JP2012018140A - 半導体圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents

半導体圧力センサ及びその製造方法 Download PDF

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文茂 宮田
Shinji Inagaki
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Abstract

【課題】本発明は、半導体圧力センサ及びその製造方法に係り、ダイヤフラム上でのシリコン酸化膜による段差部分への応力集中を低減することを目的とする。
【解決手段】半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサにおいて、ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部を、該段差部側面の面外方向が、該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体圧力センサ及びその製造方法に関し、特に、半導体基板に撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージが配置されるダイヤフラム部を備えるピエゾ抵抗効果を利用した半導体圧力センサ及びその製造方法に関する。
従来、自動車のエンジン制御や気圧計などに用いられる半導体圧力センサが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1記載の半導体圧力センサは、シリコン(Si)基板にダイヤフラム部を設け、ダイヤフラム上に4個のピエゾ抵抗ゲージを配置して、ブリッジ回路を形成する。かかる半導体圧力センサにおいて、ダイヤフラムが印加圧力によって撓むと、2つのピエゾ抵抗ゲージが抵抗増加しかつ他の2つのピエゾ抵抗ゲージが抵抗減少する。このピエゾ抵抗ゲージの抵抗変化は、上記したブリッジ回路における2つの入力端子に一定電圧が印加された状態での他の2つの出力端子間の電位差に現われる。従って、ブリッジ回路における2つの入力端子に電圧が印加された状態で2つの出力端子間の電位差を測定することで、ダイヤフラムの印加圧力を検出することが可能となる。
尚、半導体圧力センサにおけるSi基板へのブリッジ回路を構成する拡散リードや歪ゲージ、コンタクトホール、電極等は、不純物導入、エッチング、蒸着等の技術を用いて形成されると共に、ダイヤフラムは、そのSi基板の裏面をエッチングして形成される。
また、特許文献2には、以下のことが記載されている。すなわち、<110>結晶軸方向に発生する感度は、<100>結晶軸方向のものに比べてピエゾ抵抗係数が非常に大きいため、(110)面における応力検出においては、<100>結晶軸方向ではなく、<110>結晶軸方向に発生する応力を用いることが有効である。そのため、(110)面においては<110>は一方向しか存在しないため、より感度の高い結晶軸に対してより高い出力を得ようとすると、必然的に、拡散ゲージ抵抗は、<110>結晶軸方向に沿ってダイヤフラムの中心寄りに配置された2個のセンターゲージRcと、センターゲージRcよりもダイヤフラムの周辺部に配置された2個のサイドゲージRsと、からなる配置を採らざるを得ない。
特開平7−153974号公報 特開2002−340713号公報
ところで、半導体圧力センサの製造においては、プロセスの簡素化・廉価化を図るため、前工程において拡散マスクとして形成したシリコン酸化膜の除去を省略することがあるが、この場合には、歪ゲージがダイヤフラムの中心に配置されると、ダイヤフラム上においてシリコン酸化膜により段差部が生じる。ダイヤフラム上のシリコン酸化膜による段差部側面の面外方向(法線方向)が、そのダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で平行関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるようにダイヤフラムの段差部が形成されると、応力集中が生じ易くなり、ダイヤフラムの耐圧性が損なわれてしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部分への応力集中を低減することが可能な半導体圧力センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体圧力センサは、半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサであって、前記ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部は、該段差部側面の面外方向が、該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成されていることを特徴とする。
