JP2011520966A - オレキシン受容体アンタゴニストの調製のための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部で産生される2種類の神経ペプチド:オレキシンA(OX−A)(33アミノ酸ペプチド)及びオレキシンB(OX−B)(28アミノ酸ペプチド)を含む(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585)。オレキシンは、ラットにおいて食物消費を刺激することが分かっており、このことから、摂食行動を制御する中枢フィードバック機構におけるメディエーターとしてのこれらのペプチドに対する生理学的役割が示唆される(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585)。オレキシンは睡眠及び不眠の状態を制御し、ナルコレプシー及び不眠症患者に対して新規治療方法の可能性に道を開くものである(Chemelli R.M.ら、Cell、1999、98、437−451)。オレキシンはまた、奮起、報酬、学習及び記憶に関与することが示されている(Harrisら、Trends Neurosci.、2006、29(10)、571−577)。2種類のオレキシン受容体がクローニングされており、また哺乳動物での特性も評価されている。それらはGタンパク質共役受容体のスーパーファミリーに属しており(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585);オレキシン−1受容体(OX又はOX1R)は、OX−Aに選択的であり、オレキシン−2受容体(OX2又はOX2R)は、OX−AならびにOX−Bに結合することことができる。オレキシンが関与すると思われる生理作用は、オレキシン受容体の2つのサブタイプとしてのOX1受容体及びOX2受容体の一方又は両方を介して発現されると考えられる。
本発明は、オレキシン受容体のアンタゴニストであり、オレキシン受容体が関与する神経及び精神疾患及び障害の治療又は予防に有用である、ピリジルピペリジン化合物を調製するための方法に関する。
本発明は、式Iの化合物:
続いて、式XIVの化合物:
続いて、無機塩基を用いてメチルエステルの加水分解を行って式IIIの化合物を与えることを含む方法に関する。
添加漏斗、窒素注入口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく乾燥した100L丸底フラスコに、アセトニトリル及び炭酸カリウムを添加した。マロン酸ジメチルを添加し、得られた混合物を17℃に冷却した(氷/水浴)。内部温度が26℃を超えないようにしてメチルビニルケトンを3時間にわたり添加した。18時間後、HPLCにより完全な変換が示された。60L MTBE及び20Lの水が入った100L抽出装置に混合物を移した。層に分離させ、20L MTBEで水層を逆抽出した。合わせた有機層を20Lの水で洗浄し、エマルジョンを5時間静置した。次に、活性炭を通じて有機層をろ過し、回分濃縮し、20L MTBEを流して、A−1 15.1kgを得た(1H NMRにより80wt%、80%収率)。A−1に対するデータ:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.69(s,6H)、3.40(t,J=7.3Hz,1H)、2.50(t,J=7.2Hz,2H)、2.15−2.06(m,5H)。
炭酸カリウム(5.62kg)、マロン酸ジメチル(54.8kg)及びアセトニトリル(90kg)を反応容器に入れ、15℃で一緒に撹拌した。メチルビニルケトン(28.5kg)を25℃未満で2時間にわたり容器に汲み上げた。スラリーを18−20℃で2時間撹拌した。反応混合物を希釈するためにMTBE(132kg)をこの容器に入れ、次いで水(114kg)を入れた。5分間混合物を撹拌し、次いで層に分離させ、水層を除去した。さらなる水(57kg)をこの容器に入れ、反応混合物をさらに5分間撹拌し、層に分離させ、再び水層を除去した。溶媒の殆どが除去されるまで(体積およそ80L)有機層を減圧下で濃縮し、油状物質としてA−1 76kgを得た。
