JP2011513287A - 医薬品組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は,接着剤と,ナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含む組成物とを含む経皮パッチ,複数のかかる経皮パッチを備えるキット,ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む組成物,かかる薬剤として使用のための組成物,及びナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含み,アルコール中毒又はアヘン中毒の治療への使用のための組成物を提供する。

Description

本発明は,薬剤ナルトレキソンを含む医薬品組成物,オピオイド受容体拮抗薬,並びにかかる組成物を,特にナルトレキソンの経皮送達用に使用する方法に関する。本発明の組成物及び方法は,多数の治療的介入,特にアルコール及びアヘン中毒の治療に有用である。
ナルトレキソンは,オピオイドアゴニスト特性を有さない周知のオピオイド受容体拮抗薬である。低投与量のナルトレキソンは,多重硬化症,自閉症,進行中のクローン病,AIDS,リウマチ性関節炎,セリアック病,特定種類のガン及び自己免疫疾患の患者において研究されている。オピオイドは,免疫細胞に対するオピオイド受容体による免疫調整効果をもたらす免疫系の主要な情報通信発信者であるサイトカインとして作用する。通常用量のおよそ十分の一の極低投与量のナルトレキソンは,免疫系を後押しし,不適合な免疫機能を特徴とする疾病と闘病するのを助ける。しかし,ナルトレキソンはアルコール依存症(アルコール中毒症)及びアヘン中毒の治療に通常使用される。
薬理学の見地から,ナルトレキソンは,μ−オピオイド受容体での高度に競合的な結合によってオピオイドの効果を遮断する。競合的拮抗薬であるため,アヘンの敵対的陶酔作用の抑制を克服することができる。しかしながら,臨床研究は,およそ50mgの経口投与量のナルトレキソンが,25mgまで静脈投与されたヘロインの薬理学的作用を二十四時間もの長い間遮断することが可能であることを示している。
アルコール中毒症の治療におけるナルトレキソンの作用機序は解明されていないが,前臨床データによって内在性オピオイド系の関与が示唆されている。オピオイド拮抗薬が動物によるアルコール消費を低減することを示し,またナルトレキソンがヒトの臨床研究において禁酒の維持に有効であることが示されている。
経口的に良好に吸収(経口投与量のおよそ96%が消化管から吸収される)されるにも関わらず,ナルトレキソンは5%〜40%の範囲の経口生体利用効率見積もりで相当な初回通過代謝を受けやすい。
ナルトレキソンの活性は,ナルトレキソン及びその6−β−ナルトレキソール代謝物の両者の結果のためであると確信されている。二つの他の重要でない代謝物は2−ヒドロキシ−3−メトキシ−6−β−ナルトレキソール及び2−ヒドロキシ−3−メチル−ナルトレキソンである。ナルトレキソン及び6−β−ナルトレキソール両者のピーク血漿レベルが経口投与後一時間以内に生じ,ナルトレキソン及び6−β−ナルトレキソールの平均消失半減期の値はそれぞれ4時間と13時間である。
臨床における使用の見地から,アルコール中毒症の補助療法としてのナルトレキソン錠剤を,通常毎日50mgの投与計画で12週間まで使用される。投与計画に対する柔軟なアプローチが,患者のコンプライアンスを高めるように使用される傾向にある。それゆえ,患者は,ナルトレキソンを経口的に平日50mg,土曜日100mgを受け取るか,又は一日おきに100mgもしくは三日ごとに150mgを受け取ることができる。全身性の一日投与量は,経口投与量及びナルトレキソンの生体利用効率を考慮して,2.5〜20mg間で変えうる。
あらゆる薬の経口投与は明白な利点を有するが,アルコール中毒症の治療及びアヘン中毒の治療におけるナルトレキソンの使用に関して,患者のノンコンプライアンスが特に問題である。例えば,ナルトレキソンは重大な肝臓毒素であり,かなりの数のアルコール中毒患者における経口投与を妨げる。その長い半減期はまた,治療を受けるアルコール中毒患者が飲酒を許可され得る日中の期間後体内に相当量で存在する効果を有する。臨床医は一般に,セッション前の拮抗薬の体内での低い蓄積と,そのセッション後の継続的存在とを可能な限り回避すべきことを好む。従って,ナルトレキソンが長年米国の食品医薬品局からの承認を受けた最初の抗アルコール中毒症新薬であったが,不都合な胃腸影響と結びついた患者のノンコンプライアンスと,一様に遵守する患者間での代謝作用の変動とが,ナルトレキソンの臨床上の有用性を制限する。
経口投与の代替として,ナルトレキソンの蓄積注射の使用が研究されているが,かかるナルトレキソンの投与方法は望ましくない。例えば,かかる蓄積注射は高度に浸潤性であり,不整合な初期及び持続する送達速度,不適合な放出速度及び注射部位での反応に関連した追加の薬理学的な問題を有する。それにも関わらず,注射可能なナルトレキソンは,治療開始に先立って外来患者として準備しているアルコールを禁酒できる患者におけるアルコール依存症の治療に対し必要とされる。380mgの推奨投与量が4週間ごとに(月一回)筋肉内に投与される。これは,かかる調剤の平均一日投与量12.5mgと同等である
アヘン依存症の治療において,一日の投与量50mgは,非経口的に投与されたアヘン剤の作用に対する適切な臨床的封鎖をもたらす。中毒症に対する多くの非拮抗薬の治療と同様に,経口ナルトレキソンは,患者のコンプライアンスを確保するための処置を備える総合的な治療計画の一環として供与された場合のみ価値があることが立証される。
ナルトレキソンは,極くわずかで,重要でない副作用を有し,意欲的な患者における治療の選択肢になりうる。しかしながら,数件の報告によれば,アヘン依存症を治療するのに経口ナルトレキソンを用いる臨床上の経験では,芳しくない薬物治療コンプライアンスのデータが充満している。
結論として,ナルトレキソンはアルコール依存症及びアヘン中毒の治療用に一日一回の50mg経口錠剤として,またアルコール依存症の治療用に月一回の注射剤として入手し得る。経口及び注射系送達を用いるナルトレキソンの現用送達方法における上述した欠点の結果,ナルトレキソン送達の代替的な非浸潤性で,制御された放出投薬処方及び方法を開発する必要性がある。
薬物の経皮投与はしばしば有利である。これは,初回通過代謝を排除し,胃腸の副作用及び当該技術分野で既知の筋肉内蓄積注射の浸潤性を低減する。しかしながら,ナルトレキソン自体は,経皮送達の最適な又は明白な候補として提示されない。これは,一つには,所要の比較的高い投薬量(例えば一日あたり2.5mg〜20mg)の結果としてであり,また他の薬に混じって皮膚浸透を達成するのが困難なためである。EP−A−178140(アルザ社)には,ナルトレキソンの低い皮膚浸透性が従来の透過促進剤の同時投与によって浸透を向上させるための試みを不首尾にしたことが報告されている。上記特許文献には,透過促進量のポリエチレングリコールモノラウレートの存在下で送達した際に,ナルトレキソンの基本形を治療効果の発揮可能な流量で無傷の皮膚を介して送達できることが報告されているが,これは実際にはナルトレキソンに関して該文献に例示されていない。
前記EP−A−178140が刊行された1980年代半ば以降,ナルトレキソンの効果的な経皮送達を可能とする処方の探索に関する報告が多数ある。通常,ナルトレキソンの基本形の送達を探求するための代替物として,経皮投与用のナルトレキソンの新油性プロドラッグ(例えば,ナルトレキソン−3−(2’−エチルブチレート),ナルトレキソン−3−バレラート,ナルトレキソンエチルブチリルエステル及びナルトレキソンジメチル カルバメート)の開発に努力が集中されていた。かかるプロドラッグは,皮膚を通過することによりナルトレキソンに加水分解される。ナルトレキソンプロドラッグに関する報告の一例として,S.Valivetiら(J. Control. Release 102,509-520 (2005))を参照する。
