JP2012056476A - 力覚付与型のシフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】禁止されている操作を操作者に操作感覚によって認識させることで、安全性の高い力覚付与型のシフト装置を提供する。
【解決手段】シフト装置(1)は、シフトレバー(2)に反力を生じさせるXモータ(31)及びYモータ(36)を備える。メモリ(51)には、正常な操作に対して設定される通常パターン(P0)と禁止されている操作に対して設定される特別パターン(P1,P2,P3)とを含む力覚パターンデータ(52)が記憶される。操作規制手段は、フットブレーキを踏まずにパーキングからリバースへシフト操作するという禁止されている操作を検出したとき、上記特別パターンを選択してシフトレバーの操作に対抗する反力を付与する力覚制御を行う。かかる禁止されている操作に対しては、通常パターンとは異なる違和感をシフトレバーに生じさせて規制する。これにより、操作者に誤操作を認識させ、禁止されている操作を防げるという安心感を与える。
【選択図】図8
【解決手段】シフト装置(1)は、シフトレバー(2)に反力を生じさせるXモータ(31)及びYモータ(36)を備える。メモリ(51)には、正常な操作に対して設定される通常パターン(P0)と禁止されている操作に対して設定される特別パターン(P1,P2,P3)とを含む力覚パターンデータ(52)が記憶される。操作規制手段は、フットブレーキを踏まずにパーキングからリバースへシフト操作するという禁止されている操作を検出したとき、上記特別パターンを選択してシフトレバーの操作に対抗する反力を付与する力覚制御を行う。かかる禁止されている操作に対しては、通常パターンとは異なる違和感をシフトレバーに生じさせて規制する。これにより、操作者に誤操作を認識させ、禁止されている操作を防げるという安心感を与える。
【選択図】図8
Description
本発明は、ジョイスティック等からなるシフトレバーに反力としての力覚を付与する力覚付与型のシフト装置に関する。
近年、遠隔操作が求められる多くの分野で、操作感覚を疑似的に再現して操作性能を向上させる力覚付与型デバイスが注目されている。力覚付与型の入力装置は、機械的な入力機構に換えて操作部の操作状態を電気信号に変換して出力する、いわゆるバイワイヤ方式の入力装置において、操作状態の検出信号に基づく反力を操作部にフォースフィードバック制御することにより、操作に応じた力覚を操作者に与えるものである。
一方で自動車の分野においては、走行性能に加え、安全性、快適性及び環境等の観点から車両内の電子化が進み、エアコン、カーナビ、オーディオ等の様々な操作対象機器類が搭載されるのが一般的となっている。このような多種に渡る機器類を操作する操作者の負担を軽減するため、操作入力を運転席内の1つの入力装置で一元化できるジョイスティックタイプの力覚付与型入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような力覚付与型入力装置によれば、ジョイスティックに例えば疑似的な節度感(クリックフィーリング)を生じさせ、または次にすべき操作を反力で促すような操作の支援制御といった多様な操作感を力覚として付与することが可能となる。また、操作対象機器の動作や操作の目的に応じて力覚パターンを適宜変更することで、多用途、多目的の入力装置として共有することができる。
また、車両の自動変速機を切り換えるバイワイヤ方式のシフト装置(SBW:Shift By Wire)において、一方向のみ往復傾倒操作可能なシフト装置に上述の力覚付与の技術を応用したものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、バイワイヤ方式のシフト装置(SBWシフト装置)において、上述したジョイスティックタイプの入力装置のように二次元上の任意の位置へのシフト操作を許容することにより、多用途、多目的の操作入力に対応させた構成は見当たらない。車両のシフト装置は、シフトレバーの操作経路に沿って、自動変速機におけるP(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)及びD(ドライブ)等の各レンジにシフト操作させるシフトポジションが予め設定されており、例えばDポジションからRポジションへシフトレンジが直接切り換わるような想定外の危険なシフト操作を禁止する必要がある。
