JP2011508781A - テトラヒドロビオプテリンの合成方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、高収率及び高純度な(6R)-テトラヒドロビオプテリンを効率的に生成する方法を提供する。該方法は、有機相及び水相を含む二相性混合物において、塩基性条件下でジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解する工程を含む。ジアセチルビオプテリンの加水分解の実質的な完了後に、ビオプテリンを含有する水相を、有機不純物の大部分を含有する有機相と分離でき、該分離は、固体としてビオプテリンを単離する時間のかかる工程を回避する。ビオプテリンを含有する水溶液は、金属触媒(例えば、白金触媒)の存在下において、塩基性条件及び高水素圧下で、立体選択的に(6R)-テトラヒドロビオプテリンに水素化される。(6R)-テトラヒドロビオプテリン(例えば、(6R)-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩)の酸付加塩の精製を改善させるために、水素化反応後の水溶液をイオン(例えば、陽イオン)交換樹脂又はカラムと接触させることによって、該水溶液中の任意の残留塩(例えば、ナトリウム塩)を除去することができる。あるいは、無機塩基よりむしろ有機アミン(例えば、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)が該加水分解及び/又は水素化反応に使用される場合に、該水溶液からの残留塩の除去は、省略できる。
【選択図】 図1

Description

(開示の分野)
本開示は、一般にサプロプテリンの製造に関する。更に、本開示は、大量生産に適したサプロプテリンの製造のための改良方法に関する。
(背景)
サプロプテリン(テトラヒドロビオプテリン又は「BH4」とも呼ばれる。)は、天然に存在するプテリンファミリーのアルカロイドである。サプロプテリンの生物活性な立体異性体は、式Iに示す化学構造を有する。
Figure 2011508781
また、サプロプテリンは、ピリミジン環の別の互変異性の形態でも存在できる。サプロプテリンの生理活性な立体異性体の命名は、(6R)-2-アミノ-6[(1R,2S)-1,2-ジヒドロキシプロピル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-4(1H)-プテリジノン、又は(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン、又は6R-BH4である。
サプロプテリンの化学合成は周知である。該分子の入手は、該分子のプテリン環構造部位、及び薬理学的な効果に必要な特定の側鎖の両方を製造するために、異なる出発物質を用いる様々な方法によって達成されている。サプロプテリンの合成方法は、例えば、米国特許第2,601,215号;第3,505,329号;第4,540,783号;第4,550,109号;第4,587,340号;第4,595,752号;第4,649,197号;第4,665,182号;第4,701,455号;第4,713,454号;第4,937,342号;第5,037,981号;第5,198,547号;第5,350,851号;第5,401,844号;第5,698,408号;及び第5,698,408号;並びにカナダ特許出願第2,420,374号に開示されている。
プテリンは、カルボニル酸素及びアミノ基を有する、ピラジン環及びピリミジン環を含む、二環式化合物である。プテリンは、酵素触媒の補助因子として機能する。サプロプテリンは、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、チロシン3-ヒドロキシラーゼ、トリプトファン5-ヒドロキシラーゼ、及び一酸化窒素合成酵素(NOS)の全3種のアイソフォームを含む、いくつかの異なった酵素の補助因子として機能する。また、サプロプテリンは、クリチディア・ファシキュラータ(Crithidia fasciculata)の成長因子でもあり、造血細胞の増殖活性を有し、酸化窒素毒性に対する自己防衛因子として作用する。これら及び他の補助因子、及びサプロプテリンの細胞機能、並びにサプロプテリン欠乏に関連する障害が、Thonyらの文献(Biochem. J., 347:1-16 (2000))に開示されている。また、サプロプテリン欠乏に関連する障害は、Blauらの文献「テトラヒドロビオプテリン及び関連する生体アミンの障害(Disorders of Tetrahydrobiopterin and Related Biogenic Amines)」(「遺伝性疾患の代謝的及び分子的基礎(The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease)」、第8版、pp. 1275-1776、McQraw-Hill Publishing Co. (ニューヨーク、NY、2001))に、広く説明されている。
本開示は、サプロプテリンのより効果的な合成を提供する。
(概要)
本開示の一態様は、サプロプテリンの合成方法を提供し、該方法は、有機相及び水相を含む二相性混合物において、塩基性条件下で、ジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解する工程を含む。また、該方法は、実質的に完全なジアセチルビオプテリンの加水分解後に、ビオプテリンを含有する水相と有機相とを分離すること、次いで、該水溶液中のビオプテリンをサプロプテリンに水素化することを含むことができる。ビオプテリンの水素化後に、該水溶液をイオン(例えば、陽イオン)交換樹脂又はカラムと接触させることによって、該水溶液から残留塩(例えば、ナトリウム塩などの無機塩)を除去できる。また、該水溶液をイオン交換樹脂又はカラムと接触させることを省略できるように、該加水分解及び水素化反応を無機塩基の非存在下で行い、無機塩の形成を最小化する又は回避することができる。
本開示の別の態様は、本明細書中に記載の方法によって製造された中間体及び生成物を提供する。
本発明の開示の更なる態様及び利点は、図面と併せて記載した下記の詳細な説明の概説から、当業者には明らかになるであろう。本明細書中に記載の合成方法は、様々な形態で実施可能であるが、本明細書中に提供される方法の実施態様は例示であり、本開示を本明細書中に記載の特定の実施態様に限定することを、意図するものではないことが理解される。
(図面の簡単な説明)
本開示の理解を容易にするために、ここに図面を示す。
ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の初期の水相試料のクロマトグラムを図示したものであり、ジアセチルビオプテリン、並びにビオプテリン及び2種のモノアセチルビオプテリン種が示されている。
加水分解反応を撹拌しながら一晩行った後の、水相からの試料のクロマトグラムであり、ビオプテリンのみが存在し、顕著な不純物がないことが示されている。
ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の初期の有機相試料のクロマトグラムを示したものであり、未知の有機不純物とともに、出発物質、並びに完全及び不完全な加水分解生成物の存在が示されている。
加水分解反応を撹拌しながら一晩行った後の、有機相からの試料のクロマトグラムであり、ビオプテリン及び少量の出発材料が示されているが、大部分は有機不純物である。
実施例2における、ビオプテリンの水素化の粗製生成物のクロマトグラムであり、主に(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン、及び少量の(6S)-ジアステレオマーが示されている。
(詳細な説明)
サプロプテリンは、固体の場合、酸付加塩として単離できる。最も一般的には、サプロプテリンは、二塩酸塩として単離され、サプロプテリンが薬理学的な製剤に提供される最も多くの場合は、この形態である。しかし、サプロプテリンは、限定はされないが、硫酸塩、臭化水素酸塩、又は有機酸塩などの他の種類の酸付加塩としても単離することができる。
商業目的用に1kg〜6kgの規模の式Iの化合物を製造するのに、Sakaiの合成方法、米国特許第4,713,454号が用いられている。
BH4の大量生産を可能にするために、米国特許第7,361,759号及び国際特許公開WO 2006/070902号に記載されるShiratori Pharmaceutical Co., Ltd.の方法に改良を施すことができる。該Shiratori法に基づいた改良方法をスキームIに示す。
Figure 2011508781
しかし、スキームIの合成方法は、鍵中間体、L-ビオプテリン(化合物10)の単離を必要とし、これが、長い処理時間を要するため、大部分において、サプロプテリン二塩酸塩の工業規模での製造については不十分なままである。約300kgのビオプテリンを製造するために、スキームIの方法は、ジアセチルビオプテリンを加水分解し、かつビオプテリンを濾過及び乾燥するのに、平均で265時間(11日)を要する。その1つの理由は、ビオプテリンは、濾過が困難な微粒子として溶液から沈殿するためである。スキームIの方法によるサプロプテリン二塩酸塩の大量生産(例えば、1メートルトン)については、総処理時間の約1/3が、ビオプテリンの単離を行うのに費やされる。対照的に、実施例4に例示されるような、本方法の特定の実施態様における全加水分解工程は、約155kgのビオプテリンを製造するのに、24時間(1日)しか要しない。というのも、ビオプテリンを固体として単離又は乾燥せずに、むしろ水相中に収集し、二相性の加水分解混合物の有機相に溶解した有機不純物と分離させるからである。更に、固体の単離よりむしろ液体操作である方が、ビオプテリン溶液の複数処理を同時に行い、かつ後の更なる操作(水素化を含む。)に適用できるので、本方法を合理化する。対照的に、スキームIの方法における加水分解及びビオプテリンの単離工程(工程8)には11日を必要とし、該加水分解及び水素化工程を合理化することは困難である。
また、本開示の方法は、ビオプテリンの水素化反応を実施するのに必要な時間を大幅に短縮させる。本方法の水素化反応は、23時間未満を要する(水素の取り込みから、該反応は実質的に10時間以内で完了することが示されている。)のに対して、スキームI法の水素化反応は、平均で74時間の時間を要する。スキームIの方法と比較して本方法のより速い水素化反応は、高水素圧(50bar対5mPa)、高温(25℃対0〜5℃)、及び出発材料のビオプテリンの純度が高いことを含む、様々な要因に起因し得る。
