JP2012069546A - 圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents
圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012069546A JP2012069546A JP2010210404A JP2010210404A JP2012069546A JP 2012069546 A JP2012069546 A JP 2012069546A JP 2010210404 A JP2010210404 A JP 2010210404A JP 2010210404 A JP2010210404 A JP 2010210404A JP 2012069546 A JP2012069546 A JP 2012069546A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- internal electrode
- piezoelectric
- electrode layer
- layer
- green sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
【課題】 信頼性に優れ、耐久性にも優れた構造を有する圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 圧電セラミック層と内部電極層を交互に積層してなる圧電積層セラミックアクチュエータに関し、圧電セラミック層1と内部電極層2とから成る有効活性層が、端子電極3により積層接続された圧電積層セラミックアクチュエータにおいて、積層接続された有効活性層部分8と、端子電極3へ内部電極層2を取り出すための不活性部分10との間に、有効活性層部分8の側面方向の30%以下の長さで対向する内部電極層2の端部を分散してずらした積層を行い、有効活性層部分8の側面方向の長さで1%以上30%以下の長さの緩衝層部分11を設けた構造とする。
【選択図】図1
【解決手段】 圧電セラミック層と内部電極層を交互に積層してなる圧電積層セラミックアクチュエータに関し、圧電セラミック層1と内部電極層2とから成る有効活性層が、端子電極3により積層接続された圧電積層セラミックアクチュエータにおいて、積層接続された有効活性層部分8と、端子電極3へ内部電極層2を取り出すための不活性部分10との間に、有効活性層部分8の側面方向の30%以下の長さで対向する内部電極層2の端部を分散してずらした積層を行い、有効活性層部分8の側面方向の長さで1%以上30%以下の長さの緩衝層部分11を設けた構造とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電セラミック層と内部電極層を交互に積層してなる圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法に関する。
圧電積層セラミックアクチュエータは、圧電セラミックの圧電効果を応用し、電気を入力エネルギーとし、変位または発生力を出力とする電気式アクチェータとして用いられている。一般的には、複数の圧電セラミック層と内部電極層を交互に積層し、内部電極を1層おきに交互に取り出すことによって、各圧電セラミック層が並列に接続積層され、各圧電セラミック層の圧電縦効果の累積出力を全体の出力として得る場合が多い。
圧電積層セラミックアクチュエータは、これまでは主に産業用の機能デバイスとして使用され、精密機械の分野ではX−Yステージの微小位置決めや、ステッパ、マスフローコントローラへの応用など、メカトロニクスの分野で多岐に使用されている。近年はそれらに加え、携帯電話機等に搭載されるカメラ装置のオートフォーカス機構やズーム機構等の機構部品に使用され、民生用の機能デバイスとしてその用途を拡大しつつある。これら機構部品の小型化にともない、積層セラミックアクチュエータの小型化への要求も高まっている。加えて、産業用のみならず民生用にも高い信頼性が要求されている。
従来の圧電積層セラミックアクチュエータは圧電セラミック層と内部電極層が、積層面の全面に構成され、内部電極層は1層おきにガラス絶縁部を形成し、端子電極をもって圧電セラミック層が並列に接続されているため、積層面全面が変位し、積層面内に変位による応力の集中はなかった。しかしながら、均一なガラス絶縁部を形成するには一定の厚みが必要となり、近年の圧電積層セラミックアクチュエータの小型化にともない、1層の圧電セラミック層が薄くなるにしたがって、ガラス絶縁部を形成することが困難になってきている。
例えば、特許文献1には、圧電セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体と、セラミック積層体の側面に端子電極(特許文献1では外部電極と記載)とを有し、有効活性層部分(特許文献1では駆動部と記載)と不活性部分(特許文献1では非駆動部と記載)が存在し、不活性部分の内部電極層にスリット部を配置した積層型圧電素子が開示されている。
また、特許文献2には圧電セラミック層(特許文献2ではセラミック層と記載)と内部電極層(特許文献2では内部電極と記載)とを交互に積層した積層体と、内部電極層と電気的に接続した端子電極(特許文献2では外部電極と記載)を有する圧電アクチュエータで、複数層からなる内部電極層の外縁部の内部電極層が、その内縁部の内部電極層よりも粗い格子目の電極パターンにより形成することで、印刷される内部電極層の密度を、圧電セラミック層面上の中心部から外縁部へ向かって小さくなるようにする構造が開示されている。
さらに特許文献3には、圧電素子の内部電極層周縁部にドット状の非電極形成部を多数分布させることで、内部電極層の印刷される電極の密度を外周部に向かって徐々に下げる構造をもつ積層型圧電アクチュエータ用素子が開示されている。
図8は引用した特許文献1に記載の積層型圧電素子の説明図である。圧電セラミック層1と内部電極層2とを積層してなる圧電積層体で、内部電極層2を端子電極3へ取り出すための不活性部分10が存在し、その歪みを緩衝するためスリット部101を設けることが提案されている。この場合、スリット部101の形成工程が増えると同時に、スリット部101への吸湿も考えられ信頼性への懸念があり、また、小型化も難しいという課題がある。