尚、上記半導体圧力センサにおいて、前記ダイヤフラム上に形成される拡散リードを備え、前記半導体基板の表面が(110)面であることとしてもよい。
また、上記半導体圧力センサにおいて、前記ダイヤフラム上における前記歪ゲージの配向が<110>方向又は<111>方向であることとしてもよい。
また、上記半導体圧力センサにおいて、前記ダイヤフラム上における前記歪ゲージの配向が<110>方向であり、前記ダイヤフラムの平面形状は、垂線が<110>方向に向く互いに平行に向かい合う二辺と垂線が<100>方向に向く互いに平行に向かい合う二辺とに囲まれる略矩形形状であることとしてもよい。
また、上記半導体圧力センサにおいて、前記ダイヤフラム上における前記歪ゲージの配向が<111>方向であり、前記ダイヤフラムの平面形状は、各辺の垂線が<111>方向に向く平行四辺形であることとしてもよい。
また、本発明の半導体圧力センサの製造方法は、半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサの製造方法であって、前記ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部が、該段差部側面の面外方向が該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成されるように、拡散マスクを形成する拡散マスク工程を備えることを特徴とする。
更に、上記半導体圧力センサの製造方法において、前記拡散マスク工程における拡散マスクの形成後、不純物導入により拡散リードを形成する拡散工程を備えることとしてもよい。
本発明によれば、ダイヤフラム上でのシリコン酸化膜による段差部分への応力集中を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサの上面図である。 (A)〜(C)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサにおけるダイヤフラム部分の拡大上面図である。 本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサにおけるダイヤフラム部分の拡大斜視図である。 (A)〜(J)は本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサを製造するための工程を表した図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体圧力センサの上面図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体圧力センサの断面図である。
以下、図面を用いて、本発明に係る半導体圧力センサの具体的な実施の形態について説明する。
本発明の半導体圧力センサは、半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサであって、前記ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部は、該段差部側面の面外方向が、該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される。
また、本発明の半導体圧力センサの製造方法は、半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサの製造方法であって、前記ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部が、該段差部側面の面外方向が該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成されるように、拡散マスクを形成する拡散マスク工程を備える。
これらの本発明において、「面外方向」とは、ダイヤフラムの段差部の側面に直交する方向のことであり、また、「最大応力の方向」とは、ダイヤフラムの段差部とその周辺に発生する最大応力の方向のことであるとする。
これらの本発明の形態において、ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部は、該段差部側面の面外方向が、該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される。このため、本発明の形態によれば、ダイヤフラム上でのシリコン酸化膜による段差部が、その段差部側面の面外方向がダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で平行関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される構成と比べて、ダイヤフラム上に形成される段差部分への応力集中計数を低減することができ、ダイヤフラムの耐圧性を向上させることができる。
実施形態1