驚くべきことに,特にナルトレキソンの経皮送達をもたらす従来の試みの報告を踏まえて,ナルトレキソンと,たまに透過促進剤として既知でかつ呼ばれる特定の浸透促進剤を含む特定の医薬品組成物が,治療上適量なナルトレキソンの経皮送達を可能にすることが見出された。特に,ナルトレキソンをオレイン酸メチル及び/又はミリスチン酸イソプロピルという化合物と組み合わせて含む組成物がこの観点で,特に患者の皮膚への付着に適したパッチに組み込む場合に有用であることを見出した。
従って,第一の態様から見ると,本発明は,ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む組成物を提供する。
第二の態様から見ると,本発明は,接着剤と,ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む組成物とを含む経皮パッチを提供する。
第三の態様から見ると,本発明は,接着剤と,ナルトレキソン及びミリスチン酸イソプロピルを含む組成物を含む経皮パッチを提供する。
第四の態様から見ると,本発明は,薬剤としての使用のための上記第一の態様に係る組成物を提供する。
第五の態様から見ると,本発明は,アルコール中毒の治療での使用のための上記第一又は第三の態様に係る組成物を提供する。
第六の態様から見ると,本発明は,アヘン中毒の治療での使用のための上記第一又は第三の態様に係る組成物を提供する。
第七の態様から見ると,本発明は,本発明の上記第二又は第三の態様に係るパッチを患者の皮膚に貼付してナルトレキソンの経皮送達をもたらすことを備えるアルコール中毒を患う患者の治療方法を提供する。
第八の態様から見ると,本発明は,本発明の上記第二又は第三の態様に係るパッチを患者の皮膚に貼付してナルトレキソンの経皮送達をもたらすことを備えるアヘン中毒を患う患者の治療方法を提供する。
第九の態様から見ると,本発明は,複数の本発明の上記第二又は第三の態様に係るパッチを備えるキットを提供し,ここで該パッチが同一か又は少なくとも一部がナルトレキソンの異なる量を含む他のものと相違する。
流体貯留型(図1(a)),固体貯留型(図1(b))及び一体型(図1(c))の経皮パッチの断面概要図を示す 液体貯留型経皮パッチの断面概要図である。 図3(a)は本発明の一体型経皮パッチの製造方法に含まれる被覆及び積層工程を概略的に示し,図3(b)は図3(a)で得た積層体をダイカットして一体型パッチを産出する工程を概略的に示す。 図4(a)は本発明の貯留型パッチの製造プロセスの概略図を示し,図4(b)は同じプロセスを平面図で概略的に示す。 95%エタノール及び50%エタノール飽和溶液(9EVA=9%EVA膜,MPM=微細孔膜)を有する異なった貯留型パッチからヒト死体の表皮を介したナルトレキソンの生体外流量を示す。 透過促進剤の添加の有無にかかわらず95%エタノール飽和溶液(MPM=微細孔膜)を有する異なった貯留型パッチからヒト死体の表皮を介したナルトレキソンの生体外流量を示す。 それぞれナルトレキソン10%を含有する異なった一体型パッチからヒト死体の表皮を介したナルトレキソンの生体外流量を示す。 ナルトレキソン10%を含有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤(2510/10で表わす)に基づく貯留型パッチ及び一体型パッチからヒト死体の表皮を介したナルトレキソンの生体外流量の比較を示す。 ミリスチン酸イソプロピル5%含有飽和ナルトレキソンエタノール溶液を含有する一つの貯留型パッチ(MPM/95/IPM)と比較したナルトレキソン10%を含有し,異なる皮膚浸透促進剤(2510/10/Xで表わされる。ここでXは促進剤の略称を意味する)を5%有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチからヒト死体の表皮を介したナルトレキソンの生体外流量を示す。 ミリスチン酸イソプロピル5%含有飽和ナルトレキソンエタノール溶液を含有する一つの貯留型パッチ(MPM/95/IPM)と比較したナルトレキソン10%を含有し,異なる皮膚浸透促進剤(2510/10/Xで表わされる。ここでXは促進剤の略称を意味する)を5%有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチからヒト死体の表皮を介したナルトレキソンの生体外流量に対するパッチ及び皮膚温度の影響を示す。 オレイン酸メチル促進剤の有無にかかわらずナルトレキソン10%を含有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチ及び貯留型パッチMPM/95/IPMからヒト死体の表皮を介した32℃でのナルトレキソンの生体外流量を示す。 オレイン酸メチル促進剤の有無にかかわらずナルトレキソン10%を含有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチ及び貯留型パッチMPM/95/IPMからヒト死体の表皮を介した42℃でのナルトレキソンの生体外流量を示す。
本発明は,オレイン酸メチル及び/又はミリスチン酸イソプロピルという化合物を含むナルトレキソン含有組成物が動物,特にヒトへ,典型的には被験体の皮膚に貼付し得る該組成物を含む経皮パッチから効果的に経皮送達できるという驚くべき発見に起因する。
本明細書中の経皮とは,皮膚を介して被験体の血流内へ通して全身作用をもたらすことを意味する。上記用語は経粘膜,すなわち舌下,頬側,腟内及び直腸内送達を包含するように粘膜組織による通過を含むが,典型的には経皮送達が被験体の皮膚を介して行われる。この理由のため,ここでは簡単にするため通常皮膚を参照するが,ここに記載した経皮送達が経粘膜的でもありうることが理解される。
本明細書中のパッチ又は接着パッチとは被験体の皮膚又は粘膜組織への接着に適した材料を意味する。通常,パッチは十分な剛性を有し,使用に際し環境に曝される裏打ち層と,該裏打ち層の下のナルトレキソン含有組成物とを備える。しかしながら,本発明のパッチは,例えば米国特許第6,093,419号に記載されたように,非剛性なものであってもよい。
本発明の第一の態様によれば,ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む組成物を提供する。かかる組成物を多数の異なった方法で提示でき,典型的な提示は経皮送達を許容するものである。ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む経皮パッチの例を以下に記載する。例えば,上記組成物を,患者の皮膚に貼り付けるように設計した接着パッチ内に含めるか,又は擦り込み得るナルトレキソン処方の計算服用量の皮膚への放出用の簡単な破裂(例えば指の間で擦ったり,搾り出すことによって)に敏感なカプセルまたは小袋内に処方することができる。かかる小袋又はカプセルが米国特許第5,096,715号に開示されている。局所的に塗布されるゲルのような他の処方が当業者に既知である。典型的には,ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む本発明の組成物を接着経皮パッチとして提示する。かかるナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含むパッチは,その中に含まれたナルトレキソンの経皮送達用の送達システムを構成する。薬物の経皮送達用の接着パッチは周知であり,H.S. Tan及びW.R. Pfister著「経皮薬剤送達システム用感圧接着剤」,PSTT(エルゼビア・サイエンス社) Vol. 2. No. 2,February 1999に記載されている。
本発明の組成物を含む経皮パッチは,送達すべき量のナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルと,外圧なしでパッチと皮膚間の接触を維持し得る接着剤とを含む。通常,パッチは皮膚と接触する第一面と,該第一面に対向するパッチの第二面上の保護用裏打ち層とを備え,該裏打ち層の一面が使用中に環境に曝され,パッチ中に存在する成分に不浸透性な材料を含む。経皮パッチの第一面に付着する典型的なものは,使用前にパッチを保護し,該パッチを皮膚に貼り付ける前にパッチの第一面に設けた接着剤から剥離できる剥離可能な保護層である。
本発明に係る経皮パッチのほとんどは三つの区分,いわゆる流体貯留型,固体貯留型及び一体型に大別しうる。これらを図1に断面で示す。
