JP2012052759A - 燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃料として用いることができ、燃焼効率が高く、焼却灰が燃焼室の内壁や下部に蓄積して燃焼効率が低下することのない燃焼装置を提供する。
【解決手段】燃焼装置に、円筒状の燃焼管2と、燃焼管2の上部から燃焼管2の内壁21に沿って流下するように燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼管2の内壁21との間に間隙を生じるように設けられ、燃焼管2の内壁21に沿って周方向に移動し、燃料供給手段により燃焼管2の内壁21に供給された燃料の膜厚をならすならし部材5と、を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼装置に関し、特に、廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃料として使用する燃焼装置に関するものである。
工場等の工業施設やショッピングセンターや温浴施設等の商業施設においては、施設に温水を供給するために様々な構造の温水ボイラが利用されている。また、各家庭における給湯設備の多くにも小・中規模の温水ボイラが用いられており、これら温水ボイラは、特許文献1や特許文献2に記載されているように、主に重油や灯油、ガス等の化石燃料を燃焼させて水を加熱し、温水を供給するものが一般的である。さらに、野菜や果物などのハウス栽培において、ハウス内の空気を暖めるために温風ボイラが利用されている。このような温風ボイラにおいても、特許文献3に記載されているように、燃料には重油等の化石燃料が使われている。
一方、地球温暖化防止の観点から、二酸化炭素の発生を削減し、資源のリサイクルに繋がるような、従来の化石燃料に替わる燃料の開発が進められており、その一つとして、植物油や廃食油等を原料とするバイオディーゼル燃料が注目されている。バイオディーゼル燃料は、植物油等をアルカリ性アルコール又は酵素によってエステル化して合成されるものであり、副産物として不純物が多く含まれるグリセリン(廃グリセリンと呼ばれる。)が生成される。
この廃グリセリンは純度が低く、工業用グリセリンとして使用できる程度にまで純度を高めるにはかなりのコストが掛かるため、一部はバイオガス生成用原料や堆肥製造用の原料に混合して処理されているものの、大部分が産業廃棄物として処分されているのが現状である。バイオディーゼル燃料を燃料として普及させるためには生産コストが安価である必要があり、そのためにはこの廃グリセリンの有効な利用法を確立することが課題となっている。
このような状況下、廃グリセリンを燃料として用いるための研究・開発が進められている。例えば、特許文献4には、廃グリセリンを燃料として使用する燃焼装置が開示されている。このように、前述の温水ボイラや温風ボイラに用いられる燃焼装置の燃料としても廃グリセリン等のバイオマス燃料を利用することにより、地球温暖化防止に貢献しつつ、ボイラの燃料コストも抑えることができるようになる。
特開2010−078237号公報 特開2006−242523号公報 特開2010−127575号公報 特開2008−064358号公報
しかしながら、廃グリセリン等のバイオマス燃料を温水ボイラや温風ボイラの燃料として使用する場合、例えば廃グリセリンには不純物が多く含まれており、ガス化しにくい性質があるため、燃焼室における燃焼効率が非常に悪いという問題がある。燃焼方式としては、燃焼室の底部に廃グリセリンを貯めて燃焼させるものや、廃グリセリンをバーナーによって噴射させて燃焼させるもの等が考えられるが、何れにせよ、廃グリセリンの難燃性に起因する低い燃焼効率を引き上げるための方策が望まれる。
また、燃焼室下部にガス化し切らなかった廃グリセリンが溜まり、その溜まった廃グリセリンの上面に膜が発生してしまうため、バーナーによりうまく燃焼しなくなることが多い。さらに、廃グリセリンを燃焼させた後に生じる焼却灰は化石燃料等に比べると非常に多く、この焼却灰が燃焼室の内壁や下部に蓄積することにより、燃焼効率がさらに低下してしまうという問題もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、難燃性の廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃料として使用でき、かつ燃焼効率の高い燃焼装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第一に本発明は、円筒状の燃焼管と、前記燃焼管の上部から前記燃焼管の内壁に沿って流下するように燃料を供給する燃料供給手段と、前記燃焼管の内壁との間に間隙を生じるように設けられ、前記燃焼管の内壁に沿って周方向に移動し、前記燃料供給手段により前記燃焼管の内壁に供給された燃料の膜厚をならすならし部材と、を備えていることを特徴とする燃焼装置を提供する(発明1)。
燃焼装置の燃焼管は、燃焼熱によって高温に加熱される。ここで、上記発明(発明1)によれば、高温に加熱された燃焼管の内壁に沿って燃料として廃グリセリン等のバイオマス燃料が流下するように供給され、ならし部材が燃焼管の内壁に沿って周方向に移動することによって燃料の膜厚がならされると、燃料が内壁全体に行き渡るとともに、高温の内壁によって効率的に燃料が熱せられ、その結果、燃料は燃焼管内で高い燃焼効率で燃焼することとなる。また、ならし部材が燃焼管の内壁に蓄積した焼却灰を削り落とし、燃焼効率の低下を抑制することができる。
