JP2012031393A - ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐熱老化性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることを課題とする。
【解決手段】(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンからなる脂肪族ジアミンと、炭素数6〜18のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して、(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種である化合物0.05〜5重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂に、水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種を配合した、耐熱老化性に優れるポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂は、その優れた熱的性質、機械的性質により、耐熱老化性が要求される部品等の用途に広く使用されている。また、昨今のプラスチック素材の多様化により使用温度は上昇傾向にあるため、ポリアミド材料に対する高耐熱老化性の要求が強まっている。
ポリアミド樹脂の耐熱老化性を向上させる手法として、ポリアミド樹脂中に耐熱安定剤を配合する方法がある。この方法は、当該技術分野においては周知である。例えば、非特許文献1、2には、ハロゲン化銅などの無機耐熱安定剤や、ホスファイト系、リン系、イオウ系などの有機系耐熱安定剤が多数リストされており、耐熱老化性を向上させることについて記載されている。
一方、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂は、特許文献1に記載されているように、ヘキサメチレンジアミンから構成されるポリアミド66等と比べ、耐熱老化性に劣ることが課題となっていた。
特開2009−235352号公報
Nylon Plastics Handbook, M.I.Kohan著、p442〜443(1985) Pub.No.016529.00.040 Ciba Specialty Chemicals、2003
本発明は、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂を使用し、耐熱老化性が改良されたポリアミド樹脂組成物を得ることを課題とする。
そこで本発明者は鋭意検討の結果、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの環化反応時に副生するアンモニアが耐熱老化性に影響を与えることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づき次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明は、
(1)(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンからなる脂肪族ジアミンと、炭素数6〜18のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して、(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.05〜5重量部配合してなるポリアミド樹脂組成物、
(2)前記(a)ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度が8.0×10−5mol/g以下であることを特徴とする上記(1)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)前記炭素数6〜18のジカルボン酸が、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物、
(4)前記(b)水酸基を有する安定剤が、フェノール系安定剤および多価アルコール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(5)前記多価アルコール化合物が、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールエタンおよび/またはトリメチロールプロパンの残基を有することを特徴とする上記(4)記載のポリアミド樹脂組成物、
(6)前記(b)水酸基を有する安定剤が、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(7)前記(b)モノカルボン酸が、安息香酸であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(8)前記(b)酸無水物が、無水コハク酸、無水マレイン酸および無水フタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(9)(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに(c)充填材1〜200重量部を配合してなる上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(10)(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに(d)耐衝撃性改良剤5〜100重量部を配合してなる上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物、
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形してなる成形品、
(12)少なくとも前記(a)ポリアミド樹脂と、(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種を溶融混練する上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法、
(13)少なくとも前記(a)ポリアミド樹脂を構成するモノマーと、(b)水酸基を有する安定剤および/またはモノカルボン酸を添加して重縮合する上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法、
である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は耐熱老化性に優れるため、耐熱老化性が必要とされる電気・電子部品、自動車部品において好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンからなる脂肪族ジアミンと、炭素数6〜18のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂とは、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンと炭素数6〜18のジカルボン酸の総重量が、原料となる単量体の70重量%以上であるポリアミド樹脂である。より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
炭素数6〜18のジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。特に、ジカルボン酸の入手が容易であり、得られるポリアミド樹脂組成物の結晶性、強度のバランスに優れるアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。また、これらを併用して共重合体としてもよい。
(a)ポリアミド樹脂を構成する、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンからなる脂肪族ジアミンと炭素数6〜18のジカルボン酸以外の共重合単位としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミン、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸のような脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、これらの少なくとも1種を、全構成成分に対して30重量%未満含有することができる。