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体圧力センサ10の上面図を示す。また、図2(A)は半導体圧力センサ10の図1に示すA−A断面図を、図2(B)は半導体圧力センサ10の図1に示すB−B断面図を、また、図2(C)は半導体圧力センサ10の図1に示すC−C断面図を、それぞれ示す。図3は、本実施形態の半導体圧力センサ10におけるダイヤフラム部分の拡大上面図を示す。また、図4は、本実施形態の半導体圧力センサ10におけるダイヤフラム部分の拡大斜視図を示す。
本実施形態の半導体圧力センサ10は、自動車のエンジン制御、排気浄化制御、又は気圧計などに用いられ得るセンサである。図1に示す如く、半導体圧力センサ10は、半導体基板としてシリコン(Si)基板12を備えており、Si基板12に対する周知の半導体製造技術を施すことにより製造される。Si基板12は、四つの辺により区画されており、主表面及び主表面とは反対の主裏面の結晶方位が共に(110)面である平面略矩形の板状部材である。このため、Si基板12の(110)面内には、互いに直交する2つの結晶軸<110>及び<100>が存在する。
図2に示す如く、Si基板12には、主裏面に凹状に空いた開口部14が形成されている。開口部14は、Si基板12を異方性エッチングすることにより形成される。開口部14は、4つの側壁14aにより囲まれる空間を構成している。開口部14をSi基板12表面に平行に切った際の断面形状(平面形状)は、略正方形である矩形形状であり、この矩形形状の各辺は、その垂線がSi基板12の<110>方向又は<100>方向に向くように設けられている。4つの側壁14aはすべて、Si基板12表面に対してテーパ状に形成されている。
開口部14の主表面側には、薄肉(薄板)のダイヤフラム16が形成されている。ダイヤフラム16は、表裏の圧力差に応じた量だけ撓むことが可能な部材である。ダイヤフラム16の平面形状は、二組の互いに平行に向かい合う一対の辺により囲まれる略正方形である矩形形状である。一方の組の二辺は、垂線がSi基板12の<110>方向に向くように形成されており、また、他方の組の二辺は、その垂線がSi基板12の<100>方向に向くように形成されている。ダイヤフラム16は、Si基板12を異方性エッチングすることにより開口部14が形成されることに伴って形成される。
図3及び図4に示す如く、ダイヤフラム16上には、そのダイヤフラム16の撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージ20〜26が配置されている。歪ゲージ20〜26は、Si基板12の主表面に不純物のイオン注入や拡散により形成される。各歪ゲージ20〜26はそれぞれ、ダイヤフラム16の配置部位における撓みに伴う基準からの抵抗値変化に応じた検出信号を出力するピエゾ抵抗である。
歪ゲージ20,22は、ダイヤフラム16の表面全体の部位の中で圧力印加時にダイヤフラム16が最も圧縮される部位である中心近傍に配置されるセンターゲージである。また、歪ゲージ24,26は、ダイヤフラム16の表面全体の部位の中で圧力印加時にダイヤフラム16が最も引っ張られる部位である開口部14の側壁14aに近い周辺部(特に、ダイヤフラム16を構成する辺の中点近傍)に配置されるサイドゲージである。以下、適宜、歪ゲージ20,22をセンターゲージ20,22と、歪ゲージ24,26をサイドゲージ24,26と、それぞれ称す。センターゲージ20,22とサイドゲージ24,26とは、応力に対する抵抗値の変化の方向が逆となるように設けられている。
歪ゲージ20〜26は、Si基板12の主表面に不純物のイオン注入や拡散により形成される拡散リード28を介して結線され、電気的に接続されている。歪ゲージ20〜26は、拡散リード28により互いに直列接続された閉回路であるホイートストンブリッジ回路を構成している。
拡散リード28は、Si基板12の全体の中で四隅に分かれるように4分割された広範な領域を有している。各拡散リード28の領域は、ダイヤフラム16の表面全体の部位の中で四隅を含んでおり、絶縁層である後述のシリコン酸化膜を介して画成されている。歪ゲージ20〜26は、Si基板12の<110>方向に配向されており、Si基板12の<110>方向に電流が流れるようになっている。センターゲージ20,22は、互いにSi基板12の<100>方向において隣接しつつ、それぞれSi基板12の<110>方向に延びている。また、サイドゲージ24,26はそれぞれ、Si基板12の<110>方向に延びている。
Si基板12の主表面には、拡散リード28に接続されるコンタクトホール30及び電極32が形成されている。コンタクトホール30及び電極32は、歪ゲージ20〜26と外部の検出装置とを電気的に接続して、上記のブリッジ回路へ電圧を印加し或いはブリッジ回路からの検出信号を出力するために設けられている。コンタクトホール30及び電極32は、Si基板12の主表面上の層間絶縁膜であるシリコン酸化膜34上に、アルミニウムを用いた蒸着等により形成される。