図1(a)は,流体貯留型パッチ(1)を示し,その中に含まれるナルトレキソン含有組成物が流体(典型的には液体)又はゲルのような連続的なマトリックスキャリアー(2)内に溶解又は分散される。貯留体を透過性膜(3)によって接着剤層(4)から分離できる。速度制御膜を選択して,貯留体の内容物を放出し,その後皮膚と接触する接着剤層を通じて放出する速度を制御することができる。また,保護裏打ち層(5)及び剥離層(6)を示す。保護裏打ち層を,貯留体の内側に液体を封入/捕獲する周辺部でヒートシールできる。
図1(b)に示した固体貯留型パッチ(7)は,接着剤(4)が使用時に皮膚と接触するパッチの全面にわたって連続せず,パッチの周辺部のみ位置し得る点を除いて図1(a)に示した液体貯留型パッチと類似する。固体貯留体は,ナルトレキソン含有組成物を放出し得るポリマーマトリックス(8)を備えることができる。固体貯留型パッチにおけるポリマーマトリックスの性質は,ナルトレキソンを送達する速度を制御するのに役立つ場合がある。或いはまた,任意の速度制御膜(3)が存在してもよい。図1(b)はまた,保護裏打ち層(5)及び剥離層(6)を示す。
一体型パッチ(9)を図1(c)に示し,ナルトレキソン組成物及び接着剤を緊密な混合物(10)に示す。上記固体貯留型パッチと類似して,ナルトレキソン含有組成物を溶解又は分散する接着剤マトリックスを用いてナルトレキソンを放出する速度を制御することができるが,一枚以上の任意の速度制御膜(3)が一体型構造に対向するような積層体を付与するように存在してもよい。図1(c)は,接着剤/ナルトレキソン含有マトリックスの二つの層(10)間に配置したかかる単一の膜を示す。或いはまた,多積層構造を提供する複数のかかる膜(図示せず)があってもよい。
本発明の特定の実施形態によると,ナルトレキソン含有組成物が液体貯留型,固体貯留型及び一体型のパッチ中に存在する。従って,これら実施態様をより詳細に記載する。
最も典型的には,一体型パッチを図1(c)に断面で示すようなパッチで,速度制御膜(3)を除いたものである。該一体型パッチ構成は,通常保護裏打ち層(5)と,ナルトレキソン含有組成物(10)を含む接着剤マトリックスと,典型的にはパッチの使用直前に除去し得る剥離可能な保護層(6)とを備える。そのため,使用時に一体型パッチは,通常二つの部分,すなわち接着剤及びナルトレキソン含有層と,保護裏打ち層からなる。
当業界で時に剥離ライナーと称する剥離可能な保護層は,あらゆる都合のよい材料から作成することができる。適切な材料は当該技術分野で既知であり,3M社製のScotchpak9742,ダウ・コーニング社のBio−Release(登録商標)及びSyl−off(登録商標)7610ライナーのようなシリコーン処理ポリエステル又はポリエチレンが挙げられる。他の適当な剥離ライナーも3M社及びダウ・コーニング社並びに他の製造者から入手可能である。
ナルトレキソン及び接着剤含有層は,接着剤マトリックス,特に感圧接着剤マトリックスに分散又は溶解したナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含む。当業界で既知のように,感圧接着剤は,圧力をこれと表面の間にかけた際に結合を形成する物質であり,形成した結合の強度が接着剤を表面に付与するのに用いた圧力量に由来する。
経皮送達パッチに用いるのに適した感圧接着剤は当業者に周知で,例えばTan及びPfister(下記)によって論評されている。ポリイソブチレン,シリコーン及びポリアクリレートコポリマーという三種類の接着剤を普通経皮パッチに用いるが,天然もしくは合成ゴム系又はカラヤガム系接着剤も使用できる。これら四種類の接着剤はそれぞれ市販品が入手可能であり,例えばRoderm(登録商標)(ローム・アンド・ハース社),DURO−TAK(登録商標)(ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社)及びBIO−PSA(登録商標)(ダウ・コーニング社)の商品名がある。
典型的なシリコーン感圧接着剤は,ポリマー又はゴムと粘着性付与樹脂の二つの主要な成分に基づく。シリコーン接着剤は,通常はゴム,典型的には高分子量ポリジオルガノシロキサンを樹脂で架橋して,適切な有機溶剤中での縮合反応によって三次元シリケート構造を生成することによって調製される。樹脂とポリマーの比率が最も重要な因子であり,ポリシロキサン接着剤の物理的特性を修正するために調整できる(Sobieskiら著「シリコーン感圧接着剤,感圧接着剤技術ハンドブック,第二版」,pp. 508-517 (D. Satas編),Van Nostrand Reinhold,New York (1989)参照)。適当なシリコーン感圧接着剤は市販品から入手可能であり,例えばBIO−PSA(登録商標)7−4302のようにダウ・コーニング社によりBIO−PSA(登録商標)の商標で販売されているシリコーン接着剤が挙げられる。
本発明の特定の実施形態において,感圧接着剤マトリックスはポリアクリレートコポリマーを含む。かかる接着剤は,その固有の粘着性のためそのまま使用される。これらは,アクリルエステル,アクリル酸及び他の官能性モノマーの共重合によって製造される。
「ポリアクリレートコポリマー」という用語を,当該技術分野におけるのと同様に,本明細書中で,アクリル系ポリマー,アクリレートポリマー,ポリアクリレート,ポリアクリル系接着剤及びポリアクリレートポリマーという用語と互換的に使用する。
本発明の実施に有用なポリアクリレートは,一つ以上のアクリル酸モノマーと他の共重合可能なモノマーとのポリマーである。アクリル系ポリマーはまた,アルキルアクリレート及び/又はメタクリレート及び/又は共重合可能な第二モノマー,すなわち官能基を有するモノマーのコポリマーを含む。各タイプのモノマーの添加量を変えることにより,生成したポリアクリレートの凝集性を当業界で既知のように変えることができる。一般に,ポリアクリレートは,少なくとも50重量%のアクリレート又はアルキルアクリレートモノマーと,0〜20%のアクリレートと共重合可能な官能性モノマーと,0〜40%の他のモノマーとから構成される。
使用可能なアクリレートモノマーとしては,アクリル酸,メタクリル酸,ブチルアクリレート,ブチルメタクリレート,ヘキシルアクリレート,ヘキシルメタクリレート,2−エチルブチルアクリレート,2−エチルブチルアクリレート,2−エチルブチルメタクリレート,イソオクチルアクリレート,イソオクチルメタクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート,デシルアクリレート,デシルメタクリレート,ドデシルアクリレート,ドデシルメタクリレート,トリデシルアクリレート及びトリデシルメタクリレートが挙げられる。
上述のアルキルアクリレート又はメタクリレートと共重合可能な官能性モノマーとしては,アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,無水マレイン酸,ヒドロキシエチルアクリレート,ヒドロキシプロピルアクリレート,アクリルアミド,ジメチルアクリルアミド,アクリロニトリル,ジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,tert−ブチルアミノエチルアクリレート,tert−ブチルアミノエチルメタクリレート,メトキシエチルアクリレート及びメトキシエチルメタクリレート,並びに一つの分子内で共重合反応に関与する少なくとも一つの不飽和二重結合と,側鎖上にカルボキシル基,ヒドロキシル基,スルホキシル基,アミノ基,アミノ基及びアルコキシル基のような官能基並びにアルキレン,ヒドロキシ置換アルキレン,カルボン酸置換アルキレン,ビニルアルカノエート,ビニルピロリドン,ビニルピリジン,ビニルピラジン,ビニルピロール,ビニルイミダゾール,ビニルカプロラクタム,ビニルオキサゾール,ビニルアセテート,ビニルプロピオネート及びビニルモルホリンを含むいろいろな他のモノマー単位とを有する他のモノマーが挙げられる。
本発明の実施に適するアクリル系接着剤の更なる詳細及び例示が,Satas著「アクリル系接着剤,感圧接着剤技術ハンドブック,第二版」pp. 396-456 (D. Satas編),Van Nostrand Reinhold,New York (1989)に記載され,Tan及びPfister著(下記)にも記載されている。
