JP2012021129A - ポリイソシアヌレート化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ジイソシアナート化合物を重合させるポリイソシアヌレート化合物の製造方法に関する。
ポリイソシアヌレート化合物は、断熱性、耐候性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、フィルム、塗料、接着剤、エラストマー、人工皮革、フォーム等の原料として利用されている。
また、当該ポリイソシアヌレート化合物は、ジイソシアナート化合物を重合させることにより、イソシアヌレートを経て1ポットで製造できることが知られている。このようなポリイソシアヌレート化合物の製造方法としては、例えば、耐熱性、耐薬品性、硬度を向上させるために、脂環式ジイソシアナート化合物を残存NCO基量で13重量%以下まで自己架橋させる方法(特許文献1)、N,N’−ジメチルホルムアルデヒド(DMF)溶媒中、含窒素複素環カルベンの存在下で反応させる方法(非特許文献1)が報告されている。
Chem. Eur. J. 2009, 15, 1077-1081
しかしながら、これまでの製造方法により得られるポリイソシアヌレート化合物は、ポリイソシアヌレート骨格中のイソシアナート基の残存率が高く、熱安定性の点で満足できるものではなかった。
したがって、本発明は、イソシアナート基の残存率が低く、優れた熱安定性を有するポリイソシアヌレート化合物の製造方法を提供することを課題とする。
したがって、本発明は、イソシアナート基の残存率が低く、優れた熱安定性を有するポリイソシアヌレート化合物の製造方法を提供することを課題とする。
上記特許文献1には、ジイソシアナート化合物を自己架橋させてポリイソシアヌレート化合物を合成する際に、溶媒が存在すると、残存した溶媒がポリイソシアヌレート化合物の物性に影響を及ぼすため、溶媒を使用しないと記載されている。
しかしながら、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定溶媒存在下でジイソシアナート化合物を重合させることにより、イソシアナート基の残存率が低く、優れた熱安定性を有するポリイソシアヌレート化合物が得られることを見出した。
しかしながら、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定溶媒存在下でジイソシアナート化合物を重合させることにより、イソシアナート基の残存率が低く、優れた熱安定性を有するポリイソシアヌレート化合物が得られることを見出した。
すなわち、1)本発明は、下記式(1)
(式中、R1は、炭素数1〜20の2価の有機基を示す。)
で表される化合物(以下、化合物(1)ともいう)を、含酸素溶媒存在下で重合させる工程を含むことを特徴とする、下記式(2)
で表される化合物(以下、化合物(1)ともいう)を、含酸素溶媒存在下で重合させる工程を含むことを特徴とする、下記式(2)
(式中、*は結合手を示し、R1は前記と同義である。)
で表される構造単位を有するポリイソシアヌレート化合物(以下、化合物(2)ともいう)の製造方法を提供するものである。
で表される構造単位を有するポリイソシアヌレート化合物(以下、化合物(2)ともいう)の製造方法を提供するものである。
また、2)本発明は、上記化合物(1)と、下記式(3)
(式中、R2は、炭素数1〜20の有機基を示す。)
で表される化合物(以下、化合物(3)ともいう)とを、含酸素溶媒存在下で重合させる工程を含むことを特徴とする、下記式(4)
で表される化合物(以下、化合物(3)ともいう)とを、含酸素溶媒存在下で重合させる工程を含むことを特徴とする、下記式(4)
(式中、R1、R2及び*は前記と同義である。)
で表される構造単位を有するポリイソシアヌレート化合物(以下、化合物(4)ともいう)の製造方法を提供するものである。
で表される構造単位を有するポリイソシアヌレート化合物(以下、化合物(4)ともいう)の製造方法を提供するものである。
更に、3)本発明は、上記式(2)で表される構造単位を有し、5%重量減少温度が380℃以上、10%重量減少温度が395℃以上であるポリイソシアヌレート化合物を提供するものである。
更に、4)本発明は、上記3)に記載の化合物を含有してなるフィルムを提供するものである。
本発明の製造方法によれば、分子内におけるイソシアナート基の残存率が低く、優れた熱安定性と優れた柔軟性とを両立した透明なポリイソシアヌレート化合物を、簡便かつ効率よく製造できる。
まず、本明細書で使用する記号の定義について説明する。
R1は、炭素数1〜20の2価の有機基である。ここで、「2価の有機基」は、2価の炭化水素基、2価の複素環基、及びこれらから選ばれる2種以上の基が直接又はヘテロ原子をスペーサーとして介して結合した2価の基を包含する概念である。当該炭素数1〜20の2価の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基が好ましい。当該「炭素数1〜20の2価の炭化水素基」としては、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、炭素数1〜16の2価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜14の2価の炭化水素基がより好ましく、炭素数5〜14の2価の炭化水素基が特に好ましい。
ここで、「2価の炭化水素基」は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、及びこれらから選ばれる2種以上が結合した2価の炭化水素基を包含する概念であるが、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基が好ましい。なお、当該2価の炭化水素基は分子内に不飽和結合を有していてもよい。
R1は、炭素数1〜20の2価の有機基である。ここで、「2価の有機基」は、2価の炭化水素基、2価の複素環基、及びこれらから選ばれる2種以上の基が直接又はヘテロ原子をスペーサーとして介して結合した2価の基を包含する概念である。当該炭素数1〜20の2価の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基が好ましい。当該「炭素数1〜20の2価の炭化水素基」としては、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、炭素数1〜16の2価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜14の2価の炭化水素基がより好ましく、炭素数5〜14の2価の炭化水素基が特に好ましい。
ここで、「2価の炭化水素基」は、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、及びこれらから選ばれる2種以上が結合した2価の炭化水素基を包含する概念であるが、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、2価の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基が好ましい。なお、当該2価の炭化水素基は分子内に不飽和結合を有していてもよい。
上記2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜20であるが、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、1〜16が好ましく、1〜14がより好ましく、1〜12が更に好ましく、5〜12が特に好ましい。なお、当該2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよい。具体的には、メチレン基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基が挙げられるが、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、メチレン基、アルキレン基が好ましい。当該アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。この中でも、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基が好ましい。
