JP2012020536A - 液体噴射ヘッドユニットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の液体噴射ヘッドの取り付け精度を向上することが可能な液体噴射ヘッドユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】同色のノズル列を有して組を成す2つの記録ヘッド18のうちの一方(例えば、第4の記録ヘッド18d)がサブキャリッジ26に位置決めされた状態で固定された後、当該先に固定された一方の記録ヘッド18を基準として位置決めされた状態で他方の記録ヘッド18(例えば、第2の記録ヘッド18b)がサブキャリッジに固定される。
【選択図】図16

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に用いられる液体噴射ヘッドユニットの製造方法に関し、特に、複数の液体噴射ヘッドを位置精度良く取り付けることが可能な液体噴射ヘッドユニットの製造方法に関するものである。
液体噴射装置は、液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレイ製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。
近年、上記プリンターには、ノズルを複数列設してなるノズル群を有する記録ヘッドをサブキャリッジなどのヘッド固定部材に複数並べて固定したものを1つのヘッドユニットとする構成を採用するものがある(例えば、特許文献1参照)。このサブキャリッジは、複数の記録ヘッドが取り付けられる部分が開口した枠体状の平板状の部材であり、軽量化を図るべく合成樹脂で作製されたものである。このサブキャリッジに対して各記録ヘッドが位置決めされた状態でネジ留めによって固定される。
ここで、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に往復移動させながら記録動作を行うように構成されたプリンターでは、記録ヘッドの各ノズル列にそれぞれ割り当てられるインクの色の配列がサブキャリッジにおける記録ヘッドの列設方向の中心から同方向において対称となる位置関係で、各記録ヘッドをサブキャリッジに取り付ける構成も提案されている。この構成では、同色のノズル列を有する2つの記録ヘッドを組として含み、この組を成す各記録ヘッドは、ヘッド列設方向の中心から同方向において対称な位置関係でサブキャリッジにそれぞれ配置される。このような構成を採用することにより、往路と復路とで記録媒体に対する各色のインクの着弾順序を揃えることできる。即ち、記録媒体に対する各色のインクの着弾順序が往復で異なると、異なる色のドット同士が重なる部分の色合いが往復で異なってしまう。例えば、先に形成されたシアンドットと後から形成されたマゼンタドットとが重なった部分の色合いと、先に形成されたマゼンタドットと後から形成されたシアンドットとが重なった部分の色合いとが異なる。これにより記録画像等の画質に悪影響を及ぼす虞がある。これに対して、上記の構成によれば、往路と復路とで記録媒体に対する各色のインクの着弾順序が揃えられることにより、異なる色のドット同士の重なり順も往復で揃うので、記録画像等の画質の低下を抑えることが可能となる。
特開2008−273109号公報
ところで、サブキャリッジに対して各記録ヘッドをそれぞれネジ留めする際に、締め付け時の回転モーメントがサブキャリッジに加わり、これにより、枠体状のサブキャリッジが変形してしまう可能性があった。特に複数の記録ヘッドをサブキャリッジに順次取り付ける際、各記録ヘッドを固定する度に回転モーメントが加わるので、その分、サブキャリッジの変形がより大きくなってしまう。また、位置調整を行って記録ヘッドを取り付け・固定しても、その後に取り付けられる記録ヘッドをネジ留めする際の回転モーメントによってサブキャリッジが変形して位置が狂ってしまう。そして、このようなサブキャリッジの変形の累積により、各記録ヘッドの相対位置、ひいては、各記録ヘッドのノズル同士の相対位置にずれが生じる。その結果、記録媒体に対するインクの着弾位置にばらつきが生じ、記録画像等の画質の低下を招く虞があった。特に、上記した構成のように、サブキャリッジに対称配置された同色の組を成す記録ヘッド同士の相対位置関係がずれてしまうと、記録画像等の画質への影響が大きくなることがある。
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、上記サブキャリッジのような枠体状のヘッド固定部材に対して複数の液体噴射ヘッドを固定する構成を採用する、他の液体噴射ヘッドユニット、及びこれを備える液体噴射装置においても同様に存在する。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドユニットの製造方法は、液体を噴射するノズルを複数含むノズル列を少なくとも1つ有する液体噴射ヘッドと、複数の前記液体噴射ヘッドが、前記ノズル列を列設してノズル群を構成するように位置決めされた状態で固定されるヘッド固定部材と、を備え、前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドの少なくとも一部が収容される収容部を有し、各ノズル列にそれぞれ割り当てられる液体の色の配列が、各液体噴射ヘッドの列設方向の中心から同方向において対称となるように、前記ヘッド固定部材に各液体噴射ヘッドが順次固定される液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、
同色のノズル列を有して組を成す2つの液体噴射ヘッドのうちの一方が前記ヘッド固定部材に位置決めされた状態で固定された後、当該先に固定された一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で他方の液体噴射ヘッドが前記ヘッド固定部材に固定されることを特徴とする。
本発明によれば、同色のノズル列を有して組を成す2つの液体噴射ヘッドのうちの一方がヘッド固定部材に位置決めされた状態で固定された後、先に固定された一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で他方の液体噴射ヘッドがヘッド固定部材に固定されるので、同色のノズル列を有する同一組の液体噴射ヘッド同士の位置精度が確保される。これにより、記録媒体等の液体着弾対象に対して画像等を記録した場合において、液体噴射ヘッドの位置ずれに起因する記録画像等の画質の低下を抑制することが可能となる。
上記構成において、ヘッド列設方向の中心に近い側の組から順に、各組の一方の液体噴射ヘッドが前記ヘッド固定部材に順次固定された後、
ヘッド列設方向の中心に近い側の組から順に、それぞれ同一組の一方の液体噴射ヘッドを基準として他方の液体噴射ヘッドが前記ヘッド固定部材に順次固定される構成を採用することができる。
上記構成によれば、同色のノズル列を有する液体噴射ヘッドの組を複数有する構成において、同一組を成す液体噴射ヘッド同士の位置ずれを可及的に抑制することができる。
また、各液体噴射ヘッドの組のうちヘッド列設方向の中心に近い側の第1組の一方の液体噴射ヘッドが、前記ヘッド固定部材に位置決めされた状態で固定された後、当該第1組よりもヘッド列設方向の中心から遠い第2組の一方の液体噴射ヘッドが、前記第1組の一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で前記ヘッド固定部材に固定され、その後、前記第1組の他方の液体噴射ヘッドが、当該第1組の一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で前記ヘッド固定部材に固定され、その次に、前記第2組の他方の液体噴射ヘッドが、当該第2組の一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で前記ヘッド固定部材に固定される構成を採用することもできる。