目視で汚れがない20L丸底フラスコに、64wt%A−7.15kgを入れ、残存アセトニトリル及びMTBEを除去するためにロータリーエバポレーター処理した。得られた溶液は83wt%であった。オーバーヘッド撹拌機で撹拌している目視で汚れがない100L Buchiジャケット付きリアクターに、45Lの水を添加した。30℃までの加熱を開始し、続いて、852g Na2HPO4、7.2kg D−アラニン、6.48kgグルコース、22.5g NAD及び45g PLPを添加した。NaOHで7.4にpHを調整し、次いで450g ATA−117アミノ基転移酵素、9g 乳酸デヒドロゲナーゼ及び45gグルコースデヒドロゲナーゼを添加し、2.5Lの水で容器に流し込んだ。全ての酵素が溶液中に入った後、ロータリーエバポレーター処理したA−1の溶液を添加し、次いで、最終的に2.5Lの水を添加した。5N NaOHを使用してpH調整を開始した。反応物を24時間撹拌し、31時間で反応を終了させた。反応容器に19.4kg NaCl及び6.0L 5N HClを添加し、pHを3.5に調整した。アセトニトリル20Lを添加し、10分間撹拌した。撹拌器を止め、反応混合物を1時間静置した。アセトニトリル層を取り出し(drummed off);アセトニトリルで水層を再抽出し、これらのアセトニトリル層を合わせた。Solka−Flocを通じて、得られたアセトニトリル溶液をろ過し、同様のサイズの第二のバッチと合わせ、アセトニトリル及び水の両方を除去するために回分濃縮した。得られた油状物質は、不均一なNaClの高レベルを含有した。次に、この油状物質を50L EtOAc中で溶解させ、目視で汚れがない20L丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターで処理し、油状物質としてA−2を得た(5.5kg、94wt%、74%収率、99%ee(ChiralpakでHPLCにより測定))。A−2に対するデータ:LRMS(M+H)=172。
1000Lの容器に水(516kg)を入れ、続いてオルトリン酸水素二ナトリウム(36.3kg)、D−アラニン(41.8kg)及びD−グルコース(37.6kg)を入れた。混合物を30℃に温め、固形物を溶解させた。NAD(130.5g)及びPLP(261g)を添加し、pHを調べた(7.8)。ATA−117アミノ基転移酵素(2.61kg)、乳酸デヒドロゲナーゼ(52.2g)及び最後にグルコースデヒドロゲナーゼ(130.5g)を添加し、2.5Lの水で容器にすすいだ。全ての酵素が溶液中に入った後、A−2(全部で39.2kg、29kgアッセイ)を添加し、次いで最後に水ですすいだ(5kg)。最初の6時間、5N NaOHの添加により、2−3時間ごとにpHをpH7.6に調整しながら、反応混合物を30℃で撹拌した。次にこの反応物を一晩(16時間)撹拌し、その後、pHを再びpH7.6に調整した。この反応物を44時間撹拌した。この反応混合物に塩化ナトリウム(90kg)を添加し、5N HCl(66L)の添加により、pHをpH3.6に調整した。ジクロロメタン(200kg)を容器に入れ、次に、solka−Flok(15kg)を入れ、混合物を10分間撹拌した。次に、さらなるSolka−Flok(5kg)を通じてこのバッチをろ過した。さらなるジクロロメタン(65kg)でSolka−Flokを洗浄した。ろ液を容器に戻し、層に分離させた。より下にある有機層を取り出し、ジクロロメタン(200kg)で水層を再抽出した。より下の有機層を取り出し、水層を廃棄した。有機層を再び合わせ、容器に戻し、8%重炭酸ナトリウム溶液(54L)で20分間洗浄した。層に分離させ、有機層を取り出した。水層を廃棄し、有機層を容器に戻した。A−2のジクロロメタン溶液(19.3kgアッセイ)を必要になるまで室温で保存した。
