JP2011520966A - オレキシン受容体アンタゴニストの調製のための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する、神経及び精神疾患及び障害の治療又は予防において有用であるピリジルピペリジン化合物を調製するための方法に関する。

Description

(発明の背景)
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部で産生される2種類の神経ペプチド:オレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)及びオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)を含む(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585)。オレキシンは、ラットにおいて食物消費を刺激することが分かっており、このことから、摂食行動を制御する中枢フィードバック機構におけるメディエーターとしてのこれらのペプチドに対する生理学的役割が示唆される(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585)。オレキシンは睡眠及び不眠の状態を制御し、ナルコレプシー及び不眠症患者に対して新規治療方法の可能性に道を開くものである(Chemelli R.M.ら、Cell、1999、98、437−451)。オレキシンはまた、奮起、報酬、学習及び記憶に関与することが示されている(Harrisら、Trends Neurosci.、2006、29(10)、571−577)。2種類のオレキシン受容体がクローニングされており、また哺乳動物での特性も評価されている。それらはGタンパク質共役受容体のスーパーファミリーに属しており(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585);オレキシン−1受容体(OX又はOX1R)は、OX−Aに選択的であり、オレキシン−2受容体(OX2又はOX2R)は、OX−AならびにOX−Bに結合することことができる。オレキシンが関与すると思われる生理作用は、オレキシン受容体の2つのサブタイプとしてのOX1受容体及びOX2受容体の一方又は両方を介して発現されると考えられる。
オレキシン受容体は、哺乳動物の脳で見出され、うつ病;不安症;依存症;強迫反応性障害;情動性神経症;抑うつ性神経症;不安神経症;気分変調性障害;行動障害;気分障害;性的機能不全、精神***機能不全;性的障害;統合失調症;躁うつ病;せん妄;認知症;重症精神遅滞及び運動障害(例えば、ハンチントン病及びトゥーレット症候群);摂食障害(例えば、拒食症、過食症、悪疫質及び肥満);常習性摂食行動(addictive feeding behaviors);過食/嘔吐摂食行動;心臓血管系疾患;糖尿病;食欲/味覚障害;嘔吐(emesis)、嘔吐(vomiting)、悪心;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/疾患;好塩基性細胞腺種;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺種;視床下部疾患;炎症性腸疾患;胃運動障害;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;副腎下垂体疾患;下垂体疾患;副腎下垂体機能低下;副腎下垂体機能亢進;視床下部性性機能低下;カルマン症候群(無臭覚症、臭覚低下);機能的又は心因性無月経;下垂体機能低下症;視床下部性甲状腺機能低下症;視床下部性副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏の視床下部障害;特発性成長障害;小人症;巨人症;末端肥大症;生体及び概日リズム障害;神経疾患、神経因性疼痛及びむずむず脚症候群などの疾患と関連する睡眠障害;心肺疾患、急性及びうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿うっ滞;骨粗しょう症;狭心症;心筋梗塞;虚血性又は出血性脳卒中;くも膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大症;慢性腎不全;腎臓疾患;耐糖能障害;偏頭痛;痛覚過敏;痛覚過敏、灼熱痛及び異痛症などの疼痛に対する感度増強又は激化;急性疼痛;火傷痛;非定型顔面痛;神経因性疼痛;背部痛;複合性局所疼痛症候群I及びII;関節炎痛;スポーツ傷害痛;感染症(例えばHIV)に関連する疼痛、化学療法後の疼痛;卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;嘔吐(emesis)、悪心、嘔吐(vomiting);過敏性腸管症候群などの内臓痛及びアンギナと関連する状態;偏頭痛;膀胱失禁、例えば緊急失禁;麻薬に対する耐性又は麻薬からの離脱;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;錯眠;時差ぼけ症候群;及び疾病分類学事象を含む神経変性疾患、例えば、脱抑制−認知症−パーキンソニズム−筋萎縮の複合疾患;淡蒼球−脳橋−黒質変性(pallido−ponto−nigral degeneration);癲癇;発作性疾患及び全般的オレキシン系機能不全に関係するその他の疾患などの多くの病態において関連を有し得る。
Sakurai T.他、Cell、92、1998年、p.573−585 Chemelli R.M.他、Cell、98、1999年、p.437−451 Harris他、Trends Neurosci.、29(10)、2006年、p.571−577
(発明の要旨)
本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経及び精神疾患及び障害の治療又は予防に有用である、ピリジルピペリジン化合物を調製するための方法に関する。
(発明の詳細な記述)
本発明は、式Iの化合物:
Figure 2011520966
又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
カップリング試薬の存在下で、式IIの化合物:
Figure 2011520966
を式IIIの化合物:
Figure 2011520966
に接触させて式Iの化合物を与えることを含む方法に関する。
具体的な一実施形態において、本発明は、式Iの化合物:
Figure 2011520966
又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
1−プロピルホスホン酸無水物及び弱有機塩基の存在下で、式IIの化合物:
Figure 2011520966
を式IIIの化合物:
Figure 2011520966
と接触させて式Iの化合物を与えることを含む方法に関する。
本発明はさらに、式Iの化合物:
Figure 2011520966
又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、炭酸セシウムの存在下で、式Vの化合物:
Figure 2011520966
を式VIの5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン:
Figure 2011520966
と接触させて式IVの化合物を与え、
Figure 2011520966
続いて、式IVの化合物中の保護基を除去して式IIの化合物を与え、
Figure 2011520966
続いて、カップリング試薬の存在下で、式IIの化合物を式IIIの化合物:
Figure 2011520966
と接触させて式Iの化合物を与えることを含む方法に関する。
本発明の一実施形態において、式IVの化合物を与えるために、式Vの化合物を式VIの化合物と接触させる段階は、アミド溶媒中で行われる。アミド溶媒は、アミド官能基を含有する有機溶媒である。