さらに、各液体噴射ヘッドは、各液体噴射ヘッドの列設方向の中心に近い側の組から順に前記ヘッド固定部材に固定され、前記中心から最も遠い側の組が最後に固定される構成を採用することができる。
上記構成によれば、中心から最も遠い側の組、即ち、組を成す液体噴射ヘッド同士の距離が最も長く、他の組と比べて相対位置関係の精度を確保し難い組が最後に固定されるので、当該組に対し、液体噴射ヘッドを固定する際のヘッド固定部材の変形の影響が最も抑えられる。これにより、当該組の液体噴射ヘッド同士の位置関係がより高い精度で確保される。
また、各液体噴射ヘッドの組のうちノズル列に割り当てられる液体の色の濃度がより低い組ほど前記ヘッド固定部材に先に固定される一方、各液体噴射ヘッドの組のうちノズル列に割り当てられる液体の色の濃度がより高い組ほど前記ヘッド固定部材に後に固定される構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、ノズル列に割り当てられる液体の色の濃度がより低い組ほどヘッド固定部材に先に固定される一方、各液体噴射ヘッドの組のうちノズル列に割り当てられる液体の色の濃度がより高い組ほどヘッド固定部材に後に固定されるので、当該組に対し、液体噴射ヘッドを固定する際のヘッド固定部材の変形の影響が最も抑えられる。これにより、明度が低い液体の着弾位置ずれの発生を抑制することができる。
そして、本発明は、前記各液体噴射ヘッドが、前記ヘッド固定部材に対してネジ固定される構成に好適である。
プリンターの内部構成の一部を示す斜視図である。 プリンターの正面図である。 プリンターの平面図である。 プリンターの右側面図である。 キャリッジアセンブリーの平面図である。 キャリッジアセンブリーの正面図である。 キャリッジアセンブリーの右側面図である。 キャリッジアセンブリーの底面図である。 図5におけるA−A線断面図である。 ヘッドユニットの斜視図である。 ヘッドユニットの平面図である。 ヘッドユニットの正面図である。 ヘッドユニットの下面図である。 ヘッドユニットの右側面図である。 キャリッジアセンブリーの構成をより簡略化して示した断面図である。 各記録ヘッド及びヘッド保護部材が取り付けられた状態のサブキャリッジの下面図である。 記録ヘッドの構成を説明する斜視図である。 サブキャリッジに対し記録ヘッドを取り付けるための装置構成を説明する模式図である。 第3の実施形態におけるサブキャリッジの下面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の内部構成の一部を示す斜視図、図2はプリンター1の正面図、図3はプリンター1の平面図、図4はプリンター1の右側面図である。例示したプリンター1は、記録用紙、布、フィルム等の記録媒体(着弾対象)に向けて、液体の一種であるインクを噴射する。このプリンター1は、フレーム2の内部にキャリッジアセンブリー3(ヘッドユニット保持部材の一種)を、記録媒体の送り方向に交差する方向である主走査方向に往復移動可能に搭載している。プリンター1の背面側のフレーム2の内壁には、当該フレーム2の長手方向に沿って長尺な上下一対のガイドロッド4a,4bが互いに間隔を空けて平行に取り付けられている。キャリッジアセンブリー3は、その背面側に設けられた軸受け部7(図7参照。)等にガイドロッド4a,4bが嵌合することで、これらのガイドロッド4a,4bに対して摺動可能に支持されている。
フレーム2の背面側であって主走査方向の一端側(図3における右端部)には、キャリッジアセンブリー3を移動させるための駆動源としてのキャリッジモーター8が配設されている。このキャリッジモーター8の駆動軸は、フレーム2の背面側から内面側に突出しており、その先端部分には、駆動プーリー(図示せず)が接続されている。この駆動プーリーは、キャリッジモーター8の駆動により回転される。また、この駆動プーリーに対して主走査方向における反対側(図3における左端部)の位置には、遊転プーリー(図示せず)が設けられている。これらのプーリーには、タイミングベルト9が架け渡されている。このタイミングベルト9には、キャリッジアセンブリー3が接続されている。そして、キャリッジモーター8が駆動されると、駆動プーリーの回転に伴ってタイミングベルト9が回動し、キャリッジアセンブリー3がガイドロッド4a,4bに沿って主走査方向に移動する。
フレーム2の背面の内壁には、リニアスケール10(エンコーダーフィルム)が、主走査方向に沿ってガイドロッド4a,4bと平行に張設されている。リニアスケール10は、透明な樹脂製フィルムによって作製された帯状(バンド状)部材であり、例えば、透明なベースフィルムの表面に帯幅方向を横断する不透明なストライプが複数印刷されたものである。各ストライプは、同じ幅とされ、帯長手方向に一定ピッチで形成されている。また、キャリッジアセンブリー3の背面側には、このリニアスケール10のストライプを光学的に読み取るためのリニアエンコーダーが設けられている(図示せず。)。リニアエンコーダーは、例えば、互いに対向配置された一対の発光素子と受光素子とによって構成され、リニアスケール10の透明部分での受光状態とストライプ部分での受光状態の差異に応じてエンコーダーパルスを出力するようになっている。即ち、リニアエンコーダーは位置情報出力手段の一種であり、キャリッジアセンブリー3の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。これにより、プリンターの制御部(図示せず)はこのリニアエンコーダーからのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジアセンブリー3の走査位置を認識しながら、ヘッドユニット17による記録媒体に対する記録動作を制御することができる。そして、プリンター1は、主走査方向の一端側のホームポジションから反対側の端部(フルポジション)へ向けてキャリッジアセンブリー3が移動する往動時と、フルポジションからホームポジション側にキャリッジアセンブリー3が戻る復動時との双方向で記録紙上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録処理が可能に構成されている。
図3に示すように、キャリッジアセンブリー3には、ヘッドユニット17の各記録ヘッド18に各色のインクを供給するためのインク供給チューブ14と、駆動信号等の信号を供給するための信号ケーブル15が接続されている。その他、プリンター1には、図示しないが、インクを貯留したインクカートリッジ(液体供給源)が着脱可能に取り付けられるカートリッジ装着部、記録紙を搬送する搬送部、待機状態の記録ヘッド18のノズル形成面53(図17参照)をキャッピングするキャッピング部等が設けられている。
図5はキャリッジアセンブリー3の平面(上面)図、図6はキャリッジアセンブリー3の正面図、図7はキャリッジアセンブリー3の右側面図、図8はキャリッジアセンブリー3の底面図である。また、図9は図5におけるA−A線断面図である。なお、図5は、キャリッジカバー13が外された状態を図示している。キャリッジアセンブリー3は、後述するヘッドユニット17(本発明における液体噴射ヘッドユニットの一種。)を内部に搭載するキャリッジ本体12と、このキャリッジ本体12の上部開口を塞ぐキャリッジカバー13とから成り上下に分割可能な中空箱体状の部材である。キャリッジ本体12は、略矩形状の底板部12aと、当該底板部12aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した側壁部12bとから成り、これらの底板部12a及び側壁部12bに囲まれた空間内にヘッドユニット17を収容する。底板部12aには、収容されたヘッドユニット17の各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させるための底部開口19が開設されている。そして、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12内に収容した状態では、底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53が、キャリッジ本体12の底部よりも下方(記録動作時における記録媒体側)に突出する。