また、上記2価の脂環式炭化水素基の炭素数は3〜20であるが、3〜12が好ましく、3〜8がより好ましい。具体的には、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基;シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基;−シクロへキシレン−メチレン−シクロへキシレン−で表される基、−シクロへキシレン−エチレン−シクロへキシレン−で表される基等の−C3〜7シクロアルキレン−C1〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキレン−で表される基等が挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素上でもよい。
上記2価の芳香族炭化水素基の炭素数としては、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましい。具体的には、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、フェナントレン基、アンスリレン基等のアリーレン基;下記式(5)
(式中、R3は、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。)
で表される基が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、式(5)で表される基が好ましい。なお、上記芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよいが、4位及び4’位が好ましい。
で表される基が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、式(5)で表される基が好ましい。なお、上記芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよいが、4位及び4’位が好ましい。
上記R3で示される炭素数1〜6の2価の炭化水素基としては、R1における2価の炭化水素基と同様のものが挙げられるが、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましく、メチレン基、炭素数2〜3のアルキレン基が特に好ましい。
上記2価の炭化水素基には、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基から選ばれる2種以上が結合した2価の炭化水素基が含まれるが、好適な具体例としては、−C1〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキレン−C1〜6アルキレン−で表される基、−C1〜6アルキレン−フェニレン−C1〜6アルキレン−で表される基が挙げられ、−C1〜3アルキレン−C3〜7シクロアルキレン−C1〜3アルキレン−で表される基、−C1〜3アルキレン−フェニレン−C1〜3アルキレン−で表される基が好ましい。
上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基に置換しうる基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基;アミノ基;オキソ基;tert−ブチルカルボニル基等の炭素数2〜10のアルカノイル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。これら置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
また、R2は、炭素数1〜20の有機基を示す。当該「有機基」は、炭化水素基、複素環基等を包含する概念である。また、炭素数1〜20の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。ここで、当該「炭化水素基」は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を包含する概念であるが、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が好ましい。中でも、熱安定性、柔軟性及び耐薬品性の点から、芳香族炭化水素基が特に好ましい。なお、当該炭化水素基は分子内に不飽和結合を有していてもよい。
上記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アリル基が挙げられる。当該アルキル基の炭素数は1〜20であるが、化合物(3)の揮発性の点から、3〜18が好ましく、3〜10がより好ましい。なお、アルキル基の炭素数を20以下とすることにより、イソシアヌレートのネットワークポリマー全体を占める割合が高くなり、優れた熱安定性及び耐熱性が得られると推測される。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。中でも、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基が好ましい。中でも、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられる。中でも、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルへキシル基が好ましい。中でも、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
上記脂環式炭化水素基の炭素数は、3〜20であるが、5〜10が好ましい。なお、脂環式炭化水素基は、1又は2以上の環を含んでいてもよく、下記の置換基の他に、アルキルが置換していてもよい。当該脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基等のシクロアルキル基が好ましい。
上記芳香族炭化水素基の炭素数は、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、4〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6〜10が特に好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等のアリール基が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、アリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。なお、芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよい。
また、上記「炭素数1〜20の炭化水素基」に置換しうる基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基;アミノ基;オキソ基;tert−ブチルカルボニル基等の炭素数2〜10のアルカノイル基;メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基等のアルケノイルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基;ニトロフェニル基等の炭素数6〜10のニトロアリール基;3−イソプロペニルフェニル基等C1〜6アルケニル−C1〜6アリール基の等が挙げられる。これら置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の化合物(2)の製造方法は、上記化合物(1)を含酸素溶媒存在下で重合させる工程を含むことを特徴とする。
