JP2012020761A - 電気電子機器部品搬送用ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送の際にも内容物の汚染による性能低下を起こさないクリーン性に優れた、生産性の高い電気電子機器部品搬送用ケースの提供。
【解決手段】メタロセン触媒を使用して製造されたプロピレン系樹脂100重量部に対し、好ましくは特定の構造を有する立体障害アミド化合物である造核剤を0.01〜0.4重量部配合してなり、揮発性成分の量が5重量ppm以下であるプロピレン系樹脂組成物を用いる電気電子機器部品搬送用ケース。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気電子機器部品搬送用ケースに関し、詳しくは、搬送の際にも性能低下を起こさないクリーン性に優れた、生産性の高い電気電子機器部品搬送用ケースに関する。
プロピレン系樹脂は、耐熱性、成形性、透明性、耐薬品性に優れるという特徴により、各種工業材料、各種容器、日用品、フィルムおよび繊維など様々な用途に幅広く使用されている。
電気電子機器には、シリコンウエハー、ハードディスク、ディスク基板、ICチップ、光記憶用ディスク、LCD用高機能基板ガラス、LCDカラーフィルター、ハードディスク磁気ヘッド素子、CCD素子等々の各種部品が使用されているが、電気電子機器の組み立てにおいては、これら部品を組み立てラインに供するため、これら部品を運搬、移送する必要性があり、そのための搬送用ケースが用いられる。従来、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂の搬送用ケースがこの目的のため用いられてきた。
近年、電気電子機器部品は、その微細化、高性能化、高容量化にともない、製造環境、保管、移動中に発生、接触する汚染物質が、電気電子機器製品の歩留まり、品質、信頼性に大きな影響を及ぼすようになってきた。樹脂が含有する低分子量成分や残留物質による揮発成分は、加工時の発煙、異臭等の発生原因になるばかりか、加工後でも臭気、色相に悪影響を与えることがあるが、電気電子機器部品の微細化・高密度化・高集積化が進むにつれて、より高度な清浄空間が必要になる。
そして、搬送用ケースに収納された上記部品に、性能上の不具合が発生する頻度が増加する問題が生じてきている。例えば、記憶ディスクに有機物や酸性ガスが付着することからくる記憶ディスクの動作不良等の不具合があげられる(例えば、非特許文献1参照。)。搬送用ケースの樹脂材料から発生する有機物汚染ガスや水分の発生を抑えることにより、製品の歩留まり、貯蔵、移動中における品質の低下を防止し、信頼性を向上させることが期待される。
ポリプロピレン系樹脂に係わるこのような問題を解決するために、重合後に低分子量成分を洗浄除去する方法(例えば、特許文献1、2参照。)や、塊状重合後の液相部分を分離除去する方法(例えば、特許文献3、4参照。)が提案されているが、いずれの方法を用いても、得られた樹脂中のオリゴマー成分量やこれに由来する揮発成分量は、十分といえるレベルではなく、品質の優れたプロピレン系樹脂の出現が望まれていた。
また、ポリプロピレン系樹脂は結晶化が遅く、成形において冷却時間を多く必要とするため生産性が悪く、生産性の良いプロピレン系樹脂が望まれていた。
超クリーン化技術 東レリサーチセンター(2005年7月)
特公昭53−4107号公報 特公昭58−41283号公報 特開平10−17612号公報 特開平10−17613号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の状況において、揮発性成分量が極めて少なく、電気電子機器部品の搬送の際にも性能低下を起こさない、クリーン性に優れた、生産性の高い電気電子機器部品搬送用ケースを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行い、搬送用ケース材料から発生する炭化水素等の微量ガスが電気電子機器部品に作用し、沈着して、上記不具合を発生させることに着目した。そして、ポリプロピレン系樹脂に造核剤を所定の割合で添加して結晶化を促進することにより、これを用いた搬送用ケースは、造核剤に起因する揮発性成分が増加せず、炭化水素等の揮発性成分は特定の値以下にしたものが、搬送・保管等の際に性能低下を起こさないことを見出し、また、高い生産性で電気電子機器部品搬送用ケースを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、メタロセン触媒を使用して製造されたプロピレン系樹脂100重量部に対し、造核剤を0.01〜0.4重量部配合してなり、揮発性成分の量が5重量ppm以下であるプロピレン系樹脂組成物を用いたことを特徴とする電気電子機器部品搬送用ケースが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、プロピレン系樹脂組成物のナトリウムおよびカルシウム含有量が、それぞれ100ppm以下であることを特徴とする電気電子機器部品搬送用ケースが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、プロピレン系樹脂組成物の結晶化エンタルピーが、−94J/g以下であることを特徴とする電気電子機器部品搬送用ケースが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、造核剤が、立体障害性アミド化合物であることを特徴とする電気電子機器部品搬送用ケースが提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、立体障害性アミド化合物が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で示されることを特徴とする電気電子機器部品搬送用ケースが提供される。
Figure 2012020761
(式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
Figure 2012020761
(式中、Y、Y及びYは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
Figure 2012020761
(式中、Z、Z及びZは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
本発明の電気電子機器部品搬送用ケースは、従来の搬送用ケースと比べ極めて内容物の汚染が生じにくく、搬送の際にも性能低下を起こさず、クリーン性に優れた、生産性の高い電気電子機器部品搬送用ケースを提供でき、特に高集積回路用半導体等の搬送に非常に有用である。
本発明の電気電子機器部品搬送用ケースは、メタロセン触媒を使用して製造されたプロピレン系樹脂を使用し、造核剤を特定量配合してなり、揮発性成分の量が特定量以下であるプロピレン系樹脂組成物を用いたことを特徴とする。
以下、本発明の電気電子機器部品搬送用ケースに用いるプロピレン系樹脂組成物の各構成成分及び電気電子機器部品搬送用ケースの製造法について、詳細に説明する。
[I]プロピレン系樹脂組成物を構成する成分
(1)プロピレン系樹脂(A)
本発明におけるプロピレン系樹脂とは、プロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体を意味する。それらの中で、プロピレン単独重合体およびプロピレンとエチレンとのランダム共重合体が好ましい。プロピレンとエチレンのランダム共重合体の場合、好ましくはプロピレン単位を90〜99.5重量%、さらに好ましくは92〜99重量%、エチレン単位を好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%含んでなるものである。
本発明で用いるプロピレン系樹脂は、揮発性成分量が5重量ppm以下であることが必要であり、好ましくは4.5重量ppm以下である。揮発性成分量が5重量ppmより多いと、揮発性成分が電気電子機器部品へ付着し、部品性能の不具合発生頻度の上昇をもたらす。
本発明における揮発性成分は、特に限定されるものではないが、未反応モノマー、低分子量化合物、重合溶媒、溶剤等のプロピレンの重合工程に起因する揮発性成分、あるいは、酸化防止剤のような重合後のポリプロピレンに添加される各種添加剤等に起因する揮発性の成分等が挙げられる。