グリコール冷却コイル、窒素注入口、大型のガス排出口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく、乾燥した140L抽出装置に、EtOH中のA−2の18.7wt%溶液[4.6K/kg]及びさらなる71.4L EtOH[25.4K/kg]を入れた。15分間にわたり3回に分けて塩化カルシウム(3.65kg)を添加し、26から22℃に冷却しながら完全に溶解するまで撹拌した。ホウ化水素ナトリウム(2.49kg)を3回に分けて20分間にわたり添加した。最後の添加後、温度が25℃に上昇した。ガス発生が30分以内に消失した。温度を22℃未満に維持するために、反応混合物を冷却セットにより20時間にわたり撹拌した。この混合物を5℃に冷却し、9.5℃未満に温度を維持しながら、11.2L 6N HClを30分間にわたり慎重に添加することにより不活性化した。これを室温に温め、2時間撹拌した。湿ったpH紙を混合物に浸したところ、pH2を示した。Solka−Floc上でこれをろ過し、2x12L EtOHですすいだ。全部で2.55kg(108%AY)にわたり、各ビンをアッセイした。回分濃縮のために同様の大きさの第二のバッチとろ液を合わせた。エタノールの殆どを蒸発させた後、EtOHを同時蒸発させるために水8Lを添加し、一部沈殿物を溶解させた。23Lの水層を抽出装置に移した後、水で体積を31.6Lに調整した。これを53L、次に2x26.5L 1−ブタノールで抽出した(HPLCアッセイにより、水層において、92g、1.9%の損失が示された。)。合わせた有機層を10.5L食塩水で洗浄した(HPLCアッセイにより、洗浄に対して、419g、8.8%の損失が示された。)。有機層をアッセイしたところ、4.21kg(92%回収、96%AY)となり、これを最小体積まで濃縮した。次に、これを12Lの水、次いで120Lイソプロパノールと共沸混合した。KFをアッセイしたところ、〜40Lの総体積において水0.5%であった。懸濁液をSolka−Floc上でろ過し、2x10Lイソプロパノールですすいだ。ろ液を均一化するために抽出装置中で撹拌し、アッセイしたところ、4.13kg(94%AY、1.7:1dr)となった。溶液を2つの同量のバッチに分けた。各バッチを最小体積まで濃縮し、140L THFと共沸混合し、ベージュ色の懸濁液としてA−3を得た。(94%収率)。1H NMRにより、0.6eqイソプロパノールであることが示された。A−3に対するデータ:LRMS(M+H)=144。
機械式撹拌器、サーモカップル、窒素注入口及び冷却槽を備えた、目視で汚れがなく乾燥している100Lの5−ネック丸底フラスコに、A−3(2.07kg、1.0eq)及びTHF(20L、10mL/g)を入れた。混合物を−25℃に冷却した。−25℃から+12℃の間に混合物を維持しながら、LiAlH4(2.6M溶液、22.2L、4.0eq)を3.5時間にわたり添加した。LiAlH4の最初の6Lの添加中に重要なガス発生(H2)が観察された。添加の終了時に、混合物を20℃まで温め、次に、蒸気を使用して50℃まで加熱した。この混合物をこの温度で12時間、熟成させた。GC−FID及びLC−MSから、所望のピペリジン−アルコールに対する>99%の変換が示された。この混合物を10−25℃に冷却し、Fieser処理を用いて反応を停止させた。水(2.2L)をこの混合物に3時間にわたり添加し、重要なガス発生及び発熱が起こった(−25℃から+13℃の間に温度を維持した)。次に1.5時間にわたり3.75M NaOH(2.2L)をこの混合物に添加した。最後に、1時間にわたり水(6.6L)を添加した。混合物を5℃に冷却し、1.5時間熟成させた。懸濁液をろ過し、ケーキをTHF(20L)ですすいだ。1.54kg(2.33%wt)が得られ、従って、A−4のアッセイ収率は82%となった(dr=1.7:1、トランス異性体が生成しやすい。)。A4に対するデータ:LRMS(M+H)=130。
機械式撹拌器、サーモカップル、窒素注入口及び冷却コイルを備えた、目視で汚れがなく乾燥している140Lの5−ネック抽出装置に、A−4(3.04kg、1.0eq)及びTHF(60L、20mL/g)を入れた。混合物に、1時間にわたり、(D)−(+)−CSA(4.37kg、0.8eq)のTHF溶液(4mL/g、12L)を添加した。種結晶なしで塩を結晶化させた。添加が完了したら、混合物を20℃で45分間熟成させ、次いで45分間にわたりMTBE(10mL/g、30L)を添加した。この混合物を45分間熟成させ、次いで45分間にわたり2℃に冷却した。この混合物をこの温度で30分間にわたり熟成させ、次いでろ過した。塩を、THF/MTBE 1/1で2x6mL/g(2x18L)ですすぎ、1x6mL/g(1x18L)MTBEですすぎ、窒素雰囲気下でフリット上にて16時間にわたり乾燥させて、A−5 4.46kg(52%収率)を白色固形物として得た。この塩のジアステレオ選択性(塩分解後の遊離塩基試料上で測定)は40−50:1であった。