本発明の一実施形態において、このアミド溶媒は、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセテート、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア、2−ピロリドン及びN−メチルピロリドンからなる群から選択される。
本発明の一実施形態において、このアミド溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリドンである。
代替的な一実施形態において、本発明は、式Iの化合物:
Figure 2011520966
又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、強有機塩基存在下で、式VIIのカンファースルホン酸塩:
Figure 2011520966
を式VIaの2,5−ジフルオロピリジン
Figure 2011520966
と接触させて式IIの化合物を与え、
Figure 2011520966
続いて、カップリング試薬の存在下で、式IIの化合物を式IIIの化合物:
Figure 2011520966
と接触させて式Iの化合物を与えることを含む方法に関する。
本発明の一実施形態において、式VIIのカンファースルホン酸塩を式VIaの2,5−ジフルオロピリジンと接触させる段階において、強有機塩基は、ナトリウムt−ブトキシド及びナトリウムエトキシドからなる群から選択される。本発明の一実施形態において、この強有機塩基はナトリウムt−ブトキシドである。
代替的な一実施形態において、本発明は、式V:
Figure 2011520966
の化合物を調製するための方法であって、弱無機塩基の存在下で、式XIIIのメチルビニルケトン:
Figure 2011520966
を式XIIのマロン酸ジメチル:
Figure 2011520966
と接触させて式XIの化合物を与え、
Figure 2011520966
続いて、生体触媒アミノ基転移を行って、式Xの化合物:
Figure 2011520966
を与え、
続いて、式Xの化合物を第一の水素化物還元剤で還元して式IXの化合物:
Figure 2011520966
を与え、
続いて、式IXの化合物を第二の水素化物還元剤で還元して式VIIIの化合物:
Figure 2011520966
を与え、
続いて、式VIIIの化合物のカンファースルホン酸塩を形成させ、単離して式VIIのカンファースルホン酸塩:
Figure 2011520966
を与え、
続いて、アミノ保護基によって式VIIの化合物中の遊離アミンを保護して式VIの化合物:
Figure 2011520966
を与え、
続いて、式Vの化合物を与えるために、弱有機塩基の存在下で、式VIの化合物を塩化トシルと接触させることを含む方法に関する。
代替的な一実施形態において、式Xの化合物:
Figure 2011520966
は、式VIIIの化合物:
Figure 2011520966
を与えるために、第二の水素化物還元剤で直接還元され得る。
本発明の一実施形態において、式XIIIのメチルビニルケトンを式XIIのマロン酸ジメチルと接触させる段階において、弱無機塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムからなる群から選択される。本発明の一実施形態において、この弱無機塩基は炭酸カリウムである。
本発明の一実施形態において、式Xの化合物を与えるための生体触媒アミノ基転移は、アミノ基転移酵素を用いて行われる。ある一実施形態において、このアミノ基転移酵素はATA−117(Codexisから市販されている。)である。別の一実施形態において、式Xの化合物のその他の鏡像異性体を提供するために、アミノ基転移酵素Vibrio(Codexisから市販されている。)が使用され得る。本発明の一実施形態において、アミノ基転移酵素による生体触媒アミノ基転移は、必要に応じてアミノ基転移酵素の反応からの副産物を除去する条件下で行われる。本発明の一実施形態において、アミノ基転移酵素での生体触媒アミノ基転移は、必要に応じてアミノ基転移酵素の反応からの副産物を除去するために、必要に応じて乳酸デヒドロゲナーゼ及びグルコースデヒドロゲナーゼの存在下で行われる。
本発明の一実施形態において、式IXの化合物を与えるための、式Xの化合物の第一の水素化物還元剤での還元は、ホウ化水素カルシウム又はホウ化水素ナトリウムなどのホウ化水素還元剤を用いて行われる。本発明の一実施形態において、式IXの化合物を与えるための式Xの化合物の還元は、エタノール溶媒中、塩化カルシウムの存在下で、ホウ化水素ナトリウムを用いて行われる。
本発明の一実施形態において、式VIIIの化合物を与えるための式IXの化合物の第二の水素化物還元剤による還元は、水素化リチウムアルミニウム又は水素化ホウ素リチウムなどの金属水素化物還元剤を用いて行われる。
本発明の一実施形態において、式VIの化合物を与えるためにアミノ保護基で式VIIの化合物中の遊離アミンを保護することにおいて、アミノ保護基は、BOC保護基又はCBZ保護基である。
本発明の一実施形態において、式Vの化合物を与えるために式VIの化合物を塩化トシルと接触させる段階において、弱有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンである。
本発明の一実施形態において、式Iの化合物を与えるために式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階において、カップリング試薬は、1−プロピルホスホン酸無水物、塩化オキサリル又は塩化チオニルである。
本発明の一実施形態において、式Iの化合物を与えるために式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階において、弱有機塩基は、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン又はジ−アザ−[2.2.2]ビシクロ−オクタンである。
本発明の一実施形態において、式Iの化合物を与えるために式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階において、反応は、ジクロロメタン、ジクロロエタン、アセトニトリル、イソプロパノール、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン溶媒中で行われる。
別の一実施形態において、本発明は、式IIの化合物の金属アミドを形成させる試薬の存在下で、式IIの化合物を式XIVの化合物と接触させることを含む、式Iの化合物を調製するための方法に関する。
本発明の一実施形態において、式IIの化合物の金属アミドを形成させるために使用される試薬は、イソプロピルマグネシウムクロリド、ブチルリチウム又はトリメチルアルミニウムである。
代替的な一実施形態において、本発明は、式IIIの化合物:
Figure 2011520966
を調製するための方法であって強酸の存在下で、式XVIIの2−ヨード−5−メチル安息香酸:
Figure 2011520966
をメタノールと接触させて式XVIの2−ヨード−5−メチル安息香酸メチル:
Figure 2011520966
を与え、
続いて、式XVのボロン酸化合物:
Figure 2011520966
を得るために、酢酸パラジウム、トリ−O−トリルホスフィン及び弱有機塩基の存在下で、式XVIの2−ヨード−5−メチル安息香酸メチルをピナコールボラン又はピナコラートジボランと接触させ、
続いて、式XIVの化合物:
Figure 2011520966
を得るために、PdCl(dppf)−CHCl及び弱無機塩基の存在下で、式XVのボロン酸化合物を2−クロロピリミジンと接触させ、
続いて、無機塩基を用いてメチルエステルの加水分解を行って式IIIの化合物を与えることを含む方法に関する。
本発明の一実施形態において、式XVのボロン酸化合物を与えるために、酢酸パラジウム、トリ−O−トリルホスフィン及び弱有機塩基の存在下で、式XVIの化合物をピナコールボランと接触させる段階は、反応混合物にパラジウム試薬を、その他の試薬が混合された後に添加することにより行われる。
