JP2012081658A - 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の画質の劣化を軽減する。
【解決手段】複数個の第一ノズル列、及び、複数個の第二ノズル列であって、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、のいずれかのノズル列として、イエローノズル列と、マゼンタノズル列と、シアンノズル列と、ブラック系ノズル列と、少なくとも一つの二次色ノズル列と、を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、第一第二の各ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置。(1)ブラック系ノズル列を含む。(2)イエローノズル列とマゼンタノズル列とシアンノズル列を含む。(3)二次色ノズル列はがイエロー、マゼンタ、シアンのうちの2色の組み合わせからなり、かつ、残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
【選択図】図4
【解決手段】複数個の第一ノズル列、及び、複数個の第二ノズル列であって、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、のいずれかのノズル列として、イエローノズル列と、マゼンタノズル列と、シアンノズル列と、ブラック系ノズル列と、少なくとも一つの二次色ノズル列と、を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、第一第二の各ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置。(1)ブラック系ノズル列を含む。(2)イエローノズル列とマゼンタノズル列とシアンノズル列を含む。(3)二次色ノズル列はがイエロー、マゼンタ、シアンのうちの2色の組み合わせからなり、かつ、残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
【選択図】図4
Description
本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出方法に関する。
インクジェット式プリンター等の液体吐出装置は既によく知られている。かかる液体吐出装置はヘッドを備えており、当該ヘッドの中には、複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、を備えるものがある。また、当該ヘッドとしては、前記複数個の第一ノズル列及び前記複数個の第二ノズル列のいずれかのノズル列として、一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、を有するものがある。
ところで、上記ヘッドにより液体の吐出を媒体に対して行なう際に、当該媒体が伸縮することに起因して、色ムラが生ずる場合がある。そして、当該色ムラが目立つ場合には、画質の劣化という不具合が生じることとなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像の画質の劣化を軽減することにある。
主たる本発明は、複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置である。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置である。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
かかる液体吐出装置によれば、画像の画質の劣化を軽減することが可能となる。
複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
かかる液体吐出装置によれば、画像の画質の劣化を軽減することが可能となる。
また、前記媒体と接触した状態で、該媒体を支持し、かつ、加熱する支持部を備えることとしてもよい。
かかる場合には、画像の画質の劣化を軽減する効果がより有効に発揮される。
かかる場合には、画像の画質の劣化を軽減する効果がより有効に発揮される。
次に、媒体に液体を吐出する液体吐出方法であって、
複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たす液体吐出装置を用いて、
媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
かかる液体吐出方法によれば、画像の画質の劣化を軽減することが可能となる。
