JP2012092188A - 感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料 - Google Patents

感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料 Download PDF

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JP2012092188A
JP2012092188A JP2010239352A JP2010239352A JP2012092188A JP 2012092188 A JP2012092188 A JP 2012092188A JP 2010239352 A JP2010239352 A JP 2010239352A JP 2010239352 A JP2010239352 A JP 2010239352A JP 2012092188 A JP2012092188 A JP 2012092188A
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Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
Katsuyuki Fujita
藤田勝幸
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Abstract

【課題】 熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、常温域で色を互変的に記憶保持できると共に、近赤外領域の吸収度も同様に常温域で記憶保持させることができる感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を提供する。
【解決手段】 (イ)電子供与性近赤外吸収性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体とをマイクロカプセルに内包し、色濃度−温度曲線に関してヒステリシス特性を示して有色と無色の互変性を呈し、有色状態から温度が上昇する過程で温度tに達すると消色し始め、温度t以上の温度域で完全に無色となり、無色から温度が下降する過程で温度tに達すると着色し始め、温度t以下の温度域で完全に着色するヒステリシス特性を示し、温度tが50℃以上であり、且つ、温度tが0℃以下である感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料。
【選択図】 図1

Description

本発明は感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料に関する。さらに詳細には、温度変化により変色させた状態を互変的に記憶保持できると共に、近赤外領域の吸収と非吸収も記憶保持させることができる感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料に関する。
従来、(イ)電子供与性近赤外吸収性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三成分を必須成分とする熱可逆性近赤外吸収組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記熱可逆性近赤外吸収組成物は、温度変化により可逆的に色変化を呈すると共に、前記(イ)電子供与性近赤外吸収性有機化合物による近赤外領域の波長の吸収と非吸収を可逆的に生起するものである。
しかしながら、前記組成物は変色温度を境として、その前後で変色し、変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえないため、一方の状態はその状態が発現するのに要する熱または冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱または冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する元の状態に戻る。よって、近赤外領域の波長の吸収と非吸収を可逆的に生起することができるものの、波長の吸収と非吸収をコントロールするためには、発熱媒体或いは冷熱媒体の恒久的な適用を余儀なくされ、実用には不向きであった。
そこで、変色前後の両状態のうち特定の一方の状態を存在させるために温度−色濃度曲線に関して5℃〜80℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色する感温変色性色彩記憶性近赤外吸収組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記組成物では、常温域で変色させた状態を互変的に記憶保持することは困難であり、よって、近赤外領域の吸収と非吸収も同様に常温域で記憶保持することが困難であった。
特開昭63−145388号公報 特開平10−237436号公報
本発明は、従来の感温変色性色彩記憶性近赤外吸収組成物の不具合を解消するものであって、即ち、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と、逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、変色させた状態を常温域で互変的に記憶保持できると共に、近赤外領域の吸収と非吸収も同様に常温域で記憶保持させることができる感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を提供しようとするものである。
本発明は、(イ)電子供与性近赤外吸収性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体とから少なくともなる組成物をマイクロカプセルに内包してなり、色濃度−温度曲線に関してヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、有色状態から温度が上昇する過程では、温度tに達すると消色し始め、温度tより高い温度t以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度tに達すると着色し始め、温度tより低い温度t以下の温度域で完全に着色状態となるヒステリシス特性を示し、温度tが50℃以上であり、且つ、温度tが0℃以下である感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を要件とする。
更には、前記マイクロカプセル顔料が、色濃度−温度曲線に関して40℃乃至100℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色することを要件とする。
本発明は、温度−色濃度曲線において温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と、逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、常温域で色を互変的に記憶保持できると共に、近赤外領域の吸収度も同様に常温域で記憶保持させることができるため、多用な用途への展開を図ることができる感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を提供することができる。
本発明感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
以下に各(イ)、(ロ)、(ハ)成分について具体的に説明する。
