しかしながら、特許文献1記載の装置にあっては、過充電・過放電状態を避けるためにセル電圧をモニターする必要がある。このため、制御回路が複雑となるとともに高耐圧部品を多用するために、コストが相対的に増大するおそれがある。またセルを直列接続した状態で、充放電を繰り返すと、セル特性ばらつきや動作温度環境により、セル電圧に差が生じるおそれがある。セルとしてリチウムイオン電池を採用した場合には、セルの充電上限電圧と放電下限電圧は制限されているので、セルが多数直列接続されるエネルギー蓄積装置では装置全体の容量が低下するという課題がある。
これに対して、他のセルよりも電圧の高いセルを抵抗やスイッチを用いて放電することにより、バランス(均等化)することが考えられるが、放電により熱を発生してしまい、放熱装置などが必要となり装置が大型化する傾向になる。一方、特許文献1記載の装置のように、充電時に各セルへの充電を制限してバランスとる方法も考えられるが、この際にも充電電流をバイパスするためのスイッチが必要となり、バイパス電流が大きくなるとスイッチが急激に加熱されるおそれがある。このように、これらの手法では、放電エネルギーが熱に変換されてしまいエネルギー効率が著しく低下する。
また、特許文献2記載の装置にあっては、セルの容量は製造条件によってばらつきを持つので、多数並列接続してエネルギー蓄積装置を構成した際に合計容量値が明確にならない。これは並列にセルを接続した場合には電圧が均等化されてしまうためにセル単位の容量を測定するのが困難であるからである。
さらに、図8に示すように、複数のセルを直列・並列接続する場合には、構成部品を高耐圧品とする必要がある上に、セル間電圧がばらついても補正手段がないため、充放電を繰り返す事によってエネルギー蓄積装置の合計容量が著しく低下するおそれがある。また、いずれかのセルが内部短絡などの故障となった場合には装置としての機能を維持できなくなる場合がある。またエネルギー蓄積容量は固定であり、一般的に充電時間が長くなる。
そこで、本発明はこのような技術課題を解決するためになされたものであって、容量管理・容量調整を容易に行うことができるとともに、充電時間の短縮化及びセルの長寿命化を図りつつ、低コストでメンテナンス性に優れたエネルギー蓄積装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係るエネルギー蓄積装置は、充放電可能な二次電池を複数接続して構成されるエネルギー蓄積装置であって、前記二次電池を複数接続して構成されるモジュールと、前記モジュールを複数接続して構成されるモジュールユニットと、前記モジュールユニットに接続され、充放電制御を行うコントロール回路と、を備え、前記モジュールユニットが複数接続されて構成される。
本発明に係るエネルギー蓄積装置では、二次電池を複数接続してモジュールを構成し、モジュールを複数個接続してモジュールユニットを構成し、モジュールユニットを複数個接続されたものをエネルギー蓄積装置とする3層構造とする。このように構成することで、例えばモジュール単位で二次電池の状態管理ができるため、モジュール単位で二次電池の交換・容量管理が可能となる。モジュール単位で変換することで各モジュールユニット間の容量を容易に均一にすることができる。また、例えば負荷に応じて出力電流・容量の変更を自動的に行うこともできるので、適正な時間で充電を行うことが可能となる。不要なモジュールは例えば充放電を行わずに休止しておくことができるので、モジュールを交互に使用することで使用装置全体のサイクル寿命を伸ばすことが可能となる。このように3層構造とすることで、安価で長寿命の信頼性の高い装置とすることができる。
ここで、前記モジュールは、2〜4個の前記二次電池を直列に接続し、又は、2〜3個の前記二次電池を並列に接続して構成されてもよい。このように構成されることで、モジュールを低耐圧の電子部品のみで構成することができる。
また、前記モジュールは、当該モジュールに含まれる前記二次電池の状態を監視する監視手段と、前記二次電池の状態を、当該モジュールを含む前記モジュールユニットへ出力する出力手段と、を有してもよい。また、前記モジュールは、当該モジュールに含まれる前記二次電池の充放電を制御するスイッチを有し、前記監視手段は、前記二次電池の電圧、充放電電流及び温度を監視してもよい。また、前記モジュールは、当該モジュールに含まれる前記二次電池の残存容量を計算する残存容量演算手段を有してもよい。さらに、前記モジュールは、当該モジュールに含まれる前記二次電池の接続を切断するヒューズを有してもよい。
このように構成することで、モジュール単位で二次電池の状態管理ができるとともに、モジュールユニットにモジュールの情報を集約することが可能となる。そして、例えば二次電池で不具合が発生した場合には、即時に異常を検知し異常のある二次電池の接続を切断することができるので、当該モジュールの交換を安全に行うことが可能となる。
