現在、3次元(3D)劇場上映は、一般に、本編に先立って上映される1つまたは複数の広告または予告編を含む。これらの広告および予告編は、一般に、2次元(2D)ビジュアルセグメントとして作製および表示される。以下の本文で述べるように、3次元の本編と2次元の広告または予告編の、従来技術の動作はそれぞれ、それ自体が、組合せで、また個々に欠点を有する。
3次元上映全般に関しては、映写映像をいわゆる3次元(3D)映像に変換することによって、奥行きが見えて、映写映像を向上させることができることが周知である。これは、一般に、観覧者の左目で見られることになる映像を、観覧者の右目で見られることになる映像と異なるように偏光することによって行われる。3D効果は、一般に観覧者の左目で使用するための偏光フィルタと、観覧者の右目で使用するための異なる偏光フィルタとを有する「3D眼鏡」として構成される偏光フィルタレンズを使用して観覧者が偏光映像を見たとき、観覧者によって知覚される。3D眼鏡を使用して3D映像を見ると、観覧者の左目には、左目に関連付けられた偏光フィルタを通過するように適切に偏光された光だけが見え、観覧者の右目には、観覧者の右目に関連付けられた偏光フィルタを通過するように適切に偏光された光だけが見える。3D映像を表示する上述の方法は、パッシブ3Dビューイングとして知られており、この場合、映写機は、典型的なフレームレートの2倍で左目情報を右目情報と交互に入れ替え、映写機のレンズの前にあるスクリーン/フィルタ/偏光ブロッカ(polarizing blocker)が映写映像の偏光を、各目の映像が上記で論じたパッシブステレオ眼鏡の対応する偏光フィルタを通過するように交互に入れ替える。パッシブ3Dビューイングの代替がアクティブ3Dビューイングであり、この場合、各観覧者は、LCD光シャッタ付き眼鏡を着用し、これらのシャッタは、映写機が左目映像を表示するとき、アクティブステレオ眼鏡の右目シャッタが閉じられ、逆も同様であるように、映写機と同期して機能する。
3D映像を提供する現行システムの1つの問題は、3D映像の一部の観覧者によって報告されている、知覚される「フリッカ」である。最も一般的には、フリッカは、第2の目が映像を見ることができる期間全体の間、第1の目にとって見ることができる映像がないことを知覚する人の光学系に関連する。時間が進むと、第1の目が映像を見ている間、第2の目は、映像を見ることができない。目は、順次かつ交互に、映像を見ることが許される。第1の目と第2の目で見られる映像は、前述のように相異なる偏光の映像である。
従来技術の図1は、3D映像を提供するための従来のシステムを使用して観覧者の左目および右目に対して示される映像のタイミングを示す。矢印100は、時間が経過するものとして表される方向を示す。水平線102は、第1の左目映像(以下、「左目映像」は「LEI」と称する)が観覧者の左目に映写される準備ができていなければならない時間を表す。LEI期間104(以下、「LEI期間」は「LEITP」と称する)は、映像生成機(または映像サーバ)から映写機に第1のLEI(または第1の左目フレーム)を転送するタイミングおよび持続時間を表す。水平線106は、第2のLEIが観覧者の左目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、LEITP108は、第2のLEIを転送するタイミングおよび持続時間を表す。同様に、水平線110は、第3のLEIが観覧者の左目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、LEITP112は、第3のLEIを転送するタイミングおよび持続時間を表す。3D映像を提供するための従来のシステムでは、LEIおよび右目映像(以下、「右目映像」は「REI」と称する)の配信(delivery)および見るための使用可能性(availability for viewing)は、LEIおよびREIが実質的に同時に生成機から映写機に到着し、映写するために使用可能になるように、実質的に同期している。この同期配信は、それぞれLEITP104、108、112の開始時間および完了時間に対して実質的に同期された開始時間および完了時間を有するそれぞれ第1のREI期間114、第2のREI期間116、第3のREI期間118によって表されている。LEIとREIとの配信完了の時間の開きが、一般に配信120におけるスラック(slack)と呼ばれ、典型的には、映写機が映像を実際に見えるようにすることによって占有される時間に対応する。
