JP2012008663A - 思考の過程で対話により知識の構造化、ビジュアル化を支援し、構造化した知識を共有化できる対話型知識データベースシステム12 - Google Patents

思考の過程で対話により知識の構造化、ビジュアル化を支援し、構造化した知識を共有化できる対話型知識データベースシステム12 Download PDF

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Abstract

【課題】対話型知識データベースシステムで対話により知識の構造化、ビジュアル化を支援し、生成される知識の論理品質や理解のし易さを高めるための仕組みを考案。
1.知識の目的とその実現シナリオを構造化して表現する知識のデータ構造を考案
2.構造化した知識をコンピュータで分かり易くビジュアルに表現する仕組みの考案
3.繋がりあった知識の全体を参照・編集できる対話の仕組の考案
【解決手段】
1.知識を数種類の知識要素とその構成単位に分割し外部、内部構造化情報で階層表現
2.そのうち知識内容は数種類のビジュアルな形式で表現できるようにした
3.共通最小構成単位を組み合わせた雛形から知識要素をコピー生成し、構造化情報と知識内容は別々の画面から交互に編集しながら望ましい形に近づける構成にした
【選択図】図10

Description

思考の過程で対話により知識の構造化、ビジュアル化を支援し、生成される知識の論理的な品質や知識の理解のし易さを高め、また生成した知識を共有できる対話型知識データベースシステム12の構造に関する。
従来技術とその問題点
1)知識を扱う代表技術の一つにエキスパートシステムがある。これは簡単にいえば専門家の知識のうち、コンピュータの処理ルールで置き換えられる部分を取り込むことをめざし、知識を静的な概念知識とそれに関連する処理ルールに分けて捉える。処理ルールは定型的に置き換えられる思考部分だけを扱うので基本的には従来のデータ処理とあまり変わらない。
コンピュータに本当に創造的に思考させるには、人間の高い思考能力が不可欠になるが、現在のIT技術では未だそのハードルを越えられない。そこで創造性を扱うような部分はあくまで人が担うこととし、人の思考の弱点と考えられる論理構成のあいまいさなどについてコンピュータを補助的に利用し、その思考の質や生産性をあげる方向が考えられる。
2)特許文献1は知識の構造化による意味処理、つまりエキスパートシステムとは違った方法で思考のコンピュータ化を扱っている。しかしこれを一般的思考に敷衍しようとした場合の問題のひとつは、言葉の関係で閉じているために、人の創造的な思考の可能性が制約を受けざるをえないことである。人は知覚で外界と繋がり、知覚で獲得する現象と仮説を比較して懐疑し、新しい創造を起こす。それが言葉で閉じた場合は、言葉の内部だけで自己矛盾を起こすしかなく、加えて何が正しいかの判断の論拠は全て言葉の中に求めるしかない。
本発明で必要なのは、コンピュータの記号処理に便利な言葉による構造化ではなく、人が「思考する」ときに都合の良い情報の構造化を図る。
3)オブジェクト指向技術は、基本的にはデータ処理システムの構築を目指す分析、設計、開発技術である。プログラムやデータの構成方法が処理中心、データ中心の開発技術とは違っているが、人の非定型的な思考を扱うためのものではない。オブジェクト指向の開発段階で抽出する静的で定型的なオブジェクトや関係性よりも、人の思考は目的を持ちそれを実現するための動的な仮説シナリオを主たる関心事とする。
4)作画機能や表計算機能、文書作成機能等を持つOAツール類がある。プレゼンテーション用にドキュメントを作成するためのツールや知識の階層をツリー構造に書き出して後でプレゼンテーション資料に自動変換するツールなどがある。これらは非常に便利な実務に役立つツール群であるが、論理表現を解り易く見せるには機能不足で思考支援とは言い難い。しかしながらこのビジュアルで使い勝手に優れた表現力を生かして、これに加えて知識を構造的に扱う方法があれば、対話型に思考を支援できる強力なツールとして使える。本発明はそちらを目指している。
5)文書管理システムのように、文書が要約部、目的部、本文などで構造化され、文書のキーワード検索や全文検索ができるものがある。文書管理システムの中でも特許申請書の形式はよく考えられた知識の構造化の例であろう。発明が解決しようとする課題があり、課題を解決するための手段があり、解説図が文書の本文とは別にあり、言葉の定義が本文の符号と解説図で示されている。
しかしこれも思考を支援するためというよりは、思考の結果・成果を一定の形式で纏めるものである。思考そのものを思考の対象にしていないし、より積極的に知識の品質や知識理解のし易さを高めるために知識の内部構造化を考慮していないし、ビジュアル化することは意識されていない。
本発明では文書管理のような機能パートで分割する内部構造化だけではなく、完結した知識要素1同士を階層的に繋いで全体知識を表現する方法で知識を理解し易くし且つ個々の知識要素1の再利用性を高めようとしている。範囲が広い戦略や社会問題等も思考の対象として取り扱うにはその方が便利であると思われる。
6)上記の4つとは異質な、思考方法そのものを扱うTRIZ理論に基づく発明支援のためのツール群がある。TRIZ理論は科学分野で発明をする際に過去の発明知識を再利用する方法であり、その知識のエッセンスを抽象的にモデル化して再利用する考え方は「思考する」ことに近い。ただそれは発明することに狙いを置き、一般的に「思考する」ことの質や生産性を高める方向とは違っている。またTRIZ理論は基本的には知識の中味が主たる関心事であり、当然ながらクリテカルな解決ポイントに直接焦点を当てる。それを使えるのは通常当該分野の専門家である。
本発明では、思考される中味よりも知識の形式的な構造化に関心を向ける。つまり思考の過程で出てくる思考の生成物を論理的に明瞭な知識構造へと導くことを狙っている。
7)単に特定の知識の構造化だけで見るならば既に多くの論文もあり、中にはソフトウエアとして製品化されているシステムもある。例えば非特許文献2、3はソフトとして製品化されている。しかしそれらは一般的に「思考する」ことを支援するというよりは、特定の目的に限定し、それ以外の使い方が困難な定型化された知識の構造化をしており目的は別にある。つまりここでも自由な不定形な知識を扱うこと、すなわち一般的に「思考する」ことを狙いとしてはいない。
「構造化知識に基づく学習・思考機械及び学習・思考方法並びにコンピュー タシステム及び情報生成方法」、出願番号2004−544986 出願人 独立行政法人科学技術振興機構、発明者 藤原譲
「情報学基礎論の現状と展望」、藤原譲、情報知識学会誌、総説Vol9、No1、13-22、1999 「不具合に関する設計知識の運用に関する研究 〜ストレス-ストレングスモデルによる知識獲得〜」、田村泰彦、「品質」、31、[1]、168-180、2001 「不具合に関する設計知識の運用に関する研究 〜不具合に至る因果連鎖の知識構造の構築〜」、田村泰彦、「品質」、32、[1]、122-135、2002
思考そのものは専ら人に負うものの思考の過程を対話型で支援し、知識を知識要素1やその構成単位2に分解し、知識の階層的な構成や論理的構成を分かり易くしながら論理性チェックを働き易くし、望ましいと考える構造化知識へと誘導でき、且つそれを保存し共有できる知識データベースシステム12を考案する。
狙いとする知識データベースシステム12をイメージし易くするために、先ず明細書の添付図を用いて全体像を具体的に説明する。
知識は知識要素1に細分されて関係性テーブル情報25で相互に繋がれ図1左図に示すように知識データベース12上にネットワーク状に存在する。これを特定の関係性種別33を持つ関係性情報だけで抽出すると図1右図のように階層構造として取り出すことができる。階層構造として取り出した一塊の知識要素1群について図26では知識要素1間の階層構造(外部の構造化情報)を表示編集し、図27では知識要素1の内部の構造化情報を表示編集し、図29では最小構成単位2の知識内容を表示編集することで、まとめて取り扱うことができる。つまり大きな知識の構成の全体構造と部分構造を交互に参照しながら対話を進めることができる。異なった種類の知識要素1を同一の対話システムでこのように単純に扱うために、知識要素1の内部構造は図5に示すように内部構造化し、全ての知識要素1で共通の最小の構成単位2を組み合わせるだけで構成する。ユーザはこの最小の構成単位2を組み合わせて自由に知識要素1の種類ごとに雛形をつくり、その雛形をコピーして各知識要素1の対話の下地となる知識要素1を生成する。知識データベース12上のひとまとまりの知識は随時図38、図39、図40のように全体構造を帳票に出力し確認できる。
構造化される知識には次の3つの条件が具わっていなければならない。
A.知識全体が全体から部分へと目的や機能が階層化され、第三者にも理解が容易(目的展開の階層的な構造化)
B.論理性が明確である(シナリオ手段の論理的な構造化)
C.知識が言葉中心でなくビジュアルで分かり易い表現である
これらを知識データベースシステム12で実現するために次の6つの課題を解決する。通常ならば請求項に対して直接対応する課題を立てられるが、この場合は知識単位の切り出し方も従来のやり方とは違うのでそこから説明しなければ、コンピュータ処理の意味を理解することができない。請求項との対応は、この6つの課題から繋げてゆく。
ここで課題1,2はA、Bを満足する知識の階層構造と内部構造の雛形知識13Aを考案する課題であり、課題3はCの知識表現のビジュアル化を解決する課題であり、課題4、5、6はそれを対話型知識データベースシステム12として実現するための機能と構造を考案する課題である。
課題1 知識をOA資料のように不定形なものとせず、知識を「目的を持ちそれを実現するための仮説シナリオ」と考え構造的に組み立てうるものとし、決まった役割を持つ完結した幾つかの知識要素1に分割しそれらを関係づけして階層的に再構成する知識構造を考案する。
課題2 知識を全体目的から部分目的へ、目的から手段へ階層的に表現するための知識要素1の目的展開部4の内部構造と、知識の仮説シナリオの論理的な構成を明確にするための知識要素1の手段展開部5の内部構造を考案する。
課題3 知識要素1の構成単位は内容が直感的に分かる簡潔でビジュアルな表現ができるようにする。またそれをコンピュータシステムで可能にする仕組みを考案する。これは請求項3に関する課題である。
課題4 対話型で思考の過程を支援しその生成物である知識要素1が目的から実現手段まで階層構造で表現され、かつ各知識要素1が望ましいと考える雛形知識13Aの形へと導かれながら人による知識の品質チェックが働き易くし、かつ構造化された知識を共有し再利用できる知識データベースシステム12の機能構成を検討する。