本発明で使用する(a)ポリアミド樹脂の製造方法としては、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンと炭素数6〜18のジカルボン酸、またはその塩を、加熱して低次縮合物を合成する工程を経て、固相重合または溶融重合により高重合度化する方法が挙げられる。この方法は、低次縮合物を一旦取り出して、固相重合または溶融重合する2段重合、低次縮合物の製造工程に続いて、同一反応容器内で固相重合または溶融重合する1段重合のどちらを用いてもよい。溶融重合により得られたポリアミド樹脂は、固相重合により得られたポリアミド樹脂と比較して分子量分布が狭く、相対的に低分子量成分の含有量が少なくなるため、引張強度や引張破断歪み等の機械的性質が向上し、より好ましい。なお、低次縮合物とは、後述する硫酸相対粘度が1.05〜1.90のポリアミド樹脂と定義する。また、固相重合とは、100℃〜融点の温度範囲で、減圧下、あるいは不活性ガス中で加熱する工程、溶融重合とは、常圧、または減圧下で融点以上に加熱する工程を示す。
本発明で使用するポリアミド樹脂を製造する際には、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、およびその環化反応により生成するピロリジン、ピペリジンが揮発したり、ピロリジン、ピペリジンが末端封鎖剤となるなどの理由で、重合の進行に伴い、重合系内では全カルボキシル基量に対する全アミノ基量が少なくなり、重合速度が遅延する傾向がある。本発明では、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの揮発を抑制するためには、重合系内の圧力が高い方が好ましいが、反面、縮合水の揮発が抑制されると、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの環化反応が促進される傾向にあるため、本発明では重合系内の最高圧力を1〜25kg/cm(0.10〜2.45MPa)とすることが好ましい。より好ましくは2〜20kg/cm(0.20〜1.96MPa)、さらに好ましくは2〜15kg/cm(0.20〜1.47MPa)、最も好ましくは2〜10kg/cm(0.20〜0.98MPa)である。圧力が1kg/cm(0.10MPa)未満の場合には、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの揮発を十分に抑制することができず、アミノ基、カルボキシル基の等モル性が大きく崩れる傾向がある。また、圧力が25kg/cm(2.45MPa)を越える場合には、重縮合による水の脱離が抑制され、またテトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの環化反応が促進されるため、重合度が上昇しにくい傾向がある。縮合反応の進行により、縮合水が生成し、系内の圧力は上昇するので、重合開始時の圧力はゼロでもよいが、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの揮発を最小限に抑制する場合には、原料にあらかじめ水を添加する方法、重合開始時にあらかじめ不活性ガスで加圧する方法などにより、系内の圧力が高くなるよう調整することができる。
また、原料を仕込む段階で、あらかじめ特定量のテトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを過剰に添加して、重合系内のアミノ基量を制御することが、高分子量の(a)ポリアミド樹脂を得るためには好ましい。原料として使用するテトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンのモル数をA、炭素数6〜18のジカルボン酸のモル数をBとしたとき、その比A/Bが1.001〜1.08となるように原料組成比を調整することが好ましく、1.005〜1.05となるように原料組成比を調整することがより好ましい。A/Bが1.001未満の場合には、重合系内の全アミノ基量が、全カルボキシル基量よりも極めて少なくなり、高分子量のポリマーが得られにくい傾向がある。一方、A/Bが1.08より大きい場合には、重合系内の全カルボキシル基量が、全アミノ基量よりも極めて少なくなり、高分子量のポリマーが得られにくい傾向がある。更にジアミン成分の揮散量も増加し、生産性、環境の点からも好ましくない。
本発明で使用するポリアミド樹脂を製造するための加熱重縮合においては、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの揮発や、脱アンモニア反応による環化の抑制に加え、着色を防止するためには、重合工程全体でポリマーが受ける熱履歴を極力小さくすることが重要であり、その手段として、重合系内の最高到達温度を低くすることが有効である。本発明で、低次縮合物を溶融重合する場合には、重合系内の最高到達温度は、ポリアミド樹脂の融点以上、340℃以下にすることが好ましく、より好ましくは融点以上、融点+30℃以下である。340℃より高い温度の場合には、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの揮発や環化が促進される上、得られるポリアミド樹脂が着色する傾向がある。なお、固相で高重合度化する場合には、減圧下、または不活性ガス雰囲気下で融点−40℃以上、融点未満で固相重合することが好ましい。
本発明で使用する(a)ポリアミド樹脂の重合度は、0.01g/mlとした98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が、1.8〜5.0であることが好ましい。より好ましくは2.2〜4.5、さらに好ましくは2.5〜4.0である。相対粘度が1.8未満では、ポリアミド樹脂の靭性が低下する傾向がある。一方、相対粘度が5.0を超えると成形加工性に劣る傾向がある。
本発明で使用する(a)ポリアミド樹脂は、ヘキサメチレンジアミンを主要ジアミン成分とするポリアミド樹脂に比べて、100℃〜融点以下の熱処理により、ポリアミド鎖の末端のテトラメチレンジアミン部位および/またはペンタメチレンジアミン部位の環化反応が生じやすく、この環化反応によりアンモニアを副生する。さらに、ポリアミド樹脂の分解に伴い生成するテトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの環化反応によってもアンモニアを副生する。すなわち、ヘキサメチレンジアミンを主要ジアミン成分とするポリアミド樹脂に比べて、アンモニアを副生しやすい傾向にある。本発明において、熱処理時の末端ジアミンの環化反応に伴うアンモニアの副生を抑制する観点から、(a)ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度は、8.0×10−5mol/g以下であることが好ましい。アミノ末端基濃度を8.0×10−5mol/g以下とすることにより、耐熱老化性をより向上させることができる。より好ましくは、6.0×10−5mol/g以下、さらに好ましくは、5.0×10−5mol/g以下である。なお、ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度は、例えば、ポリアミド樹脂を溶媒に溶解し、塩酸水溶液などで滴定することにより算出することができる。
アミノ末端基濃度を上記範囲に調整するためには、例えば、原料として使用するテトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンと、炭素数6〜18のジカルボン酸の原料組成比を調整することが好ましい。
本発明で使用するポリアミド樹脂には、必要に応じて、重合促進剤を添加することができる。重合促進剤としては、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物が好ましく、特に亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムが好適に用いられる。重合促進剤は、原料100重量部に対して0.001〜1重量部の範囲で使用することが好ましい。重合促進剤の使用量が0.001重量部に満たない場合には、その添加効果が殆ど認められず、また1重量部を越える場合には、得られるポリアミド樹脂の重合度が上がり過ぎるため、溶融成形が困難となる傾向がある。