キャリッジ本体12とヘッドユニット17との間には、当該キャリッジ本体12に収容されたヘッドユニット17の姿勢を調整するための偏心カム21(図9および図15参照)が複数設けられている。そして、キャリッジ本体12には、これらの偏心カム21を回転させるための調整レバー20が複数設けられている。これらの調整レバー20の操作により、偏心カム21が回転してその回転中心から外周面までのカム径が増減し、このカム径の増減によって、キャリッジ本体12に収容されたヘッドユニット17のキャリッジ本体12に対する位置や傾きなどの姿勢を調整することができるように構成されている。
図10はヘッドユニット17の斜視図であり、(a)は流路部材24が取り付けられた状態、(b)は流路部材24が外された状態をそれぞれ示している。また、図11はヘッドユニット17の平面図(上面図)、図12はヘッドユニット17の正面図、図13はヘッドユニット17の下面図、図14はヘッドユニット17の右側面図である。そして、図15は、説明を容易にするためキャリッジアセンブリー3の構成をより簡略化して示した断面図である。
ヘッドユニット17は、複数の記録ヘッド18等をユニット化したものであり、これらの記録ヘッド18が取り付けられるサブキャリッジ26(本発明におけるヘッド固定部材の一種)と、流路部材24と、を備えている。サブキャリッジ26は、記録ヘッド18が固定される板状のベース部26aと、このベース部26aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した起立壁部26bと、から上面が開口した中空箱体状に形成されている。これらのベース部26aと四方の起立壁部26bとから囲まれた空間が、記録ヘッド18の少なくとも一部(主にサブタンク37)を収容する収容部35(図15参照)として機能する。また、四方の起立壁部26bで囲まれた上部開口36(図16参照)は、本発明における開口部に相当する。即ち、この上部開口36は、収容部35に連通した開口部である。本実施形態のサブキャリッジ26は、金属、例えばアルミニウムにより作製されており、合成樹脂製のものと比べて剛性が高められている。ベース部26aの略中央部分には、複数の記録ヘッド18を挿通可能な(即ち、各記録ヘッド18に共通な1つの)ヘッド挿通開口28が開設されている。このためベース部26aは、額縁状の枠体となっている。このヘッド挿通開口28も、収容部35に連通した開口部である。加えて、このヘッド挿通開口28は、その内部に記録ヘッド18の一部が収容されるので、収容部35の一部であるとも言える。このベース部26aの下面(記録時の記録媒体に対向する側の面)に、各記録ヘッド18の取り付け位置に対応して、止着穴29(雌ネジ部)が開設されている(図18参照)。本実施形態において、止着穴29は、1つの記録ヘッド18の取り付け位置に対し、ヘッド挿通開口28を間に挟んでノズル列方向に対応する方向の両側に、後述するスペーサー32のサブキャリッジ用挿通穴32″に対応して2つずつ、合計4箇所設けられている。また、第3の記録ヘッド18cの取り付け位置には、止着穴29の近傍に位置決め穴57(図16参照)がそれぞれ設けられている。この位置決め穴57については後述する。
本実施形態においては、合計5つの記録ヘッド18が、後述するサブタンク37をヘッド挿通開口28の下方から挿通させて収容部35内に収容し、各記録ヘッド18のノズル形成面53がベース部26aの下面よりも下方(記録動作時における記録媒体側)に突出した状態で、且つ、ベース部26aとの間にそれぞれスペーサー32(図18参照)を介在させた状態で、図13に示すようにノズル列に直交する方向に横並びで、ベース部26aにそれぞれ固定される。これにより、各記録ヘッド18のノズル列がヘッド列設方向(即ち、主走査方向)に複数配列されてノズル群が構成されている。また、本実施形態において、各記録ヘッド18の列設方向の一端側(図15において右端側)には、記録ヘッド18に隣接させた状態でヘッド保護部材23が取り付けられている。このヘッド保護部材23は、記録動作時における記録紙等から記録ヘッド18を保護する部材であり、例えば、合成樹脂から作製されている。図13に示すように、このヘッド保護部材23の平面視における各寸法(ノズル列方向の奥行き、及び、ノズル列に直交する方向の幅)が、記録ヘッド18の対応する各寸法と同程度に揃えられており、各記録ヘッド18と同様にベース部26aにネジ留めされている。そして、このヘッド保護部材23は、図15に示すように正面から見て、先端面(記録時における記録媒体に対向する側の面)における記録ヘッド18側の角部とは反対側の角部が、先端面に対して斜めに欠截されている。そして、この欠截面は、記録ヘッド18側から反対側に向けて上り傾斜したテーパー面23aとなっている。
図11等に示すように、サブキャリッジ26の四方の起立壁部26bのうちの3つには、側方に向けてフランジ部30が突設されている。なお、図16では、フランジ部30の図示が省略されている。フランジ部30には、キャリッジ本体12の底板部12aのヘッドユニット17の取り付け位置に開設された図示しない3箇所の取り付けネジ穴(雌ネジ部)に対応して、挿通穴31がそれぞれ開設されている。そして、キャリッジ本体12の底板部12aの各取り付けネジ穴に、それぞれ対応する挿通穴31の位置を合わせた状態で、ヘッドユニット固定ネジ22を、挿通穴31を通じて取り付けネジ穴に止着する(螺着する)ことで、キャリッジ本体12内部にヘッドユニット17が収容・固定される。なお、上述したように、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12に対して本固定する前の段階で、上記の調整レバー20の操作により、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整される。また、サブキャリッジ26の四方の起立壁部26bの上端面には、流路部材24を固定するための固定ネジ穴33が合計4箇所設けられている。
流路部材24は、上下方向が薄い箱体状の部材であり、例えば、合成樹脂により作製される。この流路部材24の内部には、各記録ヘッド18のサブタンク37(後述)の流路接続部38にそれぞれ対応した各色のインク分配流路(図示せず)が区画形成されている。この流路部材24の上面(サブキャリッジ26に固定される側の面とは反対側の面)には、チューブ接続部34が設けられている。図11に示すように、このチューブ接続部34の内部には、各色のインクに対応した導入口39が複数設けられている。各導入口39は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通している。そして、チューブ接続部34に上記のインク供給チューブ14が接続されると、インク供給チューブ14内の各色のインク供給路と、それぞれ対応する導入口39とが液密状態で連通する。これにより、インクカートリッジ側からインク供給チューブ14を通じて送られてきた各色のインクが、導入口39を通じて流路部材24内のインク分配流路にそれぞれ導入される。この流路部材24の四隅には、サブキャリッジ26の固定ネジ穴33に対応する流路挿通穴(図示せず)が、それぞれ板厚方向を貫通した状態で形成されている。流路部材24がサブキャリッジ26に固定される際に、流路止着ネジ45が流路挿通穴を通じて固定ネジ穴33に止着(螺合)される。
図12及び図15に示すように、流路部材24の下面において、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38に対応する位置には、下方に向けて延出した接続流路40が設けられている。この接続流路40は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通する導出路(図示せず)が内部に形成された中空筒状の部材である。この接続流路40は、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結されるように構成されている。そして、流路部材24内部のインク分配流路を通ったインクは、接続流路40と流路接続部38を介して各記録ヘッド18のサブタンク37に供給される。つまり、インク供給チューブ14とサブタンク37とは、流路部材24を介在させて相互に接続されている。