最も単純な従来の3D映像システムは、第1のLEIと第1のREIの間で1回だけ交互に入れ替えてから第2のLEIおよび後続の第2のREIの表示に進むシングルフラッシュシステムである。シングルフラッシュシステム122のタイミングが、第1のLEIが第1のLEIの第1の持続時間124の間フラッシュされ、その後に、第1のREIの第1の持続時間128の間フラッシュされる第1のREIが続くことを示すことによって表されている。次に、第2のLEIが第2のLEIの第1の持続時間130の間フラッシュされ、その後に続いて、第2のREIが第2のREIの第1の持続時間132の間フラッシュされる。最後に、第3のLEIが第3のLEIの第1の持続時間134の間フラッシュされ、その後に続いて、第3のREIが第3のREIの第1の持続時間136の間フラッシュされる。図のように、LEIとREIの間で切り替えている間、どちらの目にも映像が示されない切替え間隔126が発生する。しかし、このシングルフラッシュシステムは、望ましくないフリッカを呈する。
フリッカの問題に対処するために、LEIとREIの間で2回交互に入れ替えてからLEIおよびREIの第2のセットに進むダブルフラッシュシステムが開発されている。ダブルフラッシュシステム138のタイミングが、第1のLEIが第1のLEIの第1の持続時間140の間フラッシュされ、その後に、第1のREIの第1の持続時間142の間フラッシュされる第1のREIが続くことを示すことによって表されている。次に、第1のLEIが第1のLEIの第2の持続時間144の間再びフラッシュされ、その後に続いて、第1のREIが第1のREIの第2の持続時間146の間再びフラッシュされる。次に、第2のLEIが第2のLEIの第1の持続時間148の間フラッシュされ、その後に続いて、第2のREIが第2のREIの第1の持続時間150の間フラッシュされる。次に、第2のLEIが第2のLEIの第2の持続時間152の間再びフラッシュされ、その後に続いて、第2のREIが第2のREIの第2の持続時間154の間再びフラッシュされる。次に、第3のLEIが第3のLEIの第1の持続時間156の間フラッシュされ、その後に続いて、第3のREIが第3のREIの第1の持続時間158の間フラッシュされる。最後に、第3のLEIが第3のLEIの第2の持続時間160の間再びフラッシュされ、その後に続いて、第3のREIが第3のREIの第2の持続時間162の間再びフラッシュされる。ダブルフラッシュシステム138はシングルフラッシュシステム122に優る改良であるが、このダブルフラッシュシステム138は、依然として一部の観覧者によって知覚される望ましくないフリッカを呈する。
フリッカを低減しようとするさらなる試みが、LEIとREIの間で3回交互に入れ替えてからLEIおよびREIの後続のセットに進むトリプルフラッシュシステムを提供することによって行われている。トリプルフラッシュシステム164のタイミングが、第1のLEIの第1のフラッシュ166、第1のREIの第1のフラッシュ168、第1のLEIの第2のフラッシュ170、第1のREIの第2のフラッシュ172、第1のLEIの第3のフラッシュ174、第1のREIの第3のフラッシュ176、第2のLEIの第1のフラッシュ178、第2のREIの第1のフラッシュ180、第2のLEIの第2のフラッシュ182、第2のREIの第2のフラッシュ184、第2のLEIの第3のフラッシュ186、第2のREIの第3のフラッシュ188、第3のLEIの第1のフラッシュ190、第3のREIの第1のフラッシュ192、第3のLEIの第2のフラッシュ194、第3のREIの第2のフラッシュ196、第3のLEIの第3のフラッシュ198、および第3のREIの第3のフラッシュ200の順序で映像がフラッシュされることを示すことによって表されている。各フラッシュは、切替え間隔126によって分離される。このトリプルフラッシュシステム164はダブルフラッシュシステム138に比べてフリッカをさらに低減するが、従来の機器すべてが、映像の解像度全体を低下させることなしにLEIとREIとの高速切替えに対処することができるわけではない。
3D映像を表示する多数の先進の方法があるが、フリッカを低減することに関して改善の余地が残っている。
広告または予告編の形態にある2次元(2D)ビジュアルセグメントに関しては、これらの3D映画館内の映写機が、3次元の本編に使用される同じ機構を使用して、相異なる左目映像と右目映像がない通常の2Dビジュアルセグメントを表示している。この機構により、連続するフレームが交互の目で見られる。たとえば、奇数フレームすべてが一方の目で見られ、偶数フレームすべてが他方の目で見られる。これは一般に、片目あたり12Hzの耐え難いフリッカを引き起こす。