本発明における(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂は、100℃〜融点以下の温度で熱処理を行うことで、ポリアミド鎖の末端のテトラメチレンジアミン部位および/またはペンタメチレンジアミン部位での環化反応に伴いアンモニアを副生する。さらに、ポリアミド樹脂の分解に伴い生成するテトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンの環化反応によってもアンモニアを副生する。このアンモニアがポリアミド樹脂の分解を促進させ耐熱老化性を低下させていると考えられる。本発明では、熱処理時に副生するアンモニアを捕捉するか、またはアミノ末端基濃度を低減し副生するアンモニアを少なくすることで耐熱老化性を改善することができる。そのために、本発明では水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種を配合することが必要である。これらを2種以上配合してもよい。
本発明で使用される(b)水酸基を有する安定剤としては、フェノール系安定剤および多価アルコール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
フェノール系安定剤としては、水酸基を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヒンダードフェノール化合物を挙げることができる。
ヒンダードフェノール化合物としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、p−クレゾールとイソブチレンの反応生成物、3−(4’−ヒドロキシ−3’−5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸−n−オクタデシル、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ[ジエチルビス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキフェニル〕メチル]ホスホネート、2,4−ジクロロベンズアルデヒド、3,6−ジオキサオクタメチレン=ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオナート]、o−クレゾール・1−オクタンチオール・パラホルムアルデヒドの反応生成物、6−メチルヘプチル=3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、ジクロロビス(η(5)−シクロペンタジエニル)チタン(IV)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル)−p−クレゾール、スチレネーティッドフェノール、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、メチレンビス(ノニルクレゾール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル=アクリラート、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、6−(4−ヒドロキシ−3−5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、N,N’−ビス3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、2,4’−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等を挙げることができる。この中で好ましいヒンダードフェノール系安定剤は、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである。
これらフェノール系安定剤を1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコール化合物としては、水酸基を2個以上有するものであれば特に限定されるものではなく、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールエタンおよび/またはトリメチロールプロパンの残基を有するものが好ましい。例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトールやこれらのアルキレンオキシド付加物などのペンタエリスリトールの残基を有する化合物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパンなどのトリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパンの残基を有する化合物、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ポリグリセリンやこれらのアルキレンオキシド付加物などのグリセリンの残基を有する化合物、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、スクロース、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、無水エンネアへプチトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2−メチルプロパントリオール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、および1,2,4−トリヒドロキシベンゼン等を挙げることができる。この中で好ましい多価アルコール化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンである。
本発明における(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂に、水酸基を有する安定剤を添加することで、熱処理時に副生するアンモニアを捕捉することができる。
本実施の形態におけるポリアミド樹脂組成物中の(b)水酸基を有する安定剤の配合量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であり、好ましくは0.07〜1重量部であり、より好ましくは0.1〜1重量部である。
(b)水酸基を有する安定剤の配合量が0.05重量部未満の場合、安定剤の効果が不十分である。5重量部より多い場合には、靭性や強度などの機械物性の低下を生じる場合があるので好ましくない。
本発明で使用される(b)モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸などを挙げることができる。これらのうち、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、安息香酸が特に好ましい。本発明では、これらのモノカルボン酸を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明における(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂に、末端封鎖剤であるモノカルボン酸を添加することで、ポリアミド鎖の末端のテトラメチレンジアミン部位および/またはペンタメチレンジアミン部位での環化反応を抑制し、アンモニアの副生を抑えることができる。
本実施の形態におけるポリアミド樹脂組成物中の(b)モノカルボン酸の配合量は、用いるモノカルボン酸の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって変化するが、通常、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部であり、好ましくは0.07〜3重量部であり、より好ましくは0.08〜1重量部である。
(b)モノカルボン酸の配合量が0.05重量部未満の場合、末端封鎖の効果が不十分である。5重量部より多い場合には、ポリアミド樹脂の重縮合段階でモノカルボン酸を添加した場合に、全カルボキシル基量より全アミノ基量が極めて少なくなり十分に高分子量のポリアミド樹脂が得られにくくなるため好ましくない。
本発明で使用される(b)酸無水物としては、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸などを挙げることができる。本発明では、これらの酸無水物を1種で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明における(a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂に、末端封鎖剤として機能する酸無水物を添加することで、ポリアミド鎖の末端のテトラメチレンジアミン部位および/またはペンタメチレンジアミン部位での環化反応を抑制し、アンモニアの副生を抑えることができる。