加水分解及び水素化工程の処理時間を大幅に短縮することに加え、本方法は、両工程の生成物の収率及び純度を大きく改善する。本方法の加水分解反応は、82%の平均収率及び92%の平均純度で、ビオプテリンを生成するが、スキームIの方法の加水分解反応(工程8)は、60%の平均収率及び83%の平均純度(同じ分析法で測定した)で、ビオプテリンを生成する。スキームIの加水分解反応におけるビオプテリンの収率が著しく低いのは、60℃の酸性反応条件下で、BH4の側鎖から2つのヒドロキシル基を取り除いて、プロペニル側鎖を形成すること、又は該側鎖を完全に取り除くことが原因の一部となり得る。二相性反応混合物の水相は、ほとんど不純物もなくビオプテリンを含有する(図2)が、一方、該加水分解反応の有機副生成物及び不純物の大部分は、有機相に除去される(図4)という事実のために、本方法のビオプテリン生成物は、高純度を有する。
更に、本方法の水素化工程後の「粗製」の(6R)-BH4二塩酸塩の平均収率64%は、スキームIの水素化工程(工程9)の後の粗製の(6R)-BH4二塩酸塩(化合物11)の平均収率54%より有意に高い。本方法の収率に比べてスキームIの方法の化合物11の収率がより低いのは、より不完全な水素化であること(スキームIの方法による水素化終了後の7,8-ジヒドロビオプテリンの平均量18%対本方法2%)、及び(6R)-BH4:(65)-BH4比がより低いこと(スキームIの方法の平均8.5対本方法10.5)が、原因の一部である。また、本方法は、最後の酸性化/再結晶化工程後に、スキームIの方法の工程10(86%)よりわずかに高い平均収率(90%)で、純粋な(6R)-BH4二塩酸塩を提供する。要するに、本方法の加水分解及び水素化工程は、スキームIの方法の工程8及び工程9(32%)よりも、非常に高い平均収率(53%)の「粗製」の(6R)-BH4二塩酸塩を生成し、かつ本方法の最後の3工程は、スキームIの工程8、9及び10(28%)よりも、非常に高い平均収率(48%)の純粋な(6R)-BH4二塩酸塩を提供する。
本開示の一態様は、合成方法(任意に、スキームIの工程1〜7などの工程を含み、ジアセチルビオプテリンを生成する。)であり、BH4二塩酸塩(化合物12)の合成は、別の単離又は固形のビオプテリン(化合物10)の乾燥をすることなく達成される。本開示の別の態様は、ジアセチルビオプテリン(化合物9)の加水分解から得られた材料を、面倒な後処理操作なしに水素化することによる方法である。更なる実施態様において、ジアセチルビオプテリンの任意の非加水分解性のアシル基を、水素化の条件下で加水分解する。別の実施態様において、BH4の(6R)の立体化学は、ビオプテリンの水素化を介して立体選択的に得られる。
本開示は、サプロプテリン(サプロプテリン二塩酸塩を含む。)を合成するための改良方法を提供し、該方法は、商業規模でのジアセチルビオプテリンの加水分解及びビオプテリンの水素化を含む。該方法は、有機相及び水相を含む二相性混合物において、塩基性条件下で、ジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解する工程を含む。実質的に完全なジアセチルビオプテリンの加水分解の後、該方法は、ビオプテリンを含有する該水相と該有機相とを分離すること、次いで、該分離した水相中のビオプテリンをサプロプテリンに水素化することを含むことができる。(6R)-サプロプテリンは、当該分野で公知の方法(例えば、Matsuuraらの文献、Chem. Lett., 735 (1984)、並びに米国特許第4,595,752号及び第4,713,454号を参照されたい。)によって、水溶液から精製できる。
本明細書中に記載の合成方法、及び該方法によって製造された化合物は、本明細書中に記載の1つ以上の工程、要素、特徴、及び/又は成分(スキームIに示すものを含む。)を含むことができるか、又は本明細書中に記載の1つ以上の工程、要素、特徴、及び/又は成分が、当該分野で公知の、実質的に類似の工程、要素、特徴、及び/又は成分で置き換えることができる、実施態様を包含する。例えば、ジアセチルビオプテリン(化合物9)は、スキームIによって合成できる。別の実施例として、スキームIの工程6において、LiClはLiClO4と置き換えることができる。
一実施態様において、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の水相のpHは、アルカリ性である。一実施態様において、該水相のpHは、アルカリ性であり、約12.2以下又は約12以下である。特定の実施態様において、該加水分解反応の水相のpHは、約10〜約12.2、又は約10.5〜約12.2、又は約11〜約12.2、又は約11.5〜約12.2、又は約11.8〜約12の範囲である。具体的な実施態様において、該加水分解反応の水相のpHは、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)及び/又は有機塩基(例えば、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の添加によって、約11.5〜約11.8のpHに調整される。該水相のpHが約12を越えて増加する場合、変換率は減少し始め得る(一研究において、pH約12.1又は12.2を越えて減少し始める。)。更に、該加水分解反応の水相のpHが、約12.2を越えて増加する場合、不純物の量は増加し得る。例えば、一研究において、ビオプテリンの収率は、約pH12.2で80%未満に低下した。
ジアセチルビオプテリンのエステル部は、水性、塩基性条件下で、下記の様々な塩基性試薬のいずれかを使用して加水分解することができる。該塩基性試薬を挙げると、限定はされないが、リン酸塩(例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);アミン(例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、イミダゾール、アニリン、及びインダゾール、並びにそれらの組合せ);水酸化アンモニウム(例えば、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);及びそれらの組合せがある。使用する塩基性試薬の量を最適化して、加水分解反応の水相のpHをアルカリ性にし、一方で、該反応混合物に存在する残留塩の量を制限する。該水相のアルカリ性pHは、塩基性試薬を使用すること、及び/又は添加することによって達成できる。該塩基性試薬を挙げると、限定はされないが、本明細書中に記載の、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、アミン、水酸化アンモニウム、及びそれらの組合せがある。
一実施態様において、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の水相は、pH緩衝される。加水分解によって酢酸が生成されるので、pH緩衝液は、急速な加水分解に対して、十分なアルカリ性のpHを維持するのを助ける。緩衝液がなければ、該混合物のpHは、著しく低下し、無機塩基を希釈濃度で使用する場合、更に塩基を添加するまで、加水分解は大きく減速し得る。この潜在的な問題は、初期に大過剰の塩基を用いることによって回避することができる。また、生成物であるテトラヒドロビオプテリンは、出発物質であるビオプテリンより更に塩基性であるため、該反応混合物のpHが上昇する傾向があるときに、緩衝液を使用することで、該水素化混合物のpHを設定しやすくさせ、該反応の間の安定性を保つことができる。特定の実施態様において、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の水相のpH、及び/又はビオプテリンの水素化反応の水性混合物のpHは、下記の試薬の使用及び/又は添加によって緩衝化される。該試薬は、リン酸塩試薬(例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、及びリン酸三カリウム、及びそれらの組合せ)、水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウム、及びそれらの組合せ)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び重炭酸カリウム、及びそれらの組合せ)、又はそれらの組合せである。
更なる実施態様において、エステル加水分解を、約60℃以下、又は約50℃以下、又は約40℃以下の温度で行い、ビオプテリンの脱離副生成物の形成を最小化する、又は防止する。特定の実施態様において、該加水分解反応の温度は、約20℃〜約60℃、又は約20℃〜約50℃、又は約20℃〜約40℃、又は25℃〜約40℃、又は約30℃〜約40℃、又は約30℃〜約35℃、又は約35℃〜約40℃、又は約40℃〜約50℃、又は約50℃〜約60℃の範囲であり、比較的短い時間、例えば、約40℃で約16時間以下、又は約30℃で約12時間以下、以内に、実質的に完全な加水分解を達成する。
別の実施態様において、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応は、比較的短い時間、例えば、約12時間以下で行われる。更に別の実施態様において、該加水分解反応は、一晩行われ、これは総計で、約15時間以下、又は約18時間以下、又は約21時間以下、又は約24時間以下とすることができる。該比較的短い反応時間は、生産活動を行う場合に、全体の処理時間及び設備資源の効率的使用に対して有利である。
ジアセチルビオプテリン、2つのモノアセチルビオプテリン及びビオプテリンの混合物を含有する酸化工程(スキームIの工程7に対応する。)の粗製生成物を、該加水分解反応における出発物質として用いることができる。該加水分解反応の粗製の出発物質は、例えば、約55%の1',2'-ジ-O-Ac-ビオプテリン、約25%の1'-O-Ac-ビオプテリン、約15%の2'-O-Ac-ビオプテリン、及び約5%のビオプテリンを含有し得る。特定の実施態様において、該加水分解反応の水相中のジアセチルビオプテリン「等価物」の濃度(任意のモノアセチルビオプテリン及び任意のビオプテリンをジアセチルビオプテリンとして計算する。)は、〜約300mg/mL、又は〜約290mg/mL、又は〜約280 mg/mL、又は〜約270mg/mL、又は〜約260mg/mL、又は〜約250mg/mL、又は〜約240mg/mL、又は〜約230mg/mL、又は〜約220mg/mL、又は〜約210mg/mL、又は〜約200mg/mL、又は〜約190mg/mL、又は〜約180mg/mL、又は〜約170mg/mL、又は〜約160mg/mL、又は〜約150mg/mLである。特定の実施態様において、該加水分解反応が完了すると、該水相中のビオプテリンの濃度は(100%の収率と仮定すると)、〜約220mg/mL、又は〜約210mg/mL、又は〜約200mg/mL、又は〜約190mg/mL、又は〜約180mg/mL、又は〜約170mg/mL、又は〜約160mg/mL、又は〜約150mg/mL、又は〜約140mg/mL、又は〜約130mg/mL、又は〜約120mg/mL、又は〜約110mg/mL、又は〜約100mg/mL、又は〜約90mg/mL、又は〜約80mg/mLとなる。
