JP2012017407A - フッ素樹脂系粘着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性に優れたフッ素樹脂系粘着フィルムを提供する。
【解決手段】フッ素樹脂フィルムからなる基材と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層を有する粘着フィルムであって、前記粘着層がトリアジン系紫外線吸収剤を含有することを特徴とするフッ素樹脂系粘着フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂フィルム基材と粘着層を有するフッ素樹脂系粘着フィルムに関する。
フッ素樹脂系粘着フィルムは、フッ素樹脂フィルムからなる基材が透明性および耐候性に優れることから、例えば、各種印刷物や表示物の表面に積層される保護フィルムとして用いられる。
フッ素樹脂系粘着フィルムは、基材に紫外線吸収機能を付与しているものと、粘着層に紫外線吸収機能を付与しているものと、基材および粘着層の両方に紫外線吸収機能を付与しているものがある。
特許文献1には、特定のビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物を、添加型の紫外線吸収剤として用いることが記載されている。
特許文献2には、4フッ化エチレン共重合樹脂フィルムと塩化ビニル系樹脂フィルムとが、少なくとも紫外線吸収型アクリル系樹脂層を介して積層された建材用基材が記載されている。紫外線吸収型アクリル系樹脂として、紫外線吸収能を有する反応性ベンゾフェノン系化合物または反応性ベンゾトリアゾール系化合物と、重合性不飽和基を有するアクリル系モノマーとの共重合体が用いられている。
特許文献3には、エチレン−4フッ化エチレン共重合体を主成分とするフィルム上に、前記紫外線吸収型アクリル系樹脂と熱接着性樹脂を主成分とする被覆層を設けた表面保護フィルムが記載されている。
特許文献4では、再帰反射性シート上に、アクリル系樹脂からなる感圧性接着剤層を介してフッ素系樹脂フィルムが積層されたシートが提案されている。接着剤層にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を含有させることが記載されている。
特許文献5には、粘着性樹脂と、特定のビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物を含有する粘着剤組成物をフッ素樹脂フィルム上に積層した粘着性シートが記載されている。
特許文献6には、特定のポリシロキサンとビニル系重合体とが結合している複合体と、紫外線吸収剤とを含有する硬化性組成物が記載されている。該紫外線吸収剤としてトリアゾール系化合物およびトリアジン化合物又はこれらの混合物が記載されている。
特開平9−316060号公報 特開平10−205056号公報 特許第3718901号公報 特許第3310330号公報 特許第3046007号公報 特開2007−231059号公報
保護フィルムにあっては、長期間に亘って安定した粘着状態を維持できるとともに、紫外線吸収機能が持続されることが重要である。
しかしながら、従来のフッ素樹脂系粘着フィルムは、基材であるフッ素樹脂フィルム自体が卓越した耐候性を有しており、例えば10年の屋外暴露においても透明性や機械強度を良好に保持できるのに、これに見合う程度の耐候性を有する紫外線吸収剤入りの粘着剤の開発はできていなかった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、フッ素樹脂フィルムからなる基材と、紫外線吸収剤を含有する粘着層を有する粘着フィルムであって、耐候性に優れたフッ素樹脂系粘着フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[10]の発明である。
[1]フッ素樹脂フィルムからなる基材と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層を有する粘着フィルムであって、前記粘着層がトリアジン系紫外線吸収剤を含有することを特徴とするフッ素樹脂系粘着フィルム。
[2]前記トリアジン系紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を含む、[1]のフッ素樹脂系粘着フィルム。
[3]前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジンを含む、[2]のフッ素樹脂系粘着フィルム。
[4]前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを含む、[2]のフッ素樹脂系粘着フィルム。
[5]前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、チバ・ジャパン社製のTINUBIN(登録商標)477(商品名)を含む、[2]のフッ素樹脂系粘着フィルム。
[6]前記粘着層が、ヒンダードアミン系光安定剤を含有する、[1]〜[5]のいずれかのフッ素樹脂系粘着フィルム。
[7]前記粘着剤層が、ヒンダードフェノール系光安定剤を含有する、[1]〜[6]のいずれかのフッ素樹脂系粘着フィルム。
