JP2012057480A - 多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比センサの応答性によらず空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かの判定を安定して精度良く行うこと。
【解決手段】複数の気筒から延びるそれぞれの排気通路が集合する集合排気通路に配設された空燃比センサからの検出空燃比に基づくフィードバック制御により、集合排気通路内を通過する混合排ガスの空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に一致している場合が想定される。複数の気筒において各一回の燃焼行程が終了するのに要するクランク角が経過する期間を「単位燃焼サイクル期間」としたとき、「単位燃焼サイクル期間内において目標空燃比よりリッチの値である検出空燃比の極小値が1つのみ存在する状態」又は「単位燃焼サイクル期間内において目標空燃比よりリーンの値である検出空燃比の極大値」が1つのみ存在する状態が検出されたことに基づいて、インバランス状態が発生したと判定する。
【選択図】図9
【解決手段】複数の気筒から延びるそれぞれの排気通路が集合する集合排気通路に配設された空燃比センサからの検出空燃比に基づくフィードバック制御により、集合排気通路内を通過する混合排ガスの空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に一致している場合が想定される。複数の気筒において各一回の燃焼行程が終了するのに要するクランク角が経過する期間を「単位燃焼サイクル期間」としたとき、「単位燃焼サイクル期間内において目標空燃比よりリッチの値である検出空燃比の極小値が1つのみ存在する状態」又は「単位燃焼サイクル期間内において目標空燃比よりリーンの値である検出空燃比の極大値」が1つのみ存在する状態が検出されたことに基づいて、インバランス状態が発生したと判定する。
【選択図】図9
Description
本発明は、多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置に関する。
従来から、複数の気筒から延びるそれぞれの排気通路が集合してなる集合排気通路に配設された空燃比センサの出力値に基づいて、集合排気通路を通過するガス(混合排ガス)の空燃比をフィードバック制御する空燃比制御装置が広く知られている。混合排ガスは、各気筒から排出された排ガスが混合されて得られる排ガスである。より具体的には、この空燃比制御装置では、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致するように、複数の気筒に対して共通する空燃比フィードバック量が空燃比センサの出力値に基づいて算出される。その空燃比フィードバック量に基づいて複数の気筒に対してそれぞれ噴射される燃料の量が調整されることにより、混合排ガスの空燃比がフィードバック制御される。
ところで、多気筒内燃機関においては、燃料噴射弁からの噴射量の気筒間のばらつき、吸気弁の最大リフト量の気筒間のばらつき、EGR機構により吸気系に還流されたEGRガス量の複数の気筒への分配のばらつき等が発生し得る。係る気筒間での特性のばらつきが発生すると、気筒間にて空燃比のばらつき(空燃比気筒間インバランス状態、空燃比気筒間ばらつき、気筒間における空燃比の不均一)が発生し得る。
空燃比気筒間インバランス状態が発生している場合、上述の空燃比フィードバック制御により混合排ガスの空燃比(即ち、全気筒の空燃比の平均)が理論空燃比に一致していても、空燃比が(理論空燃比よりも)リッチとなる気筒(リッチ気筒)と、空燃比が(理論空燃比よりも)リーンとなる気筒(リーン気筒)が必ず発生する。詳細は後述するが、通常、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致している場合において、1つの気筒のみがリッチ気筒となり残りの全ての気筒がリーン気筒となる状態(リッチインバランス状態)、又は、1つの気筒のみがリーン気筒となり残りの全ての気筒がリッチ気筒となる状態(リーンインバランス状態)が発生する。
このように、空燃比気筒間インバランス状態が発生すると、各気筒における混合気の燃焼状態が完全燃焼とは相違した燃焼状態となる。この結果、混合排ガスの空燃比(全気筒の空燃比の平均)が理論空燃比に一致しているにもかかわらず、各気筒から排出されるエミッションの量(未燃物の量及び窒素酸化物の量)が増大する。従って、空燃比気筒間インバランス状態が発生していることを検出し、何らかの対策を講じさせるようにすることは、エミッションの量の増大を抑制するために重要である。
このような空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを判定する従来の装置の一つは、前記集合排気通路に配設された空燃比センサの出力値(出力信号)の軌跡長を取得し、その軌跡長と「機関回転速度に応じて変化する参照値」とを比較し、その比較結果に基づいて空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かを判定するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、軌跡長は空燃比センサの応答性に大きく依存する。従って、上記文献に記載の判定手法では、空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かの判定結果が空燃比センサの応答性に影響され易い。この結果、空燃比センサの応答性によっては判定精度が低下する虞があった。
