JP2012086022A - センサー反応型電動歯ブラシ及びその使用法 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内の特定の状態又は特定の薬品の存在を検知する
【解決手段】歯ブラシに組み込まれている1つ以上のセンサーが受け取った情報に応じて、又はユーザーの選択したとおりに、出力又は動作を調節可能なセンサー反応型電動歯ブラシを開示する。前記情報は典型的には、口腔内外における特定の状態又は特定の物質若しくは薬品の存在に関するものである。更に、センサー反応型型歯ブラシは、検知した情報に応じて反応性出力を提供する反応性出力構成要素を1つ以上含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、口腔内の特定の状態又は特定の薬品の存在を検知する目的で1つ以上のセンサーが用いられており、反応性出力を1つ以上提供することのできるセンサー反応型歯ブラシに関するものである。本発明は更に、ユーザーが選択可能な反応性出力を1つ以上提供することのできる反応型歯ブラシに関するものである。
第1の態様では、本発明は、口腔ケア効果をもたらす方法であって、センサーを備えた歯ブラシで歯をブラッシングすることを含む方法を提供する。前記方法は、センサーによってセンサー入力を検知することも含む。また、前記方法は、センサー入力に応じて歯ブラシから出力を開始することを含む。
別の態様では、本発明は、ハンドル、ヘッド、及びハンドルとヘッドの間に伸びているネックを備えたセンサー反応型電動歯ブラシを提供する。ハンドルは中空内側領域を備えている。ヘッドは、その上に配置される毛を備えている。また、歯ブラシによって長手方向軸が形成されている。加えて歯ブラシはセンサーフィルターを備えている。また、歯ブラシは、ヘッド上に配置される可動式毛ホルダーを1つ以上備えている。前記ホルダーは、その上に一群の毛を搭載している。歯ブラシは更に、中空領域内に配置されるモータを備えており、前記モータは駆動軸によって毛ホルダーに作動的に接続されている。
更に別の態様では、本発明は、ハンドル、ヘッド、及びヘッドに配置される複数の毛を含む本体を備えたセンサー反応型歯ブラシを提供する。歯ブラシは更に、本体に配置されるセンサーを少なくとも1つ備えている。また、歯ブラシは、センサーと連携する出力構成要素を少なくとも1つ備えている。出力は、少なくとも1つのセンサーに応じて、(i)機械的出力、(ii)光ベースの出力、(iii)化学ベースの出力及び(iv)これらの組み合わせを少なくとも1つ提供するようになっている。
全般的には、本発明はセンサー反応型歯ブラシに関するものである。前記歯ブラシは、口腔内の特定の状態又は特定の薬品の存在を検知するためのセンサーを1つ以上備えている。前記歯ブラシは更に、センサー(単数又は複数)から得た情報に基づき、検知した状態又は薬品を処理するための出力又は出力の組み合わせを提供する構成要素、集合体、又はシステムを1つ以上備えている。
本発明のさまざまな実施形態について説明する前に、本明細書で使用するさまざまな用語について説明するのが有益である。「歯ブラシの出力」又は「反応性出力」という用語は、ブラシが検知した1つ以上のマーカー、状態、刺激要因、若しくは薬品に応じて、又はプログラム可能若しくは手動で選択可能な反応性出力であって、歯ブラシのユーザー若しくは製造者が指定した反応性出力に応じて、歯ブラシによって開始させる作用を指すものとして使用する。前記反応性出力の例としては、機械的出力、エネルギーベース(例えば光、熱、又は音響エネルギー)の出力、化学ベースの出力、又はこれらの出力の組み合わせが挙げられる。反応性出力は、反応性出力の開始、又は、歯ブラシの既存の出力の変更であってよい。機械的出力の非限定的な例としては、毛若しくは毛ホルダーの動作若しくは動作の変更、組成物の投与、歯ブラシ若しくはその構成要素の振動の生成、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。可動式毛ホルダーの動作の変更の例として例えば、毛ホルダーの回転方向の変更があり、動きの種類(すなわち揺動、往復運動、振動、回転)を変更したり、速度を上昇又は低下させたりできる。機械的出力の別の例は、所定の振動数又は動作パターンで、歯ブラシ上の可動式毛又は毛キャリアを動作又は稼動することである。エネルギーベースの反応性出力の変更の例は、光出力の強度を増加することであろう。化学出力の例は、歯ブラシから1つ以上の物質、組成物、又は薬品を放出又は投与することである。これらの出力の組み合わせの例は、発光及び歯ブラシからの歯磨剤組成物の放出である。これらの種類の出力についてはそれぞれ、本明細書で更に詳細に説明する。「反応性出力素子」とは、反応性出力を提供する集合体又は構造体である。例えば、細菌の殺除に適した波長の光を放つ光源は、反応性出力素子とみなしてよい。
本発明の歯ブラシで用いる1つ以上のセンサーには、1つ以上のセンサー入力素子が挙げられ、また、任意に応じて、前記入力素子と連携させたセンサー出力素子を含むことができる。「センサー」という用語は、典型的には口腔内に見られる状態、マーカー、又は刺激要因を検知する装置、構成要素、又は集合体を指す。ただし、検知は口腔外で行われるようにしてもよい。検知は、ブラッシングプロセス中、又は歯ブラシの起動後に行われるようにすることができる。歯ブラシの起動としては、例えば、歯ブラシのスイッチを入れて毛ホルダーの動作を開始すること、歯ブラシを再充電スタンドから外すこと、又は歯ブラシを使う準備をするためのその他の段階(例えば、使用寸前であるという信号を歯ブラシへ送るためのボタンを押すこと)を挙げることができる。前記状態としては、ユーザーのブラッシング習慣の性質(例えばユーザーがブラッシングをする時間の長さや、いつブラッシングするか)、又は特定の使用時間/使用日に実行されるようにユーザーが反応性出力を選択した使用日/使用時間が挙げられるであろう。概して、本明細書で使用する時、センサーは、検知した状態、マーカー、又は刺激要因に関する情報をもたらす信号を供給する。本発明のセンサーは電動式にしてよく、すなわち、前記センサーは、電源、例えば1つ以上の使い捨て又は充電式電池と電気連通している。
「センサー入力素子」又は「センサー入力構成要素」とは、歯ブラシ上の素子であって、口腔内に見られる、物質、材料、又は薬品の存在などの状態、マーカー、刺激要因を検知又は感知し、及び/又はユーザーがどの程度の頻度で、いつ、どれくらいの時間ブラッシングするかといったユーザーのブラッシング習慣を検知する素子を指す。以下に説明するように、センサー入力素子は、センサー出力素子と連動して作動し、口腔内の状態、マーカー、又は刺激要因を検知又は感知することができる。ただし、センサー入力素子は、センサー出力素子がなくても、口腔からの情報を検知するようにしてよい。例えば、センサー入力素子は、センサー出力素子がなくても、組織若しくは歯の表面の色又は口内の化学物質を検知するようにしてよい。本明細書では、センサー入力素子及びセンサー出力素子を総称して「センサー」と呼ぶ場合もある。センサー入力素子の例としては、光センサー(細菌又は齲蝕を検知するためのもの)、特定の化学化合物又は薬品の存在の検知が可能な悪臭センサー、電流又は電圧センサー(ブラッシング習慣を検知するためのもの)、及びセンサー入力が使用日及び/又は使用時間であるクロックが挙げられる。センサー入力素子は大半の場合、歯ブラシヘッドの上に配置するであろうが、センサー入力素子は、センサーの大きさに基づき、他の位置、例えばハンドルに配置してもよいと思われる。例えば、悪臭センサーは、そのサイズから、ハンドル内に配置できるであろう。「センサー出力素子」又は「センサー出力構成要素」とは、歯ブラシ上の部材であって、状態、マーカー又は刺激要因と相互作用する可能性のある口腔内に出力(例えば光、熱、化学物質など)を送って、センサー入力素子によって前記状態、マーカー又は刺激要因が検出されるようにできる素子を表す。例えば、波長が655〜740ナノメートル、強度が1mWの光を用いて、センサー入力素子が検知可能な形で、齲蝕を蛍光発光することができる。この目的で光を放つ光源は、センサー出力素子であると考えられるであろう。あるいは、化学物質と発光の組み合わせを用いて、センサー入力素子が検知可能な形で、細菌を蛍光発光することができる。また、センサー出力素子が2つの機能を果たすように、例えば、センサー出力素子として機能するとともに、反応性出力を供給するようにしてもよいと思われる。例えば、センサー入力素子と組み合わせて光源を用いて、細菌を検出した後に、センサー入力素子による細菌の検知結果に応じて、前記光源によって反応性出力(例えば、電気出力を変更して細菌を殺除する信号)を供給できるようにしてもよい。更に、センサーはユーザーにその他のさまざまな情報、例えば、処置期間が完了した時、歯ブラシが適切な配置になった時、歯ブラシが組織と接触した時、及び/又は処置領域の温度が所定のレベルを超えた時にユーザーに通知及び警告するような情報をを提供できる。更に、コントローラーとともにセンサーを用いて、処置期間(単数又は複数)の自動フィードバック制御を提供することができる。1つの実施形態では、コントローラーは診断センサーと一体になって、センサーからの信号に基づいて光源又は熱源を制御する。別の任意的な実施例では、コントローラーは、歯ブラシが組織と接触している場合にのみ光又は熱を発するセンサーと組み合わせることができる。前記センサーは単に、ユーザーがいつ、どの程度の頻度で及び/又はどの程度の期間ブラッシングするかを検知して、そのユーザーのブラッシング習慣に基づき反応性出力を開始するセンサー入力素子から構成させてよい。例えば、反応性出力は、ブラッシング頻度の低いユーザーに合わせて毛ホルダーの動作を変更する信号、又は細菌をより積極的に殺除するための光ベースの反応性出力を自動適用する信号であってよい。
センサー入力及びセンサー出力素子は、歯ブラシ、ヘッド、ハンドル等の上のいずれの場所にも配置することができる。反応性出力構成要素又は素子は、口腔へ到達可能な場所であれば、歯ブラシ上のいずれの場所にも配置することができる。光ファイバーを用いて、特定の性質の光を口腔のさまざまな領域へ移動することができる。
市販の光センサーの例は、細菌又は齲蝕を検知するためのセンサー入力素子として用いるのに適していと思われ、さらに検知した光をさまざまな電圧の信号に変換する、テキサス州プラノのタオス社(TAOS, Inc.)から製品番号TSL12Sとして入手可能な光電圧センサーである。検知を円滑化するために、この光センサーと併せてセンサーフィルターも使用してもよい。市販のセンサーフィルターの例は、光センサーと併用可能な長波長パスフィルターである。前記長波長パスフィルターは、ペンシルベニア州カーボンデイルのジェンテックス社(Gentex Corporation)からフィルトロン(Filtron)E780の製品名で市販されている。
本明細書に記載のとおり、各種の好ましい実施形態の歯ブラシは、口腔内の特定の状態又はマーカー、状態、刺激要因、物質、材料、又は薬品の存在の検出に応じて、1つ以上の反応性出力(歯ブラシの既存の出力の1つ以上を調整する出力も含む)を供給する。前記反応性出力によって、検知した状態又は薬品の存在に対して処置、治療、又は部分的な治療を行うことができる。ただし、本発明の歯ブラシは前記の作用のものに限らない。すなわち、本発明は、歯ブラシの反応性出力(単数又は複数)が、検知した状態又は薬品の存在に対して即座に処置又は治療を行わない実施例を含む。例えば、反応性出力によって、遅発効果又は単なる部分的効果しか得られない場合もある。更には、反応性出力(単数又は複数)が、ブラッシング頻度に応じて数週又は数カ月間にわたって行われる長期的な処置計画の一部を成すようにしてもよい。処置計画は、センサー入力素子がマーカー、状態、又は刺激要因を検知した後にユーザーが選択してよく、あるいは、ユーザーがブラッシングをする時期及び/又は長さを追跡記録することができるとともに、ユーザーのブラッシング習慣に合わせて、反応性出力による処置計画を開始することのできるコントローラー(例えばクロックを備えているプログラム可能なプロセッサー)によって開始及び追跡記録させてもよい。更には、検知した状態又は薬品の第2の要因に対処するために、反応性出力を動作することもできる。しかも、前記出力は、検知した状態又は薬品を直接の原因とする疾病とは全く別の疾病の処置計画の一部として設定することもできる。
本発明の別の態様としては、ユーザーによる選択や入力を待ってから動作の調節を行う歯ブラシの実施形態が挙げられる。つまり、半自動動作モードでは、歯ブラシの反応性出力は、そのの全部又は一部がパラメータ又はユーザーによるパラメータ選択に左右されるものと考えられる。前記パラメータの例としては、(i)出力を実行するタイムフレーム又は期間、(ii)出力を実行する方法、(iii)複数の出力が可能な場合、それらの出力の1つ以上を選択すること、及び(iv)前記シナリオの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。
本発明の歯ブラシには、様々な変異型の実施形態が含まれている。例えば、歯ブラシの出力は、期間の限られたものであってよい。あるいは、光ベースの出力の歯ブラシでは、(例えば細菌を殺除する目的で)口腔組織に所定の期間未満の間、例えば1分未満の間、特定の波長の光、すなわち赤色光のみを当てるようにしてよい。
歯ブラシを用いて、齲蝕、虫歯、口臭、美白した歯、口腔内の細菌、歯石、歯垢、及びこれらの組み合わせを検知及び処置することができる。歯ブラシは、ユーザーが選択したとおりに、又は、製造者がプログラムしたとおりに、時刻に応じて特定の処置を感知又は実行可能なAM/PMブラシ(プログラム可能にしてよい)にすることができる。ユーザーが、例えば、ディスプレイ及び1つ以上の入力ボタンが搭載されているとともに、ハンドル上に配置されるようなインターフェースを介して、又は、電動歯ブラシが再充電可能である場合には、再充電するために電動歯ブラシを収容する再充電スタンド上に配置されるインターフェースを介して、歯ブラシをプログラムするようにしてよい。例えば、歯ブラシは、朝には、悪臭又は歯垢/歯石に対処するための反応性出力、及び夜には、歯を美白するため又は齲蝕を処置するための反応性出力を供給する構成にすることができる。これらの反応性出力は、センサー入力素子がマーカー、状態、若しくは刺激要因を検知した場合に自動的に供給するか、インターフェースを介してユーザーが入力した内容に基づき選択的に供給するようにすることができる。例えば、ユーザーが、夜に対して、朝にどんな状態を処置するか選択するようにしてよい。歯ブラシは、日付及び時間クロックを利用して、時間及び/又は日付を追跡記録し、その後に、時刻及び/又は日付に応じて特定のセンサー及び/又は反応性出力を起動することができる。例えば、朝に悪臭を処置することを選択したユーザーのために、センサー入力素子を朝起動させて、悪臭を検知するようにしたり、悪臭に対処するための反応性出力を自動的に朝に送信するようにしたりしてもよい。タイマーを用いて処置計画の長さを自動的に設定することができ、あるいはユーザーがインターフェースを介して治療計画の長さを選択することができる。クロック及び/又はタイマーは、1日の時刻及び/又は日付に応じて後に所望のセンサー及び/又は反応性出力を起動するコントロールボード(例えば回路基板、プログラム可能なコントローラー、マイクロプロセッサなど)に連結させたり、コントロールボードの一部として形成させたりしてよい。
歯ブラシには、任意に、交換可能なさまざまなヘッドの上で特定のセンサー及び出力エミッターが用いられている取り外し可能なヘッドを搭載することができる。例えば、このような歯ブラシには、歯の美白用ヘッド、並びにそれに関連するセンサー(単数又は複数)及び反応性出力素子(単数又は複数)、更には抗菌ヘッドを盛り込むことができる。コントローラーをプログラムして、どのヘッドが歯ブラシのハンドルに取り付けられているか検知して、それに従って歯ブラシの動作を調整するようにしてよい。例えば、コントローラーによって、毛ホルダーの動きを修正したり、歯ブラシに取り付けられている特定のセンサーに関連するアルゴリズムを用いて、センサーから発せられる電気信号を処理したりしてよい。
センサー反応型歯ブラシには更に、1つ以上のアラーム又は信号伝達装置(例えばスピーカー又は光源)を搭載して、例えば(i)特定の処置計画又はプロセスの開始、進捗状況、若しくは完了、(ii)口腔内における特定のマーカー、状態、刺激要因、特定の化学物質の存在(若しくは不在)の感知若しくは検知状況、又は(iv)これらの組み合わせを通知するようにできる。アラーム又は信号は、歯ブラシが特定の反応性出力を開始させたことを知らせる構成にすることもできる。アラーム又は信号は、聴覚信号、視覚信号、又は触覚信号の形態にすることができる。触覚信号としては、歯ブラシの特定の部分、例えばハンドル又は可動式毛ホルダーの振動又はその他の動作が挙げられるだろう。聴覚信号の例としては、1つ以上のビープ音、一連の曲、その一部の歌、1つ以上の音色、1つ以上のリング音、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。また、歯ブラシは、あらかじめ録音しておいた話し言葉又はフレーズを発する聴覚アラームを利用することもできると考えられる。視覚アラーム又は信号の非限定的な例としては、歯ブラシ上の図形、絵、テキスト又はその他の表示の形態で発せられる発光が挙げられる。更には、信号伝達又は警報は、歯ブラシ上の信号光の色を変化することによって行われるようにすることもできる。また、特定の種類のセンサー反応型歯ブラシでは、(i)聴覚信号、(ii)視覚信号、及び(iii)触覚信号の組み合わせによって、出力の開始又は完了などの状態を表示するのが好ましい。
A.機械的反応性出力
本発明の歯ブラシでは、1つ以上の機械的反応性出力を用いることができる。上述のとおり、このような出力の非限定的な例としては、歯ブラシ上の毛、毛ホルダー、若しくは毛キャリア、又はその他の可動式構成要素の動作の誘発又は動作の変更を挙げることができる。機械的な反応性出力は、口腔内外の様々なマーカー、状態、刺激要因、又は薬剤の検知に応じて開始するようにしてよい。例えば、機械的反応性出力は、センサー入力素子による細菌若しくは齲蝕の検知に応じて、又はユーザーのブラッシング習慣に基づいて発せられるようにしてよい。
ヘッドは、長手方向軸、1つ以上の可動式毛ホルダー又はキャリア、及び任意に、1つ以上の静止又は固定式毛ホルダーを備えている。可動式毛ホルダーは、回転運動、旋回運動、螺旋運動、揺動運動、直線往復運動するようにしてよく、又はいずれかの組み合わせの動きを経るようにしてもよい。本発明の電動歯ブラシがもたらす動きの種類は、幅広く変化することができる。静止式毛ホルダー及びその上に配置される静止毛の構成も幅広く変化することができる。例えば、静止毛は部分又は全体的に、可動式毛ホルダーを取り囲むようにしてよく、又は可動式毛ホルダーの間の隙間に配置してもよい。本発明とともに用いるのに適した、一部の毛ホルダーの動作及び毛の配置の例は、米国特許公開番号20030126699号、米国特許公開番号20030084525号、米国特許公開番号20030084524号、米国特許公開番号20030084526号、WO03/063723号、及びWO03/063722号に記載されている。毛は、ポリエチレンのような従来の非エラストマー材から作製することができ、又は天然又は合成ゴム、ポリオレフィン、ポリエーテルアミド、ポリエステル、スチレン化ポリマー、ポリウレタンなどのようなエラストマー材、又は前記材料の組み合わせから作製することができる。
ハンドルには中空部があり、その中にモーターが配置されており、このモーターは可動式毛ホルダーに作動的に接続されている。シャフトは、モーターからネックを通って、少なくともヘッドの一部へと伸びている。シャフトは、モーターによって駆動させた時に、可動式毛ホルダーに1つ以上の動作を伝える目的で、回転したり、揺動したり、直線的に往復したり、螺旋回転したり、軌道を周回したり、円錐状に動いたりするようにしてもよい。可動式毛ホルダーに動作を伝えるために、モーターとシャフトの間に、又はシャフトと可動式毛ホルダーの間に、ギア装置を設けることができる。代表的なシャフト及び/又はギア装置は、米国特許第6,360,395号、及び第5,617,601号、及び米国特許出願2003/0134567号及び2003/0163881号、並びに本明細書で参照するその他の特許及び特許公報に記載されている。ハンドルはまた、モーター及び発光素子に電力を供給するためにその中に配置される1つ以上の電池のような電源を備えている。あるいは、電動歯ブラシは、モーターに電力を供給するために、外部電源に接続させてもよい。モーター及び/又は発光素子を作動するために、ハンドルにスイッチを配置する。スイッチは、作動ボタンと金属接点を備えている。スイッチは、従来のモーメンタリースイッチに見られるように、成型作動ボタンを下に押すことによって手で押し下げ、作動ボタンを金属接点に押し付けて回路を完成する。スイッチは、ランプのデザインを通じて、作動ボタンを押し下げ、前方にスライドすることによって、従来の連続スイッチのように連続動作を可能にする。これらの2つの機能を1つのスイッチの中に組み合わせることにより、消費者は購入前に装置を試し、その動作を見ることができ、パッケージから出した後も更にそれを連続的に動作することができる。また、スイッチによって1つ以上の発光素子を作動することができる。発光素子には、モーターが作動すればいつでも電圧が加わるが、しかし、電動歯ブラシには更に、発光素子を作動するものとして定めたスイッチを搭載することもできる。
機械的出力に好ましい多種多様の集合体、構成要素、及び構造の詳細は、本明細書に示した光ベースの出力及び化学ベースの出力について説明した箇所に記載されている。
センサー反応型歯ブラシは、機械的清浄を促す目的で、振動機構、例えば機械的振動子又は超音波振動子を搭載することができる。振動子が発生する振動は、歯を更に丁寧に清浄する目的のみならず、光線療法を増強する目的でも用いることができる。例えば前記振動は、軟組織への光の浸透度を向上することができ、及び/又は細胞及び/又は細菌に対する光線治療の効果を向上することができる。これらの向上作用のメカニズムの1つは、光線治療の対象物への酸素運搬を高めることである。
B.光ベースの反応性出力
光ベースの反応性出力を1つ以上備えている好ましい実施形態の歯ブラシには、ヘッド上に配置した電動式素子を1つ以上搭載でき、前記素子としては、発光ダイオード(LED)、白熱素子、レーザー素子、ハロゲン素子、ネオン素子、蛍光素子、プラズマ素子、キセノン素子が用いられている発光素子、及び前記の組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。本発明は、電動歯ブラシ、電動フロス、歯研磨器、歯肉マッサージ器などの広範な口腔ケア装置を含むが、これらに限らない。簡潔化するために、本発明では、センサー反応型電動歯ブラシについて言及するものとする。
本明細書で使用する時、「光」という用語には、可視、不可視(例えば紫外線及び赤外線)双方の光のスペクトルが含まれていることを意図している。本発明の歯ブラシの1つの実施形態では、発光素子から放出する光は、約370、390、410、430、450、470、490、510、530、550、570、590、610、630、650、670、690、710nmから及び/又は約770、750、730、710、690、670、650、630、610、500、400nm未満にすることができる。別の実施形態では、放出する光の波長は、約420、430、440、450、460、470、480、及び/又は490nmより大きい波長及び/又は約490、480、470、460、450、440、430nm未満にすることができる。更に別の実施形態では、放出する光の波長は、約420、430、440、450、460、470nmから及び/又は約470、460、450、430nm未満にすることができる。当然のことながら、選択した特定の範囲の波長は、光の所望の色に応じて変えることができる。1つの実施形態では、放出する光は青色にすることができる。口腔ケア装置もまた特定の強度の光を放出することができる。強度は、カンデラ(又はルーメン/ステラジアン)で測定した光度、又はW/mで測定した流束密度のいずれかにすることができる。1つの実施形態では、本発明の光源付き電動歯ブラシの流束密度は、約20、30、35、40、45、50、55、60、70、100、200、250mW/cmから及び/又は約300、250、200、150、100、70、60、50、40、30mW/cm未満、又はこれらのいずれかの組み合わせである。
典型的には、光ベースの出力は所定の時間にわたって光を発生する。例えば、細菌及びその他の物質を消滅する効果があると考えられるラジカルを生成する目的で用いることのできるトルイジンブルー及びメチレンブルー(フェニルメタン族のブルー、レッド及びパープル染料)の組成物とともに、波長が632〜904ナノメートル、強度が5〜10mWの光を0.5〜2分間、用いることができる。したがって、本発明の歯ブラシには、センサー入力素子が細菌を検知した場合、又は前述したとおり、選択した処置計画に基づき、波長が632〜904ナノメートルの光を発する光源を搭載することができる。トルイジンブルー又はメチレンブルーは、以下で更に詳細に説明するように、歯ブラシとともに用いるか、歯ブラシから投与する歯磨剤の中に盛り込んでもよい。その他の光ベースの反応性出力又はその他の反応性出力、例えば熱に反応する(例えば、反応性出力によって活性化するか又は別の方法で反応性出力と相互作用する)その他の反応剤を歯磨剤に組み込むか、投与することができる。歯磨剤は、歯ブラシからの反応性出力によって活性化するまでは不活性な状態なままであろう前記反応剤を1つ以上含んでもよい。その他の反応剤については、後述する、出願書を通して説明してあり、また、当然のことながら、反応剤は、本発明での使用に適した歯磨剤に単独で組み込むか、組み合わせるかしてよい。歯磨剤に様々な反応剤を別々に組み込む場合、状態、マーカー、又は刺激要因の検知結果、及び検知した状態、マーカー、又は刺激要因に付随して発せられる反応性出力とともに用いるものとして、どの反応性薬剤が最適なのかという判断結果に基づき、どの歯磨剤を用いるかに関する信号をユーザーに供給するようにしてもよいと考えられる。口腔衛生の技術及び口腔衛生に対する理解が進むのに合わせて、製造されている歯磨剤及びその反応剤の最新リストを保持するとともに、歯ブラシ及び/又は新たな交換式歯ブラシヘッドに新たな反応性出力又は処置計画を送るために必要なデータを供給するために、本発明の歯ブラシの再充電スタンドは、インターネットなどのコンピュータネットワークに接続させて、歯ブラシで用いる歯磨剤、反応性出力、又は処置計画のデータのダウンロードを促してもよいと考えられる。反応剤は単独で、又は混合物として、本発明の歯ブラシから投与させてもよい。細菌を殺除するための光ベースのその他の反応性薬剤としては、波長が約430nmの光と組み合わせたリボフラビン(ビタミンB2)、波長が約440nmの光と組み合わせたクロロフィル、又は過酸化水素、過酸化尿素、過炭酸塩と様々な波長の光のようなその他のラジカル発生剤が挙げられるであろう。光の波長によって、細菌を殺除することのできる発熱が発生する場合には、銀、鉄、及びマンガンなどの金属を反応剤にしてもよい。波長が約380nm〜約420nmの光には、反応剤を用いなくても細菌を殺除する効果があると思われる。
1つの実施形態では、電動歯ブラシは、細長い本体部分又はハンドル、ヘッド並びに、ヘッドとハンドルの間に伸びているネックを備えている。1つ以上の発光素子をヘッド上に、複数の毛を上に備えている1つ以上の静止又は可動式毛ホルダーに隣接した位置、前記ホルダーの上、又は中に搭載してもよい。毛は、1つ以上のグループ又は房状に形成してもよい。特定の実施形態では、発光素子は、揺動する毛ホルダーの中心又は運動軸に配置することができる。更に、発光素子は、可動式毛ホルダーの回転軸及び/又は中心としての役割を果たすピンとして機能することができる。発光素子は静止式にすることもでき、又は前記素子が毛ホルダーと連動するように、可動式毛ホルダーに固定することもできる。毛ホルダーには、特定の実施形態では、ホルダーを通って光が通過するよう促す領域、例えば開口部を設けることができる。その領域は、透明又は半透明の材料で形成させてもよく、あるいはその領域は、毛が実質的に搭載されていない開口部又はその他の開口領域にすることもでき、それによって光の通過を可能にすることができる。この領域は、可動式毛ホルダーの中心部も包め、歯ブラシのヘッドのいずれの部分にも設けることができる。
以下では図面を参照していくが、図面の中の表示は、本発明の実施形態を例示するためのものにすぎず、本発明の実施形態を制限するためのものではない。図1には、本発明の1つの実施形態による、光源付きのセンサー反応型電動歯ブラシ100を示してある。電動歯ブラシは、個人の歯及び歯肉をブラッシングするなど、個人衛生のために用いることができる。図1に示したとおり、電動歯ブラシは、ハンドル12及びハンドル12に取り付けられているネック14を備えている。ヘッド16は、ネック14に取り付けられている。典型的には、ヘッドはネック14よりも大きく、またネック14は典型的にはハンドル12よりも小さい。歯ブラシ100は、1つ以上のセンサー素子又は構成要素2、4、5、6、及び7を備えている。これらの素子の1つ以上をセンサー入力素子にすることができ、又は1つ以上を任意のセンサー出力素子にすることができる。歯ブラシ100は、前記素子を特定の位置に配置した状態で示してあるが、当然のことながら、センサー素子は歯ブラシ100上の様々な位置に配置することができる。
