JP2012040027A - ソフトキャンディ及びその製法 - Google Patents

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金澤  和孝
Tomonori Watanabe
渡邉  智典
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Abstract

【課題】乾燥果肉を含有し、該果肉の風味が生かされた、今までにない果肉本来の風味を楽しむことができ、特に果実由来の果肉を用いる場合には、果汁感がほとばしるようでいて、あたかも乾燥果実が丸ごとソフトキャンディになったような、今までにない濃厚感のある果実の風味・旨味を楽しむことができ、ソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感を付与すると共に、製造ラインへの付着が防止され、適度な保形性を有し、連続生産性良好な成形性(所謂、機械適性)を有するソフトキャンディ及びその製法を提供する。
【解決手段】乾燥果肉を主体とするソフトキャンディ生地中に、アルファ化澱粉が含有されてなることを特徴とするソフトキャンディにより達成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乾燥果肉を含有するソフトキャンディ及びその製法に関する。
一般に、ソフトキャンディには砂糖、水飴などの糖類の主原料と共に、油脂、増粘剤、起泡剤、乳化剤、香料等が副原料として使われる。例えば、起泡剤、糖類、油脂及び乳化性澱粉を含有する粘土状ソフトキャンディが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記ソフトキャンディは、油脂と共に乳化効果を有する澱粉を用いると共に、7〜30%という高水分値に設定されているため、配合原料を混合したのち成形する際に、該混合生地がべたつき、製造ラインへの付着が生じて、連続生産性が劣る等の製造適性の点で改良の余地があった。また、特許文献1のように、一般的に用いられている香料のみの風味付けでは、特徴的な風味を付与することは困難である。
そこで、ソフトキャンディの種類は多様化してきており、食感やさまざまな風味を楽しむために、クッキー類、ナッツ類、ドライフルーツ類、穀類、豆類、果汁等を副原料として加えたものもある。例えば、ドライフルーツ類を識別できる形状に含有させてなるソフトキャンディが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記ソフトキャンディは、ゼリー細片入りキャンディ用ソフト生地に、干しブドウ等のドライフルーツをセンター材として、或いは分散して含有させるもので、該ソフトキャンディには、ドライフルーツ類の混合投入時の形状がそのまま残り、ソフト生地とは独立したドライフルーツ類自体の特有の歯ごたえや食感を楽しむ或いは見た目の訴求感を打ち出したものなので、ソフトキャンディ自体のフルーツ感には乏しかった。また、上記ソフトキャンディは、製造ラインへの付着が生じて連続生産性に劣ると共に、製法が煩雑で、時間がかかるという問題点を有し、更には、粘弾性に欠け、ソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感に乏しかった。
また、果実感を出すために、濃縮果汁等を添加することが考えられるが、その場合、濃縮果汁は40〜90%もの高水分含有原料であるため、十分な果実風味を出し、かつソフトキャンディ生地とするためには、原料混練時の煮詰め等の加熱処理による水分調整に時間を要し、更には加熱時間が長引くと果実風味劣化の原因となり、製造面、風味調整の点で問題がある。
その他には、果実等由来の食物繊維を含有するキャンディとして、例えば、糖質と油脂と果実等由来の水不溶性食物繊維とを含有するチューイングキャンディが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記チューイングキャンディは、果実由来の水不溶性食物繊維のみを植物組織から直接分離したものや、結晶セルロース等の水不溶性食物繊維の精製物をチューイング性を実現するために使用しており、果汁や香料、酸味料、着色料等の副原料による風味付けでは、果実本来の風味や香りを得られず、改良の余地があった。
