JP2012007905A - ガラス線量計読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化・低価格化を可能とし、かつ、蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を広範囲に渡って精度良く読み取ることができるガラス線量計読取装置を提供する。
【解決手段】ガラス線量計読取装置は、蛍光ガラス素子10に照射された放射線線量を読み取る装置であり、照射部20、光電子増倍管30、光子計数部50、光源制御部60および線量算出部80を備えている。照射部20は、電源24から供給された電流値に応じた強度の紫外線20aを発する光源22を備え、蛍光ガラス素子10に紫外線20aを照射する。光子計数部50は、光電子増倍管30が出力した信号をA/D変換して得た出力パルスの数をカウントする。光源制御部60は、出力パルスの数に基づいて光源22に供給される電流値を制御する。線量算出部80は、出力パルスの数および光源22に供給された電流値に基づいて蛍光ガラス素子10に照射された放射線線量を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス線量計読取装置は、蛍光ガラス素子10に照射された放射線線量を読み取る装置であり、照射部20、光電子増倍管30、光子計数部50、光源制御部60および線量算出部80を備えている。照射部20は、電源24から供給された電流値に応じた強度の紫外線20aを発する光源22を備え、蛍光ガラス素子10に紫外線20aを照射する。光子計数部50は、光電子増倍管30が出力した信号をA/D変換して得た出力パルスの数をカウントする。光源制御部60は、出力パルスの数に基づいて光源22に供給される電流値を制御する。線量算出部80は、出力パルスの数および光源22に供給された電流値に基づいて蛍光ガラス素子10に照射された放射線線量を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線励起により蛍光ガラス素子が発する蛍光の強度に基づいて、蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を読み取るガラス線量計読取装置に関する。
蛍光ガラス素子は、放射線被ばく線量を測定するための検出素子として、原子力分野や医療分野などの放射線を取り扱う分野において広く用いられている。蛍光ガラス素子は、例えば、銀イオンを含有したリン酸塩ガラスからなる。放射線が照射されて活性化された蛍光ガラス素子は、波長300〜400nmの紫外線の照射により励起すると、蛍光を発する(いわゆるラジオフォトルミネッセンス現象。以下、「RPL現象」という。)。この蛍光強度は、蛍光ガラス素子に照射された放射線線量(以下、「被照射線量」という。)に比例することから、蛍光強度を測定することによって、被照射線量を読み取ることができる(例えば、特許文献1および2参照)。
蛍光ガラス素子の被照射線量は、ガラス線量計読取装置(以下、「読取装置」という。)を用いて読み取られる。一般的な読取装置は、固体レーザ発振器などの励起光光源、光電子増倍管、アナログ積算部、および、線量算出部を備えている。
被照射線量の読取りは、蛍光ガラス素子を読取装置に装着して行われる。まず、固体レーザ発振器が発したレーザ光を紫外線透過フィルタに通して紫外線を選択的に取り出して、蛍光ガラス素子に照射する。そうすると、蛍光ガラス素子は、被照射線量に比例した強度の蛍光を発する。続いて、光電子増倍管を用いて、蛍光ガラス素子が発した蛍光を電流信号に変換した後、アナログ積算部において、互いに時刻の異なる第1および第2のサンプリング時間における信号量を求める。
その後、線量算出部において、第1および第2のサンプリング時間における信号量から蛍光強度、ひいては、蛍光ガラス素子の被照射線量を算出する。ここで、蛍光ガラス素子が発する蛍光成分には、RPL現象による成分の他に、ノイズ成分が含まれている。このノイズ成分には、蛍光ガラス素子固有の減衰時定数の短い第1のノイズ成分(いわゆるプレドース成分)、ガラス素子表面に付着した汚れなどから発せられる減衰時定数の短い第2のノイズ成分、および、原因不明の減衰時定数の長い第3のノイズ成分が含まれている。そのため、線量算出部において、各成分の減衰時定数の差異を利用して、RPL現象による成分とノイズ成分とを時間分解し、ノイズ成分を除去する。そして、RPL現象による成分から被照射線量を算出する。このようにして、蛍光ガラス素子の被照射線量を精度良く読み取ることができる(例えば、特許文献3参照)。
