JP2012067741A - 燃焼基準温度の推定 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼基準温度(CRT)を推定することにおける精度を向上させるための方法、システム及びプログラム製品を提供する。
【解決手段】1つの実施形態では、本発明は、ガスタービンにおいて燃焼基準温度(CRT)を推定する方法を提供し、本方法は、周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択されたガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するステップと、少なくとも1つの作動条件の測定値を物理学ベースのモデルに入力するステップと、物理学ベースのモデルを使用してガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するステップと、少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するステップとを含む。
【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、総括的にはターボ機械に関し、より具体的には、ガスタービンのようなタービン機械において燃焼基準温度(CRT)を推定するための方法、システム及びプログラム製品に関する。
CRTは通常、ガスタービン制御スキーマにおいてガスタービン運転時における燃料のステージング及びスケジューリングの両方のための基準とした使用される。ステージングは、多種燃料回路を利用するガスタービン上の様々な燃料回路を使用可能にすること及び/又は使用不能にすることを伴う。ステージングへの変更は一般的に、モード移行と呼ばれる。燃料回路分割のスケジューリングは、使用可能な燃料回路の各々によって送給された総燃料質量流量の分割を決定すること伴う。CRTは一般的に、複数の測定入力(例えば、圧縮機吐出圧力、圧縮機吐出温度及び/又はタービン排気温度)に基づいて実験誘導モデルを使用して推定される。
推定CRTは、ガスタービン内部の温度の推定値を表しており、この推定値には、様々な誤差要素が含まれる。例えば、従来型の実験誘導モデルは、単純化及び広範な適用性のために、必然的に環境及び作動条件におけるその測定値の精度を犠牲にしている。加えて、そのような従来型のモデルの静的性質により、異なるユニット間に及び所定のユニットの寿命全体にわたり存在しがちであるもののような物理的変化又は差異が考慮されない。同様に、定常状態条件を予測する従来型のモデルでは、熱過渡時における熱伝達が考慮されない。
米国特許第7,620,461号公報
これらの及びその他の従来型のモデルの限界は、不正確なCRT推定値をもたらしかつ燃料分割及びモード移行の不適当なスケジューリングを生じて、燃焼作動性の問題を引き起こす可能性がある。
本発明の実施形態は、燃焼基準温度(CRT)を推定することにおける精度を向上させるための方法、システム及びプログラム製品を提供する。本発明の幾つかの実施形態では、そのような精度の向上は、高忠実性の物理学ベースのモデルを使用して達成されて、CRTを推定する従来型の方法に優る幾つかの利点が得られる。
1つの実施形態では、本発明は、ガスタービンにおいて燃焼基準温度(CRT)を推定する方法を提供し、本方法は、周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択されたガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するステップと、少なくとも1つの作動条件の測定値を物理学ベースのモデルに入力するステップと、物理学ベースのモデルを使用してガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するステップと、少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するステップとを含む。
別の実施形態では、本発明は、ガスタービンにおいて燃焼基準温度(CRT)を推定するためのシステムを提供し、本システムは、コンピュータ装置と、周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択されたガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するための測定装置と、少なくとも1つの作動条件の測定値を物理学ベースのモデルに入力するための入力装置と、物理学ベースのモデルを使用してガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するための計算機と、少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するための計算機とを含む。