特定の実施態様において、該加水分解反応の水相中のジアセチルビオプテリン等価物の濃度は、約150mg/mL〜約250mg/mL(ビオプテリンが100%の収率と仮定すると、約110mg/mL〜約185mg/mLの水相中ビオプテリン濃度に対応する。)、又は約160mg/mL〜約240mg/mL(約120mg/mL〜約180mg/mLのビオプテリンに対応する。)、又は約170mg/mL〜約230mg/mL(約125mg/mL〜約170mg/mLのビオプテリンに対応する。)、又は約180mg/mL〜約220mg/mL(約130mg/mL〜約160mg/mLのビオプテリンに対応する。)、又は約190mg/mL〜約210mg/mL(約140mg/mL〜約155mg/mLのビオプテリンに対応する。)の範囲である。
他の実施態様において、該加水分解反応の水相中のジアセチルビオプテリン等価物の濃度は、約150mg/mL〜約300mg/mL、又は約200mg/mL〜約300mg/mLの範囲である。260mg/mLのジアセチルビオプテリン等価物は、ビオプテリンが100%の収率と仮定すると、約190mg/mLの水相中ビオプテリン濃度に対応し、270mg/mLのジアセチルビオプテリンは、約200mg/mLのビオプテリンに対応し、280mg/mLのジアセチルビオプテリンは、約205mg/mLのビオプテリンに対応し、290mg/mLのジアセチルビオプテリンは、約215mg/mLのビオプテリンに対応し、かつ300mg/mLのジアセチルビオプテリンは、約220mg/mLのビオプテリンに対応する。
該ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の有機可溶性の副生成物又は不純物は、加水分解反応に水及び水不混和性有機溶媒を使用すること、及び該反応後に、該水相と該有機相とを分離することによって、ビオプテリンの水素化の前に、容易に除去することができる。有機不純物の大部分は、該有機相に溶解することによって除去され、一方で、該水相には高純度の粗製のビオプテリン(例えば、約87%〜92%の平均純度)が含有される。該加水分解反応に有機溶媒を使用することの別の利点は、該反応における塩基として、有機アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、及びピペラジン、並びにそれらの組合せ)の任意の使用を可能にすることである。該水不混和性有機溶媒は、水よりも高密度又は低密度のどちらかとすることができる。
様々な種類の水不混和性有機溶媒を、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応に用いることができる。該水不混和性有機溶媒を挙げると、限定はされないが、アルコール、エーテル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、及びその組合せがある。水不混和性有機溶媒の非限定的な例を挙げると:アルコール(例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、及びそれらの異性体、並びにそれらの組合せ);エーテル(例えば、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、及び1,3-ジオキサン、並びにそれらの組合せ);脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、及びその異性体、及びその組合せ);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びその異性体、並びにそれらの組合せ);及びハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、及びそれらの異性体、並びにそれらの組合せ)がある。一実施態様において、該加水分解反応の二相性混合物は、n-ブタノール(1-ブタノール)を含む。
図1〜4は、経時的なジアセチルビオプテリンの加水分解、及び有機相に溶解することによる、有機不純物と所望の生成物であるビオプテリンとの分離を示す。該有機相に溶解したビオプテリンは、総ビオプテリンの2%未満を構成する。図1は、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応の水相からの初期試料のクロマトグラムを表し、ジアセチルビオプテリン、ビオプテリン、及びモノアセチルビオプテリン種の存在を示している。図2は、加水分解反応を一晩撹拌した後の水相からの試料のクロマトグラムであり、ビオプテリンのみが存在し、ほとんど不純物がないことを示している。図3は、加水分解反応の有機相からの初期試料のクロマトグラムを示し、出発物質、並びに完全及び不完全な加水分解生成物、並びに未知の有機不純物の存在を示している。図4は、加水分解反応を一晩撹拌した後の、有機相からの試料のクロマトグラムであり、ビオプテリン及び少量の出発材料が示されているが、大部分は該有機相中の未知の有機不純物が示されている。
特定の実施態様において、ビオプテリンを形成するためのジアセチルビオプテリンの加水分解は、本明細書中に記載の、無機塩基、有機塩基及び/又はpH緩衝試薬のいずれかを使用して、塩基性条件下の混合物中で行われる。特定の実施態様において、該混合物は、単相性である。特定の実施態様において、該混合物は、単相性の水性混合物である。特定の実施態様において、単相性の水性混合物における加水分解の実質的な完了後に、水不混和性有機溶媒(例えば、n-ブタノール)を添加して、生成したビオプテリンを含有する水性混合物から有機層に、任意の不純物、副生成物及び/又は未反応の出発物質を抽出する。特定の実施態様において、該加水分解反応混合物は、水不混和性有機溶媒(例えば、n-ブタノール)を含有し、かつ任意に、出発物質の加水分解及び/又は溶解を促進するのに十分な量の水を含有することができる。特定の実施態様において、任意に十分な量の水を含み得る有機混合物における加水分解の実質的な完了後に、該有機混合物に水を添加して、該有機層中に任意の不純物、副生成物、及び/又は未反応の出発物質を残したまま、水層にビオプテリンを回収する。
適当な金属触媒、例えば、白金、パラジウム、又はロジウム触媒を使用して、ビオプテリンの水素化を行うことができる。一実施態様において、該水素化は白金触媒とともに行われる。一実施態様において、該白金触媒は、白金黒、酸化白金(PtO2及びその水和物を含む。)、白金-炭素(10%のPt/C、5%のPt/C、3%のPt/C、1%のPt/C、及び0.5%のPt/Cを含む。)、及び白金-アルミニウム(5%のPt/アルミナ、1%のPt/アルミナ、及び0.5%のPt/アルミナを含む。)から選択される。一実施態様において、該水素化触媒は、白金黒又は酸化白金である。白金黒及び酸化白金のどちらも、高い変換率を与えるが、Pt黒で水素化すると、より高い(6R)-サプロプテリン対(6S)-サプロプテリンの比率となる。PtO2(アダム触媒)を用いる場合、該触媒の水素化によって、それを微細な粒径のPt黒に変換する。
一実施態様において、水素化反応に使用する金属触媒の量(本明細書中では触媒充填とも呼ばれる。)は、加水分解反応前のジアセチルビオプテリン等価物の量に基づいて、又は水素化反応前のビオプテリン等価物の量に基づいて、約10mol%以下である。ビオプテリンの効率的な水素化は、約10mol%以下の水素化触媒を使用して達成される。特定の実施態様において、使用する水素化触媒の量は、ジアセチルビオプテリン等価物又はビオプテリン等価物の量に基づいて、約8mol%以下、又は約7mol% 以下、又は約6mol%以下、又は約5mol%以下、又は約4mol%以下である。特定の実施態様において、使用する水素化触媒の量は、ジアセチルビオプテリン等価物又はビオプテリン等価物の量に基づいて、約2〜約8mol%、又は約2〜約7mol%、又は約2〜約6mol%、又は約2〜約5mol%、又は約2〜約4mol%、又は約2〜約3mol%、又は約2.2〜約2.8mol%、又は約2.1〜約2.6mol%の範囲である。
更なる実施態様において、ビオプテリンの水素化は、約14bar〜約100bar、又は約14bar〜約50bar、又は約50bar〜約100barの範囲の水素圧下、圧力容器中で行われる(1barは、1atmの圧力と等しい。)。特定の実施態様において、該水素圧は、約14〜約28bar、又は約20〜約50bar、又は約25〜約50bar、又は約30〜約50bar、又は約35〜約50bar、又は約40〜約50barの範囲である。特定の実施態様において、該水素圧は、約100bar、又は約50bar、又は約35bar、又は約28bar、又は約21bar、又は約14barである。ビオプテリンの水素化は、ジアステレオ選択的であり、高水素圧で、高い6R:6Sジアステレオマー比及び変換を得ることができる。例えば、約100barの水素圧下でビオプテリンを水素化することによって、およそ20:1の6R:6Sジアステレオマー比を達成することができるが、約50barより高い水素圧下での商業規模の水素化には、高価で、特別な水素化反応器が必要である。
別の実施態様において、ビオプテリンの水素化は、約0℃〜約40℃又は約50℃の範囲の温度で行われる。特定の実施態様において、該水素化は、約0℃〜約20℃、又は約0℃〜約10℃、又は約0℃ 〜約の5℃の範囲の温度で行われる。他の実施態様において、該水素化反応は、約20℃〜約50℃、又は約20℃〜約40℃、又は約25℃〜約40℃、又は約30℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃、又は約25℃〜約35℃、又は約25℃〜約30℃、又は約30℃〜約35℃、又は約35℃〜約40℃、又は約40℃〜約50℃の範囲の温度で行われる。特定の実施態様において、水素化は、約25℃又は約30℃で行われる。より高い6R:6Sジアステレオマー比は、より低い温度(約0℃まで)で得ることができるが、より低い温度での水素化は、反応速度及び変換を低下し、特別な水素化容器を必要とし得る。最大約40℃まで(又は潜在的に最大約50℃まで)のより高い温度での水素化は、より早い速度で進行し、かつ6R:6Sジアステレオ選択性における大きな低下もなく、より高い変換を与える。
