JP2012068551A - 眼内レンズシミュレーション装置及びシミュレーション方法 - Google Patents

眼内レンズシミュレーション装置及びシミュレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多焦点眼内レンズの挿入手術を受けなくても、その効果等を実感・体験できる眼内レンズシミュレーション装置及び方法を得る。
【解決手段】主アフォーカル光学系を有すること;所定の被検眼内レンズを収納する被検レンズ支持手段と、入射した軸上光束径を細くして被検眼内レンズに向かって射出する作用を有する前方光学系を有すること;主アフォーカル光学系の後方から観察者が前方光学系、被検眼内レンズ及び主アフォーカル光学系を通して被観察物を観察可能であること;観察者の眼と瞳共役関係となる位置に被検レンズ支持手段が配置されていること;前方光学系から主アフォーカル光学系を含む全系の合成角倍率が略等倍であること、及び前方光学系に入射する光束の軸上光束径をφ1、被検眼内レンズに入射する光束の軸上光束径をφ2としたとき、
0.77<φ2/φ1<0.89
を満足する眼内レンズシミュレーション装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼内レンズシミュレーション装置及びシミュレーション方法に関する。
白内障の治療を目的として、混濁した水晶体を摘出し眼内レンズ(IOL)を挿入する手術が普及している。一方で、白内障治療目的のみではなく、老視で失いかけている調整力を補うために、多焦点眼内レンズが用いられている。多焦点眼内レンズは所定の基本屈折力と該基本屈折力に差分屈折力を加えた付加屈折力の複数の屈折力を有するものであり、レンズの表面を、エリア毎に異なる曲率半径で構成した屈折型と、回折構造にした回折型が知られているが、どちらも集光点を複数(遠方視用・近方視用)に光軸方向に分割するものである。このような構成にすることで、遠方視用・近方視用どちらかの集光点で視力が確保でき、眼鏡に頼らなくても生活が送れる利点がある。
特許第3814017号公報 特表2007−527263号公報
しかし、2つの集光点の少なくともどちらか一方はぼけた状態に見えるため、そのぼけがノイズとなってコントラストなど視認性を劣化させる要因となる。例えば、回折型ではハイライトがぎらつくグレアが、屈折型では、光の周辺に輪がかかって見えるハローという現象が出やすいなどの欠点がある。これらは眼内レンズの多焦点化による副作用であって健常眼では認識されない現象であり、多焦点眼内レンズの手術を受けた後にはじめて実感できる(つまり、術前には実感できない)。
特許文献1は、結像光学系の光路中に眼内レンズを配置し、網膜像に相当する像をCCD等で撮像して提示する装置である。撮像素子や表示装置を介して提示されるため、実際の人間の視覚においてどのような処理がなされるかは反映できない。
特許文献2は、多焦点コンタクトレンズのフィッテングを目的とし、途中で分岐した光路の片方に加入レンズを入れることで異なる視度の像を合成する装置である。実際に人間が覗くことのできる装置であるが、多焦点眼内レンズ各種の機能の違いを実感できるものではない。これは像の合成による多焦点化と実際の多焦点眼内レンズの多焦点化の光学的手法が異なる為であり、例えば屈折型などで指摘されている瞳孔径による見え方の違いなどは表現することができない。
本発明は、多焦点眼内レンズの挿入手術を受けなくても(挿入手術を受ける前に)、その効果、回折型と屈折型の差異、あるいはデメリットを実感・体験できる眼内レンズシミュレーション装置及びシミュレーション方法を得ることを目的とする。さらに本発明は、実際に挿入手術を受けた眼内においての眼内レンズに入射する光束は、角膜の正の屈折力の影響を受けることから、角膜の影響も考慮した高精度な眼内レンズシミュレーション装置及びシミュレーション方法を得ることを目的とする。
本発明は、平行光で入射した光束を略平行光で射出する、遠方の物体を観察できるアフォーカル光学系の前方に多焦点サンプルレンズ(多焦点眼内レンズ)を配置し、同アフォーカル光学系の後方から、多焦点サンプルレンズとアフォーカル光学系を通して被観察物を観察し、さらに同アフォーカル光学系の前方に、人の角膜の正の屈折力をシミュレーションする作用を有する光学系を付加すれば、多焦点サンプルレンズの装着感が実感できるという着眼に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明による眼内レンズシミュレーション装置は、平行光で入射した光束を略平行光で射出する主アフォーカル光学系を有すること;所定の被検眼内レンズを収納する被検レンズ支持手段と、前方光学系を有し、該前方光学系は該前方光学系に入射した軸上光束径を細くして被検眼内レンズに向かって射出する作用を有すること;上記被検レンズ支持手段と前方光学系は、上記主アフォーカル光学系の前方に配置されていて、該主アフォーカル光学系の後方から観察者が上記被検眼内レンズと主アフォーカル光学系を通して被観察物を観察可能であること;観察者の眼が配置されると想定された位置と瞳共役関係となる位置に上記被検レンズ支持手段が配置されていること;上記被検レンズ支持手段に被検眼内レンズを支持した状態で、上記前方光学系から主アフォーカル光学系を含む全系の合成角倍率が略等倍であること、及び上記前方光学系に入射する光束の軸上光束径をφ1、被検眼内レンズに入射する光束の軸上光束径をφ2としたとき、