従来の植物性ソフトキャンディとしては、例えば、糖類として砂糖、水飴の他に少量のキシロースと、蛋白源として豆乳および/または大豆加工品と、油脂類として植物性油脂とを主要原料とする、主として植物性原料からなるソフトキャンディが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記ソフトキャンディでは、キャラメルにおける乳製品(たとえば練乳)の代替原料として、豆乳や大豆加工品を利用したもので、大豆蛋白中のアミノ基とキシ
ロースのアミノカルボニル反応を生起すると共にキシロースのカラメル化による良好なキャラメルを提供しているため、植物性キャンディといっても製品そのものから、大豆由来の植物感を得られるものではなかった。また、豆乳のような高水分の原料を使用する場合、圧縮、圧延、延伸等の連続生産可能な成形性、特に保形性の点で問題があった。
特開平6−98683号公報 特開平10−56号公報 特開平6−276946号公報 特公昭59−7411号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、乾燥果肉を含有し、該果肉の風味が生かされた、今までにない果肉本来の風味を楽しむことができ、特に果実由来の果肉を用いる場合には、果汁感がほとばしるようでいて、あたかも乾燥果実が丸ごとソフトキャンディになったような、今までにない濃厚感のある果実の風味・旨味を楽しむことができ、ソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感を付与すると共に、製造ラインへの付着が防止され、適度な保形性を有し、連続生産性良好な成形性(所謂、機械適性)を有するソフトキャンディ及びその製法を提供するにある。
本発明は、乾燥果肉を主体とするソフトキャンディ生地中に、アルファ化澱粉が含有されてなることを特徴とするソフトキャンディにより上記目的を達成する。
好ましくは、更に、還元粉末水飴及びデキストリンのうち少なくとも一つが含有されてなる。
更に好ましくは、乾燥果肉が、乾燥果実である。
また、ソフトキャンディの水分が、乾燥果肉由来の水分を主体とすることが好ましい。
また、ソフトキャンディを植物性とすることができる。
また、本発明のソフトキャンディは、下記工程を順次備えてなる製法により製造されることが好適である。
(1)乾燥果肉を準備する工程
(2)上記乾燥果肉とアルファ化澱粉とを攪拌混合して混合連続相としたソフトキャンディ生地を調製する工程
(3)上記ソフトキャンディ生地を成形してソフトキャンディとする工程
すなわち、本発明者らは、ソフトキャンディの食べ応えのある食感を付与しつつ、果肉本来の風味を感じることのできるソフトキャンディについて、鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、果肉の中でも果肉成分が濃縮された乾燥果肉を主体としたソフトキャンディ生地を、他の原料と共に混練して使用すると、果肉本来の風味が生かされ、特に果実由来の乾燥果肉を用いることにより、果汁感がほとばしるようなフルーツ感を得ることができると共に、ソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感となることを見出した。
また、アルファ化澱粉、更に好ましくは、デキストリン及び還元粉末水飴のうち少なくとも一つを、上記ソフトキャンディ原料に含有すると、乾燥果肉含有水分によるソフトキャンディ生地のべたつきや保形性不良を解消し、連続生産性が良好となることを見出し、本発明に到達した。
本発明のソフトキャンディによれば、ソフトキャンディ全体が原料である乾燥果肉の風
味がそのまま生かされ、従来のソフトキャンディにない風味と食べ応えのある食感を付与することができる。特に、果実由来の果肉を用いる場合には、果汁感がほとばしるようでいて、あたかも乾燥果実が丸ごとソフトキャンディになったような、濃厚感のある果実の風味、旨味を楽しむことができる。
また、果肉成分が濃縮された乾燥果肉を使用するので、原料由来果肉の生果肉換算で100%以上のソフトキャンディに設定することができる。
更には、本発明のソフトキャンディでは、従来のソフトキャンディで一般的に用いられてきた増粘剤等を含まない設計や、植物性油脂、植物性増粘剤と併用とすることで、動物性原料未使用による植物性ソフトキャンディを設計することができる。