粗製A−2(40gアッセイ;55.94g総量)をTHF(773mL)中で溶解させた。エタノール(43.1g)を溶液に添加し、この溶液を0℃に冷却した。5℃未満の温度でLiBH4(228mL;THF中4.1M)を30分間にわたり添加し、RTで混合物を撹拌した。混合物を20℃に温め、一晩撹拌した。反応混合物を10℃に冷却し、30分間にわたり6M HCL(240mL)を慎重に添加した。白く混濁した混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物のpH:pH=1。10M NaOH(120mL)の添加により、反応混合物のpHをpH12−14に調整し、酢酸イソプロピル(120mL)を添加した。層に分離させ、水層を酢酸イソプロピル(2x240mL)で再抽出した。有機層を合わせ、残渣になるまで蒸発させた。油状残渣にイソプロパノール(3x200mL)を流し、<200μL/mLの水含量となった。次に、THF(450mL)中で粗製油状物質を溶解させた。溶媒分析によると、IPAcはなく、存在するIPAは<1%であった。THF(130mL)中のD−(+)−カンファスルホン酸(54.3g)の溶液をピペリジノールのTHF溶液に30分間にわたり添加した。白色固形物が結晶化した。混合物を20℃で一晩撹拌した。MTBE(300mL)でスラリーを希釈し、ろ過前に、2時間、混合物を0℃に冷却した。1:1 THF:MTBE(100mL)及びMTBE(100mL)で固形物を洗浄した。45℃で一晩、固形物を真空乾燥させ、ジアステレオマー比:20:1トランス:シス(NMR)で、47%収率で白色固形物としてA−5(39.7g)を得た。
グリコール冷却コイル、窒素注入口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく乾燥している140Lの抽出装置に、ジクロロメタン40Lと続いてA−5(4.2kg)を入れた。この懸濁液に、トリエチルアミンを1回で添加し(4.8L、発熱は観察されなかった。)、続いてBoc2O(2.66kgを5時間にわたり4℃で添加、発熱が観察された。)を添加した。30分後、反応混合物が均一になった。LCMSアッセイ(3時間後)から、出発物質が完全に消費されたことが示された。反応混合物を塩化アンモニウム2M(40L)で希釈し、層に分離させた。半飽和食塩水(20L)で有機層を洗浄し、層に分離させた。粗製反応混合物のHPLCアッセイから、105%AY(2.81kg)が示された。この粗製反応混合物をNa2SO4で乾燥させ(200wt%)、ろ過し、トシル化反応のために100Lフラスコに移した。
機械式撹拌器、窒素注入口及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがなく乾燥している100Lの反応容器に、A−6の粗製ジクロロメタン溶液を入れた(最終体積を10L、およそ2.2mL/gに調整)。この***液(0℃)にピリジンを添加し(5.5L、発熱は観察されなかった。)、続いてTsClを添加した(1時間にわたり4回に分割、発熱が観察されたが容易に調節)。反応混合物を室温に温め、18時間撹拌し(HPLCにより、出発物質が完全に消費されたことが示された。)。反応混合物を140L抽出装置に移し、MTBE(7mL/g)、飽和NH4Cl(20L)及び水(10L)で希釈した。層に分離させ、CuSO4−5H2O(20L、続いて10L)、飽和NaHCO3(10L)及び半飽和食塩水(10L)で有機層を洗浄した。シリカゲルのパッド(1.5kg)上で粗製有機層をろ過し、このパッドをMTBE(10L)ですすいだ。得られた溶液において測定したA−7のアッセイ収率は93%(4.28kg)であった。A−7に対するデータ:LRMS(M−Boc)=284.0。
