JP2012001650A - ガス化炉の運転方法及び運転システム - Google Patents

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Abstract

【課題】昇温のための化石燃料の消費を大幅に削減できるとともに、逆洗に依らずフィルタを再生できるようなガス化炉の運転方法を提供する。
【解決手段】バイオマスをガス化するためのガス化炉1を例えばDSS(Daily Start and Stop)運転する場合に、その運転を終了した後もガス化炉1の温度を維持するよう、所定の酸素過剰雰囲気においてバイオマスを燃焼させる種火運転を実行する。ガス化炉1の生成ガスからダストを取り除くためのフィルタエレメント5に、種火運転のときのガス化炉1からの排ガスを供給し、付着しているダストを燃焼させて除去する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば農業生産物、木材、植物等のバイオマスをガス化するガス化炉の運転方法及びそのためのシステムに関する。
従来より、例えば特許文献1に開示されるように、木質系バイオマスをガス化して生成ガスをガスタービンやガスエンジン等の発電装置に供給するようにしたガス化炉は公知である。同文献に記載のものでは、サイクロンやフィルタのような除塵装置をガス化炉の本体と同じケーシング内に収容した一体化構造とし、外部配管を省いて設備コストの低減を図るとともに、放熱を抑制するようにしている。
また、前記の文献に記載のガス化炉では、その生成ガスを高温のまま除塵してガスタービン等に供給するようにしており、タールトラブルが起こり難いというメリットがある。さらに、システム全体の放熱が抑制されることから停止後の再起動時間が短くなり、いわゆるDSS(Daily Start and Stop)運転に好適なものである。
すなわち、一例として製材所の隣に設けて、その電力だけを賄うようにした小規模のバイオマスガス化発電プラントの場合、大規模プラントのように昼夜連続運転を行うことはなく、製材所が稼働していない夜間はプラントも運転を停止することになるが、こうすると夜間の停止中にガス化炉の温度が常温にまで低下するため、翌朝の再起動時に昇温のための運転が必要になる。
この昇温運転のときには一例として、ガスタービンに灯油のような化石燃料を供給して運転を開始し、タービンに連動する圧縮機で圧縮した高温の空気を供給することによってガス化炉の温度を上昇させる。その後、ガス化炉にバイオマスを投入して燃焼させることにより温度が速やかに上昇し、それがバイオマスのガス化に適した温度になれば昇温運転は終了して、通常の運転に移行することができる。
特開2006−808号公報
しかしながら、前記のように毎朝、ガス化炉の昇温のために灯油のような化石燃料を使用するのは不経済であるし、環境へも悪影響を与えることになる。また、前記のようにDSS運転を行う小規模プラントにおいては、フィルタの再生のために大規模プラントのような逆洗を行うことが難いという問題もある。
すなわち、大規模プラントにおいては一般的にガス化炉の運転中、定期的にフィルタの下流側から逆洗ガスを吹き付けて、ダストを取り除くようにしているが、その逆洗ガスとしては窒素のような不活性なガスを用いる必要があり、設備コストが高くついてしまうとともに、ガス化により発生したガスはタール分を含み、逆洗ガスによってはダストを取り除けない場合もあるからである。
かかる諸点に鑑みて本発明の目的は、ガス化炉の昇温のための化石燃料の消費を大幅に削減できるとともに、逆洗に依らずフィルタを再生できるようなガス化炉の運転方法を提供することにある。
かかる目的を達成するために本発明は、例えばDSSのような運転及び停止の繰り返しに着目して、その停止中にもガス化炉の温度を維持するように少量のバイオマスを供給して燃焼させるとともに、その間の排ガスをフィルタに供給して、未燃の炭素分が大部分であるダストを燃焼させるようにしたものである。
すなわち、本発明はバイオマスをガス化するためのガス化炉の運転方法であって、前記ガス化炉の下流に生成ガスからダストを取り除くためのフィルタが設けられている場合に、当該ガス化炉の通常運転を終了した後に、空気比が1以上の所定雰囲気においてバイオマスを燃焼させてガス化炉の温度を維持するのと同時に、その排ガスを前記フィルタへ供給して、付着しているダストを燃焼させて除去するようにしたものである。
前記のようにバイオマスを燃焼させてガス化炉の温度を維持するようにすれば(以下、これを種火運転ともいう)、次の再起動時における昇温運転が不要になるか、或いは最小限で済むようになり、そのための化石燃料の使用を大幅に削減することができる。種火運転において燃焼させるバイオマスの量は少なくて済み、その燃料としての価格も非常に安いから、化石燃料を使用するのに比べて遙かに経済的である上に、CO2の排出量も削減できる。
また、前記種火運転においてはバイオマスを空気比が1以上の所定雰囲気で燃焼させるので、その排ガスには酸素が含まれていて、これをガス化炉のフィルタに供給することにより、付着しているダストを燃焼させて除去し、その除塵機能を回復させることができる。