本発明で使用する化合物(1)としては、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、1,3−シクロへキシルジイソシアナート、1,4−シクロへキシルジイソシアナート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアナート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、メチレンジフェニル−2,4'−ジイソシアナート、メチレンジフェニル−4,4'−ジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、1,8−ナフタレンジイソシアナート等が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジフェニル−4,4'−ジイソシアナートが特に好ましい。なお、本発明の製造方法においては、上記化合物(1)を、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の化合物(2)の製造方法は、上記化合物(1)を含酸素溶媒存在下で重合させる工程を含むことを特徴とする。
本発明で使用する化合物(1)としては、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、1,3−シクロへキシルジイソシアナート、1,4−シクロへキシルジイソシアナート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアナート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、メチレンジフェニル−2,4'−ジイソシアナート、メチレンジフェニル−4,4'−ジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、1,8−ナフタレンジイソシアナート等が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジフェニル−4,4'−ジイソシアナートが特に好ましい。なお、本発明の製造方法においては、上記化合物(1)を、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の製造方法においては、耐薬品性及び透明性に優れるだけでなく、優れた熱安定性と優れた柔軟性とを両立する点から、上記化合物(1)に、上記化合物(3)を併用するのが好ましい。これにより、上記化合物(4)を得ることができる。
化合物(3)としては、例えば、フェニルイソシアナート、4−メトキシフェニルイソシアナート、4−エトキシフェニルイソシアナート、ジフルオロ(4−ニトロフェニル)メチルイソシアナート、m−トリルイソシアナート、p−トリルイソシアナート、3,5−ジメチルフェニルイソシアナート、3、5−ジエチルフェニルイソシアナート、1−ナフチルイソシアナート、ジメチルベンジルイソシアナート、エチルイソシアナート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアナート、n−プロピルイソシアナート、イソプロピルイソシアナート、3−イソプロペニルクミルイソシアナート、n−ブチルイソシアナート、オクタデシルイソシアナート、シクロヘキシルイソシアナート、p−トルエンスルホニルイソシアナート等が挙げられる。中でも、フェニルイソシアナート、n−プロピルイソシアナート、ブチルイソシアナートが好ましい。
なお、本発明の製造方法においては、上記化合物(3)を、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
化合物(3)を併用する場合、化合物(3)の使用量は、反応効率の点から、化合物(1)に対して、0.0001〜2.0モル当量が好ましく、0.01〜1.5モル当量がより好ましい。中でも、上限としては、優れた熱安定性と優れた柔軟性とを両立する点から、1.2モル当量が好ましく、0.75モル当量がより好ましく、0.5モル当量が更に好ましく、0.3モル当量が特に好ましい。
なお、本発明の製造方法においては、上記化合物(3)を、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
化合物(3)を併用する場合、化合物(3)の使用量は、反応効率の点から、化合物(1)に対して、0.0001〜2.0モル当量が好ましく、0.01〜1.5モル当量がより好ましい。中でも、上限としては、優れた熱安定性と優れた柔軟性とを両立する点から、1.2モル当量が好ましく、0.75モル当量がより好ましく、0.5モル当量が更に好ましく、0.3モル当量が特に好ましい。
本発明の製造方法に用いる含酸素溶媒は、分子中に酸素原子を有する溶媒であればよく、例えば、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;アルキルピロリドン等のピロリドン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)等のエーテル類;これらの混合溶媒等が挙げられる。中でも、熱安定性、柔軟性、耐薬品性、透明性及び反応効率の点から、含酸素極性溶媒が好ましく、含酸素非プロトン性極性溶媒がより好ましく、イミダゾリジノン類が更に好ましく、2ーイミダゾリジノン類が特に好ましい。また、当該溶媒の沸点としては、150℃以上が好ましく、150〜300℃がより好ましく、200〜250℃が特に好ましい。
上記溶媒の好適な具体例としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アルキルピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等のアルキルピロリドンが好ましく、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンが特に好ましい。なお、かかるアルキル基の炭素数としては1〜6が好ましい。
当該溶媒の使用量は、化合物(1)1質量部に対して、反応効率の点から、10-7〜6質量部が好ましく、10-5〜3質量部がより好ましく、10-3〜1.4質量部が特に好ましい。
上記溶媒の好適な具体例としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アルキルピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等のアルキルピロリドンが好ましく、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンが特に好ましい。なお、かかるアルキル基の炭素数としては1〜6が好ましい。
当該溶媒の使用量は、化合物(1)1質量部に対して、反応効率の点から、10-7〜6質量部が好ましく、10-5〜3質量部がより好ましく、10-3〜1.4質量部が特に好ましい。
また、本発明の製造方法は、触媒存在下、及び触媒非存在下のいずれでも行うことができるが、反応効率の点から、触媒存在下で行うのが好ましい。当該触媒としては、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、硫酸水素テトラブチルアンモニウム等の有機第4級アンモニウム塩;トリエチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン等の有機第3級アミン;有機スルフィン酸又はその塩等が挙げられ、これらのうち2種以上を用いてもよい。中でも、熱安定性、透明性及び反応効率の点から、有機第4級アンモニウム塩、有機スルフィン酸塩が好ましい。中でも、色調の点から、有機スルフィン酸塩が特に好ましい。