上記発明(発明1)においては、前記ならし部材は、前記燃焼管の内壁に沿って軸方向に延設されている部材であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明2)によれば、軸方向に延設されているならし部材が燃焼管の内壁に沿って周方向に移動することになり、より広い範囲において燃料の膜厚がならされるため、燃料を高温になった内壁全体に効果的に行き渡らせることができる。また、軸方向に延設されているならし部材が燃焼管の内壁に沿って周方向に移動することにより、ならし部材がより広い範囲の燃焼管の内壁に蓄積した焼却灰を削り落とし、燃焼効率の低下防止効果をより高くすることができる。
上記発明(発明1、2)においては、前記ならし部材は、板状の部材であることが好ましく(発明3)、上記発明(発明1〜3)においては、前記燃焼管の内壁と前記ならし部材との間に生じる間隙は、0.1〜1.0mmであることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)によれば、燃料が燃焼管の内壁を下まで流下してしまう前に、ならし部材により、燃料を薄く均一に内壁に全体に行き渡らせることができる。また、燃料を燃焼させた後に生じる焼却灰が、燃焼管内壁とならし部材との間に生じる間隙に蓄積することもなくなる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記ならし部材は、駆動源に接続された回転可能な支持部材に支持されていることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)においては、前記燃料供給手段は、前記燃焼管の上縁部に設けられ、かつ、前記燃焼管を取り囲むように設けられた、燃料が注入されて貯留される環状の燃料供給溝と、前記燃料供給溝内を周回可能な燃料掻き出し部材と、を備えており、前記燃料掻き出し部材が、前記燃料供給溝内を周回することにより、前記燃料供給溝から前記燃焼管の内壁に対して燃料を溢れさせ、前記燃焼管の内壁全周に燃料を供給するものであることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明6)によれば、燃料供給溝内に貯留する燃料が、周回する燃料掻き出し部材によって燃料供給溝内を周方向に押し流され、燃焼管の内壁の上縁部から内壁に向かって少量ずつ燃料が溢れ出すことにより、燃焼管の内壁全周にまんべんなく燃料を供給することができる。
上記発明(発明6)においては、前記燃料掻き出し部材は、前記燃焼管の径方向の断面が前記燃料供給溝の断面よりもやや小さいことが好ましい(発明7)。
上記発明(発明7)によれば、燃料描き出し部材を燃料供給溝内で周回させたときに、燃料描き出し部材と燃料供給溝の側壁との間に生じる間隙から燃料が逃げる量を最小限にすることができるため、効率的に燃料供給溝内に貯留する燃料を燃料供給溝内の周方向に押し流すことができる。例えば、低速で燃料描き出し部材を周回させた場合であっても、内壁に向かって溢れ出させるのに十分な量の燃料を燃料供給溝内の周方向に押し流すことができる。
上記発明(発明6、7)においては、前記燃料掻き出し部材は、板状の部材であることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明6〜8)においては、前記燃料掻き出し部材は、前記ならし部材と連結されていることにより、前記ならし部材が前記燃焼管の内壁に沿って周方向に移動するのに連動して前記燃料供給溝内を周回することが好ましい(発明9)。
上記発明(発明1〜9)においては、前記燃焼管の下側に設けられた、燃料を溜める燃料貯留部と、複数の攪拌突起部を前記燃料貯留部に向かって配設した攪拌部材と、前記燃焼管の軸を通る回転駆動軸を備えた駆動源と、を備えており、前記攪拌部材は、前記回転駆動軸に取り付けられて回転駆動され、もって前記燃料貯留部に溜まった燃料を攪拌することが好ましい(発明10)。
燃料貯留部には、燃焼管の上部から内壁に沿って流下するように供給された燃料のうち、流下する過程で燃焼し切らなかった燃料や、燃焼管の下部に別途設けられた燃料供給部から供給された燃料が溜められ、初期燃焼段階においては、溜められた燃料はエア供給管から噴射されるエアによって強制燃焼させられる。この溜められた燃料の表面には、時間の経過とともに、燃料中の不純物等に起因して、エア供給管から噴射されるエアによる燃料の燃焼を妨げる膜が発生し始め、ついには燃料の燃焼炎が自然鎮火してしまう。上記発明(発明10)によれば、攪拌部材が駆動源により回転駆動されることにより、複数の攪拌突起部が燃料貯留部に溜まった燃料を攪拌するため、エア供給管から噴射されるエアによる燃料の燃焼を妨げる膜が燃料の表面に発生することを防ぎ、燃料の燃焼炎が自然鎮火することを防ぐことができる。また、安定燃焼段階においては、撹拌部材が燃料貯留部に溜まった粉状の焼却灰と供給された燃料とを混合して攪拌することにより燃料が瞬時にガス化し、安定的に燃焼を継続させることができる。
上記発明(発明10)においては、前記燃料貯留部の底面には複数の底側突起部が並設されており、前記複数の底側突起部は、前記攪拌部材が回転する際に、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部と接触することなく、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部の間を通過するように設けられていることが好ましい(発明11)。