また、本発明のソフトキャンディは、アルファ化澱粉を含有するので、ソフトキャンディ生地中の水分含量に拘わらず、該生地のべたつきを抑制し、製造工程中の製造ラインへの付着を防止すると共に、好ましくは還元粉末水飴及びデキストリンのうち少なくとも一つを含有するので、製造工程中の保形性が良好で、連続生産性のある成形性を有する。なお、本発明でいう連続生産性とは、原料を混練して得たソフトキャンディ生地を成形(球断成形、シート成形、押出し成形、ロープ成形等)した後に、切断し、包装するまでの一連のライン操業において、コンベア、ノズル、カッター、包装機等への生地の付着が起こらず、途中で途切れることなく次のラインへの受け渡しができ、連続的に各工程が進むことを指す。
また、本発明のソフトキャンディは、アルファ化澱粉を必須とし、好ましくは還元粉末水飴及びデキストリンのうち少なくとも一つを含有するので、噛み口及び口当たりが共に更に良好な食感を付与することができる。
次に、本発明を詳しく説明する。
本発明のソフトキャンディは、乾燥果肉を主体とするソフトキャンディ生地中に、アルファ化澱粉が含有されている。
本発明のソフトキャンディとは、水分含量が、好ましくはソフトキャンディ全体重量中5〜20重量%、製造時のソフトキャンディ生地の成形性を効果的に得るための更に好ましい範囲として7〜15重量%に設定され、糖質甘味料が、結晶状態であるものを主に(糖質甘味料全体重量中45重量%以上)含む非ガラス質であり、粘性、弾性、展延性の少なくとも一つの物性を有するものである。例えば、チューイングキャンディ、キャラメル、グミゼリー等が挙げられる。
なお、上記水分含量中、好ましくは乾燥果肉由来の水分を主体とすることが果肉本来の風味を得る点で好適である。ここでいう主体とは、ソフトキャンディの水分全体重量中65重量%以上が乾燥果肉由来の水分量であることを意味する。
本発明における水分は、真空減圧乾燥機等で測定すればよい。
本発明に係る乾燥果肉とは、果実、種実類や野菜等を乾燥させたもので、砂糖等の糖液に浸漬する等の加糖処理後、或いは未処理のまま、適宜の方法で乾燥させたものである。また、果汁浸漬処理や、褐変防止のための亜硝酸塩等による処理等を、適宜乾燥工程前後に施してもよい。
乾燥果肉の原料としては、例えば、マンゴー、いちご、パイナップル、りんご、キウイ、みかん、柑橘類、メロン、洋ナシ、モモ、チェリー、パパイヤ、サンザシ、ビワ、トマト、クランベリー、レーズン、ラズベリー、ブルーベリー、いちじく、アプリコット、プルーン、バナナ等の果実類や、栗、栃の実、クルミ、蓮の実等の種実類、サツマイモ、かぼちゃ、サトイモ、じゃがいも、アロエ等の野菜類等が挙げられる。特に、上記種実類、野菜類の中でも、食物繊維を含有する種実類及び野菜類が食感の点で望ましい。また、ペクチン等の水溶性食物繊維を比較的多く含有し、増粘剤を配合しなくても製造中の成形性が良好となる点で果実類が好適である。
なお、上記乾燥果肉は、皮付きであっても、剥皮したものであってもよく、特に限定するものではない。
上記乾燥果肉の水分含有量は、好ましくは、乾燥果肉全体重量中5〜30重量%に設定されていることが、ソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感を有し、製造工程中の製造ラインへの付着を防止し、成形性が良好であり、従来の製造方法、製造時間及び製造コストで製造できる点で好ましい。更に好ましくは、乾燥果肉全体重量中10〜25重量%であることが、原料由来の果肉風味を損なわず、成形性の点で望ましい。
本発明に係るソフトキャンディ生地は上記乾燥果肉を主体とするものであり、上記乾燥果肉の具体的な含有量は、好ましくは、ソフトキャンディ全体重量中30〜60重量%、更に好ましくは40〜60重量%であることが、原料由来の果肉風味やソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感が得られ、製造ラインへの付着防止性及び成形性の点で好ましい。
本発明に係るアルファ化澱粉とは、加熱糊化した澱粉を、高温のまま急速に乾燥させたものである。アルファ化処理された澱粉であれば、由来原料、アルファ化処理方法等は限定しない。例えば、松谷化学工業(株)製「マツノリンXA」、「パインソフトS」、「パインコード」、「パインソフトB」等が挙げられる。
上記アルファ化澱粉は、乾燥果肉主体のソフトキャンディ生地とすることにより高まったソフトキャンディ生地中の水分を保持するものであり、ソフトキャンディ生地のべたつきを抑制し、製造ラインへの付着を防止する点で重要である。