図2は、観覧者の左目と右目の間での前述の交互に入れ替わる非立体視フレームのプロセスおよびタイミングを示す。矢印100は、時間が経過するものとして表される方向を示す。水平線202は、第1の非立体視フレームが観覧者の左目に映写される準備ができている時間を表す。第1の持続時間204は、映像生成機(または映像サーバ)から映写機に第1の非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。水平線206は、第2の非立体視フレームが観覧者の右目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、第2の期間208は、第2の非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。同様に、水平線210は、第3の非立体視フレームが観覧者の左目で見られる準備ができている時間を表す。このシングルフラッシュシステムのタイミングは、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が第1の持続時間224の間、左目にフラッシュされ、その後に、第2の持続時間230の間、右目にフラッシュされる(第2のフレームに対応する)第2の非立体視映像が続くことを示すことによって表されており、個々のフラッシュが、切替え間隔226によって分離されている。次いで、(第3のフレームに対応する)第3の非立体視映像が第3の持続時間234の間、左目にフラッシュされることになる。
次に図面内の図3を参照すると、本発明による、3次元コンテンツおよび2次元コンテンツを表示する3D映写システムが示されている。3D映写システム300は、映像リンク304(暗号化されたデュアルHD−SDI(高品位シリアルデジタルインターフェース)とすることができる)を介してLEIおよびREIをデジタル映写機306に送るための映像源302(または映像サーバ)を備える。LEIおよびREIは、映写機306から映写レンズ308を通り、その後で、映写機306からの偏光位相信号312を供給する偏光セル/ドライバ310を通って映写される。偏光セル/ドライバ310を通過した後で、LEIおよびREIは、映写314としてスクリーン316上に向けて送られる。観覧者318は、左目偏光レンズ320および右目偏光レンズ322を使用して3D映像を知覚することが可能になる。動作時には、LEIが偏光セル/ドライバ310を透過するとき、LEIは、第1の偏光方式で偏光される。偏光されたLEIは、スクリーン316から反射され、左目偏光レンズ320を通って、観覧者318に至る。同様に、REIが偏光セル/ドライバ310を透過するとき、REIは、第2の偏光方式で偏光される。偏光されたREIは、スクリーン316から反射され、右目偏光レンズ322を通って、観覧者318に至る。偏光方式は、P偏光/S偏光または右回り円偏光/左回り円偏光の使用を含むことができることを理解されたい。この実施形態は、映写がスクリーン316から観覧者318に反射されるとき、スクリーン316が映写314の偏光を保存することを必要とする。
代替的実施形態では、3D映写システム300は、ユーザ326に着用されるアクティブシャッタ眼鏡と共に使用するための赤外線エミッタ324を備えることができる。アクティブシャッタ眼鏡は、左目アクティブシャッタ328および右目アクティブシャッタ330を備える。アクティブシャッタ眼鏡は、赤外線エミッタ324(または送信機)から信号を受信するための受信機(図示せず)を含む。LEIが映写機によって表示されるとき左目アクティブシャッタ328が見ることを可能にし、LEIが映写機によって表示されるとき右目アクティブシャッタ330が見ることを不可能にするように、アクティブシャッタ眼鏡に送られる信号が左目アクティブシャッタ328および右目アクティブシャッタ330を映写機306によって送られるLEIおよびREIと同期させる。同様に、REIが映写機によって表示されるとき右目アクティブシャッタ330が見ることを可能にし、REIが映写機306によって表示されるとき左目アクティブシャッタ328が見ることを不可能にする。3D映像を見ることを可能にするために赤外線エミッタ324、左目アクティブシャッタ328、右目アクティブシャッタ330が使用される場合、3D映写システム300は、偏光セル/ドライバ310、左目偏光レンズ320、または右目偏光レンズ322を使用することを必要とせず、スクリーン316が映写314の偏光を保存することも必要とされないことになる。
3D映写システム300の別の代替的実施形態は、LEIだけが左カラー櫛形フィルタ(図示せず)を通り、REIだけが右カラー櫛形フィルタ(図示せず)を通ることを可能にするように、相互に排他的な狭帯域のRGBカラー櫛形フィルタを備えることができる。この実施形態では、カラー櫛形フィルタによって、フィルタリングするのに適した色成分を有して、LEIおよびREIが映写機306から映写される。