課題5 その機能のひとつとして知識データベース12のテーブル情報構造を作る。これは請求項1の1)、2)に関する課題である。またシステムで異なる知識体系を同じシステムで扱うための機能や、知識の共有化を安全に実現するために知識のセキュリテイ保護機能を検討する。これは請求項2に関する課題である。
課題6 その機能のひとつとして、思考の自由な流れを阻害せずに目的に適った知識要素1を切り出し、それを望ましいと考える雛形知識13Aへと無理なく導きながら人による知識の品質チェックを効果的に働かせる対話方法を考案する。これは請求項1の3)と1の4)に関する課題である。
課題7 課題1〜課題6の解決手段の全てを適用した実際の対話型知識データベースシステム12の一例とその使い方を提示する。
課題1の解決手段 知識要素1を次のように分類し定義づける
ある目的を実現するための仮説シナリオをひとつの知識の纏まりである目的手段知識要素3Aとして切り出した場合、その仮説モデルの中で扱われる対象(拡張オブジェクト知識要素3B)と対象間に働く作用(関係力知識要素3C)という2種類の別な知識要素1が考えられる。それらは当然ながら目的手段知識要素3Aから参照されている。この切り出した3種類の知識要素1の関係は図3を参照。
さらに上位の目的手段知識要素3Aから、それを分かりやすくするために分割した幾つかの下位にある部分の目的手段知識要素3Aを取り出すことができる。部分となる目的手段知識要素3Aもまた更に下位の部分目的と部分手段を持ち、それらもまた拡張オブジェクト知識要素3Bと関係力知識要素3Cで構成される。この部分への分割は空間的、機能的に分割される場合もあれば、時間的に分割される場合もある(図2参照)。こうして目的手段知識要素3Aは図4に示すように階層的に繋がっているとみなすことができ、各目的手段知識要素3Aの構成は全て同じで、拡張オブジェクト知識要素3Bと関係力知識要素3Cを参照していると考えることができる。
これを目的展開系33Aの知識体系とし、3種類の知識要素1を次のように定義する。
1.拡張オブジェクト知識要素3B
「もの」や「こと」それ自体の知識。普通情報処理で使われるエンテテイやオブジェクトの概念と近い。一方拡張オブジェクト知識要素3Bや関係力知識要素3Cの抽象階層だけを扱う知識範疇系33Bの体系(主としてIS−A関係)は、別体系で扱う。知識要素1数が増えたときには、この知識範疇系33Bの必要性が生じると考えられ、この問題は4で述べる。
情報処理で用いるオブジェクトと違うのは、例えば「磁場」だとか「相場」などの「こと」が入り込む。目的を実現するために重要な手段となる関係力以外の対象は拡張オブジェクトとみなす。
通常次のような知識細目が考えられる。
A.拡張オブジェクトの名称
B.拡張オブジェクトの意味
C.拡張オブジェクトの属性
・「もの」か「こと」か ・「抽象」か「具体」か
・その他属性
2.関係力知識要素3C
「もの」や「こと」の間に働く自然的な関係力(作用)や、人為的なルール・法則などの関係力(作用)の仮説である。確実性が高いので、それより下位の論理展開を必要としない。
拡張オブジェクト3Bやこのルール・法則を利用して、人間はなにかを実現するための行動を起す。ルールや法則も次ぎの3で述べる目的手段知識要素3Aがやがて一般法則として認められたケースであり、必然的に両者は似た内部構造形式を持つ。関係力知識要素3Cは目的手段知識要素3Aとほぼ同じ内容とみてよいが、確実性が高いので下位の目的手段知識要素3Aに分岐しない。ただし拡張オブジェクト3Bと同様に知識要素1数が増えた場合の体系化の問題がある。これについても4で述べる。
通常次のような知識細目が考えられる。
A.ルール・法則の名称
B.ルール・法則の属性
・「もの」のルールか「こと」のルールか ・確実性、実証性
・その他属性
C.目的手段知識要素3Aの内容とほぼ同じ
3.目的手段知識要素3A
ある目的を実現するための仮説シナリオを表現する最も重要な知識要素1である。拡張オブジェクト知識要素3Bと関係力知識要素3Cを参照した仮説シナリオを持つ。目的や機能の展開部分とそれに対応する手段の展開部分に分ける。
ひとつの目的や機能に対し複数の部分目的や部分機能に分れる。つまり知識要素1の目的や部分目的、機能、部分機能などがPART OF関係で連鎖して最上位の目的に繋がる形をとる。
各展開部では通常次のような知識細目が考えられる。
1)目的展開部4
A.目的手段の名称
B.問題概要
C.とりうる機能または手段の選択肢の比較説明情報
2)手段展開部5
A.関係する拡張オブジェクト知識要素名
B.関係する関係力知識要素名
C.下位の手段展開部の集約結果
D.現象・事象の仮説シナリオ
4.関係性情報と関係性種別33
関係性情報は知識要素1間を上位下位の関係で結びつけ階層関係を作る。関係性情報の中に関係性種別33を設けることで同じ関係性種別33で結ばれる一塊りの知識を表現する。
ここまでは目的展開系33Aの知識要素1について述べたが、知識要素1数が増えると拡張オブジェクト知識要素3Bでも関係力知識要素3Cでもそれを体系づける知識範疇系33Bの繋がりも扱えると良い。この範疇化のための知識体系33Bも目的展開系33Aと同様に扱える。なぜならば目的展開系33Aも知識範疇系33Bも知識要素1の関係性を上位・下位で階層的に繋ぐだけであり、外部構造的には同じに見えるからである。関係性種別で区別すれば目的展開系33Aの仕組みが知識範疇系33Bでも使うことができる。
課題2の解決手段 知識要素1の内部の構成単位を次のように定める。
知識全体は図4のように目的手段知識要素3Aの連鎖と見做し目的手段知識要素3Aには目的−部分目的または機能−部分機能がPART OF関係で連鎖する目的展開部4と、それと一体の手段展開部5があると考える。目的手段知識要素3Aの詳しい全体構造は図5を参照されたい。
1.目的展開部4の内部構成:目的、機能の展開部
目的展開部4は、複数の知識要素1に跨って連結される。目的展開部4では目的に対する複数の部分目的あるいは機能に対する複数の部分機能がありうるので、その選択肢の比較情報を持てるようにする。但し内容情報は目的展開部4では持たない。
ブロック6やセル7は内部構造を自由に構成するための構成単位2であるが、例えば目的展開部4では次のブロックを持つ。
(目的連鎖ブロック)
図4で示すように、目的は部分目的へ、機能は部分機能へとPART OF関係で展開される。目的連鎖ブロックでは、下位の目的分岐の連鎖情報を持つ。しかし実際には知識要素1の内部では持たず、外部の関係性テーブル情報25として持つ。これを繋げて全体を見れば知識の全体構造が目次のように見渡せる。課題6の解決手段で述べるが図27の内部構造表示編集画面17または図26の外部構造表示編集画面18で一例を示す。
(分岐階層解説ブロック) これは請求項1−2)と関係あり
目的展開層に対する分岐情報があり一例として図6で示す。目的に対する部分目的または機能の選択肢は複数存在する可能性がある。その部分目的や機能の選択肢を図表として分かり易く表現したものを目的機能分岐解説として持つ。目的または機能に対する手段の選択肢も複数存在する可能性があるが、それぞれの手段に目的部分を付加すれば全て目的機能分岐として扱える。ただし手段の選択肢は図表にまとめ、特質・長短等を表現した方が分かり易い場合がある。
知識の論理品質をチェックする上ではこの分岐階層解説ブロックの働きは非常に重要で、全く見えなかった視点が論理を根底から覆すことがあるので思考の立脚点を明らかにするうえで大きな意味がある。
2.手段展開部5の内部構成:手段の仮説シナリオの展開
仮説シナリオの論理的な構造を明確にするための重要な部分であり、目的展開部4に対応してひとつの手段の具体的内容が展開される。また目的展開が時系列の因果関係を持ち下位の知識要素に分岐するような場合でも仮説シナリオを述べるために利用できる。ここでも考えられる構成例を述べる。特に重要なのは関係力に起因する事象の因果関係の推移を示す仮説シナリオブロックとその中の因果関係セルである。仮説シナリオブロックの構造は図7を参照されたし。
(概要ブロック)
A.オブジェクトモデル構成セル
・手段展開部5の名称
・必要なら代表オブジェクト図
・下位の手段の集約結果
図4のように、上位の目的手段知識要素3Aの手段展開部5は単なる下位の手段展開部5の寄せ集めとしてあるのではなく、全体をいかにマネージするか等の付加的な知識が加わっている。それは管理者層などの第三者に対して便利で効率的な理解をもたらしうる。つまり大局的に理解する上位の知識の性格を持つ。
(仮説シナリオブロック) これは請求項1−2)と関係あり
知識の論理をチェックし易くし、論理品質を高めるために極めて重要な働きをするブロック。
A.仮説の解説セル
・全体仮説シナリオ解説
・関係する拡張オブジェクト知識要素名と関係力知識要素名
B.因果関係セル
事象の因果関係の推移を簡潔に表現するための極めて重要なセル7。事象の推移を関係力の作用結果として明確に表現するには、因果関係を時系列に分割したり、論理の流れを分割して表現する。
時系列分割の例を図8を使って説明しよう。初期状態から3種類の関係力が次々と働いて目的状態に達する事象があるとする。この因果関係の推移を表現するには3つの段階の関係力の作用状態とその結果の状態を表現できれば分かり易い。時間分割では一作用一結果の原則で単純化できれば一番望ましい。
このように仮設シナリオを部分に分けるために因果関係セルを用い、各ステップごとに追番を持つセル7が作られる。
目的展開部4にせよ手段展開部5にせよブロック6やセル7はページ8の区切り単位であり、データの実質は全て最小構成単位2であるページ8で構成される。ブロック6やセル7の種類は知識の内容に従って増減できる。この内部構造は目的手段知識要素3Aばかりでなく、その他の知識要素1についても同じで、ブロック6、セル7、ページ8という構成単位2を持つ。それが知識要素1の構成の柔軟性を高め、またシステム構造を単純化、共通化するうえで極めて有効である。
ここで述べた知識構造が、対話の過程で思考の論理性を高めるために働くことを図9を参照し確認する。1)〜7)は図9中の番号と対応する。
A.常に本来目的、上位目的を意識しながら手段を考えうる。これは同時にトップダウンで知識を整理することにもなる。目的−>部分目的−>更に下位の部分目的−>最下位の手段の妥当性の検討−>事実関係−>上位の手段の集約と妥当性検討−>・・・。論理思考を大局的に働かすことができる。 1)
B.機能や手段の分岐構造を求めることで、他にありうる選択肢や視点をいつも意識させることができる。 2)
C.因果関係シナリオの論理構成部分について、シナリオブロックだけで段階的に表現するので、論理の確からしさを検証し易い。掘下げが足りない部分も分かり易い。 3)5)
D.目的と思考対象を明確にして出発できる。また目的展開を十分に深める習慣が身につく。また対象の言葉のあいまいさを排除する意識が働く。 4)6)
E.関係力知識要素3Cによって判断の論拠となる法則・ルールの確からしさを意識させることができる。どこまでが確かな判断なのかはっきりする。 7)

