JP2012024771A - 超音波振動接合装置および超音波振動接合方法 - Google Patents

超音波振動接合装置および超音波振動接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被接合物の配置方向を大きく変更しなくとも、簡易な構成で簡単に複数の異なる方向に連続して超音波振動を印加することができる技術を提供する。
【解決手段】駆動部11による共振器32の上方(第1の方向)への移動により、第1の接合位置において超音波振動が接合ツール36aが当接することにより基板5aおよび接合部に印加され、駆動部11による共振器32の下方(第2の方向)への移動により、第2の接合位置において超音波振動が接合ツール36bが当接することにより基板5bおよb接合部に印加されるため、基板5a,5bおよびフィン6の配置方向を大きく変更しなくとも、共振器32を上下方向に移動する駆動部11を設けるという簡易な構成で簡単に複数の異なる方向に連続して超音波振動を印加することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、重ね合わされた被接合物を超音波振動により接合する超音波振動接合技術に関する。
従来、振動子が連結された共振器を備える超音波振動接合装置が知られており、一般的に、共振器には、被接合物に当接して超音波振動を印加するための接合作用部が設けられている。そして、共振器の固有振動数に合わせて振動子から発振される振動が共振器により増幅され、増幅された超音波振動が接合作用部により被接合物に印加される。
例えば、特許文献1に記載の超音波振動接合装置は、支持部材により支持固定される共振器と、共振器の一端に連結され、圧電素子などにより形成されて超音波振動を発振する振動子と、共振器の他端に取り付け固定されたボンディングツールとを備えている。そして、振動子から発振される超音波振動が共振器により増幅されてボンディングツールに伝達され、ボンディングツールに伝達された超音波振動が被接合物に印加されて被接合物が接合される。
特開2007−142049号公報(段落0034〜0037、図1等)
上記特許文献1の超音波振動接合装置では、被接合物の接合部に超音波振動を印加するボンディングツールは共振器から下向きに突出して形成されており、ボンディングツールと対向する共振器下方の接合位置に配置された被接合物の接合部に対して超音波振動が印加される。すなわち、被接合物の接合部に対して超音波振動を一方向のみからしか与えることができないため、接合の際には被接合物の接合部を必ず接合位置に配置する必要がある。
したがって、被接合物として略L字状に屈曲された板状部材の内側の互いにほぼ直交する2つの面それぞれに接合部が設けられているときや、被接合物として箱型部材の複数の内側面それぞれに接合部が設けられているときなど、複数の異なる方向に配置された接合部に対して超音波振動を印加する必要があるときには、従来の装置では、前記一方向と異なる方向へ超音波振動を印加することができないため、各接合部それぞれに超音波振動を印加するために、各接合部がボンディングツールと対向する接合位置に配置されるように、その都度被接合物の配置方向を大きく変更しなければならず、非常に煩雑であった。
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、被接合物の配置方向を大きく変更しなくとも、簡易な構成で簡単に複数の異なる方向に連続して超音波振動を印加することができる技術を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明にかかる超音波振動接合装置は、互いに重ね合わされた複数の被接合物の接合部に超音波振動を印加して前記被接合物の接合を行う超音波振動接合装置において、一端に振動子が連結されて前記振動子の超音波振動に共振する共振器と、前記共振器の他端に設けられて前記被接合物に当接することにより前記共振器の超音波振動を前記接合部に印加する接合手段と、前記共振器を少なくとも異なる2方向に移動する移動手段とを備え、前記接合手段は、前記移動手段による前記共振器の第1の方向への移動により、第1の接合位置において超音波振動を前記接合部に印加し、前記移動手段による前記共振器の第2の方向への移動により、第2の接合位置において超音波振動を前記接合部に印加することを特徴としている(請求項1)。
また、本発明にかかる超音波振動接合装置は、前記移動手段による前記共振器の前記第1の方向への移動の際に、前記第1の接合位置に配置された前記被接合物の前記接合部の周辺を押さえて保持し、前記移動手段による前記共振器の前記第2の方向への移動の際に、前記第2の接合位置に配置された前記被接合物の前記接合部の周辺を押さえて保持する固定手段をさらに備えることを特徴としている(請求項2)。
また、本発明にかかる超音波振動接合装置は、前記移動手段は、前記共振器を支持する支持部と、前記支持部を前記第1の方向または前記第2の方向に切換え駆動する駆動機構と、前記共振器を前記第1の方向または第2の方向に加圧する加圧機構とを有することを特徴としている(請求項3)。
また、本発明にかかる超音波振動接合方法は、互いに重ね合わされた複数の被接合物の接合部に超音波振動を印加して前記被接合物の接合を行う超音波振動接合方法において、共振器を少なくとも異なる2方向に移動する移動手段により共振器を第1の方向に移動して第1の接合位置において前記共振器に設けられた接合手段を前記被接合物に当接させることで超音波振動を前記接合部に印加し、前記移動手段により前記共振器を第2の方向へ移動して第2の接合位置において前記接合手段を前記被接合物に当接させることで超音波振動を前記接合部に印加することを特徴とすることを特徴としている(請求項4)。
請求項1,4の発明によれば、移動手段による共振器の第1の方向への移動により、第1の接合位置において超音波振動が接合手段が被接合物に当接することにより前記接合部に印加され、移動手段による共振器の第2の方向への移動により、第2の接合位置において超音波振動が接合手段が被接合物に当接することにより印加されるため、被接合物の配置方向を大きく変更しなくとも、共振器を少なくとも異なる2方向に移動する移動手段を設けるという簡易な構成で簡単に複数の異なる方向に連続して超音波振動を印加することができる。
請求項2の発明によれば、固定手段により、移動手段による共振器の第1の方向への移動の際に、第1の接合位置に配置された被接合物の接合部の周辺が押さえられて保持され、移動手段による共振器の第2の方向への移動の際に、第2の接合位置に配置された被接合物の接合部の周辺が押さえられて保持されるため、超音波振動が接合部に印加される際に重ね合わされた複数の被接合物に位置ずれが生じるのを防止することができる。
また、固定手段により接合部の周辺が押さえられた状態で接合部に対して超音波振動が印加されるため、接合対象である接合部に印加するための超音波振動が周辺の接合済みの他の接合部に伝達されることが防止されるため、既に接合が完了した接合部にはがれなどが生じることを防止することができる。