機械式撹拌器、サーモカップル、窒素注入口及び冷却槽を備えた、目視で汚れがなく乾燥している100Lの5−ネック丸底フラスコに、A−7(3.23kg、1.0eq)及びNMP(65L、20mL/g)を入れた。5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(1.19kg、1.25eq)を添加し、続いてCS2CO3(7.37kg、2.7eq)を添加した。発熱は観察されなかった。混合物を60℃に温め、この温度で26時間熟成させた。HPLCにより、所望の産物へと>99.9%変換されたことが示された。混合物を15℃に冷却し、水(65L)の添加(発熱を調節するために(15℃から28℃)1時間にわたり添加)により反応を停止させた。MTBE(20mL/g、65L)を用いて、ピペリジン−O−ピリジンを抽出した。2x10mL/g 10%LiCl(2x32L)、2x10mL/g NaCl半飽和溶液(2x32L)で有機層を洗浄した。MTBE層で測定したA−8のアッセイ収率は、2.16kg、79%収率であった。A−8に対するデータ:HRMS(M+H)=325.1922。
サーモカップル及び機械式撹拌器を備えた、目視で汚れがない50Lのフラスコに、MTBE中のA−8の溶液(2.15kg、6.63mol)を入れ、ジクロロメタン(11.40L)へと溶媒交換を行った。氷/IPA浴でこの混合物を−2℃に冷却した。次に、TFA(5.5L、71.4mol)をゆっくりと添加し(40分間にわたり、T℃=−1.9℃から5.5℃、最高5.5℃)。添加が完了したら、氷浴から反応物を取り出し、温水で室温に温めた(5.7℃から開始、50分間)。3.5時間以内に反応が完了した。減圧下で濃縮し、得られた油状物質を100L抽出装置中のNaOHの冷却撹拌溶液(3.0N、1.1eq.、28L)に移し、続いてMTBE 30Lを添加し、相を分離させた。2N HCl 30L及び再び2N HCl 10Lで有機層を洗浄した。次に、水層を冷却し(9℃)、pHが13(T°=21℃)になるまで10N NaOHを添加した。この溶液にMTBE 25Lを添加し、層を留分した。最後に、MTBE 10Lで水層を逆抽出した。定量的HPLCアッセイから、A−9が98%収率及び>99.7%純度であることが明らかとなり、これをそのまま次の反応で使用した。A−9に対するデータ:LRMS(M+H)−225.1。
隔壁、窒素注入口アダプター、機械式撹拌器及びサーモカップルを備えた、3−Lの3ネック丸底フラスコに、室温(23℃)でA−5(87.0g)、2,5−ジフルオロピリジン(30.0g)及びDMSO870mL(110ppm水)を入れた。内部温度を29℃未満に維持しながら、4分間にわたり、ナトリウムt−ブトキシド(50.1g)を分割して添加した。HPLC分析により、所望の産物と比較して、5%ジフルオロピリジン未満であることが示されるまで、得られた反応混合物を室温(ca.25℃)で撹拌した。(Agilent Eclipse XDB−C18 4.6x150mmカラム;35℃;移動相:(A)0.1%H3PO4/水;(B)アセトニトリル。直線的勾配、時間0:95%A、5%B;時間6分:5%A、95%B;時間10分:5%A、95%B。流速、1.5mL/分。UV=210nm;A−5 RT=2.8分、A−9 RT=3.2分、2,5−ジフルオロピリジン RT=4.1)。次に、反応混合物を水(20vol.、1740mL)及びEtOAc(10vol.、870mL)で希釈した。有機層を分離し、水(10vol.、870mL)で洗浄し、2−L丸底フラスコに移した。30分間にわたり添加漏斗を介してHCl(IPA中3.9N溶液)をゆっくりと添加し、得られた白色スラリーを室温で1時間撹拌した。結晶を回収し、EtOAc(3vol.、2610mL)で洗浄し、窒素スイープにより真空下で乾燥させ、白色結晶としてA−955.0gを得た。
機械式撹拌器サーモカップル及び水冷却コンデンサーを備えた、目視で汚れがない100Lフラスコに、MeOH(50L)を入れた。次に、撹拌しながら2−ヨード−5−メチル安息香酸(5.85kg、22.32mol)を添加した。次に、濃硫酸(0.595L、11.16mol)を分割して添加し、これにより温度が17℃から22℃に上昇した。この混合物の内部温度を徐々に64.6℃にして、一晩(〜18時間)熟成させた。翌朝、反応は、HPLCにより、>98%の変換に達した。氷浴中に入れることによってフラスコを16℃に冷却し、pHを監視しながら、10N NaOH(0.98equiv.)850mLをゆっくりと(10分間にわたり)添加した。添加後、pHは5−6となった(注意:pHを9超にすると、その結果、処理中に鹸化が起こり得る。)