図9で表した知識要素1と関係性は図28のように表示し直すことができる。あるいは図38、図39、図40のように詳細な帳票として表示できる。知識全体の構成と論理性が明確で分かり易くなり、論理構成のチェックが働き易くなる。
課題3の解決手段 知識要素1を簡潔でビジュアルな表現にするため数種類のページ8を導入し、コンピュータを使ったその編集の仕組みを考案する。
これは請求項3に関する解決手段である。
1)数種類のページ8の導入
例えば、図8の事象の因果関係の推移などを簡潔にビジュアルに表現するには、異質な内容を異質な表現形式、例えば抽象モデルページ9、図表ページ10、文字ページ11等のページ8を使って表現できると便利である。例えば関係力が作用中の状態は抽象モデルページ9で表現し、関係力作用後の状態は図表ページ10で表現する。この3種類のページ8の特性をうまく使い分けて3つの関係力の働き方と状態の推移を簡潔に表現できるようになる。
図8の例で分かり易く示す。
関係力が三段階に作用し、事象が三つのステップに時間分割される場合を描いている。因果関係セル7は三つに分かれ、各ステップで関係力が働いて状態が変化する。その推移をそれぞれのセル7の抽象モデルページ9、図表ページ10、文字ページ11で表現する。
たとえば抽象モデルページ9では各ステップでの拡張オブジェクトに対する関係力の働き方を表現する。図表ページ10では各ステップの関係力の作用後の状態を表現する。文字ページ11は推移を言葉で確認する。抽象モデルページ9の使い方は本来のものではないが図43にその実例を示している。
3種類のページ8には次のような特徴がある。他に有効な表現形式があればそれを用いて良い。

A.図表ページ10 ビジュアルなもっともポピュラーな図表表現。写真、グラフ、図、文字列等。OAツールのプレゼン資料と同じ表現であり、柔軟性に富む。

B.抽象モデルページ9 事象の因果関係等の核心部分を掴んで単純な抽象モデルで表現すれば、簡潔なるがゆえにエッセンスだけに特定した強力な表現手段となる。また核心を掴まなければ簡潔に表現することができないので、対象を深く理解できているか否かのチェックにもなる。代表例にはオブジェクト関係性モデル図などがある。

C.文字ページ11 なるべく文章を使わずビジュアルに表現するのが原則であるが、言葉にしなければ緻密な論理を表わせない内容がある。論文では必須である。

文字は、指示する意味を絞って厳密な論理を辿る場合に向くが、同時に多くを表現することには向かない。逆に図表は同時にビジュアルに表現できるが論理的に詰めるには向かない。抽象モデルはその中間的な特徴を持つ。一つで全てをカバーすることができないので幾種類かのページ8を使えるようにする。
2)3種類のページ8の編集の仕組み
知識要素1は個別に完結しており、そのセル単位にページ8情報を持つので、これを一般的なOAファイルのようなファイル識別子を持たせると膨大な数になり、それを管理するわけにはゆかない。そこで知識要素1のセル内に3種類のページ8をXML等で区分して保持しそれを必要時に一旦ワークファイルに落としてそれを3種類の画面編集モジュールで編集する形をとる。3種類のページ8は各ページ専用のアプリケーションで処理されるが、固有なアプリケーションでも処理できるようにセル7内にページ種別に対応した画面編集識別子30を持たせて個別に指定できるようにする。それを先立つプログラム、実際には知識構造を表示する内部構造表示編集画面17で事前に読んでおき、そこで編集すべきページ8が選択された時、ワークファイルが生成され画面編集識別子30に対応するページ編集画面19を起動する。画面編集が終了したら元の内部構造表示編集画面17に戻り、ページ更新を選択するとワークファイルの内容が知識データベース12に反映される。このモデル図は図29に、処理フローは図30に示す。
課題4の解決手段
対話型で思考の過程を支援し、知識要素1の雛形は構成単位2を自由に組み合わせて編成でき、その雛形からコピー生成した下地を品質チェックが容易な環境で対話修正しながら構造化された知識要素1と階層構成を作り、さらに構造化された知識をそのままの形で共有化できるようにするための対話型知識データベースシステム12の機能の構成は図10のようになる。
A.知識構造化データベース機能12A 請求項1の1)2)に関係する機能
課題5の解決手段1参照
A+.知識セキュリテイ保護機能34 請求項2に関係する機能
課題5の解決手段2参照
B.雛形知識生成・チェック機能13 請求項1の3)に関係する機能
課題6の解決手段1参照
C.知識構造と知識内容の交互参照編集機能14A 請求項1の4)に関係する機能
課題6の解決手段2の1)2)参照
D.全体構造表示機能15 請求項1の4)に関係する機能
課題6の解決手段2の3)参照
このうち、B,C,Dの機能の構成内容は図11参照。個々の機能の詳細はそれぞれの解決手段を参照。
課題5の解決手段 知識構造化データベース機能12Aの実現。
課題1、課題2の解決課題で述べた知識構造とビジュアル化の考え方をそっくり取り込んだ知識要素1や構成単位2のテーブル情報と論理レコード情報の構成を作成する。また同じシステムを使って知識の異なる処理体系を扱えるように機能拡大する。更に知識を共有する場合のセキュリテイ保護の仕組みを組み込む。

1.知識の構造化の考え方を取り込んだ知識データベース12 これは請求項1の1)2)に関する解決手段である。

目的展開系33Aの知識を「ある目的とそれを実現するための手段のシナリオ仮説」として捉え、目的や手段を表現する部分、手段の妥当性を段階的に詳細化する部分、それらの元になる事実関係を表現する部分など幾つかの知識要素1や構成単位2に分け、それらの知識要素1に内部の構造化情報を持ちまた外部の構造情報(関係性情報)を別に有する知識データベース12を構成する。知識要素1として切り取る事象単位も従来とは異なり、目的とその実現手段であるシナリオ仮説を事象単位として目的手段知識要素3Aに切り出され、さらに分割された事象単位が下位の目的手段知識要素3Aとして切り出され、それらが関係性情報でつながれる。
知識の構造化情報には2種類ある。
一つは図13に示すように知識要素1の内部の構造化情報28である。OA情報は図中の右上図に示すようにページ8が連続的に繋がるだけの不定形のデータ形式をとる。仮にこれを図中の左図に示すような構成単位に分ける場合は、右下図のようにページセットに、それが含まれる内部構造化情報28(知識要素名1+知識要素種別名1+ブロック種別名+セル種別名)を付加すればよい。そしてセル7は知識要素1の中で例えば目的展開部の分岐の選択肢を解説する部分とか特定の決められた役割情報を持つ。
内部構造化情報28だけでは、知識要素1間の階層関係は表現できない。そのために図14のように知識要素1間の繋ぎ情報だけを括りだして知識要素1を対比させた外部構造化情報(関係性情報)を設ける。図14の左図のような知識要素1の階層関係は、右図のように関係性情報で表現する。
内部構造化情報28と外部構造化情報で知識の構造化を的確に表現することができる。
知識データベース12の知識要素1を収納する知識要素テーブル情報20は目的手段知識要素3Aと拡張オブジェクト3Bと関係力3の知識要素テーブル情報20とで構成し、それぞれに内部構造化情報を持つ。知識データベース12は更に知識要素テーブル情報20間の関係性情報、すなわち外部構造化情報を関係性テーブル情報25に持つ。
この知識要素テーブル情報20と関係性テーブル情報25の他にも補助的テーブル情報があり、詳しくは下記1)〜3)の説明と図12を参照されたい。
知識要素テーブル情報20
A.目的手段知識要素テーブル情報21
B.拡張オブジェクト知識要素テーブル情報24
C.関係力知識要素テーブル情報23
関係性テーブル情報25
D.関係性テーブル情報25
その他補助的テーブル情報
E.雛形知識テーブル情報26
知識要素テーブル情報20の論理レコード情報27はセル単位とし、内部構造化情報28である知識要素名1+知識要素種別名1+ブロック種別名+セル種別名+セル追番をキー部とし、3種類のページ8のセットとそれぞれの画面編集識別子30等で構成する。
3種類のページデータはXML等で区分される。この論理レコード情報27の構造を全ての知識要素テーブル情報20で共通にし、物理的にひとつのファイルで構成できる。
知識データベース12から特定の階層知識のみを選択し対話処理を行うには例えば、請求項3−5)で述べる仕組みで知識要素1の塊りを取り出し、請求項1−4)で述べる仕組みで画面に表示し編集する。
1)知識要素テーブル情報20
関係力知識要素3Cは目的手段知識要素3Aとほぼ同じ構造なので説明を省略する。目的手段知識要素3Aの目的展開部4と手段展開部5の構造設計例はそれぞれ図16、図17を参照。また拡張オブジェクト知識要素テーブル情報24は図15参照。知識要素1内のブロック6、セル7、ページ8の包含関係は内部構造化情報28で示され、実質的なデータの内容はXMLタグ等で区分された3種類のページ8のセットで表される。セル7やブロック6は単なるページ8の区分単位であるが、請求項1−2)に関係する分岐階層解説ブロックやシナリオ仮説ブロックなどは論理構造をチェックし易くするための重要な役割を持つ。このセル7やブロック6をページ8の括りとした知識要素1の構成の柔軟性がシステムを極めて単純化している。関係力知識要素3Cも拡張オブジェクト知識要素3Bも目的手段知識要素3Aもブロック6、セル7、ページ8だけで構成し、その組合せを変えるだけで多様な知識に柔軟に対応できる。
2)関係性テーブル情報25
各知識要素テーブル情報20を繋ぐ次のA,B,Cのような関係性を表現するためのテーブル情報。図19にその例を示す。関係性の情報を知識要素テーブル情報20では持たないためにシステムを単純化できる。関係性テーブル情報の構造は単純で、基本は2つの連結される上位、下位の知識要素名1とその関係性種別33だけで良い。知識要素1間の関係性種別33は目的展開系33Aか知識範疇系33Bかに係わらず同じ関係性種別33で繋がれた知識要素1の一塊りを示す。
図19では関係性テーブル情報25に他に次の2の3)で述べる関係性スコープ32をデータ項目として加えている。これはデータに使用制限を与えるために用いる。