揮発性成分の発生原因としては、多くのことが考えられるが、プロピレン系樹脂の重合法、製造法の違いに起因する場合が多い。
チーグラー触媒によって製造されたプロピレン系樹脂は、GPCによる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定して、Mw/Mn(分子量分布の指標)を求めると、触媒の種類、重合条件により若干異なるが、約4〜9であるのに対して、メタロセン触媒によるプロピレン系樹脂は約2〜3であり、分子鎖の長さが非常に揃っているといえる。揮発性成分の発生の原因になると考えられる未反応モノマー、ダイマー、低分子量化合物、非晶質成分、オリゴマーなどの、比較的低分子量の成分の含有量が、通常は5ppm以下、3ppm以下、好ましくは1ppm以下と少ないために、メタロセン触媒によるプロピレン系樹脂を使用することが揮発性成分の発生の原因を原料の段階で、5重量ppm以下に止めることが、より容易に可能である。
一方、チーグラー触媒によるプロピレン系樹脂の場合には、分子量分布が比較的広く、低分子量域を潜在的に多く含むために、揮発性成分をプロピレン系樹脂という、いわゆる成形用ポリマーの原料段階で、多量に12ppm、16ppm、19ppmというような、10重量ppm以上に含まれている場合が多い。したがって、本発明におけるプロピレン系樹脂組成物には、メタロセン触媒を使用して製造されたプロピレン系樹脂を使用する。
勿論、揮発性成分は、プロピレン系樹脂の副生成物ばかりでなく、重合溶媒、共重合に供されるモノマーであるエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、触媒、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の不活性飽和炭化水素溶剤や液状α−オレフィン等のポリマー洗浄溶液、回収溶剤のような重合体の製造の段階で混入するものもありえる。さらに、酸化防止剤、加工助剤のような各種添加剤から混入することも想定できるので、プロピレン系樹脂の揮発成分を5重量ppm以下とするには、重合、重合体の洗浄、抽出、添加剤を含むあらゆる工程、観点からの対策を留意する必要がある。
また、本発明で用いるプロピレン系樹脂は、ポリマー内に含まれるハロゲン含有量、例えば、塩素の含有量が10重量ppm以下であることがこのましく、より好ましくは5重量ppm以下である。ハロゲン含有量が多いと腐食性を発現することになるので、好ましくない。
また、本発明で使用するプロピレン系樹脂組成物において、そのナトリウムおよびカルシウム含有量は、それぞれ100ppm以下であることが好ましい。ナトリウムおよびカルシウム含有量が100ppmを超えると、収納した電気電子機器部品に対し、成形体から剥がれ落ちた樹脂の欠片が付着した場合、付着した部分の電気特性が変化することにより欠損となる可能性がある。ナトリウムやカリウム含有量が高いほど欠損の可能性は高まるため、問題の生じない範囲としての100ppm以下である。より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下と低減させることが望ましい。
本発明で用いるプロピレン系樹脂は、メタロセン触媒を用いて製造される。
メタロセン触媒としては、公知のメタロセン触媒系が使用できるが、好ましくは、メチルアルモキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物やフッ素含有ホウ素化合物を助触媒として使用しない触媒系が用いられる。
アルミニウムオキシ化合物を用いて重合すると生成ポリマー中に存在するアルミニウム量が多くなり、また、フッ素含有ホウ素化合物を用いて重合すると生成ポリマー中に存在するハロゲン量が多くなる。上記した好ましいハロゲン含有量のプロピレン系樹脂を得るためには、触媒除去工程の負荷を非常に大きくせねばならず、実用的でない。
メタロセン触媒としては、担持型ものが好ましい。
担持型メタロセン触媒の特に好ましい例としては、担体が助触媒の機能を兼ねたイオン交換性層状ケイ酸塩が挙げられる。具体的には、以下に述べる成分[A]、成分[B]および必要に応じて添加される成分[C]を組み合わせて得られる。
成分[A]メタロセン錯体
共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表第4〜6族の遷移金属化合物
成分[B]助触媒
イオン交換性層状ケイ酸塩
成分[C]有機アルミニウム化合物
・成分[A]メタロセン錯体
上記の成分[A]としては、具体的には、次の一般式[I]で表される化合物を使用することができる。
Q(C4−a )(C4−b )MXY ・・・[I]
一般式[I]において、Qは、二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を表す。
Mは、周期律表第4〜6族遷移金属を表し、中でもチタン、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を示す。
およびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のRまたは2個のRがそれぞれ結合してC4〜C10環を形成していてもよい。特には、6員環、7員環を形成して、上記共役五員環と共に、インデン環、アズレン環を形成することが好ましい。
aおよびbは、0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Qは、例として、アルキレン基、アルキリデン基、シリレン基、ゲルミレン基等が挙げられる。これらは水素原子がアルキル基、ハロゲン等で置換されたものであってもよい。特には、シリレン基が好ましい。
メタロセン錯体として、具体的には次の化合物を好ましく挙げることができる。
(1)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(4)エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(5)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(6)エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド
(7)エチレン1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド
(8)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(9)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(10)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(11)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド
(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(13)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(14)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリド
(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド
(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(17)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(18)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(19)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(20)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(21)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド
(22)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド
(23)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(24)ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
また、チタニウム化合物、ハフニウム化合物などの他の第4、5、6族遷移金属化合物についても上記と同様の化合物が好ましく挙げられる。本発明の触媒成分および触媒については、これらの化合物を併用してもよい。
・成分[B]助触媒(イオン交換性層状ケイ酸塩)
イオン交換性層状ケイ酸塩は、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
イオン交換性層状ケイ酸塩として粘土化合物を使用することができ、粘土化合物の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
(1)1:1型構造が主要な構成層であるディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族
(2)2:1型構造が主要な構成層であるモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群
本発明で使用する珪酸塩は、上記(1)、(2)の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。
本発明においては、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトであることが特に好ましい。
これら珪酸塩を酸、塩、アルカリ、酸化剤、還元剤、有機溶剤などで化学処理することにより活性向上を図ることができる。
酸処理は、イオン交換性層状珪酸塩粒子の表面の不純物を除く、あるいは層間陽イオンの交換を行うほか、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
酸処理で用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸などが挙げられるが、好ましくは無機酸、特に好ましくは硫酸である。
酸処理条件に特に制限はないが、好ましくは5〜50重量%の酸の水溶液を60〜100℃の温度で1〜24時間反応させるような条件であり、その途中で酸の濃度を変化させてもよい。酸処理した後、通常洗浄が行われる。洗浄とは処理系内に含まれる酸をイオン交換性層状珪酸塩から分離除去する操作である。
塩類処理で用いられる塩類としては、特定の陽イオンを含有するものを選択して使用することが好ましい。陽イオンの種類については1から4価の金属陽イオンが好ましく、特にLi、Ni、Zn、Hfの陽イオンが好ましい。
具体的な塩類としては、次のものを例示することができる。
陽イオンがLiのものとしては、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、Li(ClO)、Li(C)、LiNO、Li(OOCCH)、Li(C)等を挙げることができる。
陽イオンがNiのものとしては、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等を挙げることができる。
陽イオンがZnのものとしては、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、ZnI等を挙げることができる。
陽イオンがHfのものとしては、Hf(OOCCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI等を挙げることができる。
化学処理後は、乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は100〜800℃で実施可能であり、構造破壊を生じるような高温条件(加熱時間にもよるが、例えば800℃以上)は好ましくない。構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、または減圧下である。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
・成分[C]有機アルミニウム化合物
成分[C]の有機アルミニウム化合物は、必要に応じて任意的に使用される成分であり、下記一般式[II]で示される化合物が適当である。
(AlR 3−p・・・[II]
式[II]中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは1〜3の、qは1〜2の整数である。
としては、アルキル基が好ましく、またXは、それがアルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。
これらのうち、好ましくは、p=3、q=1のトリアルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
有機アルミニウム化合物は、単独又は複数種混合して、あるいは併用して使用することができる。また、有機アルミニウム化合物は、触媒調製時だけでなく、予備重合あるいは本重合時にも添加して使用することができる。
本発明に使用されるメタロセン触媒は、本重合が行われる前に予備重合処理することが望ましい。予備重合に供されるモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、1,3−ブタジエン等のジエン化合物、スチレン、ジビニルベンゼン等のビニル化合物を用いることができる。
この予備重合は、不活性溶媒中で穏和な条件で行うことが好ましく、固体触媒(成分[A]と成分[B]の合計)1gあたり、0.01〜1,000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が生成するように行うことが望ましい。
重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは不存在下に行われる。本発明においては、固体触媒(固体触媒を予備重合処理した場合は、予備重合で生成した重合体を含まない。)当たりのポリマー生成量をできるだけ大きくすることが望ましい。ポリマー生成量を大きくするために、重合温度、重合圧力はいずれも高めに設定することが望ましい。
通常、重合温度は60〜90℃、重合圧力は1.5〜4MPa程度から選択される。特に、バルク重合の場合、重合温度は60〜80℃で、重合圧力は温度と相関して2.5〜4MPa程度から選択することが好ましい。一方、気相重合の場合は、重合温度は70〜90℃で、1.5〜4MPa程度から選択することが好ましい。
さらに、固体触媒の滞留時間を長くすることによっても、固体触媒当たりのポリマー生産量を上げることが可能であるが、あまり長くし過ぎると生産性に影響を与える。好ましい滞留時間は、1〜8時間、さらに好ましくは1〜6時間である。担体を含めた固体触媒1gあたりのポリマー生産量は20kg以上、好ましくは25kg以上、さらに好ましくは30kg以上となるように、重合条件を設定することが望ましい。
また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。更に、重合温度、分子量調節剤の濃度等を変えて多段階で重合させてもよい。
本発明においては、重合終了後、得られたプロピレン系樹脂を、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの不活性飽和炭化水素溶剤や液状α−オレフィンなどを用いて、さらに好ましくは炭素数3または4の不活性炭化水素溶剤や液状α−オレフィンを用いて、洗浄を行うことが好ましい。
洗浄方法としては、特に制限はなく、撹拌槽での接触処理後上澄みのデカンテーション、向流洗浄、サイクロンによる洗浄液との分離など、公知の方法を用いることができる。
また、洗浄前あるいは洗浄と同時に、失活剤を添加してもよい。失活剤に関しては、特に制限はなく、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類など、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
(2)造核剤(B)
本発明のプロピレン系樹脂において、使用する造核剤は、造核剤からの揮発性成分が問題とならない範囲で、各種の造核剤が使用可能である。造核剤を用いることによりプロピレン系樹脂の結晶が緻密に生成され、搬送用ケースが含有する揮発性成分が成形品の外部へ漏れ出ることを抑制できる。
