JP2012005192A - 発電部品と、これを用いた発電装置及び通信モジュール - Google Patents

発電部品と、これを用いた発電装置及び通信モジュール Download PDF

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Akihiko Nanba
昭彦 南波
Katsu Takeda
克 武田
Shinsuke Nakazono
晋輔 中園
Kazuki Komaki
一樹 小牧
Shigeo Furukawa
成男 古川
Susumu Fukushima
奨 福島
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Abstract

【課題】異なる周波数特性の圧電振動子を並べて、発電部品の発電特性における発電量の高い周波数帯域を広げる場合、ある瞬間に、発電に寄与する圧電素子は、複数のうちの1個となってしまう。従って、同じ大きさの圧電部品と比較すると、その最大発電量は、減ってしまうことになる。
【解決手段】機械振動を伝播する機械振動伝播部102と、機械振動伝播部102に接続された第1振動部103と機械振動伝播部102に接続された第2振動部104とを備え、第1振動部103は第1圧電部105を有し、第2振動部104は第2圧電部106を有し、第1振動部103と第2振動部104とが機械振動伝播部102を介して結合することにより対称モード、或いは、斜対称モード、或いは、その両方で振動する発電部品、及び、発電装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部からの振動などによって、電気を発生する圧電部品を使った発電装置に関するものである。
家庭内や地球規模に至るまで、ネットワークでつなげてしまおうという社会の到来により、それらに使われる無数の機器端末や、センサー端末へのエネルギー供給をどうするのかという問題が出てくる。そこで、機器端末自体で、発電システムを持ち、自立的な電源供給を可能にするという自立型の端末が望まれる。そのキーとなる部品の一つが、自然環境中に分散して存在する、希薄分散エネルギーを回収し、活用する発電部品である。圧電材料を使った発電部品もその一つで、応力、或いは、歪みを電気に変える、いわゆる、圧電効果を使って電気を発生させ、それを取り出して使おうと言うものである。応力を発生させる元になるのが、希薄分散エネルギーで、例えば、自然環境中に存在する振動(以下、環境振動という)である。環境振動には、さまざまなものがあり、人体の歩行や走行などは、1〜4Hzの周波数で振動するものであり、家庭内や工場内の機器、或いは、車、電車などの移動体は、数十〜数百Hzの周波数で振動するものが多い。圧電材料を使った発電装置は、このような環境振動を元に、錘などを付けた片持ち梁構造の発電部品を振動させ、発生する電気(電荷)を取り出すものである。そして、環境振動の振動数(周波数)が、発電部品が有する固有振動数の時に、取り出す電力が最大となる。このような部品は、通常、100〜数百のQ値を有し、固有振動数で振動する、いわゆる共振の時に取りだせるエネルギーは、共振以外の時に比べ、最大で、Q値の2乗倍に相当することになる。つまり、大電力を取り出そうとすると、環境振動の周波数と、圧電部品の共振周波数をあわせる必要があり、急峻なピークを持つ圧電部品の共振特性に合致した環境振動しか取りだせないことになる。図17、及び、図18に、異なる共振周波数を有する圧電素子を複数並べて、発電装置の周波数特性を広帯域化させる従来技術を示す。図18で、211a〜211cは、圧電振動子であり、各々、異なる共振周波数を持つ。各々の振動子で、発生した電荷(電流)を整流回路212a〜212cで、整流し、コンデンサ213で平滑化し、直流電圧として取り出している。ここで、214は、保護用のツェナーダイオードである。図17は、各々の圧電振動子211a〜211cで発生する電荷量と、周波数の関係を示したもので、221a〜221cのように異なる共振特性を有すため、装置全体として、広帯域化が図られている。
特開平07−245970号公報
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、異なる周波数特性の圧電振動子を用いるため、ある瞬間に、特定の周波数の環境振動しか得られない場合、発電に寄与する圧電素子は、3個のうち1個となってしまう。従って、同じ大きさの圧電部品と比較すると、その最大発電量は、3分の1程度に、減ってしまうことになる。これを補おうとすると、実質的に、圧電部品を大型化したり、数を増やしたりするなどの工夫が必要となり、発電装置が大型化してしまうことになる。
そこで、本発明は、複数の圧電部品が同時に動作できるような構造とすることで、実質的な発電量を下げることなく、特性の広帯域化を図るというものである。広帯域化は、従来とは異なる振動モードを使うこと、或いは、複数の振動モードを使うことにより実現している。以上のことから、高い発電量と装置の小型化の両立を図ることを目的としている。
この目的を達成するために、本発明では、機械振動を伝播する機械振動伝播部と、機械振動伝播部に接続された第1振動部と機械振動伝播部に接続された第2振動部とを備え、第1振動部は第1圧電部を有し、第2振動部は第2圧電部を有し、第1振動部と第2振動部とが機械振動伝播部を介して結合することにより対称モード、或いは、斜対称モード、或いは、その両方で振動する発電部品、または発電装置としている。
上記構成により、同時に複数の振動部が動作することにより、効率的に発電することができ、発電装置を大型化することなく、広帯域な環境振動に対応する発電装置を提供することができる。