複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たす液体吐出装置を用いて、
媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
かかる液体吐出方法によれば、画像の画質の劣化を軽減することが可能となる。
===プリンター11の構成例について===
以下、本発明の記録装置をラテラル方式のインクジェット式プリンターに具体化した実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、プリンター11の正面模式図である。図2は、プリンター11の外観を示す斜視図である。図3は、プリンター11の全体構成ブロック図である。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、図1、図2に矢印で示した方向を基準として示すものとする。
以下、本発明の記録装置をラテラル方式のインクジェット式プリンターに具体化した実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、プリンター11の正面模式図である。図2は、プリンター11の外観を示す斜視図である。図3は、プリンター11の全体構成ブロック図である。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、図1、図2に矢印で示した方向を基準として示すものとする。
図1に示すように、記録装置としてのプリンター11は、直方体状の本体ケース12を備えている。本体ケース12は、左右方向に沿って大きく3つに区分され、左側から右側に向かって繰り出し部13、印刷部14、巻き取り部15となっている。また、本体ケース12内における上下方向の中央部よりもやや上寄りの位置には、本体ケース12内を上下に区画する平板状の基台16が設けられている。
基台16上の印刷部14と対応する位置には、矩形板状剛体の支持部であるプラテン17が配置されている。また、本体ケース12内には、長尺状の媒体の一例としての連続紙Sを搬送するための搬送ユニット18が収容されている。
搬送ユニット18は、前後方向に延びる巻き軸20、ローラー21〜25及び巻き取り軸26と、巻き取り軸26を回転させるための搬送モーター27とを備えている。巻き軸20及びローラー21は繰り出し部13内に、ローラー22〜25及び搬送モーター27は印刷部14内に、巻き取り軸26は巻き取り部15内に収容されている。
連続紙Sは、左端側が巻き軸20に右端側が巻き取り軸26にそれぞれ巻かれた状態で、ローラー21〜25に巻き掛けられている。そして、搬送モーター27の回転駆動に伴って、連続紙Sを搬送するためのプラテン17の上面からなる支持面17a上を摺動しつつ、繰り出し部13側から巻き取り部15側に向かって搬送されるようになっている。
印刷部14内において、プラテン17の前後両側には、左右方向に延びるガイドレール28(図1では2点鎖線で示す)が対をなすように設けられている。ガイドレール28の上面はプラテン17の上面よりも高くなっており、両ガイドレール28の上面には、矩形状のキャリッジユニット29が不図示の駆動機構の駆動に基づき両ガイドレール28に沿って左右方向(連続紙Sを搬送する搬送方向及びその逆方向)への往復移動可能な状態で支持されている。また、当該キャリッジユニット29は、不図示の駆動機構の駆動に基づき、左右方向と直交する方向、すなわち、前後方向にも往復移動可能となっている。そして、このキャリッジユニット29の下面側にはヘッド30が支持されている。
プラテン17の左端から右端までの一定範囲は記録領域とされており、この記録領域単位で連続紙Sは間欠的に搬送されるようになっている。そして、この記録領域単位での間欠搬送によってプラテン17上に停止した状態にある連続紙Sに対してキャリッジユニット29の往復移動(左右方向や前後方向の移動)に伴いヘッド30の下面側に設けられたノズルから液体の一例としてのインクが噴射されることで、連続紙Sに対して記録処理が施されるようになっている。なお、ヘッド30の下面側に設けられたノズルの構成については、後に詳述する。
プラテン17の支持面17aの下方には、支持面17aを加熱するためのヒーターユニット31が内蔵されている。そして、ヒーターユニット31によって加熱された支持面17aを介して連続紙Sに熱を伝えることにより、連続紙Sに付着したインクの乾燥を促進するようになっている。すなわち、プラテン17は、連続紙Sと接触した状態で、該連続紙Sを支持し、かつ、加熱する。また、プラテン17及びキャリッジユニット29の上方には、送風ユニット32が配置されている。