上記有機スルフィン酸としては、熱安定性、色調、透明性及び反応効率の点から、芳香族スルフィン酸塩が好ましい。また、当該塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。具体的には、p−トルエンスルフィン酸のアルカリ金属塩、o−トルエンスルフィン酸のアルカリ金属塩、ベンゼンスルフィン酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。中でも、色調と透明性とを両立する観点から、p−トルエンスルフィン酸のアルカリ金属塩が特に好ましい。
触媒の使用量は、化合物(1)1質量部に対して、10-4〜0.5質量部が好ましく、10-3〜0.1質量部がより好ましい。
触媒の使用量は、化合物(1)1質量部に対して、10-4〜0.5質量部が好ましく、10-3〜0.1質量部がより好ましい。
上記反応の反応温度は、特に限定されないが、20〜200℃が好ましい。また、上記反応は、反応効率の点から、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスは、特に限定されないが、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等が挙げられる。
なお、上記化合物(3)を併用する場合、柔軟性の点から、上記化合物(1)及び化合物(3)以外に、(i)ポリアルキレングリコール化合物、(ii)ポリビニル化合物、(iii)ポリアリル化合物、(iv)ポリ(メタ)アクリル化合物から選ばれる1種以上の化合物等を併用してもよい。
(i)ポリアルキレングリコール化合物としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。中でも、ポリエチレングリコールが好ましい。
(ii)ポリビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、N,N−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
(iii)ポリアリル化合物としては、N,N−ジアリルアクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルメタクリルアミド、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルフォスフェート等が挙げられる。
(iv)ポリ(メタ)アクリル化合物としては、(a)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能アクリレート化合物;(b)グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリ(メタ)アクリレート(例えば、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリ(メタ)アクリレート(例えば、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等の3官能アクリレート化合物;(c)ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上のアクリレート化合物が挙げられる。
上記化合物(i)〜(iv)の使用量は、特に限定されないが、熱安定性及び柔軟性の点から、例えば、化合物(1)に対して0〜20質量%程度、好ましくは0〜10質量%程度である。
化合物(2)及び化合物(4)は、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、遠心分離、各種溶媒による抽出、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて、反応系から、単離、精製することで分離することができる。
また、上記化合物(4)としては、耐薬品性及び透明性に優れるだけでなく、優れた熱安定性と優れた柔軟性とを両立する点から、式(2)で表される構造単位を有するものが好ましい。
また、上記化合物(4)としては、耐薬品性及び透明性に優れるだけでなく、優れた熱安定性と優れた柔軟性とを両立する点から、式(2)で表される構造単位を有するものが好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる化合物(2)及び化合物(4)は、下記の実施例に示すとおり、分子内におけるイソシアナート基の転化率が99%以上と高く、イソシアナート基の残存率が低いため、優れた熱安定性を有する。
また、化合物(2)及び化合物(4)の5%重量減少温度(Td5)としては、380℃以上が好ましく、400〜600℃がより好ましく、405〜500℃が更に好ましく、410〜450℃が特に好ましい。また、10%重量減少温度(Td10)としては、395℃以上が好ましく、400℃以上がより好ましく、420〜600℃がより好ましく、425〜550℃がより好ましく、430〜500℃が更に好ましく、440〜475℃が特に好ましい。そして、熱重量分析(TGA)において、375℃、好ましくは400℃まで化合物(2)の重量減少がないものが好ましい。なお、Td5及びTd10の測定は、下記の実施例に記載の条件に従うものとする。
また、500℃下での残炭率としては、50%〜100%が好ましく、60%〜100%がより好ましく、70〜100%が特に好ましい。なお、残炭率とは、化合物を非酸化性雰囲気下で50℃から500℃まで10℃ずつ上昇させて45分間焼成したときに残留する炭素分の質量比率をいう。
また、化合物(2)及び化合物(4)のガラス転移温度は、特に限定されないが、熱安定性の点から、下限が、好ましくは100℃、より好ましくは250℃、さらに好ましくは275℃、特に好ましくは300℃であり、他方、上限が、好ましくは450℃、特に好ましくは400℃である。
また、化合物(2)及び化合物(4)の5%重量減少温度(Td5)としては、380℃以上が好ましく、400〜600℃がより好ましく、405〜500℃が更に好ましく、410〜450℃が特に好ましい。また、10%重量減少温度(Td10)としては、395℃以上が好ましく、400℃以上がより好ましく、420〜600℃がより好ましく、425〜550℃がより好ましく、430〜500℃が更に好ましく、440〜475℃が特に好ましい。そして、熱重量分析(TGA)において、375℃、好ましくは400℃まで化合物(2)の重量減少がないものが好ましい。なお、Td5及びTd10の測定は、下記の実施例に記載の条件に従うものとする。
また、500℃下での残炭率としては、50%〜100%が好ましく、60%〜100%がより好ましく、70〜100%が特に好ましい。なお、残炭率とは、化合物を非酸化性雰囲気下で50℃から500℃まで10℃ずつ上昇させて45分間焼成したときに残留する炭素分の質量比率をいう。
また、化合物(2)及び化合物(4)のガラス転移温度は、特に限定されないが、熱安定性の点から、下限が、好ましくは100℃、より好ましくは250℃、さらに好ましくは275℃、特に好ましくは300℃であり、他方、上限が、好ましくは450℃、特に好ましくは400℃である。
また、化合物(2)及び化合物(4)のヤング率(GPa)としては、0.5〜2が好ましい。また、破断伸び率(%)としては、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。
なお、ヤング率及び破断伸び率の測定は、下記の実施例に記載の条件に従うものとする。
なお、ヤング率及び破断伸び率の測定は、下記の実施例に記載の条件に従うものとする。