図9は引用した特許文献2に記載の圧電アクチュエータの内部電極の外観模式図である。圧電セラミック層1と内部電極層を交互に積層し、内部電極層を外部電極へ電気的に接続してなる積層圧電アクチュエータで、複数層からなる内部電極層の最も外縁部の内部電極層2dを、その内縁部の内部電極層2cよりも粗い格子目の電極パターンにより形成し、中心部の内部電極層2bと引出電極2aはべたパターンとすることで、印刷される内部電極の密度を、セラミック層面上の中心部から外縁部へ向かって小さくなるようにする構造が提案されている。その結果、内部電極層が密に印刷される中心部分ほど圧電活性が高く変位が大きいが、内部電極を外縁部に向かって格子目に印刷することで内部電極の印刷する密度を低くした外縁部は、圧電活性部分が分散されて変位が小さくなり、すなわち、圧電アクチュエータを駆動した場合の変位量も中心部から外縁部へ徐々に変化することとなり応力集中が緩和され、クラック発生を抑えようとするものである。この場合、複数パターンの印刷をしなければならないほか、格子目の内部電極が外縁部へ広がっていく構造にしなければならないので小型化が難しい。
図10は引用した特許文献3に記載の積層型圧電アクチュエータ用素子の圧電素子を示す平面図である。圧電素子の中央部の内部電極層2と外側の圧電セラミック層1の露出部との間にドット状の非電極形成部を多数分布した周縁部の内部電極層2eを設け、内部電極の印刷される電極の密度を外周部に向かって徐々に下げる構造をもつ積層型圧電セラミックアクチュエータが提案されている。中心の内部電極積層部分の変位が大きい部分と、周縁部の変位しない部分との間に、ドット状の非電極形成部で変位が小さい部分を設け、多数分布させるので、急激な変位の差による応力が緩和されクラック発生が防止される構造が開示されている。この場合も、先の図9(特許文献2)と同様に、内部電極が積層面方向へ広がっていく構造のため小型化が難しいという問題がある。
以下、従来の圧電積層セラミックアクチュエータについて、図面を参照しながら説明する。
図4は、従来の圧電積層セラミックアクチュエータの製造工程を示すフローチャートである。
圧電積層セラミックアクチュエータを製造する場合、図4に示すように、まず、圧電セラミック粉末を準備し(ステップSa1)、有機樹脂、および有機溶剤を混合してセラミックスラリーを作製する(ステップSa2)。そして、セラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により圧電セラミック層のみからなる第1のグリーンシートを作製する(ステップSa3)。また予め、銀やパラジウム等の導電体粉末を、有機樹脂とともに有機溶剤中へ分散して作製した内部電極層用ペーストを準備しておく。そして、内部電極層用ペーストを用いて、圧電セラミック層上に、スクリーン印刷法により内部電極層をスクリーン印刷および乾燥して形成する(ステップSa4)。これにより圧電セラミック層および内部電極層からなる第2のグリーンシートを作製する。
さらに、第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの各々を、任意の形状に打ち抜き加工する(ステップSa5)。そして、所望の保護層部の厚み、所望の圧電セラミック層および内部電極層の積層数、所望の内部電極層の間隔、および所望の有効層部の厚み等を得るように、第1のグリーンシートと第2のグリーンシートを適宜選択して、順次、金型へ投入して積層する(ステップSa6)。そしてこれに、金型を介して積層方向から圧縮力を加え、積層した第1のグリーンシートと第2のグリーンシートの各々を圧着する(ステップSa7)。
そして、圧着して得た積層体を、その内部に含まれる有機物を除去するために、例えば400〜500℃で加熱して脱脂処理する(ステップSa8)。さらにこれを、例えば1000〜1200℃の高温で焼結して焼結体とする(ステップSa9)。さらに焼結体の、積層方向と垂直な一方向の両端面を切断除去して、内部電極層の端部を、両端面に露出して導出する(ステップSa10)。
そして、焼結体の、積層方向と垂直な一方向の一方の端面に導出された内部電極層の端部の各々を、例えば負極となるようにし、仮の電極を形成する(ステップSa11)。そして、電気泳動法等により、内部電極層の端部に対し、絶縁ガラスによる絶縁処理を一つおきに施し(ステップSa12)、ガラス焼付けを行なう(ステップSa13)。また、焼結体の、積層方向と垂直な一方向の他方の端面に導出された内部電極層の端部の各々を、例えば負極となるようにし、仮の電極を形成する(ステップSa14)。そして、電気泳動法等により、内部電極層の端部に対し、絶縁ガラスによる絶縁処理を一つおきに施し(ステップSa15)、ガラス焼付けを行なう(ステップSa16)。その後、内部電極層の端部が導出された焼結体の両端面に対して、例えば銀ペースト等を塗布、焼付けして端子電極を形成する(ステップSa17)。
そして、端子電極を形成した後の焼結体を、所望の形状に切断加工して複数の焼結体素子を作製する(ステップSa18)。さらに切断加工により、焼結体素子の、積層方向と垂直な他方向の両端面に露出した、内部電極層の端部に有機樹脂等による絶縁コーティング処理を施す(ステップSa19)。最後に、焼結体素子の外部電極間に直流電圧を印加して、圧電セラミック層を分極する(ステップSa20)。
図5は、従来の一般的な圧電積層セラミックアクチュエータを示す断面図である。図5に示すように、圧電積層セラミックアクチュエータの構造は、圧電セラミック層1と,内部電極層2が積層され、内部電極層2は対向する側面で一層おきに、ガラス絶縁部4で絶縁され、さらに内部電極層2が一層おきに端子電極3と接続され、端子電極3はリード線6とリード線はんだ付け部5により接続されている。
この場合、有効活性層部分は積層された全面であり、外部にガラス絶縁部4が形成されているため積層面内で有効活性層部分と不活性部分がないので、高い信頼性が得られ量産化されている。しかしながら、ガラス絶縁部4の形成には、それを形成する内部電極層2の上下の内部電極層2との間に一定の距離が必要となり、小型化には課題が残る。