本体ケース12において、印刷部14に対応する上側部分には、開閉可能なカバー33が設けられており、当該カバー33に送風ユニット32が設けられている。カバー33は、閉じた状態において、連続紙Sを搬送するためのプラテン17を覆うようになっている。
次に、本実施の形態に係るプリンター11の制御構成について、図3を用いて説明する。外部装置60から印刷指令(印刷データ)を受信したプリンター11は、コントローラー110により、各ユニット(搬送ユニット18、キャリッジユニット29、ヘッド30、ヒーターユニット31、送風ユニット32)を制御し、連続紙Sに画像を記録する。また、プリンター11内の状況を検出器群150が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー110は各ユニットを制御する。
コントローラー110は、プリンター11の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部111は、外部装置60とプリンター11との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU112は、プリンター11全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー113は、CPU112のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU112は、メモリー113に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路114により各ユニットを制御する。
===ヘッド30のノズル構成について===
図4は、ヘッド30の下面におけるノズル配列を示す説明図である。ヘッド30は、n個のノズルが前記前後方向に並んだノズル列を8つ備えている。すなわち、ヘッド30は、当該8つのノズル列として、イエロー色のインクを連続紙Sに吐出するイエロー(Y)ノズル列、グリーン色のインクを連続紙Sに吐出するグリーン(Gr)ノズル列、シアン色のインクを連続紙Sに吐出するシアン(C)ノズル列、フォトブラック色のインクを連続紙Sに吐出するフォトブラック(Pk)ノズル列、クリアインクを連続紙Sに吐出するクリア(Op)ノズル列、オレンジ色のインクを連続紙Sに吐出するオレンジ(Or)ノズル列、マゼンタ色のインクを連続紙Sに吐出するマゼンタ(M)ノズル列、マットブラック色のインクを連続紙Sに吐出するマットブラック(Mk)ノズル列を有している。これらのノズル列は、図4に示すように、前記搬送方向(前記左右方向)に、上述した順番に並んでいる。
図4は、ヘッド30の下面におけるノズル配列を示す説明図である。ヘッド30は、n個のノズルが前記前後方向に並んだノズル列を8つ備えている。すなわち、ヘッド30は、当該8つのノズル列として、イエロー色のインクを連続紙Sに吐出するイエロー(Y)ノズル列、グリーン色のインクを連続紙Sに吐出するグリーン(Gr)ノズル列、シアン色のインクを連続紙Sに吐出するシアン(C)ノズル列、フォトブラック色のインクを連続紙Sに吐出するフォトブラック(Pk)ノズル列、クリアインクを連続紙Sに吐出するクリア(Op)ノズル列、オレンジ色のインクを連続紙Sに吐出するオレンジ(Or)ノズル列、マゼンタ色のインクを連続紙Sに吐出するマゼンタ(M)ノズル列、マットブラック色のインクを連続紙Sに吐出するマットブラック(Mk)ノズル列を有している。これらのノズル列は、図4に示すように、前記搬送方向(前記左右方向)に、上述した順番に並んでいる。
また、上記8つのノズル列は、該ノズル列のノズルの列方向における位置の相違に基づいて、以下の2種類のノズル列(A列、B列と呼ぶ)にグループ分けされる。すなわち、図4に示すように、A列(第一ノズル列に相当)は、イエロー(Y)ノズル列、シアン(C)ノズル列、クリア(Op)ノズル列、マゼンタ(M)ノズル列であり、複数個(4個)の当該A列は、ノズルの列方向における位置が当該複数個(4個)のA列間で互いに一致するように配置されている(例えば、♯1ノズルの列方向における位置は、どのA列のノズル列においても、図4中X1という位置となっている)。また、B列(第二ノズル列に相当)は、グリーン(Gr)ノズル列、フォトブラック(Pk)ノズル列、オレンジ(Or)ノズル列、マットブラック(Mk)ノズル列であり、複数個(4個)の当該B列は、ノズルの列方向における位置が当該複数個(4個)のB列間で互いに一致するように配置されている(例えば、♯1ノズルの列方向における位置は、どのB列のノズル列においても、図4中X2という位置となっている)。そして、当該B列のノズルの列方向における位置は、A列のノズルの列方向における位置からずれている(例えば、♯1ノズルの列方向における位置については、A列がX1に対しB列がX2である)。