前記(イ)電子供与性近赤外吸収性有機化合物としては、下記一般式(1)乃至(11)で示される化合物を用いることができる。
Figure 2012092188
〔式中、R〜Rは次のことを意味する。
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、
Figure 2012092188
(式中R10、R11はアルキル又はシクロアルキルを示す)
で表される置換アミノ基、又は、
Figure 2012092188
(式中n及びkは1以上の整数で、n+kは4以上であり、xはイオウ、酸素、又はメチレンを示す)
で表される環状アミノ基を示す。
は水素、ハロゲン、アルキル又はアルキルアミノを示し、Rが複数の場合、各Rはそれぞれ異なっていてもよい。
は、水素又はアルキルを示す。
、Rは水素、アルキル又はアルコキシを示す。
、R、R、Rはアルキル又はシクロアルキルで、RとR、及びRとRとはそれぞれ結合し、隣接する窒素原子を含む複素環を形成してもよい。a、b、c、dは炭素原子、そのうち1若しくは2個は窒素原子でもよい。mは1〜4の整数を示す。〕
Figure 2012092188
(式中、R〜R15は次のことを意味する。
、R、R、R、R12、R13、R14、R15は、アルキル又はシクロアルキルを示し、RとR、RとR、R12とR13、及びR14とR15はそれぞれ結合し、隣接する窒素原子を含む複素環を形成していてもよい。又、a、b、c、dは炭素原子、そのうち1若しくは2個は窒素原子でもよい。
、R、R10、R11は水素、アルキル又はアルコキシを示す。
、Rは水素、又はアルキルを示す。
は水素、ハロゲン、アルキル又はアルキルアミノを示し、Rが複数の場合、各Rは、それぞれ異なっていてもよい。
mは1〜4の整数を示す。)
前記一般式(1)、(2)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
ビス−3,3−〔ビス−1,1−(p−ジメチルアミノフェニル)エチレノ−2〕フタリド、
ビス−3,3−〔ビス−1,1−(p−ジエチルアミノフェニル)エチレノ−2〕フタリド、
ビス−3,3−〔ビス−1,1−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)エチレノ−2〕フタリド、
ビス−3,3−〔ビス−1,1−(p−ジメチルアミノフェニルエチレノ−2)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジエチルアミノフェニル)−エチレノ−2〕フタリド、
3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジメチルアミノフェニル)−エチレノ−2〕フタリド、
3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−〔ビス−1,1−o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)−エチレノ−2〕フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−エチレノ−2〕フタリド、
3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジメチルアミノフェニルエチレノ−2〕−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(p−メトキシフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジメチルアミノフェニルエチレノ−2〕−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(p−ピロリジンフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジメチルアミノフェニルエチレノ−2〕−6−ピロリジノフタリド、
ビス−3,3−〔ビス−1,1−(p−ジメチルアミノフェニル)エチレノ−2〕−4−アザフタリド、
ビス−3,3−〔ビス−1,1−(p−ジメチルアミノフェニル)エチレノ−2〕−4,7−ジアザフタリド、
3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジメチルアミノフェニルエチレノ−2〕−4−アザフタリド、
3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−〔ビス−1,1−p−ジメチルアミノフェニルエチレノ−2〕−4,7−ジアザフタリド。
Figure 2012092188
〔式中、Eは、
Figure 2012092188
であり、
、R、R、R、R及びRはいずれも水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数5〜7のシクロアルキル、フェニル、ベンジルを示し、又、R、R及びRは各々水素、ハロゲン、低級アルキルを示す。
但し、R、R、R、R、R及びRは、同時には炭素数1〜4のアルキルを示さず、又、RとR又はRとRは場合によりそれらがそれぞれ結合する窒素原子(アミノ基の窒素原子)と共に炭素数4〜6の複素環(酸素原子、硫黄原子或いは第2の窒素原子をも含み得る)を形成するものとする。〕
前記一般式(3)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−ピロリジノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジエチルアミノフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−ピペリジノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−4’−アザフタリド、
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−7’−アザフタリド、
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−4’,7’−アザフタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−5’,6’−ベンゾフタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−5’,6’−ベンゾ−4’−アザフタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−5’,6’−ベンゾ−4’,7’−ジアザフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−4’,5’,6’,7’−テトラクロロフタリド、
3−(2−アミノ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(4−ジベンジルアミノフェニル)−6’−ジメチルアミノフタリド。
Figure 2012092188
(式中、R、R、R、Rは、水素又は置換もしくは未置換のアルキルを示し、R、Rは水素又は置換もしくは未置換のフェニルを示し、Rは置換もしくは未置換のアルキル又は置換もしくは未置換のフェニルを示す
置換基としては、アルキルや、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルコキシ基等の不活性基が挙げられる。)
前記一般式(4)で表される化合物の具体例を以下に例示する。
Figure 2012092188
Figure 2012092188