図16は、各記録ヘッド18及びヘッド保護部材23が取り付けられた状態のサブキャリッジ26の下面図である。本実施形態においては、第1の記録ヘッド18a、第2の記録ヘッド18b、第3の記録ヘッド18c、第4の記録ヘッド18d、及び第5の記録ヘッド18eの合計5つの記録ヘッド18が、サブキャリッジ26に取り付けられる。
図17は、記録ヘッド18(液体噴射ヘッドの一種)の構成を説明する斜視図である。なお、基本的な構造等は各記録ヘッド18で共通であるため、サブキャリッジ26に取り付けられる5つの記録ヘッド18のうちの1つを代表として示している。
記録ヘッド18は、ノズル51に連通する圧力室を含むインク流路を形成する流路ユニットや、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電振動子或いは発熱素子などの圧力発生手段(何れも図示せず)をヘッドケース52に備えている。この記録ヘッド18は、プリンター1の制御部側からの駆動信号を圧力発生手段に印加して圧力発生手段を駆動することにより、ノズル51からインクを噴射して記録紙等の記録媒体に着弾させる記録動作を行うように構成されている。各記録ヘッド18のノズル形成面53には、インクを噴射するノズル51が複数列設されてノズル列56が構成され、このノズル列56がノズル列に直交する方向に2列並べて形成されている。1つのノズル列56は、例えば360dpiのピッチで開設された360個のノズル開口から成る。各ノズル列56に対応するインク流路や圧力発生手段等はそれぞれ個別に設けられており、後述するように、同一記録ヘッド18の2つのノズル列56にそれぞれ異なるインクが割り当てられる場合もある。
ヘッドケース52は、中空箱体状部材であり、その先端側には、ノズル形成面53を露出させた状態で流路ユニットを固定している。また、ヘッドケース52の内部に形成された収容空部内には圧力発生手段などを収容し、先端面とは反対側の基端面側(上面側)には、流路ユニット側にインクを供給するためのサブタンク37が装着されている。また、ヘッドケース52の上面側におけるノズル列方向の両側には、側方に向けて突出したフランジ部52aがそれぞれ形成されている。このフランジ部52aには、スペーサー32のヘッド用挿通穴32′(図18参照)に対応して、スペーサー取り付け穴54がそれぞれ開設されている。フランジ部52aにスペーサー32を取り付ける際に、このスペーサー取り付け穴54にスペーサー固定ネジ27が挿通される。
なお、図16に示すように、後述する第3の記録ヘッド18cに関してのみ、サブキャリッジ26における第3の記録ヘッド18cの取り付け位置に設けられている2つの位置決め穴57に対応して、当該位置決め穴57に挿入可能な位置決めボス58が両側のフランジ部52aにそれぞれ1つずつ設けられている。即ち、第3の記録ヘッド18cをサブキャリッジ26に取り付ける際には、この位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する第3の記録ヘッド18cの配置位置が規定されるようになっている。
スペーサー32は、合成樹脂から成る部材であり、1つの記録ヘッド18に対して両側のフランジ部52aの上面(サブタンク37側の面)にそれぞれ1つずつ、合計2つ取り付けられる。このスペーサー32の幅方向(記録ヘッド18に取り付けられた状態におけるノズル列に直交する方向)の中央部分には、記録ヘッド18のスペーサー取り付け穴54に対応してヘッド用挿通穴32′が開設されている。また、スペーサー32の幅方向の両端部には、サブキャリッジ26のベース部26aに設けられた止着穴29に対応して、サブキャリッジ用挿通穴32″がそれぞれ開設されている。即ち、スペーサー32には、1つのヘッド用挿通穴32′と2つのサブキャリッジ用挿通穴32″が各々設けられている。このスペーサー32は、記録ヘッド18がサブキャリッジ26に取り付けられる前の段階で、それぞれの記録ヘッド18の両側のフランジ部52aに、スペーサー止着ネジ43によってそれぞれ締結される。後述するように、スペーサー32は、サブキャリッジ26に対して接着剤によって仮固定された後、スペーサー固定ネジ27によって本固定される。サブキャリッジ26に一旦固定された記録ヘッド18は、スペーサー32との間のスペーサー止着ネジ43の締結を解除することにより、スペーサー32及びサブキャリッジ26から取り外すことができるようになっている。これにより、記録ヘッド18の交換や修理等による記録ヘッド18の着脱が容易になる。
上記サブタンク37は、流路部材24からのインクを記録ヘッド18の圧力室側に導入する部材である。サブタンク37は、内部の圧力変動に応じてバルブを開閉し、圧力室側へのインクの導入を制御する自己封止機能を有している。このサブタンク37の後端面(上面)におけるノズル列方向の両端部に、上記流路部材24の接続流路40が接続される流路接続部38が設けられている。この流路接続部38には図示しないリング状のパッキンが嵌め込まれており、このパッキンにより接続流路40との液密性が確保される。また、サブタンク37の内部には、圧力発生手段に駆動信号を供給するための駆動基板が2枚設けられており(図示せず)、各駆動基板に電気的に接続された2枚のフレキシブルケーブル55(本発明における配線部材の一種)がサブタンク37の後端面側にそれぞれ引き出されている。このフレキシブルケーブル55は、上記の信号ケーブル15と接続されて、当該信号ケーブル15を通じてプリンター1の制御部から送られてくる駆動信号等を、駆動基板を介して圧力発生手段側に供給する。
本実施形態において、図16に示すように、サブキャリッジ26に取り付けられる各記録ヘッド18のうち、ブラックインク(Bk)に対応する2列のノズル列56を有する第3の記録ヘッド18cを除き、同色のノズル列56を有する2つの記録ヘッド18同士が組を成している。具体的には、ライトブルーインク(Lb)に対応するノズル列56およびイエローインク(Y)に対応するノズル列56をそれぞれ有する、第2の記録ヘッド18bと第4の記録ヘッド18dとが組を成し、マゼンタインク(M)に対応するノズル列56およびシアンインク(C)に対応するノズル列56をそれぞれ有する、第1の記録ヘッド18aと第5の記録ヘッド18eとが組を成している。つまり、本実施形態におけるヘッドユニット17は、同色のノズル列56を有する記録ヘッド18から成る組を合計2組有している。そして、これらの記録ヘッド18は、各ノズル列56にそれぞれ割り当てられるインクの色の配列がヘッド列設方向(即ち、記録動作時におけるヘッドユニット17と記録媒体Sとの相対移動方向)の中心(本実施形態においては、第3の記録ヘッド18c)から同方向において対称となるように、サブキャリッジ26に固定される。即ち、本実施形態では、ヘッド列設方向の中央から当該方向の両外側に向かって、ブラックインク、イエローインク、ライトブルーインク、シアンインク、マゼンタインクの順となるように対称配列となっている。このような各記録ヘッド18の位置関係を採用することにより、往路と復路とで記録媒体に対する各色のインクの着弾順序を揃えることが可能となる。これにより、異なる色のドット同士の重なり順も往復で揃うので、記録画像等の画質の低下を抑えることが可能となる。なお、サブキャリッジ26に対する各記録ヘッド18のより具体的には固定方法等については後述する。
次に、上記のヘッドユニット17の製造工程(組み立て工程)について説明する。