請求項3の発明によれば、共振器を支持する支持部が第1の方向または第2の方向に駆動機構により切換え駆動され、共振器が第1の方向または第2の方向に加圧機構により加圧されるため、共振器の移動位置と、共振器に設けられて被接合物に当接する接合手段による被接合物への加圧力とを制御することができ実用的である。
本発明の第1実施形態における超音波振動接合装置の概略構成図である。 図1の共振器の概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の第1実施形態における被接合物の概略構成図である。 図3の被接合物の接合手順を示す説明図である。 図3の被接合物の接合手順を示す説明図である。 図3の被接合物の接合手順を示す説明図である。 図3の被接合物の接合手順を示す説明図である。 図3の被接合物の接合手順を示す説明図である。 図3の被接合物の接合手順を示す説明図である。 本発明の第2実施形態における超音波振動接合装置の部分概略構成図である。 図10に示す共振器の部分概略構成図である。 本発明の第3実施形態における超音波振動接合装置の部分概略構成図である。 図12の超音波振動接合装置の変形例である。 被接合物の一例を示す図である。 本発明の第4実施形態における超音波振動接合装置の要部拡大図である。
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態について図1ないし図9を参照して説明する。図1はこの発明にかかる超音波振動接合装置の概略構成図である。図2は図1に示す超音波振動接合装置が備える共振器の概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。また、図3は被接合物の概略構成図である。図4ないし図9は被接合物の接合手順を示す説明図である。
1.装置構成
図1に示す超音波振動接合装置1は、互いに重ね合わされた被接合物の接合部に超音波振動を印加して被接合物の接合を行うものであって、この実施形態では、対向配置された一方の被接合物である基板5aと基板5bとの間に他方の被接合物であるフィン6が配置されて、フィン6の接合部6aに超音波振動が印加されることにより基板5a,5bの接合面50a,50bそれぞれに、フィン6の接合部6a,6bが接合される。
超音波振動接合装置1は、基台10と、基台10上に設けられた駆動部11と、駆動部11に結合されたヘッド部12と、被接合物が配置される実装部13と、超音波振動接合装置1全体の制御を行う制御装置14とを備えている。
駆動部11は、基台10に設けられた支柱15と、駆動機構18と、駆動機構18に結合されて基台10の上方に配置された支持台16とを備えている。基台10には、駆動機構18を囲むように駆動機構18の周囲に4本の支柱15が配設されており、支持台16には、ガイド孔(図示省略)を有するガイド部17が支柱15に対応する4箇所に形成されている。そして、支持台16は、ガイド部17のガイド孔それぞれに支柱15が挿通されて基台10の上方に配置されており、駆動機構18が駆動されると、支持台16は、ガイド孔の内周面が支柱15の外周面に摺接するガイド部17によりガイドされて、基台10の上方を上下方向に移動する。
駆動機構18は、駆動モータ20と、駆動モータ20の回転軸に連結されたボールねじ21と、ボール21に螺合するガイド22と、ガイド22に設けられたカムフォロワ23とを備えている。また、ガイド22は、ボールねじ21に平行な水平方向への移動をガイドするLMガイド22a(Linear Motion ガイド)にガイドされて設けられている。したがって、駆動モータ20が励磁されて一方向に回転すると、ボールねじ21に螺合するガイド22はLMガイド22aに沿って駆動モータ10から離れる方向である前方に水平移動し、駆動モータ20の励磁電流が反転されて駆動モータ20が他方向に回転すると、ボールねじ21に螺合するガイド22はLMガイド22aに沿って駆動モータ10に近づく方向である後方に水平移動する。
また、駆動機構18は、ガイド22に設けられたカムフォロワ23の前方側に配設される板カム24aと、カムフォロワ23の後方側に配設される板カム24bとを備えている。また、板カム24aの後方側にはカムフォロワ23に前側上方からから当接する傾斜面が形成されており、板カム24bの前方側にはカムフォロワ23に後側下方から当接する傾斜面が形成されている。
また、板カム24aの前方側に形成された舌状面には上方への加圧を行うための上向きエアシリンダ25aが配設されており、支持台16の前側の下面と板カム24aとが上向きエアシリンダ25aを介して連結されている。
また、支持台16の後側の略中央部分が下方に折り曲げられることにより断面視略L字状の凹部26が形成され、板カム24bの後方側には断面視略コ字状の延長部27が形成されている。そして、断面視略ロ字状の空間が形成されるように、支持台16の略L字状の凹部26の上面と、板カム24bの略コ字状の延長部27の下面とが対向配置されて、延長部27の下面に配設された下方への加圧を行うための下向きエアシリンダ25bを介して、支持台16の凹部26と板カム24bの延長部27とが連結されている。
したがって、駆動モータ20が駆動されてカムフォロワ23(ガイド22)が前方に移動すると、板カム24aの傾斜面がカムフォロワ23に押圧されることにより板カム24aが上方に移動して、板カム24aと板カム24aに連結されている支持台16と支持台16に連結されている板カム24bとが一体的に上方に移動する。
また、駆動モータ20が駆動されてカムフォロワ23(ガイド22)が後方に移動すると、板カム24bの傾斜面がカムフォロワ23に押圧されることにより板カム24bが下方に移動して、板カム24bと、板カム24bに連結されている支持台16と、支持台16に連結されている板カム24aとが一体的に下方に移動する。
すなわち、ガイド22の前後方向への移動が、ガイド22に形成されたカムフォロワ23と板カム24a,24bとにより支持台16の上下方向への移動に変換されることにより、支持台16は駆動機構18により上方向また下方向に切換え駆動される。
なお、支持台16にはリニアエンコーダなどにより形成される高さ検出手段28が設けられており、高さ検出手段28により、支持台16の高さを検出することができる。
ヘッド部12は、支持台16の前方側の上面に設けられた共振器支持台30と、共振器支持台30上に形成された共振器支持部31と、共振器支持部31により支持される共振器32と、共振器32の後方側の一端に連結された振動子33と、共振器32の前方側の他端に並設されたストリッパーユニット34,35とを備えている。
