JP2012067641A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気浄化触媒の上流側に小型酸化触媒および燃料供給弁を備えた内燃機関の排気浄化装置において、小型酸化触媒の劣化を抑制するとともに低温着火性能を向上させることにより、排気ガスの浄化性能を高める。
【解決手段】小型酸化触媒14の基材の上流端14cから下流側に向かって基材長さの35%〜90%に当たる部分である上流側部分14aは、前記上流側部分14aの全貴金属量の55質量%〜85質量%に相当する量の白金を含む。小型酸化触媒14の前記上流側部分14a以外の部分である下流側部分14bは、前記下流側部分14bの全貴金属量の0質量%〜50質量%に相当する量の白金を含む。
【選択図】図2C
【解決手段】小型酸化触媒14の基材の上流端14cから下流側に向かって基材長さの35%〜90%に当たる部分である上流側部分14aは、前記上流側部分14aの全貴金属量の55質量%〜85質量%に相当する量の白金を含む。小型酸化触媒14の前記上流側部分14a以外の部分である下流側部分14bは、前記下流側部分14bの全貴金属量の0質量%〜50質量%に相当する量の白金を含む。
【選択図】図2C
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来から、内燃機関の排気ガスを浄化する装置として、排気通路内に配置された酸化機能を有する排気浄化触媒と、排気通路内における排気浄化触媒の上流側に配置された酸化触媒と、この酸化触媒に燃料を供給する燃料供給弁とを備えた排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1に開示された排気浄化装置では、排気浄化触媒の上流側に、排気浄化触媒よりも体積の小さな小型酸化触媒が配置されている。この排気浄化装置によれば、小型酸化触媒によって排気浄化触媒の活性化が促され、排気ガスの浄化性能が向上する。すなわち、燃料供給弁から小型酸化触媒に対して燃料が供給されると、この燃料は小型酸化触媒内で酸化する。この際、小型酸化触媒内で酸化反応熱が生じ、小型酸化触媒の温度は急激に上昇する。その結果、排気ガスが小型酸化触媒によって加熱され、排気浄化触媒に対して、より高温の排気ガスが供給されることになる。したがって、排気浄化触媒の温度も上昇し、排気浄化触媒の活性化が促進される。また、排気浄化触媒が活性化しているときに、より多くの燃料を小型酸化触媒に供給すると、供給された燃料の一部は小型酸化触媒によって改質される。改質された燃料は排気浄化触媒に供給され、酸化する。その結果、排気浄化触媒の温度は更に上昇することになり、排気浄化触媒の活性化が更に促進される。
上述の通り、小型酸化触媒内で酸化反応が生じると、小型酸化触媒の温度は急激に上昇する。しかし、小型酸化触媒の温度が高くなりすぎると、触媒の劣化(シンタリング)が生じ、小型酸化触媒の反応性が低下してしまう。その場合、より多くの燃料を小型酸化触媒に供給しなければ、必要となる反応熱を得ることができなくなるおそれがある。すなわち、小型酸化触媒の温度が高くなりすぎると、排気浄化触媒を昇温させるために必要な燃料消費量が多くなってしまうおそれがある。
また、内燃機関から排出される排気ガスの温度が比較的低い場合、小型酸化触媒において燃料が酸化し始めるまでの時間が長くなる。すなわち、燃料が着火するまでの時間が長くなる。しかし、燃料が着火するまでの時間が長くなると、小型酸化触媒の昇温が遅れ、ひいては排気浄化触媒が活性化するまでの時間が長くなってしまう。そのため、ある程度の時間の間、排気ガスが十分に浄化されずに排出されてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、排気浄化触媒の上流側に小型酸化触媒および燃料供給弁を備えた内燃機関の排気浄化装置において、小型酸化触媒の劣化を抑制するとともに低温着火性能を向上させることにより、排気ガスの浄化性能を高めることを目的とする。
本発明者は、小型酸化触媒の昇温の際に、小型酸化触媒の下流側部分の方が上流側部分よりも昇温しやすいことに着目した。そこで、下流側部分の方が上流側部分よりも、昇温に伴う触媒の劣化が生じにくい構成とすることを考えた。また、小型酸化触媒における燃料の着火は、小型酸化触媒の上流側部分で生じる。そこで、上流側部分の方が下流側部分よりも、低温着火性能に優れる構成とすることを考えた。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路内に配置され、酸化機能を有する排気浄化触媒と、前記排気通路内における前記排気浄化触媒よりも上流側に配置され、前記排気浄化触媒よりも体積の小さな小型酸化触媒と、前記小型酸化触媒に燃料を供給するための燃料供給弁と、を備えている。前記小型酸化触媒は、基材と前記基材に担持された複数種類の貴金属とを有している。前記小型酸化触媒の前記基材の上流端から下流側に向かって前記基材の長さの35%〜90%に当たる部分である上流側部分では、該上流側部分の全貴金属量に占める白金の量が55質量%〜85質量%であり、一方、前記小型酸化触媒の前記上流側部分以外の部分である下流側部分では、該下流側部分の全貴金属量に占める白金の量が0質量%〜50質量%である。
