JP2012021503A - Oil jet for cooling piston - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エンジンブロックに取り付けられピストンに向けて加圧オイルを噴射するピストン冷却用オイルジェットに関するものである。 The present invention relates to a piston cooling oil jet that is attached to an engine block and injects pressurized oil toward a piston.
従来のピストン冷却用オイルジェットでは、エンジンブロック内に設けられることから過酷な温度環境や加圧環境で機能する必要上、全体が金属で構成されているのが一般的である(下記特許文献1〜4)。 Since the conventional piston cooling oil jet is provided in the engine block, it is generally required that it functions in a harsh temperature environment or a pressurized environment. ~ 4).
ところが、燃費向上の要請からエンジンにも軽量化が求められる近年においては、ピストン冷却用オイルジェットについても軽量化に向けての開発設計が試行錯誤されており、その成果として、本願出願人は、その一部が合成樹脂からなるピストン冷却用オイルジェットを提案している(特願2009−248204号)。 However, in recent years where weight reduction is also required for engines due to demands for improving fuel efficiency, development design for piston cooling oil jets has also been trial and error, and as a result, the applicant of the present invention, A piston cooling oil jet, a part of which is made of synthetic resin, has been proposed (Japanese Patent Application No. 2009-248204).
ここで、本願出願による特願2009−248204号の明細書等に開示される「ピストン冷却用オイルジェット」の概要を図22に基づいて説明する。図22(A)に示すように、オイルジェット910は、円筒部921および基部922からなる本体部920とこの基部922に一体に形成されるブラケット部940とから構成されている。これらはバルブユニット930、ノズル937および金属カラー941を除いて合成樹脂からなる。
Here, an outline of the “piston cooling oil jet” disclosed in the specification of Japanese Patent Application No. 2009-248204 of the present application will be described with reference to FIG. As shown in FIG. 22A, the
即ち、ノズル937およびカラー941は、射出成形の際に基部922やブラケット部940にインサートされて成形され、またバルブユニット930は、組立工程において、バルブシート931、ボール933およびバネ935により構成されるバルブユニット930を円筒部921内に組み付けた後、円筒部921の開口端の内径が縮径するように加熱変形させることでバルブシート931が抜け出ないようにカシメ固定している。なお、図22においてノズル937は、その先端部が省略されている。
That is, the
このようにオイルジェット910を構成し、さらに合成樹脂の材料を所定のものに設定することで、軽量でしかも製造性に優れたオイルジェットの提供を可能にしている。
By configuring the
しかしながら、このようなオイルジェットによると、図22(B)に示すように、ブラケット部940は図略のエンジンブロックの方向αに向けてボルトで固定される一方で、オイルジェット910の円筒部921は、加圧入力される油圧によってブラケット部940の固定方向αとは反対の方向βに押される。
However, according to such an oil jet, as shown in FIG. 22B, the
すると、樹脂製のブラケット部940と金属カラー941との接合部(一点鎖線円γ内)に大きな応力が発生することから、図22(C)に示すようなクラックCKが当該接合部に生じたり、クリープ現象により図22(B)に示す方向δに本体部20が変形する可能性がある。そしてこのようなクラックや変形は、エンジンブロックとオイルジェットとの間に隙間を形成し易いことから、エンジンブロックからオイルが漏れたり、ノズル937から噴射される冷却オイルの目標的中精度が低下し得るという問題がある。
Then, since a large stress is generated at the joint portion (inside the one-dot chain line circle γ) between the
また、図22に示すオイルジェットによると、ノズル937に加えて金属カラー941もインサート成形する必要があることから、射出成形時の金型構造が複雑になり易く設備コストの増加を招くという問題もある。
In addition, according to the oil jet shown in FIG. 22, since it is necessary to insert-mold the
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、軽量でありながら適切なオイル噴射を可能にし得るピストン冷却用オイルジェットを提供することを目的とする。 The present invention has been made to solve the above-described problems, and an object of the present invention is to provide a piston cooling oil jet that can enable appropriate oil injection while being lightweight.
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項1の技術的手段を採用する。この手段によると、合成樹脂製のオイルジェット本体部は、エンジンブロックに取り付けられた状態で一端側が連結される流路の延長軸上に他端側が位置し、このオイルジェット本体部の他端側をオイルジェット取付部の押圧部によりエンジンブロック方向に押圧する。これにより、オイルジェット本体部の入力側に流入する加圧オイルによる圧力を同じ軸上に位置するオイルジェット取付部の押圧部によって受け止めるようにしてオイルジェット本体部の他端側を支える。つまり、油圧負荷方向で、合成樹脂製のオイルジェット本体部と金属製のオイルジェット取付部との接触面積を最大限に確保することができるため、合成樹脂製のオイルジェット本体部にかかる応力や面圧を適切に値に容易に制御することが可能となる。
In order to achieve the above object, the technical means of
また、特許請求の範囲に記載された請求項2の技術的手段を採用する。この手段によると、オイルジェット本体部の他端側で押圧部に接触する面には、平面形状が非回転形状をなす凸部が形成されており、押圧部には、凸部が貫通可能な穴部が形成されている。これにより、押圧部の穴部にオイルジェット本体部の凸部を挿入することで、オイルジェット本体部の平面方向の回転位置が位置決めできるので、ノズルの位置合わせも容易かつ確実なものとなる。
Further, the technical means of
また、特許請求の範囲に記載された請求項3の技術的手段を採用する。この手段によると、流路が開口するエンジンブロックの流路開口に挿入可能な筒状部をオイルジェット本体部の一端側に有し、筒状部の外周壁には、流路の開口径よりも僅かに大径に形成される環状段部または環状凸部が形成されている。これにより、筒状部の外周壁とエンジンブロックの流路との間に隙間ができていても、オイルジェット取付部の押圧部によるエンジンブロック方向の押圧により筒状部が樹脂特有の弾性変形をしながら当該流路に嵌入するため、これら環状段部や環状凸部によってこのような隙間がシールされる。このため、金属製の場合に比べてシール性が向上するので、不要なオイル漏れを抑制することができる。 Further, the technical means of claim 3 described in claims is adopted. According to this means, the cylindrical portion that can be inserted into the flow passage opening of the engine block where the flow passage is open is provided on one end side of the oil jet main body, and the outer peripheral wall of the cylindrical portion is formed from the opening diameter of the flow passage. In addition, an annular step portion or an annular convex portion having a slightly larger diameter is formed. As a result, even if there is a gap between the outer peripheral wall of the cylindrical portion and the flow path of the engine block, the cylindrical portion is elastically deformed peculiar to the resin by the pressing in the engine block direction by the pressing portion of the oil jet mounting portion. However, in order to fit into the flow path, such a gap is sealed by the annular stepped portion and the annular convex portion. For this reason, since sealing performance improves compared with the case of metal, unnecessary oil leakage can be suppressed.
また、特許請求の範囲に記載された請求項4の技術的手段を採用する。この手段によると、オイルジェット本体部の一端側で、エンジンブロックの取付時に流路が開口するエンジンブロックの流路開口端面と接触する部分には、開口の周囲を取り囲み得る円環状の環状凸部が形成されている。これにより、このようなエンジンブロックの流路開口端面とオイルジェット本体部の一端側との間に隙間ができていても、オイルジェット取付部の押圧部によるエンジンブロック方向の押圧により環状凸部が樹脂特有の弾性変形をしながら当該流路開口端面に圧接するため、このような隙間がシールされる。このため、金属製の場合に比べてシール性が向上するので、不要なオイル漏れを抑制することができる。
Further, the technical means of
また、特許請求の範囲に記載された請求項5の技術的手段を採用する。この手段によると、オイルジェット本体部の他端側で押圧部に接触する部分には、断面が凸状をなす凸曲面部が形成されている。これにより、エンジンブロックに取り付ける際に、オイルジェット本体部の他端側に形成される凸曲面部がオイルジェット取付部の押圧部に押されて樹脂特有の弾性変形をしながら押圧されるので、当該押圧部による接触面圧を均一にすることができる。
Further, the technical means of
請求項1の発明では、油圧負荷方向で、合成樹脂製のオイルジェット本体部と金属製のオイルジェット取付部との接触面積を最大限に確保することができるため、合成樹脂製のオイルジェット本体部にかかる応力や面圧を適切な値に容易に制御することが可能となる。したがって、油圧による不適当な応力の集中やクリープ現象の発生を抑制できるので、エンジンブロックからのオイル漏れやオイルジェット本体部の変形によるノズル位置のずれ等を防ぐことから、軽量でありながら適切なオイル噴射をすることができる。 According to the first aspect of the present invention, since the contact area between the oil jet main body made of synthetic resin and the metal oil jet mounting portion can be secured to the maximum in the hydraulic load direction, the oil jet main body made of synthetic resin. It becomes possible to easily control the stress and the surface pressure applied to the portion to appropriate values. Therefore, it is possible to suppress the concentration of improper stress due to hydraulic pressure and the occurrence of creep phenomenon, and prevent oil leakage from the engine block and displacement of the nozzle position due to deformation of the oil jet body. Oil can be injected.
請求項2の発明では、押圧部の穴部にオイルジェット本体部の凸部を挿入することで、オイルジェット本体部の平面方向の回転位置が位置決めできるので、ノズルの位置合わせも容易かつ確実なものとなる。したがって、ノズルから噴射される冷却オイルの目標的中精度も向上し得ることから、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。
In the invention of
請求項3の発明では、筒状部の外周壁とエンジンブロックの流路との間に隙間ができていても、オイルジェット取付部の押圧部によるエンジンブロック方向の押圧により筒状部が樹脂特有の弾性変形をしながら当該流路に嵌入するため、これら環状段部や環状凸部によってこのような隙間がシールされる。このため、金属製の場合に比べてシール性が向上するので、不要なオイル漏れを抑制することができる。したがって、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。 In the invention of claim 3, even if there is a gap between the outer peripheral wall of the cylindrical portion and the flow path of the engine block, the cylindrical portion is unique to the resin due to the pressing in the engine block direction by the pressing portion of the oil jet mounting portion. Therefore, the gap is sealed by the annular stepped portion and the annular convex portion. For this reason, since sealing performance improves compared with the case of metal, unnecessary oil leakage can be suppressed. Therefore, more appropriate oil injection is possible while being lightweight.