図2(a)に示すように、共振器32は、共振器32のほぼ中央の位置f2と、両端位置f0およびf4とが最大振幅点となるように、共振周波数の一波長の長さで形成されている。このとき、最大振幅点から1/4波長離れた位置f3およびf1は、最小振幅点に相当する。また、共振器32は、前方から見た断面形状がほぼ円形状である円柱状に形成されている。また、共振器32の位置f3よりも前方側では上方視において先細りとなるように他端側に向かって両側面がテーパ状に削られており、共振器32の位置f4における前方視形状が上下に細長い略長方形状に形成されている。
また、共振器32の最小振幅点である位置f3およびf1は、他の箇所よりも直径が小さく形成されており、これにより、共振器32の位置f3およびf1に、外周面に沿った凹状の被支持部(図示省略)が形成されている。なお、この実施形態では、前記被支持部は、共振器32の中心軸に直交する断面形状が八角形となるように形成されているが、前記被支持部の断面形状としては、八角形に限られず、円形状やその他の多角形状に形成してもよい。
そして、共振器32の他端(位置f4)の前方視形状である長方形の長軸が前方視で上下方向に配置されるように、前記被支持部が共振器支持部31によりクランプされて共振器32が支持される。なお、共振器32を共振器支持部31に固定する方法は、クランプ部材で前記被支持部をクランプしてボルトで固定したり、電気制御可能に構成された機械的なクランプ機構やワンタッチで取り付け可能なクランプ機構などにより前記被支持部をクランプするなど、共振器32を確実に支持固定することができればどのようなものであってもよい。
そして、共振器32の一端(位置f0)には、共振器32の中心軸と同軸になるように振動子33が連結されており、共振器32は、制御装置14に制御された振動子33から発振される超音波振動に共振して中心軸方向に振動する。
また、共振器32の他端(位置f4)の上側および下側には、被接合物に当接することにより共振器32の超音波振動を被接合物の接合部に印加する接合ツール36a,36b(本発明の「接合手段」に相当)が設けられている。
接合ツール36a,36bは、この実施形態では、共振器32と同じ材質の金属により形成されて、熱硬化型樹脂等によって共振器32に接着されているが、共振器32から直接削り出して形成してもよい。また、接合ツール36a,36bを超硬タングステンカーバイト、セラミックス、ダイヤモンド等、金属以外の材質により形成してもよく、形成された接合ツール36a,36bを、Ni、Cu、Ag等の金属ろうによって共振器32に接着してもよい。
そして、接合ツール36aは、駆動部11による共振器32(支持台16)の上方への移動により、第1の接合位置において超音波振動をフィン6の接合部6aに印加し、接合ツール36bは、駆動部11による共振器32(支持台16)の下方への移動により、第2の接合位置において超音波振動をフィン6の接合部6bに印加する。
なお、駆動部11による支持台16の上下移動により、共振器32の軸の位置の高さは、所定の待機位置から上下方向に30mm程度の幅で移動することができ、駆動部11および支持台16が本発明における移動手段、支持部にそれぞれ相当する。
また、駆動モータ20が駆動されることによりガイド22が前方に移動して支持台16が上方に移動することにより、接合ツール36aが上方の被接合物に接触すると、支持台16の上方への移動は停止するが、板カム24aはガイド22の前方への移動に伴いさらに上方に移動する。したがって、上向きエアシリンダ25aが支持台16の下面と板カム24aの舌状面とに狭持されて、上向きエアシリンダ25aのピストンシャフトが上向きエアシリンダ25a内に没入するため、このピストンシャフトの上向きエアシリンダ25a内への没入量をフォトインタラプタなどのセンサにより監視することにより、接合ツール36aの上方の被接合物への接触を検出することができる。
また、駆動モータ20が駆動されることによりガイド22が後方に移動して支持台16が下方に移動することにより、接合ツール36bが下方の被接合物に接触すると、支持台16の下方への移動は停止するが、板カム24bはガイド22の後方への移動に伴いさらに下方に移動する。したがって、下向きエアシリンダ25bが支持台16の凹部26と板カム24bの延長部27とに狭持されて、下向きエアシリンダ25bのピストンシャフトが下向きエアシリンダ25b内に没入するため、このピストンシャフトの下向きエアシリンダ25b内への没入量をフォトインタラプタなどのセンサにより監視することにより、接合ツール36bの下方の被接合物への接触を検出することができる。
また、図2(a)に示すように、共振器32を挟んだ両側にストッパーユニット34,35が配設されている。ストリッパーユニット34は、接合ツール36a,36bと並設する先端位置にウレタンゴムなどにより形成される固定ツール37a,37bを備え、同様に、ストリッパーユニット35は、接合ツール36a,36bと並設する先端位置にウレタンゴムなどにより形成される固定ツール38a,38bを備えている。
また、ストリッパーユニット34,35はそれぞれエアシリンダ(図示省略)を備えており、ストリッパーユニット34,35は、エアシリンダが駆動されることにより共振器32の上下移動とは独立して上下移動する。そして、ストリッパーユニット34,35は、駆動部11による共振器32の上方への移動の際に、上方の第1の接合位置に配置されたフィン6の接合部6aの周辺を固定ツール37a,38aにより押さえて保持し、ストリッパーユニット34,35により接合部6aが保持された状態で、接合ツール36aが接合部6aに当接することにより接合部6aに超音波振動が印加されて、接合部6aが基板5aの接合面50aに接合される。
また、ストリッパーユニット34,35は、駆動部11による共振器32の下方への移動の際に、下方の第2の接合位置に配置されたフィン6の接合部6bの周辺を固定ツール37b,38bにより押さえて保持し、ストリッパーユニット34,35により接合部6bが保持された状態で、接合ツール36bが接合部6bに当接することにより接合部6bに超音波振動が印加されて、接合部6bが基板5bの接合面50bに接合される。なお、ストリッパーユニット34、35が本発明における固定手段に相当する。
実装部13は、基台10上に、下ステージ40と、下ステージテーブル41と、上ステージ45と、上ステージテーブル46とを備えている。下ステージ40および上ステージ45それぞれは、被接合物である基板5b、5aを保持する保持機構(図示省略)を備えている。この実施形態では、下ステージ40および上ステージ45には、真空吸着による保持機構が設けられているが、保持機構は静電吸着を利用したものや、その他の保持機構等でもよい。
また、下ステージテーブル41および上ステージテーブル46は、平行・回転移動自在な移動軸を備え、下ステージ40および上ステージ45を平行・回転移動することにより共振器32の接合ツール36a,36bに対する基板5a,5bの位置を調整する。