第1の実施の形態における発電部品の上面図 図1の1点鎖線ABでの断面図 (a)第1の実施の形態におけるシリコン部分のみを取り出した上面図、(b)(a)の1点鎖線CDでの断面図 第1の実施の形態におけるPZT部分のみを示した上面図 第1の実施の形態における整流回路と平滑コンデンサを示す回路図 第1の実施の形態における発電装置の発電量と周波数の関係を示す図 第1の実施の形態における発電部品の比較例の上面図 第1の実施の形態における比較例の構造でのコンダクタンスの周波数特性を示す図 第1の実施の形態におけるコンダクタンスと周波数の関係を示す図 (a)第1振動部103と第2振動部104の振動を模式的に表した斜視図(対称モード)、(b)x−z平面を見た時の断面図(対称モード) (a)第1振動部103と第2振動部104の振動を模式的に表した斜視図(斜対称モード)、(b)x−z平面を見た時の断面図(斜対称モード) 実施の形態2の発電量と周波数の関係を示す図 実施の形態3における間隔を変えた時の発電特性の変化を示す図 実施の形態3における機械振動伝播部の第2構成部材の厚みを変えた場合の発電量と周波数の関係を示す図 実施の形態3における機械振動伝播部の第2構成部材の厚みを変えた場合の対称モードの共振周波数f1と斜対称モードの共振周波数f2の関係を示す図 本発明の発電装置を使った通信モジュールのブロック図 従来例を示す図 従来例を示す図
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における発電部品101の上面図である。図中にx、y、zの方向を定義している。以降、本発明では、この定義に従う。図2は、図1の1点鎖線ABでの断面図である。図1、及び、図2で、第1振動部103、及び、第2振動部104は、機械振動伝播部102に連結・支持されており、各々の振動は、機械振動伝播部102を介して互いの振動部へ伝播する。言い換えると、第1振動部103と、第2振動部104は、機械振動伝播部102を介して、機械的に結合している。また、第1振動部103と第2振動部104は、単独では、概略、同じ共振周波数を有する片持ち梁構造の振動部となっている。なお、機械振動伝播部102は、図1及び図2では、102の破線で囲んだ領域内の部分がそれに相当する。
第1振動部103(図1及び図2において103の破線で囲んだ領域内の部分が相当する)は、第1振動板111の上方に設けられた第1下面電極113と、第1下面電極113の上面に当接して設けられた第1圧電部105と、第1圧電部105の上面に当接して設けられた第1上面電極部107と、第1振動板111の下方に設けられた錘119とから構成されている。第1圧電部105の上面に当接して設けられた第1上面電極部107は、引き出し電極を通して、第1aの端子電極115と接続されている。また、第1下面電極113は、第1bの端子電極117と電気的に接続されている。
また、第2振動部104(図1及び図2において104の破線で囲んだ領域内の部分が相当する)は、第2振動板112の上方に設けられた第2下面電極114と、第2下面電極114の上面に当接して設けられた第2圧電部106と、第2圧電部106の上面に当接して設けられた第2上面電極部108と、第2振動板112の下方に設けられた錘119から構成されている。第2圧電部106の上面に当接して設けられた第2上面電極部108は、引き出し電極を通して、第2aの端子電極116と接続されており、第2圧電部106の下面に当接して設けられた第2下面電極114は、第2bの端子電極118と電気的に接続されている。
なお、錘119は、環境振動による慣性力を拡大する役割を持ち、その重さを大きくすることにより、より低い環境振動強度で、大きく振動する構造とすることができる。
なお、特許請求の範囲に記載の第1電極部とは、第1振動部103の電極部分の事であり、具体的には第1下面電極と第1上面電極部のことを指す。同様に、特許請求の範囲に記載の第2電極部とは、第2振動部104の電極部分の事であり、具体的には第2下面電極と第2上面電極部のことを指す。
また、機械振動伝播部102は、その第1構成部材109(図1及び図2において109の破線で囲んだ領域内の部分が相当する)と、第2構成部材110で構成されており、図2で、機械振動伝播部102の第2構成部材110の底面(z−x平面内)で、土台149に固定されている。この土台は、製品の場合、例えば、パッケージ等に相当する。なお、土台149は、図1には、図示していない。なお、第1構成部材109は、第1振動部103、及び、第2振動部104とに連結されており、第2構成部材110は、第1構成部材109と直接的または間接的に連結されている。
次に、本実施の形態での構成、材料に関して、更に、詳細に説明する。第1振動板111と、第2振動板112と、錘119と、機械振動伝播部102の第1構成部材109の第1下面電極113よりも下の部分とは、シリコンをエッチングで部分的に除去することで、一体的に構成されている。図3(a)に、シリコン部分のみを取り出した上面図を、図3(b)に、1点鎖線CDでの断面図を示す。図3(b)において、斜線部分が、第1振動部103の構成部位で、波線部が、機械振動伝播部の構成部位となる。z方向を厚み方向とすると、第1振動板111の厚みは100μmで、錘119の厚みは480μmである。第1振動板111の上方に配置された第1下面電極113は白金からなる電極で、1μm以下の非常に薄い層で構成されている。
また、第1圧電部105はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)であり、スパッタリング等により形成されている。その厚みは、例えば、数μm〜10μm程度となっている。なお、図4に、PZT部分のみを示した上面図を示す。破線部分は、図3(a)に示したシリコン部分を示している。
