JP2011503094A - 抗b因子抗体およびそれらの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、B因子拮抗薬の投与による、脈絡膜新生血管(CNV)および加齢黄斑変性(AMD)などの補体関連眼病態の予防および治療に関する。一実施形態において、上記抗体は、抗B因子抗体1F7の軽鎖超可変領域配列および/または重鎖超可変領域配列(それぞれ配列番号1および2)を含む抗B因子抗体である。別の実施形態において、上記抗体は、抗B因子抗体1F7の軽鎖可変領域配列および/または重鎖可変領域配列(それぞれ配列番号1および2)を含む抗B因子抗体である。

Description

本発明は、抗B因子抗体ならびに脈絡膜新生血管(CNV)、糖尿病網膜症および加齢黄斑変性(AMD)などの補体関連眼病態の予防および治療におけるそれらの使用に関する。
補体系は、普通、不活性なプロ酵素の形態で存在する一連の血清糖タンパク質で構成される複雑な酵素カスケードである。2つの主要な経路、古典経路および代替経路が補体を活性化でき、これらはC3のレベルで合流し、2種の類似のC3コンバターゼ(convertase)がC3をC3aおよびC3bに切断する。
マクロファージは、細胞表面に発現される同定タグの構造、所謂分子パターンのわずかな違いを認識するための先天的な能力が発達した専門細胞である(非特許文献1;非特許文献2)。これらの表面構造の直接認識は、先天性免疫の基本的な様相であるが、オプソニン化により、一般的マクロファージ受容体が貪食を媒介することが可能になり、食細胞の効率を強化し、食細胞の認識レパートリーを多様化する(非特許文献3)。食作用の過程には多数のリガンド−受容体相互作用が関与し、免疫グロブリン、コレクチンおよび補体成分を含むさまざまなオプソニンが、マクロファージの細胞表面受容体との相互作用を介して、病原体の取込みに必要な細胞活動を導くことが現在明らかである(非特許文献4;非特許文献5により概説された)。生殖細胞遺伝子によりコードされる天然の免疫グロブリンは、広範囲の病原体を認識できるが、オプソニン化IgGの大部分は適応免疫を介して生成し、したがってFc受容体を介した有効なクリアランスは即時ではない(非特許文献6)。他方、補体は、病原体表面分子を迅速に認識し、補体受容体による取り組み用に粒子を準備する(非特許文献7)。
補体は、補体受容体による認識のために広範なさまざまな病原体をオプソニン化する、30を超える血清タンパク質からなる。カスケードの最初の引き金に応じて、3通りの経路に識別できる(非特許文献8により概説される)。3通りの経路のすべてが中心成分C3を活性化する共通のステップを共有するが、それらは認識の性質およびC3の活性化をもたらす初期生化学的ステップに従って異なる。古典経路は病原体表面に結合した抗体により活性化され、それらが今度は順にC1q補体成分に結合し、最終的にC3をその活性形態であるC3bに切断するセリンプロテアーゼカスケードを作動させる。レクチン経路は、レクチンタンパク質による炭水化物モチーフの認識後に活性化される。今日までに、この経路の3種のメンバー:マンノース結合レクチン(MBL)、SIGN−R1のレクチンファミリーおよびフィコリンが同定されている(非特許文献9)。MBLおよびフィコリンは双方とも、セリンプロテアーゼと会合しており、これらは、古典経路におけるC1のように作用し、C2およびC4成分を活性化し、中心的C3ステップに導く。代替経路は古典経路およびレクチン経路の双方と対照をなし、代替経路は、内部C3エステルと、病原体表面の認識モチーフとの直接反応により活性化される。C3と活性化表面との初期の結合は、代替経路プロテアーゼB因子およびB因子の作用を介して、C3bの沈着の迅速な増幅をもたらす。重要なことには、古典経路またはレクチン経路のいずれかにより沈着したC3bもまた、B因子およびD因子の作用を介してC3bの沈着の増幅をもたらし得る。補体活性化の3通りの経路すべてにおいて、オプソニン化の中心的なステップは、C3成分からC3b成分への転換である。補体カスケードの酵素によりC3が切断されることによって、チオエステルが求核攻撃にさらされ、C3bが抗原表面上にチオエステルドメインを介して共有結合することが可能となる。これが、補体オプソニン化における初期ステップである。それに続く結合C3bのタンパク質分解により、さまざまな受容体により認識されるiC3b、C3cおよびC3dg断片がもたらされる(非特許文献10)。この切断により、C3bの沈着をさらに増幅し、そして膜侵襲複合体(直接膜を損傷できる)を含む補体カスケードの後期成分を活性化する、C3bの能力が消失する。しかし、マクロファージの食細胞受容体は、エステル結合形成の多用途性によりC3bおよびその断片を選択的に認識し、C3媒介オプソニン化が病原体認識の中心であり(非特許文献11)、したがって、さまざまなC3分解産物の受容体は宿主免疫応答において重要な役割を果たす。
C3それ自体は、13の異なるドメインからなる複雑かつ柔軟なタンパク質である。この分子のコアは、8つの、所謂マクログロブリン(MG)ドメインで構成され、これらは密に詰まったC3のα鎖およびβ鎖を構築する。この構造に、CUB(Clr/Cls、Uegfおよび骨形成タンパク質−1(bone mophogenetic protein−1))およびTEDドメインが挿入されており、後者は病原体表面とのC3bの共有結合を可能にするチオエステル結合を含有する。残りのドメインはC3aを含有するか、またはコアドメインのリンカーおよびスペーサーとして作用する。C3bおよびC3cの構造をC3と比較することにより、この分子が個々のタンパク質分解により、大きな高次構造の再配置を行うことが実証され、これらはTEDを露出させるだけでなく、細胞受容体と相互作用できるさらなる新しい分子表面も露出させる(非特許文献12)。
加齢黄斑変性(AMD)は、世界中で高齢者の失明の主原因となっている。AMDは、繊細な視力を担う、眼網膜の高度に特殊化した領域である黄斑の変性および血管新生変化に起因する中心視野の進行性消失を特徴とする。最近の見積もりは、1400万人の人々がAMDのために盲目であるかまたは重度の視覚障害であることを示している。この疾患は、老年者集団および彼らの家族の肉体的および精神的健康に多大な影響を与え、公衆衛生の大きな負担になりつつある。
しかし、新たな発見により、早期のAMDに伴う重要な細胞事象、遺伝因子および生化学的過程のより明確な像が得られ始めた。
B因子は、厳格に制御された、高度に特異的なセリンプロテアーゼである。B因子は、その活性型において、補体活性化の中心増幅ステップを触媒し、炎症反応、細胞溶解、食作用およびB細胞刺激を開始する(非特許文献13)。B因子は、集合過程を介して活性化される。すなわち、B因子は表面結合C3bまたはその液相対応物C3(HO)に結合し、その後、B因子により、断片Ba(残基1〜234)およびBb(残基235〜739)に切断される(非特許文献14)。断片Baは複合体から解離し、代替経路のC3コンバターゼ複合体C3b−Bbを残し、これが、C3をC3aとC3bとに切断する。このプロテアーゼ複合体は、もともと不安定である。ひとたび複合体から解離すると、Bbは、C3bに再会合できない(非特許文献15)。
プロ酵素であるB因子は、3種のN末端補体調節タンパク質(CCP)ドメインからなり、45残基のリンカーによりVWAドメインおよび触媒中心を有するC末端セリンプロテアーゼ(SP)ドメインとに連結されている。他のセリンプロテアーゼとの著しい違いは、B因子の活性中心に観察される(非特許文献16)。触媒性の3つ組みの残基である、Asp102、His57およびSer195(キモトリプシノーゲンの付番をセリンプロテアーゼドメインに使用した)ならびに非特異的基質結合部位を形成する3残基Ser−Trp−Gly 214〜216は、典型的な高次構造を有する。しかし、オキシアニオンホールは、特定のチモーゲンに観察されるものと類似の不活性な高次構造を表す。これは主に、Arg192のカルボニル酸素の内向きの配向性によるものであり、その骨格は、Cys191、Gly193およびAsp194の骨格とともに、単一のターン310−へリックス高次構造をとる。Arg192のカルボニル酸素はSer195のアミド基とH結合を形成し、それによって活性オキシアニオンホールを特徴付ける正電荷が減少している。オキシアニオンホールのこの不活性な配置は、C3コンバターゼにより発現される高い触媒活性と両立できない。したがって、オキシアニオンホールの構造要素の再配列をもたらす高次構造変化が、補因子、基質または双方により誘導されているのにちがいない。
B因子のレベルは、血漿中では比較的高く、約1665nMであるが、眼では低く、約29nMである。したがって、B因子は、抗体療法のための魅力的な標的となる。本発明は、AMDおよび他の補体関連眼病態の予防および治療のための抗B因子抗体を提供する。
Taylorら、Eur J Immunol 33巻、2090〜2097頁(2003年) Taylorら、Annu Rev Immunol 23巻、901〜944頁(2005年) StuartおよびEzekowitz、Immunity 22巻、539〜550頁(2005年) AderemおよびUnderhill、Annu Rev Immunol 17巻、593〜623頁、(1999年) UnderhillおよびOzinsky、Annu Rev Immunol 20巻、825〜852頁(2002年) Carroll、Nat Immunol 5巻、981〜986頁(2004年) Brown、Infect Agents Dis 1巻、63〜70頁(1991年) (Walport、N Engl J Med 344巻、1058〜1066頁(2001年) Pyzら、Ann Med 38巻、242〜251頁(2006年) RossおよびMedof、Adv Immunol 37巻、217〜267巻(1985年) Holersら、Immunol Today 13巻、231〜236頁(1992年) JanssenおよびGros、Mol Immunol 44巻、3〜10頁(2007年) Carrollら、Nat. Immunol. 5巻:981〜986頁(2004年) Fishelsonら、J.Immunol.132巻:1430〜1434頁(1984年) Pangburnら、Bochem.J.235巻:723〜730頁(1986年) Xuら、Immunol.Rev.180巻:123〜135頁(2001年)
本発明は、400の異なるクローンのスクリーニングから、溶血アッセイにおけるその低IC50値およびカニクイザルB因子とのその交差反応性に基づいて選択された、抗B因子抗体産生ハイブリドーマの同定に、少なくとも一部は基づく。
一態様において、本発明は、本質的に、抗B因子抗体1F7と同じエピトープに結合する抗B因子抗体に関する。
一実施形態において、上記抗体は、抗B因子抗体1F7の軽鎖超可変領域配列および/または重鎖超可変領域配列(それぞれ配列番号1および2)を含む抗B因子抗体である。
別の実施形態において、上記抗体は、抗B因子抗体1F7の軽鎖可変領域配列および/または重鎖可変領域配列(それぞれ配列番号1および2)を含む抗B因子抗体である。
さらに別の実施形態において、上記抗B因子抗体は、配列番号1の軽鎖配列および配列番号2の重鎖配列を含む抗体1F7である。
さらなる実施形態において、上記抗B因子抗体が抗体断片であり、これは、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、(scFv)、dAb、相補性決定領域(CDR)断片、線状抗体(linear antibody)、一本鎖抗体分子、ミニボディ、ダイアボディおよび抗体断片から形成される多重特異性抗体からなる群から選択され得る。
すべての実施形態において、上記抗体は、モノクロナール抗体であることが好ましく、例えばキメラ、ヒト化またはヒト抗体であり得る。
別の態様において、本発明は、必要とする対象に有効量のB因子拮抗薬を投与するステップを含む、補体関連眼病態の予防または治療のための方法に関する。
さまざまな実施形態において、必要とする対象はヒトなどの哺乳動物であり、B因子拮抗薬は、抗B因子抗体およびそれらの断片、結合性のポリペプチド、ペプチドおよび非ペプチド小分子からなる群から選択される。
好ましい実施形態において、上記B因子拮抗薬は、本明細書の上記に定義した抗体または抗体断片である。
補体関連眼病態には、例えば、加齢黄斑変性(age−relared macular degeneration)(AMD)、脈絡膜新生血管(CNV)、ブドウ膜炎、糖尿病性および他の虚血関連網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォンヒッペル−リンダウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞(CRVO)、角膜新生血管、ドライアイおよび網膜新生血管が含まれる。
別の態様において、本発明は、B因子拮抗薬および前記拮抗薬を投与して補体関連眼病態を治療するための指示書を含むキットに関する。
さらに別の態様において、本発明は、補体関連眼病態の治療用薬剤の調製におけるB因子拮抗薬の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、補体関連眼病態の治療における使用のためのB因子拮抗薬に関する。
表1は、ELISAにより補体成分のレベルを測定のための、ヒトドナーの眼の切開方法を表す表である。 表2は、本研究に使用したドナー組織の表である。 図1Aは、正常なドナーおよびAMDドナーの眼から得た、硝子体液中およびBruch膜中のB因子のレベルを示す図である。B因子のレベルを、記載したようにB因子特異的ELlSAにより測定した。図1Bは、眼中のB因子の総レベルを、Bruch膜中に発現したB因子の総寄与および硝子体液中に発見されたB因子の総量を計算することにより決定した図である。 補体の代替経路に対して選択的な溶血アッセイにおける抗B因子抗体1F7の特徴付けを示す図である。IC50値およびIC90値を下に示し、アッセイは方法の項に記載したように実施した。 抗B因子抗体1F7の重鎖および軽鎖(配列番号1および2)のポリペプチド配列を示す図である。 ヒトB因子ポリペプチド(配列番号3)のポリペプチド配列を示す図である。
定義
「B因子」および「補体B因子」という用語は、同じ意味で使用され、ネイティブ配列および変異体のB因子のポリペプチドを指す。補体B因子に関する当分野において公知の別称には、B−因子、プロパージン、C3プロアクセルレーター、C3プロアクチベーター、C3/C5コンバターゼおよびグリシンリッチβグリコプロテインが含まれる。
「ネイティブ配列」のB因子は、その調製方法にかかわらず、天然に由来するB因子ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドである。したがって、ネイティブ配列のB因子は、天然から単離することもでき、または組み換え手法および/または合成手法によって生産することもできる。成熟ヒトB因子タンパク質(配列番号3)などの成熟B因子タンパク質に加えて、「ネイティブ配列のB因子」という用語は、B因子の天然存在の前駆体型(例えば、不活性プレタンパク質、これはタンパク質分解的に切断され、活性型になる)、天然存在の変異体型(例えば、選択的スプライシング型)およびB因子の天然存在の対立遺伝子変異体ならびに天然由来のB因子ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するB因子分子の構造的高次構造変異体を特に包含する。高等霊長類および非ヒト哺乳動物を含む非ヒト動物のB因子ポリペプチドは、本定義に特に含まれる。
「B因子変異体」または「補体B因子変異体」は、以下に定義の配列番号3のネイティブ配列のヒトB因子ポリペプチドなどのネイティブ配列のB因子ポリペプチドに対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する、活性B因子ポリペプチドを意味する。通常、B因子変異体は、配列番号3の成熟ヒトアミノ酸配列と、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、または少なくとも約99%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。配列同一性が、B因子の活性部位内において最も高いことが好ましい。