3D映写システム300は、様々なレートで、また様々なタイミング方式(以下で論じる)を用いて、LEIおよびREIをそれぞれ観覧者の左目および右目に送るのに適している。
次に図面内の図4を参照すると、図4は、本発明による交互優先式の非整数タイミング方式400を示す。交互優先式の非整数タイミング方式400は、LEIおよびREIをそれぞれ観覧者の左目および右目に送る上で映写システム300と共に使用するのに適している。矢印402は、時間が経過する方向を示す。水平線404は、第1のLEIが観覧者の左目に映写される準備ができていなければならない時間を表す。LEITP406は、映像生成機(または映像サーバ)から映写機に第1のLEI(または第1の左目フレーム)を転送するタイミングおよび持続時間を表す。3D映像を送るためのこの方式では、LEIおよびREIの配信および見るための使用可能性は、LEIおよびREIが実質的に同時に生成機から映写機に到着し、映写するために使用可能になるように、実質的に同期している。この同期配信は、それぞれLEITP406、410、414の開始時間および完了時間に対して実質的に同期された開始時間および完了時間を有するそれぞれ第1のREITP416、第2のREITP418、第3のREITP420によって表されている。LEIの配信完了とLEIが映写される準備ができていなければならない時間との時間の開きが、一般に配信422におけるスラックと呼ばれ、これらの開きは、典型的には、映写機が映像を実際に見えるようにすることによって占有される時間に対応する。配信422におけるスラックは、別にセットアップ時間と称することもでき、フレーム時間に対して短いものとして示されている。これは、例示の見やすさにとって適切であり、基本的に次のフレームが到着しなければならない締切りを伝える。しかし、映写機の実施物がフレームバッファパイプラインアーキテクチャを使用している場合、配信422によって指し示される実際のセットアップ時間は、数フレームの大きさ程度になる。
さらに図4を参照すると、交互優先式の非整数タイミング方式400は、この実施形態では、LEIとREIの間で2.5回交互に入れ替えてからLEIおよびREIの第2のセットに進む。この交互優先式の非整数タイミング方式400のタイミングは、第1のLEIが第1のLEIの第1の持続時間424の間フラッシュされ、その後に、第1のREIの第1の持続時間426の間フラッシュされる第1のREIが続くことを示すことによって表されている。次に、第1のLEIが第1のLEIの第2の持続時間428の間再びフラッシュされ、その後に続いて、第1のREIが第1のREIの第2の持続時間430の間再びフラッシュされる。次に、第1のLEIが第1のLEIの第3の持続時間432の間フラッシュされ、その後には、第1のREIのどの後続のフラッシュも続かない。
さらに図4を参照すると、方式400は、LEIおよびREIの第2のセットに進んで表示する。具体的には、水平線408は、第2のREIが観覧者の右目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、LEITP410は、第2のLEIを転送するタイミングおよび持続時間を表す。LEIおよびREIのこの第2のセットの場合、LEIではなくREIが最初に表示されることになる。具体的には、第2のREIが第2のREIの第1の持続時間434の間フラッシュされ、その後に続いて、第2のLEIが第2のLEIの第1の持続時間436の間フラッシュされる。次に、第2のREIが第2のREIの第2の持続時間438の間再びフラッシュされ、その後に続いて、第2のLEIが第2のLEIの第2の持続時間440の間再びフラッシュされる。次に、第2のREIが第2のREIの第3の持続時間442の間フラッシュされ、その後には、第2のLEIのどの後続のフラッシュも続かない。その代わりに、方式400は、LEIおよびREIの第3のセットに進んで表示する。