図6は、従来の小型化に適したセラミックコンデンサ構造の圧電積層セラミックアクチュエータの製造工程を示すフローチャートである。
従来、小型化に適したセラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータを製造する場合、図6に示すように、まず、圧電セラミック粉末を準備し(ステップSb1)、有機樹脂、および有機溶剤を混合してセラミックスラリーを作製する(ステップSb2)。そして、セラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により圧電セラミック層のみからなる第1のグリーンシートを作製する(ステップSb3)。また予め、銀やパラジウム等の導電体粉末を有機樹脂とともに有機溶剤中へ分散して作製した、内部電極層用ペーストを準備しておく。そして、内部電極層用ペーストを用いて、圧電セラミック層上に、スクリーン印刷法により内部電極層をスクリーン印刷および乾燥して形成する(ステップSb4)。これにより圧電セラミック層および内部電極層からなる第2のグリーンシートを作製する。
さらに、第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの各々を、任意の形状に打ち抜き加工する(ステップSb5)。そして、所望の保護層部の厚み、所望の圧電セラミック層および内部電極層の積層数、所望の内部電極層の間隔、および所望の有効層部の厚み等を得るように、第1のグリーンシートと第2のグリーンシートを適宜選択して、順次、金型へ投入して積層する(ステップSb6)。そしてこれに、金型を介して積層方向から圧縮力を加え、積層した第1のグリーンシートと第2のグリーンシートの各々を圧着する(ステップSb7)。
そして、圧着して得た積層体を、その内部に含まれる有機物を除去するために、例えば400〜500℃で加熱して脱脂処理する(ステップSb8)。さらにこれを、例えば1000〜1200℃の高温で焼結して焼結体とする(ステップSb9)。
さらに焼結体は数個の圧電積層セラミックアクチュエータ素子が取れるようパターニングされた内部電極を積層して形成しているので、各積層体の内部に積層された内部電極層を取り出すように切断するための基準面出しを行う(ステップSb10)。そして、基準面から数個取りでき、内部電極を導出した切り口となるように基準面からスライス体への切断を行う(ステップSb11)。
スライス体の段階で導出された内部電極端部へ端子電極の形成を行う(ステップSb12)。小型化に適したセラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータの場合、端子電極は銀ペーストなどを使用すると寸法精度が得られないため、ニッケル−銀などのスパッタにて端子電極を形成する場合が多い。
そして、端子電極を形成した後のスライス体を、所望の形状に切断加工して個々の複数の焼結体素子へ切り分ける(ステップSb13)。さらに切断加工により、焼結体素子の、積層方向と垂直な他方向の両端面に露出した、端子電極を形成していない内部電極層の端部に有機樹脂等による絶縁コーティング処理を施す(ステップSb14)。最後に、焼結体素子の端子電極間に直流電圧を印加して、圧電セラミック層を分極する(ステップSb15)。
図7は、従来のセラミックコンデンサ構造の圧電積層セラミックアクチュエータを示す断面図である。図7に示すように、セラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータの構造は圧電セラミック層1と内部電極層2が積層され、内部電極層2は対向する側面で一層おきに端部まで導出されている。さらに内部電極層2が一層おきに端子電極3と接続され、端子電極3はリード線6とリード線はんだ付け部5で接続されている。
セラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータにおいて、積層された有効活性層の部分と端子電極へ内部電極層を導出するための不活性部分、すなわち、積層面間に変位を発生する有効活性層の部分と変位が発生しない内部電極層の導出部の不活性部分が存在することとなり、許容以上の電界が印加された場合やパルス駆動など瞬時の動作などの場合には、積層された有効活性層と不活性部分との間に、圧電セラミック層の変位や歪みによる応力が発生し、クラックが発生しやすいという課題があった。
すなわち本発明の課題は、信頼性や耐久性を向上させた圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は、このような圧電積層セラミックアクチュエータに関し、積層された有効活性層の部分と、端子電極へ内部電極層を取り出すための不活性部分との間に、変位の緩衝層部分を設け、有効活性層部分と不活性部分の境界に生じる変位や歪みからのクラック発生の問題を解決できることを見出したものである。
本発明によれば、複数の矩形状の圧電セラミック層と内部電極層を交互に積層し、前記内部電極層は1層おきに対向する側面に露出し、1対の端子電極に接続され、積層方向に投影して前記内部電極層の全てが重なる中央領域の有効活性層部分と前記内部電極層が対向する内部電極層と全て重ならない両端部の不活性部分と、前記有効活性層部分と前記不活性部分との間に、前記有効活性層の側面方向の長さの1%以上30%以下の長さの緩衝層部分を有することを特徴とする圧電積層セラミックアクチュエータが得られる。
また、前記緩衝層部分は前記内部電極層の端部が分散してずれて配置されていてもよい。さらに、前記内部電極層は、銀および/またはパラジウムを有することが好ましい。