B因子のセリンプロテアーゼドメインの結晶構造は、Jingら、EMBO J.19巻:164〜173頁(2000年)により公開され、B因子の結晶構造は、Milderら、Natl. Struct. Mol. Biol、14巻(3号):224〜8頁(2007年)により報告されている。B因子の「活性部位」は、触媒性の3つ組みの残基(H57、D102およびS195、キモトリプシンの付番を使用)および非特異的基質結合部位(W215〜G216)により定義される。
「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、最大パーセントの配列同一性を得るために、配列のアライメントを行いそして必要に応じてギャップを導入し、そしていかなる保存的置換も配列同一性の一部として考えないその結果、参照のB因子配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、当技術分野の技能の範囲のさまざまな方法で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの一般に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成できる。当業者は、比較する配列の全長にわたる最大アライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含めた、アライメントを決定するための適切なパラメーターを決定できる。その後、配列同一性をより長い配列と比較して計算する、すなわち、より短い配列が、より長い配列の一部に対して100%の配列同一性を示すとしても、全配列同一性は100%未満であろう。
「パーセント(%)核酸配列同一性」は、最大パーセントの配列同一性を得るために、配列のアライメントを行いそして必要に応じてギャップを導入した後、参照のB因子コード配列中のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、当技術分野の技能の範囲のさまざまな方法で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)のソフトウェアなどの一般に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成できる。当業者は、比較する配列の全長にわたる最大アライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含めた、アライメントを決定するための適切なパラメーターを決定できる。その後、配列同一性をより長い配列と比較して計算する、すなわち、より短い配列が、より長い配列の一部に対して100%の配列同一性を示すとしても、全配列同一性は100%未満であろう。
「単離された」核酸分子は、同定され、その核酸の天然供給源中で通常、随伴している、少なくとも1種の混入核酸分子から分離される核酸分子である。単離された核酸分子は、天然に見出される形態または状態ではない。したがって、単離された核酸分子は天然細胞中に存在するような核酸分子とは区別される。しかし、単離された核酸分子は、例えば、その核酸分子が、天然細胞の染色***置とは異なる染色***置に存在する、コードされているポリペプチドを通常に発現する細胞に含有されている核酸分子が含まれる。
「単離された」B因子ポリペプチドをコードする核酸分子は、同定され、そのB因子をコードする核酸の天然供給源中で通常、随伴している少なくとも1種の混入核酸分子から分離される核酸分子である。単離されたB因子ポリペプチドをコードする核酸分子は、天然に見出される形態または状態ではない。したがって、単離されたB因子ポリペプチドをコードする核酸分子は、天然細胞中に存在するような(1または複数の)コード核酸分子とは区別される。しかし、単離されたB因子をコードする核酸分子は、例えば、その核酸分子が、天然細胞の染色***置とは異なる染色***置に存在する、B因子を通常発現する細胞に含有されているB因子をコードする核酸分子が含まれる。
「拮抗薬」という用語は最も広い意味で使用され、B因子の生物活性を中和、遮断、部分的または完全に阻害、抑制、低減または干渉できる任意の分子を含む。B因子拮抗薬は、限定されるものではないが、B因子に結合し、補体関連眼病態の病状に関与するB因子の能力などのB因子の活性を、中和、遮断、部分的または完全に阻害、抑制、低減または干渉できる、抗B因子抗体およびそれらの抗原結合断片、他の結合ポリペプチド、ペプチドおよび非ペプチド小分子が含まれる。
「小分子」は、本明細書において約600ダルトン未満、好ましくは約1000ダルトン未満の分子量を有するものと定義する。
本発明のB因子拮抗薬の関連において「活性な」または「活性」または「生物活性」は、B因子の生物活性と拮抗する(部分的または完全に阻害する)能力である。B因子拮抗薬の好ましい生物活性は、例えば補体関連眼病態などのB因子関連疾患または病態の状態、例えば、病状の測定可能な改善を達成する能力である。活性は、関連動物モデルを使用した結合アッセイあるいはヒト臨床試験を含むインビトロ試験またはインビボ試験において決定できる。
「補体関連眼病態」という用語は最も広い意味で使用し、その病状が、補体の古典経路および代替経路、特に代替経路を含む、補体に関連するすべての眼病態を含む。補体関連眼病態は、限定されるものではないが、ドライ型およびウェット型(非滲出型および滲出型)を含む全段階の加齢黄斑変性(AMD)などの黄斑変性疾患、脈絡膜新生血管(CNV)、ブドウ膜炎、糖尿病性および他の虚血関連網膜症ならびに他の眼内血管新生疾患、例えば、糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォンヒッペル−リンダウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞(CRVO)、角膜新生血管および網膜新生血管などを含む。補体関連眼病態の好ましい群は、非滲出型(ウェット)および滲出型(ドライまたは委縮)AMDを含む加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新生血管(CNV)、糖尿病網膜症(DR)および眼内炎を含む。
「治療」は、障害の病状の進行または変化を予防する意図で実施される介入である。したがって、「治療」は、治療的処置および予防的または防止対策の双方を指す。治療を必要とする者としては、既にその障害を患っている者、ならびにその障害を予防しようとする者が挙げられる。免疫関連疾患の治療において、治療薬は、免疫応答成分の応答の大きさを直接改変できるか、または他の治療薬、例えば抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、化学療法薬などにより、疾患がより治療されやすくすることができる。
補体関連眼病態などの疾患の「病状」は、患者の健康な状態を危険にさらすすべての現象を含む。これは、限定されるものではないが、異常なまたは調節不能な細胞増殖(好中球、好酸球、単球、リンパ球)、抗体産生、自己抗体産生、補体産生、近隣細胞の正常な機能への干渉、サイトカインまたは他の分泌産物の異常なレベルでの放出、任意の炎症反応または免疫応答の抑制または悪化、炎症細胞(好中球、好酸球、単球、リンパ球)の細胞空間への浸潤を含む。
本明細書において使用する「哺乳動物」という用語は、限定されるものではないが、ヒト、高等霊長類、家畜および畜産動物ならびにウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコおよびフェレットなどの動物園、スポーツまたはペット用の動物を含めた、哺乳動物に分類される任意の動物を指す。本発明の好ましい実施形態において、哺乳動物はヒトである。
1種または複数種のさらなる治療薬との「併用」投与は、同時(並行)投与および任意の順番の連続投与を含む。
「治療有効量」は、例えば補体関連眼病態などの標的疾患または病態の状態、例えば病状において、測定可能な改善を達成するために必要な「B因子拮抗薬」の量である。
「制御配列」という用語は、特定の宿主生物において動作可能に連結したコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に適切な制御配列は、例えば、プロモーター、場合によりオペレーター配列およびリボソーム結合部位を含む。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを利用することが公知である。
核酸は、別の核酸配列と機能的な関係で配置されたときに「動作可能に連結」される。例えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現する場合、ポリペプチドのためのDNAに動作可能に連結され、プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に作用する場合、コード配列に動作可能に連結され、あるいは、リボソーム結合部位は、翻訳を容易にするように配置された場合、コード配列に動作可能に連結される。一般的に、「動作可能に連結」は、連結されるDNA配列が連続しており、分泌リーダーの場合は、連続しており、かつリーディングフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは連続している必要はない。連結は、都合のよい制限部位においてライゲーションによって達成される。このような部位が存在しない場合、従来の実践に従って合成ヌクレオチドのアダプターまたはリンカーを使用する。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者により容易に決定でき、一般的に、プローブの長さ、洗浄温度および塩濃度に依存した経験的計算である。一般的に、プローブが長いほど、適切なアニーリングに必要な温度が高くなり、一方、プローブが短いほど必要な温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、相補鎖が、それらの融解温度未満の環境に存在する場合、一般的に変性DNAのリアニールする(reanneal)能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列との所望の相同性の度合が高いほど、使用できる相対温度が高くなる。したがって結果として、相対温度が高いほど、反応条件がよりストリンジェントになり、温度が低いほど、ストリンジェントではなくなる傾向がある。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーのさらなる詳細および説明に関しては、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley Interscience Publishers、(1995年)を参照されたい。
本明細書において定義する「ストリンジェントな条件」または「高いストリンジェントな条件」は、(1)洗浄に関して低イオン強度および高温、例えば、0.015M 塩化ナトリウム/0.0015M クエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを50℃において用いる:(2)ハイブリダイゼーション中、ホルムアミドなどの変性剤、例えば、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1% ポリビニルピロリドン/50mM リン酸ナトリウム緩衝液pH6.5(750mM 塩化ナトリウム、75mM クエン酸ナトリウムを含む)を含む50%(v/v)ホルムアミドを42℃において用いる;あるいは(3)50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075M クエン酸ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×Denhardt液、超音波処理したサケ***DNA(50μg/ml)、0.1%SDSおよび10%硫酸デキストランを42℃において用い、42℃において0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)で洗浄し、50%ホルムアミドで55℃において洗浄し、その後、55℃においてEDTAを含む0.1×SSCからなる高いストリンジェンシー洗浄を続ける条件により特定できる。
「適度にストリンジェントな条件」は、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、New York: Cold Spring Harbor Press、1989年に記載のように特定でき、上記の条件よりストリンジェントではない洗浄溶液およびハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度およびSDS%)の使用を含む。適度にストリンジェントな条件の例は、37℃において、20% ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt液、10%硫酸デキストランおよび20mg/mLの変性せん断サケ***DNAを含む溶液中で一晩インキュベートし、その後、フィルターを1×SSC中で約37〜50℃において洗浄する。当業者は、プローブの長さなどの適合因子に必要な、温度、イオン強度などの調整の仕方を認識するであろう。
本明細書において使用する場合、「エピトープタグ化」という用語は、「タグポリペプチド」に融合した本発明のポリペプチドを含むキメラポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、エピトープに対して抗体が作製され得るエピトープを提供するための十分な残基を有するが、融合するポリペプチドの活性に干渉しない程度に短い。タグポリペプチドは、抗体が実質的に他のエピトープと交差反応しないように極めて独特であることがさらに好ましい。適切なタグポリペプチドは、一般的に少なくとも6個のアミノ酸残基を有し、通常約8個から50個のアミノ酸残基の間である(約10個から20個のアミノ酸残基であることが好ましい)。
「抗体」という用語は最も広い意味で使用され、限定されるものではないが、単一の抗B因子モノクロナール抗体(作動薬、拮抗薬および中和抗体を含む)およびポリエピトープ特異性を有する抗B因子抗体組成物を特に包含する。本明細書において使用する「モノクロナール抗体」という用語は、実質的に同質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る天然存在の突然変異の可能性を別にすれば同一である。
本明細書において使用する「モノクロナール抗体」という用語は、実質的に同質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る天然存在の突然変異の可能性を別にすれば同一である。モノクロナール抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性部位を対象とする。さらに、さまざまな決定基(エピトープ)を対象とするさまざまな抗体を通常含む、従来の(ポリクロナール)抗体調製品とは対照的に、個々のモノクロナール抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。修飾語句「モノクロナール」は、抗体の実質的に同質な集団から得られる抗体の特性を示し、任意の特定の方法による抗体の作製の要求として解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクロナール抗体は、Kohlerら、(1975年) Nature 256巻:495頁に最初に記載されたハイブリドーマ法により作製でき、または組み換えDNA法により作製できる(米国特許第4,816,567号を参照されたい)。「モノクロナール抗体」は、例えば、 Clacksonら、(1991年)Nature 352巻:624〜628頁およびMarksら、(1991年)J. Mol. Biol. 222巻:581〜597頁に記載の技術を使用して、ファージ抗体ライブラリから単離することもできる。