上記排気浄化装置では、小型酸化触媒の下流側部分は、全貴金属量の0質量%〜50質量%の白金を含んでいるため、貴金属粒成長が効果的に抑制される。そのため、温度が高くなりやすい下流側部分において、触媒の劣化が抑制される。一方、小型酸化触媒の上流側部分は、全貴金属量の55質量%〜85質量%の白金を含んでいるため、低温での着火性能に優れている。小型酸化触媒の基材の上流端から下流側に向かって基材の長さの35%〜90%に当たる部分を上流側部分とすることにより、下流側部分における触媒劣化の抑制と、上流側部分における低温着火性能の向上とを、効果的に達成することができる。したがって、上記排気浄化装置によれば、排気ガスの浄化性能が向上する。
ここに開示される内燃機関の排気浄化装置の好ましい一態様では、前記小型酸化触媒が白金およびパラジウムを含んでいる。かかる小型酸化触媒によれば、昇温時における下流側部分の触媒の劣化が効果的に抑制される。また、上流側部分において燃料が着火した後、上流側部分は速やかに昇温する。したがって、排気浄化触媒を良好に活性化させることができ、浄化性能を向上させることができる。
他の好ましい一態様では、前記内燃機関はディーゼルエンジンからなっている。ディーゼルエンジンでは、排気ガスの温度は比較的低温である。そのため、内燃機関がディーゼルエンジンである場合、上述した小型酸化触媒の低温着火性能の向上という効果は、より有効に発揮される。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<排気浄化装置>
図1に示すように、本実施形態に係る排気浄化装置は、内燃機関としてのディーゼルエンジン1に適用されたものである。まず、ディーゼルエンジン1の構成を簡単に説明する。なお、以下に説明するディーゼルエンジン1は、本発明に係る内燃機関の一例に過ぎない。本発明に係る排気浄化装置は、以下に説明するディーゼルエンジン1以外の内燃機関(例えばガソリンエンジン等)にも適用することができる。
図1に示すように、本実施形態に係る排気浄化装置は、内燃機関としてのディーゼルエンジン1に適用されたものである。まず、ディーゼルエンジン1の構成を簡単に説明する。なお、以下に説明するディーゼルエンジン1は、本発明に係る内燃機関の一例に過ぎない。本発明に係る排気浄化装置は、以下に説明するディーゼルエンジン1以外の内燃機関(例えばガソリンエンジン等)にも適用することができる。
ディーゼルエンジン1は、複数の燃焼室2と、各燃焼室2に燃料を噴射する燃料噴射弁3とを備えている。各燃焼室2は、吸気マニホルド4および排気マニホルド5と連通している。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して、排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に接続されている。コンプレッサ7aの入口は、吸入空気量検出器8を介してエアクリーナ9に接続されている。吸気ダクト6内にはスロットル弁10が配置されている。吸気ダクト6の周りには、吸気ダクト6内を流れる空気を冷却するための冷却装置11が配置されている。排気マニホルド5は、排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に接続されている。排気タービン7bの出口は、排気管12に接続されている。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは、排気ガス再循環(以下、EGRと称する。)通路18を介して互いに連結されている。EGR通路18内には、電子制御式の制御弁19が配置されている。また、EGR通路18の周りには、EGR通路18内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置20が配置されている。
各燃料噴射弁3は、燃料供給管21を介してコモンレール22に接続されている。コモンレール22は、燃料ポンプ23を介して燃料タンク24に接続されている。ここでは燃料ポンプ23は、吐出量可変な電子制御式の燃料ポンプである。ただし、燃料ポンプ23の構成は特に限定される訳ではない。
図2Aに示すように、排気管12内には、上流側(図2Aの左側)から下流側(図2Aの右側)に向かって順に、燃料供給弁15、小型酸化触媒14、排気浄化触媒13が配置されている。なお、図示は省略するが、排気浄化触媒13の下流側に、他の触媒等が配置されていてもよい。例えば、排気浄化触媒13の下流側に、排気ガス中のパティキュレートを捕集するためのパティキュレートフィルタや、NOx吸蔵触媒等が配置されていてもよい。
