JP2012000297A - 動画像処理装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な装置構成とすることなく、骨部等の構造物の移動による信号変化が除去された、肺野組織の密度変化を観察しやすい胸部動態画像を提供する。
【解決手段】本発明に係る診断用コンソール3によれば、制御部31は、胸部の動態を示す複数のフレーム画像のそれぞれから所定の構造物を示す構造物領域を抽出し、隣接するフレーム画像の上記抽出された構造物領域内の信号値に基づいて、各フレーム間における構造物の移動による信号変化量を推定する。また、複数のフレーム画像間における肺野領域の位置合わせを行い、時間的に隣接するフレーム画像間で対応する画素の信号値の差分をとることによりフレーム間差分画像を生成する。そして、推定されたフレーム間の信号変化量が予め定められた閾値を越えている場合に、フレーム間差分画像における抽出された構造物領域に対応する領域の信号値を補正する。
【選択図】図6

Description

本発明は、動画像処理装置及びプログラムに関する。
従来のフィルム/スクリーンや輝尽性蛍光体プレートを用いた放射線の静止画撮影及び診断に対し、FPD(flat panel detector)等の半導体イメージセンサを利用して検査対象部位の動態画像を撮影し、診断に応用する試みがなされるようになってきている。具体的には、半導体イメージセンサの画像データの読取・消去の応答性の早さを利用し、半導体イメージセンサの読取・消去のタイミングと合わせて放射源からパルス状の放射線を連続照射し、1秒間に複数回の撮影を行って、検査対象部位の動態を撮影する。撮影により取得された一連の複数枚の画像を順次表示することにより、医師は検査対象部位の一連の動きを認識することが可能となる。
また、動態画像を見やすく表示するための各種技術も提案されている。例えば、特許文献1には、動態画像を構成する複数のフレーム画像間で画素値の差を示す差分画像を生成し、生成された差分画像を順次切り替えて表示する技術が記載されている。
また、特許文献2には、肺野部動態画像に写りこんだ骨部の画像成分を低減させるため、複数の異なるエネルギーの放射線を用いて撮影を行う技術が記載されている。
特開2004−312434号公報 特開2003−298939号公報
特許文献1に記載の技術によれば、呼吸時の各タイミングにおける肺野内の信号変化を抽出することができる。しかしながら、信号変化には、肺野の膨張、収縮による肺胞等の密度変化が引き起こす信号変化と、肺野内の構造物の移動による信号変化とが混ざっており、前者の信号変化で表される肺野内の局所的な換気状態を検出することは困難であった。
例えば、吸気時は肺野が膨張し、肺胞等の肺野内組織の密度が小さくなるため、放射線(X線)透過量が増大し、胸部動態画像の肺野領域内信号値は高くなる。一方、呼気時は肺野が縮小し、肺胞等の肺野内組織の密度が大きくなるため、放射線透過量が減少し、胸部動態画像の肺野領域内信号値は低くなる。また、通常、肋骨・鎖骨は吸気時に上方に移動し、呼気時に下方に移動する。これらの挙動から、フレーム間の差分画像では肺野内組織の密度変化に肋骨・鎖骨の移動による信号変化が重畳し、肺野内組織の密度変化による信号変化に対して肋骨・鎖骨の下縁では信号変化が強調され、肋骨・鎖骨の上縁では信号変化が逆転する状態が生じる。これらの構造物の移動による信号変化は、肺野内組織の密度変化が表す局所的な換気状態の検出及び診断の妨げとなる。
また、特許文献2に記載の技術では、管電圧を交互に切り替える等の複雑な機構が必要となり、撮影装置のコストが増大する。
本発明の課題は、複雑な装置構成とすることなく、骨部等の構造物の移動による信号変化が除去された、肺野組織の密度変化を観察しやすい胸部動態画像を提供できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の動態画像処理装置は、
胸部の動態を示す複数のフレーム画像のそれぞれから所定の構造物を示す構造物領域を抽出する構造物抽出手段と、
前記複数のフレーム画像のそれぞれから肺野領域を抽出し、前記複数のフレーム画像間における肺野領域の位置合わせを行う肺野位置合わせ手段と、
前記肺野位置合わせ後の時間的に隣接するフレーム画像間で対応する画素の信号値の差分をとることによりフレーム間差分画像を生成するフレーム間差分画像生成手段と、
前記複数のフレーム画像における前記抽出された構造物領域内の信号値に基づいて、前記構造物の移動による信号変化量を推定する信号変化量推定手段と、