[8]前記アクリル系粘着剤が、数平均分子量80万以上のアクリル樹脂を含む、[1]〜[7]のいずれかのフッ素樹脂系粘着フィルム。
本発明によれば、フッ素樹脂フィルムからなる基材と、紫外線吸収剤を含有する粘着層を有し、耐候性に優れたフッ素樹脂系粘着フィルムが得られる。
<基材>
本発明における基材はフッ素樹脂フィルムからなる。該フッ素樹脂フィルムを構成するフッ素樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、ETFEという。)、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、FEPという。)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン系共重合体(以下、PFAという。)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン系共重合体(以下、THVという。)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリフッ化ビニル等が挙げられる。
好ましくはETFE、FEP、PFA及びTHVからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはETFEである。
フッ素樹脂フィルムは、本発明の効果を妨げない範囲で、公知の添加剤等を適宜含んでもよい。
フッ素樹脂フィルムの厚さは、用途に応じて適宜設定することができる。取り扱い性の点では10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。上限値は1mm程度であることが好ましい。本発明のフッ素樹脂系粘着フィルムを保護フィルムとして用いる場合、基材であるフッ素樹脂フィルムの厚さは、25μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。
フッ素樹脂フィルムの、粘着層が積層される面には予め表面処理を施して、後述する測定方法で得られる表面濡れ指数を35mN/m以上、好ましくは40mN/m以上とすることが好ましい。表面処理方法としては、コロナ放電処理(空気中、窒素中、炭酸ガス中等)や、プラズマ処理(高圧、低圧)、アルカリ金属溶液処理、高周波スパッタエッチング処理等が挙げられる。
<粘着層>
本発明における粘着層は、アクリル系粘着剤とトリアジン系紫外線吸収剤を含有する。さらに光安定剤を含有することが好ましい。
粘着層は、アクリル系粘着剤とトリアジン系紫外線吸収剤、さらに好ましくは光安定剤に応じて添加される成分を含有する粘着剤組成物を、塗布して硬化させることによって形成できる。
粘着剤組成物は、粘度調整のため少量の溶剤を加えてもよい。溶剤としては、通常使用される溶剤の中から適宜選択することができる。例えば、酢酸エチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。
<アクリル系粘着剤>
アクリル系粘着剤は、硬化成分としてアクリル樹脂を含有する組成物である。アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体から選ばれる1種以上のモノマーの重合体である。アクリル樹脂としては、粘着剤または感圧性接着剤において公知のものを使用できる。
アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が−100℃〜+50℃の範囲内にあるものが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が−100℃未満であると、−10℃〜50℃の常用範囲、特に30℃を超える高温において、ポリマーとしての凝集力が弱いため、この温度域での粘着力が低く、高温で剥がれてしまう場合が見られる。
Tgが50℃を超えると、逆に−10℃〜50℃の常用範囲、特に0℃以下においては、ポリマーが硬く、脆性破壊を起こすことがあり、この温度での粘着力に欠ける。あるいは、基材の熱収縮などの寸法変化に追いつけず剥がれが生ずる。
アクリル系粘着剤に含まれるアクリル樹脂の少なくとも1種は、数平均分子量が80万以上であることが好ましい。数平均分子量が80万以上のアクリル樹脂を含有すると、良好な粘着性が得られやすい。
アクリル系粘着剤は、アクリル樹脂のほかにアクリル系モノマーを含有してもよい。
また、架橋点となり得る官能基を有するアクリル樹脂を含む主剤と、前記架橋点と反応する架橋剤とからなる2液型のアクリル系粘着剤であってもよい。
[主剤]
架橋点を有するアクリル樹脂としては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート等の、アクリル酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数は2〜12)の少なくとも1種からなるモノマーAと、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の官能基含有アクリル系モノマーの少なくとも1種からなるモノマーBとを、Tgが前記の範囲内に入るような割合で共重合して得られる共重合体が好ましい。上記モノマーAとモノマーBの共重合割合は、モノマーA/モノマーBの質量比で99.5/0.5〜70/30が好ましく、99/1〜75/25の範囲内がより好ましい。