アクリル系接着剤の例としては,例えば,ブチル又は2−エチル−ヘキシルアクリレートという脂肪族モノアクリレートモノマー及び例えば,ヒドロキシエチルアクリレートというヒドロキシル−脂肪族モノアクリレートモノマーと,ビニルアセテートとに基づくアクリレート又はアクリレート/ビニルアセテートコポリマーがある。かかるアクリル系接着剤の例としては,ナショナルスターチ社(ニュージャージー州)の販売するDURO−TAK(登録商標)87−2510がある。
適当なアクリル系接着剤は市販品から入手可能であり,ナショナルスターチ社(ニュージャージー州)の例えばDURO−TAK(登録商標)87−608A,900A及び2510というDURO−TAK(登録商標),ソルーシア社(ミズーリ州)のGELVA(登録商標),スケネクスタディ・インターナショナル社(イリノイ州)のHRJ及びレーム・ファルマ社(ドイツ)のEUDRAGIT(登録商標)の商標名で販売されるポリアクリレート接着剤が挙げられる
通常,感圧接着剤マトリックスはポリアクリレートコポリマーであり,かかるマトリックスの使用によってナルトレキソンのより高い経皮流量が許容される子と明らかである(下記実験結果を参照)。なぜこうなるのか完全には分らないが,理論に拘束されることも望んでいないが,かかるマトリックスが一般にヒルデブランド溶解度パラメータがゴム系又はシリコーン接着剤などの他の接着剤よりも大きい。
当業者に既知のように,ヒルデブランド溶解度パラメータは物質の凝集エネルギーの平方根であり,材料中の凝着度の推定値を与える。ここに引用したヒルデブランド溶解度パラメータは,Allan F.M. Barton著「溶解度パラメータ及び他の凝集パラメータのハンドブック,第二版」,CRC Press,1991,page 157に記載されている方法によって計算される。
驚くべきことに,より大きなヒルデブランド溶解度パラメータの接着剤を用いる場合,より大きなナルトレキソン流量が通常本発明の組成物で達成されることを見出した。従って,本発明の特定の実施態様においては,ヒルデブランド溶解度パラメータが17(J/cm31/2以上,例えば17〜25(J/cm31/2,より好適には19〜25(J/cm31/2,さらにより好適には19〜21(J/cm31/2である接着剤マトリックスを用いる。かかるヒルデブランド溶解度パラメータを有する接着剤マトリックスは,必ずではないが通常ポリアクリレートコポリマーである。マトリックスが類似のヒルデブランド溶解度パラメータ(J/cm31/2を有する場合,例えば,14.9(J/cm31/2であるシリコーン接着剤BIO−PSA(登録商標)7−4302とは違ってポリアクリレートコポリマーDURO−TAK(登録商標)87−2510及びDURO−TAK(登録商標)900−Aがそれぞれ19.7及び19.5(J/cm31/2のヒルデブランド溶解度パラメータを有する場合,ナルトレキソンの流量はより低い溶解度である。従って,本発明の特定の実施態様において,一般に接着剤マトリックスが上述したように17(J/cm31/2より大きいヒルデブランド溶解度パラメータを有する場合,マトリックス(典型的にはポリアクリレートコポリマー)中のナルトレキソンの溶解度がナルトレキソン約2〜約10g/接着剤マトリックス100gの範囲内にあるが,特定の実施態様においては,ナルトレキソンの溶解度が約5g/接着剤100g未満,例えば約3g/接着剤100g未満になるように接着剤マトリックスを選択する。従って,接着剤100gあたりナルトレキソン2〜5,例えば2〜3gの溶解度範囲が,特に接着剤が[ポリアクリレートコポリマー]の場合,より好適にはかかるポリアクリレートコポリマーが上述した17〜25,特に19〜25(J/cm31/2のヒルデブランド溶解度パラメータを有する場合に予期される。一例として,ナルトレキソン3.067gがポリマー100g中に可溶なDURO−TAK(登録商標)87−2510を含む一体型マトリックスは,DURO−TAK(登録商標)87-900A(ナルトレキソンの溶解度=5.851g/ポリマー100g)を用いた対応するパッチよりも,これら二種の接着剤のヒルデブランド溶解度パラメータが非常に近いにも関わらず,累積ナルトレキソン流量がずっと大きい。本データを例5及び図7に示す。
上記接着剤の代替として,経皮パッチを粘膜へ貼付するのが望ましい場合,粘膜接着剤ポリマーを使用するのが適切かもしれないことが分かる。粘膜接着剤は,カルボキシメチルセルロースナトリウム,カルボポール又はポリカルボフィルなどの名称で販売されているポリアクリル酸,ポリビニルピロリドン,ポリエチレンオキシド,ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマー,メチルセルロース,メチルエチルセルロース,ポリアクリルアミド,ポリエチレングリコール,ポリビニルアルコール,ポリヒドロキシプロピルセルロース及びポリヒドロキシメタクリレートの一つ以上から選択できる。
存在する場合,速度制御膜(3)は当業者に既知のもののいずれかとすることができる。速度制御膜を作成し得るのに適する材料としては,限定されないが,ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン/プロピレンコポリマー,エチレン/エチルアクリレートコポリマー,エチレン/ビニルアセテートコポリマー,ポリアクリレート,ポリメタクリレート,シリコーンエラストマー,医薬グレードのポリジメチルシロキサン,ネオプレンゴム,ポリイソブチレン,塩素化ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,塩化ビニル−ビニルアセテートコポリマー,ポリメタクリレートポリマー(ヒドロゲル),ポリ塩化ビニリデン,ポリ(エチレンテレフタレート),ブチルゴム,エピクロロヒドリンゴム,エチレン−ビニルアルコールコポリマー,エチレン−ビニルオキシエタノールコポリマー;シリコーンコポリマー,例えばポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマー,ポリシロキサン−ポリエチレンオキシドコポリマー,ポリシロキサン−ポリメタクリレートコポリマー,ポリシロキサン−アルキレンコポリマー(例えば,ポリシロキサン-エチレンコポリマー),ポリシロキサン−アルキレンシランコポリマー(例えば,ポリ(シロキサン−co−エチレンシラン))など;セルロースポリマー,例えばメチル又はエチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びセルロースエステル;ポリカーボネート,ポリテトラフルオロエチレン,スターチ,ゼラチン,天然及び合成ゴム,任意の他の天然及び合成ポリマー又は繊維,並びにその組み合わせを挙げることができる。一例としては,3M社がCoTran9702として販売する9%EVA速度制御膜,又はソルテック社がSolupor10P05Aとして販売する微細孔膜がある。他の速度制御膜は当業者に既知及び/又は市販品が入手可能である。一般に,速度制御又は透過性の膜は0.1〜1Å,例えば約0.5Åの間隙率を有する。
裏打ち層は,貯留体隔室の内容物,ポリマーマトリックス又は接着剤マトリックスに不浸透性である任意適当な材料とすることができる。裏打ちフィルムに適する材料は当業者に周知で,限定されないが,ポリウレタンのような閉塞性ポリマー,ポリ(エチレンフタレート)のようなポリエステル,ポリエーテルアミド,コポリエステル,ポリイソブチレン,ポリエステル,高密度及び低密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,金属箔及び適当なポリマーフィルム用の金属箔積層体が挙げられる。かかる裏打ちフィルムは市販品,例えば,3M社がScotchpak(登録商標)の商品名,例えばScotchpak(登録商標)9733として販売する2ミル厚のLDPE/PET積層体がある。
ナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピル含有処方を送達し得る貯留型パッチをここに記述する。