本発明の一実施形態において、式XIVの化合物を与えるために、式XVのボロン酸を2−クロロピリミジンに接触させる段階は、NaCO、KCO又はNaHCOの存在下で、PdCl(dppf)−CHCl、PdCl(PPh又はPdCldppbを用いて行われる。
本発明の代替的な態様の具体的な実施形態は、式Iの化合物:
Figure 2011520966
又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
Figure 2011520966
Figure 2011520966
Figure 2011520966
Figure 2011520966
を含む方法に関する。
本化合物は、PCT特許公開WO2008/147518においてオレキシン受容体のアンタゴニストとして開示されている。
本発明の化合物は、1以上の不斉中心を含み得、従って、ラセミ体及びラセミ混合物、鏡像異性体混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーを含む「立体異性体」として生じ得る。さらなる不斉中心は、分子上の様々な置換基の性質に依存して存在し得る。それぞれのこのような不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じ、混合物中の可能な光学異性体及びジアステレオマーの全てが、及び純粋な化合物又は部分的に精製した化合物として、本発明の範囲内に含まれるものとする。本発明はこれら化合物の全てのこのような異性体を包含するものとする。キラル炭素への結合が、本発明の式において直線で示される場合、キラル炭素の(R)及び(S)の両方の立体配置及び従って両方の鏡像異性体及びその混合物が、その式中に包含されると理解されたい。例えば、式(I)は特定の立体化学の指定があるクラスの化合物の構造を示す。本発明の化合物が1つのキラル中心を含有する場合、「立体異性体」という用語は、鏡像異性体及び鏡像異性体の混合物の両方、例えば、ラセミ混合物と呼ばれる具体的な50:50混合物を含む。
これらジアステレオマーの独立した合成又はそれらのクロマトグラフィーによる分離は、当技術分野で公知のように、本明細書に開示の方法の適切な改変により達成され得る。それらの絶対的立体化学は、必要に応じて、既知の絶対立体配置の不斉中心を含有する試薬で誘導化される結晶性生成物又は結晶性中間体のX線結晶解析により決定され得る。必要に応じて、本化合物のラセミ混合物は、個々の鏡像異性体が単離されるように分離し得る。この分離は、当技術分野で周知の方法により、例えば、ジアステレオマー混合物を形成させるために化合物のラセミ混合物を、鏡像異性体の面で純粋な化合物にカップリング結合させ、次いで、個々のジアステレオマーを標準的な方法、例えば、分別結晶法又はクロマトグラフィーなどにより分離することにより、行われ得る。このカップリング反応は、多くの場合、鏡像異性体の面で純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体は、付加されたキラル残基の切断により、純粋な鏡像異性体に変換され得る。この化合物のラセミ混合物はまた、キラル固定相を使用するクロマトグラフィー法により直接分離され得;この方法は当技術分野で周知である。あるいは、化合物の何らかの鏡像異性体は、当技術分野で周知の方法により、光学的に純粋な出発物質又は既知の立体配置の試薬を用いた立体選択的合成によって、得ることができる。
当業者にとって当然のことながら、本明細書にて使用する場合のハロゲン又はハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含むものとする。同様に、C1−6アルキルにおけるC1−6とは、直鎖又は分枝配列において、1、2、3、4、5又は6個の炭素を有するような基を識別するために定義され、例えば、C1−8アルキルは具体的に、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルを含む。置換基により独立して置換されるように指定される基は、独立して、このような置換基の複数により置換され得る。
「医薬的に許容可能な塩」という用語は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な無毒性塩基又は酸から調製される塩を指す。無機塩基由来の塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、亜マンガン塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。特定の実施形態には、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が含まれる。固体形態の塩は、複数の結晶構造で存在し得、水和物の形態でもあり得る。医薬的に許容可能な有機無毒性塩基由来の塩としては、一級、二級及び三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が挙げられる。
本発明化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機酸を含む医薬的に許容可能な無毒性酸から調製され得る。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。特定の実施態様には、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が含まれる。本明細書中で使用される場合、式(I)の化合物への言及は、医薬的に許容可能な塩をも含むものであることが理解されよう。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を次のスキーム及び実施例で示す。出発物質は、当技術分野で公知の手順に従い、又は本明細書中で示されるように、調製される。本明細書中で次の略語を使用する。2−MeTHF:2−メチルテトラヒドロフラン;Ac:アセチル;Ar:アリール;AY:アッセイ収率;Bn:ベンジル;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;BocO:ジ−tert−ブチルジカルボネート;BSA:ウシ血清アルブミン;Cbz:カルボベンジルオキシ;CDI:カルボニルジイミダゾール;CSA:カンファースルホン酸;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DCE:ジクロロエタン;DCM:ジクロロメタン;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;Et:エチル;EtOH:エタノール;EtN:トリエチルアミン;GC−FID:ガスクロマトグラフィー−水素炎イオン化検出器;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;LC−MS:液体クロマトグラフィー−質量分析;LRMS:低分解能質量分析;Me:メチル;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;NAD:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド;NMP:N−メチルピロリドン;PdCl(dppf)−CHCl:[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン;Ph:フェニル;PhMe:トルエン;PLP:ピリドキサル−5’ホスフェート;rt:室温;SOCl:塩化チオニル;T3P:1−プロピルホスホン酸無水物;t−Bu:tert−ブチル;TsCl:塩化トシル;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン。本発明の化合物は、様々な形式で調製することができる。