次に図2に示したように、長手方向軸19によって更にヘッド16が定められており、ヘッド16は、可動式毛ホルダー20及び1つ以上の任意の静止式毛ホルダー22を備えている。この実施形態では、静止式毛ホルダー22は可動式毛ホルダー20の反対側に配置される。この実施形態の可動式毛ホルダー20はヘッド16の中央に配置される。可動式毛ホルダー20は、ホルダー20に支持及び保持されている毛24に複数備えられている。可動式毛ホルダーは、ヘッド16の長手方向軸19に対してほぼ垂直な動作軸の周辺で振動又は回転することができる。ただし、上述したとおり、その他の動作を行うようにしてもよい。本明細書で更に詳細に説明するように、可動式毛ホルダーのこの動作軸に沿って配置されるのが電動素子である。特定の実施形態(図2に示したもの)では、電動素子は、歯ブラシのヘッド上に配置される発光ダイオードのような発光素子75であり、通常、発光素子の表面が可動毛ホルダーの毛保持表面を超えて伸びていない場合には、下方又は真下にある。歯ブラシのこの実施形態は、保持部70及び72も備えている。
図3に示したように、ハンドル12は更に、モーター32を収容している中空部30を備え、長手方向軸34を持つ。モーター32は、回転シャフト44を通じて可動式毛ホルダー20に電力を供給する。ギア装置は、シャフト44とモーター32の間に作動的に相互連結している。ギア装置は、ウォームギア40及び1対のステップギア42、43を備えている。モーター32は、ウォームギア40に作動的に連結している。ステップギア42は、ステップギア43とウォームギア40に作動的に連結している。発光素子75は、可動式毛ホルダー20の内側に来るように配置される。本明細書で使用する時、「発光」素子という用語は、光ファイバーケーブル又はワイヤのように光を伝導又は伝送するだけの素子ではなく、電気エネルギーを光に変換する素子を指すことを意図している。ただし、特定の実施形態では、光ベースの出力を提供する本発明の歯ブラシは、光ファイバーケーブル又はワイヤを用いて歯ブラシから光を放出することができる。1つの実施形態では、本発明の発光素子は、発光ダイオード又はLEDである。
発光ダイオードに関しては、次の式によって、その主波長又は中心波長を算出することができる。
Figure 2012086022
連続スペクトルではこの式を用いる。
Figure 2012086022
不連続スペクトルではこの式を用いる。
式中、Iは照度、λは波長である。
これらの式はCIE127(1997)題名「LEDの測定(Measurement of LEDs)」に更に詳細に記載されており、国際照明委員会(International Commission of Illumination)から発行されている。また、これらの式及び方法は、LED以外の発光素子に適用することもでき、又は発光素子の主波長又は中心波長を算出するために、当該技術分野において既知の他の方法及び式を使用することもできる。発光素子のスペクトルの特徴(例えばピーク波長)、光度の特徴(例えば光度)、放射性の特徴(例えば放射強度)、及び色度の特徴(例えば主波長)は、当該技術分野において既知の装置、例えばフロリダ州オーランドのオプトロニック・ラボラトリーズ社(Optronic Laboratories, Inc.)の製造している放射計/光度計OL730CVを用いて測定することができる。一部の光(例えば白色光)には、主波長又は中心波長がないものもあると思われる。
図4には、支柱91に結合されているか、及び又は支柱91内に配置される静止式発光素子75を備えた歯ブラシ200の実施形態を例示してあり、前記支柱91は静止状態であり、歯ブラシの点93でヘッド95に固定されている。この実施形態では、可動式毛ホルダー97が、支柱91内に配置される静止式発光素子75を中心に振動又は回転する。支柱91内に配置されるこの発光素子75は、歯ブラシのヘッド95上で、可動式毛ホルダー97の回転軸としての役割を果たす。プラスリード87及びマイナスリード89は、発光素子75から支柱91を通り、次いで歯ブラシのヘッド95及びネック(図示なし)の長さ方向を下って電源(図示なし)まで達することができる。
別の実施形態では、歯ブラシ300の発光素子375は、図5に一番分かりやすく示したように、可動式毛ホルダー320を通って伸びている開口部又は穴388内に配置されており、発光素子が動かないように、また可動式毛ホルダー320が静止式発光素子375を中心に振動又は回転するようになっている。歯ブラシ300は更に、センサーが1つ以上、例えばセンサー301及び303を備えている。この実施形態では、発光素子375はヘッド316に動かない状態で固定されている。発光素子375は、一部が穴388を通って伸びるようにすることも考えられ、あるいは可動式毛ホルダー320の下面の下方に配置して、ヘッド316内に完全に収まるようにしてもよい。また、発光素子375の中心線又は軸は、可動式毛ホルダー320の回転軸又は振動軸でもよい。上記の実施形態の一部では、とりわけ発光素子を可動式毛ホルダー320の下方に配置するケースでは、可動式毛ホルダーは、透明又は半透明の材料から形成することができる。図6(ここでは明確にするために毛は削除してある)に例として示したように、発光素子は、ヘッド内に配置する場合、発光素子が毛ホルダーの間に来るように、且つ可動式毛ホルダーの回転/揺動軸と一直線上に並ばないように設置してもよい。図6には、ヘッド416、ネック414、可動式毛ホルダー420、静止式毛ホルダー422及び423、1つ以上のセンサー、例えばセンサー401、並びに発光素子475を備えた歯ブラシ400を例示してある。センサー401(単数又は複数)及び発光素子475は、可動式毛ホルダー420及び静止式毛ホルダー423の下に配置される。この実施形態では、ヘッドの上面及び毛ホルダーは、透明又は半透明の材料から形成させてよい。
透明又は半透明の毛ホルダー及び/又はヘッドを形成する際には多様な材料を用いてよい。こうした材料の例としては、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)(イーストマン(Eastoman)BR003の名称で市販されている)、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。これらの材料の加工を促すために1つ以上の熱処理を採用してもよいと考えられる。
発光素子は、発光の原則的方向が毛ホルダーの上面にほぼ垂直に、及び/又は毛ホルダーの毛の方向にほぼ平行になるように配置することができる。すなわち、発光素子は、図4に一番分かりやすく示したように、発光素子の中央線90がヘッド及び/又は毛ホルダーの上面と概ね垂直になるように配置することができる。中央線90は典型的には、発光素子のレンズ92又は開口部を貫通している。発光素子を可動及び/又は静止式毛ホルダーの中、上、又は下に配置する場合には、光が毛に妨げられることなくブラッシング表面に伝わるように、発光素子の中心線90の周りの円筒形領域又は立体部には毛が存在しないようにすることができる。1つの実施形態では、毛が存在しない円筒形立体部の直径は約2mm〜約8mmであり、別の実施形態では約3mm〜約6mmである。ただしその一方で、図5に一例として示したように、可動式毛ホルダーには、発光素子を取り囲む毛から成るリングを少なくとも1つ搭載することができる。一方で、追加の毛房又は毛から成る内側リングを設けてもよい。
再度図3を見てみると、センサー反応型光源付き電動歯ブラシの動作を制御するためのスイッチ50を備えており、このスイッチはモーター32に作動的に連結している。またスイッチ50は、検知及び制御回路を動作するとともに、任意に歯ブラシの1つ以上の照明素子を動作する構造になっている。前記動作は一時的又は連続的にすることができ、さらに光ベースの出力(単数又は複数)の動作に依存しないようにすることができる。すなわち、本発明の歯ブラシには、歯ブラシの検知回路(単数又は複数)又はユーザーによって光ベースの出力を活性化する実施形態が含まれている。この2つの活性化形態は、それぞれ独立した状態にすることができる。スイッチ50を閉じると、ハンドル10の中空部30内に配置される電池60とモーター32と発光素子75との間に回路が成立する。
図7〜10には、センサー反応型光源付き電動歯ブラシの別のヘッド、毛ホルダー及び毛の構成を例示してあり、そのいずれも、発光素子を1つ以上搭載している。図7は、ヘッド516及びネック514を備えた歯ブラシ500を例示する。この歯ブラシは、前述の光センサー及び/又はフィルターのようなセンサー501及び503を備えている。当然のことながら、ネック514は、歯ブラシのヘッド516とハンドル(図示なし)の間に伸びている。ヘッド516の上に配置されるのは、その上に配置される複数の毛房532を備えた単一の可動式毛ホルダー520である。第2の毛ホルダー522の上に配置されるのが発光素子575である。図8には、ヘッド616及びネック614、並びに本発明に基づくセンサー601及び603を備えた別の実施形態の歯ブラシ600が描かれている。ヘッド616は、毛632を備え、その中に発光素子675を搭載している単一の毛ホルダー620を備えている。図9には、その上に配置される単一の毛ホルダー720を備えたヘッド716及びネック714を備えた更に別の歯ブラシ700が描かれている。歯ブラシ700は、センサーを1つ以上、例えばセンサー701、703、及び705を備えている。ヘッド716上の毛ホルダー720に隣接して、発光素子775が配置される。ただし、発光素子775は毛ホルダーの上には配置されていない。図10には、可動である第1の毛ホルダー820、固定又は静止式である第2の毛ホルダー822、及びヘッド816に連結しているネック814が搭載されているヘッド816を備えた更に別の歯ブラシ800が描かれている。歯ブラシ800は、センサー801、803、及び805を備えている。前記双方の毛ホルダーは、その上に配置される発光素子875を備えている。第1の毛ホルダー820には、その上に配置される発光要素875を取り囲んでいる複数の毛房832があり、さらに第2の毛ホルダー822には、その上に配置される発光要素874を取り囲んでいる複数の毛房834がある。
本発明による電動歯ブラシ900の別の実施形態は図11に描かれており、ヘッド916、ネック914、及びハンドル912を備えている。歯ブラシ900は、センサー901及び903を搭載している。ヘッド916上に配置されるのが発光素子975である。ネックとハンドルは、915の位置に取り外し可能な状態で連結しており、物理的に嵌合させ、発光素子と電源の間に電気連通を確立するための対応構成要素を備えている。本発明のこの実施形態は更に、保持部919を備えている。
本発明では多種多様な発光素子を使用してもよい。1つの実施形態では、発光素子は、カリフォルニア州サンノゼのルミレッズ・ライティング社(Lumileds Lighting, LLC)が製造しており、ラクセオン(Luxeon)(商標)という名称で市販されているもののような、小型で低消費電力の発光ダイオード(LED)である。その他の市販の照明装置としては、アメリカンオプトプラスLED社(American Opto Plus LED Corporation)製のものが挙げられる。LEDは、相対的に低い直流電源の電圧で、例えば1つの実施形態では、約0.5ボルト〜約5ボルト、別の実施形態では、約1ボルト〜3ボルト、及び別の実施形態では約1.6〜約2.4ボルトで動作できる。
別の実施形態では、光放射源は、発光ダイオード(LED)及びLEDの変種、例えば端面発光LED(EELED)、面発光LED(SELED)又は高輝度LED(HBLED)といった固体照明(SSL)である。LEDは、様々な材料、例えばAlInGaN/AIN(285nm以上で発光するもの)、SiC、AlInGaN、GaAs、AlGaAs、GaN、InGaN、AlGaN、Alln−GaN、BaN、InBaN、AlGalnP(NIR及びIRで発光するもの)などをベースにすることができる。LEDには、活性物質としてポリマーを用いて構築されているとともに、広域発光スペクトルを備えている有機LEDも含まれる。放射源は、LEDダイの形状をしているようなLED、透明な閉鎖領域、フォトニック結晶構造を備えたLED、又は共振器型発光ダイオード(RCLED)にすることができる。
その他の可能性としては、スーパールミネッセントダイオード(SLD)又は、好ましいことに広域発光スペクトル源を提供できるLEDが挙げられる。更には、半導体レーザ(LD)、導波路半導体レーザ(WGLD)、及び面発光レーザー(VCSEL)を用いることもできる。LEDで用いるのと同じ材料をダイオードレーザーで用いることができる。その他の可能性としては、半導体レーザ励起を利用したファイバーレーザー(FL)が挙げられる。LD、LED又は電流/電圧源による電子又は光励起を利用した固体蛍光源(FLS)も放射源にすることができる。FLSは、電気励起を利用した有機繊維にすることができる。
ランプ、例えば、白熱ランプ、蛍光ランプ、マイクロハライドランプ又はその他の適したランプも本発明とともに使用してよい。ランプは白色光、赤色光、NIR及びIRを照射する放射源を提供することができる。5〜100ミクロンの波長帯で、量子カスケードレーザー(QCL)又は遠赤外発光ダイオードを使用することができる。大きさ、所要電力、所望の処置計画、及びこれらの組み合わせに応じて、様々な放射源が、センサー反応型歯ブラシのための光放射を提供することができることは、当業者であれば理解するであろう。
本明細書に記載されている様々な実施形態の歯ブラシでは、多様な特徴を備えた発光素子を使用してもよい。本明細書に記載の光ベースの出力を用いる電動歯ブラシでは、一般的に中心波長が約10nm〜約10nm、1つの実施形態では約390nm〜約70nm、別の実施形態では約420nm〜約490nm、青色光では約420nm〜約470nmの光を放出することができる。
図12には、代表的な実施例のセンサー反応型歯ブラシの電気構成の典型的な概略図を例示してある。この構成では、スイッチ50によって、発光素子75、1つ以上のセンサーE、及びモーター32の電力供給又は起動をそれぞれ同時に行う。発光素子75がLEDの場合、とりわけ電池から発せられる電圧又は電流出力が時間の経過とともに低下する傾向があるため、入力電圧又は電流が変化しても、LEDに定電圧又は電流出力を送る電圧又は電流分配器94を搭載するのが望ましいであろう。本発明で用いるのに適した電圧又は電流分配器は、ゼテックスセミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国オールダム)製の単セル又は多セルのLED分配器ZXSC310である。本発明のその他の実施形態は、例えば、発光素子、センサー(単数又は複数)、及びモーターを別々に起動するために搭載可能な個々のスイッチを備えている。更に、1つ超の発光素子を搭載してもよい。単一の電動歯ブラシに複数の用途を持たせるために、異なるスペクトルの特徴、光度の特徴、放射性の特徴、及び色度の特徴(例えば、異なる主波長、ピーク波長、放射力など)を備えた発光素子を搭載してもよい。あるいは、第1の発光素子をセンサー出力素子として機能させ、センサー入力に応じて第2の発光素子が反応性出力を供給するようにしてもよい。
図13及び14には、本明細書に記載の電動歯ブラシで用いられる市販のLED照明装置の様々な色のスペクトル分布を例示してある。これらのスペクトル分布グラフは、ルクシオン(Luxeon)(商標)1ワットエミッターという照明素子のものであるが、これらの分布パターンは、他の照明装置を用いても得られると思われる。具体的に言うと、図13は、様々な色の発光素子の相対スペクトル出力分布のグラフである。図14には、紺青色、青色、シアン、緑色、琥珀色、赤橙色、及び赤色について示してある。図15は、白色照明素子の相対スペクトル出力分布である。
本発明のセンサー反応型歯ブラシには更に、処置を監視及び/又は口腔内の状態を診断するセンサーを搭載することができる。センサー出力素子を用いて、センサー入力素子が検知可能な形で細菌を蛍光発色する波長で光を放出することによって、細菌又は齲蝕からの蛍光信号のようなセンサー入力を生成することができる。センサー入力素子が検知した蛍光信号によって、歯周ポケット、硬組織(齲蝕病変)、唾液又は真菌症内の細菌の濃度に関する情報、及び歯の美白及び研磨に関する情報を提供することができる。癌を含む様々な粘膜疾患を早期診断する目的で、追加の蛍光信号を用いることができる。1つの実施形態では、センサー反応型歯ブラシには、蛍光信号に基づき、処置が完了した時、又は状態を検知した時にユーザーに通知するための信号機構を搭載することができる。別の実施形態では、反射率計を組み込むことができる。例えば、反射光の検知に、LEDを通る光誘起電流を用いることができる。別の実施形態では、口腔内の様々な波長の反射を測定するために、独立したLED及び光検知器を採用することができる。反射は、齲蝕、硬組織の美白、研磨及び/又は粘膜疾患を診断するために利用することができる。
好ましい実施形態の歯ブラシでは、口腔を加温するか、又は別の方法で口腔内のエネルギーを消散する役割を果たす光又は電磁放射を放出する反応性出力を用いることができる。すなわち、「光ベースの出力」という用語には、可視又は不可視光エネルギーに応じて熱を放出又は生成する出力を含めてもよい。光を測定するシステムには放射測定と測光の2つがある。放射測定は3×1011〜3×1016Hzの周波数範囲内の電磁放射を測定するものであり、測光はヒトの目で検知可能な電磁放射を測定するものである。当該技術分野で既知なように、放射単位としては、エネルギー(ニュートンメートル又はジュール)、一定期間におけるエネルギー流である電力又は放射束(ジュール/秒又はワット)、単位面積あたりの電力である放射照度又は束密度(ワット/m)、単位立体角あたりの電力である放射強度(ワット/ステラジアン)、及び単位立体角あたりの単位投影面積あたりの電力である放射輝度(ワット/m−ステラジアン)が挙げられる。同様の測光単位としては、電力又は放射束(ルーメン)及び光度(ルーメン/ステラジアン又はカンデラ)が挙げられる。以下で論じていく光の別の特徴は、視角又は半角である。本明細書に記載のように、半角はピークとビーム軸の一方側にある点との開先角度(度)の2倍であり、光度はビーム角の最大値の50パーセント又はその半分である。以下で論じる更に別の特徴は、歯の表面にLEDによって生成される熱量又は発光温度(摂氏)に関するものである。更に、光源付き電動歯ブラシのヘッド上に配置されるLEDが消費する総電力(「電力浪費」)も特徴とされる。本明細書では簡潔にするために、単位は放射単位又は測光単位のいずれかで論じられるが、放射単位が好ましい。強度は、カンデラ(又はルーメン/ステラジアン)で測定した光度、又はW/mで測定した束密度のいずれかであることができる。
本明細書に記載されている試験法は全て、センサー反応型の光源付き電動歯ブラシをフル充電してスイッチを入れ、毛を動かし、LEDを点灯させた状態で、センサー反応型の光源付き電動歯ブラシを動作する際に通常供給される電流で前記歯ブラシを動作させて実施する。
本発明のLEDの特徴については、以下で更に十分に論じられている。
1.代表的な歯の表面における束密度(「FDRT」)
この試験は、歯の表面に投射される放射束密度をW/mで表すことを意図している。検出器はワットで較正され、検出器開口面積は、約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50、及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46、及び/若しくは0.50cm超であり、検出器開口直径は少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.70、0.76、0.80、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15、及び/若しくは1cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.00cm未満であり、検出器開口の距離(「検出器距離」)は、LEDの発光点から約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.0cm超、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.0cm未満である。従来から、検出器は、所望の大きさの検出器開口面積をもたらすことのできる絞りを備えている。LEDは、検出器開口に面して配置すべきであり、LEDの機械軸は、この検出器開口の中央を通るべきである。検出器は、検出器での発光束(ワット)を測定する。検出器は、検出器開口面積全体にわたる放射束を測定する。故に、結果として得られた数は、放射束の全体値である。FDRTは、キャップ1109(図16に示したように、LEDと露光面との幾何学的関係を表している)の球状面積で放射束の全体値を除した値である。キャップの球状面積は、以下の式によって計算することができる。
S=2πR(R−l)
式中、
Figure 2012086022
S=キャップの球状面積
l=検出器距離
d=検出器開口領域の直径
FDRT=総放射束(ワット)/S
この放射束(ワット)をキャップの球状面積で除すと、代表的な歯の表面における束密度(W/m)を得られる。FDRTを測定するのに適した装置の例としては、フロリダ州オーランドのオプトニック・ラボラトリーズ社(Optronic Laboratories, Inc.)が製造している放射計/光度計OL 730CVが挙げられる。図17に示したように、検出器距離「l」(図では1200)は、LED1275の発光点1205と検出器1203の入射開口1201との距離である。この検出器距離「l」(図では1200)は、LED1275の発光点1205から検出器1203の検出器開口1201の面までを測定する。
本発明のセンサー反応型の光源付き電動歯ブラシのFDRTは、少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、70、及び/若しくは100mW/cm以上、並びに/又は、約300、250、200、150、及び/若しくは100mW/cm未満、又はこれらのいずれかの組み合わせである。上述のFDRTで個別に光を発光するLEDを備えた歯ブラシは、単独で又は他の口腔ケア組成物と組み合わせて口の中で使用すると、美白効果及びその他の口腔ケア効果をもたらすことができると考えられる。これらの口腔ケア効果を実現するためには、歯ブラシヘッド上に配置されるLEDの少なくとも1つが、FDRTが少なくとも約30mW/cmの光を発光しなければならない。FDRTが更に高い光でも美白効果又はその他の口腔ケア効果を得られるが、300mW/cmを超えると、ユーザーは、口腔の損傷を防ぐ安全対策を講じなければならない場合がある。
2.立体角内における全光束の割合
電動歯ブラシのLEDの1つの実施形態では、LEDの総電力(ワット)の少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、100%は、LEDの中央に頂点がある立体角であって、少なくとも約0、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.9、0.95、及び/若しくは1ステラジアン(「sr」)、並びに/又は約6.3、5.5、5、4.5、3.5、3、2.5、2、1.5、1.3、1.2、1.1、及び/若しくは1sr未満の立体角内に含まれている。LEDの発光点に頂点がある立体角は、以下の式を用いて計算することができる。
α=S/R=2πh/R
式中、
h=R−a、及び
Figure 2012086022
α=立体角(sr)
S=キャップの球状面積
a=軸距離
b=寸法面積の直径
これらの計算は、FDRTを算出する際に先程使用した計算と同様であり、軸距離及び寸法面積の値は検出器距離及び検出器面積と同様であるが、立体角の計算には検出器の存在がない。
LEDが露光面の方向に光を放出する空間の図は図16に示してある。式の構成要素は図20に描かれており、「α」は、LED1175の発光点1113を頂点(1111として図示されている)とする立体角(1110として図示されている)である。「a」(図20で1101として示されている)は、LEDの発光面とLEDの発する光の露光面との垂直距離(軸方向距離)であり、「b」(1103として図示されている)は、LEDを含む円形領域の直径であり、「S」(1109として図示されている)はキャップの球形面積である。「h」(1105で示されている)は、R(1107として図示されている)−「a」(1101として図示されている)に等しい。「b」は、少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.65、0.70、0.76、0.80、0.90.0.95及び/若しくは1.00cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.00cm未満にすることができる。「a」は、約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80.0.85、0.90及び/若しくは1.00cm超、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/並びに1.00cm未満にすることができる。
立体角内の電力率を算出するには、まず、LEDから発せられる総電力を測定しなければならず、第2に、特定の立体角面積内の電力を測定しなければならない。最後に、特定の立体角内の電力率を計算する。LEDから発せられる総電力は、ゴニオ光度計法及び/又は積分球法のいずれかによって算出することができる。ゴニオ光度計法では、総放射束をワット(ゴニオ光度計をワットで較正する場合)で測定する。ゴニオ光度計の回転検出器は、LEDを取り囲んでいる球状領域の表面を走査する。表面の各要素dAに入射する部分束dΦは、総放射束を表す。
Figure 2012086022
これを加重及び積分すると、全放射束Φの値を得られる。
Figure 2012086022
LEDからの全放射束を測定する別の方法は、積分球(ワットで較正)を使用して、同様の空間及び分光出力分布を備えた標準的なLEDと、試験対象のLEDを比較することである。完全に一致する標準品を入手できない場合、色に関する補正値を計算することはできるが、空間出力差に関する補正値は計算するのはより難しい。ほとんどの積分球は直径10cm以下である。故に、同じ種類の補助LEDを積分球に挿入し、試験対象のLEDの自己吸収に適用される補正を許容すべきである。2つの入口及び1つの出口を有する球が作動しなければならない。これらの方法はいずれも「LEDの測定(Measurement of LEDs)」というタイトルのCIE127(1997)(国際照明委員会(the International Commission of Illumination)により出版)に記載されている。
第2に、特定の立体角内の電力を測定する。電力を測定する立体角を選択するには、前述の式を用いて、所望の立体角に関する軸距離及び寸法面積の直径を算出しなければならない。軸距離の値は検出器距離の値に相当し、寸法面積の直径の値は検出器開口面積の値に相当する。試験を行う際にこれらの値を選択することによって、所望の立体角内の電力を測定する。検出器をワットで較正すると、これにより所望の立体角内の全放射束を得られる。
LEDの(特定の立体角内の)全放射束の測定には、ワットで較正した検出器であって、図17に示したように、面積が約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50、及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は、約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46、及び/若しくは0.50cm超の円形開口1201を備えているとともに、検出器開口の直径が少なくとも約0.60、0.63、0.64、0.70、0.76、0.80.0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、1.15、及び/若しくは1cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.00cm未満の検出器が必要となる。LEDは、LED1275の発光点1205から約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.00cm、並びに/又は約2.0、1.50、1.40、1.30、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.00cm未満の検出器距離1200で、検出器開口1201に面するように配置すべきである。LEDの機械軸は、この検出器開口の中央を通すべきである。
最後に、所望の立体角内で発せられる光の割合を以下の式によって算出する。
Figure 2012086022
3.半角及び/又は視角
