JP2012036283A - セラミックシール材料、及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い機械的強度を有し、長期に亘って高い信頼性の下に高い気密性を有するシール材を提供する。
【解決手段】セラミック繊維と、前記セラミック繊維の空隙に配置された発泡ガラス及びセラミック粒子と、を具えるようにして、セラミックシール材料を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】セラミック繊維と、前記セラミック繊維の空隙に配置された発泡ガラス及びセラミック粒子と、を具えるようにして、セラミックシール材料を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、セラミックシール材料、及びその使用方法に関する。
セラミックスは、高温における強度、耐食性、耐摩耗性等の機械的性質に優れ、また、熱伝導、遮熱等の熱的特性にも優れている。さらに、各種の電気・電子的、光学的特性にも優れている。セラミックスのこれらの特性に基づき、セラミックスは非常に多くの分野で用いられている。一方で、セラミックスは一般に脆性で難加工性の材料であるため、特定の分野では、セラミックスと金属とを組み合わせて利用することが行われており、古くから精力的に研究開発が行われている。
セラミックスと金属とを組み合わせて利用するには、これらを接合する必要があるが、これらの接合は、ろう付け法、固相接合法、溶接法、溶湯接合法などの他、ボルト締めや冷やしばめ、鋳ぐるみなどの機械的接合法などが用いられている。また、セラミックスと金属との間にガラスを充填して両者を接合する技術なども開示されている。
一方、近年においては、上述した接合技術をシール法として適用する試みがなされている。特に、セラミックスと金属との間にガラスを充填し、このガラスで接合するような技術は、当該ガラスをシール材として利用することにより、セラミックスと金属とで形成された空間をシールする機能を果たす。いわゆるハーメチックシールと呼ばれるものの一形態で、電子部品端子などで必要不可欠な技術となっている(非特許文献1)。
また、加圧圧縮性を利用した固定用シールの代表として、ガスケットがある。特に高温用途では、マイカやバーミキュライトなどの層状あるいは高温膨張性のある鉱物を含有したものが、自動車排気マニホールド、ガスタービンなどの固定シールとして使用されている。このようなシール材を用いたシール方法は、一般にコンプレッシブシールと呼ぶこともある(非特許文献2)。
近年においては、固体酸化物型燃料電池(SOFC)や高温水蒸気電解(HTE)セル・スタックにおける封止においても、上述したハーメチックシールやコンプレッシブシールが用いられている。しかしながら、前者では比較的高い気密性が得られるものの、接着層が低強度・脆性であることに起因した衝撃的な応力負荷への耐性、信頼性等について課題があり、後者は、繰返し運転時を含めた気密性等に課題を残している。
財団法人電力中央研究所 平成19年8月 06−023
ニチアス技術時報、2005年シール材特集号 No.346
本発明が解決しようとする課題は、高い機械的強度を有し、長期に亘って高い信頼性の下に高い気密性を有する新規なシール材を提供することである。
上記課題を解決すべく、本発明の一態様は、セラミック繊維と、前記セラミック繊維の空隙に配置された発泡ガラス及びセラミック粒子と、を具えることを特徴とする、セラミックシール材料に関する。
本発明によれば、高い機械強度を有し、長期に亘って高い信頼性の下に高い気密性を有する。
以下、本発明のセラミックシール材料の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態におけるセラミックシール材料の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態のセラミックシール材料10は、セラミック繊維11と、発泡ガラス12と、セラミック粒子13とを有している。発泡ガラス12及びセラミック粒子13は、セラミック繊維11に形成された空隙中に配置されるように構成されている。
セラミック繊維11は、シート状(2次元面状)に配向しており(面内ではランダム)、汎用のアルミナ繊維、ジルコニア繊維などから構成することができる。また、必要に応じてシリカなどを含むことができる。このシリカは、不純物として不可避的に含有される場合と、例えば工業的に製造されるアルミナ繊維のように第2成分として含有される場合とがある。