上述したとおり、読取装置の励起光光源には、通常、固体レーザ発振器のような出力エネルギーの高い光源が用いられるが、固体レーザ発振器は、大型かつ高価であるため、読取装置も、大型かつ高価になってしまう。そこで、読取装置の小型化・低価格化のニーズに応えるために、読取装置の励起光光源として、発光ダイオード(LED)を用いることが提案されている。
しかし、発光ダイオード(LED)は、固体レーザ発振器に比べて、出力エネルギーが小さい。そのため、蛍光ガラス素子の被照射線量が小さいと、RPL現象により生じる蛍光強度が微弱になってしまう。このような場合に、上述したアナログ積算方式を用いて光電子増倍管からの出力信号の処理を行うと、S/N比が小さくなってしまい、線量算出部において、RPL現象による成分とノイズ成分とを十分に分解できず、被照射線量を精度良く算出することができない。すなわち、アナログ積算方式を用いると、低線量の被照射線量を精度良く読み取ることができない。
そこで、上述したアナログ積算方式に代えて、フォトンカウンティング方式(光子計数法)を用いることが考えられる。フォトンカウンティング方式を用いた読取りは、光子計数部において、光電子増倍管からのパルス電気信号を電流/電圧変換(以下、「I/V変換」という。)およびアナログ/デジタル変換(以下、「A/D変換」という。)して出力パルスを得て、互いに時刻の異なる第1および第2のサンプリング時間あたりの出力パルスの数(以下、「カウント値」という。)をカウントする。そして、線量算出部において、カウント値から被照射線量を算出する。
ここで、図8は、カウント値とカウント漏れの割合との関係の一例を示したグラフである。図8から、カウント値が10000までは、カウント漏れはほとんど生じないが、カウント値が10000を超えると、カウント漏れが大きくなることが分かる。蛍光ガラス素子の被照射線量が大きく、蛍光強度が強い場合には、出力パルスが過密となり、複数の出力パルスが重なり合ってしまう。そうすると、光子計数部において、重なり合った複数の出力パルスが1個の出力パルスとしてカウントされてしまい、カウント漏れが生じてしまう。その結果、線量算出部において、読取量が実際の被照射線量より低く算出されてしまう。すなわち、フォトンカウンティング方式を用いると、高線量の被照射線量を精度良く読み取ることができない。
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、小型化・低価格化を可能とし、かつ、蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を広範囲に渡って精度良く読み取ることができるガラス線量計読取装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るガラス線量計読取装置は、蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を読み取る装置であって、電源、および、前記電源から供給された電流値に応じた強度の紫外線を発する光源を備えて、前記蛍光ガラス素子に紫外線を照射する照射部と、前記蛍光ガラス素子が発した蛍光を検出して電気信号を出力する光電変換部と、前記光電変換部が出力した電気信号をアナログ/デジタル変換して得た出力パルスの数をカウントする光子計数部と、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数および前記光源に供給された電流値に基づいて前記蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を算出する線量算出部と、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数に基づいて前記光源に供給される電流値を制御する光源制御部と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、小型化・低価格化を可能とし、かつ、蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を広範囲に渡って精度良く読み取ることができるガラス線量計読取装置を提供することができる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るガラス線量計読取装置について、図1ないし図5を用いて説明する。
本発明の第1の実施形態に係るガラス線量計読取装置について、図1ないし図5を用いて説明する。
まず、本実施形態に係るガラス線量計読取装置の構造・構成の概要について、図1および図2を用いて説明する。図1は、ガラス線量計読取装置の全体構成図である。図2は、ガラス線量計読取装置の概略構造を示した部分断面図である。