かかるパッチの放出性(6)及び非放出性(5)の保護層は,一体型パッチの対応する層に関して前記したものと同じ材料であってもよい。一体型と液体貯留型パッチの主な相違点は,後者の全実施態様における速度制御膜の存在(逆に,前者は特定の実施態様でのみ)と,もちろん,ナルトレキソン含有組成物を含む固体又は液体貯留体の存在である。かかるパッチに用いる接着剤を,一体型パッチに関連して記載した接着剤に関して述べたのと同じ接着剤,特にポリアクリレート,シリコーン及び上述の接着剤から選択することができるが,該接着剤は,通常シリコーン又はゴム,例えばポリイソブチレン又はスチレンゴム接着剤,より普通にはシリコーン又はポリイソブチレンゴム接着剤,最も典型的にはシリコーン接着剤である。速度制御膜は,一体型パッチに関連して述べたもののいずれであってもよい。一般に,マトリックスは流体(通常は液体)マトリックスであるが,上述したタイプのポリマー性マトリックスも使用することができることが理解できる。
ナルトレキソン含有貯留体が固体貯留体の場合,これを薬理学的又は生物学的に許容し得るポリマーマトリックスから作ることができる。一般に,ポリマーマトリックスを形成するのに用いるポリマーは,ナルトレキソンが制御された速度で通過し得る薄壁又は被覆を形成することができるものである。ポリマーマトリックスとして用いるのに適した材料の限定されないリストとしては,ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン/プロピレンコポリマー,エチレン/エチルアクリレートコポリマー,エチレンビニルアセテートコポリマー,シリコーン,ゴム,ゴム様合成ホモポリマー,コポリマー又はブロックポリマー,ポリアクリルエステル及びそのコポリマー,ポリウレタン,ポリイソブチレン,塩素化ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,塩化ビニル−ビニルアセテートコポリマー,ポリメタクリレートポリマー(ヒドロゲル),ポリ塩化ビニリデン,ポリ(エチレンテレフタレート),エチレン−ビニルアルコールコポリマー,エチレン−ビニルオキシエタノールコポリマー,ポリシロキサン−ポリメタクリレートコポリマーのようなシリコーンコポリマーを含むシリコーン,セルロースポリマー(例えば,エチルセルロース及びセルロースエステル),ポリカーボネート,ポリテトラフルオロエチレン及びその混合物が挙げられる。
ナルトレキソン含有貯留体が液体貯留体の場合,これは一般に純粋又は水性アルコール,グリコール又はポリオール,もしくはその混合物を含む。液体貯留体は,通常水性エタノール又は水性イソプロパノール,最も典型的にはナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを溶解し得る水性エタノールからなる。例えば,約5%〜95%v/vのエタノール及び約95%〜5%v/vの水,例えば,約40%〜60%v/vのエタノール及び約60%〜40%v/vの水を含む水溶液を使用できる。典型的には,かかる水溶液は約80〜95%v/vのエタノールを含む。一般に,貯留体(液体及び固体の両方)は,ナルトレキソンを飽和濃度(通常,ナルトレキソン5%〜15%を使用することにより達成し得る)で含み,パッチからの投薬速度が溶液中のナルトレキソン濃度ではなく,速度制御膜の細孔率により大きく又は完全に決定される。或いはまた,ナルトレキソンの未飽和濃度を,ナルトレキソン濃度により制御される速度ならびに速度制御膜の細孔率と共に用いることができる。
従って,使用可能なナルトレキソンの量は,約1%〜約15%又はそれより大きく,例えば,約20%以下又はさらに大きく,例えば,約30%又は40%という広い範囲とすることができる。これらの量は,ナルトレキソンを溶解又は分散する固体又は液体マトリックスの重量に対する重量百分率である。10%w/wを超える濃度では,固体又は液体マトリックス内のナルトレキソンがその飽和点を通過する傾向にあり,マトリックスが結晶化した,未溶解又は沈殿したナルトレキソンを含むことができる。これは,マトリックスを飽和し,最大の経皮流量が得られることを示す。
一体型パッチにおいて,上記固体及び液体貯留体に関して述べたのと同様の割合のナルトレキソンを該パッチに使用でき,この場合,存在するナルトレキソンの百分率がマトリックス内の接着剤の重量に対する重量百分率である。一体型マトリックスは,一例として固体40%及び溶剤60%(例えば水性エタノール)並びに溶解又は分散したナルトレキソンを含む液体接着剤溶液又は分散液を調製することで構成できる。一体型パッチは,かかる調製物をオーブンで乾燥することによって製造できる。生成したマトリックスがナルトレキソン10g及び接着剤90gを含む場合,オレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピル及び通常所望量の溶剤を更に含みうるのだが,かかるナルトレキソン濃度をここでは10wt%と表記する。
溶液貯留体の使用の代替として,半固体又はヒドロゲル貯留体もここに記載のパッチに使用できることを当業者は理解する。
当業者に既知のように,ヒドロゲルは,水を吸収して膨潤するが水に溶解しない高分子網状組織である。すなわち,ヒドロゲルは水吸収を付与する親水性官能基を含むが,ヒドロゲルは水不溶性を生起する架橋ポリマーからなる。一般に,ヒドロゲルはポリウレタン,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ポリオキシエチレン,ポリビニルピロリドン,ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(ポリ(HEMA))又はそのコポリマーもしくは混合物のような架橋した親水性ポリマーからなる。或いはまた,液体貯留体はメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシルエチルセルロース,カルボキシビニルポリマーのようなゲル化剤を含むことができる。かかるゲルは,パッチ製造中に有利でありうるチクソトロピック性とすることができる。
ミリスチン酸イソプロピル又はオレイン酸メチルの量は,本明細書に記載のすべてのナルトレキソン処方からのナルトレキソン経皮流量に影響する。従って,ミリスチン酸イソプロピル又はオレイン酸メチルの量を変えて所望のナルトレキソン経皮流量速度を得ることができることが理解できる。ミリスチン酸イソプロピル又はオレイン酸メチルの典型的な量は,1〜20%,より普通には2〜10%である。これらの量は,液体貯留体実施態様に用いる溶液の体積に対してw/vで,また固体貯留体及び接着剤マトリックス実施態様においてはそれぞれ固体貯留体又は接着剤マトリックスの重量に対してw/wである。
本発明の特定の実施態様において,ナルトレキソンがオレイン酸メチルを含む組成物中に存在する場合,これは接着剤との緊密な混合物である。したがって,上記組成物を含む経皮送達用パッチの種類は一体型パッチである。本発明のこれら及び他の一体型パッチにおいて,接着剤及びナルトレキソン含有組成物を含む一体型マトリックス中に存在する接着剤はアクリレート接着剤である。
ナルトレキソンが経皮パッチ内に含まれるミリスチン酸イソプロピル含有組成物から送達される本発明のこれら実施態様に関して,これは液体貯留体パッチからなるのが好ましい。液体貯留体含有パッチがナルトレキソン及びミリスチン酸イソプロピルを含むものを備える本発明の特定の実施態様において,パッチは約0.1〜1Åの範囲内の細孔径を有する速度制御膜を備える。通常,本発明の液体貯留体含有経皮パッチはシリコーン接着剤を使用するが,本明細書に記載の他の接着剤も使用できる。
パッチのサイズは,約1cm2〜200cm2超で変わり得るが,通常パッチサイズは約5〜50cm2の皮膚面積に及ぶ。経膚パッチの製造方法は当業者に周知である。例えば,接着剤と,ナルトレキソン含有組成物の溶液又は他の混合物との流体混合物を裏打ち層上に注型し,続いて一体型パッチを提供するように剥離ライナーを積層することにより接着剤マトリックスシステムを調製することができる。或いはまた,一体型混合物を剥離ライナー上に注型し,続いて裏打ちによる積層を行うことができる。パッチが貯留体型である場合,パッチをナルトレキソン含有組成物なしで調製し,次いで上記組成物をパッチに添加することができ,この場合例えば,ナルトレキソンを含む水性エタノール溶液をポリマーマトリックス内へ浸漬して,かかる溶液をパッチに含まれる空隙に添加し,その後パッチを封止できる。典型的な製造方法を下記実験セクションに記載した。