また、セラミック繊維11は、その径が0.5μm〜50μmであることが好ましく、その長さが10μm〜1000μmであることが好ましい。セラミックス繊維11の径が50μm以上になると湾曲しにくいため、圧縮変形能の発現が限定され、シール特性が低下する。一方、セラミック繊維11の径が0.5μmよりも小さいと分散が困難になり、セラミック繊維11による空隙の形成が困難になる。結果として、空隙中に発泡ガラスやセラミック粒子を充填するのが困難になる。また、このような細径のセラミック繊維の製造は困難であり、コスト増の原因となるとともに、入手自体も困難になる。
さらに、セラミック繊維11の長さが10μmよりも短くなると、繊維同士の交差部での湾曲が生じ難く、圧縮変形能の発現が極めて限定され、シール特性が低下する。一方、繊維が長くなると均一分散が難しくなり、1000μm以上では均一な分散による骨格構造を形成するのが困難となる。この結果、セラミック繊維11による空隙の形成が困難となり、空隙中に発泡ガラスやセラミック粒子を充填するのが困難となる。結果として、図1に示すような本実施形態のセラミックシール材10を得るのが困難になる。
発泡ガラス12は、汎用のガラス中に発泡剤が含まれてなるものであって、所定の温度において、発泡剤が溶融及び発泡して膨張するものである。このような発泡ガラス12は、例えば汎用の硼珪酸ガラスに対して、アルミニウム粉末、カーボン、Si−Al−Ca系ガラス前駆体、Si−Al−Mg系ガラス前駆体を発泡剤として含有させることで得ることができる。これらの発泡剤は、特に本実施形態のセラミックシール材料10をシールする際の使用温度である700℃〜1100℃の温度で発泡し、比較的低温度では発泡することがないので、昇温過程において余分なガスが発生するのを防止することができる。
また、昇温過程において発泡することがないので、過度の発泡によってガラス内に形成された気泡が連結してしまい、開気孔が形成されてしまうようなことがない。したがって、セラミックシール材料10を用いてシールを行う際のシール性が向上する。
さらに、上記発泡剤は、シール温度において溶融し、発泡するようになるので、当該シール温度においてシールすべき部材への融着性が増し、セラミックシール材料10のシール特性がより向上するようになる。
上記発泡剤の大きさ、すなわち平均粒径は、例えば1μm〜20μmとする。これによって、発泡剤が上記シール温度において発泡した際に、閉気孔を含むようになり、開気孔がほとんど形成されなくなるので、発泡ガラス、すなわちセラミックシール材料10によるシール特性が向上する。
また、セラミック繊維11の空隙に占める発泡ガラス12の割合は、15体積%〜50体積%であることが好ましい。発泡ガラス12の空隙に占める割合が15体積%未満であると、セラミック繊維11の空隙を十分に埋設することができず、セラミックシール材10のシール特性が低下してしまう場合がある。一方、発泡ガラス12の空隙に占める割合が50体積%を超えると、シール時においてセラミックシール材料10が十分な圧縮変形能を奏することができず、同様にセラミックシール材料10のシール特性が低下してしまう場合がある。
なお、従来、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどが発泡剤として用いられてきたが、これらの発泡剤は、上述のように比較的低温から発泡するので、昇温過程で余分なガスを発生していまい、シールの際に開気孔が生じたり、融着が不十分であったりするため、得られたシール材料のシール特性は劣化するようになる。
Si−Al−Ca系ガラス前駆体は、例えばエチルシリケート、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウムをエタノール中で混合させた後、エタノール成分を気化させて蒸発させ、得られた固体を大気中、800℃〜900℃で加熱することにより得ることができる。Si−Al−Mg系ガラス前駆体は、上記硝酸カルシウムの代わりに硝酸マグネシウムを用い、上記同様の処理を行うことによって得ることができる。
なお、加熱後のガラス前駆体は塊状であるので、所定のガラス中に含有させた際に発泡剤として良好に機能させるべく、粉砕して粉状にし、上述のような大きさとする。
セラミック粒子13は、セラミックシール材料10の骨格を構成するセラミック繊維11の強度を補完する作用効果を有するものであって、セラミック繊維11の空隙を適当な割合で充填することができれば、その種類は特に限定されるものではない。例えば、セラミック繊維11を構成するセラミックスと同じものから構成することもできるし、異なるものから構成することもできる。
セラミック粒子13の大きさは、数μmのオーダーから数百μmのオーダーとすることができる。但し、好ましくは、平均粒径5μm〜100μmの粗粒と平均粒径0.5μm〜10μmの微粒とを含み、バイモーダルな粒径分布を有するように構成することが好ましい。この場合、粗粒のセラミック粒子の間隙中に微粒のセラミック粒子が入り込むようになるので、セラミック粒子13の充填効率が増大し、セラミック繊維11の強度補完を十分に行うことができる。