0.77<φ2/φ1<0.89
を満足すること、を特徴としている。
本発明による眼内レンズシミュレーション装置は、多焦点被検眼内レンズ(多焦点眼内レンズあるいは等価な機能をもつテストピース)の光学的作用を観察者の水晶体近傍へリレーすることにより、被検眼内レンズを装着した被験者と同等の見え方を体感させるものである。これを実現する為に、観察者の眼が配置されると想定された位置と瞳共役関係となる位置に被検レンズ支持手段を配置すると共に、遠方の物体を観察できる主アフォーカル光学系を用いている。また上記の条件式の下限を下回ると、多焦点被検眼内レンズ(多焦点眼内レンズ)の光学的作用である差分屈折力(基本屈折力と付加屈折力の差)の効果である焦点が合う遠方物体と近方物体の物体距離の差が、実際に挿入手術を受けた眼内においての眼内レンズの効果より少なくなりすぎ、2焦点(あるいは多焦点)の実感が体感しづらくなる。同条件式の上限を上回ると、多焦点被検眼内レンズの差分屈折力の効果である焦点が合う遠方物体と近方物体の物体距離の差が、実際に挿入手術を受けた眼内においての眼内レンズの効果より大きくなりすぎ、例えば焦点の合う遠方物体に対して焦点の合う近方物体の物体距離が近くなりすぎ、実際に挿入手術を受けた状態での使い勝手が体感しづらくなる。
本発明の眼内レンズシミュレーション装置においては、上記前方光学系を、角倍率略1.2倍の拡大アフォーカル光学系とし、上記主アフォーカル光学系は、角倍率が略1/1.2倍とすることが好ましい。
また、別の態様では、上記前方光学系には負のパワーを与え、上記被検レンズ支持手段に支持される被検眼内レンズと上記主アフォーカル光学系の間には、正のパワーの後方光学系を配置し、上記被検レンズ支持手段は被検眼内レンズを水中に保持し、被検眼内レンズを水中に保持した状態で、上記前方光学系から後方光学系までの合成角倍率を略等倍に設定することが好ましい。
主アフォーカル光学系は、該主アフォーカル光学系内で観察物の実像を作るケプラー式とする。すなわち、主アフォーカル光学系にはケプラー式とガリレオ式があるが、瞳共役点が実像となるケプラー式の構成を取ることが必要である。これによって入射瞳位置に被検眼内レンズを配置することが可能となり、射出瞳位置には被検眼内レンズの光学的作用がリレーされる。観察者は一般的な望遠鏡と同様に水晶体が射出瞳位置にくるよう眼を置くことで被検眼内レンズを装着した被験者と同等の見え方を体感できる。
主アフォーカル光学系内には、その実像形成位置の近傍に、該実像近傍の空間位置を示す指標を配置することが好ましい。すなわち、被検眼内レンズを装着した被験者は眼の調節機能を持たないが、観察者は眼の調節機能を持つ為多焦点被検眼内レンズの光学的作用と調整力による作用とが混在している状態である。そこで、ケプラー式主アフォーカル光学系の内部に形成する実像位置近傍に指標を配置し、観察者がこの指標を注視することによって、眼の調節力が極力働かないように誘導することが望ましい。
主アフォーカル光学系は、具体的には、倍率が略等しい2つのアフォーカル光学系を対向させて配置して構成することができる。ケプラー式の光学系では倒立像を正立化するため、一般にポロプリズムなどに代表される正立光学系(像反転光学系)が必要となる。しかし、このプリズムは同時に光学系の入射角を制限するものである。一般的なケプラー式の双眼鏡などでは倍率が低いものでも入射角は±10°程度が限界である。略等倍であるケプラー式の光学系では射出角も同程度であるから、見かけの視界が狭くなるということになる。そこでこの正立光学系をリレー光学系に置き換えることで略等倍であると同時に実視界(見かけの視界)を広く取ることが可能となる。より具体的には、2つの倍率が等しいアフォーカル光学系を対向させて配置することで、双方の対向した対物レンズがリレー光学系として機能し、略等倍のケプラー光学系を構成する。
主アフォーカル光学系は1対を1組として双眼配置することができる。
被検レンズ支持手段に支持される多焦点サンプルレンズは、実際に眼内に挿入する多焦点眼内レンズ、すなわち肉眼内に水晶体の代わりに移植挿入可能な多焦点眼内レンズとすることができる。あるいは、多焦点眼内レンズとして、多焦点眼内レンズと光学的に等価なテストピースを用いることができる。光学的に等価なテストピースは、具体的には、屈折型の多焦点眼内レンズの場合には、屈折力を持たない透過部分と、上記基本屈折力(実際に眼内に挿入する多焦点眼内レンズの基本屈折力(例えば20ディオプター、以下D))との差分屈折力(例えば4D)を持つ屈折部分とを有するテストピースとし、回折型の場合には、0次光が屈折力を持たず、1次光が差分屈折力を持つテストピースとすることができる。