造核剤としては、立体障害性アミド化合物、有機ジカルボン酸金属塩、有機モノカルボン酸金属塩、ポリマー核剤、有機燐酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトールもしくはその誘導体、ジテルペン酸類の金属塩等が使用される。
立体障害性アミド系の造核剤は、下記化学構造式(1)、(2)又は(3)で示される1つ以上の化合物を含んでいる。
Figure 2012020761
Figure 2012020761
Figure 2012020761
(式中、R、R及びR、又はY、Y及びY、又はZ、Z及びZは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
この未置換の又は置換された炭化水素基とは、具体的に下記に示す各種化合物が例示される。本発明の改質剤は、基本的には上記一般式で表される構造式(1)〜(3)の化合物の形態を有すれば適性に達成できる性能を有するが、未置換の又は置換された炭化水素基を表す各種化合物は、本発明の一般式(1)〜(3)の構造式で表される化合物を合成する際にいかなる反応成分を選定するかによるものであり、一般式(1)〜(3)の化合物の反応収率に若干影響するが、改質剤としては同等に作用するものであり、以下のものが具体的に例示できる。
基R、R及びR、又はY、Y及びY、又はZ、Z及びZの少なくとも1つが、枝分かれした炭素原子数3ないし20のアルキル基、又は、未置換の又は1つ以上の炭素原子数1ないし20のアルキル基によって置換された炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基で表わされる前記式(1)、(2)又は(3)の化合物が好ましい。
また、基R、R及びR、又はY、Y及びY、又はZ、Z及びZが、互いに独立して、未置換または1つ以上の1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、第三ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、第三ブチルメチル基、シクロプロピル基、3−メチルシクロプロピル基、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、4−第三ブチルシクロヘキシル基、(4−メチルシクロヘキシル)メチル基、
Figure 2012020761
Figure 2012020761
Figure 2012020761
α−シクロヘキシルベンジル基、3−メチルベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−ビフェニルメチル基、2−ナフチルメチル基、m−トリル基、m−メトキシフェニル基、p−トリル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−第三ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル基で表わされる前記式(1)、(2)又は(3)の化合物がより好ましい。
具体的には、前記式(1)で示される化合物として、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[4−メチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,4−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,5−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[シクロペンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[1−アダマンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−メチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−エチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−シクロヘキシル−アセチルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3−シクロヘキシル−プロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[4−シクロヘキシル−ブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[5−シクロヘキシル−バレロイルアミノ]ベンゼン、1−イソブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、2,2−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、3,3−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリルアミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチルブチリル)−アミノベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノ−ベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリル−アミノベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチル−ブチリルアミノ)アミノベンゼン又は、1,3,5−トリス[3−(トリメチルシリル)プロピオニルアミノ]ベンゼンを挙げることができる。
また、前記式(2)で示される化合物として、N−t−ブチル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、N−t−ブチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−t−オクチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−(1,1−ジメチル−プロピル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−(t−オクチル)−3,5−ビス−(イソブチリルアミノ)−ベンズアミド、N−(t−ブチル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−(2,3−ジメチル−シクロヘキシル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−t−ブチル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−(3−メチルブチル)−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロペンチル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロペンチル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロペンチル−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロペンチル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロペンチル−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(3−メチルブチリルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(4−メチルペンタノイルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−シクロヘキシル−3,5−ビス−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−ベンズアミド、N−イソプロピル−3,5−ビス−(ピバロイルアミノ)−ベンズアミド、N−イソプロピル−3,5−ビス−(イソブチリルアミノ)−ベンズアミド、N−t−ブチル−3,5−ビス−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−ベンズアミド又は、N−t−オクチル−3,5−ビス−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−ベンズアミドを挙げることができる。