本実施形態に係るガラス線量計読取装置は、蛍光ガラス素子10に照射された放射線線量を読み取る装置である。蛍光ガラス素子10は、被照射線量を測定するための検出素子であり、例えば、銀イオンを含有したリン酸塩ガラスからなる。放射線が照射されて活性化された蛍光ガラス素子10は、波長300〜400nmの紫外線20aの照射により励起すると、蛍光10aを発する。読取装置は、蛍光ガラス素子10が発する蛍光10aの強度が蛍光ガラス素子10の被照射線量に比例する特性を利用して、蛍光ガラス素子10の被照射線量を読み取る。
本実施形態に係るガラス線量計読取装置は、照射部20、光電変換部、および、コントローラユニット40などを備えている。本実施形態において、光電変換部は、光電子増倍管30である。
照射部20は、蛍光ガラス素子10に紫外線20aを照射する役割を果たす。照射部20は、光源22、電源24、半球レンズ26、および、紫外線透過フィルタ28を備えている。
本実施形態では、光源22は、例えば発光ダイオードであり、電源24から供給された電流値に応じた強度の光を発する。電源24は、例えば可変電流電源であり、後述する光源制御部60により制御される。
光源22が発した光は、半球レンズ26を通過して集光された後、紫外線透過フィルタ28を透過して、紫外線20aのみが蛍光ガラス素子10の側面に照射される。ここで、紫外線透過フィルタ28は、光源22が発した光のうち波長300〜400nmの紫外線20aを選択的に透過させる。上述したとおり、放射線が照射された蛍光ガラス素子10は、照射部20からの紫外線20aが照射されると、蛍光10aを発する。
照射部20は、図2に示したように、矩形状の第1ケース120内に収納されている。第1ケース120は、底板122および上蓋124から構成されていて、上蓋124が底板122に対して開閉可能に取り付けられている。
底板122には、図2に示したように、第1ケース120の内部を第1空間120aと第2空間120bとに仕切る隔壁126が形成されている。光源22、電源24、半球レンズ26、および、紫外線透過フィルタ28は、第1空間120aに収納されている。また、蛍光ガラス素子10は、第2空間120bに設置される。隔壁126には、スリット126aが形成されていて、紫外線透過フィルタ28を通過した紫外線20aは、スリット126aを通過して、蛍光ガラス素子10に照射される。隔壁126は、第1空間120a内の散乱光が蛍光ガラス素子10に入射するのを防ぐ役割を果たす。
被照射線量の読取りは、上蓋124を開いて、矩形板状の蛍光ガラス素子10を底板122の第2空間120b側に形成されたガラス素子保持部122aに装着した後、上蓋124を閉めて行われる。上蓋124を閉めた状態では、第1ケース120の内部は、暗室となっている。
蛍光ガラス素子10の側面に紫外線20aが照射されると、蛍光ガラス素子10の下面側から蛍光10aが発せられる。蛍光10aは、底板122に形成された出射窓122bを通って、第1ケース120の下方に設けられた第2ケース128内に入射する。第2ケース128内に入射した蛍光10aは、半球レンズ112を通過して平行光にされた後、ミラー114により方向転換される。その後、蛍光10aは、干渉フィルタ116を通過した後、半球レンズ118を通過して集光されて、光電子増倍管30に入射する。なお、第1ケース120内の紫外線20aが第2ケース128内に入射しないように、第2ケース128の入射窓128bは、紫外線除去フィルタ110で塞がれている。
光電子増倍管30は、光電効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電管の一種であって、電流増幅(電子増倍)機能を有する高感度光検出器である。光電子増倍管30に入射した蛍光10aは、光電陰極から光電子を叩き出す。叩き出された光電子は、印加電圧により加速されて第1ダイノードに衝突して、光電子1個あたり複数個の二次電子を叩き出す。叩き出された二次電子は、第2ダイノードに衝突して、より多くの二次電子を叩き出す。光電子増倍管30は、これを繰り返すことにより二次電子を増倍して、陽極に到達した二次電子を、パルス電流信号30aとして取り出す。
光電子増倍管30は、図2に示したように、第2ケース128と隣接して、第1ケース120の下方に設けられている。光電子増倍管30の側面には、冷却用のヒートシンク32が取り付けられている。
コントローラユニット40は、光子計数部50、光源制御部60、線量算出部80、記録部90、および、表示部100を備えている。