前記推定された信号変化量が予め定められた閾値を越えた場合に、前記フレーム間差分画像における前記抽出された構造物領域に対応する領域の信号値を補正する補正手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記複数のフレーム画像における前記抽出された構造物領域の空間的な信号変化を低減する手段を更に備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記補正された前記フレーム間差分画像を動画表示または静止画表示する表示手段を備える。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記補正されたフレーム間差分画像から周囲との信号値の符号が逆転している領域を抽出し、当該抽出された領域の前記肺野領域に占める割合に基づいて前記肺野領域の呼吸機能が正常であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記表示手段は、前記判定手段による判定結果を併せて表示する。
請求項5に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、
胸部の動態を示す複数のフレーム画像のそれぞれから所定の構造物を示す構造物領域を抽出する構造物抽出手段、
前記複数のフレーム画像のそれぞれから肺野領域を抽出し、前記複数のフレーム画像間における肺野領域の位置合わせを行う肺野位置合わせ手段、
前記肺野位置合わせ後の時間的に隣接するフレーム画像間で対応する画素の信号値の差分をとることによりフレーム間差分画像を生成するフレーム間差分画像生成手段、
前記複数のフレーム画像における前記抽出された構造物領域内の信号値に基づいて、前記構造物の移動による信号変化量を推定する信号変化量推定手段、
前記推定された信号変化量が予め定められた閾値を越えた場合に、前記フレーム間差分画像における前記抽出された構造物領域に対応する領域の信号値を補正する補正手段、
として機能させる。
本発明によれば、複雑な装置構成とすることなく、骨部等の構造物の移動による信号変化が除去された、肺野組織の密度変化を観察しやすい胸部動態画像を提供することができる。
本発明の実施の形態における動態画像診断支援システムの全体構成を示す図である。 図1の撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 図1の診断用コンソールの制御部により実行される画像解析処理を示すフローチャートである。 図3のステップS15における構造物の移動による信号変化量の推定の処理を説明するための図である。 構造物移動領域の信号値補正を行うか否かの判定方法を説明するための図である。 (a)は構造物移動領域の信号値補正前のフレーム間差分画像を示す図、(b)は構造物移動領域の信号値補正後のフレーム間差分画像を示す図である。 第2の実施の形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される画像解析処理Bを示すフローチャートである。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明に係る第1の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
〔動態画像診断支援システム100の構成 〕
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における動態画像診断支援システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、動態画像診断支援システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。動態画像診断支援システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ胸部の動態を撮影する装置である。動態撮影は、人体の胸部に対し、X線等の放射線を連続照射して複数の画像を取得(即ち、連続撮影)することにより行う。この連続撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
撮影装置1は、図1に示すように、放射線源11、放射線照射制御装置12、放射線検出部13、読取制御装置14等を備えて構成されている。
放射線源11は、被写体Mを挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、連続照射時のパルスレート、パルス幅、パルス間隔、撮影開始/終了タイミング、X線管電流の値、X線管電圧の値、フィルタ種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、連続撮影において、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、FPD等の半導体イメージセンサにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の画素がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部により構成されている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。