更に別の実施態様において、加水分解反応の後に、水相と有機相とを分離し、かつ収集する場合の該水性混合物のpH、又は二相性混合物の水相のpHは、水素化反応において、アルカリ性である。特定の実施態様において、ビオプテリン含有水性混合物のpH又は水素化反応の水相のpHは、約10〜約12.5、又は約10〜約12、又は約10.5〜約12.5、又は約10.5〜約12、又は約11〜約12.5、又は約11〜約12、又は約11.5〜約12.5、又は約11.5〜約12の範囲である。該水性混合物又は水相へのビオプテリンの溶解度を促進することに加えて、比較的高いpHが、6R:6Sジアステレオ選択性を向上させ、かつ任意の残留するジアセチルビオプテリン又はモノアセチルビオプテリンの加水分解を促進する。
該水素化反応の水性混合物又は水相のpHは、塩基性無機試薬及び/又は塩基性有機試薬の使用によって、アルカリ性にすることできる。該水素化反応の水性混合物又は水相のアルカリ性pHを達成するのに用いることができる塩基性試薬の非限定的例を挙げると、リン酸塩(例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ);アミン(例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピロリジン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、イミダゾール、アニリン、及びインダゾール、並びにそれらの組合せ);水酸化アンモニウム(例えば、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、及びそれらの水和物、並びにそれらの組合せ)がある。一実施態様において、該水素化反応の水性混合物又は水相のpHは、有機アミン(例えば、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の使用及び/又は添加によって、少なくとも約10又は11のpHまで上昇される、及び/又は該pHで維持される。
特定の実施態様において、該水素化反応の水性混合物又は水相中のビオプテリン「等価物」の濃度(任意のジアセチルビオプテリン及び任意のモノアセチルビオプテリンをビオプテリンとして計算する。)は、最大約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%まで、又は最大約15% w/wまでである。更なる実施態様において、該水素化反応の水性混合物又は水相中のビオプテリン等価物の濃度は、約1%〜約15% w/w、又は約1%〜約10% w/w、又は約2%〜約10% w/w、又は約2%〜約8% w/w、又は約2%〜約7% w/w、又は約3%〜約7% w/w、又は約4%〜約6% w/wの範囲である。
別の実施態様において、別個のジアセチルビオプテリンの加水分解工程は省略され、本明細書中に記載の水素化反応のいずれかの条件下で、エステル基の加水分解及びピラジン環の水素化が一工程で行われる。該水素化反応のためのアルカリ条件下(例えば、約10〜約12.5の範囲のpH)で、酢酸エステル基を加水分解する。酸化工程(スキームIの工程7に対応する)の粗製の生成物は、ワンポット加水分解/水素化反応における出発物質として使用できる。該ワンポット反応は、アルカリ性の水相及び有機相を含む二相性混合物中で行うことができる。あるいは、該ワンポット反応は、単相性のアルカリ性水性混合物中で行うことができ、かつ加水分解及び水素化の両方の実質的な完了後に、水不混和性有機溶媒を該混合物に添加して、所望の生成物であるテトラヒドロビオプテリンを該水層中に残したまま、任意の有機副生成物、不純物及び/又は未反応の出発物質を有機層に抽出でき、該水層を有機層と分離し、収集する。単相性又は二相性のアルカリ性水性混合物のどちらで行われるかにかかわらず、本明細書中に記載の無機塩基、有機塩基、及び/又はpH緩衝試薬のいずれかを、ワンポット加水分解/水素化反応に用いることができ、該反応は、本明細書に記載の任意の方法で後処理できる。該ワンポット加水分解/水素化反応は、高収率(例えば、>80%)及び高6R:6Sジアステレオ選択性(例えば、>8:1)のテトラヒドロビオプテリンを提供できる。
本明細書中に記載の合成方法は、サプロプテリンを、及び/又はサプロプテリンの酸性化後のサプロプテリンの酸付加塩(例えば、サプロプテリン二塩酸塩)を、高6R:6Sジアステレオ異性選択性で生成する。特定の実施態様において、該方法は、サプロプテリン、又はそれらの酸付加塩を生成し、該酸付加塩は、少なくとも約7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5又は少なくとも約15の6R:6Sジアステレオ選択性を有する。更に、本明細書に記載の方法は、(6R)-サプロプテリンを高収率で生成する。特定の実施態様において、本発明の水素化反応は、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85又は少なくとも約90%の収率で、(6R)-サプロプテリンを生成する。
特定の実施態様において、少なくとも1つの塩基性試薬(例えば、塩基性無機試薬及び/又は塩基性有機試薬)の存在下(水不混和性有機溶媒もまた使用される。)で、pHが約11〜約12.2、又は約11.5〜約12.2に維持された、任意に緩衝化した水相に、ジアセチルビオプテリン(化合物9)を溶解して、二相性混合物を形成する。該混合物を、TLC、LC-MS又はHPLCなどの様々な分析技術のいずれかによって、2つの酢酸エステルの加水分解が実質的に完了する(例えば、任意のジアセチルビオプテリン及び任意のモノアセチルビオプテリンの量が、総計で<約5%又は約10%となる。)まで、約20℃〜約40℃の範囲の温度で撹拌する。任意の濾過(例えば、セライトによる)後、得られた混合物を、約14bar〜約50barの範囲の水素圧下、及び約0℃〜約40℃の範囲の温度で、白金触媒(例えば、白金黒又は酸化白金)を用いて水素化し、続いて、水相と有機相とを分離し、適当な媒体(例えば、セライト及び/又はイオン交換樹脂)で該水相を濾過して任意の残留白金触媒、及び/又は任意の残留塩を除去し、かつ該水性の濾液をHClで酸性化し(あるいは、分離、濾過及び酸性化は、どんな順序ででも実行できる。)、高6R:6Sジアステレオ選択性(例えば、少なくとも約8:1又は9:1)及び高収率(例えば、約65%〜約80%)でサプロプテリン二塩酸塩を生成する。別の実施態様において、該加水分解反応の有機相及び水相を静置させておくと、ビオプテリンを含有する水相は、有機不純物を含有する有機相と分離し、任意に該水相を(例えば、セライトパッド又は、Vitacel FAC 200などの濾過助剤によって)濾過し(あるいは、該二相性混合物は、水相の分離前に濾過できる。)、上記のように水素化及び後処理を受けて、高ジアステレオ選択性及び高収率で(6R)-サプロプテリン二塩酸塩を提供する。
最後の酸性化及び精製工程(スキームIの工程10に対応する。)前の、任意の残留塩(例えば、無機塩)の水相からの除去は、例えば、最終結晶混合物中の塩含有量を減少する又は最小化することによって、BH4酸付加塩(例えば、(6R)-BH4二塩酸塩)最終生成物の純度を大きく改善させることができる。pH緩衝試薬の非存在下での加水分解、水素化前の塩の沈殿、水素化後のイオン交換樹脂又はカラムとの接触、及び無機塩基の非存在下での加水分解及び/又は水素化などの様々な方法で、塩の量(無機塩を含む。)を減らすことができる、又はそれらの形成を回避することができる。
一実施態様において、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)の非存在下、及び/又は無機性のpH緩衝試薬(例えば、リン酸緩衝液)の非存在下で、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応を行うことによって、生成した無機塩の量を減少する、又はその生成を回避することができる。加水分解反応の水相のpHは、無機塩基及び/又は無機のpH緩衝液よりむしろ有機塩基(例えば、ジエチルアミン又はトリエチルアミンなどの有機アミン)を用いることによってアルカリ性にさせることができる。
別の実施態様において、水素化前に塩を沈殿することによって、ビオプテリン含有水相又は水溶液中の無機塩の量を減少させる。一実施態様において、加水分解後及び相分離前に、二相性混合物を低温(例えば、約0℃〜約5℃)まで冷却して、無機塩の沈殿を誘発する。該冷却した混合物を濾過して、該沈殿した塩を除去することができる。別の実施態様において、加水分解後に、該水相と有機相とを分離し、収集した水相を低温(例えば、約0℃〜約5℃)まで冷却し、該冷却した混合物を濾過して、沈殿した塩を除去する。しかし、無機塩だけでなく、ビオプテリンも該水性混合物の冷却時に沈殿し、これは、ビオプテリンの収率を低下させ得る。
更なる実施態様において、水素化及び後処理後の水溶液中の任意の残留塩(無機塩を含む。)は、該溶液とイオン交換樹脂又はカラムとを接触させることによって除去される。加水分解、水素化及び後処理(濾過して金属触媒を除去し、水素化前に相が分離していない場合に、水相と有機相を分離することを含む。)後に、得られた水溶液のpHを、該水相から残留塩を除去するための調製において、少なくとも約10又は11のpHまで上昇させる、及び/又は該pHで維持する。特定の実施態様において、該水溶液のpHを、約10〜約12、又は約10.5〜約12、又は約11〜約12、又は約11.5〜約12、又は約11.8〜約12の範囲に上昇させる、及び/又は該範囲で維持する。アルカリ性pHは、塩基性無機試薬(例えば、無機のリン酸塩、炭酸塩、及び/又は例えば、水酸化ナトリウムなどの水酸化物など)及び/又は塩基性有機試薬(例えば、トリエチルアミンなどの有機アミン及び/又は有機水酸化アンモニウムなど)の添加によって、無機(例えば、ナトリウム)塩の形成を最小化する方法で達成できる。一実施態様において、該水溶液のpHは、有機アミン(例えば、ジエチルアミン又はトリエチルアミン)の添加によって、少なくとも約10又は11のpHまで上昇される、及び/又は該pHで維持される。