このように、本実施の形態に係るヘッド30は、複数個(4個)のA列であって、ノズルの列方向における位置が当該複数個(4個)のA列間で互いに一致するように配置されている複数個(4個)のA列、及び、複数個(4個)のB列であって、ノズルの列方向における位置が、当該複数個(4個)のB列間で互いに一致するように配置されており、かつ、A列のノズルの列方向における位置からずれている複数個(4個)のB列、のいずれかのノズル列として、一次色であるイエロー色のインクを連続紙Sに吐出するイエロー(Y)ノズル列と、一次色であるマゼンタ色のインクを連続紙Sに吐出するマゼンタ(M)ノズル列と、一次色であるシアン色のインクを連続紙Sに吐出するシアンノズル列と、ブラック系色のインク(本実施の形態においては、フォトブラックとマットブラック)を連続紙Sに吐出するブラック系ノズル列(本実施の形態においては、フォトブラック(Pk)ノズル列とマットブラック(Mk)ノズル列)と、少なくとも一つの二次色のインク(本実施の形態においては、マゼンタ色とイエロー色とを合わせたオレンジ色のインクとシアン色とイエロー色とを合わせたグリーン色のインク)を連続紙Sに吐出する二次色ノズル列(本実施の形態においては、オレンジ(Or)ノズル列とグリーン(Gr)ノズル列の二つ)と、を有している。具体的には、A列のノズル列として、イエロー(Y)ノズル列、シアン(C)ノズル列、クリア(Op)ノズル列、マゼンタ(M)ノズル列を有し、B列のノズル列として、グリーン(Gr)ノズル列、フォトブラック(Pk)ノズル列、オレンジ(Or)ノズル列、マットブラック(Mk)ノズル列を有している。
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、A列のノズル列とB列のノズル列とが、前記搬送方向(前記左右方向)において、代わる代わる並んでおり、さらに、前記列方向においてA列の隣り合うノズルの中間にB列のノズルが位置するようにA列及びB列が配置されている(具体的には、図4に示すように、隣り合うノズル間の距離が1/180インチとなっており、かつ、B列のノズルのA列のノズルからのずれが1/360インチとなっている)。そのため、本実施の形態に係るヘッド30に設けられているノズルは、千鳥状に配置されていることになる。
===上記ヘッド30により印刷を行なう際に発生し得る問題点について===
ここでは、上記ヘッド30により印刷を行なう際に発生し得る問題点について説明する。
上述したとおり、本実施の形態に係るプリンター11には、ノズルの位置にずれを有するA列、B列を備えるヘッド30が設けられている。そして、コントローラー110が、当該ヘッド30を前記搬送方向(前記左右方向)に移動させながら、ノズルからインクを吐出させ、搬送方向(左右方向)に沿ったラスタラインを形成することにより画像形成を行なう。
ここでは、上記ヘッド30により印刷を行なう際に発生し得る問題点について説明する。
上述したとおり、本実施の形態に係るプリンター11には、ノズルの位置にずれを有するA列、B列を備えるヘッド30が設けられている。そして、コントローラー110が、当該ヘッド30を前記搬送方向(前記左右方向)に移動させながら、ノズルからインクを吐出させ、搬送方向(左右方向)に沿ったラスタラインを形成することにより画像形成を行なう。
ここで、本実施の形態においては、B列のノズルの列方向における位置が、A列のノズルの列方向における位置からずれているので、ヘッド30を搬送方向(左右方向)に一度だけ移動して(この一度の移動は、パスと呼ばれている)ノズルからインクを吐出させるだけでは、A列から吐出されるインクとB列から吐出させるインクとを重ねることができない(つまり、1パスでは、A列の色とB列の色とを色重ねすることができない)。そのため、A列から吐出されるインクのインク色とB列から吐出されるインクのインク色とを色重ねするために、2パスを必要とする(すなわち、1パスの終了後、ヘッド30を前記列方向(前記前後方向)へ移動させてから、2パスを実行する)。
なお、パス数は2パスに限られず、例えば、4パス、8パス等を要して画像を形成する場合もある。そして、かかる場合には、前記列方向における画像の解像度が(パス数が大きくなるほど)高くなる。具体的な画像形成方法としては、公知のバンド印刷やインターレース(マイクロウィーブ)印刷などが実行される。