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、空燃比センサの応答性によらず空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かの判定を安定して精度良く行うことができる空燃比気筒間インバランス判定装置を提供することにある。
係る目的を達成するための本発明による多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置(本判定装置)は、複数の気筒を有する多気筒内燃機関に適用される。本判定装置は、空燃比センサと、複数の燃料噴射弁と、フィードバック量算出手段と、フィードバック制御手段と、判定手段と、を備える。
前記空燃比センサは、前記集合排気通路に配設されて、前記混合排ガスの空燃比に応じた出力値を発生する。
前記複数の燃料噴射弁は、前記複数の気筒のそれぞれに対応して配設される。前記複数の燃料噴射弁は、前記複数の気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料をそれぞれ噴射する。即ち、燃料噴射弁は、一つの気筒に対して一つ以上設けられている。各燃料噴射弁は、その燃料噴射弁に対応する気筒に対して燃料を噴射する。
前記フィードバック量算出手段は、前記複数の気筒に対して共通する空燃比フィードバック量を算出する。この空燃比フィードバック量は、前記混合排ガスの空燃比が目標空燃比(具体的には、理論空燃比)と一致するように、前記空燃比センサの出力値に基づいて算出される。
前記フィードバック制御手段は、前記空燃比フィードバック量に基づいて前記複数の燃料噴射弁のそれぞれから噴射される燃料の量を調整する。これにより、前記混合排ガスの空燃比がフィードバック制御される。以下、説明の便宜上、前記複数の気筒において各一回の燃焼行程が終了するのに要するクランク角が経過する期間を「単位燃焼サイクル期間」と呼び、前記空燃比センサの出力値により表される空燃比を「検出空燃比」と呼ぶ。
前記判定手段は、大略的には、単位燃焼サイクル期間内において存在する検出空燃比の極値の数に基づいて、前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したか否かについての判定を行う。具体的には、前記判定は、単位燃焼サイクル期間内において存在する「目標空燃比よりリッチの値である検出空燃比の極小値」の数、又は、単位燃焼サイクル期間内において存在する「目標空燃比よりリーンの値である検出空燃比の極大値」の数に基づいてなされる。
より具体的には、単位燃焼サイクル期間内において「目標空燃比よりリッチの値である検出空燃比の極小値」が1つのみ存在する状態、又は、単位燃焼サイクル期間内において「目標空燃比よりリーンの値である検出空燃比の極大値」が1つのみ存在する状態が検出されたことに基づいて、前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定され得る。後に詳述するように、これによれば、空燃比センサの応答性によらず「空燃比気筒間インバランス状態が発生した」との判定を安定して精度良く行うことができる。
更には、後に詳述するように、空燃比センサの応答性が通常の範囲内にある場合、単位燃焼サイクル期間内において「目標空燃比よりリッチの値である検出空燃比の極小値」が1つのみ存在し且つ「目標空燃比よりリーンの値である検出空燃比の極大値」が1つのみ存在する状態が検出されたことに基づいて、「空燃比気筒間インバランス状態が発生した」との判定を十分に精度良く行うことができる。
以下、本発明の実施形態に係る多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置(以下、単に「本装置」とも称呼する。)について図面を参照しながら説明する。
(構成)
図1は、本装置を、4サイクル・火花点火式・多気筒(直列4気筒)・内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
図1は、本装置を、4サイクル・火花点火式・多気筒(直列4気筒)・内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。なお、図1は、特定気筒の断面のみを示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。
この内燃機関10は、シリンダブロック、シリンダブロックロワーケース及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排ガスを外部に放出するための排気系統50と、を含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23及びクランク軸24を含んでいる。ピストン22はシリンダ21内を往復動し、ピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランク軸24に伝達され、これにより同クランク軸24が回転するようになっている。シリンダ21の壁面及びピストン22の上面は、シリンダヘッド部30の下面とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに同インテークカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変吸気タイミング制御装置33、可変吸気タイミング制御装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフトを含むとともに同エキゾーストカムシャフトの位相角を連続的に変更する可変排気タイミング制御装置36、可変排気タイミング制御装置36のアクチュエータ36a、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38及び燃料を吸気ポート31内に噴射する燃料噴射弁(燃料噴射手段、燃料供給手段)39を備えている。