図2において、機械振動伝播部102の第1構成部材109の厚みは、第1bの端子電極の厚みを無視すると、概略、第1振動板111と、第1振動板111の錘119が接続されていない側の端部に連結されたシリコン部分の厚みと、第1圧電部105(PZT)の厚みの和に等しく、580〜590μm程度となる。また、機械振動伝播部102の第2構成部材110は、ガラスエポキシで構成されており、その厚みは0.5〜数mmである。機械振動伝播部102の第1構成部材109と第2構成部材110とは、接着剤で接着されており、その材料としては、本実施の形態では、エポキシ系の材料を用いているが、他に、アクリレート系の材料やシリコーン系の材料などを用いても良い。
以上説明した発電部品101は、環境振動によって、第1振動部103及び第2振動部104が振動し、第1圧電部105と第2圧電部106とで発生する応力に応じて電荷が発生し、発電動作を行うことになる。また、振動は周期的に起こり、プラスとマイナスの応力が交互に発生することになるため、発生電荷の正負も交互に入れ替わることになり、結果、交流として発電されることになる。
一般的な、電子機器は、直流を電源とすることから、圧電部品からの交流電圧(電流)を直流に変換する必要がある場合が多い。その回路を図5に示す。
図5において、交流電圧(電流)を直流に変換する整流回路150は、正の電圧のみを出力するダイオードをリング状に並べた全波整流回路120と、整流された信号を平滑化して、直流出力とするためのコンデンサ121で構成されている。
本実施の形態では、図1における第1aの端子電極115と第2aの端子電極116とは、図5における第1の入力端子122へ電気的に接続され、また、図1における第1bの端子電極117と第2bの端子電極118とは、図5における第2の入力端子123へ電気的に接続されている。これにより、第1振動部103と第2振動部104で発電した同位相の電荷を合わせて、直流として、取り出すことができる。
図6に、本実施の形態の発電部品を用いた発電装置の発電量と周波数の関係を示す。ここで、発電装置とは、第1圧電部105に当接した第1電極部(第1上面電極部107と第1下面電極113とが該当)と、第2圧電部106に当接した第2電極部(第2上面電極部108と第2下面電極114とが該当)と、図5に示すように、第1電極部及び第2電極部と電気的に接続された整流回路150とを有したものである。図6において、横軸は、周波数で、縦軸が発電量である。本実施の形態の発電装置に対する比較例として、図7に示した第1振動部103と同じ構造の片持ち梁を単独で支持した構成の発電装置の特性124も、図6には併記している。尚、特性124は、図7に示す構造の発電部品を使った発電装置から得られる発電量を2倍にして標記したものである。図7における片持ち梁126は、第1振動部103(或いは、第2振動部104)と同じ構造を有しており、土台127に固定されている。端子電極128と端子電極129は、それぞれ、振動板の上面に当接した上面電極と、振動板の下面に当接した下面電極につながっており、同様に、図5で示した整流回路へつながっている。この発電部品が二つあると仮定して、その発電量を合計した値を図6中にプロットしたのが特性124に相当する。なお、図6の測定は、ある周波数の環境振動を想定して、発電部品101を加振器の上に乗せて、強制的に想定した強度の振動を加えることで、第1振動部103と第2振動部104を振動させ、発電量を測定している。また、加振する周波数を変化させることで、周波数特性を測定している。
図6で、本実施の形態の発電装置の場合の特性125は、特性124にくらべ、発電特性における発電量の高い周波数帯域が広がっているのが分かる。同じ振動で、意図的に発電部品のQのみを落とした場合、その発電量のピーク値も大きく下がることになるが、特性125は、発電量のピーク値をほぼ維持したまま、発電特性における発電量の高い周波数帯域が広がっている。このように、本実施の形態の構造を採用することで、大きな最大発電量を保った状態で、広帯域化を図ることが可能となる。
次に、この理由に関して、説明する。図8は、図7で説明した比較例の発電部品の構造におけるコンダクタンスの周波数特性を示す。コンダクタンスは、圧電特性を示すパラメータであり、その特性は、発電特性との相関も高い。つまり、コンダクタンスが高い部分では、発電量も高いという関係にあり、そのピーク周波数と発電量のピーク周波数は、概ね近い値を取る。また、複数の共振がある場合の、周波数の位置関係に関しても、概ね近い値を取ることになる。本実施の形態では、このコンダクタンス特性を、発電性能を推定する一つの指標としている。ここでは、例えば、周波数を掃引しながら、±0.3Vの振幅を持つ正弦波電圧を部品に印加して、測定を行っている。加振器などを用いた、振動測定では、発電部品101のように、複数の素子のうち一つだけ、例えば、第1振動部103のみを振動させて、測定すると言うことは、容易ではないが、このような電気的手法を用いた測定では、容易にそれが可能となる。これは、本来、電圧(或いは、電界)を加えた時に応力が発生するという圧電逆効果を見ていることになる。発電は、応力が加わった時に、電圧(或いは、電束密度)が発生するという圧電効果を使っているが、圧電逆効果と圧電効果が、基本的に、可逆性があるという特徴に着目して、発電性能を推定している。
図9に、本実施の形態のコンダクタンスと周波数の関係を示す。破線131は、第1振動部103のみのコンダクタンスを測定した場合の特性である。これは、第1aの端子電極115と第1bの端子電極117との間のコンダクタンスを測定している、つまり、この電極間にのみ正弦波電圧を印加しており、第1振動部103のみに環境振動が加わった状態に相当する。一方の素子にのみ環境振動が加わるような状態は、現実ではあまり想定できないが、今回は振動モードの識別のために、このような状態を仮に実現している。