さらに、前記式(3)で示される化合物として、5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ−t−ブチルジアミド、5−ピバロイルアミノ−イソフタル酸N,N’−ジ−t−オクチルジアミド、5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−t−ブチルジアミド、5−(2,2−ジメチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−t−オクチルジアミド、5−(3−メチルブチリルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、5−(ピバロイルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、5−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ジ−シクロヘキシルジアミド、5−(シクロペンタンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、5−(シクロヘキサンカルボニルアミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド、5−((1−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミド又は、5−((2−メチルシクロヘキサンカルボニル)アミノ)−イソフタル酸N,N’−ビス−(2−メチルシクロヘキシル)ジアミドを挙げることができる。
このような化合物は、例えば、公表特許2006−518402号公報に記載の方法等によって製造することができる。
これらのうち、基R、R及びR、又はY、Y及びY、又はZ、Z及びZが、同一の基である前記式(1)、(2)又は(3)で示される化合物が好ましい。
なかでも、R、R及びRが第三ブチル基で表わされる前記式(1)の化合物、すなわち、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼンが特に好ましい。
有機ジカルボン酸金属塩系の造核剤としては、例えば、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、シクロヘキサンカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸およびこれらのLi、Na、Mg、Ca、Ba、Al塩などを挙げることができる。
ポリマー核剤としては、例えば、ポリビニルシクロヘキサン、ポリ−3−メチル−ブテン−1等が例示される。
有機燐酸エステル金属塩系造核剤としては、例えば、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス−(2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、マグネシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、バリウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−m−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、カリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フオスフェート)、マグネシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、バリウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、アルミニウム−トリス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)等が例示される。
有機モノカルボン酸金属塩系造核剤としては、例えば、安息香酸、アリル置換酢酸、等の金属の塩であり、具体的には、安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、o−第3級ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、モノフェニル酢酸、ジフェニル酢酸、フェニルジメチル酢酸、アジピン酸およびこれらのLi、Na、Mg、Ca、Ba、Al塩、等が例示される。
ジベンジリデンソルビトールもしくはその誘導体系の造核剤としては、例えば、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトールもしくは1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトールなどを例示することができる。特に、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトールまたは1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール等が例示される。
ジテルペン酸類の金属塩系の造核剤は、ジテルペン酸類とマグネシウム化合物、アルミニウム化合物等の金属化合物との反応生成物である。ジテルペン酸は、一般に、松科植物から得られる天然樹脂として知られているロジン、具体的には、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;不均化ロジン、水素化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性ロジン;および前記天然ロジンや変性ロジンの精製物などを原料として得られる。ジテルペン酸類としては、例えば、ピマル酸、サンダラコピマル酸、パラストリン酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などが挙げられる。
上記した造核剤のうち、特に好ましい造核剤は、立体障害性アミド化合物、有機ジカルボン酸金属塩である。
立体規則性アミド化合物は、金属化合物を含まず、ポリプロピレン系樹脂組成物からの金属溶出の懸念が少ないためである。有機ジカルボン酸金属塩は、有機燐酸エステル塩やソルビトールと比べ少量の添加量で結晶化を促進するため、造核剤に由来する成分がポリプロピレン系樹脂組成物から溶出する懸念が少ないためである。
造核剤の添加量は、プロピレン系樹脂100重量部に対し、0.01〜0.4重量部の範囲である。造核剤の添加量が0.01重量部未満であるとポリプロピレンの結晶を緻密に生成できず、揮発性成分量が増加するため不適である。造核剤の添加量が0.4重量部を超えると、造核剤に由来するアウトガスの発生が懸念され、さらに製造費用が高くなるため不適である。
(3)プロピレン系樹脂組成物の特性
本発明において、プロピレン系樹脂組成物のナトリウムおよびカルシウム含有量が、それぞれ100ppm以下であることが好ましい。ナトリウムおよびカルシウム含有量が増加すると、電気電子機器部品搬送用ケースに保管した内容物にケースから剥離した樹脂が付着し、付着部分で導電性が変化し内容物に欠損が生じる可能性がある。そのため造核剤を添加した組成物のナトリウムおよびカルシウム含有量は、それぞれ100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下がより好ましく、特には、10ppm以下が好ましい。
また、プロピレン系樹脂組成物の結晶化エンタルピーが、−94J/g以下であることが好ましい。結晶化エンタルピーは、プロピレン系樹脂の結晶化速度の増加と結晶性の向上の尺度となり、プロピレン系樹脂組成物の結晶化エンタルピーが、−94J/gを超えると、ポリプロピレンの結晶性が低いために成形体表面から揮発成分が流出することを抑制できず、揮発性分量が増加することから好ましくない。より好ましくは、−97J/g以下である。結晶化エンタルピーの制御は、ポリプロピレン樹脂組成物を製造する触媒、プロピレンと共重合成分の割合、造核剤の種類、配合量を調製することにより行うことが可能である。