また、化合物(2)及び化合物(4)としては、透明なものが好ましく、無色透明なものがより好ましい。また、形状としては、フィルム状のものが好ましい。
したがって、化合物(2)及び化合物(4)は、耐熱性フィルム・シートや光学用フィルム・シート等のフィルム又はシート、レンズ材料、光通信用部品、光ディスク等の光学材料やコート剤、ポリイソシアヌレート成形体、ポリイソシアヌレート成形体の原料、ポリイソシアヌレートフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、エラストマー、人工皮革、難燃性低誘電率熱硬化性材料、半導体用レジスト材料として有用である。なお、化合物(2)及び化合物(4)をフィルム又はシートの形態とする場合、スピンコータ、バーコータ、スプレーコート、インクジェット又はダイコータ等を用いて公知の方法により製造することができる。
また、成形体は、常法に従い成形すればよく、例えば、押出成形、圧縮成形等が挙げられ、上記化合物(2)及び化合物(4)をポリイソシアヌレート成形体の原料として使用する場合、発泡剤、整泡剤、ポリオール等のその他のポリマーや、添加剤、充填剤等を用いてもよい。
また、成形体は、常法に従い成形すればよく、例えば、押出成形、圧縮成形等が挙げられ、上記化合物(2)及び化合物(4)をポリイソシアヌレート成形体の原料として使用する場合、発泡剤、整泡剤、ポリオール等のその他のポリマーや、添加剤、充填剤等を用いてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例で使用した試薬は以下に示す通りである。
1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、フェニルイソシアナート及びn−プロピルイソシアナートは、東京化成工業から、メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアナート(4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル)は和光純薬工業から、それぞれ購入し、どちらも減圧蒸留して使用した。
また、p−トルエンスルフィン酸ナトリウムは東京化成工業から、テトラブチルアンモニウムヨージドは和光純薬工業からそれぞれ購入し、どちらも使用直前に室温で減圧乾燥して使用した。
また、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは和光純薬工業から購入し、水素化カルシウムで乾燥し、次いで減圧蒸留をした後に使用した。
1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、フェニルイソシアナート及びn−プロピルイソシアナートは、東京化成工業から、メチレンジフェニル−4,4’−ジイソシアナート(4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル)は和光純薬工業から、それぞれ購入し、どちらも減圧蒸留して使用した。
また、p−トルエンスルフィン酸ナトリウムは東京化成工業から、テトラブチルアンモニウムヨージドは和光純薬工業からそれぞれ購入し、どちらも使用直前に室温で減圧乾燥して使用した。
また、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは和光純薬工業から購入し、水素化カルシウムで乾燥し、次いで減圧蒸留をした後に使用した。
実施例における硬化物の分析条件は以下に示す通りである。
<IRスペクトル>
イソシアナート由来の吸収をIRスペクトルで確認し、イソシアナート基の転化率を求めた。IRスペクトルは、Thermo Scientific社製のSMARTiTRサンプリングユニット付NICOLET iS10を用いてATR法により測定した。
<IRスペクトル>
イソシアナート由来の吸収をIRスペクトルで確認し、イソシアナート基の転化率を求めた。IRスペクトルは、Thermo Scientific社製のSMARTiTRサンプリングユニット付NICOLET iS10を用いてATR法により測定した。
<熱重量分析>
熱重量分析(TGA)は、セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200により、アルミパンを用いて、50mL/minの窒素気流中10℃/minで昇温させて測定した。なお、熱重量分析において、Td5、Td10は、それぞれ化合物の5%重量減少温度、10%重量減少温度を意味する。
熱重量分析(TGA)は、セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200により、アルミパンを用いて、50mL/minの窒素気流中10℃/minで昇温させて測定した。なお、熱重量分析において、Td5、Td10は、それぞれ化合物の5%重量減少温度、10%重量減少温度を意味する。
<示差走査熱分析>
示差走査熱分析(DSC)は、セイコーインスツルメント社製DSC6200を用いて、10mgの硬化物をアルミパン内に封入し、窒素気流中、50℃から300℃まで、5℃/minで昇温させて測定した。
示差走査熱分析(DSC)は、セイコーインスツルメント社製DSC6200を用いて、10mgの硬化物をアルミパン内に封入し、窒素気流中、50℃から300℃まで、5℃/minで昇温させて測定した。
<柔軟性試験>
柔軟性は、引張試験により測定した。すなわち、応力・歪制御TMA装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)により、硬化物(3mm×10mm)に、室温・大気圧にて5.9Nの荷重をかけ、10μm/minで1000μmまで歪ませて、ヤング率(GPa)と破断伸び率(%)を求めることにより、測定した。
柔軟性は、引張試験により測定した。すなわち、応力・歪制御TMA装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)により、硬化物(3mm×10mm)に、室温・大気圧にて5.9Nの荷重をかけ、10μm/minで1000μmまで歪ませて、ヤング率(GPa)と破断伸び率(%)を求めることにより、測定した。
<耐薬品性試験>
硬化物を、5%塩酸溶液及び5%水酸化ナトリウム溶液に、それぞれ室温にて二日間浸漬させ、その後の外観を観察した。
硬化物を、5%塩酸溶液及び5%水酸化ナトリウム溶液に、それぞれ室温にて二日間浸漬させ、その後の外観を観察した。
実施例1 ポリイソシアヌレート化合物の合成(1)
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)を基質として、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)を基質として、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
p−トルエンスルフィン酸ナトリウム (27mg、0.15mmol) と、テトラブチルアンモニウムヨージド(TBAI,28mg,0.075mmol)を、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI,1.0mL)に溶解させた。この溶液にHMDI(1.2mL,7.5mmol)を加え、窒素雰囲気下、150℃にて2時間撹拌させ、HMDIのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、淡黄色透明フィルム状の硬化物1を得た。
この硬化物1を室温まで冷却した後、IRスペクトルによりイソシアナート基の吸収を確認した。
IRスペクトルの結果(図1)、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収がほぼ完全に消失し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していた。この結果から、イソシアナート基はほぼ完全に消費され(転化率99%)、イソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されたことが分かった。