また、車両において不用意な発進を防止するために、Pレンジが選択されているときにはフットブレーキが踏まれた状態でなければ、R及びDレンジへのシフト操作は禁止されている。従来のSBWシフト装置では、フットブレーキが踏まれていなくてもPレンジのシフトポジションからR及びDポジションへの機械的なシフト操作が許容されている。その一方で、このようなシフト操作がされたときには、システム的に当該操作を無効または変速機をNレンジの状態に自動的に切り換えることで、一応の安全性を確保している。
上述したように汎用性の高いジョイスティックタイプの入力装置を車両のSBWシフト装置として適用するには、ひとつにはフットブレーキの操作がされていなければPレンジからR及びDレンジへのシフト操作を規制するという、走行安全性を確保する上での対策が講じられていることが必要不可欠である。
また、フットブレーキが踏まれずに誤ってPポジションからRまたはDポジションへ機械的にシフト操作がされた場合、上述したようにシステム上は当該操作が無効とされても、操作者にとってはそれが禁止された誤操作であることを認識するのが難しく、分かりにくいという課題もあった。
そこで、本発明の目的は、禁止されている操作を操作者に操作感覚によって認識させ、または同時にその禁止されている操作を力覚により規制することで、安全性の高い力覚付与型のシフト装置を提供することにある。
[1]上記目的を達成するため本発明に係る力覚付与型のシフト装置は、操作者により操作されるシフトレバーと、前記シフトレバーに力を付与する駆動手段と、前記シフトレバーの操作状態を検出する第1の検出手段と、フットブレーキの操作状態を検出する第2の検出手段と、停止系のシフトポジションから運転系のシフトポジションへの操作経路において、正常な操作に対して設定される第1の力覚パターン及び禁止されている操作に対して設定される第2の力覚パターンをデータ化した力覚パターンデータを記憶する記憶手段と、前記第2の検出手段がフットブレーキの操作を検出した状態で前記第1の検出手段が前記停止系のシフトポジションを起点とする前記シフトレバーの操作を検出したとき、前記第1の力覚パターンに従って、前記シフトレバーの操作状態に基づく前記駆動手段の力制御を行い、前記第2の検出手段がフットブレーキの操作を検出しない状態で前記第1の検出手段が前記停止系のシフトポジションを起点とする前記シフトレバーの操作を検出したとき、前記第2の力覚パターンに従って、前記シフトレバーの操作状態に基づく前記駆動手段の力制御を行う力覚制御手段と、を備える。
[2]また、禁止されている操作に対して設定される前記第2の力覚パターンは、前記運転系のシフトポジションへの操作に対抗する方向で、かつ前記運転系のシフトポジションに至る前で前記シフトレバーに付与される前記力が増加するように設定されている。
[3]また、禁止されている操作に対して設定される前記第2の力覚パターンは、前記運転系のシフトポジションへの操作に対抗して前記シフトレバーに付与される前記力が振動しながら増加するように設定されている。
[4]また、前記運転系のシフトポジションはリバースポジションであり、前記力覚制御手段は前記第2の検出手段がフットブレーキの操作を検出しないとき前記第2の力覚パターンを選択して前記駆動手段の力制御を行うことにより、前記シフトレバーが前記リバースポジションへシフトされる操作を規制する。
[5]また、前記停止系のシフトポジションは、パーキングポジション又はニュートラルポジションであり、前記運転系のシフトポジションは、ドライブポジション又はリバースポジションである。
本発明によれば、フットブレーキの操作がされない状態でシフトレバーを停止系のシフトポジションから運転系のシフトポジションへシフトするという、本来禁止されている操作を操作者はシフトレバーの操作感覚によって容易に認識できる。これにより、力覚付与型のシフト装置における安全性を高めることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態として、車両の自動変速機を切り換えるための、力覚付与型のシフト装置1について図面を参照しながら詳細に説明する。
(シフト装置)
図1は、本発明の実施の形態によるシフト装置1の構成を示す分解斜視図である。このシフト装置1は、シフトレバー2と、ジョイスティック機構部3と、ジョイスティック機構部3を収納するケース部材4とを備えている。
図1は、本発明の実施の形態によるシフト装置1の構成を示す分解斜視図である。このシフト装置1は、シフトレバー2と、ジョイスティック機構部3と、ジョイスティック機構部3を収納するケース部材4とを備えている。
シフトレバー2は、二次元(XY面)上の任意の方向への傾倒操作(シフト操作)が可能なジョイスティック操作部であり、操作者が手動で操作する把持部2aと、皿状で下面が凹状に湾曲する被案内面を有する支持摺動部2bと、把持部2a及び支持摺動部2bを連結する支柱部2cとにより一体形成されている。
