JP2011502991A - 骨癌並びに骨癌に伴う骨喪失及び骨痛の処置又は予防のためのcfms阻害物質の使用 - Google Patents

骨癌並びに骨癌に伴う骨喪失及び骨痛の処置又は予防のためのcfms阻害物質の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、骨癌、並びに、骨癌に伴う骨喪失及び骨痛を有する患者のための処置方法、及びこれらが進行するリスク(又はこれらを被りやすいリスク)を有する患者のための予防方法を提供し、この方法は、式I:
【化1】
Figure 2011502991

の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩の投与を含む。

Description

(関連出願の相互参照)
この出願は、2007年11月2日に仮出願された米国特許仮出願第60/984,978号の本出願である。
(発明の分野)
本発明は、骨癌及び他の原発部位からの骨転移の処置又は予防のための方法、並びに癌転移に伴う骨喪失及び骨痛の予防及び処置のための方法を目的とする。
骨癌は、癌細胞が骨組織内で増殖する、比較的稀な疾患である。癌は骨内に形成されることがあり、又は体内の別の部位から骨に広がることがある。癌が骨組織内で始まる場合には、原発性骨癌と呼ばれる。癌細胞が他の部位から骨へと移動してきた場合には、骨への二次癌又は転移癌と呼ばれる。骨癌の種類には、骨肉腫(骨の癌性腫瘍であり、通常は腕、脚、又は骨盤の骨にでき、最も多い原発癌)、軟骨肉腫(軟骨の癌であり、第二に多い原発癌)、ユーイング肉腫(脚及び腕の骨の空洞中に通常発生する腫瘍)、線維肉腫及び悪性線維性組織球腫(腱、靱帯、脂肪、筋肉などの軟組織で発生し、脚、腕、及び顎の骨へと広がる癌)、腱鞘巨細胞腫(発生時の約10%のみが悪性の原発性骨腫瘍であり、最も一般的には腕又は脚の骨に生じる)、及び脊索腫(通常、頭蓋骨又は脊椎に発生する原発性骨腫瘍)が挙げられる。
骨転移は、末期の乳癌、前立腺癌、及び肺癌を含む固体の悪性腫瘍を有する患者に高い頻度で発生する。(Mundy G.R.,Nat Rev Cancer 2002;2:584〜93。)骨格内の転移腫瘍は、骨折、高カルシウム血症及び痛みを含む重篤な病的状態をもたらす。この痛みはしばしば、麻酔薬治療に対して抵抗性となり、主に、神経が分布する骨膜を、腫瘍が増殖して侵すことと、骨格の不安定性という、2つの主な理由から生じる。(Sabino MA,et al.,J Support Oncol 2005;3:15〜24。)後者は破骨細胞によって媒介された骨侵食の副産物である。
この状況において、一般的な現場での2つの治療アプローチには、腫瘍の大きさを縮小するための放射線療法、並びに破骨細胞を減少させ骨溶解を低下させるための高用量ビスホスホネート(viz.、パミドロネート及びゾレドロン酸)が挙げられる。(Saarto T,et al.,Eur J Pain 2002;6:323 330;及びMystakidou K,et al.,Cancer Treat Rev 2005;31:303 311。)
放射線療法は、骨転移をしばしば伴う軟組織転移には対応しない。また、ビスホスホネートは多くの患者における骨格での問題を遅らせるが(約35%)、予防はせず、顕著な骨毒性を伴う(例えば骨壊死)。また、多くの既存の化学療法は腫瘍細胞を直接標的とするが、多くの癌において有効性はさまざまであり、しばしば、患者を衰弱させる副作用を伴い、長期的に投与することはできない。加えて、進行癌は、その本質的な遺伝的不安定性のため、化学療法に対する耐性を生じやすい。これらの理由から、宿主微小環境に対する腫瘍の依存性を理解し活用することについて、ますます関心が高まっている(Joyce J.,Cancer Cell 2005;7:513〜520)。
新しい重要なコンセプトは、腫瘍関連のマクロファージが腫瘍の増殖及び転移を促進している可能性があるという点である。(例えばPollard JW.,Nature Reviews Cancer 2004;4:71〜78;及びBingle L,et al.,J Pathol 2002;196:254〜265を参照。)
マクロファージは、ほとんどの腫瘍の細胞に5〜50パーセント含まれており、長い間、腫瘍の免疫の一構成要素と見なされてきた。(Wood GW,et al.,J Natl Cancer Inst 1977;59:1081〜7;及びKelly PMA et al.,Br J Cancer 1988;57:174〜177。)しかしながら、最近の数多くの研究(Bingle L,et al.,J Pathol 2002;196:254〜265及びValkovic T,et al.,Virchows Arch 2002;440:583 588を参照)では、マクロファージの数と、脈管形成及び腫瘍進行との間の直接的相関関係を示しており、このことが、腫瘍の微小環境におけるマクロファージの潜在的役割について再考を強いている。
現在、腫瘍関連マクロファージ(TAM)が腫瘍の脈管形成及び増殖を促進しているという証拠が、広がりつつある。腫瘍微小環境に対して、TAMは「代替的に活性化」し、VEGF、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、及びTGF−β1、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)並びにウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーター(uPA)を含む、腫瘍増殖を支持する増殖因子及びサイトカインを合成する。(Mantovani A.et al.,Trends in Immunology 2002;23:549〜555。)意義深いこととして、いくつかの腫瘍において、TAMは表皮増殖因子(EGF)の主な生成源として同定されている。