本明細書においてモノクロナール抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応配列と同一または相同であり、一方、その(1または複数の)鎖の残部は、別の種に由来する抗体または別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応配列に同一または相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびにこのような抗体の断片を、それらが所望の生物活性を示す限り、明確に含む(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、(1984年)Proc. Natl. Acad. Sci USA 81巻:6851〜6855頁)。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含むキメラ抗体である。ほとんどの部分に関して、ヒト化抗体は、レピシエントの超可変領域由来の残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基と置き換えられた、ヒト免疫グロブリン(レピシエント)である。一部の例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レピシエント抗体またはドナー抗体中に見出されない残基を含むことができる。これらの改変は、さらに抗体の性能を改善するために実施される。一般的に、ヒト化抗体は、少なくとも1種、通常2種の可変ドメインの実質的に全部を含み、可変ドメインにおいて、超可変ループの全部または実質的に全部は非ヒト免疫グロブリンの超可変ループの全部または実質的に対応し、FR領域の全部または実質的に全部は、ヒト免疫グロブリン配列のFR領域の全部または実質的に全部である。ヒト化抗体は場合により、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、通常はヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部をさらに含むことがある。さらなる詳細に関しては、Jonesら、(1986年)Nature 321巻:522〜525頁; Riechmannら、(1988年)Nature 332巻:323〜329頁;およびPresta(1992年)Curr. Op. Struct. Biol. 2巻:593〜596頁を参照されたい。
「種依存性抗体」は、第1の哺乳動物種由来の抗原に対して、第2の哺乳動物種由来のその抗原のホモログに対して有するより強い結合親和性を有する抗体である。普通は、種依存性抗体は、ヒト抗原に「特異的に結合」するが(すなわち、約1×10−7M以下、好ましくは約1×10−8M以下および最も好ましくは約1×10−9M以下の結合親和性(Kd)値を有する)、第2の非ヒト哺乳動物種由来の抗原のホモログに対して、ヒト抗原に対するその結合親和性より、少なくとも約50倍、または少なくとも約500倍、または少なくとも約1000倍弱い結合親和性を有する。種依存性抗体は、上記のさまざまな型の抗体のいずれであってもよいが、ヒト化抗体またはヒト抗体であることが好ましい。
本明細書において使用する場合、「抗体突然変異体(antibody mutant)」または「抗体変異体(antibody variant)」は、種依存性抗体の1つまたは複数のアミノ酸残基が改変されている、種依存性抗体のアミノ酸配列変異体を指す。このような突然変異体は、種依存性抗体に対して100%未満の配列同一性または類似性を必然的に有する。好ましい実施形態において、抗体突然変異体は、種依存性抗体の重鎖または軽鎖いずれかの可変ドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%および最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または類似性を有するアミノ酸配列を有するであろう。この配列に関する同一性または類似性は、最大パーセントの配列同一性を達成するために、配列のアライメントを行いそして必要に応じてギャップを導入した後、種依存性抗体残基に対して同一である(すなわち、同じ残基)または類似である(すなわち、共通の側鎖特性に基づいて同じ群に由来するアミノ酸残基、以下を参照されたい)、候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして、本明細書において定義される。N末端、C末端あるいは可変ドメインの外側の抗体配列への内部の伸長、欠失または挿入は、いずれも配列同一性または類似性に影響を与えないと解釈するべきである。
「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定され、分離され、そして/または回収された抗体である。その天然環境の混入成分は、抗体の診断的または治療的使用に干渉する可能性のある物質であり、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質の溶質または非タンパク質の溶質を含み得る。好ましい実施形態において、抗体は、(1)Lowry法により決定される場合、抗体の95重量%超、最も好ましくは99重量%超まで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端アミノ酸配列もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度までか、または(3)クマシーブルー染色または好ましくは銀染色を使用して、還元条件下もしくは非還元条件下でのSDS−PAGEにより均一性が示されるまで、精製される。単離された抗体は、インサイツの組み換え細胞内抗体を含む。なぜなら、その抗体の天然環境の少なくとも1つの成分は存在しないからである。しかし通常は、単離された抗体は、少なくとも1つの精製ステップにより調製されるであろう。
本明細書において使用する場合「抗体の可変ドメイン」は、相補性決定領域(CDR;すなわち、CDR1、CDR2およびCDR3)およびフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列を含む抗体分子の軽鎖部分および重鎖部分を指す。Vは、重鎖の可変ドメインを指す。Vは軽鎖の可変ドメインを指す。本発明において使用する方法に従って、CDRおよびFRに割り当てられるアミノ酸位は、Kabat(Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md.、1987年および1991年))に従って定義できる。抗体または抗原結合断片のアミノ酸付番もまた、Kabatの付番に従う。
本明細書において使用する場合「相補性決定領域(CDR;すなわち、CDR1、CDR2およびCDR3)」という用語は、その存在が抗原の結合に必要である抗体の可変ドメインのアミノ酸残基を指す。個々の可変ドメインは、CDR1、CDR2およびCDR3として同定される3種のCDR領域を有する。個々の相補性決定領域は、Kabatにより定義された「相補性決定領域」由来のアミノ酸残基を含むことができる(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の、およそ残基24〜34(L1)、50〜56(L2)および89〜97(L3)および重鎖可変ドメイン中の31〜35(H1)、50〜65(H2)および95〜102(H3);Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD.(1991年))および/または「超可変ループ」に由来するそれらの残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中のおよそ残基26〜32(L1)、50〜52(L2)および91〜96(L3)および重鎖可変ドメイン中の26〜32(H1)、53〜55(H2)および96〜101(H3);ChothiaおよびLesk(1987年)J. Mol. Biol. 196巻:901〜917頁)。一部の場合において、相補性決定領域は、Kabatに従って定義されたCDR領域および超可変ループの双方に由来するアミノ酸を含むことができる。例えば、抗体4D5の重鎖のCDRH1は、アミノ酸26から35を含む。
「フレームワーク領域」(これ以降FR)は、CDR残基以外のそれらの可変ドメイン残基である。個々の可変ドメインは通常、FR1、FR2、FR3およびFR4として同定される4種のFRを有する。CDRがKabatに従って定義される場合、軽鎖FR残基は、およそ残基1〜23(LCFR1)、35〜49(LCFR2)、57〜88(LCFR3)および98〜107(LCFR4)に位置し、重鎖FR残基は、重鎖残基中のおよそ残基1〜30(HCFR1)、36〜49(HCFR2)、66〜94(HCFR3)および103〜113(HCFR4)に位置する。CDRが超可変ループ由来のアミノ酸残基を含む場合、軽鎖FR残基は、軽鎖中のおよそ残基1〜25(LCFR1)、33〜49(LCFR2)、53〜90(LCFR3)および97〜107(LCFR4)に位置し、重鎖FR残基は、重鎖残基中のおよそ残基1〜25(HCFR1)、33〜52(HCFR2)、56〜95(HCFR3)および102〜113(HCFR4)に位置する。一部の場合において、CDRがKabatにより定義されたCDRおよび超可変ループのCDR双方に由来するアミノ酸を含む場合、FR残基はそれに応じて調整されるであろう。例えば、CDRH1がアミノ酸H26〜H35を含む場合、重鎖FR1残基は1〜25位であり、FR2残基は36〜49位である。
本明細書において使用する場合、「コドンセット」は、所望の変異体アミノ酸をコードするために使用される、一連の異なるヌクレオチドの三連配列を指す。一連のオリゴヌクレオチドは、例えば、固相合成により合成でき、コドンセットにより提供される三連のヌクレオチドの全組合せ候補を表し、アミノ酸の所望の群をコードするであろう配列を含む。コドン指定の標準形態は、IUBコードのものであり、これは当分野において公知であり、本明細書に記載される。コドンセットは、通常3つの大文字によりイタリックで、例えばNNK、NNS、XYZ、DVKなどと表される。したがって、本明細書において使用する場合、「非ランダムコドンセット」は、本明細書に記載のアミノ酸選択の基準を部分的に、好ましくは完全に満たす、選定アミノ酸をコードするコドンセットを指す。特定の位置に、選択されたヌクレオチドの「縮重」があるオリゴヌクレオチドの合成、例えばTRIM手法は、当分野において周知である(Knappekら、(1999年)J. Mol. Biol. 296巻:57〜86頁);Garrard & Henner(1993年)Gene 128巻:103頁)。特定のコドンセットを有するこのようなオリゴヌクレオチドのセットは、市販の核酸合成装置(例えば、Applied Biosystems、Foster City、CAから入手可能)を使用して合成でき、または市販品を入手できる(例えば、Life Technologies、Rockville、MDから)。したがって、特定のコドンセットを有する一連の合成オリゴヌクレオチドは、通常異なる配列を有する複数のオリゴヌクレオチドを含み、この差は、全配列内でコドンセットにより確立される。本発明に従って使用されるオリゴヌクレオチドは、可変ドメインの核酸鋳型にハイブリダイゼーション可能な配列を有し、必ずしも必要ではないが、例えばクローン化目的に有用な制限酵素部位をさらに含むことができる。
「抗体断片」という用語は、本明細書において最も広い意味で使用され、限定されるものではないが、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、(scFv)、dAbおよび相補性決定領域(CDR)断片、線状抗体、一本鎖抗体分子、ミニボディ、ダイアボディならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。
「Fv」断片は、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む抗体断片である。この領域は、1つの重鎖および1つの軽鎖の可変ドメインが緊密に会合した二量体からなり、その会合は、例えばscFvにおいて本来的に共有結合であり得る。この構造(configuration)において、個々の可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、V−V二量体の表面上に抗原結合部位を定める。総合的に、6つのCDRまたはそれらのサブセットが、抗体に抗原結合特異性をもたらす。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に対し特異的な3つのCDRだけを含むFvの半分)が抗原を認識し結合する能力を有しても、普通、全体の結合部位より親和性は低い。
「Fab」断片は、軽鎖の可変ドメインおよび定常ドメインならびに重鎖の可変ドメインおよび第1定常ドメイン(CH1)を含む。F(ab’)抗体断片は1対のFab断片を含み、これらは、それらの間のヒンジのシステインによりそれらのカルボキシ末端の近くで一般に共有結合している。抗体断片の他の化学的結合もまた、当分野において公知である。
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVドメインおよびVドメインを含み、これらのドメインは一本鎖ポリペプチドで存在する。一般的にFvポリペプチドは、VドメインおよびVドメインの間にポリペプチドのリンカーを含み、それにより、scFvが抗原に結合するための所望の構造を形成可能にする。scFvの概説に関しては、PluckthunのThe Pharmacology of Monoclonal Antibodies、113巻、RosenburgおよびMoore編Springer−Verlag、New York、269〜315頁(1994年)を参照されたい。
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する低分子抗体断片を指し、これらの断片は、同じポリペプチド鎖(VおよびV)に軽鎖可変ドメイン(V)に連結した重鎖可変ドメイン(V)を含む。短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間で対形成できないリンカーを使用することによって、このドメインは別の鎖の相補ドメインと対形成を強制され、2つの抗原結合部位が作り出される。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号;WO93/11161;およびHollingerら、(1993年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90巻:6444〜6448頁に、より詳細に記載されている。
「線状抗体」という表現は、Zapataら(1995年 Protein Eng、8巻(10号):1057〜1062頁)に記載された抗体を指す。簡潔に言うと、これらの抗体は、一対のタンデムFdセグメント(V−C1−V−C1)を含み、これらは、相補的軽鎖ポリペプチドと一緒に一対の抗原結合領域を形成する。線状抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る。
本明細書において使用する場合、「ライブラリ」は、複数の抗体配列または抗体断片配列(例えば、本発明のポリペプチド)あるいはこれらの配列をコードする核酸を指すが、これらの配列は、本発明の方法に従ってこれらの配列に導入される変異体アミノ酸の組合せにおいて異なる。