。次に、溶液を約16Lまで濃縮し、この懸濁液を100L抽出装置に移した。フラスコをIPAc 8L及び水4Lですすぎ、このすすぎ液もまた抽出装置に移した。5w%NaHCO3 10L及び15w%食塩水10LとともにIPAc 32Lを添加した。層を留分し、IPAc 20Lで水層を逆抽出した。次に、有機層を合わせ、15w%食塩水10Lで洗浄した。有機層を回収し、98.3%の純度でBAを得た(6.055kg、21.93mol、98%収率)。1H NMR(500MHz、CDCl3、293K、TMS):7.84(1H,d,J=8.07Hz)、7.62(1H,d,J=2.14Hz)、6.97(1H,dd,J=8.08、2.14Hz)、3.97−3.86(3H,m)、2.33(3H,s)。
機械式撹拌器及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがない100Lの反応容器中に、IPAc中のB−1(5.9kg、21.37mol)の溶液を入れた。この溶液を2−MeTHF(〜35L)へと溶媒交換した。トリエチルアミン(8.94L、64.1mol)を添加し、N2で溶液を脱気した。パージを維持しながら、撹拌溶液にピナコールボラン(4.65L、32.1mol)をゆっくりと(15分間にわたり)添加した。溶液を10分間さらに脱気し、トリ−O−トリルホスフィン(0.325kg、1.069mol)を添加し、続いて酢酸パラジウム(II)(0.120kg、0.534mol)を添加した。これにより、11.5℃から30℃へとゆっくりと発熱しながら、反応物がすぐに黒色になった。この点で、遅発性の発熱が観察され、反応温度が(45分間にわたり)50℃に上昇した。反応温度を77℃に上昇させ、さらに45分間熟成させた。この時点で、反応アリコートのHPLC分析から、出発物質が完全に消費されたことが明らかになった。熱源を除去し、1.5時間にわたり反応物を冷却するために氷浴をフラスコの下に置いた。ガス発生及び発熱を調節するために26w%塩化アンモニウム溶液を(60分間にわたり)非常にゆっくりと添加し、これにより、黒色の沈殿物が形成された。水40Lが既に入った抽出装置に上清を移した。残った黒色スラリーをSolka−Floc上でろ過し、MTBE(〜20L)で洗浄した。ろ液を抽出装置に入れた。層を留分し、有機層のアッセイから、81.6%純度のB−2(4.45kg、16.11mol、75%収率)が明らかとなり、次の段階でこれをそのまま使用した。1H NMR(500MHz、CDCl3、293K、TMS);7.75(1H,s)、7.40(1H,d,J=7.49Hz)、7.32(1H,d,J=7.56Hz)、3.90(3H,s)、2.37(3H,s)、1.41(12H,s)。
機械式撹拌器及びサーモカップルを備えた、目視で汚れがない100L反応容器に、前の反応からのB−2(4.38kg、15.84mol)の溶液を入れた。混合物を2−MeTHF(35L)へと溶媒交換した。この後、2−クロロピリミジン(2.18kg、19.01mol)(吸熱19から14℃)及び炭酸ナトリウム(5.04kg、47.5mol)を添加した。この撹拌懸濁液に水(11.67L)を添加した(発熱15−24℃)。N2により40分間、この濃厚スラリーを脱気し、その後、PdCl2(dppf)−CH2Cl2付加化合物(0.518kg、0.634mol)を添加した(それにより反応物が黒色になる。)。内部温度を74℃に設定し、16時間熟成させた。アリコートをHPLC分析用に採取し、これにより、出発ボロン酸がほぼ完全に消費されたことが明らかとなった(>97%転換)。反応物を室温に冷却し、10分間にわたり、撹拌を維持しながら、水12L及びMTBE24Lを添加した。Solka−Floc上でこの溶液をろ過し、100L抽出装置に移した。MTBE及び水の両方4Lで(x2)フラスコをさらにすすぎ、次にさらに4LのMTBEですすいだ。層を留分し、MTBE21.5Lで水層を逆抽出した。有機層のアッセイから、ビアリールエステル(2.76kg、12.09mol、76%収率)が示された。有機物を抽出装置に再び入れ、活性炭1.26kg(Darco KB−Gグレード)を添加し、2時間混合物を撹拌し、次いでSolka−Floc上でろ過した。MTBE 3x10Lでろ過ケーキを洗浄した。重金属分析から、Pd 427−493ppm及びFe 882−934ppmが明らかになった。アッセイは、B−3 2.381kgであった(全体で66%、DARCOから86%回収)。B−3に対するデータ:1H NMR(500MHz、CDCl3、293K、TMS):8.78(d,J=4.87Hz,2H);7.97(d,J=7.93Hz,1H);7.51(s,1H);7.39(d,J=7.99Hz,1H);7.19(t,J=4.88Hz,1H);3.75(s,3H);2.44(s,3H)。