ジョイスティック機構部3は、シフトレバー2が先端部に固定されるシャフト11と、シャフト11の傾倒動作を一定の範囲に規制するゲートブロック20とを備えている。シャフト11は、例えば、柱状の棒状部材からなり、互いに直交するように設けられた第1キャリッジ12及び第2キャリッジ13の各長孔を貫通している。
第1キャリッジ12は、四角形の管状の部材からなり、シャフト11をその長孔の長手方向(X方向)に沿って傾倒可能に枢着させるX軸14と、X軸14に直交する方向(Y方向)に突出するY軸15とを備えている。各Y軸15は、第1キャリッジ12の両外壁に一体に形成され、Y軸15の各両端部にはベアリング16が嵌着されている。ベアリング16がベアリングホルダ17を介してジョイスティック機構部3の図示しないフレームに固定されることにより、第1キャリッジ12は、当該フレームに対しY軸15を中心に揺動可能とされている。
第2キャリッジ13は、シャフト11が貫通している長孔が形成される平板部と、当該平板部と直交するアーム部とが一体形成される外形U字状の部材から構成されている。第2キャリッジ13の長孔は、Y方向に沿って長く形成され、シャフト11のY方向への傾倒動作を許容する一方で、X方向の傾倒に対しては第2キャリッジ13を揺動させるように形成されている。
ゲートブロック20は、上面部に四角形の開口を有する箱状の強度部材であり、シャフト11の傾倒動作を所定の範囲に制限するために設けられている。すなわち、ゲートブロック20の開口内部には、シャフト11の基端部が挿入され、シャフト11が最大ストローク傾倒する位置で当該基端部がゲートブロック20の内壁に当接することにより、それ以上のシャフト11の傾倒動作が規制される。
また、ジョイスティック機構部3は、2つのセクターギア21,26と、シフトレバー2及びシャフト11の傾倒状態を検出する検出手段としての2つの回転センサ32,37と、シャフト11を介してシフトレバー2に力(反力)を生じさせる駆動手段としてのXモータ31及びYモータ36とを備えている。セクターギア21,26は、それぞれ扇状の基端部に揺動軸が設けられ、その揺動軸を中心とする同一半径の周面部にギア歯21a,26aが形成されている。
第1のセクターギア21は、ジョイスティック機構部3の図示しないフレームにその揺動軸が枢着されて揺動可能であるとともに、第2キャリッジ13のアーム部が同軸に連結している。第1のセクターギア21のギア歯21aには、Xモータ31のモータギア31aが噛合している。また、回転センサ32は、例えば、モータギア31aに連結して回転する回転エンコーダ部とその回転数をカウントして回転角度あるいは回転位置を検出する光検出器等により構成されている。
第2のセクターギア26は、その揺動軸が第1キャリッジ12の一方のY軸15に連結している。また、第2のセクターギア26のギア歯26aには、Yモータ36のモータギア36aが噛合している。また、回転センサ37は、例えば、モータギア36aに連結して回転する回転エンコーダ部とその回転数をカウントして回転角度あるいは回転位置を検出する光検出器等により構成されている。
ここで、2つの回転センサ32,37は、フォトディテクタを用いた光検出方式のエンコーダで構成されている。また、回転センサ32,37は、磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた磁気検出方式のエンコーダであってもよい。回転センサ32,37は、Xモータ31及びYモータ36の回転に応じて位相の異なる2つのパルスを出力する。これにより、Xモータ31及びYモータ36の回転方向と回転量が検出される。また、回転センサ32,37の出力に基づいて、セクターギア21,26等を介して連結されているシャフト11及びシフトレバー2のXY面における傾倒方向とその傾倒角度が同時に検出される。
ケース部材4は、ジョイスティック機構部3を内部に収容する箱状のケースフレーム4aと、ケースフレーム4aの上面部において突出する案内ドーム4bとを有して一体に形成される。また、案内ドーム4bの頂部には、略四角形の開口4cが形成されている。
ジョイスティック機構部3に備えられるシャフト11は、その先端部がケース部材4の内側から案内ドーム4bの開口4cに挿入されてシフトレバー2の支柱部2cに固定される。このとき、シフトレバー2は、支持摺動部2bの下面である被案内面が案内ドーム4bの上面に支持され、かつ、その上面に対してXYの方向に摺動するように取り付けられる。