「ファージディスプレイ」は、変異体ポリペプチドが、ファージ(例えば糸状ファージの粒子)の表面のコートタンパク質の少なくとも一部に、融合タンパク質として提示される技術である。ファージディスプレイの有用性は、ランダム化されたタンパク質変異体の大型ライブラリは、標的抗原に高い親和性で結合するそれらの配列によって、迅速かつ効率的に選別され得るという事実にある。ファージ上のペプチドおよびタンパク質ライブラリの提示は、何百万のポリペプチドから特異的結合特性を有するポリペプチドをスクリーニングするために使用されてきた。多価ファージディスプレイ法は、糸状ファージの遺伝子IIIまたはgeneVIIIのいずれかとの融合を介して、低分子ランダムペプチドおよび低分子タンパク質を提示するために使用されてきた。WellsおよびLowman(1992年)Curr. Opin. Struct. Biol. 3巻:355〜362頁、およびそこに引用されている参考文献。一価のファージディスプレイにおいて、タンパク質またはペプチドのライブラリは遺伝子IIIまたはその一部分と融合し、野生型遺伝子IIIのタンパク質の存在下において低レベルで発現するので、ファージ粒子は融合タンパク質を1コピー提示するか、または提示しない。結合活性(avidity)効果は、多価ファージと比較して減少するので、内因性リガンド親和性に基づいて選別し、DNAの取扱いを単純化するファージミドベクター(phargemid vector)を使用する。LowmanおよびWells(1991年)Methods: A companion to Methods in Enzymology 3巻:205〜0216頁。
「ファージミド」は、バクテリアの複製起点、例えばColE1、およびバクテリオファージの遺伝子間領域のコピーを有するプラスミドベクターである。ファージミドは、糸状バクテリオファージおよびλ字形のバクテリオファージを含む、任意の公知のバクテリオファージに使用できる。また、プラスミドは一般に、抗生物質耐性に関する選択可能マーカーを含む。これらのベクターにクローン化されるDNAのセグメントはプラスミドとして増殖させることができる。これらのベクターを内に有する細胞が、ファージ粒子の産生に必要なすべての遺伝子を提供された場合、プラスミドの複製方式は、プラスミドDNAの一つの鎖のコピーを生成しファージ粒子を包むローリングサークル複製へ変わる。ファージミドは、感染性のまたは非感染性のファージ粒子を形成できる。この用語は、異種ポリペプチドがファージ粒子の表面に提示されるように、遺伝子融合体として異種ポリペプチド遺伝子へ連結したファージコートタンパク質遺伝子またはその断片を含むファージミドを含む。
「ファージベクター」という用語は、異種遺伝子を含み、複製が可能なバクテリオファージの二重鎖の複製型を意味する。ファージベクターは、ファージ複製およびファージ粒子形成を可能にするファージ複製起点を有する。ファージは、好ましくは、M13、f1、fd、Pf3ファージまたはその誘導体のような糸状バクテリオファージ、あるいはλ、21、phi80、phi81、82、424、434などのλ字形のファージ、またはその誘導体である。
本明細書において使用する場合、「溶媒接近可能位置」は、抗体または抗原結合断片の構造、構造アンサンブルおよび/またはモデル化された構造に基づいて、抗体−特異的抗原などの分子への溶媒の接近および/または接触に潜在的に利用できるものと決定される、供給源の抗体または抗原結合断片の重鎖および軽鎖の可変領域中のアミノ酸残基の位置を指す。これらの位置は、通常CDR中およびタンパク質の外側に見出される。本明細書において定義されるように、抗体または抗原結合断片の溶媒接近可能位置は、当分野において公知のいくつかのアルゴリズムのうち任意のものを使用して決定できる。溶媒接近可能位置は、好ましくは抗体の3次元モデル由来の座標を使用して、好ましくはInsightIIプログラム(Accelrys、San Diego、CA)などのコンピュータプログラムを使用して決定される。溶媒接近可能位置は、当分野において公知のアルゴリズムを使用してもまた決定できる(例えば、LeeおよびRichards(1971年)、J. Mol. Biol. 55巻、379頁およびConnolly(1983年)J. Appl. Cryst. 16巻、548頁)。溶媒接近可能位置の決定は、タンパク質のモデリングに適したソフトウェアおよび抗体から得られた3次元構造の情報を使用して実施できる。これらの目的に利用できるソフトウェアは、SYBYL Biopolymer Moduleソフトウェア(Tripos Associates)を含む。一般的および好ましくは、アルゴリズム(プログラム)がユーザーにサイズパラメーターのインプットを要求する場合、計算に使用するプローブの「サイズ」を、半径約1.4オングストローム以下に設定する。さらに、溶媒接近可能領域の決定およびパーソナルコンピュータ用ソフトウェアを使用する面積法(area method)は、Pacios(1994年)Comput. Chem.18巻(4号):377〜386頁により記載されている。
詳細な説明
補体は、生体防御において重要な役割を果たし、免疫系の他の成分と共に、病原体の体内への侵入から個体を保護する。しかし、適切に活性化または制御されない場合、補体もまた宿主組織に傷害を及ぼし得る。補体の不適切な活性化は、免疫複合体病および自己免疫疾患ならびに補体媒介炎症性組織損傷を含むさまざまな炎症性疾患などの、補体関連疾患または障害と称されるさまざまな疾患の病因に関与する。補体関連疾患の病状は変化し、長期または短期の補体活性化、全カスケード、カスケードの1つだけ(例えば、古典経路または代替経路)、カスケードのいくつかの成分のみの活性化などに関与する。いくつかの疾患において、補体断片の補体の生物活性は、組織損傷および疾患をもたらす。したがって、補体の阻害剤は高い治療可能性を有する。代替経路の選択的阻害剤は、血液由来の病原体および他の生物の古典経路を介したクリアランスはインタクトなままにあるため、特に有用である。
本発明のB因子拮抗薬は、補体関連眼病態(病状が、補体の古典経路および代替経路、特に代替経路を含む補体に関連する、すべての眼病態および眼疾患)、例えば、ドライおよびウェット(非滲出および滲出)型を含む全段階の加齢黄斑変性(AMD)などの黄斑変性疾患、脈絡膜新生血管(CNV)、ブドウ膜炎、糖尿病性および他の虚血関連網膜症、眼内炎ならびに他の眼内血管新生疾患、例えば糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォンヒッペル−リンダウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞(CRVO)、角膜新生血管および網膜新生血管などの予防および治療に有用である。補体関連眼病態の好ましい群は、非滲出型(ウェット)および滲出型(ドライまたは委縮)AMDを含む加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新生血管(CNV)、糖尿病網膜症(DR)および眼内炎を含む。
AMDは、黄斑の加齢変性であり、60歳を超える個人の不可逆性視力障害の主原因である。AMDには、非滲出性(ドライ)AMDおよび滲出性(ウェット)AMDの2種の型が存在する。ドライまたは非滲出性の型は、中心網膜(黄斑)の下層の網膜色素上皮(RPE)の委縮性および異常肥大の変化ならびにRPE上の沈着(ドルーゼン)を含む。非滲出性AMDの患者は、ウェットまたは滲出性のAMDの型に進行する可能性があり、ウェットまたは滲出性のAMDの型では、脈絡膜新生血管膜(CNVM)と呼ばれる異常な血管が網膜の下に発生し、体液および血液が漏れ、最終的には、網膜の中および下に失明に至る円盤状の瘢痕をもたらす。普通は滲出性AMDの前駆体である非滲出性AMDは、より一般的である。非滲出性AMDの提示は変化し、硬性ドルーゼン、軟性ドルーゼン、RPEの地図状委縮および色素クランピングが提示され得る。補体成分は、AMDの初期にはPRE上に沈着し、ドルーゼンの主要な構成物質である。
本発明は、カテゴリー3およびカテゴリー4のAMDを含むAMDの治療に特に関する。カテゴリー3のAMDは、両眼に脈絡膜新生血管が存在せず、少なくとも片方の眼が20/32またはそれ以上の視力を有し、少なくとも1個の大型の結晶腔(例えば、125μm)、広範囲の(ドルーゼン面積により測定)中間ドルーゼンまたは黄斑の中心を含まない地図状委縮(GA)あるいはこれらの任意の組合せによって特徴付けられる。カテゴリー3のAMD(まだ「ドライ」AMDと考えられる)は脈絡膜新生血管(CNV)または地図状委縮(GA)への転換のハイリスクを有する。
カテゴリー4のハイリスクドライAMDは、2つのカテゴリーに分けられる。1.片方の眼がCNVを有する。2.片方の眼はCNVを有さない。第1のカテゴリーは、いずれの病状からも独立しており、CNVを有する片方の眼がある場合、自動的にハイリスクドライAMDにデフォルトする。第2のカテゴリーにおいて、病状は、大型の融合性ドルーゼンおよび網膜色素上皮(RPE)の斑点形成を特徴とする。カテゴリー4ハイリスクウェットAMDは、CNVの存在により同定される。すべてのカテゴリー4患者において、視力は20/32またはそれより悪い。第1カテゴリー(片方の眼がウェットAMD)のハイリスクドライAMDは、通常、治療しなければ、カテゴリー3(ハイリスクではない)AMDの進行速度より約10〜30倍速い速度で、脈絡膜新生血管(CNV)に迅速に進行する。
B因子拮抗薬は、AMD(特に、カテゴリー3またはカテゴリー4のAMD)のCNVへの進行の予防ならびに/あるいは影響を受けていないまたは影響が軽度の片方の眼におけるAMDまたはCNVの発生/進行および/またはGAを有する面積の進展速度の予防において特に有用性が見出される。この文脈において、「予防」という用語は、最も広い意味で使用され、疾患の進行の完全なまたは部分的遮断および減速ならびに疾患のより重篤な形態の発生(unset)の遅延を含む。ハイリスク(カテゴリー4)AMDまたはCNVへの進展または進行においてハイリスクな患者は、本発明のこの態様から特に恩恵を受ける。
抗B因子抗体
本明細書の発明は、抗B因子抗体の作製および使用を含む。抗体作製の例示的方法は、以下の項においてより詳細に記載する。
抗B因子抗体は、哺乳動物種由来のB因子抗原を使用して選択する。好ましくは、抗原はヒトB因子である。しかし、マウスのB因子などの他の種由来のB因子もまた、標的抗原として使用できる。さまざまな哺乳動物種由来のB因子抗原が、天然供給源から単離できる。他の実施形態において、抗原は、組み換え的に作製でき、または当分野において公知の他の合成方法を使用して作製することができる。
選択された抗体は、普通はB因子抗原に対して十分に強い結合親和性を有する。例えば、抗体はヒトB因子に、約5nM以下、好ましくは約2nM以下およびより好ましくは500pM以下のK値で結合できる。抗体親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(実施例に記載のBIAcoreアッセイなど)、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、および競合アッセイ(例えば、RIA)により決定できる。
さらに、抗体は、例えば、治療薬としてのその有効性を評価するために、他の生物活性アッセイに供することができる。このようなアッセイは、当分野において公知であり、標的抗原および抗体の使用目的に依存する。例としては、HUVEC阻害アッセイ(以下の実施例に記載)、腫瘍細胞成長阻害アッセイ(例えば、WO89/06692に記載)、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)および補体媒介細胞傷害性(CDC)アッセイ(米国特許第5,500,362号)、およびB因子拮抗薬を同定するための下記の、インビトロおよびインビボのアッセイを含む。
対象となる抗原の特定のエピトープに結合する抗体をスクリーニングするためには、Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、HarlowおよびDavid Lane編(1988年)に記載のような、日常的な交差遮断アッセイが実施できる。代替的には、例えばChampeら(1995年)J. Biol. Chem. 270巻:1388〜1394頁に記載のようなエピトープマッピングを実施し、抗体が対象となるエピトープに結合するかどうかを決定できる。
好ましい実施形態において、抗B因子抗体は、独特なファージディスプレイ手法を使用して選択される。この手法は、単一のフレームワークの鋳型に基づく合成抗体ファージライブラリの作製、可変ドメイン内の十分な多様性の設計、多様化された可変ドメインを有するポリペプチドの提示、標的B因子抗原に対する高い親和性を有する候補抗体の選択、および選択された抗体の単離を含む。
ファージディスプレイ法の詳細は、例えば、2003年12月11日公開のWO03/102157に見出すことができる。
一態様において、抗体ライブラリは、抗体可変ドメインの少なくとも1つのCDR中の溶媒接近可能位置および/または高度に多様化した位置を突然変異させることによって作製できる。CDRのいくつかまたはすべてを、本明細書に提供する方法を使用して突然変異させることができる。いくつかの実施形態において、好ましくはCDRH1、CDRH2およびCDRH3中の位置を突然変異させて単一ライブラリを形成することによって、またはCDRL3およびCDRH3中の位置を突然変異させて単一ライブラリを形成することによって、またはCDRL3ならびにCDRH1、CDRH2およびCDRH3中の位置を突然変異させて単一ライブラリを形成することによって、多様性のある抗体ライブラリを作製してもよい。
抗体可変ドメインのライブラリは、例えば、CDRH1、CDRH2およびCDRH3の溶媒接近可能位置および/または高度に多様性のある位置を突然変異させて作製できる。別のライブラリは、CDRL1、CDRL2およびCDRL3に突然変異を起こして作製できる。これらのライブラリはまた、所望の親和性の結合体を作製するために相互に組み合せて使用できる。例えば、標的抗原に対する結合に関する重鎖ライブラリの選択の1ラウンドまたは複数ラウンド後、軽鎖ライブラリを、結合体の親和性を増強させるための選択のさらなるラウンドのために重鎖結合体集団中に置き換えることができる。
好ましくは、ライブラリは、重鎖配列の可変領域のCDRH3領域において、元のアミノ酸を変異体アミノ酸と置換することによって作製される。得られたライブラリは複数の抗体配列を含み、ここで配列多様性は、主に重鎖配列のCDRH3領域にある。
一態様において、ライブラリは、ヒト化抗体4D5の配列またはヒト化抗体4D5配列のフレームワークアミノ酸の配列との関係において作製される。好ましくは、ライブラリは、重鎖の少なくとも95〜100a残基の、DVKコドンセットによりコードされるアミノ酸との置換によって作製され、そのDVKコドンセットは、これらの位置のすべてのアミノ酸に関する一連の変異体アミノ酸をコードするために使用される。これらの置換を作製するために有用なオリゴヌクレオチドセットの例は、配列(DVK)を含む。一部の実施形態において、ライブラリは、95〜100a残基の、DVKおよびNNK双方のコドンセットによりコードされるアミノ酸との置換によって作製される。これらの置換を作製するために有用なオリゴヌクレオチドセットの例は、配列(DVK)(NNK)を含む。別の実施形態において、ライブラリは、DVKおよびNNK双方のコドンセットによりコードされるアミノ酸で少なくとも95〜100a残基を置換することによって作製される。これらの置換を行うために有用なオリゴヌクレオチドセットの例は、配列(DVK)(NNK)を含む。これらの置換を行うために有用なオリゴヌクレオチドセットの別の例は、配列(NNK)を含む。適切なオリゴヌクレオチド配列の他の例は、本明細書に記載の基準に従って、当業者により決定できる。
別の実施形態において、さまざまなCDRH3の設計が、親和性の高い結合体の単離のため、およびさまざまなエピトープに対する結合体の単離のために利用される。このライブラリ中に作製するCDRH3の長さの範囲は、11から13アミノ酸長であるが、これと異なる長さのものもまた作製できる。H3の多様性はNNK、DVKおよびNVKのコドンセットを使用して拡大でき、ならびにN末端および/またはC末端における多様性はより制限され得る。