この硬化物1を室温まで冷却した後、IRスペクトルによりイソシアナート基の吸収を確認した。
IRスペクトルの結果(図1)、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収がほぼ完全に消失し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していた。この結果から、イソシアナート基はほぼ完全に消費され(転化率99%)、イソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されたことが分かった。
得られた硬化物1を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、120℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、TGAとDSCを行った。TGAの結果を図2に示し、DSCの結果を図3に示す。
また、硬化物1の外観、形状、上記TGAにより測定されたTd5、Td10、及びガラス転移温度を、以下の表1に示す。
また、硬化物1の外観、形状、上記TGAにより測定されたTd5、Td10、及びガラス転移温度を、以下の表1に示す。
TGAの結果、400℃まで上記硬化物1の重量減少は見られず、Td5、Td10はそれぞれ431℃、449℃であった。
また、DSCの結果、硬化物1のガラス転移温度(Tg)は114℃であることがわかった。
また、DSCの結果、硬化物1のガラス転移温度(Tg)は114℃であることがわかった。
実施例2 ポリイソシアヌレート化合物の合成(2)
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート(MDI)を基質として、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート(MDI)を基質として、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
MDI(0.75g、3mmol)をDMI(0.7mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(5.4mg,0.03mmol)及びTBAI(5.5mg,0.015mmol)をDMI(0.3mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、淡黄色透明フィルム状の硬化物2を得た。
硬化物2のIRスペクトルの結果(図4)、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収がほぼ完全に消失し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していた。この結果から、イソシアナート基はほぼ完全に消費され(転化率99%)、イソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されたことが分かった。
硬化物2のIRスペクトルの結果(図4)、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収がほぼ完全に消失し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していた。この結果から、イソシアナート基はほぼ完全に消費され(転化率99%)、イソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されたことが分かった。
硬化物2を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、120℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、TGAとDSCを行った。硬化物2のTGAの結果を図5に示し、DSCの結果を図6に示す。
また、硬化物2の外観、形状、上記TGAにより測定されたTd5、Td10、500℃下の残炭率、及びガラス転移温度を、以下の表2に示す。
また、硬化物2の外観、形状、上記TGAにより測定されたTd5、Td10、500℃下の残炭率、及びガラス転移温度を、以下の表2に示す。
TGAの結果、400℃まで硬化物2の重量減少は見られず、Td5、Td10はそれぞれ411℃、445℃であった。更に、硬化物2は、500℃下においても70質量%以上の高い残炭率を示した。
また、DSCの結果、300℃までガラス転移が起こらなかった。この結果から、硬化物2のガラス転移温度(Tg)が少なくとも300℃を超える温度であり、硬化物2は極めて高い耐熱性を有することがわかった。
また、DSCの結果、300℃までガラス転移が起こらなかった。この結果から、硬化物2のガラス転移温度(Tg)が少なくとも300℃を超える温度であり、硬化物2は極めて高い耐熱性を有することがわかった。
実施例3 ポリイソシアヌレート化合物の合成(3)
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート(MDI)とフェニルイソシアナート(PhNCO)を基質として(MDI:フェニルイソシアナート=3:3)、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート(MDI)とフェニルイソシアナート(PhNCO)を基質として(MDI:フェニルイソシアナート=3:3)、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.36g、3mmol)をDMI(0.1mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(8.0mg、0.045mmol)をDMI(0.9mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物3を得た。
実施例4 ポリイソシアヌレート化合物の合成(4)
試薬の使用量を変えた以外は、実施例3と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.24g、2mmol)をDMI(0.2mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(7.1mg、0.04mmol)をDMI(0.8mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物4を得た。
試薬の使用量を変えた以外は、実施例3と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.24g、2mmol)をDMI(0.2mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(7.1mg、0.04mmol)をDMI(0.8mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物4を得た。
実施例5 ポリイソシアヌレート化合物の合成(5)
試薬の使用量を変えた以外は、実施例3と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:1.2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.14g、1.2mmol)をDMI(0.72mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(6.4mg、0.036mmol)をDMI(0.28mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物5を得た。