上記のホイートストンブリッジ回路において、2つの入力電極32の間に直流定電圧Vが与えられていると、ダイヤフラム16の撓みが歪ゲージ20〜26の抵抗値の変化として現われ、2つの出力電極32の間に被検出圧力に応じたレベルの電圧検出信号が出力されることとなる。
上記した構造を有する半導体圧力センサ10は、Si基板12の主裏面にガラス台座等が陽極接合等により接合されている。Si基板12の主裏面側に形成される開口部14内は、ガラス台座等への接合が行われていると、真空等の一定の圧力に保たれて封止されることで、以後、圧力基準室として扱うことができる。
このような半導体圧力センサ10の構造においては、Si基板12の主表面側に被検出対象の圧力が印加されると、印加圧力に応じてダイヤフラム16の撓みが発生する。この際には、ダイヤフラム16の撓みにより各歪ゲージ20〜26の抵抗値が変化して、各歪ゲージ20〜26から印加圧力に応じた電圧検出信号が出力される。かかる電圧信号は、電極32から外部の検出装置へ送られて信号処理される。これにより、外部の検出装置において被検出対象の圧力が検出される。
次に、図5(A)〜(J)を参照して、本実施形態の半導体圧力センサ10の製造方法について説明する。
図5(A)〜(J)は、本実施形態の半導体圧力センサ10を製造するための工程を表した図を示す。尚、図5(A)〜(J)には、半導体圧力センサ10の図1に示すA−A断面図が示されている。
本実施形態において、半導体圧力センサ10は、主表面及び主裏面が(110)面であるシリコンウェハを用いて複数個のチップ単位で製造される。具体的には、まず、各半導体圧力センサ10のSi基板12が形成されるべきシリコンウェハを、鏡面状に研磨しかつ洗浄する(図5(A))。そして、洗浄済みのシリコンウェハの主表面にシリコン酸化膜(SiO2)34を形成する(図5(B))。
次に、フォトリソグラフィによりシリコンウェハ全体に拡散パターンを形成し(図5(C))、その後、熱拡散による不純物導入により歪ゲージ20〜26及び拡散リード28を形成する(図5(D))。この際、センターゲージ20,22の形成は、後に形成されるダイヤフラム16の表面全体の部位の中で中心近傍に配置されるように行われ、かつ、サイドゲージ24,26の形成は、そのダイヤフラム16の表面全体の部位の中で周辺部に配置されるように行われる。
次に、上記のシリコンウェハの主表面に保護膜(SiO2)36を形成する(図5(E))。そして、フォトリソグラフィによりシリコンウェハの主裏面にマスク38を用いてエッチングパターンを形成し(図5(F))、その後、アルカリ性溶液に浸して、シリコンウェハの主裏面を異方性エッチングし、ダイヤフラム16を形成する(図5(G))。このダイヤフラム16の形成に用いるマスク38のデザインは、それぞれ垂線が<110>方向に向く互いに平行に向かい合う二辺と、それぞれ垂線が<100>方向に向く互いに平行に向かい合う二辺と、に囲まれる略矩形形状を有している。
上記の如く、ダイヤフラム16の形成が行われた後は、フォトリソグラフィによりシリコンウェハの主表面にコンタクトホールパターンを形成し、その後、エッチングによりシリコンウェハの主表面にコンタクトホール30を形成する(図5(H))。そして、シリコンウェハの主表面にアルミニウム(Al)を蒸着し(図5(I))、フォトリソグラフィによりシリコンウェハの主表面に配線パターンを形成し、その後、エッチングによりシリコンウェハの主表面に電極32を形成する(図5(J))。
このような処理が行われると、複数個の半導体圧力センサ10が形成されたSi基板12からなるシリコンウェハが製造される。そして、このシリコンウェハが個々のSi基板12となる矩形状のチップに分断された後、それらの各Si基板12を用いて各半導体圧力センサ10の製造が行われる。
ところで、本実施形態の半導体圧力センサ10においては、Si基板12の主表面に被検出対象の圧力が印加されると、ダイヤフラム16が撓んで応力が発生する。この応力は、ダイヤフラム16上において歪ゲージ20〜26の配置位置近傍で最大であり、その最大応力の方向は、歪ゲージ20〜26が延びるSi基板12の<110>方向に一致している。すなわち、歪ゲージ20〜26は、ダイヤフラム16において最大応力が発生する位置近傍に配置されている。以下、最大応力とは、圧力の印加により半導体圧力センサ10のダイヤフラム16に発生する最大の応力のことである。
本実施形態のダイヤフラム16は略正方形の部材であるが、4辺が固定された正方形の平板に発生する最大応力は次式(1)で表される。但し、σmaxは最大応力である。αは最大応力係数である。Pは印加圧力である。bは正方形の平板の1辺の長さに対する半分の長さである。hは平板の厚みである。
σmax=±α×P×b/h ・・・(1)