本実施の形態におけるポリアミド樹脂組成物中の(b)酸無水物の配合量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部であり、好ましくは0.07〜3重量部であり、より好ましくは0.09〜1重量部である。
(b)酸無水物の配合量が0.05重量部未満の場合、末端封鎖の効果が不十分である。5重量部より多い場合には、強度や剛性などの機械物性の低下を生じる場合があるので好ましくない。
本発明における(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種は、耐熱老化性をより向上させる観点から、その他の安定剤と併用することができる。その他の安定剤としては、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ハロゲン化金属化合物などが挙げられる。
本発明で用いられる(c)充填材は、有機、無機あるいは繊維状充填材、非繊維状充填材のいずれの様態としても用いることができる。繊維状充填材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石膏繊維、金属繊維などが挙げられる。非繊維状充填材としては、例えばタルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母に代表される膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された膨潤性層状珪酸塩であってもよく、有機オニウムイオンとしてはアンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。また、これら充填材は2種以上を併用することもできる。これら充填材の中で好ましくは繊維状充填材である。
繊維状充填材として、具体的には、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化珪素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化珪素ウィスカーなどの繊維状、ウィスカー状充填材が挙げられる。特に好ましくはガラス繊維、炭素繊維である。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。なお、本発明に使用する上記の充填材はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)により処理することが優れた機械的強度や外観性を得る意味において好ましい。カップリング剤は常法に従って、予め充填材を表面処理し、ついでポリアミド樹脂と溶融混練する方法が好ましく用いられるが、予め充填材の表面処理を行わずに、充填材とポリアミド樹脂を溶融混練する際に、カップリング剤を添加するインテグラブルブレンド法を用いてもよい。カップリング剤の処理量は、充填材100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましい。より好ましくは0.1〜5重量部、最も好ましくは0.5〜3重量部である。0.05重量部未満の場合には、カップリング剤で処理することによる機械特性の改良効果が小さく、10重量部を上回る場合には、充填材が凝集しやすく、分散不良が生じる傾向がある。また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被膜あるいは集束されていてもよい。さらに、ガラス繊維の断面は、円形、扁平状のひょうたん型、まゆ型、長円型、楕円型、矩形またはこれらの類似品など限定されるものではないが、ガラス繊維配合ポリアミドに特有の反りを低減させるには、扁平状の繊維が長径/短径の比が1.5〜10のものが好ましく、2.0〜6.0のものがさらに好ましい。長径/短径の比が1.5以下では断面を扁平状にした効果が少なく、10以上のものはガラス繊維自体の製造が困難である。
上記の(c)充填材の配合量は、本発明の(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜200重量部である。好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜100重量部である。1重量部未満では、強度や剛性の改良効果が小さく、また200重量部を超えると成形性が低下することがあるので好ましくない。
本発明で用いられる(d)耐衝撃性改良剤としては、オレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物を重合して得られる(共)重合体などの変性ポリオレフィンが好ましく用いられる。
上記(共)重合体としては、エチレン系共重合体、共役ジエン系重合体、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体などが挙げられる。ここで、エチレン系共重合体とは、エチレンと他の単量体との共重合体および多元共重合体をさし、エチレンと共重合する他の単量体としては炭素数3以上のα−オレフィン、非共役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不飽和カルボン酸およびその誘導体などの中から選択することができる。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などが挙げられ、プロピレン、ブテン−1が好ましく使用できる。非共役系ジエンとしては5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−クロチル−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−2−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−2−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−メチル−5−ビニルノルボルネンなどのノルボルネン化合物、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、4,7,8,9−テトラヒドロインデン、1,5−シクロオクタジエン1,4−ヘキサジエン、イソプレン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、11−トリデカジエンなどが挙げられ、好ましくは5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどである。α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などが挙げられ、その誘導体としてはアルキルエステル、アリールエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イミドを例として挙げることができる。
また、共役ジエン系重合体とは少なくとも1種以上の共役ジエンを構成成分とする重合体であり、例えば1,3−ブタジエンの如き単独重合体や1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンから選ばれる1種以上の単量体の共重合体などが挙げられる。これらの重合体の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されているものも好ましく使用できる。
共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体とは共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素からなるブロック共重合体またはランダム共重合体であり、これを構成する共役ジエンの例としては前記の単量体が挙げられ、特に1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。芳香族ビニル炭化水素の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、中でもスチレンが好ましく使用できる。また、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体の芳香環以外の二重結合以外の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されているものも好ましく使用できる。