また、前記モジュールユニットは、前記モジュールを複数並列に接続し、当該モジュールユニット内の有効モジュール数を変更可能に構成されてもよい。このように構成することで、例えば二次電池やモジュールが故障した場合であっても、モジュール交換までは故障モジュールの充放電を停止することができるので、装置の安全性を確保したままで稼働も可能である。
また、前記モジュールユニットは、当該モジュールユニットに含まれる前記モジュールから出力された当該モジュールの容量に関する情報を合算する容量演算手段と、合算された前記容量に関する情報を前記コントロール回路へ出力する出力手段と、を有してもよい。このように構成することで、モジュールの情報を集約してモジュールユニットの情報とすることができるとともに、モジュールユニットの情報をコントロール回路へ集約することが可能となる。
また、前記モジュールユニットは、前記コントロール回路から出力された充放電制御に関する情報を入力する入力手段と、前記充放電制御に関する情報に基づいて、当該モジュールユニットに含まれる前記モジュールの充放電を制御する充放電制御手段と、を有してもよい。このように構成することで、コントロール回路により、モジュールユニットを介してモジュールの充放電を制御することができる。
また、前記コントロール回路は、前記モジュールユニットから出力された情報を入力する入力手段を有し、前記モジュールユニットから出力された情報に基づいて充放電を制御してもよい。また、前記コントロール回路は、前記入力手段により入力された情報に基づいて、装置全体の残量容量を演算してもよい。さらに、前記コントロール回路は、表示装置へ情報を出力する出力手段を備えてもよい。
このように構成することで、装置全体の残量容量をモジュールユニットから収集した情報に基づいて算出することができるとともに、コントロール回路が装置全体の残量容量に基づいて充放電に必要な二次電池の接続を適切に決定することが可能となる。また、装置の充電状態や異常をユーザに報知することができる。
本発明によれば、容量管理・容量調整を容易に行うことができるとともに、充電時間の短縮化及びセルの長寿命化を図りつつ、低コストでメンテナンス性に優れたエネルギー蓄積装置とすることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係るエネルギー蓄積装置は、たとえばHEV(Hybrid Electric Vehicle)やUPS(Uninterruptible Power Systems)の電源装置等に好適に採用されるものである。具体的には、多数セルの電圧監視回路、電流測定回路、温度監視回路、マイクロコンピューター、充電制御回路、双方向アイソレータなどで構成される回路を使った、モジュール、パック等に好適に採用されるものである。
最初に、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置の構成概要を説明する。図1は、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1のブロック図である。図1に示すように、エネルギー蓄積装置1は、エネルギーを蓄積する部分が、リチウムイオン等の充放電可能な2次電池であるセルCn(n:整数)、セルCnを複数有するモジュールBn(n:整数)、及びモジュールBnを複数有するモジュールユニットAn(n:整数)を複数備えて構成されている。すなわち、エネルギーを蓄積する部分が、上から順にモジュールユニットAn、モジュールBn及びセルCnの3層構造とされており、これらは電気的に接続されるとともに互いに情報を入出力可能に構成されている。また、上位層の複数のモジュールユニットAnは、コントロール回路10に接続されている。コントロール回路10は、モジュールユニットAnの状態を把握・管理して表示装置50へ出力する機能(出力手段)、モジュールユニットAnを制御する機能を有し、インターフェイス装置40が出力した情報に基づいて、モジュールユニットAn、モジュールBn及びセルCnの接続構成を変更可能に構成されている。なお、表示装置50としては、例えばディスプレイ装置が用いられる。
次に、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1の構成の詳細を説明する。図2は、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1の回路図である。なお、図2では、説明理解の容易性を考慮して、モジュールユニットAnが3つの場合を説明する。図2に示すように、モジュールユニットA1、モジュールユニットA2及びモジュールユニットA3がコントロール回路10に接続されている。
