JP2012088242A - 金属微粒子表面の脂肪酸の定量方法 - Google Patents

金属微粒子表面の脂肪酸の定量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面処理などにより金属微粒子の表面に付着残留している脂肪酸の量を、液体クロマトグラフ分析装置を利用して定量する方法を提供する。
【解決手段】 メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒と、塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、蟻酸、酢酸などを含む酸性水溶液とを用いて、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、亜鉛などからなる金属微粒子から脂肪酸を抽出し、得られた抽出液を液体クロマトグラフ分析装置へ導入して脂肪酸を定量分析する。抽出の際は、金属微粒子に有機溶媒を添加した後、酸性水溶液を添加するのが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属微粒子の表面に存在する脂肪酸の定量方法、特に表面処理によって金属微粒子に付着した脂肪酸を定量する方法に関する。
金や銅などの各種金属微粒子は、有機・無機複合材料である導電性接着剤や導電性ペーストなどの電子材料に幅広く利用されている。これらの金属微粒子は粒子径が10〜1000nm程度のナノ粒子であり、表面が活性なため、粒子同士が凝集しないように脂肪酸で表面処理されている場合が多い。そのため、表面処理された金属微粒子を導電性接着剤や導電性ペーストに適用した場合には、表面処理剤である脂肪酸の残留によって抵抗値が上昇する場合がある。従って、表面処理した金属微粒子に付着残留している脂肪酸を定量的に把握することが重要である。
金属微粒子に付着している脂肪酸を定量する方法としては、金属微粒子を硝酸で溶かしてフーリエ変換核磁気共鳴分光法を用いる方法を適用することが考えられる(特許文献1参照)。しかし、この方法では、例えば脂肪酸が非水溶性の高級脂肪酸の場合には溶液と分離してしまうため、定量することができないという問題を有している。他の方法として金属微粒子中の全炭素量を分析する燃焼法の利用も考えられるが、脂肪酸以外の有機成分が存在した場合には、両者を分離できないという問題がある。
一方、人の皮膚の構成成分である脂肪酸を定量する方法として、人の皮膚に有機アルカリ溶液を添加してパイロホイルに包埋した後、誘導加熱して皮膚中の脂肪酸を脂肪酸アルキルエステルに変え、ガスクロマトグラフまたはガスクロマトグラフ質量分析計で定量する方法が知られている(特許文献2および特許文献3参照)。
特開2006−322729号公報 特開2009−204596号公報 特開2008−224333号公報
上記特許文献2および特許文献3に記載された熱分解ガスクロマトグラフィーを利用する脂肪酸の定量方法は、人の皮膚の脂肪酸を定量する場合は有効な方法であるが、金属微粒子表面の脂肪酸の定量に利用すると、誘導加熱により脂肪酸から生成された脂肪酸アルキルエステルの測定値が測定ごとに変動してしまい、金属微粒子の脂肪酸を正確に定量することは困難であった。
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、表面処理などにより金属微粒子の表面に付着残留している脂肪酸の量を、液体クロマトグラフ分析装置を利用して正確に定量する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、液体クロマトグラフ分析装置を利用して金属微粒子に付着している脂肪酸を定量する方法について鋭意研究を重ねた結果、有機溶媒と酸性水溶液とを用いて金属微粒子から脂肪酸を効率的に抽出できる事を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明が提供する金属微粒子表面の脂肪酸の定量方法は、金属微粒子表面に付着している脂肪酸を定量する際に、有機溶媒と酸性水溶液とを用いて金属微粒子から脂肪酸を抽出し、得られた抽出液を液体クロマトグラフ分析装置へ導入して脂肪酸を定量分析することを特徴としている。
上記本発明による金属微粒子表面の脂肪酸の定量方法においては、前記有機溶媒が、メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記酸性水溶液で使用する酸が、塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、蟻酸、酢酸から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