なお、上述した平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定したものである。
本実施形態のセラミックシール材料10は、上述した構成を有することによって、シール材料10の厚さ方向に約10%程度の圧縮変形能を有する。したがって、本実施形態のセラミックシール材料10は、押圧による圧縮変形に起因したコンプレッシブシールとしての機能と、発泡ガラス12の膨張による気密性に起因したハーメチックシールとしての機能を併せ持つ。さらに、セラミックシール材料10は、セラミック繊維11を骨格として有するとともに、その間隙中にセラミック粒子13を充填するようにしているので、強度的にも十分に高くなる。結果として、高い機械的強度を有し、長期に亘って高い信頼性の下に高い気密性を有する。
したがって、本実施形態のセラミックシール材料10は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)や高温水蒸気電解(HTE)セル・スタックにおける封止材料としても好適に用いることができる。
次に、本実施形態のセラミックシール材料10の製造方法について説明する。なお、以下に示す製造方法はあくまで一例であるので、本発明のセラミックシール部材10の製造方法は以下の内容に限定されるものではない。
最初に、セラミック繊維11、粉末状の発泡ガラス12及びセラミック粒子13を所定の割合で調合し、エタノールなどの溶媒中に分散させて湿式で混合した後、平板枠内に流し込んでシート状に成形した後、80℃で乾燥固化する。その後、平板枠をはずし、大気中、500℃以下の温度で仮焼成することによって製造することができる。このような仮焼成を行うことによって、図1に示すようなセラミックシール材料10としての形状保持が容易となり、取り扱いが容易となる。なお、仮焼成は実施しなくともよい。
または、上述のようにして仮焼結した仮焼結体を粉末状に粉砕し、再度溶媒あるいは有機バインダーなどと混合してペースト状にしておくこともできる。この場合は、このようなペーストをシール面に塗布し、所定のシール温度にまで加熱する段階で、ペースト内に含まれる溶媒あるいは有機バインダーが蒸発あるいは焼却除去されることによって、図1に示すようなセラミックシール材料10となる。
(実施例1)
(株)ニチビ製のアルミナ系繊維(商品名:ニチビアルフ、組成:Al2O3 72%、SiO2 28%、繊維径:7μm)を500μmの長さに切断加工した。次いで、切断加工したアルミナ系繊維をエタノール中に攪拌分散させ、濾布上で溶媒を吸引及び蒸発乾燥させることにより、厚さ約500μmのシート状に成形した。シートの重量を測定したところ、繊維含有率は約23体積%であった。
(株)ニチビ製のアルミナ系繊維(商品名:ニチビアルフ、組成:Al2O3 72%、SiO2 28%、繊維径:7μm)を500μmの長さに切断加工した。次いで、切断加工したアルミナ系繊維をエタノール中に攪拌分散させ、濾布上で溶媒を吸引及び蒸発乾燥させることにより、厚さ約500μmのシート状に成形した。シートの重量を測定したところ、繊維含有率は約23体積%であった。
次いで、エチルシリケート、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、エタノールを、33:17:17:33質量%の割合で混合し、エタノールを蒸発除去した後、さらに900℃まで大気中で加熱して、Si−Al−Ca系ガラス前駆体を得、発泡剤とした。次いで、無アルカリ・無硼素ガラス、及び硼珪酸ガラスを混合し、溶け落ち温度を約950℃に調整した粉末ガラスを準備した。この粉末ガラスに発泡剤を10質量%添加した。
次いで、得られた発泡ガラスを、接合条件と同じ大気中950℃で30分間保持した時の外観とガラス内部の発泡状態を確認した。結果をそれぞれ図2及び図3に示す。
図2及び図3から明らかなように、発泡ガラスは均質な溶融状態を示し、また滑らかな表層を保持し、発泡が内包されていることが分かる。また、ガラス内部の観察から、気孔が主に独立した閉気孔からなっていることを確認した。
次に、平均粒径0.8μm及び2.5μmのアルミナ粒子、平均粒径1.0μmのジルコニア粒子を30:30:40質量%の割合で調合してセラミック粒子とし、このセラミック粒子及び上記発泡ガラスをエタノール中に30:30:40質量%の割合で湿式混合し、上記アルミナ系繊維に含浸させ、その後、乾燥させることによって目的とするセラミックシール材料とした。
このようにして得たセラミックシール材料を額縁状に切出し、図4に示すような、シール試験装置に設置した。