上記モノマーAとモノマーBの共重合体からなるアクリル樹脂の、特に好ましい例としては、ブチルアクリレート(BA)とアクリル酸(AA)とを、BA/AAの質量比が99.1/0.9〜70/30、特に99.5/0.5〜80/20の範囲内で共重合させた共重合体が挙げられる。
かかる共重合体を含む主剤は市販品から入手可能である。例えば下記のSK−2094、SK−1310、SK−1386(いずれも綜件化学社製)が挙げられる。
SK−2094(固形分25質量%)は、アクリル酸エステル共重合物(前記BA/AA=96/4)とメタクリル酸エステル共重合物との混合物である。その混合物の数平均分子量は80万、Tg:−30〜−25℃である。この混合物を合計で20〜30質量%、酢酸エチルを60〜70質量%、トルエンを1〜10質量%、メチルエチルケトンを1〜10質量%、アクリル酸ブチルを1〜10質量%、アクリル酸メチルを1%未満含むことが知られている。
SK−1310(固形分33質量%)は、アクリル酸エステル共重合物(前記BA/AA=90/10、数平均分子量:50万、Tg:−50〜−45℃)を30〜40質量%、酢酸エチルを40〜50質量%、トルエンを20〜30質量%含むことが知られている。
SK−1386(固形分35質量%)は、アクリル酸エステル共重合物(前記BA/AA=92/8、数平均分子量:50万、Tg:−50〜−45℃)を30〜40質量%、酢酸エチルを30〜40質量%、トルエンを20〜30質量%含むことが知られている。
[架橋剤]
架橋剤の例としては、エポキシ樹脂などの、エポキシ基を2個以上有するエポキシ系架橋剤(例えば、綜件化学社製、商品名:E−AX);アルミニウムキレート剤などの、金属キレート系架橋剤(例えば、綜件化学社製、商品名:M−5A);イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート系架橋剤(例えば、綜件化学社製、商品名:L−45)などが挙げられる。架橋剤は、架橋点となりうる官能基の種類に応じて適宜選択される。
これらの中で、エポキシ系架橋剤および金属キレート系架橋剤は、ポットライフが長く、貼り合わせの後の粘着力の上昇が遅いため、フッ素樹脂系粘着フィルムの貼り直しなどの作業において、剥がし易い点で好ましい。また耐候性試験において変色しにくい点でも好ましい。
<トリアジン系紫外線吸収剤>
本発明における粘着層はトリアジン系紫外線吸収剤を含有する。本発明の効果を妨げない範囲で、他の紫外線吸収剤を含有させてもよいが、粘着層中の紫外線吸収剤がトリアジン系紫外線吸収剤のみであることがより好ましい。2種以上のトリアジン系紫外線吸収剤を併用してもよい。
トリアジン系紫外線吸収剤は、紫外線吸収剤として公知のトリアジン誘導体を用いることができ、市販品から入手可能である。
好ましいトリアジン系紫外線吸収剤として、以下のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
・2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(市販品では、チバ・ジャパン社(2010年3月1日よりBASFジャパン社、以下同様。)製の商品名:TINUVIN 479)。
・2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(下記化学式(1)。市販品では、チバ・ジャパン社製の商品名:TINUVIN 460)。
・2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(下記化学式(2)。市販品では、チバ・ジャパン社製の商品名:TINUVIN 405)。
・チバ・ジャパン社製の商品名:TINUBIN 477。この製品は、チバ・ジャパン社の「塗料用添加剤カタログ」(Pub.No.CJ−005、2008年3月発行)の第10頁に記載されているもので、構造非公開のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤の約80%と、構造非公開の1−メチキシ−2プロピルアセテートの約20%との混合物であることが知られている。
・チバ・ジャパン社製の商品名:TINUVIN 400。この製品は、前記「塗料用添加剤カタログ」の第7頁に記載されているもので、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルと、[(C10〜C16、主としてC12〜C13のアルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(下記化学式(3))であることが知られている。
Figure 2012017407
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また、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤以外の、好ましいトリアジン系紫外線吸収剤として、以下の化合物が挙げられる。