本発明は、多焦点眼内レンズのシミュレーション方法の態様では、平行光で入射した光束を略平行光で射出する主アフォーカル光学系を準備するステップ;主アフォーカル光学系の前方に、所定の被検眼内レンズと、入射した軸上光束径を細くして上記被検眼内レンズに向かって射出する前方光学系を配置するステップ;前方光学系から上記主アフォーカル光学系を含む全系の合成角倍率が略等倍であること;及び主アフォーカル光学系の後方に観察者の眼を配置して、上記前方光学系、被検眼内レンズ、及び主アフォーカル光学系を通して被観察物を観察するステップ;を有することを特徴としている。
本発明によれば、多焦点眼内レンズの挿入手術を受けなくても(挿入手術を受ける前に)、手術後の眼の角膜の正の屈折力の影響も加味した状態を精密に再現できるので、眼内レンズの効果、回折型と屈折型の差異、あるいはデメリットを正確に実感・体験できる。
本発明による眼内レンズシミュレーション装置の第一の実施形態を示す光路図である。 図1の眼内レンズシミュレーション装置の眼内レンズ光学系の近傍の一実施形態を示す断面図である。 図1、図2の眼内レンズシミュレーション装置の被検レンズホルダの一実施形態を示す断面図である。 本発明による眼内レンズシミュレーション装置の第二の実施形態を示す光路図である。 図4の眼内レンズシミュレーション装置の眼内レンズ光学系の近傍の拡大断面図である。 図4、図5の眼内レンズシミュレーション装置の被検レンズホルダの一実施形態を示す断面図である。 屈折型テストピースの構成を示す模式図である。 本発明による眼内レンズシミュレーション装置を双眼型とした一実施形態の外観斜視図である。
「実施形態1」
図1ないし図3は、本発明による眼内レンズシミュレーション装置の第1の実施形態を示している。この眼内レンズシミュレーション装置は、主アフォーカル光学系10と、この主アフォーカル光学系10の入射瞳位置に配置した眼内レンズ光学系200を有している。主アフォーカル光学系10は、無限遠物体からの光束(平行光束)が入射すれば、略平行光束が出射する光学系である。
主アフォーカル光学系10は、物体側から順に、正のパワーの対物レンズ群11、プリズム12、プリズム13及び正のパワーの接眼レンズ群14を有するいわゆるケプラー式光学系であり、対物レンズ群11による観察物の実像が結像面15に結像し、結像面15の像が主アフォーカル光学系10の射出瞳位置に置いた観察者の眼16によって接眼レンズ群14を介して観察される。プリズム12とプリズム13は、像を正立させる正立光学系であって、各2面合計4面の反射面を有する。具体的には、例えばポロプリズムによって構成することができる。結像面15には、例えば透明板上に描いた十字線からなる指標が装備される。接眼レンズ群14は、観察者の視度を調整するため、光軸方向に移動可能である。
眼内レンズ光学系200は、図2、図3に拡大して示すように、眼内レンズ支持手段20と、この眼内レンズ支持手段20の前方に位置する前方光学系40とを有している。眼内レンズ支持手段20は、入射側と出射側の透過平行平面板21と22の間を液体保持空間23としたもので、この液体保持空間23内に保持した液体(水)内に、多焦点眼内レンズ(被検眼内レンズ)24と相殺レンズ25を保持している。透過平行平面板21と22は、ケーシング26に固定されており、このケーシング26に対して着脱可能なレンズホルダ27に、被検眼内レンズ(多焦点サンプルレンズ)24と相殺レンズ25が保持される。眼内レンズ光学系200の液体保持空間23は、主アフォーカル光学系10の入射瞳位置に配置される。多焦点眼内レンズ24は、屈折型であると回折型であるとを問わず、水中(体液)での基本屈折力(例えば20D)と、この基本屈折力に差分屈折力を加えた付加屈折力(例えば24D)とを有する。相殺レンズ25は、多焦点眼内レンズ24の基本屈折力を相殺する負の屈折力を有するものであり、多焦点化された屈折力の差分(4D)のみを抽出する。図2の眼内レンズ光学系200の入射角は±10°である。図3は、眼内レンズ支持手段20と前方光学系40を有する眼内レンズ光学系200をホルダー化した実施形態を示している。
また多焦点眼内レンズの代わりに基本屈折力がゼロであり差分屈折力のみを与えたテストピースを用いる場合には相殺レンズ25を省略することができる。さらに、この実施形態1では、液体保持空間23を入射/出射する光束をアフォーカルとしているので、このテストピースの差分屈折力は、水中に保持したときに所定の差分屈折力を観察者にリレーする設計であっても良いし、空気中に保持したときに所定の差分屈折力を観察者にリレーする設計であっても良い。空気中用のテストピースの場合は液体保持空間23から液体(水)排水し、中空とすれば良い。