そして、読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、連続撮影において、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図2に示す撮影制御処理を実行するための撮影制御処理プログラムを記憶している。また、記憶部22は、検査対象部位に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部25は、LANアダプタやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から動態画像を取得し、取得した動態画像を表示して医師が読影診断するための動画像処理装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する画像解析処理を始めとする各種処理を実行し、診断用コンソール3各部の動作を集中制御する。制御部31は、画像解析処理を実行することにより、構造物抽出手段、肺野位置合わせ手段、フレーム間差分画像生成手段、信号変化量推定手段、補正手段、判定手段として機能する。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で画像解析処理を実行するための画像解析処理プログラムを始めとする各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメータ、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示手段としての表示部34は、LCDやCRT等のモニタにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部33からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部35は、LANアダプタやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔動態画像診断支援システム100の動作〕
次に、上記動態画像診断支援システム100における動作について説明する。
(撮影装置1、撮影用コンソール2の動作)
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図2に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されている撮影制御処理プログラムとの協働により実行される。
まず、撮影技師により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、撮影対象(被写体M)の患者情報(患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)の入力が行われる(ステップS1)。
次いで、放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS2)。
次いで、操作部23の操作による放射線照射の指示が待機される(ステップS3)。この間、撮影技師は患者のポジショニングを行う。具体的には、被写体Mの胸部正面(又は背面)が放射線源11に対向するように被写体Mを配置する。ポジショニングが終了すると、撮影技師は操作部23を操作して放射線照射を指示する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、動態撮影が開始される(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13によりフレーム画像が取得される。動態撮影開始から予め定められた時間が経過すると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。
撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、撮影順を示す番号と対応付けて記憶部22に記憶されるとともに(ステップS5)、表示部24に表示される(ステップS6)。撮影技師は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS7;YES)、動態撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査対象部位、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれ)、通信部25を介して診断用コンソール3に送信される(ステップS8)。そして、本処理は終了する。一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS7;NO)、記憶部22に記憶された一連のフレーム画像が削除され(ステップS9)、本処理は終了する。