インラインフィルターを通じて、目視で汚れがない100Lフラスコに、前の段階からのB−3の溶液を入れ、濃縮し、2−MeTHF(〜15L)へと溶媒交換した。この溶液に、水(20L)を添加し、次いで水酸化ナトリウム(10N)(2.60L、26.0mol)を添加した。添加後、反応物が赤色に変化し、熱源を72℃に設定した。この温度で1.5時間、混合物を熟成させ、この後、HPLC分析により完全な変換が明らかになった。反応物を冷却し、50L抽出装置に移した。フラスコを水4L及びMTBE10Lですすぎ、このすすぎ液を抽出装置中の撹拌混合物に添加した。層を留分し、MTBE10Lで2回水相を洗浄した。次に、酸化のために、インラインフィルターを通じて水層を反応装置(100L)に再び入れた。12N HCl 2.3Lを冷混合物にゆっくりと添加した(これにより7から10℃の発熱が起こる。)。これにより、ベージュ色の沈殿物が形成された(pH=1)。この沈殿物をろ過した。ベージュ色のろ過ケーキを冷水3mL/gで2回洗浄した。次に、冷15%MTBE/ヘプタン及び15%PhMe/ヘプタン 3mL/gでこのケーキを洗浄した。最後に、これを室温MTBE1.5mL/g及び室温3mL/gヘプタンで2回、洗浄した。次に、固形物をN2気流下で2日間乾燥させ、淡いベージュ色の粉末としてB−4を得た(2.15kg、10.04mol、97%収率)。HPLC分析から、産物が99.2%の純度であることが明らかとなる。重金属分析から、Pd264ppm及びFe19.7ppmであることが分かった。B−4に対するデータ:1H NMR(500MHz,DMSO−d6):12.65(s,1H);8.85−8.82(m,2H);7.78(dd,J=7.89、2.34Hz,1H);7.49−7.37(m,3H);2.40(s,3H)。
サーモカップル及び機械式撹拌器を備えた、目視で汚れがなく乾燥している50Lのフラスコに、A−9(1kg、4.46mol)の溶液を入れ、DCM(11.00L)へと溶媒交換した。DIPEA(2L、11.45mol)を添加し、次に、B=4(1.22kg、5.67mol)をこの撹拌溶液に添加した。この溶液を氷浴で冷却した(12℃)。反応温度を<21℃に維持しながら、1時間にわたり、この撹拌溶液に、添加漏斗を通じてT3P(7.87L、13.38mol)を添加した。添加が完了したら、反応が黄色になり、不均一になった。撹拌し易くするために、DCM 2Lを添加した。この反応物を44℃に加熱した(42℃で少々発熱、これにより、温度が46.7℃に上昇し、30分間その温度を維持。)。反応物をこの温度で一晩熟成させた。17時間後、反応が完了しておらず、変換を加速させるためにT3P(1.1L、1.870mol)を添加した。翌日(42時間)、HPLCによりこの反応が完了したと判断し、氷浴中で4℃に冷却した。反応温度を17℃未満に維持しながら、(最初の1.5Lに対してはゆっくりと、次にかなり速く)水20Lを添加した。この混合物を室温で30分間撹拌した。次に、MTBE 20Lが入った50Lの抽出装置に混合物を移した。さらなる水2L及びMTBE 4Lでフラスコをすすいだ。層を留分し、20L 1N NaOH、次に1N NaOH 10Lで有機物を洗浄した。最後に、塩水15% 10Lで2回、有機物を洗浄した。次に、有機画分(1.65kgで定量的HPLCアッセイ)を1.75時間、Darco KB(750g)〜50w%で処理し、Solka−Floc上でろ過し、MTBE10mL/gですすいだ(1.559kg、94.5%回収)。機械式撹拌器、サーモカップル、還流冷却器及び窒素注入口を備えた、目視で汚れがなく乾燥している50LのRBFに、上記からの粗製物質を入れた(B−5溶液及び使用した全ての溶媒は、1μmインラインフィルターを用いてろ過した。)