つまり、一例として小規模プラントに好適なDSS運転の場合には、夜間のガス化炉の停止中に低コストなバイオマスを燃焼させて、温度を翌朝の再起動時まで維持することができる上に、その間にフィルタの再生も同時に行えるものである。
ここで、前記のようにフィルタに付着しているダストを燃焼させて除去するときには、その燃焼により温度が過度に高くなるとフィルタに損傷を与えることがあるが、前記種火運転の排ガスは酸素濃度が低いため、フィルタに付着しているダストの燃焼が穏やかになり、急激な温度上昇を回避しやすい。好ましいのは、少なくともフィルタの温度状態を検出するためのセンサを設けて、前記種火運転のときには、そのフィルタ温度センサにより検出されるフィルタ温度に基づいて、前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御することである。
また、より好ましくは、前記ガス化炉の温度状態を検出するためのガス化炉温度センサも設け、フィルタ温度だけでなくガス化炉の温度状態にも基づいて、バイオマスや燃焼用空気の供給量を制御することである。
重要なのは、フィルタ温度が、ダストに含まれる灰の溶融温度やフィルタ自体の耐熱温度を超えないようにすることであり、ガス化炉の温度についても同様である。そこで、例えば、ガス化炉温度及びフィルタ温度の少なくとも一方が前記灰の溶融温度のような上限値に達するまでは、ガス化炉へバイオマス及び燃焼用空気を供給し、いずれかの温度が上限値に達すれば直ちに供給を停止するようにしてもよい。
その後、ガス化炉温度が所定の下限値にまで低下すれば、再びバイオマス及び燃焼用空気の供給を開始し、ガス化炉内ではバイオマスを燃焼させ、フィルタにおいてはダストを燃焼させるようにしてもよい。このように燃焼及びその停止を繰り返す簡易な制御によって、フィルタの損傷を防止することができる。
また、ガス化炉へのバイオマスや燃焼用空気の供給を開始するときに初期の所定期間は、燃焼用空気の供給量を徐々に増加させるようにしてもよい。こうすれば、バイオマスの供給量の制御の応答遅れが大きくても、これに対応するように燃焼用空気を徐々に増量させることができ、酸素濃度の高い燃焼用空気がフィルタに流れて燃焼が激しくなることを回避できる。また、燃焼用空気の供給開始時にガス化炉の内部にバイオマスが残っていたとしても、それが一気に燃え始めて温度が急上昇するという事態を回避できる。
また、ガス化炉への燃焼用空気の供給量はほぼ一定とし、検出されるガス化炉温度に基づいてバイオマスの供給量を制御するようにしてもよい。すなわち、燃焼用空気の供給量は十分に多くして酸素過剰な雰囲気としながら、ガス化炉温度が低下すればバイオマスの供給量を増やし、反対にガス化炉温度が上昇すればバイオマスの供給量を減らすことによって、当該ガス化炉やフィルタの温度状態を維持することができる。
さらに、ガス化炉から排出される排ガスを、フィルタを通さずに煙突へ導くためのバイパス通路を設けておき、バイオマスを燃焼させるときには、前記フィルタ温度センサにより検出されるフィルタ温度に基づいて、排ガスの一部を前記バイパス通路に流通させることにより、前記フィルタへの排ガス流量を調整するようにしてもよい。
そして、ガス化炉の温度状態を維持しながらフィルタに付着したダストを燃焼させていくと、このダストが燃え尽きてそれ以降はフィルタ温度が上昇しなくなるので、このフィルタ温度が所定値以下にまで低下すれば、フィルタの再生終了と判定してバイオマスの供給量を減らし、ガス化炉温度を前記下限値に維持するようにしてもよい。
見方を変えれば本発明は、バイオマスをガス化するためのガス化炉の運転システムが対象であり、そのガス化炉の下流に、生成ガスからダストを取り除くためのフィルタが設けられている場合に、少なくとも当該フィルタの温度状態を検出するためのフィルタ温度センサと、ガス化炉の通常運転を終了した後に前記フィルタ温度センサにより検出されるフィルタ温度に基づいて、ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御し、そのバイオマスを空気比が1以上の所定雰囲気において燃焼させる(即ち種火運転を行う)制御手段と、を備えたものである。
前記の運転システムにおいてガス化炉の温度状態を検出するためのガス化炉温度センサをさらに備え、前記制御手段は、前記ガス化炉温度センサにより検出されるガス化炉温度と前記フィルタ温度とに基づいて、前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御するようにしてもよい。
また、前記種火運転の実行中にガス化炉から排出される排ガスを、前記フィルタから煙突へ導くためのバイパス通路を備えていてもよく、こうすれば、種火運転の排ガスやフィルタからのダストの燃焼ガスを、発電設備をバイパスさせて煙突から排出することができる。
また、前記バイオマスを燃焼させるときにガス化炉から排出される排ガスを、前記フィルタを通さずに煙突へ導くためのバイパス通路を備えていてもよく、こうすれば、ガス化炉からフィルタに供給する種火運転の排ガスの流量を調整することによって、フィルタの温度を制御することが可能になる。