また、図9中の実線132は、第1振動部103と第2振動部104の両方を同時に測定した場合の特性である。これは、第1aの端子電極115と第2aの端子電極116をショートし、第1bの端子電極117と第2bの端子電極118をショートし、第1aの端子電極115と第1bの端子電極117との間を測定している状態である。この状態は、両方の素子に振動が加わった状態に相当する。
特性131に着目すると、3つの共振ピークが存在する。低い周波数から順に、各ピークを、ピーク131a、131b、131cとすると、ピーク131cが、最も高いピークとなっている。このピーク131cは、第1振動部103が単独で存在した場合の共振周波数と概略一致する。これは、図8に示したコンダクタンスの周波数特性との比較で分かる。これに対して、131a、131bは、第1振動部103が動くことによって、振動が機械振動伝播部102を伝わり、第2振動部104へ伝播することにより発生した振動である事がわかった。これは、圧電効果の測定に当たるコンダクタンス測定と、第1振動部103に電圧を印加しながら、その振動状態(変位、速度など)を直接測定する振動測定(圧電逆効果の測定に当たる)と、の2つの測定方法を併用することにより判明した。
131aの周波数での振動モードを模式的に示した斜視図を、図10(a)に示す。また、その時の、x−z平面を見た時の断面図(y軸を法線とした場合)を図10(b)に示す。図では、第1振動部103と第2振動部104の振動の振幅(変位)が同じように描かれているが、実際は、正弦波電圧が印加されている第1振動部103の振動振幅の方が大きい。この振動振幅は、レーザードップラー振動計により、速度を測定し、その結果から、変位量、つまり、振動振幅値を算出することにより実測し、確認している。このモードは、第1振動部103が振動することによって、その振動が機械振動伝播部102を介して伝播し、第2振動部104に伝わり、振動させることで起こっており、前記のように、振動振幅は異なるが、第1振動部103と第2振動部104は、同じ位相で振動(変位)している。なお、131aの周波数が、131cの周波数よりも下がっているのは、第1振動部103から見ると、機械振動伝播部102との結合によって、本来、動かす必要のなかった第2振動部104も同時に動かす必要が出たため、周波数が下がることになる。これは、錘が付加されることにより、共振周波数が下がるという影響と類似である。
次に、第1振動部103と第2振動部104の両方に正弦波電圧を印加し(第1aの端子電極115と第2aの端子電極116をショートし、第1bの端子電極117と第2bの端子電極118をショートし、第1aの端子電極115と第1bの端子電極117との間に正弦波電圧を印加)、それらが励振した状態での第1aの端子電極115と第1bの端子電極117との間のコンダクタンスを測定した結果について説明する。結果は図9の特性132である。ここで、励振する周波数を132aの周波数に設定して、前記したように、レーザードップラー振動計により振動振幅値を測定した。その結果は、第1振動部103と第2振動部104は、図10(a)、図10(b)で示したように、同じ位相で変位していることがわかった。なお、ここでは、第1振動部103、第2振動部104共に、主体的に振動しているため、その振動振幅は、ほぼ同じ振幅となっていた。また、ここで、131aの周波数と、132aの周波数は、近い値となっている。
以上説明したように、ピーク132aの共振は、第1振動部103の振動と第2振動部104の振動が機械振動伝播部102を介して結合した同位相で振動する振動モードである。以降、この振動モードを対称モードと呼ぶことにする。この対称モードを使うことによって、共振周波数における発電量のピーク値を大きく下げることなく、発電特性における発電量の高い周波数帯域を広げるような発電部品及び発電装置が構成できる。これは、図6で説明した結果からも明らかである。以上より、本実施の形態の発電部品は、対応する環境振動の振動数(周波数)の幅も広がり、例えば、環境振動の周波数が変化した場合に、発電量の急激な減少を抑えることができたり、広帯域な環境振動が存在した場合に、より大きな発電量を得ることができる。
また、異なる共振周波数の素子を並べることによって広帯域化する従来構成では、ある瞬間には、単一の素子しか動作しないため、所定の発電量を得ようとすると、発電部品全体のサイズが大きくなってしまう。これに対し、本実施の形態の構成では、発電動作時に二つの振動子(第1振動部103と第2振動部104)が同時に振動することになり、従来構成と比較して発電量が大きくなるため、結果、部品、装置の小型化が可能となる。
次に、図9中の特性132におけるもう一つのピーク131bについて説明する。このピークの検証には、ピーク131aの対称モードの検証と同じ手法を用いているので、手法の詳細は割愛する。131bのピークは、第1振動部103が、第2振動部104と機械振動伝播部102を介して、結合しているという点では同じであるが、振動の位相が、逆位相で、振動しているモードである。図11(a)に振動の概略の斜視図を、図11(b)にx−z平面の断面図を示す。図11(a)、(b)では、図10(a)、(b)と同様に、本来は、正弦波電圧が印加されている第1振動部103の変位の方が、正弦波電圧が印加されていない第2振動部104に比べて大きいが、現象が明確になるよう、同等程度に記載している。ここでも、第1振動部103の振動が、機械振動伝播部102を介して、第2振動部104と結合して、第2振動部104の振動を起こしているが、図10と異なり、第1振動部103と第2振動部104の振動が逆位相で振動している振動モードとなっている。このモードを、以降、斜対称モードと呼ぶことにする。ピーク131bは、この斜対称モードの共振が現れている。両方の振動部103、104を同時に励振した場合である図9の特性132におけるピーク132bが、概略、ピーク131bの周波数に一致していることから、ピーク132bについても斜対称モードの振動であると言える。