多様性はさらに、CDRH1およびCDRH2においても作製できる。CDR−H1およびH2の多様性の設計は、既にある設計よりも、天然の多様性により密接に一致する多様性に焦点を当てた改変について記載した、模倣天然抗体のレパートリーに対する標的化の戦略に従う。
CDRH3の多様性に関して、多価ライブラリをさまざまな長さのH3に対して個別に構築し、その後標的抗原に対する結合体を選択するために組み合せることができる。複数のライブラリは、既に記載され、本明細書において以下に記載の固体支持体選択法および溶液選別法を使用して、プールおよび選別できる。複数の選別戦略もまた用いることができる。例えば、1つの変形は、固体に結合した標的についての選別、次に融合ポリペプチド上に存在し得るタグ(例えば、抗gDタグ)に関する選別そして次に固体に結合した標的についての別の選別を含む。代替的には、ライブラリは、固体表面に結合した標的について初めに選別し、その後、溶出した結合体を、漸減濃度の標的抗原と結合する溶液相を使用して選別することができる。さまざまな選別方法の組合せを利用することにより、高度に発現した配列だけの選択の最小化が提供され、いくつかのさまざまな高親和性クローンの選択が提供される。
標的B因子抗原に対する高親和性の結合体は、ライブラリから単離できる。H1/H2領域において多様性を制限すると、縮重が約10から10倍減少し、H3のより大きな多様性によって、より高親和性の結合体を提供することが可能となる。CDRH3においてさまざまな型の多様性を有するライブラリを利用することで(例えばDVKまたはNVTを利用して)、標的抗原のさまざまなエピトープに結合できる結合体の単離が提供される。
別の実施形態において、CDRH1、CDRH2およびCDRH3領域に多様性を有する1または複数のライブラリを作製する。この実施形態において、CDRH3の多様性は、さまざまな長さのH3領域を使用して、およびXYZおよびNNKまたはNNSの主コドンセットを使用して作製される。ライブラリは、個々のオリゴヌクレオチドを使用して形成し、プールすることができ、あるいはオリゴヌクレオチドをプールし、ライブラリのサブセットを形成することができる。この実施形態のライブラリは、固体に結合した標的に対して選別できる。複数の選別から単離されたクローンは、ELISAアッセイを使用して特異性および親和性に関してスクリーニングできる。特異性に関して、クローンは、所望の標的抗原ならびに他の非標的抗原に対してスクリーニングできる。標的NRP1抗原に対するそれらの結合体は、その後溶液結合競合ELISAアッセイまたはスポット競合アッセイにおいて親和性に関してスクリーニングできる。高親和性結合体は、ライブラリから、上記のように調製したXYZコドンセットを利用して単離できる。これらの結合体は、抗体または抗原結合断片として、細胞培養において高収率で容易に生産できる。
いくつかの実施形態においてCDRH3領域の長さにおいてより多様性の多いライブラリを作製することが望ましい場合がある。例えば、CDRH3領域が約7個から19個のアミノ酸の範囲であるライブラリを作製することが望ましい場合がある。
これらの実施形態のライブラリから単離される高親和性の結合体は、細菌および真核生物細胞の細胞培養で、高収率で容易に生産される。ベクターは、gDタグ、ウイルスコートタンパク質成分配列などの配列を容易に除去するように、そして/または高収率で完全長抗体または抗原結合断片を生産するために、定常領域配列に加えるように設計できる。
CDRH3に突然変異を有するライブラリを、他のCDR、例えば、CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1および/またはCDRH2の変異体バージョンを含むライブラリと組み合わせることができる。したがって、例えば一実施形態において、CDRH3ライブラリを、所定のコドンセットを使用して、28、29、30、31および/または32位に変異体アミノ酸を有するヒト化4D5抗体配列との関係において作製されたCDRL3ライブラリと組み合わせる。別の実施形態において、CDRH3に突然変異を有するライブラリは、変異体CDRH1重鎖可変ドメインおよび/または変異体CDRH2重鎖可変ドメインを含むライブラリと組み合わせることができる。一実施形態において、CDRH1ライブラリを、28、30、31、32および33位に変異体アミノ酸を有するヒト化抗体4D5配列を用いて作製する。CDRH2ライブラリは、所定のコドンセットを使用して、50、52、53、54、56および58位に変異体アミノ酸を有するヒト化抗体4D5配列を用いて作製できる。
ファージライブラリから作製された抗B因子抗体をさらに改変し、親抗体を上回る、物理的、化学的およびまたは生物学的特性が改善された抗体の突然変異体を作製できる。使用するアッセイが生物活性アッセイである場合、抗体の突然変異体は、選択したアッセイにおいて、そのアッセイにおける親抗体の生物活性より少なくとも約10倍優れた、好ましくは少なくとも約20倍優れた、より好ましくは少なくとも約50倍優れた、および時として少なくとも約100倍または200倍優れた生物活性を有することが好ましい。例えば、抗B因子抗体の突然変異体は、NRPに対して、抗体20D12などの親抗B因子抗体の結合親和性より、少なくとも約10倍強い、好ましくは少なくとも約20倍強い、より好ましくは少なくとも約50倍強い、そして時として少なくとも約100倍または200倍強い結合親和性を有することが好ましい。
抗体の突然変異体を作製するために、1つまたは複数のアミノ酸の変更(例えば、置換)を、親抗体の1つまたは複数の超可変領域に導入する。代替的に、または加えて、第2の哺乳動物種由来の抗原に対する抗体の突然変異体の結合親和性の改善がもたらされる場合、フレームワーク領域残基の1つまたは複数の変更(例えば、置換)を、親抗体に導入できる。改変するフレームワーク領域残基の例は、直接抗原に非共有結合するもの(Amitら、(1986年)Science 233巻:747〜753頁);CDRの高次構造と相互作用する/CDRの高次構造に影響を与えるもの(Chothiaら(1987年)J. Mol. Biol.196巻:901〜917頁);および/またはV−Vの界面に関与するもの(欧州特許第239 400B1号)を含む。特定の実施形態において、このようなフレームワーク領域残基の1つまたは複数の改変は、第2の哺乳動物種由来の抗原に対する抗体の結合親和性の増強をもたらす。例えば、約1から約5つのフレームワーク残基を、本発明のこの実施形態において変更できる。超可変領域残基が1つも変更されなかった場合でさえ、時として、このことは、前臨床試験における使用に適切な、抗体の突然変異体を得るために十分であり得る。しかし、普通は、抗体の突然変異体は、さらなる超可変領域の(1つまたは複数の)変更を含む。
変更される超可変領域の残基は、特に、親抗体の出発の結合親和性(starting binding affinity)が、このようにランダムに生産された抗体の突然変異体が容易にスクリーニングできるように存在する場合、ランダムに変化させることができる。
このような抗体の突然変異体を作製するための、有用な一手法は、「アラニン走査突然変異誘発」と呼ばれる(CunninghamおよびWells(1989年)Science 244巻:1081〜1085頁)。ここで、1つまたは複数の超可変領域残基が、アラニン残基(複数可)またはポリアラニン残基(複数可)に置き換えられ、そのアミノ酸と、第2の哺乳動物種由来の抗原との相互作用に影響を与える。次いで、置換に対する機能的感受性を示すそれらの(1つまたは複数の)超可変領域残基が、さらなる突然変異または他の突然変異を、置換部位において、または置換部位に関して導入することによって改良される。したがって、アミノ酸配列の変異を導入する部位があらかじめ決まっていても、突然変異の性質それ自体が、あらかじめ決まっている必要はない。この方法で生産されたala−突然変異体は、本明細書に記載のように、それらの生物活性に関してスクリーニングされる。
普通、「好ましい置換」の表題で以下に示したような保存的置換により開始する。このような置換が生物活性(例えば、結合親和性)に変化をもたらす場合、その時は以下の表において「例示的置換」と命名されたより実質的な変化、またはアミノ酸クラスに関して以下にさらに記載したようなより実質的な変化を導入し、産物をスクリーニングする。好ましい置換を、以下の表に載せる。
Figure 2011503094
抗体の生物学的特性のさらにより実質的な改変は、(a)例えば、シート状またはらせん状の高次構造としての置換部分のポリペプチド骨格の構造、(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、あるいは(c)側鎖のバルク、を維持することへのそれらの効果が顕著に異なる置換を選択することにより達成できる。天然存在の残基は、共通の側鎖特性に基づいて群に分けられる:
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性親水性:cys、ser、thr、asn、gln;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:his、lys、arg;
(5)鎖の配向性に影響を与える残基:gly、pro;および
(6)芳香族系:trp、tyr、phe。
非保存的置換は、これらのクラスのメンバーの1つと別のクラスとの交換を伴う。
別の実施形態において、改変用に選択される部位は、ファージディスプレイを使用して親和性が成熟する(上を参照されたい)。
アミノ酸配列突然変異体をコードする核酸分子は、当分野において公知のさまざまな方法により調製される。これらの方法は、限定されるものではないが、以前に調製された、親抗体の突然変異体または非突然変異体バージョンのオリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発およびカセット突然変異誘発を含む。突然変異体の作製の好ましい方法は、部位特異的突然変異誘発である(例えば、Kunkel(1985年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82巻:488頁を参照されたい)。
特定の実施形態において、抗体の突然変異体は単一の置換超された可変領域残基だけを有する。他の実施形態において、親抗体の2つ以上の超可変領域残基が置換され、例えば、約2から約10の超可変領域が置換される。
通常、生物学的特性が改善された抗体の突然変異体は、親抗体の重鎖または軽鎖の可変ドメインのいずれかのアミノ酸配列と、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性または類似性を有するアミノ酸配列を有する。この配列に関する同一性または類似性は、最大パーセントの配列同一性を得るために配列をアライメントしそして必要に応じてギャップを導入した後に、親抗体残基と同一である(すなわち、同じ残基)、または類似である(すなわち、共通の側鎖特性に基づいて同じ群に由来するアミノ酸残基、上を参照されたい)、候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして、本明細書において定義される。N末端、C末端あるいは可変ドメインの外側の抗体配列への内部の伸長、欠失または挿入は、いずれも配列同一性または類似性に影響を与えないと解釈するべきである。
抗体の突然変異体の作製の後で、親抗体と比較したその分子の生物活性を決定する。上記のように、これは、抗体の結合親和性および/または他の生物活性を決定するステップを含み得る。本発明の好ましい実施形態において、抗体の突然変異体のパネルを調製し、NRP1またはその断片などの抗原に対する結合親和性に関してスクリーニングする。この初回のスクリーニングから選択された、1つまたは複数の抗体の突然変異体は、場合により1つまたは複数のさらなる生物活性アッセイに供され、結合親和性が増強された(1つまたは複数の)抗体の突然変異体が、実際に、例えば前臨床試験に有用であることを確認する。
そのように選択されたこれら(1つまたは複数の)抗体の突然変異体は、しばしば抗体の使用目的に応じてさらなる改変に供されることがある。このような改変は、以下に詳細に述べるような、アミノ酸配列のさらなる変更、(1つまたは複数の)異種ポリペプチドとの融合および/または共有結合の改変を含むことができる。アミノ酸配列の変更に関して、例示的改変は、上に詳細に述べている。例えば、抗体の突然変異体の適切な高次構造の維持に関与していない任意のシステイン残基を、一般的にはセリンとさらに置換でき、分子の酸化安定性を改善し、異常な架橋を防ぐことができる。反対に、(1つまたは複数の)システイン結合を抗体に加え、その安定性を改善することができる(特に、抗体が、Fv断片などの抗体断片である場合)。アミノ酸突然変異体の別の型は、グリコシル化パターンの変更を有する。これは、抗体中に見出される1つまたは複数の炭水化物部分を欠失することによってそして/または抗体中に存在しない1つまたは複数のグリコシル化部位を加えることによって達成できる。抗体のグリコシル化は、通常、N結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型は、炭水化物部分のアスパラギン残基の側鎖への結合を指す。アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニンのトリペプチド配列は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素的結合のための認識配列であり、式中、Xはプロリンを除く任意のアミノ酸である。したがって、ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列いずれかが存在することにより、潜在的グリコシル化部位が生成される。O結合型グリコシル化は、糖のN−アセチルガラクトサミン(N−aceylgalactosamine)、ガラクトースまたはキシロースの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンへの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンもまた使用できる。抗体へのグリコシル化部位の付加は、(N結合型グリコシル化部位に関しては)上記のトリペプチド配列の1つまたは複数を含むようにアミノ酸配列を改変することによって、都合よく達成される。改変は、(O結合型グリコシル化部位に関しては)元の抗体の配列に、1つまたは複数のセリンまたはスレオニン残基の付加によりまたはそれらによる置換により実施できる。
本発明の抗B因子抗体は、容易に入手可能な技術および材料を使用して、組み換え的に生産できる。
抗B因子抗体の組み換え体生産のために、抗B因子抗体をコードする核酸を単離し、さらなるクローン化(DNAの増幅)のためにまたは発現のために、複製可能なベクターに挿入する。抗体をコードするDNAは、従来の手法(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードするDNAに特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)を使用して容易に単離または合成される。多くのベクターが使用できる。ベクター成分は、限定されるものではないが、以下:シグナル配列、複製起点、1つまたは複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび転写終結配列のうちの1つまたは複数を一般的に含む。
(i)シグナル配列成分