以上より、本発明に係るガス化炉の運転方法によると、例えばDSSのような運転及び停止の繰り返しに着目して、ガス化炉の通常運転を終了した後にその温度を維持するための種火運転を行うとともに、その間、ガス化炉からの排ガスをフィルタに供給してダストを燃焼させるようにしたから、その後の再起動時におけるガス化炉の昇温のための化石燃料の消費を大幅に削減できるとともに、種火運転の際の排ガスを有効利用して逆洗に依らずフィルタ再生を行うことができる。
本発明の実施の形態に係るガス化炉運転システムの一例を示す系統図である。 同ガス化炉の構造の一例を示し、図(a)はケーシングの中心線に沿った縦断面図であり、その(b)-(b)線における横断面図が図(b)である。 同ガス化炉の種火運転のための制御系の一例を示すブロック図である。 種火運転の制御手順の一例を示すフローチャートである。 種火運転におけるバイオマス及び燃焼用空気の供給量の変化と、ガス化炉及びフィルタの温度変化との相関関係の一例を概念的に示すタイムチャートである。 フィルタ室をバイパスするバイパス管を設けた他の実施形態に係る図1相当図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係るガス化炉運転システムの系統図であり、このシステムは一例としてガス化発電プラントに用いられている。このプラントでは、バイオマスをガス化炉1にてガス化し、よりエネルギ変換効率の高いガスに改質した上で発電設備の運転に利用する。
−プラントの全体構成−
図の例では燃料であるバイオマスは、例えば製材所木屑、間伐材、建築廃材等の木質系バイオマスであり、これらが例えばホッパやコンベアからなる供給機構2により、チップの状態でガス化炉1へ供給される。また、図示のガス化炉1は一例として流動層式のものであり、図2にも示すように炉内に流動砂の層1aが形成されていて、下方から送り込まれる空気によって流動化されている。
そうして下方から送り込まれる空気は、後述する圧縮機9により加圧されるとともに昇温されており、この空気により流動化される流動砂によってバイオマスが分散されながら加熱され、その一部が燃焼することも相俟って短時間で熱分解される。
また、バイオマスの熱分解によって生成されるガスはガス化炉1の上部から排出され、サイクロン3において比較的大きなダストが遠心分離された後に、フィルタ室4へと導かれる。詳しくは後述するが、フィルタ室4へと導かれた生成ガスがフィルタエレメント5を通過するときには、サイクロン3では分離できなかった小さなダストが捕集される。フィルタエレメント5を通過したガスは生成ガス管6によってガスタービン燃焼器7へと導かれる。
そして、そのガスタービン燃焼器7において生成ガスが燃焼され、高温高圧の排ガスがタービン8に供給される。図の例ではタービン8には圧縮機9及び発電機10が接続されており、タービン8の回転によって発電機10が動作するとともに、圧縮機9が空気を圧縮して加圧給気管11によりガス化炉1及びガスタービン燃焼器7へと供給するようになっている。
すなわち、加圧給気管11は、圧縮機9に接続されている上流側の共通管11aと、これの下流側で二股に分かれた第1及び第2分岐管11b,11cとからなり、その第1分岐管11bの下流端がガスタービン燃焼器7の空気取入口に接続されて、前記のように生成ガスを燃焼させるための空気を供給するようになっている。
一方、第2分岐管11cの下流端はガス化炉1の下部の空気取入口1b(図2参照)に接続されており、これにより供給される空気が、前記したように炉内の流動層に下方から送り込まれて流動砂を流動化させる。なお、第1及び第2分岐管11b,11cの中を流れる空気は共通の熱交換器13においてタービン8からの排ガスと熱交換し、暖められるようになっている。また、熱交換器13を通過した排ガスはボイラ14において蒸気の生成に利用されるようになっており、排熱の利用が図られている。なお、ボイラ14を通過した排ガスは煙突15から排気される。
前記のように加圧され且つ昇温された空気がガス化炉1に供給されることで、バイオマスのガス化が促進される。バイオマスは通常、650℃くらいと比較的低温でガス化するものであるが、その温度状態を維持するためにはガス化炉1においてバイオマスの一部を燃焼させる必要がある。ガス化炉1に送り込む空気を前記のように加圧し且つ昇温すれば、それだけ多くの熱量を炉内に持ち込むことができ、燃焼させるバイオマスの量が少なくて済む。
また、そのように加圧した空気を供給することでガス化炉1内を、ガスタービン燃焼器7内と概ね同じ圧力状態とすることができる。よって、ガス化炉1において生成したガスを冷却することなくガスタービン燃焼器7に導入することができ、このガス中に含まれているタール成分を除去することなく燃焼させることができる。このことで、燃料の利用効率が向上するとともにタール分の付着等に起因するハンドリングトラブルが回避される。
図1において符号16として示すのは、ガス化炉1の温度状態を検出するための温度センサであり(以下、ガス化炉温度センサ16と呼ぶ)、これは、ガス化炉1の温度状態を適切な範囲内に維持するために用いられる。また、詳しくは後述するが、図の例ではフィルタ室4の上部及び下部の温度状態をそれぞれ検出するための温度センサ22,23(フィルタ温度センサであり、以下、単に上部温度センサ22、下部温度センサ23とも呼ぶ)も設けられている。