上記アルファ化澱粉の含有量は、ソフトキャンディ全体重量中1〜10重量%に設定することが、製造時のソフトキャンディ生地のべたつき及び製造ラインへの付着を防止し、かつ、成形性が良好で連続生産性を有し、食べ応えのある良好な食感を付与する点で好適である。更に好ましくは、ソフトキャンディ全体重量中2〜7重量%であることが、より果肉本来の風味を生かし、噛み口及び口当たりの良好な食感の点で望ましい。
また、本発明のソフトキャンディは、還元粉末水飴及びデキストリンのうち少なくとも一つを含有することが、ソフトキャンディ生地の保形性の点で好適である。
上記還元粉末水飴は、水飴に水素添加して得られる糖アルコールを脱水乾燥したものである。例えば、松谷化学工業(株)製「H−PDX」等が挙げられる。
上記デキストリンとは、澱粉を酸、酵素、熱等による加水分解する際に生じる種々の分解生成物の総称である。特に、好ましくはDE8〜25、更に好ましくはDE15〜25のデキストリンを用いることが、成形性の点で好ましい。なお、DEとは、dextrose equivalentの略称で、澱粉の加水分解の度合いを示すものである。例えば、松谷化学工業(
株)製の「パインデックス#1」、「パインデックス#2」、「パインデックス#3」、「パインデックス#4」等が挙げられる。
還元粉末水飴又はデキストリンが単独で用いられている場合には、その含有量が、また、還元粉末水飴とデキストリンが併用されている場合には、その合計含有量が、好ましくは、ソフトキャンディ全体重量中5〜40重量%であることが、ソフトキャンディ生地の保形性及び粘弾性や伸張性が得られ、連続生産性の点で好ましい。更に好ましくは、10〜20重量%であることが、原料由来の果肉風味を生かし、噛み口及び口当たりの良好な食感及び連続生産性の点で望ましい。
上記のアルファ化澱粉、還元粉末水飴及びデキストリンの形態は、特に限定するもので
はないが、粉末状又は顆粒状であることが連続生産性の点で好ましい。
また、本発明のソフトキャンディには、上記成分以外に、本願の目的を損なわない範囲で、適宜選択した副原料を用いてもよい。例えば、糖質甘味料(果糖,ブドウ糖,タガトース,アラビノース等の単糖類や、乳糖,トレハロース,麦芽糖,ショ糖等の二糖類や、マルトオリゴ糖,ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖や、糖アルコール等の結晶性糖類や、水飴,還元水飴,カップリングシュガー等の非結晶性糖類等)、非糖質甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース等)、増粘剤(アラビアガム、アルギン酸ナトリウムまたはその塩、カラギナン、寒天、キサンタンガム、グアーガム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、タラガム、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガム等)、油脂類(植物性油脂,動物性油脂等)、酸味料、安定剤、乳化剤、香料、着色料、種実類、豆乳原料、各種風味原料(コーヒー、茶類、ココア、酒類、ハーブ類等)、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維、美肌成分(コラーゲン、ヒアルロン酸等)等が挙げられ、適宜単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。この中でも、植物由来の副原料を用いると、動物性原料未使用の植物性ソフトキャンディと設定することができる点で好適である。
なお、ソフトキャンディ生地の主成分であって、アルファ化澱粉と混合連続相を形成する乾燥果肉とは別に、チップ状の乾燥果肉等を、乾燥果肉自体の歯ごたえや食感を楽しむために、また、視覚的訴求性のために含有させてもよい。
本発明のソフトキャンディは、上述の通り、植物性ソフトキャンディに設定することが可能である。植物性とは、動物性原料が固形分換算で植物性ソフトキャンディ全体重量中1.5重量%未満であるという主旨であるが、好ましくは動物性原料を全く用いないことが望ましい。なお、塩等の鉱物等が含有されていてもよい。
本発明のソフトキャンディは、例えば、下記のようにして調製することができる。
すなわち、まず、乾燥果肉を準備する。乾燥果肉は、生果肉を適宜の方法で所定の水分値まで乾燥させればよい。乾燥方法は、特に限定するものではなく、例えば、天日乾燥、自然換気及び人工通風による加熱乾燥、真空乾燥、乾燥剤による乾燥等が挙げられる。なお、この乾燥前後に、適宜果汁浸漬や、褐変防止等の処理を行ってもよい。
次に、ソフトキャンディ生地を調製する。まず、攪拌時に加熱工程を設けない場合について説明する。