(診断用コンソール3の動作)
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されている画像解析処理プログラムとの協働により図3に示す画像解析処理が実行される。
ここで、胸部正面を撮影した動態画像内には、肺野だけでなく、骨部(鎖骨、肋骨、肩甲骨等)、心壁、横隔膜等の構造物が写りこむ。これらの構造物が呼吸運動等により移動すると、その移動により画像の信号値が変化する。しかし、これらの構造物の移動による信号値の変化(信号変化)は、肺野内組織の密度変化が表す換気状態の検出及び診断の妨げとなる。そこで、画像解析処理においては、構造物の移動による信号変化を動態画像から推定し、その影響を除去して表示や呼吸機能の良否の判定を行う。
画像解析処理においては、まず、構造物抽出処理が実行され、各フレーム画像から構造物領域の抽出が行われる(ステップS11)。
以下の説明では、構造物を鎖骨及び肋骨(鎖骨/肋骨と記す)とした例について説明する。構造物としての鎖骨/肋骨の抽出は、例えば、エッジ抽出による手法、多重解像度分解及びエッジ強調による手法、エネルギーサブトラクション画像で学習したニューラルネットワークを用いる手法等により行うことができる。
エッジ抽出による手法では、公知文献1に記載のように、まず、各フレーム画像に対して、Robinsonオペレータ等のエッジ抽出フィルタを用いてエッジ画像を生成し、エッジ画像から円弧形状を検出するハフ変換などを用いて肋骨らしい円弧形状線をみつけて肋骨形状を検出する。また、直線を検出するハフ変換などを用いて鎖骨らしい直線部分を見つけて鎖骨形状を検出する。この検出した鎖骨/肋骨形状をもとに鎖骨/肋骨領域を特定する(公知文献1:「ハフ変換および線形状性を利用した胸部X線像の主要陰影の辺縁抽出」電子情報通信学会論文誌D-II Vol.J77-D-II No.7 pp1375-1381参照)。
多重解像度分解及びエッジ強調による手法では、公知文献2に記載のように、まず、各フレーム画像を多重解像度分解により各解像度レベルに分解し、各解像度レベル毎に水平/垂直/斜め方向のエッジ成分画像を生成する。そして、所定の解像度レベルの水平方向成分画像において所定閾値を越える部分を鎖骨/肋骨形状として検出し、検出した鎖骨/肋骨形状をもとに鎖骨/肋骨領域を特定する。なお、各解像度レベル毎に、ヘッセ行列の最大固有値を算出することで円形・線状パターンを選択的に強調する画像を作成し、所定の解像度レベルの円形・線状パターン強調画像を鎖骨/肋骨形状として検出することも可能である。(公知文献2:「医用画像における円形・線状パターン検出のためのフィルタバンク構築」電子情報通信学会論文誌D-II Vol.J87-D-II No.1 pp175-185参照)。
エネルギーサブトラクション画像で学習したニューラルネットワークを用いる手法では、公知文献3に記載のように、予め取得された胸部画像と、この胸部画像に対応しエネルギーサブトラクションによって抽出した骨部画像(鎖骨/肋骨のみを抽出した画像)との複数ペアのデータベースを教師データとしてニューラルネットワークを用いて予め学習させておく。学習したニューラルネットワークに、各フレームの胸部画像を入力し、得られた出力の骨部画像をもとに、鎖骨/肋骨領域を特定する(公知文献3:特開2005−20338参照)。
次いで、フレーム画像間の肺野領域内の位置合わせが行われる(ステップS12)。
ステップS12では、ローカルマッチング処理、ワーピング処理により肺野領域内の位置合わせが行われる。
ローカルマッチング処理では、まず、一連のフレーム画像中の任意のフレーム画像(ここでは、撮影順が一番のフレーム画像とする。基準画像と呼ぶ。)から肺野領域を抽出し、抽出した領域における構造物抽出処理で抽出した鎖骨/肋骨領域以外の領域を、縦方向に0.4〜0.6cm、横方向に0.4〜2cmの小領域に分割する。なお、肺野領域の抽出方法は何れの方法であってもよい。例えば、基準画像の各画素の信号値のヒストグラムから判別分析によって閾値を求め、この閾値より高信号の領域を肺野領域候補として1次抽出する。次いで、1次抽出された肺野領域候補の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小領域でエッジが最大となる点を境界に沿って抽出すれば肺野領域の境界を抽出することができる。