さらに図4を参照すると、方式400は、LEIおよびREIの第3のセットに進んで表示する。同様に、水平線412は、第3のLEIが観覧者の左目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、LEITP414は、第3のLEIを転送するタイミングおよび持続時間を表す。LEIおよびREIの第1のセットの場合と同様に、LEIおよびREIのこの第3のセットでは、REIではなくLEIが最初に表示されることになる。最後に、第3のLEIが第3のLEIの第1の持続時間444の間フラッシュされ、その後に続いて、第3のLEIが第3のLEIの第2の持続時間448の間再びフラッシュされる。次に、第3のREIが第3のREIの第2の持続時間450の間再びフラッシュされる。次に、第3のLEIが第3のLEIの第3の持続時間452の間フラッシュされ、その後には、第3のREIのどの後続のフラッシュも続かない。その代わりに、方式400は、このようにしてLEIおよびREIの第4の後続のセット(図示せず)に進んで表示する。切替え間隔454、すなわち映像がどちらの目にも示されない期間が、LEIとREIの交互に入れ替わる各表示間で生じ、エンコーダセルとすることができる偏光セル/ドライバ310、またはアクティブレンズとすることができるシャッタ328、330の切替え時間によるLEIとREIの間のクロストークの望ましくない光学的な知覚を最小限に抑える上で有用である。非整数タイミング方式は、各LEIおよびREIが示される回数の増大により、多数の従来の映写機の帯域幅限界を超えることなしに、知覚されるフリッカの低減を可能にする。機器の帯域幅限界を超えないので、LEIおよびREIを、映像の制作者が意図している全解像度で送信することができる。
上記の実施形態は、LEITP406、410、414の開始時間および完了時間と同期されたREITP416、418、420の開始時間および完了時間を有するが、本発明の他の実施形態は、あるフレームのREITP416、418、420の開始時間および/または完了時間を、それぞれLEITP406、410、414の時間の前または後にすることができるように、LEITP406、410、414の開始時間および完了時間と同期されないREITP416、418、420の開始時間および完了時間を含む。換言すれば、REITPまたはLEITPが互いに対してシフトされる。
図5は、3次元作品内での2次元コンテンツ方式システム800の表示を示し、3次元ビューイングのための交互優先式の非整数タイミング方式400が示されている。一般に、本発明による3次元作品は、互いに連続する2次元コンテンツと3次元コンテンツを含むことになる。交互優先式の非整数タイミング方式400が3次元コンテンツ用に示されているが、本発明は、均等シングルフラッシュ方式(シングルフラッシュシステム122など)、3次元の均等ダブルフラッシュ方式(ダブルフラッシュシステム138など)、または3次元の均等トリプルフラッシュ方式(トリプルフラッシュシステム164など)など他の3次元方式が、位相ロック式ダブルフラッシュ方式590、位相ロック式クアドルプルフラッシュ方式592、またはフリーランフラッシュ方式594を含む2次元コンテンツ方式のいずれかと共に使用される実施形態を含む。
図5に示されている交互優先式の非整数タイミング方式400のこれ以上の説明は、この方式の特徴が図4を参照してすでに述べられているので省略されている。
図5に関しては、3次元の交互優先式の非整数タイミング方式400前に様々な2次元コンテンツ方式システム590、592、594が使用される例示的な3次元作品が示されており、第1の遷移検出期間600および第2の遷移検出期間700が示されている。第1の遷移検出期間600は、表示機器が本質的に2次元コンテンツへの開始または遷移を検出し、好ましい2次元フラッシング方式に従って2次元コンテンツを表示することを開始するように表示機器をトリガするプロセスステップである。第2の遷移検出期間700は、表示機器が本質的に2次元コンテンツと3次元コンテンツの間の遷移を検出し、本質的に、好ましい3次元フラッシング方式に従って3次元コンテンツを表示することを開始するように表示機器をトリガするプロセスステップである。図5は、3次元コンテンツの1つのクリップの前の、2次元コンテンツの1つのクリップを示すが、3次元コンテンツが2次元コンテンツに先行することができ、複数の交互に入れ替わるコンテンツ方式が存在する。
図5に示されている第1の2次元コンテンツ方式は、位相ロック式ダブルフラッシュ方式590である。矢印100は、時間が増加するものとして表される方向を示す。水平線280は、第1の2次元フレームの第1の非立体視映像が観覧者の左目に映写される準備ができていなければならない時間を表す。第1の期間560は、映像生成機(または映像サーバ)から映写機に第1の非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。同様に、水平線282、284は、第2の非立体視フレームおよび第3の非立体視フレームがそれぞれ、観覧者の左目で見られる準備ができていなければならない時間を表す。第2の期間562および第3の期間564は、第2の非立体視フレームおよび第3の非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。