最初に、菓子製造用ニーダー等の一般的なソフトキャンディ用攪拌煮詰め装置に、上記乾燥果肉、アルファ化澱粉、必要に応じてデキストリン及び還元粉末水飴の少なくとも一つ以上、糖質甘味料等の副原料の全ての配合原料を投入し、非加熱状態で攪拌混合することにより、上記配合成分が混合連続相となったソフトキャンディ生地を得る。なお、混合連続相とは、乾燥果肉が完全に粉砕されて粉砕片の形状も残っていない連続相状態に他の成分が分散混合されているという意味であるが、本発明においては、乾燥果肉の連続相状態に少なくともアルファ化澱粉が分散混合されていることが、生地のべたつきを抑制し、製造工程中に製造ラインへの付着を防止する点で好適である。
この方法では、攪拌混合時に摩擦熱が生じるが、加熱工程を設けていないため、品温は30〜60℃程度に抑えられ、果肉風味の劣化が最小限に抑制でき、褐変抑制、糖質のガラス化抑制による果肉感の好食感維持の点で好ましい。
なお、上記乾燥果肉は、予め菓子製造用ニーダー等で攪拌することにより粉砕してもよい。この場合、乾燥果肉を粉砕した後、アルファ化澱粉、必要に応じてデキストリン及び還元粉末水飴の少なくとも一つ以上、糖質甘味料等の副原料の全ての配合原料を投入して、更に攪拌混合すればよい。
次に、攪拌加熱によるソフトキャンディ生地の調製方法について説明する。
最初に、菓子製造用ニーダー等に、上記乾燥果肉、必要に応じてデキストリン及び還元
粉末水飴の少なくとも一つ以上、糖質甘味料を投入し、攪拌加熱混合する。なお、この段階の水分量は、最終製品の規格にあわせて、後工程で添加する原料に含まれる水分量を考慮して設定すればよい。攪拌温度は、特に限定するものではないが、品温100℃程度で煮詰めればよい。
本調製方法においても、攪拌時に加熱工程を設けない場合と同様に、乾燥果実を予め菓子製造用ニーダー等で攪拌して粉砕してもよい。
その後、必要に応じて、上記混合物を一晩程度エージングする。エージングすることにより、生地内の糖結晶が安定化するため、噛み始めの歯付き防止の点で好適である。エージング条件は、混合物品温が30〜40℃になるような環境条件で12時間以上に設定することが、結晶化の促進及び噛み始めの歯付き防止の点で好適である。
次いで、上記混合物に、アルファ化澱粉と、必要に応じてその他副原料を添加し、混合することにより、配合成分が混合連続相となったソフトキャンディ生地を調製する。なお、副原料として増粘剤を用いる場合は、剤型がゲル状態であれば、上記副原料と共に添加すればよいが、その剤型が粉体であれば乾燥果肉投入時に添加することが、増粘剤が乾燥果肉の水分を効率的に吸収膨潤し、増粘効果を奏する点で好適である。
次いで、上記ソフトキャンディ生地を成形する。
成形方法は、特に限定するものではないが、例えば、球断機による成形の場合、ソフトキャンディ生地をそのまま球断成形する。シート成形の場合、エクストルーダーを用いてソフトキャンディ生地を押出した後、圧延し、カット成形する。球断成形やシート成形以外には、エクストルーダーまたはバッチフォーマー等によって押出した生地をサイジング等によってロープ成形等し、次にスタンピング成形、ブロック成形する等が挙げられる。これらの方法は、必要に応じて適宜選択すればよい。
このようにすることで、乾燥果肉を主体とするソフトキャンディ生地中に、アルファ化澱粉が含有されてなるソフトキャンディ生地が成形された本発明のソフトキャンディが得られる。
このソフトキャンディを製品化する際には、適宜包装体で包装すればよい。好ましくは、包装体の材質がアルミ、アルミ蒸着、ガラス蒸着等の防湿性で密封可能な材質であることが、包装後ソフトキャンディの水分値が変化せず、風味及び食感を維持できる点で好適である。
以下、実施例を用いて説明する。
<実施例1〜9、比較例1〜3>
表1に示す組成にて、ソフトキャンディ生地を調製した。なお、乾燥果肉中マンゴー、いちご、栗は、最終乾燥前に糖浸漬処理を施した。乾燥方法は、マンゴー、いちご、クランベリー、レーズン、栗は、人工通風による加熱乾燥で、また、サツマイモは天日乾燥でそれぞれ所定の水分値に調整した。上記栗は所謂マロングラッセであり、サツマイモは干いもである。
まず、菓子製造用ニーダー(佐竹化学機械工業(株)製「KC−3FT」)に、各種乾燥果肉を投入し、非加熱のまま25rpmの条件で約3分間攪拌した。次いで、アルファ化澱粉、ベータ澱粉、還元粉末水飴、ショ糖、クエン酸、香料、パーム油、乳化剤を添加すると共に、加水してゲル状態とした増粘剤を添加し、更に攪拌混合して混合連続相となったソフトキャンディ生地を得た。攪拌混合時の品温は45℃であった。香料は、各乾燥果肉と同じ種類の果肉の香料を用い、比較例1はマンゴー香料を使用した。