光子計数部50は、光電子増倍管30が出力したパルス電気信号30aをI/V変換およびA/D変換して得た出力パルスの数を、光子計数法を用いてカウントする。光源制御部60は、光子計数部50がカウントした出力パルスの数に基づいて、光源22に供給される電流値を制御する。線量算出部80は、光子計数部50がカウントした出力パルスの数および光源22に供給された電流値に基づいて、蛍光ガラス素子10の被照射線量を算出する。また、表示部100は、例えばディスプレイであって、線量算出部80が算出した被照射線量を表示する。
コントローラユニット40は、光電子増倍管30と隣接して、第1ケース120の下方に設けられている。コントローラユニット40の光源制御部60は、ケーブル42を介して、照射部20の電源24に接続されている。
次に、光子計数部50について、図3を用いて、詳細に説明する。図3は、ガラス線量計読取装置の光子計数部を説明するための部分構成図である。
光子計数部50は、I/V変換・増幅部52、A/D変換部54、および、カウント部56を有している。
I/V変換・増幅部52は、光電子増倍管30が出力したパルス電流信号30aを受信して、I/V変換回路および増幅回路により、パルス電圧信号52aを生成して、出力する。
A/D変換部54は、I/V変換・増幅部52が出力したパルス電圧信号52aを受信して、比較回路により、パルス電圧信号52aの値を所定のしきい値と比較する。そして、A/D変換部54は、パルス電圧信号52aの値がしきい値より低い場合には、ノイズ成分と判断して「0」を出力して、パルス電圧信号52aの値がしきい値より高い場合には、信号成分と判断して「1」を出力する。このようにして、A/D変換部54は、デジタルパルス信号54aを出力する。
カウント部56は、A/D変換部54が出力したデジタルパルス信号54aを受信して、デジタルパルス信号54aに含まれる単位時間あたりの出力パルスの数をカウントする。
詳しくは、カウント部56は、光源22の発光後2μsecから7μsecまでの5μsec間(以下、「第1のサンプリング時間」という。)および光源22の発光後40μsecから45μsecまでの5μsec間(以下、「第2のサンプリング時間」という。)における出力パルスの数をカウントする。本実施形態では、1回の計測につき、光源22を20000回発光させて、蛍光ガラス素子10を20000回発光させる。そして、カウント部56は、20000個のデジタルパルス信号54aを受信して、20000回分の出力パルスの数を積算する。すなわち、カウント部56は、第1のサンプリング時間における出力パルスの積算数(以下、「第1のカウント値」という。)、および、第2のサンプリング時間における出力パルスの積算数(以下、「第2のカウント値」という。)を求める。カウント部56は、第1のカウント値および第2のカウント値を含むカウント値データ56aを出力する。
ここで、光電子増倍管からの出力信号の処理に光子計数法を用いると、上述したとおり、蛍光強度が強く、サンプリング時間に検出されるフォトンの数が極端に多いと、カウント漏れが生じてしまう。一方、蛍光強度が微弱で、サンプリング時間に検出されるフォトンの数が極端に少ないと、カウント値のばらつきが大きくなってしまう。
そこで、本実施形態に係るガラス線量計読取装置の光源制御部60は、カウント値を適正範囲に収めるために、照射部20の照射量をフィードバック制御する。光源制御部60について、図4および図5を用いて、詳細に説明する。図4は、ガラス線量計読取装置の光源制御部および線量算出部を説明するための部分構成図である。図5は、ガラス線量計読取装置の電流値決定部が決定する電流値を示した表である。
光源制御部60は、データ送信部62、再計測要否判定部64、電流値決定部66、および、制御信号出力部68を有している。
データ送信部62は、カウント部56が出力したカウント値データ56aを受信して、カウント値データ56aを再計測要否判定部64および線量算出部80に送信する。
再計測要否判定部64は、カウント値データ56aを受信して、カウント値が所定の範囲に収まっているか否かを判定する。本実施形態では、再計測要否判定部64は、第1のカウント値が1000以上であるか否かを判定する。再計測要否判定部64は、カウント値が1000以上である場合には、線量算出部80に算出指示信号64aを出力する。
一方、再計測要否判定部64は、カウント値が1000未満である場合には、電流値決定部66に再計測指示信号64bを出力する。
電流値決定部66は、再計測指示信号64bを受信すると、記録部90から光源22に供給された電流値(例えば0.4mA)を含む電流値データ90aを読み込んで、その電流値より大きい電流値(例えば4mA)を決定する。そして、電流値決定部66は、決定した電流値(4mA)を含む電流値データ66aを記録部90および制御信号出力部68に出力する。記録部90は、電流値データ66aを保存する。