燃料噴射弁39は、一つの燃焼室25に対して一つずつ配設されている。燃料噴射弁39は吸気ポート31に設けられている。このように、複数の気筒のそれぞれは、他の気筒とは独立して燃料供給を行う燃料噴射弁39を備えている。
吸気系統40は、インテークマニホールド41、吸気管42、及び、スロットル弁43を備えている。インテークマニホールド41は、複数の枝部41aとサージタンク41bとからなる。複数の枝部41aのそれぞれの一端は複数の吸気ポート31のそれぞれに接続されている。複数の枝部41aの他端はサージタンク41bに接続されている。吸気管42の一端はサージタンク41bに接続されている。吸気ポート31、インテークマニホールド41及び吸気管42は、吸気通路を構成している。
スロットル弁43は、吸気管42内にあって吸気通路の開口断面積(スロットル弁開度)を可変とするようになっている。スロットル弁44は、スロットル弁アクチュエータ44a(スロットル弁駆動手段の一部)により吸気管42内で回転駆動されるようになっている。
排気系統50は、各気筒の排気ポート34に一端が接続された複数の枝部を含むエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51の複数の枝部の各他端であって総ての枝部が集合している集合部(エキゾーストマニホールド51の排気集合部)に接続されたエキゾーストパイプ52、エキゾーストパイプ52に配設された上流側触媒(三元触媒)53、及び、上流側触媒53よりも下流のエキゾーストパイプ52に配設された図示しない下流側触媒(三元触媒)を備えている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。このように、上流側触媒53は、複数の気筒から延びるそれぞれの排気通路が集合してなる集合排気通路に配設されている。
更に、内燃機関10は、外部EGR通路を構成する排気還流管54、及び、EGR弁55を含んでいる。排気還流管54の一端はエキゾーストマニホールド51の集合部に接続されている。排気還流管54の他端はサージタンク41bに接続されている。EGR弁55は排気還流管54に配設されている。EGR弁55は、排気還流管54の開口断面積を変更するようになっている。
一方、内燃機関10は、エアフローメータ71、スロットルポジションセンサ72、水温センサ73、クランクポジションセンサ74、インテークカムポジションセンサ75、エキゾーストカムポジションセンサ76、上流側空燃比センサ77、下流側空燃比センサ78、及びアクセル開度センサ79を備えている。
エアフローメータ71は、吸気管42内を流れる吸入空気の質量流量(吸入空気流量)Gaを検出する。スロットルポジションセンサ72は、スロットル弁43の開度(スロットル弁開度)を検出する。水温センサ73は、内燃機関10の冷却水の温度を検出する。クランクポジションセンサ74は、クランク軸24の回転角度の位相(変化)を検出する。この検出結果は、機関回転速度NEを表す。
インテークカムポジションセンサ75は、インテークカムシャフトの回転角度の位相(変化)を検出する。クランクポジションセンサ74及びインテークカムポジションセンサ75からの信号に基づいて、基準気筒(例えば第1気筒)の圧縮上死点を基準とした絶対クランク角CAが取得される。この絶対クランク角CAは、基準気筒の圧縮上死点において「0°クランク角」に設定され、クランク角の回転角度に応じて720°クランク角まで増大し、その時点にて再び0°クランク角に設定される。エキゾーストカムポジションセンサ76は、エキゾーストカムシャフトが回転角度の位相(変化)を検出する。
上流側空燃比センサ77(本発明における空燃比センサ)は、図2にも示したように、エキゾーストマニホールド51の集合部HK(排気集合部)よりも下流の集合排気通路において、上流側触媒53より上流に配設されている。上流側空燃比センサ77は、例えば、特開平11−72473号公報、特開2000−65782号公報、及び特開2004−69547号公報等に開示された「拡散抵抗層を備える限界電流式広域空燃比センサ」である。
以下、集合排気通路内を通過する排ガスを「混合排ガス」と称呼する。混合排ガスは、各気筒から排出された排ガスが混合されて得られる排ガスである。上流側空燃比センサ77は、上流側触媒53に流入する混合排ガスの空燃比に応じた出力値Vabyfs(V)を発生する。この出力値Vabyfsは、図3に示した空燃比変換テーブル(マップ)Mapabyfsを利用して、出力値Vabyfsにより表される空燃比(以下、「検出空燃比」と呼ぶ。)abyfsに変換される。
再び、図1及び図2を参照すると、下流側空燃比センサ78は、集合排気通路において上流側触媒53より下流側であり且つ下流側触媒よりも上流側に配設されている。下流側空燃比センサ78は、周知の起電力式の酸素濃度センサ(安定化ジルコニアを用いた周知の濃淡電池型の酸素濃度センサ)である。下流側空燃比センサ78は、上流側触媒53から流出する混合排ガスの空燃比(従って、機関に供給される混合気の空燃比の時間的平均値)に応じた出力値Voxs(V)を発生する。