さらに、この実施形態では前記生成ガス管6にバルブ17が介設されるとともに、その上流側から分岐して前記の煙突15に至るバイパス管18(バイパス通路)が接続されていて、このバイパス管18にもバルブ19が介設されている。通常の運転中はバルブ19は閉じられており、ガス化炉1からの生成ガスはバルブ17を通ってガスタービン燃焼器7へと送られる。
−ガス化炉の構造−
この実施形態のガス化発電プラントにおいては、図2に一例を示すようにガス化炉1のケーシング20内にフィルタエレメント5を収容し、換言すればフィルタ室4をガス化炉1のケーシング20内に形成している。また、そのケーシング20は二重殻構造のものとして、ガス化炉1やフィルタエレメント5の放熱を極力、抑制するようにしている。
図示のガス化炉1、フィルタ室4及びケーシング20の具体的な構造は、一例として特許文献1に記載されているものと同じなので、詳しい説明は省略するが、ケーシング20は、上端及び下端がそれぞれ閉塞された概略円筒状のものであり、図示のように内殻20aと外殻20bとの中間に空間部20cを有している。この空間部20cは例えば空気層としても、ここに遮熱材を充填してもよく、或いは真空にすることによって断熱性能を高めることもできる。このような二重殻構造のケーシング20内に収容することで、ガス化炉1やフィルタエレメント5の放熱を抑制し、その温度状態を維持する上で有利になる。
図の例では、上下に延びるケーシング20内のほぼ中心線に沿ってガス化炉1が配置され、その概略上半分を取り囲むように円周方向に互いに間隔をあけて複数のフィルタエレメント5が並んでいる。また、ケーシング20内は、ガス化炉1の上端よりも上方において仕切板21により上下に仕切られていて、その下方には、生成ガスの流れの上流側であるフィルタ上流室4aが、また上方には同じくフィルタ下流室4bが、それぞれ形成されている。
前記の仕切板21には、図2(b)に示すよう外周寄りに複数の丸穴が円周上に並んで形成されていて、これら丸穴のそれぞれに前記フィルタエレメント5の上部が内挿されている。フィルタエレメント5は例えばセラミックフィルタからなり、上下方向に延びる円筒状の周壁部とその下端を閉ざす半球状の底壁部とを有していて、それらの壁部をフィルタエレメント5の外側から内側へ通過するガス中のダストを捕集するようになっている。
図の例では、生成ガスをサイクロン3からフィルタ室4へ導く導入管3aがフィルタエレメント5とほぼ同じ円周上に配置されていて、ここからフィルタ室4における仕切板21の下方、即ちフィルタ上流室4aに導かれた後に生成ガスは当該フィルタ上流室4a全体に拡散する。こうして拡散した生成ガスは、フィルタエレメント5の壁部を通過してその内部に至り、自然に上昇した後にフィルタエレメント5の上端開口から仕切板21の上方のフィルタ下流室4bに流入する。そして、このフィルタ下流室4bに臨むようにケーシング20を貫通して設けられている生成ガス管6へと流出する。
この実施形態では、前記のようにフィルタエレメント5を通過する生成ガスの温度状態を検出し、その温度が高くなりすぎないよう監視するために、当該フィルタエレメント5の周壁部の上部に対応づけて上部温度センサ22を配設している。この上部温度センサ22は、一例として図(b)に示すように、サイクロン3からの生成ガスが導入される導入管3aの近傍に位置するフィルタエレメント5に設けられている。
また、この実施形態では、前記の上部温度センサ22だけでなく、フィルタエレメント5の周壁部の下部に対応づけて下部温度センサ23も配設されている。図の例では下部温度センサ23は、前記のように上部温度センサ22の設けられているフィルタエレメント5に対して、ガス化炉1を取り囲む円周上のほぼ対角位置にある別のフィルタエレメント5に設けられている。
それらの温度センサ22,23は、いずれもフィルタエレメント5に直接、接触させるのではなくて、フィルタエレメント5の周壁部の外周面、即ち生成ガスの流れの上流側面に対して所定の間隔をあけて配置されている。この間隔は一例として、フィルタエレメント5の周壁部に付着するダストの想定される最大の厚みに対応するものであり、換言すれば温度センサ22,23は、フィルタの再生を開始する際のダストとの境界層に接触するように配置されている。
このようにダスト境界層に接触する程度の間隔をあけて配設されていることから、温度センサ22、23によってフィルタエレメント5の温度状態を正確に検出することができるとともに、例えば地震動のような外的な振動が加わったときでも温度センサ22,23がフィルタエレメント5に直接、接触して損傷を与える心配がない。
さらに、この実施形態では前記の図1に示すように、ガス化炉1に空気を供給可能な例えば電動のエアポンプ24が設けられている。これは、以下に説明する種火運転のためにガス化炉1にバイオマスの燃焼用の空気を供給するためのものである。種火運転は、ガス化炉1の通常運転を終了した後に、翌朝までガス化炉1の温度を適温に維持するために行われる。
図示のように、エアポンプ24の吐出口に接続された外気供給管25の下流端が、加圧給気管11の第2分岐管11cに接続されていて、この第2分岐管11cを介してエアポンプ24からの空気をガス化炉1へと供給するようになっている。外気供給管25には空気の流量を調節可能なバルブ26と、その流量を検出するための流量センサ27とが配設されており、種火運転の間、ガス化炉1やフィルタエレメント5の温度状態に基づいて、燃焼用空気の供給量を調節する。