次いで、この生地をエクストルーダーにより押出し、サイジングによってロープ成形後、カッターで切断しソフトキャンディ(チューイングキャンディ)とした。
Figure 2012040027
<実施例10〜17>
表2に示す組成にて、実施例1〜9、比較例1〜3と同様にソフトキャンディを調製した。なお、香料は、すべてマンゴー香料を用いた。
Figure 2012040027
上記のようにして得られた実施例及び比較例の各ソフトキャンディは、乾燥果肉の粉砕片が残らず、他の成分と混合連続相のソフトキャンディ生地が成形されたソフトキャンディであった。
上記各ソフトキャンディについて、製造工程時のソフトキャンディ生地のライン付着性、成形性及び保形性、更に、得られたソフトキャンディの風味、食感について評価を行った。
ライン付着性は、原料を攪拌混合して得られたソフトキャンディ生地成形時に、該生地がベルトコンベア等に付着するか否かの確認をした。
また、成形性及び保形性は、生地の伸展性や弾力性が良好で、該生地が滞ることなく成形機を通過するか否かについて確認した。
また、得られたソフトキャンディを、専門パネラー20名で喫食し、果肉感及びその濃
厚感を風味として、また、実施例1〜9及び比較例1〜3では弾力性及び粘りを、実施例10〜17では噛み口や口当たりについての食感を評価した。
以上の結果を、表1及び2に合わせて示す。
評価の結果、実施例のソフトキャンディは、製造時にライン付着が防止されて連続生産性があり、成形性及び保形性についても良好な結果が得られた。更に、喫食すると、乾燥果肉本来の風味が十分に感じられ、良好な噛み口や口当たり、弾力性を有するソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感を有していた。
特に、実施例1、4、7及び17は、ラインに付着せず、成形性及び保形性が良好で、乾燥果肉由来の果肉感を有し、更には実施例1、4及び7は弾力性があり食べ応えのある食感を有し、実施例17は噛み口や口当たりが良好であるという、全ての評価において良好な結果であった。
また、実施例3は、果汁感がほとばしるような今までにない果肉由来の果肉感が顕著に得られ、弾力性と粘りがあり従来にない食べ応えのある、特に風味及び食感に優れたソフトキャンディであった。
これに対し、比較例1のソフトキャンディは、ラインへの付着が防止され、成形性及び保形性が良好であったが、風味の点で、マンゴーの風味を感じるものの果汁感のない物足りず、ソフトキャンディ特有の食べ応えに乏しかった。
また、比較例2は、ライン付着が激しく、ロープ生地が軟らかすぎて連続生産には適さなかった。比較例3は、ライン付着が激しく、ロープ生地表面が粗い表面となり、やはり連続生産には適さなかった。また、食感もざらつきが感じられた。

Claims (6)

  1. 下記工程を経て得られるソフトキャンディ。
    (1)乾燥果肉を準備する工程
    (2)上記乾燥果肉とアルファ化澱粉を攪拌混合して、乾燥果肉の連続相状態にアルファ化澱粉が分散混合された混合連続相としたソフトキャンディ生地を調製する工程
    (3)上記ソフトキャンディ生地をそのまま用いて成形してソフトキャンディとする工程
  2. 更に、還元粉末水飴及びデキストリンのうち少なくとも一つが含有されてなる請求項1記載のソフトキャンディ。
  3. 乾燥果肉が、乾燥果実である請求項1又は2記載のソフトキャンディ。
  4. ソフトキャンディの水分が、乾燥果肉由来の水分を主体とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のソフトキャンディ。
  5. ソフトキャンディが植物性である請求項1乃至4の何れか1項に記載のソフトキャンディ。
  6. 下記工程を順次備えてなることを特徴とするソフトキャンディの製法。
    (1)乾燥果肉を準備する工程
    (2)上記乾燥果肉とアルファ化澱粉を攪拌混合して、乾燥果肉の連続相状態に粉末または顆粒状のアルファ化澱粉が分散混合された混合連続相としたソフトキャンディ生地を調製する工程
    (3)上記ソフトキャンディ生地をそのまま用いて成形してソフトキャンディとする工程
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