下記A〜Cは関係性テーブル情報で繋がれる目的展開系33Aの関係性の種類である。知識要素テーブル情報20や拡張オブジェクト知識要素3Bは独立性が高いのでそこから普通は参照しない。
A.階層関係の連結表現
・目的手段知識要素3Aの上位、下位を繋ぐPART OF連結情報。
B.オブジェクトの参照関係の連結表現
・目的手段知識要素3Aから拡張オブジェクト知識要素3Bを参照する連結情報。
C.因果関係のルール・法則の参照関係の表現
・目的手段知識要素3Aから関係力知識要素3Cを参照する連結情報。
3)その他補助的テーブル情報
A.雛形知識テーブル情報26
目的手段知識要素3A、拡張オブジェクト知識要素3B、関係力知識要素3Cを構成するブロック6やセル7はプログラム変更なしでユーザが自由に組合わせられる方が望ましい。特にそれを知識要素1ごとの望ましい構造化の雛形とし、それと知識の生成物を対比させ品質をチェックできるようにするには、雛形知識13Aの構成が利用者に自由に決められた方が良い。そのために雛形知識テーブル情報26に予め知識要素1ごとにブロック6やセル7の異なる種類の組み合わせを持つ雛形を自由に登録できるようにし、知識要素1生成時に雛形知識名29を指定すればこの雛形知識テーブル情報26から知識要素テーブル情報20にコピー生成できるようにする。
雛形知識13Aの構造は知識要素1と同じ構造なので知識要素1と同じ表示編集機能や画面が利用でき、また雛形知識テーブル情報26は知識要素テーブル情報20と物理的にはひとつのテーブル情報に纏められる。
2.知識体系の処理選択機能および知識セキュリテイ保護機能34 これは請求項2に関する解決手段である。

知識構造化データベース機能12Aで、異種の知識体系を選択的に扱えるようにするための選択機能1)およびそれを応用した二種類のセキュリテイ保護機能、すなわち知識ビュー31によるアクセス制限機能2)、関係性スコープ32によるアクセス制限機能3)について述べる。
1)の関係性種別33による知識体系の選択機能
目的展開系33Aや知識範疇系33B、33C等の知識体系とは関係なく、知識データベース12から同じ関係性種別33で繋がれた階層関係をなす知識要素1の一塊りを取り出して同じシステムで扱えるようにする機能。
具体的には次のA,Bの機能を同時に持つもの。
A.関係性テーブル情報25に関係性種別33項目を設け、そこで知識の一塊りの関係性情報を関係性種別で区別する。目的展開系33Aか知識範疇系33B、33Cかに拘わらない。
B.対話の始めもしくは対話の途中でどれかの関係性種別33を選んで、その後再選択するまですっぱり対話処理する知識の体系を切り分ける。簡単のために対話の始めにログイン画面で関係性種別33を選ぶこととする。選んだ関係性種別33と異なる関係性情報で繋がれた知識要素1は無視され、同じ関係性種別33で繋がれた知識要素1だけが見える。
例えば図24のログイン画面で関係性種別33を入力すると、それ以降のすべての処理および対話画面では指定された関係性種別33が一貫して有効なものとして保持され、それと同じ関係性種別33を持つ関係性情報とそれによって繋がれた知識要素1だけが有効な処理対象となる。その間、他の関係性種別33の関係性情報とそれによって繋がれた知識要素1は完全に隠蔽される形になる。関係性テーブル情報25の極くわずかな選択機能だけで知識データベース12上でネットワーク状に繋がった知識要素1を取り出して処理できる。これが可能なのは、扱う知識体系が階層的に表現できるという前提がある。
2)知識の利用範囲を制限する付加機能−知識ビュー31による制限機能
知識を共有する場合は、情報保護と操作の利便性の観点から利用制限を加えた方が良い。図20で示すように一塊りの知識群を知識ビュー31で紐づける。具体的には関係性種別33にセキュリテイ目的でのみ使用する知識範疇系33Cの体系を追加し、その関係性情報の上位知識要素名1にセキュリテイ管理グループである知識ビュー31という知識要素1を加えるだけで良い。知識要素1の利用制限をかけるのに、関係性テーブル情報25の知識範疇系33Cの機能を利用するだけであり、知識要素テーブル情報20には直接触らない。知識ビュー31の内容は拡張オブジェクト知識要素3Bのひとつとして登録しておけばよい。知識ビュー31の名前とコメントくらいで十分である。
知識ビュー31はその知識要素1群を共有する上位組織などに与える。知識要素テーブル情報20から知識要素1を読み出す時には、必ず関係性テーブル情報25でアクセスの有効性がチェックされる。つまり関係性テーブル情報で対象とする知識要素1が属する知識ビュー31とユーザにログイン時に与えられた知識ビュー31とが一致する場合のみ有効と判断される。
3)知識の関係性を制限する付加機能−関係性スコープ32制限機能
関係性テーブル情報の関係性種別33と同様のデータ隠蔽機能を利用した機能であり、関係性種別33とは別に関係性スコープ32というデータ項目を設け、それを関係性情報自体を隠蔽する仕掛けとして用いる。関係性種別33は知識要素1を取り出す一塊りを意味しセキュリテイ目的ではないが、関係性スコープ32はセキュリテイ目的で用いる。つまり運用的には公開できる関係性種別群と非公開の関係性種別群に分けるのと実質的に同じことになる。
関係性テーブル情報25を読む時は、使用制限をかけるために例えばログイン時に与えられた関係性スコープ32と一致するか有効性を確認する。また関係性テーブル情報25の書き込みや追加時には、関係性スコープ32をも書き込むがそれ以外は同じである。

例えば上位組織と下位組織に分けてアクセス権を管理し、知識ビュー31に上位組織を割り当て、関係性スコープ32に下位組織を割り当てることができる。明細書の例で説明すると図24のログイン画面で知識ビュー31と関係性スコープ32のアクセス権の有効性をチェックし、その後の処理および対話画面では入力された知識ビュー31と関係性スコープ32が一貫して保持され、上位組織に与えられた知識ビュー31に属する知識要素1だけが処理対象に制限され、また下位組織に与えられた関係性スコープ32と一致する関係性テーブル情報25のレコード情報だけが処理対象となるように制限される。この二つの方法は既に述べた方法をセキュリテイ保護のために応用したもので、4)で述べる局所的な機能追加で実現できる。
4)知識体系の処理選択機能、知識セキュリテイ保護機能34実現のための機能追加
A.システムログイン時のアクセス権の認証
図24のログイン画面で知識ビュー31や関係性スコープ32のアクセス権を認証したり、ユーザの入力したアクセス権を対話中に保持したりする機能は一般技術なので説明は省略する。ただし、ログイン画面から直接知識ビュー31や関係性スコープ32を入力するのではなく拡張オブジェクト知識要素3Bのひとつにアクセス権制御のための知識要素1を作成し、そこで一旦変換をかけて知識ビュー31や関係性スコープ32を得る方法がずっときめ細かな管理ができて望ましい。ただし、明細書の中では簡便のため直接入力する形で説明する。
B.知識データベース12の入出力処理への影響
知識要素テーブル情報20および関係性テーブル情報25の読み込み処理で知識の利用制限をかける必要があること、および知識要素1を削除する場合、異なった関係性種別33の関係性情報などが隠蔽されている場合があるので注意が必要である。しかし修正すべき機能は次の四つの処理に限定できる。処理フローは各図を参照されたし。
知識要素テーブル情報20の選択的読み込み処理 図32
知識要素テーブル情報20の選択的削除処理 図33
関係性テーブル情報25の選択的読み込み処理 図35
関係性テーブル情報25の選択的追加処理 図36
これらの処理は後述する画面処理から呼び出されて使用される。
課題6の解決手段 対話時に雛形知識生成・チェック機能13で雛形知識13Aをコピーして知識要素1の雛形を生成し、知識構造と知識内容の交互参照編集機能14Aによって随時知識の外部構造化情報と内部構造化情報28を確認しつつ雛形知識13Aを埋め込み最終生成物へと導く。

1.雛形知識生成・チェック機能13 これは請求項1の3)に関する解決手段。
外部構造表示編集画面18から雛形知識生成・チェック機能を使って知識要素1を生成する時、予め定義・登録されている雛形知識13Aを雛形知識テーブル情報26から知識要素テーブル情報20へコピー生成する。これにより何を描くべきか決められたブロック6やセル7、ページ8等の雛形が対話の下地として生成される。雛形知識13Aは知識要素1ごとに複数種類登録でき、外部構造表示編集画面18で雛形知識名29を指定する。雛形知識13Aは利用者が望む形にブロック6やセル7を組合わせて定義できるのでそれを対話の下地としてだけではなく構造化のめざす形として用いる。具体的な例として図38、図39、図40の知識要素1を生成する際には、図41で示すような3種類の雛形知識13Aが用いられる。
この雛形知識生成・チェック機能13により知識要素1の違いを最小構造単位の組合せ方で吸収できるので、システム構造が知識の違いに影響を受けない柔軟なものになる。
処理フローは図34を参照。
一方、コピー生成された対話の下地となる構成単位がその後の対話プロセスで元の望ましい形から逸れていないか随時チェックするための仕組みに関しては次の2で述べる対話の仕組みを適用する。
2.知識構造と知識内容の交互参照編集機能14Aの構成 図11参照 これは請求項1の4)に関する解決手段である。
この機能は、階層構造をなす知識の全体構造を見ながらその部分を構築してゆくとき必要になる。1の雛形知識生成・チェック機能13でコピー生成された知識要素1の論理レコード情報27を下地として対話更新してゆくときに、知識全体の階層化された外部構造化情報、知識要素1の内部構造化情報28を随時画面で参照編集できるようにする。
対話処理の流れとしては、図26の外部構造表示編集画面18から雛形知識生成機能13を使って知識要素1の下地ページ8を生成したあと、図27の内部構造表示編集画面17で生成した知識要素1を表示させ、その画面で編集対象となるページ8を選択して図29のページ編集画面19を立ち上げページ編集を行い、終了したら元の内部構造表示編集画面17へ戻る。また随時、外部構造表示編集画面18でも外部構造化情報をチェックしながらページ編集を交互に繰り返して知識の構造化を完成させる。
1)知識要素1の外部構造表示編集機能18
関係性テーブル情報25で繋がれた各知識要素1間の関係性情報を図26の外部構造表示編集画面18のように階層表示。ここで知識要素1を生成し、知識の外部構造化情報をビジュアル化して表示し、知識要素1を削除し、また知識要素1を繋ぎ替えできる画面である。特定の知識要素1の内部構造化情報28を表示する場合は、ここから図27の内部構造表示編集画面17を呼ぶ。