前方光学系40は、正レンズ41と負レンズ42のガリレオ式アフォーカル系からなっており、眼の角膜の正の屈折力による影響をシミュレートするものである。すなわち、実際に水晶体を摘出し代わりに眼内レンズを挿入した場合には、眼内レンズに入射する光線は角膜の影響により集光光束となるから角膜に入射する光束径と眼内レンズに入射する光束径は異なっている。これに対し、眼内レンズ光学系200内に、後述する作用の前方光学系40を配置することで、眼内レンズ光学系200内の多焦点眼内レンズ24(被検レンズ)前後の光束径を、実際に眼に眼内レンズを挿入した状態の眼内レンズ前後の光束径と同等にして多焦点眼内レンズ24を評価することができる。
前方光学系40の角倍率は、主アフォーカル光学系10との合成角倍率を考慮して、全系での角倍率が略等倍となるように定められている。具体的には、前方光学系40の角倍率を約1.2倍程度とした場合、主アフォーカル光学系10の角倍率を約0.83倍程度(=1/1.2)と設定することで、全系の角倍率を略等倍とすることができる。この実施形態では、多焦点眼内レンズ24と相殺レンズ25を含む眼内レンズ支持手段20は、残存させた差分屈折力のみを有する。このように、前方光学系40、主アフォーカル光学系10及び相殺レンズ25のパワーを設定することで、多焦点眼内レンズ24と観察者の水晶体付近の瞳倍率を略等倍とし、多焦点眼内レンズ24の光学的作用の中の差分屈折力の作用を観察者の水晶体近傍へ高い精度でリレーすることができる。
より具体的に、多焦点眼内レンズ24の光学的作用を、本シミュレーション装置の観察者の水晶体近傍へより精度良くリレーする為には、本シミュレーション装置内の被検眼内レンズ位置での瞳径(軸上光束径)と観察者の水晶***置での瞳径(軸上光束径)が略等倍であることが望ましい。これは本シミュレーション装置内の被検眼内レンズの瞳径(軸上光束径)と、その眼内レンズを手術によって眼内に挿入した状態で透過する瞳径(軸上光束径)とを略等しくすることを意味する。多焦点眼内レンズ24の屈折力(光学的作用)は、本シミュレーション装置内において、その瞳径の2乗に比例して観察者の眼にリレーされるので、多焦点眼内レンズ24の瞳径と実際に眼内に挿入された状態における瞳径との差が大きいとシミュレーション精度が著しく低下してしまうのである。ここでLeGrandの模型眼の数値によって、水晶体の瞳径は角膜への入射瞳径(軸上光束径)に対し、水晶体入射面でおよそ0.89倍程度、射出面でおよそ0.77倍程度に縮小されることが分かっているので、多焦点眼内レンズ24の軸上光束径と主アフォーカル光学系10の射出側軸上光束径、すなわち観察者の角膜への入射光束径との関係にこの縮小関係を加えて考慮することで、高い精度で多焦点眼内レンズの光学的作用をリレーできる。つまり主アフォーカル光学系10の瞳倍率(=射出瞳/入射瞳)はこの縮小関係を考慮したものが望ましい。すなわち水晶***置の瞳径の縮小倍率がLeGrandの模型眼において0.89〜0.77であることから平均0.83倍程度としたとき、主アフォーカル光学系の瞳倍率を1/0.83=1.2倍(このとき角倍率は0.83倍となる)とすることで、多焦点眼内レンズ24の軸上光束径と観察者の角膜への入射光束径との関係を、実際の手術によって眼内レンズを挿入した状態に近い状態に設定できるのである。ただし主アフォーカル光学系10だけでは角倍率が0.83倍であるため、被観察物(外界の風景や物体)の遠近感が正しく反映されない。そこで眼内レンズ支持手段20の前方に角倍率が1.2倍程度の前方光学系40(ガリレオ式アフォーカル系)を付加することで、多焦点眼内レンズ24に0.83倍の光束を通過させると共に、本シミュレーション装置全系での角倍率を等倍(主アフォーカル光学系0.83倍×前方光学系1.2倍=1.0倍)として被観察物の遠近感を適正に保つのである。
以上の眼内レンズシミュレーション装置によると、観察者は、眼内レンズ光学系200の前方光学系40、多焦点眼内レンズ24及び主アフォーカル光学系10を順に通過した光束により、角膜の正の屈折力の影響をもシミュレーションした状態で、被観察物を観察可能である。すなわち、観察者の眼が配置されると想定された主アフォーカル光学系10の射出瞳位置と瞳共役関係となる位置に眼内レンズ光学系200(多焦点眼内レンズ24)が配置されており、眼内レンズ光学系200にはその前方に角膜の影響をシミュレーションする前方光学系40が含まれているので、主アフォーカル光学系10の前方に置いた眼内レンズ光学系200の内の多焦点眼内レンズ24の光学的作用を、角膜の影響も加味した上で、主アフォーカル光学系10の後方に置いた観察者の眼16(水晶体近傍)へリレーすることができ、多焦点眼内レンズ24を実際に装着した被験者と同等の見え方を体感させることができる。前方光学系40から主アフォーカル光学系10までの合成角倍率は等倍であり、被観察物(外界の風景や物体)を裸眼の状態と同様の倍率で観察できる。なお、主アフォーカル光学系10の入射瞳径(機械的な開放径)は多焦点眼内レンズ24の径より大きいことが好ましい。
また、結像面15近傍に置いた(描いた)指標は、観察者がこの指標を注視することによって、眼の調節力を極力所定の値に固定するように誘導し、差分屈折力の実感を容易にさせる。
次に、具体的な数値実施例1を説明する。
「数値実施例1」