いくつかの場合において、最終産物は、例えば、置換の操作によりさらに修飾され得る。これらの操作には、以下に限定されないが、当業者にとって一般に公知である、還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応が含まれ得る。いくつかの場合において、前述の反応スキーム及び実施例を行う順序は、反応を促進するために又は不要な反応産物を回避するために変更され得る。次の実施例は、本発明がより詳細に理解され得るように提供される。これらの実施例は、単なる例示であり、本発明を何ら限定するものとし解釈されるべきではない。
実施例A
Figure 2011520966
(3−オキソブチル)マロン酸ジメチル(A−1)
添加漏斗、窒素注入口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく乾燥した100L丸底フラスコに、アセトニトリル及び炭酸カリウムを添加した。マロン酸ジメチルを添加し、得られた混合物を17℃に冷却した(氷/水浴)。内部温度が26℃を超えないようにしてメチルビニルケトンを3時間にわたり添加した。18時間後、HPLCにより完全な変換が示された。60L MTBE及び20Lの水が入った100L抽出装置に混合物を移した。層に分離させ、20L MTBEで水層を逆抽出した。合わせた有機層を20Lの水で洗浄し、エマルジョンを5時間静置した。次に、活性炭を通じて有機層をろ過し、回分濃縮し、20L MTBEを流して、A−1 15.1kgを得た(H NMRにより80wt%、80%収率)。A−1に対するデータ:H NMR(400MHz,CDCl)δ3.69(s,6H)、3.40(t,J=7.3Hz,1H)、2.50(t,J=7.2Hz,2H)、2.15−2.06(m,5H)。
(3−オキソブチル)マロン酸ジメチル(A−1)
炭酸カリウム(5.62kg)、マロン酸ジメチル(54.8kg)及びアセトニトリル(90kg)を反応容器に入れ、15℃で一緒に撹拌した。メチルビニルケトン(28.5kg)を25℃未満で2時間にわたり容器に汲み上げた。スラリーを18−20℃で2時間撹拌した。反応混合物を希釈するためにMTBE(132kg)をこの容器に入れ、次いで水(114kg)を入れた。5分間混合物を撹拌し、次いで層に分離させ、水層を除去した。さらなる水(57kg)をこの容器に入れ、反応混合物をさらに5分間撹拌し、層に分離させ、再び水層を除去した。溶媒の殆どが除去されるまで(体積およそ80L)有機層を減圧下で濃縮し、油状物質としてA−1 76kgを得た。
(6R)−6−メチル−2−オキシピペリジン−3−カルボン酸メチル(A−2)
目視で汚れがない20L丸底フラスコに、64wt%A−7.15kgを入れ、残存アセトニトリル及びMTBEを除去するためにロータリーエバポレーター処理した。得られた溶液は83wt%であった。オーバーヘッド撹拌機で撹拌している目視で汚れがない100L Buchiジャケット付きリアクターに、45Lの水を添加した。30℃までの加熱を開始し、続いて、852g NaHPO、7.2kg D−アラニン、6.48kgグルコース、22.5g NAD及び45g PLPを添加した。NaOHで7.4にpHを調整し、次いで450g ATA−117アミノ基転移酵素、9g 乳酸デヒドロゲナーゼ及び45gグルコースデヒドロゲナーゼを添加し、2.5Lの水で容器に流し込んだ。全ての酵素が溶液中に入った後、ロータリーエバポレーター処理したA−1の溶液を添加し、次いで、最終的に2.5Lの水を添加した。5N NaOHを使用してpH調整を開始した。反応物を24時間撹拌し、31時間で反応を終了させた。反応容器に19.4kg NaCl及び6.0L 5N HClを添加し、pHを3.5に調整した。アセトニトリル20Lを添加し、10分間撹拌した。撹拌器を止め、反応混合物を1時間静置した。アセトニトリル層を取り出し(drummed off);アセトニトリルで水層を再抽出し、これらのアセトニトリル層を合わせた。Solka−Flocを通じて、得られたアセトニトリル溶液をろ過し、同様のサイズの第二のバッチと合わせ、アセトニトリル及び水の両方を除去するために回分濃縮した。得られた油状物質は、不均一なNaClの高レベルを含有した。次に、この油状物質を50L EtOAc中で溶解させ、目視で汚れがない20L丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターで処理し、油状物質としてA−2を得た(5.5kg、94wt%、74%収率、99%ee(ChiralpakでHPLCにより測定))。A−2に対するデータ:LRMS(M+H)=172。
(6R)−6−メチル−2−オキソピペリジン−3−カルボン酸メチル(A−2)
1000Lの容器に水(516kg)を入れ、続いてオルトリン酸水素二ナトリウム(36.3kg)、D−アラニン(41.8kg)及びD−グルコース(37.6kg)を入れた。混合物を30℃に温め、固形物を溶解させた。NAD(130.5g)及びPLP(261g)を添加し、pHを調べた(7.8)。ATA−117アミノ基転移酵素(2.61kg)、乳酸デヒドロゲナーゼ(52.2g)及び最後にグルコースデヒドロゲナーゼ(130.5g)を添加し、2.5Lの水で容器にすすいだ。全ての酵素が溶液中に入った後、A−2(全部で39.2kg、29kgアッセイ)を添加し、次いで最後に水ですすいだ(5kg)。最初の6時間、5N NaOHの添加により、2−3時間ごとにpHをpH7.6に調整しながら、反応混合物を30℃で撹拌した。次にこの反応物を一晩(16時間)撹拌し、その後、pHを再びpH7.6に調整した。この反応物を44時間撹拌した。この反応混合物に塩化ナトリウム(90kg)を添加し、5N HCl(66L)の添加により、pHをpH3.6に調整した。ジクロロメタン(200kg)を容器に入れ、次に、solka−Flok(15kg)を入れ、混合物を10分間撹拌した。次に、さらなるSolka−Flok(5kg)を通じてこのバッチをろ過した。さらなるジクロロメタン(65kg)でSolka−Flokを洗浄した。ろ液を容器に戻し、層に分離させた。より下にある有機層を取り出し、ジクロロメタン(200kg)で水層を再抽出した。より下の有機層を取り出し、水層を廃棄した。有機層を再び合わせ、容器に戻し、8%重炭酸ナトリウム溶液(54L)で20分間洗浄した。層に分離させ、有機層を取り出した。水層を廃棄し、有機層を容器に戻した。A−2のジクロロメタン溶液(19.3kgアッセイ)を必要になるまで室温で保存した。
(6R)−3−(ヒドロキシメチル)−6−メチルピペリジン−2−オン(A−3)
グリコール冷却コイル、窒素注入口、大型のガス排出口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく、乾燥した140L抽出装置に、EtOH中のA−2の18.7wt%溶液[4.6K/kg]及びさらなる71.4L EtOH[25.4K/kg]を入れた。15分間にわたり3回に分けて塩化カルシウム(3.65kg)を添加し、26から22℃に冷却しながら完全に溶解するまで撹拌した。ホウ化水素ナトリウム(2.49kg)を3回に分けて20分間にわたり添加した。最後の添加後、温度が25℃に上昇した。ガス発生が30分以内に消失した。温度を22℃未満に維持するために、反応混合物を冷却セットにより20時間にわたり撹拌した。この混合物を5℃に冷却し、9.5℃未満に温度を維持しながら、11.2L 6N HClを30分間にわたり慎重に添加することにより不活性化した。これを室温に温め、2時間撹拌した。湿ったpH紙を混合物に浸したところ、pH2を示した。Solka−Floc上でこれをろ過し、2x12L EtOHですすいだ。全部で2.55kg(108%AY)にわたり、各ビンをアッセイした。回分濃縮のために同様の大きさの第二のバッチとろ液を合わせた。エタノールの殆どを蒸発させた後、EtOHを同時蒸発させるために水8Lを添加し、一部沈殿物を溶解させた。23Lの水層を抽出装置に移した後、水で体積を31.6Lに調整した。これを53L、次に2x26.5L 1−ブタノールで抽出した(HPLCアッセイにより、水層において、92g、1.9%の損失が示された。)。合わせた有機層を10.5L食塩水で洗浄した(HPLCアッセイにより、洗浄に対して、419g、8.8%の損失が示された。)。有機層をアッセイしたところ、4.21kg(92%回収、96%AY)となり、これを最小体積まで濃縮した。次に、これを12Lの水、次いで120Lイソプロパノールと共沸混合した。KFをアッセイしたところ、〜40Lの総体積において水0.5%であった。懸濁液をSolka−Floc上でろ過し、2x10Lイソプロパノールですすいだ。ろ液を均一化するために抽出装置中で撹拌し、アッセイしたところ、4.13kg(94%AY、1.7:1dr)となった。溶液を2つの同量のバッチに分けた。各バッチを最小体積まで濃縮し、140L THFと共沸混合し、ベージュ色の懸濁液としてA−3を得た。(94%収率)。H NMRにより、0.6eqイソプロパノールであることが示された。A−3に対するデータ:LRMS(M+H)=144。