図4に示すシール試験装置20は、相対向する一対のフェライト系ステンレス鋼板21と、これら鋼板21の略中心部に設けられ、これら鋼板21によって形成される空隙内に圧縮空気を送り込むための圧縮空気導入部材22とを有している。また、フェライト系ステンレス鋼板21の外縁にはネジ24が設けられ、以下に説明するように、試験に供すべきシール材料を圧縮するように構成されている。また、フェライト系ステンレス鋼板21の空隙内には、ジルコニアセラミックス薄板26が配置されており、シール材料による、フェライト系ステンレス鋼板21及びジルコニアセラミックス薄板26間のシール特性を評価するように構成されている。
図4に示すシール試験装置20を用いたシール材料のシール試験は以下のようにして行う。額縁状のセラミックシール材料Sでジルコニアセラミックス薄板26の周囲を被覆した後、図5に示すように、フェライト系ステンレス鋼板21の両端に設けられたネジ24によってセラミックシール材料Sを押圧するとともに、大気中950℃で30分間保持しシール施工する。その後、フェライト系ステンレス鋼板21の略中央に設けられた加圧空気導入部材22を介して、バルブ27を開とし、配管28を介して加圧空気を圧力ゲージ23による圧力表示が20kPaとなるまで、フェライト系ステンレス鋼板21で形成された空隙中に導入する。
このとき、ジルコニアセラミックス薄板26の周囲はセラミックシール部材で被覆され、シールされているので、上述した加圧空気は、ジルコニアセラミックス薄板26と、下側のフェライト系ステンレス鋼板21との空隙29内に導入されることになる。このとき、加圧空気導入部材22の、加圧空気導入側と相対する端部は大気圧に開放されている。したがって、上述のようにして導入された加圧空気は、一対のフェライト系ステンレス鋼板21とその間に配置されたジルコニアセラミックス薄板26とに対する、セラミックシール材料Sのシール特性を評価することになる。
なお、シール特性は、上述のように20kPaの加圧空気を導入した後の、空隙29内の圧力が圧力ゲージ23によって0kPaとなるまでの時間で評価した。その結果、24時間経過後もゲージ圧力の変化は認められず、セラミックシール材料Sは十分なシール性を有することが確認された。
さらに、図5に示す状態のシール試験装置20を加圧空気を導入しない状態で、室温〜850度の加熱冷却サイクルを20回繰返し、その後、同様の加圧空気のリーク試験を実施した。その結果、24時間経過後のゲージ圧力に変化はなく、加熱冷却サイクルに対するシールの耐久性も良好であることが判明した。
(実施例2)
実施例1で使用したアルカリ・無硼素ガラス及び硼珪酸ガラスを混合ガラスに代えて、KおよびNaを酸化物換算で3.5%含有する降伏点:700℃の硼珪酸ガラスを用い、発泡剤としてアトマイズ法により作製した20μm以下のアルミニウム粉末を30質量%添加して発泡ガラスを作製した以外は、実施例1と同様にしてセラミックシール材料を作製した。
実施例1で使用したアルカリ・無硼素ガラス及び硼珪酸ガラスを混合ガラスに代えて、KおよびNaを酸化物換算で3.5%含有する降伏点:700℃の硼珪酸ガラスを用い、発泡剤としてアトマイズ法により作製した20μm以下のアルミニウム粉末を30質量%添加して発泡ガラスを作製した以外は、実施例1と同様にしてセラミックシール材料を作製した。
なお、上記発泡ガラスを、接合条件と同じ大気中1050℃で30分間保持した時の外観とガラス内部の発泡状態を確認した。結果を図6に示す。図6から明らかなように、発泡ガラスは均質な溶融状態を示し、発泡が内包されていることが分かる。また、ガラス内部の観察から、気孔が主に独立した閉気孔からなっていることを確認した。
次いで、上述のようにして得たセラミックシール材料を図4に示すシール試験装置に配置し、大気中1050℃で30分間保持しシール施工し、実施例1と同様にシール試験を実施したところ、24時間経過後もゲージ圧力の変化は認められず、セラミックシール材料は十分なシール性を有することが確認された。また、加熱冷却サイクル試験実施後についても同様に24時間経過後のゲージ圧力に変化はなく、良好な特性であった。
(実施例3)
(株)ニチビ製のアルミナ系長繊維(商品名:ニチビアルフ、組成:Al2O3 72%、SiO2 28%、繊維径:7μm)の平織り織布をセラミック繊維として用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックシール材料を作製した。なお、この織布の重量を測定したところ、繊維含有率は約25質量%であった。
(株)ニチビ製のアルミナ系長繊維(商品名:ニチビアルフ、組成:Al2O3 72%、SiO2 28%、繊維径:7μm)の平織り織布をセラミック繊維として用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックシール材料を作製した。なお、この織布の重量を測定したところ、繊維含有率は約25質量%であった。