Figure 2012092188
(式中、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル、Rは炭素数1〜8のアルキル、Rは水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル、nは0〜4の整数を示す。)
前記一般式(5)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
6−(4’−ジメチルアミノ)アニリノフルオラン、
6−(4’−ジエチルアミノ)アニリノフルオラン、
6−(4’−ジ−n−ブチルアミノ)アニリノフルオラン、
2,4−ジメチル−6−〔(4’−ジエチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−〔(4’−ジエチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン。
Figure 2012092188
(式中、Rは水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキルを示し、nは0〜4の整数を示す。)
前記一般式(6)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
6−(4’−アニリノフェニルアミノ)フルオラン、
2,4−ジメチル−6−(4’−アニリノフェニルアミノ)フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−(4’−アニリノフェニルアミノ)フルオラン。
Figure 2012092188
(式中、Rは水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル示し、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素、又は炭素数1〜4のアルキルを示し、Rは水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキルを示し、nは0〜4の整数を示す。)
前記一般式(7)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
6−〔4’−(4''−アニリノフェニルアミノ)フェニルアミノ〕フルオラン、
1,3−ジメチル−6−〔4’−(4''−アニリノフェニルアミノ)フェニルアミノ〕フルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−〔4’−(4''−アニリノフェニルアミノ)フェニルアミノ〕フルオラン。
Figure 2012092188
〔式中、Rはアルキル又はシクロアルキルを示し、RとR、及びR10とR11とはそれぞれ結合し、隣接する窒素原子を含む複素環を形成してもよい。a、b、c、dは炭素原子を示し、そのうち1若しくは2個は窒素原子でもよい。R、R、R、Rは水素、アルキル、アルコキシを示し、R、Rは水素又はアルキルを示し、R13は水素、ハロゲン、アルキル又はアルキルアミノを示す。又、R13が複数の場合は各R13はそれぞれが異なっていてもよい。mは1〜4の整数を示す。〕
前記一般式(8)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
ビス−3,3−〔1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕フタリド、
ビス−3,3−〔1−(4−ジエチルアミノフェニル)−1−(4−エトキシフェニル)エチレン−2−イル〕フタリド、
ビス−3,3−〔1−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕フタリド、
ビス−3,3−〔1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
ビス−3,3−〔1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4−アザフタリド、
ビス−3,3−〔1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−7−アザフタリド、
ビス−3,3−〔1−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−4,7−ジアザフタリド。
Figure 2012092188
(式中、環Aは下記の式で表される置換基を示し、
Figure 2012092188
は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲンを示し、nは1〜3の整数を示す。
環Bは芳香環を示し、R、Rはアルキルを示し、R、Rはアルキル又は置換基を有してもよいフェニル基を示し、Rは水素、アルキル、アルコキシを示す。)
前記一般式(9)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−メチルフェニル)エチレン−2−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−フェニルエチレン−2−イル〕−3−(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−n−ブチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−1−フェニルエチレン−2−イル〕−3−(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−フェニルエチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−フェニルエチレン−2−イル〕−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−n−オクチル−2−フェニルインドール−3−イル)−1−フェニルエチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(2−n−ブトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−フェニルエチレン−2−イル〕−3−(4−N−エチル−N−(4−エトキシフェニル)−アミノフェニル〕フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(2−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(3−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−メトキシフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−クロロフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)ベンゾ(f)フタリド、
3−〔1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−メチルフェニル)エチレン−2−イル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド。
Figure 2012092188