本発明の特定の実施態様において,パッチの裏打ち層としても機能し得る接着剤上部層を用いて,パッチを皮膚により確実に固定することができる。かかる上部層は,薬剤含有貯留体又はマトリックスを超えて延在して上部層上の接着剤がパッチからナルトレキソンが送達される皮膚の領域を囲む皮膚の領域に直接接触するような寸法であってもよい。かかる上部層の存在は,パッチ中にある接着剤が加水分解によりその付着性を幾分喪失し得る期間で患者パッチが擦り切れる場合に有用である。従って,かかる接着剤層を組み込むことで,パッチをより長期間所定位置に保持できる。或いはまた,パッチの接着剤層が所望の期間付着性を付与しない場合,例えば,剤形を患者の皮膚に接着テープ,例えば外科用テープで貼り付けることにより剤形と皮膚との接触を維持することが可能である。
本発明の特定の実施態様において,経皮パッチを高温度で「作動」又は使用することが適切である。特に,液体貯留体含有経膚パッチでは,ナルトレキソン及びミリスチン酸イソプロピルを含有するものが,パッチの温度を32℃から42℃に上げた場合に,ナルトレキソンの送達を二倍になるよう作用することを見出した。経皮パッチに高温度を付与する能力は当業者に既知である。一例としては,薄いパッチ状装置を薬剤含有経皮パッチを覆って設置し,その上に経皮パッチを一定の高温度で保持できる熱発生システムを有する第二パッチを置く。適切な上部加熱パッチは,国際特許公開WO01/64150(ザース社)に記載されており,同社から入手可能である。
本明細書に記載したパッチ内に含まれるナルトレキソンを投与するために,剥離ライナーを除去して,例えば,ここに記載の液体又は固体マトリックスパッチ内又は一体型パッチに関して記載したようなナルトレキソン含有組成物を有する混合物内で見られるような接着剤の個々の層又は一部である接着剤層を露出する。一旦上記ライナーを除去すると,接着剤含有層が被験体の皮膚に押し付けられて,ナルトレキソンを被験体の皮膚を通じて浸透できるようにする。上述したように,液体貯留体含有パッチでは,ナルトレキソンの送達速度を一般にナルトレキソンが速度制御膜を通過する速度によって制御し,一体型及び固体貯留型パッチでは,送達速度を一般に固体(例えばポリマー)マトリックス又はナルトレキソン含有接着剤組成物からのナルトレキソン拡散速度によって決まる。
本発明のナルトレキソン含有組成物,特にここに記載した経皮パッチの形態のものを必要とする患者に,特にアルコール中毒又はアヘン中毒の治療に関する医療行為のプログラムの一部として投与できる。アルコール中毒又はアヘン中毒は,開業医によって確認できる疾病であり,ここで用いるアルコール中毒又はアヘン中毒への言及は,医療行為が開業医により適切だと判断される程度に被験体がアルコール又はアヘン剤に依存している疾患を意味することが理解できる。
本発明の経皮送達可能な組成物の供与により実施可能な投薬計画を適切な開業医によって決めることができ,剤形,特にここに記載の経皮パッチが,各種量又は濃度のナルトレキソンを含むことができることが理解できる。本発明のパッチ又は他の経皮的に送達可能な組成物を,患者の皮膚のあらゆる都合のよい領域に投与できる。例えば,ここに記載のパッチを,患者身体の腕,脚,背面,前面又は他の位置に貼ることができる。
本発明はまた,本発明の方法又は使用を実施するためのパッチをキットの形で簡便に提供する態様を提供する。最も簡単な実施態様において,本発明のキットは複数のパッチを設定投与量で提供し,この場合投与量を患者の必要に応じて設定する。パッチは同じ又は異なる量又は濃度のナルトレキソンを含むことができ,それに応じた標識を付しても付さなくてもよい。また,パッチの貼り付け方,ユニットの保存,治療計画の詳細に関する印刷した説明書をキット中に含めることができる。また,本発明のパッチを使用するために,上記キットを前述したような上部の加熱パッチと共に提供できる。或いはまた,キットのパッチの一つ以上,例えば全てが,かかる加熱パッチを備えることができる。
本発明のキットは,梱包及びその使用のための印刷した説明書を,例えば,梱包上に又は梱包に挿入して備えることが好ましい。キット内のナルトレキソン含有パッチを,患者用に符号付け(すなわち,色,日付による数値又は服用量による数値など)してもしなくてもよい。例えば,印刷した説明書は,下痢又は他の消化管の病気もしくは疾病を治療又は予防するための投薬計画の使用を記載できる。キットは,廃棄容器,すなわち,使用済みパッチの材料を保管するための容器又は廃棄するためのデバイスのいずれかを備えることができる。当業界で既知のあらゆる容器又は装置を用いて,パッチ内の薬品の潜在的な誤用を防止又は制限することができる。
当業者に既知のように,送達プロファイルは異なるタイプの経皮送達パッチ間で変わる。下記に示す例で例示するように,一体型パッチは初期送達前におよそ8〜10時間の初期遅延時間を示す傾向がある。しかし,その後,ナルトレキソン流量を定常状態て数日間維持する。従って,数日間にわたるナルトレキソンの送達に適するパッチを患者に提供するのが望ましい場合,例えば一体型パッチが適切であろう。他方,液体貯留体含有パッチは最初の24時間期に最大量のナルトレキソンを送達する傾向があるため,開業医が日ごとに使用するためのパッチを提供したい場合には,液体貯留体含有パッチ,特にミリスチン酸イソプロピルを含むパッチが適切であろう。
本発明を,ここに下記の限定されない例を参照することで更に説明する。
1.パッチの設計
二種類のパッチの設計を生体外での経皮送達について試験した。
一体型パッチ
後述する一体型経皮パッチは,溶解/分散したナルトレキソンを飽和濃度近くで含有する感圧接着剤マトリックスを備える。各パッチの上記マトリックスの一面(接着剤)上には,使用前に除去を助けるためのスリットを有するシリコン処理ポリエステル剥離ライナーを備える。
一体型経皮パッチの典型的な製造方法は下記の通りである。
(I)ナルトレキソンの溶液内での予備混合
任意に粉末化したナルトレキソンを,通常混合しながら,水性エタノール又は水性イソプロピルアルコールのようなアルコール溶液に添加する。ナルトレキソンは,均質な混合液が生成するような濃度で存在する。オレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルをこの第一の混合工程か,又はナルトレキソン含有溶液を接着剤の溶液と混合しながら接触させて,混合物が均質になるまで混合を継続する次の混合工程で添加することができる。
(II)被覆及び積層処理
被覆及び積層処理を図3(a)に示す。ここでは,巻回した3ミル厚のシリコン処理ポリエステルライナー(50)を巻き戻し,ナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含む液体接着剤の混合物(51)を巻き戻した剥離ライナーにナイフ部品を(52)として示す被覆装置によって添加した。ナイフ部品(52)の作用により,所望の一体型マトリックスの薄層(53)が得られる。次に,これを乾燥オーブン(54)に通す。乾燥オーブン内の温度を約150°Fに設定する。被覆処理を開始するために,オーブンを始動する。オーブンの空気衝突速度及び排気は確立値に基づいて設定する。溶解又は分散されたナルトレキソンを含有する接着剤ブレンドを被覆ヘッド(図示せず)中に注入する。被覆装置のウェブを始動する。接着剤ブレンドの液層(51)を,液体接着剤層の一定厚さを可能にする被覆ナイフ(52)によって,シリコン処理ポリエステル上に沈着する。オーブンを通過時に,溶剤を完全に蒸発しながら,ポリエステル剥離ライナー上の液体接着剤層を乾燥し,固体の粘着層を形成する。これは,乾燥した粘着性の一体型マトリックス(55)で被覆したライナーをもたらし,積層ニップ(59)を通過させながら巻回3ミル厚のポリオレフィン裏打ちフィルム(58)を被覆ライナー上に巻き戻し,積層する積層ステーション(56)に通す。生成した積層体(60)は「パッチ積層体」として既知である。この被覆処理の時点で,積層体のサンプルをウェブから切り出し,秤量して,製品が中間パッチ積層体(60)の仕様に定められた最適被覆重量であるかを求める。また,パッチ積層体(60)試料を薬剤含有量について分析し,残留溶剤を検出できる(61)。