表1は、数値実施例1のレンズデータである。表1において、NOは物体側から数えた面番号、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、N(d)はd線の屈折率、ν(d)はd線のアッベ数を示す。Rとdの単位はmmである。面番号1から6は前方光学系40(平行平面板21は前方光学系40の要素でもある)、面番号7と8は相殺レンズ25、面番号9と10は多焦点眼内レンズ24、面番号13から26は主アフォーカル光学系10である。
「表1」
NO R d N(d) ν(d)
1 33.000 3.200 1.77250 49.6
2 -54.300 2.930
3 -36.400 1.500 1.80100 35.0
4 36.400 1.000
5 ∞ 2.000 1.51633 64.1
6 ∞ 1.000 1.33304(水) 55.8
7 -13.650 0.500 1.49176 57.4 屈折力相殺レンズ
8 17.900 0.200 1.33304(水) 55.8
9 17.900 1.000 1.49176 57.4 眼内レンズ(20D)
10 -13.900 1.000 1.33304(水) 55.8
11 ∞ 2.000 1.51633 64.1
12 ∞ 20.500
13 51.160 1.600 1.69680 55.5
14 -171.300 0.500
15 31.100 2.600 1.74400 44.9
16 -31.100 1.000 1.84666 23.8
17 400.000 2.000
18 ∞ 30.000 1.51633 64.1 プリズム12
19 ∞ 6.690
20 ∞ 36.000 1.51633 64.1 プリズム13
21 ∞ 2.400
22 -480.000 1.200 1.84666 23.8
23 37.320 3.120 1.74400 44.9
24 -37.320 0.600
25 205.560 1.920 1.69680 55.5
26 -61.392 34.000
全系角倍率=0.98
前方光学系への軸上光束径φ1=7.08
被検眼内レンズへの軸上入射光束径φ2=5.98
φ2/φ1=0.84
面番号19と20の間の結像面15に指標が配置される。面番号26のd値34は、第26面からアイポイント(周辺光束が光軸と交わる位置)までの距離(アイレリーフ)であり、理想的な観察状態では、 主アフォーカル光学系10の射出瞳位置がこのアイポイントに一致する。
「実施形態2」
図4ないし図6は、本発明による眼内レンズシミュレーション装置の第2の実施形態を示している。この眼内レンズシミュレーション装置は、角倍率が略等倍の主アフォーカル光学系30と、この主アフォーカル光学系30の入射瞳位置に配置した眼内レンズ光学系200Nを有している。そして、眼内レンズ光学系200Nは、眼内レンズ支持手段20Nと、この眼内レンズ支持手段20Nの前方に位置する前方光学系40Nを有している。主アフォーカル光学系30の射出瞳位置には観察者の眼16が置かれる。
眼内レンズ支持手段20Nは、実施形態1の眼内レンズ支持手段20前後の平行平面板21と22を、負レンズ21Nと正レンズ22Pで置き換えたもので、多焦点眼内レンズ24と相殺レンズ25は、実施形態1と同一である。なお、負レンズ21Nと正レンズ22Pは液体保持空間を水で満たした場合、液体保持の為のカバーガラスも役割も兼ねている。
前方光学系40Nは、正レンズ41と負レンズ42、及び眼内レンズ支持手段20Nの負レンズ21Nからなっており、この前方光学系40Nと、眼内レンズ支持手段20Nの被検眼内レンズ24、相殺レンズ25、及び正レンズ22P(後方光学系)との合成角倍率は、略等倍に設定されている。このように前方光学系40Nから後方光学系22Pまでの合成角倍率を略等倍とすることにより、被観察物の遠近感を適正に保つことができる。図6は、眼内レンズ支持手段20Nと前方光学系40Nを有する眼内レンズ光学系200Nをホルダー化した実施形態を示している。
主アフォーカル光学系30は、2つの対称配置のケプラー式アフォーカル光学系31と32を有しており、眼内レンズ支持手段20N側のケプラー式アフォーカル光学系31は、物体側から順に、正レンズ群31a、合計4面の反射面を有する正立光学系31b、正レンズ群31cからなり、正レンズ群31aと正立光学系31bの間に結像面(1次結像面)31pが位置している。眼16側のケプラー式アフォーカル光学系32は、ケプラー式アフォーカル光学系31側から順に、正レンズ群32a、合計4面の反射面を有する正立光学系32b、正レンズ群32cからなり、正立光学系32bと正レンズ群32cの間に結像面(2次結像面)32pが位置している。正レンズ群31aと正レンズ群32c、正立光学系31bと正立光学系32b、正レンズ群31cと正レンズ群32aはそれぞれ、対称に配置された同一の光学系である。