なお、結晶化エンタルピーは、示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素ガス雰囲気下、室温から10℃/分の速度で200℃まで昇温して5分間維持したのち、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させたときに得られるピーク面積より結晶化エンタルピー(ΔHTc)を求められる。
(4)酸化防止剤
本発明に用いられるプロピレン系樹脂には、各種フェノール系酸化防止剤が使用可能である。具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(ブチレ−テッドヒドロキシトルエン)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレ−ト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等を好ましく挙げることができる。
本発明の効果を阻害しない範囲で、他の酸化防止剤を併用することも可能であるが、リン、硫黄を含む酸化防止剤を使用すると、含まれるリン、硫黄が内容物に対し悪影響を及ぼし、製品性能を損なう可能性があるため望ましくない。
フェノール系酸化防止剤の好ましい添加量は、プロピレン系樹脂100重量部に対し、0.03〜0.2重量部の範囲である。フェノール系酸化防止剤の添加量が0.03重量部未満であると、熱によるポリプロピレンの劣化を防止できず、揮発性成分量が増加するため不適である。フェノール系酸化防止剤の添加量が0.2重量部を超えると、酸化防止剤に由来するアウトガスの発生が懸念され、製造費用が高くなり、製品の色合いが悪化する懸念があるため不適である。また、配合量が多くなれば、ブルーミングにより、半導体内容物を直接汚染するばかりでなく、揮発性成分として認識される場合も有り得るので注意を要する。
また、本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤の添加量(重量部)の下限は、プロピレン系樹脂100重量部に対し、下記式を満足するように調整されていることが望ましい。
3×10−3T―0.67
(但し、単位は重量部、Tは成形温度(℃)である。また、0.03未満の値は、0.03とする。)
これは、射出成形において、本発明の電気電子機器部品搬送用ケースを得る際、該ケースが大きいものや薄肉のもの、複雑な形状の場合、成形温度を高くする必要がある。しかし、成形温度が高温であるほど熱劣化は促進され、揮発性成分が増加するため、フェノール系酸化防止剤は多く必要となる。反面、フェノール系酸化防止剤を多く加えるほど、色相は悪化する。そこで、製品の実用上要求される成形性、揮発性成分量および色相を考慮したときに、上記式で表されるフェノール系酸化防止剤の添加量が最も効果的となる。なお、ここで成形温度は、(射出)成形機のシリンダー設定温度をさす。
(5)その他の成分
本発明のプロピレン系樹脂シートに用いられる樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することもできる。このような任意成分としては、帯電防止剤、防曇剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、充填剤、難燃剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤等を挙げることができる。
(6)搬送用ケースの成形方法
本発明の電気電子機器部品搬送用ケースを製造するには、上記で説明したプロピレン系樹脂に上述した添加剤を含有したプロピレン系樹脂組成物を、公知の方法で射出成形等により所望形状のケースに成形する。搬送用ケースとは、各種マガジン、トレイ、ボックス、容器等を含む。
なお、ここで電気電子機器部品とは、特に限定されないが、例えば、シリコンウエハー、ハードディスク、ディスク基板、ICチップ、光磁気ディスク(MO)、DVD、BD、各種メモリー、LCD用高機能基板ガラス、LCDカラーフィルター、ハードディスク用磁気抵抗ヘッド、CCD、CCDデバイス、光学機器半導体部品等の各種電気電子機器用の部品をいう。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて、詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例で限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例において、重合体の物性測定は下記の方法に従ったものである。
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)融点(Tm):
セイコー社製DSCを用い、サンプル量は5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させた後に1分間保持し、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときのピーク温度で評価した。
(3)結晶化エンタルピー(ΔHTc):
セイコー社製DSCを用い、サンプル量は5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させたときに得られるピーク面積より結晶化エンタルピー(ΔHTc)を求めた。
(4)エチレン含有量の測定:
エチレンコモノマー由来のポリマー中のエチレン単位含有量(単位:重量%)は、得られたポリマーをプレスし、シート状に成形したものをIR法により測定した。具体的には730cm−3付近に観測されるメチレン鎖由来ピーク高さから算出した。
(5)揮発性成分量の測定:
試料200mgをGERSTEL社製TDS管に充填、TDS管をGERSTEL社製TDS−A装置に挿入し、ヘリウムガスを流しながら100℃で30分間加熱し、加熱時間中、ガスはTENAXを充填したGERSTEL社製CIS4に導入され、CIS4を−150℃に冷却することにより試料より発生した揮発成分を捕集した。
捕集された成分は320℃まで急速に加熱気化させることにより、ガスクロマトグラムに導入した。導入されたガスは次の条件でガスクロマトグラム/質量分析法で測定した。
装置:HP6890
カラム:DB−5ms 0.25mm×30m
温度:40℃×5min→10℃/min〜300℃×15min
検出器:HP5973N
炭化水素量の定量は、n−ヘプタンを溶媒として、濃度が1、5及び10μg/mlの炭素数20の脂肪族直鎖飽和炭化水素を、試料と同条件で測定を行い、ガスクロマトグラム/質量分析法で測定し、検量線を作成し、定量は炭素数20の脂肪族直鎖飽和炭化水素換算で行った。
(6)金属含有量:
蛍光X線分析により、組成物に含まれるナトリウム、カルシウムの定量を行った。
(製造例1)
(1)触媒の調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。
(i)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
酸処理:
ゼパラブルフラスコに蒸留水1130g、96%硫酸750gを加え、内温を90℃に保ち、そこに平均粒径25μmの造粒スメクタイト(水沢化学社製商品名「ベンクレイSL」)300gを添加し、5時間反応させた。
洗浄:
1時間で室温まで冷却し、蒸留水でpH=3.69まで洗浄した。このときの洗浄倍率は1/10,000以下であった。この段階の固体を一部乾燥させて、酸処理による溶出率を求めたところ33.5%であった。
塩類処理:
硫酸リチウム1水和物211gを蒸留水521gに溶かし、さらに上記酸処理で得られた固体100g(乾燥重量)を加え、室温で120分撹拌した。このスラリーを濾過し、得られた固体に蒸留水3000g加え、5分間室温で撹拌した。更に、このスラリーを濾過した。得られた固体に蒸留水2500gを加え、5分間撹拌後再び濾過した。この操作をさらに4回繰り返した。得られた固体を窒素気流下130℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、さらに200℃で2時間減圧乾燥することにより、化学処理スメクタイトを得た。