さらに、上記本発明による金属微粒子表面の脂肪酸の定量方法において、前記抽出は、金属微粒子に有機溶媒を添加した後、酸性水溶液を添加することが好ましく、前記金属微粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、亜鉛から選ばれる少なくとも1種からなる。
本発明によれば、有機溶媒と酸性水溶液とによってほぼ完全に金属微粒子から脂肪酸を抽出することができ、得られた抽出液を液体クロマトグラフ分析法で測定することによって脂肪酸を正確に定量分析することができる。よって、表面処理により金属微粒子表面に付着した脂肪酸の量を高い再現性で定量することができる。
本発明による金属微粒子表面に付着している脂肪酸の定量方法は、例えば以下の(1)〜(6)の操作手順に従って行うことができる。
(1)脂肪酸で表面処理された金属微粒子から所定量を重量で量り取って容器に採取する。
(2)この容器内に所定量の有機溶媒を入れて振とうし、有機溶媒と金属微粒子とを混合する。
(3)さらに、この容器内に所定の濃度の酸性水溶液を所定量添加し、所定の時間攪拌・混合して脂肪酸を抽出する。
(4)上記(3)の抽出処理完了後、容器を静置して固液分離し、上澄み液を採取する。得られた上澄み液を1段目の抽出液とする。
(5)上記(4)で上澄み液を採取した後に残る残渣分に対して、上記(2)〜(4)と同様の操作を繰り返し、得られた上澄み液を2段目の抽出液とする。
(6)上記(4)および(5)で得られた1段目と2段目の抽出液を別々に液体クロマトグラフ分析装置へ導入し、脂肪酸を検出する。
本発明で用いる有機溶媒は、脂肪酸を溶解する事ができ、水と容易に混合し得るものであれば種々のものを使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのグリコール誘導体、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチル−2−ピロリドン、4−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、有機溶媒にはこれらを2種類以上混合して用いてもかまわない。
但し、本発明では、液体クロマトグラフ(以下、「HPLC」とも称する)で測定する際に、有機溶媒と脂肪酸の保持時間が重ならない事が望まれる。したがって、有機溶媒としては、HPLCの溶離液として汎用的に用いられるメタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種が特に望ましい。これらの有機溶媒を用いれば、有機溶媒由来のピーク強度を抑制でき、なお且つ、有機溶媒と脂肪酸との保持時間の重なりを軽減できる。
さらに、脂肪酸の炭素数が長くなる、すなわち、高級脂肪酸になるにつれて極性溶媒への溶解度が低下していくため、脂肪酸中に高級脂肪酸が含まれる場合は、非プロトン性極性溶媒であるアセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドを有機溶媒に用いることが特に望ましい。
本発明で用いる酸性水溶液は、上記有機溶媒で抽出しきれなかった金属微粒子最表面の脂肪酸を、金属微粒子表面を酸によって僅かに溶解することで完全に抽出するために添加するものである。これにより、脂肪酸の抽出率を上げることができる。ここで使用する酸は、金属微粒子を溶解することができるのであれば様々なものを使用することができる。
例えば、塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、蟻酸および酢酸などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、酸はこれらの2種以上を使用してもかまわない。酸性水溶液の濃度は、金属微粒子を僅かに溶解する事ができれば良く、通常はHPLC法で使用するカラムの適正pH範囲内にあれば特に問題になることはない。
本発明では、金属微粒子に上記有機溶媒と酸性水溶液とを添加して脂肪酸の抽出を行う。その際、初めに有機溶媒を添加してから酸性水溶液を添加する事が望ましい。これは、前述したように酸性水溶液の添加の目的が金属微粒子表面の溶解であり、この順序で添加することで酸と金属微粒子との接触効率がより向上するためである。ちなみに、酸を先に加えた場合は、金属微粒子表面の一部が過度に溶解して活性面が露出し、金属微粒子同士が凝集し易くなるため、脂肪酸が金属微粒子の凝集体中に取り込まれて抽出効率が低下するおそれがある。
なお、有機溶媒と酸性水溶液とを予め混合し、得られた混合液を金属微粒子に添加して抽出を行う場合は、酸を先に加えた場合と同じ状況となって抽出効率が低下するおそれがある。