一実施態様において、例えば、陽イオン交換樹脂のバッチ添加(例えば、連続的な)による、又は該水溶液を陽イオン交換樹脂に通すことによる、該水溶液とイオン交換樹脂(例えば、陽イオン交換樹脂)との接触によって、少なくとも約10又は11のpHを有する該水溶液から、任意の残留塩(例えば、ナトリウム塩)を除去する。あるいは、アルカリ性水溶液をイオン(例えば、陽イオン)交換カラムに通すことによって、任意の残留塩を該アルカリ性水溶液から除去できる。一実施態様において、該水溶液をイオン(例えば、陽イオン)交換樹脂又はカラムと接触させるが、必要であれば、適当な塩基(例えば、ジエチルアミン又はトリエチルアミンの有機アミンなど)の添加によって、該溶液のpHを少なくとも約10又は11に維持し、該樹脂又はカラムが残留塩(例えば、Na+)を取り込みやすくする。
該イオン(例えば、陽イオン)交換樹脂又はカラムを有機アミン(例えば、ジエチルアミ又はトリエチルアミン)を含有する水性溶液で洗浄して、該樹脂又はカラムに残留する任意のサプロプテリンを回収できる。該イオン交換樹脂又はカラムを、脱イオン水で洗浄することよりも、水と有機アミン(例えば、水とトリエチルアミンとの比率が、例えば、約3:1〜約5:1)との混合物で洗浄することの利点は、該樹脂又はカラムからのナトリウムの抽出を回避することにある。該サプロプテリン含有水溶液から任意の残留塩を除去した後、得られた濾液を酸性化して、サプロプテリンの酸付加塩(例えば、塩酸塩)を生成する。該水性溶液のアルカリ度を維持するために、及び/又はイオン交換樹脂又はカラムから任意の残留BH4を回収するために、トリエチルアミンを使用することの利点は、BH4がHClで酸性化され、BH4二塩酸塩がエタノールから結晶化される場合、トリエチルアミン塩酸塩は、BH4二塩酸塩よりエタノールに更により可溶性であり、したがって、濾過によってBH4二塩酸塩から速やかに分離されることである。
更に別の実施態様において、加水分解、水素化、及び(6R)-BH4又はその酸付加塩の精製の最終の3工程のいずれにおいても無機塩基は使用しない。無機塩基よりむしろアンモニア又は有機塩基(例えば、有機アミン)を該加水分解及び/又は水素化反応に用いることによって、無機塩の量を最小化する又はその形成を回避して、下記の一連の実施態様に示すように、(例えば、水素化後に、該水溶液とイオン交換樹脂又はカラムを接触させることによって)ビオプテリン又はBH4含有水溶液から任意の無機塩を除去することを回避できるようにする。
(6R)-BH4二塩酸塩の製造方法の一実施態様において、ジアセチルビオプテリンの加水分解反応は、水と水不混和性有機溶媒(例えば、n-ブタノール)との二相性混合物において、有機アミン(例えば、ジエチルアミン)を用いて行われ、ここで該水相のpHは、少なくとも約10又は11である。該加水分解反応が、実質的に完了する(例えば、ジアセチルビオプテリン及びモノアセチルビオプテリンの量が、総計で≦約5%又は10%となる。)まで、該混合物を約20℃〜約40℃の範囲の温度で撹拌する。該水相と有機相とを分離させ、該水相を収集し、任意に該有機層を更なる水と混合して、有機相に残留する任意のビオプテリン種を水相に移す。場合によっては、該水相を、例えば、セライトパッド又は濾過助剤(例えば、Vitacel FAC 200)で濾過する。必要であれば、水の添加によって、該水溶液中のビオプテリンの濃度を≦約15% w/w、又は≦約10% w/w、又は≦約5% w/wに調節し、かつ必要であれば、有機アミン(例えば、トリエチルアミン)の添加によって、該溶液のpHを少なくとも約10又は11まで上昇させる。白金触媒(例えば、白金黒又は酸化白金)の存在下、約20℃〜約40℃の温度、約20bar〜約50barの範囲の水素圧下で、該水素化反応が実質的に完了する(例えば、ビオプテリン及び7,8-ジヒドロビオプテリンの量が、総計で≦約5%又は10%になる。)まで、該混合物を撹拌する。該混合物を適当な媒体(例えば、セライト)で濾過し、任意に、該金属触媒を再利用のために回収し、該濾液をHClの添加によって≦約4、3、2又は1のpHに酸性化する。該溶液を減圧(例えば、≦約200〜500 mbar)下、約40℃〜約70℃の範囲の高温で濃縮する。任意に、該濃縮溶液にHClを添加し、かつ任意に、(6R)-BH4二塩酸塩の種結晶を添加して、結晶化を誘発する。 (6R)-BH4二塩酸塩の任意の結晶化の後に、任意に、減圧(例えば、≦約200〜500mbar)下、及び約40℃〜約70℃の範囲の高温で、該混合物を濃縮する。任意に、該濃縮混合物に有機溶媒(例えば、エタノール若しくはn-ブタノール、又はそれらの組合せ)を添加し、かつ任意に、得られた混合物を、約40℃〜約70℃の範囲の高温で撹拌し、次いで、任意に、約0℃〜約40℃の範囲の温度まで冷却して、結晶化を促進させ、かつ任意に、得られた固形物を濾過する。任意に、該濾過した固形物を水に溶解させ、任意に、得られた混合物を活性炭とともに約20℃〜約40℃の範囲の温度で、色が薄くなるまで撹拌する。任意に、該混合物を濾過し、かつ任意に、該濾液にHClを添加する。最後の(6R)-BH4二塩酸塩の精製については、HClの添加によって酸性化したBH4含有溶液を、減圧(例えば、≦約200〜500mbar)下、及び約30℃〜約70℃の範囲の高温で濃縮する。任意に、有機溶媒(例えば、n-ブタノール)を該濃縮溶液に添加し、減圧(例えば、≦約200〜500mbar)下、及び約30℃〜約70℃の範囲の高温で、得られた混合物を濃縮して、該混合物から残留水を共沸的に除去する。 (6R)-BH4二塩酸塩の結晶化に適した有機溶媒(例えば、エタノール)を該濃縮混合物に添加する。得られた混合物を、約40℃〜約70℃の範囲の高温で撹拌し、次いで、任意に撹拌しながら、約0℃〜約40℃の範囲の温度まで冷却し、かつ任意に、(6R)-BH4二塩酸塩の種結晶をまいて結晶化を促進する。該結晶化生成物を濾過し、かつ任意に、任意の温有機溶媒(例えば、エタノール)で洗浄する。任意に、減圧(例えば、≦約200〜500mbar)下、及び任意に、高温(例えば、約40℃〜約70℃)で、該濾過した結晶を乾燥することで、純粋な(6R)-BH4二塩酸塩が提供される。
特定の実施態様において、二相性混合物において塩基の存在下で、ジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解することを含むビオプテリンの製造方法を、本明細書中に提供する。該二相性混合物は、水相及び水不混和性有機溶媒を含有する有機相を含み、該水相は、少なくとも約10のpHを有する。特定の実施態様において、該水相は、少なくとも約11のpHを有する。特定の実施態様において、該塩基はアミンである。特定の実施態様において、該水不混和性有機溶媒は、アルコールである。特定の実施態様において、該水不混和性有機溶媒は、n-ブタノールである。特定の実施態様において、該加水分解は、約20℃〜約50℃の温度で行われる。特定の実施態様において、該加水分解反応は、約40℃で行われる。特定の実施態様において、水相中のジアセチルビオプテリンの濃度は、約150mg/mL〜約300mg/mLである。
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、該加水分解反応混合物からビオプテリンを回収することを更に含み、該回収は、ジアセチルビオプの加水分解が実質的に完了した後に、該水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む。特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、任意に、該有機相を水で1回以上抽出して、該有機相に残留する任意のビオプテリンを回収することを含み、該抽出は、該有機相と所定量の水とを混合して混合物を形成すること、該混合物の水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む。
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、収集した水相に塩基を添加して、得られた水性混合物のpHを少なくとも約10まで上昇させることを更に含む。特定の実施態様において、該水性混合物のpHを、少なくとも約11まで上昇させる。特定の実施態様において、収集した水相のpHを調整するのに使用する塩基は、アミンである。特定の実施態様において、収集した水相のpHを調整するのに使用する塩基は、トリエチルアミンである。
特定の実施態様において、本方法は、金属触媒の存在下、約14bar〜約100barの範囲の水素圧下で、水性混合物においてビオプテリンをテトラヒドロビオプテリンに水素化することを更に含む。特定の実施態様において、該水素化反応は、約20bar〜約50barの水素圧で行われる。特定の実施態様において、該水素化反応は、約50barの水素圧で行われる。特定の実施態様において、該金属触媒は、白金触媒である。特定の実施態様において、該金属触媒は、白金黒である。特定の実施態様において、該金属触媒の量は、ジアセチルビオプテリンを加水分解する前のジアセチルビオプテリンの量に基づいて、又はビオプテリンを水素化する前のビオプテリンの量に基づいて、約2mol%〜約8mol%の範囲である。特定の実施態様において、該水素化は、約0℃〜約40℃の範囲の温度で行われる。特定の実施態様において、該水素化は、約20℃〜約30℃の温度で行われる。特定の実施態様において、該水素化反応の水性混合物中のビオプテリンの濃度は、約2% w/w〜約8% w/wである。特定の実施態様において、テトラヒドロビオプテリンは、少なくとも約7:1の6R:6Sジアステレオマー比で形成される。特定の実施態様において、テトラヒドロビオプテリンは、少なくとも約10:1の6R:6Sジアステレオマー比で形成される。
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、ビオプテリンの水素化が実質的に完了した後に、該水性混合物を濾過して該金属触媒を除去することを更に含む。特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、該濾過した水性混合物に塩酸を添加して、該混合物のpHを約3以下まで低下させることを更に含む。特定の実施態様において、該水性混合物のpHを、約1以下まで低下させる。
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、水性混合物を減圧下で濃縮して、第1の濃縮混合物を形成するまで水を除去することを更に含む。特定の実施態様において、該水性混合物を約30℃〜約70℃の温度で濃縮する。