制御装置14は、高さ検出手段28によるヘッド部12の高さ位置の検出信号によって駆動部11の駆動モータ20を制御して、ヘッド部12の高さをフィードバック制御する。すなわち、高さ検出手段28の検出信号に基づいて制御装置14により駆動モータ20が駆動されてガイド22が前方に移動すると、板カム24aの傾斜面がカムフォロワ23により前方に押圧されてカムフォロワ23と傾斜面とが摺接することによりヘッド部12が上方に移動し、ガイド22が後方に移動すると、板カム24bの傾斜面が後方に押圧されてカムフォロワ23と傾斜面とが摺接することによりヘッド部12が下方に移動する。
また、制御装置14は、上向きエアシリンダ25a、下向きエアシリンダ25bに配設された電空変換器(図示せず)を制御して、上向きエアシリンダ25a、下向きエアシリンダ25bにエアを供給して、共振器32を上方または下方に加圧することにより、接合ツール36a,36bによる基板5a,5bおよびフィン6の接合部6a,6bに対する加圧力を調整する。すなわち、共振器32の接合ツール36a,36bとフィン6の接合部6a,6bとが接触した後、上向きエアシリンダ25a、下向きエアシリンダ25bに配設された電空変換機(図示せず)によって上向きエアシリンダ25a、下向きエアシリンダ25bにエアが供給され、支持台16がさらに上昇または下降されて、フィン6の接合部6a、6bに所定の加圧力が加えられる。
また、制御手段14は、下向きエアシリンダ25bによる共振器32の下方への加圧の際に、支持台16およびヘッド部12の自重をキャンセルするために上向きエアシリンダ25aにエアを供給する。このようにすれば、共振器32による下方への加圧の際、支持台16およびヘッド部12の自重は上向きエアシリンダ25aによる上向きの加圧力によりキャンセルされるため、共振器32には下向きエアシリンダ25bにエア供給が行われることによる加圧力のみが加えられるので、共振器32による被接合物(接合部6b)への加圧力を精度よく制御することができる。
また、制御装置14は、超音波振動接合装置全体の制御を行うための操作パネル(図示省略)を備えており、振動子33へ印加される電圧値および/または電流値より求められる超音波振動エネルギーや、ストリッパーユニット34,35に配設されたエアシリンダの動作等を制御する。以上のように、上向きエアシリンダ25aおよび下向きエアシリンダ25bは本発明の加圧機構に相当する。
2.被接合物の構成
次に、被接合物について説明する。図3に一方の被接合物である基板5a,5bおよび他方の被接合物であるフィン6の概略構成図を示す。なお、被接合物は、接合後、ヒートシンクとして使用されるものである。
基板5a,5bおよびフィン6は、鉄やアルミニウムなどの金属により形成されており、図3に示すように、基板5a,5bはそれぞれの接合面50a,50b同士が対向するように配置され、基板5a,5bの間に、被接合物であるフィン6が複数個配置される。そして、基板5aの接合面50aに各フィン6の接合部6aが順に所定の位置に接合され、基板5bの接合面50bに各フィン6の接合部6bが順に所定の位置に接合される。
3.接合動作
次に、基板5aの接合面50aおよびフィン6の接合部6a、基板5bの接合面50bおよびフィン6の接合部6bを超音波振動により接合する一連の動作について説明する。なお、図4ないし図9では、基板5a,5b、フィン6、共振器32の位置関係のみを示し、装置のその他の部分は図示を省略している。
まず、被接合物である基板5aおよびフィン6が実装部13に設置される。基板5aは、図示を省略した搬送装置により上ステージ45に供給され、吸着保持される。そして、接合部分が共振器32の接合ツール36aの位置に対応するように、基板5aが接合ツール36aの上方の第1の接合位置に配置される。なお、基板5aと接合ツール36aとの位置合わせは、基板5aと接合ツール36aとの間に2視野光学系レンズを備えたカメラなどにより形成される位置検出手段(図示せず)が導入されることによる基板5aおよび接合ツール36aの相対的な位置に基づいて、上ステージ45が上ステージテーブル46により平行・回転移動されることで基板5aの位置が調整される。
次に、図4に示すように、基板5aの下方に、図示を省略した搬送装置によりフィン6が搬送され、フィン6の接合部6aが基板5aの接合面50aの所定位置に配置される。そして、図5に示すように、図示を省略したエアシリンダによりストリッパーユニット34,35が上昇されて、固定ツール37a,38aが図5におけるフィン6の接合部6aの下面に接触する。このとき、固定ツール37a,38aは、接合ツール36aにより超音波振動が印加される位置を両側から挟むように接合部6aの下面に接触して、フィン6の接合部6aと基板5aとを下方から上方に向けて押さえて固定する。なお、このときのストリッパーユニット34,35によるフィン6および基板5aへの加圧力は、一例として50N程度である。
その後、図6に示すように、駆動部11に設置された駆動モータ20が制御装置14により制御されることにより共振器32が上昇する。そして、共振器32の接合ツール36aがフィン6の接合部6aに当接すると、制御装置14により駆動モーター20の動作が停止される。
さらに、制御装置14により電空変換器(図示せず)が制御されて上向きエアシリンダ25aにエアが供給され、基板5aの接合面50aおよびフィン6の接合部6aが所定の加圧力で加圧される。このときの共振器32によるフィン6の接合部6aと基板5aへの加圧力は、接合箇所の面積の大きさに応じて200N〜2000Nの間で調整され、接合箇所の面積が小さければ例えば200N程度の加圧力に調整され、接合箇所の面積が大きければ例えば1500N程度の加圧力に調整される。なお、図6では、ストリッパーユニット34は図示を省略している。
その後、制御装置14により振動子33が制御されて、基板5aおよび接合部6aへの超音波振動の印加が開始され、接合中は、制御装置14により、例えば、振動子33に印加される電流値および電圧値から求められる超音波振動エネルギー、共振器32の振動振幅および加圧力の監視と制御が行われる。
接合が終了すると、上向きエアシリンダ25aによる加圧が解除され、図7に示すように、共振器32およびストリッパーユニット34,35が所定の位置に下降される。そして、次の接合位置が共振器32の接合ツール36aの上方に配置されるように、実装部13により基板5aおよびフィン6が移動される。その後、再びストリッパーユニット34,35が上昇されて基板5aとフィン6の接合部6aとが固定される。そして、制御装置14により駆動部11の駆動モータ20が制御され、共振器32が上昇されて、上記したのと同様の接合動作が行われる。
そして、基板5aおよびフィン6の接合部6aに設定された複数の接合位置の全てが接合されると、図7に示すように、共振器32およびストリッパーユニット34,35が所定の位置に再び下降される。