上記操作手順では、2段目の抽出液を得るとき、上澄み液を採取した後の残渣分にそのまま有機溶媒と酸性水溶液とを添加したが、残渣分を水洗すると、付着している脂肪酸が水洗水に移行する可能性があるので水洗は好ましくない。水洗水として溶離液を用いこれを抽出液に混ぜれば脂肪酸が回収されるのでこのような手法で洗浄を行っても良い。また、抽出液を残渣分から分離する方法は、静置に限定されるものではなく、遠心分離やろ過などの一般的な固液分離法を使用してもよい。
本発明による定量方法が測定対象としている金属微粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、亜鉛から選ばれる1種の金属、または2種以上からなる合金であるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、有機溶媒と酸性水溶液とを用いて抽出して得た抽出液に対してHPLC法を適用し、脂肪酸の定量分析を行う。HPLC法とは、試料を分離カラムへ導入し、試料中に含まれる複数の分析対象成分を、それらの分離カラム中の充填剤との相互作用の差異を利用して互いに分離した後、紫外可視分光光度計や示差屈折率計等によって分析するものである。
1段目と2段目の抽出液を用いて脂肪酸の定量分析を行う場合は、1段目と2段目の抽出液を別々にHPLC装置に導入して脂肪酸のピーク面積をそれぞれ算出し、それらの総和を、同じ条件で予め測定した脂肪酸のピーク面積から作成した検量線を用いて定量する。なお、1段目と2段目の抽出液のそれぞれの分析結果に大きな差がない場合は、これらに大きな差異が認められるまで、3段目以降の抽出処理を繰り返すのが望ましい。
上記した本発明の定量方法によれば、金属微粒子表面に付着残留している脂肪酸の全てを確実に離脱させて、液体クロマトグラフ分析装置で正確に定量することができる。実際に、既知量の脂肪酸が付着している金属微粒子を用い、上記した定量方法に基づいて脂肪酸の定量を行い、脂肪酸の回収率を確認したところ104%であった。この結果から、金属微粒子から脂肪酸が完全に脱離することが確認された。
脂肪酸で表面処理された各種金属微粒子について、上記した本発明の定量方法に従って金属微粒子表面に付着残留している脂肪酸の量を測定した。なお、HPLC分析装置は(株)島津製作所製のものを用い、分離カラムはShodex製のRSpak RP18−413(150mm×4.6mmi.d.、粒径3.5μm)を2本使用し、恒温槽:40℃、流速:1ml/min、溶離液:水/アセトニトリル(容量比)=1/9の条件で測定した。ここで、水/アセトニトリル=1/9とした理由は、水/アセトニトリル=2/8の場合は、脂肪酸が溶けきらない状況となったからである。また、検出器には示差屈折率計を用いた。
[実施例1]
脂肪酸で表面処理した銀微粒子を1g量り取って容器に入れ、この容器内にアセトニトリルを9ml添加して数秒間振とうし、さらに濃度0.36質量%の塩酸水溶液(36質量%の試薬塩酸を容量比で100倍希釈したもの)を1ml添加して数秒間振とうし、次にガス抜きを行った後、超音波洗浄器を用いて30分間攪拌・混合して脂肪酸の抽出を行なった。抽出処理完了後、スラリー液を含む容器を静置して固液分離した後、上澄み液をメスピペットで採取した。
上澄み液を採取した後に残る残渣分に対して、上記したアセトニトリルと塩酸水溶液の添加、振とう、ガス抜き、超音波洗浄器による脂肪酸の抽出までの操作をもう一回繰り返した。このようにして、1段目および2段目の上澄み液(試料1)を得た。これら上澄み液を別々にHPLC装置へ導入して脂肪酸をそれぞれ測定した。得られた脂肪酸が与えるピーク面積を総和し、予め作成した検量線を用いて定量した。なお、2段目の上澄み液の定量値は、1段目の上澄み液の定量値に比較して1/10以下であったため、3段目以降の抽出処理は行わなかった。
また、脂肪酸で表面処理された金属微粒子を、銀微粒子に代えて亜鉛微粒子としたこと以外は上記試料1と同様にして試料2の1段目および2段目の上澄み液を得た。さらに、脂肪酸で表面処理された金属微粒子を、それぞれ金微粒子、銅微粒子、白金微粒子、パラジウム微粒子、および金−銀合金微粒子とし、酸性水溶液には塩酸と硝酸の混合液を使用したこと以外は上記試料1と同様にして、試料3〜7の1段目および2段目の上澄み液を得た。
さらに、脂肪酸で表面処理された金属微粒子に、C18以上の炭素鎖を持つ高級脂肪酸を含む脂肪酸で表面処理した銀微粒子を用いたこと以外は試料1と同様にして、試料8の1段目および2段目の上澄み液を得た。そして、比較例として、酸性水溶液を使用せずにアセトニトリルのみで抽出したこと以外は試料1と同様にして、試料9の1段目および2段目の上澄み液を得た。これら試料2〜9についても、試料1と同様にしてHPLC装置を用いた脂肪酸の分析を行った。これら試料1〜9の分析結果を下記の表1に示す。なお、表1中の脂肪酸の定量値は、金属微粒子の重量(g)当たりの脂肪酸の重量(μg)で示した(下記表2も同じ)。