センサー反応型の光源付き電動歯ブラシが所望の特徴を備えた光を放出するか判断するための別の方法は、LEDの半角及び/又は視角を調べることである。本明細書に記載するように、半角は、ピークと、ビーム軸の一方側にある点との開光角度(度)の2倍であり、光度はビーム角の最大値の50パーセント又はその半分である。これは視角と呼ぶこともできる。半角が小さい程、光はより集束する。LEDから発せられる光が集束する程、所望の光度及び/又はFDRTを実現するために必要な光は少なくなる。より集束した光角を得ることにより、好ましくない方向を照らす、即ち毛領域を照らすことによって浪費される光が、少なくなる。光が好ましくない方向を照らす場合、所望の光度又はFDRTを実現するためにより多くの光が必要となり、この結果、しばしば熱レベルが増大する。光源付き電動歯ブラシからの熱発光が増大すると、口腔内の歯及び組織が損傷を受ける可能性がある。LEDの半角(2θ1/2)は、約50°、49°、48°、47°、46°、45°、44°、43°、42°、41°、40°、38°、36°、34°、32°、30°、及び/若しくは28°未満、並びに/又は約0°及び/又は5°超にすることができる。
4.発光温度
歯ブラシのヘッド上でLEDを使用し、次いでこの歯ブラシを口腔内に入れて歯をブラッシング及び/又は処置すると、熱と同様に光も口腔内に入る場合がある。光は歯の表面に吸収され、これにより、更なる熱が歯の表面に生成される可能性がある。熱が口腔内で生成されると、歯の歯髄室が大きくなる可能性があり、これによって、歯髄炎又はその他の口腔の損傷が生じることがある。口腔内の損傷を引き起こさないために、歯の表面温度は、約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃、及び/又は25℃未満に維持すべきである。歯の表面温度が上述の温度を超えると、歯の歯髄室が過熱され、歯髄炎を起こすことがある。故に、光源付き電動歯ブラシの発する光は、歯の表面温度を約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃、及び/又は25℃よりも上昇する熱を生成させてはならない。1つの実施形態では、標準的なLEDを使用して、約200ミリアンペア(「mA」)未満の連続順方向電流を標準的なLEDに与えることにより、歯の表面温度を約43℃未満に維持する。
光源付き電動歯ブラシから発せられる光の露光を受けて、歯の表面に発生する温度が「発光温度」である。この発光温度は、当該技術分野において既知の装置、例えば熱電対1315(図18に表示)によって測定することができる。本試験法での使用に適した熱電対の1つはオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering, Inc.)製の熱電対SC−GG−T−30−36である。この熱電対は、好ましくは接着剤を使って、LEDの発する光を当てる歯の表面に取り付けることができる。本試験法での使用に適した歯用接着剤は、デンツプライ(Dentsply)製のルシトーン199(Lucitone 199)である。あるいは、歯の表面の温度は、露光後に測定することができる。ただし、熱電対が歯に接触しており、歯への露光が終了してから約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1秒未満の試験時間以内に温度計測が完了する場合に限る。露光後に温度を測定する方法の1つは、標準的な綿棒を用いて、試験時間の間、熱電対を歯の上に適用及び保持して温度データを収集するというものである。更に、熱電対のデータを温度の単位(℃)に変換するユニット1317を使用することができるが、上記の熱電対とともに使用して、熱電対から受信したデータを温度の単位(℃)に変換するものとしては、オメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering, Inc.)製の携帯型ユニットHH5−08が適している。この試験は、32℃に設定したインキュベーター内で標準的な抽出したヒト又はウシの歯1301のサンプル上にて試験管内で実施する。この試験は、口の中にある歯の通常の基本温度を再現すべく32℃に設定したインキュベーター内で実施する。この試験に適したインキュベーターは、ジョアン・グループ・オブ・カンパニーズ(Jouan Group of Companies)から入手可能なTHELCO3DG、カタログ番号51221122(THELCO 3DG,catalog #51221122)である。歯を配置するために切除した空間を備えた鋳造アルミニウム片から成る鋳造アルミニウムスタンド1319に歯を配置する。鋳造アルミニウムスタンド1319は、歯1301をヒートシンク1321に結合する。本試験法での使用に適したヒートシンクとしては、アービッド・サーマロイ社(Aa
vid Thermalloy)製のヒートシンク11−5602−48 VIS番号031608が挙げられる。電源(図示なし)をヒートシンクに設けることができる。「発光距離」は、LED1375の発光点1305と歯1301の表面との距離1303である。発光距離1303は、歯の表面から約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50、及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46、及び/若しくは0.50cm超にすることができる。LED1375の発光点1305は、歯1301の表面から約3.14、1.77、1.54、1.33、1.23、1.13、1.04、0.95、0.87、0.79、0.70、0.64、0.50、及び/若しくは0.46cm未満、並びに/又は約0.28、0.31、0.32、0.33、0.38、0.44、0.46、及び/若しくは0.50cm超の発光距離で配置し、光源付き電動歯ブラシ1313のスイッチを入れ、それによって、LED1375を動作させ、歯1301の表面を照射する。続いて、約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、及び/又は0分未満の発光時間にわたって、LED1375から発せられる光を歯1301に当て、標準的な熱電対1315によって歯1301の温度を測定する。熱電対を独立した携帯型ユニット1317に取り付け、熱電対1315の測定値を計測温度に変換することができる。発光温度は、約43℃、40℃、39℃、38℃、37℃、36℃、34℃、30℃、及び/又は25℃を超えてはならない。
5.電力浪費
更に、過剰な熱生成による口腔の損傷を避けるために、光源付き電動歯ブラシのヘッド上に配置されるLEDの消費する総電力(「電力浪費」)は、約2、1.5、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1ワット(「W」)を超えてはならない。
6.光ベースの反応性出力の例
入力信号に対する反応性出力は、検知した口腔内の状態、例えば齲蝕又は細菌を処置する特定の光度又はその他のスペクトル反応性出力をもたらすものにすることができる。標準的なLEDを備えた本発明のセンサー反応型の光源付き歯ブラシでは、製造者が推奨する値よりも順方向電流を増大すること(電力の過剰供給)、発光体を1つ以上搭載すること及び/若しくはLEDから発せられる光をパルスすること、又はこれらを組み合わせることによって、少なくとも約7カンデラの光度、及び/又は少なくとも約30mW/cmのFDRTを実現することができる。LEDに電力を過剰供給すると、LEDの寿命を縮める可能性がある。LEDの寿命値は、LEDに電力を過剰供給する際に用いる電流レベル及びLEDの特徴に応じて短くなる。しかしながら、歯ブラシが使い捨て及び/又は交換式の物品である場合、この短くなった寿命は、それでもなお、歯ブラシで使用する際に必要とされる寿命を上回る。1つの実施形態では、LEDは歯ブラシの交換可能な部分の上に配置されており、したがって、所望に応じて交換することができる。
先述のとおり、「光」という用語には、可視光、不可視光(例えば紫外線及び赤外線)双方のスペクトルを含むことを意図している。このスペクトルは、主波長又は中心波長が約10nmの光(遠紫外線)から中心波長が10nmの光(赤外線)にまで及ぶものとし、又はこのスペクトルは、中心波長が約370nm〜約770nmの可視光を含んでもよい。更に、このスペクトルは、中心波長が約370〜約500の可視光を含んでもよい。本明細書で使用する時、「中心波長」という用語は、光の知覚色を表す波長を指すことを意図している。中心波長は、LEDの放射強度が最大である場合の波長であるピーク波長とは異なると考えられる。
特定の実施形態のセンサー反応型の光源付き電動歯ブラシは、光度が少なくとも約7、10、15、20、30、及び/若しくは40、並びに/又は約60、50、45、及び/若しくは40カンデラ未満、又はこれらのいずれかの組み合わせであり、或いはFDRTが少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、70、及び/若しくは100mW/cm、並びに/若しくは約300、250、200、150、及び/若しくは100mW/cm、又はこれらのいずれかの組み合わせである光を発するLEDを備えている。
センサー反応型の光源付き電動歯ブラシの1つの実施形態は、図19に示したLEDを備えている。図19は、レンズ1403、単一の発光ダイス1405、ワイヤーボンディング1407、プラスリード1421及びマイナスリード1409、並びに長手方向軸Lを備えたLEDパッケージ1400の断面図を示す。センサー反応型歯ブラシのLEDでは、発光特性を備えた様々な種類の半導体基板を用いることができる。発光特性を備えた半導体基板の1つの種類はダイスである。「ダイス」は発光特性を備えた単一の半導体基板である。本発明の光源付き電動歯ブラシが、本明細書に記載の所望の特性を備えた光をもたらす限り、本発明の光源付き電動歯ブラシのヘッド上に配置するLEDには、発光特性を備えたいずれかの種類の半導体基板(ダイスが挙げられるがこれに限らない)を搭載できると考えられる。LEDの直径は、少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、及び/若しくは6mm、並びに/又は約5、10、15、及び/若しくは20mm未満にすることができる。
光は、LEDの発光点の多くの表面から放出させることができる。ただし、簡潔化するために、以下では、LEDの発光点及び/又は表面からの距離の測定は全て、半導体基材の前面、例えばダイス1405の前面を対象とする。LEDに複数のダイスがある場合、すなわち、半導体基材の前面が複数ある場合には、LEDの発光点からの距離は、各半導体基材の前面からの距離の平均値とする必要がある。光はダイスの表面から放出され、LEDのレンズ1403の方向を向いている。従って、半導体基板の発光点からの距離を測定するためには、半導体基板の発光素子の前面を特定しなければならない。光源付き電動歯ブラシの1つの実施形態では、LEDの発光素子の前面はダイス1405の表面である(図19参照)。つまり、この実施形態の発光面からの距離の測定は全て、ダイス1405の前面を起点とする。
LEDに電力を過剰供給すると、所望の光度及び/又はFDRTを得られる。順方向電流入力が増大するにつれ、LEDの光度及び/又はFDRTが制限内で増大するためである。従って、本発明の光源付き電動歯ブラシの所望の光度及び/又はFDRTレベルは、製造者が推奨するレベルよりも標準的なLEDへの電流を増大することによって実現することができる。製造者が推奨する最大値の2倍に電流を増大すると、光度及び/又はFDRTはほぼ2倍となり、同時に、LEDの寿命は、光源付き電動歯ブラシで使用可能なレベルに留まる。標準的な分配器を使用して、選択した電流レベルをもたらし、所望の光度及び/又はFDRTを実現することができる。本発明での使用に適した電圧又は電流分配器は、ゼテックス・セミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国オールダム)製の単セル又は多セルのLED分配器ZXSC310である。所望の光度及び/又はFDRTを実現する最小電流は、連続動作するために製造者が推奨している最大電流よりも大きく、連続動作するために製造業者が推奨している最大値の2倍に、又はパルス動作するために製造業者が推奨している最大値の3倍にすることができる。最大で、LEDを即座に破損するレベルまで電流を増大することができる。本発明の1つの実施形態は、約35mA、40mA、45mA、50mA、55mA、60mA、65mA、70mA、75mA、80mA、90mA、100mA、150mA及び/若しくは200mA超過、並びに/又は約700mA、600mA、500mA、400mA、300mA、250mA、200mA、150mA、100mA、90mA、80mA、75mA、70mA、65mA、60mA、55mA、50mA、45mA、40mA、及び/若しくは35mA未満の連続順方向電流によって、所望の光度及び/又はFDRTをもたらす標準的なLEDを備えている。1つの実施形態では、最小の連続電流レベルは、連続動作のための最大の連続定格電流にすることができ、最大の連続電流レベルは、LEDを即座に破損する電流の近似値にすることができる。電流が増大するにつれ、光度及び/又はFDRTも増大するが、この相関関係が一様になり、更に電流が増大しても光度及び/又はFDRTが増大しない点がある。この正確な点は、LEDの特性及び設計によって異なる。更に、時間が経過し、製造者が推奨するレベルを上回る電流にLEDが曝されると、光度及び/又はFDRTは低下し始める。所望の光度及び/又はFDRTを維持する1つの方法として、同じ光度及び/又はFDRTを維持するために更に電流を増大することが挙げられるが、これに限らない。所望の光度及び/又はFDRTを実現するために、標準的なLEDに対する電流を増大するが、使用する電流は、高出力の非標準的なLEDに対して以前から用いられている電流よりもまだ低い。故に、標準的なLEDが生成する熱によって、歯の表面温度が約43℃以上に上昇することはない。
標準的な分配器のデザインでLEDの電流を安定化すると、LEDが老朽化しても電流は変わらないため、光度及び/又はFDRTは長期にわたって部分的に安定化する。しかしながら、LEDが老朽化するにつれ、同じレベルの光度及び/又はFDRTを維持するために電流を増大しなければならないこともある。LEDが老朽化しても、一定の光度及び/又はFDRTを維持する1つの方法は、LEDから発せられる光の光度及び/又はFDRTを内蔵型センサーで測定し、測定値に従って電流を調節することである。LEDが老朽化した時に電流を調節すると、光源付き電動歯ブラシは、長期にわたって特定の光度及び/又はFDRTで光を供給し続ける。内蔵型センサーを搭載せずに、ほぼ同じ光度及び/又はFDRTを維持する別の方法は、LEDが老朽化した時に、長期にわたってLEDに対する電流を増大するタイミング回路を搭載することである。これにより、追加の出費を最小限に抑え、単純な設計により、ほぼ安定した光度及び/又はFDRTを保つことができる。本発明での使用に適した電圧又は電流分配器は、ゼテックスセミコンダクターズ(Zetex Semiconductors)(英国オールダム)製の単セル又は多セルのLED分配器ZXSC310である。
図20は、1つ以上の発光体、例えば複数のダイスを搭載することによって、センサー反応型電動歯ブラシで、一定レベルの光度及び/又はFDRTを実現するための別の手段を示す。以下の実施形態は、光を発する2つの半導体基板、例えばダイスを備えたLEDを例示するが、LEDは2つ以上のダイスを搭載できると考えられる。この実施形態1500は、単一の光出力、レンズ1503、及び1つのプラスリード1521と1つのマイナスリード1509を備えている。ただし、この標準的な単一のLEDパッケージは、発光体を1つ以上、半導体基板を1つ以上備えており、さらに2つ以上のリードを搭載することができる。発光源から発せられる光は全て集められて、LEDパッケージ1500のレンズ1503の位置で単一の光出力となる。単一のLEDパッケージ1500は、複数の発光ダイス1505と1517、及びワイヤーボンディング1507と1520を備えている。実施形態1500は、ダイス1505と1520の接続状態を示している。この接続は、並列接続又は直列接続のいずれかにすることができる。図21は、直列接続している複数のダイスを示している。この実施例1600は、単一の光出力、レンズ1603、及び1つのプラスリード1609と1つのマイナスリード1627を備えている。ただし、この標準的な単一のLEDパッケージは、1つ以上のダイス1605と1617を備えており、各ダイスには、それぞれに軸受け1637と1639がある。ダイスは直列接続しており、ワイヤーボンディング1611がダイス1605の上端をダイス1617の底部に接続し、ワイヤーボンディング1620がダイス1617の上端をマイナスリード1627に接続している。発光源から発せられる光は全て集められて、LEDパッケージ1600のレンズ1603の位置で単一の光出力となる。図22は、並列接続している複数のダイスを示している。本発明のこの実施形態1700は、単一の光出力、レンズ1703、並びに1つのプラスリード1709、及び1つのマイナスリード1727を備えている。ダイスは並列接続しており、ワイヤーボンディング1720がダイス1705の上端をダイス1717の上端に接続し、ワイヤーボンディング1707がダイス1717の上端を共通マイナスリード1727の上端に接続している。発光源から発せられる光は全て集められて、LEDパッケージ1700のレンズ1703の位置で単一の光出力となる。複数のダイスを備えたこのLEDの別の実施形態1800(図23参照)では、LEDは、レンズ1803、2つの半導体基板、並列接続している状態が図に示されているダイス1805と1817、ワイヤーボンディング1819と1821、1つのプラスリード1833、並びに2つのマイナスリード1831と1835を備えている。また、このLEDは、単一の光出力であるレンズ1803から光を放出する。各ダイスには、それぞれに軸受け1837と1839がある。また、LEDは2つのプラスリード及び1つのマイナスリードを搭載でき、更にはこの実施形態のLEDは直列接続することができると考えられる。更に、LEDは、発光特性を持つ2つ以上の半導体基板を搭載することができ、LEDは2つ以上のリードを搭載することができる。LEDは共通又は共有のリードを搭載するか、又は発光特性を持つ各半導体基板用に個別のリードを搭載することができる。更に、発光特性を持つ各半導体基板には、バッテリーなどの別個の電源によって個別に電力を供給することができる。
これらのダイスは、電気的に並列接続又は直列接続することができる。これらのダイスが直列接続している場合、全ての電流に関する考慮事項は、単一ダイスの場合と同じである。総電圧はおよそnxV(式中、n=ダイス数、V=単一ダイスの順電圧)である。ダイスが並列接続している場合、総電流はおよそnxIであり、総電圧は単一ダイスと同程度である。直列接続はダイス間の差異を調節するという理由から、うまく機能する。ダイスが直列接続している場合、ダイスはその順電圧を自動的に調節し、各ダイスの光度及び/又はFDRTは非常に近くなる。いずれかの構成において、2つのダイスを備えたLEDの光度及び/又はFDRTは、約1.6xP(式中、Pは単一ダイスの光度及び/又はFDRTである)である。3つのダイスを備えたLEDの光度及び/又はFDRTは、約2.26xPになると思われる。(ダイス間の干渉は、光度及び/又はFDRTの計算値が、ダイス数を掛けた数にならないようにすることができる。)これらのダイスは同色の光をもたらすか、又は異なった色の光を放つようにすることができる。しかしながら、各個別の発光体が同じ光を発する場合、その単一のLEDからの色光の光度及び/又はFDRTは、一色の光を発する単一の標準的なLEDよりも大きい。各個別の発光体は、波長が約440nm〜約480nmの光を発することができる。単一のLEDはまた、異なる色の光を発する2つのダイスを搭載することができ、例えば、波長は約370、380、390、400、425、440、450、475、480ナノメートル超過、及び/又は約500ナノメートル未満の範囲から選択する。ダイスが同じ色の範囲内で異なる波長の光を発するようにダイスを選択することもでき、例えば、ダイスは、結果的に青色になる様々な波長を持った光を発することができる。更に、LEDの単一の光出力(レンズ)で異なる光の波長を組み合わせることにより、口腔ケア効果をもたらす特定の色の組み合わせを得られる。例えば、2つの異なる組成物を歯に適用することができ、各組成物は、異なる光の波長に反応する。更に、光の波長が異なることにより、口腔内に異なる反応が生じることもある。細菌を殺除できる光の波長もあれば、歯を美白することのできる光の波長もある。単一の光の波長によって幾つかの色を実現するのは困難であり、本発明はこれら独特の色の1つを発する光を生成するために使用することができる。故に、単一の光学出力で異なる色を組み合わせることにより、1つのダイスだけでは実現できない色を生じさせることができる。故に、異なる色を用いることにより、単一の色の単一の波長では実現できない1つ以上の口腔ケア効果を得ることができる。
本発明の光源付き電動歯ブラシの光度及び/又はFDRTを実現するための更に別の手段としては、非連続電流又はパルス電流をLEDに付与し、パルス光又は非連続光を生じることが挙げられる。本発明のこの実施形態は、約100mA、125mA、150mA、175mA、200mA、225mA、250mA、275mA、300mA、325mA、350mA、及び/若しくは375mAよりも大きく、並びに/又は約900mA、800mA、700mA、600mA、500mA、400mA、375mA、350mA、325mA、300mA、275mA、250mA、225mA、200mA、175mA、150mA、125mA、及び/若しくは100mA未満のパルス順方向電流によって所望の光度及び/又はFDRTレベルをもたらす標準的なLEDを備えている。1つの実施形態では、パルス順方向電流は、パルス動作のための最大定格電流の近似値よりも大きく、LEDを即座に破損する電流の近似値よりも小さい。光パルスの最小光度及び/又はFDRTは連続光の最小光度及び/又はFDRTにすることができ、最大光度及び/又はFDRTはPc/Q(式中、Pcは連続光の光度及び/又はFDRTであり、Qはサイクル比である)である。サイクル比は、パルスの持続時間をパルス間の時間周期で除した値に等しい。本発明のサイクル比は、約0.01、0.10、0.25、0.40、及び/又は0.50〜約0.50、0.60、0.75、0.80、及び/又は0.99である。光パルスの周波数は、約0.01Hz、1Hz、10Hz、100Hz、500Hz、又は1MHz〜約1MHz、10MHz、100MHz、500MHz、1GHz、又は10GHzにすることができる。LEDのパルス作動に関する電流振幅は、約Imaxp〜約10Imaxp(式中、Imaxpはパルス動作のための絶対最大電流定格である)であるか、又は約Imax〜約20Imap(式中、Imaxは連続動作のための最大電流定格である)にすることができる。LEDへ電流をパルスすることにより、LEDの電力浪費が低下し、故にバッテリーの寿命が長くなり、同様に、光の輝度、並びに/又は光度及び/若しくはFDRTが上昇する。バッテリー寿命の向上及び輝度の上昇は、LEDの特性及び設計によって変化する可能性がある。
上述の各実施形態では、LEDは可動式毛ホルダー及び/又は静止毛ホルダー内、上、下、直近に配置されており、故に、光は可能な限り効率よくブラッシング領域上に指向される。更に、LEDは発光の主方向が毛ホルダーの上面と概ね垂直になり、及び/又は毛ホルダーの毛の方向に概ね平行になるように配置するのが好ましい。換言すると、LEDは、LEDの中心線90がヘッド及び/又は毛ホルダーの上面と概ね垂直になるように配置するのが好ましい。中心線90は、典型的には、LEDのレンズ92又は開口を通る。LEDを可動式毛ホルダー及び/又は静止毛ホルダー内、上又は下に配置した場合には、LEDの中心線90を中心とした円筒形領域又は体積には、実質的には毛がない可能性がある。実質的に毛がない領域は、歯ブラシヘッドの大きさ、及び/又はLEDを取り囲んでいる領域内の、除去した毛の数に応じて大きく及び/又は小さくすることができる。実質的に毛がない領域は、約0.55、0.60、0.63、0.64、0.66、0.68、0.70、0.72、0.74、0.76、0.80、0.85、0.90及び/若しくは1.0cmよりも大きく、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.25、1.20、1.15、1.10、1.05及び/若しくは1.0cm未満にすることができる。ただしその一方で、可動式毛ホルダーには、図7に一例として記載したように、LEDを取り囲む毛から成るリングを少なくとも1つ搭載するのが好ましい。しかし、追加の毛房又は毛から成る内側リングを設けてもよい。
他の用途と同様、歯の美白に対しても、それぞれの歯が、歯の表面全体でほぼ同じ量の発光パワーを受容すべく、概ね又は実質的に均一な発光パワー分布を付与するLEDを利用することが望ましい場合が多い。従って、本発明の歯ブラシの実施形態は、図15に一例として記載したように、均等拡散又は釣鐘型パターンを備えた光放射パターンから構成されている。コウモリの翼のようなパターンなど、その他の光放射パターンを用いてもよい。しかしながら、上述のように、LEDは、本発明に従って広範な発光パターンを搭載してよい。
齲蝕治療に有用な光ベースの反応性出力素子の市販品の例は、カリフォルニア州シティオブインダストリーのキングブライト社(Kingbright Corporation)が製品番号W53SRC/Fとして市販している超高輝度赤(Super Bright Red)LEDである。
LEDから発せられる光との干渉を最小限に抑えるように毛ホルダーの毛を配置することができる。毛の高さは、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9及び/若しくは1.0cm、並びに/又は約2.0、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、及び/若しくは1.0cm未満にすることができる。しかしながら、本発明の歯ブラシは、LEDから発せられる光と相互反応する毛構成又は材料を利用できると考えられる。例えば、毛及び/又はLEDの直近に位置する毛ホルダーの上面には、ヘッドから離れて歯の表面に向かって光を指向する一助となる、ニッケル又はクロムなどの反射コーティングを搭載することができる。あるいは、ブラッシング領域への光の伝達を更に促進すべく、LEDの近くの毛を透明材料又は半透明材料から形成することができる。また、LEDの発する光の色に概ね一致すべく、毛を着色、彩色又は染色してもよい。このように、毛はLEDの発する光を吸収せずに反射する。更に、LEDの周り又はその近くに位置する歯又は歯茎の表面に向かって光を指向する一助となる反射シールドを使用してもよい。
本発明の1つの態様では、放射の少なくとも一部は、歯の硬組織方向以外の方向に放出する。これは、本発明の発光歯ブラシを用いて、毛又はその延伸部を取り囲んでいる境界線から形成されている断面によって示される方向以外の方向に放射を放出することによって、実現することができる。
別の実施形態では、光放射は、同じ口腔器具から複数の方向に指向することができる。例えば、本発明の発光歯ブラシは、2群のLED、例えば、毛とほぼ平行な方向に放射可能な1群と、反対方向に放射可能な別の群を搭載することができる。
光放射を放出する方向は、様々な方法で制御することができる。1つの実施形態では、光放射源は、その放射源の生成する放射が標的組織の方向に走るように配置することができる。これは、口腔器具の表面又は近くに光放射源を配置するとともに、前記表面を標的組織に隣接した位置に配置することによって、実現することができる。別の実施形態では、放射源の発する放射を選択的に指向するために、光素子、例えば、反射又は屈折素子を放射源に連結することができる。光素子には、光放射を標的組織の方向へ指向する、例えば回転ミラー、プリズム、及び/又は拡散器を搭載することができる。例えば、本発明の1つの実施形態による発光歯ブラシは、放射源の発する放射を複数の毛に沿った方向、又は毛と実質的に反対の方向のいずれかに指向することのできる回転ミラーに光的に連結している放射源を搭載することができる。
本発明のセンサー反応型の光ベース出力歯ブラシは、単一又は多方向の光放射を提供するのに加え、単一又は複数の帯域の光放射を提供することができる。例えば、一部の処置計画では、青色単色光(中心波長400〜430nm)、緑色単色光(中心波長540〜560nm)、赤色単色光(中心波長620〜635、660)、又は赤外線単色光(中心波長800〜810nm)など、単一波長域が必要になると思われる。あるいは、これら又はその他の別個の波長帯を組み合わせ、2つ、3つ、又はそれ以上の別個の波長帯の光放射を適用することもできる。例えば、2つの別々の波長帯を用いて、同じ状態を更に効率的に処置したり、2つの異なる状態を処置したりできる。
