JP2012018207A - 液晶ディスプレイ装置およびカバーガラス板 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶パネルへのカバーガラス板の貼付に伴う光学特性の低下や反りの発生を抑えることができる液晶ディスプレイ装置などを提供すること。
【解決手段】ガラス基板21、22を備える液晶パネル20と、該液晶パネル20の表示側に貼り付けられるカバーガラス板30とを備える液晶ディスプレイ装置10において、カバーガラス板30は、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成されることを特徴とする液晶ディスプレイ装置10を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置およびカバーガラス板に関する。
液晶ディスプレイ装置(LCD装置)では、液晶パネルの前方に、「前面フィルタ」とも呼ばれるカバーガラス板が設置されており、ユーザはカバーガラス板を介して液晶パネルの表示を視認する。このカバーガラス板は、主として、LCD装置の美観や強度の向上、衝撃破損防止などを目的として設置される。
カバーガラス板は、耐傷付き性向上のため、表層の少なくとも一部に圧縮応力層を設けた化学強化ガラス板であることが多い(例えば、特許文献1参照)。化学強化ガラスの製造方法としては、例えばイオン交換法などがある。
イオン交換法では、ガラスを処理液に浸漬して、ガラスの表層に含まれる、小さなイオン半径のイオン(例えば、Naイオン)を、大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)と置換することで、ガラスの表層に圧縮応力層を設ける。このため、化学強化ガラスは、アルカリ金属酸化物を含んでいる。
米国特許出願公開第2008/0286548号明細書
一般的に、液晶パネルは、2枚のガラス基板、および2枚のガラス基板の間に設けられる液晶層などで構成される。そのため、液晶パネルの熱膨張係数は、主に、ガラス基板の熱膨張係数などにて定まる。
液晶パネル用のガラス基板は、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成される。アルカリ金属イオンが液晶パネルの表示特性に悪影響を与えるからである。その結果、液晶パネル用のガラス基板は、アルカリ金属酸化物を含むカバーガラス板よりも極めて小さい熱膨張係数(典型的には、半分程度の熱膨張係数)を有している。
ところで、LCD装置の画質を向上するため、液晶パネルの表示側に、カバーガラス板を貼り付けることが考えられる。これによって、液晶パネルとカバーガラス板との間に従来あった空隙を無くし、従来あった空隙と、液晶パネル(または、カバーガラス板)との界面における光の反射を抑えることができる。
しかしながら、液晶パネルの表示側にカバーガラス板を貼り付けると、液晶パネル用のガラス基板と、カバーガラス板との熱膨張差に起因して応力が生じることがある。この応力は光学特性の低下(例えば、不要な複屈折の発生)や反りの発生につながるという問題がある。この問題は、例えば熱硬化型の接着剤を用いてカバーガラス板を液晶パネルに貼り付ける際やLCD装置の表示動作時などに生じる。
特に、近年では、LCD装置の大画面化が進んでおり、上記熱膨張差に起因する応力が問題となりやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、液晶パネルへのカバーガラス板の貼付に伴う光学特性の低下や反りの発生を抑えることができる液晶ディスプレイ装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、液晶パネルに貼付した際に、光学特性の低下や反りの発生を抑えることができるカバーガラス板を提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を解決するため、本発明は、ガラス基板を備える液晶パネルと、該液晶パネルの表示側に貼り付けられるカバーガラス板とを備える液晶ディスプレイ装置において、
前記カバーガラス板は、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成されることを特徴とする液晶ディスプレイ装置を提供する。
上記第2の目的を解決するため、本発明は、ガラス基板を備える液晶パネルの表示側に貼付して用いられるカバーガラス板であって、
アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成されることを特徴とするカバーガラス板を提供する。
本発明によれば、液晶パネルへのカバーガラス板の貼付に伴う光学特性の低下や反りの発生を抑えることができる液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、液晶パネルに貼付した際に、光学特性の低下や反りの発生を抑えることができることができるカバーガラス板を提供することができる。