試薬の使用量を変えた以外は、実施例3と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:1.2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.14g、1.2mmol)をDMI(0.72mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(6.4mg、0.036mmol)をDMI(0.28mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物5を得た。
実施例6 ポリイソシアヌレート化合物の合成(6)
試薬の使用量を変えた以外は、実施例3と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:0.55)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.065g、0.55mmol)をDMI(0.35mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(5.8mg、0.033mmol)をDMI(0.65mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物6を得た。
試薬の使用量を変えた以外は、実施例3と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:0.55)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とフェニルイソシアナート(0.065g、0.55mmol)をDMI(0.35mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(5.8mg、0.033mmol)をDMI(0.65mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物6を得た。
実施例7 ポリイソシアヌレート化合物の合成(7)
触媒の種類を変更した以外は実施例2と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:0)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)をDMI(0.4mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(5.3mg、0.03mmol)をDMI(0.6mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物7を得た。
触媒の種類を変更した以外は実施例2と同様の操作により合成を行った(MDI:フェニルイソシアナート=3:0)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)をDMI(0.4mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(5.3mg、0.03mmol)をDMI(0.6mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとフェニルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物7を得た。
上記実施例3〜7で得られた硬化物3〜7のIRスペクトルの結果(図7)、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収がほぼ完全に消失し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していた。この結果から、イソシアナート基はほぼ完全に消費され(転化率99%)、イソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されたことが分かった。
硬化物3〜7を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、120℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、TGAとDSCを行った。硬化物3〜7のTGAの結果を図8に示し、DSCの結果を図9に示す。
硬化物3〜7の膜厚、外観、形状、上記TGAにより測定されたTd5、Td10及び500℃下の残炭率、ガラス転移温度、ヤング率、破断伸び率、並びに耐薬品性を、以下の表3に示す。
TGAの結果、硬化物3〜7のいずれについても、400℃までほとんど重量減少は見られず、500℃下でも58質量%以上の高い残炭率を示した。
この結果から、硬化物3〜7は、いずれも優れた熱安定性を有することがわかった。
この結果から、硬化物3〜7は、いずれも優れた熱安定性を有することがわかった。
また、DSCの結果、硬化物3〜7のいずれについても、300℃までガラス転移が起こらなかった。
この結果から、硬化物3〜7のガラス転移温度(Tg)が少なくとも300℃を超える温度であり、硬化物3〜7は、いずれも極めて優れた耐熱性を有することがわかった。
この結果から、硬化物3〜7のガラス転移温度(Tg)が少なくとも300℃を超える温度であり、硬化物3〜7は、いずれも極めて優れた耐熱性を有することがわかった。
また、柔軟性試験結果、硬化物3〜7のいずれについても、優れた破断伸び率(%)を示した。
この結果から、硬化物3〜7は、いずれも優れた柔軟性を有することがわかった。
更に、硬化物3は、極めて低い破断伸び率(1.55%)を有し、また、硬化物4〜6については、著しい柔軟性により破断伸び率が測定不能であった。
この結果から、硬化物3〜6は、硬化物7と比較して優れた柔軟性を有することがわかった。
この結果から、硬化物3〜7は、いずれも優れた柔軟性を有することがわかった。
更に、硬化物3は、極めて低い破断伸び率(1.55%)を有し、また、硬化物4〜6については、著しい柔軟性により破断伸び率が測定不能であった。
この結果から、硬化物3〜6は、硬化物7と比較して優れた柔軟性を有することがわかった。
また、耐薬品性試験の結果、硬化物3〜7は、塩酸溶液及び水酸化ナトリウム溶液のいずれについても、外観的な変化は確認できなかった。
この結果から、硬化物3〜7は、いずれも優れた耐薬品性を有することがわかった。
この結果から、硬化物3〜7は、いずれも優れた耐薬品性を有することがわかった。
実施例8 ポリイソシアヌレート化合物の合成(8)
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート(MDI)とn−プロピルイソシアナート(n−PropylNCO)を基質として(MDI:n−プロピルイソシアナート=3:3)、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
以下の合成経路(自己架橋反応)に従い、メチレンジフェニル−4,4'―ジイソシアナート(MDI)とn−プロピルイソシアナート(n−PropylNCO)を基質として(MDI:n−プロピルイソシアナート=3:3)、ポリイソシアヌレート化合物を合成(ネットワーク化)した。
MDI(0.75g、3mmol)とn−プロピルイソシアナート(0.26g、3mmol)をDMI(0.1mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(8.0mg、0.045mmol)をDMI(0.9mL)に溶解させた溶液とを、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとn−プロピルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物8を得た。