請求項4の発明では、エンジンブロックの流路開口端面とオイルジェット本体部の一端側との間に隙間ができていても、オイルジェット取付部の押圧部によるエンジンブロック方向の押圧により環状凸部が樹脂特有の弾性変形をしながら当該流路開口端面に圧接するため、このような隙間がシールされる。このため、金属製の場合に比べてシール性が向上するので、不要なオイル漏れを抑制することができる。したがって、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。
In the invention of
請求項5の発明では、エンジンブロックに取り付ける際に、オイルジェット本体部の他端側に形成される凸曲面部がオイルジェット取付部の押圧部に押されて樹脂特有の弾性変形をしながら押圧されるので、当該押圧部による接触面圧を均一にすることができる。したがって、エンジンブロックに対してオイルジェット本体部を均一に圧接させることができることから、接触面圧が不均一な場合に生じ得るエンジンブロックとオイルジェット本体部との不要な隙間の発生やオイルジェット本体部の変形を抑制することができる。このため、オイル漏れやノズルの位置ずれ等を効果的に抑制することが可能となる。 In the fifth aspect of the invention, when attaching to the engine block, the convex curved surface portion formed on the other end side of the oil jet main body is pressed by the pressing portion of the oil jet mounting portion and pressed while undergoing elastic deformation peculiar to the resin. Therefore, the contact surface pressure by the said press part can be made uniform. Therefore, since the oil jet main body can be uniformly pressed against the engine block, an unnecessary gap between the engine block and the oil jet main body that may be generated when the contact surface pressure is uneven or the oil jet main body is generated. The deformation of the part can be suppressed. For this reason, it is possible to effectively suppress oil leakage, nozzle position shift, and the like.
以下、本発明のピストン冷却用オイルジェットの実施形態について図を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係るオイルジェット10は、エンジン(内燃機関)を構成するシリンダやピストンに向けてこれらを冷却し得る加圧オイルを噴射するもので、運転中のエンジンをその内部から冷却することによりピストンやシリンダの劣化を抑制したり、燃費の向上に寄与するものである。
Hereinafter, an embodiment of an oil jet for cooling a piston according to the present invention will be described with reference to the drawings. As shown in FIG. 1, an
このため、冷却オイルの噴射方向がピストンの裏側に向くように、各ピストンに対応して複数のオイルジェット10がエンジンブロックに固定されている。なお、加圧オイルは、例えばエンジンオイルで、オイルポンプにより加圧されてオイルジェット10に供給される。
For this reason, a plurality of
まず、本実施形態に係るオイルジェット10の基本的な構成例を図1〜7を参照して説明する。図1に示すように、オイルジェット10は、主に、本体部20と取付部50とから構成されており、2本のノズル37の噴射口37bがそれぞれピストンの裏側を向くように、取付部50により図略のエンジンブロックに固定されている。なお、この固定方法については後述する。
First, a basic configuration example of the
図2に示すように、本体部20は、円筒部21および基部22により構成されている。なお、図2(A)では、ノズル37が途中で切断された状態でオイルジェット10の右側面が図示されているので、この点に注意されたい。また、左側面は左右の位置関係が逆になるほかは図2(A)に示す右側面と同様に表れるので図示を省略している。なお、オイルジェット10のこのほかの外観は、図3(A)〜(D)に図示されているので、詳細はこれらを参照されたい(平面(図3(A))、底面(図3(B))、正面(図3(C))、背面(図3(D))。
As shown in FIG. 2, the
図2(B)に示すように、本体部20は、入力側20aに流入する加圧オイルの圧力が所定圧を超えると開弁し出力側20bと連通するバルブユニット30を内装して入力側20aに連通可能な流入路25を円筒部21(一端側)に形成するとともに、開弁時に出力側20bから吐出される加圧オイルをピストンに向けて噴射可能に構成されるノズル37を基部22(他端側)に備えている。
As shown in FIG. 2 (B), the
なお、バルブユニット30は、バルブシート31、ボール33およびバネ35からなり、バネ35による所定の付勢力(所定圧)でボール33をバルブシート31方向に付勢することで、入力側20aに流入する加圧オイルの圧力が所定圧未満であると閉弁し所定圧を超えると開弁して入力側20aと出力側20bとを連通し得るように構成されている。
The
また、ノズル37は、金属パイプを所定形状(エンジンブロックに取り付けた状態で的となるピストンのオイル穴に向き得る形状)に曲げたもので、一端側の流入口側に異形(楕円や不連続形状)のフランジ形状をなす抜け回転止め37cを備え、他端側に先細り形状の噴射口37bを備えている。本実施形態では、本体部20の基部22に形成される2箇所のノズル穴28に対応して2本のノズル37が設けられており、後述するように、これらのノズル37がインサート成形によって本体部20と一体をなすように構成されている(図6参照)。
The
ここで、円筒部21および基部22の構成を図2(B)および図4に基づいて詳述する。
図2(B),図4(A)〜(E)に示すように、円筒部21は、基部22と一体に成形される合成樹脂製の部材で、先端部がテーパ状に縮径する中空の円筒形状に形成されている。なお、図2(B)には、円筒部21の中心軸Iが図示されている。図4(B),(D)に示す符号Lは、基部22の軸(I)方向の長さを示す。
Here, the structure of the
As shown in FIGS. 2 (B) and 4 (A) to (E), the
この円筒部21の外径は、エンジンブロックに形成されて加圧オイルが流れる流路の内径より僅かに小径に設定されている。後述するように、当該流路に円筒部21が挿入されると、当該流路の内周壁と円筒部21の外周壁との間に僅かな隙間が形成されるようにクリアランス設計がなされている(図7に示すエンジンブロックEB、流路RR)。
The outer diameter of the
これに対し、円筒部21と一体に成形される基部22も中空の円筒形状に形成されており、基部22は、その中心軸を円筒部21の中心軸Iと共用している。つまり、基部22は、円筒部21と同じ軸Iを中心に形成されている。この基部22には底部が形成されており、その中央には支柱部27が立設されている。前述したバルブユニット30のバネ35を支え得るように、底部の中央に支柱部27が設けられることにより、バネ35の倒れ込みを防止可能にしている。
On the other hand, the
この基部22の外径は、円筒部21の外径より大径に設定されている。例えば、本実施形態では、円筒部21と基部22のそれぞれの外周壁をつなげる段部23の曲面R(アール)が、後述するように、エンジンブロックの流路の開口部に形成されるテーパ面(図7に示す符号RR’)に対して圧接可能な形状(長さ、曲率)に設定されている。
The outer diameter of the
また、基部22の底部の裏側、底面22aには、所定の高さまたは厚さに設定された印籠(インロウ)凸部24が形成されている。この印籠凸部24は、図4(E)に示すように、その平面形状が「四隅の角を丸めた矩形状」に形成されており、後述する取付部50に形成される印籠凹部52に嵌合し得るように構成されている。つまり、印籠凸部24は、その平面形状が非回転形状をなす凸部に形成されている。これにより、当該印籠凸部24を取付部50の印籠凹部52に挿入することで、本体部20の平面方向の位置決めを可能にしている。
In addition, an inlay
さらに、基部22の底面22aは、その断面が凸状曲面形状に形成されている。即ち、図4(F)に示すように、底面22aは、所定の曲線K−K’に沿った凸状の帯状曲面または球状曲面に形成されている。これにより、後述するように、エンジンブロックに取り付ける際に、本体部20の基部22が取付部50によって押圧されると、基部22の底面22aに樹脂特有の弾性変形を生じさせることが可能となり(図7(B),(C))、取付部50の押圧部51による接触面圧を均一にすることができる。
Further, the
なお、この所定の曲線K−K’の形状(長さ、曲率)は、基部22(本体部20)を形成する合成樹脂の弾性変形特性に基づいて、本体部20がエンジンブロックEBに取り付けられた状態で、基部22が取付部50によって押圧されても、クリープ変形することなく弾性状態を維持可能な範囲で設定される。この曲面形状は、帯状曲面または球状曲面のいずれでも良いが、帯状曲面の場合には印籠凸部24の平面形状長手方向(または取付部50の押圧部51の長手方向)に曲面が表れるように設定される。これにより、印籠凸部24の長手方向に対して押圧部51による接触面圧の均一化が可能となる。さらに、球状曲面の場合には、印籠凸部24の長手方向・短手方向のいずれに対しても接触面圧の均一化が可能となる。
The shape (length, curvature) of the predetermined curve KK ′ is such that the
このように本体部20を構成する円筒部21と基部22は、後述する合成樹脂で一体に射出成形されており、さらに両者の中心軸Iを同じ軸にしている。これにより、本体部20は、エンジンブロックEBに取り付けられた状態で円筒部21が挿入されるエンジンブロックEBの流路RRの延長軸J上に基部22を位置させることを可能にしている(図7参照)。
As described above, the
次に、取付部50の構成を図1〜3,5に基づいて詳述する。
図1〜3に示すように、取付部50は、押圧部51、立上部53および固定部55により構成されている。詳しくは、図5(A)〜(F)に示すように、肉厚の金属板を曲げ加工したもので、一端側に印籠凹部52を有する押圧部51、他端側に取付穴56を有する固定部55、がそれぞれ形成されており、さらに押圧部51と固定部55とを段違いに連続してつなぎ得るように立上部53が両者間にほぼ直角に位置して形成されている。
Next, the structure of the
As shown in FIGS. 1 to 3, the
立上部53の高さH(図5(C))は、例えば、固定部55の板厚を含めて、基部22の軸I方向の長さL(図4(B),(D))よりも僅かに低く(短く)に設定されている。これにより、立上部53の高さHが基部22の長さLよりも僅かに低いぶん(L−H=GP;図7(B))、本体部20をエンジンブロックEBに取り付ける際に、取付部50の固定部55とエンジンブロックEBの流路開口端面RPとの間に隙間GPが形成される。この隙間GPは、後述するように、本体部20の段部23がエンジンブロックEBのテーパ面RR’に当接した後、弾性変形を維持した状態で圧接可能な範囲に設定される(図7(B))。
The height H (FIG. 5 (C)) of the
このため、この隙間GPがなくなるまで取付部50の押圧部51によって本体部20をエンジンブロックEB側に押しつけることが可能となる。つまり、本体部20の基部22側から取付部50の押圧部51により押圧を加えることができる。
For this reason, it becomes possible to press the main-
押圧部51に設けられる印籠凹部52は、本実施形態では、基部22に設けられる印籠凸部24の形状に適合するように、印籠凸部24の平面形状と相似形で僅かにサイズの大きな「四隅の角を丸めた矩形状」の穴部(貫通穴)として形成されている。