なお、図の例では外気供給管25の途中から分岐して、フィルタ室4の下方に至る分岐管28が設けられ、この分岐管28にも空気の流量を調節可能なバルブ29が配設されている。例えば週末等に数日間、プラントの運転を停止するような場合には種火運転を行わないので、このときにはガス化炉1の通常運転を終了した後にバルブ29を開いて、未だ高温のフィルタエレメント5に外気を供給しダストを燃焼させるようにする。
−ガス化炉の種火運転−
以下に、この実施形態のガス化発電プラントにおける種火運転について図3〜5を参照して詳細に説明する。図3は、種火運転のための制御系の一例を示すブロック図であり、図4は種火運転の制御手順の一例を示すフローチャートである。また、図5は、種火運転の際のバイオマス及び燃焼用空気の供給量の変化と、ガス化炉及びフィルタの温度変化との相関関係の一例を概念的に示すものである。
一例として、この実施形態のガス化発電プラントは製材所の隣に設けられて、その電力だけを賄う小規模のものであり、製材所の稼働しない夜間はプラントも運転を停止する。そこで、このようなDSSの運転サイクルに従って夕方、ガス化炉1の通常運転を終了した後に、種火運転を行って翌朝までガス化炉1の温度を適温に維持するとともに、その間のガス化炉1からの排ガスをフィルタエレメント5へ供給して、そこに付着しているダストを燃焼させて除去するのである。
そのような種火運転は、この実施形態ではガス化発電プラントのプロセスコントローラ30によって実行される。この際、プロセスコントローラ30は、図3に模式的に示すようにガス化炉温度センサ16からの信号と、フィルタ上部及び下部の各温度センサ22,23からの信号と、外気供給管25の流量センサ27からの信号とを少なくとも入力し、供給機構2の制御によってバイオマスのガス化炉1への供給量を調節するとともに、外気供給管25のバルブ26の開度制御によって燃焼用空気の供給量を調節する。
すなわち、図の例ではプロセスコントローラ30は、ガス化炉温度センサ16からの信号と上部及び下部の各フィルタ温度センサ22,23からの信号とに応じて、供給機構2の動作量(例えばスクリューコンベアの回転数)を制御し、ガス化炉1へのバイオマスの供給量を調節するバイオマス供給量制御部30aと、それら各温度センサ16,22,23からの信号に応じてバルブ26の開度を制御し、外気供給管25における空気の流量、即ちガス化炉1への燃焼用空気の供給量を調節する燃焼用空気供給量制御部30bと、を備えている。
なお、図の例では燃焼用空気供給量制御部30bは、流量センサ27からの信号をフィードバックして、バルブ26の開度を補正するようになっている。この燃焼用空気供給量制御部30bや前記バイオマス供給量制御部30aは、プロセスコントローラ30が種火運転のための制御プログラムを実行することによって具現化されるものであり、言い換えると、この実施形態においてプロセスコントローラ30は、前記の各制御部30a,30bをそれぞれソフトウエアの態様で備えている。
次に、種火運転の具体的な制御手順について図4のフローチャートに基づき、図5のタイムチャートも参照して説明する。オペレータの操作入力によって予め種火運転を行うことが選択されている場合には、例えばDSSの運転サイクルに従ってガス化発電プラントの1日の運転を終了し、ガス化炉1の通常運転を終了すると、種火運転の所定の開始条件が成立したかどうかの判定が行われる(ステップS1:開始条件成立?)。
一例としてこの実施形態では、通常運転の終了後にガス化炉1及びフィルタエレメント5を収容するケーシング20内を常圧(大気圧)にまで減圧する停止準備運転を行うようにしている。これは、通常運転中の加圧場で種火運転を行おうとしても、出力の小さなエアポンプ24では高圧のガス化炉1に燃焼用空気を供給できないためである。言い換えると、種火運転を常圧場で行うようにしたことで、種火運転のためだけに高圧のコンプレッサを設ける必要がなくなり、設備コストの上昇を回避できるものである。
なお、前記の停止準備運転の際には暫くの間、タービン8の動作を継続して加圧空気を供給し、ガス化炉1に残っているバイオマスを燃やしきるようにしてもよい。これは、以下に述べるように種火運転を始めるときに、ガス化炉1内に高温状態のバイオマスが残っていると、燃焼用空気の供給を開始した途端に一気に燃焼し始めて、急激な温度上昇を招くおそれがあるからである。
そして、前記の停止準備運転が所定時間継続して、ケーシング20内が常圧になれば、或いは図示しない圧力センサによってケーシング20内が常圧になったことが検出されれば、前記ステップS1において種火運転の開始条件が成立した(YES)と判定し、エアポンプ24の動作とともに外気供給管25のバルブ26を開いて、ガス化炉1へ燃焼用空気の供給を開始するとともに、供給機構2の動作によってバイオマスのガス化炉1への供給を開始する(ステップS2)。
また、そうしてガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給を開始するのと同時に、ガスタービン燃焼器7への生成ガス管6のバルブ17は閉じ、バイパス管18のバルブ19を開放する。こうすると、以下に述べる種火運転においてガス化炉1から排出される排ガスは、フィルタエレメント5を通過した後にガスタービン燃焼器7等はバイパスして、煙突15から排気されるようになる。