排気浄化触媒13は、酸化機能を有する触媒である。排気浄化触媒13は、例えばPt(白金)のような貴金属触媒を担持したモノリス触媒から形成されている。ただし、排気浄化触媒13の種類は特に限定される訳ではない。
小型酸化触媒14は、排気浄化触媒13よりも体積が小さい酸化触媒である。ここで小型酸化触媒14の「小型」とは、単に排気浄化触媒13と比べて小型であることを意味しているに過ぎず、絶対的な寸法を何ら限定している訳ではない。
図2Bは、図2AのIIB−IIB線断面図である。本実施形態に係る小型酸化触媒14は、金属薄肉平板と金属薄肉波形板との積層構造からなる基材を有している。基材の表面上には、例えばアルミナからなる触媒担体の層が形成されている。触媒担体上には、Pt(白金)を含む複数種類の貴金属触媒が担持されている。Pt以外の貴金属として、例えば、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)等を用いることができる。なお、基材には、例えば、コージェライト等のセラミックスまたは耐熱合金等からなるハニカム体などを用いることができる。
図2Aおよび図2Bから分かるように、小型酸化触媒14の流路断面積は、排気管12の流路断面積よりも小さい。また、小型酸化触媒14の流路断面積は、排気浄化触媒13の流路断面積よりも小さい。小型酸化触媒14は、排気ガスの流れ方向(図2Aの左右方向)に延びるほぼ筒状に形成されている。小型酸化触媒14は、円筒状の外枠16内に配置されている。外枠16は、複数のステー29によって排気管12内に支持されている。ただし、小型酸化触媒14の配置態様は何ら限定される訳ではない。本実施形態では小型酸化触媒14は排気管12の中心に配置されているが、小型酸化触媒14は排気管12の中心からずれた位置に配置されていてもよい。また、小型酸化触媒14の形状も筒状に限定されず、他に種々の形状を採ることができる。
燃料供給弁15の配置態様も何ら限定されないが、本実施形態では燃料供給弁15は、ノズル口が排気管12内の中心に位置するように配置されている。燃料供給弁15は、ノズル口から小型酸化触媒14の上流側端面に向けて、燃料Fとしてディーゼル燃料(軽油)を噴射する。
<小型酸化触媒の詳細>
小型酸化触媒14は、主に排気浄化触媒13の活性化を促すものである。活性化している小型酸化触媒14に燃料供給弁15から燃料が供給されると、燃料が着火し、小型酸化触媒14は昇温する。すなわち、小型酸化触媒14内で燃料が酸化し、このとき発生する酸化反応熱によって小型酸化触媒14の温度が上昇する。すると、排気ガスが小型酸化触媒14によって加熱され、排気浄化触媒13に供給される排気ガスの温度が上昇する。その結果、排気浄化触媒13は昇温し、その活性化が促進される。
小型酸化触媒14は、主に排気浄化触媒13の活性化を促すものである。活性化している小型酸化触媒14に燃料供給弁15から燃料が供給されると、燃料が着火し、小型酸化触媒14は昇温する。すなわち、小型酸化触媒14内で燃料が酸化し、このとき発生する酸化反応熱によって小型酸化触媒14の温度が上昇する。すると、排気ガスが小型酸化触媒14によって加熱され、排気浄化触媒13に供給される排気ガスの温度が上昇する。その結果、排気浄化触媒13は昇温し、その活性化が促進される。
また、小型酸化触媒14に対し、より多くの燃料を供給すると、燃料の一部は小型酸化触媒14内で改質される。改質された燃料は、排気浄化触媒13に供給され、排気浄化触媒13内で酸化する。これにより、排気浄化触媒13は更に昇温する。
小型酸化触媒14内は流路抵抗が大きいので、小型酸化触媒14内を流れる排気ガス量は比較的少なくなる。また、小型酸化触媒14内で酸化反応が生じると、ガスが膨張し、また、ガスの粘性が高くなるため、小型酸化触媒14内を流れる排気ガス量は更に減少する。したがって、小型酸化触媒14内における排気ガスの流速は、排気管12内を流れる排気ガスの流速に比べてかなり遅い。このように小型酸化触媒14内における排気ガスの流速が遅いので、小型酸化触媒14内でいったん酸化反応が生じると、その酸化反応は活発となる。また、小型酸化触媒14は体積が小さいので、熱容量が小さい。したがって、燃料を供給すると、小型酸化触媒14の温度は比較的高い温度にまで急激に上昇する。
しかし、触媒が高温にさらされると、触媒に含まれる貴金属が凝集し、粒成長が起こる(シンタリング)。すると、粒子の表面積が小さくなり、排気ガスとの接触点が減少する。その結果、触媒の浄化性能は低下してしまう。すなわち、触媒は高温にさらされると劣化してしまう。
ところで、昇温時の小型酸化触媒14の温度分布は一定ではなく、下流側の部分ほど温度が高くなる傾向が見られる。そのため、小型酸化触媒14の下流側部分には、上流側部分に比べてより大きな熱負荷が加わる。したがって、小型酸化触媒14の劣化を抑制するためには、下流側部分の劣化を抑制することが効果的である。