本発明の抗体は、組み換え的に直接生産できるだけでなく、好ましくはシグナル配列あるいは成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても組み換え的に生産できる。選択された異種シグナル配列は、好ましくは、宿主細胞により認識されそしてプロセッシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼにより切断される)配列である。ネイティブ抗体のシグナル配列を認識せずプロセッシングしない原核生物宿主細胞に関して、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppまたは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される、原核生物のシグナル配列により置換される。酵母の分泌に関しては、ネイティブシグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼリーダー、α因子リーダー(SaccharomycesおよびKluyveromycesのα因子リーダーを含む)または酸ホスファターゼリーダー、C.albicansのグルコアミラーゼリーダーあるいはWO90/13646に記載されているシグナルによって置換することができる。哺乳動物細胞の発現において、哺乳動物のシグナル配列ならびにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。このような前駆体領域に関するDNAは、リーディングフレームにおいて抗体をコードするDNAに連結される。
(ii)複製起点成分
発現ベクターおよびクローニングベクターの双方は、1種または複数種の選択された宿主細胞においてベクターを複製できる核酸配列を含有する。一般的に、クローニングベクターにおいて、この配列は宿主の染色体DNAとは独立してベクターを複製できる配列であり、複製起点または自律的に複製する配列を含む。このような配列は、さまざまな細菌、酵母およびウイルスに関して周知である。プラスミドpBR322由来の複製起点は、大部分のグラム陰性細菌に適しており、2μのプラスミド起点が酵母に適しており、さまざまなウイルスの起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSVまたはBPV)は哺乳動物細胞中のクローニングベクターに有用である。一般的に、複製起点成分は、哺乳動物の発現ベクターに必要ではない(SV40の起点は、通常それが初期プロモーターを含んでいるという理由だけで使用され得る)。
(iii)遺伝子成分の選択
発現ベクターおよびクローニングベクターは、選択可能なマーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含有できる。通常の選択遺伝子は(a)抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサートまたはテトラサイクリンに対する耐性を与える、(b)栄養要求欠損を補う、または(c)複合培地から利用できない重要栄養素を供給する、タンパク質をコードする(例えば、バチルス属に対するD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)。
選択スキームの一例は、宿主細胞の成長を停止させるための薬剤を利用する。異種遺伝子を用いて形質転換に成功するそれらの細胞は、薬剤耐性を与えるタンパク質を産生し、したがって選択レジメンを生き残る。このような優性選択の例は、ネオマイシン、ミコフェノール酸およびハイグロマイシンの薬剤を使用する。
哺乳動物細胞に関する適切な選択可能なマーカーの別の例は、DHFRなどの抗体核酸、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン−Iおよび−II、好ましくは、霊長類のメタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどの取り込みに対して細胞の同定を可能にする。
例えば、DHFR選択遺伝子を用いて形質転換した細胞を、まず、メトトレキサート(Mtx)、DHFRの競合拮抗薬を含有する培養培地中で、すべての形質転換体を培養することによって同定する。野生型DHFRを用いる場合、適切な宿主細胞は、DHFR活性の欠けているチャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞株である。
代替的には、抗体、野生型DHFRタンパク質および別の選択可能なマーカー、例えば、アミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ(APH)をコードするDNA配列を用いて形質転換または同時形質転換した宿主細胞(特に、内因性DHFRを含有する野生型宿主)は、アミノグリコシド系抗生物質、例えばカナマイシン、ネオマイシンまたはG418などの選択可能なマーカーに対する選択剤を含有する培地における細胞成長によって選択できる。米国特許第4,965,199を参照されたい。
酵母における使用に適切な選択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcombら、(1979年)Nature 282巻:39頁)。trp1遺伝子は、トリプトファン中で成長する能力を欠いた酵母、例えば、ATCC No.44076またはPEP4−1の突然変異体株に対する選択マーカーを提供する。Jones(1977年)Genetics 85巻:12頁。酵母宿主細胞ゲノムにおいてtrp1が損傷している場合、そのときは、トリプトファンが存在しない状態下で成長することによって、形質転換を検出する効果的な環境を提供する。同様にLeu2−欠損酵母株(ATCC20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を有する公知のプラスミドによって補われる。
さらに、1.6μmの環状プラスミドpKD1に由来するベクターは、Kluyveromyces酵母の形質転換に使用できる。代替的には、組み換え子牛キモシンの大規模生産のための発現系がK.lactisに関して報告された。Van den Berg(1990年)Bio/Technology 8巻:135頁。Kluyveromycesの工業用菌株による、成熟組み換えヒト血清アルブミンの分泌のための安定な複数コピー発現ベクターもまた開示されている。Fleerら(1991年)Bio/Technology 9巻:968〜975頁。
(iv)プロモーター成分
発現ベクターおよびクローニングベクターは、宿主生物により認識され、抗体核酸に動作可能に連結されるプロモーターを普通に含有する。原核生物宿主への使用に適したプロモーターは、phoAプロモーター、β−ラクタマーゼおよびラクトースのプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系およびtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーターを含む。しかし、他の公知の細菌プロモーターも適切である。細菌系への使用のためのプロモーターもまた、抗体をコードするDNAに動作可能に連結されたShine−Dalgarno(S.D.)配列を含有する。
真核生物に関するプロモーター配列も公知である。事実上、すべての真核生物遺伝子は、転写が開始される部位から、およそ25から30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写出発点から、70から80塩基上流に見出される別の配列は、CNCAAT領域であり、Nは任意のヌクレオチドであってよい。大部分の真核生物遺伝子の3’末端には、polyA尾部をコード配列の3’末端に付加するためのシグナルであり得るAATAAA配列が存在する。これらの配列はすべて、真核生物発現ベクターに適切に挿入される。
酵母宿主へ使用の適切なプロモーティング配列の例は、3−ホスホグリセレートキナーゼまたは他の糖分解酵素、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼのためのプロモーターを含む。
増殖条件により調節される転写のさらなる有利性を有する、誘導可能なプロモーターである他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関与する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼおよびマルトースおよびガラクトースの利用に関与する酵素に関するプロモーター領域である。酵母の発現における使用のための適切なベクターおよびプロモーターは、欧州特許第73,657号にさらに記載されている。酵母のエンハンサーもまた、酵母のプロモーターと共に有利に使用される。
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからの抗体の転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られたプロモーター、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから得られたプロモーター、熱ショックプロモーターから得られたプロモーターにより、このようなプロモーターが宿主細胞系と適合するという条件において、制御される。
SV40ウイルスの初期および後期のプロモーターは、SV40ウイルスの複製起点をさらに含有するSV40制限酵素断片として都合よく得られる。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターは、HindIII Eの制限酵素断片として都合よく得られる。ウシパピローマウイルスをベクターとして使用した、哺乳動物宿主におけるDNA発現系は、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の改変は、米国特許第4,601,978号に記載されている。単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの調節下で、マウス細胞中のヒトβ−インターフェロンのcDNAの発現については、Reyesら(1982年)Nature297巻:598〜601頁もまた参照されたい。代替的には、ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復をプロモーターとして使用できる。
(v)エンハンサーエレメント成分
高等真核生物による本発明の抗体をコードするDNAの転写は、多くの場合、エンハンサー配列をベクターに挿入することによって増加する。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテインおよびインスリン)が現在公知である。しかし、通常は真核生物細胞ウイルス由来のエンハンサーを使用する。例は、複製起点の後期側のSV40エンハンサー(100〜270bp)、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側のポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーを含む。真核生物プロモーターの活性化のための増強エレメントについて、Yaniv(1982年)Nature 297巻:17〜18頁もまた参照されたい。エンハンサーは、抗体コード配列に対して5’または3’の位置でベクターにスプライシングされ得るが、プロモーターから5’部位に位置することが好ましい。
(vi)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒトまたは他の多細胞生物由来の有核細胞)に使用する発現ベクターは、転写の終結およびmRNAの安定化に必要な配列もまた含有する。このような配列は、真核生物あるいはウイルスのDNAまたはcDNAの、一般的に、5’および場合によって3’非翻訳領域から利用できる。これらの領域は、抗体をコードするmRNAの非翻訳部分中のポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含有する。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO94/11026およびそこに開示された発現ベクターを参照されたい。
(vii)宿主細胞の選択および形質転換
本明細書において、ベクターにおけるDNAのクローン化または発現に適切な宿主細胞は、原核生物、酵母または上記の高等真核生物細胞である。本目的に適切な原核生物は、グラム陰性またはグラム陽性の生物などの真正細菌、例えば、Escherichia、例えば、E.coliなどのEnterobacteriaceae、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella、例えばSalmonella typhimurium、Serratia、例えばSerratia marcescansおよびShigellaならびにBacilli、例えばB.subtilisおよびB.licheniformis(例えば、1989年4月12日公開のDD266,710に開示のB.licheniformis 41P)、Pseudomonas、例えばP.aeruginosa,およびStreptomycesを含む。宿主をクローニングする好ましいE.coli.の1つは、E.coli 294(ATCC 31,446)であるが、E.coli B、E.coli Xl776(ATCC 31,537)およびE.coli W3110(ATCC 27,325)などの他の菌株も適切である。これらの例は、例示的であり、限定するものではない。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核生物微生物は、抗体をコードするベクターのための適切なクローニングまたは発現の宿主である。Saccharomyces cerevisiaeすなわち一般的なパン酵母は、下等真核生物の宿主微生物の中で最も一般的に使用される。しかし、他のいくつかの属、種および菌株、例えば、Schizosaccharomyces pombe;Kluyveromyces宿主、例えば、K.lactis、K.fragilis(ATCC 12,424)、K.bulgaricus(ATCC 16,045)、K.wickeramii(ATCC 24,178)、K.waltii(ATCC 56,500)、K.drosophilarum(ATCC 36,906)、K.thermotoleransおよびK.marxianusなど;yarrowia(欧州特許第402,226号);Pichia pastoris(欧州特許第183,070号);Candida;Trichoderma reesia(欧州特許第244,234号);Neurospora crassa;Schwanniomyces、例えば、Schwanniomyces occidentalis;ならびに糸状菌、例えばNeurospora、Penicilliuim、TolypocladiumなどおよびAspergillus宿主、例えばA.nidulansおよびA.nigerは、本明細書において、一般的に利用可能かつ有用である。
グリコシル化抗体の発現のための適切な宿主細胞は、多細胞生物に由来する。無脊椎動物細胞の例は、植物細胞および昆虫細胞を含む。多くのバキュロウイルス株および変異体ならびに対応する許容される昆虫宿主細胞、例えば、Spodoptera frugiperda(ケムシ)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)およびBombyx moriが同定されている。形質移入のためのさまざまなウイルス株、例えば、Autographa californica NPVのL−I変異体およびBombyx mori NPVのBm−5株が公的に利用でき、このようなウイルスは本発明に従った本明細書のウイルスとして、特にSpodoptera frugiperda細胞の形質移入のために使用できる。綿、トウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、ペチュニア、トマトおよびタバコの植物細胞培養体もまた宿主として利用できる。