次いで、撮影順が1番のフレーム画像をP1、これと隣接するフレーム画像(撮影順が隣接するフレーム画像(即ち、時間的に隣接するフレーム画像。以下同様。))をP2とし、P2に、P1の各小領域の探索領域を設定する。ここで、P2の探索領域は、各小領域における中心点の座標を(x,y)とすると、同一の中心点(x,y)をもち、P1の小領域よりも縦横の幅が大きくなるように設定する(例えば、1.5倍)。そして、P1の各領域毎に、P2の探索範囲で最もマッチング度合いが高くなる位置を求めることで、P1の各小領域に対するP2上での対応位置を算出する。マッチング度合いとしては、最小二乗法や相互相関係数を指標に用いる。
次いで、P2を、新たにP1とみなし、撮影順がP2の次のフレーム画像を新たなP2とみなして、P1の各小領域におけるP2の対応位置を算出する。以上の処理を繰り返すことで、各フレーム画像の各小領域が隣接するフレーム画像のどの位置に対応するかが求まる。求めた処理結果は、制御部31のRAMに記憶される。
なお、ローカルマッチング処理は、フレーム画像そのもので行ってもよいし、グラディエントフィルタ等によりエッジ抽出(強調)した画像に対して行ってもよい。
更には、肺血管影を強調もしくは抽出した画像にてローカルマッチング処理を行ってもよい。肺血管影を強調する手法としては、上述の公知文献2に記載のように、多重解像度分解後、各解像度レベル毎に円形・線状パターンを選択的に強調した画像から肺血管に相当する解像度レベルの画像を抽出することで、肺血管影が強調された画像を得ることができる。また、例えば、公知文献4に記載のように、血管構造のモデルとして、血管影の形状を配慮した伸長や併合、分割といった変形が可能な樹状図形モデルを用い、評価関数が最大化する樹状構造を抽出する方法を用いることで、肺血管影の抽出が可能となる(公知文献4:「Deformable Modelを用いた胸部X線像からの血管影の自動抽出手順」MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY Vol.17 No.5,September1999参照)。このとき、小領域の分割は、基準画像を等間隔に分割しても、抽出した肺血管の分岐点等、構造的に特徴のある点を中心点とした矩形領域に分割してもよい。
次いで、ワーピング処理が行われる。具体的には、撮影順が1番のフレーム画像をP1、これと撮影順が隣接するフレーム画像をP2とし、上記ローカルマッチング処理で算出された隣接するフレーム画像間の各小領域の対応位置に基づいて、各小領域毎にP1からP2へのシフトベクトルを算出する。次いで、算出されたシフトベクトルを多項式でフィッティングして、この多項式を用いて各小領域における各画素のシフトベクトルを算出する。そして、算出された各画素のシフトベクトルに基づいて、ワーピング処理を行い、P2の各小領域内の各画素の位置をP1のフレーム画像の対応する画素の位置にシフトする。次いで、ワーピング処理されたP2を、新たにP1とみなし、撮影順がP2の次のフレーム画像を新たなP2とみなして、上記処理を行う。以上の処理を撮影順の早い隣接フレーム画像間から順次繰り返すことで、全てのフレーム画像の各小領域の位置を基準画像に略一致させることが可能となる。
なお、鎖骨/肋骨領域は肺野領域とは異なる動きをしているため、上述のようにローカルマッチング、ワーピングの対象からは除かれている。
次いで、図3に戻り、構造物の移動量が算出される(ステップS13)。
例えば、ワーピング処理後の基準画像において、ステップS11において算出された基準画像の鎖骨/肋骨領域を1本毎若しくは一本を更に複数個に分割する等、いくつかの小領域に分割し、分割した小領域毎に、例えば、上述のローカルマッチング処理を用いて、隣接するフレーム画像間の対応位置を算出する。そして、算出された対応位置に基づいて、鎖骨/肋骨領域における各小領域毎に、フレーム画像間でどの方向にどれだけ移動したかを表すシフトベクトルを算出する。このシフトベクトルが、構造物の移動量となる。各小領域の対応位置及びシフトベクトルは、制御部31のRAMに記憶される。
次いで、ワーピング処理後の隣接するフレーム画像間において画素単位で信号値の差分をとるフレーム間差分が行われ、フレーム間差分画像が生成される(ステップS14)。フレーム間差分画像によって、フレーム画像間の信号変化(信号値の増減や変化量)を得ることができる。
次いで、構造物の移動による信号変化量の推定が行われる(ステップS15)。
例えば、ワーピング処理後の隣接する前後のフレーム画像をフレームN、フレームN+1とした場合、図4に示すように、フレームNの鎖骨/肋骨領域を分割した各小領域をステップS13で算出したシフトベクトル分シフトしたフレームN+1´を生成し、フレームN+1´の各画素の信号値からフレームNの対応する画素の信号値を差し引く。この差分値は構造物の移動による信号変化量の推定値とみなすことができる。例えば、差分値が0の領域は構造物の移動がない領域と推定することができ、差分値が予め定められた閾値より大きい領域は、構造物の移動のあった領域と推定することができる。差分値が0より大きく閾値より小さい場合は、構造物の移動があったがそれによる信号変化量が小さく、その影響が無視できるほど小さいか、もしくはノイズの可能性が大きい。ここで、閾値は、実験的経験的に求められた値である。