コントロール回路10は、電源回路(Regulator)11、マイクロプロセッサーであるCPU12(又はDSP)及び充電回路13を備えている。CPU12は、電源回路11及び充電回路13を駆動させるとともに、モジュールユニットA1〜A3に接続され、情報の入出力を行う機能を有している。電源回路11は、モジュールユニットA1〜A3に接続され、CPU12の信号に基づいてモジュールユニットA1〜A3に電圧を供給する。充電回路13は、モジュールユニットA1〜A3に接続され、CPU12の信号に基づいてモジュールユニットA1〜A3を充電する。
次に、本実施形態に係るモジュールBnの構成の詳細を説明する。図3は、本実施形態に係るモジュールBnの概要図である。なお、図3では、説明理解の容易性を考慮して、セルCnが3つ直列に接続されている場合を説明する。図3に示すように、モジュールBnは、例えば同性能の複数のセルCnを含んで構成されている。モジュールBnの並列接続数は、要求電流により決定される。例えばモジュールBnの最大出力が4Aであり、要求電流値が12Aである場合は3モジュールが並列接続される。これらモジュールBnは並列接続されるので電圧が一定であるが、容量はまったく同じではない。モジュールBnを並列接続した場合の合計容量は各モジュールBn容量を合計すればよい。これら計算はCPUを使うと計算が容易に実現できる。
ここで、セルCnをリチウムイオン電池とする場合には、各セル電圧もモニターして過充電・過放電を避ける必要がある。このためにBMS(監視手段)20がセルCnに接続される。BMS20は、各セルCnのセル電圧・充放電電流・セル温度などを測定し監視できる機能を有する。例えば、BMS20は、電流検出回路21及び電圧検出回路22を備えている。図3では、充放電電流をモニターするためにセンス抵抗27が接続されている。
また、BMS20は、データ処理残量計算回路(残存容量演算手段)24、スイッチ制御回路23及びスイッチ素子26を備えている。例えば、データ処理残量計算回路24は、電流検出回路21及び電圧検出回路22によって検出された値を用いてセルCnの残存容量を演算し、いずれかのセルCnが所定電圧を超えて充電された場合には、スイッチ素子26(図中FET記号)をオフにして充電経路をセルから遮断するように構成されている。セル電圧が所定電圧を超えて放電した場合にも、同様の処理が施される。これら回路は、例えばノートブックPCのバッテリーパックと同様の機能を有する。4セルの直列接続までであれば、BMS20として低耐圧(30V以下)の部品を採用することができるため、電子部品コストが安価となる。安全の為に、セルの接続を切断するヒューズなどを接続してもよい。また、BMS20は、データ処理残量計算回路24に接続される通信回路(出力手段)25を備えており、モジュールBnの情報を、モジュールユニットAnへ出力可能に構成されている。
次に、本実施形態に係るモジュールユニットAnの構成の詳細を説明する。図4は、本実施形態に係るモジュールユニットAnの概要図である。なお、図4では、説明理解の容易性を考慮して、モジュールBnが3つ並列に接続されている場合を説明するが、3つに限られるものではない。図4に示すように、モジュールユニットAnは、複数のモジュールBnを含んで構成され、電源回路30、CPU(容量演算手段、充放電制御手段)31及び双方アイソレータ32を備えている。各モジュールBnからのセル電圧・充放電電流・容量などのデータは、モジュールユニットAn内の通信回路(不図示:入力手段)を介してモジュールBnの通信回路25からモジュールユニットAn内のCPU31に送信される。CPU31からは充放電ON/OFFの信号が各モジュールBnに送信される。CPU31へ安定化された電圧を供給するために電源回路30がCPU31及びモジュールに接続される。CPU31のデータをモジュールユニットAn外部に送信するために、双方向アイソレータ(レベル変換回路)32が用意される。これは、モジュールユニットAnを直列接続した際には、各モジュールユニットのGND電位が異なるからである。各モジュールBnには充放電制御のスイッチが装備されており、CPU31からの指示により充放電を随時制御できる。このように、並列に接続されたモジュールユニットAnでは、任意のモジュールBnのみ充電あるいは放電するように制御することができる。例えば、図4では、モジュールB3を有効モジュールとし、モジュールB3のみ放電する例を示している。モジュールユニットAnからの充放電を停止する場合には、モジュールユニットAn内のすべてのモジュールBnのスイッチをオフとすれば良い。また、モジュールユニットAnは、CPU31により合算した各モジュールBnの容量をコントロール回路10へ出力する通信回路(不図示:出力手段)を備えている。