次に、被接合物である基板5bが実装部13に設置される。基板5bは、図示を省略した搬送装置により下ステージ40に供給され、基板5bの所定の接合位置とフィン6の接合部6bの所定の接合位置とが対応するように、下ステージ40に吸着保持される。なお、下ステージ40の下ステージテーブル41が平行・回転移動することにより、基板5bの位置調整が行われる。
そして、図8に示すように、図示を省略したエアシリンダによりストリッパーユニット34,35が下降され、固定ツール37b,38bがフィン6の接合部6bの上面に接触される。このとき、固定ツール37b,38bは、接合ツール36bにより超音波振動が印加される位置を両側から挟むようにフィン6の接合部6bの上面に接触する。そして、フィン6の接合部6bと基板5bとが上方から下方に向けて押さえて固定される。なお、このときのストリッパーユニット34,35によるフィン6および基板5bへの加圧力は、一例として50N程度である。
その後、図9に示すように、駆動部11に設置された駆動モータ20が制御装置14により制御されることにより共振器32が下降する。そして、共振器32の接合ツール36bがフィン6の接合部6bに当接すると、制御装置14により駆動モーター20の動作が停止される。
次に、制御装置14により電空変換器(図示せず)が制御されて下向きエアシリンダ25bにエアが供給され、基板5bの接合面50bおよびフィン6の接合部6bが所定の加圧力で加圧される。このときの共振器32によるフィン6の接合部6bおよび基板5bへの加圧力は、接合箇所の面積の大きさに応じて200N〜2000Nの間で調整され、接合箇所の面積が小さければ例えば200N程度の加圧力に調整され、接合箇所の面積が大きければ例えば1500N程度の加圧力に調整される。なお、図6では、ストリッパーユニット34は図示を省略している。
その後、制御装置14により、振動子33が制御されて超音波振動接合が開始される。そして、基板5bおよびフィン6の接合部6bが全ての接合位置において接合されると、図7に示すように、共振器32およびストリッパーユニット34,35が所定の位置に下降される。
さらに、基板5a,5bに接合される新たなフィン6が搬送装置(図示せず)により基板5aおよび基板5bの間の所定位置に搬送され、上記したのと同様にフィン6の接合が繰り返され、複数個のフィン6が基板5a,5bに接合される。
そして、所定数のフィン6が基板5a,5bに接合されると、下ステージ40および上ステージ45の吸着が解除され、図示を省略した搬送装置(図示せず)により基板5a,基板5bおよびフィン6が実装された状態で排出されて、一連の接合動作が終了する。
以上のように、上記した実施形態によれば、駆動部11による共振器32の上方(第1の方向)への移動により、第1の接合位置において超音波振動が接合ツール36aが当接することにより基板5aおよび接合部6aに印加され、駆動部11による共振器32の下方(第2の方向)への移動により、第2の接合位置において超音波振動が接合ツール36bが当接することにより基板5bおよび接合部6bに印加されるため、基板5a,5bおよびフィン6の配置方向を大きく変更しなくとも、共振器32を上下方向に移動する駆動部11を設けるという簡易な構成で簡単に複数の異なる方向に連続して超音波振動を印加することができる。
したがって、基板5a,5bおよびフィン6の配置方向を大きく変更することなく、共振器32の上方向への移動時に第1の接合位置に配置された基板5aおよびフィン6の接合部6aを接合し、共振器32の下方向への移動時に第2の接合位置に配置された基板5bおよびフィン6の接合部6bを接合することができるので、簡単に上下連続して基板5a,5bおよびフィン6を接合することができ、被接合物の接合部が共振器32を挟んで上下に配置された場合であっても、簡単に被接合物を接合することができる。
また、ストリッパーユニット34,35の固定ツール37a,38aにより、駆動部11による共振器32の上方への移動の際に、第1の接合位置に配置されたフィン6の接合部6aの周辺が押えられて保持され、ストリッパーユニット34,35の固定ツール37b,38bにより、駆動部11による共振器32の第2の方向への移動の際に、第2の接合位置に配置されたフィン6の接合部6bの周辺が押えられて保持されるため、超音波振動が接合部6a,6bに印加される際に重ね合わされた複数の基板5a,5bおよびフィン6に位置ずれが生じるのを防止することができる。
また、ストリッパーユニット34,35により接合部6a,6bの接合位置周辺が押さえられた状態で接合部6a,6bに対して超音波振動が印加されるため、接合対象である接合部6a,6bに印加するための超音波振動が周辺の接合済みの箇所に伝達されることが防止されるため、既に接合が完了した箇所にはがれなどが生じることを防止することができる。
また、共振器32を支持する支持台16が上方または下方に駆動機構18により切換え駆動され、共振器32が上方に上向きシリンダ25aにより加圧され、共振器32が下方に下向きシリンダ25bにより加圧されるため、駆動機構18により共振器32が支持台16ごと高さ調整されて被接合物と共振器32の接合ツール36a,36bとが接触した後、上向きシリンダ25aまたは下向きシリンダ25bにより、接合ツール36a,36bにより被接合物に加えられる加圧力を簡便に調整することができる。したがって、共振器32の移動位置と、共振器32に設けられて被接合物に当接する接合ツール36a,36bによる被接合物への加圧力とを精度よく制御することができ実用的である。
なお、接合ツール36a,36bは共振器32の上下2箇所に限らず、共振器32の外周上に形成されていれば、位置や個数は適宜変更してもよい。
また、上方の第1の接合位置に配置された基板5aおよびフィン6の接合部6aの接合に先立って、下方の第2の接合位置に配置された基板5bおよびフィン6の接合部6bを先に接合してもよい。また、第1の接合位置に配置された基板5aおよびフィン6の接合部6aと第2の接合位置に配置された基板5bおよびフィン6の接合部6bとを交互に接合してもよい。
<第2実施形態>
この発明の第2実施形態について図10および図11を参照して説明する。図10は第2実施形態における超音波振動接合装置の部分概略構成図である。図11は図10に示す共振器の部分概略構成図である。以下、第1実施形態との相違点について詳細に説明する。なお、図10および図11において、図1ないし図9と同一符号は同一もしくは相当するものを示す。
この実施形態に示す超音波振動接合装置が第1実施形態と相違する点は、この実施形態のヘッド部50に設けられた共振器52が振動しながら中心軸を回転中心として所定の方向に回転することにより、共振器52に配設された接合ツール53により被接合物である基板55a,55bおよびフィン56の接合が行われる点である。
図10に示すように、この実施形態のヘッド部50は、共振器52と、接合ツール53と、共振器支持部60を備えている。