Figure 2012088242
上記表1の結果から、本発明に係る定量方法に従って測定を行った試料1では、表面処理された銀微粒子の脂肪酸を高い再現性で定量分析できることが分かった。これは、有機溶媒と酸性水溶液とをこの順序で添加することによって金属微粒子から脂肪酸を効率的に抽出できたことによるものと考えられる。
また、金属微粒子の種類を変えた試料2、および金属微粒子の種類と酸性水溶液の種類の両方を変えた試料3〜7においても、本発明に係る定量方法に従えば脂肪酸を定量的に把握できることが分かった。さらに、C18以上の炭素鎖を持つ高級脂肪酸を含む脂肪酸で表面処理した試料8においても、本発明に係る定量方法に従えば脂肪酸を定量的に把握できることが分かった。なお、金属微粒子の種類によって脂肪酸の定量値が異なるのは、それぞれの微粒子の粒度分布、表面積あるいは酸・塩基度の違いなどにより脂肪酸が付着する度合いが異なるためである。
これに対して、酸性水溶液を使用せずにアセトニトリルのみで抽出した試料9では、試料1に比べて定量値が大きく低下して正確な定量ができなかった。これは金属微粒子最表面の脂肪酸が抽出できなかったことによると考えられる。
[実施例2]
この実施例2では、上記実施例1の試料1と同じ銀微粒子に対して試料1とは異なる条件で抽出し、その脂肪酸の定量値に与える影響を調べた。すなわち、有機溶媒と酸性水溶液の添加順序が脂肪酸の定量値に与える影響を調べるため、塩酸水溶液を最初に添加した後にアセトニトリルを添加したこと以外は試料1と同様にして、試料10の1段目および2段目の上澄み液を得た。
また、有機溶媒の種類が脂肪酸の定量値に与える影響を調べるため、アセトニトリルに代えてメタノールを使用したこと以外は試料1と同様にして、試料12の1段目および2段目の上澄み液を得た。
さらに、酸性水溶液の種類が脂肪酸の定量値に与える影響を調べるため、塩酸水溶液に代えてりん酸水溶液を用いたこと以外は試料1と同様にして、試料11の1段目および2段目の上澄み液を得た。りん酸水溶液の濃度は0.085質量%(85質量%の試薬りん酸を容量比で1000倍希釈したもの)である。これら試料10〜12の上澄み液についても、実施例1と同様にしてHPLC装置を用いて脂肪酸の分析を行った。なお、試料11については、溶離液に水/メタノール(容量比)=1/9を用いた。得られた結果を、上記実施例1の試料1の結果と共に下記の表2に示す。
Figure 2012088242
上記表2から分かるように、試料10〜12においては、脂肪酸の定量値が実施例1の試料1と比較して大きく低下している。この定量値の低下の理由は、試料10では金属微粒子表面の一部が溶解して活性面が露出し、金属微粒子同士が凝集しため、脂肪酸が金属微粒子の凝集体中に取り込まれたためと考えられる。また、試料11では、高級脂肪酸のメタノールへの溶解度が低いためと考えられる。さらに、試料12では、りん酸によって溶解できない金属微粒子であったため、金属微粒子最表面の脂肪酸が抽出できなかったためと考えられる。

Claims (5)

  1. 金属微粒子表面に付着している脂肪酸の定量方法であって、有機溶媒と酸性水溶液とを用いて金属微粒子から脂肪酸を抽出し、得られた抽出液を液体クロマトグラフ分析装置へ導入して脂肪酸を定量分析することを特徴とする脂肪酸の定量方法。
  2. 前記有機溶媒が、メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記載の脂肪酸の定量方法。
  3. 前記酸性水溶液で使用する酸が、塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、蟻酸、酢酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の脂肪酸の定量方法。
  4. 前記抽出は、金属微粒子に有機溶媒を添加した後、酸性水溶液を添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪酸の定量方法。
  5. 前記金属微粒子が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、亜鉛から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の脂肪酸の定量方法。
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