果、加圧機構41及び局部加熱源42を用いた加圧及び加熱処理によって、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂先端部に、原子力発電プラント10の定格運転時に想定される塑性域の大きさよりも大きな塑性域が形成されることになる。
制御装置43は、圧力計44からの検出信号に基づいて加圧機構41を制御し、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)の、き裂が存在する領域を含む対象範囲に所定圧力を付与する。更に、制御装置43は局部加熱源42を制御して、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂が存在する局部領域を、プラント運転時の前記配管の運転温度を超える温度まで加熱する。この局部加熱源42の制御に際し、制御装置43は、対象となる原子炉一次系配管に設置された図示しない温度計の検出値に基づいて局部加熱源42を制御してもよい。
更に制御装置43は、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)の局部領域を局部加熱源42を用いて加熱する際に、その原子炉一次系配管の加熱部位(き裂が存在する領域)の温度昇降波形が、図4に示す台形波になるように制御する。このとき、制御装置43は、原子炉一次系配管の加熱部位の全体が均一な温度に到達するように、昇温時間M1及び保持時間M2を設定する。尚、図4には、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のプラント定格運転時の温度をT1で示し、局部加熱源42により加熱されたときの原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)の加熱部位の温度をT2で示している。
次に、配管のき裂進展抑制装置40における作用を説明する。
まず、原子力発電プラント10の運転停止時に、き裂が生じた原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)について、そのき裂が存在する領域を含む対象範囲を仕切り弁45を用いて隔離する。そして、この原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂が存在する局部領域の外周に局部加熱源42を設置する。
次に、制御装置43が、圧力計44からの検出信号に基づいて加圧機構41を制御し、上記原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)の上記対象範囲を、所定圧力(プラント運転時における上記原子炉一次系配管内の圧力に相当する圧力)まで加圧する。
この状態で、制御装置43が局部加熱源42を制御し、上記原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂が存在する局部領域を、プラント運転時における上記原子炉一次系配管の運転温度(例えば282〜286℃程度)を超える温度、例えば302℃まで加熱する。
この局部加熱源42による加熱処理の終了後に、制御装置43は、加圧機構41による加圧処理を終了させる。そして、仕切り弁45による隔離を解除し、局部加熱源42を取り除いて、配管のき裂進展抑制装置40による加圧及び加熱処理の対象となった原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)を復旧する。
その後、原子力発電プラント10が起動して定格運転に至ると、ボトムドレン配管34を含む原子炉一次系配管は、例えば282〜286℃程度の運転温度になる。すると、配管のき裂進展抑制装置40にて処理された原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)のき裂先端部には、配管のき裂進展抑制装置40により形成された塑性域よりも小さな塑性域が形成されるので、このき裂先端部が一種の圧縮応力場に置かれることになる。このため、この原子力発電プラント10の運転中に上記き裂の進展が抑制される。
つまり、図5に示すように、時間Sにおいて、加圧機構41による所定圧力の作用下で、局部加熱源42による局部加熱処理がなされることで、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)に生じたき裂の先端部は、原子力発電プラント10の運転時に一種の圧縮応力場に置かれることになって、曲線Aに示すように、プラント運転中のき裂の進展が抑制される。尚、図5中の曲線Bは、時間Sにおいて所定圧力下での局部加熱処理がなされなかったときのき裂の進展状況を示す。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果を奏する。
原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)に応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂が存在している場合に、この配管のき裂が存在する局部領域を含む対象範囲に加圧機構41により所定圧力を付与し、この状態でこの原子炉一次系配管におけるき裂が存在する局部領域を局部加熱源42により加熱する。すると、この原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)では、原子力発電プラント10の定格運転時に形成される塑性域よりも大きな塑性域がき裂先端部に形成されることになる。従って、原子力発電プラント10の定格運転時には、き裂先端部に上述の加圧及び加熱処理で形成された塑性域よりも小さな塑性域が形成されるので、き裂先端部が一種の圧縮応力場に置かれることになる。この結果、配管に引張荷重を与える煩雑な機械的手段を用いることなく、原子力発電プラント10の運転期間中に、原子炉一次系配管(例えばボトムドレン配管34)に存在する上述の環境助長割れによるき裂の進展を抑制でき、原子炉一次系、ひいては原子力発電プラント10の信頼性及び安全性を向上させることができる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形してもよい。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせてもよく、またはこれらの全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
例えば、原子炉一次系配管におけるき裂が存在する局部領域を含む対象範囲に加圧機構41により圧力を付与した状態で、上記配管におけるき裂が存在する局部領域を局部加熱源42により加熱する加圧及び加熱処理は、原子力発電プラント10のサイクル運転停止時毎に実施されて、原子力発電プラント10の長期間に亘るき裂進展抑制効果を実現するものでもよい。
また、上記実施の形態では、原子力発電プラント10の原子炉一次系配管に生じたき裂の進展を抑制する場合を述べたが、化学プラントの配管に生じたき裂の進展を抑制することも可能である。
10 原子力発電プラント
27 主蒸気系配管(原子炉一次系構造物)
29 給水系配管(原子炉一次系構造物)
31 再循環系配管(原子炉一次系構造物)
33 冷却材浄化系配管(原子炉一次系構造物)
34 ボトムドレン配管(原子炉一次系構造物)
40 配管のき裂進展抑制装置
41 加圧機構(圧力付与手段)
42 局部加熱源(局部加熱手段)

Claims (9)

  1. プラントの配管に生じた、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制する配管のき裂進展抑制方法であって、
    プラントの運転停止時に、き裂が生じた前記配管内に圧力を付与し、この状態で前記配管におけるき裂が存在する局部領域を加熱することを特徴とする配管のき裂進展抑制方法。
  2. 前記配管内に付与する圧力は、プラント運転時の前記配管内の圧力に相当する圧力であることを特徴とする請求項1に記載の配管のき裂進展抑制方法。
  3. 前記配管におけるき裂が存在する局部領域を加熱する加熱温度は、プラント運転時の前記配管の運転温度を超える温度であることを特徴とする請求項1に記載の配管のき裂進展抑制方法。
  4. 前記配管を加熱する際に、その配管の加熱部位の温度昇降波形が台形波であることを特徴とする請求項1に記載の配管のき裂進展抑制方法。
  5. 前記配管は、原子力プラントの原子炉一次系水に接触する原子炉一次系配管であることを特徴とする請求項1に記載の配管のき裂進展抑制方法。
  6. プラントの配管に生じた、応力腐食割れや腐食疲労などの環境助長割れによるき裂の進展を抑制する配管のき裂進展抑制装置であって、
    プラントの運転停止時に、き裂が生じた前記配管内に圧力を付与する圧力付与手段と、
    この圧力付与手段により前記配管内に圧力が付与された状態で、前記配管におけるき裂が存在する局部領域を加熱する局部加熱手段と、を有することを特徴とする配管のき裂進展抑制装置。
  7. 前記圧力付与手段は、プラント運転時における配管内の圧力に相当する圧力を前記配管に付与するよう構成されたことを特徴とする請求項6に記載の配管のき裂進展抑制装置。
  8. 前記局部加熱手段は、配管におけるき裂が存在する局部領域を、プラント運転時における前記配管の運転温度を超える温度まで加熱するよう構成されたことを特徴とする請求項6に記載の配管のき裂進展抑制装置。
  9. 前記配管は、原子力プラントの原子炉一次系水に接触する原子炉一次系配管であることを特徴とする請求項6に記載の配管のき裂進展抑制装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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