このダブルフラッシュシステムのタイミングは、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、左の第1の持続時間500の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、右の第1の持続時間502の間、右目にフラッシュされることを示すことによって表されており、切替え間隔570が、左目と右目の間で個々のフラッシュを分離して示されている。2つの連続するフラッシュが同じ映像のものである場合、映写機によってフラッシュ間に課されるブランキング間隔は必要とされない可能性がある。しかし、切替え間隔570は、なおもエンコーダセル310、またはアクティブレンズ328、330の切替え時間を表すことができる。次に、(第2のフレームに対応する)第2の非立体視映像が、第2の左の第1の持続時間504の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、(第1のフレームに対応する)第2の非立体視映像が、第2の右の第1の持続時間506の間、右目にフラッシュされる。次いで、(第3のフレームに対応する)第3の非立体視映像が、第3の左の第1の持続時間508の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、(第3のフレームに対応する)第3の非立体視映像が、第3の右の第1の持続時間510の間、右目にフラッシュされる。
図5に示されている第2の2次元コンテンツ方式は、位相ロック式クアドルプルフラッシュ方式592である。矢印100は、時間が増加するものとして表される方向を示す。第1の期間560、第2の期間562、第3の期間564は、やはり映像生成機(または映像サーバ)から映写機にそれぞれの非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。同様に、水平線280、282、284は、それぞれの非立体視フレームが観覧者の左目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、それぞれの期間560、562、564は、それぞれの非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。このクアドルプルフラッシュシステムのタイミングは、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、左の第1のフレーム持続時間512の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、右の第1のフレーム持続時間514の間、右目にフラッシュされることを示すことによって表されている。次いで、第1の非立体視映像が、第2の左の第1のフレーム持続時間516の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、第1の非立体視映像が、第2の左の第1のフレーム持続時間518の間、右目にフラッシュされることになる。次に、(第2のフレームに対応する)第2の非立体視映像が、第1の左の第2のフレーム持続時間520の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、(第2のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、第1の右の第2のフレーム持続時間522の間、右目にフラッシュされる。次いで、第2の非立体視映像が、第2の左の第2のフレーム持続時間524の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、第1の非立体視映像が、第2の左の第2のフレーム持続時間526の間、右目にフラッシュされることになる。図5に示されているように、第1の左の第3のフレーム持続時間528、第1の右の第3のフレーム持続時間530、第2の左の第3のフレーム持続時間532、および第2の右の第3のフレーム持続時間534として進む第3の非立体視フレームのためのクアドルプルフラッシュシーケンスが示されている。図のシーケンスのそれぞれは、左を先にフラッシュすることを具体的に指しているが、本発明は、右目を先にフラッシュすることからシーケンスが始まる実施形態を含むことを理解されたい。