また、ポリアミド系エラストマーやポリエステル系エラストマーを用いることもできる。これらの耐衝撃性改良剤は2種以上併用することも可能である。
本発明では、(a)ポリアミド樹脂との親和性を向上させるために、上記単量体から構成されるポリオレフィン系(共)重合体に、反応性官能基であるグリシジル基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、酸無水物基の少なくとも一種が共重合、あるいはグラフトされたものが好ましく用いられる。(d)耐衝撃性改良剤に含まれるこれら反応性官能基は、耐衝撃性改良剤を100重量%とした場合に、0.1〜7重量%であることが好ましい。より好ましくは、0.4〜3重量%である。0.1重量%未満の場合には、(a)ポリアミド樹脂との親和性に劣り、耐衝撃性改良効果が小さく、7.0重量%を超える場合には溶融粘度が上昇し成形加工性に劣る傾向がある。
(d)耐衝撃性改良剤の具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、未水添または水添スチレン/イソプレン/スチレントリブロック共重合体、未水添または水添スチレン/ブタジエン/スチレントリブロック共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体(「g」はグラフトを表わす、以下同じ)、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化物、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミド共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/イソプレン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ナイロン12/ポリトリメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール共重合体、ポリブチレンテレフタレート/ポリトリメチレングリコール共重合体などを挙げることができる。この中で、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、水添スチレン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸共重合体がさらに好ましく、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体が特に好ましい。
本発明における(d)耐衝撃性改良剤の配合量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して5〜100重量部である。より好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部、最も好ましくは10〜30重量部である。5重量部未満では、耐衝撃性の改良効果が小さく、100重量部を上回る場合には、溶融粘度が高く成形加工性に劣る傾向がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物の調製方法は特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例として、原料の(a)ポリアミド樹脂と、(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種である化合物、さらに必要に応じて(c)充填材または(d)耐衝撃性改良剤の混合物を単軸あるいは二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混練機に供給し、用いられるポリアミド樹脂の融点以上の温度で溶融混練する方法を挙げることができる。ポリアミド樹脂組成物を構成する成分を溶融混練機に供給する方法は、すべての構成成分を同一の供給口に一度に供給してもよいし、構成成分をそれぞれ異なる供給口から供給してもかまわない。
または、(a)ポリアミド樹脂を構成するモノマーに、(b)水酸基を有する安定剤および/またはモノカルボン酸を添加して重縮合を行い、この重縮合物と、必要に応じて(c)充填材または(d)耐衝撃性改良剤を公知の溶融混練機にて溶融混練する方法も挙げられる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、要求される特性に応じて他のポリアミド樹脂や他のポリマー類を含有させることができる。他のポリアミド樹脂として具体的には、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。他のポリマー類として具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレンなどが挙げられる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物には、発明の目的を損なわない範囲で、他の成分、例えば離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ホスフィン酸金属塩などのリン系難燃剤、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)を任意の時点で添加することができる。
かくして得られるポリアミド樹脂組成物は、通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、溶融紡糸、フィルム成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形でき、自動車部品、機械部品などの樹脂成形品、繊維、フィルムなどに使用することができる。具体的な用途としては、自動車エンジン冷却水系部品、特にラジエタータンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラ、バルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品、スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、バックル、ワイヤークリップ、自転車ホイール、キャスター、ヘルメット、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁部分、スポイラー、キャニスター、ラジエタータンク、チャンバータンク、リザーバータンク、ヒューズボックス、エアークリーナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、吸排気パイプ、ベアリングリテーナー、シリンダーヘッドカバー、インテークマニホールド、ウォーターパイプインペラ、クラッチレリーズ、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンタリボンガイドなどに代表される電気・電子関連部品、自動車・車両関連部品、家電・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品、その他各種用途に有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。材料特性評価については下記の方法に従って行った。
[硫酸相対粘度]
98%硫酸中、0.01g/ml濃度、25℃でオストワルド式粘度計を用いてポリアミド樹脂の相対粘度(ηr)測定を行った。
[アミノ末端基濃度]
a−1〜a−7,a−10のポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度は、樹脂約0.5gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶媒(83.5:16.5、体積比)25mlに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定した。a−8,9のポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度は、樹脂約0.3gを精秤し、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒15mlに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定した。