さらに別の実施形態では、本発明は、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されかつ実行された時にガスタービンにおいて燃焼基準温度(CRT)を推定するプログラム製品を提供し、本プログラム製品は、周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択されたガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するためのプログラムコードと、少なくとも1つの作動条件の測定値を物理学ベースのモデルに入力するためのプログラムコードと、物理学ベースのモデルを使用してガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するためのプログラムコードと、少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するためのプログラムコードとを含む。
さらに別の実施形態では、本発明は、ターボ機械を運転する方法を提供し、本方法は、周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択されたガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するステップと、少なくとも1つの作動条件の測定値を物理学ベースのモデルに入力するステップと、物理学ベースのモデルを使用してガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するステップと、少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するステップと、CRTに基づいて燃料回路分割又は燃焼モード移行の少なくとも1つをスケジューリングするステップとを含む。
本開示のこれらの及びその他の特徴は、本発明の様々な実施形態を示す添付図面と関連させてなした本発明の様々な態様の以下の詳細な説明から一層容易に理解されるようになるであろう。
従来型の推定方法を使用した場合の変動周囲温度における燃焼基準温度(CRT)誤差のプロット図。 従来型の推定方法を使用した場合の正常ユニット及び劣化ユニットにおけるCRT誤差のプロット図。 ガスタービンの負荷及び無負荷時において過渡作用を考慮してまた過渡作用を考慮せずに計算したCRTのプロット図。 CRT推定における熱伝達率の作用のプロット図。 本発明の実施形態によるシステムの概略図。 本発明の実施形態による方法のフローチャート。
本発明の図面は正確な縮尺でないことに留意されたい。図面は、本発明の典型的な態様のみを示すことを意図しており、従って本発明の技術的範囲を限定するものとして考えるべきではない。図面では、同じ参照符号付けが、図面間で同様の要素を表している。
本発明の実施形態は、高忠実性の物理学ベースのモデルに依存することによってガスタービンにおけるCRT推定の精度を向上させて、CRTを推定する従来型の方法に優る幾つかの利点をもたらす。
高忠実性の物理学ベースのモデルの利用によってのみ利点が生じる。このモデルは、ガスタービンの複雑な物理的プロセスをより良好にモデル化することができ、また内部(例えば、製造変化及び劣化)並びに外部(周囲条件)変動を含む広範囲の作動条件(例えば、負荷)並びに変動にわたる内部ガスタービン状態をより正確にモデル化することができる。本発明の1つの実施形態では、モデルは、GE制御システムで利用されている適応リアルタイムエンジンシミュレーション(ARES)を含みかつ精度の向上をもたらす。この向上の一部は、従来型のCRT計算における4つの入力に比較して一桁大きいARESモデル入力数の増加によるものである。入力として付加的な変数を考慮することにより、モデルの精度は、より少ない入力を伴うものよりも向上する。精度の向上は、少なくとも一桁大きなものとすることができる。例えば図1を参照されたく、この図1は、CRT推定の従来型の方法における様々な負荷及び周囲温度での比較的大きな誤差を示している。
さらなる向上は、適応型であるモデル、つまり1つ又はそれ以上の入力を利用して所定の調整入力の応答に適合するように制御モデルをリアルタイムに能動調整するモデルを利用することである。従って、モデルは、平均的ユニットそのものを表すのではなく、むしろモデルは、その現在の状態において現在のユニットに適合するように調整される。その結果、ユニット間及び製品寿命にわたる間の両方についての任意の環境変動及びガスタービン内部変動におけるあらゆる出力信号の精度が向上する。例えば図2を参照されたく、この図2は、従来型のCRT推定方法での正常ユニット及び劣化ユニットの出力範囲にわたる差異を示している。
本発明の実施形態によって得られる別の利点は、公知の方法におけるような定常状態作用そのものよりも過渡作用のモデル化である。1つの過渡作用は、作動流体及びガスタービン間で生じる熱伝達である。熱過渡事象の実施例には、負荷変化及びグリッド周波数事象が含まれる。過渡事象に応じて、エネルギーは、作動流体に又は作動流体から伝達されて、ガスタービンの内部状態に影響を与える可能性がある。熱伝達をモデル化することによって、過渡事象時におけるCTRであるような内部状態の精度が、向上する。
例えば、図3は、ガスタービンの負荷及び無負荷時における過渡作用を考慮した場合のまた過渡作用を考慮しない場合のCRTのプロット図を示している。図から分かるように、過渡作用を考慮しないことにより、負荷時におけるCRTの過小推定及び無負荷時におけるCRTの過大推定が生じる。この誤差は、熱伝達モデルを利用することによって、過渡事象の厳しさに応じて一桁又は二桁ほども減少することが観察された。図4は、推定CRTにおける熱伝達率の作用のプロット図を示している。
説明した要因の各々のみ並びにそれらの組合せにより、CRT推定の精度が向上する。このCRT精度の向上により、燃料分割のステージング及びスケジューリングの精度の向上が生じ、それにより次に、燃焼器作動性及びロバスト性が向上する。