[(6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メタノール(A−4)
機械式撹拌器、サーモカップル、窒素注入口及び冷却槽を備えた、目視で汚れがなく乾燥している100Lの5−ネック丸底フラスコに、A−3(2.07kg、1.0eq)及びTHF(20L、10mL/g)を入れた。混合物を−25℃に冷却した。−25℃から+12℃の間に混合物を維持しながら、LiAlH(2.6M溶液、22.2L、4.0eq)を3.5時間にわたり添加した。LiAlHの最初の6Lの添加中に重要なガス発生(H2)が観察された。添加の終了時に、混合物を20℃まで温め、次に、蒸気を使用して50℃まで加熱した。この混合物をこの温度で12時間、熟成させた。GC−FID及びLC−MSから、所望のピペリジン−アルコールに対する>99%の変換が示された。この混合物を10−25℃に冷却し、Fieser処理を用いて反応を停止させた。水(2.2L)をこの混合物に3時間にわたり添加し、重要なガス発生及び発熱が起こった(−25℃から+13℃の間に温度を維持した)。次に1.5時間にわたり3.75M NaOH(2.2L)をこの混合物に添加した。最後に、1時間にわたり水(6.6L)を添加した。混合物を5℃に冷却し、1.5時間熟成させた。懸濁液をろ過し、ケーキをTHF(20L)ですすいだ。1.54kg(2.33%wt)が得られ、従って、A−4のアッセイ収率は82%となった(dr=1.7:1、トランス異性体が生成しやすい。)。A4に対するデータ:LRMS(M+H)=130。
[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メタノール−CSA塩(A−5)
機械式撹拌器、サーモカップル、窒素注入口及び冷却コイルを備えた、目視で汚れがなく乾燥している140Lの5−ネック抽出装置に、A−4(3.04kg、1.0eq)及びTHF(60L、20mL/g)を入れた。混合物に、1時間にわたり、(D)−(+)−CSA(4.37kg、0.8eq)のTHF溶液(4mL/g、12L)を添加した。種結晶なしで塩を結晶化させた。添加が完了したら、混合物を20℃で45分間熟成させ、次いで45分間にわたりMTBE(10mL/g、30L)を添加した。この混合物を45分間熟成させ、次いで45分間にわたり2℃に冷却した。この混合物をこの温度で30分間にわたり熟成させ、次いでろ過した。塩を、THF/MTBE 1/1で2x6mL/g(2x18L)ですすぎ、1x6mL/g(1x18L)MTBEですすぎ、窒素雰囲気下でフリット上にて16時間にわたり乾燥させて、A−5 4.46kg(52%収率)を白色固形物として得た。この塩のジアステレオ選択性(塩分解後の遊離塩基試料上で測定)は40−50:1であった。
[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メタノール−CSA塩(A−5)
粗製A−2(40gアッセイ;55.94g総量)をTHF(773mL)中で溶解させた。エタノール(43.1g)を溶液に添加し、この溶液を0℃に冷却した。5℃未満の温度でLiBH4(228mL;THF中4.1M)を30分間にわたり添加し、RTで混合物を撹拌した。混合物を20℃に温め、一晩撹拌した。反応混合物を10℃に冷却し、30分間にわたり6M HCL(240mL)を慎重に添加した。白く混濁した混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物のpH:pH=1。10M NaOH(120mL)の添加により、反応混合物のpHをpH12−14に調整し、酢酸イソプロピル(120mL)を添加した。層に分離させ、水層を酢酸イソプロピル(2x240mL)で再抽出した。有機層を合わせ、残渣になるまで蒸発させた。油状残渣にイソプロパノール(3x200mL)を流し、<200μL/mLの水含量となった。次に、THF(450mL)中で粗製油状物質を溶解させた。溶媒分析によると、IPAcはなく、存在するIPAは<1%であった。THF(130mL)中のD−(+)−カンファスルホン酸(54.3g)の溶液をピペリジノールのTHF溶液に30分間にわたり添加した。白色固形物が結晶化した。混合物を20℃で一晩撹拌した。MTBE(300mL)でスラリーを希釈し、ろ過前に、2時間、混合物を0℃に冷却した。1:1 THF:MTBE(100mL)及びMTBE(100mL)で固形物を洗浄した。45℃で一晩、固形物を真空乾燥させ、ジアステレオマー比:20:1トランス:シス(NMR)で、47%収率で白色固形物としてA−5(39.7g)を得た。
(2R,5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(A−6)
グリコール冷却コイル、窒素注入口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく乾燥している140Lの抽出装置に、ジクロロメタン40Lと続いてA−5(4.2kg)を入れた。この懸濁液に、トリエチルアミンを1回で添加し(4.8L、発熱は観察されなかった。)、続いてBocO(2.66kgを5時間にわたり4℃で添加、発熱が観察された。)を添加した。30分後、反応混合物が均一になった。LCMSアッセイ(3時間後)から、出発物質が完全に消費されたことが示された。反応混合物を塩化アンモニウム2M(40L)で希釈し、層に分離させた。半飽和食塩水(20L)で有機層を洗浄し、層に分離させた。粗製反応混合物のHPLCアッセイから、105%AY(2.81kg)が示された。この粗製反応混合物をNaSOで乾燥させ(200wt%)、ろ過し、トシル化反応のために100Lフラスコに移した。
(2R,5R)−2−メチル−5−({[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(A−7)
機械式撹拌器、窒素注入口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく乾燥している100Lの反応容器に、A−6の粗製ジクロロメタン溶液を入れた(最終体積を10L、およそ2.2mL/gに調整)。この***液(0℃)にピリジンを添加し(5.5L、発熱は観察されなかった。)、続いてTsClを添加した(1時間にわたり4回に分割、発熱が観察されたが容易に調節)。反応混合物を室温に温め、18時間撹拌し(HPLCにより、出発物質が完全に消費されたことが示された。)。反応混合物を140L抽出装置に移し、MTBE(7mL/g)、飽和NHCl(20L)及び水(10L)で希釈した。層に分離させ、CuSO−5HO(20L、続いて10L)、飽和NaHCO(10L)及び半飽和食塩水(10L)で有機層を洗浄した。シリカゲルのパッド(1.5kg)上で粗製有機層をろ過し、このパッドをMTBE(10L)ですすいだ。得られた溶液において測定したA−7のアッセイ収率は93%(4.28kg)であった。A−7に対するデータ:LRMS(M−Boc)=284.0。
(2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(A−8)