In this embodiment, the imprint
一方、固定部55に設けられる取付穴56は、エンジンブロックにネジ締結されるボルトの雄ネジ部が貫通可能かつネジ頭部が通らない内径に設定されて形成されている(図7参照)。
On the other hand, the mounting
なお、板厚および金属材料の種類は、後で図7を参照して説明するように、この取付部50によって、本体部20をエンジンブロックEBにボルト固定した状態で、流路RRから供給される加圧オイルの圧力を本体部20が受けても、当該本体部20を十分に固定できる強度を得るもの、例えば板厚1mm〜3mmのステンレス鋼(SUS)に設定されている。
As will be described later with reference to FIG. 7, the plate thickness and the type of metal material are supplied from the flow path RR in a state where the
また、押圧部51、立上部53および固定部55からなる所定形状を一端側に形成したものであれば、板状をなす必要はなく、例えば、アルミダイカストや亜鉛ダイカストにより形成されるブロック状のブラケットを取付部50の代わりにしても良い。
Moreover, if the predetermined shape which consists of the
このように構成されるオイルジェット10は、例えば、図6に示すように組み付けられる。即ち、2本のノズル37をインサート成形した本体部20の開口(入力側20a)から、支柱部27を通してバネ35を入れ、さらにボール33を流入路25に収容した後、そのボール33にバルブシート31を被せるように入力側20aに収める。そして、流入路25の入力側20a側端(流路開口端)25’を過熱変形させ円筒部21の入力側20aをカシメ固定することで、バルブシート31が円筒部21から抜け出ないようになる。最後に取付部50の印籠凹部52に基部22の印籠凸部24を嵌入することで、オイルジェット10の組み付けが終了する。
The
なお、印籠凸部24の高さ(厚さ)を取付部50の押圧部51の板厚よりも僅かに高く(厚く)することにより、取付部50に嵌入させた印籠凸部24の頂部が印籠凹部52から外側に突出する。このため、図6(B)に示すように、この突出した部分の一部を焼きコテ等によって楕円形状等に2箇所以上変形させて押圧部51に対して印籠凸部24を熱カシメをするようにしても良い。これにより、押圧部51の印籠凹部52から印籠凸部24が容易には外れなくなるため、本体部20に取付部50を取り付けた状態で、エンジンブロックEBにオイルジェット10を取り付ける工程にオイルジェット10を投入することが可能となる。このため、エンジンブロックEBにオイルジェット10を取り付ける工程ではオイルジェット10を手早くエンジンブロックEBに取り付けることができる。なお、熱カシメの形成数は、印籠凸部24が容易に外れなければ1箇所でも良い。
In addition, by making the height (thickness) of the stamping
また、このような印籠凸部24の熱カシメに代えて、取付部50の押圧部51にスナップフィット結合可能な図略のフック部を印籠凸部24に2箇所以上形成することで、熱コテ等の道具を用いることなく容易に印籠凸部24を押圧部51の印籠凹部52に固定することが可能となる。これにより、図6(B)に示す熱カシメの場合と同様に、エンジンブロックEBにオイルジェット10を取り付ける工程にオイルジェット10を投入することが可能となるので、エンジンブロックEBにオイルジェット10を取り付ける工程ではオイルジェット10を手早くエンジンブロックEBに取り付けることができる。なお、フック部は、印籠凸部24が容易に外れなければ1箇所のみの形成でも良い。
Further, in place of the heat caulking of the stamping
このように組み付けられたオイルジェット10は、例えば、図7に示すようにエンジンブロックEBに取り付けられる。なお、図7(A)〜(C)では、図2(A)や図3と同様にノズル37を途中で切断した状態を図示しているので注意されたい。
The
即ち、図7(A)に示す仮止工程では、まずエンジンブロックEBの流路RRに本体部20の円筒部21を挿入した後、六角穴付きボルトBLを取付部50の取付穴56からエンジンブロックEBのネジ穴に浅くネジ止めして仮止めをする。
That is, in the temporary fixing step shown in FIG. 7A, first, the
次に、図7(B)に示す位置決め工程では、前工程で仮止した円筒部21および基部22をさらに流路RRに押し込みながら、六角穴付きボルトBLのネジを締め付ける。ネジの締め付けが完了するまでは、前述したように、取付部50の立上部53の高さHが基部22の長さLよりも小さく設定されている(H<L)。このため、段部23がエンジンブロックEBのテーパ面RR’に当接した場合(本体部20の押し込み限界に近い場合)、であっても、エンジンブロックEBの流路開口端面RPと取付部50の固定部55との間に隙間GP(=L−H)ができる。
Next, in the positioning step shown in FIG. 7B, the screw of the hexagon socket head cap bolt BL is tightened while the
このため、次の図7(C)に示す締結工程においては、この隙間GPがなくなるまで六角穴付きボルトBLのネジ締めを行うことにより、段部23がエンジンブロックEBのテーパ面RR’に当接した後、弾性変形を維持した状態で圧接する。これにより、段部23によって流路RRの開口全周が液密にシールされることから、不要なオイル漏れを抑制することが可能となる。
Therefore, in the fastening process shown in FIG. 7C, the stepped
また、この締結工程においては、基部22に形成される凸状曲面をなす底面22aが本体部20の押圧部51に押されて樹脂特有の弾性変形をしながら押圧される。このため、押圧部51による接触面圧を均一にすることができるので、接触面圧が不均一な場合に生じ得るエンジンブロックEBと基部22との不要な隙間の発生や本体部20の変形を抑制することが可能となる。
Further, in this fastening step, the
以上説明をしたように、本実施形態に係るオイルジェット10では、「入力側20aに流入する加圧オイルの圧力が所定圧を超えると開弁し出力側20bと連通するバルブユニット30を内装して入力側20aに連通可能な流入路25を円筒部21に形成するとともに、開弁時に出力側20bから吐出される加圧オイルをピストンに向けて噴射可能に構成されるノズル37を基部22に有し、エンジンブロックEBに取り付けられた状態で円筒部21が連結される流路RRの延長軸J上に基部22が位置する」合成樹脂製の本体部20と、「基部22からエンジンブロックEBの方向に本体部20を押圧可能な押圧部51とこの押圧部51に連続して形成されエンジンブロックEBに固定可能に構成される固定部55とを有する」金属製の取付部50と、を備える。つまり、本体部20は、エンジンブロックEBに取り付けられた状態で円筒部21が連結される流路RRの延長軸J上に基部22が位置し、この本体部20の基部22を取付部50の押圧部51によりエンジンブロックEB方向に押圧する。
As described above, in the
これにより、本体部20の入力側20aに流入する加圧オイルによる圧力を同じ軸J上に位置する取付部50の押圧部51によって受け止めるようにして本体部20の基部22を支える。つまり、油圧負荷方向で、合成樹脂製の本体部20と金属製の取付部50との接触面積を最大限に確保することができるため、合成樹脂製の本体部20にかかる応力や面圧を適切に値に容易に制御することが可能となる。したがって、油圧による不適当な応力の集中やクリープ現象の発生を抑制できるので、エンジンブロックEBからのオイル漏れや本体部20の変形によるノズル37のル位置ずれ等を防ぐことから、軽量でありながら適切なオイル噴射をすることができる。
As a result, the
また、本実施形態に係るオイルジェット10によると、本体部20の基部22で取付部50の押圧部51に接触する面には、平面形状が非回転形状をなす印籠凸部24が形成されており、押圧部51には印籠凸部24を嵌入可能な印籠凹部52が形成されている。これにより、押圧部51の印籠凹部52に本体部20の印籠凸部24を挿入することで、本体部20の平面方向の回転位置が位置決めできるので、ノズル37の位置合わせも容易かつ確実なものとなる。したがって、ノズル37から噴射される冷却オイルの目標的中精度も向上し得ることから、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。
Further, according to the
さらに、本実施形態に係るオイルジェット10によると、本体部20の基部22で取付部50の押圧部51に接触する部分には、断面が凸状をなす底面22aが形成されている。これにより、エンジンブロックEBに取り付ける際に、本体部20の基部22に形成される底面22aが本体部20の押圧部51に押されて樹脂特有の弾性変形をしながら押圧されるので、当該押圧部51による接触面圧を均一にすることができる。したがって、接触面圧が不均一な場合に生じ得るエンジンブロックEBと本体部20との不要な隙間の発生や本体部20の変形を抑制することができるため、オイル漏れやノズル37の位置ずれ等を効果的に抑制することが可能となる。
Furthermore, according to the
ここで、本実施形態に係るオイルジェット10の他の構成例1〜3を図8〜14に基づいて説明する。まず、他の構成例1について図8を参照して説明する。なお、図1〜7を参照して説明したオイルジェット10と実質的に同一の構成部分についてはこれらの図と同一符号を付して説明を省略する。
Here, other structural examples 1 to 3 of the
[他の構成例1]
図8(A)に示すオイルジェット10aは、前述したオイルジェット10の本体部20の円筒部21と基部22との間に設けていた段部23に代えて、円筒部21の外周壁に環状の段部(環状段部)21aを設けている点がオイルジェット10と異なる。
[Other configuration example 1]
An
即ち、図8(A)に示すように、円筒部21の基部22方向に外径が僅かに大きく設定される円筒部21’を形成しこれらを連続してつなぐ環状の段部21aを両者の間に設ける。なお、円筒部21’の外径は、エンジンブロックEBの流路RRの内周径よりも僅かに大径に設定される。
That is, as shown in FIG. 8 (A), an annular stepped
これにより、図8(B)に示すように、オイルジェット10aをエンジンブロックEBに取り付ける位置決め工程において、流路RRに挿入されて仮止された円筒部21および基部22をさらに流路RRに押し込むと、段部21aや円筒部21’も流路RRに嵌入されることから、これらによって流路RRは液密に栓をされたような状態となる。このため、円筒部21の外周壁とエンジンブロックEBの流路RRとの間に隙間ができていても、段部21aや円筒部21’によってこのような隙間がシールされるので、不要なオイル漏れを抑制することができる。したがって、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。
As a result, as shown in FIG. 8B, in the positioning step of attaching the
なお、前述した円筒部21と基部22との間に設けていた段部23に加えて、円筒部21に環状の段部(環状段部)21aを設けても良い。これにより、2箇所以上で液密なシール構造が形成されるので、より一層のシール効果が期待でき、不要なオイル漏れをさらに抑制することができる。
In addition to the
次に他の構成例2について図9を参照して説明する。なお、図1〜7を参照して説明したオイルジェット10と実質的に同一の構成部分についてはこれらの図と同一符号を付して説明を省略する。
[他の構成例2]
図9(A)に示すオイルジェット10bは、前述したオイルジェット10の本体部20の円筒部21と基部22との間に設けていた段部23に代えて、円筒部21の外周壁に環状の凸部(環状凸部)21bを設けている点がオイルジェット10と異なる。
Next, another configuration example 2 will be described with reference to FIG. In addition, about the component substantially the same as the