前述したように、小型酸化触媒14は、供給された燃料が着火することによって昇温する。ところが、内燃機関から排出される排気ガスの温度が低いと、燃料供給弁15から供給された燃料が小型酸化触媒14で着火するまでに、ある程度の時間がかかってしまう。すなわち、昇温しやすい小型酸化触媒14であっても、排気ガスの温度が低いと、燃料が着火するまでの時間が長くなってしまう。一般に、内燃機関がディーゼルエンジンの場合、排気ガスの温度は低い。そのため、小型酸化触媒14で燃料が着火するまでに時間がかかってしまい、その間、排気浄化触媒13が十分に活性化せず、排気ガスが十分に浄化されずにそのまま排出されてしまうおそれがある。
燃料は小型酸化触媒14の上流側部分で着火する。そこで、小型酸化触媒14の低温着火性能を高めるためには、上流側部分の低温着火性能を向上させることが効果的である。
そこで、本発明者は、小型酸化触媒14の上流側部分と下流側部分とでPt割合を相違させることにより、上流側部分は燃料を着火させやすい性質を有し、下流側部分は昇温による触媒の劣化が起こりにくい性質を有するようにすることとした。
図2Cに模式的に示すように、小型酸化触媒14は上流側部分14aと下流側部分14bとから構成されている。上流側部分14aは、基材の上流端14c(図2Aおよび図2Cの左端)から下流側に向かって、上記基材の長さの35%〜90%に当たる部分である。下流側部分14bは、上流側部分14a以外の部分である。すなわち、下流側部分14bは、上流側部分14aよりも下流側に位置する部分である。小型酸化触媒14の全長をL、上流側部分14aの全長をLa、下流側部分14bの全長をLbとすると、La=0.35L〜0.90L、La+Lb=Lである。なお、基材の長さは、周知の長さ計測機器、例えばゲージスケール等によって測定することができる。
上流側部分14aは、低温での着火性を向上すべく、当該上流側部分14aの全貴金属量の55質量%〜85質量%に相当する量のPtを含むように構成されている。一方、下流側部分14bは、高温による触媒の劣化を抑制すべく、当該下流側部分14bの全貴金属量の0質量%〜50質量%に相当する量のPtを含むように構成されている。各貴金属の量は、例えば、プラズマ発光分析装置(ICP)により測定することができる。
小型酸化触媒14によれば、下流側部分14bにおける触媒劣化の抑制と、上流側部分14aにおける低温着火性能の向上とを、効果的に達成することができる。したがって、上記排気浄化装置によれば、排気ガスの浄化性能が向上する。また、小型酸化触媒14の触媒劣化が少ないので、より少ない燃料供給量で排気浄化触媒13を効率的に昇温させることができる。したがって、付随的な効果として、燃費の低下を抑制する効果も得ることができる。
<小型酸化触媒の作製方法>
小型酸化触媒14は、例えば以下のようにして作製することができる。なお、以下に説明する方法は小型酸化触媒14の作製方法の一例に過ぎない。小型酸化触媒14は、他の方法によっても作製することが可能である。
小型酸化触媒14は、例えば以下のようにして作製することができる。なお、以下に説明する方法は小型酸化触媒14の作製方法の一例に過ぎない。小型酸化触媒14は、他の方法によっても作製することが可能である。
まず、所定量のアルミナと、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、酸化チタン等のバインダーとを湿式で混合し、スラリーを調製する。その後、このスラリーを用いて、メタル基材あるいは、コージェライト等からなる基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成することにより、基材の表面にコート層を形成する。次に、上記基材の軸方向の一端から全長の35%〜90%に当たる部分をPtおよび他の貴金属(Pd等)の溶液に浸漬させ、当該部分に全貴金属量の55質量%〜85質量%に相当する量のPtと、残りの含有量を占めるそれ以外の貴金属とを担持させ、乾燥および焼成する。なお、この部分は小型酸化触媒14の上流側部分14aとなる。次に、上記基材の残りの部分をPtおよび他の貴金属の溶液に浸漬させ、当該部分に全貴金属量の0質量%〜50質量%に相当する量のPtと、残りの含有量を占めるそれ以外の貴金属とを担持させ、乾燥および焼成する。この部分は小型酸化触媒14の下流側部分14bとなる。以上のようにして、上流側部分14aと下流側部分14bとを有する小型酸化触媒14を得ることができる。
<上流側部分および下流側部分の設定理由>
次に、下流側部分のPtの割合、上流側部分のPtの割合、上流側部分の長さの割合を上述の範囲の値に設定した理由を順次説明する。
次に、下流側部分のPtの割合、上流側部分のPtの割合、上流側部分の長さの割合を上述の範囲の値に設定した理由を順次説明する。
<下流側部分のPt割合>
本発明者は、Ptの割合が異なる複数の小型酸化触媒のサンプルを用いて、HC−T50およびCO吸着量(PGM活性点量)を調べる実験を行った。ここで、「HC−T50」とは、小型酸化触媒に排気ガスを通過させた場合に、小型酸化触媒の出口側における排気ガス中のHC濃度が、入口側における排気ガス中のHC濃度の半分となるときの小型酸化触媒の温度のことである。このHC−T50は小型酸化触媒の浄化性能を表すものであり、HC−T50が低いほど浄化性能は高いことになる。