図18は、サブキャリッジ26に対し記録ヘッド18を取り付けるための装置構成を説明する模式図である。この装置は、CCDカメラ等の撮像手段60と、記録ヘッド18を保持した状態で移動させるためのヘッド移動機構61と、アライメント基板63と、を備えている。なお、同図において、左右方向がノズル列方向、奥行き方向(図に垂直な方向)がノズル列に直交する方向となっている。アライメント基板63は、線膨張係数が可及的に小さいガラスなどの透光性を有する板材から構成されている。このアライメント基板63には、後述するように位置決めの基準となる記録ヘッド18(以下、適宜、基準ヘッドという。)の複数(少なくとも2箇所)の特定のノズル51(例えば、図16において白丸で示す、一方のノズル列の両端のノズル51。以下、適宜、基準ノズルという。)の配置位置を規定する一組の基準ノズルマークと、位置決め対象の記録ヘッド18の少なくとも2箇所の特定のノズル51(以下、適宜、対象ノズルという。)の基準ノズルに対する相対位置を規定する対象ノズルマークと、が設けられている。対象ノズルマークは、基準ノズルマークに対する相対位置が設計値(規定位置)となるように形成位置が定められている。
取り付け対象の記録ヘッド18は、サブタンク37をヘッド挿通開口28から挿通させて収容部35内に収容し、且つ、フランジ部52aの上面側とサブキャリッジ26のベース部26aとの間に、フランジ部52aに予め締結されたスペーサー32を介在させた状態で、ノズル形成面53を撮像手段60に対向させた姿勢でセットされる。この状態で、記録ヘッド18はヘッド移動機構61のアーム62によって保持される。なお、後述するように、サブキャリッジ26のヘッド列設方向の中央に最初に配置される第3の記録ヘッド18cに関しては、アライメント基板63を用いた位置調整が行われることなく、位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する位置決めが完了する。
ヘッド移動機構61は、サブキャリッジ26のベース部26aに向けて延びるアーム62(ヘッド保持治具の一種)を有している。ヘッド移動機構61は、アーム62によって取り付け対象の記録ヘッド18をクランプ(保持)する。本実施形態におけるヘッド取り付け工程は、記録ヘッド18をアーム62によって保持した状態で、当該記録ヘッド18をノズル列方向又はノズル列方向に直交する方向に移動させることにより、或いは、ノズル形成面方向に回転させることにより、アライメント基板63に対する記録ヘッド18の相対位置が、サブキャリッジ26のベース部26a上で調整されるようになっている。
各記録ヘッド18をサブキャリッジ26に取り付けるヘッド取り付け工程は、ベース部26aの所定の位置に記録ヘッド18を位置決めする位置調整工程と、記録ヘッド18をベース部26aに対して接着剤によって仮固定する仮固定工程と、仮固定された状態で記録ヘッド18をスペーサー固定ネジ27によってベース部26aに固定する本固定工程と、を含む。ここで、本発明に係るヘッド取り付け工程は、サブキャリッジ26に対する各記録ヘッド18の取り付け順に特徴を有している。
まず、サブキャリッジ26のヘッド列設方向の中央に、ブラックインクに対応するノズル列56を有する第3の記録ヘッド18cが最初に取り付けられる。この第3の記録ヘッド18cについては、アライメント基板63を用いた位置調整が行われることなく、位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する配置位置が規定される(位置調整工程)。この状態で、スペーサー32とサブキャリッジ26のベース部26aとの間に、毛細管力を利用して接着剤が流し込まれ、この接着剤が固化することで仮固定される(仮固定工程)。なお、1個目に取り付ける記録ヘッド18については位置調整が不要なため、仮固定は行わなくてもよい。この接着剤としては、シアノアクリレートを主成分とした所謂瞬間接着剤が好適である。そして、位置決めされた状態で、スペーサー固定ネジ27を用いてスペーサー32とベース部26aとがネジ留めされて、第3の記録ヘッド18cがベース部26aの規定位置に本固定される(本固定工程)。このように、サブキャリッジ26の中央部に第3の記録ヘッド18cが最初に取り付けられることによって、この第3の記録ヘッド18cが、ヘッド挿通開口28の中央に渡された梁として機能し、枠体状のサブキャリッジ26が補強される。これにより、残りの各記録ヘッド18をサブキャリッジ26に対してそれぞれネジ留めする際の回転モーメントによりサブキャリッジ26が変形することが抑制される。
次に、サブキャリッジ26に最初に取り付けられた第3の記録ヘッド18cの両隣に配置される(即ち、第3の記録ヘッド18cよりも中央から1つ遠い側に配置される)第2の記録ヘッド18bおよび第4の記録ヘッド18dの組のうちの何れか一方、例えば、第4の記録ヘッド18dが、第3の記録ヘッド18cを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。勿論、第2の記録ヘッド18bを先に固定するようにしても良い。ここでは、同一組を成す記録ヘッド18のうち、先に固定される方を一方の記録ヘッド18とし、先に固定された一方の記録ヘッド18を基準として後で固定される方を他方の記録ヘッド18としている。この組は、ライトブルーインクに対応するノズル列56とイエローインクに対応するノズル列56を有し、イエローインクに対応するノズル列56が内側(ヘッド列設方向の中央側)となるようにサブキャリッジ26に配置される。なお、以下においては、本実施形態のヘッドユニット17のように、同色のノズル列56を有する記録ヘッド18から成る組を複数有する構成において、隣り合う組のうち、ヘッド列設方向の中央側に近い側の組を第1組とし、この第1組よりも中央から1つ遠い側の組を第2組とする。したがって、本実施形態において、ライトブルーインクに対応するノズル列56とイエローインクに対応するノズル列56を有する記録ヘッド18b,18dの組が第1組に相当し、マゼンタインクに対応するノズル列56とシアンインクに対応するノズル列56を有する記録ヘッド18a,18eの組が第2組に相当する。
第3の記録ヘッド18c以外の記録ヘッド18の位置調整工程では、上述したように、それぞれ個別のアライメント基板63を用いて位置調整が行われる。このアライメント基板63は、ノズル形成面53と撮像手段60との間に配置される。
第4の記録ヘッド18dの位置調整工程で用いられるアライメント基板63には、基準ヘッドである第3の記録ヘッド18cの基準ノズルに対応する基準ノズルマークと、取り付け対象ヘッドである第4の記録ヘッド18dの対象ノズルに対応する対象ノズルマークと、が形成されている。撮像手段60によって撮像された画像は、図示しないモニターに映し出される。このモニターには、取り付け対象の記録ヘッド18のノズル形成面53に、透明なアライメント基板63が重畳して映し出される。そして、このモニターに映し出された画像に基づいて、ベース部26a上で取り付け対象の記録ヘッド18の位置調整が行われる。具体的には、まず、モニターに画像として映し出される基準ヘッド(この場合、第3の記録ヘッド18c)の各基準ノズルに、それぞれ対応する基準ノズルマークが重なるように、アライメント基板63の位置が調整される(アライメント基板キャリブレーション工程)。
なお、位置調整工程に関し、例示したアライメント基板63を用いずに行うことも可能である。例えば、モニターに映し出される画像に、記録ヘッド18の基準ノズルや対象ノズルに対応したアライメント用マークを表示して、このアライメント用マークに基づいて位置調整を行うようにしても良い。この方法では、記録ヘッド18の取り付け作業が行われる各ステージの移動位置に対するアライメント基板の基準マークの位置が制御装置の記憶部に記憶され、この記憶された位置に対して取り付け対象の記録ヘッド18の対象ノズル位置を合わせることで位置調整が行われる。そして、基準ノズルマークを基準ノズルに対し撮像手段60の視野内に入る程度に調整することで、基準ノズルと基準ノズルマークとの位置ズレ量を算出し、取り付け対象の記録ヘッド18を位置合わせするときの位置合わせの指示値に対して、基準ノズルの位置ズレ量を補正するようにしてもよい。