[Other configuration example 2]
An
即ち、図9(A)に示すように、円筒部21の基部22方向に外径が僅かに大きく設定される環状の凸部21bを設ける。なお、凸部21bの外径は、エンジンブロックEBの流路RRの内周径よりも僅かに大径に設定される。また、凸部21bよりも基部22側の円筒部21”の外径は、円筒部21の外径と同様に設定される。
That is, as shown in FIG. 9A, an annular
これにより、図9(B)に示すように、オイルジェット10bをエンジンブロックEBに取り付ける位置決め工程において、流路RRに挿入されて仮止された円筒部21および基部22をさらに流路RRに押し込むと、凸部21bも流路RRに嵌入されることから、流路RRは液密に栓をされたような状態となる。このため、円筒部21の外周壁とエンジンブロックEBの流路RRとの間に隙間ができていても、凸部21bによってこのような隙間がシールされるので、不要なオイル漏れを抑制することができる。したがって、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。
As a result, as shown in FIG. 9B, in the positioning step of attaching the
なお、前述した円筒部21と基部22との間に設けていた段部23に加えて、さらに円筒部21に環状の凸部(環状凸部)21bを設けても良い。これにより、2箇所以上で液密なシール構造が形成されるので、より一層のシール効果が期待でき、不要なオイル漏れをさらに抑制することができる。
In addition to the
続いて他の構成例3について図10〜15を参照して説明する。なお、図1〜7を参照して説明したオイルジェット10と実質的に同一の構成部分についてはこれらの図と同一符号を付して説明を省略する。
[他の構成例3]
図10〜15に示すオイルジェット100は、前述したオイルジェット10の本体部20の円筒部21と基部22との間に設けていた段部23に代えて、基部122を大径にしさらにその基部122の段部123に環状の凸部(環状凸部)123aを設けている点がオイルジェット10と異なる。また、基部122は、大径にしたため、その一部に矩形状なす矩形段部123bが形成されている点もオイルジェット10と異なる。なお、図10〜15において、円筒部121は図1等に示す円筒部21、印籠凸部124は図1等に示す印籠凸部24、流入路125は図1等に示す流入路25、バネ室126は図1等に示すバネ室26、支柱部127は図1等に示す支柱部27、ノズル穴128は図1等に示すノズル穴28、とそれぞれ実質的に同様に構成されるので、これらに説明は省略する。
Next, another configuration example 3 will be described with reference to FIGS. In addition, about the component substantially the same as the
[Other configuration example 3]
An
図10〜15に示すように、基部122の外径を円筒部121の外径よりも大きく設定し、これにより形成される段部123の上面、即ちエンジンブロックEBの流路開口端面RPと接触する部分、に当該流路RRの開口の周囲を取り囲み得る円環状の凸部123aを形成する。このため、段部123の上面はその径方向に、このような円環状の凸部123aを形成可能な幅を確保可能に基部122の外径を設定する。
As shown in FIGS. 10 to 15, the outer diameter of the
これにより、図14(B)に示すように、オイルジェット100をエンジンブロックEBに取り付ける位置決め工程において、流路RRに挿入されて仮止された円筒部121および基部122をさらに流路RRに押し込むと、段部123の上面に形成された円環状の凸部123aがエンジンブロックEBの流路開口端面RPに当接しさらに圧接することから、流路RRの周囲はOリングにより液密にシールされたような状態となる。このため、円筒部121の外周壁とエンジンブロックEBの流路RRとの間に隙間ができていても、円環状の凸部123aによりこのような隙間がシールされるので、不要なオイル漏れを抑制することができる。したがって、軽量でありながらさらに適切なオイル噴射が可能となる。
As a result, as shown in FIG. 14B, in the positioning step of attaching the
なお、このような円筒部121、基部122、段部123および円環状の凸部123aに加えて、前述した他の構成例1による環状の段部(環状段部)21aを円筒部121に設けても良い。同様に、前述した他の構成例2による環状の凸部(環状凸部)21bを円筒部121に設けても良い。これにより、2箇所以上で液密なシール構造が形成されるので、より一層のシール効果が期待でき、不要なオイル漏れをさらに抑制できる。
In addition to the
これにより、図15(A),(B)に示す比較例のように、たとえ本体部820を円筒部821と基部822とによる合成樹脂製にしても、取付部850により保持される本体部820の接合部分γ’が少なくなる(図15(B))。このため、取付部850は図略のエンジンブロックの方向αに向けてボルトで固定される一方で、オイルジェット810の円筒部821は、加圧入力される油圧によって取付部950の固定方向αとは反対の方向βに押されて、接合部分γ’に応力が集中したり、接合部分γ’の掛かり部分が少ないことに起因して円筒部21や基部22にクリープ変形が生じてしまう。
Accordingly, as in the comparative example shown in FIGS. 15A and 15B, even if the
つまり、図15に示す比較例の構成であっても、従来のものと変わることなく、エンジンブロックからオイルが漏れたり、ノズル837から噴射される冷却オイルの目標的中精度が低下し得るという問題や、ノズル837に加えて取付部850もインサート成形する必要があることから、射出成形時の金型構造が複雑になり易く設備コストの増加を招くという問題もある。
That is, even in the configuration of the comparative example shown in FIG. 15, there is a problem that the oil can leak from the engine block or the target medium accuracy of the cooling oil injected from the
これに対し、上述したように、本実施形態に係るオイルジェット10、10a、10b、100では、いずれもこのような問題を解決可能にしている。
On the other hand, as described above, the
ここで、上述した本体部20,120(以下「本体部20等」という)を構成する合成樹脂について説明する。オイルジェット10,10a,10b,100は、前述したように、エンジンブロックEBの内部に取り付けられ、高温の加圧オイルに曝され、また激しい振動および衝撃力ならびに圧力を受け得ることから、本体部20等はこのような過酷な状況下で必要な強度および耐久性を維持する必要がある。
Here, the synthetic resin constituting the
このため、本実施形態では、当該本体部20等を形成する合成樹脂は、荷重たわみ温度が250℃〜400℃で、かつ160℃での曲げ弾性率が8000MPa〜15000MPaで、ノッチ付きシャルピー衝撃強さが5.0kJ/m2〜15.0kJ/m2となるナイロンとポリフェニレンサルファイドとポリエーテルエーテルケトンとポリイミドとのいずれかの樹脂を採用している。
For this reason, in this embodiment, the synthetic resin forming the
ナイロンとポリフェニレンサルファイドとポリエーテルエーテルケトンとポリイミドとのいずれかの樹脂に特定した理由は、射出成形特性および振動耐久特性が共に良好で、しかも長時間高温に曝された場合の形状安定性が優れているからである。特に、本体部20等から突出しているノズル37の向きが長期に亘って変化しない形状安定性に優れているからである。また、ナイロンについてはジアミンとフタル酸の共重合体が上記物性に優れている。
Nylon, polyphenylene sulfide, polyetheretherketone, and polyimide are specified as one of the reasons why they have good injection molding characteristics and vibration durability, and excellent shape stability when exposed to high temperatures for long periods of time. Because. This is because, in particular, the shape stability in which the direction of the
なお、「荷重たわみ温度」とは、日本工業規格(JIS K7139)で規定されている多目的試験片A型に1.8MPaの荷重を掛けて温度を変化させた場合のたわみが一定になる温度のことである。この荷重たわみ温度を250℃〜400℃としたのは、250℃より低温であると、エンジンブロックEBに取り付けて高温に曝された場合にたわみが生じ、所期の形状を維持できなくなるためである。また、400℃より高いと、成形加工性(射出成形性)が悪くなるからである。 The “deflection temperature under load” is the temperature at which the deflection when the temperature is changed by applying a load of 1.8 MPa to the multi-purpose specimen A type specified in Japanese Industrial Standard (JIS K7139) is constant. That is. The reason why the deflection temperature under load is set to 250 ° C. to 400 ° C. is that if it is lower than 250 ° C., the deflection occurs when it is attached to the engine block EB and exposed to a high temperature, and the desired shape cannot be maintained. is there. Moreover, it is because a moldability (injection moldability) will worsen when it exceeds 400 degreeC.
また、「曲げ弾性率」は、日本工業規格(JIS K7139)で規定されている多目的試験片A型を支点間距離64mmで支持するとともに160℃に維持し、これを曲げ速度2mm/minで曲げた場合の弾性率のことである。この曲げ弾性率を8000MPa〜15000MPaとしたのは、8000MPaより低いと、振動により変形してしまい、また摩擦によって樹脂のカスが生じてしまうからである。反対に、15000MPaより高いと、脆くなって振動による亀裂が生じたり、破損したりする可能性が高くなるからである。 The “flexural modulus” is a multipurpose test piece A type defined by Japanese Industrial Standard (JIS K7139), supported at a distance between fulcrums of 64 mm and maintained at 160 ° C., and bent at a bending speed of 2 mm / min. It is the elastic modulus in the case of. The reason why the flexural modulus is set to 8000 MPa to 15000 MPa is that if it is lower than 8000 MPa, it is deformed by vibration and resin residue is generated by friction. On the other hand, if it is higher than 15000 MPa, it becomes brittle and the possibility of cracking due to vibration or breakage increases.