機械式撹拌器、サーモカップル、窒素注入口及び冷却槽を備えた、目視で汚れがなく乾燥している100Lの5−ネック丸底フラスコに、A−7(3.23kg、1.0eq)及びNMP(65L、20mL/g)を入れた。5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(1.19kg、1.25eq)を添加し、続いてCSCO(7.37kg、2.7eq)を添加した。発熱は観察されなかった。混合物を60℃に温め、この温度で26時間熟成させた。HPLCにより、所望の産物へと>99.9%変換されたことが示された。混合物を15℃に冷却し、水(65L)の添加(発熱を調節するために(15℃から28℃)1時間にわたり添加)により反応を停止させた。MTBE(20mL/g、65L)を用いて、ピペリジン−O−ピリジンを抽出した。2x10mL/g 10%LiCl(2x32L)、2x10mL/g NaCl半飽和溶液(2x32L)で有機層を洗浄した。MTBE層で測定したA−8のアッセイ収率は、2.16kg、79%収率であった。A−8に対するデータ:HRMS(M+H)=325.1922。
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン(A−9)
サーモカップル及び機械式撹拌器を備えた、目視で汚れがない50Lのフラスコに、MTBE中のA−8の溶液(2.15kg、6.63mol)を入れ、ジクロロメタン(11.40L)へと溶媒交換を行った。氷/IPA浴でこの混合物を−2℃に冷却した。次に、TFA(5.5L、71.4mol)をゆっくりと添加し(40分間にわたり、T℃=−1.9℃から5.5℃、最高5.5℃)。添加が完了したら、氷浴から反応物を取り出し、温水で室温に温めた(5.7℃から開始、50分間)。3.5時間以内に反応が完了した。減圧下で濃縮し、得られた油状物質を100L抽出装置中のNaOHの冷却撹拌溶液(3.0N、1.1eq.、28L)に移し、続いてMTBE 30Lを添加し、相を分離させた。2N HCl 30L及び再び2N HCl 10Lで有機層を洗浄した。次に、水層を冷却し(9℃)、pHが13(T°=21℃)になるまで10N NaOHを添加した。この溶液にMTBE 25Lを添加し、層を留分した。最後に、MTBE 10Lで水層を逆抽出した。定量的HPLCアッセイから、A−9が98%収率及び>99.7%純度であることが明らかとなり、これをそのまま次の反応で使用した。A−9に対するデータ:LRMS(M+H)−225.1。
5−フルオロ−2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]メトキシ}ピリジン(A−9)
隔壁、窒素注入口アダプター、機械式撹拌器及びサーモカップルを備えた、3−Lの3ネック丸底フラスコに、室温(23℃)でA−5(87.0g)、2,5−ジフルオロピリジン(30.0g)及びDMSO870mL(110ppm水)を入れた。内部温度を29℃未満に維持しながら、4分間にわたり、ナトリウムt−ブトキシド(50.1g)を分割して添加した。HPLC分析により、所望の産物と比較して、5%ジフルオロピリジン未満であることが示されるまで、得られた反応混合物を室温(ca.25℃)で撹拌した。(Agilent Eclipse XDB−C18 4.6x150mmカラム;35℃;移動相:(A)0.1%HPO/水;(B)アセトニトリル。直線的勾配、時間0:95%A、5%B;時間6分:5%A、95%B;時間10分:5%A、95%B。流速、1.5mL/分。UV=210nm;A−5 RT=2.8分、A−9 RT=3.2分、2,5−ジフルオロピリジン RT=4.1)。次に、反応混合物を水(20vol.、1740mL)及びEtOAc(10vol.、870mL)で希釈した。有機層を分離し、水(10vol.、870mL)で洗浄し、2−L丸底フラスコに移した。30分間にわたり添加漏斗を介してHCl(IPA中3.9N溶液)をゆっくりと添加し、得られた白色スラリーを室温で1時間撹拌した。結晶を回収し、EtOAc(3vol.、2610mL)で洗浄し、窒素スイープにより真空下で乾燥させ、白色結晶としてA−955.0gを得た。
実施例B
Figure 2011520966
2−ヨード−5−メチル安息香酸メチル(B−1)
機械式撹拌器サーモカップル及び水冷却コンデンサーを備えた、目視で汚れがない100Lフラスコに、MeOH(50L)を入れた。次に、撹拌しながら2−ヨード−5−メチル安息香酸(5.85kg、22.32mol)を添加した。次に、濃硫酸(0.595L、11.16mol)を分割して添加し、これにより温度が17℃から22℃に上昇した。この混合物の内部温度を徐々に64.6℃にして、一晩(〜18時間)熟成させた。翌朝、反応は、HPLCにより、>98%の変換に達した。氷浴中に入れることによってフラスコを16℃に冷却し、pHを監視しながら、10N NaOH(0.98equiv.)850mLをゆっくりと(10分間にわたり)添加した。添加後、pHは5−6となった(注意:pHを9超にすると、その結果、処理中に鹸化が起こり得る。)。次に、溶液を約16Lまで濃縮し、この懸濁液を100L抽出装置に移した。フラスコをIPAc 8L及び水4Lですすぎ、このすすぎ液もまた抽出装置に移した。5w%NaHCO 10L及び15w%食塩水10LとともにIPAc 32Lを添加した。層を留分し、IPAc 20Lで水層を逆抽出した。次に、有機層を合わせ、15w%食塩水10Lで洗浄した。有機層を回収し、98.3%の純度でBAを得た(6.055kg、21.93mol、98%収率)。H NMR(500MHz、CDCl、293K、TMS):7.84(1H,d,J=8.07Hz)、7.62(1H,d,J=2.14Hz)、6.97(1H,dd,J=8.08、2.14Hz)、3.97−3.86(3H,m)、2.33(3H,s)。
5−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル(B−2)
機械式撹拌器及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがない100Lの反応容器中に、IPAc中のB−1(5.9kg、21.37mol)の溶液を入れた。この溶液を2−MeTHF(〜35L)へと溶媒交換した。トリエチルアミン(8.94L、64.1mol)を添加し、Nで溶液を脱気した。パージを維持しながら、撹拌溶液にピナコールボラン(4.65L、32.1mol)をゆっくりと(15分間にわたり)添加した。溶液を10分間さらに脱気し、トリ−O−トリルホスフィン(0.325kg、1.069mol)を添加し、続いて酢酸パラジウム(II)(0.120kg、0.534mol)を添加した。これにより、11.5℃から30℃へとゆっくりと発熱しながら、反応物がすぐに黒色になった。この点で、遅発性の発熱が観察され、反応温度が(45分間にわたり)50℃に上昇した。反応温度を77℃に上昇させ、さらに45分間熟成させた。この時点で、反応アリコートのHPLC分析から、出発物質が完全に消費されたことが明らかになった。熱源を除去し、1.5時間にわたり反応物を冷却するために氷浴をフラスコの下に置いた。ガス発生及び発熱を調節するために26w%塩化アンモニウム溶液を(60分間にわたり)非常にゆっくりと添加し、これにより、黒色の沈殿物が形成された。水40Lが既に入った抽出装置に上清を移した。残った黒色スラリーをSolka−Floc上でろ過し、MTBE(〜20L)で洗浄した。ろ液を抽出装置に入れた。層を留分し、有機層のアッセイから、81.6%純度のB−2(4.45kg、16.11mol、75%収率)が明らかとなり、次の段階でこれをそのまま使用した。H NMR(500MHz、CDCl、293K、TMS);7.75(1H,s)、7.40(1H,d,J=7.49Hz)、7.32(1H,d,J=7.56Hz)、3.90(3H,s)、2.37(3H,s)、1.41(12H,s)。
5−メチル−2−ピリミジン−2−イル安息香酸メチル(B−3)