本発明の1つの実施形態では、1つ又はそれ以上の動的作動条件を測定しかつ物理学ベースのモデルに入力して、ガスタービンのCRTを推定することができる。本明細書で使用する場合に、動的作動条件というのは、変化しかつ測定可能な作動条件である。一般的に、本発明の関連での動的作動条件は、短期間の間、例えば数分又は数秒の期間内に変化する可能性がある。そのような作動条件には、例えば周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件を含むことができる。周囲条件には、例えば周囲温度、周囲圧力、周囲湿度及び/又は周囲空気密度を含むことができる。圧縮機条件には、例えば圧縮機入口温度、圧縮機入口圧力、圧縮機入口空気密度、圧縮機吐出温度、圧縮機吐出圧力、入口ガイドベーン位置、圧縮機空気流量条件、圧縮機抽出流量条件及び/又は入口ブリード熱流量条件を含むことができる。燃料条件には、例えば燃料質量流量、燃料温度、燃料密度、燃料発熱量及び/又は燃料組成を含むことができる。タービン条件には、例えばタービン排気温度、タービン排気圧力、タービン排気ガス密度及び/又はタービンシャフト速度を含むことができる。本発明の幾つかの実施形態では、タービン条件は、熱過渡(つまり、タービン内での熱伝達の尺度)である。上記の説明は、実施例を示すものであって、包括的な列記を示すものではない。
図5は、ターボ機械92おける例示的な環境90の概略を示している。図示するように、ターボ機械92は、発電機96に結合されたタービンシステム94を含む。各部分は、その作動に必要なあらゆる現在公知の又は今後開発される構造を含むことができることを理解されたい。例えば、タービンシステム94は、あらゆる数の低圧、中圧又は高圧セクションを備えたガスタービン及び/又は蒸気タービンなどを含むことができる。環境90は、制御スキーマに関して本明細書に記載した様々なプロセスステップを実行することができるコンピュータ基盤102を含む。具体的には、コンピュータ基盤102は、物理学ベースの制御システム106を備えたコンピュータ装置104を含むものとして示しており、物理学ベースの制御システム106は、コンピュータ装置104が本開示のプロセスステップを実行することによって物理学ベースの制御スキーマを遂行するのを可能にする。物理学ベースの制御システム106は、ターボ機械92におけるモデル化技術に基づいたあらゆる現在公知の又は今後開発される制御システムを遂行するための幾つかの他のシステム/モジュールを含むことを理解されたい。
コンピュータ装置104は、メモリ112、プロセッサ(PU)114、入力/出力(I/O)インタフェース116及びバス118を含むものとして示している。さらに、コンピュータ装置104は、外部I/O装置/資源120及び記憶システム122と通信状態になっているものとして示している。当技術分野では公知なように、一般的にプロセッサ114は、メモリ112及び/又は記憶システム122内に記憶されたモデルベースの制御システム106のようなコンピュータプログラムコードを実行する。本発明の幾つかの実施形態では、プロセッサ114は、推定CRTを計算するために使用することができる。コンピュータプログラムコードを実行している間に、プロセッサ114は、メモリ112、記憶システム122及び/又はI/Oインタフェース116に/から温度データ又は圧力データのようなデータを読出しまた/又は書込むことができる。バス118は、コンピュータ装置104内の構成要素の各々間の通信リンクを構成する。I/O装置120は、ユーザがコンピュータ装置104と情報のやり取りをするのを可能にするあらゆる装置、或いはコンピュータ装置104が1つ又はそれ以上の他のコンピュータ装置と通信するのを可能にするあらゆる装置を含むことができる。入力/出力装置(それに限定されないがキーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含む)は、直接に又はI/Oコントローラを介在させるかのいずれかで本システムに結合することができる。
本発明の幾つかの実施形態では、I/O装置120は、タービンシステム94の動的作動条件を測定するための測定装置、及び/又はそのような動的作動条件の測定値をコンピュータ装置104内に内蔵されたスキーマに入力するための入力装置を含むことができる。
いずれにしても、コンピュータ装置104は、ユーザがインストールしたコンピュータプログラムを実行することができる汎用コンピュータ製品(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、携帯端末など)を含むことができる。しかしながら、コンピュータ装置104及び物理学ベースの制御システム106は、本開示の様々なプロセスステップを実行することができる様々な実施可能な等価のコンピュータ装置を表しているだけであることを理解されたい。この点で、他の実施形態では、コンピュータ装置104は、特定の機能を実行するためのハードウェア及び/又はコンピュータプログラムコードを備えたあらゆる専用コンピュータ製品、或いは専用及び汎用ハードウェア/ソフトウェアの組合せを備えたあらゆるコンピュータ製品などを含むことができる。各ケースではプログラムコード及びハードウェアは、それぞれ標準プログラミング及びエンジニアリング法を使用して形成することができる。