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、該第1の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、及び得られた混合物を減圧で濃縮して、第2の濃縮混合物を形成するまで、残留水を除去することを更に含む。特定の実施態様において、該有機溶媒は、1-ブタノールである。特定の実施態様において、該混合物を約30℃〜約70℃の温度で濃縮する。
特定の実施態様において、本明細書中で提供される方法は、該第1の濃縮混合物又は該第2の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、得られた混合物を約40℃〜約70℃の温度まで加熱すること、該混合物を約0℃〜約40℃の温度まで冷却すること、任意に、該混合物に(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の種結晶を添加して結晶化を促進すること、及び該混合物を濾過して(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩を単離することを更に含む。特定の実施態様において、該有機溶媒は、エタノールである。特定の実施態様において、単離された(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩は、多形Bと表される結晶形態である。
特定の実施態様において、下記を含むテトラヒドロビオプテリンの製造方法を本明細書中で提供する:
水を含有する水相及び水不混和性有機溶媒を含有する有機相を含む二相性混合物において、塩基の存在下で、ジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解し、ここで該水相が、少なくとも約10のpHを有すること;
ジアセチルビオプテリンの加水分解が実質的に完了した後、任意に、該水相と該有機相とを分離させること、及び任意に、水性混合物として該水相を収集すること;並びに
水性混合物又は二相性混合物の水相において、金属触媒の存在下、約14bar〜約100 barの水素圧下で、ビオプテリンをテトラヒドロビオプテリンに水素化し、ここで該水性混合物又は該水相が、少なくとも約10のpHを有すること。
一実施態様において、該方法は、該加水分解反応の実質的な完了後に、該反応混合物からビオプテリンを回収することを更に含み、該回収は、該反応混合物の水相と有機相とを分離すること、及び該水相を収集すること含む。別の実施態様において、該方法は、任意に、該分離した有機相を水で1回以上抽出して、有機相に残留する任意のビオプテリンを回収することを含み、該抽出は、該有機相と所定量の水とを混合して混合物を形成すること、該混合物の水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む。更に別の実施態様において、該方法は、水素化前に、該収集した水相に塩基を添加して、該水性混合物のpHを少なくとも約10まで上昇させることを更に含む。更に別の実施態様において、該方法は、ビオプテリンの水素化が実質的に完了した後に、該反応混合物を濾過して、該金属触媒を除去することを更に含む。更に別の実施態様において、該方法は、濾過した水性混合物に塩酸を添加して、該混合物のpHを約3以下まで低下させることを更に含む。更に別の実施態様において、該方法は、減圧下で該水性混合物を濃縮して、第1の濃縮混合物が形成するまで、水を除去することを更に含む。更に別の実施態様において、該方法は、該第1の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、及び得られた混合物を減圧下で濃縮して、第2の濃縮混合物が形成するまで、残留水を除去することを更に含む。更に別の実施態様において、該方法は、該第1の濃縮混合物又は該第2の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、得られた混合物を約40℃〜約70℃の温度まで加熱すること、該混合物を約0℃〜約40℃の温度まで冷却すること、任意に、該混合物に(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の種結晶を添加して結晶化を促進すること、及び該混合物を濾過して(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩を単離することを更に含む。
当該分野で公知の様々な多形形態のテトラヒドロビオプテリン二塩酸塩のいずれかを製造するために、該テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の結晶化に使用する条件に応じて、本開示の方法を使用でき、かつ変更できる。米国特許出願公報2006/0035900(これは、その全体を参照により本明細書中に組み込まれている。)には、テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の様々な多形形態、及びそれら多形形態の製造方法が記載されている。一実施態様において、本方法は、(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の多形Bを製造する。(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の多形Bは、下記のD値(Å)で表されるピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す:8.7(vs)、6.9(w)、5.90(vw)、5.63(m)、5.07(m)、4.76(m)、4.40(m)、4.15(w)、4.00(s)、3.95(m)、3.52(m)、3.44(w)、3.32(m)、3.23(s)、3.17(w)、3.11(vs)、3.06(w)、2.99(w)、2.96(w)、2.94(m)、2.87(w)、2.84(s)、2.82(m)、2.69(w)、2.59(w)、及び2.44(w)。XRPDピークに関係する括弧内の略語は、下記の意味を有する:(vs)=非常に強い強度、(s)=強い強度、(m)=中間の強度、(w)=弱い強度、及び(vw)=非常に弱い強度。
下記の実施例は、単に例証のために提供するものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
(実施例1)
(リン酸緩衝液を用いたジアセチルビオプテリンの加水分解)
ジアセチルビオプテリン(化合物9)の2つの酢酸エステルの加水分解を、緩衝化水(pH約11.8)とn-BuOHの二相性混合物中、8回の別々の操作で行った。同じ相対量のジアセチルビオプテリン、Na2HPO4、水、及びn-BuOHを8実験の全てで使用した。塩基(水性NaOH溶液)を添加して、水相のpHを約11.8に維持した。該加水分解反応の進行は、当該分野で公知の様々な分析技術(例えば、TLC、LC-MS又はHPLC)のいずれかによって監視した。該反応混合物を、約35℃まで温めて、かつ連続的な監視及び塩基の添加によって、該水相のpHを約11.8で維持した場合、該加水分解反応は、約6時間以下で完了することができた。また、該水相のpHを、約30分ごとに約2時間調整することによって、実質的に完全なジアセチルビオプテリンの加水分解が達成され、次いで、該反応混合物を周囲温度(約25℃)で一晩混合した。所望の生成物であるビオプテリンは、該水相に溶解し、かつ典型的に、50gのジアセチルビオプテリンで開始して、0.5g未満のビオプテリンが該有機相に損失した。
実質的に完全なジアセチルビオプテリンの加水分解後に、該反応混合物をセライトプラグによって濾過し、水及びn-BuOHの層を静置して分離させた。該水層は、透明な赤褐色であり、一方、該有機層は、そこに溶解している暗色の有機不純物のために黒色であった。該水層中及び廃棄した有機層中のビオプテリンの量をHPLCで測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011508781
8回の加水分解実験のそれぞれで全ビオプテリンの収率は高く(少なくとも86%)、かつ非常に少量のビオプテリンが、廃棄の有機層に損失した(約1.3%未満)。これは、該加水分解反応の方法の再現性を示している。ビオプテリンを含有する水層を希釈して、適切な濃度のビオプテリンとし、ビオプテリンの水素化に直接使用した。
(実施例2)
(無機塩基及び緩衝液を用いたサプロプテリンの実験室規模の合成)
(緩衝化水相中のジアセチルビオプテリンの加水分解、続く相分離)
下記の加水分解は、表1の実験No.3に対応する。ジアセチルビオプテリン(約50gのジアセチルビオプテリン等価物、155mmol(純度を補正して149mmol)及びリン酸水素二ナトリウム(11.0g、77.5mmol)を、1-ブタノール(125mL)と水(200mL)との混合物中でスラリー化した。該混合物を40℃まで温めて、該水相のpHがおよそ11.8になるまで水性水酸化ナトリウム溶液(50wt%)を添加した。該水相のpHを約30分ごとに約2時間調べ、かつ約11.8にpHを調整し、次いで、該反応混合物を周囲温度(約25℃)で一晩撹拌した。次いで、更に該反応混合物を40℃まで温め、該水相のpHを、約30分ごとに約1時間、約11.8に調整した。該混合物を焼結ガラス漏斗のショートセライトパッド(0.5cm)で濾過した。該セライトパッドを水(2×5mL)で洗浄し、該濾液を分液漏斗に注いだ。水層及び有機層を静置し、約15分にわたって分離させた後、ビオプテリンを含有する水層を収集した。
該水層及び有機層中のビオプテリンの濃度をHPLCで測定した。該水層は、109.7mg/mLのビオプテリン濃度(ビオプテリン30.7g、収率87%)を有することが見出され、一方、該有機層は、3.7mg/mLのビオプテリン(0.46g、1.3%)を含有した。
(緩衝溶液中のビオプテリンの水素化による(6R)-BH4二塩酸塩の形成)
PtO2(0.76g、3.3mmol)を50mLのビュッヒ水素化容器に量り取り、水(25mL)を添加した。該容器を密封し、窒素(0.5bar)で4回パージした。該容器を水素(3.5bar)で加圧して、該触媒を前水素化した。2分後に該圧力を解除し、該容器を3.5barの水素で再水素化した。マグネチックスターラを用いて、該スラリーを周囲温度で5時間撹拌し、一方、水素圧は3.5barを維持した。該圧力を解除し、該容器を窒素(0.5bar)で4回パージした。