次いで、構造物移動領域の信号値補正が行われる(ステップS16)。ここでは、まず、鎖骨/肋骨領域を分割した小領域内の各画素において、ステップS15で算出された信号変化量が予め定められた閾値と比較される。図5に示すように算出された信号変化量が予め定められた閾値を越えている場合、フレーム間差分画像の対応する領域の画素の信号値を、周囲画素の信号値で置き換える。例えば、置き換えの対象となる画素を中心としたN画素×N画素(Nは奇数。例えば、5、11等)のブロックに対して、その中で置き換えの対象となる画素を除いた画素で平均値を求め、求めた平均値で中心画素の信号値を置き換える。置き換え対象の画素を中心としたブロック内で置き換え対象の画素が合計で所定個数以下となる画素から置き換えを行っていき、その後、置き換え対象の画素が全て置き換えられるまで順次置き換えを繰り返していく。
または、フレーム間差分画像から構造物の移動による信号変化量の推定値を差し引く(差分をとる)ことで、構造物の移動による信号変化を補正する。
補正後のフレーム間差分画像は、ノイズの影響を除去するためにS画素×S画素(Sは1〜20の何れか)の小ブロックに分割し、各小ブロック毎に平均値を求め、小ブロック内の画素の信号値を平均値に置き換えることとしてもよい。
図6(a)に、信号値補正前のフレーム間画像の一例を示す。図6(a)において濃い網掛けで示す領域は、信号変化(差分値の符号)が周囲と反転している領域を示している。この信号変化が周囲と反転している領域のうち、領域R1、R2は、鎖骨の移動による信号変化が重畳した領域である。このように、肺野組織内の密度変化によるものでない信号変化がフレーム間差分画像に混じっていると、肺野組織内の密度変化が表す局所的な換気異常状態の検出及び診断の妨げとなる。そこで、ステップS11〜S16の処理によって、R1、R2等の、構造物の移動による信号変化の領域を特定して、その領域内の信号値を周囲と略同等となるように補正する。これにより、図6(b)に示すように、医師に対し、肺野組織内の密度変化が表す局所的な換気異常状態を容易に把握できる画像を提供することが可能となる。
信号値の補正が終了すると、構造物の移動による信号変化が補正されたフレーム間差分画像に基づいて表示部34に診断支援情報が表示される(ステップS17)。
ステップS17においては、診断支援情報として、例えば、構造物の移動による信号変化の補正後のフレーム間差分画像で信号値が負となる領域(フレーム間で信号値が減少している領域)を所定の色(例えば、オレンジ)で表示し、信号値が正となる領域(フレーム間で信号値が増加している領域)をそれとは異なる色(例えば、緑)で表示した動画像を表示する。また信号値の絶対値が大きい程彩度が大きくなるように、表示色を調整する。
疾患のない健常者では、呼気中は肺野内の組織の密度が上がるため、X線透過量が減少して信号値は減少する。従って、肺野内はオレンジ色で表示される。また、吸気中は肺野内の密度が下がるため、X線透過量が増加して信号値が増加する。従って、肺野内は緑色で表示される。
一方、肺気腫等の疾患患者では、のう胞がある部分や気腫化が強い部分において、周囲との信号変化(差分値の符号)が反転する。そのため、上記表示を行うと、呼気中に緑色の領域が表示されたり、吸気中にオレンジの領域が表示されたりする。即ち、図6(b)に示すような表示となる。
このように、フレーム間差分画像をもとに色づけした動画像を観察することで、医師は信号変化(差分値の符号)が周囲の肺野領域と反転している領域の大きさから疾患、例えば、肺気腫の進行度を把握することができるとともに、呼吸の速さ、呼気の時間と吸気の時間の割合、上肺野と下肺野での信号変化の切り替わりタイミングのずれ等の情報を同時に動画の中から見出すことができ、より診断の精度を向上させることができる。特に、このステップS17で表示される画像は、上述のように構造物の移動による信号変化が除去されているため、医師は、肺野組織内の密度変化が表す局所的な換気異常状態を容易に把握することができる。
なお、横隔膜等の動きが容易に把握できるように、色づけしていない原画像の動画を再生タイミングを同期させて並列表示してもよい。
また、前述のワーピング処理において、全フレーム画像を基準画像には一致させずに、それぞれ隣接フレーム間のみでワーピングを行い、ワーピングした隣接フレーム画像間で、上記のとおり、構造物移動量算出、フレーム間差分画像作成、構造物移動による信号変化量推定、構造物移動領域の信号値補正を行い、この補正後のフレーム間差分画像の各画素の信号値(差分信号値)に基づいて色づけした画像を、ワーピング前の原画像の各フレーム画像上にオーバーレイして動画表示してもよい。