本発明の一実施形態における液晶ディスプレイ装置の側面断面図である。 図1の正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、後述の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、後述の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
図1は、本発明の一実施形態における液晶ディスプレイ装置の概略側面図である。図1に示すように、液晶ディスプレイ装置(LCD装置)10は、液晶パネル20と、カバーガラス板30とを備える。カバーガラス板30は液晶パネル20よりも大面積であって、ユーザはカバーガラス板30を介して液晶パネル20の表示を視認する。
(液晶パネル)
液晶パネル20は、一般的な構成であって良く、例えば図1に示すように、2枚のガラス基板21、22、および2枚のガラス基板21、22の間に設けられる液晶層23を備える。そのため、液晶パネル20の熱膨張係数は、主に、ガラス基板21、22の熱膨張係数などにて定まる。
2枚のガラス基板21、22のうち、表示側(前側)のガラス基板21の内面24には、透明電極膜、カラーフィルター(CF)などが所定の順序で設けられている。一方、駆動側(後側)のガラス基板22の内面25には、透明電極膜、半導体素子(例えばTFTなど)などが所定の順序で設けられている。これらのガラス基板21、22の外面26、27にはそれぞれ偏光フィルタが設置されている。
液晶パネル20は、透明電極膜を介して液晶層23に電圧を印加し、液晶層23の配向方向を変化させて、画像を表示する。液晶パネル20の駆動方式は、特に限定されないが、例えばTN型、STN型、FE型、TFT型、MIM型、IPS型、VA型などがある。
ガラス基板21、22は、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成される。アルカリ金属イオンが、液晶パネル20の表示特性に悪影響を与えるからである。
無アルカリガラスの50〜350℃の範囲における平均熱膨張係数(以下、単に「平均熱膨張係数」という)(JIS R3102)は、典型的には、30〜50×10−7/℃程度である。
無アルカリガラスとしては、特に限定されないが、例えば、モル%表示で実質的に、SiO:65〜70%、Al:9〜16%、B:6〜12%、MgO:0〜6%、CaO:0〜7%、SrO:1〜9%、MgO+CaO+SrO:7〜18%からなり、BaOを実質的に含有しないガラスなどが挙げられる。
なお、2枚のガラス基板21、22は、無アルカリガラスで形成される限り、異なる組成であっても良いが、熱膨張差の低減や製造コストの削減のため、同一組成であることが望ましい。
ガラス基板21、22を製造する方法としては、まず、複数のガラス原料を目標の配合になるように調合し、これを溶解炉に連続的に投入し、1500〜1600℃に加熱して溶融する。次いで、この溶融ガラスを所定の板厚に成形し、徐冷後切断して、ガラス基板21、22を得る。
ここで、溶融ガラスを所定の板厚に成形する成形方法は、特に限定されないが、例えばフロート法やフュージョン法などがある。フロート法では、浴槽内の溶融金属(例えば、溶融錫)の浴面に溶融ガラスを連続的に供給して、帯板状に成形する。フュージョン法では、断面略V字状の樋の内部に溶融ガラスを連続的に供給し、樋から左右両側に溢れ出た溶融ガラスを、樋の下縁で合流させて帯板状に成形する。
なお、本実施形態では、2枚のガラス基板21、22を用いるとしたが、いずれか一方の代わりに、樹脂基板などの透光性基板を用いても良い。これによって、液晶パネル20のフレキシブル性を高めることができる。なお、樹脂基板は、耐熱性や耐薬品性が低いので、透明電極膜などを形成する際に加熱処理や薬品処理することが難しい。また、樹脂基板は、ガラス基板やカバーガラス板との熱膨張差が大きいので、反りが発生しやすい。そのため、2枚のガラス基板21、22を用いることが望ましい。
(カバーガラス板およびその周辺部材)
カバーガラス板30は、主として、LCD装置10の美観や強度の向上、衝撃破損防止などを目的として設置される。カバーガラス板30は、液晶パネル20の表示側(前側)に貼り付けられる。
例えば、カバーガラス板30は、透光性を有する接着膜を介して、液晶パネル20の表示側に貼り付けられる。接着膜は、一般的な構成であって良く、その材質や形状は適宜選定される。
このようにして、カバーガラス板30と液晶パネル20との間に空隙がない構成とすることによって、従来あった空隙と、カバーガラス板30(または、液晶パネル20)との界面における光の反射を抑えることができる。その結果、LCD装置10の画質を高めることができる。また、LCD装置10の薄型化にも貢献することができる。
カバーガラス板30は、液晶パネル20からの光を出射する前面31と、液晶パネル20からの光が入射する背面32とを有する。前面31または/および背面32には、機能膜40が設けられていても良い。なお、図1では、機能膜40は前面31に設けられている。
機能膜40は、例えば、周囲光の反射防止、衝撃破損防止、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調補正、または/および耐傷性向上などの機能を有する。
機能膜40は、例えば樹脂製の膜をカバーガラス板30に貼り付けることにより形成される。あるいは、機能膜40は、蒸着法、スパッタ法、CVD法などの薄膜形成法により形成されても良い。