本発明者は、Ptの割合が異なる複数の小型酸化触媒のサンプルを用いて、HC−T50およびCO吸着量(PGM活性点量)を調べる実験を行った。ここで、「HC−T50」とは、小型酸化触媒に排気ガスを通過させた場合に、小型酸化触媒の出口側における排気ガス中のHC濃度が、入口側における排気ガス中のHC濃度の半分となるときの小型酸化触媒の温度のことである。このHC−T50は小型酸化触媒の浄化性能を表すものであり、HC−T50が低いほど浄化性能は高いことになる。
本実験では、CO吸着量はCOパルス吸着法にて測定した。HC濃度は、水素炎イオン化検出法により測定した。
本実験では、各サンプルとして、直径が45mm、長さが30mmの小型酸化触媒を用いた。各サンプルの体積は約48mLである。各サンプルには、貴金属触媒として、Ptおよび/またはPdが担持されている。
各サンプルの作製方法は以下の通りである。すなわち、まず、アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製する。その後、このスラリーを用いてコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成する。これにより、上記コージェライト基材の容積1L当たりに150gのアルミナを担持する(以下、かかる担持量を150g/L等と表記することがある。)。次に、貴金属(Ptおよび/またはPd)の溶液に上記基材を浸漬させ、上記基材に1.8g/Lの貴金属を担持させる。その後、貴金属を担持した上記基材を乾燥および焼成する。
実験条件は以下の通りである。
ガス組成:リーン雰囲気(CO2:O2:NO:CO:C3H6:H2O=10%:10%:200ppm:350ppm:3500ppm:10%。その他はN2)
ガス流量:15L/min
昇温条件:150℃から500℃(昇温速度は20℃/min)
ガス組成:リーン雰囲気(CO2:O2:NO:CO:C3H6:H2O=10%:10%:200ppm:350ppm:3500ppm:10%。その他はN2)
ガス流量:15L/min
昇温条件:150℃から500℃(昇温速度は20℃/min)
実験結果を表1および図3に示す。なお、「Pt割合」とは、全貴金属触媒に占めるPtの質量%のことである。
図3から、Pt割合が0質量%〜50質量%の場合、CO吸着量が高く、貴金属粒成長を効果的に抑制できることが分かった。また、Pt割合が0質量%〜50質量%の場合、HC−T50が低く、HCに対する活性が高いことが分かった。このことにより、小型酸化触媒の下流側部分のPt割合として、0質量%〜50質量%が好ましいことが分かった。
<上流側部分のPt割合>
本発明者は、Pt割合が異なる複数のサンプルを用いて、小型酸化触媒の低温着火性能を調べる実験を行った。本実験においても、各サンプルとして、直径が45mm、長さが30mmの小型酸化触媒を用いた。各サンプルの作製方法は前述の実験と同様である。各サンプルには、貴金属触媒としてPtおよび/またはPdが担持されている。全貴金属量は1.8g/Lである。
本発明者は、Pt割合が異なる複数のサンプルを用いて、小型酸化触媒の低温着火性能を調べる実験を行った。本実験においても、各サンプルとして、直径が45mm、長さが30mmの小型酸化触媒を用いた。各サンプルの作製方法は前述の実験と同様である。各サンプルには、貴金属触媒としてPtおよび/またはPdが担持されている。全貴金属量は1.8g/Lである。
本実験では、排気量が2.2Lのディーゼルエンジンをエンジンベンチにセットし、そのディーゼルエンジンの排気通路に燃料供給弁、小型酸化触媒の各サンプル、および排気浄化触媒を順に配置した(図2A参照)。燃料供給弁から図4に示すようなパターンの燃料添加を繰り返し、耐久試験を行った。なお、図4の縦軸の「上流中心温度」とは、小型酸化触媒の上流端から全長の16%の位置に配置した熱電対によって測定された温度のことである。燃料添加は、燃料供給弁に周期的なパルス信号を与え、燃料供給弁を周期的にON/OFFさせることによって行った。すなわち、一定量の燃料を周期的且つ連続的に添加することとした。本パターンでは、上流中心温度が720℃となる状態を5分間、750℃となる状態を3分間、780℃となる状態を3分間、810℃となる状態を3分間それぞれ維持するように、燃料の添加量を段階的に増加させる。その後、燃料を供給しない状態(すなわち、燃料カット)を10秒間続けた後、再び上記パターンを繰り返す。本実験では、上記パターンを400サイクル繰り返した。
図5は、小型酸化触媒の上流中心温度および下流中心温度の温度プロファイルを示している。なお、「下流中心温度」とは、小型酸化触媒の上流端から全長の83%の位置に配置した熱電対によって測定された温度である。図5から、小型酸化触媒の温度は、下流側の方が上流側よりも高いことが分かる。耐久試験の結果、各サンプルの耐久性が確認された。