またさらに、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは、日本工業規格(JIS K7139)で規定されている多目的試験片A型に深さ2mm、開き角度45°のノッチを機械加工し、これを固定間距離62mmで支持してシャルピー試練を行って測定したものである。このシャルピー衝撃強さを5.0kJ/m2〜15.0kJ/m2としたのは、15.0kJ/m2より高いと、振動により変形してしまい、また摩擦によって樹脂のカスが生じてしまうからである。反対に、5.0kJ/m2より低いと、脆くなって振動による亀裂が生じたり、破損したりする可能性が高くなるからである。 Furthermore, the Charpy impact strength with a notch was machined into a multi-purpose test piece A type specified in Japanese Industrial Standard (JIS K7139) with a depth of 2 mm and an opening angle of 45 °, and this was fixed at a distance of 62 mm. It was measured by Charpy trial in support. To that the Charpy impact strength and 5.0kJ / m 2 ~15.0kJ / m 2, when higher than 15.0kJ / m 2, will be deformed by the vibration, and the resin of scum caused by friction Because it ends up. On the other hand, if it is lower than 5.0 kJ / m 2 , it becomes brittle and the possibility of cracking due to vibration or breakage increases.
さらに、本体部20等を形成する合成樹脂は、無機物を配合した強化プラスチックであっても良い。その無機物として、ガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、酸化チタンのいずれか一種、もしくは二種類以上を配合することができる。また、その補強繊維は、カーボンやガラスなどであって良く、また混合量は、実験などに基づいて適宜に決めて良い。例えば30質量%程度混合することができる。さらに、本体部20等を形成する合成樹脂は、下記の熱老化試験およびサーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル性試験の結果が予め定めた基準値以上となる樹脂であることが好ましい。
Further, the synthetic resin forming the
その熱老化試験は、上述した多目的試験片A型を160℃に設定した恒温槽に3000時間安置し、その後の引っ張り強度および曲げ弾性率を測定し、それらの測定値の加熱前からの変化を求める試験である。本実施形態では、その基準値を80%とし、加熱処理後の各測定値が、加熱前の各測定値の80%以上であることを要件とする。 In the heat aging test, the above-mentioned multipurpose specimen A type was placed in a thermostat set at 160 ° C. for 3000 hours, and then the tensile strength and bending elastic modulus were measured. This is the test you want. In this embodiment, the reference value is 80%, and each measured value after the heat treatment is required to be 80% or more of each measured value before heating.
また、サーマルショック試験は、上記の多目的試験片A型を、−30℃の環境下に30分間安置し、その後、150℃の環境下に30分間安置する60分間の操作を1サイクルとし、これを3000サイクル行い、その後に測定した引っ張り強度および曲げ弾性率を、冷却・加熱サイクルを施す前の各測定値と比較する試験である。本実施形態では、その基準値を80%とし、冷却・加熱処理後の各測定値が、処理前の各測定値の80%以上であることを要件とする。 In the thermal shock test, the above-mentioned multi-purpose specimen A type is placed in an environment of −30 ° C. for 30 minutes and then placed in an environment of 150 ° C. for 30 minutes. Is a test in which the tensile strength and flexural modulus measured thereafter are compared with each measured value before the cooling / heating cycle. In this embodiment, the reference value is set to 80%, and each measured value after cooling and heat treatment is required to be 80% or more of each measured value before processing.
さらに、耐エンジンオイル性試験は、上記の多目的試験片A型を耐圧容器内のエンジンオイル(例えば、エンジンオイルSM 5W-30(トヨタ自動車株式会社製))に浸漬し、これを密閉して160℃のオーブンに3000時間安置することにより、浸漬処理を行い、その後に引っ張り強度および曲げ弾性率を測定するとともに、未処理の試験片についての各測定値と比較する試験である。本実施形態では、その基準値を80%とし、処理後の各測定値が、処理前の各測定値の80%以上であることを要件とする。 Further, in the engine oil resistance test, the above-mentioned multipurpose specimen A type is immersed in engine oil (for example, engine oil SM 5W-30 (manufactured by Toyota Motor Corporation)) in a pressure vessel, and this is sealed and 160 This is a test in which immersion treatment is carried out by placing in an oven at 3000C for 3000 hours, and then the tensile strength and flexural modulus are measured and compared with each measured value for an untreated specimen. In the present embodiment, the reference value is 80%, and each measured value after processing is required to be 80% or more of each measured value before processing.
以下、本体部20等を構成する合成樹脂の効果を確認するために行った実験例1〜15、および比較例1〜21を示す。なお、参考例は、全体を金属製とした現行品である。なお、以下の実験例および比較例で使用したノズル37は、日本工業規格で規定されるSTKM11Aから形成された金属製のものである。
[実験例1]
Hereinafter, Experimental Examples 1 to 15 and Comparative Examples 1 to 21 performed for confirming the effect of the synthetic resin constituting the
[Experimental Example 1]
ガラス繊維を30質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロン(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の共重合体:以下、仮にナイロンCとする)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は265℃、曲げ弾性率は10500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは12kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例2]
The
[Experiment 2]
ガラス繊維を30質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロン(ノナンジアミンとテレフタル酸の共重合体:以下、仮にナイロンDとする)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は9000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは10kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例3]
The
[Experiment 3]
ガラス繊維を30質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は8500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.5kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例4]
The
[Experimental Example 4]
ガラス繊維を30質量%含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は315℃、曲げ弾性率は10000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは8.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例5]
The
[Experimental Example 5]
ガラス繊維を30質量%含有するポリイミド樹脂(PI)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は369℃、曲げ弾性率は12000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは7.5kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例6]
The
[Experimental Example 6]
ガラス繊維を15質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンCを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は265℃、曲げ弾性率は8500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは11kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例7]
The
[Experimental Example 7]
ガラス繊維を40質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンCを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は265℃、曲げ弾性率は13700MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは12kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例8]
The
[Experimental Example 8]
ガラス繊維を15質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンDを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は260℃、曲げ弾性率は8000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは10kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例9]
The
[Experimental Example 9]
ガラス繊維を40質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンDを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は12000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは15kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例10]
The
[Experimental Example 10]
ガラス繊維を15質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は265℃、曲げ弾性率は8200MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例11]
The
[Experimental Example 11]
ガラス繊維を40質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は14000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは7.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例12]
The
[Experimental example 12]
ガラス繊維を15質量%含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は300℃、曲げ弾性率は9000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは7.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例13]
The
[Experimental Example 13]
ガラス繊維を40質量%含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は320℃、曲げ弾性率は13000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは9.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例14]
The
[Experimental Example 14]
ガラス繊維を15質量%含有するポリイミド樹脂(PI)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は360℃、曲げ弾性率は10000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.5kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[実験例15]
The
[Experimental Example 15]
ガラス繊維を40質量%含有するポリイミド樹脂(PI)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は369℃、曲げ弾性率は15000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは10.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例1]
The
[Comparative Example 1]
ガラス繊維を30質量%含有するポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は210℃、曲げ弾性率は6500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは10.5kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例2]
The
[Comparative Example 2]
ガラス繊維を30質量%含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は240℃、曲げ弾性率は9320MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは17.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例3]
The
[Comparative Example 3]
ガラス繊維を30質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロン(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の共重合体:以下、仮にナイロンAとする)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は205℃、曲げ弾性率は8200MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは11.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例4]
The
[Comparative Example 4]
ガラス繊維を30質量%含有する液晶ポリマー(LCP)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は250℃、曲げ弾性率は1500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは35.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例5]
The
[Comparative Example 5]
ポリカーボネート(PC)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は132℃、曲げ弾性率は2200MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは89.0kJ/m2であった。また、上述したサーマルショック試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していたが、熱老化試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例6]
The
[Comparative Example 6]
ポリベンゾイミダゾール樹脂(PBI)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は435℃、曲げ弾性率は6640MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは39.4kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例7]
The
[Comparative Example 7]
ガラス繊維を30質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロン(メタキシレンジアミンとアジピン酸の共重合体:以下、仮にナイロンBとする)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は230℃、曲げ弾性率は22000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは6.0kJ/m2であった。また、上述したサーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していたが、熱老化試験後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満となり、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例8]
The
[Comparative Example 8]
ガラス繊維を50質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は16000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.2kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例9]
The
[Comparative Example 9]
炭酸カルシウム(CaCO3)粉末を50質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は18000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例10]
The
[Comparative Example 10]
不飽和エステル樹脂に各種の添加剤が加えられた塊粘土状の熱硬化性樹脂であるBMC(Bulk Molding Compound)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は250℃、曲げ弾性率は11800MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは6.2kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例11]
The
[Comparative Example 11]
ガラス繊維を5質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンCを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は150℃、曲げ弾性率は6000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは10kJ/m2であった。また、上述したサーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していたが、熱老化試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例12]
The
[Comparative Example 12]
ガラス繊維を50質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンCを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は265℃、曲げ弾性率は15300MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは12kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例13]
The
[Comparative Example 13]
ガラス繊維を5質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンDを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は260℃、曲げ弾性率は7500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは10kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例14]
The
[Comparative Example 14]
ガラス繊維を50質量%含有する、共縮重合反応により合成されたナイロンDを使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は275℃、曲げ弾性率は14800MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは17kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例15]
The
[Comparative Example 15]
ガラス繊維を5質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は150℃、曲げ弾性率は5000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは4.0kJ/m2であった。また、上述したサーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していたが、熱老化試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例16]
The
[Comparative Example 16]
ガラス繊維を10質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は250℃、曲げ弾性率は10000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは4.8kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例17]
The
[Comparative Example 17]
ガラス繊維を50質量%含有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は270℃、曲げ弾性率は16000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.2kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例18]
The
[Comparative Example 18]
ガラス繊維を5質量%含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は200℃、曲げ弾性率は6000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは6.0kJ/m2であった。また、上述したサーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していたが、熱老化試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%未満になっており、耐久性の要求を満たしていなかった。
[比較例19]
The
[Comparative Example 19]
ガラス繊維を50質量%含有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は320℃、曲げ弾性率は15500MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは6.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例20]
The
[Comparative Example 20]
ガラス繊維を5質量%含有するポリイミド樹脂(PI)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は360℃、曲げ弾性率は6000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは5.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
[比較例21]
The
[Comparative Example 21]
ガラス繊維を50質量%含有するポリイミド樹脂(PI)を使用して射出成形により本体部20等を形成した。その本体部20等を形成する素材の荷重たわみ温度は369℃、曲げ弾性率は25000MPa、ノッチ付きシャルピー衝撃強さは12.0kJ/m2であった。また、上述した熱老化試験、サーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験を行った後の引っ張り強度および曲げ弾性率は、それらの試験を行わない場合の80%以上を維持していた。
The
上述した実験例1〜15および比較例1〜21について射出成形性、振動耐久特性、曲げ試験、油漏れ試験、密着性破壊トルク(N・m)、吐出油量(L/min)、開弁圧、噴射位置をそれぞれ調べた。射出成形性は、前述した多目的試験片A型が得られるように加工された金型を搭載したニイガタマシンテクノ製の竪型射出成形機(MDVR75型、射出圧75トン、試作金型はサイドゲートで1個取り)を使用した。射出条件として射出成形時の樹脂温度を250〜400℃、金型温度は135〜250℃とし、射出圧力および射出速度を定格の90%、70%で射出成形を行い、成形体の外観を目視で評価した。充填不良やフローマークなどの外観不良が目立つものは「×」、良好であるがフローマークが少し目立つものは「○」、良好は「◎」と評価した。 Regarding the above-described Experimental Examples 1 to 15 and Comparative Examples 1 to 21, injection moldability, vibration durability characteristics, bending test, oil leakage test, adhesion breaking torque (N · m), discharge oil amount (L / min), valve opening The pressure and injection position were examined. Injection moldability is a vertical injection molding machine manufactured by Niigata Machine Techno (MDVR75, injection pressure 75 tons, prototype mold is side gate) equipped with a mold that has been processed to obtain the above-mentioned multipurpose specimen A type. 1) was used. As injection conditions, the resin temperature at the time of injection molding is 250 to 400 ° C., the mold temperature is 135 to 250 ° C., the injection pressure and the injection speed are injection molded at 90% and 70% of the rating, and the appearance of the molded body is visually observed. It was evaluated with. The case where the appearance defect such as poor filling or flow mark was conspicuous was evaluated as “X”, the case where the flow mark was slightly conspicuous was evaluated as “◯”, and the good was evaluated as “◎”.