本発明の実施形態によるプログラム製品の実施した場合における技術的効果は、ガスタービンにおけるCRTの推定である。この技術的効果は、例えば周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択されたガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するステップと、少なくとも1つの作動条件の測定値を入力した物理学ベースのモデルを使用してガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するステップと、少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するステップとによって達成することができる。
同様に、コンピュータ基盤102は、本開示を実施するための様々なタイプのコンピュータ基盤を示しているだけである。例えば、1つの実施形態では、コンピュータ基盤102は、ネットワーク、共用メモリなどのようなあらゆるタイプの有線及び/又は無線通信リンクを通して通信して本開示の様々なプロセスステップを実行する1つ又はそれ以上のコンピュータ装置(例えば、サーバクラスタ)を含む。通信リンクがネットワークを含む場合には、ネットワークは、1つ又はそれ以上のタイプのネットワーク(例えば、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、仮想プライベートネットワークなど)のあらゆる組合せを含むことができる。本システムにはまた、ネットワークアダプタを結合して、データ処理システムがプライベート又はパブリックネットワークを介在させることにより他のデータ処理システム或いは遠隔プリンタ又は記憶装置に結合された状態になるのを可能にすることができる。モデム、ケーブルモデム及びイーサネット(商標)カードは、正に現在利用可能なタイプのネットワークアダプタの幾つかである。それにも拘らず、コンピュータ装置間の通信には、様々なタイプの送信技術のあらゆる組合せを利用することができる。
前述しかつ下記にさらに説明するように、物理学ベースの制御システム106は、コンピュータ基盤102がとりわけ本明細書に記載した制御スキーマを実行するのを可能にする。この点で、物理学ベースの制御システム106は、燃焼基準温度(CRT)制御スキーマ134を含むものとして示している。それらのスキーマ並びに関連する方法及びシステムの各々の動作について以下にさらに説明する。しかしながら、図5に示すスキーマは、コンピュータ基盤102内に含まれた1つ又はそれ以上の個別コンピュータ装置に対して独立して実装し、組合せかつ/又はメモリ内に記憶することができることを理解されたい。さらに、スキーマ及び/又は機能の幾つかは、実装されない可能性があり、或いは付加的スキーマ及び/又は機能は、環境90の一部として含むことができることを理解されたい。
CRT制御スキーマ134は、物理学ベースのモデルを使用しかつ上記のもののような1つ又はそれ以上の動的条件を採用してCRTを推定する。より正確なCRTは、燃焼器分割及びモード移行のスケジューリングの精度を向上させ、従って燃焼器作動性の問題を回避する。このことは、例えば密接な燃焼作動性ウィンドウを有するガスタービン製品に利点をもたらし、またそのような燃焼器分割及びモード移行のスケジューリングは、燃焼器作動性の問題を回避しかつ燃焼器作動性のロバスト性を向上させるのに極めて重要である。つまり、より正確なCRT推定値は、エミッション、性能及び燃焼器作動性のより少ない妥協及びそれらの向上を可能にする。推定CRTにおける不正確さの管理を可能にする十分なウィンドウを有しない製品では、CRT制御スキーマ134により、ロバスト解決法が行なわれる。CRT制御スキーマ134はまた、エミッション及び性能の利点を得るためのスケジューリング精度の向上を必要とする新製品の開発及び使用を可能にする。
CRT制御スキーマ134は、直接燃焼器境界モデルを必要とせず、従って僅かな労力で実施することができる。このケース、つまりARESを備えたCRT制御スキーマ134では、真の境界は、CRTの精度に依存した規定の燃料分割スケジュールに固有のものである。この方法は、未だ直接境界モデルを有しない燃焼モードにおいて従来型の方法を補足することができる。CRT制御スキーマ134はまた、現在の実験誘導モデルと相補状態で使用して、現測定値がガスタービンモデルを調整して測定不具合の場合に該調整モデルが存在しかつ利用することができるようにするのを可能にする。
図6は、本発明の実施形態による方法のフローチャートを示している。本方法は、ここではガスタービンに適用したものとして説明しているが、上述のようにその他の装置にも同様に適用することができる。
ステップS1において、ガスタービンの1つ又はそれ以上の動的作動条件の測定値が取得される。本明細書で使用する場合に、「取得される」、「取得する」及び同様の用語は、測定によって直接取得すること並びに他でなされた測定値を送給、受領及び/又は収集することの両方を含むことを意味する。上述のように、そのような動的作動条件には、例えば周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及び/又はタービン条件を含むことができる。