燃料貯留部に溜められた燃料をエア供給管から噴射されるエアによって燃焼させたり、燃焼管の内壁を沿って流下する燃料を燃焼させたりすると、燃焼装置内には焼却灰が生じる。その焼却灰は燃料貯留部に徐々に蓄積し、攪拌部材の攪拌突起部に塊となって付着する。このような状態で連続的に運転を続ければ、攪拌部材による攪拌効果は著しく低下し、燃料の燃焼を妨げる膜が燃料の表面に発生したり、焼却灰の塊が燃料貯留部に蓄積したりし、ついには燃料の燃焼炎が自然鎮火してしまう。上記発明(発明11)によれば、攪拌突起部が底側突起部の間を通過する際に、攪拌突起部に付着した焼却灰が底側突起部に当たって砕かれることにより、攪拌効率の低下を引き起こすほど大きな焼却灰の塊が攪拌突起部に付着することを防止するため、温水ボイラを長期にわたって連続運転する際にも、攪拌部材による攪拌効果が低下することはなく、初期燃焼段階においては、攪拌部材が燃料貯留部に溜まった燃料を攪拌し続けるため、エア供給管から噴射されるエアによる燃料の燃焼を妨げる膜が燃料の表面に発生することを防ぎ、結果として燃料の燃焼炎が自然鎮火することを防止することができる。また、安定燃焼段階においては、撹拌突起部に付着した焼却灰が底側突起部に当たって砕かれることにより、焼却灰は粉状となって燃料貯留部に蓄積するため、撹拌突起部が燃料貯留部に溜まった粉状の焼却灰と供給された燃料とを混合して攪拌することにより燃料が瞬時にガス化し、結果として安定的に燃焼を継続させることができる。
上記発明(発明11)においては、前記複数の底側突起部は、隣り合う他の底側突起部との間隔が前記複数の攪拌突起部の幅よりもやや広くなるようにそれぞれ設けられていることが好ましい(発明12)。
上記発明(発明12)によれば、攪拌突起部が底側突起部の間を通過する際に、攪拌突起部に付着した焼却灰のほとんどが底側突起部に当たって砕かれるため、焼却灰の塊がほとんど攪拌突起部に付着することなく、攪拌部材の回転駆動を継続することができる。
上記発明(発明10〜12)においては、前記ならし部材は、前記攪拌部材と連結されていることにより、前記攪拌部材が回転するのに連動して、前記駆動源により前記燃焼室の内壁に沿って周方向に移動するように駆動されることが好ましい(発明13)。
上記発明(発明13)によれば、ならし部材と攪拌部材とを、別々の駆動源を用意することなく、一の駆動源で駆動することができる。
第二に本発明は、円筒状の燃焼管と、前記燃焼管の下側に設けられた、燃料を溜める燃料貯留部と、複数の攪拌突起部を前記燃料貯留部に向かって配設した攪拌部材と、前記燃焼管の軸を通る回転駆動軸を備えた駆動源と、を備えており、前記攪拌部材は、前記回転駆動軸に取り付けられて回転駆動され、もって前記燃料貯留部に溜まった燃料を攪拌することを特徴とする燃焼装置を提供する(発明14)。
上記発明(発明14)によれば、攪拌部材が駆動源により回転駆動されることにより、複数の攪拌突起部が燃料貯留部に溜まった廃グリセリン等のバイオマス燃料の表面をかき混ぜるように動くため、エア供給管から噴射されるエアによる燃料の燃焼を妨げる膜が燃料の上面に発生することを防ぐことができ、燃料は燃焼管内で高い燃焼効率で燃焼することとなる。また、エア供給管から噴射されるエアによる燃料の燃焼を妨げる膜が燃料の上面に発生することを防ぐことにより、燃料の燃焼炎が自然鎮火することを防ぐことができる。
上記発明(発明14)においては、前記燃料貯留部の底面には複数の底側突起部が並設されており、前記複数の底側突起部は、前記攪拌部材が回転する際に、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部と接触することなく、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部の間を通過するように設けられていることが好ましい(発明15)。
上記発明(発明15)によれば、攪拌突起部が底側突起部の間を通過する際に、攪拌突起部に付着した焼却灰が底側突起部に当たって砕かれるため、攪拌効率の低下を引き起こすほど大きな焼却灰の塊が攪拌突起部に付着することを防止するため、燃焼装置を長期にわたって連続運転する際にも、燃料の燃焼炎が自然鎮火することを防止することができる
上記発明(発明15)においては、前記複数の底側突起部は、隣り合う他の底側突起部との間隔が前記複数の攪拌突起部の幅よりもやや広くなるようにそれぞれ設けられていることが好ましい(発明16)。
上記発明(発明16)によれば、攪拌突起部が底側突起部の間を通過する際に、攪拌突起部に付着した焼却灰のほとんどが底側突起部に当たって砕かれるため、焼却灰の塊がほとんど攪拌突起部に付着することなく、攪拌部材の回転駆動を継続することができる。
第三に本発明は、発明1〜16のいずれかの燃焼装置を備え、前記燃焼装置の燃焼熱を用いて水及び/又は空気を加熱し、温水及び/又は温風を生成することを特徴とするボイラを提供する。