各サンプルについて、燃料添加時の昇温効果を調べる試験(以下、昇温効果確認試験と言う。)を行った。この試験では、入口側ガス温度が一定(280℃)の条件下において、燃料供給弁にパルス信号を連続的に与え、燃料供給弁から所定量の燃料を間欠的に供給することとした。詳しくは、燃料供給弁の1回当たりの噴射量を115mm3とし、1回当たりの噴射時間を約70ミリ秒とし、約1.47秒に1回の割合で燃料を噴射することとした。このように燃料供給弁を周期的にON/OFFさせることによって、所定量の燃料を周期的且つ連続的に添加することとした。小型酸化触媒の上流端から全長の33%、50%、67%の位置(それぞれ、「上流位置」、「中間位置」、「下流位置」という。)に熱電対をそれぞれ配置し、燃料を噴射してから温度が安定したときの各位置の温度を計測した。そして、各位置における燃料添加時の昇温効果(燃料添加時の温度と燃料を添加しない時の温度との差)を求めた。その結果を図6に示す。
図6から、Pt割合が55質量%〜85質量%の範囲において、Pt割合が0質量%〜50質量%のときよりも高い昇温効果が得られることが分かる。また、Pt割合が70質量%〜80質量%のときには更に高い昇温効果が得られ、Pt割合が75質量%のときに最も高い昇温効果が得られることが分かる。以上より、Pt割合が55質量%〜85質量%の場合、Pt割合が0質量%〜50質量%の場合よりも、燃料が着火するまでの時間が短く、低温着火性に優れていることが推定される。このことにより、小型酸化触媒の上流側部分のPt割合として、55質量%〜85質量%が好ましいことが分かった。
<上流側部分の長さ割合>
次に、本発明者は、上流側部分の好適な長さ割合を調べる実験を行った。実験には、上流側部分の長さ割合の異なる複数のサンプルを用いた。本実験においても、各サンプルとして、直径が45mm、長さが30mmの小型酸化触媒を用いた。上流側部分には、1.5g/LのPtと、0.3g/LのPdとを担持させた。上流側部分におけるPt割合は約83質量%である。サンプルB1〜B5では、下流側部分には1.8g/LのPdを担持させた。下流側部分のPt割合は0質量%である。サンプルC1〜C5では、下流側部分には0.9g/LのPtと、0.9g/LのPdとを担持させた。下流側部分のPt割合は50質量%である。各サンプルの作製方法は、前述の各実験と同様である。
次に、本発明者は、上流側部分の好適な長さ割合を調べる実験を行った。実験には、上流側部分の長さ割合の異なる複数のサンプルを用いた。本実験においても、各サンプルとして、直径が45mm、長さが30mmの小型酸化触媒を用いた。上流側部分には、1.5g/LのPtと、0.3g/LのPdとを担持させた。上流側部分におけるPt割合は約83質量%である。サンプルB1〜B5では、下流側部分には1.8g/LのPdを担持させた。下流側部分のPt割合は0質量%である。サンプルC1〜C5では、下流側部分には0.9g/LのPtと、0.9g/LのPdとを担持させた。下流側部分のPt割合は50質量%である。各サンプルの作製方法は、前述の各実験と同様である。
なお、比較例として、Pt割合が一定のサンプル(つまり、上流側部分と下流側部分とでPt割合が同じサンプル)を用いた。比較例1は、1.8g/LのPdを担持させたものであり、Pt割合は0質量%である。比較例2は、1.8g/LのPtを担持させたものであり、Pt割合は100質量%である。比較例3は、0.9g/LのPtと0.9g/LのPdとを担持させたものであり、Pt割合は50質量%である。
本実験においても、排気量が2.2Lのディーゼルエンジンをエンジンベンチにセットし、そのディーゼルエンジンの排気通路に燃料供給弁、小型酸化触媒の各サンプル、および排気浄化触媒を順に配置した(図2A参照)。前述の耐久試験と同様の耐久試験を行い、各サンプルの耐久性が確認された。
各サンプルについて、前述の昇温効果確認試験と同様の条件で昇温効果確認試験を行った。本試験では、排気ガスの温度を計測すべく、小型酸化触媒の入口側(上流側)の空間と出口側(下流側)の空間とに、熱電対をそれぞれ配置した。そして、出口側の排気ガスの温度と入口側の排気ガスの温度との差を算出することにより、小型酸化触媒を通過することによる排気ガスの温度上昇、すなわち、流入ガスに対する燃料添加時の昇温効果を求めた。その結果を表2および図7に示す。
図7から、上流側部分の長さ割合が35%〜90%の場合、比較例3(比較例1〜3のうち最も昇温効果の高い比較例)よりも昇温効果が高いことが分かる。また、上流側部分の長さ割合が50%〜60%の場合、昇温効果が非常に高く、特に上流側部分の長さ割合が55%の場合、最も高い昇温効果が得られることが分かる。
以上より、上流端から全長の35%〜90%の部分を上流側部分、それ以外の部分を下流側部分とし、上流側部分に含まれるPtを55質量%〜85質量%、下流側部分に含まれるPtを0質量%〜50質量%とすることによって、昇温による触媒劣化が少なく且つ低温着火性能に優れた小型酸化触媒を得ることができることが分かった。