複数の別個の波長帯は、様々な方法で実現することができる。本発明の1つの態様では、光素子とともに広帯域放射源を用いて不要な波長を除外する。例えば、単一又は複数のフィルターによって、広域スペクトルから、そのスペクトルの青色及び赤色部分以外の全ての波長を除去することができる。本発明の別の態様では、複数の別個の帯域は、各々が所望の帯域の1つの光放射をもたらす複数の放射源によって実現することができる。更に別の態様では、複数の別個の帯域をもたらす単一の放射源を用いることができる。一例として、単一のLEDを用いて2つ以上の別個の波長帯を実現することができる。追加の波長を発生するために、放射エネルギーの蛍光変換を用いることができる。別の例としては、ダイオード励起ファイバーレーザーを用いて、ファイバーを励起するダイオードレーザーに相当する波長と、ファイバーレーザー波長に相当する別の波長という2つの波長を発生することができる。
センサー反応型歯ブラシの一部の実施形態では、波長帯を変えるのが望ましい場合がある。これは、取り外し可能なヘッド部を利用することによって、本発明の発光歯ブラシで実現することができる。各ヘッド部は、異なる波長の光を発生する放射源を搭載することができる。そしてユーザーは、取り外し可能なヘッド部を選択することによって、所望の波長帯を選択することができる。あるいは、ハンドル部に広帯域光源を搭載することができ、また取り外し可能なヘッド部にフィルターを搭載して所望の波長帯を分離することができる。別の実施形態では、電圧入力に応じて異なる波長を放出可能であるか、又は電気リード電力の供給先となる多色LEDを1つ以上搭載してもよい。例えば、単一のLEDによって、漂白処置及び細菌処理に適した波長を放出できるようにしてよい。検知したセンサー入力又はユーザーの選択した処置計画、並びに関連する所望の反応性出力に基づき様々な所定の波長及び強度を提供するために、歯ブラシ内のコントローラーによって、電流、電圧、及び/又はLEDまでの電力経路を変更することができる。本発明での使用に適していると思われる多色LEDは、キングブライト・エレクトロニック社(Kingbright Electronic Co, ltd.)(郵便番号91789カリフォルニア州シティオブインダストリー、ブレアキャニオンロード225(225 Brea Canyon Road, City Of Industry, CA 91789))が市販しているモデル番号W154A4SUKPBVGKCである。これは3色LED(635nmの赤色光、470nmの青色光、525nmの緑色光)である。1つのパッケージ内に入っているこの3色LEDは、共通のカソードを1つ、個別のアノードを3つ備えている。色の選択は、特定のアノードに電圧を流すことによって行う。
更に別の実施形態では、本発明に組織に更に効率的に放射を放出するための反射面を搭載することができる。標的領域に放射を放出する時、その放射の一部を標的組織の表面に反射させ、その結果として放射を除去することができる。この反射エネルギーを確保するために、歯ブラシに反射させた放射の少なくとも一部を標的組織に戻す高反射面を設けることができる。例えば、発光歯ブラシに、反射放出効率を向上する反射面を搭載する。発光歯ブラシの表面のうち、標的組織側の面を同様に反射型の面にすることができる。
前述のとおり、特定の実施形態のセンサー反応型歯ブラシの光ベースの出力(単数又は複数)は、口腔内で熱を放出又は発生することができる。LED、半導体レーザ、又はマイクロランプは、発生した光エネルギーよりも最大で20倍大きい熱エネルギーを発生することができる。不要な余熱を調節するために、センサー反応型の発光歯ブラシに熱移動及び/又は冷却機構を搭載することができる。例えば、放射源の発した熱を分散するために、代表的な発光歯ブラシのヘッド部は、少なくとも部分的に熱伝導材から形成することができる。例えば、ヘッド部に、熱伝導度が高く、及び/又は熱容量の大きい材料から構成されているとともに、放射源に熱連結して放射源から熱を抽出するヘッドフレームを搭載することができる。このフレームは、ヘッドの外面まで伸ばすことができ、それによって、歯ブラシの使用中に唾液又は組織と接触することができる。当業者であれば、様々な材料によって、例えば、アルミニウム、銅又はこれらの合金といった金属や、セラミック、熱伝導性の高い構成要素、例えば炭素繊維を備えたプラスチックのような複合材によって、必要な熱移動を実現することができることを理解されるであろう。1つの実施形態では、フレームから、発光歯ブラシと接触している隣接している組織及び/又は唾液へ熱移動することによって、熱を除去する。この熱は、治療効果を追加又は増進するために、口腔組織、及び/又は口腔組織の一部に塗布したペーストを徐々に加温する際に用いることができる。
別の実施形態では、センサー反応型の光線療用歯ブラシに、相間移動材を貯蔵可能なタンクに、放射源の発した熱を移動する熱移動素子を搭載することができる。相間移動材、例えば、氷、ワックス、又はその他の適した材料は、熱を吸収してその相を例えば液体から気体、又は固体から液体へ変化させ、それによって熱を分散する。相間移動材の融解又は蒸発温度は30〜50℃の範囲内であるのが好ましい。
上に記した熱移動素子の例は、発光歯ブラシに合わせて作製したものであるが、当業者であれば、本発明のいかなる口腔器具でも熱移動素子を利用できることを理解されるであろう。とりわけ、これらの熱移動素子は、発光マウスピースの放射源から、隣接している組織、ハンドル、及び/又は周囲環境に熱を蓄積又は移動することができる。
一部の実施形態では、センサー反応型の発光歯ブラシに、例えば標的部分に放射治療を施しながら、口腔内の標的部分を加温するためのヒーターを搭載することができる。温熱治療は一部の処置計画で有用であり、光線療法と組み合わせると相加又は共生効果を得られる。
一部の実施形態では、放射源によって加温を行う。本発明の1つの態様では、ヒーターは治療用放射光を発生する放射源、例えば放射源とは別の放射源である。別の態様では、加温は治療用放射を発生するために用いる放射源と同じ放射源によって行うことができる。例えば、このような実施形態では、放射源は広帯域放射、又は少なくとも1つの帯域が口腔組織を加温するのに適したものになるように、2つ以上の帯域の放射を発生することができる。あるいは、複数の放射源を用いて、その少なくとも1つによって、組織を深部加温するのに適した波長帯の放射をもたらすようにすることができる。代表的な深部加温放射としては、波長が約0.38〜0.6ミクロン、又は約0.8〜100ミクロンである放射が挙げられる。当業者であれば、本発明の口腔器具とともに様々な電気及び非電気ヒーターを利用できることを理解されるであろう。
所望の処置計画に応じて、本発明の口腔器具から放出される光放射は選択的に、口腔の様々な領域に指向することができる。
C.化学ベースの反応性出力
本明細書で更に詳細に説明するとおり、化学ベースの出力を備えた様々な実施形態のセンサー反応型歯ブラシは、化学ベースの出力のみと合わせて利用することができ、あるいは光ベースの反応性出力などのその他の反応性出力を搭載することもできる。例えば、歯を美白するため、とりわけ美白用組成物の適用前、適用中、又は適用後のいずれかにブラッシング領域を照射することによって美白用組成物の美白機能を強化及び促進するための反応剤(例えば過酸化水素)が含まれている美白用組成物とともにLEDを用いてもよい。前述したとおり、化学ベースの反応性出力は、化学反応性出力による処置が望ましいことを示す当該センサー入力を検知した場合に、歯ブラシによって自動的に投与することができる。前記組成物の投与は、前述のとおり、検知したセンサー入力に応じて、又はユーザーの選択した処置計画に応じて、歯ブラシによって自動的に開始させてもよい。コントローラーを通じて、例えば電力を電動ポンプに所定の期間供給することによって、前記投与を開始させてもよい。
以下では、歯の美白関連の反応性出力について更に詳細に説明していく。有機化合物の色は通常、π電子遷移を起こすことのできる不飽和基である発色団に起因している。光は、染み発色団(電子遷移を起こすもの)を活性化させ、活性化エネルギーバリアを減少させ、染み発色団に漂白による攻撃の影響を更に受けやすくすることができる。換言すれば、光による色体の活性化は、過酸化物による漂白を向上することがある。同様に、染み発色団には、光線治療によって、磨耗美白の影響を更に受けやすくなり、その結果として、より速く、より良好に美白が行われる。漂白剤はエナメル質及び象牙質の孔の中に浸透し、故に外因性及び内因性の色染みを分解し、除去することができる。
本明細書に記載のセンサー反応型電動歯ブラシと組み合わせて、広範な歯美白組成物を用いてよい。歯美白組成物は、漂白剤、研磨剤、pH調節剤又は機械的若しくは化学的作用によって歯の発色団と作用するいずれかの他の薬品、又はこれらの組み合わせを含んでよい。歯美白組成物は、溶液、ペースト、ゲル、粘液、固体、又は他の適した形状で実現可能である。実例的な漂白剤としては、酸素ラジカル又は水素ラジカル生成化合物、例えば金属イオンを含まない過酸化物類、有機過酸化物、及び金属イオン含有過酸化物などが挙げられる。漂白剤の具体的な非限定例としては、過酸化物類、亜塩素酸金属類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、ペルオキシ酸類、過硫酸塩類、前述の化合物をその場で形成する化合物類、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。適した過酸化化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態では、漂白剤は過酸化カルバミドである。適した金属亜塩素酸類としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる漂白剤として、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素も挙げられる。1つの実施形態では、漂白剤は、亜塩素酸ナトリウム、過酸化物、過炭酸ナトリウム、オキソン類、及びこれらの混合物から選択する。出発漂白剤は、水性物質又は固体物質にすることができる。
前述のとおり、美白組成物と組み合わせて、様々な実施形態のセンサー反応型電動歯ブラシを利用してよい。代表的な歯の美白方法は以下の通りである。センサー反応型歯ブラシ及び組成物を用意してから、口腔内で歯ブラシを利用する。歯ブラシが、変色した歯表面などの状態を感知又は検知する。続いて、化学ベースの出力、例えば、歯ブラシから適した量の美白組成物を投与する形を取ることのできる出力を始動する。前記組成物は、美白する歯の表面、例えば歯に塗布する。このような塗布作業は、歯ブラシの毛ホルダーから前記組成物を放出させ、続いて、美白を施したい表面に前記組成物を移動することによって実施するのが好ましい。一般に、この後者の工程は、歯をブラッシングするのと同様の方式で行う。このプロセスは、該当するセンサー入力を検知した旨をユーザーに通知する第1の音響信号、及びその後、反応性出力が起動した旨をユーザーに通知する第2の音響信号(第1の音響信号と同じものにしてもしなくてもよい)によって実現してよい。第3の音響信号(第1及び/又は第2の音響信号と同じものにしてもしなくてもよい)を発して、反応性出力が終了した旨をユーザーに通知してもよい。ユーザーは、第1の音響信号を耳にした後、第3の音響信号が発するまで、口の領域のうち、第1の音響信号を得た領域にブラッシングを集中する選択をしてもよい。あるいは、歯美白組成物の投与を行う歯ブラシ上の塗布用ストリップを使って、歯美白組成物を歯にブラッシング、塗布、又は適用してもよい。歯ブラシは更に、前記プロセスの次に始動する光ベースの出力を搭載し、前記出力から発する光を、適用済みの美白組成物に指向することができる。当然のことながら、本発明の多様な美白技術は、歯の表面に組成物を適用する前、中、及び後に光を歯の表面へ指向する様々な方法を含んでいる。続いて、標的の歯表面に適用した組成物に光が当たり続けている間に、ブラッシング作業を行うのが好ましい。
この美白プロセスは単なる例示である。本発明は広範な美白技術を含んでいる。更に、美白作業の前、中又は後に従来のブラッシング作業を行ってもよいと考えられる。
口腔ケア物質は、直接使用した際に前記物質を適用する口腔表面に害を及ぼすことなく、ユーザーが望んでいる利益を増進する濃度で活性物質を含む。これらの活性物質が対処できる口腔の状態の例としては、歯の外観及び構造の変化、美白、染みの漂白、染みの除去、歯垢の除去、歯石の除去、虫歯の予防及び治療、炎症を起こした及び/又は出血している歯肉、粘膜創傷、損傷、潰瘍、アフター性潰瘍、ヘルペス、及び歯の膿瘍が挙げられるがこれらに限らない。
歯は、各種の要素から成る生物学的構造体である。染みを除去する目的では、歯牙構造の重要な部分は歯冠である。歯冠の外層はエナメル質から構成されており、エナメル質は半透明から黄灰色に変化する石灰化構造体である。エナメル質の下は象牙質であり、その下には歯髄の中核室がある。エナメル質及び象牙質の層は両方共多孔質である。染みは、唾液腺の分泌物からの口腔内の動的環境による拡散によって、これらの孔の中に移動する場合がある。
歯について消費者が経験する歯の変色は、歯牙構造自体の着色体が主な原因であり、そして食事に含まれるタンニンに由来する、蓄積した外因性の染みが二次的原因であり、これははしばしば歯石内にも入り込む。歯の変色は、エナメル質及び象牙質の層の双方に見られる。エナメル質が被覆した歯冠の見掛けの色は、部分的には、下にある象牙質の色によるものである。変色はまた歯石から発生する場合があり、これはエナメル質表面の石灰化した細菌性歯垢である。歯の染みは通常は、食習慣及び食品構成成分に由来するポルフィリン(porpyrin)化合物(ポルフィンの誘導体)が原因である。それらは口内細菌により発生する場合があり、及びエナメル質の下に蓄積する場合がある。外因性及び内因性の染みの除去は、臨床的に測定でき及び消費者の目を引く高度の美白を達成するために重要である。
装置の発する光が、歯牙構造の上及び/又は内部に存在する着色体に直接吸収される場合には、着色体(「発色団」)は励起状態になる。励起状態にある時、これらの発色団は、色を損失及び/又は色を除去しやすくする化学反応を起こす。あるいは、入射光線エネルギーを吸収することができるとともに、励起状態においてエネルギーを歯牙構造の発色団及び/又は酸素に伝達することのできる光増感剤を搭載することによって光反応経路を開始させてもよい。活性化した発色団は、他の化学反応物質と反応する場合もあるし、又は発生した活性酸素が、基底状態にある発色団と反応して、発色団の発色性を減少する場合もある。採用する条件に応じて、活性酸素の種類は、一重項酸素、超酸化物、ヒドロキシルラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル、エンドペルオキシド、又は上記の混合物にすることができる。特にアミン又はアミドの存在によって、超酸化物の発生を高めることができる。更に、一連の光増感剤は、活性酸素の化学を促進することが知られている。
更に、光は染みの発色団を活性化する(電子の移動を被る)ことができ、さらに活性化エネルギーの障壁を減らし、それらに過酸化物の漂白剤、並びにその他の洗浄及び美白剤による影響をより受けやすくすることができる。光による発色団の活性化は、そのため歯の漂白及び/又は美白のような口腔ケアの利益を高める場合がある。同様に、より速い及びより良好な美白を結果としてもたらす光線治療で、染みの発色団は、研磨による美白をより受けやすくすることができる。
発色団(又は光増感剤)は、光力及び光熱による微生物の殺除、歯の美白及び増白を促す処置剤として有用である。発色団としては、組織内での窒素酸化物、1重項酸素、及びその他のラジカルの生成につながる連鎖光化学反応を誘発及び/又は促進する固有の光受容体が挙げられる。好ましい発色団としては、非毒性の発色団(すなわち、特定の光がなければ細菌又は組織に対し作用を及ぼさない濃度を下回る濃度で用意可能な発色団)が挙げられる。本発明で用いる代表的な外因性発色団としては、メチレンブルー色素、インドシアニングリーン色素、増殖細胞内のポルフィリンの誘導物質であるALA、鉱物光触媒及び光増感剤TiO、ナノ粒子、フラーレン、チューブリン、カーボンブラック、並びにその他の類似の処置剤が挙げられる。
また、口腔及び周辺組織内には、内因性発色団も存在している。この内因性発色団は、その吸収帯内が光放射にさらされた場合、上記の外因性物質と類似のラジカル生成をもたらす天然物質である。代表的な内因性発色団としては、プロトポルフィリン、コプロポルフィリン、及びZn−プロトポルフィリンのようなポルフィリンが挙げられる。ポルフィリンの吸収帯としては、青色光、並びに、青色光ほど強くはないが、緑色光及び赤色光が挙げられる。その他の内因性発色団としては、シトジェム及びサイトポルフィリンなどのシトクロム、ビリルビン、並びに分子酸素が挙げられる。
本明細書に記載の電動歯ブラシ、とりわけ光ベースの出力を備えた電動歯ブラシと組み合わせて、様々な歯美白物質を用いてよい。歯美白物質は、漂白剤、研磨剤、pH調整剤、キレート剤、界面活性剤、酵素、溶媒、ポリマー及び光増感剤、又は機械的若しくは化学的作用によって歯の発色団に対し作用を及ぼすその他の物質又はこれらの組み合わせを含んでもよい。歯美白物質は、溶液、ペースト、ゲル、粘稠な液体、洗浄剤、固体又はその他の適した形状で実現可能である。
これらの実施形態は、細菌の過剰増殖といった舌疾患を治療するのに有用である。別の実施形態では、発光構成要素は、歯、歯肉、及び/又は頬の組織を治療する設計にすることができる。この実施形態では、光エネルギーを選択的に、頬(口腔壁)、歯肉、及び歯の組織に指向する。更に別の実施形態では、発光マウスピースから発せられる光放射を舌下の軟組織、又は口腔のその他の部分に指向させて、例えば経口薬又はビタミンの投与を促すようにすることができる。光源を薬及び粘膜上の放射方向へ向けた状態で、薬又はビタミンを、例えば液体の形状で、開口部を通じて粘膜に投与することができる。この放射は、粘膜の浸透性を向上させて薬の口腔組織への吸収及び浸透を促すように選択することができる。この代わりに、又はこれに加え、治療効果を高めるために、放射によって薬を活性化することができる。このような投薬法は、診療所又は家庭で用いることができる。
1.漂白剤
漂白剤としては、金属イオンを含まない過酸化物、有機過酸化物、及び酸素ラジカルのような漂白活性物質を生成する金属イオン含有過酸化物が挙げられる。漂白剤の例としては、過酸化物、金属の亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、過硫酸塩、前述の化合物をその場で形成する化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限らない。過酸化物化合物の例としては、過酸化水素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミド、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限らない。1つの実施形態では、漂白剤は過酸化カルバミドである。金属の亜塩素酸塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限らない。更なる漂白剤としては、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素が挙げられる。1つの実施形態では、漂白剤は、亜塩素酸ナトリウム、過酸化物、過炭酸ナトリウム、オキソン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。出発漂白剤は、水性又は固体物質にすることができる。例えば、過酸化物はエナメル質及び象牙質の孔に入り込み、それによって内因性及び外因性の染みの両方を分解及び除去する。
美白又は漂白物質中の漂白剤の量は、変化させてもよい。例えば、漂白剤は歯美白物質の総量に基づいて、約3重量%〜約60重量%の量で存在することができる。過酸化水素が漂白剤である場合、1つの特定の実施形態では、漂白剤は歯美白物質の総量に基づいて、約3、5、7、10、12、15、20、30、40、50、60重量%から、及び/又は約60、50、40、30、20、15、12、10、7、5重量%未満の量で存在してもよく、並びに別の実施形態では、約7〜約15重量%の量で存在してもよい。過酸化カルバミドが漂白剤である場合、1つの特定の実施形態では、漂白剤は歯美白物質の総量に基づいて、約3、5、7、10、12、15、20、30、40、50、60重量%から、及び/又は約60、50、40、30、20、15、12、10、7、5重量%未満の量で存在してもよい。発光素子から発する放射エネルギーは、物質が歯に接触している間に適用することができるが、発光素子から発する発光はまた、歯美白物質の適用前又は後に適用してもよい。
別の実施形態では、美白物質は多構成成分系の形状にしてもよい。例えば、美白物質は2部分系として販売又は供給してもよい。これは構成成分が使用前に互いに分離されることを可能にし、漂白の有効性の向上及びより長い貯蔵時間を促す場合がある。
この特定の実施形態では、本明細書において部分1及び部分2として示されている2つの構成成分を適用の少し前又は直前に混合することができる。この実施形態は、2超の構成成分を含む製剤にまで及ぶことを意図していることを理解すべきである。美白物質は更に、混合後30分を超えて用いてもよいが、過酸化物の分解が原因で、その美白効果の幾らか又は大部分が失われる場合がある。
第1の構成成分、部分1はゲル又はペーストの稠度を備えたものにすることができる。この稠度を実現するために、増粘剤及び/又は充填剤を添加してもよい。部分1には1つ以上の金属過酸化物、特に一価又は二価の金属の過酸化物を含むことができる。過酸化物の例としては、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、及び過酸化ナトリウムが挙げられ、カリウム、マグネシウム、及びストロンチウムの過酸化物が挙げられるがこれらに限らない他の過酸化物もまた用いるのに適している。1つの実施形態では、過酸化物を溶剤に懸濁又は分散させて、約5重量%〜約40重量%の金属過酸化物である混合物を形成する。別の実施形態では、過酸化物が約15〜30重量%の過酸化物であり、別の実施形態では、過酸化物は約20%である。別の実施形態では、前記混合物は、約2重量%〜約16重量%の過酸化物であり、別の実施形態では、過酸化物は約6重量%〜約10重量%の過酸化物である。構成成分には更に、レオロジー、質感、香味、芳香、色、又はその他の特性を変更するために1つ以上の添加物を含んでもよい。部分1に用いる添加剤構成成分の例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレン及び/又はポリプロピレングリコール、水、及び前述のものの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、アルコールを溶剤に添加する。
別の実施形態では、第1の構成成分、部分1の金属過酸化物を液体に懸濁又は分散させて混合物を形成しており、前記混合物は約8重量%〜約25重量%の過酸化物にすることができ、及び別の実施形態では、約8重量%〜約15重量%の過酸化物にすることができる。
部分2は、水中の1つ以上の酸の溶液又は水溶液を含んでおり、前記溶液又は水溶液は、ゲル又はペーストの濃度のような所望の濃度を得るために、増粘剤及び/又は充填剤を添加することによって変性させてもよい。本発明に用いるのに適した酸としては、酢酸、酒石酸、リン酸、及びクエン酸などの有機酸が挙げられる。部分2の酸の総濃度は、金属過酸化物をその塩と過酸化水素に変換するための化学量論的必要量の約30%〜約100%にすることができ、さらに別の実施形態では、この化学量論的必要量の約50%〜約80%にすることができる。増粘剤の例としては、キサンタンガム、ポリアクリル酸、及びセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース)が挙げられ、並びに充填剤の例としては、シリカ、珪藻土、アルミナ、及び粉末のポリエチレン又はポリプロピレン又は他のポリマーが挙げられる。増粘剤及び/又は充填剤は、所望の濃度を得るために十分な量で添加する。これらと同じ増粘剤及び充填剤を部分1中の添加剤として使用してもよい。また、レオロジー、質感、香味、芳香、及び色を変化する添加剤を部分2中に存在させてもよい。これに加え、アルコール又はその他の水混和性溶媒を部分2に添加してもよい。
部分1及び部分2は、美白製剤を形成するために均等な割合で混合することができるが、ただし割合は、過酸化物及び酸の濃度に応じて1:1から変化させてもよい。
混合すると、部分1の過酸化物は部分2の水性の酸と反応してその場で過酸化水素を発生する。本明細書に記載の光源付き歯ブラシと共に使用する美白物質はまた、その他の適切な添加剤、例えば安定剤、促進剤、アルカリ化剤、溶媒、着香剤、甘味剤、増粘剤、接着剤及び湿潤剤を含んでもよい。一例として、用いるのに適したアルカリ化剤としては、水酸化ナトリウム又はトリエタノールアミンが挙げられるが、ただしアルカリ化力は、カリウム塩、キシリトール、サッカリン又はシクラミン酸の誘導体のような甘味剤、デンプン誘導体、キサンタンガム、コロイド状シリカ及び類似の物質のような増粘剤、並びにグリセリンのような湿潤剤の量を変えることによって変化させてもよい。アルカリ化添加剤、着香剤、甘味剤及び増粘剤のそれぞれは、ゲルの物質中に物質の総量に対して約0〜約6重量%の量で存在することができ、一方湿潤剤は、物質の総量に対して約40〜約80重量%の量で存在してもよい。本発明の、光によって活性化させた物質のpHは約4.5〜約9.5にしてよく、別の実施形態では約5〜約8にしてよく、別の実施形態では約5〜約7にしてよく、及び別の実施形態では約5〜約6にしてよい。
本発明の、光によって活性化させた組成物は、増粘剤を含んでもよい。1つの実施形態では、増粘剤(又は粘度調整剤)はまた、組成物の歯の上への沈着を高める機能を果たすようにすることができる。粘度調整剤は、更に、成分の沈殿及び分離を抑制するか、又は再分散を促す形で沈殿を制御する機能を果たすようにしてもよく、並びに組成物の流動特性を制御するようにしてもよい。粘度調整剤は、漂白剤又は粒子状形態の他の口腔ケア活性剤を本発明の組成物中に懸濁させておくのに特に有用である。粘度調整剤は、組成物の約0.01重量%〜約20重量%の濃度で存在し、1つの実施形態では、約0.1重量%〜約10重量%の濃度で存在し、及び別の実施形態では約1重量%〜約3重量%の濃度で存在し、及び更に別の実施形態では約0.4重量%〜約5重量%の濃度で存在している。本発明に適した粘度調整剤としては、天然及び合成のポリマー及びガム、例えばセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、カルボマーポリマー(例えば、ポリアクリル酸コポリマー又はホモポリマー、及びポリアルケニルポリエーテルと架橋したアクリル酸のコポリマー)、カラヤガム、グアーガム、ゼラチン、アルギン、アルギン酸ナトリウム、キトサン、ポリエチレンオキシド、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリ四級化合物、エチレンオキシドポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態では、増粘剤は、カルボマー、例えば、ペンタエリスリトールのアルキルエーテル若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋させたアクリル酸のホモポリマーの部類から選択されている。カルボマーは、B.F.グッドリッチ(B.F. Goodrich)からカーボポール(Carbopol)シリーズとして市販されている。1つの実施形態では、カーボポールは、カーボポール(Carbopol)934、940、941、956、及びこれらの混合物である。別の実施形態では、粘度調整剤は疎水変性カルボマーである。疎水変性カルボマーは、本発明の組成物及び/又は一体型キャリアの歯の表面上への付着を高め、歯の表面に適用した後の組成物の侵食を遅らせることができる。適した疎水変性カルボマーとしては、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマー、例えばすべてBFグッドリッチ(BF Goodrich)から入手可能であるカーボポール(Carbopol)1382、カーボポール(Carbopol)1342、カーボポール(Carbopol)1392、及びカーボポール(Carbopol)ETD2020が挙げられ、並びにいずれもB.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)から入手可能であるアクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマー、例えばペムレン(Pemulen)TR−1及びペムレン(Pemulen)TR−2が挙げられる。1つの実施形態では、疎水変性カルボマーとカルボマーとの混合物を使用できる。別の実施形態では、漂白剤の歯の上への粘着を高めるために、カルボキシ官能性シリコーン(二価酸、一価酸)を用いている。