図5に示されている第3の2次元コンテンツ方式は、フリーラン方式594である。矢印100は、時間が経過する方向を示す。第1の期間560、第2の期間562、第3の期間564は、やはり映像生成機(または映像サーバ)から映写機にそれぞれの非立体視フレームを転送するタイミングおよび持続時間を表す。同様に、水平線280、282、284は、それぞれの非立体視フレームが、受け入れる準備ができている観覧者の目で見られる準備ができていなければならない時間を表し、フレーム持続時間全体を示しており、フレーム持続時間全体は、単一のフラッシュのために選択された期間である。フリーラン方式のタイミングは、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、左の第1のフレーム持続時間536の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、(第1のフレームに対応する)第1の非立体視映像が、右の第1のフレーム持続時間538の間、右目にフラッシュされることを示すことによって表されている。次いで、第1の非立体視映像が、第2の左の第1のフレーム持続時間540の間、左目にフラッシュされることになる。次に、第2のフレームが観覧者の右目に上映される準備ができており、右目がフラッシングを受け入れる番であるため、(第2のフレームに対応する)第2の非立体視映像が、第1の右の第2のフレーム持続時間542の間、右目にフラッシュされ、その後に続いて、(第2のフレームに対応する)第2の非立体視映像が、第1の左の第2のフレーム持続時間544の間、左目にフラッシュされる。次いで、第2の非立体視映像が、第2の右の第2のフレーム持続時間546の間、再び右目にフラッシュされることになる。いま、観覧者の左目がフラッシュを受け入れる準備ができており、第3の持続時間564がまだ完了していないため、(第2のフレームに対応する)第2の非立体視映像が、第2の左の第2のフレーム持続時間548の間、左目にフラッシュされる。しかし、フリーラン方式594に関する本発明は、第2の左の第2のフレーム持続時間548中の、左目に対するフラッシングが、第3のそれぞれの非立体視映像フレームのフラッシングに指定された時間点(すなわち、水平線284)を越えて延びることを可能にする。換言すれば、フリーラン方式のための表示レートは、特定のフレーム期間中に開始された特定の目に対する完全なフラッシュ(すなわち、フレーム持続時間)が、所与のフラッシュが完全に終了するまで後続のフレーム期間に延びることができる平均的な非整数フラッシュレートである。フレーム期間は、作品のフレームレートによって確立され、水平線280、282、284によって境界を画された時間のブロックである。(第3のフレームに対応する)第3の非立体視映像と観覧者の右目がフラッシングの準備ができている状態で、第3の非立体視映像が、第1の右の第3のフレーム持続時間550の間フラッシュされる。次に、第3の非立体視映像が、第1の左の第3のフレーム持続時間552の間、左目にフラッシュされ、その後に続いて、第3の非立体視映像が、第2の右の第3のフレーム持続時間554の間フラッシュされる。本発明は、2次元コンテンツを表示するための少なくとも2つの連続するフレームについて、1つの非立体視映像フレームに関して左目がフラッシュを受ける回数と、その1つの非立体視映像フレームに関して右目がフラッシュを受ける回数との和が、次の非立体視映像フレームに関して左目がフラッシュを受ける回数と、該次の非立体視映像フレームに関して右目がフラッシュを受ける回数との和に等しくないことをさらに特徴とする。
本発明の特徴は、フリーラン実施形態、ならびに位相ロック実施形態に関して、非立体視映像を右目と左目に表示する重複時間がなく、これは切替え間隔があることとすることができることを指摘しておく。さらに、本発明の特徴は、これらの2次元実施形態に関して、フラッシュの持続時間が等しいこととすることができることを指摘しておく。
上述のように、24Hzであるフレームレートを有する3次元作品中の図2に示されている2次元コンテンツ方式の例では、それぞれの目が12Hzレートを受けることになり、それにより、望ましくないフリッカを観覧者に経験させる。
しかし、図5に示されている実施形態は、2次元コンテンツ方式システム800が、フリッカを知覚することができるレートを超える片目ごとのフラッシュレートを有することができるので、この問題を解決する。たとえば、フレームレートが24Hzである位相ロック式ダブルフラッシュ方式590の場合、片目ごとのフラッシュレートは24Hzになる。位相ロック式クアドルプルフラッシュ方式592の場合、フレームレートが24Hzであるとき、片目ごとのフラッシュレートは48Hzになる。位相ロック式クアドルプルフラッシュ方式592は、より高いフリッカ敏感性を有する個人がフリッカをより確実に知覚しないようにするので、フリッカ抑制の点で位相ロック式ダブルフラッシュ方式590より優れている。しかし、従来の映写機の帯域幅限界から見て、位相ロック式クアドルプルフラッシュ方式592は、位相ロック式ダブルフラッシュ方式590ほど魅力的でない。したがって、3次元作品内の(本質的に非整数フラッシュレートである)フリーランフラッシュ方式594の実施物は、位相ロック式ダブルフラッシュ方式590のフラッシュレートより高いフラッシュレートをもたらし、フリッカを回避する助けとなる一方、位相ロック式クアドルプルフラッシュ方式592より帯域幅に対する負担が少ないので、2次元コンテンツを動作させる最良の形態として働くことができる。