(ii)珪酸塩の活性化処理
上記の化学処理スメクタイト200gを、内容積3Lの攪拌翼のついたガラス製反応器に導入し、ノルマルヘプタン750ml、さらに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(500mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ノルマルヘプタンにて洗浄(残液率1%未満)し、スラリーを2000mLに調製した。
(iii)予備重合触媒の調製
次に、(r)−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロリド3mmolのトルエンスラリー870mLとトリイソブチルアルミニウム(15mmol)のヘプタン溶液42.6mLを、あらかじめ室温にて1時間反応させておいた混合液を、上記の化学処理スメクタイトスラリーに加え、1時間攪拌した。続いて、窒素で十分置換を行った内容積10Lの攪拌式オートクレーブに、ノルマルヘプタン2.1Lを導入し、40℃に保持した。そこに、先に調製したモンモリロナイト/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところで、プロピレンを100g/時間の速度で供給し、その温度を維持した。4時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。回収した予備重合触媒スラリーから、上澄みを約3L除き、トリイソブチルアルミニウム(30mmol)のヘプタン溶液を170mL添加し、10分間撹拌した後に、40℃にて減圧下熱処理した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレン2.30gを含む予備重合触媒が得られた。
(2)プロピレン系樹脂の製造
内容積270Lの攪拌装置付き液相重合槽、内容積400Lの失活槽、スラリー循環ポンプ、循環ライン液力分級器、濃縮器、向流ポンプおよび洗浄液受け槽からなる失活洗浄システム、二重管式熱交換器と流動フラッシュ槽からなる高圧脱ガスシステム、さらに低圧脱ガス槽および乾燥器などを含む後処理系を組み込んだプロセスにより、プロピレン−エチレン共重合体の連続製造を実施した。
上記で製造した予備重合触媒を流動パラフィン(東燃社製商品名「ホワイトレックス335」)に濃度15重量%で分散させて、触媒成分として0.35g/hrで液相重合槽に導入した。さらに、この重合槽に液状プロピレンを40kg/hr、エチレンを0.4kg/hr、水素を0.25g/hr、トリイソブチルアルミニウムを18g/hrで連続的に供給し、内温を70℃に保持し、重合を行った。液相重合槽からポリマーと液状プロピレンの混合スラリーをポリマーとして12.0kg/hrとなるように失活洗浄槽に抜き出した。このとき重合槽の触媒の平均滞留時間は、1.3時間であった。失活洗浄槽には、失活剤としてエタノールを21.0g/hrで供給した。さらに液状プロピレンを40kg/hr供給し、ジャケットによる加熱で内温を50℃に保った。ポリマーは分級器の下部から高圧脱ガス槽へ抜き出し、さらに低圧脱ガス槽を経て、乾燥器で乾燥を行った。乾燥器の内温80℃、滞留時間が1時間となるように調整し、さらに室温の乾燥窒素をパウダーの流れの向流方向に12m/hrの流量で流した。乾燥後のポリマーは、ホッパーから取り出した。
一方、分級器、濃縮器を経て、ポリマーと分離された液状プロピレンは、40kg/hrで洗浄液受け槽に抜き出した。得られた重合体の固体触媒1g当たりの収量は34.3kg、エチレン含量=0.75wt%、MFR=30.6g/10分、Tm=141.7℃であった。
(製造例2)
(1)触媒の調整
(i)チーグラー触媒の調整
攪拌翼、温度計、ジャケット、冷却コイルを備えた100Lの反応器に、Mg(OEt):30molを仕込み、次いで、Ti(OBu)を、仕込んだMg(OEt)中のマグネシウムに対して、Ti(OBu)/Mgのモル比が0.60となるように仕込んだ。さらに、トルエンを19.2kg仕込み、攪拌しながら昇温した。139℃で3時間反応させた後、130℃に降温して、MeSi(OPh)のトルエン溶液を、先に仕込んだMg(OEt)中のマグネシウムに対して、MeSi(OPh)/Mgのモル比が0.67になるように添加した。なお、ここで用いたトルエン量は、7.8kgであった。添加終了後、130℃で2時間反応させ、その後、室温に降温し、Si(OEt)を添加した。Si(OEt)の添加量は、先に仕込んだMg(OEt)中のマグネシウムに対して、Si(OEt)/Mgのモル比が0.056となるようにした。
次に、得られた反応混合物に対して、マグネシウム濃度が、0.57(mol/L・TOL)になるように、トルエンを添加した。さらに、フタル酸ジエチル(DEP)を、先に仕込んだMg(OEt)中のマグネシウムに対して、DEP/Mgのモル比が0.10になるように添加した。得られた混合物を、引き続き攪拌しながら−10℃に冷却し、TiClを2時間かけて滴下して、均一溶液を得た。なお、TiClは、先に仕込んだMg(OEt)中のマグネシウムに対して、TiCl/Mgのモル比が4.0になるようにした。TiCl添加終了後、攪拌しながら0.5℃/minで15℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。次いで、再び0.5℃/minで50℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。さらに、1℃/minで118℃まで昇温し、同温度で1時間処理を行った。処理終了後、攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで、残液率=1/73になるように洗浄し、スラリーを得た。
次に、ここで得られたスラリーに、室温で、トルエンとTiClを添加した。なお、TiClは、先に仕込んだMg(OEt)中のマグネシウムに対して、TiCl/Mg(OEt)のモル比が5.0となるようにした。また、トルエンは、TiCl濃度が、2.0(mol/L・TOL)になるように調製した。このスラリーを攪拌しながら昇温し、118℃で1時間反応を行った。反応終了後、攪拌を停止し、上澄み液を除去した後、トルエンで、残液率=1/150となるように洗浄し、固体成分のスラリーを得た。さらに上記で得られた固体成分のうち、400gを、攪拌翼、温度計、冷却ジャケットを有する別の反応器に移送し、ノルマルヘキサンを加えて、固体成分の濃度として5.0(g/l)になるように希釈した。得られたスラリーを攪拌しながら、15℃で、トリメチルビニルシラン、トリエチルアルミ(TEA)およびt−ブチルメチルジエトキシシラン(TBMDES)を添加した。なお、TEA、トリメチルビニルシラン、TBMDESの添加量は、それぞれ、上記固体成分中の固体成分1gに対して、3.1(mmol)、0.2(ml)、0.2(ml)となるようにした。添加終了後、引き続き攪拌しながら、15℃で1時間保持し、さらに、30℃に昇温して、同温度で2時間攪拌した。
(ii)予備重合
次に、再び15℃に降温し、同温度を保持しながら、反応器の気相部に、1.2kgのプロピレンガスを72分かけて定速でフィードして予備重合を行った。フィード終了後、攪拌を停止して上澄み液を除去した後、ノルマルヘキサンで洗浄を行い、予備重合触媒成分のスラリーを得た。なお、残液率は、1/12とした。得られた予備重合触媒成分は、上記固体成分1gあたり、3.1gのプロピレン重合体を有していた。
(2)プロピレン系樹脂の製造
重合は製造例1で用いたのと同じ反応器システムを用いて行った。上記で得られた予備重合触媒成分を流動パラフィン(東燃社製商品名「ホワイトレックス335」)に濃度2重量%で分散させて、触媒成分として0.2g/hrで導入した。この反応器に液状プロピレンを32.8kg/hr、エチレンを0.26kg/hr、水素を4.0g/hr、トリエチルアルミニウムを6.6g/hr、t−ブチルメチルジエトキシシラン(TBEDMS)を0.011g/hrで連続的に供給し、内温を70℃に保持し重合を行った。