以下では、上述したヘッド30により印刷を行なう際に発生し得る問題点について説明するが、説明を分かり易くするために、2パスで印刷する例(より少ないパス数の例)を用いて説明を行なう(4パス、8パス等で印刷する場合も、また、画像形成方法が何であるかにかかわらず、以下の問題点は生じ得る)。
図5は、当該問題点について説明するための説明図である。上図が、問題が発生していない例を、下図が、問題が発生している例を、それぞれ表している。
上左図には、1パス目の様子、すなわち、1パス目にインクが吐出されてラスタラインが形成された様子が示されている。斜線が施された左右方向に長い帯はラスタラインを表しており、右上がり斜線が施された帯が4つのA列(本実施の形態においては、イエロー(Y)ノズル列、シアン(C)ノズル列、クリア(Op)ノズル列、マゼンタ(M)ノズル列)のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタライン(以下、便宜上、A列ラスタラインとも呼ぶ)であり、右下がり斜線が施された帯が4つのB列(本実施の形態においては、グリーン(Gr)ノズル列、フォトブラック(Pk)ノズル列、オレンジ(Or)ノズル列、マットブラック(Mk)ノズル列)のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタライン(以下、便宜上、B列ラスタラインとも呼ぶ)である。各々のラスタラインの左横に、当該ラスタラインを形成したノズルのノズル番号が表されている(例えば、A#3は、A列の3番ノズル)。このように、1パス目においては、A列ラスタラインとB列ラスタラインとが、前記列方向(前記前後方向)において、交互に1/360インチ間隔で並ぶこととなる。
上左図には、1パス目の様子、すなわち、1パス目にインクが吐出されてラスタラインが形成された様子が示されている。斜線が施された左右方向に長い帯はラスタラインを表しており、右上がり斜線が施された帯が4つのA列(本実施の形態においては、イエロー(Y)ノズル列、シアン(C)ノズル列、クリア(Op)ノズル列、マゼンタ(M)ノズル列)のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタライン(以下、便宜上、A列ラスタラインとも呼ぶ)であり、右下がり斜線が施された帯が4つのB列(本実施の形態においては、グリーン(Gr)ノズル列、フォトブラック(Pk)ノズル列、オレンジ(Or)ノズル列、マットブラック(Mk)ノズル列)のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタライン(以下、便宜上、B列ラスタラインとも呼ぶ)である。各々のラスタラインの左横に、当該ラスタラインを形成したノズルのノズル番号が表されている(例えば、A#3は、A列の3番ノズル)。このように、1パス目においては、A列ラスタラインとB列ラスタラインとが、前記列方向(前記前後方向)において、交互に1/360インチ間隔で並ぶこととなる。
次に、コントローラー110は、ヘッド30を1/360インチだけ列方向(前後方向)に移動させて、2パスを実行する。上右図には、2パス目の様子、すなわち、2パス目にインクが吐出されてラスタラインが形成された様子が示されている。2パス目においては、ヘッド30が1/360インチだけ列方向(前後方向)に移動したため、A列の3番ノズルからインクが吐出されて1パスにおいて形成されたラスタライン(1パスA#3ラスタラインとする)に、B列の2番ノズルからインクが吐出されて形成されたラスタライン(2パスB#2ラスタラインとする)が重なって形成されることとなる。同様に、1パスB#3ラスタラインに2パスA#3ラスタラインが、1パスA#4ラスタラインに2パスB#3ラスタラインが、それぞれ重なって形成されることとなる。このように、2パス目が終了すると、各ラスタラインにおいてA列ラスタラインとB列ラスタラインが重ねられ、A列の色とB列の色が適切に色重ねされた画像が完成する(上右図において、(右上がり斜線と右下がり斜線の合成である)網掛けが全ての領域において施されていることが、このことを意味している)。
次に、問題が発生している例である下図に着目する。下左図は、上左図と同じ図であり、下左図には、1パス目の様子、すなわち、1パス目にインクが吐出されてラスタラインが形成された様子が示されている。つまり、1パス目においては、上図の例と同様、A列ラスタラインとB列ラスタラインとが、前記列方向(前記前後方向)において、交互に1/360インチ間隔で並ぶこととなる。
次に、コントローラー110は、ヘッド30を1/360インチだけ列方向(前後方向)に移動させて、2パスを実行するが、1パスと2パスの間には時間差(タイムラグ)がある。そして、かかる間において、上記問題点の原因となる紙伸縮現象が発生する場合がある。