シフトレバー2がX方向に傾倒操作されシャフト11が傾倒すると、これに連動して第2キャリッジ13及び第2キャリッジ13に軸を一にして連結するセクターギア21が揺動する。これに伴いセクターギア21のギア歯21aに噛合するモータギア31aが回転するので、その回転角に基づいて回転センサ32によりシャフト11のX方向における傾倒動作が検出される。同様に、シフトレバー2がY方向に傾倒操作されると、シャフト11に係合する第1キャリッジ12及びこれに連結するセクターギア26が揺動する。これに伴いセクターギア26のギア歯26aに噛合するモータギア36aが回転し、その回転角に基づいて回転センサ37によりシャフト11のY方向における傾倒動作が検出される。
更に、Xモータ31に駆動電流が供給されると、モータギア31a、セクターギア21及び第2キャリッジ13を介してシャフト11及びシフトレバー2にX方向に傾倒させるトルクが伝達される。同様にYモータ36に駆動電流が供給されると、モータギア36a、セクターギア26及び第1キャリッジ12を介してシャフト11及びシフトレバー2にY方向に傾倒させるトルクが伝達される。次に説明する力覚制御部50は、Xモータ31及びYモータ36に駆動電流を供給し、回転センサ32,37が検出するシフトレバー2の操作状態に基づきフィードバック制御することにより、所望の反力をシフトレバー2に付与する力覚制御を行う。
図2は、本実施の形態によるシフト装置1のシステム構成を示すブロック図である。力覚制御部50は、CPU、ROMやRAMからなるメモリ、各種センサやスイッチが接続される入出力ポート、車載LANコントローラ等をハードウエア回路として備え、CPUが予めROMに記憶されたプログラムに従って演算制御処理を実行する電子制御のマイコンユニットとして構成される。力覚制御部50には、Xモータ31、回転センサ32、Yモータ36、回転センサ37が接続されている。力覚制御部50は、回転センサ32,37の出力に基づいて、シフトレバー2の操作状態(XY面における傾倒方向とその傾倒角度)を演算して求め車両の自動変速機に出力する。また、力覚制御部50は、シフトレバー2が所定の軌道(操作経路)を逸脱するような想定外の特別な操作あるいは異常な操作がされたときに、車両の安全管理装置(ブザーやランプ等の警報手段を含む)70やエンジンECU(図示せず)等にエラー信号を出力するようにも構成されている。
また、力覚制御部50には、不揮発性のメモリ51が接続されている。このメモリ51には、シフトレバー2の操作状態に応じて反力を付与する力覚制御、ホームポジションへの自動復帰制御及びシフトレバー2の操作を所定の軌道のみに規制する軌道制御をするための参照テーブルデータである力覚パターンデータ52が予め記憶されている。ここで、「力覚パターン」とは、シフトレバー2のストロークに対するXモータ31及びXモータ36に発生させるトルクとの関係特性をいう。力覚制御部50は、次に具体的に説明する力覚パターンが電子データ化された力覚パターンデータ52を参照し、回転センサ32,37の出力から演算されるシフトレバー2の操作状態に基づいてXモータ31及びYモータ36のトルクを制御する。これにより、力覚パターンデータ52に応じた反力がシフトレバー2に付与される。
図3は、本実施の形態によるシフト装置1において設定される複数のシフトポジションの配列とシフトレバー2の軌道との位置関係(シフトパターン)を示す図である。シフトレバー2のXY方向における物理的に移動操作可能な領域69の限界は、図1に示したゲートブロック20で画される。その全領域69内に、本実施の形態では、シフトレバー2の操作許容エリア67と、それ以外の操作規制エリア68とが、互いに排他的に区分けされて設定されている。操作許容エリア67は、シフトレバー2の操作経路に沿って設定されている。操作許容エリア67の外縁部には、力覚制御による「反力の壁」が形成され、これにより操作許容エリア67から逸脱して操作規制エリア68内に入るようなシフト操作が禁止されている。
図3に示されるように、操作許容エリア67には、車両の自動変速機のパーキング(「P」と略して表記する。)、リバース(「R」と略して表記する。)、ニュートラル(「N」と略して表記する。)及びドライブ(「D」と略して表記する。)の各レンジに対応するシフトポジションであるPポジション61、Rポジション62、Nポジション63及びDポジション64が順に配列して設定されている。
(操作規制手段)