最大応力は引っ張り応力と圧縮応力とに分けることができる。以下、応力の極性として+の引っ張り応力と−の圧縮応力とが存在し、平板の中心を(x,y)=原点(0,0)とする。周辺固定された平板の中央で圧縮応力が発生するように圧力が印加された場合、平板上で最大応力が発生する最大応力点については、+の引っ張り応力の最大応力点は(0,±b)又は(±b,0)であり、−の圧縮応力の最大応力点は(0,0)である。また、周辺固定された平板の中央で引っ張り応力が発生するように圧力が印加された場合、平板上で最大応力が発生する最大応力点については、+の引っ張り応力の最大応力点は(0,0)であり、−の圧縮応力の最大応力点は(0,±b)又は(±b,0)である。このように、平板の中心及び周辺において、極性の異なる応力が発生する。シリコン酸化膜により形成される段差部位の最大応力方向は、ダイヤフラムの中心とダイヤフラムの段差部位周辺とを結んだ直線の方向となる。
また、半導体圧力センサ10の製造においては、プロセスの簡素化・廉価化を図るため、前工程において拡散マスクとして形成したシリコン酸化膜34の除去を省略することがあるが、この場合には、ダイヤフラム16上においてシリコン酸化膜34による段差部が生ずる。ここで、歪ゲージ20〜26は、上記の如く、Si基板12の<110>方向に延びており、Si基板12の<110>方向に電流が流れる構造に形成されている。
この点、本実施形態においては、圧力印加時にダイヤフラム16に最大応力が生じる最大応力点付近に歪ゲージ20〜26が形成される。同時に、ダイヤフラム16上にシリコン酸化膜34により形成される段差部が、そのダイヤフラム16の段差部の側面の面外方向(すなわち、法線方向)がそのダイヤフラム16の段差部位において生じる最大応力方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム16の面(以下、ダイヤフラム面と称す)との間で平行関係にあるように形成される。
このような半導体圧力センサ10の構造においては、上記ダイヤフラム16上の段差部が、シリコン酸化膜34により形成される段差部側面の面外方向がダイヤフラム16の段差部位において生じる最大応力方向との間で平行関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される従来の構成に比べて、ダイヤフラム16への圧力印加時に発生する応力集中がダイヤフラム16の段差部位及びその段差部位の周辺で生じ難くなる。
尚、本実施形態の半導体圧力センサ10の構造においては、シリコン酸化膜34により形成されるダイヤフラム16の段差部側面の面外方向がダイヤフラム16の段差部位において生じる最大応力方向との間で平行関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される段差部が一部存在するが、この段差部は、シリコン酸化膜34により形成されるダイヤフラム16の段差部側面の面外方向がダイヤフラム16の段差部位において生じる最大応力方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にある段差部に比べて、段差部側面の面積が小さくなる。段差部側面の面積が小さいということは、圧力印加時にダイヤフラム16上において生じる応力集中が減じられることを意味する。
従って、本実施形態の半導体圧力センサ10の構造によれば、ダイヤフラム16上におけるシリコン酸化膜34によるダイヤフラム16の段差部位への応力集中を低減することが可能となる。このため、本実施形態の半導体圧力センサ10によれば、ダイヤフラム16の耐圧性を向上させることができ、その結果として、半導体圧力センサ10の圧力使用範囲を拡大させて、半導体圧力センサ10の圧力使用範囲の限定を緩和させることができる。
実施形態2
図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体圧力センサ100の上面図を示す。また、図7は、半導体圧力センサ100の図6に示すA−A断面図を示す。図6及び図7において、上記図1及び図2に示す構成と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
本実施形態の半導体圧力センサ100は、上記した第1実施形態の半導体圧力センサ10と同様に、自動車のエンジン制御や排気浄化制御,気圧計などに用いられるセンサである。図7に示す如く、半導体圧力センサ100において、Si基板12には、主裏面に凹状に空いた開口部104が形成されている。
開口部104は、Si基板12を異方性エッチングすることにより形成される。開口部104は、4つの側壁104aにより囲まれる空間を構成している。開口部104をSi基板12表面に平行に切った際の断面形状(平面形状)は、2組の互いに向かい合う一対の辺により囲まれる平行四辺形(特に、各辺の長さが等しくなるひし形)である。4つの側壁104aはすべて、Si基板12の(110)面に対して垂直な面であり、法線が<111>方向に向く(111)面である。