図26の外部構造表示編集画面18の機能と操作
各操作とも、画面表示内容が変わるので該当処理終了後画面を再表示する。
知識要素生成ボタン:知識要素名1と雛形知識名29を入力しこのボタンをクリックすれば雛形知識テーブル情報26から知識要素テーブル情報20に雛形論理レコード情報27がコピー生成される。
処理フローは図34参照。
外部構造参照ボタン :知識要素名1を入力後このボタンをクリックすれば、知識要素テーブル情報20からその知識要素1と下位方向につながる知識要素1を階層表示。
知識要素1を読み込み表示するフローは図37を参照。
知識要素削除ボタン :マウスクリックで選択した知識要素1を知識要素テーブル情報20から削除。
処理フローは図33参照。
知識要素プッシュボタン:マウスクリックで選択した知識要素1を他の知識要素1の下へ移動するために関係性テーブル情報25の関係性情報を一時退避領域に保存し、元の関係性情報を関係性テーブル情報25から削除する。
処理フローは図31参照。
知識要素ポップボタン :マウスクリックで選択した知識要素1の下に、一時退避領域に保存しておいた関係性情報を読み出し上位、下位の知識要素名1などを更新して新たに関係性テーブル情報25に追加する。
処理フローは図31参照。
内部構造表示ボタン :マウスクリックで選択した知識要素1の論理レコード情報27を知識要素テーブル情報20から読み込み内部構造表示編集画面画面17に表示して立ち上げる
知識要素1の選択的読み込みの処理フローは図32参照。
2)知識要素1の内部構造表示編集機能17
この機能では関係性テーブル情報25に対する更新は発生しない。知識要素テーブル情報20の特定の知識要素1の内部でのみ更新があり単純なので処理フローは省略する。特定の知識要素1の内部構造化情報28を図27内部構造表示編集画面17ように階層表示する。セル7の升目の中の小さな升目は、3種類のページ8の有無を示している。
セル7を挿入するための複写追加や削除もこの画面から可能である。またセル7の知識要素1内の移動もセルプッシュ、セルポップボタンを通してできる。
この画面では、ページ8処理に対応する画面編集識別子30も一緒に読み込まれており、次に編集すべきページ8が選択されページ編集ボタンをクリックすると、該当する画面編集識別子30に対応する図29のページ編集画面19が起動される。
図27内部構造表示編集画面17の操作と機能
各操作とも、画面表示内容が変わるので該当処理が終了後画面を再表示する。
セル追加ボタン :マウスクリックでセル7を選択しこのボタンをクリックすれば、そのセル7の下にそのセルと全く同じ構造のセル7を複写しセル追番7を付与して知識要素テーブル情報20へ挿入。
処理フローは単純なので省略。
セル削除ボタン :マウスクリックでセル7を選択しこのボタンをクリックすれば、そのセル7を知識要素テーブル情報20から削除。処理フローは単純なので省略。
内部構造更新ボタン :ブロック6やセル7の雛形知識名29、画面編集識別子30の更新を知識要素テーブル情報20上で実行。
処理フローは単純なので省略。
ページ編集ボタン :指定されたページ8情報からワークファイルをコピー生成しページ編集処理19を立ち上げる。
処理フローは図30参照。
ページ更新ボタン :ページ編集処理19が終了後、ワークファイルの更新結果を知識要素テーブル情報20に反映し、ワークファイルを削除。
処理フローは図30参照。
ページ更新中止ボタン :知識要素テーブル情報20を更新せずワークファイルを削除。処理フローは図30参照。
セルプッシュボタン :マウスクリックで選択したセル7の論理レコード情報27を他の知識要素1へ移動するために一時退避領域に保存し、元のセルを知識要素テーブル情報20から削除する。処理フローは単純なので省略。
セルポップボタン :マウスクリックで選択したセル7の下に、一時退避領域に保存しておいたセル単位の論理レコード情報27を読み出し新たな連結先の知識要素名1などを更新して知識要素テーブル情報20へ書き込む。処理フローは単純なので省略。
3.全体構造表示機能15 これは請求項1の4)に関する機能
1の簡単な構造チェックをするには図27の内部構造表示編集画面17か図26の外部構造表示編集画面18を使う。ただし、知識の全体構造を見るには、図28の画面また詳細に見るには図38、図39、図40のような帳票が必要である。図28を出すために図37の処理フローを利用できる。

図28の外部構造表示画面の操作と機能
画面表示ボタン :知識要素名1を入力し、画面表示ボタンをマウスクリックすれば、指定した知識要素名1以下に関係性テーブル情報25を通して繋がる全ての知識要素1を階層的に画面表示する。
知識要素1を読み込み表示するフローは図37を参照。
帳票出力ボタン :知識要素名1を入力し、画面表示ボタンをマウスクリックすれば、指定した知識要素名1以下に関係性テーブル情報25を通して繋がる全ての知識要素1を階層的に帳票出力する。
知識要素1を読み込み表示するフローは図37を参照。
出力帳票イメージは図38、図39、図40参照。
課題7について 対話型知識データベースシステム12の実例 課題1〜課題6の解決手段の全てを適用した実際の対話型知識データベースシステム12のシステム構成例とその使い方を示す。