本明細書に記載のセンサー反応型歯ブラシであって、化学ベースの出力を1つ以上備えた歯ブラシは、ほぼすべての歯美白物質、及び/又は以下に限らないが、米国特許第6,488,914号、同5,851,514号、同4,980,152号、同3,657,413号、同4,983,380号、同5,084,268号、同5,171,564号、同5,376,006号、同5,645,428号、同5,713,738号、米国再発行特許第34,196号、米国特許第5,122,365号、同6,558,654号、同6,555,020号、同6,536,628号、同6,533,582号、同6,521,215号、同6,514,543号、同6,479,037号、同6,447,757号、同5,891,453号、同6,555,020号、及び同6,419,905号、国際特許出願番号WO03/007680号、並びに米国特許出願番号10/154,020号に記載されているような物質と併せて使用してよい。前記物質は露光を受けた際に高度な美白機能を発揮する必要はない。効果は単に、美白物質の適用前に歯の表面に電動歯ブラシからの光を露光した結果、得られるようにしてよい。更に、追加の効果はブラッシング領域への照射の結果、ブラッシング又は洗浄効能が向上することに由来させてもよい。
2.非漂白剤の歯美白及び染み除去剤
美白及び/又は染み除去のような口腔ケア効果を歯にもたらす追加の活性物質としては、ポリマー、溶媒、キレート剤、界面活性剤、及び/又は酵素及びこれらの混合物が挙げられる。これらの活性物質は、発色団を活性化することができ、電動歯ブラシのヘッドから発せられる光と併せて用いると、美白及び/又は染みの除去をもたらすことができる。更に、前記活性物質の一部、例えばポリマーは、口腔の表面に活性物質を届ける口腔ケアキャリアとしての機能を果たすことができる。ポリマーの例としては、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(「PVP−VA」)、カーボポール(Carbopol)、ポリオックス(Polyox)樹脂、及び/又はシリコーン及びこれらの混合物が挙げられる。ポリマーは、歯美白物質の総量をベースとして約0、5、10、30、30、40、50、60、70、80、90重量%から、及び/又は約90、80、70、60、50、40、30、20、10、5重量%未満の量で、歯美白及び/又は染み除去物質に添加することができる。溶媒の例としては、ヘキサメチルジシラザン(「HMDS」)、エチルアセテート(「EtAC」)、アセトン、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)、ヘキサン、及びイソドデカン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。溶媒は、歯美白物質の総量をベースとして約0、5、10、30、30、40、50、60、70、80、90重量%から、及び/又は、約90、80、70、60、50、40、30、20、10、5重量%未満の量で、歯美白及び/又は染み除去物質に添加することができる。キレート剤の例としては、ピロリン酸四ナトリウム(「TSPP」)やピロリン酸四カリウム(「TKPP」)などのピロリン酸塩、グリシン(「Gl−H」)、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、エタンヒドロキシジホスホン酸塩(「EHDP」)、及び/又はニトリロ三酢酸(「NTA」)並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。キレート剤は、歯美白物質の総量をベースとして約0、2、3、5、10、30、30重量%から、及び/又は約30、20、10、5重量%未満の量で、歯美白及び/又は染み除去物質に添加することができる。界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム(「SLS」)、プルロニック、ポリエチレンオキシド、四級アンモニウム、及び/又は双極性イオン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。界面活性剤は、歯美白物質の総量をベースとして約0.1、2、3、5、10、30、30、40、50重量%から、及び/又は約50、40、30、20、10、5重量%未満の量で、歯美白及び/又は染み除去物質に添加することができる。酵素の例としては、プロテアーゼ、炭水化物、ラッカーゼ、グルコックス、及び/又はパパイン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。酵素は、歯美白物質の総量をベースとして約0、1、2、3、4、5重量%から、及び/又は約5、4、3、2、1、0.5重量%未満の量で、歯美白及び/又は染み除去物質に添加することができる。
3.光増感剤
漂白剤の作用を促進又は加速する促進剤としては、研磨剤、金属触媒及び光増感剤を挙げることができる。前記光増感剤の一部はまた、一部の例について上で論じた光ベースの反応性出力によって細菌、齲蝕、又はその他の状態を処置する際に用いるものとして適していると思われる。光ベースの反応性出力の時間、強度、及び波長などの要因は、光増感剤及び所望の処置に応じて変えることができる。前記促進剤は、歯美白物質の総量をベースとして約0、2、3、5、10、30、30、40、50、60重量%から、及び/又は約60、50、40、30、20、10、5重量%未満の量で、歯美白及び/又は染み除去物質に添加することができる。適した研磨剤としては、シリカ、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム及びこれらの混合物が挙げられる。金属触媒としては、銅、鉄、マンガン及びその他の遷移金属イオンが挙げられる。一連の光増感剤は、活性酸素の化学反応を生ずることが知られている。前記光増感剤は、約380〜約700nmの波長において光を吸収でき、その光により活性化されることができる。光増感剤又はそれらの前駆体は、クロロフィル(具体的にはクロロフィルa、クロロフィルb、及び細菌クロロフィル)、ローズベンガル、メチレンブルー、亜鉛フタロシアニン、ポルフィリン(具体的にはヘマトポルフィリン、ウロポルフィリン、及びテトラフェニルポルフィリン並びにZn、Al、Si、Sn、フタロシアニンとの錯体、並びにZn、Al、Si、Sn、クルクミンとの錯体)、塩素(具体的には細菌塩素)、リボフラビン、ビリルビン、クルクミン、EDTA、ジエチレントリアミン五酢酸(DEPTA)、NTA、EHDP、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)、及びジエチレントリアミン五(メチレンホスホン酸)から成る群からから選択される。光増感剤は、歯美白物質の総量をベースとして約0.1、0.5、1、2、3、5、7、10重量%から、及び/又は約10、7、5、3、2、1、0.5、0.1重量%未満の量で、歯美白物質に添加することができる。超酸化物は、上記の感作物質のいずれかを電子供与体、例えばアミン及びアミド―EDTA、DTPA、ジエチレントリアミン五ホスホン酸、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリプトファン、チロシン又はアセトアニリドとともに用いることによって生成させてもよい。別の実施形態では、ナノメートル規模の亜鉛ダイオード及び二酸化チタンを光増感剤として用いてもよい。
一部の実施形態では、光源付き歯ブラシ及び美白物質が「調和」しているのが望ましいと思われる。すなわち、美白物質が、特定の波長又は波長帯、すなわち波長域の光の露光を受けると、向上又は増進した美白機能が発揮される場合、本明細書に記載の歯ブラシの照明装置から発せられる光の波長は、前記特定の波長と同じ、又は実質的に同じであるのが望ましい。例えば、特定の美白物質が本明細書に記載の光源付き歯ブラシと共に用いるものであると分かっている場合、及び前記物質が、ピーク波長430nm〜470nmの光への露光を受けると、向上した効果を発揮する場合には、前記物質と共に用いる歯ブラシは、430nm〜470nmの範囲内の波長の光を放射することができる。
4.追加の口腔ケア活性物質
口腔ケア効果をもたらす目的で本発明とともに使用可能なその他の口腔ケア活性物質としては、スズイオン、抗菌剤、抗歯垢剤、抗炎症剤、栄養素(ミネラル、ビタミン、口腔栄養補給剤など)、酸化防止剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤及び麻酔剤、H−2拮抗物質、並びにインスリン、ステロイド、薬草及びその他の植物由来の治療薬、抗新生物薬、抗歯肉炎剤又は歯肉ケア剤のような追加の活性物質が挙げられるが、これらに限らない。これらの口腔ケア活性物質は、口腔ケア物質の総量をベースとして約0.01、1、5、10、20、30、40重量%から、及び/又は約40、30、20、10、5、1、0.5重量%未満の量で、口腔ケア物質に添加することができる。
5.口腔ケアキャリア及びゲル化剤
本明細書に開示されている口腔ケア物質は、口に受け入れることができる口腔ケアキャリアを含むことができる。更に、本明細書に開示されている活性物質の一部を口腔ケアキャリアとして機能させることもできる。一部の実施形態では、ポリマーのような口腔ケア活性物質は、活性物質の直接性の向上をもたらすために、口腔ケア活性物質を所望の口腔表面に更に接着するために、及び/又は口腔ケア活性物質の口腔の所望の表面への投与を向上するために、ポリマーの口腔ケアキャリアとして用いることができる。活性物質の一部では、活性物質が口腔ケア表面上に長く残留すればするほど、もたらすことのできる口腔への効果は大きくなる。1つの実施形態では、口腔ケア活性物質は光活性化されるため、活性物質の口腔表面上への直接性を高めるポリマーの使用は、口腔ケア活性物質の更なる露光を可能にする。露光時間の増加は、結果として口腔ケア効果の増加をもたらすことができる。口腔ケアキャリアは、1つ以上の適合性のある固体又は液体の充填希釈剤、又は局所経口投与に適したカプセル化物質を含んでおり、口腔ケア活性物質の口腔表面への投与を向上することができる。口腔ケアキャリアは、物質中に用いられる活性物質と適合性がなければならないが、本明細書で使用する時、「適合性がある」とは、物質の構成成分が、物質の安定性及び/又は有効性を実質的に減らす形で相互作用することなしに、混ざり合うことができることを意味する。具体的に言うと、口腔ケアキャリアとしては、米国特許第6,682,722号及び6,589,512号、並びに米国特許出願第10/424,640号及び10/430,617号に記載されているようなポリマーキャリアを挙げることができる。本発明での使用に適したポリマーの例としては、シリコーンゴム及び樹脂、具体的には、分子量が約1,000〜約10,000であるシリコーン樹脂、ジカルボキシ官能化ポリオルガノシロキサン、ビニルピロリドンモノマー(具体的には、ビニルピロリドンと酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、又は酢酸ビニルとのコポリマー)の1つ又はその混合物をC1〜C19アルキルカルボン酸C2〜C12アルケニルエステルモノマーの1つ又はその混合物と重合することによって調製した水溶性又は水分散性コポリマー、カーボポール、ガントレ(Gantrez)、並びに/又はポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限らない。
本発明の1つの実施形態では、ポリマーキャリアは、歯、セラミック、皮膚、布地、毛髪、ガラス及び紙のような極性表面への適用のために、カルボン酸基によって官能化させたシロキサンポリマーを少なくとも1つ必須成分として含んでいる。前記物質は、処理する表面にポリマーを効率的に付着させる製剤中に、カルボキシ官能化シロキサンポリマーを少なくとも約0.1%含んでいる。本発明のポリマーは、疎水性シロキサン主鎖、及びカルボキシ基を含んでいるペンダントアニオン性部分を備えており、並びに洗浄及び洗剤物質などの水性系の製剤及び本質的に非水性系の製剤から表面上に付着する能力を備えている。適した表面に適用する場合、カルボキシ官能化シロキサンポリマーを含んでいる本発明の物質は、処理する表面上に実質的に疎水性のコーティングを形成し、このコーティングは、処理する表面上に長時間保持される。
本発明で有用なカルボキシ官能化シロキサンポリマーは、極性表面に付着し、静電相互作用、即ち、ポリマーのペンダントカルボキシ基と、処理する表面上のカチオン又は他の正電荷を有する部位との錯体形成によって、極性表面上にコーティングを形成すると考えられる。例えば、口腔用の用途の場合、カルボキシ基は歯の中に存在するカルシウムイオンと相互作用すると考えられる。布地の場合はカルシウムイオン又はセルロース基と、毛髪又は皮膚の場合はタンパク質残基と、ガラス又はセラミックの場合はカルシウム及び他の金属イオンと相互作用する場合がある。したがって、カルボキシ基は、表面にシロキサンポリマー主鎖を固定し、それによって表面を疎水性に改質する役割を果たす。
ポリシロキサン主鎖の官能基ペンダントには、2つのカルボキシ基が含まれており、結果として、特に、正電荷を有するカルシウムイオンが含まれている歯などの表面上でのポリマーの付着及び保持の向上をもたらす。カルボキシ基と歯の表面との相互作用は、アニオン性のカルボキシ基が正電荷を有するカルシウムイオンと錯体を形成する静電気的な性質のものである。
本発明で有用なジカルボン酸官能化ポリオルガノシロキサンは、次の式を有するものであり、
X(RSiO)p(RASiO)qY
式中、
X末端基は、式RSiO−のトリオルガノシロキシル末端基、又はZ末端基(ここで、Zは、−OHを表す)を表し、
Y末端基は、式−SiRのトリオルガノシリル末端基、又はW末端基(ここで、Wは−Hを表す)を表し、
〜Rは、同一であっても又は異なっていてもよく、それぞれ、直鎖又は分岐鎖のC1〜C8アルキル又はフェニルラジカル、好ましくはメチルを表し、
Aは、次式のジカルボン酸ラジカルを表し
Figure 2012086022
式中、
Bは、1〜30個の炭素原子を備えた1つ以上のアルキルラジカルで任意に置換された、2〜30個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を備えたアルキレン残基を表し、
R’は、1〜30個の炭素原子を備えた水素原子又はアルキルラジカルを表し、
Eは、存在しないか又は1〜30個の炭素原子を備えた1つ以上のアルキルラジカルで任意に置換された、1〜5個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子を備えたアルキレン残基であり、及び
Mは、H、カチオン又はヒドロキシ若しくはアルコキシ基で任意に置換された、1〜4個の炭素原子を備えたアルキルラジカルであり、
pは0〜1000、好ましくは0〜500、より好ましくは5〜200の範囲の平均値であり、
qは、1〜100、好ましくは1〜50の範囲の平均値であり、及び
Z末端基及びW末端基の数と、末端基X及びYの総数との比は、0/100〜75/100、好ましくは0/100〜30/100の範囲である。
1つの実施形態では、p/qの比率は1/3〜99/1(シロキシル単位に対するペンダント二酸塩基の1〜75%に相当する)であり、別の実施形態では、p/qの比率は1/1〜10/1である。Zが−OHであり、及び/又はYがHである場合の生成物は副生成物である。
ジカルボキシラジカルのカチオン塩は、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、バリウム)塩、非置換又は置換アンモニウム(メチル−、ジメチル−、トリメチル−、若しくはテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリジニウム)塩であることができるか、又はアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)から誘導することができる。
ジカルボキシラジカル(M=アルキル)のモノ−又はジエステル誘導体に加えて、本発明は、アミド及びジアミド誘導体を含んでいる。
本発明のジカルボキシ官能化シロキサンポリマーは、一般に、例えば、米国特許第3,159,601号、同3,159,662号、及び同3,814,730号に記載されているように、有効量のヒドロシリル化金属触媒(白金)の力を借りた、ポリアルキル水素シロキサンと、ジカルボキシA基の前駆体であるα−オレフィン系酸無水物とのヒドロシリル化反応、及びその後の酸無水物基の加水分解によって調製する。
特に、歯磨剤又は口内洗浄剤などの口腔ケア物質からの漂白剤の投与に関連して、疎水性ポリシロキサン主鎖及びジカルボキシ基を含んでいるペンダント部分を有する本発明のポリマーは、特に前記物質を繰り返し使用して、漂白剤の投与、及び顕著な美白効果を実現するのに十分な時間、漂白剤を歯に保持することを促すのに非常に適している。したがって、実質的に沈着するポリマーを使用して、漂白剤を付着し、長い接触時間、保持する本発明の方法は、新しい手法である。
別の実施形態では、ポリマーのキャリアは、バスフ社(BASF Corp.)及びISPから入手可能で、VP/VAの重量比が60/40であり、さらに平均分子量が約1000〜約1,000,000であるビニルピロリドン(VP)/ビニルアセテート(VA)コポリマーである。VP/VAの比率が約30/70〜約90/10の範囲であるコポリマーもまた適している。
本発明の口腔ケア物質は、ゲルなど、及びとりわけ水性ゲルなどの多くの形状にすることができる。ゲルは、ゲル化剤から形成されている高粘度のマトリックスである。ゲル形状を用いる場合、ゲル化を用いることができる。本発明に用いることができるゲル化剤は経口使用に安全であり、唾液中で容易に溶解せず、及びそれらの中に組み込まれた口腔ケア化合物と反応しないか又はこれらを不活性にしない。一般にゲル化剤は膨潤可能なポリマーである。本発明に用いるのに適したゲル化剤としては、カルボキシポリメチレン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、ポロキサマー、カラギーナン、ビーガム、カルボキシビニルポリマー、並びにカラヤガム、キサンタンガム、グアーガム、アラビアゴム、トラガカントガム、及びこれらの混合物などの天然ゴムが挙げられる。ゲル化剤は、口腔ケア物質の総量をベースとして約0.1、1、2、3、5、7、10、12、15重量%から、及び/又は約15、12、10、8、7、5、3、2、1、0.5重量%未満の量で、口腔ケア物質、とりわけゲル形状の歯美白物質に添加することができる。
本発明とともに使用可能な別の処置剤は光結合剤である。この化合物は、下層組織表面での光散乱量を減少することによって、下層組織への光の進入を増大する。代表的な光結合剤としては、グリセロール、グルコース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、X線造影剤(トラゾグラフ−60(Trazograph−60)、トラゾ−グラフ−76(Trazo−graph−76)、ベログラン−60(Verogrann−60)、ベログラフィン−76(Verografin−76)、及びハイパック−60(Hypaque−60))、タンパク質(ヘモグロビン、アルブミン)、及びこれらの混合物が挙げられる。また、光結合剤は、エタノール及び水(例えば、エタノール、グリセロール、及び水)のような添加剤とともに用いることもできる。
更に、追加の処置剤としては、減感剤(例えばクエン酸ナトリウム及び硝酸カリウム)、ゲル化剤(例えば塩化ナトリウム及びグリセロール)、粘着性マトリックス材(例えばカーボポール(CARBOPPOL)974NF)、及び従来の練り歯磨きが挙げられる。口腔内のpHレベルの安定化又は調節を行う材料も処置剤として添加してよい。
6.実施例
次の実施例では、本発明の範囲内の好ましい実施形態を更に説明する。これらの実施例は単に説明を目的として示すものであり、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく本発明の多くの変更が可能であることから、本発明の限定として解釈すべきではない。別段の指定がない限り、すべての成分は組成物の重量%として表されている。
練り歯磨き/歯磨剤の実施例
本発明による歯磨剤組成物を以下に示す。これらの組成物は従来の方法を用いて作製する。
Figure 2012086022
Figure 2012086022
口内洗浄剤の実施例
本発明による口内洗浄剤組成物を以下に示す。これらの組成物は従来の方法を用いて作製する。
実施例1
Figure 2012086022
実施例2
Figure 2012086022
実施例3
Figure 2012086022
実施例4
Figure 2012086022
ゲルの実施例
本発明によるゲル組成物を以下に示す。これらの組成物は従来の方法を用いて作製する。
実施例1
Figure 2012086022
実施例2
Figure 2012086022
実施例3
Figure 2012086022
実施例4
Figure 2012086022
7.化学ベースの反応性出力素子又は装置
以下では、化学ベースの反応性出力として組成物を投与するために、本発明とともに用いるのに適した様々な構造及び機構について説明する。化学ベースの反応性出力装置は、センサー反応型歯ブラシから口腔ケア物質を投与又は放出するなど(これらに限らないが)、口腔の表面に口腔ケア物質を送達する目的で存在している。通常、化学ベースの出力が用いられているセンサー反応型歯ブラシは、歯ブラシの本体又はハウジング内に設けられているタンク又は容器を備えており、前記タンク又は容器は口腔ケア物質を1つ以上搭載している。前記物質は、液体、気体、半固体、又はその他の適した形状にしてよい。前記物質は、流動性を備えた形状、例えば溶液若しくはゲル状にし、及び/又は歯ブラシからの排出又は放出を補うために圧力下に置くのが好ましい。口腔ケア物質は、特定の実施形態では、固体の形状、例えば顆粒、小粒、又は好ましくは小粒子状にすることができる。また、口腔ケア物質の歯ブラシから口腔への移動を実現するために、マイクロポンプを1つ以上用いることも考えられる。1つ以上の口腔ケア物質は、ブラシ沿いのほぼあらゆる位置で、センサー反応型歯ブラシから投与することができるが、投与は歯ブラシのヘッド及び/又はネック領域で行われるようにするのが好ましい。投与は、ハウジング、又はハウジングの外側沿いにある毛キャリアなどの構成要素内に設けた1つ以上のオリフィス又は開口を通じて行うようにできる。別の実施形態では、口腔ケア物質は、露出されているか又は別の方法で歯ブラシの外側沿いで接触できる材料ストリップを備えた送達システムによって、口腔表面に送達される。前記材料ストリップの上に適用又はコーティングされるのが口腔ケア物質である。口腔ケア物質は均質にすることができ、前記材料ストリップの上に間断なくコーティングすることができる。あるいは、口腔ケア物質は、構成成分から成るラミネート又は独立層、構成成分から成る非晶質混合物、異なる構成成分から成る独立型ストリップ若しくは点又はその他のパターン、或いはこれらの構造の組み合わせ、例えば材料ストリップの一部に沿って口腔ケア物質が間断なくコーティングされている構造などにすることができる。
本明細書に記載のセンサー反応型歯ブラシは、口腔ケア組成物を1つ以上投与可能な化学ベースの出力を搭載することができる。このような実施形態においては、歯ブラシは、カートリッジを1つ以上備えた投与システムを用いることができる。前記カートリッジの各々は、特定の口腔ケア組成物を収容している。
カートリッジは手動又はモーターで駆動させて、口腔ケア物質を歯ブラシの塗布装置の上に直接、又は歯ブラシ内の経路を通じて塗布装置の上、若しくは塗布装置を通じて、いずかれの方法で投与してよい。投与はモーターで駆動させ、コントローラーによって制御するのが好ましいが、ユーザーが手動で反応性出力を送れるように、例えば手動で組成物をポンプ注入することによって組成物の投与を実現できるように、信号をユーザーに送ることもできると考えられる。塗布装置は、歯又はその他の装置、例えば毛、中空投与チューブ(材料を歯/歯肉又は歯ブラシなどのその他の装置に直接塗布するためのもの)、スポンジ、及び/又は小片(歯及び/又は歯肉と接触する節付き面、粗面、又は多輪郭面)に材料を適用するのに適した装置のいずれかにしてよい。また、投与システムは通常、カートリッジホルダー、及びノブ、ボタン、又は類似の手段に見られるような投与作動装置を備えている。
本発明では、適したいずれかのタンク又はカートリッジを用いてよい。当然のことながら、用いるタンク又はカートリッジは、その全部又は一部が投与システムの内側に来るようにするか、又はその全部又は一部が投与システムの外側に来るようにしてよく、また投与システムから取り外し可能にしてもしなくてもよい。更に、用いるタンク又はカートリッジは、投与システムに常在するようにするか、又は1回使い捨てタイプのタンクなどのように、使い捨て可能にしてもよい。適したタンクの非限定的な例としては、カートリッジのように、通常剛壁を備えている容積式タンクが挙げられ、また、サッシェ、ブラダー、及びブリスターのように、通常軟壁を備えているポンプ真空型タンクも挙げられる。
特定のカートリッジの投与量は、いずれかの適した手段によって調節してよい。前記手段の非限定的な例としては、投与機構のモーター速度を変えることが挙げられ、及び(例えば様々なねじピッチのねじを置き換えることによって、又はギア比の異なるギアを用いてねじを締めることによって)投与機構の機械的利点を変えることが挙げられる。カートリッジデザインのその他のバリエーションでは、オリフィス、速度とタイミングの関係、ポンプなどの手段によって、生成物の比率及び量を制御することができる。
カートリッジ、投与システムなどの更なる詳細は、2003年4月25日申請の米国特許出願公開番号2003/0194678号に説明されている。
本発明の方法に用いるのに適したストリップの例としては、米国特許第6,096,328号、第6,136,297号、第6,045,811号、第5,989,569号、第5,894,017号、第5,891,453号、第5,879,691号、第6,277,458号、第6,287,120号及び第6,343,932号に開示されているストリップが挙げられるが、これらに限らない。
口腔ケア物質は、交換式ヘッド集合体と入れ替えた漂白トレイを使って口腔表面に配置することもできる。本発明の方法に用いるのに適したトレイの例としては、米国特許第5,846,058号、第5,816,802号、及び第5,895,218号に記載されているもの、及び米国特許第5,310,563号に記載されているものなど、予め搭載されているその他の装置が挙げられるが、これらに限らない。
更に、塗布装置を用いて、口腔の所望の面に口腔ケア物質を塗ることができる。塗布装置は、交換式ヘッド集合体と入れ替えることができる。送達装置は、上歯用を1つ及び下歯用を1つを搭載することができる。送達装置は使い捨て可能、又は再利用可能にすることができる。
D.キット及び交換式の歯ブラシ構成要素
センサー反応型電動歯ブラシは、1つ以上の口腔ケア物質、1つ以上の反応剤、及び/又は発光素子などの反応性出力素子を備えた1つ以上の交換式ヘッドを含んでいるキットとして包装することができる。口腔ケア物質は、歯ブラシとともに用いるか、上述のとおり、歯ブラシから投与されるようにカートリッジ内に収容した歯磨剤の形状で提供してよい。あるいは、化学ベースの出力を備えた1つ以上の交換式ヘッド、及び投与手段を搭載することもできる。したがってヘッドは交換品にすることもできるし、又は同系列の別の素子に個々に割り当てることもできる。したがって色合いの違いは多くの場合、キット内の違うヘッドの一部である。ハンドルは電池式であると述べたが、本発明は、その他の周知の電源、例えばコンセント接続用コード又は充電式電池及び付随するブラシホルダー/充電器(図示されず)も包んでいる。キットは更に1つ以上の包装済み光活性化口腔物質、例えば包装済みの歯美白組成物を包んでもよい。更に、キットはその他の非光活性化口腔ケア物質及び発光素子を搭載していない歯ブラシヘッドを含むことができる。
図25及び26を見てみると、センサー反応型歯ブラシ2000が描かれている。前記歯ブラシは、交換式ヘッド2016を備えている。ヘッド2016は更に、可動式毛ホルダー2020及び静止式毛ホルダー2022を備えている。静止式毛ホルダー2022の上に配置されるのがLED2075である。センサー反応型歯ブラシ2000は更に、センサー2001及び2003のようなセンサーを1つ以上備えている。これらのセンサーは、交換式ヘッド及びネック構成要素の上に位置するものとして描かれているが、本発明は、歯ブラシ2000の本体又はハウジング2012の上に位置するセンサーを1つ以上設けることも含む。
ネック2017は、接合部2015でハンドル2012から分離する。ネック2017は、ネック末端部2032内部に位置している小型ピン又は突出部2036(点線で図示されている)を2つ備えている。小型突出部は、ハンドル2012の噛合末端部2040上にあるL字形スロット2042に収まる寸法になっている。L字形スロット2042の幅は、L字形スロットに小型突出部が入るように、小型突出部の幅よりもやや広くなっている。L字形スロットの深さは、L字形スロットに小型突出部が入るように、小型突出部の高さとほぼ等しくなっている。
ヘッド及びネックをハンドルに接合するには、ユーザーが小型突出部をL字形スロットの上面2004と一直線上の位置に動かす。ユーザーはヘッド2016を下に押すか押し付けるかして、小型突出部がL字形スロット2042の底面2046と接するようにする。小型突出部がL字形スロットの底面2046と接触したら、続いてユーザーはヘッド2016及び/又はネック2017をハンドル2012に対して約90°回転させ、図25及び26に示したように、ヘッドを所定の位置に固定する。各小型突出部の上面は、各L字形スロット2042の上面の下に固定される。次にユーザーは、連携しているピン及びガイドスロットに押しひねる動作を加え、ハンドル上にある最終取付位置にヘッドを嵌め込み、ハンドルとヘッド間の嵌合を固定する。