さらに、交互優先式の非整数タイミング方式400と組み合わされたフリーランフラッシュ方式594は、2次元コンテンツと3次元コンテンツの両方について、帯域幅の負担を軽減しながら、2次元シーンと3次元シーンの両方について、最も敏感な観察者によってフリッカが観察される可能性の問題を解決することができる。
本発明の現在好ましい実施形態は、第1の左目映像および第1の右目映像を、表示するために非同期で送るステップと、完全に送られる第1の左目映像の最初のものと第1の右目映像から始めて、第1の左目映像および第1の右目映像を、実質的に固定のレートで交互に表示するステップと、第2の左目映像および第2の右目映像を、表示するために非同期で送るステップと、第2の左目映像が完全に送られたとき、第1の左目映像の表示を第2の左目映像で置き換え、第2の右目映像が完全に送られたとき、第1の右目映像の表示を第2の右目映像で置き換えるステップとを含む3D映像を表示する方法として特徴付けることができる。この方法では、第1の右目映像の前に第1の左目映像が完全に送られ、または第1の左目映像の前に第1の右目映像が完全に送られる。さらに、この方法は、第1の左目映像が表示される回数と第1の右目映像が表示される回数との和が、第2の左目映像が表示される回数と第2の右目映像が表示される回数との和に等しくないことを特徴とすることができる。あるいは、この方法は、第1の左目映像および第1の右目映像が互いに対して順次送られ、第2の左目映像および第2の右目映像が、順次、かつ第1の左目映像および第1の右目映像の後から送られることを特徴とすることができる。
本発明の他の現在好ましい実施形態は、観覧者の一方の目に対して第1の偏光を有する第1の映像を表示するステップと、観覧者の他方の目に対して第2の偏光を有する第1の映像を表示するステップと、一方の表示するステップが他方の表示するステップより多数実施されるまで、表示するステップを交互に繰り返すステップとを含む3次元映像を表示する方法として特徴付けることができる。この方法は、表示するステップのそれぞれが少なくとも2回実施されるまで、表示するステップを交互に繰り返すステップをさらに含むことができる。
本発明の他の実施形態は、2次元映像の非立体視フレームおよび3次元映像の立体視フレームを受け取る、または送るステップと、片目ごと1フレームごとの第1のフラッシュを使用して、立体視フレームを3次元動画上映として表示するステップと、片目ごと1フレームごとの第1のフラッシュを使用して、3次元動画上映を表示するのではなく、非立体視フレームに応答して2次元映像を表示するステップとを含む方法である。この方法は、第1の表示するステップの開始前、開始中、または開始後に、第2の表示するステップを選択的に開始するステップを含むことができる。この方法は、非立体視フレームを左目に少なくとも1回、右目に少なくとも1回、交互に表示するステップをさらに含むことができる。また、この方法は、非立体視フレームを検出するステップと、非立体視フレームを交互に表示するための表示レートを、左目について、また右目について平均的な非整数個の、フレームごとのフラッシュに設定し操作するステップとを含むことができる。また、この方法は、非立体視フレームを検出するステップと、非立体視フレームを交互に表示するための表示レートを、左目について、また右目について非整数個の、フレームごとのフラッシュに設定するステップであって、現在のフレームのいくつかのフラッシュが、次に来るフレーム期間内に表示されるように、フラッシュの持続時間が等しいステップとを含むことができる。
前述の説明は、本発明を実施するための可能性の一部を示すにすぎない。多数の他の実施形態が、本発明の範囲および精神内で可能である。たとえば、これらの例は、3つの連続するフレームの場合を概して示すが、諸実施形態は、他の数の連続するフレームの例を含む。したがって、前述の説明が、限定するものではなく例示的なものとみなされること、また本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって、それらの全範囲の均等物と共に与えられることが意図されている。