以下、実施例について説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。なお、バインダーの材料は、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、および酸化チタンである。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の長さ方向の50%の部分をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、1.5g/LのPtと0.3g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。次に、上記基材の残りの50%の部分をPd溶液に浸漬させ、当該部分に1.8g/LのPdを担持させ、乾燥および焼成した。
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。なお、バインダーの材料は、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、および酸化チタンである。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の長さ方向の50%の部分をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、1.5g/LのPtと0.3g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。次に、上記基材の残りの50%の部分をPd溶液に浸漬させ、当該部分に1.8g/LのPdを担持させ、乾燥および焼成した。
<実施例2>
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の長さ方向の50%の部分をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、1.5g/LのPtと0.3g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。次に、上記基材の残りの50%の部分をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、当該部分に0.9g/LのPtと0.9g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の長さ方向の50%の部分をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、1.5g/LのPtと0.3g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。次に、上記基材の残りの50%の部分をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、当該部分に0.9g/LのPtと0.9g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。
実施例1および2の性能評価のため、比較例との比較を行った。比較例1〜3は以下の通りである。
<比較例1>
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の全体をPd溶液に浸漬させ、1.8g/LのPdを担持させ、乾燥および焼成した。
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の全体をPd溶液に浸漬させ、1.8g/LのPdを担持させ、乾燥および焼成した。
<比較例2>
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の全体をPt溶液に浸漬させ、1.8g/LのPtを担持させ、乾燥および焼成した。
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の全体をPt溶液に浸漬させ、1.8g/LのPtを担持させ、乾燥および焼成した。
<比較例3>
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の全体をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、0.9g/LのPtと0.9g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。
アルミナとバインダーを湿式で混合し、スラリーを調製した。その後、このスラリーを用いて、直径が45mm、長さが30mmのコージェライト基材にウォッシュコートを施し、乾燥および焼成を行って、該基材に150g/Lのアルミナを担持させた。次に、上記基材の全体をPtおよびPdの溶液に浸漬させ、0.9g/LのPtと0.9g/LのPdとを担持させ、乾燥および焼成した。