ハンドルとヘッド間に解放可能な電気的接続を実現するために、ネック及びハンドルの噛合領域に沿って電気接点が1つ以上設けられている。
一般的には、本発明は、口の中で用いる口腔ケア装置であって、交換式又は取り外し可能なヘッド及び/又はネック、並びにブラシヘッド上の1つ以上の電気素子(発光素子及び/又は1つ以上のセンサーが挙げられるが、これらに限らない)を備えた口腔ケア装置に関するものである。このような口腔ケア装置としては、電動歯ブラシ、電動フロス、歯磨き器、歯肉マッサージ器などを挙げることができるが、これらに限らない。以下では、簡略化するために、本発明は、センサー反応型電動ブラシ内で具体化されるものとして論じていく。歯及び/又は歯肉のようなブラッシング領域を照らすことのできる発光素子などの電気素子が作動している間、前記電動歯ブラシは個人衛生に使用して、モーター式の動作を用いて歯及び歯肉を清潔にすることができる。本発明は、ヘッド上で使用又は設置されるいずれかの種類の電動素子を搭載している。さらに本発明は、取り外し可能なブラシヘッドを備えた電動歯ブラシ内に、選択的に嵌合可能な電気コネクタを使用及び組み込むことに関し、前記電気コネクタは、歯ブラシのヘッドと歯ブラシのハンドル間に電気連通をもたらす。歯ブラシのヘッドには更にネックを搭載することができ、ネックには歯ブラシのハンドルを取り付けることができる。更に、歯ブラシのハンドルにはネックを搭載することができ、ネックには歯ブラシのヘッドを取り付けることができる。簡略化するために、以下で論じる接続は、歯ブラシのヘッドとハンドル間の接続である。しかしながら、本論には、ヘッドとネック間の接続、並びに/又はハンドル及び/若しくは本体に接続するヘッドとネックの集合体が含まれることを理解すべきである。これらの接続はすべて類似の素子を備えているが、歯ブラシの長さ方向に沿った接続の位置は異なっている。
1つの実施形態では、センサー反応型の光源付き電動歯ブラシは、細長いハンドル、ヘッド、及びヘッドから伸びるネックを搭載してヘッド及びネック集合体を形成している。このヘッド及びネック集合体はハンドルに取り付けることができる。本発明は、単一の一体型集合体としてのヘッド及びネックを歯ブラシのハンドルから取り外すことのできる実施形態を含んでいる。しかしながら、ネック及びハンドルを集合体にして、その集合体からヘッドを取り外せるようにすることもできると考えられる。取り外し可能な部分の噛合又は嵌合領域に沿って設けられているのは、本明細書に記載されている切断可能な電気コネクターである。発光素子などの1つ以上の電気素子は、ヘッド上で、1つ以上の静止式若しくは可動式毛ホルダー又はそれらのいずれかの組み合わせに隣接した位置、上部、又は中部に配置することができる。毛ホルダーには、その上に配置させた毛を搭載してもよく、前記毛は1つ又は複数群の房状に形成してもよい。これらの態様については、本明細書で更に詳細に説明する。
歯ブラシは更に電気コネクターを備えている。電気コネクターは、電動歯ブラシのヘッド、ネック及び/又はハンドル上の構成素子のシステムであり、接続したとき、ヘッドとハンドル間に電気経路及び電気連通をもたらす。歯ブラシのハンドル部分からヘッドを取り外しできるため、ヘッドを取り外す際に電気コネクターを切断又は離脱できるように、また再び取り付ける際に容易に再接続できるように、電気コネクターを設計することができる。電気コネクターは、少なくとも1つの電気入力と少なくとも1つの電気出力を備えている。例えば、歯ブラシヘッド上の、多色LEDを備えている位置に、複数の電気入力を搭載することができる。電気コネクターとしては、互いの「接点」に機械的に接触する構成要素、磁場を介してヘッドをハンドルに電気的に接続する誘導性の構成要素、及びコンデンサを形成するときに生み出される電界によってヘッドをハンドルに電気的に接続する容量性の構成要素を挙げることができるが、これらに限らない。ハンドル又は本体とヘッドの間の嵌合領域に沿って設けられているのが電気コネクターであり、その例を本明細書に記載する。歯ブラシには、コネクターを1つ以上搭載することもできる。ネックがヘッド及び/又はハンドルから伸びている場合、コネクターの一部をネックに配置できることも考えられる。
電動歯ブラシのブラシヘッド及びハンドル間に、容易に分離可能な嵌合構造をもたらすことによって、いくつかの利点を提供する。第一に、ブラシヘッド又はハンドルは、交換しやすくしてもよい。ブラシヘッドは、消費者の特定の好みに応じて、別のブラシヘッドと交換しやすくしてもよい。更に、前記のように迅速且つ簡単に嵌合できることによって、組立てやすさを実現し、またブラシの比較的長い長さが大きく低減される可能性があるという点で、保管及び輸送に関する問題が改善される。
ある実施形態では、取り外し可能なヘッドを備えた歯ブラシに、歯ブラシのハンドル又はヘッドの一部から外側に突出している部材を用いており、前記部材は、対応する凹部、スロット、又は歯ブラシの他の部分内に形成されている受入れ領域に収容される。前記部材及び受入れ領域は相互に連携して、ハンドルからヘッドを選択的に取り外し、ヘッドをハンドルに再び取り付ける。このような構造では、電気コネクターは、部材及びその受入れ領域に近接させて配置する。例えば、コネクターに2つの導電性接点を備えている場合、第一の接点を部材上に配置することができ、第二の接点を受入れ領域内に配置することができる。接点は、ヘッドをハンドルに取り付ける際、したがってヘッドを受入れ領域内に嵌合する際、相互に電気連通するように配置し、それによって、歯ブラシのハンドルとヘッドとの間に電気経路をもたらす。
別の実施形態では、ハウジングとブラシヘッドとの間の嵌合集合体に、ねじ又はねじ山付き構造を用いてもよく、その際ハウジング及びブラシヘッドの1つは、放射状に突出したねじ部材を備えており、他方は突出したねじ部材を受け入れる構造になっている溝又は凹み領域を形成している。対応する電気コネクター、例えば、嵌合集合体の接合面の上に、電気接点を配置することができる。
その他の嵌合構造を用いて、取り外し可能なヘッドとハンドルを備えたセンサー反応型歯ブラシを実現することができる。例えば、本発明は、オス−メス構成、解除可能な固定ピン構成、開放可能な戻り止め構成、スナップ嵌め構成、摩擦嵌め構成、及びこれらの構成の組み合わせが用いられている嵌合構成を含んでいるが、これらに限らない。切断可能な電気コネクターには、ヘッドとハンドル部分の間に、ヘッドとハンドル部分の間の嵌合又は接合領域に隣接した位置、又は中にあるコネクターの構成要素を搭載することができる。しかしながら、コネクターのヘッド構成要素を歯ブラシのハンドル部分内に収容できること、及び/又は歯ブラシのハンドル構成要素を歯ブラシのヘッド内に収容できることも考えらえる。
本明細書の実施形態のいずれか又はすべてにおいて、歯ブラシのハンドルにヘッドを再び取り付ける時、1つ以上のコネクターの電気コネクター面を拭き取る役割を果たす1つ以上のコネクター拭取り素子を設けることができる。このような拭取り素子は、ヘッドとハンドルを嵌合する際、前記拭取り素子が電気コネクターの外面の上を通って前記外面を実質的に拭き取るように配置する。この動作は、コネクター面を清潔にして、その上に蓄積されたあらゆる水又は屑を取り除く役割を果たす。拭取り素子は、柔軟なゴム又はその他のエラストマー材など(これらに限らない)、ほぼあらゆる素子から形成することができる。
本発明によれば、駆動シャフトと、ブラシヘッドに沿って配置されるか、又は別の方法で保持されている1つ以上の可動毛キャリアの間に、ある種の解放可能な嵌合部を用いる。例えば、ブラシヘッド内に伸びている駆動シャフトの末端部と、ブラシヘッド上に配置される可動毛キャリアとの間に、「スナップ嵌め」の嵌合集合体を用いることができる。ブラシヘッド及びハンドルが互いに簡単に分離できるように、駆動機構内の幾つかの位置又は地点で、解放可能な嵌合集合体を利用すべきであることが理解されるであろう。
コネクターの構成要素に接点を備えている歯ブラシの特定の実施形態では、ヘッドが歯ブラシのハンドルと嵌合している時、接点は、向かい合う形で、相互に直接的に嵌合することができる。ある実施形態では、それぞれの接点の面は、嵌合プロセスの間に互いを横断して滑動し、又は少なくとも部分的に滑動する。種々の接点は、互いに接触して電気連通をもたらす比較的平らな表面の形状にしてもよい。又は、接点には、ピン−ソケット若しくはプラグ−レシーバー構造などの、当該技術分野において既知のオス−メス接続を用いてもよい。接点ではまた、勾配若しくは傾斜のある互いに接触する表面を用いてもよく、又は特定用途に応じて、傾斜構造による比較的大きい接触力で互いに嵌合させてもよい。あるいは、又は加えて、接点には一方若しくは両方の接点に力を加えてさらに接点間の電気連通の確立を促す1つ以上のバネ部材若しくは他のバイアス部材を搭載しもよい。しかしながら、コネクターは、前述の設計を用いて電気連通をもたらし、それによって、機械的接続すなわち誘導又は静電容量によって確立された電気連通を有することなく、歯ブラシのヘッド上に配置される電気素子に電力を供給してもよい。コネクターの種類にかかわらず、一旦ヘッドとハンドルが互いに嵌合すると、ヘッドおよびハンドル間に電気連通をもたらす構造及び位置にあるコネクターを得られる。
本発明による歯ブラシでは、コネクターの広範な設計、形状、及び構造を用いてもよい。1つの態様では、滑動するレール構造が用いられており、その際ブラシヘッド又はハンドルのいずれかに1つ以上のレールが設けられており、他方の例えばブラシヘッド又はハンドルに受入れスロット又は凹み領域が形成されており、受入れスロット又は凹み領域は、ブラシヘッド及びハンドルが互いに嵌合した時にレールを受け入れる大きさ及び配向をしている。ヘッドがハンドルに嵌合するときにブラシヘッド及びハンドル間に電気連通をもたらすために、前記の1つ以上のレール(単数又は複数)及びスロット(単数又は複数)に接点を組み込むことができる。具体的には、レール(単数又は複数)及びスロット(単数又は複数)の露出面の上に、1つ以上の対の接点を直接組み込む。それぞれの接点は、ブラシヘッド及びハンドル間で最終的な嵌合が実現した際、ブラシヘッド及びハンドル間に電気連通をもたらすように整列及び配置することができる。
別の実施形態では、側柱上に、又はそれ以外のブラシヘッド若しくはハンドルの外側方向に突出している部材に1つ以上の接点が配置されており、前記側柱又は部材は、他方のヘッド若しくはハンドルに設けられている対応する機構と嵌合すると、1つ以上の追加の接点と電気連通する。さらに、ハンドル及び/若しくはヘッド、並びに/又はハンドル及び/若しくはヘッドの部分には、導電性の基材を搭載することができ、ハンドル及び/若しくはヘッド又はその部分は、導電性の接点にすることができる。接点の配置にかかわらず、結果的に生じた電気連通により、電力は、歯ブラシのハンドル領域からブラシヘッドに伝わることができる。
さらに別の実施形態では、軸構造によって電気連通を確立し、その際それぞれの接点は、ブラシヘッド又はハンドルの一方を他方に対して回転することによって、互いに電気連通する。この構造は、様々な電気接点の構成を用いて実現させてよい。例えば、円形、半円形、又は弓形の接点を使用してもよい。接点は、ブラシヘッド及びハンドルの嵌合領域上で適切に配置してもよい。
さらに別の実施形態では、誘導によって、ヘッド及びハンドル間に電気連通を確立する。この実施形態では、ヘッドは、歯ブラシのヘッド上に配置される電気素子に接続した二次コイルを備えており、ハンドルは、バッテリに接続した一次コイルを備えている。ヘッドとハンドルを接続すると、一次コイルと二次コイルが磁気的に結合して電気を伝える。さらに、適切な導電材をハンドル内に搭載することによって、静電容量を用いてヘッド及びハンドル間に電気連通を確立することができ、導電材は、さらにバッテリ及びヘッドに接続し、導電材は、さらにヘッド上に配置される電気素子に接続する。ヘッドをハンドルに接続すると、導体の2つの片は、距離によって隔てられ、コンデンサを形成する。
コネクターの構成要素のための材料選択も本発明の別の重要な態様である。一般に、コネクターの構成要素に対しては、多種多様な金属及び非金属の材料を使用してもよい。適した金属としては、銅、白金、銀、ニッケル、アルミニウム、金、タングステン、及びこれらの金属の合金が挙げられるが、これらに限らない。
導電性ポリマーなど、導電性の非金属材を使用することができる。本明細書で使用する時、「導電性の非金属材」という用語は、金属粒が含まれているポリマー組成物など、1つ以上の非金属及び1つ以上の金属が含まれている材料を含む。そのような化合物は、カーボンブラック、ステンレス鋼繊維、銀又はアルミニウムフレーク又はニッケルコーティングされた繊維などの固体導電粒子を、例えばポリスチレン、ポリオレフィン、ナイロン、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマー(ABS)などの電気的に絶縁性の熱可塑性樹脂塊状物(bulk thermoplastics)と混合することによって作製することが多い。
近年、カーボンブラック又は上記の種類の金属粒子充填化合物を、本質的に導電性のポリマー及びこれに限らないがポリアニリンを包む普通の絶縁ポリマーとそれらの混合物に置き換えることへの関心が高まってきた。例えば、ポリアニリンをプロトン酸と接触させて塩錯体をもたらすことによって、ポリアニリン(又は略称PANI)及びその合成、並びに導電性形体のこのポリマーを調整することは、先行技術において説明されてきている。加えて、導電性ポリマーは既知であり、工業装置、特に電子構成要素部品の製造において使用されている。導電性ポリマー組成物の例のいくつかは、米国特許第5,256,335号、同5,281,363号、同5,378,403号、同5,662,833号、同5,958,303号、同6,030,550号、及び同6,149,840号に例示されている。具体的には、本明細書に記載のコネクター集合体内で用いるものとして魅力的な導電性ポリマー組成物としては、米国特許第5,866,043号及び同6,685,854号に記載されているようなポリマーが挙げられる。本明細書で使用する時、「導電性非金属材」という用語には、これらの種類の組成物も含まれる。
本発明で用いるのに適した別の導電性基材は、米国特許第6,291,568号、同6,495,069号、及び同6,646,540号で論じられている。この基材は、静止又は不活性時における第1のレベルの伝導性、及び応力、すなわち機械的又は電気的応力の変化に起因する第2のレベルの伝導性を備えている。機械的応力としては、伸張及び/又は圧縮を挙げることができる。この基材は、粒状組成物を含んでおり、粒状組成物の各々の小粒は、実質的に非導電性のポリマーを少なくとも1つ、導電性充填材を少なくとも1つ含んでいる。導電性充填材は、1つ以上の金属、その他の導電性若しくは半導電性素子及びオキシド、又は本質的に導電性の半導性無機若しくは有機ポリマーにすることができる。前記小粒は典型的に1mmまでの大きさであり、小粒(伝導体)のポリマーに対する容積比は少なくとも3:1であるのが適している。本発明で用いるには、圧縮させた時に電気を通すその他の基材が適していると考えられる。
先述のとおり、歯ブラシでは、電源を利用するブラシヘッドに組み込まれているか、又は別の方法で搭載されている1つ以上の電動素子を用いることができる。本明細書に記載の歯ブラシでは、電源、例えば1つ以上のバッテリが歯ブラシのハンドルの位置の中に保持されている。本明細書に記載の電気コネクターは、ブラシヘッドと、電動素子に配される電力と典型的には歯ブラシのハンドル内に在る電源とを必要とする電動素子の間に電気連通を確立及び付与する。
E.使用法
特定の実施形態では、本明細書に記載されている好ましい実施形態のセンサー反応型歯ブラシは、以下に従って動作することができる。図24には、本明細書に記載した歯ブラシの代表的な動作を示したプロセスフローチャートを概略的に例示してある。点線は、任意の動作であることを表している。図24を見ると、歯ブラシで用いられている1つ以上のセンサーによって情報収集1910が行われる。前述のとおり、前記センサーは、歯ブラシに組み込まれているか、又は別の方法で搭載されている。1つ以上のセンサーが収集又は取得する情報は通常、ユーザーの口腔に関するものである。ただし、ユーザーのブラッシング習慣のようなその他の状態に関するものにすることもできる。典型的には、前記情報は、口腔内の1つ以上の状態、口腔内における1つ以上の物質、化学物質、若しくは薬品の存在、又はこれらの状況の組み合わせに関するものである。1つ以上のセンサーは、収集した情報を示す1つの信号又は1式の信号を生成する。前記信号は典型的には、当該技術分野において既知の低電圧又は低アンペア電気信号である。
歯ブラシは任意に応じて、信号(単数又は複数)の処理又は選別1920を行う構成要素を搭載することができる。例えば、記録(検知した状態やブラッシング習慣の履歴のようなデータを蓄積するためのもの)又は遅延機能を用いてよく、前記機能は更に、信号(単数又は複数)の処理及び/又は選別を行うために、統計ルーチン又はアルゴリズムとともに用いることができる。
続いて、1つ以上の信号を分析して、適切な出力作用の判断1930を行う。前記分析は、歯ブラシに組み込まれている1つ以上のマイクロプロセッサによって行われるのが好ましい。任意に応じて、ユーザー又は歯ブラシ自体に由来する外部パラメータと連動して分析が行われるようにしてもよい。例えば、第1のモード選択は、ユーザー1940又は歯ブラシ1950のいずれかによって行うようにできる。第1のモード選択は例えば、(i)歯ブラシによって口腔の状態を査定するか、(ii)歯ブラシによって口腔内の薬品又はマーカーの存在を検知するか、又は(iii)これらの目的の組み合わせに関するものにできる。任意に応じて、第2のモード選択1960のような更なるモード選択を行うことができる。特定の実施形態では、この選択によって、第1のモード選択に基づき特定の目的を指示又は指定することができる。例えば、第1のモード選択が、口腔内の状態の特定を対象としている場合、第2のモード選択は、(i)対象となる特定の種類の齲蝕に対する出力、(ii)出力が実行する特定の種類の漂白作用などに関するものにすることができよう。
1つ以上のセンサーからの情報を査定し、適切な反応性出力(単数又は複数)を判断し、更に任意に、モード選択などの外部パラメータと連動させて前記判断を行った後に、歯ブラシの1つ以上の反応性出力構成要素に信号を送信する。信号は、前の工程で行われた査定及び判断に従って、反応性出力構成要素(単数又は複数)の制御1990を行う。
好ましい実施形態の動作はは更に、任意のフィードバックループを含むことができ、前記ループでは、反応性出力構成要素、又は反応性出力構成要素の動作若しくは作用を示す信号が、制御ルーチン又はアルゴリズム、例えばブロック1970及び/又は1980に向けられる。出力構成要素の出力又は作用の偏向時には、所望に応じて、制御ルーチンによって出力構成要素の出力又は作用を適切に調節して、偏向を低減することができる。
簡易化した以下の電気回路図で、本明細書に記載のセンサー反応型歯ブラシの実施形態の動作及び構造を更に例示する。図27には、口腔2110内の状態又は薬品に伴う光又は光特性の変化(2120として示してある)を感知又は検知する構成になっている光センサー2130のような1つ以上のセンサーを備えたシステム2100を例示してある。センサー2130(単数又は複数)は、1つ以上の増幅器2140及びフィルタリング素子2150によって処理又はフィルタリング可能な信号を生成する。システム2100は更に、LED2175の形状にすることができる光ベースの出力構成要素などの出力構成要素を備えている。1つ以上のコンデンサ、バッテリ、又は電源(2160及び2170として示してある)を用いて、システム2100内の前記素子又は構成要素へ電力を供給するか、又は前記素子又は構成要素を駆動することができる。
図28は、2つの機能を備えた、本発明によるセンサー反応型歯ブラシの電気回路図を簡略化したものである。図28は一般に、図27に示した前述のシステムを2つ含んでおり、その各々の動作を制御ユニット又はタイマーが制御している。図28には、前述のAM/PM歯ブラシの代表的な回路を例示してある。更に具体的に言えば、図28には、口腔2210内の状態又は薬品に伴う光又は光特性の変化(2220として示してある)を感知又は検知する構成になっている光センサー2230のような1つ以上のセンサーを備えたシステム2200を例示してある。センサー2230(単数又は複数)は、1つ以上の増幅器2240及びフィルタリング素子2250によって処理又はフィルタリング可能な信号を生成する。システム2200は更に、LED2275のような出力構成要素を備えている。電力を供給するために、電荷蓄積又は電力モジュール(2260及び2270として示してある)を1つ以上用いることができる。
システム2200は更に、口腔(2212として示してある)内の別の又は第2の状態又は薬品に伴う光又は光特性の変化(2222として示してある)を感知又は検知する構成になっている光センサー2232のような第2のセンサーを1つ以上備えている。第2のセンサー2232(単数又は複数)は、1つ以上の増幅器2242及びフィルタリング素子2252によって処理又はフィルタリング可能な信号を生成する。システム2200は更に、LED2276のような出力構成要素を備えている。電荷蓄積又は電源(2260及び2272として示してある)を1つ以上用いることができる。
システム2200は更にコントローラーを備えており、前記コントローラーは、前記システムのどの部分をいつ動作するかを制御するタイマー2280の形状にすることができる。例えば、AM/PM歯ブラシのケースでは、タイマー2280によってシステム2200の上部を始動して、ある時点、例えば朝に重要性が増すと思われる特定の状態又は薬品を検知し、続いてシステムの下部を始動して、別の時点、例えば夕方に重要性が増すと思われる特定の状態又は薬品を検知するようにできる。システム2200の非限定的な用途としては、センサー2230によって悪臭を示す口腔内のマーカー又は信号を検知し、悪臭に対処するための出力2275を起動する朝のフェーズを挙げることができる。前記出力としては、息清涼化組成物の投与、又は例えば細菌を殺除することによって前記悪臭を低減するよう定められている波長の光の発光を挙げることができる。夕方のフェーズは、センサー2232によって別の状態、例えば歯の変色を示す口腔内のマーカー又は信号を検知するものと考えられる。例えば、前記変色を検知した場合には、出力2276を起動させて変色に対処する。あるいは、各フェーズと関連のある処置計画は、ユーザーの選択したもの、及び適切な時点に自動的に歯ブラシによって作成されるものにすることができる。治療出力としては、例えば、前記変色を低減するよう定められている波長の光の発光、又は前記変色を低減する機能を果たす口腔ケア組成物の投与を挙げることができる。
本発明のセンサー反応型電動歯ブラシは、単独で又は口腔物質と組み合わせて用いる場合、口腔への効果をもたらすために用いることができる。一部の実施形態では、歯は口腔ケア物質によって前処理する。この前処理によって、歯のような口腔ケア表面の中に口腔ケア物質を更に吸収させることができ、そのため口腔表面が露光を受けた時に結果として得られる口腔ケア効果を高めることができる。
1つの実施形態では、本発明は、口腔ケア物質の均一なコーティングを送達装置に施すことができ、続いてセンサー反応型歯ブラシを用いることによって、口腔ケア物質を所望の口腔表面、例えば複数の隣接した歯、歯肉、及び/又は口腔のその他の表面に塗布することのできる方法を含んでいる。次に、歯ブラシを口腔表面から取り除き、若干量の口腔ケア物質を口腔表面上に残す。送達装置、例えばストリップを取り除いた後、歯の上に残す口腔ケア物質の割合は、歯美白物質の約0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90%〜約100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、5%にすることができる。続いて、センサー反応型歯ブラシで歯をブラッシングし、口腔の表面に歯ブラシのヘッドから発せられる光を当てる。加えて、センサー反応型歯ブラシとともに歯磨剤を用いて、口腔表面を清浄することができる。口腔表面は、所望に応じて、口腔ケア物質の適用の前及び/又は後に歯磨剤で洗浄することができる。
別の実施形態では、本発明は歯を美白するための方法を含んでいる。前記方法としては、歯美白物質を含んでいるセンサー反応型歯ブラシを用意し、前記歯ブラシを介して前記物質を複数の歯に塗布するか、あるいは、前記物質を歯に直接塗布し、続いて所望に応じて、トレイ及び/又は材料ストリップなどの送達装置を歯美白物質の上に配置することが挙げられる。センサー反応型歯ブラシを用いて、美白工程が完了したことを検知することができる。歯美白物質は約5%〜約50%の歯美白活性物質を含むことができ、及び歯美白物質を歯に接触させて設置する。送達装置は、歯の上に約2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60分〜、約60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5分未満の間、残留させることができる。次に送達装置を除去し、歯美白物質の少なくとも一部分を歯の上に残留させる。ストリップを除去した後に歯の上に残す歯美白物質の割合は、歯美白物質の約0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90%〜約100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、5%にすることができる。
別の実施形態では、送達装置は、その上に配置される歯美白物質の均一なコーティングを備えた材料ストリップである。材料ストリップは歯に適用され、送達装置は、歯の上に約2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60分〜、約60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5分未満の間、残留させることができる。材料ストリップを歯から除去する時、ストリップは約0.1〜約80%の歯美白物質を放出し、複数の歯にその上に配置される歯美白物質のコーティングを残す。続いて、ヘッド、ハンドル、可動式毛ホルダー、及び歯ブラシのヘッド上に配置されており歯ブラシのヘッドから光を発する発光素子を備えたセンサー反応型歯ブラシで歯をブラッシングする。歯は約30秒、1分、1.5分、2分、4分、5分、8分間から、及び/又は約8分、5分、4分、3分、2分、1.5分、1分、30秒未満の間、電動歯ブラシによってブラッシングすることができる。発光要素は、波長が約420〜約470nmの光を放射することができる。この方法は、約1〜約8週間、1日に約1〜約4回実施することができる。更に、この方法は毎日の口腔ケア法に置き換えて用いることができ、歯の染みを減らす及び予防するために連続的に用いることができる。
別の実施形態では、送達装置又はアプリケータを介して歯美白物質の均一なコーティングを歯の上に配置し、及び歯美白物質の少なくとも一部分が歯の上に一晩残るようにする。歯は、本発明によるセンサー反応型の光源付き歯ブラシで、約30秒、1分、1.5分、2分、4分、5分、8分間から、及び/又は約8分、5分、4分、3分、2分、1.5分、1分、30秒未満の間ブラッシングすることができる。
更に別の実施形態では、洗浄剤を用いて、センサー反応型電動歯ブラシから発せられる光が当たる前及び/又は後のいずれかに、口腔表面を処理する。洗浄剤は、美白活性物質と歯美白活性物質に直接性をもたらし、及び/又は歯美白活性物質の歯の表面への付着を助けるポリマーを含んでいる。続いて、前述の口腔ケア装置を用いて歯をブラッシングし、口腔ケア装置のヘッドから発せられる光を口腔表面に当てる。
前述の方法は、約1日〜約8週の間、1日に約1、2、3、4回〜約5、4、3、2、1回繰り返すことができる。更に、前述の方法は無期限に用いることができ、例えば毎日の口腔ケア法の代わりに用いることができる。染み、歯垢及び細菌を除去することに加え、前記方法を毎日の口腔ケア法の代わりに用いると、追加の歯の染み、歯垢、及び/又は虫歯が形成されるのを防げる場合がある。
本発明によるセンサー反応型歯ブラシは、単一及び/又は複数の処置手順、例えば、1週間又は1カ月間の間、1日に2回実施する処置手順から成る用途に用いることができる。本発明の歯ブラシは、効果を向上するために、発色団、光カップラーなどの様々な出力反応剤とともに用いることができる。前記出力反応剤は、口腔、及び発光歯ブラシや発光マウスピースなどの口腔器具に塗布するための処置剤が含まれている口腔器具システムの一部にすることができる。1つの実施形態では、処置剤は、ペースト、フィルム、液体洗浄剤、スプレー、又はこれらの組み合わせの形状で口腔に塗布する。