。反応混合物をIPAcへと溶媒交換し、最終体積を7.5Lに調整した(IPAc約4mL/g)。この反応混合物を75℃に温め(全て可溶性)、室温にゆっくりと冷却し、B−5 18g(IPAc/ヘプタン中)を用いて結晶種の播種を行い、室温で一晩撹拌し(16時間)、次に60分間にわたりヘプタンを添加(6mL/g)した。この反応混合物を1時間熟成させ、その後5℃に冷却し、30分間撹拌した。次に、懸濁液をフィルターポット上に移し、IPAC/ヘプタン(冷15%IPAc2x3mL/g)及びヘプタン(5mL/g)ですすいだ。18時間、窒素流下で、残存したベージュ色の固形物を乾燥させた(生成物が乾燥したことが分かった(溶媒は<0.3wt%)。)。B−5 1.2kgが淡いベージュ色の固形物として単離された(99.4LCAP、>99.5%ee、>99.5%dr、8ppmのPdレベル及び0.1のKF)。B−5に対するデータ:HRMS m/z(M+H):421.2067、実測値;421.2035、要求値。
Claims (25)
- カップリング試薬が、1−プロピルホスホン酸無水物、塩化オキサリル又は塩化チオニルである、請求項1の方法。
- 式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階が、弱有機塩基の存在下で行われる、請求項1の方法。
- 弱有機塩基が、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである、請求項3の方法。
- 弱有機塩基がジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである、請求項5の方法。
- アミノ保護基が、BOC保護基又はCBZ保護基である、請求項7の方法。
- カップリング試薬が、1−プロピルホスホン酸無水物、塩化オキサリル又は塩化チオニルである、請求項7の方法。
- 式IIの化合物を式IIIの化合物と接触させる段階が、弱有機塩基の存在下で行われる、請求項7の方法。
- 弱有機塩基がジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンである、請求項10の方法。
- 強有機塩基がナトリウムt−ブトキシドである、請求項10の方法。
- 式Vの化合物:
弱無機塩基の存在下で、式XIIIのメチルビニルケトン:
続いて、式Xの化合物を第一の水素化物還元剤で還元して式IXの化合物:
続いて、式IXの化合物を第二の水素化物還元剤で還元して式VIIIの化合物:
続いて、式VIIIの化合物のカンファースルホン酸塩を形成させ、及び単離して式VIIのカンファースルホン酸塩:
続いて、式VIIの化合物中の遊離アミンをアミノ保護基により保護して式VIの化合物:
続いて、弱有機塩基の存在下で、式VIの化合物を塩化トシルと接触させて式Vの化合物を与えることを含む、方法。 - 式XIIIのメチルビニルケトンを式XIIのマロン酸ジメチルと接触させる段階において、弱無機塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項14の方法。本発明の一実施形態において、弱無機塩基が炭酸カリウムである。
- 式Xの化合物を与えるための生体触媒アミノ基転移がアミノ基転移酵素を用いて行われる、請求項14の方法。
- アミノ基転移酵素がATA−117である、請求項16の方法。
- アミノ基転移酵素による生体触媒アミノ基転移が、乳酸デヒドロゲナーゼ及びグルコースデヒドロゲナーゼの存在下で行われる、請求項16の方法。
- 第一の水素化物還元剤がホウ化水素還元剤である、請求項14の方法。
- ホウ化水素還元剤が、ホウ化水素カルシウム又はホウ化水素ナトリウムである、請求項19の方法。
- 第二の水素化物還元剤が水素化ホウ素リチウムアルミニウムである、請求項14の方法。
- アミノ保護基がBOC保護基又はCBZ保護基である、請求項14の方法。
- 式IIIの化合物:
続いて、式XVのボロン酸塩化合物:
続いて、式XIVの化合物:
続いて、無機塩基を用いてメチルエステルの加水分解を行って式IIIの化合物を与えることを含む、方法。
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