ここで、種火運転のために供給するバイオマスの量は、ガス化炉1の通常運転時に比べれば非常に少なく、その1/5〜1/10くらいでよい。一例として供給機構2がスクリューコンベアを備える場合、その最大回転数を100%として通常運転時の回転数の比率(回転率)が50〜60%程度であるのに対して、種火運転の際は5〜10%程度である。そして、バイオマスの供給を開始する際のスクリューコンベアの回転率は、バイオマスが実際にガス化炉1に供給されるまでの応答遅れを考慮して暫くの間、前記の5〜10%に、即ち種火運転の際の最大の動作量に維持される。
すなわち、図5に時刻t0〜t1として示すように、種火運転が開始した初期の所定期間はスクリューコンベアの回転率、即ちガス化炉1へのバイオマスの供給量を一定としながら、外気供給管25のバルブ26の開度は徐々に大きくして、燃焼用空気の供給量を徐々に増加させる(図4のフローのステップS3)。こうすれば、前記したバイオマスの供給の応答遅れが大きくても、これに対応するように燃焼用空気が徐々に増量されることになる。
また、燃焼用空気の供給を始めるときにガス化炉1の内部にバイオマスが残っていたとしても、最初に供給される燃焼用空気が少ないことから、残留しているバイオマスが一気に燃え始めて温度が急上昇するという事態は回避される。
そして、予め設定した量(設定給気量)になるまでは(ステップS4でNO)前記のように燃焼用空気を増量する一方、その設定給気量になれば(YES)その後は燃焼用空気の供給量がほぼ一定になるように、流量センサ27の信号をフィードバックしてバルブ26の開度を制御する(ステップS5)。なお、設定給気量は、前記した種火運転の際の供給機構2の最大動作量によるバイオマスの供給量に対して、空気比が1.3〜3.5くらいの所定雰囲気になるように設定されている。
そうしてガス化炉1への給気量をほぼ一定の設定給気量に制御しながら、バイオマスの供給量はフィルタ温度Tfに応じて増減させる。すなわち、フィルタ温度Tfが上昇すればバイオマスの供給量を徐々に増加させ、フィルタへの酸素の供給を減らして燃焼を緩やかにし、フィルタ温度Tfを低下させる。反対にフィルタ温度Tfが低下すればバイオマスの供給量を徐々に減少させて、フィルタへの酸素の供給を増やすことにより、フィルタ温度Tfを上昇させる。
こうすると、図5の時刻t1〜t2に示すように、フィルタ温度Tfの上昇に連れて供給機構2の動作率(図の例ではスクリューコンベアの回転率)が低下し、ガス化炉1へのバイオマスの供給量が徐々に減少してゆく。なお、フィルタ温度Tfとしては、上部及び下部の各フィルタ温度センサ22,23による検出温度のうち高い方を採用すればよい。
そのようにガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給量を制御しながら、プロセスコントローラ30はガス化炉温度Tbed、フィルタ温度Tfを監視している。一例としてフィルタ温度Tfが上昇しなくなり、所定の下限値(図の例では530℃くらい)未満になればフィルタの再生終了と判定して(ステップS6でYES)、後述するステップS10以降の手順に進む一方、フィルタ温度Tfが前記下限値以上であれば(ステップS6でNO)、今度はそのフィルタ温度Tf及びガス化炉温度Tbedのいずれかが所定の上限値以上かどうか判定する(ステップS7)。
この上限値は、フィルタエレメント5に付着しているダスト中の灰の溶融温度、若しくはフィルタエレメント5の耐熱温度(図の例では600℃くらい)とすればよく、ガス化炉温度Tbed及びフィルタ温度Tfのいずれもが上限値未満であれば(ステップS7でNO)前記ステップS5に戻って、ガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給を継続する一方、いずれかの温度が上限値以上になれば(ステップS7でYES)、バイオマス及び燃焼用空気の供給を一時停止する(ステップS8)。
図5の時刻t2ではガス化炉温度Tbedが上限値に達しており、これに応じて外気供給管25のバルブ26が全閉にされるとともに供給機構2の動作も停止されて、ガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給が停止される。これにより時刻t2〜t3においてガス化炉温度Tbed及びフィルタ温度Tfの双方が一様に低下しており、それらが前記の下限値未満になるまでは(ステップS9でNO)待機する。
そして、ガス化炉温度Tbed若しくはフィルタ温度Tfの少なくとも一方が前記下限値にまで低下すれば(ステップS9でYES)前記ステップS2に戻って、ガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給を再開する。これによりガス化炉1において再びバイオマスの燃焼が始まり、図5の時刻t3以降に示すようにガス化炉温度Tbed及びフィルタ温度Tfが上昇する。同図の時刻t4ではフィルタ温度Tfが上限値に達しており、これに応じて前記と同じくガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給が停止され、時刻t4〜t5においてガス化炉温度Tbed及びフィルタ温度Tfの双方が低下するようになる。
このようにガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給とその停止とを繰り返すという簡易な制御によって、ガス化炉1やフィルタエレメント5の温度が過度に上昇することを阻止して、それらが損傷を受けること防止できる。
そして、ガス化炉1の温度を下限値以上に維持しながら、フィルタエレメント5に付着したダストを燃焼させていくと、このダストが燃え尽きてフィルタ温度Tfが上昇しなくなる。すなわち、図5の時刻t5〜t6に示すようにガス化炉1へバイオマス及び燃焼用空気を供給しているにも拘らずフィルタ温度Tfが上昇しなくなり、それが下限値にまで低下すれば(時刻t6)、図4のフローのステップS6でYES、即ちフィルタ再生は終了したと判定する。
このフィルタ再生の終了判定に応じてプロセスコントローラ30は、ガス化炉温度Tbedを維持する種火運転のみが継続するように、バイオマスの供給量を最小化する(ステップS10)。例えばガス化炉温度Tbedの検出値に応じて、これが前記の下限値に維持されるように供給機構2を動作させる。ガス化炉温度Tbedが下がればバイオマスの供給量を少し増やし、温度が上がれば少し減らすことによって、それを概ね530℃くらいに維持することができる。
そうしてフィルタ再生の終了後も種火運転を継続し、最小量のバイオマスを燃焼させることによってガス化炉1の温度を適温に維持しながら、例えば所定の時間が経過して翌朝のプラントの運転再開時間になれば、或いはオペレータの操作入力によってプラントの運転が再開されれば、等々の種火運転の終了条件が成立すれば(ステップS11)、プロセスコントローラ30は、ガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給を停止して(ステップS12)、種火運転の制御を終了する(エンド)。
以上、説明した実施の形態に係るガス化炉1の運転方法によれば、例えば製材所からの廃材をバイオマス(燃料)としてDSS運転を行う小規模なガス化発電プラントにおいて、昼間の通常運転を終了した夜間にガス化炉1内で低コストのバイオマスを少しずつ燃焼させる種火運転を行い、翌朝の再起動時まで適温に維持することができるとともに、その種火運転の際にガス化炉1から排出される低酸素濃度の排ガスを供給することで、フィルタエレメント5に付着したダストを燃焼させて除去することができる。
よって、翌朝の再起動時にガス化炉1の昇温のために使用する灯油のような化石燃料を大幅に削減することができ、或いはその化石燃料の消費をなくすことも可能になって、経済的である上に環境適合性も高い。しかも、フィルタ再生のための不活性ガスによる逆洗の設備が不要で、前記の種火運転のためにガス化炉1へ外気を供給するエアポンプ24等を設けるだけでよいから、設備コストの上昇は最小限で済み、比較的小規模なプラントにも適用しやすい。
また、この実施形態においてはガス化炉温度センサ16によりガス化炉1の温度状態を検出し、上部及び下部の各温度センサ22,23によりフィルタエレメント5の温度状態を検出し、これらに基づいてガス化炉1へのバイオマスや燃焼用空気の供給量を制御するようにしたから、過度の温度上昇によってガス化炉1やフィルタエレメント5が損傷することも防止できる。
−他の実施形態−
なお、上述した実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。例えば、前記実施形態においては種火運転の際にガス化炉1へのバイオマス及び燃焼用空気の供給量を、ガス化炉温度Tbed及びフィルタ温度Tfに基づいて制御するようにしているが、これに限らず、フィルタ温度Tfのみに基づいて制御することも可能である。
また、種火運転の際にガス化炉1からの排ガスを供給してフィルタエレメント5のダストを燃焼させるようにしているが、この際、外気供給管25の分岐管28のバルブ29を開いて、フィルタエレメント5に外気も供給するようにしてもよい
さらに、一例として図6に示すように、サイクロン3からフィルタ室4への導入管3aから分岐して煙突15に至るように、バイパス管31(バイパス通路)を接続して、ガス化炉1から排出される排ガスを、フィルタ室4を通さずに煙突15へ導けるようにしてもよい。このバイパス管にもバルブ32を介設して、通常の運転中はバルブ32は閉じておく。
そして、種火運転のときにはバルブ32を開いて、ガス化炉1からの排ガスの一部をバイパス管31に流通させるとともに、そのバルブ32の開度をフィルタ温度Tfに基づいて増減させて、フィルタ室4への排ガス流量を調整するようにしてもよい。こうして排ガスの流量を調整することによってもフィルタ温度Tfを制御することができる。
また、前記実施形態においてガス化炉1は、フィルタエレメント5と共に二重殻構造のケーシング20内に収容されているが、これに限ることもなく、ケーシング20は二重殻構造でなくてもよいし、フィルタエレメント5をガス化炉1と共通のケーシングに収容しなくてもよい。