眼内レンズ支持手段20N側のケプラー式アフォーカル系31と眼16側のケプラー式アフォーカル光学系32の合成した角倍率及び瞳倍率が共に略等倍であるので、主アフォーカル光学系30は、入射瞳位置に置かれた多焦点眼内レンズ24を含む眼内レンズ支持手段20Nの光学的作用を単に射出瞳位置へリレーするだけの機能しか持たない。つまり実施形態1とは異なり、主アフォーカル光学系30は角膜をシミュレートする前方光学系40Nの角倍率を打ち消したものとはなっていない。そこで、この実施形態2では、実施形態1の主アフォーカル光学系10が担っていた、多焦点眼内レンズ24の軸上光束径と観察者の角膜への入射光束径との関係を実際の手術によって眼内レンズを挿入した状態に近い状態に設定するための光学的機能を、眼内レンズ光学系200Nに持たせている。すなわち眼内レンズ光学系200Nの前方光学系40N(負レンズ21Nを含む)により、多焦点眼内レンズ24からの射出光束を所定の発散度を有する発散光として、所定の距離を置いた位置にある正レンズ22P(後方光学系)に入射させる配置とし、多焦点眼内レンズ24から射出する軸上光束径に対する正レンズ22Pから射出する軸上光束径の比が1/0.89=1.12倍となるようにしている。そして正レンズ22Pを射出する光束は略平行光束化されて主アフォーカル光学系30に入射するように正レンズ22Pの正のパワーが設定されている。負レンズ21Nは多焦点眼内レンズ24に入射する光束を所定の発散光とするよう機能している。本実施形態において、例えば前方光学系40に平行光束を入射させた場合、正レンズ41と負レンズ42はガリレオ式アフォーカル系として機能している。よって負レンズ21Nに入射する光束も平行光束となり、正レンズ22P(後方光学系)から射出する軸上光束も平行光束化されるので、眼内レンズ支持手段20Nとしては逆ガリレオ式アフォーカル光学系を構成している。そして眼内レンズ光学系200Nの角倍率を、略等倍に保つ構成になっている。以上のように、眼内レンズ光学系200Nの内部に前方光学系40N、相殺レンズ25、多焦点眼内レンズ24、及び正レンズ(後方光学系)22Pを置くことで、眼内レンズ瞳径と観察者の水晶体瞳径を略等倍とし観察者の角膜の影響をシミュレートすることができる。なお、このように構成した場合、負レンズ21Nに入射する軸上光束径と正レンズ22Pから射出する軸上光束径との比は多焦点眼内レンズ24との比1/0.83=1.2倍よりさらに大きくなる。本例の場合、前方光学系40Nの瞳倍率は0.78倍(角倍率は1.29倍)である。さらに本実施形態では正レンズ22Pのパワーを角膜のパワーと略一致するよう設定することによって擬似角膜として用い、軸上光束径が0.83倍程度に縮小した位置に眼内レンズ24を保持している。これにより擬似角膜として機能する正レンズ22Pと多焦点眼内レンズ24の軸上光線の入射出角度の関係も手術によって眼内レンズを挿入した状態に近い状態に設定している。眼内レンズ支持手段20N(ガリレオ式アフォーカル系)としては角倍率が略等倍となるよう構成しているので、主アフォーカル光学系30の入射瞳位置に装着しても光学系全体の角倍率は略等倍に維持される。
なお、実施形態2では、例えば、市販のケプラー式双眼鏡2台をそのまま流用し、対物光学系同士を対向配置して構成することができる。その場合、観察者の視度調整は、双眼鏡が備える視度調整機能およびフォーカシング機能をそのまま用いることができる。また、各双眼鏡には左右1対の正立光学系31bと左右1対の正立光学系32bが存在しているが、例えばポロプリズムなどに代表される複数の反射面を使った正立光学系(像反転光学系)は光学系の入射角を制限するものであるので、眼内レンズシミュレーション装置専用の光学系を構成する場合には、全ての正立光学系31bと正立光学系32bを省略する方が好ましい。正立光学系31bと正立光学系32bを省略したアフォーカル光学系では、ケプラー式アフォーカル光学系31と32の対向した正レンズ群31cと正レンズ群32aがリレー光学系であると共に像正立化光学系として機能する。
また、双眼鏡を流用した場合、主アフォーカル光学系30は、対をなすアフォーカル光学系(図4の光学系を一対)を備えているから、眼内レンズ支持手段20Nは、その対をなすアフォーカル光学系に対応させて一対を設けることで、双眼で観測可能なシミュレーション装置とすることができる。勿論、双眼鏡を流用せず、専用設計された主アフォーカル光学系10または主アフォーカル光学系30であったとしても、図1、図4の光学系及び眼内レンズ支持手段20(20N)を左右の眼視用に一対設けることが好ましいが、図1、図4の光学系を単独に設け、片眼ずつのシミュレーション装置として用いることも可能である。
次に、具体的な数値実施例2を説明する。
「数値実施例2」
表2は、数値実施例2のレンズデータである。面番号1から6は前方光学系40、面番号7と8は相殺レンズ25、9と10は多焦点眼内レンズ24、面番号11と12は正レンズ(後方光学系)22P、面番号13から28は、ケプラー式アフォーカル光学系31、面番号29から44はケプラー式アフォーカル光学系32である。ケプラー式アフォーカル光学系31と32はそれぞれ角倍率8倍の同一光学系である。また多焦点眼内レンズの変わりに基本屈折力がゼロであり差分屈折力のみを与えたテストピースを用いる場合には相殺レンズ25を省略することができる。眼内レンズ支持手段20Nの入射角は±20°である。