・2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール(市販品では、サンケミカル社製の商品名:CYASORB UV−1164)。
・2−[2,6−ジ(2,4−キシリル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−オフチルオキシフェノール(市販品では、ケミプロ化成社製の商品名:KEMISORB 102)。
粘着層におけるトリアジン系紫外線吸収剤の含有量は、少なすぎるとフッ素樹脂系粘着フィルムの耐候性を充分に向上させることができず、多すぎると粘着力に悪影響を与えるおそれがあるため、これらの不都合が生じない範囲で設定することが好ましい。
粘着層の厚みによっても異なるが、例えばアクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、トリアジン系紫外線吸収剤の添加量が3〜10質量部が好ましい。
<光安定剤>
粘着層に、さらに光安定剤を1種以上含有させることが好ましい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤、またはヒンダードフェノール系光安定剤が好ましく、これらを併用してもよい。これらは公知のものを使用でき、市販品から入手可能である。
ヒンダードアミン光安定剤の例としては、以下のものが挙げられる。
・ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート(下記化学式(4)。市販品では、チバ・ジャパン社製の商品名:TINUVIN 144)。
・チバ・ジャパン社製の商品名:TINUVIN 123。この製品は、前記「塗料用添加剤カタログ」の第16頁に記載されているもので、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル(1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド)と、オクタンとの反応生成物(下記化学式(5))であることが知られている。
Figure 2012017407
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ヒンダードフェノール系光安定剤の例としては、ペンタエリスリトール−テトラキス−[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](下記化学式(6)。市販品では、チバ・ジャパン社製の商品名:IRGANOX 1010)が挙げられる。
粘着層に光安定剤を含有させる場合、その含有量は、少なすぎると添加効果が充分に得られない、多すぎると光安定剤自身が黄変や硬化を阻害するため、これらの不都合が生じない範囲で設定することが好ましい。例えばアクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、0.1〜4.0質量部であることが好ましく、0.5〜2.0質量部であることがより好ましい。
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<フッ素樹脂系粘着フィルム>
本発明のフッ素樹脂系粘着フィルムは、フッ素樹脂フィルムからなる基材と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層を有する。本発明の効果を妨げない範囲で、基材と粘着層との間に他の層が介在していてもよい。
粘着層の厚みは10〜50μmであることが好ましく、25〜40μmがより好ましく、8〜30μmがさらに好ましい。粘着層の厚みが厚すぎても、薄すぎても充分な粘着力が得られないおそれがある。
本発明のフッ素樹脂系粘着フィルムは、後述の実施例に示されるように、耐候性に優れ、良好な紫外線吸収機能が長期間保持されるとともに、粘着力の低下が生じにくい。
したがって、被着体の紫外線による劣化を防ぐ用途に好適であり、特に屋外で用いられる用途に好適である。
具体例としては、各種印刷物や表示物の保護フィルム、太陽電池モジュールの表面保護フィルム及びバックシート、窓ガラスに貼り付けるウィンドフィルム等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[例1〜14]
表1に示す配合で、アクリル系粘着剤(主剤および架橋剤)、紫外線吸収剤、および光安定剤を混合して粘着剤組成物を調製した。例1、2、5〜9および14は実施例、例3、4、10〜13は比較例である。
表1に示す配合量は固形分の質量(単位:質量部)である。表1に示す各成分は以下の通りである。
(アクリル系粘着剤)
・主剤(A1):綜件化学社製、商品名:SK−2094、固形分:25質量%。
・主剤(A2):綜件化学社製、商品名:SK−1310、固形分:33質量%。
・主剤(A3):綜件化学社製、商品名:SK−1386、固形分:35質量%。
・金属キレート系架橋剤(B1):綜件化学社製、商品名:M−5A。
・エポキシ系架橋剤(B2):綜件化学社製、商品名:E−AX。
(紫外線吸収剤)
・ヒドロキシフェニルトリアジン系(C1):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 479。