機能膜40は、一般的な構成であって良く、その厚さおよび形状などは、用途に応じて適宜選択される。
カバーガラス板30の背面32には、周縁部の少なくとも一部に沿って、加飾層50が設けられている。この加飾層50は、液晶パネル20の外周を取り囲むように配置されて良い。
加飾層50は、カバーガラス板30、ひいてはLCD装置10のデザイン性や装飾性を高めるために設置される。例えば、加飾層50を黒色に着色すると、LCD装置10がオフ状態のときに、カバーガラス板30の周縁部を含めて、カバーガラス板30の前面31から全く光が出射されなくなる。従って、LCD装置10の外観がシャープな印象をユーザに与えるようになり、美観が向上する。
加飾層50の形成方法に制限はなく、例えば、セラミックス粒子を含むインクをカバーガラス板30に塗布し、これを加熱焼成した後、冷却することによって形成する方法がある。セラミックス粒子は、ガラス組成物、耐熱顔料などで構成され、必要に応じて、耐火物フィラーを含んでも良い。このセラミックス粒子を有機ビヒクルに混合、分散させることによりインクが調製される。
(カバーガラス板の材質や特性など)
カバーガラス板30は、液晶パネル20を構成するガラス基板21、22と同様に、無アルカリガラスで形成される。これによって、従来に比べて、カバーガラス板30と液晶パネル20との熱膨張差を低減することができる。その結果、LCD装置10の構成部材の光学特性の低下(例えば、不要な複屈折の発生)や反りの発生を抑制することができる。この効果は、カバーガラス板30やガラス基板21、22の面積(対角線長さ)が大きくなるほど顕著である。
特に、近年では、LCD装置10の大画面化が進んでおり、カバーガラス板30の対角線長さLが32インチ(約81.3cm)以上の場合が多くなっている。そのような場合でも、本実施形態によれば、反りを十分に小さくすることができる。
また、カバーガラス板30を、従来の化学強化ガラスの代わりに、無アルカリガラスで形成すると、上記効果以外に、下記(1)〜(2)の効果が得られる。(1)カバーガラス板30の耐候性が高くなるので、カバーガラス板30の表面荒れを抑えることができ、LCD装置10の画質劣化を抑えることができる。(2)カバーガラス板30と液晶パネル20との間に設けられる接着膜に、アルカリ金属イオンが実質的に溶出しなくなるので、接着膜の劣化を防止することができる。
カバーガラス板30の平均熱膨張係数は、反りを十分に低減するため、液晶パネル20用のガラス基板21、22の平均熱膨張係数の80〜120%であることが望ましい。ここで、「液晶パネル用のガラス基板」とは、液晶パネルが2枚のガラス基板を有する場合、両方のガラス基板を意味する。より望ましい範囲は90〜110%、特に望ましい範囲は95〜105%である。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスは、ガラス基板21、22に用いられる無アルカリガラスと異なる組成であっても良いが、同一組成であることが好ましい。同一組成であると、カバーガラス板30と液晶パネル20との熱膨張差を極めて小さくすることができる。また、カバーガラス板30の製造コストを削減することもできる。
また、カバーガラス板30の製造コストを削減することを目的として、フロート法で成形された無アルカリガラス板を未研磨の状態で、カバーガラス板30として使用しても良い。ここで、「研磨」とは、物理研磨の他、化学研磨を含む意味である。
通常、フロート法で成形された無アルカリガラス板は、ガラス基板21、22として使用する場合、成形中に溶融金属と接触していた面の研磨を必要とする。この面は、反対側の自由面よりも平面度に優れており、透明電極膜などを形成する使用面となるが、溶融金属によって汚染されているからである。
一方、カバーガラス板30として使用する場合、カバーガラス板30上には液晶層23や透明電極膜などが設けられない。そのため、未研磨の状態で使用可能である。このコスト削減効果は、カバーガラス板30の面積が大きくなるほど顕著である。
カバーガラス板30は、表層付近の強度向上のため、風冷強化法によって、表層の少なくとも一部に圧縮応力層を設けたものであっても良い。風冷強化法では、ガラスを所定の温度に加熱した後、急冷することで、ガラスの表層と内層との間に温度差を生じさせて、ガラスの表層に圧縮応力層を設ける。
圧縮応力層の表面圧縮応力は、上記温度差などにて定まる。そのため、急冷時に無アルカリガラスに吹き付ける冷却ガスの温度や風量などを調節することで、表面圧縮応力を調節することが可能である。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスの破壊靱性は、0.9MPa・m1/2以上であることが好ましい。破壊靱性は、JIS R1607に記載の「予き裂導入破壊試験法(SEPB法)」で測定され、より詳細には、シェブロンノッチ法で予き裂(深さ6mm)を導入した試験片(8×8×80mm)について、4点曲げ試験を行って測定される。破壊靱性は、複数個の試験片についての平均値とする。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスの破壊靱性を0.9MPa・m1/2以上とすることによって、カバーガラス板30にクラックが生じた場合に、従来に比べて、クラックの伸展を有意に抑えることができる。