本発明のセンサー反応型歯ブラシは、光力学及び光線による様々な口腔内及び口腔周辺治療に用いることができる。このような反応性出力は、センサー入力に応じて提供することができ、あるいは、製造者がプログラムしたとおりに、又はユーザーが選択したとおりに、歯ブラシの使用に関するデータ/時間に基づき自動的に適用されるようにしてもよい。前記治療は、帯域が約280〜3,000nm、出力密度が約1〜10,000mW/cmの光エネルギーの供給に起因するいくつかの生物物理学的現象がベースとなっている。前記現象は総称して生物刺激と呼ばれている。好ましい実施形態では、生物刺激は、約1J/cm〜1,000J/cmのエネルギー束によって発生し、更に好ましい実施形態では、エネルギー束の範囲は約10J/cm〜100J/cmである。
生物刺激としては、例えば、内因性ポルフィリン、シトクロム、及び組織分子酸素による光吸収に起因する歯肉、舌、唾液腺と唾液管、扁桃腺、声帯、唇、頬、顔の口腔周辺皮膚、及びその他の組織の血液及びリンパ微小循環の向上を挙げることができる。光吸収としては、光刺激性酸化窒素(NO)を挙げることができ、前記酸化窒素は血管及び/又はリンパ管の膨張をもたらし、また細胞ミトコンドリアでのCa2+の貯蔵、及び血管平滑筋細胞内のCa2+依存性ATPアーゼの活性化を誘発することができ、前記活性化は、光弱毒***換血管運動神経活性をもたらす。これらのプロセスは、組織の排水機能、内皮細胞及び内皮性白血球の増殖能、並びに口腔上皮、歯肉組織、神経組織、皮膚コラーゲン、及びその他の組織の再生を助ける新たな毛細血管網の形成を活性化する。更に、光線治療と熱の相互作用によって、上記組織及び腺の血液及びリンパ微小循環の活性化をもたらすこともできる。
別の効果としては、導波路型光をエナメル質及び象牙質を通して伝搬することよって生じる歯髄での光の集中に起因する歯髄内の血液微小循環の活性化、及び歯髄からタンパク質マトリックスを通ってエナメル質に達するカルシウムイオン束の相応の増加が挙げられ、これはカルシウムイオンがヒドロキシアパタイト構造内の隙間を埋めるのを助ける。
生物刺激としては、局所(口腔及びその周辺組織)マクロファージ活性並びに線維芽細胞、骨芽細胞、及び象牙芽細胞の増殖の向上も挙げることができる。これによって、上皮、コラーゲン、神経組織、及び歯の硬組織の再生をもたらすことができる。更なる重要な利点は、細菌、菌類、ウイルスの殺除であろう。この効果は、内因性ポルフィリン、分子酸素、組み込まれている外因性染料、鉱物光増感剤、及び/又は鉱物光触媒に対する光作用によって誘発される。
別の望ましい効果は、細菌活性の低減及び口腔病変(口内炎)の治療に起因する口腔内のpHの正常化であり、これは口腔の組織膨張及び浸透圧の低減をもたらす。
この全身に有用な(生物刺激)効果によって、血液及びリンパ照射による免疫能力の向上ももたらすことができる。具体的には、生物刺激は、光による血液及びリンパマクロファージの免疫能力の向上をもたらすことができ、前記向上によって、超酸化物及び酸化窒素、赤血球膜弾性、並びにリンパ球増殖活性を引き起こす。その他の全身性効果としては、ヒトの概日リズムの光誘起制御を挙げることができる。
本発明のセンサー反応型歯ブラシはその他の様々な処置に用いることができ、光放射を用いて口腔の領域を直接照射することを含む。発光歯ブラシ、発光マウスピースの双方を用いて、加温、振動、並びに発色団及び光カップラー剤などの処置剤の適用といった追加の処置工程とともに、又は前記処置工程なしに、口腔内の硬及び/又は軟組織を照射することができる。
1つの実施形態では、発光歯ブラシ及び/又は発光マウスピースを用いて、硬及び/又は軟口腔組織を照射することによって、歯肉出血、歯の知覚過敏、歯痛、骨疾患、エナメル質の変性、齲蝕、根管の炎症、及び歯周疾患などの歯科疾患を治療することができる。前記治療としては、疾患領域に直接照射すること、及び一部のケースでは、治療を助けるために熱又は発色団を用いることを挙げることができる。
F.一部の反応性出力及びセンサー反応型歯ブラシの使用の実施例
歯肉出血の低減。歯肉出血は主に、上皮細胞及びその他の結合組織の増殖低下が原因で発生する。本発明のセンサー反応型歯ブラシは、光照射及びソフトヒーティングを行って、線維芽細胞の増殖の向上を促し、歯肉出血を止める助けとなる上皮、コラーゲン、及びその他の結合組織の再生をもたらす。光受容体としては、内因性ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素が挙げられ、したがって、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、1日線量0.06〜30J/cmによって口腔粘液及び下層組織を照射するのが好ましい。青色光(400〜430nm)は、ポルフィリンを励起するのに非常に有効であり、緑色光(540〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)もポルフィリンを活性化することができる。具体的には、コプロポルフィリンは、402±20(最大励起≒480)、4,950±20、540+30(最大励起≒17)、580±30(最大励起≒6)、623±20nmの波長で、シトクロム、例えばシトジェム(シトクロムオキシダーゼの補欠分子族)は414±20(最大励起≒70)、439±20(最大励起≒117)、446±20(最大励起≒10)、534±20(最大励起≒11)、598±20(最大励起≒16)、635±20nm(最大励起≒9)の波長で、サイトポルフィリンは、415±20(最大励起≒160)、520≒20(最大励起≒9)、560±20(励起≒21)、580±20(最大励起≒11)、617±20、646±20nm(最大励起≒1)の波長で励起させることができる。細菌内に存在しているサイトポルフィリンは感光性が非常に高い。細菌及び菌類に含まれているプロトポルフィリンIXは、410±20(最大励起≒270)、504±20(最大励起≒15)、556±20(最大励起≒15)、600±20(最大励起≒6)、631±20nm(最大励起≒5)の波長で励起させることができる。
分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。血液及びリンパ微小循環に対して相乗効果をもたらすために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃のヒーターによって中等度低体温を実現することも望ましい。
歯の知覚過敏の低減。歯の知覚過敏は主に、飲料及び/又は唾液構成成分に起因する浸透圧が原因で、流体の歯管から歯の神経終末までの動きが増大することから生じる。歯の知覚過敏は、口腔液のpH値が低いことに起因するエナメル質の一時的又は恒久的な脱灰が原因の、エナメル質の多孔性に依存している。口腔液の酸性pH値がより高い(4.0〜5.0)と、エナメル質の透過性は3〜4倍向上する。したがって、エナメル質の光誘起による再石灰化プロセスは、歯の知覚過敏の低減を助けることになるだろう。細菌殺除も、pHの正常化、並びに歯肉膨張の低減、知覚過敏の歯の複合物に加わる浸透圧の低下により、歯の知覚過敏の低減につながるであろう。したがって、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって歯表面を照射するのが好ましい。青色光(400〜430nm)は、細菌性ポルフィリンの励起に非常に有効であり、緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜700nm)も、細菌内のポルフィリンを活性化させ、ラジカルの生成を介して細菌を殺除することができる。緑色光(540〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は、歯髄のポルフィリンを活性化させ、歯髄からタンパク質マトリックスを通ってエナメル質に達するカルシウムイオン束の相応の増加とともに、歯髄の血液及びリンパ微小循環を向上することができ、これはカルシウムイオンがヒドロキシアパタイト構造内の隙間を埋めるのを助ける。組織及び歯髄中に溶解している分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060+20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。ヒーターによって実現させた中等度低体温も、血液及びリンパ微小循環に対して相乗効果をもたらすことができる。更に効率的な細菌殺除は、外因性発色団を適用すること、及び発色団に対応する波長で、具体的には、0.01〜1.0%の濃度のメチレンブルー(MB)色素の場合、660±10nmの波長、及び5〜1,000mW/cmの出力密度で、又は0.01〜1.0%の濃度のインドシアニングリーン(ICG)色素の場合、805±5nmの波長、及び5〜1,000mW/cmの出力密度で照射することによって実現することができる。
歯痛の低減は主に、光刺激性NOが管壁の内皮細胞に及ぼす作用によって生じる血管及び/又はリンパ管の膨張、並びに光弱毒***換血管運動神経活性に起因する歯髄血液及びリンパ微小循環の向上によって実現する。神経活性の直射光誘起阻害も可能である。したがって、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって歯表面を照射する必要がある。緑色光(530〜580mn)及び赤色光(600〜650nm)は歯髄のポルフィリンを活性化させ、歯髄の血液及びリンパ微小循環を向上することができる。組織及び歯髄中に溶解している分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。血液及びリンパ微小循環に対する相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の電気ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。
歯周再生及び骨再生並びにインプラント接続は主に、マクロファージ活性、線維芽細胞、骨芽細胞、及び象牙芽細胞の増殖の増加に起因しており、これは光及び/又は混合光並びに熱による作用が誘因となる。血液及びリンパ微小循環の向上によっても、組織の増殖及び再生が向上する。ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって、歯及び歯周組織を照射すると、マクロファージ活性の向上、線維芽細胞、骨芽細胞、及び象牙芽細胞の増殖の増加、並びに血液及びのリンパ微小循環の向上の原因となるラジカルが生成される。青色光(400〜430nm)は、ポルフィリンを励起するのに非常に有効であり、緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)もポルフィリンを活性化することができる。緑色光(530〜580mn)及び赤色光(600〜650nm)は歯髄のポルフィリンを活性化することができる。分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。マクロファージ活性、線維芽細胞、骨芽細胞、象牙芽細胞の増殖、並びに血液及びのリンパ微小循環の向上における相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の特殊ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。
エナメル質の再石灰化。エナメル質の脱灰は主に、口腔液のpH値が低いことが誘因となる。光及びソフトヒーティングは、歯肉の血液及びリンパ微小循環を活性化するため、唾液からタンパク質マトリックスを通ってエナメル質に達するカルシウムイオン束が増加し、カルシウムイオンがヒドロキシアパタイト構造内の隙間を埋める。細菌の殺除はpHの正常化につながるため、エナメルの脱灰が予防される。したがって、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって歯表面を照射する必要がある。青色光(400〜430nm)は、細菌性ポルフィリンの励起に非常に有効であり、緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)も、細菌内のポルフィリンを活性化させ、ラジカルの生成を介して細菌を殺除することができる。緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は、歯髄のポルフィリンを活性化させ、歯髄の血液及びリンパ微小循環を向上するとともに、歯髄からタンパク質マトリックスを通ってエナメル質に達するカルシウムイオン束を相応に増加することができる。前記増加は、カルシウムイオンがヒドロキシアパタイト構造内の隙間を埋めるのを助ける。組織及び歯髄中に溶解している分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。血液及びリンパ微小循環の向上における相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の電気ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。超音波導入及び/又は電気泳動は、血流及びリンパ流を増大させ、歯の硬組織内のCa及びP元素の分配をより円滑にするのを助ける。更に効率的な細菌殺除(必要な場合)は、外因性発色団を適用すること、及び発色団に対応する波長で、具体的には、0.01〜1.0%の濃度のメチレンブルー(MB)色素の場合、660±10nmの波長、及び5〜1,000mW/cmの出力密度で、又は0.01〜1.0%の濃度のインドシアニングリーン(ICG)色素の場合、805±5nmの波長、及び5〜100mW/cmの出力密度で照射することによって実現することができる。
一般的に、主に連鎖球菌突然変異細菌が原因で発生する齲蝕の予防。上に述べたように、光並びに口腔内に組み入れた内因性ポルフィリン、及び/又はシトクロム、及び/又は分子酸素、及び/又は外因性色素、及び/又は鉱物光触媒を誘因とする光力学作用による細菌殺除は、齲蝕の予防及び治療のための技法である。光及び熱によって歯髄及び歯肉内の血液及びリンパ微小循環を誘発すること、並びに唾液からエナメル質に達するカルシウム束を増加することによっても、齲蝕を防げる。したがって、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって歯表面を照射する必要がある。青色光(400〜430nm)は、細菌性ポルフィリンの励起に非常に有効であり、緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)も、細菌内のポルフィリンを活性化させ、ラジカルの生成を介して細菌を殺除することができる。緑色光(540〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は、歯髄のポルフィリンを活性化させ、歯髄の血液及びリンパ微小循環を向上するとともに、歯髄からタンパク質マトリックスを通ってエナメル質に達するカルシウムイオン束を相応に増加することができ、これはカルシウムイオンがヒドロキシアパタイト構造内の隙間を埋めるのを助ける。組織及び歯髄中に溶解している分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。血液及びリンパ微小循環に対する相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の電気ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。超音波導入、及び/又は電気泳動は、血流及びリンパ流を増大させ、歯の硬組織内のCa及びP元素の分配をより円滑にするのを助ける。更に効率的な細菌殺除(必要な場合)は、外因性発色団を適用すること、及び発色団に対応する波長で、具体的には、0.01〜1.0%の濃度のメチレンブルー(MB)色素の場合、660±10nmの波長、及び5〜1,000mW/cmの出力密度で、又は0.01〜1.0%の濃度のインドシアニングリーン(ICG)色素の場合、805±5nmの波長、及び5〜100mW/cmの出力密度で照射することによって実現することができる非常に有効かつ非特異的な1重項酸素及びその他のラジカル生成物は、カーボンブラック、フラーレン、又はチューブリンのようなカーボンナノ粒子又はナノチューブを広帯域(300〜900nm)励起させた時、及び/又はMB及び/又はICG色素と混合させたTiOナノ粒子のような光触媒を適用した時に得ることができる。
根管の殺菌及び炎症の予防も、光、並びに局部血液及びリンパ微小循環を介して歯髄内に組み入れた内因性ポルフィリン、とりわけプロトポルフイリンIX、及び/又は分子酸素、及び/又は外因性色素を誘因とする光力学作用によって実現することができる。導波管伝搬によって光が歯髄に集中し、その結果、光効率が向上し、歯髄の血液及びリンパ微小循環が活性化する。光は、微生物に対する宿主防衛を担うSO及びNOを生成するマクロファージの免疫能力も向上する。したがって、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって歯表面を照射する必要がある。緑色光(540〜580mn)及び赤色光(600〜650nm)は歯髄のポルフィリンを活性化させ、殺菌の殺除、マクロファージの免疫能力の向上、及び歯髄内の血液及びリンパ微小循環の向上のためにラジカルを生成することができる。組織及び歯髄中に溶解している分子酸素は、580±20、630±20、760±20、106±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。血液及びリンパ微小循環に対する相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の電気ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。超音波導入及び/又は電気泳動は、血流及びリンパ流を増大するのを助ける。根管及び歯突起領域に達する光によって、細菌の増殖に伴う炎症を予防又は低減することができる。
歯周疾患の予防及び治療は、活性(1重項)酸素及びその他のラジカルの生成を通じて歯周病変部に組み入れた内因性ポルフィリン、及び/又は分子酸素、及び/又は外因性色素、及び/又は鉱物光触媒の励起による細菌上の光の致死効果によるものでもある。光は、微生物に対する宿主防衛を担うSO及びNOを生成するマクロファージの免疫能力も向上する。光及びソフトヒーティングは血液及びリンパ微小循環を活性化させ、その結果、内皮細胞の増殖能及び歯肉を歯に付着させ続ける助けとなる新たな毛細血管網の形成を活性化する。したがって、光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるもの(齲蝕の予防の部分を参照のこと)と同じである。
軟組織の治療:
本発明のセンサー反応型歯ブラシの別の利点は、指向性放射を可能にするという点である。以下で論じるケースの一部では、任意に、舌組織、神経組織、咽喉組織、血管組織、毛嚢、脂嚢、脂腺、顔面皮下脂肪、顔面筋肉組織、リンパ系、コラーゲン、染み、並びに/又はその他の顔面組織及びその他の口腔組織も含めたその他の組織などの第1の軟組織に放射するのが望ましい。前記歯ブラシでは、放射光を放出する方向を選択することによって、放射を上記組織領域に指向することができる。例えば、顔面組織に放射するために、放射光源を発光歯ブラシの外辺部の上に配置することができる。毛の方向(歯の硬組織の方向)にしか放射しない従来の歯ブラシとは異なり、前記センサー反応型歯ブラシから発せられる放射は、放出される放射が口腔の粘膜内層に浸透して、ユーザーの顔面軟組織内の領域に光線療法を施すように指向することができる。
これに加え、本発明のセンサー反応型歯ブラシでは、これまでは口腔の外側から治療を行ってきた特定の状態を、口腔内から放射光源を用いて治療することができる。例えば、前記歯ブラシでは、にきびのある皮膚に放射することによってにきびを治療する代わりに、口腔内から標的組織の方向に直接放射することができる。口腔の組織壁に含まれているコラーゲンの量が限られていることから、口腔内の組織により浸透しやすくなるため、これは有益である。この結果、光エネルギーがより組織に浸透しやすくなり、より低いエネルギーでの治療が実現するとともに、組織の損傷リスクが低下する。このタイプの治療法に適した波長の範囲は約280nm〜1,400nmであり、更に好ましいのは約590nm〜1,300nmの範囲である。
活性(1重項)酸素及びその他のラジカルの生成物を通じて口腔粘液の病変部に組み入れた内因性ポルフィリン、及び/又は分子酸素、及び/又は外因性色素、及び/又は鉱物光増感剤、及び/又は鉱物光触媒の励起によるウイルス及び細菌上の光の致死効果による、口腔粘液の炎症性疾患(口内炎、すなわち、口角の表在性びらん及び亀裂、単純ヘルペスウイルスを原因とする、小胞形成を伴う口腔粘膜の急性感染、頬、舌、及び唇上の浅い潰瘍を伴う口内炎)の改善。光は、微生物に対する宿主防衛を担うSO及びNOを生成するマクロファージの免疫能力も向上する。光及びソフトヒーティングは血液及びリンパ微小循環を活性化させ、その結果、上皮細胞の増殖能を活性化する。光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるもの(齲蝕の予防の部分を参照のこと)と同じである。
活性(1重項)酸素及びその他のラジカルの生成を通じて舌の病変部に組み入れた内因性ポルフィリン、及び/又は分子酸素、及び/又は外因性色素、及び/又は鉱物光増感剤、及び/又は鉱物光触媒の励起による微生物上の光の致死効果による、舌疾患(微生物及び色素と肥大化糸状乳頭から構成されており、舌背上に茶色の毛のような形状をした斑ができる黒舌、剥離上皮、堆積物、細菌、菌類などから成る白又は黄色がかった層に舌が覆われる舌苔)の改善。光は、微生物に対する宿主防衛を担うSO及びNOを生成するマクロファージの免疫能力も向上する。光及びソフトヒーティングは血液及びリンパ微小循環を活性化させ、その結果、上皮細胞の増殖能を活性化する。光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるもの(齲蝕の予防の部分を参照のこと)と同じである。
舌下襞上の口内に通じている唾液腺及び小舌下腺管(リビヌス管)の炎症からの回復。口内炎及び舌疾患と同様の回復メカニズムが見込まれる。光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるもの(齲蝕の予防の部分を参照のこと)と同じである。
口腔組織の痛みの低減は主に、光刺激性NOが管壁の内皮細胞に及ぼす作用によって生じる血管及び/又はリンパ管の膨張、並びに光弱毒***換血管運動神経活性に起因する血液及びリンパ微小循環の向上によって実現する。神経活性の直射光誘起阻害も可能である。光の出力密度、1日線量、及び波長は、歯痛の低減に用いるもの(歯痛の低減の部分を参照のこと)と同じである。
主に黄色ブドウ球菌の増殖を原因とする咽頭炎、アンギナ、急性又は慢性扁桃炎(扁桃腺の炎症である扁桃炎、とりわけ、口蓋扁桃の炎症である扁桃炎、すなわち、腺窩に影響を及ぼす扁桃炎である濾胞性扁桃炎、実質性扁桃炎、扁桃の全体に影響を及ぼす急性扁桃炎、膿疱の形成を特徴とする扁桃炎の一種である膿疱性扁桃炎)などの改善。前記改善は、活性(1重項)酸素及びその他のラジカルの生成を通じて咽頭腺の病変部に組み入れた内因性ポルフィリン、及び/又は分子酸素、及び/又は外因性色素、及び/又は鉱物光増感剤、及び/又は鉱物光触媒の励起による細菌上の光の致死効果に起因している。光は、微生物に対する宿主防衛を担うSO及びNOを生成するマクロファージの免疫能力も向上する。光及びソフトヒーティングは血液及びリンパ微小循環を活性化させ、その結果、上皮細胞のの増殖能を活性化する。光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるものと同じである。増殖細胞内のポルフィリンの誘導物質である低濃度のALAを320〜640nmの励起で用いるALA関連型治療は、口腔粘膜上皮細胞の異常増殖、腺の増殖、口腔(歯肉、腺、舌、咽喉など)内の微生物コロニーの抑制に用いることができる。とりわけ、咽頭糸状菌症の治療を行うことができる。
主に肺炎球菌を原因とする歯性上顎洞炎。アンギナ及び扁桃炎と同様の回復メカニズムである。光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるもの(齲蝕の予防の部分を参照のこと)と同じである。
喉頭炎及び声帯のその他の炎症の回復。アンギナ、扁桃炎、及び歯性上顎洞炎と同様の回復メカニズムである。光の出力密度、1日線量、及び波長は、齲蝕の予防に用いるもの(齲蝕の予防の部分を参照のこと)と同じである。
光及び/又は光と熱の作用の組み合わせによる作用を誘因とするマクロファージ及び線維芽細胞の増殖活性の増大、並びに新たなコラーゲンの生成による皮膚のきめ、弾性の改善、並びに唇及び頬周辺のしわの減少(すなわち肌の若返り)。血液及びリンパ微小循環の向上によって、組織の増殖及び再生力も向上する。光の出力密度、1日線量、及び波長は、歯周再生及び骨再生、並びにインプラント接続に用いるもの(歯周再生及び骨再生、並びにインプラント接続の部分を参照のこと)と同じである。
にきびの改善。赤色光の高い浸透度のおかげで、所要照射線量を頬組織を通じて脂腺に供給して、脂腺内に細菌が集中するにきびに光の致死効果を及ぼすことができる。細菌性ポルフィリンの光励起によって、選択的に前記細菌を殺除する活性(1重項)酸素及びその他のラジカルが生成される。したがって、細菌性ポルフィリンに対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって口腔内側の頬を照射するのが望ましい。緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は頬組織を貫通し、にきびの細菌性ポルフィリンを活性化させて、細菌を殺除するラジカルを生成することができる。にきび治療の効率性は、赤及び/又はNIR放射の利用と併せて、適切な光増感剤(例えばメチレンブルー、インドシアニングリーン、ALAなど)をにきびの病変部に適用することによって向上することができる。
発毛の制御は、毛嚢内の血液及びリンパ微小循環を光及び/又は混合光、並びに熱による作用によって正常化することによって実現することができる。ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって口腔組織を照射すると、管の膨張及びそれに相応する血液及びのリンパ微小循環の向上を担うラジカルが生成される。緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は頬組織を貫通し、ポルフィリン及びシトクロムを活性化する。分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268+20nmの波長で光活性化することができる。血液及びのリンパ微小循環の向上における相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の特殊ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。発毛の制御としては、例えば、1回又は時間依存性の一連の放射を用いて複数の毛嚢を選択的に破壊することによる脱毛又は減毛を挙げることができる。
血管の改善は、光及び/又は光と熱の作用の組み合わせによる作用を誘因とするマクロファージ及び線維芽細胞の増殖活性の増大と新たなコラーゲン及び上皮の生成とを関連させることができる。ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって口腔組織を照射すると、マクロファージ活性の向上、線維芽細胞の増殖、及びコラーゲンの増加を担うラジカルが生成される。緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は頬組織を貫通し、組織のポルフィリン及びシトクロムを活性化する。分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。マクロファージ活性、線維芽細胞の増殖、及びコラーゲンの増加における相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の特殊ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。
口囲皮膚炎の治療は、光によるマクロファージの免疫能力の向上、光による血液及びリンパ微小循環の活性化によるものであり、上皮細胞の増殖能の向上をもたらす。ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって口腔組織を照射すると、マクロファージ活性の向上、血液及びリンパ微小循環の向上を担うラジカルが生成される。緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は頬組織を貫通し、ポルフィリン及びシトクロムを活性化する。分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。マクロファージ活性、及び血液及びリンパ微小循環の向上における相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の特殊ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。