当該紙伸縮現象について、図6を用いて説明する。図6は、連続紙Sが紙幅方向に伸縮する様子を示した概念図である。
当然のことながら、連続紙Sは周囲の温度の変化等により伸びたり縮んだりする(特に、本実施の形態においては、ヒーターユニット31によって熱せられたプラテン17により連続紙Sが能動的に加熱されるために、連続紙Sの伸び縮みはより一層顕著になる)。そして、伸縮方向としては、前記搬送方向(前記左右方向)及び該搬送方向と直交する紙幅方向(前記前後方向)の双方が考えられる。ここで、本項では、紙幅方向に連続紙Sが伸縮する点に着目する。
図6の上図に示すように、連続紙Sが紙幅方向に伸びる(上左図→上右図)際には、当該紙幅方向における真ん中の位置よりも上側が上方向に、下側が下方向に伸びることが知られている。そして、このように連続紙Sが伸びてしまうと、連続紙S上に描かれているラスタラインが、連続紙Sが伸びることに起因して移動することとなる。すなわち、上右図に示すように、前記上側のラスタライン(符号L1で示す)は上方向へ、前記下側のラスタライン(符号L2で示す)は下方向へ移動する。つまり、ラスタラインの絶対座標上の前後方向における位置が変わってしまうこととなる。
連続紙Sが紙幅方向に縮む場合には同様の現象が発生する。すなわち、連続紙Sが紙幅方向に縮む(下左図→下右図)際には、当該紙幅方向における真ん中の位置よりも上側が下方向に、下側が上方向に縮むことが知られている。そして、このように連続紙Sが縮んでしまうと、連続紙S上に描かれているラスタラインが、連続紙Sが縮むことに起因して移動することとなる。すなわち、下右図に示すように、前記上側のラスタライン(符号L3で示す)は下方向へ、前記下側のラスタライン(符号L4で示す)は上方向へ移動する。つまり、ラスタラインの絶対座標上の前後方向における位置が変わってしまうこととなる。
図5に戻って、説明を続ける。前述したとおり、1パスと2パスの間には、時間差(タイムラグ)がある。そして、かかる間に、図6で示した紙伸縮現象が発生する場合がある。そして、図5の下中央図は、2パスが実行される直前の様子が示されたものであり、当該下中央図には、1パスと2パスの間(1パスが終了してから2パスが開始するまでの間)に当該紙伸縮現象が発生してしまい、1パス目において形成されたラスタラインが下方向へ移動してしまった様子が示されている。すなわち、2パス直前においては、1パスで形成済みのラスタラインの絶対座標上の前後方向における位置が若干ずれてしまっていることとなる(図5の下図においては、図を見やすくするために、当該ずれを実際のものよりも大きく表している)。
そして、かかる状況において、2パスが実行されると、下右図のようになる。すなわち、下右図には、2パス目の様子、すなわち、2パス目にインクが吐出されてラスタラインが形成された様子が示されている。2パス目においては、ヘッド30が1/360インチだけ列方向(前後方向)に移動したため、1パスA#3ラスタラインに2パスB#2ラスタラインが重なって形成されることとなる。しかしながら、前述したとおり、1パスA#3ラスタラインの前後方向における位置が紙伸縮現象に起因して若干ずれてしまっているため、図5の上図の例とは異なり、双方のラスタラインが重ならない部分が生じてしまう。そして、1パスB#3ラスタラインと2パスA#3ラスタラインとの重なりや1パスA#4ラスタラインと2パスB#3ラスタラインとの重なりについても同様の現象が生じ、2パス目が終了した際に画像が完成するものの、その画像の中にA列の色とB列の色が色重ねされていない部分が僅かに出来てしまう。例えば、当該色重ねされていない部分として、A列からのインクのみ存在する部分Pa(下右図において、網掛けでなく右上がり斜線が施されていることが、このことを意味している)とB列からのインクのみ存在する部分Pb(下右図において、網掛けでなく右下がり斜線が施されていることが、このことを意味している)とが、生じてしまう。そして、当該部分Paや部分Pbが生じることにより、画像に色ムラが現れてしまう。
===本実施の形態に係るプリンター11の有効性について===
上述した通り、A列からのインクのみ存在する部分とB列からのインクのみ存在する部分が生じることにより、画像に色ムラが現れてしまう場合がある。これに対し、本発明者は、鋭意検討を行った結果、当該色ムラを目立たなくする方策を見出した。これについて、以下で説明する。
上述した通り、A列からのインクのみ存在する部分とB列からのインクのみ存在する部分が生じることにより、画像に色ムラが現れてしまう場合がある。これに対し、本発明者は、鋭意検討を行った結果、当該色ムラを目立たなくする方策を見出した。これについて、以下で説明する。