本発明の燃焼装置によれば、難燃性の廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃料として使用でき、高い燃焼効率で廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃焼させることができる。また、焼却灰が蓄積することにより燃焼効率が低下することを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る燃焼装置を備えた温水ボイラの側面図である。 同温水ボイラの側面一部断面図である。 同温水ボイラのボイラ本体上部の平面断面図(図1におけるA−A´線断面図)である。 同温水ボイラのボイラ本体下部の平面断面図(図1におけるB−B´線断面図)である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態に係る燃焼装置を備えた温水ボイラ10は、図1に示すように、ボイラ本体101と、排気部102と、バーナー103と、駆動源収納部104と、脚部105と、基台106とから構成されている。排気部102は、ボイラ本体101の上側に設けられており、ボイラ本体101において廃グリセリン等のバイオマス燃料が燃焼する時に生じる排気ガスを、排気部102上面の開口部に接続された排気管11に誘導する。ボイラ本体101の下部側面には、バーナー103がその噴射口をボイラ本体101の底面に向けるようにして備え付けられている。駆動源収納部104はボイラ本体101と基台106との間に位置し、脚部105はボイラ本体101が基台106の上に立設されるよう支持する役目を果たしている。なお、本実施形態においては、燃料として廃グリセリンを使用する。
図2に示すように、ボイラ本体101は、有底円筒状の燃焼管2と、燃焼管2の外側を取り囲むように設けられた水室3と、燃焼管2の上縁部に設けられた燃料供給溝4とから構成されている。また、燃焼管2の下部には燃料貯留部22が設けられている。さらに、燃焼管2下部付近の外周面には、燃料貯留部22に火種を提供したり、燃焼管2内の様子を点検したりするための点検扉18が設けられている。
基台106には、駆動源収納部104の内部から基台106を掘り下げるような形で空間が設けられており、その空間には回転駆動軸91を有する駆動源9が備えられている。回転駆動軸91は燃料貯留部22の底面中心から燃焼管2方向に突き出している。
燃焼管2の内部は、燃料として供給された廃グリセリンが燃焼するスペースとなっている。燃焼管2の内部には、燃焼管2の中心軸線上に位置するように、エア供給管12が設けられている。エア供給管12には温水ボイラ10の外部に設けられたエア送入装置(図示しない)が接続されている。エア供給管12は、排気部102に対して横から挿入されたものが、排気部102内でL字状に屈曲し、鉛直方向下向きに向きを変えて、燃焼管2の下部にまで至るように燃焼管2の内部を燃料貯留部22方向に延びており、L字状に屈曲する部分のすぐ下側において、4本のエア供給管支持部材120を介して燃焼管2内で固定されている。エア供給管12の下端には、燃焼管21の内壁21に向かって水平方向に延びるエア吹出管121が2つ連結されており、それぞれのエア吹出管121の外端部にはエア吹出口122が形成されている。それぞれのエア吹出口122は、水平方向からやや下方向に向けて、かつ、燃焼管2の周方向反時計回りにエアが吹き出すように互いに反対方向を向いて形成されている。また、エア供給管12の燃焼管2内に位置する部分には螺旋状にエア供給孔123が複数形成されている。このようにエア吹出口122及びエア供給孔123を形成することにより、燃焼管2内下部から上部に向かって螺旋状に流れるようにエアが供給される。このようにエアを供給すると、燃焼管2内で廃グリセリンが燃焼する際に発生する燃焼炎が竜巻状の炎となるため、廃グリセリンをより効率的に燃焼させることができる。
燃焼管2の外側には、燃焼管2を取り囲むように水室3が設けられている。水室3の下側には入湯管14が、上側には出湯管15が接続されており、図示しない循環水ポンプにより、入湯管14から水室3に水が送入される。送入された水は、燃焼管2内で廃グリセリンが燃焼することにより生じる燃焼熱によって水室3内で加熱されて温水となる。温水は出湯管15から温水ボイラ10外へと排出される。なお、水室3の外周面には、水室3内の水位を計測するための液面計16が設けられており、ボイラ本体101の外側から水室3内の水位を確認することができるようになっている。
燃焼管2の上縁部には、燃焼管2を取り囲むように、環状の燃料供給溝4が設けられており、燃料供給溝4には第1燃料供給管13が接続されている。燃料供給溝4に対しては、図示しない燃料用ポンプにより、第1燃料供給管13を経て、燃料として廃グリセリンが供給され、貯留される。
燃焼管2の下部に設けられた燃料貯留部22はお椀状の形状を有しており、燃焼管2の上部から燃焼管2の内壁21に沿って流下するように供給された廃グリセリンのうち、流下する過程で燃焼し切らなかった廃グリセリンや、燃焼管2の下部に接続された第2燃料供給管17から供給される廃グリセリンを貯留することができるようになっている。燃料貯留部22の底面には、鉛直方向上向きに突き出すように、複数の棒状の突起部であるアッシュブレーカ231が設けられている。本実施形態においては、アッシュブレーカ231は4本設けられている。
図2および図4に示すように、燃焼管2内の下部には、複数の攪拌棒81を燃料貯留部22に向かって配設した攪拌レーキ8が設けられている。攪拌レーキ8は、燃料貯留部22の底面から突き出した駆動源9の回転駆動軸91と連結されるブロック状部材82をその中心に有し、そのブロック状部材82からは燃焼管2の内壁21方向に向かって2本の角柱状部材83が延設されている。角柱状部材83には、燃料貯留部22に向かって、すなわち鉛直方向下向きに、攪拌棒81が略等間隔で4本ずつ配設されている。