そして、図11に示すように、共振器52の外周には被支持部71が凹状に形成され、この被支持部71に共振器支持部60が嵌挿されて、共振器52が支持されている。すなわち、共振器支持部60は、2つに分割されて被支持部71に嵌挿されることで共振器52を狭持する嵌挿体75と、被支持部71に嵌挿された嵌挿体75の外周に嵌め込まれるボールベアリング78とを備えいる。そして、ボールベアリング78は、内周部76aと外周部76bと内周部76aおよび外周部76bの間に配置される球体77とを有し、内周部76a、外周部76b、球体77がそれぞれ摺接する。
そして、図10に示すように、駆動部11(図1参照)により、接合ツール53が重ね合わされた基板55bおよびフィン56の接合部56b上面における所定位置に接触するように下降され、基板55bとフィン56とが重ね合わされた状態で所定の加圧力で加圧され、超音波振動が印加される。
このとき、下ステージ40および上ステージ45は、図1に示す矢印Y方向に移動されるため、基板55bおよびフィン56の接合部56bを加圧する接合ツール53は、下ステージ40および上ステージ45の移動に伴い従動的に回転し、これにより、共振器52、嵌挿体75および内周部76aが接合ツール53と一緒に一体的に回転する。そして、下ステージ40および上ステージ45の移動に伴う基板55a,55bおよびフィン56の移動により、基板55bとフィン56の接合部56bの矢印Y方向に渡る接合箇所に回転する接合ツール53から連続的に超音波振動が印加されて、基板55bとフィン56の接合部56bとが接合される。
また、同様に、駆動部11(図1参照)により、接合ツール53が重ね合わされた基板55aおよびフィン56の接合部56a下面における所定位置に接触するように上昇され、基板55bとフィン56とが重ね合わされた状態で所定の加圧力で加圧され、超音波振動が印加される。
このとき、下ステージ40および上ステージ45は、図1に示す矢印Y方向に移動されるため、基板55aおよびフィン56の接合部56aを加圧する接合ツール53は、下ステージ40および上ステージ45の移動に伴い従動的に回転し、これにより、共振器52、嵌挿体75および内周部76aが接合ツール53と一緒に一体的に回転する。そして、下ステージ40および上ステージ45の移動に伴う基板55a,55bおよびフィン56の移動により、基板55aとフィン56の接合部56aの矢印Y方向に渡る接合箇所に回転する接合ツール53から連続的に超音波振動が印加されて、基板55baとフィン56の接合部56aとが接合される。
したがって、第2実施形態では、被接合物を所定位置で接合するごとに共振器52を被接合物に接触したり被接合物から離したりすることなく、接合ツール53の回転により、基板55a、55bとフィン56の接合部56a、56bとを連続的に効率よく接合することができる。
<第3実施形態>
この発明の第3実施形態について図12を参照して説明する。図12は第3実施形態における超音波振動接合装置の部分概略構成図である。以下、第1および第2実施形態との相違点について詳細に説明する。なお、図12において、図1ないし図9と同一符号は同一もしくは相当するものを示す。
図12に示すように、この実施形態における駆動部111は、ヘッド部150を上下方向に移動して共振器152の接合ツール153a,153bによる被接合物への加圧力を調整すると共に、ヘッド部150を左右方向に移動する駆動部118を備えている。
駆動部118は、ヘッド部150を挟んで上下に配置されるシャフトモータ120と、ヘッド部150を支持する支持部140連結されたシャフトモータ130とを備えている。シャフトモータ120は、水平方向に設けれたマグネットモータシャフト121と、マグネットモータシャフト121が挿通された筒状のモータコイル122とを有している。シャフトモータ130は、上下方向に設けられたマグネットモータシャフト131と、マグネットモータシャフト131が挿通された筒状のモータコイル132とを有している。また、シャフトモータ130のマグネットモータシャフト131の上下端を支持する基部133はそれぞれ上下に配置されたシャフトモータ120のモータコイル122に結合されている。
また、この実施形態では、マグネットモータシャフト121,131は、円筒状のステンレス筒内に磁石が配設されて形成されており、モータコイル122に制御装置14による制御により3相交流を通電することにより、モータコイル122を任意に左右方向に移動し、モータコイル132に3相交流を通電することにより、モータコイル132を任意に上下方向に移動することができる。
また、支持部140は、シャフトモータ130のモータコイル132に結合される基部141と、挿通孔(図示省略)にマグネットモータシャフト131が挿通されると共に、ロードセルなどにより形成される圧力検出手段143を介して基部141に連結された基部142とを備えている。
また、支持部140は、シャフトモータ130の上方の基部133と支持部140の基部142とを連結するエアシリンダ144を備えている。エアシリンダ144は、常に一定の力で基部142を上方に牽引するようにエア供給制御が行われることにより、基部142およびヘッド部150の自重をキャンセルする機能を有している。したがって、共振器152(基部142)はエアシリンダ144により上方に牽引された状態で支持部140に支持される。
また、圧力検出手段143は、圧縮方向および伸長方向の両方向への力を検出することができるものであって、これにより、接合ツール153aによる下方の被接合物への加圧力と、接合ツール153bによる上方の被接合物への加圧力とを圧力検出手段143により検出することができる。
また、駆動機構118は、モータコイル122,132のマグネットモータシャフト121,131に対する相対的な位置を検出して、モータコイル122,132の位置検出信号を制御装置14に出力する位置センサ(図示省略)を備えている。このような位置センサとしては、種々のリニアセンサを採用することができるが、例えば、位置センサとして磁気センサを採用すれば、位置センサは、モータコイル122,132の移動に伴う磁気の変化を計測することで、モータコイル122,132の位置を検出できる。
また、マグネットモータシャフト121,131にリニアスケールを設け、このリニアスケールを位置センサにより読取ることで、モータコイル122,132の位置を検出するように構成することもできる。以上のように、位置センサとしては、マグネットモータシャフト121,131に対するモータコイル122,132の位置を確実に検出できるものであれば、どのようなものを採用してもよい。
このように構成すれば、駆動機構118は、位置センサによるモータコイル122の位置検出信号がフィードバックされることによる制御装置14による制御に基づいてモータコイル122が通電されることにより、支持部140に支持されたヘッド部150を左右方向において任意の位置に移動制御することができ、位置センサによるモータコイル132の位置検出信号がフィードバックされることによる制御装置14による制御に基づいてモータコイル132が通電されることにより、支持部140に支持されたヘッド部150を上下方向において任意の位置に移動制御することができる。