次に、シフト装置1に備えられるシフトレバー2の操作規制手段を説明する。なお、ここで説明するシフトレバー2の操作規制手段は、力覚制御部50のCPUが回転センサ37から得られるシフトレバー2のY方向の操作状態に基づいて、メモリ51に記憶された力覚パターンデータ52を参照しながらYモータ36のトルクをフィードバック制御することで実現される。そして、停止系のシフトポジションであるパーキングポジション、ニュートラルポジション、運転系のシフトポジションであるリバースポジション、ドライブポジションの間でシフトレバー2の操作規制が行なわれるが、本実施の形態においては、停止系のシフトポジションとしてパーキングポジション、運転系のシフトポジションとしてリバースポジションの場合で説明する。
次に、シフト装置1に備えられるシフトレバー2の操作規制手段を説明する。なお、ここで説明するシフトレバー2の操作規制手段は、力覚制御部50のCPUが回転センサ37から得られるシフトレバー2のY方向の操作状態に基づいて、メモリ51に記憶された力覚パターンデータ52を参照しながらYモータ36のトルクをフィードバック制御することで実現される。そして、停止系のシフトポジションであるパーキングポジション、ニュートラルポジション、運転系のシフトポジションであるリバースポジション、ドライブポジションの間でシフトレバー2の操作規制が行なわれるが、本実施の形態においては、停止系のシフトポジションとしてパーキングポジション、運転系のシフトポジションとしてリバースポジションの場合で説明する。
図4は、シフトレバー2がPポジション61にあるPレンジの状態において、フットブレーキが踏み込み操作されている場合に選択される通常時の力覚パターン(これを「通常パターン」という。)P0をグラフで示す図である。図4に示される通常パターンP0によれば、フットブレーキが踏み込み操作されているときには、操作者はシフトレバー2をYモータ36のトルクによる若干の反力を受けながらPポジション61からRポジション62へシフト操作することができる。なお、シフトレバー2に節度感を生じさせるため、図4に示されるように通常パターンP0の力覚パターンには、Rポジション62の手前でトルクが変化する特性が与えられている。
図5は、同じくシフトレバー2がPレンジの状態でフットブレーキが踏み込み操作されていない場合に選択される力覚パターン(これを「特別パターン」という。)の第1の実施例である特別パターンP1をグラフで示す図である。図5に示される特別パターンP1によれば、Rポジション62の手前でYモータ36のトルクが最大(Ypmax)まで急激に立ち上がるように設定されている。すなわち、操作者がフットブレーキを踏まないでシフトレバー2をPポジション61からRポジション62側にシフト操作しようとしても、シフトレバーの操作に対抗する「反力の壁」によってRポジション62への操作が規制される。
図6は、同じくシフトレバー2がPレンジの状態でフットブレーキが踏み込み操作されていない場合に選択される力覚パターンの第2の実施例である特別パターンP2をグラフで示す図である。図6に示される特別パターンP2によれば、Rポジション62への操作に対抗するようにYモータ36のトルクが振動しながら増加するように設定されている。これにより、操作者がフットブレーキを踏まないでシフトレバー2をPポジション61からRポジション62側にシフト操作し場合に、Rポジション62の近傍で「ゴツゴツ感」を受けながらそれより先のシフト操作が規制される。
図7は、同じくシフトレバー2がPレンジの状態でフットブレーキが踏み込み操作されていない場合に選択される力覚パターンの第3の実施例である特別パターンP3をグラフで示す図である。図7に示される特別パターンP3によれば、Pポジション61からRポジション62に至るシフト操作過程において、通常パターンP0とは明らかに操作感覚が異なる特性カーブでYモータ36のトルクが増加するように設定されている。これにより、操作者がフットブレーキを踏まないでシフトレバー2をPポジション61からRポジション62側に操作した場合に、その操作の過程で通常とは異なる違和感を受けながらそれより先のシフト操作が規制される。
(操作規制手段の動作)
次に、力覚制御部50のCPU(以下、単に「CPU」という。)が回転センサ37の出力から得られるシフトレバー2の操作状態に基づいて、禁止されている操作を規制し操作者に認識させ、かつ同時に規制する操作規制手段の動作を説明する。
次に、力覚制御部50のCPU(以下、単に「CPU」という。)が回転センサ37の出力から得られるシフトレバー2の操作状態に基づいて、禁止されている操作を規制し操作者に認識させ、かつ同時に規制する操作規制手段の動作を説明する。