図4に示したように、この出力値Voxsは、空燃比が理論空燃比よりもリッチのとき最大出力値max(例えば、約0.9V)となり、空燃比が理論空燃比よりもリーンのとき最小出力値min(例えば、約0.1V)となり、空燃比が理論空燃比であるとき最大出力値maxと最小出力値minの略中間の電圧Vst(例えば、約0.5V)となる。更に、この出力値Voxsは、空燃比が理論空燃比よりもリッチな空燃比からリーンな空燃比へと変化する際に最大出力値maxから最小出力値minへと急変し、空燃比が理論空燃比よりもリーンな空燃比からリッチな空燃比へと変化する際に最小出力値minから最大出力値maxへと急変する。
再び、図1を参照して、アクセル開度センサ79は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの操作量(アクセルペダル操作量)を検出する。
電気制御装置90は、互いにバスで接続された「CPU91、CPU91が実行するプログラム、各種テーブル(マップ、関数)及び定数等を予め記憶したROM92、CPU91が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM93、及び、バックアップRAM94、並びにADコンバータを含むインターフェース95等」からなる周知のマイクロコンピュータである。
インターフェース95は、センサ71〜79と接続され、CPU91にそれらのセンサからの信号を供給する。更に、インターフェース95は、CPU91の指示に応じてアクチュエータ33a、アクチュエータ36a、各気筒のイグナイタ38、各気筒に対応して設けられた燃料噴射弁39、スロットル弁アクチュエータ43a、及びEGR弁55等に駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。
(空燃比フィードバック制御)
次に、本装置による空燃比フィードバック制御の概要について説明する。本装置は、上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfs、及び下流側空燃比センサ78の出力値Voxsに基づいて、混合排ガスの空燃比を、目標空燃比(=理論空燃比)と一致するようにフィードバック制御する。
次に、本装置による空燃比フィードバック制御の概要について説明する。本装置は、上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfs、及び下流側空燃比センサ78の出力値Voxsに基づいて、混合排ガスの空燃比を、目標空燃比(=理論空燃比)と一致するようにフィードバック制御する。
このフィードバック制御の一例としては、以下のものが挙げられる。即ち、下流側空燃比センサ78の出力値Voxsと理論空燃比に相当する目標値Vstとの偏差についてPID処理してフィードバック補正値(サブフィードバック補正量)が求められる。このサブフィードバック補正量により上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfsを補正して得られる値を図3に示した空燃比変換テーブルMapabyfsに適用して、見かけ上の空燃比が求められる。この見かけ上の空燃比と理論空燃比との偏差についてPID処理して空燃比フィードバック量が求められる。この空燃比フィードバック量は、全気筒に対して共通する値である。
この空燃比フィードバック量により、「機関回転速度NEと吸入空気流量Gaと目標空燃比とに基づいて得られる基本燃料噴射量」を補正して得られる量の燃料が、各気筒の燃料噴射弁39からそれぞれ噴射される。このように、全気筒に共通する空燃比フィードバック量に基づいて各燃料噴射弁39から噴射される燃料の量をそれぞれ調整することにより、混合排ガスの空燃比がフィードバック制御される。
(空燃比気筒間インバランス状態)
次に、空燃比気筒間インバランス状態(以下、簡単に「インバランス状態」とも呼ぶ。)について説明する。「空燃比気筒間インバランス」とは、気筒間における空燃比のばらつきを指す。空燃比気筒間インバランスは、例えば、燃料噴射弁39からの実際の噴射量の気筒間のばらつき、吸気弁32の実際の最大リフト量の気筒間のばらつき、EGRシステムにより吸気通路に還流された排ガスの量の各気筒への分配のばらつき等に起因して発生し得る。
次に、空燃比気筒間インバランス状態(以下、簡単に「インバランス状態」とも呼ぶ。)について説明する。「空燃比気筒間インバランス」とは、気筒間における空燃比のばらつきを指す。空燃比気筒間インバランスは、例えば、燃料噴射弁39からの実際の噴射量の気筒間のばらつき、吸気弁32の実際の最大リフト量の気筒間のばらつき、EGRシステムにより吸気通路に還流された排ガスの量の各気筒への分配のばらつき等に起因して発生し得る。
図5に示すように、インバランス状態が発生している場合、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致していても、空燃比が理論空燃比よりもリッチとなる気筒(リッチ気筒)と、空燃比が理論空燃比よりもリーンとなる気筒(リーン気筒)が必ず発生する。図5では、一例として、第4気筒が「リッチ気筒」となり、第1〜第3気筒が「リーン気筒」となる場合が示されている。