活性化した白金触媒を1Lのパール容器にスラリー化させ、水素化容器中のスラリーをパール容器に更なる水(20mL)ですすいで入れた。上記の加水分解からの粗製の水性ビオプテリン溶液(283mLの水中、30.7g、130mmol)を、該パール容器に添加した。該反応の量は、水の添加によって450mLまで増加した。該混合物のpHを、水性NaOH溶液(50wt%)又は水性リン酸溶液(10%)のどちらかの添加によって、11.9まで調整した。該容器を密封し、窒素でパージし(6×7bar)、かつ該混合物を400rpmで機械的に撹拌した(プロペラシャフト)。該反応混合物の温度を、内部加熱コイル及び水ヒーター/サーキュレーターを用いて30℃で安定化させた。最後の窒素パージを発散後、該容器を水素(〜7bar)で2回パージし、次いで、600rpmで撹拌しながら21barの水素まで加圧した。5分後、撹拌を停止し、更なる水素を加えて圧力を21barに戻し、撹拌を再開した。
反応器の圧力が水素の添加なしに維持される点まで水素の取り込みが減速される、2時間後まで、この方法を15分ごとに繰り返した。該混合物を30℃で10時間撹拌した。該圧力を解除し、すぐに該容器を窒素(7bar)で6回パージした。最後のパージの後、該容器を発散し、該混合物を容器の外に移した。該反応混合物をセライトパッドで濾過し、回収した白金触媒を除去し、該セライトパッドを水で洗浄した。合わせた濾液を濃塩酸で酸性化して粗製のサプロプテリン二塩酸塩(HPLCによる収率約80%、6R:6S率約7.6〜8.1)。
図5は、水素化反応の粗製生成物のクロマログラムである。該クロマトグラムのピークを表2に示す。図5及び表2は、所望の生成物である6R-BH4(ピーク番号5)が、高収率(約80%)で得られた主要生成物であり、そのジアステレオマーである6S-BH4(ピーク番号6)が、唯一の大きな不純物であったことを示している。
Figure 2011508781
(実施例3)
(有機アミンを用いたサプロプテリンの実験室規模の合成)
(A. ジアセチルビオプテリンの加水分解)
1-ブタノール(128mL)中のジアセチルビオプテリン(約50gのジアセチルビオプテリン等価物、155mmol)の混合物に、周囲温度(20〜25℃)で蒸留水(200mL)及びジエチルアミン(26g、355mmol)を添加した。該混合物が、HPLCで≦5%のジアセチルビオプテリンa/a(クロマトグラムの曲線下面積)を含有する場合は、該混合物を40℃で16時間撹拌した。該水相及び有機相を撹拌せずに静置し分離させて、該有機層を収集した。該有機層を蒸留水(160mL)と60℃で1時間混合し、該2相を分離させ、該有機層を収集した。合わせた有機層をVitacel(2g)で濾過し、該濾過ケーキを蒸留水(2×36mL)で洗浄した。
(B. ビオプテリンの水素化)
上記からのビオプテリンを含有する、合わせた水溶液を、25℃でトリエチルアミン(136mL)で処理して、そのpHを11.2に調整した。該混合物をオートクレーブに移し、該混合物に蒸留水(20mL)中の白金黒(1.2g、6mmol)のスラリーを添加した。得られた混合物を窒素及び水素(3×2barの窒素、3×35barの水素)でパージした後、該混合物が、HPLCで≦1%のビオプテリンa/a及び≦8%の7,8-ジヒドロビオプテリンa/aを含有する場合は、該混合物を35barの水素下、25℃、1,000rpmで23時間撹拌した。該混合物を窒素でパージし、次いで、濾過して該白金触媒を除去した。溶液中でのテトラヒドロビオプテリンの安定性を増大させるために、33%のHCl(12Og、約100mL)を25℃でゆっくりと添加して、該濾液のpHをpH<1.0に低下させた。
(C. 「粗製」の(6R)-サプロプテリン二塩酸塩の単離)
粗製の(6R)-サプロプテリン二塩酸塩を含有する上記の酸性化した水溶液を、減圧下(50〜200mbar)、40〜60℃で蒸留によって濃縮して、約375g(375mL)の水を除去した(ジアセチルビオプテリンの加水分解及び続く酸性化から生成した酢酸との共沸による水の蒸留)。エタノール(58ml)を濃縮混合物に添加し、該混合物の含水量をカール・フィッシャー法で≦23% w/wまで測定した。該混合物に60℃で、更なるエタノール(200mL)を添加し、続いて、1-ブタノール(58mL)を添加した。得られた混合物を60℃で1時間撹拌し、35℃まで冷却し、35℃で6時間撹拌して、「粗製」の(6R)-サプロプテリン二塩酸塩の結晶化を促進した。結晶化した生成物を濾過し、エタノール(2×25mL)で洗浄した。
(実施例4)
(有機アミンを用いたサプロプテリンの工業規模での合成)
(A. ジアセチルビオプテリンの加水分解)
ジアセチルビオプテリン(化合物9)(約300kgのジアセチルビオプテリン等価物、930mol)を水(1320kg、1320L)及び1-ブタノール(624kg、770L)に懸濁させた。ジエチルアミン(156kg、2133mol)を添加し、pH≧11.5の混合物とし、かつビオプテリン(化合物10)への変換が少なくとも95%になるまで(すなわち、モノアセチルビオプテリン及びジアセチルビオプテリンの総量が、≦5%であった。)、該反応混合物を40℃で(約16時間)撹拌した。次いで、水(240kg、240L)を添加し、該水相と有機相とを25℃で少なくとも30分間にわたって分離させ、該2相を分けた。精製水(480kg、480L)を1-ブタノール層に添加し、該混合物をよく撹拌し、該水相と有機相とを25℃で少なくとも60分間にわたって分離させ、該2相を分けた。
合わせた水相をVitacel FAC 200(36kg)(又は類似の濾過助剤)とともに撹拌し、該混合物を濾過し、該濾過ケーキを精製水(120kg、120L)で洗浄した。該濾液中のビオプテリンの濃度をHPLCで測定し、精製水で5.3% w/wに調整した。白金黒(7.2kg、37mol)をスラリー化するのに、及び該ライン(line)をすすぐのに使用した精製水の残量を算出したところ、トリエチルアミン添加の直前のビオプテリン濃度は、4.8% w/wであった。
(B. ビオプテリンの水素化)
4.8% w/wのビオプテリン及び白金黒(7.2kg、37mol)を含有する上記の水溶液に、0〜5℃でトリエチルアミン(447kg、4417mol)を添加して、pH≧11.5とした。該混合物を25℃、50barのH2(g)下で、ビオプテリンの量が、≦1% a/a(クロマトグラムの曲線下面積)になり、かつ7,8-ジヒドロビオプテリンの量が、≦8% a/aになるまで撹拌した(該混合物を約23時間撹拌したが、水素の取り込みの分析から、水素化は10時間以内で実質的に完了したことが示された。)。該混合物をセライトのパッドによって濾過して、白金触媒を除去し、該濾過ケーキを精製水(100kg、100L)で洗浄し、かつ該白金触媒を再利用のために回収した。該濾液を≦15℃まで冷却し、32%の塩酸(1646kg、約1371L)を添加して、低pH溶液中で、テトラヒドロビオプテリンをより安定なその二塩酸塩に変換した。該水溶液のpHを調べて、2.5℃±2.5でpH値<1であるかを検証した。
(C. 「粗製」の(6R)-サプロプテリン二塩酸塩の単離)
粗製の(6R)-サプロプテリン二塩酸塩を含有する上記の水溶液を、減圧下(≦200mbar)及びTI(該溶液の初期温度)≦60℃で、カール・フィッシャー法による該混合物の含水量が、30%〜36% w/wになるまで濃縮した(ジアセチルビオプテリンの加水分解及び続く酸性化から生成した酢酸との共沸による水の蒸留)。塩酸(32%、約160kg、約133L)を添加し、該溶液を55℃まで加熱し、次いで、35℃まで冷却し、35℃で1時間撹拌した。BH4二塩酸塩は、約45℃で結晶化し始めたが、該溶液は、(6R)-BH4二塩酸塩の種結晶をまいて結晶化を誘発することができる。減圧下(≦200mbar)及びTI≦60℃で、カール・フィッシャーによるその含水量が22%〜28% w/wになるまで、得られた混合物を蒸留した。エタノール(750kg、949L)及び1-ブタノール(165kg、204L)を添加し、該混合物を55℃で1時間撹拌した。該混合物を35℃まで冷却して結晶化を促進し、得られた結晶化生成物を濾過し、該濾過ケーキをエタノール(≧72kg、91L)で洗浄した。
(D. 純粋な(6R)-サプロプテリン二塩酸塩の単離)
上記からの比較的「粗製」な(6R)-サプロプテリン二塩酸塩(約264kgの乾燥生成物に対応する約320kgの湿潤生成物)を水(923kg、923L)に溶解した。水(170kg、170L)中の活性炭L2S(17kg)のスラリーを添加し、続いて、Vitacel FAC 200(40kg)(又は類似の濾過助剤)を添加し、該混合物を25℃±5で少なくとも15分間撹拌し、次いで、湿ったVitacel FAC 200(40kg)をコーティングしたヌッチェ(吸引漏斗)で濾過した。該濾過ケーキを精製水(264kg、264L)で洗浄した。該透明な黄色の濾液に塩酸(32%、384kg、約320L)を添加し、水の最初のかたまり(510kg、510L)を減圧下(≦200mbar)、30〜60℃で蒸留した。1-ブタノール(538kg、664L)を添加し、該混合物を減圧(50〜200mbar)下、30〜60℃で蒸留して、ディーン・スターク・トラップ(約838kg、838L)にそれ以上水が溜まらなくなるまで、水を共沸した。該混合物の含水量をカール・フィッシャー法によって測定して、≦ll% w/wの値を確認した。
(6R)-サプロプテリン二塩酸塩を結晶化するために、上記混合物に無水エタノール(1767kg、2237L)を添加し、次いで、これを55℃まで加熱した。該懸濁液を少なくとも1時間にわたって35℃まで冷却し、35℃で更に3時間撹拌した。該混合物を濾過し、該濾過ケーキを温エタノール(35℃、総量340kg(430L))で2回洗浄した。該濾過した固形物を、乾燥による損失が≦0.1% w/wになるまで、≦60℃で3〜48時間乾燥し、99.8%純度の(6R)-L-エリトロ-サプロプテリン二塩酸塩(約232kg)を得た。
本明細書中に記載した開示の全ての実施態様又は態様は、任意に、本明細書中に記載の1つ以上の他の実施態様又は態様と組合せ得ることが理解される。
該開示の前記の説明は、単にその理解の目的のために提供され、その範囲内での開示の変更は当業者には明らかであろう。
本明細書に開示した方法及びその各々の工程の実施は、手操作で、及び/又は電子装置の支援によって実行できる。特定の実施態様を参照して本方法を説明してきたが、本方法に関連する作用及び工程を実行する他の方法も使用し得ることが、当業者には容易に理解されるであろう。例えば、様々な工程の順序は、別途記載がない限り、本方法の範囲又は精神から逸脱することなく変更することができる。加えて、各々の工程のいくつかを組合せる、省力する、又は追加的な工程に更に細分化することができる。