また、前記実施形態においてはガス化炉1へ供給する燃料として木質系のバイオマスを例示しているが、これは、例えば家畜の糞尿、食品廃棄物、下水汚泥のような木質系以外のバイオマスであってもよい。
本発明に係るガス化炉の運転方法によれば、通常運転の終了後にバイオマスを用いた種火運転によってフィルタが再生され、再起動時には昇温のための化石燃料の消費が大幅に削減できるもので、例えばDSS運転を行う比較的小規模なプラントに適用して好適である。
1 ガス化炉
2 供給機構(制御手段)
4 フィルタ室
5 フィルタエレメント
15 煙突
16 ガス化炉温度センサ
18 バイパス管(バイパス通路)
20 二重殻構造のケーシング
22 上部のフィルタ温度センサ
23 下部のフィルタ温度センサ
25 外気供給管(制御手段)
26 バルブ(制御手段)
30 プロセスコントローラ(制御手段)
30a バイオマス供給量制御部
30b 燃焼用空気供給量制御部

Claims (12)

  1. バイオマスをガス化するためのガス化炉の運転方法であって、
    前記ガス化炉の下流には生成ガスからダストを取り除くためのフィルタが設けられており、
    前記ガス化炉の通常運転を終了した後に、空気比が1以上の所定雰囲気においてバイオマスを燃焼させ、その排ガスを前記フィルタへ供給して、付着しているダストを燃焼させて除去することを特徴とするガス化炉の運転方法。
  2. 少なくとも前記フィルタの温度状態を検出するためのフィルタ温度センサを設け、
    前記バイオマスを燃焼させるときには、前記フィルタ温度センサにより検出されるフィルタ温度に基づいて、前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御する、請求項1に記載のガス化炉運転方法。
  3. 前記ガス化炉の温度状態を検出するためのガス化炉温度センサをさらに設け、
    該ガス化炉温度センサにより検出されるガス化炉温度と前記フィルタ温度とに基づいて、前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御する、請求項2に記載のガス化炉運転方法。
  4. 前記ガス化炉温度及びフィルタ温度の少なくとも一方が所定の上限値に達するまで、前記ガス化炉へバイオマス及び燃焼用空気を供給し、その上限値に達すれば供給を停止し、その後、ガス化炉温度が所定の下限値にまで低下すれば供給を再開する、請求項3に記載のガス化炉運転方法。
  5. 前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の供給を開始する初期の所定期間は、その燃焼用空気の供給量を徐々に増加させる、請求項3又は4のいずれかに記載のガス化炉運転方法。
  6. 前記ガス化炉への燃焼用空気の供給量をほぼ一定としながら、ガス化炉温度に基づいてバイオマスの供給量を制御する、請求項3〜5のいずれか1つに記載のガス化炉運転方法。
  7. 前記ガス化炉から排出される排ガスを、前記フィルタを通さずに煙突へ導くためのバイパス通路を設けておき、
    前記バイオマスを燃焼させるときには、前記フィルタ温度センサにより検出されるフィルタ温度に基づいて、排ガスの一部を前記バイパス通路に流通させることにより、前記フィルタへの排ガス流量を調整する、請求項2〜6のいずれか1つに記載のガス化炉運転方法。
  8. 前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の供給中にフィルタ温度が上昇しなくなり、所定値以下にまで低下すればフィルタの再生終了と判定して、ガス化炉温度が前記下限値になるようにバイオマスの供給量を制御する、請求項2〜7のいずれか1つに記載のガス化炉運転方法。
  9. バイオマスをガス化するためのガス化炉の運転システムであって、
    前記ガス化炉の下流には生成ガスからダストを取り除くためのフィルタが設けられており、
    少なくとも前記フィルタの温度状態を検出するためのフィルタ温度センサと、
    前記ガス化炉の通常運転を終了した後に、前記フィルタ温度センサにより検出されるフィルタ温度に基づいて、前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御し、そのバイオマスを空気比が1以上の所定雰囲気において燃焼させる制御手段と、を備えることを特徴とするガス化炉運転システム。
  10. 前記ガス化炉の温度状態を検出するためのガス化炉温度センサをさらに備え、
    前記制御手段は、前記ガス化炉温度センサにより検出されるガス化炉温度と前記フィルタ温度とに基づいて、前記ガス化炉へのバイオマス及び燃焼用空気の少なくとも一方の供給量を制御する、請求項9に記載のガス化炉運転システム。
  11. 前記バイオマスを燃焼させるときにガス化炉から排出される排ガスを、前記フィルタから煙突へ導くためのバイパス通路を備えている、請求項9又は10のいずれかに記載のガス化炉運転システム。
  12. 前記バイオマスを燃焼させるときにガス化炉から排出される排ガスを、前記フィルタを通さずに煙突へ導くためのバイパス通路を備えている、請求項9〜11のいずれか1つに記載のガス化炉運転システム。
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