開口部104の主表面側には、薄肉(薄板)のダイヤフラム106が形成されている。ダイヤフラム106は、表裏の圧力差に応じた量だけ撓むことが可能な部材である。ダイヤフラム106の平面形状は、2組の互いに平行に向かい合う一対の辺により囲まれる平行四辺形(特に、各辺の長さが等しくなるひし形)である。ダイヤフラム106は、Si基板12を異方性エッチングすることにより開口部104が形成されることに伴って形成される。
ダイヤフラム106上には、そのダイヤフラム106の撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージ110〜116が配置されている。歪ゲージ110〜116は、Si基板12の主表面に不純物のイオン注入や拡散を施すことにより形成される。各歪ゲージ110〜116はそれぞれ、ダイヤフラム106の配置部位における撓みに伴う基準からの抵抗値変化に応じた検出信号を出力するピエゾ抵抗である。
歪ゲージ110,112は、ダイヤフラム106の表面全体の部位の中で圧力印加時にダイヤフラム106が最も圧縮される部位である中心近傍に配置されるセンターゲージである。また、歪ゲージ114,116は、ダイヤフラム106の表面全体の部位の中で圧力印加時にダイヤフラム106が最も引っ張られる部位である開口部104の側壁104aに近い周辺部(特に、ダイヤフラム106を構成する辺の中点近傍)に配置されるサイドゲージである。以下、適宜、歪ゲージ110,112をセンターゲージ110,112と、歪ゲージ114,116をサイドゲージ114,116と、それぞれ称す。センターゲージ110,112とサイドゲージ114,116とは、応力に対する抵抗値の変化の方向が逆となるように設けられている。
歪ゲージ110〜116は、Si基板12の主表面に不純物のイオン注入や拡散により形成される拡散リード118を介して結線され、電気的に接続されている。歪ゲージ110〜116は、拡散リード118により互いに直列接続された閉回路であるホイートストンブリッジ回路を構成している。
拡散リード118は、Si基板12の全体の中で4分割された広範な領域を有している。各拡散リード118の領域は、ダイヤフラム106の表面全体の部位の中で四隅を含んでおり、絶縁層である後述のシリコン酸化膜を介して画成されている。歪ゲージ110〜116は、Si基板12の<111>方向に配向されており、Si基板12の<111>方向に電流が流れるようになっている。センターゲージ110,112は、互いにSi基板12の<111>方向において隣接しつつ、それぞれSi基板12の<111>方向に延びている。また、サイドゲージ114,116はそれぞれ、Si基板12の<111>方向に延びている。
Si基板12の主表面には、拡散リード118に接続されるコンタクトホール120及び電極122が形成されている。コンタクトホール120及び電極122は、ゲージ110〜116と外部の検出装置とを電気的に接続して、上記のブリッジ回路へ電圧を印加し或いはブリッジ回路からの検出信号を出力するために設けられている。コンタクトホール120及び電極122は、Si基板12の主表面上の層間絶縁膜であるシリコン酸化膜124上に、アルミニウムを用いた蒸着等により形成される。
このような半導体圧力センサ100の構造においては、Si基板12の主表面側に被検出対象の圧力が印加されると、その印加圧力に応じてダイヤフラム106の撓みが発生する。この際には、ダイヤフラム106の撓みにより各歪ゲージ110〜116の抵抗値が変化して、各歪ゲージ110〜116から印加圧力に応じた電圧検出信号が出力される。かかる電圧信号は、電極122から外部の検出装置へ送られて信号処理されて、その外部の検出装置での被検出対象の圧力検出に用いられる。
尚、本実施形態の半導体圧力センサ100を製造するための工程は、上記した第1実施形態の半導体圧力センサ10を製造するための工程と同じであるので、その説明を省略する。
一方、本実施形態の半導体圧力センサ100においては、Si基板12の主表面に被検出対象の圧力が印加されると、ダイヤフラム106が撓んで応力が発生する。この応力は、ダイヤフラム106上において歪ゲージ110〜116の配置位置近傍で最大であり、その最大応力の方向は、歪ゲージ110〜116が延びるSi基板12の<111>方向に略一致している。すなわち、歪ゲージ110〜116は、ダイヤフラム106において最大応力が発生する位置近傍に配置されている。
また、半導体圧力センサ100の製造においては、プロセスの簡素化・廉価化を図るため、前工程において拡散マスクとして形成したシリコン酸化膜124の除去を省略することがある。この場合には、ダイヤフラム106上においてシリコン酸化膜124による段差部が生ずる。ここで、歪ゲージ110〜116はそれぞれ、上記の如く、Si基板12の<111>方向に延びており、Si基板12の<111>方向に電流が流れる構造に形成されている。