なお、図9のピーク131cに一致するピークは、特性132には存在していない。これは、機械振動伝播部102を介した結合によって、元の単独の振動は小さくなったということである。
なお、斜対称モードは、逆位相であるため、電荷が打ち消しあって、結果として、消えてしまうことになる。図9の132bや、図6の斜対称モードの発電量が小さいのは、そのためである。なお、完全に、振幅が一致しないため、若干のピークは残っている。
なお、本実施の形態では、対称モードを使った発電装置に関して、説明したが、整流回路150との接続を変えることで、斜対称モードを使った発電装置の構成も可能である。例えば、図1の第1aの端子電極115と第2bの端子電極118をショートして、第1入力端子122へ接続し、第2aの端子電極116と第1bの端子電極117をショートして、第2入力端子123へ接続すればよい。対称モードを使うか、斜対称モードを使うかは、対象とする環境振動の周波数を考慮して決めれば良い。
以上説明した圧電部品では、第1振動部103と第2振動部104とが同時に振動し、発電に寄与しているため、従来例と異なり、広帯域化を図りながら、小型で大きな発電量を得ることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る発電部品および発電装置では、対称モードと斜対称モードを両方使って、更に、発電特性における発電量の高い周波数帯域を広げるというものである。ゆえに、実施の形態2に係る発電部品の構成は、実施の形態1に係る発電部品の構成と同一である。ただし、実施の形態1では、図5に示す整流回路150を一つしか用いなかったため、逆位相(接続を逆すると、同位相)の状態での発生電荷は打ち消しあってしまう事になる。そこで、実施の形態2に係る発電装置は、図5に示した整流回路150を二つ用意し、第1aの端子電極115と第1bの端子電極117との間に一方の整流回路を接続し、第2aの端子電極116と第2bの端子電極118との間に他方の整流回路を接続することにより、この問題を解消する。
図12に、本実施の形態の発電装置についての発電量と周波数の関係を示す。図12で、破線で示した特性125は、実施の形態1で説明した対称モードの見つかった図6の特性125の発電特性である。特性133は、本実施の形態において示されている対称モードと、斜対称モードを両方使った場合の発電装置の発電特性であり、斜対称モードを使うことにより、更なる、広帯域化を図る事ができる。ここで、周波数f1付近では、発電部品は対称モードで動作し、f2付近では斜対称モードで動作しているが、常に、第1振動部103と第2振動部104の両方が振動し、発電に寄与している。
なお、通常、一つの素子で、複数のモードが発生するように設計する場合は、主たる共振周波数よりも、低い周波数のモードの高次振動を使う場合が多い。例えば、厚みすべり振動や、厚み縦振動などの厚み系の振動子の場合、輪郭振動や幅振動などのより低周波の振動モードの高次モードをその主共振近くに持っていき、広帯域化を図ったりすることがある。発電部品の場合、部品に加わる応力が発電量と相関があることから、大きな変位の得られる屈曲振動を主たるモードにする場合が多い。屈曲振動は、種々の振動モードの中でも、最も低い振動モードであり、先に説明した手法を使うことができない。従って、本実施の形態のような、二つの振動部を結合させて、広帯域化するという新たな手法は、特に屈曲振動を用いた場合には、非常に有効な手法となる。
また、実施の形態1に係る発電素子においても、振動の強度が強い屈曲振動では、第1振動部103と第2振動部104の機械振動伝播部102を介した結合が強くできるため有効である。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る発電部品および発電装置は、実施の形態1および実施の形態2における発電部品または発電装置の第1振動部103と第2振動部104の結合の度合いを変えて、圧電部品の発電特性における発電量の高い周波数帯域を変化させられる構成である。結合の度合いである結合度を上げると、より第1振動部103の振動が第2振動部104へ伝わりやすくなり(逆も言える)、発電部品の発電特性における発電量の高い周波数帯域が広くなることになる。なお、実施の形態3に係る発電部品及び発電装置の基本構造としては、実施の形態1および実施の形態2の発電部品及び発電装置と同様であるため、以下、図1、2等に示した発電部品等を基に説明する。
結合度を変化させるには、まず第1に、第1振動部103と第2振動部104の配置間隔を変えることが挙げられる。本発明における「第1振動部と第2振動部の配置間隔」とは、第1振動部103の端部(例えば、第1振動部103の機械振動伝播部102と接続された部位)と第2振動部104の端部(例えば、第2振動部104の機械振動伝播部102と接続された部位)の間隔(例えば、機械振動伝播部102での第1振動部103と第2振動部104の間隔)だけでなく、第1振動部103の端部以外の部位と第2振動部104の端部以外の部位との間隔(例えば、第1振動部103と第2振動部104とで空間的に最も近接した部位間の距離)をも含んでいる。これは、第1振動部103と第2振動部104の周囲に充填された気体を媒体としても、相互に結合するためである。