「表2」
NO R d N(d) ν(d)
1 32.000 3.500 1.77250 49.6
2 -73.650 4.800
3 -36.400 1.500 1.80100 35.0
4 36.400 1.000
5 -10.500 1.000 1.49176 57.4
6 21.500 0.930 1.33304(水) 55.8
7 -13.650 0.500 1.49176 57.4 屈折力相殺レンズ
8 17.900 0.200 1.33304(水) 55.8
9 17.900 1.000 1.49176 57.4 眼内レンズ(20D)
10 -13.900 1.500 1.33304(水) 55.8
11 ∞ 2.000 1.49176 57.4
12 -11.700 17.000
13 -336.400 6.496 1.62041 60.3
14 -22.388 0.232
15 26.448 11.600 1.62041 60.3
16 -21.460 2.320 1.80518 25.5
17 -188.500 20.834
18 ∞ 52.850 1.51680 64.2
19 ∞ 0.928
20 ∞ 36.285 1.56883 56.0
21 ∞ 32.434
22 -93.448 2.320 1.51742 52.2
23 485.008 35.102
24 ∞ 5.800 1.51680 64.2
25 -87.904 0.348
26 734.524 2.900 1.69895 30.0
27 111.558 8.120 1.51680 64.2
28 -111.558 16.240
29 111.558 8.120 1.51680 64.2
30 -111.558 2.900 1.69895 30.0
31 -734.524 0.348
32 87.904 5.800 1.51680 64.2
33 ∞ 35.102
34 -485.008 2.320 1.51742 52.2
35 93.448 32.434
36 ∞ 36.285 1.56883 56.0
37 ∞ 0.928
38 ∞ 52.850 1.51680 64.2
39 ∞ 20.834
40 188.500 2.320 1.80518 25.5
41 21.460 11.600 1.62041 60.3
42 -26.448 0.232
43 22.388 6.496 1.62041 60.3
44 336.400 20.000
全系角倍率=1.00
前方光学系への軸上光束径φ1=6.28
被検眼内レンズへの軸上入射光束径φ2=5.48
φ2/φ1=0.87
面番号39の後方8.12の結像面32pに、指標が位置する。面番号44のd値20は、第44面からアイポイント(周辺光束が光軸と交わる位置)までの距離(アイレリーフ)であり、理想的な観察状態では、主アフォーカル光学系30の射出瞳位置がこのアイポイントに一致する。
以上の実施形態では、被検眼内レンズとして多焦点眼内レンズ24を用いているが、被検眼内レンズとして、多焦点眼内レンズ24と光学的に等価なテストピースを用いることができる。図7は、屈折型の2焦点眼内レンズを想定した屈折型テストピース50の構成を示す模式図である。テストピース50は、遠方度数となる基本屈折力を0Dとして、相殺負レンズを省略できるように形成されている。テストピース50の前面は6輪帯構造部51となっており、図中の平行平面部分(凹部)を通過する光束が遠方焦点を受け持ち、凸球面部を通過する光束が近方焦点を受け持つ。表3はテストピース50のパラメータを示している。表3において、rは凸球面部の曲率半径(mm)、n1は屈折率、fは水中での凸球面部の焦点距離(mm)、Dは水中での近方度数(差分屈折力)、saguは中心輪帯部の段差量(mm)をそれぞれ示している。また、中心厚aは例えば2mm、外径bは例えば6mmである。
「表3」
r 41
n1 1.5
f 250
D 4.00
Sagu 0.11
図8は、本発明による眼内レンズシミュレーション装置を双眼型とした一実施形態の外観を示している。図1に示したアフォーカル光学系10または図4に示したアフォーカル光学系30を内蔵した光学鏡筒10Bまたは30Bは、左右一対が備えられており、この一対の光学鏡筒10Bまたは30Bの先端には、図2に示した眼内レンズ光学系200を設けている。この双眼型眼内レンズシミュレーション装置によれば、双眼でシミュレーション効果を体感することができる。
10 30 主アフォーカル光学系
11 対物レンズ群
12 13 プリズム
14 接眼レンズ群
15 結像面
16 眼
200 200N 眼内レンズ光学系
20 20N 眼内レンズ支持手段(被検レンズ支持手段)
21 22 透過平行平面板
21N 負レンズ
22P 正レンズ(後方光学系)
23 液体保持空間
24 多焦点眼内レンズ(多焦点被検眼内レンズ)