図5に示すインバランス状態は、例えば、第1〜第3気筒の燃料噴射弁39が「指示された燃料噴射量と等しい量の燃料を噴射する」正常な状態にあり、第4気筒の燃料噴射弁39のみが「指示された燃料噴射量よりも過大な量の燃料を噴射する」異常な状態にある場合に発生し得る。即ち、この場合、第4気筒の空燃比のみが大きくリッチ側に変化する。これにより、集合排気通路を通過する混合排ガスの空燃比(全気筒の空燃比の平均)は、理論空燃比よりもリッチとなる。従って、全気筒に対して共通する上述した「空燃比フィードバック量」により、第4気筒の空燃比は理論空燃比に近づけられるようにリーン側へと変更され、同時に、他の3つの気筒の空燃比は理論空燃比から遠ざけられるようにリーン側へと変更させられる。この結果、集合排気通路を通過する混合排ガスの空燃比は略理論空燃比に一致させられる。
しかしながら、第4気筒の空燃比は依然として理論空燃比よりもリッチに維持され、他の3つの気筒の空燃比は理論空燃比よりもリーンに維持される。以上のことから、第4気筒が「リッチ気筒」となり、第1〜第3気筒が「リーン気筒」となる。このように、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致している場合において、1つの気筒のみがリッチ気筒となり残りの全ての気筒がリーン気筒となる状態を、特に「リッチインバランス状態」と呼ぶ。
他方、第1〜第3気筒の燃料噴射弁39が「指示された燃料噴射量と等しい量の燃料を噴射する」正常な状態にあり、第4気筒の燃料噴射弁39のみが「指示された燃料噴射量よりも過小な量の燃料を噴射する」異常な状態にある場合、上記と同様の理由により、第4気筒が「リーン気筒」となり、第1〜第3気筒が「リッチ気筒」となる。このように、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致している場合において、1つの気筒のみがリーン気筒となり残りの全ての気筒がリッチ気筒となる状態を、特に「リーンインバランス状態」と呼ぶ。
このように、インバランス状態(リッチインバランス状態又はリーンインバランス状態)が発生すると、各気筒における混合気の燃焼状態が完全燃焼とは相違した燃焼状態となる。この結果、各気筒から排出されるエミッションの量(未燃物の量及び窒素酸化物の量)が増大する。このため、集合排気通路を通過する混合排ガスの空燃比(全気筒の空燃比の平均)が理論空燃比であったとしても、増大したエミッションを三元触媒が浄化しきれず、結果として、排ガスに含まれるエミッションの量が増大する虞がある。
従って、インバランス状態(リッチインバランス状態又はリーンインバランス状態)の発生時において何らかの対策を講じるために、インバランス状態が発生したか否かの判定を行うことは、エミッションの量の増大を抑制するために重要である。以上のことから、本装置は、インバランス状態が発生したか否かの判定を行う。
(本装置によるインバランス状態の検出手法)
以下、本装置によるインバランス状態の検出手法について、図6〜図9を参照しながら説明する。なお、図6〜図9は、多気筒内燃機関が定常運転状態にあり、且つ、混合排ガスの空燃比が目標空燃比AFr(=理論空燃比)に一致している場合における、検出空燃比abyfs(上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfsを図3に示した空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより得られる空燃比)の推移の一例を示す。
以下、本装置によるインバランス状態の検出手法について、図6〜図9を参照しながら説明する。なお、図6〜図9は、多気筒内燃機関が定常運転状態にあり、且つ、混合排ガスの空燃比が目標空燃比AFr(=理論空燃比)に一致している場合における、検出空燃比abyfs(上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfsを図3に示した空燃比変換テーブルMapabyfsに適用することにより得られる空燃比)の推移の一例を示す。
以下、説明の便宜上、全気筒(上流側空燃比センサ77に到達する排ガスを排出している全ての気筒)において各一回の燃焼行程が終了するのに要するクランク角が経過する期間を、「単位燃焼サイクル期間」と呼ぶ。4気筒・4サイクル・エンジンの場合、単位燃焼サイクル期間は720°クランク角である。
上流側空燃比センサ77には、各気筒からの排ガスが点火順(従って、排気順)に到達する。従って、インバランス状態が発生している場合と発生していない場合とでは、検出空燃比abyfsの推移が大きく異なる。
<インバランス状態が発生していない場合>
インバランス状態が発生していない場合、各気筒から排出される排ガスの空燃比は互いに略同一(略理論空燃比)である。このことに起因して、検出空燃比abyfsは、任意の単位燃焼サイクル期間内において「目標空燃比AFrよりリッチの値である検出空燃比abyfrの極小値(以下、「リッチ極小値」と呼ぶ)」及び「目標空燃比AFrよりリーンの値である検出空燃比abyfrの極大値(以下、「リーン極大値」と呼ぶ)」がそれぞれ気筒数個だけ存在するように推移する。
インバランス状態が発生していない場合、各気筒から排出される排ガスの空燃比は互いに略同一(略理論空燃比)である。このことに起因して、検出空燃比abyfsは、任意の単位燃焼サイクル期間内において「目標空燃比AFrよりリッチの値である検出空燃比abyfrの極小値(以下、「リッチ極小値」と呼ぶ)」及び「目標空燃比AFrよりリーンの値である検出空燃比abyfrの極大値(以下、「リーン極大値」と呼ぶ)」がそれぞれ気筒数個だけ存在するように推移する。