また、駆動機構118は、圧力検出手段143の検出信号がフィードバックされることによる制御手段14による制御に基づいて、接合ツール153aによる下方の被接合物への加圧力を制御することができ、接合ツール153bによる上方の被接合物への加圧力を制御することができる。以上のように、駆動機構118は本発明の加圧機構として機能している。
次に、第3実施形態の変形例について図13を参照して説明する。図13は図12の超音波振動接合装置の変形例である。以下、第3実施形態との相違点について詳細に説明する。なお、図13において、図12と同一符号は同一もしくは相当するものを示す。
図13に示すように、この変形例におけるヘッド部250は、第2実施形態における共振器52とほぼ同様の構成を有し、前方視が円形状の接合ツール253が設けられた共振器252を備えている。そして、第2実施形態と同様に、共振器252の中心軸を回転中心として回転できるように、共振器252は支持部240により支持されている。
また、この変形例では、共振器252に並設されたストリッパーユニット145がさらに設けられている。このストリッパーユニット145が上記したストリッパーユニット34,35と異なる点は、ストリッパーユニット145先端の接合ツール253と並設する位置に設けられた固定ツール145aが、前方視で円形状を有し、共振器252の回転軸に平行な回転軸を回転中心として回転自在に形成されている点である(図13中の矢印参照)。
このように形成されたストリッパーユニット145によれば、接合ツール253により超音波振動を印加する際に被接合物の接合部位の周囲を固定ツール145aで押圧することにより、共振器242が回転しながら左右方向に移動するときは、ストリッパーユニット145の固定ツール145aは、接合ツール253と被接合物との当接部位の周囲を回転しながら常に押圧することができる。
以上のように、第3実施形態によれば、ヘッド部150,250を上下方向に加えて左右方向にも任意に移動することができるので、被接合物の配置方向を大きく変更しなくとも、上下の複数の位置において超音波振動を被接合物に印加することができる。例えば、図14に示すように、上下面に陽極および陰極を有する太陽電池セル206を電極シート207により直列に接続する際に、まず、同図(a)に示すように、上面側の太陽電池セル206の陽極および電極シート207を接合し、同図(b)に示すように、太陽電池セル206および電極シート207と接合ツール253(接合ツール153a,153b)との上下方向における配置関係のみを入換えて、下面側の太陽電池セル206の陰極および電極シート207を容易に接合することができる。なお、図14は被接合物の一例を示す図である。
<第4実施形態>
この発明の第4実施形態について図15を参照して説明する。図15は第4実施形態における超音波振動接合装置の要部拡大図である。以下、第1実施形態との相違点について詳細に説明する。なお、図15において、図1ないし図14と同一符号は同一もしくは相当するものを示す。
図15に示すように、この実施形態におけるヘッド部350は共振器352を備え、共振器352の先端には異なる2方向に超音波振動を印加できるように接合ツール353a,353bが上下に形成されている。また、矩形状の挿通窓345bが形成された固定ツール345aを有するストリッパーユニット345が、固定ツール345bの挿通窓345bに接合ツール353aが挿通されることで接合ツール353aを囲んで設けられている。なお、接合ツール353b側にもストリッパーユニットが設けられているが、その構成および動作は接合ツール353a側に設けられたストリッパーユニット345の構成および動作と同一であるため、図示省略してその構成および動作の説明は省略する。
また、ストリッパーユニット345は、エアシリンダなどにより形成される移動部(図示省略)を備えており、移動部により固定ツール345aは共振器352の上下動とは独立して上下移動する。そして、接合ツール353aにより被接合物の接合部へ超音波振動を印加するために共振器352が移動する際に、ストリッパーユニット345は、超音波振動の印加対象である接合部の周りを固定ツール345aにより囲んで押さえることにより被接合物を保持する。
また、ストリッパーユニット345の固定ツール345aの外側面と挿通窓345bの内側面とを連通する吸引穴345cが固定ツール345aに形成されている。そして、外部に設けられた吸引ユニット(図示省略)により吸引穴345cから吸引することで、接合ツール353aによる超音波振動接合の際に生じるゴミや塵などが、接合ツール353aの外側面と、挿通窓345bの内側面との間の空間を介して吸引除去される。
以上のように、第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、接合の際に生じるゴミや塵などを吸引ユニットにより吸引除去することができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、上記した構成をどのように組合わせてもよい。
例えば、上記した第1実施形態では、接合手段である接合ツール36a,36bは共振器32の上下2箇所に形成されているが、上下2箇所に限らず、共振器32の外周上に形成されていれば、位置や個数は適宜変更してもよく、共振器を少なくとも異なる2方向に移動する移動手段により共振器が移動されたときに、被接合物の接合部に超音波振動を印加できるように接合ツールを形成すればよい。
また、固定手段であるストリッパーユニット34,35は、上記した実施形態で説明した構成に限られず、その他の機構、形状、材質であってもよい。例えば、共振器32の両側に配設された構成でなくても、重ね合わされた被接合物同士を固定するものであればよい。また、固定ツール37a,37b,38a,38bの材質はウレタンゴムに限られず、その他の材質であってもよい。また、例えばストリッパーユニット34,35全体が制振合金等によって形成されると、ストリッパーユニット34,35自体の振動を抑制して、耐久性の向上等を図ることができる。
また、移動手段は、上記した駆動部11,111のような構成に限られず、その他の構成であってもよく、共振器の移動手段による移動方向は、上下方向および左右方向に限られず、斜め方向に移動するように構成してももちろんよい。また、上向きシリンダ25a、下向きシリンダ25bは、上記したようなエアシリンダに限られず、その他の流体を用いるものであってもよい。また、上向きシリンダ25aおよび下向きシリンダ25bに換えて、リニアモータなどにより加圧機構を形成してもよい。
また、共振器32,52,152,252の形状、材質、大きさ等は、上記した実施形態に示したものに限られず、どのようなものであってもよく、その中心軸方向の大きさは、共振周波数の1波長の長さに限られず、どのような長さであってもよい。