また、本発明によれば、少なくとも、圧電セラミック粉末、有機樹脂、および有機溶剤を混合してセラミックスラリーを作製する、セラミックスラリー作製工程と、導電体粉末、有機樹脂、および有機溶剤を混合して内部電極層用ペーストを作製する、内部電極層用ペースト作製工程と、前記セラミックスラリーを成膜して、第1のグリーンシートを作製する工程と、作製した前記第1のグリーンシートに一方の端部から中央部に内部電極層を印刷する第一のパターンと他方の端部から中央部に内部電極層を印刷する第二のパターンの2種類の異なるパターンの内部電極を印刷した第2のグリーンシートを得る工程と、前記第1のグリーンシートを矩形状の製品平面形状に打ち抜く工程と、前記第2のグリーンシートの各々を、矩形状の製品の平面形状で、内部電極層がそれぞれの端部から前記第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さで、内部電極層の端部を分散してずらすように打ち抜く工程と、前記第1のグリーンシートを金型へ積層投入し、2種類の異なるパターンの内部電極を印刷した前記第2のグリーンシートを、交互に、金型へ投入して積層し、さらに第1のグリーンシートを金型へ積層投入し、積層体を形成する工程と、前記積層体をプレス機にて加圧成形する工程と、加圧成形された前記積層体の内部に含まれる有機物を除去するために、加熱して脱脂処理する工程と、前記積層体を焼成して焼結体を形成する工程と、前記焼結体の内部に積層された内部電極層を取り出すように、切断するための基準面出しを行う工程と、前記内部電極層を前記焼結体から導出するよう切り出せるように、基準面から切断を行いスライス体を形成する工程と、前記スライス体の両端面に端子電極を形成する工程と、前記端子電極を形成した後のスライス体を、個々の圧電積層セラミックアクチュエータ素子に切断加工する工程と、個々に切断された圧電積層セラミックアクチュエータ素子の積層方向と垂直な他方向で、端子電極を形成していない切り出した両端面に露出する内部電極層の端部に、有機樹脂等による絶縁コーティング処理を施す工程と、前記圧電積層セラミックアクチュエータ素子の端子電極間に直流電圧を印加して、前記圧電セラミック層を分極する、分極処理工程とを有することを特徴とする圧電積層セラミックアクチュエータの製造方法が得られる。
積層方向に投影して内部電極層の全てが重なる中央領域の有効活性層部分と、端子電極へ内部電極層を取り出すための内部電極層が対向する内部電極層と全て重ならない両端部の不活性部分との間の緩衝層部分は、有効活性層の側面方向の長さの1%以上30%以下の長さで、かつ、対向する内部電極層の端部をずらして積層されるほうが良い。ここで積層において同じずらし量をもつ第2のグリーンシートを集中して積層することは、有効活性面積の大きな層や部分的に集中した構造を有する部分へ、応力が集中する可能性があり好ましくない。対向する内部電極層の端部を分散してずらして積層することが好ましい。
第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの積層にあたっては、内部電極層を形成していない第1のグリーンシートを上下に積層したほうが良い。内部電極層の保護層として機能するほか、後の外形寸法加工における加工とりしろを設けることができる。
上述した構成および製造方法とすることによって、本発明は以下のような効果を奏す。
すなわち本発明による圧電積層セラミックアクチュエータは、圧電セラミック層と内部電極層とから成る有効活性層と、端子電極へ内部電極層を取り出すための不活性部分との間に、有効活性層の側面方向の長さの1%以上30%以下の長さで、分散してずらした積層を行い、有効活性層の両脇に緩衝層部分を設けた構造で、有効活性層部分の変位と、緩衝層部分の変位と、不活性部分の変位しない部分との間で、圧電積層セラミックアクチュエータの変位を製品の積層面内で傾斜させることが可能となり、クラックが発生しにくく信頼性や耐久性に優れた圧電積層セラミックアクチュエータの提供が可能となる。
また、焼結後に研磨加工が可能なので、端子電極にニッケル−銀などのスパッタ電極を用いることで寸法精度が高く、小型化が容易で、かつ製造工程を簡略化することにより製造コストを抑えた安価な圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法を提供することができる。
本発明では、特許文献1にあるようなスリットを設けるような手間は省き、特許文献2、3にあるような、積層面方向への面積の広がりによる小型化への障害を避け、1軸方向のみで有効活性層部分と不活性部分との間に緩衝層部分を設けることができるので、小型化に適した構造と安価な製造プロセスの提供が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図1、図2、図3を用いて説明する。
図2は、本発明の圧電積層セラミックアクチュエータの製造工程を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、チタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミック粉末を準備し(ステップSc1)、バインダーとして使用するポリビニールブチラール等の有機樹脂、およびエチルセルソルブ等の有機溶剤を混合してセラミックスラリーを作製する(ステップSc2)。そして、セラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により圧電セラミック層のみからなる第1のグリーンシートを作製する(ステップSc3)。また予め、銀やパラジウム等の導電体粉末を、エチセルセルロース等の有機樹脂とともに、α−テルピネオール等の有機溶剤中へ分散して作製した内部電極層用ペースト、または、銀やパラジウム等の導電体粉末と、チタン酸バリウムやチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミック粉末を、エチセルセルロース等の有機樹脂とともに、α−テルピネオール等の有機溶剤中へ分散して作製した内部電極層用ペーストを準備しておく。
内部電極層用ペーストを用いて、圧電セラミック層上に、スクリーン印刷等により内部電極層を印刷および乾燥して作製する(ステップSc4)。これにより圧電セラミック層および内部電極層からなる第2のグリーンシートを作製する。
さらに、第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの各々を、矩形状の製品平面形状に打ち抜き加工する。この時に内部電極を印刷した第2のグリーンシートを内部電極層がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さで、内部電極層の端部を分散してずらすように打ち抜く(ステップSc5)。