次いで、上述のようにして得たセラミックシール材料を図4に示すシール試験装置に配置し、大気中950℃で30分間保持しシール施工し、実施例1と同様にシール試験を実施したところ、24時間経過後もゲージ圧力の変化は認められず、セラミックシール材料は十分なシール性を有することが確認された。また、加熱冷却サイクル試験実施後についても同様に24時間経過後のゲージ圧力に変化はなく、良好な特性であった。
(実施例4)
ジルカー(株)製のジルコニア系長繊維フェルトのシートをセラミック繊維として用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックシール材料を作製した。なお、この織布の重量を測定したところ、繊維含有率は約18質量%であった。
ジルカー(株)製のジルコニア系長繊維フェルトのシートをセラミック繊維として用いた以外は、実施例1と同様にしてセラミックシール材料を作製した。なお、この織布の重量を測定したところ、繊維含有率は約18質量%であった。
次いで、上述のようにして得たセラミックシール材料を図4に示すシール試験装置に配置し、大気中950℃で30分間保持しシール施工し、実施例1と同様にシール試験を実施したところ、24時間経過後もゲージ圧力の変化は認められず、セラミックシール材料は十分なシール性を有することが確認された。また、加熱冷却サイクル試験実施後についても同様に24時間経過後のゲージ圧力に変化はなく、良好な特性であった。
(比較例)
シール材料として、市販の高温用マイカラミネートシートガスケット材料を準備した。これを額縁状に切り出し、実施例1と同様にして図4に示すシール試験装置に配置し、大気中950℃で30分間保持しシール施工し、実施例1と同様にシール試験を実施した。その結果、約82分後にゲージ圧力が実質的に0kPaとなり、シール性が十分でないことが判明した。
シール材料として、市販の高温用マイカラミネートシートガスケット材料を準備した。これを額縁状に切り出し、実施例1と同様にして図4に示すシール試験装置に配置し、大気中950℃で30分間保持しシール施工し、実施例1と同様にシール試験を実施した。その結果、約82分後にゲージ圧力が実質的に0kPaとなり、シール性が十分でないことが判明した。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
10 セラミックシール材料
11 セラミック繊維
12 発泡ガラス
13 セラミック粒子
11 セラミック繊維
12 発泡ガラス
13 セラミック粒子
Claims (8)
- セラミック繊維と、
前記セラミック繊維の空隙に配置された発泡ガラス及びセラミック粒子と、
を具えることを特徴とする、セラミックシール材料。 - 前記発泡ガラスは、700℃〜1100℃の温度で発泡することを特徴とする、請求項1に記載のセラミックシール材料。
- 前記発泡ガラスは、アルミニウム粉末、カーボン、Si−Al−Ca系ガラス前駆体及びSi−Al−Mg系ガラス前駆体からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項2に記載のセラミックシール材料。
- 前記発泡ガラスの発泡後において、前記発泡ガラスは独立閉気孔を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のセラミックシール材料。
- 前記セラミック繊維の前記空隙に対する前記発泡ガラスの占有割合が、15体積%〜50体積%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のセラミックシール材料。
- 前記セラミック繊維の径が0.5μm〜50μmの範囲であり、前記セラミック繊維の長さが10μm〜1000μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のセラミックシール材料。
- 前記セラミック粒子は、平均粒径が5μm〜100μmの第1のセラミック粒子、及び平均粒径が0.5μm〜10μmの第2のセラミック粒子を含むことを特徴とする、請求項6に記載のセラミックシール材料。
- セラミック繊維と、前記セラミック繊維の空隙に配置された発泡ガラス及びセラミック粒子とを具えるセラミックシール材料の使用方法であって、
700℃〜1100℃の温度で前記発泡ガラスを発泡させてシール機能を発現させることを特徴とする、セラミックシール材料の使用方法。
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-
2010
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