液相重合槽からポリマーと液状プロピレンの混合スラリーを、ポリマーとして13.8kg/hrとなるように失活洗浄槽に抜き出した。このとき重合槽の触媒の平均滞留時間は、1.3時間であった。失活洗浄槽には、失活剤としてエタノールを21.0g/hrで供給した。さらに液状プロピレンを40kg/hr供給し、ジャケットによる加熱で内温を50℃に保った。ポリマーは分級器の下部から高圧脱ガス槽へ抜き出し、さらに低圧脱ガス槽を経て、乾燥器で乾燥を行った。乾燥器の内温80℃、滞留時間が1時間となるように調整し、さらに室温の乾燥窒素をパウダーの流れの向流方向に12m/hrの流量で流した。乾燥後のポリマーは、ホッパーから取り出した。一方、分級器、濃縮器を経て、ポリマーと分離された液状プロピレンは、40kg/hrで洗浄液受け槽に抜き出した。得られた重合体の固体触媒1g当たりの収量は69.0kg、C2含量=4.2wt.%、MFR=25.5g/10分、Tm=140.1℃であった。
・造核剤:以下の実施例/比較例で使用した造核剤は、以下のとおりである。
(1)造核剤−1:立体障害性アミド化合物
1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン
(一般式(1)におけるR〜Rが全てtert−ブチル基である化合物。)
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製商品名「XT−386」
(2)造核剤−2:有機カルボン酸金属塩
2.2.1−ヘプタン−ビシクロジカルボン酸Na塩
Milliken chemical社製商品名「HPN−68L」
(3)造核剤−3:有機カルボン酸金属塩
ヘキサヒドロフタル酸系カルシウム塩
Milliken chemical社製商品名「HPN−20E」
(4)造核剤−4:有機燐酸エステル金属塩
リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム
旭電化工業社製商品名「NA−11」
(実施例1)
(1)樹脂組成物の製造
製造例1で得られたメタロセン触媒によるプロピレン系樹脂パウダー100重量部に対して、上記造核剤−1を0.15重量部、フェノール系酸化防止剤のペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製商品名「RA1010」、以下「RA1010」と略す。)0.03重量部を添加し、スーパーミキサーで窒素シール後、3分間混合した。その後、パウダーは東芝機械社製2軸押出機(TEM35)を用い、ホッパーを窒素シールしながら、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpm、押出量15kg/hで造粒し、プロピレン−エチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを、東芝機械社製IS100GN成形機を用い、シリンダー温度200℃、金型温度40℃の条件下で、100mm×100mm、厚み2mmのシート状の成形体を成形し、揮発性成分量、結晶化エンタルピー、NaおよびCa含有量の測定を行った。
得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
造核剤として、パウダー100重量部に対して造核剤−2を0.05重量部添加する以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物、射出成形体を得た。
得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
造核剤として、パウダー100重量部に対して造核剤−3を0.05重量部添加する以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物、射出成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
造核剤として、パウダー100重量部に対して造核剤−4を0.15重量部添加する以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物、射出成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例1で得られたプロピレン系樹脂パウダー100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤RA1010を0.03重量部添加し、スーパーミキサーで窒素シール後、3分間混合した。その後、パウダーは東芝機械社製2軸押出機(TEM35)を用い、ホッパーを窒素シールしながら、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpm,押出量15kg/hで造粒し、プロピレン−エチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを、東芝機械社製IS100GN成形機を用い、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の条件下で100mm×100mm、厚み2mmのシート状の成形体を成形し、各測定を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
製造例2で得られたチーグラー系触媒によるプロピレン系樹脂パウダーを使用する以外は実施例4と同様にして、樹脂組成物、射出成形体を得た。得られた結果を表1に示す。
Figure 2012020761
実施例1〜4では、プロピレン系樹脂に造核剤を所定量配合しているので、結晶化エンタルピーの絶対値が上昇している。これに伴い揮発性成分量も低減されている。このうち、実施例1ではナトリウムおよびカルシウム量が少ないため、含有金属による汚染の懸念が低くなるため、より好ましい。
これに対して、比較例1では造核剤を添加しないために結晶化エンタルピーが高いため、揮発性成分量が高く搬送用ケースに適さない。比較例2は、揮発性成分量が極めて多く、電気電子機器部品搬送用ケースに不適である。
本発明のプロピレン系樹脂組成物を用い製造された電気電子機器部品搬送用ケースは、揮発性成分量が非常に少ないプロピレン系樹脂から射出成形で成形されているので、従来のケースと比べ極めて内容物の汚染が生じにくく、特に高集積回路用半導体等の搬送に有効に用いることができる。
本発明の電気電子機器部品搬送用ケースは、搬送の際にも性能低下を起こさないクリーン性に優れた、生産性の高い搬送用ケースであるので、電気電子機器部品の歩留まり、搬送中における品質の低下を防止できるので、産業上の利用性は非常に高いものがある。

Claims (5)

  1. メタロセン触媒を使用して製造されたプロピレン系樹脂100重量部に対し、造核剤を0.01〜0.4重量部配合してなり、揮発性成分の量が5重量ppm以下であるプロピレン系樹脂組成物を用いたことを特徴とする電気電子機器部品搬送用ケース。
  2. プロピレン系樹脂組成物のナトリウムおよびカルシウム含有量が、それぞれ100ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気電子機器部品搬送用ケース。
  3. プロピレン系樹脂組成物の結晶化エンタルピーが、−94J/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気電子機器部品搬送用ケース。
  4. 造核剤が、立体障害性アミド化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電気電子機器部品搬送用ケース。
  5. 立体障害性アミド化合物が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で示されることを特徴とする請求項4に記載の電気電子機器部品搬送用ケース。
    Figure 2012020761
    (式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
    Figure 2012020761
    (式中、Y、Y及びYは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
    Figure 2012020761
    (式中、Z、Z及びZは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
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