アライメント基板63の位置が調整されたならば、次に、取り付け対象の第4の記録ヘッド18dの各対象ノズルが、アライメント基板63上の対応する対象ノズルマークにそれぞれ重なるように、当該第4の記録ヘッド18dの位置がヘッド移動機構61によって調整される。これにより、第3の記録ヘッド18cに対する第4の記録ヘッド18dの相対位置が規定される。そして、ヘッド移動機構61による第4の記録ヘッド18dに対するクランプが維持された状態で、スペーサー32とベース部26aとの間に接着剤が毛細管力によって流し込まれ、この接着剤が固化することで仮固定される(仮固定工程)。そして、仮固定された状態で、スペーサー固定ネジ27を用いてスペーサー32とベース部26aとがネジ留めされて、第4の記録ヘッド18dがベース部26aの規定位置に本固定される。
第4の記録ヘッド18dがサブキャリッジ26に固定されたならば、続いて、サブキャリッジ26に最初に取り付けられた第3の記録ヘッド18cから最も離れた位置に配置される(換言すると、第2の記録ヘッド18bおよび第4の記録ヘッド18dの組よりも中央から1つ遠い側に配置される)第1の記録ヘッド18aおよび第5の記録ヘッド18eの組のうちの何れか一方、例えば、第5の記録ヘッド18eが、第4の記録ヘッド18dを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。勿論、第1の記録ヘッド18aを先に固定するようにしても良い。この組は、マゼンタインクに対応するノズル列56とシアンインクに対応するノズル列56を有し、シアンインクに対応するノズル列56が内側となるようにサブキャリッジ26にそれぞれ配置される。第5の記録ヘッド18eの位置調整工程で用いられるアライメント基板63には、基準ヘッドである第4の記録ヘッド18dの基準ノズルに対応する基準ノズルマークと、取り付け対象ヘッドである第5の記録ヘッド18eの対象ノズルに対応する対象ノズルマークと、が形成されている。そして、第4の記録ヘッド18dに対する位置調整工程と同様に、モニターに画像として映し出される第4の記録ヘッド18dの各基準ノズルに対応する基準ノズルマークがそれぞれ重なるようにアライメント基板63の位置が調整された後、第5の記録ヘッド18eの各対象ノズルがアライメント基板63上の対応する対象ノズルマークにそれぞれ重なるように、当該第5の記録ヘッド18eの位置がヘッド移動機構61によって調整される。これにより、第4の記録ヘッド18dに対する第5の記録ヘッド18eの相対位置が規定される。
この状態で、第5の記録ヘッド18eのスペーサー32とベース部26aとの間に接着剤が流し込まれて第5の記録ヘッド18eが仮固定される。そして、仮固定された状態で、スペーサー固定ネジ27を用いてスペーサー32とベース部26aとがネジ留めされて、第5の記録ヘッド18eがベース部26aの規定位置に本固定される。このとき、ネジ留めする際の回転モーメントが枠体状のサブキャリッジ26に作用する。しかしながら、最初に取り付けられた第3の記録ヘッド18cによってサブキャリッジ26が補強されているので、ネジ留め時のサブキャリッジ26の変形が抑えられる。これに加え、ネジ留めの際に第3の記録ヘッド18cと第4の記録ヘッド18dとの相対位置が多少ずれたとしても、両者のノズル列56に割り当てられるインクの色が互いに異なるので、位置ずれに基づく記録画像等への影響については、同色組の記録ヘッド18同士の場合よりも少なくて済む。
ここまでの工程で、基準ヘッドとなる各記録ヘッド18のサブキャリッジ26への固定が完了したことになる。
次に、ライトブルーインクとイエローインクのノズル列56を有する組のうちの他方、即ち、本実施形態においては第2の記録ヘッド18bが、第4の記録ヘッド18dを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。即ち、各組の他方の記録ヘッド18を取り付ける順番についても、中央に近い側の組が優先される。第2の記録ヘッド18bの位置調整工程で用いられるアライメント基板63には、基準ヘッドである第4の記録ヘッド18dの基準ノズルに対応する基準ノズルマークと、取り付け対象ヘッドである第2の記録ヘッド18bの対象ノズルに対応する対象ノズルマークと、が形成されている。そして、上記と同様にして、位置調整工程、仮固定工程、及び本固定工程を経て、第4の記録ヘッド18dとの相対位置が規定された状態で、第2の記録ヘッド18bがサブキャリッジ26に取り付けられる。
最後に、マゼンタインクとシアンインクのノズル列56を有する組のうちの他方、即ち、本実施形態においては第1の記録ヘッド18aが、第5の記録ヘッド18eを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。第1の記録ヘッド18aの位置調整工程で用いられるアライメント基板63には、基準ヘッドである第5の記録ヘッド18eの基準ノズルに対応する基準ノズルマークと、取り付け対象ヘッドである第1の記録ヘッド18aの対象ノズルに対応する対象ノズルマークと、が形成されている。そして、上記と同様にして、位置調整工程、仮固定工程、及び本固定工程を経て、第5の記録ヘッド18eとの相対位置が規定された状態で、第1の記録ヘッド18aがサブキャリッジ26に取り付けられる。
なお、記録ヘッド18とベース部26aとの間にスペーサー32を介在させることなく、記録ヘッド18とベース部26aとの間で直接的に位置決めする構成を採用することもできる。
このような手順でサブキャリッジ26に対して各記録ヘッド18のヘッド取り付け工程を順次行うことにより、各記録ヘッド18が高精度に位置決めされた状態で固定される。上述したように、本実施形態においては、記録ヘッド18の取り付け順に関して、サブキャリッジ26の中央側に配置される第3の記録ヘッド18cを最初に取り付けることで、この第3の記録ヘッド18cによって枠体状のサブキャリッジ26が補強される。これにより、その後に記録ヘッド18が固定される際のサブキャリッジ26の変形を抑制することができる。その結果、固定された各記録ヘッド18の位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、ヘッド列設方向の中心に近い側に配置される組から順に、各組の一方の記録ヘッド18がサブキャリッジ26に順次固定された後、同じくヘッド列設方向の中心に近い側に配置される組から順に、先に固定された同一組の一方の記録ヘッド18を基準として他方の記録ヘッド18がサブキャリッジ26に順次固定されるので、特に同色のノズル列56を有する同一組の記録ヘッド18同士の位置関係がより高い精度で確保される。即ち、本実施形態のように、同色のノズル列56を有する記録ヘッド18の組を複数有する構成において、同一組を成す記録ヘッド18同士の位置ずれを可及的に抑制することができる。これにより、記録媒体に対して画像等を記録した場合において、ヘッドの位置ずれに起因する記録画像等の画質の低下を抑制することが可能となる。
その後、流路部材24がサブキャリッジ26に固定される(流路取り付け工程)。上述したように、流路部材24は、流路止着ネジ45によってサブキャリッジ26に対して固定される。この際、流路部材24の接続流路40が各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結される。なお、流路部材24は、各記録ヘッド18がサブキャリッジ26に取り付けられる前の段階で、サブキャリッジ26に固定されるようにしても良い。
以上の工程を経てヘッドユニット17が完成する。このヘッドユニット17は、上述したように、キャリッジ本体12の底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させた状態で、キャリッジ本体12の内部に収容され、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整された後、ヘッドユニット固定ネジ22によりネジ留めされて固定される。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