一例として、図13には、機械振動伝播部102での第1振動部103と第2振動部104の間隔(第1振動部103の機械振動伝播部102側の端部と第2振動部104の機械振動伝播部102側の端部との間隔)を1.2mm(図13中の特性134)から、0.3mm(図13中の特性135)に変化させた時の発電特性の状態を示している。この部分の間隔が、結合度に最も影響を与えるためである。この間隔を小さくすることで、結合度は高くなり、図13に示す発電特性の発電量の高くなる周波数帯域は広がることになる。図13からもわかるように、機械振動伝播部102での第1振動部103と第2振動部104の間隔を狭くすると、対称モード及び斜対称モード共に、共振周波数は低下するが、対称モードの低下の度合いが大きいため、発電特性における発電量の高い周波数帯域が広がることになる。
なお、第1振動部103と第2振動部104の先端部等のその他の間隔も結合度に影響を与えることがある。例えば、パッケージに発電部品を入れて、窒素などで気密封止した場合、振動部103,104が変位した時、振動部103,104の周囲の気体の流体的な影響により、振動部103,104が相互に結合することがある。これは振動部103,104の周囲空間が少なかったり、気体の分子量が大きかったりすることで、より結合の度合いが大きくなる。このような場合には、振動の幅が大きく、かつ、厚みが厚い第1振動部103の先端の錘と第2振動部104の先端の錘との間隔を変えることで、結合度を変化させても良い。この部位は、振動の幅が大きく、かつ、厚みが厚いため、周囲空間への影響度が大きいためである。
上記のように、第1振動部103と第2振動部104の配置間隔を調整する発電部品の設計方法を採用することにより、実施の形態3に係る発電部品および発電装置は、容易に所望の発電特性を実現でき、製造効率を向上させることができる。具体的な第1振動部103と第2振動部104の配置間隔の調整方法としては、第1振動部103および第2振動部104のうち、少なくとも一方の振動部の一部をレーザアブレーションやドライエッチング等により除去する方法や、機械振動伝播部102における第1振動部103と第2振動部104とをつなぐ部位の一部を同様の手法により除去する方法などが考えられる。
第1振動部103と第2振動部104との間の結合度を変化させる第2の方法としては、機械振動伝播部102の第1構成部材109及び第2構成部材110の材料定数である弾性率を変える方法が挙げられる。例えば、機械振動伝播部102の第2構成部材110を大きな弾性率を有するシリコンで構成すると、結合は、非常に小さくなり、特に、斜対称モードは、ほとんど観測されなくなる。一方、第1構成部材109を構成するシリコンよりも弾性率の低いガラエポにより第2構成部材110を実現すると、図12の特性133のように、斜対称モードで振動しているf2の周波数においても高い発電量を得ることができる。ゆえに、第2構成部材110は、機械振動伝播部102の第1構成部材109の弾性率よりも小さい材料とすることが好ましい。例えば、機械振動伝播部102の第2構成部材110としては、弾性率の小さい樹脂等を主材料とすることで、第1振動部103と第2振動部104との間の大きな結合が得られる。
尚、本発明の発電部品を小型化する目的で、発電部品の周囲に配置されているセラミック等の硬いパッケージ等に機械振動伝播部102の第1構成部材109を直接固着させ、固着の際に使用する接着剤を機械振動伝播部102の第2構成部材110の代わりにすることもできる。この場合、その接着剤の弾性率を下げる、厚みを厚くするなどして、結合を大きくすることができる。接着剤としては、シリコーン系や、エポキシ系の接着剤が好ましい。また、接着剤の厚みのばらつきは、結合度のばらつきにつながり、結果、発電特性の発電量の高い周波数帯域のばらつきにつながるため、その厚み精度には、注意を払うほうが好ましい。ゆえに、接着剤の塗布も、液状接着剤を用いる場合は、ディスペンサーなどにより、塗布量を制御することがより好ましい。また、シート接着剤などにより、厚みを制御してもよい。これにより接着剤の厚みのばらつきを抑圧することができる。シート接着剤は、半硬化状態で、所定の寸法に切断して、貼り付けてもよいし、大判の状態で、ラミネート等の手法により、土台に貼り付け、発電部品101を上から押し当てることで、接着してもよい。この際、大判の状態で、接着を行った後、ダイシングにより、個片の部品に切断すれば、効率良く素子を作製できる。
なお、機械振動伝播部102の第1構成部材109を樹脂などの弾性率の小さい材料とした場合、第1構成部材109と第1振動部103との連結部(支持部)付近において、弾性的な損失が増えてしまい、発電量のピーク値自体が小さくなってしまう。ゆえに、機械振動伝播部102の第1構成部材109は、弾性率の大きな材料が好ましく、土台149に固定される機械振動伝播部102の第2構成部材110は、それよりも弾性率の小さい材料が好ましい。このような弾性率の選択を行うことにより、第1振動部103と第2振動部104の結合度をあげつつ、弾性的な損失を低く抑えることができる。
なお、機械振動伝播部102の第2構成部材110は直接、土台149に固定されている必要はなく、別の材料を介して、間接的に固定されていても良い。要は、機械振動伝播部の第1構成部材109よりも、より固定部に近い位置に配置されれば良い。なお、第1振動部103を機械振動伝播部102の第1構成部材109と接着剤などで固着させて、連結・支持する場合、その接着層の厚みは薄いほうが好ましい。弾性的な損失を低く抑えるためである。また、接着剤の弾性率は第2構成部材110よりも大きい方がより好ましく、例えば、アクリレート系やエポキシ系の接着剤が好ましい。
上記のように、機械振動伝播部102の第1構成部材109及び第2構成部材110の材料定数である弾性率を調整する発電部品の設計方法を採用することにより、実施の形態3に係る発電部品および発電装置は容易に所望の発電特性を実現でき、製造効率を向上させることができる。