実施例9 ポリイソシアヌレート化合物の合成(9)
試薬の使用量を変えた以外は、実施例8と同様の操作により合成を行った(MDI:n−プロピルイソシアナート=3:2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とn−プロピルイソシアナート(0.17g、2mmol)をDMI(0.2mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(7.1mg、0.04mmol)をDMI(0.8mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとn−プロピルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物9を得た。
試薬の使用量を変えた以外は、実施例8と同様の操作により合成を行った(MDI:n−プロピルイソシアナート=3:2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とn−プロピルイソシアナート(0.17g、2mmol)をDMI(0.2mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(7.1mg、0.04mmol)をDMI(0.8mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとn−プロピルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物9を得た。
実施例10 ポリイソシアヌレート化合物の合成(10)
試薬の使用量を変えた以外は、実施例8と同様の操作により合成を行った(MDI:n−プロピルイソシアナート=3:1.2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とn−プロピルイソシアナート(0.10g、1.2mmol)をDMI(0.72mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(6.4mg、0.036mmol)をDMI(0.28mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとn−プロピルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物10を得た。
試薬の使用量を変えた以外は、実施例8と同様の操作により合成を行った(MDI:n−プロピルイソシアナート=3:1.2)。
すなわち、MDI(0.75g、3mmol)とn−プロピルイソシアナート(0.10g、1.2mmol)をDMI(0.72mL)に溶解させ、この溶液と、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム(6.4mg、0.036mmol)をDMI(0.28mL)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下で混合し、室温にて15分間静置した。反応は速やかに進行し、15分でMDIとn−プロピルイソシアナートのワニスを得た。次いで、得られたワニスをシャーレに流し込み、無色透明フィルム状の硬化物10を得た。
上記実施例8〜10で得られた硬化物8〜10のIRスペクトルの結果(図10)、2200cm-1付近のイソシアナート基由来の吸収がほぼ完全に消失し、新たにイソシアヌレート骨格のカルボニル基由来の1700cm-1付近の吸収が増加していた。この結果から、イソシアナート基はほぼ完全に消費され(転化率99%)、イソシアヌレート骨格で高密度にネットワーク化されたことが分かった。
硬化物8〜10を、クロロホルムで24時間ソックスレー抽出し、120℃の真空乾燥機で一晩乾燥させた後、TGAとDSCを行った。硬化物8〜10のTGAの結果を図11に示し、DSCの結果を図12に示す。
硬化物8〜10の外観、形状、上記TGAにより測定されたTd5、Td10及び500℃下の残炭率(質量%)、並びにガラス転移温度(℃)を、表4に示す。
TGAの結果、硬化物8〜10のいずれについても、380℃までほとんど重量減少は見られず、500℃下においても55質量%以上の高い残炭率を示した。
この結果から、硬化物8〜10は、いずれも優れた熱安定性を有することがわかった。
この結果から、硬化物8〜10は、いずれも優れた熱安定性を有することがわかった。
また、DSCの結果、硬化物8〜10のいずれについても、300℃までガラス転移が起こらなかった。
この結果から、硬化物8〜10のガラス転移温度(Tg)が少なくとも300℃を超える温度であり、硬化物8〜10は、いずれも極めて高い耐熱性を有することがわかった。
この結果から、硬化物8〜10のガラス転移温度(Tg)が少なくとも300℃を超える温度であり、硬化物8〜10は、いずれも極めて高い耐熱性を有することがわかった。
本発明の製造方法により得られたポリイソシアヌレート化合物は、柔軟性、耐薬品性を有し、且つイソシアナート基の残存率が極めて低いことから、高い耐熱性、熱安定性を有する。
したがって、本発明で得られる高分子量ポリイソシアヌレートは、レンズ材料、光通信用部品、耐熱性フィルム又はシート、光学用フィルム又はシート、難燃性低誘電率熱硬化性材料、光ディスク等の光学材料、半導体用レジスト材料等としての利用が可能である。
したがって、本発明で得られる高分子量ポリイソシアヌレートは、レンズ材料、光通信用部品、耐熱性フィルム又はシート、光学用フィルム又はシート、難燃性低誘電率熱硬化性材料、光ディスク等の光学材料、半導体用レジスト材料等としての利用が可能である。
Claims (16)
- 前記含酸素溶媒が、含酸素極性溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記含酸素溶媒の沸点が150℃以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記含酸素溶媒が、イミダゾリジノン類である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- R1が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、R2が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である請求項2〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- R1が、置換基を有していてもよい炭素数5〜14の2価の炭化水素基である請求項7記載の製造方法。
- R2が、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、又は置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基である請求項7又は8記載の製造方法。
- R1が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、R2が、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である請求項11記載の化合物。
- R2が、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である請求項12又は13記載の化合物。
- 500℃下での残炭率が50%以上、ガラス転移温度が275℃以上である請求項10〜14のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項10〜15のいずれか1項に記載の化合物を含有してなるフィルム。
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