なお、従来の化学強化ガラスの破壊靱性は0.8MPa・m1/2程度である。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスの破壊靱性は、ガラス組成によって調節することが可能である。また、無アルカリガラスの破壊靱性を向上するため、無アルカリガラスを風冷強化しても良い。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスのクラック・イニシエーション・ロード(Crack Initiation Load)(以下、「CIL」という)は、20N以上であることが好ましい。ここで「CIL」とは、ガラス表面に正四角錐状のビッカース圧子(ダイヤモンド圧子)を押し込むことによって、圧痕の四隅の全てから外方に向けて亀裂が形成される最小の押込荷重をいう。CILは、市販のビッカース硬度試験機によって測定することができる。CILは、10個以上の圧痕についての平均値とする。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスのCILを20N以上とすることによって、従来に比べて、カバーガラス板30のクラックの発生確率を有意に抑えることができる。なお、従来の化学強化ガラスのCILは1N程度である。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスのCILは、ガラス組成などによって調節することが可能である。また、無アルカリガラスのCILの値を大きくするため、無アルカリガラスを風冷強化しても良い。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスのヤング率は、72GPa未満であって良い。これによって、カバーガラス板30の変形量が一定の状態で、カバーガラス板30に生じる応力を十分に低減することができ、カバーガラス板30にクラックが発生するのを抑えることができると共に、カバーガラス板30の光学特性の低下(例えば、不要な複屈折の発生)を十分に抑えることができる。より好ましい範囲は70GPa未満であり、さらに好ましい範囲は68GPa未満である。
カバーガラス板30に用いられる無アルカリガラスのヤング率は、ガラス組成などによって調節することが可能である。例えば、無アルカリガラスのヤング率を低くすると共に、破壊靱性を維持するため、無アルカリガラスのB含有量を多くすると共に、Al含有量とMO含有量との比を調節して良い。ここで、「MO含有量」とは、アルカリ土類金属酸化物の含有量の合量を意味する。
あるいは、カバーガラス板30に用いられるヤング率は、75GPa超であっても良い。これによって、カバーガラス板30に生じる応力が一定の状態で、カバーガラス板30の変形量を十分に低減することができる。より好ましい範囲は78GPa超であり、さらに好ましい範囲は80GPa超である。
カバーガラス板30の比弾性率は大きいほど、カバーガラス板30の自重変形が小さくなるので、好ましい。
カバーガラス板30の板厚は、特に限定されないが、例えば0.4〜3mmmであって、好ましくは0.7〜1.2mmである。カバーガラス板30の板厚を0.4mm以上とすることによって、液晶パネル20を保護する保護板として十分な強度を得ることができる。一方、カバーガラス板30の板厚が3mmを超えると、LCD装置10の薄型化、軽量化に悪影響を及ぼすので、好ましくない。
カバーガラス板30に使用する無アルカリガラスの仮想温度が高いほど、破壊靱性およびCILが高くなるので、好ましい。仮想温度は、無アルカリガラスの徐冷時の冷却速度などにて調節することが可能である。仮想温度を高くするためには、徐冷時の冷却速度を速くすれば良い。
カバーガラス板30に使用する無アルカリガラスの熱的安定性が高いほど、熱履歴(例えば、加熱硬化型の接着剤を用いてカバーガラス板30を液晶パネル20に貼り付ける際の熱処理)によってカバーガラス板30が変形しにくいので、好ましい。熱的安定性は、室温から100〜150℃程度に加熱し再び室温まで冷却したときの寸法変化(コンパクション)で表され、寸法変化が小さいほど熱的安定性が高い。
この寸法変化は、無アルカリガラスの材質や特性(例えば、歪点、不純物であるアルカリ金属酸化物の含有量、水分量(β−OH))などにて定まる。
例えば、歪点が高いほど、寸法変化が小さくなる傾向にある。歪点は、680℃以上が好ましく、720℃以上がより好ましく、760℃以上がさらに好ましい。
また、不純物であるアルカリ金属酸化物の含有量が少ないほど、寸法変化が小さくなる傾向にある。アルカリ金属酸化物の含有量は、質量%表示にて、500ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、50ppm以下がさらに好ましい。
また、水分量(β−OH)が少ないほど、寸法変化が小さくなる傾向にある。β−OHは、0.5以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
ここで、β−OHの値は、ガラスの赤外線吸収スペクトルにおいて次式によって求められる。
β−OH(/mm)=(1/X)log10(A/B)