図3は、本発明による圧電積層セラミックアクチュエータの第1のグリーンシートと第2のグリーンシートの積層例を示す分解平面図である。
そして、所望の積層体上下の保護層部の厚み、所望の圧電セラミック層および内部電極層の積層数、所望の内部電極層の間隔、および所望の有効活性層の厚み等を得るように、圧電セラミック層1のみからなる第1のグリーンシートと、内部電極層2がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さで、内部電極層の端部を分散してずらすように打ち抜いた第2のグリーンシートを適宜選択して、金型へ投入して積層する(ステップSc6)。
図3の圧電積層セラミックアクチュエータの第1のグリーンシートと第2のグリーンシートの積層例では最上部に圧電セラミック層1のみからなる第1のグリーンシート、2層目に一方の端部から第1のグリーンシートの長さの98%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、3層目に他方の端部から第1のグリーンシートの長さの80%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、4層目に一方の端部から第1のグリーンシートの長さの82%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、5層目に他方の端部から第1のグリーンシートの長さの98%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、6層目に一方の端部から第1のグリーンシートの長さの88%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、7層目に他方の端部から第1のグリーンシートの長さの88%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、8層目に一方の端部から第1のグリーンシートの長さの80%の長さの内部電極層2が形成された第2のグリーンシート、9層目の最下部に第1のグリーンシートを積層している。この積層例では両端部の不活性部分10は第1のグリーンシートの長さの2%で中央部の有効活性層8は第1のグリーンシートの長さの60%、その間の緩衝層部分11は第1のグリーンシートの長さの18%となる。
緩衝層部分11は第1のグリーンシートの長さ、すなわち圧電セラミック層の長さの1%以上30%以下の長さであればよい。1%未満では緩衝層の長さが短すぎてクラック等の発生を抑制することが困難であり、30%を超える場合には有効活性層が短くなり大きな発生力が得られ難くなる。また、緩衝層部分11は第2のグリーンシートの内部電極層の長さの組合せで決まるので、内部電極層2がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さで、内部電極層の端部を分散してずらすように、打ち抜いた第2のグリーンシートを適宜選択して調整する。
金型に投入後は、金型を介して積層方向から圧縮力を加え、積層した第1のグリーンシートと第2のグリーンシートの各々を圧着する(ステップSc7)。
そして、圧着して得た積層体を、その内部に含まれる有機物を除去するために、例えば400〜500℃で加熱して脱脂処理する(ステップSc8)。さらにこれを、例えば1000〜1200℃の高温で焼結して焼結体とする(ステップSc9)。
さらに焼結体は数個の圧電積層セラミックアクチュエータ素子が取れるようパターニングされた内部電極を積層して形成しているので、各積層体の内部に積層された内部電極層を取り出すように切断するための基準面出しを行う(ステップSc10)。そして数個取りでき、後に端子電極を形成するよう切断口が内部電極導出部となるようなスライス体へ、基準面から切断を行う(ステップSc11)。
スライス体の段階で端子電極の形成を行う(ステップSc12)。小型化に適したセラミックコンデンサ形状の場合、外部電極は銀ペーストなどを使用すると寸法精度が得られないため、ニッケル−銀などのスパッタ等にて端子電極を形成する場合が多い。
そして、端子電極を形成した後のスライス体を、所望の形状に切断加工して複数の焼結体素子を作製する(ステップSc13)。さらに切断加工により、焼結体素子の積層方向と垂直な他方向の両端面に露出した、端子電極を形成していない内部電極層の両端部に有機樹脂による絶縁コーティング処理を施す(ステップSc14)。最後に、焼結体素子の端子電極間に直流電圧を印加して、圧電セラミック層を分極する(ステップSc15)。
図1は本発明による圧電積層セラミックアクチュエータの断面図である。上述した製造工程に従って製造することにより、図1に示すように有効活性層8と、端子電極へ内部電極層を取り出すための不活性部分10との間に、内部電極層をずらした緩衝層部分11を有効活性層の側面方向の1%以上30%以下の長さで設けた構造を有する圧電積層セラミックアクチュエータ得ることができる。
以下、本発明の圧電積層セラミックアクチュエータの実施例について、上述の実施の形態で示した構成の積層セラミックアクチュエータを基にして、図面を参照しながら説明する。
(実施例)
先ず、図3に示す、積層体上下を保護する圧電セラミック層1からなる第1のグリーンシート、および圧電セラミック層1に内部電極層2を形成した第2のグリーンシートを作製するための圧電セラミック粉末として、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分としたネペック(登録商標)N−10(NECトーキン株式会社製)の粉末を使用した。またバインダーとなる有機樹脂として、ポリビニールブチラールを使用し、有機溶剤として、エチルセルソルブを使用した。そして、ネペックN−10の粉末を、ポリビニールブチラールとともに、溶剤としてのエチルセルソルブ液中へ分散して、これらを混合し、セラミックスラリーを得た。