本発明者は、前述したイエローノズル列、マゼンタノズル列、シアンノズル列、ブラック系ノズル列(本実施の形態においては、フォトブラック(Pk)ノズル列とマットブラック(Mk)ノズル列)、二次色ノズル列(本実施の形態においては、オレンジ(Or)ノズル列とグリーン(Gr)ノズル列)のどれをA列としどれをB列とするか(すなわち、A列、B列への振り分け)に自由度があることに着目し、上述した色ムラを目立たなくするような振り分け方が存在しないかについて検討した。
そして、本発明者は、以下の振り分け方が有効であることを見出し、本実施の形態において当該振り分け方に基づき振り分けを行なった。
すなわち、当該振り分け方は、複数個のA列が属するA列群と複数個のB列が属するB列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすようにすることである。(1)ブラック系ノズル列を含む。(2)イエローノズル列とマゼンタノズル列とシアンノズル列を全て含む。(3)二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる二次色ノズル列を含み、かつ、イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色のインクを連続紙Sに吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
当該振り分け方の有効性について説明する。前記複数個のA列が属するA列群が(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たすと、前記複数個のA列のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタラインは黒色系統の色となる。具体的には、A列群が(1)の条件を満たすときには、ブラック系ノズル列が含まれることから、当然のことながら当該ラスタラインは黒色系統の色となる。A列群が(2)の条件を満たすときには、イエロー色のインクとマゼンタ色のインクとシアン色のインクとが重ねられるから、前記ラスタラインは黒色系統の色となる。A列群が(3)の条件を満たすときには、(2)の場合と同様、イエロー色のインクとマゼンタ色のインクとシアン色のインクとが重ねられるから、前記ラスタラインは黒色系統の色となる。そして、このことは前記複数個のB列が属するB列群が(1)、(2)、(3)の条件を満たす場合についても同様であるため、前記複数個のA列のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタラインと前記複数個のB列のノズルからインクが吐出されて形成されたラスタラインは共に黒色系統の色となる。そのため、印刷された画像において、これらのラスタラインが重なって形成され、かつ、前記紙伸縮現象によりA列からのインクのみ存在する部分(例えば、部分Pa)とB列からのインクのみ存在する部分(例えば、部分Pb)が生じている場合には、双方の部分(部分Paと部分Pb)の色が似た系統の色となるため、色ムラが目立ちにくくなる(また、当該色が暗い系統の色なので、色ムラが目立ちにくくなるという作用も生ずる)。
本実施の形態においては、A列群にイエロー(Y)ノズル列、シアン(C)ノズル列、クリア(Op)ノズル列、マゼンタ(M)ノズル列が属しているため、A列群が(2)の条件を満たし、B列群にグリーン(Gr)ノズル列、フォトブラック(Pk)ノズル列、オレンジ(Or)ノズル列、マットブラック(Mk)ノズル列が属しているため、B列群が(1)と(3)の条件を満たしている。すなわち、A列群とB列群の双方が(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たしている。
これに対し、グリーン(Gr)ノズル列とマゼンタ(M)ノズル列とを入れ替えた例、つまり、A列群にイエロー(Y)ノズル列、シアン(C)ノズル列、クリア(Op)ノズル列、グリーン(Gr)ノズル列が属し、B列群にマゼンタ(M)ノズル列、フォトブラック(Pk)ノズル列、オレンジ(Or)ノズル列、マットブラック(Mk)ノズル列が属した例(比較例)を考えると、A列群が(1)乃至(3)のいずれの条件も満たさなくなる。そして、かかる比較例においては、前述した部分Paが緑色となり、部分Pbの色とは異なる系統の色となってしまい、色ムラが目立つこととなる。