ステップS2において、ステップS1で取得した1つ又は複数の測定値は、物理学ベースのモデルに入力されかつステップS3においてガスタービンの1つ又はそれ以上の推定内部状態を計算するために使用される。ステップS5において、上述のように、ステップS4の推定CRTを使用して、燃料ステージングモード及び/又は燃料回路分割を決定する。
当業者には分かるように、本明細書に説明した制御スキーマは、例えばターボ機械用の全体制御システムの一部としてのような、1つ又は複数のシステム、方法又はコンピュータプログラム製品として具体化することができる。従って、本発明の実施形態は、本明細書では一般的にそれら全てを「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶことができる全体的なハードウェア実施形態、全体的なソフトウェア実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、或いはソフトウェア及びハードウェア態様を組合せた実施形態の形態を取ることができる。さらに、本発明は、媒体内に具体化したコンピュータ使用可能プログラムコードを有するあらゆる有形表現媒体内に具体化したコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
1つ又はそれ以上のコンピュータ使用可能な或いはコンピュータ読取り可能な(可読)媒体の組合せを利用することができる。コンピュータ使用可能な又はコンピュータ読取り可能な媒体は、例えばそれに限定されないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線又は半導体のシステム、器具、装置又は伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体のより具体的な実施例(限定的なリスト)には、以下のもの、つまり1つ又はそれ以上の配線を有する電気接続、携帯コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去プログラム可能読取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光学記憶装置、インターネット又はイントラネットを支持するもののような送信媒体、或いは磁気記憶装置が含まれることになる。コンピュータ使用可能な又はコンピュータ読取り可能な媒体は、プログラムが例えば紙又はその他の媒体の光学スキャニングにより電子的に捕捉し、次に必要に応じてコンパイルし、翻訳し或いは好適な方法でその他の処理し、かつ次にコンピュータメモリ内に記憶することができるので、その上に該プログラムを印刷した紙又は別の好適な媒体とさえすることができる。この資料との関連で、コンピュータ使用可能な又はコンピュータ読取り可能な媒体は、命令実行システム、器具又は装置により使用され或いはそれらと関連して使用されるようになったプログラムを内蔵し、記憶し、通信し、伝搬し又は移送することができるあらゆる媒体とすることができる。コンピュータ使用可能な媒体は、それらと共に具体化されたコンピュータ使用可能なプログラムコードをベースバンド内にか或いは搬送波の一部としてかのいずれかで有する伝搬データ信号を含むことができる。コンピュータ使用可能なプログラムコードは、それに限定されないが無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどを含むあらゆる適切な媒体を使用して送信することができる。
本発明の動作を遂行するためのコンピュータプログラムコードは、ジャバ(Java)(商標)、スモールトーク(Smalltalk)、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語、並びに「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来型の手続きプログラミング言語を含む1つ又はそれ以上のプログラミング言語のあらゆる組合せで書込むことができる。プログラムコードは、ユーザコンピュータ上で完全に、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザコンピュータ上で部分的に、ユーザコンピュータ上で部分的にかつリモートコンピュータ上で部分的に、或いはリモートコンピュータ又はサーバ上で完全に実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含むあらゆるタイプのネットワークを介してユーザコンピュータに接続することができ、或いはその接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行なうことができる。
本明細書では、本発明の実施形態による方法、装置(システム)並びにコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して、本発明の実施形態を説明している。フローチャート及び/又はブロック図の各々のブロック並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実行することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供して機械を動作させて、該命令が、コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに特定した機能/作用を実行するための手段を形成するようにすることができる。