しかし、対象は脊椎動物細胞中に最も多く、培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、日常的手法になっている。有用な哺乳動物の宿主細胞系の例は、SV40(COS−7、ATCC CRL 1651)により形質転換されたサルの腎臓CVl系;ヒト胎児腎臓系(293または懸濁培養における増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamら(1977年)J. Gen Virol. 36巻:59頁);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaubら(1980年)Proc. Natl. Acad. Sci USA 77巻:4216頁);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather(1980年)Biol. Reprod. 23巻:243〜251頁);サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL70);アフリカングリーンモンキー腎臓細胞(VERO−76、 ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL34);バッファローラット肝臓細胞(BRL3A、ATCC CRL1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Matherら(1982年)Annals N. Y. Acad. Sci. 383巻:44〜68頁);MRC5細胞;FS4細胞;およびヒト肝臓癌細胞系(Hep G2)である。
宿主細胞を、抗体の生産のための上記の発現ベクターまたはクローニングベクターを用いて形質転換し、プロモーターの誘導、形質転換体の選択または所望の配列をコードする遺伝子の増幅に適するように改変した従来の栄養培地中で培養する。
(viii)宿主細胞の培養
本発明の抗体の生産のために使用する宿主細胞は、さまざまな培地において培養できる。Ham’s F10(Sigma)、Minimal Essential Medium((MEM)、Sigma)、RPMI−1640(Sigma)およびダルベッコ変法イーグル培地((DMEM)、Sigma)などの市販の培地が、宿主細胞の培養に適している。さらに、Hamら、(1979年)Meth. Enz. 58巻:44頁、Barnesら(1980年)Anal. Biochem. 102巻:255頁、米国特許第4,767,704号、;米国特許第4,657,866号、米国特許第4,927,762号、米国特許第4,560,655号または米国特許第5,122,469号、WO90/03430;WO87/00195または米国再発行特許第30,985号に記載の任意の培地が、宿主細胞のための培養培地として使用できる。これらの培地のいずれも、必要に応じて、ホルモンおよび/または他の成長因子(インスリン、トランスフェリンまたは上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムおよびリン酸塩など)、緩衝液(HEPESなど)、ヌクレオチド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗生物質(GENTAMYCIN(商標)薬など)、微量元素(普通、最終濃度としてマイクロモルの範囲で存在する無機化合物として定義する)およびグルコースまたは同等のエネルギー供給源を補ってもよい。当業者に公知であろう任意の他の必要な補助物質もまた、適切な濃度で含まれてよい。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞に以前使用した培養条件であり、当業者には明らかである。
(ix)抗体の精製
組み換え技術を使用する場合、抗体は細胞内、ペリプラズム空間で産生させることができ、あるいは直接培地に分泌させることができる。抗体を細胞内で産生させる場合、第1ステップとして、粒子のデブリ、宿主細胞または溶解した断片のいずれかを、例えば、遠心分離または限外ろ過によって除去する。Carterら(1992年)Bio/Technology 10巻:163〜167頁には、E.coli.のペリプラズム空間に分泌される抗体を単離する手法が記載されている。簡潔に言うと、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTAおよびフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で約30分以上解凍する。細胞デブリは、遠心分離により除去できる。抗体が培地に分泌される場合、このような発現系由来の上清を、一般的にはまず第1に、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、Amicon または Millipore Pellicon 限外ろ過ユニットを使用して濃縮する。PMSFのようなプロテアーゼ阻害剤を、任意の先のステップに含ませて、タンパク分解を阻害してもよく、抗生物質を含ませて、外因性の汚染物質の増殖を防止してもよい。
細胞から調製した抗体組成物は、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析およびアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製でき、アフィニティークロマトグラフィーが好ましい精製技術である。アフィニティーリガンドとしてのプロテインAの適性は、抗体中に存在する、任意の免疫グロブリンFcドメインの種およびアイソタイプに依存する。プロテインAは、ヒトγ1,γ2またはγ4重鎖に基づいた抗体を精製するために使用できる(Lindmarkら(1983年)J. Immunol. Meth. 62巻:1〜13頁)。プロテインGは、すべてのマウスアイソタイプおよびヒトγ3に推奨される(Gussら(1986年)EMBO J. 5巻:15671575)。アフィニティーリガンドを付着させるマトリックスは大抵の場合アガロースであるが、他のマトリックスも利用できる。調節された多孔性ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスにより、アガロースを用いて達成できるよりも流速を速め、処理時間を短縮することができる。抗体がC3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker、Phillipsburg、N.J.)が精製に有用である。回収する抗体によっては、イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)でのクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂(例えばポリアスパラギン酸カラム)でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、および硫酸アンモニウム沈殿などの、タンパク質精製のための他の手法も利用できる。
(1または複数の)任意の予備精製ステップに続けて、対象となる抗体および混入物質を含む混合物を、pH約2.5〜4.5の間の溶出緩衝液を使用して低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけてもよく、好ましくは低塩濃度(例えば約0〜0.25Mの塩)で実施してよい。
2.B因子拮抗薬を同定するためのスクリーニングアッセイおよび動物モデル
B因子拮抗薬は、さまざまな細胞に基づくアッセイおよび補体関連疾患または障害の動物モデルにおいて評価できる。
したがって、例えば、組み換え(トランスジェニック)動物モデルを、トランスジェニック動物作製のための標準的技術を使用して、対象となる遺伝子のコーディング部分を、対象となる動物のゲノムに導入することによって作製できる。トランスジェニック操作の標的として役立ち得る動物は、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヒツジ、ヤギ、ブタおよび非ヒト霊長類、例えばヒヒ、チンパンジーおよび他のサルを含む。このような動物にトランスジーンを導入する、当分野において公知の技術は、前核(pronucleic)マイクロインジェクション(HoppeおよびWanger、米国特許第4,873,191号);生殖細胞系列へのレトロウイルス媒介遺伝子移入(例えば、Van der Puttenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、82巻:6148〜615頁(1985年));胚性幹細胞における遺伝子標的化(Thompsonら、Cell、56巻:313〜321頁(1989年));胚のエレクトロポレーション(Lo、Mol. Cell. Biol.、3巻:1803〜1814頁(1983年));および***媒介遺伝子移入(Lavitranoら、Cell、57巻:717〜73頁(1989年))を含む。概説としては、例えば、米国特許第4,736,866号を参照されたい。
本発明の目的のために、トランスジェニック動物は、それらの細胞の一部だけにトランスジーンを担持する動物(「モザイク動物」)を含む。トランスジーンは、単一のトランスジーンとして組み込まれ得るか、またはコンカテマー内に(例えば、頭部と頭部または頭部と尾部のタンデム型)に組み込まれ得る。特定の細胞型へのトランスジーンの選択的導入は、例えば、Laskoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,89巻:623〜636頁(1992年)の技術に従うことによっても可能である。
トランスジェニック動物におけるトランスジーンの発現は、標準的な技術によってモニターできる。例えば、サザンブロット分析解析またはPCR増幅を使用して、トランスジーンの組み込みを確認することができる。次いで、mRNA発現レベルは、インサイツハイブリダイゼーション、ノーザンブロット分析、PCRまたは免疫細胞化学などの技術を使用して分析できる。
さらに動物を、例えば、組織学的検査によって、免疫疾患の病状の徴候について検査し、免疫細胞の特定組織への浸潤を決定できる。トランスジェニック動物を候補B因子拮抗薬を用いて処置し、古典経路および代替経路を含む補体および補体活性化またはT細胞増殖についての効果の程度を決定する、遮断実験を実施できる。これらの実験において、本発明のポリペプチドに結合する遮断抗体を、動物に投与し、対象となる生物学的効果をモニターする。
代替的には、B因子ポリペプチドをコードする内因性遺伝子と、動物の胚細胞に導入した同じポリペプチドをコードする改変ゲノムDNAとの間の相同的組み換えの結果として、B因子をコードする遺伝子の欠損または改変を有する「ノックアウト」動物を構築できる。例えば、B因子をコードするcDNAを使用して、確立された技術に従って、B因子をコードするゲノムDNAをクローン化できる。B因子をコードするゲノムDNAの一部を、欠失させることができるかあるいは別の遺伝子、例えば、組み込みをモニターするのに使用できる選択可能なマーカーをコードする遺伝子に置き換えることができる。通常、数キロベースの非改変フランキングDNA(5’末端および3’末端の双方)がベクターに含まれる(例えば、相同的組み換えベクターの記載に関しては、ThomasおよびCapecchi、Cell、51巻:503頁(1987年)を参照されたい)。ベクターを、胚性幹細胞系に(例えばエレクトロポレーションによって)導入し、導入されたDNAが、内因性DNAと相同的に組み換えられた細胞を選択する(例えば、Liら、Cell、69巻:915頁(1992年)を参照されたい)。次いで、選択された細胞を、動物(例えばマウスまたはラット)の胚盤胞に注入し、集合キメラ(aggregation chimera)を形成させる(例えば、Bradley、Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach、E. J. Robertson編(IRL、Oxford、1987年)、113〜152頁を参照されたい)。次いで、キメラ胚を、適切な偽妊娠の雌の里親動物(pseudopregnant female foster animal)に移植し、満期をもたらし、「ノックアウト」動物を出産させる。それらの生殖細胞に相同的組み換えDNAを内に有する子孫を、標準的技術によって同定でき、動物のすべての細胞が相同的組み換えDNAを含有する動物を繁殖させるために使用できる。ノックアウト動物は、例えば、特定の病態に対するそれらの防御能力に関して、そしてB因子ポリペプチドの不在に起因するそれらの病態の発症に関して特徴付けることができる。
したがって、潜在的B因子拮抗薬の生物活性を、マウスB因子ノックアウトマウスにおいてさらに研究できる。
加齢黄斑変性(AMD)の動物モデルは、Ccl−2またはCcr−2遺伝子(gne)にヌル変異を有するマウスからなる。これらのマウスは、網膜色素上皮(RPE)中のリポフスチンの蓄積および網膜色素上皮(RPE)の真下のドルーゼンの蓄積、光受容体の委縮および脈絡膜新生血管(CNV)を含む、AMDの基本的特徴を発症する。これらの特徴は、6月齢以上で発症する。候補B因子拮抗薬は、ドルーゼンの形成、光受容体の委縮および脈絡膜新生血管に関して検査できる。
3.医薬組成物
抗B因子抗体および上記のスクリーニングアッセイによって同定された他の分子を含む、本発明のB因子拮抗薬は、補体関連眼病態の治療のために、医薬組成物の形態で投与できる。
本発明のB因子拮抗薬の治療製剤は、所望の精製度を有する活性分子と、任意選択の医薬的に許容可能な担体、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 第16版、Osol, A編[1980年])とを混合することによって、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で保存用に調製される。許容可能な担体、賦形剤または安定剤は、使用される用量および濃度において受容者に対して無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール;メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノールおよびm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジン;単糖類、二糖類および他の炭水化物(グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む);キレート剤、例えばEDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体)および/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)を含む。
リポフェクションまたはリポソームを使用して、ポリペプチド、抗体または抗体断片を細胞に送達できる。抗体断片を使用する場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最も小さい断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を維持するペプチド分子を設計できる。このようなペプチドは、化学合成でき、そして/または組み換えDNA技術により作製できる(例えば、Marascoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90巻、7889〜7893頁[1993年])。
活性分子は、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースマイクロカプセルまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに取り込むことができ、コロイド薬剤送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球体、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンに取り込むことができる。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 第16版、Osol, A.編(1980年)に開示されている。