攪拌レーキ8は回転駆動軸91に連結されているため、駆動源9により回転駆動され、これにより、撹拌棒81はそれぞれ円軌道を描くように移動する。この結果、初期燃焼段階においては、撹拌棒81が燃料貯留部22に溜まった廃グリセリンを攪拌するため、エア供給管12のエア吹出口122からエアを噴射して廃グリセリンを燃焼させる際に、廃グリセリンの燃焼を妨げる膜が廃グリセリンの上面に発生することを防ぐことができ、廃グリセリンの燃焼炎が自然鎮火することを防ぐことができる。また、安定燃焼段階においては、撹拌棒81が燃料貯留部22に溜まった粉状の焼却灰と供給された廃グリセリンとを混合して攪拌することにより廃グリセリンが瞬時にガス化し、安定的に燃焼を継続させることができる。なお、本実施形態においては、駆動源9の回転駆動軸91は、攪拌レーキ8を平面視反時計回りに回転駆動させるように回転するように設定されている。
本実施形態においては、攪拌レーキ8には角柱状部材83が2本設けられており、角柱状部材83には撹拌棒81が4本ずつ設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、角柱状部材83を4本設け、それぞれの角柱状部材83に攪拌棒81を4本ずつ設けてもよいし、撹拌棒81を6本備えた角柱状部材83を1本のみ設けてもよい。
また、4本のアッシュブレーカ231は、隣り合う他のアッシュブレーカ231との間隔が等しくなるように、かつ、隣り合う他のアッシュブレーカ231との間隔が攪拌レーキ8の撹拌棒81の幅よりもやや広くなるように、設けられている。また、図4に示すように、4本のアッシュブレーカ231は、攪拌レーキ8が回転する際に、撹拌棒81が接触することなく4本のアッシュブレーカ231の間を通過するように、撹拌棒81の回転軌道上から外れた位置に設けられている。このようにアッシュブレーカ231が設けられていることにより、攪拌棒81がアッシュブレーカ231の間を通過する際に、撹拌棒81に付着した焼却灰がアッシュブレーカ231に当たって砕かれるため、攪拌効率の低下を引き起こすほど大きな焼却灰の塊がアッシュブレーカ231に付着することが防止される。すると、温水ボイラ10を長期にわたって連続運転する際にも、攪拌レーキ8による攪拌効果が低下することはなく、初期燃焼段階においては、攪拌レーキ8が燃料貯留部22に溜まった廃グリセリンを攪拌し続けるため、エア供給管から噴射されるエアによる廃グリセリンの燃焼を妨げる膜が廃グリセリンの表面に発生することを防ぎ、結果として廃グリセリンの燃焼炎が自然鎮火することを防止することができる。特に、隣り合う他のアッシュブレーカ231との間隔が攪拌レーキ8の撹拌棒81の幅よりもやや広くなるように設けられていることにより、撹拌棒81に付着した焼却灰のほとんどがアッシュブレーカ231に当たって砕かれるため、焼却灰はほとんど攪拌棒81に付着することがない。また、安定燃焼段階においては、撹拌棒81に付着した焼却灰がアッシュブレーカ231に当たって砕かれることにより、焼却灰は粉状となって燃料貯留部22に蓄積するため、撹拌棒81が燃料貯留部22に溜まった粉状の焼却灰と供給された廃グリセリンとを混合して攪拌することにより廃グリセリンが瞬時にガス化し、結果として安定的に燃焼を継続させることができる。
図2に示すように、燃焼管2の内部には、長尺の板状部材である2枚のフラットバーレーキ5が、燃焼管2の内壁21に沿って燃焼管2の軸方向に延設されている。2枚のフラットバーレーキ5は、図3に示すように、平面視燃焼管2のほぼ直径線上で2枚が正対するような位置に設けられている。また、2枚のフラットバーレーキ5の下端は、それぞれが攪拌レーキ8の各角柱状部材83の上面端部に連結されており、駆動源9が攪拌レーキ8を平面視反時計回りに回転駆動するのに連動して、平面視反時計回りに、燃焼管2の内壁21に沿って回転移動する。
2枚のフラットバーレーキ5は、それぞれ、燃焼管2の内周面の接線に対して平行になるような向きから、フラットバーレーキ5の進行方向側に位置する長手方向の一辺と燃焼管2の内壁21との距離が、もう一方の長手方向の一辺と燃焼管2の内壁21との距離よりも広くなるような向きに、特定の角度を付けて設けられている。さらに、2枚のフラットバーレーキ5の上端には支持部材7が連結されている。
支持部材7は、図2に示すように、燃焼管2内の上部に設けられており、エア供給管12の外周を取り囲む環状部材71と、その環状部材71から燃料供給溝4の上部にまで延びる2本の棒状部材72とからなる。上述の2枚のフラットバーレーキ5は、2本の棒状部材72それぞれの略中央部下側において、支持部材7と連結されている。これにより、駆動源9が攪拌レーキ8を介してフラットバーレーキ5を平面視反時計回りに回転駆動するのに連動して、支持部材7も平面視反時計回りに回転移動する。なお、環状部材71はエア供給管12の外周を取り囲むように設けられており、環状部材71がエア供給管12の外周に接する部分には耐熱ベアリング73が備えられていることにより、エア供給管12を支持部材7の回転軸として利用することができるようになっている。また、環状部材71の周囲は、下方から耐熱ベアリング73に対して燃焼炎が直接吹きつけられないよう、保護カバー74で覆われている。
棒状部材72の末端には、2つの燃料掻き出し部材6がそれぞれ連結されている。燃料掻き出し部材6は短尺の板状部材であり、その大半部分が燃料供給溝4内に位置するように設けられており、その上端が支持部材7の棒状部材72に連結されている。これにより、燃料掻き出し部材6は、駆動源9が攪拌レーキ8及びフラットバーレーキ5を介して支持部材7を平面視反時計回りに回転駆動するのに連動して、平面視反時計回りに燃料供給溝4内を周回するように移動する。このような燃料掻き出し部材6が燃料供給溝4内を周回することにより、燃料供給溝4内に貯留する廃グリセリンが、燃料供給溝4内を周方向に押し流される。その結果、燃焼管2の内壁21の上縁部全周から燃焼管2の内壁21に向かって少量ずつ廃グリセリンが溢れ出すため、燃焼管2の内壁21全周にまんべんなく廃グリセリンを供給することができる。