[引張強度]
ASTM D638に従って引張試験機テンシロンUTA2.5T(オリエンテック社製)により、厚さ1/8インチのASTM1号ダンベル試験片についてクロスヘッド速度10mm/分で引張試験を行った。3回測定を行い、その平均値を引張強度として算出した。
[耐熱老化性試験]
厚さ1/8インチのASTM1号ダンベル試験片を150℃、大気雰囲気下で250時間熱処理(耐熱老化性試験処理)した後、前述の[引張強度]と同様の引張試験により引張強度を測定した。3回測定を行い、その平均値を引張強度として算出した。耐熱老化性試験処理前の引張強度に対する処理後の引張強度の比を、引張強度保持率として算出した。
参考例1(ポリテトラメチレンアジパミドの製造)
ナイロン46塩700g、テトラメチレンジアミン5.27g、次亜リン酸ナトリウム1水和物0.2962g、イオン交換水70gを、撹拌翼付きの内容積3Lの圧力容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。この圧力容器を密閉したまま加熱を開始し、内温225℃、15.0kg/cmに到達後、水分を系外に放出させながら缶内圧力を15.0kg/cmで30分間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を260℃、100Paで20時間固相重合し、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46、ηr=3.10)を得た。アミノ末端基濃度は2.4×10−5mol/gであった。
参考例2(ポリテトラメチレンセバカミドの製造)
ナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン2.12g(ナイロン410塩に対して1.00mol%)、次亜リン酸ナトリウム0.3065g(生成ポリマー重量に対して0.05重量%)を3L圧力容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が5.0kg/cmに到達した後、水分を系外に放出させながら缶内圧力を5.0kg/cmで1.5時間保持した。その後10分間かけて缶内圧力を常圧に戻し、更に窒素フロー下で1.5時間反応させ重合を完了した。その後、重合缶からポリマーをガット状に吐出してペレタイズし、これを80℃で24時間真空乾燥して、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410、ηr=2.84)を得た。アミノ末端基濃度は3.4×10−5mol/gであった。
参考例3(ポリテトラメチレンセバカミドの製造)
ナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン4.24g(ナイロン410塩に対して2.00mol%)、次亜リン酸ナトリウム0.3065g(生成ポリマー重量に対して0.05重量%)を3L圧力容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が5.0kg/cmに到達した後、水分を系外に放出させながら缶内圧力を5.0kg/cmで1.5時間保持した。その後10分間かけて缶内圧力を常圧に戻し、更に窒素フロー下で1.5時間反応させ重合を完了した。その後、重合缶からポリマーをガット状に吐出してペレタイズし、これを80℃で24時間真空乾燥して、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410、ηr=2.55)を得た。アミノ末端基濃度は9.8×10−5mol/gであった。
参考例4(ポリペンタメチレンアジパミドの製造)
ペンタメチレンアジパミド塩の50重量%水溶液を1500g(3.024mol)、1,5−ジアミノペンタンの10重量%水溶液を46.26g(1,5−ジアミノペンタン含量45.26mmol)を重合缶に入れ、重合缶内を充分に窒素置換した後、撹拌しながら昇温を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで90分間保持し、その後1時間かけて缶内圧力を常圧に戻した。このとき缶内温度は270℃に到達した。更に−160mmHgの減圧下270℃で30分間反応させ重合を完了した。その後水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。これを80℃で24時間真空乾燥して、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56、ηr=2.76)を得た。アミノ末端基濃度は4.2×10−5mol/gであった。
参考例5(ポリペンタメチレンセバカミドの製造)
ペンタメチレンセバカミド塩の50重量%水溶液1500g、さらに過剰に1,5―ジアミノペンタン2.56g(24.67mmol)を重合缶に入れ、重合缶内を充分に窒素置換した後、撹拌しながら昇温を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで74分保持し、その後1時間かけて缶内圧力を常圧に戻した。このとき缶内温度は264℃に到達した。更に−160mmHgの減圧下264℃で40分間反応させ重合を完了した。その後水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。これを80℃で24時間真空乾燥して、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510、ηr=2.71)を得た。アミノ末端基濃度は4.4×10−5mol/gであった。
(実施例1,2、比較例1,4)
シリンダー設定温度310℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例1で得たポリテトラメチレンアジパミドおよび水酸基を有する安定剤を表1に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度305℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表1に示すとおりである。
(比較例2,3,5,6)
シリンダー設定温度280℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、硫酸相対粘度が2.78、アミノ末端基濃度が3.1×10−5mol/gであるナイロン66樹脂(東レ製E3001)および水酸基を有する安定剤を表1に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度275℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表1に示すとおりである。
(実施例3,5,6、比較例7,8,12)
シリンダー設定温度270℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例2または参考例3で得たポリテトラメチレンセバカミド、水酸基を有する安定剤、水酸基を有しない安定剤を表1に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度265℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤、水酸基を有しない安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表1に示すとおりである。
(実施例4、比較例9,13)
シリンダー設定温度240℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例5で得たポリペンタメチレンセバカミド、水酸基を有する安定剤を表1に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度240℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表1に示すとおりである。
(比較例10,11,14,15)
シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、硫酸相対粘度が2.70、アミノ末端基濃度が3.0×10−5mol/gであるナイロン610樹脂(東レ製CM2001)および水酸基を有する安定剤を表1に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度245℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表1に示すとおりである。