振動耐久特性は、製品を固定させた治具を上下に振動させ、製品の状態を確認した。振動の条件は、振動加速度:294m/s2、周波数:213Hz、振動回数:1.0×107、継続時間3000時間とした。製品にクラックや破損が生じたものは「×」、製品にクラックや破損が生じないものは「○」と評価した。 The vibration durability characteristics were confirmed by vibrating the jig holding the product up and down and checking the state of the product. The vibration conditions were vibration acceleration: 294 m / s 2 , frequency: 213 Hz, number of vibrations: 1.0 × 10 7 , and duration of 3000 hours. A product with cracks or breakage was evaluated as “x”, and a product without cracks or breakage was evaluated as “◯”.
曲げ試験は、評価対象樹脂に一端部をインサート成形したノズル用のパイプを所期の形状に湾曲させることにより、インサート部に樹脂の剛性や樹脂と金属部との密着の度合いによるガタツキやクラックが発生するか否かの試験である。その曲げ試験に供される樹脂の試験片21は図16(A)に示するように、縦横30mm、厚さ10mmの直方体状である。これに、日本工業規格で規定されているSTKM11Aからなる金属パイプ522の一端部をインサート成形し、その金属パイプをほぼ90°に曲げ加工した。金属パイプ522は図16(B)および図16(C)に示すとおりであり、外径4mmおよび内径1.5mmで長さが40mmのパイプの一方の端部から3mmの位置に、厚さ3mm、長径9mm、短径6mmの楕円形フランジ部523(ノズル37の抜け回転止め37cに相当するもの)が形成されており、さらに他方の端部に10mmの長さに亘ってネジ524を加工したものである。上記の金属パイプ522の曲げ加工は、図17に示すように試験片521をバイス525で挟み付けて固定し、その状態で金属パイプ522のネジ524側の端部をバイスプライヤー526で掴んで金属パイプ522に曲げ荷重を掛け、ほぼ90°に湾曲させた。その後に、インサート部のガタツキおよびクラックの有無を手作業および目視観察によって確認した。5個の試験片について同様の試験を行い、ガタツキあるいはクラックの生じている試験片の数を求めた。評価は、1個でもガタツキあるいはクラックが生じた場合には、その樹脂による製品は不合格(NG)とした。
In the bending test, a nozzle pipe with one end inserted into the resin to be evaluated is bent into the desired shape, so that the insert is free from backlash and cracks due to the rigidity of the resin and the degree of adhesion between the resin and the metal. It is a test of whether or not it occurs. As shown in FIG. 16A, the
油漏れ試験は、ノズル37に対する密着の度合いを調べるための試験であり、樹脂と金属パイプとの境界部分に油圧を作用させ、オイルがその境界部分に侵入して他方の端部から漏れ出るか否かを確認することにより行った。具体的には、図18(A)に示すように、縦横30mmで厚さ20mmの樹脂試験片531に、日本工業規格で規定するSTMK11A製の外径4mm、長さ40mmのシャフト532の一端部を10mmの長さでインサートし、さらに試験片531の前記シャフト532が突出している面とは反対側の面に、内径10mmで深さ10mmの凹部33を形成し、その凹部33にシャフト532の端面を露出させた。なお、シャフト532の表面粗さの最大高さRmaxは6.0μmである。そして、図18(B)に示すように、凹部533に2MPaの圧力で加圧オイルを供給し、シャフト532の外周面側にオイルが染み出たか否かを目視で確認した。5個の試験片について同様の試験を行い、オイルの染み出しが生じた試験片の数を求めた。評価は、1個でも染み出しが生じた場合には、その樹脂による製品は不合格(NG)とした。
The oil leakage test is a test for checking the degree of adhesion to the
密着性破壊トルク(N・m)は、樹脂と金属との境界面に剪断荷重を掛けて両者の接合が剥がれる荷重を測定することにより両者の密着の程度を評価するためのものであり、前述した図16(A),(B),(C)に示す供試体522と同材質の金属パイプ522Aを用意した。なお、金属パイプ522Aは具体的には、STKM11A製とした。そして、図19に示すように、試験片521をバイス525で挟み付けて固定し、その状態で金属パイプ522Aのネジ524にM5のナット541を2つ取付、そのナット541をデジタルトルクレンチ(KTC GWC3−030)542で締め込むことにより、金属パイプ522Aにトルクを作用させ、金属パイプ522Aが試験片21から剥がれるトルクを測定した。5個の試験片について同様の試験を行い、測定された破壊トルクの平均値をその樹脂についての測定値とした。
The adhesion breaking torque (N · m) is for evaluating the degree of adhesion between the two by measuring the load at which the joint between the resin and metal is subjected to a shearing load and the bonding between the two is peeled off. A
吐出油量は、各実験例および比較例の製品をエンジンブロックEBに取り付けて120℃の加圧オイルを2MPaで3000時間流し、その後にノズル37から吐出されたオイルの量(L/min)を測定した。それぞれ5個の製品について同様の測定を行い、平均値を求めた。平均吐出油量が1.2±0.2L/min以上であれば、「良」、それ未満であれば、「不可」と判定した。
The amount of oil discharged is the amount of oil (L / min) discharged from the
開弁圧は、製品をエンジンブロックEBに取り付け、120℃の加圧オイルを流して前述のバルブユニット30が開く油圧を測定した。それぞれ5個の製品について同様の試験、測定を行い、180MPa以下では閉弁し、220MPa以上で開弁するか否かを確認した。実験例および比較例の全てが180MPa以下では閉弁し、220MPa以上で開弁した。
The valve opening pressure was measured by attaching the product to the engine block EB and flowing pressurized oil at 120 ° C. to open the
噴射位置は、ノズル37の取付姿勢もしくは向きのことであり、その変化の有無を確認する試験を行った。具体的には、それぞれの製品をエンジンブロックEBに取り付け、取り付け面から100mmの位置に内径10mmの孔の開いた的をセットし、120℃に加温したエンジンオイルを3000時間流した後、ノズル37から吐出されたオイルがその的の10mmの孔に入るか否かを確認した。それぞれ5個の製品について同様の試験を行い、噴射したオイルが10mmの孔に入らないものがあった場合には、その樹脂による製品は「不可」と評価した。
The injection position is the mounting posture or orientation of the
上述した各試験の結果および測定値ならびに採用の可否を、実験例1〜5については図20に図表にまとめて示し、参考例および比較例1〜10については図21(A)に図表にまとめて示し、さらに比較例11〜21については図21(B)に図表にまとめて示してある。 The results and measured values of the above-described tests and the applicability are shown in FIG. 20 for the experimental examples 1 to 5 and the chart for the reference examples and comparative examples 1 to 10 in FIG. 21 (A). Further, Comparative Examples 11 to 21 are collectively shown in a chart in FIG.