先ず、図3に示す、積層体上下を保護する圧電セラミック層1からなる第1のグリーンシート、および圧電セラミック層1に内部電極層2を形成した第2のグリーンシートを作製するための圧電セラミック粉末として、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分としたネペック(登録商標)N−10(NECトーキン株式会社製)の粉末を使用した。またバインダーとなる有機樹脂として、ポリビニールブチラールを使用し、有機溶剤として、エチルセルソルブを使用した。そして、ネペックN−10の粉末を、ポリビニールブチラールとともに、溶剤としてのエチルセルソルブ液中へ分散して、これらを混合し、セラミックスラリーを得た。
また、内部電極層2の導電体として、銀−パラジウム合金粉末を使用した。内部電極ペースト用の有機樹脂は、エチルセルロースを使用し、有機溶剤として、α−テルピネオールを使用した。そして、銀−パラジウム合金粉末を、エチルセルロースとともに、α−テルピネオール液中に分散して、これらを混合し、内部電極層用ペーストを得た。
セラミックスラリーを用いて、ドクターブレード法により圧電セラミック粉末からなる第1のグリーンシートを作製した。グリーンシート厚みは110μmとして成膜した。
次に、内部電極層用ペーストを用いて、110μmのグリーンシート上に、スクリーン印刷法により、先に作製した内部電極層用ペーストを4μmの厚みにて印刷、乾燥し、圧電セラミック層1と内部電極層2からなる第2のグリーンシートを作製した。
次に、第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの各々を、矩形状の製品平面形状に打ち抜き加工した。この時に内部電極を印刷した第2のグリーンシートは内部電極層がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さで分散してずらして打ち抜き加工した。本実施例では製品寸法で5mm×5mm×12mmTの製品を得るために、有効活性層が焼結上がりで3mm幅、内部電極層導出のための不活性部分が焼結上がりで0.1mm、本発明による緩衝層部分が焼結上がりで0.9mmとなるように第2のグリーンシートを打ち抜いた。すなわち有効活性層の両脇に有効活性層の30%の長さである0.9mmからなる緩衝層部分が有り、緩衝層部分は、少なくとも有効活性層部分の側面方向の長さの1%以上30%以下の長さで分散してずらして打ち抜いた。
次に、第1のグリーンシートを20枚金型内へ積層し、内部電極層がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さでランダムにずらし打ち抜き加工した、すなわち、有効活性層部分の側面方向の長さの1%以上30%以下の長さで分散してずらして打ち抜いた第2のグリーンシートを、順次、金型へ投入して、100層からなる有効活性層と緩衝層部分、内部電極導出のための不活性部分の3部分構成からなる積層を行い、さらに第1のグリーンシートを20枚金型内へ積層し、そしてこれに、金型を介して積層方向から圧縮力を加え、積層したグリーンシートの各々を120℃、30分で熱プレスし圧着した。
次に、圧着された積層体を、その内部に含まれる有機物を除去するために、450℃で10時間程度の脱脂処理をおこなった。脱脂後、1100℃、2時間にて焼結し、約12.6mmの高さ寸法となる焼結体を得た。
焼結体は高さ12.0mmになる様両面ラップ研磨行い、さらに焼結体は復数個の圧電積層セラミックアクチュエータ素子が取れるようパターニングされた内部電極を積層して形成しているので、各積層体の内部に積層された内部電極層を導出するように切断するための基準面出しを行った。そして、基準面から数個取りで内部電極層の端部の切り口が内部電極層が導出されるようにスライス体への切断を行った。本実施例ではスライス切断後の幅が5mmとなるよう内部電極パターンを設計し切断した。
スライス体の段階で端子電極形成をスライス体の両端面に形成した。本実施例では下地にニッケルスパッタを行い、上地に銀スパッタを行った。
端子電極を形成したスライス体を、個々の焼結体素子に切り出し、5mm×5mm×12mmTの焼結体素子を得た。
さらに切断加工により、焼結体素子の積層方向と垂直な他方向の両端面に露出した、端子電極を形成していない内部電極層の両端部に有機樹脂による絶縁コーティング処理を施した。
端子電極を形成した各素子を空中で、端子電極の正極および負極間に2kV/mmの直流電圧を印加して、圧電セラミック層を分極した。
(比較例)
比較例のセラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータは、第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの各々を、矩形状の製品平面形状に打ち抜き加工した時に内部電極を印刷した第2のグリーンシートは内部電極層がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの98%の長さで打ち抜き加工した以外は実施例と同様に作製した。すなわち比較例では製品寸法で5mm×5mm×12mmTの製品を得るために、有効活性層が焼結上がりで3.9mm幅、内部電極層導出のための不活性部分が焼結上がりで0.1mm、緩衝層部分は設けずに第2のグリーンシートを打ち抜いた。その後は実施例と同様に金型内に積層し、セラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータを作製した。
比較例のセラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータは、第1のグリーンシートおよび第2のグリーンシートの各々を、矩形状の製品平面形状に打ち抜き加工した時に内部電極を印刷した第2のグリーンシートは内部電極層がそれぞれの端部から第1のグリーンシートの長さの98%の長さで打ち抜き加工した以外は実施例と同様に作製した。すなわち比較例では製品寸法で5mm×5mm×12mmTの製品を得るために、有効活性層が焼結上がりで3.9mm幅、内部電極層導出のための不活性部分が焼結上がりで0.1mm、緩衝層部分は設けずに第2のグリーンシートを打ち抜いた。その後は実施例と同様に金型内に積層し、セラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータを作製した。