課題4の解決手段で述べたシステム機能と対応させた対話画面を図23に示す。
知識要素テーブル情報20と関係性テーブル情報25に対応する参照・更新画面
A+.知識セキュリテイ保護機能34
知識ビュー31登録画面
B.雛形知識生成・チェック機能13
雛形知識テーブル情報26編集画面
C.知識構造と知識内容の交互参照編集機能14A
知識要素1の内部構造表示編集画面17 図27
知識要素1の外部構造表示編集画面18 図26
D.全体構造表示機能15
知識要素1の全体構造表示画面 図28
知識要素1の全体構造表示帳票 図38、図39、図40
このうち、A+、Bの二つの機能はCの構造表示画面で代替できる。雛形知識テーブル情報26は知識要素テーブル情報20と同じだからである。知識ビュー31も拡張オブジェクト知識要素3Bと同じと見做せる。
次に図22で示す知識構造化の手順に準じて各画面のシステム利用手順を説明する。具体的適用事例は[実施例]を参照されたい。
1) 雛形知識13Aの定義等:まず知識データベース12を共有する組織内で、知識要素1ごとに構成単位2のブロック6やセル7等を組合せた望ましい構成を決める。同様に、組織内で知識のセキュリテイを図るために知識ビュー31や関係性スコープ32の割り当てを取り決める。
2) 最初に雛形知識13Aの登録や知識ビュー31の登録が必要である。
雛形知識13Aの登録:雛形知識テーブル情報編集画面(実は内部構造表示編集画面17)で定義した雛形知識13Aに雛形知識名29を付して雛形知識テーブル情報26(実は知識要素テーブル情報20と同じ)へ登録する。雛形知識テーブル情報26をページ編集画面19で編集する際、対話初画面のメッセージや標準書式を作りこんでも良い。
知識ビュー31の登録:知識ビュー登録画面(実は内部構造表示編集画面17)から知識ビュー31を必要数登録する。知識ビュー31と実際に関係性情報が繋がるのは知識要素1をコピー生成する時である。
3) 雛形知識13Aのコピー生成:図24のログイン画面で知識ビュー31の認証と関係性種別33および関係性スコープ32の有効性チェック等を行って対話を開始する。図25の初期メニュー画面から外部構造表示編集画面18(図26)を起動する。そこで作成する知識要素名1と雛形知識名29を入力し知識要素生成ボタンを押せば、知識要素1の雛形知識13Aが雛形知識テーブル情報26から知識要素テーブル情報20へコピー生成される。この時、知識要素1は知識ビュー31と関係性情報で自動的に繋がれ、またもし上位の知識要素1が指定されてあればそれとの関係性情報も自動的に繋がれる。
4) 知識構造と知識内容の交互参照編集機能14Aの処理:図22の構造化の手順に準じて知識要素1が作られてゆく。基本は目的手段知識要素3Aの目的展開層の外部構造化情報をトップダウン的に先に書き込み、後から手段展開部5をボトムアップで書き込んで仕上げる流れになる。
A.まず最上位の目的手段知識要素3Aを外部構造表示編集画面18から生成し、続いて、内部構造表示編集画面17およびページ編集画面19で生成した知識要素1の目的展開部4を書き込んでゆく。手段展開部5はこの段階では普通はまだ書けない。
B.更に目的展開ができる場合は続けて下位の目的手段知識要素3Aを生成し、Aと同じように外部構造表示編集画面18、内部構造表示編集画面17およびページ編集画面19で目的展開部4を書き込んでゆく。これ以下は自明であると考えられるまで下層への目的展開を繰り返す。つまり、それ以下は既存の確からしい知識、すなわち関係力知識要素3Cや拡張オブジェクト知識要素3Bだけで組み立てられる状態になる。
C.最下位の目的手段知識要素3Aの手段展開部5を作る。内部構造表示編集画面17およびページ編集画面19を使う。
D.関係力知識要素3C,および拡大オブジェクト知識要素3Bを外部構造表示編集画面18で雛形を生成したあと、引き続き内部構造表示編集画面17およびページ編集画面19で編集する。
E.今度はボトムアップで目的手段知識要素3Aの手段展開部5を集約して、最後は最上位の目的手段知識要素3Aの手段展開部5まで纏め上げる。
5) A、B、C、Dの各段階の画面操作について述べる。
A.目的手段知識要素3Aの生成・更新:外部構造表示編集画面18で知識要素名1と雛形知識名29を入力して目的手段知識要素3Aのひとつの雛形情報13Aが生成される。外部構造表示編集画面18で、生成した目的手段知識要素3Aをマウスで選び内部構造表示ボタンをクリックすると図27の内部構造表示編集画面17が立ち上がり目的手段知識要素3Aの内部構造化情報28がパソコンのフォルダ階層のように表示される。その画面で編集するセル7のページ8の桝目を選択し、つまり文字ページ11か図表ページ10か抽象モデルページ9かを選択しページ編集ボタンをクリックすれば、そのページ編集画面19にシフトする。ページ編集画面19でOAツールと同じように編集処理を行い更新を終了させると、再び雛形知識表示画面17に戻る。ここでページ更新ボタンを押せば実際に知識データベース12の内容が更新される。
B.下位の目的手段知識要素3Aも同様に図26の外部構造表示編集画面18から雛形知識13Aを生成し、内部構造表示編集画面17、ページ編集画面19で目的展開部4の編集をAと同じ手順で行う。
手段展開部の編集操作もAと同じである。ただしシナリオブロックでセル8を追加する場合には、内部構造表示編集画面17で、その下に追加するセル7をマウスクリックで選び、セル生成ボタンを押せば、仮説シナリオブロックのセル8と同じ内部構造の新たなセル8がコピーされ知識要素テーブル20に追加される。
C.関係力知識要素3Cの生成と更新:関係力知識要素3Cは目的手段知識要素3Aと同じ内部構造なので生成や編集は目的手段知識要素3Aの場合と同じ画面、手順で行う。ただし関係力知識要素3Cも独自の雛形知識13Aを持つ。
D.拡張知識要素3Bの生成と更新:拡張オブジェクト知識要素3Bの生成や編集も目的手段知識要素3Aと同じ画面、手順でできる。拡張知識要素3Bも雛形知識13Aを持つ。
6)目的手段知識要素3Aの目的展開部4の展開で試行錯誤する場合
最初は白紙に近い状態から検討を始める場合でも目的展開部4をできる範囲で作成する方が効率的である。まず目的展開部4について描ける範囲まで仮説的に作成する。そこまでの手順は4)5)の場合と同じである。
そこから先を整理した形で描けない場合は、ワーク的な仮の目的手段知識要素3Aを作成しその下で考え方を整理する。その後から再度トップダウン的に整理する。4)5)の場合と異なるのはトップダウンで再整理する時にワーク的に作ってある知識要素1を再利用するだけのことである。
仮に作った目的手段知識要素3Aを後から本来の知識要素1の目的手段知識要素3Aや関係性知識要素3Cや拡張オブジェクト知識要素3Bの位置へ繋ぎ変える。セル8を移動させるためには内部構造表示編集画面17ではセルプッシュボタンとポップボタンを使い、知識要素1を移動させるためには外部構造表示編集画面18で知識要素プッシュボタンとポップボタンを使う。
1)請求項1の1)の効果
A.知識データベース12には多数の知識要素1が混在しているが、同じ関係性種別33で繋がった知識群を図28、図38、図39、図40に示すように、目的手段、事実関係などの決まった内容を持つ知識要素1を上位の目的からトップダウンで階層化して出力できる。同時に手段のシナリオ仮説が段階的に詳細化されて表示できるので、知識の理解速度を早めることができる。一般のOAドキュメントではページ数が増えると論理が追えなくなることが多いが、構造化された知識は主要な論旨が知識の上位階層に抜き出されるので思考する対話者にとってもそれを活用する利用者にとっても遥かに理解しやすいものとなる。つまり人にとって理解し易い知識のデータベース構造をとっている。
B.知識は多数の知識要素1に部分分割されるが、それらは目的と仮説シナリオを持つ事象単位であり完結している。それらを知識データベース12として共有するので、関係性種別33で繋がれた知識の一塊りの範囲を超えて知識要素1単位での参照や再利用がしやすくなる。つまり知識の再利用効率が高められる。文書管理システムのような構造化だと各分割された段落は知識要素1の構成単位2のように完結していないので全体を読んで理解しないと再利用しにくい。
C.全ての知識要素1の論理レコード情報27をセル単位とし同一の構造にしていることが、異なる知識を扱う場合でも知識要素テーブル情報20や画面処理を共通にでき、極めて単純なシステム構造を実現している。
2)請求項1の2)の効果
本発明では知識の論理構造をチェックし易くするために、論理構成の重要チェックポイントと考える箇所を例えば分岐階層解説ブロックやシナリオ仮説ブロックとして抜き出し構成単位2とすることができる。そこで例えば図38、図39に網掛けで示された分岐階層解説ブロックやシナリオ仮説ブロックがきちんと埋められているか、またその内容は適正かをポイントチェックすることで論理検証を効率化したり、論理品質を高めることができる。[実施例]ではその効果を詳しく説明している。
3)請求項1の3)の効果
A.知識要素1や構成単位2は利用者が自由にブロック6やセル7を組み合わせて雛形知識を決めることができる。そのためシステムを共有する組織内で知識表現の構造化が進み、組織内で相互の知識の品質チェックが働き易くなる。またこの雛形知識を対話の下地として利用することで、利用する組織全体の知識の細分化が否応なしに知識要素1や構成単位2にまで深まり思考が緻密になる。
B.知識要素1の内部構造の違いを構成単位2の組合せだけで吸収し、しかも利用者が任意に組み合わせて利用できる仕組みにしているので、どんな知識にでも定義を変えるだけで対応できる柔軟性を持っている。
4)請求項1の4)の効果
効果というより、知識要素1が多数繋がって階層構造を持つような知識の一塊りを対話で生成、編集、削除する場合、構造を表示編集する機能と内容を表示編集する機能を分けないと対話によるシステム化は不可能に近い。必須機能に近い。
5)請求項2の5)の効果
知識がネットワーク状に錯綜して紐付いている知識データベース12を、関係性テーブル情報25とその中の関係性種別33を扱うだけの処置で、知識体系に分けて扱えるようになった。知識がネットワーク状に絡み合って切り離せないものは扱えないが、階層構造に還元できるものはこのシステムで扱えるようにした。
6)請求項2の6)の効果
知識要素1のアクセス管理は知識ビュー31によって、また関係性種別33で繋がる関係性情報は知識スコープ32でアクセス管理できるようにした。例えば知識要素1にアクセス管理情報を直接付加すると複雑になるが、請求項2の5)の考え方を応用し、関係性テーブル情報25を扱うだけで、極めて単純に実現した。
7)請求項3の効果
特定の形式のデータを連続的に保持し、連続的に編集するのがOAデータの扱い方であるが、本発明ではその種の異質な形式のデータを一論理レコード情報27の中にページセットで保持し、セル単位で非連続的に編集する形式に変えた。知識要素1は細分化されるのでページ単位の小さなファイルを数千、数万の単位で持ってはその管理は不可能に近い。この持ち方の方が便利である。
知識のネットワークと階層構造 知識構造と階層構造の切り出し方 3種類の知識要素1の関係図 知識要素1間のつながりと知識の全体構成図 目的手段知識要素3Aの構造図 目的展開層の分岐解説図 手段展開部5の構造図 現象・事象の因果関係の推移表現図 知識構造化による思考品質チェック機能 システム機能構成図の一例 知識構造と知識内容の交互参照編集機能14A 知識データベース12のテーブル情報設計例 内部構造化情報28とは 外部構造化情報とは 拡張オブジェクト知識要素テーブル情報24の設計例 目的手段知識要素テーブル情報21の設計例(目的展開部4) 目的手段知識要素テーブル情報21の設計例(手段展開部5) 雛形知識テーブル情報26の設計例 関係性テーブル情報25の設計例 知識ビュー31と関係性種別33の比較について 関係性スコープ32について 知識の構造化の流れ 対話型知識データベース12システム画面構成図の一例 ログイン画面イメージ図 初期メニュー画面イメージ図 外部構造表示編集画面18イメージ図 内部構造表示編集画面17イメージ図 知識全体構造表示画面イメージ図 3種類のページの編集画面19イメージ図 ページ編集処理フロー例 知識要素1の繋ぎ変え(プッシュ・ポップ)処理 知識要素テーブル情報20の選択的読み込み処理 知識要素テーブル情報20の選択的削除処理 知識要素テーブル情報20の生成処理 関係性テーブル情報25の読み込み処理 関係性テーブル情報25の選択的追加処理 全体構造表示機能15処理フロー例 知識データベース12からの目的手段知識要素3Aの知識構造出力例 知識データベース12からの目的手段知識要素3Aの知識構造出力例 知識データベース12からの目的手段知識要素3A以外の知識構造出力例 雛形知識13Aの例 分岐階層解説ブロックの追加例(目的展開部A) 分岐階層解説ブロックの追加例(目的展開部B) 仮説シナリオブロックの追加例
具体的な題材を通して、システムの使い方や効果を説明する。この例は「クラウドに対するA社のとるべき戦略」についての調査レポートを取り上げている。本発明を現実に適用した場合の知識の帳票アウトプットの一例を図38、図39、図40に示す。この帳票から論理的に検討不十分な部分をチェックし新たに帳票に付け加えた構成単位2を図42〜図44に示す。またこの時用いる雛形知識13Aの形式を図41に示す。この例では発明の明細書で述べたような厳密な拡張オブジェクト知識要素3Bや関係力知識要素3Cのモデル化はしていないし、シナリオブロックの抽象モデルページ9は本来の形で使っていない。重点を置くべきポイントが分析対象によって違うので、実際の運用ベースでは、詳細化する工数と品質改善効果との兼ね合いがある。
この実施例で具体的な知識生成までの対話手順について説明する。