図20に示すように、本実施形態に係る実験例1〜15のいずれのものも、射出成形後にフローマークなどの欠陥が生じておらず、射出成形性が良好であった。また、振動耐久特性を確認するために加振した後にガタツキや亀裂が生じず、これは曲げ試験を行った後であっても同様であった。さらに油漏れ試験によってオイルの浸透あるいは漏れは認められず、また密着性破壊トルクが5N・m以上であって所期どおりに充分大きく、強度上の不都合は認められなかった。また、吐出油量は規定の範囲内に入っており、ノズル37からの吐出方向にズレが生じていないことにより、充分耐久性に富んでいることが認められた。
As shown in FIG. 20, none of Experimental Examples 1 to 15 according to the present embodiment had defects such as a flow mark after injection molding, and the injection moldability was good. Further, no rattling or cracking occurred after the vibration was applied to confirm the vibration durability characteristics, and this was the same even after the bending test was performed. Furthermore, no oil penetration or leakage was observed in the oil leakage test, and the adhesion breaking torque was 5 N · m or more, which was sufficiently large as expected, and no inconvenience in strength was observed. Further, the amount of discharged oil was within the specified range, and it was confirmed that the oil was sufficiently durable because there was no deviation in the discharge direction from the
これに対して、比較例1〜比較例3では、前述した熱老化試験およびサーマルショック試験ならびに耐エンジンオイル試験の結果が「不可」であり、先ずは、この点で実用に供し得ないものである。このことは、前述した噴射位置の確認で、それぞれ5個の製品に全てでノズル37の向きに変動を来たし、オイルが的の孔に入ったものがなったことからも明らかである。また、比較例1では、振動耐久試験で亀裂が生じ、実用に供し得ないことが認められた。さらに、比較例1および2では、上述した曲げ試験および油漏れ試験で合格するものはなかった。なお、これら比較例1および2については、以上の結果から実用に供し得ないものと判断されたので、密着破壊トルクを測定しなかった。また、比較例3で曲げ試験において5個のうち2個にクラックやガタツキが生じ、また油漏れ試験では5個のうち3個に油漏れが生じ、評価は不可となった。
In contrast, in Comparative Examples 1 to 3, the results of the heat aging test, the thermal shock test, and the engine oil resistance test described above are “impossible”. is there. This is also clear from the confirmation of the injection position described above that the direction of the
また、比較例4は、熱老化試験およびサーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験の結果が「良」であり、また外観に特には不良が認められず射出成形性は良好であったが、振動耐久特性が不十分であり、実用には供し得ないものであることが認められた。さらに、上述した曲げ試験および油漏れ試験で合格するものはなかった。なお、以上の結果から実用に供し得ないものと判断されたので、密着破壊トルクを測定しなかった。また、この比較例4では、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
In Comparative Example 4, the results of the heat aging test, the thermal shock test and the engine oil resistance test were “good”, and the appearance was not particularly bad and the injection moldability was good. It was confirmed that the durability characteristics were insufficient and could not be put to practical use. Furthermore, none of the above-described bending tests and oil leak tests passed. In addition, since it was judged from the above results that it could not be put to practical use, the adhesion breaking torque was not measured. Moreover, in this comparative example 4, the deviation of the injection position was not recognized, and the oil injected from the
比較例5では、射出成形性の結果が「良」であったが、上記の比較例4と同様に、上述した曲げ試験および油漏れ試験で合格するものはなかった。また、密着破壊トルクを測定しなかった。 In Comparative Example 5, the result of the injection moldability was “good”, but none of the above-mentioned bending test and oil leakage test passed as in Comparative Example 4 above. Also, the adhesion breaking torque was not measured.
比較例6では、フローマークなどの外観不良が目立ち射出成形性に劣ることが認められ、また振動耐久試験ではクラックなどが生じ、結果は不合格であった。また、曲げ試験において5個のうち3個にクラックやガタツキが生じ、また油漏れ試験では5個のうち3個に油漏れが生じ、評価は不可となった。さらに、密着性破壊トルクは2.8N・mであって基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。なお、この比較例6では、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
In Comparative Example 6, it was recognized that appearance defects such as flow marks were conspicuously inferior in injection moldability, and cracks occurred in the vibration durability test, and the results were unacceptable. Moreover, cracks and rattles occurred in 3 out of 5 pieces in the bending test, and oil leakage occurred in 3 out of 5 pieces in the oil leak test, making evaluation impossible. Furthermore, the adhesion breaking torque was 2.8 N · m, which was below the reference value, and it was confirmed that the adhesion between the
比較例7では、振動耐久特性の結果が不良であり、実用に供し得ないことが認められた。また、曲げ試験において5個のうち2個にクラックやガタツキが生じ、また油漏れ試験では5個のうち2個に油漏れが生じ、評価は不可となった。さらに、密着性破壊トルクは4.6N・mであって基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。なお、この比較例7では、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
In Comparative Example 7, it was confirmed that the result of the vibration durability characteristic was poor and could not be put to practical use. Moreover, cracks and rattles occurred in two of the five in the bending test, and oil leakage occurred in two of the five in the oil leakage test, making evaluation impossible. Furthermore, the adhesion breaking torque was 4.6 N · m, which was below the reference value, and it was recognized that the adhesion between the
比較例8,9では、前述した比較例4と同様に、外観に特には不良が認められず射出成形性は良好であった。しかしながら、振動耐久特性が不十分であり、実用には供し得ないものであることが認められた。また、上述した曲げ試験で合格するものはなく、また油漏れ試験では、5個のうち3個で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。さらに、密着性破壊トルクは、比較例8で2.2N・mであり、比較例9で1.0N・mであり、いずれも基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。
In Comparative Examples 8 and 9, as in Comparative Example 4 described above, the appearance was not particularly defective, and the injection moldability was good. However, it was recognized that the vibration durability characteristics are insufficient and cannot be put to practical use. Further, none of the above-mentioned bending tests passed, and in the oil leakage test, oil leakage occurred in three of the five, and the test result was not possible. Further, the adhesion breaking torque is 2.2 N · m in Comparative Example 8 and 1.0 N · m in Comparative Example 9, both of which are lower than the reference value, and the adhesion between the
特に比較例8では、ガラス繊維の充填割合が多いことにより、ガラス繊維が配向し、収縮の異方性が現れ、これが要因となって金属と樹脂との間に隙間が生じて密着不良となり、油漏れが生じたものと考えられる。同様に、比較例9で無機物の充填量が多いために、収縮率が低下し、これが要因となって金属と樹脂との密着性が悪化し、その結果、曲げ試験でのクラッチやガタツキ、噴射位置のズレが生じたものと考えられる。 In particular, in Comparative Example 8, the glass fiber is oriented due to a large filling ratio of the glass fiber, shrinkage anisotropy appears, and this causes a gap between the metal and the resin, resulting in poor adhesion, It is probable that an oil leak occurred. Similarly, in Comparative Example 9, since the amount of the inorganic material is large, the shrinkage rate is reduced, and this causes the adhesion between the metal and the resin to deteriorate. As a result, the clutch, rattle, and injection in the bending test are deteriorated. It is probable that the positional deviation occurred.
これに対して、比較例10では、振動耐久特性が良好であったが、実用には供し得ないものであることが認められた。すなわち、上述した曲げ試験で合格するものはなく、また油漏れ試験では、5個のうち3個で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。さらに、密着性破壊トルクは3.1N・mであり、基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。
On the other hand, in Comparative Example 10, the vibration endurance characteristics were good, but it was recognized that they could not be put to practical use. In other words, none of the above-mentioned bending tests passed, and in the oil leakage test, oil leakage occurred in three of the five, and the test result was not possible. Furthermore, the adhesion breaking torque was 3.1 N · m, which was below the reference value, and it was confirmed that the adhesion between the
そして、比較例10は収縮率は金属と同様にほぼゼロであるが、金属との密着性が殆どない。そのため、曲げ試験や油漏れ試験の結果は、上述した比較例8および比較例9と同様の結果となっている。 In Comparative Example 10, the shrinkage rate is almost zero as in the case of the metal, but there is almost no adhesion to the metal. Therefore, the results of the bending test and the oil leakage test are the same as those of Comparative Example 8 and Comparative Example 9 described above.