これに対し、本実施の形態においては、上述したとおり、A列群とB列群の双方が(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たしているため、双方の部分(部分Paと部分Pb)の色が似た系統の色となり、色ムラが目立ちにくくなる。そのため、本実施の形態に係るプリンター11によれば、画像の画質の劣化を軽減することが可能となる。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、主として液体吐出装置について記載されているが、液体吐出方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記の実施の形態は、主として液体吐出装置について記載されているが、液体吐出方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態においては、連続紙Sと接触した状態で、該連続紙Sを支持し、かつ、加熱するプラテン17が設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、プラテンが連続紙Sを加熱する機能を有さないこととしてもよい。
ただし、上記実施の形態に係る構成においては、プラテン17により連続紙Sが能動的に加熱されるため、連続紙Sの伸び縮みがより一層顕著になるから、上述した色ムラが発生しやすくなる。そのため、上述した効果、すなわち、色ムラを目立たなくして、画像の画質の劣化を軽減する効果がより有効に発揮される点で、上記実施の形態の方がより効果的である。
11 プリンター、12 本体ケース、13 繰り出し部、14 印刷部、15 巻き取り部、16 基台、17 プラテン、17a 支持面、18 搬送ユニット、20 巻き軸、21 ローラー、22 ローラー、23 ローラー、24 ローラー、25 ローラー、26 巻き取り軸、27 搬送モーター、28 ガイドレール、29 キャリッジユニット、30 ヘッド、31 ヒーターユニット、32 送風ユニット、33 カバー、60 外部装置、110 コントローラー、111 インターフェース部、112 CPU、113 メモリー、114 ユニット制御回路、150 検出器群、S 連続紙
Claims (3)
- 複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする液体吐出装置。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記媒体と接触した状態で、該媒体を支持し、かつ、加熱する支持部を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 媒体に液体を吐出する液体吐出方法であって、
複数個の第一ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が該複数個の第一ノズル列間で互いに一致するように配置されている複数個の第一ノズル列、及び、
複数個の第二ノズル列であって、ノズルの列方向における位置が、該複数個の第二ノズル列間で互いに一致するように配置されており、かつ、前記第一ノズル列の前記ノズルの前記列方向における位置からずれている複数個の第二ノズル列、
のいずれかのノズル列として、
一次色であるイエロー色の液体を媒体に吐出するイエローノズル列と、
一次色であるマゼンタ色の液体を媒体に吐出するマゼンタノズル列と、
一次色であるシアン色の液体を媒体に吐出するシアンノズル列と、
ブラック系色の液体を媒体に吐出するブラック系ノズル列と、
少なくとも一つの二次色の液体を媒体に吐出する二次色ノズル列と、
を有するヘッドを備える液体吐出装置であって、
前記複数個の第一ノズル列が属する第一ノズル列群と前記複数個の第二ノズル列が属する第二ノズル列群の双方が次の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たす液体吐出装置を用いて、
媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
(1)前記ブラック系ノズル列を含む。
(2)前記イエローノズル列と前記マゼンタノズル列と前記シアンノズル列を全て含む。
(3)前記二次色がイエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの2色の組み合わせからなる前記二次色ノズル列を含み、かつ、
イエロー色、マゼンタ色、シアン色のうちの残りの1色の液体を媒体に吐出するノズル列、及び、前記二次色が該残りの1色を含む前記二次色ノズル列、の少なくともどちらか一方を含む。
Priority Applications (3)
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