実際に、TAMの化学的又は遺伝子的低減により、臨床前モデルにおいて腫瘍増殖が抑制されることが、いくつかの研究で示されている(例えば、van Rooijen N et al.,Methods Enzymol 2003;373:3〜16;De Palma M et al.,Cancer Cell 2005;8:211〜226;Nowickki A,et al.,Int J Cancer 1996;65:112〜119;Aharinejad S,et al.,Cancer Res 2002;62:5317〜5324;Aharinejad S,et al.,Cancer Res 2004;64:5378〜5384;及びPaulus P et al.,Cancer Res 2006;66:4349〜56を参照)。
マクロファージリニエージはコロニー刺激因子1(CSF−1)に部分的に依存している(例えばPollard,J.W.et al.,Adv in Devel Biochem 1995;4:153〜193を参照)。FMSは、マクロファージリニアージ増殖因子、コロニー刺激因子−1(CSF−1)による全ての細胞信号を受け持つクラスIII受容体チロシンキナーゼである。CSF−1は、腫瘍誘発の破骨細胞形成において重要な役割を果たすため、FMSの阻害は、転移性骨疾患における骨溶解の防止のための機構を提供することが期待される。更に、腫瘍の増殖及び発達において、マウス遺伝子はより具体的にCSF−1を示している。ルイス肺癌は、CSF−1欠損マウスにおいては増殖が悪い。(Nowicki A,et al.,Int J Cancer 1996;65:112 119。)更に、全身に送達されたCSF−1アンチセンスかつ中和性のアンチCSF−1抗体は、いくつかのヒト腫瘍異種移植の増殖速度を低減することが示されている。(Paulus P,et al.,Cancer Res 2006;66:4349 4356。)増殖抑制は、TAMの減少、及び微小管密度の低下に関連していた。
末期の乳癌及び前立腺癌に苦しむ患者の50%〜85%が、骨転移を有していると診断される(Roodman GD.,NEJM 2004;350:1655〜64)。末期肺癌患者における骨転移率はいくらか低いが(約30%)、これはこの疾患の急速な進行及び死亡によるものである。骨転移を有する患者のほとんどは、ビスホスホネート治療にもかかわらず、骨の問題(例えば激しい骨痛、骨折、又は高カルシウム血症)を経験する。
転移骨患部は、破骨活性又は造骨活性のいずれが主に増加するかによって、その性質が溶解性又は硬化性となり得る。両方のプロセスが等しく活性である場合は、混合病変と呼ばれる。乳癌患者の骨転移は通常、骨溶解性疾患を含み、この状態では正常な骨恒常性が混乱し、骨の過剰な再吸収へと向かう(Coleman RE,Cancer Treat Rev.27(3),165〜76(2001))。
腫瘍関連の骨侵食は、破骨細胞形成及び破骨細胞活性化に好ましい微小環境によって、増悪する(Roodman GD.,Biology of osteoclast activation in cancer.J Clin Oncol 2001;19:3562〜3571)。CSF−1は腫瘍によって発現し、若齢CSF−1欠損マウスにおける破骨細胞がほぼ皆無であることにより例証されるように、破骨細胞のための重要な分化因子である(Pollard,J.W.et al.,Adv in Devel Biochem 1995;4:153〜193)。
CSF−1は破骨細胞前駆体(すなわちマクロファージ)の増殖及び分化を推進するだけでなく、部分的に、RANKの発現強化による破骨細胞前駆体の破骨細胞への分化に必要でもある(Kitaura H et al.,J Clin Invest;2005;115:3418〜27)。
FMS突然変異の活性化はヒトの癌においては稀であるが、FMSの異所性発現は、一部の腫瘍において増殖を推進することがある。原発性腫瘍の組織学的検査により、多くの乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、及び扁平上皮細胞癌において高いFMS発現が示されている。(Kascinski B.,Cancer Treat Res 2002;107:285 292。)FMSを発現する肺癌及び乳癌腫瘍株は侵襲性が高く、乳癌のFMS発現は、予後の悪さと相関関係にある。(Kluger HM,et al.,Clin Cancer Res 2004;10:173 177。)
骨転移を有する患者は、骨痛、病理的骨折、高カルシウム血症、動きの低下、脊椎や神経根の圧迫などを含む、かなりの病的状態を経験する。これらの臨床的な問題の重要性にもかかわらず、癌転移に伴う骨喪失に使用できる処置はほとんどない。よって、当該技術分野において、骨転移を含む癌転移、並びにそれに伴う骨喪失及び骨痛の、予防及び処置のための新しい薬剤及び方法を見出すニーズが依然として存在する。(例えば国際公開第2007/081879号を参照)。
本発明は、国際公開第2006/047277号(PCT/US2005/037868号として2005年10月20日出願)に記述されている特定の化合物を利用し、特に、国際公開第2006/047277号(この開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の実施例38aに記述され、本明細書でJNJ−141として記述される、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ジメチルアミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、又はその溶媒和物、水和物、互変異性体又は薬剤として許容される塩を利用した、骨癌及び他の原発部位からの骨転移の処置又は予防と、癌転移に伴う骨喪失及び骨痛の予防及び処置の方法を目的とする。