Figure 2012031393
(実施例7,8、比較例16)
シリンダー設定温度270℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例2で得たポリテトラメチレンセバカミド、モノカルボン酸、酸無水物を表2に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、さらにスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより、充填材を表2に記載の割合で供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度265℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、モノカルボン酸、酸無水物を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表2に示すとおりである。
(実施例9)
ペンタメチレンセバカミド塩の50重量%水溶液1500g、さらに過剰に1,5−ジアミノペンタンを2.56g(24.67mmol)、モノカルボン酸として安息香酸0.91g(7.46mmol)を重合缶に入れ、重合缶内を充分に窒素置換した後、撹拌しながら昇温を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで74分間保持し、その後1時間かけて缶内圧力を常圧に戻した。このとき缶内温度は264℃に到達した。更に−160mmHgの減圧下264℃で40分間反応させ重合を完了した。その後水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。これを80℃で24時間真空乾燥して、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510、ηr=2.62)を得た。アミノ末端基濃度は0.6×10−5mol/gであった。シリンダー設定温度240℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂および水酸基を有しない安定剤を表2に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、さらにスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより、充填材を表2に記載の割合で供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度240℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、モノカルボン酸を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表2に示すとおりである。
(比較例17)
シリンダー設定温度240℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例5で得たポリペンタメチレンセバカミド、水酸基を有しない安定剤を表2に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、さらにスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより、充填材を表2に記載の割合で供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度240℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。
(実施例10、比較例18)
ペンタメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩800g、ペンタメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩800g、および前記塩中のジアミン総量に対して1.4mol%のペンタメチレンジアミンを配合し、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように水を反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を300℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2.5時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて10時間固相重合を行い、ポリアミド樹脂(ナイロン5T/56、ηr=2.72)を得た。アミノ末端基濃度は2.8×10−5mol/gであった。シリンダー設定温度を310℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と水酸基を有する安定剤を表2に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、スクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより、充填材を表2に記載の割合で供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度305℃、金型温度120℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表2に示すとおりである。
(比較例19,20)
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩を800g、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩800g、および前記塩中のジアミン総量に対して1.0mol%のヘキサメチレンジアミンを配合して、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように水を反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を300℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2.0時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて3時間固相重合を行い、ポリアミド樹脂(ナイロン6T/66、ηr=2.68)を得た。アミノ末端基濃度は4.8×10−5mol/gであった。シリンダー設定温度を310℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と水酸基を有する安定剤を表2に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、スクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより、充填材を表2に記載の割合で供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度305℃、金型温度120℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表2に示すとおりである。
Figure 2012031393
(実施例11,12、比較例21,22)
シリンダー設定温度270℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例4で得たポリペンタメチレンアジパミド、水酸基を有する安定剤および耐衝撃性改良剤を表3に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H−MIV、シリンダー温度265℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表3に示すとおりである。
(比較例23〜25)