比較例11では、前述した比較例7とほぼ同様の結果が得られ、実用には供し得ないものであることが認められた。すなわち、サーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験ならびに射出成形性が良好であることが認められたが、熱老化試験および振動耐久特性の結果が不良であり、実用に供し得ないことが認められた。また、曲げ試験において5個の全てでクラックやガタツキが生じ、また油漏れ試験では5個のうち2個に油漏れが生じ、評価は不可となった。さらに、密着性破壊トルクは4.5N・mであって基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。
In Comparative Example 11, almost the same result as that of Comparative Example 7 described above was obtained, and it was confirmed that it was not practically usable. That is, it was recognized that the thermal shock test and the engine oil resistance test and injection moldability were good, but the results of the heat aging test and vibration durability characteristics were poor and could not be put to practical use. . In addition, cracks and rattles occurred in all of the five pieces in the bending test, and oil leakage occurred in two of the five pieces in the oil leakage test, making evaluation impossible. Furthermore, the adhesion breaking torque was 4.5 N · m, which was below the reference value, and it was confirmed that the adhesion between the
比較例12,13,14について結果は、前述した比較例8あるいは比較例9での結果とほぼ同様になった。すなわち、熱老化試験およびサーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験の結果が「良」であり、また外観に特には不良が認められず射出成形性は良好であった。しかしながら、これらいずれの比較例12,13,14においても振動耐久特性が不十分であり、実用には供し得ないものであることが認められた。また、上述した曲げ試験で合格するものはなく、また油漏れ試験では、5個のうち3個(比較例12および比較例14)もしくは2個(比較例13)で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。さらに、密着性破壊トルクは、比較例12,14については上記の結果が認められたことにより測定しておらず、また比較例13で9.2N・mであって基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。なお、これら比較例12,13,14では、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
The results of Comparative Examples 12, 13, and 14 were almost the same as the results of Comparative Example 8 or Comparative Example 9 described above. That is, the results of the heat aging test, the thermal shock test and the engine oil resistance test were “good”, and no particular defect was observed in the appearance, and the injection moldability was good. However, in any of these Comparative Examples 12, 13, and 14, it was recognized that the vibration durability characteristics were insufficient and could not be put to practical use. Further, none of the above-mentioned bending tests passed, and in the oil leakage test, oil leakage occurred in 3 out of 5 (Comparative Example 12 and Comparative Example 14) or 2 (Comparative Example 13). Was impossible. Further, the adhesion breaking torque was not measured for Comparative Examples 12 and 14 because the above results were recognized, and was 9.2 N · m in Comparative Example 13 and below the reference value. It was recognized that the adhesion between 20 mag and the
比較例15では、前述した比較例8と比べると熱老化試験の結果を除いて、ほぼ同様な結果となった。すなわち、サーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験および射出成形性の結果は「良」であったが、熱老化試験の結果が不良で、また振動耐久特性が不十分であり、実用には供し得ないものであることが認められた。また、上述した曲げ試験で合格するものはなく、また油漏れ試験では、5個のうち3個で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。さらに、密着性破壊トルクは3.5N・mであり、基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。
In Comparative Example 15, compared with Comparative Example 8 described above, almost the same result was obtained except for the result of the heat aging test. In other words, the results of the thermal shock test and engine oil resistance test and injection moldability were “good”, but the results of the heat aging test were poor, and the vibration durability characteristics were insufficient. It was recognized that it was not. Further, none of the above-mentioned bending tests passed, and in the oil leakage test, oil leakage occurred in three of the five, and the test result was not possible. Furthermore, the adhesion breaking torque was 3.5 N · m, which was below the reference value, and it was recognized that the adhesion between the
比較例16および比較例17では、上記の比較例14とほぼ同様の結果となり、実用に供し得ないものであることが認められた。すなわち、熱老化試験およびサーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験の結果が「良」であり、また外観に特には不良が認められず射出成形性は良好であった。しかしながら、これらいずれの比較例16,17においても振動耐久特性が不十分であり、実用には供し得ないものであることが認められた。また、上述した曲げ試験で合格するものはなく、また油漏れ試験では、5個のうち2個(比較例16)もしくは3個(比較例17)で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。さらに、密着性破壊トルクは、比較例16で4.6N・mであって基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められ、比較例17については密着性破壊トルクを測定していない。なお、これら比較例16,17では、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
In Comparative Example 16 and Comparative Example 17, the results were almost the same as those of Comparative Example 14 above, and it was confirmed that they were not practically usable. That is, the results of the heat aging test, the thermal shock test and the engine oil resistance test were “good”, and no particular defect was observed in the appearance, and the injection moldability was good. However, in any of these Comparative Examples 16 and 17, it was confirmed that the vibration durability characteristics were insufficient and could not be put to practical use. Further, none of the above bending tests passed, and in the oil leakage test, oil leakage occurred in 2 out of 5 (Comparative Example 16) or 3 (Comparative Example 17), and the test result was not possible. It was. Further, the adhesion breaking torque is 4.6 N · m in Comparative Example 16, which is below the reference value, and it is recognized that the adhesion between the
比較例18では、上記の比較例15とほぼ同様の結果となり、実用の供し得ないことが認められた。すなわち、サーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験および射出成形性の結果は「良」であったが、熱老化試験の結果が不良で、また振動耐久特性が不十分であり、実用には供し得ないものであることが認められた。また、上述した曲げ試験で合格するものはなく、また油漏れ試験では、5個のうち2個で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。さらに、密着性破壊トルクは4.8N・mであり、基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性に劣ることが認められた。
In Comparative Example 18, the result was almost the same as that of Comparative Example 15 described above, and it was confirmed that it could not be put to practical use. In other words, the results of the thermal shock test and engine oil resistance test and injection moldability were “good”, but the results of the heat aging test were poor, and the vibration durability characteristics were insufficient. It was recognized that it was not. Further, none of the above bending tests passed, and in the oil leakage test, oil leakage occurred in two of the five, and the test result was not possible. Furthermore, the adhesion breaking torque was 4.8 N · m, which was below the reference value, and it was recognized that the adhesion between the
そして、比較例19では、比較例18と比べて熱老化試験の結果が改善されるものの、結局は、実用に供し得ないものであることが認められた。すなわち、振動耐久特性が不十分であり、また上述した曲げ試験で合格するものはないうえに、油漏れ試験では、5個のうち3個で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。このような結果から、密着性破壊トルクは測定していない。なお、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
And in Comparative Example 19, although the result of the heat aging test was improved as compared with Comparative Example 18, it was recognized that it could not be put to practical use after all. That is, the vibration endurance characteristics are insufficient, and none of the above-mentioned bending tests pass, and in the oil leakage test, three of the five oil leaks, and the test results are not possible. From these results, the adhesion fracture torque was not measured. In addition, the deviation of the injection position was not recognized, and the oil injected from the
さらに、比較例20および比較例21では、比較例19に類似した結果となり、実用に供し得ないものであることが認められた。即ち、熱老化試験およびサーマルショック試験ならび耐エンジンオイル性試験の各結果、および射出成形性が良好であることが認められたが、振動耐久特性が不十分であり、また上述した曲げ試験で合格するものはないうえに、油漏れ試験では、5個のうち2個(比較例20)もしくは3個(比較例21)で油漏れが生じ、試験結果は不可であった。そして、比較例20での密着性破壊トルクは3.3N・mであって基準値を下回り、本体部20等とノズル37との密着性が不十分であることが認められた。なお、比較例21については上述した結果が得られていることによる密着性破壊トルクは測定していない。また、これらいずれの比較例20,21でも、噴射位置のズレは認められず、5個の供試体の全てで、ノズル37から噴射したオイルが的の孔に入っていた。
Furthermore, in Comparative Example 20 and Comparative Example 21, the result was similar to that of Comparative Example 19, and it was confirmed that it could not be put to practical use. That is, the results of the heat aging test, the thermal shock test, the engine oil resistance test, and the injection moldability were confirmed to be good, but the vibration durability characteristics were insufficient, and the above bending test was passed. In addition, in the oil leakage test, oil leakage occurred in 2 out of 5 (Comparative Example 20) or 3 (Comparative Example 21), and the test result was not possible. The adhesion breaking torque in Comparative Example 20 was 3.3 N · m, which was below the reference value, and it was confirmed that the adhesion between the
以上、述べた実験例および比較例の結果から、本体部20等を形成する合成樹脂は、実験例および比較例での測定誤差や製品のばらつきなどを考慮して、日本工業規格で規定されている多目的試験片A型に1.8MPaの荷重を掛けて温度を変化させた場合のたわみが一定になる荷重たわみ温度が250℃〜400℃で、かつ160℃での曲げ弾性率が8000MPa〜15000MPaであり、かつノッチ付きシャルピー衝撃強さが5.0kJ/m2〜40.0kJ/m2となるナイロンとポリフェニレンサルファイドとポリエーテルエーテルケトンとポリイミドとのいずれかの樹脂とした。
From the results of the experimental examples and comparative examples described above, the synthetic resin forming the
10、10a、10b、100…オイルジェット(ピストン冷却用オイルジェット)
20、120…本体部(オイルジェット本体部)
20a、120a…入力側
20b、120b…出力側
21、121…円筒部(一端側、筒状部)
21a…段部(環状段部)
21b…凸部(環状凸部)
22、122…基部(他端側)
22a…底面(押圧部に接触する面)
23…段部(環状段部)
24…印籠凸部(平面形状が非回転形状をなす凸部)
25、125…流入路
30…バルブユニット(弁装置)
31…バルブシート
33…ボール
35…バネ
37…ノズル(ノズル部)
50…取付部(オイルジェット取付部)
51…押圧部
52…印籠凹部(穴部)
53…立上部
55…固定部
56…取付穴
BL…六角穴付きボルト
EB…エンジンブロック
J…延長軸
RP…流路開口端面
RR…流路
RR’…テーパ面
10, 10a, 10b, 100 ... oil jet (oil jet for piston cooling)
20, 120 ... main body (oil jet main body)
20a, 120a ...
21a ... Stepped portion (annular stepped portion)
21b ... convex portion (annular convex portion)
22, 122 ... Base (the other end side)
22a ... Bottom surface (surface in contact with the pressing portion)
23 ... Step (annular step)
24 .. Imprint convex portion (convex portion whose planar shape forms a non-rotating shape)
25, 125 ...
31 ...
50 ... Mounting part (oil jet mounting part)
51 ... Pressing
53 ...
Claims (5)
入力側に流入する前記加圧オイルの圧力が前記所定圧を超えると開弁し出力側と連通する弁装置を内装して前記入力側に連通可能な流入路を一端側に形成するとともに、開弁時に前記出力側から吐出される前記加圧オイルを前記ピストンに向けて噴射可能に構成されるノズル部を他端側に有し、前記エンジンブロックに取り付けられた状態で前記一端側が連結される前記流路の延長軸上に前記他端側が位置する、合成樹脂製のオイルジェット本体部と、
前記他端側から前記エンジンブロックの方向に前記オイルジェット本体部を押圧可能な押圧部とこの押圧部に連続して形成され前記エンジンブロックに固定可能に構成される固定部とを有する金属製のオイルジェット取付部と、
を備えることを特徴とするピストン冷却用オイルジェット。 The pressurized oil is directed toward the piston of the internal combustion engine when the pressurized oil attached to the engine block and supplied from the flow path exceeds a predetermined pressure so as to communicate with the flow path formed in the engine block of the internal combustion engine. In the piston cooling oil jet that injects
A valve device that opens when the pressure of the pressurized oil flowing into the input side exceeds the predetermined pressure and communicates with the output side is formed on one end side to form an inflow passage that can communicate with the input side. The other end side has a nozzle portion configured to be able to inject the pressurized oil discharged from the output side toward the piston at the time of valve operation, and the one end side is connected in a state of being attached to the engine block. An oil jet main body made of synthetic resin, the other end side of which is located on the extension axis of the flow path;
A metal part having a pressing part capable of pressing the oil jet main body part in the direction of the engine block from the other end side and a fixing part formed continuously from the pressing part and configured to be fixed to the engine block. An oil jet mount,
An oil jet for cooling a piston, comprising:
前記押圧部には、前記凸部が貫通可能な穴部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のピストン冷却用オイルジェット。 On the other end side of the oil jet main body portion, a surface that contacts the pressing portion is formed with a convex portion whose planar shape forms a non-rotating shape,
2. The piston cooling oil jet according to claim 1, wherein the pressing portion is formed with a hole through which the convex portion can pass.
前記筒状部の外周壁には、前記流路の開口径よりも僅かに大径に形成される環状段部または環状凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピストン冷却用オイルジェット。 A cylindrical part that can be inserted into the flow path opening of the engine block where the flow path is open is provided on the one end side of the oil jet main body part,
The annular stepped part or the annular convex part formed in the outer peripheral wall of the said cylindrical part slightly larger diameter than the opening diameter of the said flow path is formed. Oil jet for piston cooling.
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