次に、本実施形態に係るモジュールユニットAnの接続の詳細を説明する。図5は、本実施形態に係るモジュールユニットAnの接続を説明する概要図である。なお、図5では、説明理解の容易性を考慮して、2つのモジュールユニットAnを用いて説明する。図5に示すように、モジュールユニットA1,A2が直列に接続されている。モジュールユニットA1のモジュールB1〜B3は、モジュールユニットA2のモジュールB1〜B3とそれぞれ直列かつ切り替え可能に接続される。このように接続された場合には、各モジュールユニットA1,A2の任意の一列からの充電あるいは放電が可能になる。例えば、図5では、モジュールB3の列のみ放電する例を示している。
本実施形態に係るモジュールユニットAnの接続を等価回路で説明する。図6は、モジュールユニットAnの接続を説明する等価回路である。図6では、3つのモジュールユニットA1〜A3が図5に示すように直列に接続される場合の等価回路を示している。破線枠で示したようにモジュールが3並列されていても任意の1列を直列接続とすることができる。すなわち、モジュールユニットAn内で容量の調整をすることが可能な構成とされている。また、エネルギー蓄積装置1のいずれかのモジュールBnが異常を示した場合には、当該モジュールBnからの放電・充電を回避することができる。すなわち、エネルギー蓄積装置1の一部が破損した場合でも、装置の稼働が継続可能な構成とされている。また故障部分はモジュール単位で判別できるので、交換などの保守作業が容易になる。
次に、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1の動作を説明する。最初に、監視動作を説明する。図7は、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1の監視動作を示すフローチャートである。図7に示す監視処理は、例えばエネルギー蓄積装置1の電源がONされたタイミングから所定の間隔で繰り返し実行される。なお、図7では、モジュールレベル、モジュールユニットレベル、エネルギー蓄積装置レベル(コントロール回路レベル)、それぞれのデータ処理フローを纏めて示している。
図7に示すように、最初に、モジュールBnが状態検知及び判定処理を実行する(S10)。モジュールBnそれぞれが、モジュールBnに含まれるセルCnの温度、電圧、電流を検出し、設定値内(所定の閾値内)であるか否かを判定する。S10の処理において、設定値内である場合には、モジュールBnの残量容量を計算する(S12)。例えば、モジュールBnのデータ処理残量計算回路24が残量容量を計算する。その後、モジュールBnの通信回路25が、S12で算出した残量容量を、当該モジュールBnを含むモジュールユニットAnへ送信する(S14)。
モジュールユニットAnは、モジュールBnそれぞれから残量容量を受信する(S24)。そして、モジュールユニットAnは、モジュールBnそれぞれから受信した残量容量に基づいて、モジュールユニットAnの残量容量を計算する(S26)。そして、モジュールユニットAnは、S26の処理で算出したモジュールユニットAnの残量容量をコントロール回路10へ送信する(S28)。
コントロール回路10は、モジュールユニットAnそれぞれから残量容量を受信する(S34)。そして、コントロール回路10は、モジュールユニットAnそれぞれから受信した残量容量に基づいて、パックの残量容量を計算する(S36)。そして、コントロール回路10は、S36の処理で算出したパックの残量容量を表示装置50へ送信する(S38)。これにより、表示装置50には、パックの残量容量が表示される。
一方、S10の処理において、モジュールBnに含まれるセルCnの温度、電圧、電流が設定値内でない場合には、スイッチ制御回路23により、充電又は放電を禁止する(S16)。そして、通信回路25が、異常を検出した旨を、当該モジュールBnを含むモジュールユニットAnへ送信する(S18)。
モジュールユニットAnは、モジュールBnから異常データを受信し、受信した異常データをコントロール回路10へ送信する(S20,S22)
コントロール回路10は、モジュールユニットAnから異常データを受信し、受信した異常データを表示装置50へ送信する(S30,S32)。これにより、表示装置50には、異常を検出した旨が表示される。
以上で図7に示す制御処理を終了する。図7に示す制御処理を実行することにより、モジュールBnレベルでは、セルCnの電圧・電流・温度がモニターされて、異常が発生した際にはモジュールユニットAnに異常情報が送信される。セルCnが正常な場合には電流・電圧・温度情報を参照してモジュールBnレベルの容量が随時計算される。モジュールユニットAnレベルでは、モジュールBnとコントロール回路10のデータ受け渡しをするとともに、モジュールBnレベルでの容量計算が随時行われている。モジュールBnレベルでの容量は、基本的に各モジュールBn容量の合計となる。コントロール回路10レベルでは、いずれかのモジュールBnが異常状態を報告した際に、表示装置50でユーザに異常を知らせることができる。