(式中、R、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6のアルキル又はベンジル基を示し、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキルを示し、R、Rはそれぞれ水素、炭素数1〜6のアルキル又は炭素数1〜6のアルコキシを示す。A、Bは炭素又は窒素原子を示すが、少なくとも一方は窒素原子である。)
前記一般式(10)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−N−メチル−N−n−プロピルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−N−メチル−N−n−プロピルアミノフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−N−メチル−N−n−プロピルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−N−エチル−N−イソアミルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−N−エチル−N−イソアミルアミノフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−N−エチル−N−イソアミルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−5−アザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−5−アザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−5−アザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−5−アザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−メチルフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エチルフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジ−n−ブチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−イソプロポキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−イソプロポキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−イソプロポキシフェニル)−5,8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−2−メチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−2−エチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−2−n−ブチル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−2−n−ヘキシル−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジベンジルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジベンジルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4,4−ビス(4−ジベンジルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−8−アザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−4−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−5,8−ジアザ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−オン。
Figure 2012092188
(式中、R、Rはそれぞれ独立に低級アルキル基を示し、Rは水素或いは低級アルキル基を示し、R、Rは一緒になって−CH−CH−、或いは−CH−CH−CH−を示し、Rはアルキル基を示す。)
前記一般式(11)で示される化合物の具体例を以下に例示する。
1−〔α−メトキシ−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキセン、
1−〔α−メトキシ−(4−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル〕−3−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)シクロペンテン、
1−〔α−メトキシ−(2−メチル−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル〕−3−(2−メチル−4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)シクロペンテン、
1−〔α−メトキシ−(2−メチル−4−N,N−ジメチルアミノ)ベンジル〕−3−(2−メチル−4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキセン。
前記(ロ)成分の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及び、ビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2−エチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体としては、下記一般式(12)で示される化合物が用いられる。
Figure 2012092188
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至8の整数を示す。)
前記化合物としては、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステルを例示できる。
また、前記(ハ)成分として下記一般式(13)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2012092188
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜2の整数を示し、X、Xのいずれか一方は−(CHOCOR又は−(CHCOOR、他方は水素原子を示し、nは0〜2の整数を示し、Rは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y及びYは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1〜3の整数を示す。〕
前記式(13)で示される化合物のうち、Rが水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にRが水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(13)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(14)で示される化合物が用いられる。
Figure 2012092188