X:スペクトル測定時のガラス基板の板厚(mm)
A:参照波長3850cm−1付近における透過率(%)
B:水酸基吸収波長3500cm−1付近における最小透過率(%)
無アルカリガラスに含まれる水分量(β−OH)は、使用する原料や溶融方法によって調整することが可能である。β−OHを少なくするためには、例えば、ガラス原料として水和物を使用しない方法がある。
以下に、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示すLCD装置10を製造した。なお、実施例1では、カバーガラス板30上に機能膜40を設けていない。
(液晶パネルの製造)
液晶パネル用のガラス基板として、2枚の無アルカリガラス基板(旭硝子社製、AN100)を用意した。一方の無アルカリガラス基板上に、透明電極、薄膜トランジスタ(TFT)を所定の順序で形成し、TFT基板を作製した。また、他方の無アルカリガラス基板上に、透明電極、カラーフィルター(CF)を所定の順序で形成し、CF基板を作製した。その後、スペーサを介して、TFT基板とCF基板とを貼り合わせ、その空隙に液晶層となる液晶材料を封入して、液晶パネルを作製した。液晶パネルの表示側の対角線長さは、37インチ(940mm)とした。
(カバーガラス板の製造)
カバーガラス板として、液晶パネル用のガラス基板と同一組成の無アルカリガラス板(対角線長さ40インチ(1016mm)、旭硝子社製、AN100)を用意した。この無アルカリガラス板は、破壊靱性が0.9MPa・m1/2、CILが20N、ヤング率が77GPaであった。また、この無アルカリガラス板の平均熱膨張係数は、38×10−7/℃であって、液晶パネル用のガラス基板の平均熱膨張係数と略同一であった。
(LCD装置の製造)
接着剤を用いて、上記液晶パネルと上記カバーガラス板とを固定した。接着剤には、熱硬化型の接着剤を使用した。このようにして、LCD装置を作製した。
LCD装置の評価として、LCD装置の表示動作時にカバーガラス板の平面度を測定した。その結果、カバーガラス板は、液晶パネル用のガラス基板との熱膨張差が十分に小さいので、良好な平面度(JIS B0021)を有することが分かった。
(比較例1)
比較例1では、カバーガラス板として化学強化ガラス板(旭硝子社製)を用いた他は、実施例1と同様にして、LCD装置を製造した。
この化学強化ガラス板は、破壊靱性が0.78MPa・m1/2、CILが1N、ヤング率が78GPaであった。また、この化学強化ガラスの平均熱膨張係数は、91×10−7/℃であって、液晶パネルを構成するガラス基板の平均熱膨張係数の239%であった。
LCD装置の評価として、LCD装置の表示動作時にカバーガラス板の平面度を測定した。その結果、カバーガラス板とプラズマパネル用のガラス基板との熱膨張差が大き過ぎるので、良好な平面度を得られないことが分かった。
10 液晶ディスプレイ装置(LCD装置)
20 液晶パネル
21 ガラス基板
22 ガラス基板
23 液晶層
30 カバーガラス板
40 機能膜
50 加飾層

Claims (9)

  1. ガラス基板を備える液晶パネルと、該液晶パネルの表示側に貼り付けられるカバーガラス板とを備える液晶ディスプレイ装置において、
    前記カバーガラス板は、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成されることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
  2. 前記カバーガラス板の平均熱膨張係数が、50〜350℃の範囲において、前記ガラス基板の平均熱膨張係数の80〜120%である請求項1に記載の液晶ディスプレイ装置。
  3. 前記無アルカリガラスの破壊靭性が0.9MPa・m1/2以上である請求項1または2に記載の液晶ディスプレイ装置。
  4. 前記無アルカリガラスのクラック・イニシエーション・ロードが20N以上である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ディスプレイ装置。
  5. 前記無アルカリガラスのヤング率が72GPa未満である請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ディスプレイ装置。
  6. 前記無アルカリガラスのヤング率が75GPaを超える請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ディスプレイ装置。
  7. 前記カバーガラス板の対角線長さが32インチ以上である請求項1〜6のいずれかに記載の液晶ディスプレイ装置。
  8. 前記カバーガラス板は、フロート法により成形されたものであって、成形後に研磨されていないものである請求項1〜7のいずれかに記載の液晶ディスプレイ装置。
  9. ガラス基板を備える液晶パネルの表示側に貼付して用いられるカバーガラス板であって、
    アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスで形成されることを特徴とするカバーガラス板。
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