図8は、操作規制手段の動作を示すフローチャートである。はじめにCPUは、シフトレバー2がPポジション61にあるか否かを検出する(ステップS10)。CPUは、シフトレバー2がPポジション61(パーキングレンジ)にある場合に(ステップ10:Yes)、フットブレーキが踏み込み操作されているか否か判定する(ステップS11)。
フットブレーキが操作されずに(ステップS11:No)、シフトレバー2のシフト操作が検出されると(ステップS12:Yes)、CPUは特別パターン(図5、図6及び図7で例示した特別パターンP1,P2,P3の何れか)に従った力覚制御をシフトレバー2に対して行う(ステップS14)。
その一方で、フットブレーキが踏み込み操作されて(ステップS11:Yes)、シフトレバー2のシフト操作が検出されると(ステップS13:Yes)、CPUは通常パターン(図4で例示した通常パターンP0)に従った力覚制御をシフトレバー2に対して行う(ステップS15)。
なお、上述した実施の形態では、Pポジション61からRポジション62へのシフト操作について述べたが、Pポジション61からN及びDポジション63,64へのシフト動作についても同様の規制制御が行われる。
また、シフトレバー2のX方向への傾倒操作に対しては、操作許容エリア67の両側に「反力の壁」を作ることで所定の操作軌道から逸脱させないような力覚制御がXモータ31を介して同時にされる。
(実施の形態による効果)
[1]本実施の形態のシフト装置1によれば、フットブレーキが踏まれずに停止系のシフトポジションから運転系のシフトポジション、例えば、Pポジション61からRポジション62にシフト操作がされた場合、操作規制手段は特別パターンP1,P2,P3を選択してシフトレバーの操作に対抗する反力を付与する力覚制御を行う。フットブレーキが操作されずにPレンジから他のシフトポジションに切り換える操作は、車両システムにより自動的に無効とされて走行安全性の上では問題がないとしても、本来禁止されている操作である。操作者は、通常とは異なる操作感覚により違和感を覚え、禁止された操作をしたことを容易に認識することができる。
[2]また、シフト装置1の操作規制手段は、フットブレーキが踏まれずにPレンジから他のシフトポジションへ切り換えるような禁止された操作を、電子的な力覚制御で生じさせる「反力の壁」により規制することができる。
[3]以上のことから本実施の形態では、操作者に対して禁止されている操作を防ぐことができるという安心感を与えることにより、シフト装置1における安全性及び快適操作性を高めることができる。
[1]本実施の形態のシフト装置1によれば、フットブレーキが踏まれずに停止系のシフトポジションから運転系のシフトポジション、例えば、Pポジション61からRポジション62にシフト操作がされた場合、操作規制手段は特別パターンP1,P2,P3を選択してシフトレバーの操作に対抗する反力を付与する力覚制御を行う。フットブレーキが操作されずにPレンジから他のシフトポジションに切り換える操作は、車両システムにより自動的に無効とされて走行安全性の上では問題がないとしても、本来禁止されている操作である。操作者は、通常とは異なる操作感覚により違和感を覚え、禁止された操作をしたことを容易に認識することができる。
[2]また、シフト装置1の操作規制手段は、フットブレーキが踏まれずにPレンジから他のシフトポジションへ切り換えるような禁止された操作を、電子的な力覚制御で生じさせる「反力の壁」により規制することができる。
[3]以上のことから本実施の形態では、操作者に対して禁止されている操作を防ぐことができるという安心感を与えることにより、シフト装置1における安全性及び快適操作性を高めることができる。
以上、本発明に好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で種々の変形、応用が可能である。例えば、本実施の形態に示したI形状のパターンだけでなく、種々の操作パターンに対応できる。図9は、シフトレバーの種々の操作経路を示す操作パターン図(a)〜(f)である。これによれば、車種等に応じて、H形状のパターン、I形状のパターンや、これらの組合せとして種々の操作経路を有する操作パターンに対応できる。さらに、図示は省略するが、任意の角度で交差する操作パターンを含む操作経路を有する操作パターン等にも対応可能である。