また、上記動画表示に代えて、又は上記動画表示とともに、所定タイミングのフレーム画像を上記基準で色付けした静止画像を表示してもよい。若しくは、全フレーム画像に対して信号変化反転領域のAND、ORをとった画像を生成して、静止画表示してもよい。このように静止画表示することで、医師は、動画表示時のように再生中に絶えず画像を凝視するような束縛を受けることなく、短時間で病状を把握できるようになり、診断効率を向上させることができる。
また、ステップS17においては、静止画像を表示するだけでなく、更に以下の解析及び判定を行って、結果を静止画像と並べて表示してもよい。即ち、表示する静止画像において、信号変化反転領域を抽出し、肺野領域に対する信号変化反転領域の割合(=信号変化反転領域/肺野領域[%])を計算し、計算結果を静止画に並列して表示してもよい。更に、信号変化反転領域の割合を所定閾値と比較し、所定の閾値を越えているか否かに基づいて、肺野領域における呼吸機能が正常であるか異常であるかを判定し、判定結果を併せて表示するようにしてもよい。また、異常である場合は、閾値からの乖離の程度や異常個所(位置、分布、形状)等によって、例えば、肺気腫重症度I〜IVの5段階に分類、評価し、評価の結果等を静止画と並べて表示することとしてもよい。また、動画表示する場合においても、所定タイミングのフレーム画像や、全フレーム画像に対して信号変化反転領域のAND、ORをとった画像を用いて、上記の解析及び判定を行って、判定結果を動画と併せて表示することとしてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における構成は、第1の実施の形態において図1を用いて説明したものと同様であるので説明を援用する。第2の実施の形態では、診断用コンソール3における画像解析処理の内容が第1の実施の形態と異なるので、以下画像解析処理について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されている画像解析処理プログラムとの協働により図7に示す画像解析処理(画像解析処理Bとする)が実行される。
画像解析処理Bは、図7に示すように、第1の実施の形態で説明した画像解析処理に対し、抽出された構造物領域の空間的な信号変化を低減する手段としてのステップS24の構造物減弱処理が追加されたものである。
画像解析処理Bにおいては、まず、図7のステップS21〜ステップS23の処理が実行される。ステップS21〜ステップS23の処理は図3のステップS11〜ステップS13で説明したものと同様であるので説明を援用する。
次いで、ワーピング後の各フレーム画像から、ステップS21で抽出された構造物による空間的な信号変化を減弱する構造物減弱処理が実行される(ステップS24)。
構造物減弱処理は、例えば、上述の公知文献2に記載のように、鎖骨/肋骨に相当する水平方向のエッジ成分を減弱(低減)することで、骨部の信号変化が低減された画像を生成する。具体的には、多重解像度分解で抽出した水平方向のエッジ成分の値をゼロにして再構成することで鎖骨/肋骨による陰影を除去した画像を生成することができる。
また、上述の公知文献3に記載のように、ニューラルネットワークで得られた骨部(鎖骨/肋骨)のみを抽出した画像を原画像から減算することで、骨部の陰影を除去した画像を生成することができる。このとき、肺野内位置合わせ、ワーピングは、このニューラルネットワークを用いた構造物減弱処理の後に行ってもよい。
次いで、構造物減弱処理後の隣接フレーム間でフレーム間差分処理が行われる(ステップS25)。次いで構造物の移動による信号変化量が推定される(ステップS26)。ステップS26の処理は、図3のステップS15と同様の処理である。
次いで、構造物の移動領域の補正が行われる(ステップS27)。ここでは、ステップS26で推定された信号変化量が所定の閾値を越えた場合であって、更に、フレーム間差分画像の信号値(の絶対値)が所定閾値を越える領域の画素の信号値を、周辺画素の信号値で置き換える。信号値を置き換える具体的な手法は、図3のステップS16で説明したものと同様であるので説明を援用する。
そして、構造物の移動による信号変化量が補正されたフレーム間差分画像に基づいて表示部34に診断支援情報が表示される(ステップS28)。診断支援情報の表示態様は、図3のステップS17で説明したものと同様であるので説明を援用する。
第2の実施の形態においては、構造物による空間的な信号変化を予め低減させておくものであるが、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の何れにおいても、構造物の移動による信号変化が除去された、医師が肺野組織内の密度変化が表す局所的な換気異常状態を容易に把握することができる診断支援情報を提供することができる。