制御信号出力部68は、電流値データ66aを受信すると、ケーブル42を介して、電源24に制御信号68aを出力して、電源24から光源22に40mAの電流を供給させる。
このようにして、照射部20は、再度、蛍光ガラス素子10に紫外線20aを照射して、蛍光ガラス素子10を発光させる。そして、カウント部56は、カウント値を再計測して、新たなカウント値データ56aを出力する。光源制御部60は、カウント値が1000以上になるまで、上述の動作を繰り返して、光源22に供給される電流値を制御する。
なお、本実施形態では、図5に示したように、第1回目の計測時の電流値は、0.4mAに設定されている。電流値決定部66は、第2回目の計測時の電流値を4mA、第3回目の計測時の電流値を40mA、第4回目の計測時の電流値を400mAに決定する。このように、電流値決定部66は、再計測時には、前回の計測時の電流値の10倍の電流値を決定する。
次に、線量算出部80について、図4を用いて、詳細に説明する。
線量算出部80は、再計測要否判定部64が出力した算出指示信号64aを受信すると、データ送信部62から受信したカウント値データ56aに含まれるカウント値、および、記録部90から読み込んだ電流値データ90aに含まれる電流値に基づいて、蛍光ガラス素子10の被照射線量を算出する。
詳しくは、線量算出部80は、RPL現象による成分とノイズ成分との減衰時定数が互いに異なることを利用して、RPL現象による成分とノイズ成分とを時間分解して、ノイズ成分を除去する。具体的には、線量算出部80は、第1のカウント値から第2のカウント値を差し引いて、ノイズ成分に起因する出力パルスを除去して、RPL現象に起因する出力パルスの積算数(すなわち、ノイズ除去後のカウント値)を求める。その後、線量算出部80は、光源22に供給された電流値とRPL現象に起因する出力パルスの数との関係から、被照射線量を算出する。
線量算出部80は、算出した被照射線量を含む線量データ80aを表示部100に出力する。表示部100は、線量データ80aを受信して、被照射線量を表示する。
本実施形態に係るガラス線量計読取装置の効果について説明する。
本実施形態によれば、光電子増倍管からの出力信号の処理に光子計数法を用いるため、大型かつ高価な固体レーザ発振器などの出力エネルギーの高い光源の代わりに、発光ダイオードなどの出力エネルギーの低い光源を採用することができる。その結果、ガラス線量計読取装置を小型化かつ安価にすることができる。
また、本実施形態によれば、蛍光ガラス素子10の被照射線量が小さく、蛍光強度が微弱な場合、光源制御部60により、カウント値が適正範囲(例えば、1000以上)に収まるように照射部20の照射量をフィードバック制御する。そして、適正範囲に収まったカウント値に基づいて被照射線量を算出する。したがって、低線量の被照射線量について精度良く読み取ることができる。
さらに、本実施形態によれば、光源制御部60は、再計測を行う度に照射部20の照射量を徐々に上げて、蛍光ガラス素子10の発光強度を徐々に強くする。そのため、光電子増倍管30の受光面が損傷しにくい。また、カウント値も小さな値から徐々に大きくなるため、カウント漏れも生じにくい。したがって、高線量の被照射線量について精度良く読み取ることができる。
以上より、本実施形態に係るガラス線量計読取装置は、小型化かつ安価であり、かつ、被照射線量を広範囲に渡って精度良く読み取ることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るガラス線量計読取装置について、図6および図7を用いて説明する。図6は、ガラス線量計読取装置の光源制御部および線量算出部を説明するための部分構成図である。図7は、ガラス線量計読取装置のカウント部がカウントしたカウント値と電流値決定部が決定する電流値との対応関係を示した表である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係るガラス線量計読取装置について、図6および図7を用いて説明する。図6は、ガラス線量計読取装置の光源制御部および線量算出部を説明するための部分構成図である。図7は、ガラス線量計読取装置のカウント部がカウントしたカウント値と電流値決定部が決定する電流値との対応関係を示した表である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態では、第1回目の計測時の電流値は、10mAに設定されている。第1の実施形態と同様に、カウント部56は、第1のカウント値および第2のカウント値を含むカウント値データ56aを出力する。
データ送信部62は、カウント部56が出力したカウント値データ56aを受信して、カウント値データ56aを再計測要否判定部64、電流値決定部66、および、線量算出部80に送信する。