歯肉、歯、唇、及び舌といった口腔組織内の顔面三叉神経末梢受容体、及び口腔組織機能を支配するその他の神経の損傷の治療は、神経細胞ミトコンドリア内にCa2+を貯蔵し、続いて前記細胞内のCa2+依存性ATPアーゼを活性化することによって実施することができる。神経組織の再生では、光と熱の作用の組み合わせによる作用を誘因とする血液及びリンパ微小循環の向上も重要であろう。光の出力密度、1日線量、及び波長は、口囲皮膚炎の治療に用いるものと同じである。
口腔組織の痛みの低減は主に、光刺激性NOが管壁の内皮細胞に及ぼす作用によって生じる血管及び/又はリンパ管の膨張、並びに光弱毒***換血管運動神経活性に起因する血液及びリンパ微小循環の向上によって実現する。神経活性の直射光誘起阻害も可能であるこのプロセスには、口の隅の口腔粘膜及び頬の皮膚を刺激する頬神経、歯、骨膜及び歯肉を刺激する下歯及び上歯槽動脈、咽頭の筋肉、舌の筋肉、顎から舌の筋肉、及び口腔下部の粘膜を刺激する舌咽神経、舌下神経、及び舌神経、咽頭の筋肉及び粘膜を刺激する下喉頭神経、反回神経、及び上喉頭神経、咀嚼筋を刺激するを咬筋神経という神経が関与していると思われる。光の出力密度、1日線量、及び波長は、歯痛の低減に用いるものと同じである。
人体の免疫能力に対する有効な効果、とりわけ、光による血液及びリンパマクロファージの免疫能力の向上による効果(前記の免疫能力の向上は、超酸化物及び酸化窒素、赤血球膜の弾性、リンパ球増殖活性をもたらす)。光受容体は内因性ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素である。したがって、血管によって十分に供給される口腔粘液及び下層組織の照射は、出力密度1〜1,000mW/cm、1日線量0.06〜30J/cmで、ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で行う必要がある。青色光(400〜430nm)は、ポルフィリンを励起するのに非常に有効であり、緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)もポルフィリンを活性化させることができる。具体的には、コプロポルフィリンは、402+20(最大励起≒480)、495±20、540±30(最大励起≒17)、580±30(最大励起≒6)、623±20nmの波長で、シトクロム、例えばシトジェムは414±20(最大励起≒70)、430±20(最大励起≒117)、446±20(最大励起≒10)、534±20(最大励起≒11)、598±20(最大励起≒46)、635±20nm(最大励起≒9)の波長で、及びサイトポルフィリン(ポルフィリンa)は415±20(最大励起≒160)、520±20(最大励起≒9)、569±20(励起≒21)、580±20(最大励起11)、617±20、646±20nm(最大励起≒1)の波長で励起させることができる。プロトポルフィリンIXは、410±20(最大励起≒270)、504±20(最大励起≒15)、556±20(最大励起≒15)、600±20(最大励起≒6)、631±20nm(最大励起≒5)の波長で励起させることができ、分子酸素は、580±20、630±20、760+20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化させることができる。
概日リズムの制御。470nmの青色光はヒトの概日リズムに影響を及ぼし、バイオリズム疾患を抱えるあらゆる人に適用可能と思われる。考えうる光受容体は血液のビリルビン及び/又はコプロポルフィリンである。血管によって十分に供給される口腔粘液及び下層組織の光照射は、出力密度1〜1,000mW/cm、1日線量0.06〜30J/cm、ビリルビン吸収(455±20nm)、並びに/又はコプロポルフィリンI及びIII吸収に対応する波長(402±20、470±20、540±30、580±30、620±20nm)で行うのが望ましい。本発明の一部の実施形態では、発光歯ブラシは、ユーザーの概日サイクルを管理するのを支援するために、朝、ユーザーの口腔を特定の波長の放射光、例えば青色光(又はその他の生物刺激光)によって照射し、夕方、口腔を別の波長の放射光、例えば赤色光(又は沈静作用のある光)によって照射するのに用いることができるようになっている。
血液の代謝成分、具体的には、赤血球の通常崩壊又は病的崩壊によって血流内に現れるビリルビンを制御可能な形で破壊することによって、ビリルビン血症などの疾患を予防できる。450〜460nm、出力密度1〜1,000mW/cm、及び、1日線量0.06〜30J/cmで、血管によって十分に供給される口腔粘液及び下層組織を照射するのが好ましい。
ALA、ヘマトポルフィリンなどの適切な光剤の局所(例えば口腔粘膜への)適用、又は静脈注射による光力学作用を介した血液微小循環系内のウイルスの殺除。この治療法では、血管によって十分に供給される口腔粘液及び下層組織の光照射は、好ましくは、出力密度1〜1,000mW/cm、1日線量0.06〜30J/cm、及び使用する光剤の吸収スペクトルに対応する波長で行う必要がある。ALAを適用する場合、前記波長は、プロトポルフィリンIXの吸収帯に対応する値(409±20、503±20、538±20、555±20、576±20、600±20、632±20nm)であり、ヘマトポルフィリン誘導体(HPD)の場合の波長は620±20nmである。
唇の疾患も、光及び/又は混合光、並びに熱による作用によって治療することができる。ポルフィリン、シトクロム、及び分子酸素に対応する波長で、出力密度1〜1,000mW/cm、及び1日線量0.06〜30J/cmによって口腔組織を照射すると、マクロファージ活性の向上、線維芽細胞の増殖、及びコラーゲンの増加を担うラジカルが生成される。緑色光(530〜580nm)及び赤色光(600〜650nm)は頬組織を貫通し、組織のポルフィリン及びシトクロムを活性化する。分子酸素は、580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で光活性化することができる。マクロファージ活性、線維芽細胞の増殖、及びコラーゲンの増加における相乗効果を得るために、0.5〜3分の長さの歯の清浄手順中に、最高で43℃の特殊ヒーター(又はLED電流による加温)によって中等度低体温を実現することが望ましい。
薬物の送達。口腔、とりわけ、舌下領域内の軟組織を放射することによって、薬物の血流中への送達効率を向上することができる。光放射によってNO種が生成され、続いてNO種が血管を拡張させ、これによって、組織表面の上に配置した薬剤の吸収速度及び効率性を上昇することができる。1つの実施形態では、薬物は舌下に配置されており、光放射は隣接している軟組織の方向に指向する。より複雑な別の薬物送達には、化学治療構成成分のIn situ活性が必要となり、不活性状態で、放射によって口腔組織中に容易に拡散することができる。例えば、このような不活性形状の薬剤は、患者の口腔組織に投与することができ、前記投与後に、特定の波長による照射によって活性化する。
本発明の口腔装置、センサー反応型歯ブラシの別の利用法は歯の美白及び研磨である。現行の歯美白技術はすべて、過酸化物の化学漂白効果がベースとなっている。歯の色は、歯の構造及び獲得被膜、エナメル質、象牙質の光学的特性によって形成されている。通常、これらの構成要素の全てが、染みの付着した外観を発生する原因になる。歯の美的外観は、エナメル質及び象牙質からの反射によって決まる。外因性及び/又は内因性の着色によって歯の色がもたらされる。通常、タンニン、その他の食品色素、及び煤煙のポリフェノール構成成分など、歯の表面上のタンパク層内に捕捉され、前記層に強固に結合する化合物は、獲得被膜の外因性着色をもたらすとともに、典型的には、歯ブラシを用いて機械的に除去することができる。歯の天然色は、象牙質、及びエナメル質と象牙質の接点の光拡散及び吸収特性によって決まる。コラーゲンなど、象牙質に含まれているタンパク質のうち、老化している多くのタンパク質は、分子構造の変化が原因で黄色味が増す。このような年齢依存性着色は、内因性着色の一例である。煙草、コーヒー、赤ワインの愛好家では、食用着色剤が歯の深部まで、エナメル質、更には象牙質まで浸透する場合があり、この結果、機械的清浄によって除去することができず、食用着色剤は内因性とみなす必要がある。飲料水中の過剰フッ素、又はテトラサイクリンの長期間にわたる使用によって発生する系統的病変の一部は、内因性着色の別の例である。歯の内因性の染みを漂白する際には通常、酸化又は酵素の適用をベースとする化学的手法を用いる。
本発明のセンサー反応型歯ブラシから発せられる光放射を利用すると、効率的な歯の美白及び研磨を実現することができる。発光歯ブラシを使用することから得られる更なる利点は、主に細菌の殺除及び病変の治療をベースに、ユーザーの家で歯周病、齲蝕、及びその他の口腔疾患を同時予防及び/又は治療できることであろう。
センサー反応型歯ブラシでは、1)短波長(300〜500nm)によって直接光退色を行う、2)光熱漂白の際に、960±20nm、及び/又は1,200〜12,000nm、より好ましくは1,450±150nm、及び/又は1,890±250nm、及び/又は2,400〜3,200nm、9,000〜12,000nmの範囲の波長を用いる、3)580±20、630±20、760±20、1,060±20、及び1,268±20nmの波長で酸素によって組織内へ光吸収すること、並びに/又は内因性及び/又は外部適用型光増感剤及び/又は光触媒(FDA認可済み色素、及び/又はカーボンブラック(グラフトコポリマー)、フラーレン(カーボンナノ粒子)、及び/又はチューブリン(カーボンナノチューブ)、及び/又はTiOナノ粒子)に対する光力学的作用によって、光増感剤の吸収帯に対応する、300〜900nmの選択的波長で光吸収することを利用して、1重項酸素をエナメル質及び象牙質内に直接光及び光化学的に生成するという、エナメル質及び象牙質における色中心漂白のための代表的なメカニズムをベースとした歯の光学的美白及び研磨を実現することができる。
1つの態様では、本発明は、歯の深部に放射を指向させ、象牙質構造及び歯髄の内因性の染みを処置するものである。一部の実施形態では、本発明のセンサー反応型歯ブラシは、象牙質の染みに光を放射する。本発明の主な利点の1つは、歯の表面上のみならず、硬組織(エナメル質及び象牙質)の奥にも1重項酸素のような活性ラジカルを生成すること、すなわち、内因性着色剤を効率的に漂白することが可能な点である。象牙質の導波路(光結晶)構造によって、水で満たされている象牙質細管(直径1〜5ミクロン)、及び有機(コラーゲン)物質に囲まれている象牙芽細胞内に光を集中することが可能になる。バルク光吸収材を漂白するという本発明の特定の特徴は、光のバルク吸収を低減させ、及び後方散乱を増大することによって、歯の美白のみならず、歯の研磨も実現する。光生物刺激を用いて、象牙芽細胞及び象牙質を放射標的にし、それによって歯の深層構造の美的外観を向上することによって、新たな象牙質の増殖をもたらすこともできる。更には、低線量の放射を毎日用いると、歯の再生をもたらすことができる。
別の実施形態では、本発明のセンサー反応型歯ブラシは、象牙質及びエナメル質の染みを低減する目的で歯を照射するのに用いられており、前記照射によって、歯を美白及び研磨する。1つの実施形態では、約300〜1,350nmの波長域の放射光で歯を光学的に放射する。また、前記歯ブラシは、より良い丁寧な清浄を実現する機械式バイブレータ、及び/又は光増感剤の電気泳動をもたらす電極も備えている。これに加え、エナメル質から発せられる反射光及び/又は蛍光を検知するための光検知器及びマイクロチップを用いて、歯の色を監視することができる。
電気ヒーター、又は約800nm〜約100,000nm(100ミクロン)の波長の放射によって加温することを利用して、美白及び研磨を促進することができる。放射光によって深部及び局部加温が可能になるため、放射光の利用はとりわけ有益である。適切な波長を選択することによって、所定の深部まで歯を加温することができ、さらに熱誘導型漂白及び拡散によって色中心を破壊してエナメル質から除去することができる。染みは歯から拡散し、唾液又は生理食塩水(存在する場合)に溶解することができる。好ましい波長の範囲としては、960±20nm、及び/又は1,200〜100,000nm、より好ましくは1,450±150nm、及び/又は1,890±250nm、及び/又は2,400〜3,200nmが挙げられる。
本発明のセンサー反応型歯ブラシは、内因性光吸収材のみを用いて歯を光漂白することもできる。あるいは、上で論じた外因性発色団を用いて、歯の美白及び研磨の効率性を向上することができる。発色団(及びその他の処置剤)を歯に塗布し、続いて歯を照射することができる。
別の実施形態では、染みの吸収領域内に直接光を放射することによって、象牙質の染みを選択的に光漂白することができる。従来の歯美白法とは異なり、本発明によって、ユーザーは、染みの吸収スペクトル(約280〜約800nmの範囲内になると思われる)を中心とする特定の波長範囲を用いることができるようになる。この結果、ごく狭い波長域による美白及び研磨が実現する。
本発明の別の実施形態では、通常は光線療法で既知の出力密度による放射(1〜30日の間隔をあけて1〜10回治療が行われる)を行うと反応する状態に用いるものとして、生物刺激及び/又は歯科光線療法が開示されている。しかしながら、本発明では、一時的な間隔を設けながら行う一連の治療セッションを患者に施す。この場合、各セッションでは、従来のプロトコルに従って状態を治療する際に必要とされる典型的な出力密度よりも低い出力密度の放射線治療が実現する。本方法は、通常は光線療法で口腔に既知の出力密度による放射を適用すると反応する状態を選択する工程、及び一時的な間隔を設けながら行う一連の治療セッションを患者に施す工程から構成することができる。各セッションでは、患者の状態を治療するために必要とされる典型的な出力密度よりも低い出力密度の放射線治療が実現する。一時的な間隔を設けながら行う一連の治療セッションは、一連の治療セッションの蓄積効果によって患者の状態が改善するまで継続することができる。患者の皮膚表面に適用する出力密度は約1mW/cm、及び約100W/cmであり、少なくとも、治療する状態及び放射の波長に左右される。歯又は粘膜表面部分のエネルギーは約10mW/cm〜10W/cmであるのが好ましい。放射は1秒〜1時間の間、適用することができる。エネルギー束は、約1J/cm〜1,000J/cm、好ましくは約10J/cm〜100J/cmにすることができる。多くの実施例では、LETM又はLEMPの発光面積は、約0.1〜約100cmにすることができ、さらに供給電力は、約1mW〜約10W、好ましくは約10mw〜約1Wである。この電力は、上述した光源のような、バッテリーほどの大きさにできる電源、又はウォールプラグ型電源を備えた高性能の光源を用いて供給することができる。
本明細書に記載の実施形態の特徴、態様、細部のいずれも、本明細書に記載のその他の1つ以上の実施形態の、他のいずれかの特徴、態様、又は細部と完全又は部分的に組み合わせることができるということを留意するのが重要である。例えば、本発明のセンサー反応型歯ブラシには、(1)例えば(i)1つ以上のセンサー入力素子、(ii)1つ以上のセンサー出力素子、又はこれらの素子の組み合わせなど、1つ以上のセンサーとともに、(2)(i)1つ若しくは複数の機械的出力、(ii)1つ若しくは複数の光ベースの出力、(iii)1つ若しくは複数の化学ベースの出力、又は(iv)これらの出力の組み合わせのような1つ以上の出力を搭載することができる。この結果得られたセンサー反応型歯ブラシは、キットと併せて供給することができ、及び/又は1つ以上の交換式ヘッド又はネック集合体とともに供給することができる。
また、本発明のセンサー反応型歯ブラシについては主に、電動可動式毛集合体を備えた電動歯ブラシと関連させて説明してきたが、本発明には、電動の毛が使われていない口腔ケア器具も含まれている。例えば、本発明には、本明細書に記載の1つ以上の出力とともに本明細書に記載の1つ以上のセンサーを備えている手動歯ブラシを含む。特定の実施形態では、本発明に歯ブラシ以外の口腔装置又は器具を含むとも考えられる。
米国特許出願番号60/501,266号(2003年9月9日申請)、米国特許出願番号10/832,168号(2004年4月26日申請)、米国特許出願番号10/847,429号(2004年5月17日申請)、米国特許出願番号10/842,302号(2004年5月10日申請)、米国特許出願番号10/887,644号(2004年7月9日申請)、米国特許出願番号10/887,667号(2004年7月9日申請)、米国特許出願番号10/888,206号(2004年7月9日申請)、米国公開特許出願番号US2004/0191729A1号(2004年2月10日申請)、米国公開特許出願番号US2004/0193235A1号(2004年2月10日申請)、米国公開特許出願番号US2004/0193236A1号(2004年2月10日申請)、米国公開特許出願番号2004/0199227A1号(2004年2月10日申請)、米国公開特許出願番号US2004/0204745A1号(2004年2月10日申請)、米国公開特許番US2004/0210276A1(2004年2月10日申請)、及び米国特許第6,648,904号という特許出願及び特許には、本明細書に記載のセンサー反応型歯ブラシの様々な態様に関する更なる詳細が記載されている。
本明細書に記載のセンサー反応型歯ブラシに関する更なる態様、詳細、及び異型のデザインは、米国特許第3,624,219号、同4,066,745号、同4,834,969号、同5,057,308号、同5,057,309号、同5,057,310号、同5,082,444号、同5,095,615号、同5,096,699号、同6,214,320号、及び同6,509,007号に記載されている。同様の情報が含まれていると思われる米国公開特許出願としては、2001/0002994号、2003/0082113号、2003/0190292号、及び2004/0014001号が挙げられる。また、欧州特許公開番号EP1104669号にも関連情報が含まれている可能性がある。
本明細書で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることの容認として解釈すべきでない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
本発明は、特定の部分及び部分の構成において物理的形状にすることができ、本発明の実施形態は本明細書に詳細に記載されており、本明細書の一部を形成する添付図面に例示されている。
本発明による電動歯ブラシの実施形態の斜視図。 図1の電動歯ブラシの上平面図。 図1の電動歯ブラシの横断側面図。 本発明による電動歯ブラシの実施形態のヘッド及びネックの横断側面図。 本発明の別の実施形態のヘッド及びネックの部分正面図。 本発明の更に別の実施形態のヘッド及びネックの部分正面図。 本発明の更に別の実施形態のヘッド及びネックの部分正面図。 本発明の更に別の実施形態のヘッド及びネックの部分正面図。 本発明の更に別の実施形態のヘッド及びネックの部分正面図。 本発明の更に別の実施形態のヘッド及びネックの部分正面図。 本発明による電動歯ブラシの別の実施形態であって、歯ブラシに、ハンドルから分離可能なヘッド及びネックを備えている実施形態の斜視図。 本発明での使用に適した電気構成の概略図。 本発明での使用に適した発光素子の様々な色のスペクトル分布のグラフ。 本発明での使用に適した白色光を発光する発光素子のスペクトル分布のグラフ。 本発明の使用に適した光の放射パターンを示したグラフ。 発光ダイオードと露光面の間の空隙の形状を示した図。 特定の立体角内の光の平均強度を測定するための試験法を示した図。 センサー反応型の光源付き電動歯ブラシが歯の表面温度に及ぼす影響を測定するための試験法を示した図。 発光ダイオードの断面図。 発光体を1つ以上、及び光出力を1つ備えている発光ダイオードの断面図。 発光体を1つ以上、及び光出力を1つ備えている発光ダイオードの断面図。 発光体を1つ以上、及び光出力を1つ備えている発光ダイオードの断面図。 発光体を1つ以上、及び光出力を1つ備えている発光ダイオードの断面図。 センサー反応型歯ブラシを動作する代表的なプロセスを示したフローチャート。 センサー反応型の光源付き歯ブラシのハンドル又は本体部分の上に交換式ヘッド及びネックを設置する様子を示した部分側面図。 センサー反応型の光源付き歯ブラシのハンドル又は本体部分の上に交換式ヘッド及びネックを設置する様子を示した部分側面図。 センサー反応型歯ブラシの実施形態の電気図。 センサー反応型歯ブラシの別の実施形態の電気図。

Claims (46)

  1. 口腔ケア効果をもたらす方法であって、
    センサーを備えた歯ブラシを作動させること、
    前記センサーによってセンサー入力を検知すること、
    前記センサー入力に応じて前記歯ブラシから反応性出力を開始させること、を含む方法。
  2. 前記センサー入力を評価することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記歯ブラシから前記反応性出力を開始させる前に、前記センサー入力が最低閾値レベルに達する、請求項2に記載の方法。
  4. センサー出力を開始させることを更に含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記センサー入力が前記センサー出力の変化を検知する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記センサー出力素子が発光素子である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記センサー入力が光の変化を検知する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記光の変化が、蛍光を発する細菌に起因する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記センサー入力が化学物質を検知する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記センサー入力が特定の波長の光を検知する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記反応性出力が、(i)前記可動式毛ホルダーの速度を上昇させること、(ii)前記可動式毛ホルダーの動作を変化させること、(iii)前記歯ブラシの少なくとも一部を振動させること、(iv)組成物を投与すること、(v)発光素子を点灯すること、(vi)熱を放出すること、及びこれらのいずれかの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記組成物は、酸素ラジカル発生剤を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記組成物は、過酸化水素、過酸化尿素、及び過炭酸塩から成る群から選択された薬品を含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記組成物は、チオキサントンを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記組成物は、リボフラビンを含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記組成物は、クロロフィルを含む、請求項11に記載の方法。
  17. 前記組成物は、トルイジンブルー、メチレンブルー、及びジヘマトポルフィリンエステルから成る群から選択された薬品を含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記組成物は、金属及び金属錯化剤から成る群から選択された薬品を含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記組成物は、Ag、Mn、及びFeから成る群から選択された金属を含む、請求項11に記載の方法。
  20. 前記出力は、組成物を投与すること及び前記組成物を活性化させる波長の発光素子を点灯することを含む、請求項11に記載の方法。
  21. 前記光の波長が約300〜約650ナノメートルである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記出力の開始を通知するためにユーザーに信号が送られる、請求項1に記載の方法。
  23. 前記信号が、聴覚信号及び視覚信号から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記聴覚信号が、ビープ音、歌、音色、リング音、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記視覚信号が、光、絵、文書メッセージ、色、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記歯ブラシからの前記出力の終了を通知するためにユーザーに信号が送られる、請求項1に記載の方法。
  27. 前記センサー入力を監視することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記センサー入力の強度を評価することを更に含む、請求項30に記載の方法。
  29. 前記センサー入力の変化についてユーザーに指標を提供することを更に含む、請求項31に記載の方法。
  30. 前記指標が、聴覚信号及び視覚信号から成る群から選択される、請求項32に記載の方法。
  31. センサー反応型電動歯ブラシであって、
    ハンドル、ヘッド、及び前記ハンドルと前記ヘッドの間に伸びているネックが備わっており、前記ハンドルに中空内側領域が備わっており、前記ヘッドに、その上に配置される毛が備わっており、前記電動歯ブラシに長手方向軸が備わっており、
    前記電動歯ブラシ上に配置されるセンサー、
    センサーフィルター、
    前記ヘッド上に配置される1つ以上の可動式毛ホルダーが備わっており、前記可動式毛ホルダーに、その上に配置される複数の毛が搭載されており、さらに、
    前記中空内側領域内に配置されるモーターが備わっており、前記モーターが駆動軸によって前記可動式毛ホルダーに作動的に接続されている、電動歯ブラシ。
  32. 発光素子が更に備わる、請求項31に記載の電動歯ブラシ。
  33. 前記発光素子が、前記歯ブラシの後部上に配置される、請求項32に記載の電動歯ブラシ。
  34. 第2の発光素子が、前記歯ブラシの前記ヘッドの毛保持面の上に配置される、請求項31に記載の電動歯ブラシ。
  35. 発光素子が2つ以上備わる、請求項31に記載の電動歯ブラシ。
  36. 前記発光素子が、波長の異なる光を発する、請求項35に記載の電動歯ブラシ。
  37. 前記発光素子が、強度の異なる光を発する、請求項35に記載の電動歯ブラシ。
  38. センサー反応型歯ブラシであって、
    ハンドル、ヘッド、及びヘッド上に配置される複数の毛が備わる本体、
    本体上に配置される少なくとも1つのセンサー、
    センサーと連携している少なくとも1つの出力構成要素を含み、前記出力が、少なくとも1つのセンサーに応じて、(i)機械的出力、(ii)光ベースの出力(iii)化学ベースの出力、及び(iv)これらの組み合わせの少なくとも1つを提供するようになっている歯ブラシ。
  39. 前記少なくとも1つのセンサーが、(i)センサー入力素子、及び(ii)センサー出力素子を含む、請求項38に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
  40. 前記センサー出力素子が第1の波長の光を発し、前記センサー入力素子が、第1の波長とは異なる第2の波長の光を検知する、請求項39に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
  41. 前記複数の毛が可動であり、前記出力が、複数の毛の動作を含む機械的出力を提供する、請求項38に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
  42. 前記機械的出力が、前記複数の毛の前記動作の態様を変化させることを含む、請求項41に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
  43. 前記出力が光ベースの出力を提供し、前記光ベースの出力が、前記出力構成要素から第1の範囲内の波長の光を放つことを含む、請求項38に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
  44. 前記出力が光ベースの出力を提供し、前記光ベースの出力が、前記出力構成要素から熱を発生させることを含む、請求項38に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
  45. 前記出力が化学ベースの出力を提供し、前記化学ベースの出力が、口腔ケア組成物を投与することを含む、請求項38に記載のセンサー反応型方法。
  46. 前記出力が、化学ベースの出力と光ベースの出力の組み合わせを提供する、請求項38に記載のセンサー反応型歯ブラシ。
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