さらに、下ステージ40や上ステージ45にヒーターを備え、被接合物を加熱しながら被接合物同士を超音波振動接合してもよい。なお、ヒーターはコンスタントヒート方式やパルスヒート方式等どのような方式のものであってもよい。
この場合には、超音波振動によるエネルギーと、加熱によるエネルギーとの2つのエネルギーが併用されるため、効率よく発生する接合エネルギーによって被接合物同士を接合することができる。また、制御装置14により、加圧力および超音波振動エネルギーと共に加熱温度や加熱タイミング等を適宜制御することにより、より少ない加圧力や超音波振動エネルギーで、また、短時間で被接合物同士を接合することができる。したがって、デバイス作成時に被接合物に過剰な加圧力や超音波振動エネルギーを印加することで被接合物に破損等が生じるのを防止することが可能である。
また、上記した第3実施形態において、共振器の左右方向への移動により、左右方向に配置された被接合物の接合部に超音波振動を印加して被接合物を接合する接合ツールをさらに設けてもよい。このとき、シャフトモータ130のマグネットモータシャフト131の上下端を支持する基部133の適当な位置に支持部140,240と同様に圧力検出手段を設けることにより、接合ツールが左右に配置された被接合物に接触したことを検出するようにすればよい。
また、上記した第3実施形態において、ヘッド部150,250を、支持部140およびシャフトモータ130と同様の構成により、左右両側から支持するようにしてもよい。このようにすれば、2つのシャフトモータ130により、被接合物に対する加圧力を増大することができる。
また、上記した第3実施形態の変形例におけるストリッパーユニット145と同様の構成を有するストリッパーユニットを、第2実施形態における超音波振動接合装置にさらに設けてもよい。
また、上記した実施形態では、共振器とストリッパーユニットとが独立して駆動されるように構成されているが、ストリッパーユニットを支持部により共振器と一緒に支持することで、共振器とストリッパーユニットとが一緒に移動するように構成してもよい。このとき、ストリッパーユニットは、固定ツールが、共振器の移動方向において接合ツールの先端よりも突出する第1の位置と、接合ツールの先端とほぼ同じか接合ツールの先端よりも少し共振器寄りの第2の位置との間で共振器に対して移動自在に支持手段に支持されると共に、固定ツールは、ばねなどの付勢手段により第1の位置の方向に付勢されて第1の位置に移動している。
このように構成すると、共振器と一緒に支持部に支持されたストリッパーユニットの固定ツールは、被接合物の接合部に超音波振動を印加する際に共振器と一緒に接合部の方向に移動されるが、固定ツールは、付勢手段により付勢されて接合ツールの先端よりも突出する第1の位置に移動しているため、固定ツールは、被接合物の接合部の周辺に接合ツールよりも先に当接する。固定ツールが被接合物に当接した後は、共振器がさらに接合部の方向に移動されるのに連れて、固定ツールは接合部の周辺を付勢手段の付勢力により押圧しつつ、当該付勢力に抗して第2の位置の方向へ移動する。そして、接合ツールの先端が接合部に当接すれば共振器の移動が停止されると共に、付勢手段により被接合物の方向(第1の位置の方向)に付勢された固定ツールで接合部の周辺が押圧された状態で接合部に接合ツールから超音波振動が印加される。
1 超音波振動接合装置
5a,5b,55a,55b 基板(被接合物)
6,56 フィン(被接合物)
11,111 駆動部(移動手段)
14 制御装置
16 支持台(支持部)
18 駆動機構
25a 上向きエアシリンダ(加圧機構)
25b 下向きエアシリンダ(加圧機構)
32,52,152,252 共振器
33 振動子
34,35 ストリッパーユニット(固定手段)
36a,36b,53,153a,153b,253 接合ツール(接合手段)
118 駆動機構(加圧機構)
140,240 支持部
206 太陽電池セル(被接合物)
207 電極シート(被接合物)

Claims (4)

  1. 互いに重ね合わされた複数の被接合物の接合部に超音波振動を印加して前記被接合物の接合を行う超音波振動接合装置において、
    一端に振動子が連結されて前記振動子の超音波振動に共振する共振器と、
    前記共振器の他端に設けられて前記被接合物に当接することにより前記共振器の超音波振動を前記接合部に印加する接合手段と、
    前記共振器を少なくとも異なる2方向に移動する移動手段とを備え、
    前記接合手段は、前記移動手段による前記共振器の第1の方向への移動により、第1の接合位置において超音波振動を前記接合部に印加し、前記移動手段による前記共振器の第2の方向への移動により、第2の接合位置において超音波振動を前記接合部に印加することを特徴とする超音波振動接合装置。
  2. 前記移動手段による前記共振器の前記第1の方向への移動の際に、前記第1の接合位置に配置された前記被接合物の前記接合部の周辺を押さえて保持し、前記移動手段による前記共振器の前記第2の方向への移動の際に、前記第2の接合位置に配置された前記被接合物の前記接合部の周辺を押さえて保持する固定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動接合装置。
  3. 前記移動手段は、前記共振器を支持する支持部と、前記支持部を前記第1の方向または前記第2の方向に切換え駆動する駆動機構と、前記共振器を前記第1の方向または第2の方向に加圧する加圧機構とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の超音波振動接合装置。
  4. 互いに重ね合わされた複数の被接合物の接合部に超音波振動を印加して前記被接合物の接合を行う超音波振動接合方法において、
    共振器を少なくとも異なる2方向に移動する移動手段により共振器を第1の方向に移動して第1の接合位置において前記共振器に設けられた接合手段を前記被接合物に当接させることで超音波振動を前記接合部に印加し、前記移動手段により前記共振器を第2の方向へ移動して第2の接合位置において前記接合手段を前記被接合物に当接させることで超音波振動を前記接合部に印加することを特徴とする超音波振動接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104972215A (zh) * 2015-06-30 2015-10-14 柳州金茂机械有限公司 使用激振器振动焊接工艺
JP7492531B2 (ja) 2019-03-15 2024-05-29 ヘルマン ウルトラシャルテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト ソノトロードと対向要素との接触又は離脱を検出する方法

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