式中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数8〜18のアルキル基、更に好ましくは炭素数8〜13のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(15)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2012092188
(式中、Rは炭素数11以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1〜3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。)
前記化合物として具体的には、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(16)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2012092188
(式中、Rは炭素数1乃至12のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとウンデカン酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとイソ吉草酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプロン酸とのジエステルを例示できる。
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(17)で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2012092188
前記化合物としては、セバシン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2−フェノキシエタノールとのジエステルを例示できる。
本発明における(イ)、(ロ)、(ハ)成分の構成成分割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200である(前記割合はいずれも質量部である)。
前記成分からなる感温変色性色彩記憶性近赤外吸収組成物は、マイクロカプセルに内包させて感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を形成する。
前記組成物をマイクロカプセルで保護することによって酸性物質、塩基性物質、過酸化物等の化学的に活性な物質又は他の溶剤成分と接触しても、その機能を低下させることがないことは勿論、耐熱安定性を向上させることができる。
更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセルは、平均粒子径0.1〜50μm、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは、0.5〜20μmの範囲が実用性を満たす。50μmを越える系では、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に乏しくなる。0.1μm以下の系では、高濃度の発色性を示し難い。
なお、粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を算出する。
また、カプセル化することにより、ΔH値は前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の相溶体と比較し、ΔHを拡大することができる。
前記マイクロカプセルは、内包物/壁膜=7/1〜1/1(質量比)の範囲が有効であり、壁膜の比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、好適には、内包物/壁膜=6/1〜1/1(質量比)である。
前記マイクロカプセル化は、公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。
なお、マイクロカプセル顔料には、一般の染顔料(非熱変色性)を配合し、有色(1)から有色(2)への変色挙動を呈することもできる。
以下に感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を図1のグラフについて説明する。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全に消色する温度t(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全に発色する温度t(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度領域は前記tとt間の温度域であり、発色状態と消色状態のいずれかの状態を呈することができ、色濃度の差の大きい領域であるtとt間の温度域が実質変色温度域(二相保持温度域)である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が大きい程、変色前後の各状態の保持が容易である。
変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態のみ存在させるためには、完全消色温度(t)が50℃以上、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上であり、且つ、発色開始温度(t)が0℃以下、好ましくは−5℃以下、より好ましくは−10℃以下である。
ヒステリシス幅(ΔH)は40℃乃至100℃、好ましくは45乃至100℃、より好ましくは50乃至100℃の範囲である。ここで、tとtの差、或いは、tとtの差であるΔtが変色の鋭敏性を示す尺度であり、1℃乃至10℃の範囲が実用的である。
なお、常温域とは日常生活における環境温度であって、10乃至40℃程度である。
前記感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料は、必要により添加剤を含むビヒクル中に分散してスクリーン印刷、オフセット印刷、プロセス印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷等に用いられる印刷インキ、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等に用いられる塗料、マーキングペン用、ボールペン用、万年筆用、筆ペン用等の筆記具用インキや塗布具用インキ、絵の具、化粧料、繊維用着色液等の感温変色性色彩記憶性近赤外吸収液状組成物に利用できる。
前記添加剤としては、樹脂、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、防かび剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
そのうち、筆記具用インキに用いられる筆記具用ビヒクルとしては、有機溶剤を含む油性ビヒクル、或いは、水と、必要により有機溶剤を含む水性ビヒクルが挙げられる。
前記有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
前記筆記具用インキとしては、ビヒクル中に剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキ、ビヒクル中に水溶性高分子凝集剤を含み、顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インキを挙げることができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することにより、顔料の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、良好な筆跡を形成できる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記水溶性高分子凝集剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。