具体的には、4気筒・4サイクル・エンジンの場合、図6に示すように、任意の単位燃焼サイクル期間(=720°クランク角)内において、リッチ極小値(点b)及びリーンの極大値(点a)がそれぞれ4つだけ存在する状態が得られる。
なお、インバランス状態が発生していない場合、「任意の単位燃焼サイクル期間内においてリッチ極小値及びリーン極大値がそれぞれ気筒数個だけ存在する」状態は、上流側空燃比センサ77の応答性の高低にかかわらず(応答性が極端に高くても極端に低くても)得られる。
<インバランス状態が発生している場合>
これに対し、リッチインバランス状態が発生している場合、1つのリッチ気筒から排出される排ガスの空燃比は理論空燃比よりリッチとなり、残りの全ての気筒(全てリーン気筒)から排出される排ガスの空燃比はそれぞれ理論空燃比よりリーンとなる。このことに起因して、リッチインバランス状態が発生している場合、検出空燃比abyfsは単位燃焼サイクル期間を一周期として大きく変動する。
これに対し、リッチインバランス状態が発生している場合、1つのリッチ気筒から排出される排ガスの空燃比は理論空燃比よりリッチとなり、残りの全ての気筒(全てリーン気筒)から排出される排ガスの空燃比はそれぞれ理論空燃比よりリーンとなる。このことに起因して、リッチインバランス状態が発生している場合、検出空燃比abyfsは単位燃焼サイクル期間を一周期として大きく変動する。
以下、先ず、上流側空燃比センサ77が極端に高い応答性を有している場合を想定する。「上流側空燃比センサ77が極端に高い応答性を有している場合」とは、上流側空燃比センサ77(即ち、拡散抵抗層を備える限界電流式広域空燃比センサ)の応答性を表す時定数(ステップ入力に対する一次遅れ応答についての時定数)が単位燃焼サイクル期間より極端に短い場合を指す。この場合においてリッチインバランス状態が発生している場合、検出空燃比abyfsは、任意の単位燃焼サイクル期間内においてリッチ極小値が1つのみ存在し且つリーン極大値が(全気筒数−1)個だけ存在するように推移し得る。
具体的には、4気筒・4サイクル・エンジンの場合、図7に示すように、任意の単位燃焼サイクル期間(=720°クランク角)内において、リッチ極小値(点b)が1つのみ存在し且つリーン極大値(点a)が3つだけ存在する状態が得られる。
同様の理由により、上流側空燃比センサ77が極端に高い応答性を有している場合においてリーンインバランス状態が発生している場合、検出空燃比abyfsは、任意の単位燃焼サイクル期間内においてリーン極大値が1つのみ存在し且つリッチ極小値が(全気筒数−1)個だけ存在するように推移し得る。
具体的には、4気筒・4サイクル・エンジンの場合、図8に示すように、任意の単位燃焼サイクル期間(=720°クランク角)内において、リーン極大値(点a)が1つのみ存在し且つリッチ極小値(点b)が3つだけ存在する状態が得られる。
以上、上流側空燃比センサ77が極端に高い応答性を有している場合においてインバランス状態(リッチインバランス状態又はリーンインバランス状態)が発生している場合について説明した。しかしながら、実際には、上流側空燃比センサ77の応答性を表す時定数(ステップ入力に対する一次遅れ応答についての時定数)は、単位燃焼サイクル期間より長い。
具体的には、現状では、限界電流式広域空燃比センサの応答性を表す時定数は、300msec程度以上である。これに対し、4気筒・4サイクル・エンジンが「単位燃焼サイクル期間が最も長くなる」状態にある場合、即ち、アイドリング状態(例えば、NE=600rpm)にある場合の単位燃焼サイクル期間は、200msecである。
このように、上流側空燃比センサの応答性を表す時定数が単位燃焼サイクル期間より長い場合(即ち、上流側空燃比センサが通常の応答性を有する場合)において、インバランス状態(リッチインバランス状態又はリーンインバランス状態)が発生していると、図9に示すように、検出空燃比abyfsは、全気筒数にかかわらず、任意の単位燃焼サイクル期間内においてリーン極大値が1つのみ存在し且つリッチ極小値が1つのみ存在するように推移する。
以上の内容を整理する。多気筒内燃機関が定常運転状態にあり、且つ、混合排ガスの空燃比が目標空燃比(=理論空燃比)に一致している場合を想定する。インバランス状態が発生していない場合、上流側空燃比センサ77が極端に高い応答性を有していても通常の応答性を有していても、任意の単位燃焼サイクル期間内においてリッチ極小値及びリーン極大値がそれぞれ全気筒数個(即ち、2つ以上)存在する状態が得られる(図6を参照)。
これに対し、インバランス状態(リッチインバランス状態又はリーンインバランス状態)が発生している場合、上流側空燃比センサ77が極端に高い応答性を有していても通常の応答性を有していても、任意の単位燃焼サイクル期間内においてリッチ極小値が1つのみ存在する状態(図7及び図9の点bを参照)、又は、任意の単位燃焼サイクル期間内においてリーン極大値が1つのみ存在する状態(図8及び図9の点aを参照)が得られる。
本装置によるインバランス状態の検出手法は、係る知見に基づく。即ち、本装置は、単位燃焼サイクル期間内において存在するリッチ極小値の数、又は、単位燃焼サイクル期間内において存在するリーン極大値の数に基づいて、インバランス状態が発生したか否かについて判定する。