さらに、燃料掻き出し部材6の燃焼管2の径方向の断面は、燃料供給溝4の断面よりもやや小さくなっている。このようにすることにより、燃料描き出し部材6を燃料供給溝4内で周回させたときに、燃料描き出し部材6と燃料供給溝4の側壁との間に生じる間隙から廃グリセリンが逃げる量を最小限にすることができるため、効率的に燃料供給溝内に貯留する廃グリセリンを燃料供給溝4内の周方向に押し流すことができる。例えば、低速で燃料描き出し部材6を周回させた場合であっても、燃焼管2の内壁21に向かって溢れ出させるのに十分な量の廃グリセリンを燃料供給溝4内の周方向に押し流すことができる。
なお、本実施形態においては、支持部材7の棒状部材72、フラットバーレーキ5、および燃料掻き出し部材6はそれぞれ2つずつ設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、棒状部材72を燃焼管の直径線上に2本設けるのに加えて、当該2本の棒状部材72を設けた直径と直交する他の直径線上に更に2本の棒状部材72を設け、その4本の棒状部材72全てに対してフラットバーレーキ5と燃料掻き出し部材6とが連結するように、フラットバーレーキ5と燃料掻き出し部材6とを4つずつ設けてもよいし、一部の棒状部材72にのみフラットバーレーキ5を設けたり、一部の棒状部材72にのみ燃料掻き出し部材6を設けたりしてもよい。
2枚のフラットバーレーキ5は、上述のように、駆動源9が攪拌レーキ8を平面視反時計回りに回転駆動するのに連動して、平面視反時計回りに、燃焼管2の内壁21に沿って回転移動する。このように移動することにより、燃料供給溝4から燃焼管2の内壁21に沿って流下するように供給された廃グリセリンの膜厚をならしつつ、廃グリセリンを高温になった燃焼管2の内壁21全体に効果的に行き渡らせることができる。また、燃焼管2の内壁21に蓄積した焼却灰を削り落とし、燃焼効率の低下を防止することができる。特に、廃グリセリンが燃焼管2の内壁21を下まで流下してしまう前に廃グリセリンを薄く均一に内壁に全体に行き渡らせることができるよう、また、廃グリセリンを燃焼させた後に生じる焼却灰が、燃焼管2の内壁21とフラットバーレーキ5との間に生じる間隙に蓄積することがなくなるよう、フラットバーレーキ5と燃焼管2の内壁21との間に生じる間隙は0.1〜1.0mmとすることが好ましく、特に0.5mm前後とすることが好ましい。
なお、2枚のフラットバーレーキ5は、上述のように、それぞれ、燃焼管2の内周面の接線に対して平行になるような向きから、フラットバーレーキ5の進行方向側に位置する長手方向の一辺と燃焼管2の内壁21との距離が、もう一方の長手方向の一辺と燃焼管2の内壁21との距離よりも広くなるような向きに、特定の角度を付けて設けられているが、このように2枚のフラットバーレーキ5を設けることは、燃焼管2内下部から上部に向かってエアを螺旋状に流れるように供給することの一助となる。すなわち、エア吹出口122及びエア供給孔123からエアが吹き出すとともに、燃焼管2の直径線上から燃焼管2の内壁21方向に特定の角度を付けて設けられた2枚のフラットバーレーキ5が燃焼管2の内壁21に沿って周回することによりエアが燃焼管2の周方向反時計回りに押され、エアの螺旋状の流れがより強まることとなる。ここで、特定の角度とは5〜30度とすることが好ましく、特に10度前後とすることが好ましい。
なお、駆動源9は温水ボイラ10の運転中ほぼ常時稼働しているため、かなりの熱をもつことになる。そのため、駆動源収納部104には冷却エア供給管19が接続されており、発熱した駆動源9を冷却するための冷却エアが駆動源収納部104の内部空間に供給される。
以上説明した温水ボイラ10を用いて温水を供給するには、まず、第2燃料供給管から燃料貯留部22に廃グリセリンを供給するとともに、液面計16を見ながら所定の水位になるまで入湯管14から水室3に水を注入する。次に、エア送入装置(図示しない)の運転を開始してエア供給管12より燃焼管2内にエアの供給を開始する。更に、駆動源9を稼働させてフラットバーレーキ5、燃料掻き出し部材6及び攪拌レーキ8を回転させ始める。
続いて、バーナー103の運転を開始して燃料貯留部22に溜まった廃グリセリンに着火させ、着火を確認したら、燃料供給溝4に第1燃料供給管13より廃グリセリンを供給し始める。
エア送入装置(図示しない)の運転を開始すると、エア供給管12のエア吹出口122から燃焼管2の周方向反時計回りにエアを吹き出し始めるとともに、螺旋状に形成されたエア供給孔123からもエアが吹き出し始める。その結果、燃料貯留部22に溜まった廃グリセリンに対してエアが供給されるとともに、燃焼管2内下部から上部に向かって螺旋状に流れるようにエアが供給される。このようにエアが供給されることにより、燃焼管2内では廃グリセリンが継続的に燃焼し、燃焼管2内に竜巻状の燃焼炎が生じる。
燃焼管2内に生じた燃焼炎により、燃焼管2の内壁21は高温に加熱される。ここで、第1燃料供給管13から供給された廃グリセリンが燃料供給溝4を満たし、駆動源9により燃料供給溝4内を周回するように駆動されている燃料掻き出し部材6が燃料供給溝4内の廃グリセリンを周方向に押し流し、その結果、燃焼管2の内壁21の上縁部から燃焼管2の内壁21に向かって少量ずつ廃グリセリンが溢れ出し、高温に加熱された燃焼管2の内壁21全周にまんべんなく廃グリセリンが供給される。