前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
前記高分子凝集剤と共に、側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤及び有機窒素硫黄化合物を併用することにより、前記高分子凝集剤によるマイクロカプセル顔料のゆるい凝集体の分散性を向上させることができる。
前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤としては、側鎖に複数のカルボキシル基を有する櫛型高分子化合物であれば特に限定されるものではないが、側鎖に複数のカルボキシル基を有するアクリル高分子化合物が好適であり、前記化合物として日本ルーブリゾール社製の商品名:ソルスパース43000を例示できる。
前記有機窒素硫黄化合物は、インキ組成物を筆記具に充填して実用に供する際、振動によるマイクロカプセル顔料の沈降をいっそう抑制する。
これは、マイクロカプセル顔料のゆるい凝集体を側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤によって分散させる分散性をより向上させるものである。
前記有機窒素硫黄化合物としては、チアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイソチアゾール系化合物から選ばれる化合物が用いられる。
前記有機窒素硫黄化合物として具体的には、2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−(チオシアネートメチルチオ)−1,3−ベンゾチアゾール(TCMTB)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられ、好ましくは2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられる。
前記有機窒素硫黄化合物としては、(株)パーマケム・アジア製、商品名:トップサイド88、同133、同170、同220、同288、同300、同400、同500、同600、同700Z、同800、同950、北興産業(株)製、商品名:ホクスターHP、同E50A、ホクサイドP200、同6500、同7400、同MC、同369、同R−150を例示できる。
なお、前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と、有機窒素硫黄化合物の質量比率は1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5であり、前記範囲を満たすことにより、マイクロカプセル顔料のゆるい凝集体の分散性、及び、振動によるマイクロカプセル顔料の沈降抑制を十分に発現させることができる。
更に、筆跡の紙面への固着性や粘性を付与するために適用される水溶性樹脂を添加すると、前述の側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と有機窒素硫黄化合物を含むインキ中でマイクロカプセル顔料の安定性を高める機能がいっそう向上する。
前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。
更に、前記ポリビニルアルコールは、けん化度が70〜89モル%の部分けん化度型ポリビニルアルコールがインキが酸性域でも可溶性に富むため、より好適に用いられる。
前記水溶性樹脂の添加量としては、インキ中に0.3〜3.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲で添加される。
また、前記インキをボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗を防止することが好ましい。
更に、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール及び/又はその塩を含有させることにより、インキのpHが酸性或いはアルカリ領域であっても、一度凍結したインキが再度解凍された後に生じるマイクロカプセル顔料の分散不良や凝集を抑制でき、インキ粘度の上昇やそれに伴う筆跡カスレや淡色化を防止することができると共に、ボールペンに用いる場合はボールの腐食を防止することもできる。
その他、必要に応じてアクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の樹脂を添加して紙面への固着性や粘性を付与したり、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
前記インキを収容するボールペン、マーキングペンについて説明する。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に剪断減粘性インキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したボールペンチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.0mm径程度のものが適用できる。
前記インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを樹脂製、金属製等の軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ組成物を出没式のボールペンに収容する場合、出没式ボールペンの構造、形状は特に限定されるものではなく、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧にすることにより、ボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンチップを軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記出没式ボールペンは軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなり、出没機構の作動によっていずれかのボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する複合タイプの出没式ボールペンであってもよい。
前記インキ収容管に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体は、増粘剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、前記増粘剤としては表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物等を挙げることができる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に繊維集束体からなるインキ吸蔵体を内蔵し、毛細間隙が形成された繊維加工体からなるマーキングペンチップを直接或いは中継部材を介して軸筒に装着してなり、前記インキ吸蔵体とチップが連結されてなるマーキングペンの前記インキ吸蔵体に凝集性インキを含浸させたマーキングペンや、チップの押圧により開放する弁体を介してチップとインキ収容管とを配置し、該インキ収容管内にインキを直接収容させたマーキングペン等を例示できる。