JNJ−141の構造及び細胞活性。A:JNJ−141の構造。B:組換え型CSF−1R発現を伴う安定HEK細胞株を、勾配濃度のJNJ−141で30分間前処理し、次に25ng/mLのCSF−1で10分間処理した。本明細書の実験の項に記述されているように、細胞が可溶化され、この可溶化液を、リン酸化CSF−1R及び全CSF−1Rについて免疫ブロット解析により評価した。 JNJ−141は生体内でCSF−1Rを阻害する。B6C3R1マウスは、JNJ−141を経口投与してから8時間後、尾静脈に0.8マイクログラム(μg)の組換え型CSF−1の注入を行った。15分後、マウスを殺し、本明細書の実験の項の記述に従い、脾臓可溶化液中のc−fos mRNAを測定した。マウスにおいて、JNJ−141は投与量に依存して、CSF−1誘発c−fos mRNAを抑制した。 JNJ−141はヌードマウスにおいてH460ヒト腫瘍異種移植の増殖を低減させた。ヌードマウスに1×106個のH460細胞を皮下接種してから3日後、ビヒクル、又はJNJ−141を25、50又は100mg/kgで1日2回(但し週末は1日1回)の経口投与を開始した。A:腫瘍体積が、キャリパー測定により決定された。B:28日目、マウスを殺し、腫瘍を摘出して重量を測定した。C:マウス体重が、標記の日に測定された。値は全て、平均値及び標準誤差を表わす。*ビヒクル対照に対してp<0.05。**ビヒクル対照に対してp<0.01。 JNJ−141は腫瘍関連マクロファージ及び微小血管を低減した。28日目に、ビヒクル処置マウス(A及びC)又は100mg/kg JNJ−141で処置したマウス(B及びD)から腫瘍を採取した。本明細書の実験の項の記述に従い、腫瘍をホルマリンで固定し、パラフィン埋め込み切片をF4/80+マクロファージについて調べ(A及びB)、又は腫瘍を凍結したクライオスタット切片をCD31+微小血管系について調べた(C及びD)。 JNJ−141はMRMT−1腫瘍による腓骨侵食を予防した。生理食塩水(A)又は3×104個のラット同系MRMT***癌細胞(B〜D)がラットの左脛骨に接種された。3日目から、ビヒクル(B)、又は20mg/kg JNJ−141(C)を1日2回ラットに投与し、あるいは30μg/kgゾレドロネートを1日おきに皮下投与した(D)。17日目にラットを殺し、脛骨がマイクロコンピュータトモグラフィーによって評価された。 JNJ−141は、脛骨のMRMT−1腫瘍での骨侵食を予防し、破骨細胞を除去した。生理食塩水(A)又は3×104個のラット同系MRMT***癌細胞(B〜G)がラットの左脛骨に接種された。3日目から、ビヒクル(B及びE)又は20mg/kg JNJ−141(C及びF)、あるいは30μg/kgゾレドロネートを1日おきに皮下投与した(D及びG)。17日目にラットを殺し、左後脚を摘出し、固定して脱カルシウム化し、パラフィン埋め込み切片がTRAP+細胞のために染色され、軽く対比染色された(H&E)。骨端海綿骨の代表的な顕微鏡写真(実物の40x)(A〜D)が、培養プレート下の海綿骨が最適に見えるよう、暗い領域で撮影された。骨膜腫瘍の代表的な顕微鏡写真(実物の200x)(E〜G)が提供されている。ビヒクル処置された腫瘍ラットにおいて海綿骨のほぼ完全な喪失が見られ、JNJ−141及びゾレドロネートでは保護が得られていることがわかる(A〜D)。両方の薬剤とも海綿骨から破骨細胞を枯渇させたが、腫瘍関連の多核破骨細胞は、ゾレドロネート処置ラット(G)ではまだ存在するのに対し、JNJ−141で処置されたラット(F)には存在しないことがわかる。 JNJ−141は転移による骨痛の発症を防いだ。MRMT−1細胞を近位脛骨に接種すると、MRMT−1細胞を接種された動物においては、溶媒を接種された動物に比べて、最終時点で機械的アロディニアが有意に増大した(p<0.01)。影響を受けた動物をモルヒネで処置すると、アロディニアは2段階前のポイントに戻ったが、20mpk又は60mpkのいずれかのJNJ−141処置を受けた場合は、腫瘍を接種された動物に比べて、最終時点で機械的アロディニアが減少した(それぞれp,0.05及び0.01)。ゾレドロネート処置も、腫瘍を接種された動物に比べてアロディニアを減少させたが、その効果は統計的な有意性には達しなかった。図中の値は群平均±SEMを表わす。
本発明のその他の特徴及び利点は、本発明の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲により明らかとなるであろう。
用語「含む(comprising、including及びcontaining)」は、本明細書において、開放型の非限定的意味で用いられる。
略語
本明細書で使用するとき、下記の略語は次の意味を有することが意図されている(本明細書全体にわたって必要に応じて追加の略語が提供される):
Figure 2011502991
用語の定義
用語「アルキル」は、炭素原子が最高12個の直鎖及び分枝鎖の両方の基を指し、特に記載がない限り、好ましくは炭素原子が最高6個であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソへキシル、ヘプチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ヒドロキシアルキル」は、炭素原子が最高6個の直鎖及び分枝鎖両方の基で、水素原子1つがOH基で置換されているものを指す。
用語「ヒドロキシアルキルアミノ」は、ヒドロキシアルキル基で、炭素鎖の水素原子1つがアミノ基で置換され、ここで、この窒素が、分子の他の部分との接続点となっているものを指す。
用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子から構成される飽和又は部分的不飽和の環を指す。この環には、場合により、最高4つのアルキル置換基があってよい。例としては、シクロプロピル、1,1−ジメチルシクロブチル、1,2,3−トリメチルシクロペンチル、シクロへキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及び4,4−ジメチルシクロヘキセニルが挙げられる。
用語「ジヒドロスルホノピラニル」は、次の基を指す:
Figure 2011502991
用語「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル基が、アルキル鎖の任意の炭素原子に結合しているものを指す。