以上説明したように、診断用コンソール3によれば、制御部31は、胸部の動態を示す複数のフレーム画像のそれぞれから所定の構造物を示す構造物領域を抽出し、隣接するフレーム画像の上記抽出された構造物領域内の信号値に基づいて、各フレーム間における構造物の移動による信号変化量を推定する。また、複数のフレーム画像のそれぞれから肺野領域を抽出し、複数のフレーム画像間における肺野領域の位置合わせを行い、時間的に隣接するフレーム画像間で対応する画素の信号値の差分をとることによりフレーム間差分画像を生成する。そして、推定されたフレーム間の信号変化量が予め定められた閾値を越えている場合に、フレーム間差分画像における抽出された構造物領域に対応する領域の信号値を補正し、補正後のフレーム間差分画像を表示部34に動画表示または静止画表示する。
従って、複雑な装置構成とすることなく、画像処理により骨部等の構造物の移動による信号変化が除去された、肺野組織の密度変化を観察しやすい胸部動態画像を医師に提供することができる。その結果、診断効率の向上、診断精度の向上を図ることが可能となる。
また、補正されたフレーム間差分画像から周囲との信号値の符号が逆転している領域を抽出し、当該抽出された領域の前記肺野領域に占める割合に基づいて前記肺野領域の呼吸機能が正常であるか否かを判定し、判定結果を表示部34に表示することで、医師に対して、更に診断に有用な情報を提供することが可能となる。
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、鎖骨/肋骨を構造物とした場合を例にとり説明したが、これに限定されない。
また、例えば、上述の形態においては、隣接フレーム間でフレーム間差分画像を生成する例としたが、隣接フレーム間に限らず、複数フレーム離れた2フレーム間に対するフレーム間差分画像を生成するものとして、複数フレーム離れた2フレーム間に対して上記の構造物移動量算出以降の処理を行ってもよい。
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等
の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、動態画像診断支援システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 動態画像診断支援システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス

Claims (5)

  1. 胸部の動態を示す複数のフレーム画像のそれぞれから所定の構造物を示す構造物領域を抽出する構造物抽出手段と、
    前記複数のフレーム画像のそれぞれから肺野領域を抽出し、前記複数のフレーム画像間における肺野領域の位置合わせを行う肺野位置合わせ手段と、
    前記肺野位置合わせ後の時間的に隣接するフレーム画像間で対応する画素の信号値の差分をとることによりフレーム間差分画像を生成するフレーム間差分画像生成手段と、
    前記複数のフレーム画像における前記抽出された構造物領域内の信号値に基づいて、前記構造物の移動による信号変化量を推定する信号変化量推定手段と、
    前記推定された信号変化量が予め定められた閾値を越えた場合に、前記フレーム間差分画像における前記抽出された構造物領域に対応する領域の信号値を補正する補正手段と、
    を備える動態画像処理装置。
  2. 前記複数のフレーム画像における前記抽出された構造物領域の空間的な信号変化を低減する手段を更に備える請求項1に記載の動態画像処理装置。
  3. 前記補正された前記フレーム間差分画像を動画表示または静止画表示する表示手段を備える請求項1又は2に記載の動態画像処理装置。
  4. 前記補正されたフレーム間差分画像から周囲との信号値の符号が逆転している領域を抽出し、当該抽出された領域の前記肺野領域に占める割合に基づいて前記肺野領域の呼吸機能が正常であるか否かを判定する判定手段を備え、
    前記表示手段は、前記判定手段による判定結果を併せて表示する請求項3に記載の動態画像処理装置。
  5. コンピュータを、
    胸部の動態を示す複数のフレーム画像のそれぞれから所定の構造物を示す構造物領域を抽出する構造物抽出手段、
    前記複数のフレーム画像のそれぞれから肺野領域を抽出し、前記複数のフレーム画像間における肺野領域の位置合わせを行う肺野位置合わせ手段、
    前記肺野位置合わせ後の時間的に隣接するフレーム画像間で対応する画素の信号値の差分をとることによりフレーム間差分画像を生成するフレーム間差分画像生成手段、
    前記複数のフレーム画像における前記抽出された構造物領域内の信号値に基づいて、前記構造物の移動による信号変化量を推定する信号変化量推定手段、
    前記推定された信号変化量が予め定められた閾値を越えた場合に、前記フレーム間差分画像における前記抽出された構造物領域に対応する領域の信号値を補正する補正手段、
    として機能させるためのプログラム。

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