次に、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1の接続変更動作を説明する。図8は、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1の接続変更動作を示すフローチャートである。図8に示す処理は、例えばインターフェイス装置40から何らかの入力がされたタイミングで実行される。なお、図8では、モジュールレベル、モジュールユニットレベル、エネルギー蓄積装置レベル(コントロール回路レベル)、それぞれのデータ処理フローを纏めて示している。
図8に示すように、最初に、コントロール回路10が、容量調整方法計算処理を実行する(S40)。コントロール回路10は、図7の処理で得られたパックの残量容量と、インターフェイス装置40の要求等を考慮して、どのセルCnを利用するのが効率的であるかを計算する。そして、当該計算結果に基づいて、充電又は放電するセルCnを有するモジュールユニットAnへ充電又は放電の信号を送信する(S42)。モジュールユニットAnは、コントロール回路10から充電又は放電の信号を受信すると、充電又は放電するセルCnを有するモジュールBnへ送信する(S44,46)。モジュールBnは、モジュールユニットAnから残量容量を受信すると、スイッチ制御回路23が充電又は放電の信号指示に従って動作する(S48,S50)。
以上で図8に示す制御処理を終了する。図8に示す制御処理を実行することによって、全てのモジュールBn容量がコントロール回路10により管理されており、充電および放電時には最適なモジュールBn接続が決定される。コントロール回路で判断された接続を実施する為にデータはモジュールユニットAnを介してモジュールBnに送られる。指令に従い各モジュールBnは、スイッチ素子26をON/OFFする。
以上、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1では、数セル単位でモジュールBnを構成し、モジュールBnを複数個接続しモジュールユニットAnとし、モジュールユニットAnを複数個接続されたものをエネルギー蓄積装置1とする3層構造とされる。そして、モジュールBnを最小単位として管理が行われている。このように構成されたエネルギー蓄積装置1では、モジュールBnを変換することで各モジュールユニットAn間の容量を均一にすることができる。また、モジュールユニットAn単位で容量を均一化するようにモジュールBnを交換・選択することで、エネルギー蓄積装置1の長寿命化が可能となる。さらに、またモジュールBnで不具合が発生した場合には、即時に異常を検知でき、当該モジュールBnの交換が容易である。モジュールBn交換までは故障モジュールBnの充放電を停止することで装置の安全性を確保したままで稼働も可能である。さらに、負荷に応じて出力電流・容量の変更・調整が容易であるので、適正な時間で充電が行われるようになる。不要なモジュールBnは充放電を行わずに休止しており、モジュールBnを交互に使用することで使用装置全体のサイクル寿命を伸ばすことができる。このように、二次電池電圧の均等化が優れた安価なバッテリーマネージメント回路が提供することが可能になる。また、高耐圧電子部品を多数使用することなく、安価なセルCnを使ったエネルギー蓄積装置1の提供が可能である。またモジュールBn単位での管理を行うためにメンテナンス性に優れている。無効なエネルギー消費を少なくするともに、装置からの発熱を減らし、長時間の使用に耐えられるので、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1は極めて有効である。また、本実施形態に係るエネルギー蓄積装置1はHEV以外のエネルギー蓄積装置、たとえばUPS、無停電電源、太陽電池エネルギー蓄積装置などに応用しても同じような効果がもたらされる。
なお、上述した各実施形態は本発明に係るエネルギー蓄積装置の一例を示すものである。本発明に係るエネルギー蓄積装置は、各実施形態に係るエネルギー蓄積装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、各実施形態に係るエネルギー蓄積装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上述した実施形態では、セルCnが3つ直列に接続されてモジュールBnとされる例を説明したが、3セルに限られるものではなく、また、直列に限られるものではない。例えば、2〜4個のセルCnを直列に接続し、又は、2〜3個のセルCnを並列に接続してもよい。また、たとえば、3セル直列2セル並列ごとにモジュールBnとしてもよい。
また、上述した実施形態では、セルCnが同性能である場合を説明したが、異なる性能であってもよい。