用語「アミノアルキル」は、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基がアルキル鎖の任意の炭素原子に結合しているものを指し、ここで、アルキル基が、分子の他の部分との接続点となっているものを指す。
用語「アルキルアミノ」は、1つのアルキル置換基を有するアミノを指し、ここで、このアミノ基が、分子の他の部分との接続点となっているものを指す。
用語「ジアルキルアミノ」は、2つのアルキル置換基を有するアミノを指し、ここで、アミノ基が、分子の他の部分との接続点となっているものを指す。
用語「複素環式芳香族」又は「ヘテロアリール」は、5員若しくは7員の単環式、又は8員若しくは10員の二環式芳香環系で、このうち任意の環が、N、O又はSから選択される1〜4個のヘテロ原子からなっていてよく、このとき窒素及びイオウ原子は、許容される任意の酸化状態で存在し得るものを指す。例としては、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリニル、チアゾリル及びチエニルが挙げられる。
用語「ヘテロ原子」は、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子を指し、ここで、窒素及びイオウ原子は、許容される任意の酸化状態で存在し得る。
用語「アルコキシ」は、炭素原子が最高12個の直鎖及び分枝鎖の基を指し、別途記載がない限り、酸素原子に結合しているものを指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びブトキシが挙げられる。
用語「アリール」は、環内に6〜12個の炭素を含む単環式又は二環式芳香環系を指す。この環には、場合により、アルキル置換基があってよい。例としては、ベンゼン、ビフェニル及びナフタレンが挙げられる。
用語「アラルキル」は、アリール置換基を含むC1〜6アルキル基を指す。例としては、ベンジル、フェニルエチル又は2−ナフチルメチルが挙げられる。
用語「スルホニル」は、−S(O)2a基を指し、式中Raは水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロアラルキルである。「スルホニル化剤」は、分子に−S(O)2a基を追加する。
式I
本発明は、式I:
Figure 2011502991
式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
Wは
ピロリル(1H−ピロール−2−イルを含む)、イミダゾリル、(1H−イミダゾール−2−イルを含む)、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニル(フラン−2−イルを含む)であり、このいずれかは、任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基1つを含んでいてもよく、
2
シクロアルキル(シクロヘキセニル、シクロペンテニルを含む)、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキル(4,4−ジメチルシクロヘキセニル、4−メチルシクロヘキセニル、2−メチルチオフェニル、3−メチルチオフェニルを含む)のうちのそれぞれ1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
Xは
Figure 2011502991
であり、
Zは
CH又はNであり、
1及びD2
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
3及びD4
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
5
水素又は−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
a及びRbは独立に
水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
Eは
N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
a
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
b
不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
3
水素、フェニル、ヒドロキシアルキルアミノ(2−ヒドロキシエチルアミノを含む)、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、ヒドロキシアルキル(アルキル)アミノ(1−ヒドロキシエト−2−イル(メチル)アミノを含む)、アルキルアミノ(メチルアミノを含む)、アミノアルキル(2−アミノイソプロピルを含む)、ジヒドロキシアルキル(1,3−ジヒドロキシイソプロピル、1,2−ジヒドロキシエチルを含む)、アルコキシ(メトキシを含む)、ジアルキルアミノ(ジメチルアミノを含む)、ヒドロキシアルキル(1−ヒドロキシエト−2−イルを含む)、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4(−SO2CH3を含む)、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、この5員又は6員環は飽和、部分的不飽和、又は芳香族(ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル及びピリジルを含む)であってもよく、この5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシド(ピリジルN−オキシドを含む)として存在していてもよく、かつこの5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシ(1−メチルイミダゾリルを含む)で置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