図3(b)は,ダイカット機の巻き戻しシャフト(62)からのパッチ積層体の巻き戻しを示し,その後パッチ積層体(60)が一つ又は複数のダイ(63)を通過し,ここでパッチ積層体(60)を切断して一体型経皮パッチ(9)を形成する。これらパッチを小袋(図示せず)中に置くことができる。ウェブ状の廃棄積層体(64)の巻回を巻回ステーション(65)で示す
貯留型パッチ
後述する液体貯留型経皮パッチは図2に示すような部品を備える。ここで,6は剥離ライナー(Scotchpak 9742(3M社)),4は皮膚接触用接着剤(BIO−PSA(登録商標)7−4302(ダウ・コーニング社)),3は薬品透過性膜(9%EVA,速度制御膜(3M社のCoTran 9702)又は微細孔膜(ソルテック社のSolupor 10P05A)のいずれか),5は閉塞性裏打ち積層体(3M社製2ミル厚LDPE/PET Scotchpak 9733)であり,2はナルトレキソンのエタノール飽和溶液である。
通常,貯留型経皮パッチの構成に用いる材料は以下である。
1.制御膜積層体,これは3ミル厚PET剥離ライナー,2ミル厚感圧接着剤及び2ミル厚ヒートシール可能膜フィルム(典型的には,9%EVA又は微細孔LDPE)の積層体である。
2.裏打ちフィルム,典型的には1ミル厚LDPE及び2ミル厚PETからなるヒートシール可能なポリエステルフィルム,
3.ゲル化ナルトレキソン含有溶液。典型的には,ナルトレキソン含有溶液がゲル化剤の存在によってチクソトロピック性にした水性アルコール中に存在する。典型的なゲル化剤は,ヒドロキシエチルセルロース,ポリアクリル酸及びカルボキシメチルセルロース・ナトリウムである。他のものも当業者に既知である。
典型的な製造処理を図4に概略的に示す。図4(a)は工程の概略立面図を示し,図4(b)は工程の概略平面図を示す。
従って,図4(a)及び4(b)は制御膜積層体(20)の巻き戻しを示す。巻き戻した制御膜積層体(20)(23)のEVA膜側(21)及びPET側(22)をポンプステーション(24)に向かって進行する積層体として示す。該ポンプステーションは,典型的にはチクソトロピック性ナルトレキソン含有溶液(25)を一定分量(26)で制御膜積層体(23)のEVA膜側(21)に送達する。裏打ちフィルムのリール(27)を,所定パッチサイズの金型セットを備えたヒートシールステーション(28)内でヒートシールする前に巻き戻す。次いで,薬剤溶液(30)を取り込んだヒートシール包装体(29)を第一ダイカットステーション(31)へ進め,ここで包装体(29)をEVA膜側(21)にキス・カットする。廃棄EVA膜を収集し(32),キス・カットした包装体(33)を第二ダイカットステーション(34)へ進め,ここで大き過ぎる剥離ライナーの切断を行って任意に大き過ぎる剥離ライナー(35)を備える所望の経皮パッチ(1)を得る。剥離ライナー廃棄物(36)を収集する(37)。
2. 生体外経皮流量試験の記載:
生体外での経皮流量試験を,フランツ型拡散セル法を用いて行った(B.W. Kemppainen及びW.G. Reifenrath,「皮膚吸収の方法」,1990,CRS Press,page 37参照)。
薄くミクロトーム加工したヒト死体の皮膚を組織バンクから入手した。この皮膚をフランツ型拡散セル面に適合する小円にダイカットした。パッチを皮膚円の上に角質層と接触させて置き,堅くプレスし,その後フランツ型セルを組み立てた。pH=7.4の生理食塩水リン酸緩衝液を,小型磁石式撹拌機を備えるセルの受液室内に静置した。組み立てたフランツ型セルを32℃に設定したインキュベーター中の磁石式撹拌機の最上部に設置した。受液した溶液の一定分量をセルの受液室から8,24,48,72,96及び120時間後に抜き取り,ナルトレキソンの含有量をHPLC法により分析した。
3. 初期貯留型パッチ処方及び生体外での流量結果:
9EVA/95: 9%EVA膜で構成し,ナルトレキソンの95%エタノール飽和溶液を充満した貯留型パッチ
9EVA/50: 9%EVA膜で構成し,ナルトレキソンの50%エタノール飽和溶液を充満した貯留型パッチ
MPM/95: 微細孔膜Solupor 10P05Aで構成し,ナルトレキソンの95%エタノール飽和溶液を充満した貯留型パッチ
MPM/50: 微細孔膜Solupor 10P05Aで構成し,ナルトレキソンの50%エタノール飽和溶液を充満した貯留型パッチ
上述した貯留型パッチを組立て,セクション2に記載した通りに試験した。得られた流量を図5にプロットし,下記を示す。
1.ナルトレキソンの経皮流量は,微細孔膜で構成され,95%エタノール中のナルトレキソン飽和溶液を充満した貯留型パッチが最高であった。最初の24時間に171μg/cm2であることを見出した。
2.パッチ40cm2から予測される経皮流量は,ナルトレキソン6.8mgを24時間で送達する。
4.数種類の皮膚透過促進剤を含有する貯留型パッチ処方及び生体外での流量結果:
これらのパッチにおいて,微細孔膜で構成し,ナルトレキソンの95%エタノール飽和溶液を充満した貯留型パッチ処方を濃度5%で下記の浸透促進剤
a.メチルピロリドン (MP)
b.ミリスチン酸イソプロピル (IPM)
c.オレイン酸メチル (MeOleate)
d.ドデカン酸メチル (MeDodecanoate)
を組み込むことによって変性し,得られた経皮流量を図6にプロットした。これは,ミリスチン酸イソプロピル5%を含有する貯留型パッチ処方からのナルトレキソン経皮流量が促進剤を含まない処方(MPM/0)に対して約1.5の促進効果があることを示す。相対的経皮流量速度を下表に示す。
Figure 2011513287
貯留型パッチ処方からのナルトレキソン経皮流量の結果は,最初の24時間内に発生した最高流量により立証された「バースト」効果を示し,約30%流量が低下したが,それにもかかわらず次の4日間にわたって安定状態であった。
5. 初期の一体型パッチ処方及び生体外での流量結果:
典型的な一体型パッチ処方:
固体あたり 液体あたり
接着剤 90部 90部/固体百分率
ナルトレキソン 10部 10部
エタノール 20部 20部
である。
使用した接着剤(カッコ内はヒルデブランド溶解度パラメータ(J/cm31/2):
a. DURO−TAK(登録商標)87−608A (16.6) (PIBゴム) ナショナル・スターチ社
b. DURO−TAK(登録商標)900A (19.5) (アクリル系) ナショナル・スターチ社
c. DURO−TAK(登録商標)87−2510 (19.7) (アクリル系) ナショナル・スターチ社
d. BIO−PSA(登録商標)7−4302 (14.9) (シリコーン) ダウ・コーニング社
e. Roderm(登録商標)MD−153 (17.6) (スチレン) ローム・アンド・ハース社
得られた経皮流量を図7にプロットし,これは二つの処方,すなわち,DURO−TAK(登録商標)87−900A(9.2mg/24時間/40cm2)及びDURO−TAK(登録商標)87−2510(12.4mg/24時間/40cm2)が初日後の5日間にわたって最高のナルトレキソン経皮流量であることを示す。試験した全ての一体型パッチは約10時間の遅延時間を示す。しかしながら,最初の24時間後,ナルトレキソン流量は次の4日間にわたって安定状態であった。
6. IPM促進剤を含む貯留型パッチ処方及びDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチからの生体外でのナルトレキソン経皮流量の比較
生体外での流量実験を,同じ死体の皮膚を用いて,IPMを促進剤として含む貯留型パッチ処方並びにDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチの両方について行った。累積流量の結果を図8にグラフで示す。異なる40cm2パッチからの24時間当たりの生体外でのナルトレキソン流量を速度論のグラフの傾きから計算し,結果は下記であった。
Figure 2011513287
従って,IPM促進剤5%を含むナルトレキソンのエタノール飽和溶液を充満した貯留型パッチからのナルトレキソンの生体外での流量は,DURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチからのナルトレキソン流量よりも約50%大きい。
7. 異なる促進剤を濃度5%で含むDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤に基づく一体型パッチからの生体外でのナルトレキソン経皮流量