・ヒドロキシフェニルトリアジン系(C2):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 460。
・ヒドロキシフェニルトリアジン系(C3):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 477。
・ベンゾトリアゾール系(E1):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 384−2。
・ベンゾトリアゾール系(E2):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN PS。
・ベンゾトリアゾール系(E3):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 328。
・ベンゾトリアゾール系(E4):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 928。
(光安定剤)
・ヒンダードアミン系光安定剤(D1):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 123。
・ヒンダードアミン系光安定剤(D2):チバ・ジャパン社製、商品名:TINUVIN 144。
・ヒンダードフェノール系光安定剤(D3):チバ・ジャパン社製、商品名:IRGANOX 1010。
Figure 2012017407
<評価方法>
例1〜14で得られた粘着剤組成物を用いて、ETFEフィルム基材上に粘着層が形成されたフッ素樹脂系粘着フィルム(以下、単に「粘着フィルム」ということもある。)を作成し、耐候試験の前後における紫外線透過率、色差(イエローインデックス)、および粘着力を下記の方法で測定した。また、粘着層の初期粘着力を測定した。結果を表2に示す。
[紫外線透過率]
厚さ12μmと厚さ50μmのETFEフィルム基材(いずれも旭硝子社製、商品名:アフレックス)の間に、評価対象の粘着層が挟持された積層物を試験体とした。
ETFEフィルム基材の、粘着層と接する面には、予めコロナ放電による表面処理を施して表面濡れ指数を40mN/mとした。本明細書における表面濡れ指数は、和光純薬社製の濡れ指数試薬を用い、JIS K6768に準拠して測定した値である。
すなわち、厚さ50μmのETFEフィルム基材のコロナ放電処理を施した面に、粘着剤組成物を、乾燥後の塗布厚みが25μmとなるようにアプリケータを用いて塗布した。次いで90℃で2分間乾燥させて粘着層に剥離基材を貼り付け、23℃で7日間で熟成し(加温して短縮しても良い)、50μmETFE/粘着剤層/剥離基材の構成の粘着フィルムを作成した。この粘着フィルムの剥離基材を剥がし、該粘着層に、12μmのETFEフィルム基材のコロナ放電処理を施した面を重ねて貼り付けることにより、50μmETFE/粘着層/12μmETFEの構成の試験体を作成した。
試験体について、島津製作所社製のUV−3600測定器を用い、波長360nmの紫外線透過率(単位:%)を測定した。該紫外線透過率が低いほど、紫外線吸収性能が高いことを示す。
(耐候試験)
試験体に対して、超促進耐候性試験機(岩崎電気社製、商品名:アイスーパーUVテスター SUV−W231を用い、波長300〜450nm、強度100mW/cmの紫外線を照射しながら、(i)温度63℃、相対湿度50%RHの条件下で紫外線を10時間照射、(ii)シャワー10秒間、(iii)BP温度30℃、相対湿度100%RHの条件下で暗黒結露2時間、(iv)シャワー10秒間からなるサイクル(1サイクルは12時間20秒)を300時間繰り返し行う方法で耐候試験を行った。この条件は、ほぼ10年の屋外暴露に相当すると考えられる。
この耐候試験の前後において、それぞれ上記の方法で紫外線透過率を測定した。
[色差:イエローインデックス(△Y・I)]
前記紫外線透過率の測定方法と同様の、厚さ50μmのETFEフィルム基材のコロナ放電処理を施した面に、粘着剤組成物を、乾燥後の塗布厚みが25μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、90℃で2分間乾燥させて粘着層に剥離基材を貼り付け、23℃で7日間で熟成し(加温して短縮しても良い)、50μmETFE/粘着剤層/剥離基材の粘着フィルムを作成した。
ステンレス板SUS304 2B上に、白色の塩化ビニル製のマーキングフィルム(東洋インキ社製、商品名:DC1001M)を貼ったものを被着体として用い、該マーキングフィルム上に上記で作成した粘着フィルムを貼ったものを試験体とした。
試験体について、スガ試験機社製のSM−Tカラーメーターを用い、JIS Z 8722に準処する反射測定方法で、イエローインデックス(△Y・I)を測定した。この値が小さいほど着色(黄変)が少ないことを示す。
(耐候試験)
被着体に粘着フィルムを貼った直後のイエローインデックス(△Y・I)を上記の方法で測定し、これを試験前の値とした。
試験体に対して前記紫外線透過率の測定方法と同様の耐候試験を行った後に、上記の方法でイエローインデックス(△Y・I)を測定し、これを試験後の値とした。
[粘着力]