本実施例の圧電積層セラミックアクチュエータの耐電圧特性を確認するため、比較例のセラミックコンデンサ形状の圧電積層セラミックアクチュエータと比較するように、破壊電圧特性を確認した。破壊電圧は大気中で10V/分で電圧を上昇させたときの圧電積層セラミックアクチュエータがクラックの発生等により機械的に破壊する電圧である。
表1に、本実施例の圧電積層セラミックアクチュエータの破壊電圧と従来構造であるセラミックコンデンサ形状の比較例の圧電積層セラミックアクチュエータの破壊電圧を示す。
また、信頼性試験として、高温高湿負荷試験(40℃、90%R.H.DC150V印可)で、n=50個で1000時間の試験を行ったが、絶縁抵抗の低下やショートなどの不良発生は見られなかった。
表1の破壊電圧結果に示すように、従来のセラミックコンデンサ構造の圧電積層セラミックアクチュエータに比較して約1.1倍の破壊電圧の向上が確認できた。加えて、高温高湿負荷試験(40℃、90%R.H.、DC150V印可)で絶縁抵抗劣化等の不良発生が見られなかったことより、本発明の圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法を用いることにより、耐電圧性に優れ、信頼性や耐久性に優れた圧電積層セラミックアクチュエータを得ることができた。
さらに、製造工程を簡略化することにより製造コストを抑えた安価な圧電積層セラミックアクチュエータとその製造方法を提供することができる。
なお、上述した実施例は、本発明の実施形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は、上述した実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変形が可能である。
本発明は、産業用や民生用の機器等に使用される精密制御用の機能デバイス等に関連する技術分野、およびこれに関連する応用技術分野に利用可能である。
1 圧電セラミック層
2 内部電極層
2a 引出電極
2b 中心部の内部電極層
2c 内縁部の内部電極層
2d 外縁部の内部電極層
2e 周縁部の内部電極層
3 端子電極
4 ガラス絶縁部
5 リード線はんだ付け部
6 リード線
8 有効活性層
10 不活性部分
11 緩衝層部分
101 スリット部
2 内部電極層
2a 引出電極
2b 中心部の内部電極層
2c 内縁部の内部電極層
2d 外縁部の内部電極層
2e 周縁部の内部電極層
3 端子電極
4 ガラス絶縁部
5 リード線はんだ付け部
6 リード線
8 有効活性層
10 不活性部分
11 緩衝層部分
101 スリット部
Claims (4)
- 複数の矩形状の圧電セラミック層と内部電極層を交互に積層し、前記内部電極層は1層おきに対向する側面に露出し、1対の端子電極に接続され、積層方向に投影して前記内部電極層の全てが重なる中央領域の有効活性層部分と前記内部電極層が対向する内部電極層と全て重ならない両端部の不活性部分と、前記有効活性層部分と前記不活性部分との間に、前記有効活性層の側面方向の長さの1%以上30%以下の長さの緩衝層部分を有することを特徴とする圧電積層セラミックアクチュエータ。
- 前記緩衝層部分は前記内部電極層の端部を分散してずらして配置されたことを特徴とする請求項1に記載の圧電積層セラミックアクチュエータ。
- 前記内部電極層は、銀および/またはパラジウムを有することを特徴とする請求項1に記載の圧電積層セラミックアクチュエータ。
- 少なくとも、圧電セラミック粉末、有機樹脂、および有機溶剤を混合してセラミックスラリーを作製する、セラミックスラリー作製工程と、導電体粉末、有機樹脂、および有機溶剤を混合して内部電極層用ペーストを作製する、内部電極層用ペースト作製工程と、前記セラミックスラリーを成膜して、第1のグリーンシートを作製する工程と、作製した前記第1のグリーンシートに一方の端部から中央部に内部電極層を印刷する第一のパターンと他方の端部から中央部に内部電極層を印刷する第二のパターンの2種類の異なるパターンの内部電極を印刷した第2のグリーンシートを得る工程と、前記第1のグリーンシートを矩形状の製品平面形状に打ち抜く工程と、前記第2のグリーンシートの各々を、矩形状の製品平面形状で、内部電極層がそれぞれの端部から前記第1のグリーンシートの長さの80%以上98%以下の長さで、内部電極層の端部を分散してずらすように、打ち抜く工程と、前記第1のグリーンシートを金型へ積層投入し、2種類の異なるパターンの内部電極を印刷した前記第2のグリーンシートを、交互に、金型へ投入して積層し、さらに前記第1のグリーンシートを金型へ積層投入し、積層体を形成する工程と、前記積層体をプレス機にて加圧成形する工程と、加圧成形された前記積層体の内部に含まれる有機物を除去するために、加熱して脱脂処理する工程と、前記積層体を焼成して焼結体を形成する工程と、前記焼結体の内部に積層された内部電極層を取り出すように、切断するための基準面出しを行う工程と、前記内部電極層を前記焼結体から導出するよう切り出せるように、基準面から切断を行いスライス体を形成する工程と、前記スライス体の両端面に端子電極を形成する工程と、前記端子電極を形成した後のスライス体を、個々の圧電積層セラミックアクチュエータ素子に切断加工する工程と、個々に切断された圧電積層セラミックアクチュエータ素子の積層方向と垂直な他方向で、端子電極を形成していない切り出した両端面に露出する内部電極層の端部に、有機樹脂等による絶縁コーティング処理を施す工程と、前記圧電積層セラミックアクチュエータ素子の端子電極間に直流電圧を印加して、前記圧電セラミック層を分極する、分極処理工程とを有することを特徴とする圧電積層セラミックアクチュエータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010210404A JP2012069546A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010210404A JP2012069546A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012069546A true JP2012069546A (ja) | 2012-04-05 |