ここで、第2の実施形態におけるヘッド取り付け工程について図16を用いて説明する。本実施形態においては、サブキャリッジ26のヘッド列設方向中央に取り付けられる第3の記録ヘッド18cを共通の基準ヘッドとして残りの各記録ヘッド18の位置決めを行う点、および、各記録ヘッド18の取り付け順が、上記第1の実施形態と異なっている。その他の構成等については第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
まず、上記第1の実施形態と同様に、サブキャリッジ26のヘッド列設方向の中央に、第3の記録ヘッド18cが、位置調整工程、仮固定工程、及び本固定工程を経て最初に取り付けられる。本実施形態においても、この第3の記録ヘッド18cについては、アライメント基板63を用いた位置調整が行われることなく、位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する配置位置が規定される。
第3の記録ヘッド18cが取り付けられたならば、次に、第3の記録ヘッド18cよりも1つだけ中央から離れた位置に配置される第2の記録ヘッド18bおよび第4の記録ヘッド18dの組のうちの何れか一方、例えば、第4の記録ヘッド18dが、第3の記録ヘッド18cを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。したがって、本実施形態で用いられるアライメント基板63には、基準ヘッドである第3の記録ヘッド18cの基準ノズルに対応する基準ノズルマークと、各取り付け対象ヘッドの対象ノズルに対応する対象ノズルマークと、が形成されている。続いて、第2の記録ヘッド18bおよび第4の記録ヘッド18dの組の他方の第2の記録ヘッド18bが、第3の記録ヘッド18cを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。第2の記録ヘッド18bが取り付けられたならば、次に、第2の記録ヘッド18bおよび第4の記録ヘッド18dの組よりも中央から1つ遠い側(即ち、ヘッド列設方向の最外端)に配置される第1の記録ヘッド18aおよび第5の記録ヘッド18eの組のうちの何れか一方、例えば、第5の記録ヘッド18eが、第3の記録ヘッド18cを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。そして、最後に、他方の第1の記録ヘッド18aが、第3の記録ヘッド18cを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。
本実施形態によれば、ヘッド列設方向の中心に近い側の組から順にサブキャリッジ26に固定され、中心から最も遠い側の組、即ち、記録ヘッド18同士の距離が最も長く、他の組と比べて相対位置関係の精度を確保し難い組が最後に固定されるので、当該組の記録ヘッド18同士の位置関係がより高い精度で確保される。これにより、記録媒体に対して画像等を記録した場合において、ヘッドの位置ずれに起因する記録画像等の画質の低下を抑制することが可能となる。なお、同一組を成す記録ヘッド18同士の位置精度については上記第1の実施形態の方がより高く確保できるが、第2の実施形態によれば、基準ヘッドが中央に配置される第3の記録ヘッド18cのみであるため、残りの各記録ヘッド18の位置調整工程が、上記第1の実施形態よりも容易となる。即ち、第1の実施形態の場合、取り付け対象の記録ヘッド18毎に基準ヘッドが変わるので、その都度、基準ヘッドとアライメント基板63とのキャリブレーションが必要となるのに対し、第2の実施形態では、基準ヘッドが第3の記録ヘッド18cで固定されるので、アライメント基板63のキャリブレーションが1回で済む。
図19は、本発明の第3の実施形態におけるサブキャリッジ26の下面図である。本実施形態においては、第1の記録ヘッド18a、第2の記録ヘッド18b、第3の記録ヘッド18c、第4の記録ヘッド18d、第5の記録ヘッド18e、及び第6の記録ヘッド18fの合計6つの記録ヘッド18が、サブキャリッジ26に取り付けられる。本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、同色のノズル列56を有する記録ヘッド18同士が組を成している。具体的には、イエローインク(Y)に対応するノズル列56をそれぞれ有する第3の記録ヘッド18cと第4の記録ヘッド18dとが組を成し、シアンインク(C)に対応するノズル列56をそれぞれ有する第2の記録ヘッド18bと第5の記録ヘッド18eとが組を成している。また、マゼンタインク(M)に対応するノズル列56をそれぞれ有する第1の記録ヘッド18aと第6の記録ヘッド18eとが組を成している。そして、これらの記録ヘッド18は、各ノズル列56にそれぞれ割り当てられるインクの色の配列がヘッド列設方向の中心から同方向において対称となるように、サブキャリッジ26に固定される。即ち、本実施形態では、ヘッド列設方向の中央から当該方向の両端側に向かって、イエローインク、シアンインク、マゼンタインクの順となるように対称配列となっている。また、本実施形態においては、各記録ヘッド18の組のうちヘッド列設方向の中心に近い組ほど、ノズル列56に割り当てられるインクの色の明度が高く、ヘッド列設方向の中心から遠い組ほどノズル列56に割り当てられるインクの色の明度が低くなっている。
本実施形態におけるヘッド取付工程について説明する。
まず、上記第1の実施形態と同様に、サブキャリッジ26のヘッド列設方向の最も中央側に配置される第3の記録ヘッド18cおよび第4の記録ヘッド18dの組のうちの一方、例えば、第4の記録ヘッド18dが、上述した位置調整工程、仮固定工程、及び本固定工程を経て最初に取り付けられる。本実施形態においても、この第4の記録ヘッド18dについては、アライメント基板63を用いた位置調整が行われることなく、位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する配置位置が規定される。
第4の記録ヘッド18dが取り付けられたならば、次に、第3の記録ヘッド18cおよび第4の記録ヘッド18dの組(第1組)よりも1つだけ中央から離れた位置に配置される第2の記録ヘッド18bおよび第5の記録ヘッド18eの組(第2組)のうちの何れか一方、例えば、第5の記録ヘッド18eが、第4の記録ヘッド18dを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。続いて、第1組である第3の記録ヘッド18cおよび第4の記録ヘッド18dの組の他方の第3の記録ヘッド18cが、一方の第4の記録ヘッド18dを基準として位置決めされた状態でサブキャリッジ26に固定される。次に、第2の記録ヘッド18bおよび第5の記録ヘッド18eの組(第1組)よりも1つだけ中央から離れた位置に配置される第1の記録ヘッド18aおよび第6の記録ヘッド18fの組(第2組)のうちの何れか一方、例えば、第6の記録ヘッド18fが、第5の記録ヘッド18eを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。続いて、第1組である第2の記録ヘッド18bおよび第5の記録ヘッド18eの組の他方の第2の記録ヘッド18bが、一方の第5の記録ヘッド18eを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。最後に、最外端の組である第1の記録ヘッド18aおよび第6の記録ヘッド18fの組の他方の第1の記録ヘッド18aが、一方の第6の記録ヘッド18fを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。