実施手順

1) 雛形知識13Aが本システムを利用する組織で合意され、図41で示す3種類の雛形知識13A、すなわちSF01、SF03、SF04が用意されている。SF01、SF03、SF04が雛形知識名である。SF01とSF03は同じ構造にしている。
2) この登録手順は課題7のシステム利用手順1)、2)に従う。
3) 目的手段知識要素3Aの雛形知識13AをSF01からひとつ生成する。図38中の目的展開部Aと手段展開部Aが知識要素テーブル情報20へコピー生成される。この手順は課題7のシステム利用手順3)に従う。
4) 目的展開部Aの目的−機能展開ブロックに目的を書き込む
5) 目的展開部Aの分岐階層開設ブロックの機能分岐解説セルの文字ページに更に下位に展開する3つの部分目的を書き込む。
6) その分岐関係を目的展開部Aの分岐情報解説セルの図表ページ10に書き込み、分岐の妥当性を検討する。図38の出力事例ではこの部分が描かれず網掛けセルになっている。本来なら目的展開部Aの分岐情報解説セルでは分岐の妥当性を図42のように描いて検証することが期待されている。このように情報の不足について形式的にチェックが働く。4)5)の手順は課題7のシステム利用手順4)A、5)Aに従う。
7) この時点ではコピー生成された手段展開部Aにはまだ記入しない。
8) 分岐が妥当と判断したならば、3つの部分目的に対応する3つの目的手段知識要素B,C,Dを雛形知識13AのSF01を元にコピー生成する。このとき同時に関係性テーブル情報25に、AとB、AとC、AとDの知識要素1を繋ぐ関係性が3つ同時に作られる。
この手順は課題7のシステム利用手順4)B,5)Bに従う
9) 3つの目的手段知識要素B,C,D対して、上記の3〜5に対応する構成単位2を書き込む。手順は同じなので、ここでは目的手段知識要素Bについてのみ説明する。
(1)目的展開部Bの目的−機能展開ブロックに目的を書き込む
(2)更に下位の目的の展開を目的展開部Bの分岐階層解説ブロックの分岐情報解説セルの文字ページ11に書き込む。
(3)その分岐関係を目的展開部Bの分岐情報解説セルの図表ページ10に書き込み
分岐の妥当性を検討する。図38の出力事例ではこの部分が省略され網掛けセルになっている。本来なら目的展開部Bの分岐情報解説セルでは図43のような何故5つの視点で見るのが妥当なのか検証することが期待されている。ここでも情報の不足について形式的にチェックが働く。
(1)〜(3)の手順は課題7のシステム利用手順4)B、5)Bに従う。
(4)妥当と判断したならば、目的展開部Bの下位に更に3つの部分目的に対応する目的手段知識要素3Aを雛形知識13AのSF01を元にコピー生成する。目的手段知識要素BA,BB,BCと同時に目的−部分目的を繋ぐ関係性が3つ同時に作られる。この手順はこの手順は課題7のシステム利用手順4)Cに従う。
(5)目的展開部BA,BB,BCを書き込む。
10)ここから初めて手段展開部BA,BB,BCの書き込みが始まる。考え方はどれも同じなので、一番複雑な手段展開部BAについてのみ説明する。
(1)手段展開部BAの概要ブロックの文字ページ11に下位の手段の集約結果を書
き込む
(2)手段展開部BAの概要ブロックの図表ページ10にその説明図を書き込む
(3)もし(2)の3つの段階のモデル図で十分ではない場合には、更に下位に目的手段知識要素3Aをコピー生成するがここでは十分として省略する。
(4)(2)のサービス形態の3つの段階の変化は仮説シナリオブロックの3つの因果関係セルを使って図44のように変化の原因を説明することが期待されているが、この図39の事例ではセル7が空白のまま省略されている。つまりこの3つの段階の変化についての検討が十分ではないことが考えられる。ここでも情報の不足について形式的にチェックが働く。
(1)〜(3)の手順はこの手順は課題7のシステム利用手順4)C,5)Bに従う。また仮説シナリオブロックでセル7を追加する場合は課題7のシステム利用手順5)Bに従う。
(5)手段展開部BAについて全て書き込む。
11)関係力知識要素3Cまたは拡張オブジェクト知識要素3Bの作成
9)の手段展開部BA,BB,BCの作成において、参照すべき事実関係の情報が整理されてくる。事実関係を表す知識のうち単純な知識や事実は拡張オブジェクト知識要素3Bとし、また本来はもっと下位に分解できるが既に自明であるためにそれ以上は分けないものが関係力知識要素3Cである。例えば手段展開部BBからは関係力BBA,BBC,BBDが参照され、手段展開部BCからは関係力BCAが参照される。またオフ゛シ゛ェクトBA,BBAAは拡張オブジェクト知識要素3Bとなる。
この手順は課題7のシステム利用手順4)D、5)Cに従う
(1)関係力知識要素BBA,BBC,BBDは雛形知識13AのSF03を元にコピー生成する。
(2)それぞれの目的展開部4の文字ページ11には2ページの情報が書き込まれる。
(3)それぞれの手段展開部5の図表ページ10には1〜3ページの情報が書き込まれる。
しかしこの実施例では厳密にみると関係力知識要素3Cも拡張オブジェクト知識要素3Bもまだ解きほぐされていず、下位への展開が十分とはいえない。そういう問題が見えてくる。
12)ここから手段展開部B,C,Dの書き込みが始まる。例えば手段展開部Bについては、その下位の3つの手段展開部BA,BB,BCの内容を集約するような形で纏める。
13)最後に手段展開部Aをその下位の3つの手段展開部B,C,Dの内容を集約するような形で纏める。
12)、13)の手順は課題7のシステム利用手順4)Eに従う
14)全体構造表示機能15の帳票出力で知識データベース12から図38、図39、図40の知識全体構造を出力し、検討が不十分な箇所が残ってないかをチェックし、必要ならば更に詳細化する。ここで網掛けブロックになっている構成単位2は雛形知識13Aの重要チェックポイントとして切り出しながら書き込まれていないもので、その部分が十分に深堀できていない可能性を示す。そこで例えば手順5)、手順8)、手順9)で既に述べた問題点が発見され、また対応策も講ぜられる。更には例えば図42の中でサービスプロバイダの分析がまだできていないために、A社の戦略のチャンスの側面が分析できていないことも指摘できる。思考の問題点が構造的にビジュアルに解り易く見えてくる。
産業の高度化に伴い思考や知識を深めることは益々重要になってゆく。本発明は思考を訓練すること、分かり易く伝え易い知財を形成すること、知識管理の効率化、人材育成の効率化等において効果が期待できる。
1.本発明になる対話型知識データベースシステム12は、思考や知識そのものをも思考の対象とする習慣づけができるので思考を深めるための組織訓練の道具として使える可能性がある。思考訓練を提供する新しいITサービスの可能性がある。
2.組織管理者の負担軽減ツールとして使える可能性がある。まず論理構成を明晰かつビジュアルに表現できるので理解のスピードを早められる。また上位の知識要素1では下位の知識要素1の集約情報を持つので、担当者クラスが持つべき下位の知識層とマネジャークラスが知るべき上位の知識の層を分けて提供できることになる。これによりマネジャー層は下位層の知識に立ち入る膨大な負担から開放される。
3.応用的な使い方でEラーニングや教育テキストをこの知識データベース12の構造化の形式に載せると、知識習得効率を高められる可能性がある。
1 知識要素、知識要素名、知識要素種別名 図3
事象から切り出す知識の完結した単位で、目的手段知識要素3A、拡張オブジェクト知識要素3B、関係力知識要素3Cの3種類がある。知識要素種別名を持ち、個々の知識要素1は知識要素名1で一意に識別される。
2 構成単位 図5
知識要素1を分割した小単位で、ブロック6、セル7、ページ8の3種類ある。最小構成単位2はページ8であり、それをセットで持つのがセル7、セル7を幾つか括ったのがブロック6、ブロックを幾つか持つのが知識要素1である。知識要素1は全てこの構成を持つ。
3A 目的手段知識要素、目的手段知識要素名 図3
ある目的とそれを実現する手段のシナリオ仮説を持つ知識要素1であり、その中で拡張オブジェクト知識要素3Bと関係力知識要素3Cを参照する。
3B 拡張オブジェクト知識要素、拡張オブジェクト知識要素名 図3
「もの」や「こと」それ自体の知識。普通情報処理で使われるオブジェクトの概念と近いが「磁場」だとか「相場」などの「こと」が入り込む。
3C 関係力知識要素、関係力知識要素名 図3
「もの」や「こと」の間に働く自然的な関係力や、人為的なルール・法則などの関係力の仮説。目的手段知識要素3Aとの違いは知識の確実性が高いため他の目的手段知識要素3Aを参照しない。
4 目的展開部 図4、図5
目的手段知識要素3Aの目的展開層の情報を持つ。目的に対する複数の部分目的、複数の部分手段がありうるので、その複数の選択肢の比較情報を持つ。
5 手段展開部 図4、図5
目的展開部4に対応し目的を実現する手段のシナリオ仮説が展開される。手段が複数ある場合は、それぞれ目的手段知識要素3Aとして独立させ、手段展開部5は知識要素1でひとつにする。シナリオ仮説はシナリオブロックで表現され、セル7を複数個用いて事象の因果関係の推移等を示す。
6 ブロック、ブロック種別名 図5
知識要素1の構成単位2で、セル7がいくつか纏まったもの。情報の実体はページ8にあり、ブロック6は単なる区分単位である。
7 セル、セル種別名、セル追番 図5
知識要素1の構成単位2で、ページ8がいくつか纏まったもの。情報の実体はページ8にあり、セル7はページのセットの他に画面編集識別子30等を持つ。
また手段展開部5のシナリオブロックではセル7を複数個使ってシナリオ仮説を段階的に表現するがその時セルは追番を持つ。
8 ページ 図7
知識要素1の最小構成単位2。情報の実体をここで保持する。3種類のページ8、すなわち図表ページ10、文字ページ11、抽象モデルページ9を持つことにより、自由でビジュアルな表現が可能になる。
9 抽象モデルページ 図8
ページ8のひとつ。事象の因果関係等の核心部分を掴んで単純な抽象モデルで表現すれば、簡潔なるがゆえにエッセンスだけに特定した表現手段となる。代表例にはオブジェクト関係性モデル図などがある。
10 図表ページ 図8
ページ8のひとつ。ビジュアルなもっともポピュラーな図表表現。写真、グラフ、図、文字列等。OAのプレゼン資料と同じ形式であり、表現の柔軟性を高めることができる。
11 文字ページ 図8
ページ8のひとつ。なるべく文章を使わない原則であるが、言葉にしなければ緻密な論理を表現できない内容がある。
12 知識データベース、知識データベースシステム
知識をデータベースとして持つデータベースの総称。知識データベースシステムは知識データベースを持つシステムの総称。
12A 知識構造化データベース機能 図10
知識要素テーブル情報20や関係性テーブル情報25、および補助的なテーブル情報で知識データベース12を構成する。そこから階層をなす知識の塊りを取り出し、表示編集する機能を含む。
13 雛形知識生成・チェック機能 図10
対話時に、予め定義してある雛形知識13Aを雛形知識テーブル情報25からコピーし、知識要素テーブル情報20に生成する機能。
ユーザがブロック6やセル7を自由に組合わせた雛形知識を作成できることで、知識要素1の種類や内容の違いを吸収して、システムを簡単化、共通化する。
13A 雛形知識13A 図18
雛形知識とは対話の下地となる知識要素1の構成単位2であり、ユーザが知識要素1ごとにブロック6やセル7を自由に組合わせ、望ましい標準形を定める。
14A 知識構造と知識内容の交互参照編集機能 図10
知識の全体の階層構造や内部の構造化情報28を表示編集できる機能と、そこから知識内容を持つページ8を表示編集できる機能を持ち、それを繰り返し用いながら知識の構造化を進める機能。知識の全体構造を見ながら部分の知識内容を編集する。
15 全体構造表示機能 図10
特定の関係性種別33を持つ知識要素1群について、階層的に目的展開部4の構成、手段展開部5の構成を画面や帳票で表示し、知識全体の繋がりと詳細内容が見えるようにする。
17 内部構造表示編集画面 図27
知識構造と知識内容の交互参照編集機能14Aの重要画面。知識要素1の内部構造化情報28、すなわちブロック6やセル7の構成を表示する。この画面から個々の知識要素1のページ編集に移る。
18 外部構造表示編集画面 図26
知識構造と知識内容の交互参照編集機能14Aの重要画面。知識の外部構造化情報を表示する。
19 ページ編集画面 図29
ページ8を編集する画面で、画面編集識別子30を用いて個別に編集画面を指定できる。
20 知識要素テーブル情報 図12
知識要素1の論理レコード情報27はすべてセル7を構成単位2とし同じ構成にするので、論理的にも物理的にもひとつの知識要素テーブル情報20に纏められる。
21 目的手段知識要素テーブル情報 図16
目的手段知識要素3Aを表現する知識要素テーブル情報20。
23 関係力知識要素テーブル情報
関係力知識要素3Cを表現する知識要素テーブル情報20。
24 拡張オブジェクト知識要素テーブル情報 図15
拡張オブジェクト知識要素3Bを表現する知識要素テーブル情報20。
25 関係性テーブル情報 図19
知識要素1間の関係性情報は知識要素テーブル情報20と切り離して全てこのテーブル情報で持つ。構造は関係する上位、下位の知識要素名1と関係性種別33が主であるが、そのほか知識セキュリテイ保護34のために関係性スコープ32などの項目を持つ。
26 雛形知識テーブル情報 図18
知識要素テーブル情報と同じ構造を持つ。
27 論理レコード情報 図15、図16、図17
知識要素テーブル情報20で知識を保持する単位でセル7単位である。
28 内部構造化情報 図13
知識要素テーブル情報20の論理レコード情報27を一意に決めるキー部で知識要素名1+知識要素種別名1+ブロック種別名+セル種別名+セル追番。
29 雛形知識名 図18
雛形知識テーブル情報26から雛形知識名29をキーとして雛形知識13Aを引き出す。
30 画面編集識別子 図29
知識要素テーブル情報20の論理レコード情報27内に保持する情報で、3種類のページ編集画面19の識別情報。
31 知識ビュー 図20
知識要素1のアクセス権を知識ビュー31で切り分ける。対話者に付与された知識ビュー31に属する知識要素1しか参照更新できない。知識ビュー31は知識範疇系33Bのひとつであるが特別にセキュリテイ保護系33Cの体系として扱う。
32 関係性スコープ 図21
関係性情報のアクセス権を関係性スコープ32で切り分ける。対話者に付与された関係性スコープ32を持つ関係性情報しか参照更新できない。
33 関係性種別 図19
知識の一塊りを形成する知識要素1間を階層関係で繋ぐ関係性を識別するもので、ITで用いるIS−A関係やPART OF関係などのリレーションとは異なる。
33A 目的展開系 図20
関係性種別の中で目的展開系33Aは目的手段知識要素3Aを中心とした知識の繋がりを表す。
33B 知識範疇系 図20
関係性種別の中で知識を体系化、範疇化するための知識の繋がりを表す。
33C セキュリテイ保護系 図20
知識範疇系33Bと同じ機能であり、特別に知識セキュリテイ保護34の目的で使用するものを区別したもの。
34 知識セキュリテイ保護機能 図10
知識セキュリテイ保護のため、また知識使用の利便性のためにデータの利用を制限する機能。知識ビュー31や関係性スコープ32という考え方を使う。