機械式撹拌器及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがない100L反応容器に、前の反応からのB−2(4.38kg、15.84mol)の溶液を入れた。混合物を2−MeTHF(35L)へと溶媒交換した。この後、2−クロロピリミジン(2.18kg、19.01mol)(吸熱19から14℃)及び炭酸ナトリウム(5.04kg、47.5mol)を添加した。この撹拌懸濁液に水(11.67L)を添加した(発熱15−24℃)。Nにより40分間、この濃厚スラリーを脱気し、その後、PdCl(dppf)−CHCl付加化合物(0.518kg、0.634mol)を添加した(それにより反応物が黒色になる。)。内部温度を74℃に設定し、16時間熟成させた。アリコートをHPLC分析用に採取し、これにより、出発ボロン酸がほぼ完全に消費されたことが明らかとなった(>97%転換)。反応物を室温に冷却し、10分間にわたり、撹拌を維持しながら、水12L及びMTBE24Lを添加した。Solka−Floc上でこの溶液をろ過し、100L抽出装置に移した。MTBE及び水の両方4Lで(x2)フラスコをさらにすすぎ、次にさらに4LのMTBEですすいだ。層を留分し、MTBE21.5Lで水層を逆抽出した。有機層のアッセイから、ビアリールエステル(2.76kg、12.09mol、76%収率)が示された。有機物を抽出装置に再び入れ、活性炭1.26kg(Darco KB−Gグレード)を添加し、2時間混合物を撹拌し、次いでSolka−Floc上でろ過した。MTBE 3x10Lでろ過ケーキを洗浄した。重金属分析から、Pd 427−493ppm及びFe 882−934ppmが明らかになった。アッセイは、B−3 2.381kgであった(全体で66%、DARCOから86%回収)。B−3に対するデータ:H NMR(500MHz、CDCl、293K、TMS):8.78(d,J=4.87Hz,2H);7.97(d,J=7.93Hz,1H);7.51(s,1H);7.39(d,J=7.99Hz,1H);7.19(t,J=4.88Hz,1H);3.75(s,3H);2.44(s,3H)。
5−メチル−2−ピリミジン−2−イル安息香酸(B−4)
インラインフィルターを通じて、目視で汚れがない100Lフラスコに、前の段階からのB−3の溶液を入れ、濃縮し、2−MeTHF(〜15L)へと溶媒交換した。この溶液に、水(20L)を添加し、次いで水酸化ナトリウム(10N)(2.60L、26.0mol)を添加した。添加後、反応物が赤色に変化し、熱源を72℃に設定した。この温度で1.5時間、混合物を熟成させ、この後、HPLC分析により完全な変換が明らかになった。反応物を冷却し、50L抽出装置に移した。フラスコを水4L及びMTBE10Lですすぎ、このすすぎ液を抽出装置中の撹拌混合物に添加した。層を留分し、MTBE10Lで2回水相を洗浄した。次に、酸化のために、インラインフィルターを通じて水層を反応装置(100L)に再び入れた。12N HCl 2.3Lを冷混合物にゆっくりと添加した(これにより7から10℃の発熱が起こる。)。これにより、ベージュ色の沈殿物が形成された(pH=1)。この沈殿物をろ過した。ベージュ色のろ過ケーキを冷水3mL/gで2回洗浄した。次に、冷15%MTBE/ヘプタン及び15%PhMe/ヘプタン 3mL/gでこのケーキを洗浄した。最後に、これを室温MTBE1.5mL/g及び室温3mL/gヘプタンで2回、洗浄した。次に、固形物をN気流下で2日間乾燥させ、淡いベージュ色の粉末としてB−4を得た(2.15kg、10.04mol、97%収率)。HPLC分析から、産物が99.2%の純度であることが明らかとなる。重金属分析から、Pd264ppm及びFe19.7ppmであることが分かった。B−4に対するデータ:H NMR(500MHz,DMSO−d):12.65(s,1H);8.85−8.82(m,2H);7.78(dd,J=7.89、2.34Hz,1H);7.49−7.37(m,3H);2.40(s,3H)。
2−{2−[((2R,5R)−5−{[(5−フルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−2−メチルピペリジン−1−イル)カルボニル]−4−メチルフェニル}ピリミジン(B−5)
サーモカップル及び機械式撹拌器を備えた、目視で汚れがなく乾燥している50Lのフラスコに、A−9(1kg、4.46mol)の溶液を入れ、DCM(11.00L)へと溶媒交換した。DIPEA(2L、11.45mol)を添加し、次に、B=4(1.22kg、5.67mol)をこの撹拌溶液に添加した。この溶液を氷浴で冷却した(12℃)。反応温度を<21℃に維持しながら、1時間にわたり、この撹拌溶液に、添加漏斗を通じてT3P(7.87L、13.38mol)を添加した。添加が完了したら、反応が黄色になり、不均一になった。撹拌し易くするために、DCM 2Lを添加した。この反応物を44℃に加熱した(42℃で少々発熱、これにより、温度が46.7℃に上昇し、30分間その温度を維持。)。反応物をこの温度で一晩熟成させた。17時間後、反応が完了しておらず、変換を加速させるためにT3P(1.1L、1.870mol)を添加した。翌日(42時間)、HPLCによりこの反応が完了したと判断し、氷浴中で4℃に冷却した。反応温度を17℃未満に維持しながら、(最初の1.5Lに対してはゆっくりと、次にかなり速く)水20Lを添加した。この混合物を室温で30分間撹拌した。次に、MTBE 20Lが入った50Lの抽出装置に混合物を移した。さらなる水2L及びMTBE 4Lでフラスコをすすいだ。層を留分し、20L 1N NaOH、次に1N NaOH 10Lで有機物を洗浄した。最後に、塩水15% 10Lで2回、有機物を洗浄した。次に、有機画分(1.65kgで定量的HPLCアッセイ)を1.75時間、Darco KB(750g)〜50w%で処理し、Solka−Floc上でろ過し、MTBE10mL/gですすいだ(1.559kg、94.5%回収)。機械式撹拌器、サーモカップル、還流冷却器及び窒素注入口を備えた、目視で汚れがなく乾燥している50LのRBFに、上記からの粗製物質を入れた(B−5溶液及び使用した全ての溶媒は、1μmインラインフィルターを用いてろ過した。)。反応混合物をIPAcへと溶媒交換し、最終体積を7.5Lに調整した(IPAc約4mL/g)。この反応混合物を75℃に温め(全て可溶性)、室温にゆっくりと冷却し、B−5 18g(IPAc/ヘプタン中)を用いて結晶種の播種を行い、室温で一晩撹拌し(16時間)、次に60分間にわたりヘプタンを添加(6mL/g)した。この反応混合物を1時間熟成させ、その後5℃に冷却し、30分間撹拌した。次に、懸濁液をフィルターポット上に移し、IPAC/ヘプタン(冷15%IPAc2x3mL/g)及びヘプタン(5mL/g)ですすいだ。18時間、窒素流下で、残存したベージュ色の固形物を乾燥させた(生成物が乾燥したことが分かった(溶媒は<0.3wt%)。)。B−5 1.2kgが淡いベージュ色の固形物として単離された(99.4LCAP、>99.5%ee、>99.5%dr、8ppmのPdレベル及び0.1のKF)。B−5に対するデータ:HRMS m/z(M+H):421.2067、実測値;421.2035、要求値。
本発明のある特定の実施態様を参照して本発明を記載し、説明してきたが、当業者は、手順及びプロトコールの、様々な改変、変更、修飾、置換、削除又は付加が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることを認識するであろう。

Claims (25)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2011520966
    又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
    カップリング試薬の存在下で、式IIの化合物:
    Figure 2011520966
    を式IIIの化合物:
    Figure 2011520966
    と接触させて
    式Iの化合物を与えることを含む、方法。
  2. カップリング試薬が、1−プロピルホスホン酸無水物、塩化オキサリル又は塩化チオニルである、請求項1の方法。
  3. 式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階が、弱有機塩基の存在下で行われる、請求項1の方法。
  4. 弱有機塩基が、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである、請求項3の方法。