第1振動部103と第2振動部104との間の結合度を変化させる第3の方法としては、機械振動伝播部102の第2構成部材110の厚みを変えることである。図14に厚みを変えた場合の発電特性(発電量と周波数の関係)を示す。特性136は機械振動伝播部102の第2構成部材110の厚みが0.3mmの場合の特性で、特性137は、厚みが1mmの場合の特性である。斜対称モードの共振周波数は、あまり変わらないが、対称モードの共振周波数が大きく変わっており、結果として、発電特性における発電量の高い周波数帯域が広がっている。
図15には、機械振動伝播部102の第2構成部材110の厚みを変えた場合の対称モードの共振周波数f1と斜対称モードの共振周波数f2を示す。図15からわかるように、第2構成部材110の厚みが厚くなることで、f1は低下傾向にある。f2も若干低下するが、f1に比べると、非常に小さい変化になる。
上記のように、機械振動伝播部102の第2構成部材110の厚みを調整する発電部品の設計方法を採用することにより、実施の形態3に係る発電部品および発電装置は容易に所望の発電特性を実現でき、製造効率を向上させることができる。
以上説明したような手法により、振動部間の結合度を変えて、発電部品の発電特性における発電量の高い周波数帯域を調整することが可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る本発明の発電装置を使った通信モジュールを、図16に示す。製造中の商品に取り付けられ、工場内の製品管理に用いられる通信モジュール147は、工場内のロボット148や、工場内に配置されたデータ管理サーバー(図示なし)、人が操作する管理装置(図示なし)、端末(図示なし)などと情報をやり取りする。これにより、通信モジュール147が取り付けられた製品がどういう状態にあるのかをモニタリングしたり、リアルタイムで管理したりすることができる。
通信モジュール147は、実施の形態1または実施の形態2(具体的には、対称モードと斜対称モードの両方を使った広帯域の発電装置である)に示した発電装置138と、発電装置138と電気的に接続されたDC−DCコンバータ139と、DC−DCコンバータ139と電気的に接続された無線端末140とを有している。
DC−DCコンバータ139は、発電装置138からの直流出力を、無線端末140の電源電圧のレベルに昇圧、或いは、降圧する回路である。無線端末140は、送信部142と受信部143とアンテナ146とを備えた通信部141と、通信部141と電気的に接続された信号処理部144と、信号処理部144と電気的に接続されたメモリ145とを有している。通信部141は、ロボット148等とのデータの送受信を行う機能ブロックである。信号処理部144は、受信部143から受け取ったデータの処理を行って、メモリ145に格納したり、ロボット148へ送信するためのデータをメモリ145から取り出して送信部142へ出力したりする。
商品は、通常、コンベアー等の決まった設備に配置され、そこから得られる環境振動は、決まったものであるため、この振動数(周波数)に合わせて、発電部品を設計すれば良いことになる。しかしながら、その振動源は、設備の機械振動であることが多く、その周波数の偏差は、±1〜3%程度になることが多い。例えば、図7で説明した比較例のような単一の共振周波数を有する発電部品を使うと、共振周波数が1%ずれただけで、発電量が最大の時と比較して、10%以下にまで落ちてしまうこともある。本発明の発電部品は、発電量が高い周波数帯域が広帯域となるため、振動源の周波数偏差が1%程度のずれなら、発電量は最大時と比較しても90%以内のレベルに収まることになる。また、実施の形態2および3で説明したような広帯域化の手法を用いることで、振動源の周波数偏差が±3%程度の範囲なら、発電量の最大値比較で80%以上のレベルに発電量を維持することが可能となる。
以上のように、本実施の形態で説明した発電装置138を備えた通信モジュール147では、電池を持つことなく、自分自身で発電し、電源供給するような自立型のモジュールを実現することができる。また、設備の振動など、その周波数が決まっており、かつ、その周波数の偏差が数%程度あるような場合には、特に、本発明の効果は大きい。
なお、本実施の形態では、電池を完全に持たない構成として用いたが、2次電池を備え、そこに、充電しておき、必要な時に、利用するという方法で用いても良い。これにより、使用しない時の電力を備蓄できるため、モジュール使用時の消費電力が大きい場合でも対応できることになる。これは、一般的な通信モジュールは、常時通信していることは少なく、間欠的に通信することが多いためである。また、通信モジュール147の消費電力が低くても良い場合には、発電部品をその分、小型にしてもよい(特に第1振動部103、第2振動部104)。
以上説明した実施の形態1〜4に係る発電部品および発電装置は、第1振動部103、及び第2振動部104とを同時に振動させることにより、発電特性の広帯域化を図ることができ、小型な発電部品、発電装置を実現できる。その結果、自立型の通信モジュールの小型化を実現することができる。
なお、実施の形態1〜4では、二つの振動部を有した構成に関して説明したが、振動部は二つ以上であってもよい。その場合、斜対称モードの組み合わせが複数でてくることになり、更なる広帯域化を図ることができる。
なお、実施の形態1〜4では、二つの振動部が完全に単独で動いた時の共振周波数を同じにしているが、完全に同じである必要はない。尚、一つの振動部の共振周波数は、もう一つの振動部の共振周波数と***振周波数の間にあるように設計されても良い。これは、***振周波数においては発電量が下がるためである。例えば、一方の振動部の共振周波数と他方の振動部の***振周波数が近くなると、一方の共振周波数付近の発電量は、もう一方の***振の影響により、激減してしまうためである。