シリンダー設定温度280℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、硫酸相対粘度が2.78、アミノ末端基濃度が3.1×10−5mol/gであるナイロン66樹脂(東レ製E3001)、水酸基を有する安定剤、耐衝撃性改良剤を表3に記載の割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度275℃、金型温度80℃)により試験片を作製した。耐熱老化性試験処理前と処理後の試験片は引張試験機により引張試験を行い、引張強度保持率を算出した。また、水酸基を有する安定剤を添加したことによる引張強度保持率の向上度を、「添加後の強度保持率−未添加の強度保持率」として算出し、未添加の強度保持率を表す比較例とともに示した。結果は表3に示すとおりである。
Figure 2012031393
本実施例および比較例に用いた(b)水酸基を有する安定剤、水酸基を有しない安定剤、モノカルボン酸および酸無水物は以下の通りである。
(b−1):N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製IRGANOX1098、略称TTAD)
(b−2):トリメチロールエタン(シグマ−アルドリッチ社製)
(b−3):ジペンタエリスリトール(東京化成)
(b−4):ジグリセリン(阪本薬品工業社製ジグリセリンS)
(b−5):ヨウ化銅(CuI)(シグマアルドリッチジャパン製97%1級)
(b−6):安息香酸(関東化学、特級)
(b−7):無水フタル酸(関東化学、鹿特級)
同様に、(c)充填材は以下の通りである。
(c−1):ガラス繊維(日本電気硝子製T−289)
同様に、(d)耐衝撃性改良剤は以下の通りである。
(d−1):エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体(三井デュポンポリケミカル製“MH5020”)
比較例1,2、比較例7,9,10、比較例18,20および比較例21,24より、テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂は、ヘキサメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂よりも引張強度保持率が低く、耐熱老化性に劣ることが分かる。
実施例1,2と比較例3,6、実施例3,4,5と比較例11,15、実施例10と比較例19および実施例11,12と比較例23,25より、水酸基を有する安定剤を添加することで、テトラメチレンジアミンおよびペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂は、ヘキサメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂よりも引張強度保持率の向上度が大きく耐熱老化性の改善効果が大きいことが分かった。ヘキサメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂と同等の引張強度保持率まで改善することができた。
実施例3、5と比較例8より、水酸基を有しない安定剤を添加した場合よりも、水酸基を有する安定剤を添加した方が、引張強度保持率の向上度が大きく耐熱老化性の改善効果が大きいことが分かった。
実施例7,8より、モノカルボン酸および酸無水物の添加によっても耐熱老化性を改善できることが分かった。
実施例9より、モノカルボン酸を重縮合時に添加しても耐熱老化性改善効果があることを見いだした。
比較例4,5,22より、水酸基を有する安定剤の添加量が0.05重量部未満の場合には、耐熱老化性の改善効果が小さく、テトラメチレンジアミンおよびペンタメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂は、ヘキサメチレンジアミンを主要構成成分とするポリアミド樹脂よりも引張強度保持率に劣ることが分かった。
比較例12〜14より、水酸基を有する安定剤の添加量が5重量部を超えると耐熱老化性試験処理前の初期強度が大きく低下することが分かった。
実施例3と実施例6より、ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度が8.0×10−5mol/g以下であると引張強度保持率の向上度がより高くなることが分かった。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常公知の射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、紡糸などの任意の方法で成形することができ、各種成形品に加工し利用することができる。成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、一軸延伸、二軸延伸などの各種フィルム、シート、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維などとして利用することができる。特に、本発明においては耐熱老化性に優れる点を活かし、各種電気・電子部品、自動車部品などに加工することが可能である。

Claims (13)

  1. (a)テトラメチレンジアミンおよび/またはペンタメチレンジアミンからなる脂肪族ジアミンと、炭素数6〜18のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して、(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸、および酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種を0.05〜5重量部配合してなるポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記(a)ポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度が8.0×10−5mol/g以下であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記炭素数6〜18のジカルボン酸が、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸およびイソフタル酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(b)水酸基を有する安定剤が、フェノール系安定剤および多価アルコール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記多価アルコール化合物が、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールエタンおよび/またはトリメチロールプロパンの残基を有することを特徴とする請求項4記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 前記(b)水酸基を有する安定剤が、N、N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 前記(b)モノカルボン酸が、安息香酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  8. 前記(b)酸無水物が、無水コハク酸、無水マレイン酸および無水フタル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. (a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに(c)充填材1〜200重量部を配合してなる請求項1〜8のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. (a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに(d)耐衝撃性改良剤5〜100重量部を配合してなる請求項1〜8のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  12. 少なくとも前記(a)ポリアミド樹脂と、(b)水酸基を有する安定剤、モノカルボン酸および酸無水物から選ばれる少なくとも1種を溶融混練する請求項1〜10のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  13. 少なくとも前記(a)ポリアミド樹脂を構成するモノマーと、(b)水酸基を有する安定剤および/またはモノカルボン酸を添加して重縮合する請求項1〜10のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
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