1…シフト装置、2…シフトレバー、2a…把持部、2b…支持摺動部、2c…支柱部、3…ジョイスティック機構部、4…ケース部材、4a…ケースフレーム、4b…案内ドーム、4c…開口、11…シャフト、12…第1キャリッジ、13…第2キャリッジ、14…X軸、15…Y軸、16…ベアリング、17…ベアリングホルダ、20…ゲートブロック、21…セクターギア、21a…ギア歯、26…セクターギア、26a…ギア歯、31…Xモータ、31a…モータギア、32…回転センサ、36…Yモータ、36a…モータギア、37…回転センサ、50…力覚制御部、51…メモリ、52…力覚パターンデータ、61…パーキング(P)ポジション、62…リバース(R)ポジション、63…ニュートラル(N)ポジション、64…ドライブ(D)ポジション、67…操作許容エリア、68…操作規制エリア、69…シフトレバーの操作可能な全領域、70…安全管理装置、
P0…通常パターン、P1,P2,P3…特別パターン
P0…通常パターン、P1,P2,P3…特別パターン
Claims (5)
- 操作者により操作されるシフトレバーと、
前記シフトレバーに力を付与する駆動手段と、
前記シフトレバーの操作状態を検出する第1の検出手段と、
フットブレーキの操作状態を検出する第2の検出手段と、
停止系のシフトポジションから運転系のシフトポジションへの操作経路において、正常な操作に対して設定される第1の力覚パターン及び禁止されている操作に対して設定される第2の力覚パターンをデータ化した力覚パターンデータを記憶する記憶手段と、
前記第2の検出手段がフットブレーキの操作を検出した状態で前記第1の検出手段が前記停止系のシフトポジションを起点とする前記シフトレバーの操作を検出したとき、前記第1の力覚パターンに従って前記シフトレバーの操作状態に基づく前記駆動手段の力制御を行い、前記第2の検出手段がフットブレーキの操作を検出しない状態で前記第1の検出手段が前記停止系のシフトポジションを起点とする前記シフトレバーの操作を検出したとき、前記第2の力覚パターンに従って前記シフトレバーの操作状態に基づく前記駆動手段の力制御を行う力覚制御手段と、を備える力覚付与型のシフト装置。 - 禁止されている操作に対して設定される前記第2の力覚パターンは、前記運転系のシフトポジションへの操作に対抗する方向で、かつ前記運転系のシフトポジションに至る前で前記シフトレバーに付与される前記力が増加するように設定されている、請求項1に記載の力覚付与型のシフト装置。
- 禁止されている操作に対して設定される前記第2の力覚パターンは、前記運転系のシフトポジションへの操作に対抗して前記シフトレバーに付与される前記力が振動しながら増加するように設定されている、請求項1に記載の力覚付与型のシフト装置。
- 前記運転系のシフトポジションはリバースポジションであり、前記力覚制御手段は前記第2の検出手段がフットブレーキの操作を検出しないとき前記第2の力覚パターンを選択して前記駆動手段の力制御を行うことにより、前記シフトレバーが前記リバースポジションへシフトされる操作を規制する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の力覚付与型のシフト装置。
- 前記停止系のシフトポジションは、パーキングポジション又はニュートラルポジションであり、前記運転系のシフトポジションは、ドライブポジション又はリバースポジションである、請求項1乃至3の何れか1項に記載の力覚付与型のシフト装置。
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JP2010202401A JP2012056476A (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | 力覚付与型のシフト装置 |
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JP2003260948A (ja) * | 2002-03-12 | 2003-09-16 | Honda Motor Co Ltd | 車両の変速操作装置 |
JP2005041359A (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-17 | Honda Motor Co Ltd | シフトレバー装置 |
WO2009138079A1 (de) * | 2008-05-15 | 2009-11-19 | Zf Friedrichshafen Ag | Betätigungseinrichtung mit force feedback |
-
2010
- 2010-09-09 JP JP2010202401A patent/JP2012056476A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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