駆動源9により燃焼管2の内壁21に沿って周回するフラットバーレーキ5が、燃焼管2の内壁21を伝って流下する廃グリセリンの膜厚をならしつつ、燃焼管2の内壁21全体に廃グリセリンを行き渡らせる。燃焼管2の内壁21は高温に加熱されているので、燃焼管2の内壁21に沿って流下する廃グリセリンも高温に加熱される。その結果、廃グリセリンは容易にガス化し、燃焼管2内の燃焼炎により高い燃焼効率を以って燃焼する。
燃料貯留部22には、燃焼管2の上部から燃焼管2の内壁21に沿って流下するように供給された廃グリセリンのうち、流下する過程で燃焼し切らなかった廃グリセリンや、第2燃料供給管17から供給された廃グリセリンが溜められ、溜められた廃グリセリンはエア供給管12のエア吹出口122から噴射されたエアによって強制燃焼させられる。連続的に運転していると、廃グリセリン中の不純物等に起因して、溜められた廃グリセリンの表面に、エア供給管12から噴射されるエアによる廃グリセリンの燃焼を妨げる膜が発生し始めるが、駆動源9により攪拌レーキ8が回転駆動されていることにより、複数の攪拌棒81が燃料貯留部22に溜まった廃グリセリンを攪拌するため、エア供給管12から噴射されるエアによる廃グリセリンの燃焼を妨げる膜が廃グリセリンの表面に発生することが防止される。
このような状態で廃グリセリンの燃焼を継続させていると、廃グリセリンの燃焼により生じた焼却灰が燃焼管2の内壁21に蓄積し始める。このように燃焼管2の内壁21に焼却灰が蓄積すると、高温に加熱された燃焼管2の内壁21に沿って廃グリセリンを流下させることができなくなるため、廃グリセリンの燃焼効率が低下したり、水室3に対する熱の伝導効率が低下したりするが、燃焼管2の内壁21に沿って周回しているフラットバーレーキ5が燃焼管2の内壁21に蓄積した焼却灰を削り落とし、燃焼効率の低下及び熱伝導効率の低下が防止される。
また、焼却灰は燃焼管2の内壁21に付着するのみならず、燃料貯留部22にも蓄積し始める。このように燃料貯留部22に焼却灰が蓄積すると、攪拌レーキ8の攪拌棒81に塊となって付着してしまい、このような状態で連続的に運転を続ければ、攪拌レーキ8による攪拌効果は著しく低下し、廃グリセリンの燃焼を妨げる膜が廃グリセリンの表面に発生し、ついには廃グリセリンの燃焼炎が自然鎮火してしまうが、焼却灰が付着した攪拌棒81がアッシュブレーカ231の間を通過する際に、付着した焼却灰がアッシュブレーカ231に当たって砕かれるため、攪拌効率の低下を引き起こすほど大きな焼却灰の塊が攪拌棒81に付着することが防止される。
燃料貯留部22の底面に溜められた廃グリセリンは、連続的に運転を続けていくと徐々に粘度が上がり、点火されてから20〜30分後には黒い粒体となり、更に運転を続けていくと白色の粉体状の焼却灰になる。ここに燃焼管2の上部から燃焼管2の内壁21に沿って流下するように供給された廃グリセリンのうち、流下する過程で燃焼し切らなかった廃グリセリンや、第2燃料供給管17から供給された廃グリセリンが流れ込むと、高温状態の粉体状の焼却灰と廃グリセリンとが攪拌レーキ8の撹拌棒81によって混合して攪拌され、流れ込んだ廃グリセリンが瞬時にガス化し、安定的に燃焼が継続する。
燃料貯留部22の底面には徐々に焼却灰が蓄積する。溜まった焼却灰を温水ボイラ外に排出する手段は、例えば、燃料貯留部22の底部や側部に排出口を設け、頃合いをみて温水ボイラ外に人力で排出するものでもよいし、回転駆動される攪拌レーキ8の動きを利用して、攪拌レーキ8により当該排出口から自動的に排出されるような仕組みにしてもよい。
水室3内の水は、燃焼管2内で廃グリセリンが燃焼することにより生じる燃焼熱によって加熱されて温水となり、出湯管15から施設内や家庭内に供給される。
なお、本実施形態における燃焼装置は温水ボイラに備えられているが、これに限られるものではなく、例えば、温水ボイラではなく温風を供給するための温風ボイラに備えられていてもよいし、温水供給と温風供給を同時に行うことができる温水温風ボイラに備えられていてもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本発明に係る燃焼装置は、工場等の工業施設やショッピングセンターや温浴施設等の商業施設、あるいは各家庭において用いられる温水ボイラにおいて、廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃料として用いるために有用である。また、野菜や果物などのハウス栽培において用いられる温風ボイラにおいて、廃グリセリン等のバイオマス燃料を燃料として用いるために有用である。
10…温水ボイラ
101…ボイラ本体
102…排気部
103…バーナー
104…駆動源収納部
105…脚部
106…基台
11…排気管
12…エア供給管
121…エア吹出管
122…エア吹出口
123…エア供給孔
124…エア供給管支持部材
13…第1燃料供給管
14…入湯管
15…出湯管
16…液面計
17…第2燃料供給管
18…点検扉
19…冷却エア供給管
2…燃焼管
21…内壁
22…燃料貯留部
231…アッシュブレーカ(底側突起部)
3…水室
4…燃料供給溝
5…フラットバーレーキ(ならし部材)
6…燃料掻き出し部材
7…支持部材
71…環状部材
72…棒状部材
73…耐熱ベアリング
74…保護カバー
8…攪拌レーキ(攪拌部材)
81…攪拌棒(攪拌突起部)
82…ブロック状部材
83…角柱状部材
9…駆動源
91…回転駆動軸

Claims (17)

  1. 円筒状の燃焼管と、