25 相殺レンズ
31 32 ケプラー式アフォーカル光学系(双眼鏡)
31a 31c 32a 32c 正レンズ群
31b 32b 正立光学系
31p 32p 結像面
40 40N 前方光学系
41 正レンズ
42 負レンズ
50 屈折型テストピース(多焦点被検眼内レンズ)

Claims (11)

  1. 平行光で入射した光束を略平行光で射出する主アフォーカル光学系を有すること、
    所定の被検眼内レンズを収納する被検レンズ支持手段と、前方光学系を有し、該前方光学系は該前方光学系に入射した軸上光束径を細くして被検眼内レンズに向かって射出する作用を有すること、
    上記被検レンズ支持手段と前方光学系は、上記主アフォーカル光学系の前方に配置されていて、該主アフォーカル光学系の後方から観察者が上記被検眼内レンズと主アフォーカル光学系を通して被観察物を観察可能であること、
    観察者の眼が配置されると想定された位置と瞳共役関係となる位置に上記被検レンズ支持手段が配置されていること、
    上記被検レンズ支持手段に被検眼内レンズを支持した状態で、上記前方光学系から主アフォーカル光学系を含む全系の合成角倍率が略等倍であること、及び
    上記前方光学系に入射する光束の軸上光束径をφ1、被検眼内レンズに入射する光束の軸上光束径をφ2としたとき、
    0.77<φ2/φ1<0.89
    を満足すること、
    を特徴とする眼内レンズシミュレーション装置。
  2. 請求項1記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記前方光学系は、角倍率略1.2倍の拡大アフォーカル光学系であり、上記主アフォーカル光学系は、角倍率が略1/1.2倍である眼内レンズシミュレーション装置。
  3. 請求項1記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記前方光学系は負のパワーを有し、上記被検レンズ支持手段に支持される被検眼内レンズと上記主アフォーカル光学系の間には、正のパワーの後方光学系が配置され、上記被検レンズ支持手段は被検眼内レンズを水中に保持し、被検眼内レンズを水中に保持した状態で、上記前方光学系から後方光学系までの合成角倍率が略等倍に設定されている眼内レンズシミュレーション装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記主アフォーカル光学系は、該主アフォーカル光学系内で観察物の実像を作るケプラー式である眼内レンズシミュレーション装置。
  5. 請求項4記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記主アフォーカル光学系内に作られる実像近傍に、該実像近傍の空間位置を示す指標を配置した眼内レンズシミュレーション装置。
  6. 請求項1または3項記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記主アフォーカル光学系は、倍率が略等しい2つのアフォーカル光学系を対向させて配置して構成されている眼内レンズシミュレーション装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記主アフォーカル光学系は1対を1組として双眼配置されている眼内レンズシミュレーション装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記被検レンズ支持手段に支持される被検眼内レンズは、肉眼内に水晶体の代わりに移植挿入可能な多焦点眼内レンズである眼内レンズシミュレーション装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の眼内レンズシミュレーション装置において、上記被検レンズ支持手段に支持される被検眼内レンズは、基本屈折力または基本屈折力に差分屈折力を加えた付加屈折力のどちらか一方がほぼゼロである屈折型のテストピース、または回折型のテストピースである眼内レンズシミュレーション装置。
  10. 請求項6記載の多焦点レンズシミュレーション装置において、上記主アフォーカル光学系内に可変絞りを配置した多焦点レンズシミュレーション装置。
  11. 平行光で入射した光束を略平行光で射出する主アフォーカル光学系を準備するステップ;
    上記主アフォーカル光学系の前方に、所定の被検眼内レンズと、入射した軸上光束径を細くして上記被検眼内レンズに向かって射出する前方光学系を配置するステップ;
    上記前方光学系から上記主アフォーカル光学系を含む全系の合成角倍率が略等倍であること;及び
    上記主アフォーカル光学系の後方に観察者の眼を配置して、上記前方光学系、被検眼内レンズ、及び主アフォーカル光学系を通して被観察物を観察するステップ;
    を有することを特徴とする眼内レンズシミュレーション方法。
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