本実施形態においては、圧力印加時にダイヤフラム106に最大応力が生じる最大応力点付近に歪ゲージ110〜116が形成される。シリコン酸化膜124により形成されるダイヤフラム106の段差部が、その段差部側面の面外方向がダイヤフラム106の段差部位において生じる最大応力との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される。
このような半導体圧力センサ100の構造においては、ダイヤフラム106上の段差部が、シリコン酸化膜124により形成される段差部側面の面外方向がそのダイヤフラム106の段差部位において生じる最大応力方向との間で平行関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される従来の構成に比べて、ダイヤフラム106への圧力印加時に発生する応力集中がダイヤフラム106の段差部位及びその段差部位の周辺で生じ難くなる。
尚、本実施形態の半導体圧力センサ100の構造においては、シリコン酸化膜124により形成されるダイヤフラム106の段差部側面の面外方向がダイヤフラム106の段差部位において生じる最大応力方向との間で平行関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成される段差部が一部存在するが、この段差部は、シリコン酸化膜124により形成されるダイヤフラム106の段差部側面の面外方向がダイヤフラム16の段差部位において生じる最大応力方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にある段差部に比べて、段差部側面の面積が小さくなる。段差部側面の面積が小さいということは、圧力印加時にダイヤフラム106上において生じる応力集中が減じられることを意味する。
従って、本実施形態の半導体圧力センサ100の構造によれば、ダイヤフラム106上におけるシリコン酸化膜124によるダイヤフラム106の段差部位への応力集中を低減することが可能となる。このため、本実施形態の半導体圧力センサ100によれば、ダイヤフラム106の耐圧性を向上させることができ、その結果として、半導体圧力センサ100の圧力使用範囲を拡大させて、半導体圧力センサ100の圧力使用範囲の限定を緩和させることができる。
10,100 半導体圧力センサ
12 Si基板
14,104 開口部
16,106 ダイヤフラム
20〜26,110〜116 ゲージ
28,118 拡散リード
30,120 コンタクトホール
32,122 電極
34,124 シリコン酸化膜
36 保護膜

Claims (7)

  1. 半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサであって、
    前記ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部は、該段差部側面の面外方向が、該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成されていることを特徴とする半導体圧力センサ。
  2. 前記ダイヤフラム上に形成される拡散リードを備え、
    前記半導体基板の表面が(110)面であることを特徴とする請求項1に記載された半導体圧力センサ。
  3. 前記ダイヤフラム上における前記歪ゲージの配向が<110>方向又は<111>方向であることを特徴とする請求項2に記載された半導体圧力センサ。
  4. 前記ダイヤフラム上における前記歪ゲージの配向が<110>方向であり、
    前記ダイヤフラムの平面形状は、垂線が<110>方向に向く互いに平行に向かい合う二辺と垂線が<100>方向に向く互いに平行に向かい合う二辺とに囲まれる略矩形形状であることを特徴とする請求項3に記載された半導体圧力センサ。
  5. 前記ダイヤフラム上における前記歪ゲージの配向が<111>方向であり、
    前記ダイヤフラムの平面形状は、各辺の垂線が<111>方向に向く平行四辺形であることを特徴とする請求項3に記載された半導体圧力センサ。
  6. 半導体基板の開口部に形成されるダイヤフラムと、前記ダイヤフラム上に配置され、該ダイヤフラムの撓みに応じた検出信号を出力する歪ゲージと、を備える半導体圧力センサの製造方法であって、
    前記ダイヤフラム上におけるシリコン酸化膜による段差部が、該段差部側面の面外方向が該ダイヤフラムの段差部位において生じる最大応力の方向との間で垂直関係にありかつダイヤフラム面との間で平行関係にあるように形成されるように、拡散マスクを形成する拡散マスク工程を備えることを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
  7. 前記拡散マスク工程における拡散マスクの形成後、不純物導入により拡散リードを形成する拡散工程を備えることを特徴とする請求項6記載の半導体圧力センサの製造方法。
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