本実施形態によれば、ヘッド列設方向の中心に近い側の第1組の一方の記録ヘッド18が、位置決めされた状態でサブキャリッジ26に固定された後、当該第1組よりもヘッド列設方向の中心から遠い第2組の一方の記録ヘッド18が、第1組の一方の記録ヘッドを基準として位置決めされた状態でサブキャリッジ26に固定され、その後、第1組の他方の記録ヘッド18が、第1組の一方の記録ヘッド18を基準として位置決めされた状態でサブキャリッジ26に固定され、その次に、第2組の他方の記録ヘッド18が、第2組の一方の記録ヘッド18を基準として位置決めされた状態でサブキャリッジ26に固定されるので、同色のノズル列56を有する同一組の記録ヘッド18同士の位置精度が可及的に確保される。これにより、記録媒体に対して画像等を記録した場合において、記録ヘッド18の位置ずれに起因する記録画像等の画質の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態においては、上記したように、各記録ヘッド18の組のうちノズル列56に割り当てられるインクの色の濃度がより低い(又は明度がより高い)組ほどサブキャリッジ26に先に固定される一方、各記録ヘッド18の組のうちノズル列56に割り当てられるインクの色の濃度が高い(又は明度がより低い)組ほどサブキャリッジ26に後に固定される。ここで、濃度とはインクの溶媒に含まれる顔料や染料の濃度であり、明度とはインクが記録媒体に着弾して形成されたドットの明度を意味する。例えば、記録媒体に対して記録された画像において、濃度が低く明度が高い色のインクほど着弾位置ずれが生じたときでも目立ちにくい一方で、濃度が高く明度が低い色のインクほど着弾位置ずれが生じたときに目立ちやすい傾向にある。このため、濃度が高い又は明度が低い色のインクに対応するノズル列56を有する記録ヘッド18の組をサブキャリッジ26に最後に取り付けることで、ネジ留めによるサブキャリッジ26の変形の影響が最も抑えられる。これにより、濃度が高いインクの着弾位置ずれの発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態において、基準ヘッドとしての第4の記録ヘッド18d、第5の記録ヘッド18e、及び、第6の記録ヘッド18fを、この順で(即ち、ヘッド列設方向の中央に近い側から順に)サブキャリッジ26に取り付けた後、各組の他方の記録ヘッド18を、同一組の一方の記録ヘッド18を基準として、中央に近い側から順に取り付けるようにしても良い。即ち、各組の一方の記録ヘッド18を先に全部取り付けてから組の他方の記録ヘッド18を順次取り付ける方法を採用することもできる。
なお、ヘッド固定部材としてのサブキャリッジ26の形状は、上記各実施形態で例示したように上面が開口した箱体状のものには限られない。少なくとも複数の記録ヘッド18が取り付けられるベース部26aを有し、各記録ヘッド18の収容に関連する開口部が開設されたヘッド固定部材であれば、本発明を適用することができる。
また、サブキャリッジ26に取り付けられる記録ヘッド18の構成や個数についても上記実施形態で例示したものには限られない。
さらに、上記各実施形態では、記録媒体に対して記録ヘッド18を往復移動させながらインクの噴射を行う構成を例示したが、これには限られない。例えば、記録ヘッド18の位置を固定した状態で、当該記録ヘッド18に対して記録媒体を移動させながらインクの噴射を行う構成を採用することもできる。
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、複数の噴射駆動パルスを用いて液体の噴射を行う液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
1…プリンター,3…キャリッジアセンブリー,12…キャリッジ本体,13…キャリッジカバー,17…ヘッドユニット,18…記録ヘッド,20…調整レバー,21…偏心カム,22…ヘッドユニット固定ネジ,23…ヘッド保護部材,24…流路部材,26…サブキャリッジ,27…スペーサー固定ネジ,28…ヘッド挿通開口,29…止着穴,30…フランジ部,31…挿通穴,32…スペーサー,33…固定ネジ穴,34…チューブ接続部,35…収容部,36…上部開口,37…サブタンク,38…流路接続部,39…導入穴,40…接続流路,43…スペーサー止着ネジ,45…流路止着ネジ,46…固定ネジ穴,47…配線部材挿通口,51…ノズル,52…ヘッドケース,53…ノズル形成面,54…スペーサー取り付け穴,55…フレキシブルケーブル,56…ノズル列,57…位置決め穴,58…位置決めボス,60…撮像手段,61…ヘッド移動機構,62…アーム,63…アライメント基板

Claims (6)

  1. 液体を噴射するノズルを複数含むノズル列を少なくとも1つ有する液体噴射ヘッドと、複数の前記液体噴射ヘッドが、前記ノズル列を列設してノズル群を構成するように位置決めされた状態で固定されるヘッド固定部材と、を備え、前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドの少なくとも一部が収容される収容部を有し、各ノズル列にそれぞれ割り当てられる液体の色の配列が、各液体噴射ヘッドの列設方向の中心から同方向において対称となるように、前記ヘッド固定部材に各液体噴射ヘッドが順次固定される液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、
    同色のノズル列を有して組を成す2つの液体噴射ヘッドのうちの一方が前記ヘッド固定部材に位置決めされた状態で固定された後、当該先に固定された一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で他方の液体噴射ヘッドが前記ヘッド固定部材に固定されることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  2. ヘッド列設方向の中心に近い側の組から順に、各組の一方の液体噴射ヘッドが前記ヘッド固定部材に順次固定された後、
    ヘッド列設方向の中心に近い側の組から順に、それぞれ同一組の一方の液体噴射ヘッドを基準として他方の液体噴射ヘッドが前記ヘッド固定部材に順次固定されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  3. 各液体噴射ヘッドの組のうちヘッド列設方向の中心に近い側の第1組の一方の液体噴射ヘッドが、前記ヘッド固定部材に位置決めされた状態で固定された後、当該第1組よりもヘッド列設方向の中心から遠い第2組の一方の液体噴射ヘッドが、前記第1組の一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で前記ヘッド固定部材に固定され、その後、前記第1組の他方の液体噴射ヘッドが、当該第1組の一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で前記ヘッド固定部材に固定され、その次に、前記第2組の他方の液体噴射ヘッドが、当該第2組の一方の液体噴射ヘッドを基準として位置決めされた状態で前記ヘッド固定部材に固定されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  4. 各液体噴射ヘッドは、各液体噴射ヘッドの列設方向の中心に近い側の組から順に前記ヘッド固定部材に固定され、前記中心から最も遠い側の組が最後に固定されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  5. 各液体噴射ヘッドの組のうちノズル列に割り当てられる液体の色の濃度がより低い組ほど前記ヘッド固定部材に先に固定される一方、各液体噴射ヘッドの組のうちノズル列に割り当てられる液体の色の濃度がより高い組ほど前記ヘッド固定部材に後に固定されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  6. 前記各液体噴射ヘッドは、前記ヘッド固定部材に対してネジ固定されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013256077A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Ricoh Co Ltd 液滴吐出装置、画像形成装置及び液滴吐出装置の製造方法
JP2020073314A (ja) * 2019-10-29 2020-05-14 キヤノン株式会社 記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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