なお、実施の形態1〜4において、機械振動伝播部102の第1構成部材109の底面(z−x面に平行な面)は、機械振動伝播部102の第2構成部材110と当接していたが、第1構成部材109の側面(y−z面に平行な面)が機械振動伝播部102の第2構成部材110と当接していても同様の効果が得られる。この場合、機械振動伝播部102の第2構成部材110の底面で土台149と固定されていても良いし、第2構成部材110の側面で固定されていても良い。更に、第2構成部材110は、第1構成部材109と直接的に連結されていても良いし、他の部材を介して間接的に連結されていてもよい。どちらの場合でも、実施の形態1〜4において説明した本発明の発電部品の効果を有している。
尚、上記においては、第1圧電部105の上面及び下面に、それぞれ当接させて、第1上面電極部107及び第1下面電極113とを配置したが、第1圧電部105の上方に第1上面電極部107を配置し、第1圧電部105の下方に第1下面電極113を配置してもよい。同様に、上記においては、第2圧電部106の上面及び下面に、それぞれ当接させて、第2上面電極部108及び第2下面電極114とを配置したが、第2圧電部106の上方に第2上面電極部108を配置し、第2圧電部106の下方に第2下面電極114を配置してもよい。このような構成においても、上記同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明の発電部品と、これを用いた発電装置により、小型の自立電源を提供することができ、センサーネットワーク端末などの電子機器の電池を不要としたり、発電した電力を2次電池に充電することで、電池交換を不要にしたりすることができる。従って、メンテナンスフリーの電子機器を実現できる。
101 発電部品
102 機械振動伝播部
103 第1振動部
104 第2振動部
105 第1圧電部
106 第2圧電部
107 第1上面電極部
108 第2上面電極部
109 機械振動伝播部の第1構成部材
110 機械振動伝播部の第2構成部材
111 第1振動板
112 第2振動板
113 第1下面電極
114 第2下面電極
115 第1aの端子電極
116 第2aの端子電極
117 第1bの端子電極
118 第2bの端子電極
119 錘
120 全波整流回路
121 コンデンサ
126 片持ち梁
150 整流回路

Claims (9)

  1. 機械振動を伝播する機械振動伝播部と、
    前記機械振動伝播部に接続された第1振動部と
    前記機械振動伝播部に接続された第2振動部とを備え、
    前記第1振動部は第1圧電部を有し、
    前記第2振動部は第2圧電部を有し、
    前記第1振動部と前記第2振動部とが前記機械振動伝播部を介して結合することにより対称モードで振動する発電部品。
  2. 機械振動を伝播する機械振動伝播部と、
    前記機械振動伝播部に接続された第1振動部と
    前記機械振動伝播部に接続された第2振動部とを備え、
    前記第1振動部は第1圧電部を有し、
    前記第2振動部は第2圧電部を有し、
    前記第1振動部と前記第2振動部とが前記機械振動伝播部を介して結合することにより斜対称モードで振動する発電部品。
  3. 機械振動を伝播する機械振動伝播部と、
    前記機械振動伝播部に接続された第1振動部と
    前記機械振動伝播部に接続された第2振動部とを備え、
    前記第1振動部は第1圧電部を有し、
    前記第2振動部は第2圧電部を有し、
    前記第1振動部と前記第2振動部とが前記機械振動伝播部を介して結合することにより対称モード及び斜対称モードで振動する発電部品。
  4. 請求項1または請求項2に記載の発電部品と、
    前記第1圧電部に当接した第1電極部と、
    前記第2圧電部に当接した第2電極部と、
    前記第1電極部及び前記第2電極部に電気的に接続された第1整流回路とを有した発電装置。
  5. 請求項1または請求項2または請求項3のいずれか1つに記載の発電部品と、
    前記第1圧電部に当接した第1電極部と、
    前記第2圧電部に当接した第2電極部と、
    前記第1電極部に電気的に接続された第1整流回路と、
    前記第2電極部に電気的に接続された第2整流回路とを有した発電装置。
  6. 前記第1振動部及び前記第2振動部の振動が屈曲振動である請求項1または請求項2または請求項3のいずれか1つに記載の発電部品。
  7. 機械振動を伝播する機械振動伝播部と、
    前記機械振動伝播部に接続された第1振動部と
    前記機械振動伝播部に接続された第2振動部とを備え、
    前記第1振動部は第1圧電部を有し、
    前記第2振動部は第2圧電部を有し、
    前記第1振動部と前記第2振動部とが前記機械振動伝播部を介して結合することにより、対称モード及び斜対称モードの少なくとも一方で振動する発電装置において、
    前記第1振動部と前記第2振動部の配置間隔、または、前記機械振動伝播部の弾性率、または、前記機械振動伝播部の厚みを変化させて、前記第1振動部と前記第2振動部の結合度を調整する発電部品。
  8. 前記機械振動伝播部は少なくとも2種類の部材である第1構成部材と第2構成部材により構成され、
    前記第1構成部材は、前記第1振動部、及び、前記第2振動部とに連結され、
    前記第2構成部材は、前記第1構成部材と直接的または間接的に連結され、
    前記第2構成部材の弾性率は前記第1構成部材の弾性率より小さい請求項1または請求項2または請求項3のいずれか1つに記載の発電部品。
  9. 請求項4または請求項5に記載の発電装置と、
    前記発電装置と電気的に接続された無線端末とを有する通信モジュール。
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