Claims (3)

  1. 思考の過程において対話型で知識の生成や知識の共有を支援する対話型知識データベースシステム12であり、次の4つの機能のいずれかをそれぞれ個別に述べる構造で実現しているもの。
    1)知識構造化データベース機能12A
    2)論理チェック機能を強化した知識構造化データベース機能12A
    3)雛形知識生成・チェック機能13
    4)知識構造と知識内容の交互参照編集機能14A

    1)の知識構造化データベース機能12Aを実現する構造とは、次に述べるA.内部が構造化された知識要素テーブル情報20とB.知識要素1間を繋ぐ外部構造化情報(関係性テーブル情報25)を別々に知識データベース12上に有し、そこから階層的に繋がった特定の一塊の知識要素1のみを画面上に取り出して対話処理できるようにしたシステムの仕組みである。知識データベース12から特定の階層知識のみを選択し対話処理を行うには例えば、請求項3−5)で述べる仕組みで知識要素1の塊りを取り出し、請求項1−4)で述べる仕組みで画面に表示し編集する。

    A.知識要素1を収納する知識データベース12として目的やその実現手段を展開する目的手段知識要素3Aとそれから参照され手段の論拠となる事実を表現する関係力知識要素3Cやものやことを明細に定義・表現する拡張オブジェクト知識要素3B等を収納する数種類のそれ自身で完結した知識要素テーブル情報20を持ち、且つ知識要素1の内部は幾つかの構成単位2に分割し且つ構成単位2内に知識内容を持つもの。
    B.外部構造化情報とは、知識要素1間の繋ぎ情報だけを括りだし階層関係の上位と下位の知識要素1同士を対比させた関係性テーブル情報25である。これにより知識は、細分化され完結した幾つかの知識要素1が外部の構造化情報で連結されて、全体として階層構造をなす。

    2)の論理チェック機能を強化した知識構造化データベース機能12Aを実現する構造とは、内部が構造化された知識要素テーブル情報20と知識要素1間を繋ぐ外部構造化情報(関係性テーブル情報25)を別々に有する知識データベースシステム12であり、且つ論理構成の重要なチェックポイントを容易に検証できるようにするために知識データベース12の中の少なくとも一種類の知識要素1の構成単位2は、例えば上位目的から部分目的や部分機能へ知識要素1が複数個に分岐する場合の妥当性を表現する情報や手段のシナリオ仮説の段階的推移などを他の構成単位2と切り分けて表わせるようにしたもの。

    3)の雛形知識生成・チェック機能13を実現する構造とは、次のA,B,C、Dで述べる四つの仕組みを同時に持つシステムの仕組みである。

    A.知識要素1の内部の構成単位2は、最小の共通の構成単位2とそれを幾つか括った構成単位2で構成し、且つ知識要素1の種類に応じて構成単位2の編成を柔軟に変えられるようにし、且つ構成単位2の知識要素1内の包含関係を示す内部構造化情報28と知識内容を持つもの。
    B.内部構造化情報28を含む構成単位2を組み合わせた知識要素1別の雛形知識13Aをユーザが定義し、それを雛形知識テーブル情報26に保存できる仕組み。
    C.対話の過程で知識要素1を生成する時、その雛形知識13Aを雛形知識テーブル情報26からコピーし、知識要素テーブル情報20に生成できる仕組み。コピー生成された対話の下地となる構成単位2には書き込む内容が定められているため知識の切り出し方を暗黙的に対話者に指し示すことになる。
    D.コピー生成された対話の下地となる構成単位2がその後の対話プロセスで元の望ましい形から逸れていないか随時チェックできる仕組み。Dを実現するために例えば請求項1−4)で述べる対話の仕組みを適用する。

    4)の知識構造と知識内容の交互参照編集機能14Aを実現する構造とは、次のA,B,Cの仕組みを同時に持つ対話編集の仕組みである。
    A.知識の階層構造(外部構造化情報)や内部構造化情報28を参照できる構造表示画面を対話処理で持つ。画面で情報が足りない場合は帳票出力する。
    B.構造表示画面から編集したい知識要素1の最小構成単位2を呼び出し、編集することができる。つまり構造表示画面で最小構成単位2を指定すると、指定された最小構成単位2の編集画面が立ち上がり画面編集できる。
    C.ページ画面編集が終了したらまたもとの構造表示画面に戻る。A、B、Cを繰り返し行うことで、常に知識の全体構造を確認しながら、個別のページ編集処理を交互に行うシステムの仕組み。
  2. 知識データベース12上では異種、異質の知識体系によりネットワーク状に繋がった知識要素1が存在する。その中から特定の繋がりだけを選択して扱えるようにするための知識体系選択機能5)もしくはその知識体系の選択機能を応用したセキュリテイ保護機能6)のいずれかが、それぞれ個別に述べる構造を持つシステム。
    5)関係性種別33による知識体系の選択機能
    6)知識セキュリテイ保護機能34

    5)の関係性種別33による知識体系の選択機能を実現する構造とは、次のA,Bの仕組みを同時に持つ仕組みである。

    A.関係性テーブル情報25に関係性種別33項目を設け、その項目で知識の体系を切り分ける。同じ知識要素1が異なる体系にも含まれるので、知識要素1自体ではなく関係性情報で体系を区別する。
    B.対話の始め、または対話の途中でどれかの関係性種別33を選んで、その後再選択するまで対話処理する知識の体系をすっぱり切り分ける。異なる関係性種別33で繋がれた知識要素1は知識データベース12から読み捨てられ、選んだ関係性種別33で繋がれた知識要素1だけが読み込まれる。違った体系を混在させて画面表示や処理はしない。

    6)の知識セキュリテイ保護機能34を実現する構造とは、
    関係性テーブル情報25の関係性種別33による知識体系の選択機能をデータの隠蔽機能として応用し、セキュリテイ目的専用に関係性スコープ32を設けることで知識の一部を隠蔽してセキュリテイ保護を働かせる仕組み、
    もしくは関係性種別33のひとつとしてセキュリテイ保護系33Cの新たな知識体系を設け、その上位の知識要素1に知識のアクセス管理グループである知識ビュー31を登録し、特定のアクセス管理グループに所属する知識のみを利用者に使えるようにしたセキュリテイ保護の仕組み。
  3. 請求項1を適用したシステムであり、知識要素1の最小構成単位2を数種類のページ情報のセットで構成し、かつそれをコンピュータ画面で容易に表示編集できるようにするために次の構造にしたもの。

    知識要素1の最小構成単位2を数種類の異質な表現形式のセットで構成し、知識要素テーブル情報20の論理レコード情報27にそのセットと対応する画面編集識別子30を含み、且つ各セットはXMLタグ等で区分し、
    且つ
    その論理レコード情報27を構造表示画面(明細書の例では内部構造表示編集画面17)で先読みし、構造表示画面で編集したい知識要素1の構成単位(明細書ではページ)を選択すると、それに対応した画面編集識別子30を持つ編集画面19が立ち上がり、異質なデータの画面編集を可能にした構造。
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