Figure 2011513287
データを図9にプロットする。ここで,MPM/95/IPMはミリスチン酸イソプロピル5%を含有するナルトレキソン飽和エタノール溶液を充満した微細孔膜を備える貯留型パッチである。
0 = 促進剤なし
IPM = ミリスチン酸イソプロピル
MO = オレイン酸メチル
MDD = メチルドデカネート
MP = メチルピロリドン
結論:
促進剤のDURO−TAK(登録商標)87−2510への添加は,オレイン酸メチルを含む処方以外経皮流量を向上しなかった。速度論のグラフの傾きから計算したナルトレキソンの異なる40cm2パッチから24時間あたりの生体外流量は9.4mgである。
全ての一体型パッチは依然として8〜10時間の遅延時間を示す。
パッチの皮膚への貼付後の最初の24時間中では,ナルトレキソンのエタノール飽和溶液及びIPM5%を含有する貯留型パッチ処方でのナルトレキソン流量が最も高い。
それゆえに,一日用パッチを要望する場合には,貯留型パッチ処方を取るべきである。
しかしながら,7日用パッチを要望し,最初の24時間内のパッチ効能の欠損が大きな問題とならない場合には,オレイン酸メチルを含む一体型パッチからのナルトレキソン経皮流量は貯留型パッチからのものに匹敵する。
8. 一体型パッチ及び微細孔膜を有する貯留型パッチからのナルトレキソン経皮流量に及ぼす温度の影響
Figure 2011513287
上記データを図10にプロットした。
図11は,32℃におけるオレイン酸メチル促進剤の有無にかかわらずナルトレキソン10%(飽和レベル)を含有するDURO−TAK(登録商標)87−2510の一体型パッチ及び貯留型パッチMPM/95/IPMからのヒト死体表皮を介した生体外でのナルトレキソンの流量を示す。
図12は,42℃におけるオレイン酸メチル促進剤の有無にかかわらずナルトレキソン10%(飽和レベル)を含有するDURO−TAK(登録商標)87−2510の一体型パッチ及び貯留型パッチMPM/95/IPMからのヒト死体表皮を介した生体外でのナルトレキソンの流量を示す。
(まとめ)
Figure 2011513287
Figure 2011513287
結論:
1.経皮パッチ及び皮膚の10℃だけの温度上昇(32℃から42℃へ)は,促進剤なしの一体型パッチからの生体外でのナルトレキソンの経皮流量を増加する。ナルトレキソン流量は,促進剤なしのナルトレキソン10%(飽和)を含有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤マトリックスの一体型パッチからのもののほぼ二倍であった。
2.促進剤としてオレイン酸メチル5%を有するDURO−TAK(登録商標)87−2510接着剤マトリックスの一体型パッチからのナルトレキソン流量は,温度上昇の影響を受けない。
3.温度を32℃から42℃へ上げる場合,ナルトレキソンのエタノール飽和溶液及びIPM5%を充満した貯留型パッチからのナルトレキソン流量は倍増する。

Claims (33)

  1. ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む組成物。
  2. 接着剤と,ナルトレキソン及びオレイン酸メチルを含む組成物とを備える経皮パッチ。
  3. 前記組成物が約1〜約20%のオレイン酸メチルを含む請求項2に記載の経皮パッチ。
  4. 接着剤と,ナルトレキソン及びミリスチン酸イソプロピルを含む組成物とを備える経皮パッチ。
  5. 前記組成物が約1〜約20%のミリスチン酸イソプロピルを含む請求項4に記載の経皮パッチ。
  6. 前記組成物が約1〜約15%のナルトレキソンを含む請求項2〜5のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  7. 前記組成物をキャリアーに溶解又は分散し,前記接着剤を前記組成物とは別の層内に備える請求項2〜6のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  8. 前記組成物が前記接着剤との緊密混合物である請求項2〜6のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  9. 前記キャリアーがポリマーマトリックスである請求項7に記載の経皮パッチ。
  10. ナルトレキソン透過性膜層を更に備える請求項2〜9のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  11. 一つの透過性膜層が前記組成物を含むキャリアーと前記接着剤層との間にある請求項7に記載の経皮パッチ。
  12. 前記キャリアーが液体である請求項11に記載の経皮パッチ。
  13. 前記キャリアーが水性アルコールを含む請求項12に記載の経皮パッチ。
  14. 前記キャリアーが水性エタノールを含む請求項13に記載の経皮パッチ。
  15. 前記ナルトレキソン透過性膜層が約0.1〜1Åの細孔を有する請求項10〜14のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  16. 前記接着剤がゴム,シリコーン又はポリアクリレートコポリマーである請求項2〜15のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  17. 前記接着剤がポリアクリレートコポリマー接着剤である請求項16に記載の経皮パッチ。
  18. 前記接着剤が約17(J/cm31/2よりも大きいヒルデブランド溶解度パラメータを有する請求項16又は17に記載の経皮パッチ。
  19. 前記接着剤が約17〜約25(J/cm31/2のヒルデブランド溶解度パラメータを有する請求項16〜18のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  20. 前記接着剤が約17〜約21(J/cm31/2のヒルデブランド溶解度パラメータを有する請求項16〜19のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  21. 前記接着剤中のナルトレキソンの溶解度が接着剤100g当たりナルトレキソン約2〜約10gである請求項16〜20のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  22. 前記接着剤層がシリコーン又はゴム接着剤である請求項2〜16のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  23. 前記接着剤層がシリコーン接着剤である請求項22に記載の経皮パッチ。
  24. 前記組成物の温度を上昇させるための熱発生システムを更に備える請求項2〜23のいずれか一項に記載の経皮パッチ。
  25. 薬剤としての使用のための請求項1で定義した組成物。
  26. 請求項2〜24のいずれか一項で定義した経皮パッチを患者の皮膚に貼り付けてナルトレキソンの経皮送達を行う工程を備えるアルコール中毒を患うヒト患者の治療方法。
  27. 請求項2〜24のいずれか一項で定義した経皮パッチを患者の皮膚に貼り付けてナルトレキソンの経皮送達を行う工程を備えるアヘン中毒を患うヒト患者の治療方法。
  28. アルコール中毒の治療での使用のためのナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含む組成物。
  29. 前記アルコール中毒の治療が,請求項27で定義した方法による請求項28に記載の組成物。
  30. アヘン中毒の治療での使用のためのナルトレキソン及びオレイン酸メチル又はミリスチン酸イソプロピルを含む組成物。
  31. 前記アヘン中毒の治療が,請求項29で定義した方法による請求項30に記載の組成物。
  32. 請求項2〜24のいずれか一項で定義した複数の経皮パッチを備え,これら経皮パッチが同一もしくは少なくとも一部が他と異なる量又は濃度のナルトレキソンを含むキット。
  33. 前記複数の経皮パッチが請求項2〜23のいずれか一項で定義され,経皮パッチ中の組成物の温度を上げるための熱発生システムを更に備える請求項32に記載のキット。
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