  5. 式Iの化合物:
    Figure 2011520966
    又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
    1−プロピルホスホン酸無水物及び弱有機塩基の存在下で、式IIの化合物:
    Figure 2011520966
    を式IIIの化合物:
    Figure 2011520966
    と接触させて式Iの化合物を与えることを含む、方法。
  6. 弱有機塩基がジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである、請求項5の方法。
  7. 式Iの化合物:
    Figure 2011520966
    又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
    炭酸セシウムの存在下で、式Vの化合物:
    Figure 2011520966
    を式VIの5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン:
    Figure 2011520966
    と接触させて式IVの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式IVの化合物中の保護基を除去して式IIの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、カップリング試薬の存在下で、式IIの化合物を式IIIの化合物:
    Figure 2011520966
    と接触させて
    式Iの化合物を与えることを含む、方法。
  8. アミノ保護基が、BOC保護基又はCBZ保護基である、請求項7の方法。
  9. カップリング試薬が、1−プロピルホスホン酸無水物、塩化オキサリル又は塩化チオニルである、請求項7の方法。
  10. 式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階が、弱有機塩基の存在下で行われる、請求項7の方法。
  11. 弱有機塩基がジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである、請求項10の方法。
  12. 式Iの化合物:
    Figure 2011520966
    又は医薬的に許容可能なその塩を調製するための方法であって、
    強有機塩基存在下で、式VIIのカンファースルホン酸塩:
    Figure 2011520966
    を2,5−ジフルオロピリジンと接触させて式IIの化合物を得、
    Figure 2011520966
    続いて、カップリング試薬の存在下で、式IIの化合物を式IIIの化合物:
    Figure 2011520966
    と接触させて式Iの化合物を与えることを含む、方法。
  13. 強有機塩基がナトリウムt−ブトキシドである、請求項10の方法。
  14. 式Vの化合物:
    Figure 2011520966
    を調製するための方法であって、
    弱無機塩基の存在下で、式XIIIのメチルビニルケトン:
    Figure 2011520966
    を式XIIのマロン酸ジメチル:
    Figure 2011520966
    と接触させて式XIの化合物:
    Figure 2011520966
    を得、続いて、生体触媒アミノ基転移を行って式Xの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式Xの化合物を第一の水素化物還元剤で還元して式IXの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式IXの化合物を第二の水素化物還元剤で還元して式VIIIの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式VIIIの化合物のカンファースルホン酸塩を形成させ、及び単離して式VIIのカンファースルホン酸塩:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式VIIの化合物中の遊離アミンをアミノ保護基により保護して式VIの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、弱有機塩基の存在下で、式VIの化合物を塩化トシルと接触させて式Vの化合物を与えることを含む、方法。
  15. 式XIIIのメチルビニルケトンを式XIIのマロン酸ジメチルと接触させる段階において、弱無機塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項14の方法。本発明の一実施形態において、弱無機塩基が炭酸カリウムである。
  16. 式Xの化合物を与えるための生体触媒アミノ基転移がアミノ基転移酵素を用いて行われる、請求項14の方法。
  17. アミノ基転移酵素がATA−117である、請求項16の方法。
  18. アミノ基転移酵素による生体触媒アミノ基転移が、乳酸デヒドロゲナーゼ及びグルコースデヒドロゲナーゼの存在下で行われる、請求項16の方法。
  19. 第一の水素化物還元剤がホウ化水素還元剤である、請求項14の方法。
  20. ホウ化水素還元剤が、ホウ化水素カルシウム又はホウ化水素ナトリウムである、請求項19の方法。
  21. 第二の水素化物還元剤が水素化ホウ素リチウムアルミニウムである、請求項14の方法。
  22. アミノ保護基がBOC保護基又はCBZ保護基である、請求項14の方法。
  23. 式IIIの化合物:
    Figure 2011520966
    を調製するための方法であって、強酸の存在下で、式XVIIの2−ヨード−5−メチル安息香酸:
    Figure 2011520966
    をメタノールと接触させて、式XVIのメチル2−ヨード−5−メチル安息香酸:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式XVのボロン酸塩化合物:
    Figure 2011520966
    を得るために、酢酸パラジウム、トリ−O−トリルホスフィン及び弱有機塩基の存在下で、式XVIのメチル2−ヨード−5−メチル安息香酸をピナコールボランと接触させ、
    続いて、式XIVの化合物:
    Figure 2011520966
    を得るために、PdCl(dppf)−CHCl及び弱無機塩基の存在下で、式XVのボロン酸塩の化合物を2−クロロピリミジンと接触させ、
    続いて、無機塩基を用いてメチルエステルの加水分解を行って式IIIの化合物を与えることを含む、方法。
  24. 式IIの化合物:
    Figure 2011520966
    を調製するための方法であって、
    炭酸セシウムの存在下で、式Vの化合物:
    Figure 2011520966
    を式VIの5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン:
    Figure 2011520966
    と接触させて式IVの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、式IVの化合物中の保護基を除去して式IIの化合物を与えることを含む、方法。
  25. 式IIIの化合物:
    Figure 2011520966
    を調製するための方法であって、
    PdCl(dppf)−CHCl及び弱無機塩基の存在下で、式XVのボロン酸化合物:
    Figure 2011520966
    を2−クロロピリミジンと接触させて、式XIVの化合物:
    Figure 2011520966
    を与え、
    続いて、無機塩基を用いてメチルエステルを加水分解して式IIIの化合物を与えることを含む、方法。
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