再計測要否判定部64は、カウント値データ56aを受信して、第1のカウント値が1000以上10000未満に収まっているか否かを判定する。再計測要否判定部64は、カウント値が所定の範囲に収まっている場合には、線量算出部80に算出指示信号64aを出力する。
一方、再計測要否判定部64は、第1のカウント値が1000以上10000未満に収まっていない場合には、電流値決定部66に再計測指示信号64bを出力する。電流値決定部66は、再計測指示信号64bを受信すると、図7に示したカウント値と電流値との対応関係に基づいて、カウント値データ56aに含まれるカウント値に対応する電流値を選び出す。例えば、電流値決定部66は、第1回目の計測時のカウント値が500である場合には、電流値を50mA(第3レンジ)に決定する。また、第1回目の計測時のカウント値が15000である場合には、電流値を5mA(第4レンジ)に決定する。
本実施形態によれば、1度のフィードバック制御によって、カウント値を適正範囲に近づけて、被照射線量を算出する。そのため、本実施形態によれば、第1の実施形態に比べて、被照射線量の読取り時間を短くすることができる。
[他の実施形態]
上記の実施形態は、単なる例示であって、本発明は、これらに限定されることはない。上記の実施形態では、光源22として、発光ダイオードを用いたが、レーザダイオードを用いても良い。また、上記の実施形態では、光電変換部として、光電子増倍管30を用いたが、アバランシェフォトダイオード(APD)を用いても良い。さらに、光子計数部50、光源制御部60および線量算出部80は、1以上のコンピュータによって構成されても良い。
上記の実施形態は、単なる例示であって、本発明は、これらに限定されることはない。上記の実施形態では、光源22として、発光ダイオードを用いたが、レーザダイオードを用いても良い。また、上記の実施形態では、光電変換部として、光電子増倍管30を用いたが、アバランシェフォトダイオード(APD)を用いても良い。さらに、光子計数部50、光源制御部60および線量算出部80は、1以上のコンピュータによって構成されても良い。
また、上記の実施形態では、再計測要否判定部64において、第1のカウント値が適正範囲に収まっているか否かを判断したが、第2のカウント値が適正範囲に収まっているか否かを判断しても良い。
また、上記の実施形態では、ノイズ成分の除去処理は、線量算出部80で行われているが、カウント部56で行われても良い。すなわち、カウント部56は、ノイズ成分の除去処理を行って、RPL現象に起因する出力パルスの積算数(すなわち、ノイズ除去後のカウント値)を含むカウント値データ56aを生成する。そして、再計測要否判定部64は、ノイズ除去後のカウント値が適正範囲に収まっているか否かを判断しても良い。
さらに、集光およびコリメートに使用している半球レンズ26,112は、コリメート光が得られるものであれば、非球面レンズや球レンズなどを使用しても良い。同様に、半球レンズ118についても、非球面レンズや球レンズ、あるいは、光ファイバケーブルなどを用いても良い。
10…蛍光ガラス素子、10a…蛍光、20…照射部、20a…紫外線、22…光源、24…電源、26…半球レンズ、28…紫外線透過フィルタ、30…光電子増倍管、30a…パルス電流信号、32…ヒートシンク、40…コントローラユニット、42…ケーブル、50…光子計数部、52…I/V変換・増幅部、52a…パルス信号(電圧信号)、54…A/D変換部、54a…デジタルパルス信号、56…カウント部、56a…カウント値データ、60…光源制御部、62…データ送信部、64…再計測要否判定部、64a…算出指示信号、64b…再計測指示信号、66…電流値決定部、66a…電流値データ、68…制御信号出力部、68a…制御信号、80…線量算出部、80a…線量データ、90…記録部、100…表示部、110…紫外線除去フィルタ、112…半球レンズ、114…ミラー、116…干渉フィルタ、118…半球レンズ、120…第1ケース、120a…第1ケース内の第1空間、120b…第1ケース内の第2空間、122…第1ケースの底板、122a…ガラス素子保持部、122b…出射窓、124…第1ケースの上蓋、126…隔壁、126a…スリット、128…第2ケース、128b…入射窓
Claims (10)
- 蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を読み取るガラス線量計読取装置であって、
電源、および、前記電源から供給された電流値に応じた強度の紫外線を発する光源を備えて、前記蛍光ガラス素子に紫外線を照射する照射部と、
前記蛍光ガラス素子が発した蛍光を検出して電気信号を出力する光電変換部と、