前記チップは、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体、フェルト体等の従来より汎用の気孔率が概ね30〜70%の範囲から選ばれる連通気孔の多孔質部材であり、一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工して実用に供される。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して用いられる。
前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
更に、前記ボールペンやマーキングペンの形態は前述したものに限らず、相異なる形態のチップを装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン先を装着させた両頭式筆記具であってもよい。
なお、前記インキ組成物を収容した筆記具を用いて被筆記面に筆記して得られる筆跡は、加熱具又は冷却具により変色させることができる。
前記加熱具としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具、ヘアドライヤーの適用が挙げられるが、好ましくは、簡便な方法により変色可能な手段として摩擦部材が用いられる。
前記摩擦部材としては、弾性感に富み、擦過時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適である。
なお、消しゴムを使用して筆跡を摩擦することもできるが、摩擦時に消しカスが発生するため、消しカスが殆ど発生しない前述の摩擦部材が好適に用いられる。
前記摩擦部材の材質としては、シリコーン樹脂やSEBS樹脂(スチレンエチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)、ポリエステル系樹脂等が用いられる。
前記摩擦部材は筆記具と別体の任意形状の部材(摩擦体)とを組み合わせて筆記具セットを得ることもできるが、筆記具に摩擦部材を設けることにより、携帯性に優れる。
キャップを備える筆記具の場合、摩擦部材を設ける箇所は特に限定されるものではないが、例えば、キャップ自体を摩擦部材により形成したり、軸筒自体を摩擦部材により形成したり、クリップを設ける場合はクリップ自体を摩擦部材により形成したり、キャップ先端部(頂部)或いは軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)に摩擦部材を設けることができる。
出没式の筆記具の場合、摩擦部材を設ける箇所は特に限定されるものではないが、例えば、軸筒自体を摩擦部材により形成したり、クリップを設ける場合はクリップ自体を摩擦部材により形成したり、軸筒開口部近傍、軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)或いはノック部に摩擦部材を設けることができる。
前記冷却具としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
前記感温変色性色彩記憶性近赤外吸収液状組成物を塗布又は印刷する場合、支持体の材質は特定されず、総て有効であり、紙、合成紙、繊維、布帛、合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁材、金属、木材、石材等を例示できる。
前記支持体の形状は、平面状に限らず、凹凸状であってもよい。
前記支持体上に、感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色層を設けて積層体(印刷物)が得られる。
前記支持体上に非熱変色性着色層(像を含む)が予め形成されているものにあっては、温度変化により前記着色層を、可逆熱変色層によって隠顕させることができ、変化の様相を更に多様化させることができる。
更に、前記感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ワックス類等に溶融ブレンドしてペレット、粉末、又はペースト形態として感温変色性色彩記憶性近赤外吸収成形用樹脂組成物として利用することもでき、汎用の射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形等の手段により、任意形象の立体造形物、フイルム、シート、板、フィラメント、棒状物、パイプ等の形態の成形体が得られる。
また、熱可塑性樹脂やワックス類に溶融ブレンドしてクレヨンを得ることもできる。
なお、前記液状組成物や樹脂組成物中には、一般の染顔料(非熱変色性)を配合し、有色(1)から有色(2)への変色挙動を呈することもできる。
以下の表に感温変色性色彩記憶性近赤外吸収組成物の組成1〜7を示す。
尚、表中の( )内の数字は質量%を示す。
なお、感温変色性色彩記憶性近赤外吸収組成物は、(イ)、(ロ)、(ハ)成分をそれぞれの割合で混合することにより得られる。
Figure 2012092188
感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料の調製
前記組成1(感温変色性色彩記憶性近赤外吸収組成物)を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、酢酸エチル40部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を攪拌しながら徐々に添加し、さらに加温しながら攪拌を続けて感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料の懸濁液を得た。
前記懸濁液から、遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離し、黒色から無色に変色する感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料を得た(固形分:60%、平均粒子径:2μm)。
前記マイクロカプセル顔料は無色の状態から冷却すると−15℃から黒色に発色し始めて、−20℃で黒色の完全発色状態となり、この状態から加温すると46℃から消色し始めて58℃で無色の完全消色状態となる変色挙動を示した。前記変色挙動は繰返し再現することができた。
前記感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料の調製と同様の方法により組成2〜7についてもマイクロカプセル化を行った。
以下の表に感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料1〜7の発色時の極大吸収波長(nm)と色、温度−色濃度曲線における各温度(℃)、消色時の極大吸収波長(nm)と色を示す。
Figure 2012092188
応用例1
支持体として白色フィルム上に実施例1のマイクロカプセル顔料を含むインキを用いてベタ印刷して可逆熱変色層(感温変色性色彩記憶性近赤外吸収層)を設けて感温変色性色彩記憶性近赤外吸収積層体を得た。
前記積層体は−20℃以下に冷却すると黒色に発色し、その状態は58℃未満の温度域で保持され、58℃以上に加温した積層体は白色になり、−20℃を越える温度域で保持されるため、常温域で黒色と白色の各状態を択一的に呈することができる。
次に、830nmに発信波長を有する光学的読取装置を用いて、受光部側の反応を調べた。
前記積層体を58℃以上に加温した後、室温下での吸収波長と、−20℃以下に冷却した後、室温下での吸収波長は異なり、常温域(25℃)では異なる色調と異なる吸収波長を示す両状態の積層体が得られた。