インビボ投与に使用する製剤は、滅菌でなければならない。これは、滅菌ろ過膜を介してろ過することによって容易に達成される。
持続放出調製品が調製できる。持続放出調製品の適切な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを含み、これらのマトリックスは造形品の形態、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルである。持続放出マトリックスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル (例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタミン酸塩のコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射可能な小球体)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー 、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸などのポリマーは、100日以上の間分子を放出できるが、一方、特定のヒドロゲルは、短期間でタンパク質を放出する。カプセル化された抗体が長期間体内に残る場合、それらは、37℃において水分にさらされた結果、変性または凝集する可能性があり、生物活性の喪失と免疫原性の変化の可能性がもたらされる。関連する機序に依存した、安定化に関する合理的な戦略を工夫することができる。例えば、チオ−ジスルフィド交換を介した分子間S−S結合の形成である凝集機序が発見された場合、安定化は、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液からの凍結乾燥、水分含有量の調節、適切な添加剤の使用、特定のポリマーマトリックス組成物の開発によって達成できる。
眼疾患または病態の予防または治療のための本発明の化合物は、通常、眼、眼内および/または硝子体内の注射によって投与される。他の方法による投与もまた使用され、限定されるものではないが、局所、非経口、皮下、腹腔内、肺内、鼻腔内および病巣内投与を含む。非経口の注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下の投与を含む。
眼、眼内または硝子体内投与用製剤は、当分野において公知の方法によって、当分野において公知の材料を使用して調製できる。有効な治療のための主要な要件は、眼を通る適切な浸透である。薬剤を局所的に送達できる眼の前方の疾患とは異なって、網膜疾患はより部位特異的な手法が要求される。点眼剤および軟膏は、眼球の背面にはほとんど浸透せず、血液眼関門(blood−ocular barrier)が、全身性投与薬剤の眼組織への浸透を妨げる。したがって、AMDおよびCNVなどの網膜疾患を治療するための薬剤送達の選択方法は、普通は直接の硝子体内注射である。硝子体内注射は、普通は患者の病態ならびに送達薬剤の特性および半減期に依存した間隔で反復される。眼内(例えば、硝子体内)浸透のため、普通、より小型の分子が好ましい。
AMDまたはCNVなどの補体関連眼病態の治療の有効性は、眼内疾患の評価に一般的に使用される、さまざまなエンドポイントによって測定できる。例えば、失明が評価できる。失明は、限定されるものではないが、例えば、ベースラインから所望の時点までの最も良い矯正視力(BCVA)の平均的変化による測定(例えば、BCVAは、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)の視力検査表および検査距離4メートルにおける評価に基づく)、ベースラインと比較した所望の時点での視力において15文字未満喪失する対象の割合の測定、ベースラインと比較した所望の時点での視力において15文字以上増える対象の割合の測定、所望の時点で視力がSnellen20/2000と等価かまたはそれより悪い対象の割合の測定、NEI視覚機能質問表(NEI Visual Functioning Questionnaire)の評価、例えば蛍光眼底血管造影法による、所望の時点のCNVのサイズおよびCNVの漏出量の測定などによって評価できる。限定されるものではないが、例えば、眼検査の実施、眼内圧測定、視力評価、細隙灯圧(slitlamp pressure)測定、眼内炎症の評価などを含む眼の評価が実施できる。
以下の実施例は、単なる例示目的で提示するものであり、本発明の範囲を限定する意図では決してない。
本明細書に引用されたすべての特許および参考文献は、その全体を参照により本明細書に明確に組み込まれる。
抗B因子抗体の調製および検査
本実施例において言及する市販の試薬は、特に示さない限り、製造業者の指示書に従って使用した。本実施例において、および本明細書を通して、ATCC受託番号により特定される細胞の供給源は、American Type Culture Collection、10801 University Boulevard、Manassas、VA 20110−2209である。
方法
タンパク質分析のための硝子体液およびBruch膜の調製
ヒトAMDおよび非AMDの死体の眼を解凍し、前区を、硝子体、網膜およびRPEに沿って取り除いた。硝子体をマイクロチューブに回収し、ドライアイス上で凍結させ、さらなる処理まで−70℃に保存した。Bruch膜−脈絡膜層を、後部半球から剥がし(Crabb, J. W.ら、Proc Natl Acad Sci U S A.、99巻:14682〜7頁(2002年))、4mmまたは6mmいずれかのトレフィンによる試料を、黄斑および中心領域周辺からその後の分析のために単離した(表1を参照されたい)。直径4mmのトレフィンによる1つの試料を補体B因子のタンパク質レベルの分析のために使用した。試料を、アッセイ希釈剤(PBS/0.5% BSA/0.5% Tween−20)中で10分間超音波処理し、5000rpmにおいて10分間の遠心分離により、可溶性画分および不溶性画分を分離した。可溶性画分を、ELISAアッセイに使用した。
ヒトB因子に対するモノクロナール抗体の作製
ヒトB因子に対するモノクロナール抗体を、モノホスホリルリピッドA/トレハロースジコリノミコラートアジュバント(Corixa、Hamilton、MT)中の2μgのB因子(Comptech、Taylor、TX)を、Balb/cマウスの足蹠に、11回注射することによって作製した。マウス由来の膝窩リンパ節を、P3X63Ag.U.l骨髄腫細胞と融合した。ハイブリドーマ細胞を、結合親和性に関してマウスB因子に対してスクリーニングした。抗体を産生する細胞系を、限界希釈法によってクローン化した。
溶血アッセイ
代替経路活性を測定するために、ウサギ赤血球(Er、Colorado Serum)をGVB中で3回洗浄し、2x10/mlに再懸濁した。阻害剤(50μl)および20μlのEr懸濁液を、GVB/0.1M EGTA/0.1M MgClと、1:1で混合した。補体活性化を、Clq−除去ヒト血清(Quidel;30μl、GVB中で1:3に希釈)を加えることによって開始した。室温で30分間インキュベートした後、200μl GVB/10mM EDTAを加え、反応を停止させ、試料を、5分間500 gで遠心分離した。溶血を、200 μlの上清において、412nmにおける吸光度を測定することによって決定した。データを、阻害剤が不在の状態で誘導された溶血に対する%として表した。補体の古典経路についてのCRIgの効果を決定するために、ErをIgMでコーティングされたヒツジ赤血球(E−IgM、CompTech)に置き換えた以外は同様の手法を続け、アッセイを、GVB++中のB因子欠損ヒト血清で実施した。
ヒトB因子のELISA
マウス抗ヒトBa因子mAb(Quidel Corp.、Santa Clara、CA)を、1μg/mLでプレート上にコーティングし、ビオチン化抗B因子mAb GNE2F12.9.3を、800ng/mLで検出抗体として使用した。インタクトなB因子タンパク質(Complement Technology, Inc.)を、31.25〜2.000pg/mLの範囲で標準として使用した。SA−HRPを、1/10,000希釈でプレートに加えた。ヒト硝子体液試料およびBruch膜溶解物試料中のインタクトなB因子の最小定量可能濃度は、それぞれ1.56ng/mL(1/50最小希釈)および312.5pg/mL(1/10最小希釈)であった。
モノクロナール抗B因子抗体 1F7の分子クローニングおよび再フォーマット
総RNAを、マウス抗ヒトB因子モノクロナール1F7を産生するハイブリドーマ細胞から、RNeasy Mini Kit(Qiagen、Germany)を使用して抽出した。軽鎖可変(VL)ドメインおよび重鎖可変(VH)ドメインを、以下の縮重プライマー:
軽鎖(LC)フォワード:
5’GGAGTACATTCAGATATCGTGCTGACCCAATCTCCAGCTTCTTTGGCT3’(配列番号4)
軽鎖リバース:
5’GGTGCAGCCACGGTCCGTTTGATTTCCAGCTTGGTGCCTCCACC3’(配列番号5)
重鎖(HC)フォワード:
5’GGAGTACATTCACAGATCCAGCTGGTGCAGTCTGGACC3’(配列番号6)
重鎖リバース:
5’GACCGATGGGCCCTTGGTGGAGGCTGAGGAGACGGTGASTGWGGTTCC3’(配列番号7)
を用いて、RT−PCRを使用して増幅した。
フォワードプライマーは、VLおよびVH領域のN−末端アミノ酸配列に特異的であった。それぞれ、LCおよびHCリバースプライマーを設計し、軽鎖定常(CL)ドメインおよび重鎖定常ドメイン1(CH1)中の、種にわたって高度に保存されている領域にアニーリングした。
増幅されたVLを、ヒトκ定常ドメインを含むpRK哺乳動物細胞発現ベクターにクローン化した(Shieldsら、J Biol Chem 276巻:6591〜6604頁(2001年))。増幅されたVHを、完全長ヒトIgG1定常ドメインをコードするpRK哺乳動物細胞発現ベクターに挿入した。したがって、1F7は、マウス−ヒトIgG1キメラに再フォーマットされた。
プラスミドをE.coli中で増殖させ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中で発現させた。

Claims (30)

  1. 本質的に、抗B因子抗体1F7と同じエピトープに結合する抗B因子抗体。
  2. 抗B因子抗体1F7の軽鎖超可変領域配列および/または重鎖超可変領域配列(それぞれ、配列番号1および2)を含む抗B因子抗体。
  3. 抗B因子抗体1F7の軽鎖可変領域配列および/または重鎖可変領域配列(それぞれ、配列番号1および2)を含む抗B因子抗体。
  4. 配列番号1の軽鎖配列および配列番号2の重鎖配列を含む抗体1F7である、請求項3に記載の抗B因子抗体。
  5. モノクロナール抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗B因子抗体。
  6. 抗体断片である、請求項5に記載の抗B因子抗体。
  7. 前記抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、(scFv)、dAb、相補性決定領域(CDR)断片、線状抗体、一本鎖抗体分子、ミニボディ、ダイアボディおよび抗体断片から形成される多重特異性抗体からなる群から選択される、請求項6に記載の抗B因子抗体。
  8. キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、請求項5に記載の抗B因子抗体。
  9. キメラ抗体断片、ヒト化抗体断片またはヒト抗体断片である、請求項6に記載の抗B因子抗体断片。
  10. 有効量のB因子拮抗薬を必要とする対象に投与する工程を含む、補体関連眼病態の予防または治療のための方法。
  11. 前記対象が哺乳動物である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記対象がヒトである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記B因子拮抗薬が、抗B因子抗体およびそれらの断片、結合性のポリペプチド、ペプチドおよび非ペプチド低分子からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記B因子拮抗薬が抗体または抗体断片である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記抗体または抗体断片が、本質的に、抗B因子抗体1F7と同じエピトープに結合する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記抗体または抗体断片が、抗B因子抗体1F7の軽鎖超可変領域配列および/または重鎖超可変領域配列(それぞれ、配列番号1および2)を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記抗体または抗体断片が、抗因子抗体1F7の軽鎖可変領域配列および/または重鎖可変領域配列(それぞれ、配列番号1および2)を含む、請求項14に記載の方法。
  18. 配列番号1の軽鎖配列および配列番号2の重鎖配列を含む抗体1F7である、請求項14に記載の方法。
  19. 前記抗体または抗体断片が、B因子の活性部位に結合する、請求項14に記載の方法。
  20. 前記抗体または抗体断片が、B因子の活性部位残基を含むエピトープに結合する、請求項14に記載の方法。
  21. 前記抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、(scFv)、dAb、相補性決定領域(CDR)断片、線状抗体、一本鎖抗体分子、ミニボディ、ダイアボディおよび抗体断片から形成される多重特異性抗体からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  22. 前記抗体断片が、Fab、Fab’、F(ab’)、scFvまたは(scFv)断片である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記補体関連眼病態が、加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新生血管(CNV)、ブドウ膜炎、糖尿病性および他の虚血関連網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォンヒッペル−リンダウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞(CRVO)、角膜新生血管および網膜新生血管からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  24. 前記AMDがドライAMDである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記AMDがウェットAMDである、請求項23に記載の方法。
  26. B因子拮抗薬および前記拮抗薬を投与して補体関連眼病態を治療するための指示書を含むキット。
  27. 前記補体関連眼病態が、加齢黄斑変性(AMD)、脈絡膜新生血管(CNV)、ブドウ膜炎、糖尿病性および他の虚血関連網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、病的近視、フォンヒッペル−リンダウ病、眼のヒストプラスマ症、網膜中心静脈閉塞(CRVO)、角膜新生血管および網膜新生血管からなる群から選択される、請求項26に記載のキット。
  28. 前記補体関連眼病態が、AMDまたはCNVである、請求項27に記載のキット。
  29. 補体関連眼病態の治療用薬剤の調製におけるB因子拮抗薬の使用。
  30. 補体関連眼病態の治療における使用のためのB因子拮抗薬。
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