前記イエローインデックスの測定方法と同様の、被着体に粘着フィルムを貼った試験体について、JIS B 7721に規定する引張り試験機(オリエンテック社製、RTC−1210A)を用いて剥離強度(180度ピール、剥離速度0.3m/分)を測定した(単位:N/25mm)。
(再剥離性)
被着体に粘着フィルムを貼ってから5分後の剥離強度の値を、初期粘着力の値とした。この値が小さいほど微粘着で剥がし易く、再剥離性に優れ、貼り直し易い。
(耐候試験)
被着体に粘着フィルムを貼ってから12時間後の剥離強度を上記の方法で測定し、これを試験前の値とした。この後、該試験体に対して前記紫外線透過率の測定方法と同様の耐候試験を行った後に、上記の方法で剥離強度を測定し、これを試験後の値とした。
Figure 2012017407
[参考例1]
前記イエローインデックスの測定方法に用いた、白色の塩化ビニル製のマーキングフィルムの単体に対して、上記と同様の300時間の耐候試験を行ったところ、チョーキングは生じるものの、試験後の△Y・Iの値は0.1であり白色を維持していた。
このことから、各例における耐候性試験前後での△Y・Iの値の変化は、粘着層自体の色の変化を表わしていることがわかる。その原因は主剤中のアクリル樹脂の黄変と考えられる。
なお、白色の塩化ビニル製のマーキングフィルムは、耐候試験で照射される光のうち波長400〜450nmの光を70%程度反射するため、紫外線透過率の測定で用いられる試験体よりも、イエローインデックスの測定および粘着力の測定に用いられる試験体の方が光劣化は加速される。
表2の結果より、本発明にかかる例1、2、5〜9および14は、いずれも耐候性試験前後における紫外線透過率が1.0%以下であり、紫外線吸収性能に優れており、かつ耐候性にも優れている。
これらの中でも、紫外線吸収剤としてヒドロキシフェニルトリアジン系(C1)を用い、かつ光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤(D1)または(D2)を用いた例1、5〜8は、耐候性試験前後におけるイエローインデックス(△Y・I)が3.0以下であり、紫外線曝露による変色が良好に抑えられている。
粘着層の剥離強度(粘着力)については、本発明にかかる例1、2、5〜9および14のいずれも、合格基準である、初期の粘着力が10N/25mm以下、耐候試験前の粘着力が10N/25mm以上、かつ耐候試験後の粘着力が5N/25mm以上を満たしており、良好であることが確認された。
特に、例1、6、7を比べると、主剤としてのアクリル系樹脂の数平均分子量が80万以上である例1は、該数平均分子量が50万である例6、7よりも粘着力が高い。
一方、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いた例3、4、10、11では、耐候性試験後の紫外線透過率が高く、耐候性に劣ることがわかる。
また粘着層に紫外線吸収剤を含有させなかった例12、13は、耐候性試験前の紫外線透過率が非常に高いため、耐候性試験前の紫外線透過率の測定は行わなかった。

Claims (8)

  1. フッ素樹脂フィルムからなる基材と、アクリル系粘着剤を含有する粘着層を有する粘着フィルムであって、前記粘着層がトリアジン系紫外線吸収剤を含有することを特徴とするフッ素樹脂系粘着フィルム。
  2. 前記トリアジン系紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤を含む、請求項1に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
  3. 前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジンを含む、請求項2に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
  4. 前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを含む、請求項2に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
  5. 前記ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が、チバ・ジャパン社製のTINUBIN(登録商標)477(商品名)を含む、請求項2に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
  6. 前記粘着層が、ヒンダードアミン系光安定剤を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
  7. 前記粘着剤層が、ヒンダードフェノール系光安定剤を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
  8. 前記アクリル系粘着剤が、数平均分子量80万以上のアクリル樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフッ素樹脂系粘着フィルム。
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