よって、58℃以上に加温する手段及び−20℃以下に冷却する手段を内蔵した装置を用いることにより、−20〜58℃の温度範囲において、可視状態の像と不可視状態を検出する形状認識装置と、両状態における吸収波長を測定する光学的読取装置を併用して高度な偽造防止手段を提供できる。
応用例2
支持体として白色合成紙上に実施例2のマイクロカプセル顔料を含むインキを用いてベタ印刷して可逆熱変色層(感温変色性色彩記憶性近赤外吸収層)を設けて感温変色性色彩記憶性近赤外吸収積層体を得た。
前記積層体は−10℃以下に冷却すると黒色に発色し、その状態は67℃未満の温度域で保持され、67℃以上に加温した積層体は白色になり、−10℃を越える温度域で保持されるため、常温域で黒色と白色の各状態を択一的に呈することができる。
次に、830nmに発信波長を有する光学的読取装置を用いて、受光部側の反応を調べた。
前記積層体にキセノンランプを用いて高出力のパルスを短いパルス幅で発光照射して67℃以上に加温した後、室温下での吸収波長と、−10℃以下に冷却した後、室温下での吸収波長は異なり、常温域(25℃)では異なる色調と異なる吸収波長を示す両状態の積層体が得られた。
よって、67℃以上に加温する手段及び−10℃以下に冷却する手段を内蔵した装置を用いることにより、−10〜67℃の温度範囲において、可視状態の像と不可視状態を検出する形状認識装置と、両状態における吸収波長を測定する光学的読取装置を併用して高度な偽造防止手段を提供できる。
応用例3
支持体として白色合成紙上に、極大吸収波長が700nmであり、80%以上の吸光度を有する波長領域が600〜800nmの顔料を含む非熱変色性インキにて2種類の車の像(非変色像)を併設して印刷した。
一方の車の像上に、実施例3のマイクロカプセル顔料を含むインキ用いて飛行機の像(可逆熱変色像)を印刷して感温変色性色彩記憶性近赤外吸収積層体を得た。
前記積層体は約−30℃以下に冷却すると、車と飛行機の像が視覚され、48℃以上では2種類の車の像が視覚された。又、−30℃以下に冷却した状態の積層体は48℃未満の温度域で車と飛行機の像を視覚でき、48℃以上に加温した積層体は−30℃を越える温度域で2種類の車の像が視覚できるため、−30℃から48℃の温度域では異なる像を視覚することができる。
次に、830nmに発信波長を有する光学的読取装置を用いて、受光部側の反応を調べた。尚、前記光学的読取装置は、830nmの吸収波長の多少により異なる音を発する音声発生手段を設けてなる。
前記積層体を−30℃以下に冷却した後、25℃の室温下で使用すると、車の像と飛行機の像が視覚され、前記光学的読取装置の読み取り部分を車の像と飛行機の像に近づけると異なる音を発する。よって、前記像が異なる種類の乗物であることがわかる。又、前記飛行機の像を手で温めると消色して不可視状態となり、下層の車の像が視覚される。
この状態で前記光学的読取装置の読み取り部分を2種類の車の像に近づけると同一の音を発するため、前記像が同じ種類の乗物であることがわかる。
従って、前記の如き熱変色性積層体と光学的読取装置を組み合わせることにより、各種玩具及び知育玩具に適用できる。
応用例4
実施例1のマイクロカプセル顔料27部(予め−20℃以下に冷却して黒色に発色させたもの)を、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10.0部、グリセリン10部、ノニオン系界面活性剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防黴剤0.2部、水51.77部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて筆記具用インキを調製した。
筆記具の作製
前記インキをポリプロピレン製パイプに吸引充填し、樹脂製ホルダーを介して0.5mmステンレス鋼ボールを先端に抱持したボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後端より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させ、先軸筒、後軸筒を組み付け、キャップを嵌めた後、遠心分離により脱気処理を行い、筆記具(ボールペン)を得た。
前記ボールペンを用いて、紙面上に描いた筆跡は、キセノンランプを用いて高出力のパルスを短いパルス幅で発光照射して58℃以上に加温すると消色して、−20℃以上の温度域で前記筆跡は無色となり視覚されない。
又、−20℃以下に冷却すると黒色の筆跡が発現して、58℃以下の温度域でこの状態を保持する。
前記無色を示す筆跡の部分と、黒色の筆跡の部分に応用例1〜3で用いた光学的読取装置の読み取り部分を近づけると、それぞれ異なる音を発する。
応用例5
実施例6で調製したマイクロカプセル顔料25部(予め−22℃以下に冷却して緑色に発色させたもの)、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物〕1.0部、ポリビニルアルコール0.5部、グリセリン25.0部、消泡剤0.02部、水47.78部を混合して筆記具用インキを得た。
中詰式筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記インキ組成物を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、ホルダーを介して軸筒先端部にポリエステル繊維の樹脂加工ペン体(砲弾型)と接続状態に組み立て、キャップを装着して筆記具(マーキングペン)を得た。
前記軸筒後端部には摩擦部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記ボールペンを用いて、紙面上に描いた筆跡は、摩擦部材により摩擦して58℃以上に加温すると消色して、−22℃以上の温度域で前記筆跡は無色となり視覚されない。
又、−22℃以下に冷却すると緑色の筆跡が発現して、58℃以下の温度域でこの状態を保持する。
前記無色を示す筆跡の部分と、緑色の筆跡の部分に応用例1〜3で用いた光学的読取装置の読み取り部分を近づけると、それぞれ異なる音を発する。
完全発色温度
発色開始温度
消色開始温度
完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅

Claims (2)

  1. (イ)電子供与性近赤外吸収性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体とから少なくともなる組成物をマイクロカプセルに内包してなり、色濃度−温度曲線に関してヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、有色状態から温度が上昇する過程では、温度tに達すると消色し始め、温度tより高い温度t以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度tに達すると着色し始め、温度tより低い温度t以下の温度域で完全に着色状態となるヒステリシス特性を示し、温度tが50℃以上であり、且つ、温度tが0℃以下である感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料。
  2. 色濃度−温度曲線に関して40℃乃至100℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色する請求項1記載の感温変色性色彩記憶性近赤外吸収マイクロカプセル顔料。
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