前記光電変換部が出力した電気信号をアナログ/デジタル変換して得た出力パルスの数をカウントする光子計数部と、
前記光子計数部がカウントした出力パルスの数および前記光源に供給された電流値に基づいて前記蛍光ガラス素子に照射された放射線線量を算出する線量算出部と、
前記光子計数部がカウントした出力パルスの数に基づいて前記光源に供給される電流値を制御する光源制御部と、
を具備したことを特徴とするガラス線量計読取装置。 - 前記光源制御部は、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数が所定の範囲に収まるように前記光源に供給される電流値を制御することを特徴とする請求項1に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光源制御部は、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数が所定の値以下である場合には前記光源に供給される電流値を上げることを特徴とする請求項2に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光源制御部は、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数が所定の値以上である場合には前記光源に供給される電流値を下げることを特徴とする請求項2または3に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光源制御部は、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数が所定の範囲に収まるまで前記光源に供給される電流値を繰り返し制御することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光源制御部は、前記光子計数部がカウントした出力パルスの数が互いに異なる複数の範囲のうちのいずれかの範囲に属するかを判定して、属する範囲に応じて前記光源に供給される電流値を制御することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光源が発光ダイオードであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光源がレーザダイオードであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光電変換部が光電子増倍管であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のガラス線量計読取装置。
- 前記光電変換部がアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のガラス線量計読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010141582A JP2012007905A (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ガラス線量計読取装置 |
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JP2010141582A JP2012007905A (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ガラス線量計読取装置 |
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JP2010141582A Pending JP2012007905A (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | ガラス線量計読取装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012018077A (ja) * | 2010-07-08 | 2012-01-26 | Asahi Glass Co Ltd | ガラス線量計読取装置 |
JP2014202530A (ja) * | 2013-04-02 | 2014-10-27 | Agcテクノグラス株式会社 | 蛍光ガラス線量計測定方法、蛍光ガラス線量計測定装置 |
-
2010
- 2010-06-22 JP JP2010141582A patent/JP2012007905A/ja active Pending
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