4
水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、の化合物(本明細書では、「本発明の化合物」と呼ばれる)又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩の使用方法を含む。
実施形態
本発明の実施形態には、式Iの化合物が含まれ、式中:
a)Aは
フェニル又はピリジルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
b)Aは
フェニルであり、
c)Wは
ピロリル(1H−ピロール−2−イルを含む)、イミダゾリル、(1H−イミダゾール−2−イルを含む)、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニル(フラン−2−イルを含む)であり、このいずれかは、任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基1つを含んでいてもよく、
d)Wは
フラン−2−イル、1H−ピロール−2−イル、又は1H−イミダゾール−2−イルであり、これらのいずれかの第4又は第5炭素の位置で−CNに置換されていてもよく、
e)Wは
3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリル又は5−シアノ−1H−ピロール−2−イルであり、
f)Wは
3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルであり、
g)R2
シクロアルキル(シクロヘキセニル、シクロペンテニルを含む)、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキル(4,4−ジメチルシクロヘキセニル、4−メチルシクロヘキセニル、2−メチルチオフェニル、3−メチルチオフェニルを含む)のうちのそれぞれ1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
h)R2
シクロアルキル(シクロヘキセニル、シクロペンテニルを含む)であり、これが1つ又は2つのC(1〜3)アルキル(4,4−ジメチルシクロヘキセニル、4−メチルシクロヘキセニルを含む)で置換されていてもよく、
i)R2
シクロヘキセニルであり、これが1つ又は2つのC(1〜3)アルキルで置換されていてもよく、
j)R2
シクロヘキセニル、4,4−ジメチルシクロヘキセニル、又は4−メチルシクロヘキセニルであり、
k)R2
シクロヘキセニルであり、
l)Xは
Figure 2011502991
であり、
m)Xは
Figure 2011502991
であり、
n)Xは
Figure 2011502991
であり、
o)Zは
CH又はNであり、
p)Zは
CHであり、
q)D1及びD2
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
r)D1及びD2
それぞれ水素であり、
s)D3及びD4
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
t)D3及びD4
それぞれ水素であり、
u)D5
水素又は−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
v)Ra及びRbは独立に
水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
w)Eは
N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
x)Eは
Nであり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
y)Qa
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
z)Qa
不在、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
aa)Qa
不在、又はC(O)であり、
bb)Qa
C(O)であり、
cc)Qb
不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
dd)Qb
不在、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、
ee)Qb
不在、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、
ff)R3
水素、フェニル、ヒドロキシアルキルアミノ(2−ヒドロキシエチルアミノを含む)、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、ヒドロキシアルキル(アルキル)アミノ(1−ヒドロキシエト−2−イル(メチル)アミノを含む)、アルキルアミノ(メチルアミノを含む)、アミノアルキル(2−アミノイソプロピルを含む)、ジヒドロキシアルキル(1,3−ジヒドロキシイソプロピル、1,2−ジヒドロキシエチルを含む)、アルコキシ(メトキシを含む)、ジアルキルアミノ(ジメチルアミノを含む)、ヒドロキシアルキル(1−ヒドロキシエト−2−イルを含む)、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4(−SO2CH3を含む)、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、この5員又は6員環は飽和、部分的不飽和、又は芳香族(ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル及びピリジルを含む)であってもよく、この5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシド(ピリジルN−オキシドを含む)として存在していてもよく、かつこの5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシ(1−メチルイミダゾリルを含む)で置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