<性能の確認試験>
上記実施例1〜2および比較例1〜3の小型酸化触媒を備えた排気浄化装置について、以下の試験を実施した。前述の実験と同様、排気量が2.2Lのディーゼルエンジンをエンジンベンチにセットし、そのディーゼルエンジンの排気通路に燃料供給弁、小型酸化触媒(実施例1〜2、比較例1〜3)、および排気浄化触媒を順に配置した(図2A参照)。排気浄化触媒には、アルミナにPtおよびPdを担持させた1.1Lのモノリス触媒を用いた。前述の耐久試験と同様の耐久試験を行い、小型酸化触媒の耐久性を確認した。
上記実施例1〜2および比較例1〜3の小型酸化触媒を備えた排気浄化装置について、以下の試験を実施した。前述の実験と同様、排気量が2.2Lのディーゼルエンジンをエンジンベンチにセットし、そのディーゼルエンジンの排気通路に燃料供給弁、小型酸化触媒(実施例1〜2、比較例1〜3)、および排気浄化触媒を順に配置した(図2A参照)。排気浄化触媒には、アルミナにPtおよびPdを担持させた1.1Lのモノリス触媒を用いた。前述の耐久試験と同様の耐久試験を行い、小型酸化触媒の耐久性を確認した。
実施例1〜2および比較例1〜3の小型酸化触媒について、前述の昇温効果確認試験と同様の条件で昇温効果確認試験を行った。その結果を図8に示す。図8から分かるように、実施例1および2では、比較例1〜3に比べて、燃料添加時の昇温効果が高いことが確認された。
次に、排気浄化触媒のCO浄化率の向上割合を調べる試験を行った。排気浄化触媒のCO浄化率の向上割合とは、小型酸化触媒を配置しないときの排気浄化触媒のCO浄化率を基準として、小型酸化触媒を配置したときに、排気浄化触媒のCO浄化率がどの程度の割合で上昇したかを表すものである。試験にあたっては、前記エンジンベンチにて図9に示す欧州モード走行を実施した。上記昇温効果確認試験と同様、小型酸化触媒に対して、燃料供給弁から所定量の燃料を供給した。試験結果を図10に示す。
図10は、燃料添加時の昇温効果と、排気浄化触媒のCO浄化率の向上割合との関係を示している。図10から分かるように、実施例1および2では、比較例1〜3に比べて、排気浄化触媒のCO浄化率がより一層向上することが確認された。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
4 吸気マニホルド
5 排気マニホルド
7 排気ターボチャージャ
12 排気管(排気通路)
13 排気浄化触媒
14 小型酸化触媒
15 燃料供給弁
4 吸気マニホルド
5 排気マニホルド
7 排気ターボチャージャ
12 排気管(排気通路)
13 排気浄化触媒
14 小型酸化触媒
15 燃料供給弁
Claims (3)
- 内燃機関の排気通路内に配置され、酸化機能を有する排気浄化触媒と、
前記排気通路内における前記排気浄化触媒よりも上流側に配置され、前記排気浄化触媒よりも体積の小さな小型酸化触媒と、
前記小型酸化触媒に燃料を供給するための燃料供給弁と、を備えた内燃機関の排気浄化装置であって、
前記小型酸化触媒は、基材と前記基材に担持された複数種類の貴金属とを有し、
前記小型酸化触媒の前記基材の上流端から下流側に向かって前記基材の長さの35%〜90%に当たる部分である上流側部分では、該上流側部分の全貴金属量に占める白金の量が55質量%〜85質量%であり、
前記小型酸化触媒の前記上流側部分以外の部分である下流側部分では、該下流側部分の全貴金属量に占める白金の量が0質量%〜50質量%である、内燃機関の排気浄化装置。 - 前記複数種類の貴金属は、少なくとも白金およびパラジウムを含んでいる、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記内燃機関は、ディーゼルエンジンからなっている、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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JP2010211583A JP2012067641A (ja) | 2010-09-22 | 2010-09-22 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016527435A (ja) * | 2013-07-23 | 2016-09-08 | マヒンドラ・アンド・マヒンドラ・リミテッドMahindra & Mahindra Ltd. | 自己再生式排出ガス後処理により超低pm排出量規制に適合させた,自然吸気型コモンレール・ディーゼルエンジン |
-
2010
- 2010-09-22 JP JP2010211583A patent/JP2012067641A/ja not_active Withdrawn
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