本明細書中に記載した全ての特許、出版物、及び参考文献は、参照によりその全体を本明細書中に組み込まれている。本開示と組み込まれた特許、出版物、及び参考文献との間で矛盾する場合は、本開示に統制されるべきである。

Claims (45)

  1. ビオプテリンの製造方法であって、水を含有する水相及び水不混和性有機溶媒を含有する有機相を含む二相性混合物において、塩基の存在下で、ジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解することを含み、ここで該水相が、約10のpHを有する、前記製造方法。
  2. 前記水相が、少なくとも約11のpHを有する、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記塩基が、アミンである、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記塩基が、ジエチルアミンである、請求項1〜3のいずれか一項記載の製造方法。
  5. 前記水不混和性有機溶媒が、アルコールである、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
  6. 前記水不混和性有機溶媒が、1-ブタノールである、請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
  7. 前記加水分解反応が、約20℃〜約50℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 前記加水分解反応が、約40℃で行われる、請求項1〜7のいずれか一項記載の製造方法。
  9. 前記水相中のジアセチルビオプテリンの濃度が、約150mg/mL〜約300mg/mLである、請求項1〜8のいずれか一項記載の製造方法。
  10. 前記反応混合物から前記ビオプテリンを回収することを更に含み、該回収は、ジアセチルビオプテリンの加水分解が実質的に完了した後に、該反応混合物の水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の製造方法。
  11. 前記分離した有機相を水で1回以上抽出して、該有機相に残留する任意のビオプテリンを回収することを更に含み、該抽出は、該有機相を所定量の水と混合して混合物を形成すること、該混合物の水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む、請求項10記載の製造方法。
  12. 前記収集した水相に塩基を添加して、得られた水性混合物のpHを、少なくとも約10まで上昇させることを更に含む、請求項10又は11記載の製造方法。
  13. 前記水性混合物のpHが、少なくとも約11まで上昇する、請求項12記載の製造方法。
  14. 前記塩基が、アミンである、請求項12又は13記載の製造方法。
  15. 前記塩基が、トリエチルアミンである、請求項12〜14のいずれか一項記載の製造方法。
  16. 約14bar〜約100barの水素圧下、金属触媒の存在下で、前記水性混合物中のビオプテリンをテトラヒドロビオプテリンに水素化することを更に含む、請求項12〜15のいずれか一項記載の製造方法。
  17. 前記水素圧が、約20bar〜約50barである、請求項16記載の製造方法。
  18. 前記水素圧が、約50barである、請求項16又は17の製造方法。
  19. 前記金属触媒が、白金触媒である、請求項16〜18のいずれか一項記載の製造方法。
  20. 前記金属触媒が、白金黒である、請求項16〜19のいずれか一項記載の製造方法。
  21. 前記金属触媒の量が、ジアセチルビオプテリンを加水分解する前のジアセチルビオプテリンの量に基づいて、又はビオプテリンを水素化する前のビオプテリンの量に基づいて、約2mol%〜約8mol%である、請求項16〜20のいずれか一項記載の製造方法。
  22. 前記水素化が、約0℃〜約40℃の温度で行われる、請求項16〜21のいずれか一項記載の製造方法。
  23. 前記水素化が、約20℃〜約30℃の温度で行われる、請求項16〜22のいずれか一項記載の製造方法。
  24. 前記水性混合物中のビオプテリンの濃度が、約2% w/w〜約8% w/wである、請求項16〜23のいずれか一項記載の製造方法。
  25. テトラヒドロビオプテリンが、少なくとも約7:1の6R:6Sジアステレオマー比で形成される、請求項16〜24のいずれか一項記載の製造方法。
  26. テトラヒドロビオプテリンが、少なくとも約10:1の6R:6Sジアステレオマー比で形成される、請求項16〜25のいずれか一項記載の製造方法。
  27. ビオプテリンの水素化が実質的に完了した後に、前記水性混合物を濾過して、前記金属触媒を除去することを更に含む、請求項16〜26のいずれか一項記載の製造方法。
  28. 前記濾過した水性混合物に塩酸を添加して、該混合物のpHを約3以下まで低下させることを更に含む、請求項27記載の製造方法。
  29. 前記水性混合物のpHが、約1以下まで低下される、請求項28記載の製造方法。
  30. 前記水性混合物を減圧下で濃縮し、水を除去して、第1の濃縮混合物を形成することを更に含む、請求項28又は29記載の製造方法。
  31. 前記水性混合物が、約30℃〜約70℃の温度で濃縮される、請求項30記載の製造方法。
  32. 前記第1の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、及び得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留水を除去して、第2の濃縮混合物を形成することを更に含む、請求項30又は31記載の製造方法。
  33. 前記有機溶媒が、1-ブタノールである、請求項32記載の製造方法。
  34. 前記第1の濃縮混合物又は前記第2の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、
    得られた混合物を約40℃〜約70℃の温度まで加熱すること、
    前記混合物を約0℃〜約40℃の温度まで冷却すること、
    任意に、該混合物に(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の種結晶を添加して、結晶化を促進すること、及び
    該混合物を濾過して、(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩を単離することを更に含む、請求項30〜33のいずれか一項記載の製造方法。
  35. 前記有機溶媒が、エタノールである、請求項34記載の製造方法。
  36. 前記単離された(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩が、多形Bと表される結晶形態である、請求項34又は35記載の製造方法。
  37. テトラヒドロビオプテリンの製造方法であって:
    水を含有する水相及び水不混和性有機溶媒を含有する有機相を含む二相性混合物において、塩基の存在下で、ジアセチルビオプテリンをビオプテリンに加水分解し、ここで該水相が、少なくとも約10のpHを有すること;
    任意に、ジアセチルビオプテリンの加水分解が実質的に完了した後に、該水相と該有機相とを分離させること、及び任意に、該水相を水性混合物として収集すること;並びに
    約14bar〜約100barの水素圧下、金属触媒の存在下、該水性混合物又は該二相性混合物の水相において、ビオプテリンをテトラヒドロビオプテリンに水素化し、ここで該水性混合物又は該水相が、少なくとも約10のpHを有することを含む、前記製造方法。
  38. 前記加水分解反応の実質的な完了後に、該反応混合物から前記ビオプテリンを回収することを含み、該回収は、ジアセチルビオプテリンの加水分解が実質的に完了した後に、該反応混合物の水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む、請求項37記載の製造方法。
  39. 前記分離した有機相を水で1回以上抽出して、該有機相に残留する任意のビオプテリンを回収することを更に含み、該抽出は、該有機相を所定量の水と混合して混合物を形成すること、該混合物の水相と有機相とを分離させること、及び該水相を収集することを含む、請求項38記載の製造方法。
  40. 前記水素化の前に、前記収集した水相に塩基を添加して、得られた水性混合物のpHを、少なくとも約10まで上昇させることを更に含む、請求項38又は39記載の製造方法。
  41. 前記ビオプテリンの水素化が、実質的に完了した後に、
    前記水性混合物又は前記二相性混合物を濾過して、前記金属触媒を除去すること、及び
    二相性混合物の場合に、該水相と該有機相とを分離させること、及び該水相を水性混合物として収集することを更に含む、請求項37〜40のいずれか一項記載の製造方法。
  42. 前記水性混合物に塩酸を添加して、該混合物のpHを約3以下まで低下させることを更に含む、請求項41記載の製造方法。
  43. 前記水性混合物を減圧下で濃縮し、水を除去して、第1の濃縮混合物を形成することを更に含む、請求項42記載の製造方法。
  44. 前記第1の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、及び得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留水を除去して、第2の濃縮混合物を形成することを更に含む、請求項43記載の製造方法。
  45. 前記第1の濃縮混合物又は前記第2の濃縮混合物に有機溶媒を添加すること、
    得られた混合物を約40℃〜約70℃の温度まで加熱すること、
    該混合物を約0℃〜約40℃の温度まで冷却すること、
    任意に、該混合物に(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の種結晶を添加して、結晶化を促進すること、及び
    該混合物を濾過して、(6R)-L-エリトロ-テトラヒドロビオプテリン二塩酸塩を単離することを更に含む、請求項43又は44記載の製造方法。
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