    前記燃焼管の上部から前記燃焼管の内壁に沿って流下するように燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記燃焼管の内壁との間に間隙を生じるように設けられ、前記燃焼管の内壁に沿って周方向に移動し、前記燃料供給手段により前記燃焼管の内壁に供給された燃料の膜厚をならすならし部材と、を備えていることを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記ならし部材は、前記燃焼管の内壁に沿って軸方向に延設されている部材であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
  3. 前記ならし部材は、板状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼装置。
  4. 前記燃焼管の内壁と前記ならし部材との間に生じる間隙は、0.1〜1.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃焼装置。
  5. 前記ならし部材は、駆動源に接続された回転可能な支持部材に支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃焼装置。
  6. 前記燃料供給手段は、
    前記燃焼管の上縁部に設けられ、かつ、前記燃焼管を取り囲むように設けられた、燃料が注入されて貯留される環状の燃料供給溝と、
    前記燃料供給溝内を周回可能な燃料掻き出し部材と、を備えており、
    前記燃料掻き出し部材が、前記燃料供給溝内を周回することにより、前記燃料供給溝から前記燃焼管の内壁に対して燃料を溢れさせ、前記燃焼管の内壁全周に燃料を供給するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃焼装置。
  7. 前記燃料掻き出し部材は、前記燃焼管の径方向の断面が前記燃料供給溝の断面よりもやや小さいことを特徴とする請求項6に記載の燃焼装置。
  8. 前記燃料掻き出し部材は、板状の部材であることを特徴とする請求項6または7に記載の燃焼装置。
  9. 前記燃料掻き出し部材は、前記ならし部材と連結されていることにより、前記ならし部材が前記燃焼管の内壁に沿って周方向に移動するのに連動して前記燃料供給溝内を周回することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の燃焼装置。
  10. 前記燃焼管の下側に設けられた、燃料を溜める燃料貯留部と、
    複数の攪拌突起部を前記燃料貯留部に向かって配設した攪拌部材と、
    前記燃焼管の軸を通る回転駆動軸を備えた駆動源と、を備えており、
    前記攪拌部材は、前記回転駆動軸に取り付けられて回転駆動され、もって前記燃料貯留部に溜まった燃料を攪拌することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃焼装置。
  11. 前記燃料貯留部の底面には複数の底側突起部が並設されており、
    前記複数の底側突起部は、前記攪拌部材が回転する際に、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部と接触することなく、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部の間を通過するように設けられていることを特徴とする請求項10に記載の燃焼装置。
  12. 前記複数の底側突起部は、隣り合う他の底側突起部との間隔が前記複数の攪拌突起部の幅よりもやや広くなるようにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項11に記載の燃焼装置。
  13. 前記ならし部材は、前記攪拌部材と連結されていることにより、前記攪拌部材が回転するのに連動して、前記駆動源により前記燃焼室の内壁に沿って周方向に移動するように駆動されることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の燃焼装置。
  14. 円筒状の燃焼管と、
    前記燃焼管の下側に設けられた、燃料を溜める燃料貯留部と、
    複数の攪拌突起部を前記燃料貯留部に向かって配設した攪拌部材と、
    前記燃焼管の軸を通る回転駆動軸を備えた駆動源と、を備えており、
    前記攪拌部材は、前記回転駆動軸に取り付けられて回転駆動され、もって前記燃料貯留部に溜まった燃料を攪拌することを特徴とする燃焼装置。
  15. 前記燃料貯留部の底面には複数の底側突起部が並設されており、
    前記複数の底側突起部は、前記攪拌部材が回転する際に、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部と接触することなく、前記複数の攪拌突起部が前記複数の底側突起部の間を通過するように設けられていることを特徴とする請求項14に記載の燃焼装置。
  16. 前記複数の底側突起部は、隣り合う他の底側突起部との間隔が前記複数の攪拌突起部の幅よりもやや広くなるようにそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項15に記載の燃焼装置。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の燃焼装置を備え、
    前記燃焼装置の燃焼熱を用いて水及び/又は空気を加熱し、温水及び/又は温風を生成することを特徴とするボイラ。
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