より具体的には、本装置は、「単位燃焼サイクル期間内においてリッチ極小値が1つのみ存在する状態」、又は、「単位燃焼サイクル期間内においてリーン極大値が1つのみ存在する状態」が検出されたことに基づいて、「インバランス状態が発生した」と判定する(インバランス状態を検出する)。これにより、上流側空燃比センサの応答性によらず、「インバランス状態が発生した」との判定を安定して精度良く行うことができる。
更には、上流側空燃比センサの応答性を表す時定数が単位燃焼サイクル期間より長い場合(即ち、上流側空燃比センサが通常の応答性を有する場合)においては、本装置は、「単位燃焼サイクル期間内においてリッチ極小値が1つのみ存在し且つリーン極大値が1つのみ存在する状態」が検出されたことに基づいて、「インバランス状態が発生した」と判定することもできる。
なお、検出空燃比abyfsの極値の数の検出は、実際には以下のように行われる。即ち、微小クランク角度(或いは、微小時間)毎に検出空燃比abyfsのデータが取得される。取得されたデータ群から任意の単位燃焼サイクル期間の部分が抜粋される。抜粋されたデータ群を数値解析することにより、任意の単位燃焼サイクル期間中に存在する極値の数がカウントされる。この結果、任意の単位燃焼サイクル期間中に存在するリッチ極小値又はリーン極大値の数をカウントすることができる。
(検出空燃比又は目標空燃比の補正)
上述したように、インバランス状態が発生している場合、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致していてもリッチ気筒とリーン気筒とが必ず発生する。リッチ気筒からは未燃物(HC,CO)や水素分子が多く排出される。リーン気筒からは窒素酸化物(NOx)や酸素分子が多く排出される。
上述したように、インバランス状態が発生している場合、混合排ガスの空燃比が理論空燃比に一致していてもリッチ気筒とリーン気筒とが必ず発生する。リッチ気筒からは未燃物(HC,CO)や水素分子が多く排出される。リーン気筒からは窒素酸化物(NOx)や酸素分子が多く排出される。
このように各気筒から排出される各種ガス成分は、その後、上流側空燃比センサ77(即ち、拡散抵抗層を備える限界電流式広域空燃比センサ)の拡散抵抗層を通過する。その際の各ガス成分の速度(拡散速度)は、ガス成分毎に異なる。特に、水素分子の拡散速度は、他のガス成分の拡散速度に対して速く、およそ3倍程度である。
このことは、上流側空燃比センサの水素分子に対する感度が上流側空燃比センサの他のガス成分に対する感度と比べて3倍程度高いことを意味する。水素分子は還元性ガスである。以上より、インバランス状態が発生している場合、水素分子の拡散速度が速いことに起因して、上流側空燃比センサの検出空燃比abyfsが真値に対してリッチ側にずれる現象が発生し得る。
従って、このずれを補償するため、適切な空燃比補正量を算出し、算出された空燃比補正量だけ検出空燃比abyfsをリーン側に補正する又は目標空燃比をリッチ側に補正することが好ましいと考えられる。以下、係る「適切な空燃比補正量」の算出手法について説明する。
図10は、図9に対応するグラフであり、上流側空燃比センサが通常の応答性を有する場合において、インバランス状態が発生し且つ混合排ガスの空燃比が目標空燃比(=理論空燃比)に一致している場合における検出空燃比abyfsの推移の一例を示す。
図10において、Mは、単位燃焼サイクル期間内における検出空燃比abyfsの平均値(空燃比平均値)である。上述した「検出空燃比のずれ」により、空燃比平均値Mは、理論空燃比よりリッチとなっている。Srは、単位燃焼サイクル期間内において検出空燃比abyfsが空燃比平均値Mよりリッチである期間に亘って「検出空燃比abyfsの空燃比平均値Mからの偏差」を積算して得られる値(リッチ空燃比面積、図10にてドットで示す領域の面積に相当する。)である。Slは、単位燃焼サイクル期間内において検出空燃比abyfsが空燃比平均値Mよりリーンである期間に亘って「検出空燃比abyfsの空燃比平均値Mからの偏差」を積算して得られる値(リーン空燃比面積、図10にて斜線で示す領域の面積に相当する。)である。
なお、目標空燃比AFrに対する空燃比平均値Mのずれは、上記サブフィードバック補正量(下流側空燃比センサ78の出力値Voxsと理論空燃比に相当する目標値Vstとの偏差についてPID処理して得られる補正量)の積分項(I項)により補償され得る。従って、検出空燃比abyfsの平均値Mが理論空燃比よりリッチ側にずれていても、上流側触媒53から排出される排ガスの空燃比は略理論空燃比に維持され得る。
空燃比補正量は、((Sl−Sr/3))/Tなる式によって簡易的に求めることができる。Tは単位燃焼サイクル期間である。上記式においてリッチ空燃比面積Srを「3」で除するのは、上述したように、水素分子の拡散速度が他のガス成分の拡散速度の3倍程度であることに基づく。
このように算出された空燃比補正量だけ検出空燃比abyfsをリーン側に補正する又は目標空燃比AFrをリッチ側に補正することにより、水素分子の拡散速度が速いことに起因する「検出空燃比abyfsのリッチ側へのずれ」が補償され得る。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、4気筒の4サイクル・火花点火式内燃機関が採用されているが、4気筒以外の4サイクル・火花点火式・多気筒内燃機関が採用されてもよい。また、2サイクル・火花点火式・多気筒内燃機関が採用されてもよい。