gg)R3
水素、フェニル、2−ヒドロキシエチルアミノ、1−ヒドロキシエト−2−イル(メチル)アミノ、メチルアミノ、2−アミノイソプロピル、1,3−ジヒドロキシイソプロピル、1,2−ジヒドロキシエチル、メトキシ、ジメチルアミノ、1−ヒドロキシエト−2−イル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−、−SO2CH3)、−NH2、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピリジル、ピリジルN−オキシド)、又は1−メチルイミダゾリルであり、
hh)R3
アルキルアミノ(メチルアミノを含む)、ジアルキルアミノ(ジメチルアミノを含む)、又は−SO2−アルキル−R4(−SO2CH3を含む)であり、
ii)R3
メチルアミノ、ジメチルアミノ、又は−SO2CH3であり、
jj)R3
ジメチルアミノであり、
kk)R4
水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルであり、そして
ll)R4
水素であり、
更に、上記のa)〜ll)の全ての組み合わせが含まれる。
式Iの他の好ましい実施形態では、式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
Wが
ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは、任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
2
シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
Xが
Figure 2011502991
であり、−NHCO−Wに対してパラ配向されており、
Zは
CH又はNであり、
1及びD2
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
3及びD4
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
5
水素又は−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
a及びRbは独立に
水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
Eは
N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
a
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
b
不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
3
水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、この5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、この5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつこの5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
4
水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである。
式Iの他の好ましい実施形態では、式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、
Wが
ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは、任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
2
シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
Xは
Figure 2011502991
であり、−NHCO−Wに対してパラ配向されており、
Zが
CH又はNであり、
1及びD2
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
3及びD4
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
5
水素又は−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
a及びRbは独立に
水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
Eは
N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
a
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
b
不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
3
水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、この5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、この5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつこの5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
4
水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである。