Family
ID=46166512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010210404A Pending JP2012069546A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012069546A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014049906A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Kyocera Corp | 圧電素子、音響発生器、音響発生装置及び電子機器 |
JP2014236430A (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-15 | 京セラ株式会社 | 圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末 |
US10199633B2 (en) | 2015-12-09 | 2019-02-05 | Ut-Battelle, Llc | Method of manufacturing high volumetric density electrodes from self-aligning fiber powders |
CN110098314A (zh) * | 2018-01-30 | 2019-08-06 | 太阳诱电株式会社 | 层叠压电陶瓷部件及其制造方法和压电器件 |
CN116133507A (zh) * | 2023-01-05 | 2023-05-16 | 黑龙江迪米电陶科技有限公司 | 叠层型压电陶瓷全电极结构及其制造工艺 |
-
2010
- 2010-09-21 JP JP2010210404A patent/JP2012069546A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014049906A (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-17 | Kyocera Corp | 圧電素子、音響発生器、音響発生装置及び電子機器 |
JP2014236430A (ja) * | 2013-06-04 | 2014-12-15 | 京セラ株式会社 | 圧電振動素子ならびにそれを用いた圧電振動装置および携帯端末 |
US10199633B2 (en) | 2015-12-09 | 2019-02-05 | Ut-Battelle, Llc | Method of manufacturing high volumetric density electrodes from self-aligning fiber powders |
CN110098314A (zh) * | 2018-01-30 | 2019-08-06 | 太阳诱电株式会社 | 层叠压电陶瓷部件及其制造方法和压电器件 |
CN116133507A (zh) * | 2023-01-05 | 2023-05-16 | 黑龙江迪米电陶科技有限公司 | 叠层型压电陶瓷全电极结构及其制造工艺 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5621573B2 (ja) | コイル内蔵基板 | |
KR101812475B1 (ko) | 적층 세라믹 콘덴서 | |
JP2012069546A (ja) | 圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 | |
JP2007173456A (ja) | 積層型圧電バイモルフ素子およびその製造方法 | |
JP5007748B2 (ja) | 熱電変換モジュールおよび熱電変換モジュールの製造方法 | |
JP5920537B2 (ja) | 積層型熱電変換素子 | |
WO2011148678A1 (ja) | Lc共焼結基板及びその製造方法 | |
KR101514912B1 (ko) | 전자 부품 | |
JP5382225B2 (ja) | セラミック多層基板およびその製造方法 | |
JP4612970B2 (ja) | 積層電子部品 | |
JP2007019420A (ja) | 積層型圧電素子 | |
JP6591771B2 (ja) | 積層コンデンサ | |
JPWO2015053038A1 (ja) | 積層型熱電変換素子 | |
JP2006269659A (ja) | 積層型ntcサーミスタ | |
JP2539106B2 (ja) | 圧電アクチュエ―タおよびその製造方法 | |
JP2013016727A (ja) | 電子部品及びその製造方法 | |
JP5409703B2 (ja) | 積層型圧電アクチュエータの製造方法 | |
JP2008041991A (ja) | 積層型圧電アクチュエータ素子 | |
JP2012009644A (ja) | 円筒型圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 | |
JP5444593B2 (ja) | 積層型圧電素子 | |
JP2012069715A (ja) | 円筒型圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 | |
JP2012069547A (ja) | 円筒型圧電積層セラミックアクチュエータおよびその製造方法 | |
JP4674456B2 (ja) | 積層セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JP2014165350A (ja) | 積層セラミック電子部品の製造方法 | |
JP2017188628A (ja) | 圧電素子、その製造方法および圧電アクチュエータ |