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置に導いて特定の状態で機能させることができるコンピュータ可読媒体内に記憶させて、該コンピュータ可読媒体内に記憶した命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに特定した機能/作用を実行する命令手段を含む製品を形成するようにすることができる。
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置上にロードして、該コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置上で一連の動作ステップを実行してコンピュータ実施プロセスを動作させて、該命令が、コンピュータ又はその他のプログラム可能データ処理装置上で実行されるとフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに特定した機能/作用を実行するためのプロセスを構成するようにすることができる。
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合に、数詞を付していない表現は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、複数の形態もまた含むことを意図している。さらに、本明細書で使用する場合の「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、記述した特徴、回数、ステップ、操作、要素及び/又は構成部品の存在を特定するが、1つ又はそれ以上のその他の特徴、回数、ステップ、操作、要素、構成部品及び/或いはそれらの群の存在又は付加を排除するものではないことを理解されたい。
本明細書は最良の形態を含む実施例を使用して、本発明を開示し、また当業者が、あらゆる装置又はシステムを製作しかつ使用しまたあらゆる関連又は組込み方法を実行することを含む本発明の実施を行なうことを可能にもする。本発明の特許性がある技術的範囲は、特許請求の範囲によって定まり、また当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。そのようなその他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造的要素を有するか又はそれらが特許請求の範囲の文言と本質的でない相違を有する均等な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲の技術的範囲内に属することになることを意図している。
90 環境
92 ターボ機械
94 タービンシステム
96 発電機
102 コンピュータ基盤
104 コンピュータ装置
106 物理学ベースの制御システム
112 メモリ
114 プロセッサ(PU)
116 入力/出力(I/O)インタフェース
118 バス
120 外部I/O装置/資源
122 記憶システム
134 (CRT)制御スキーマ
150 他のシステム構成要素

Claims (8)

  1. ガスタービンにおいて燃焼基準温度(CRT)を推定する方法であって、
    周囲条件、圧縮機条件、燃料条件及びタービン条件からなる群から選択された前記ガスタービンの少なくとも1つの動的作動条件の測定値を取得するステップと、
    前記少なくとも1つの作動条件の測定値を物理学ベースのモデルに入力するステップと、
    前記物理学ベースのモデルを使用して前記ガスタービンにおける少なくとも1つの推定内部状態を計算するステップと、
    前記少なくとも1つのガスタービン内部状態に基づいて推定CRTを計算するステップと、を含む、
    方法。
  2. 前記推定CRTに基づいて燃料ステージングモードを決定すること又は燃料回路分割を決定することの少なくとも1つを実行するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記周囲条件が、周囲温度、周囲圧力、周囲湿度、周囲空気密度及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  4. 前記圧縮機条件が、圧縮機入口温度、圧縮機入口圧力、圧縮機入口空気密度、圧縮機吐出温度、圧縮機吐出圧力、圧縮機吐出空気密度、入口ガイドベーン位置、圧縮機空気流量条件、圧縮機抽出流量条件、入口ブリード熱流量条件及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  5. 前記燃料条件が、燃料質量流量、燃料温度、燃料密度、燃料発熱量、燃料組成及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  6. 前記タービン条件が、タービン入口温度、タービン入口圧力、タービン入口ガス密度、タービン排気温度、タービン排気圧力、タービン排気ガス密度、タービンシャフト速度及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  7. 前記物理学ベースのモデルが、適応型である、請求項1記載の方法。
  8. 前記物理学ベースのモデルが、過渡熱伝達モデルを含む、請求項1記載の方法。
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