また、上記実施形態では、上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfs、及び下流側空燃比センサ78の出力値Voxsに基づいて、混合排ガスの空燃比が目標空燃比(=理論空燃比)と一致するようにフィードバック制御されているが、上流側空燃比センサ77の出力値Vabyfsのみに基づいて、混合排ガスの空燃比が目標空燃比(=理論空燃比)と一致するようにフィードバック制御されてもよい。
39…燃料噴射弁、53…上流側触媒、77…上流側空燃比センサ、78…下流側空燃比センサ、90…電気制御装置、91…CPU
Claims (4)
- 複数の気筒を有する多気筒内燃機関に適用される空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
前記複数の気筒から延びるそれぞれの排気通路が集合してなる集合排気通路に配設されて、前記集合排気通路を通過する排ガスである混合排ガスの空燃比に応じた出力値を発生する空燃比センサと、
前記複数の気筒のそれぞれに対応して配設されるとともに前記複数の気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気に含まれる燃料をそれぞれ噴射する複数の燃料噴射弁と、
前記混合排ガスの空燃比が目標空燃比と一致するように、前記複数の気筒に対して共通する空燃比フィードバック量を前記空燃比センサの出力値に基づいて算出するフィードバック量算出手段と、
前記空燃比フィードバック量に基づいて前記複数の燃料噴射弁のそれぞれから噴射される燃料の量を調整することで前記混合排ガスの空燃比をフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
前記複数の気筒において各一回の燃焼行程が終了するのに要するクランク角が経過する期間である単位燃焼サイクル期間内において存在する前記空燃比センサの出力値により表される空燃比である検出空燃比の極小値であって且つ前記目標空燃比よりリッチの値の数、又は、前記単位燃焼サイクル期間内において存在する前記検出空燃比の極大値であって且つ前記目標空燃比よりリーンの値の数に基づいて、前記複数の気筒のそれぞれの燃焼室に供給される混合気の空燃比の気筒間のインバランス状態が発生したか否かについて判定する判定手段と、
を備えた、多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置。 - 請求項1に記載の多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
前記判定手段は、
前記単位燃焼サイクル期間内において前記目標空燃比よりリッチの値である前記検出空燃比の極小値が1つのみ存在する状態、又は、前記単位燃焼サイクル期間内において前記目標空燃比よりリーンの値である前記検出空燃比の極大値が1つのみ存在する状態が検出されたことに基づいて、前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定するように構成された、多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置。 - 請求項2に記載の多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置において、
前記判定手段は、
前記単位燃焼サイクル期間内において、前記目標空燃比よりリッチの値である前記検出空燃比の極小値が1つのみ存在し且つ前記目標空燃比よりリーンの値である前記検出空燃比の極大値が1つのみ存在する状態が検出されたことに基づいて、前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定するように構成された、多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置。 - 請求項3に記載の多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置であって、
前記判定手段によって前記空燃比気筒間インバランス状態が発生したと判定された場合において、前記単位燃焼サイクル期間における前記検出空燃比の平均値である空燃比平均値と、前記単位燃焼サイクル期間内において前記検出空燃比が前記空燃比平均値よりリッチである期間に亘って前記検出空燃比の前記空燃比平均値からの偏差を積算して得られる値であるリッチ空燃比面積と、前記単位燃焼サイクル期間内において前記検出空燃比が前記空燃比平均値よりリーンである期間に亘って前記検出空燃比の前記空燃比平均値からの偏差を積算して得られる値であるリーン空燃比面積と、を算出する算出手段と、
前記単位燃焼サイクル期間をT、前記リッチ空燃比面積をSr、前記リーン空燃比面積をSlとしたとき、((Sl−Sr/3))/Tなる式によって得られる空燃比補正量だけ前記検出空燃比をリーン側に補正する、又は、前記空燃比補正量だけ前記目標空燃比をリッチ側に補正する補正手段と、
を備えた、多気筒内燃機関の空燃比気筒間インバランス判定装置。
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JP2020159302A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジンの制御装置 |
-
2010
- 2010-09-06 JP JP2010198624A patent/JP2012057480A/ja active Pending
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