式Iの他の好ましい実施形態では、式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、
Wが
3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルであり、
2は:
シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
Xが
Figure 2011502991
であり、−NHCO−Wに対してパラ配向されており、
Zが
CH又はNであり、
1及びD2
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
3及びD4
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
5
水素又は−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
a及びRbは独立に
水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
Eは
N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
a
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
b
不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
3
水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、この5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、この5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつこの5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
4
水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである。
式Iの他の好ましい実施形態では、式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、
Wは
3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルであり、
2
1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルであり、
Xは
Figure 2011502991
−NHCO−Wに対してパラ配向されており、
Zは
CH又はNであり、
1及びD2
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
3及びD4
それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
5
水素又は−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
a及びRbは独立に
水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
Eは
N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
a
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
b
不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
3
水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、この5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、この5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつこの5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
4
水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである。
式Iの他の好ましい実施形態では、式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、
Wは
3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルであり、
2は:
1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルであり、
Xは
Figure 2011502991
であり、−NHCO−Wに対してパラ配向されており、
Zは
CHであり、
1及びD2
それぞれ水素であり、
3及びD4
それぞれ水素であり、
5
−CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
Eは
Nであり、
a
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
b
不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
3
水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである。
式Iの他の好ましい実施形態では、式中:
Aは
フェニル又はピリジルであり、
Wが
3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルであり、
2
1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルであり、
Xは
Figure 2011502991
であり、−NHCO−Wに対してパラ配向されている。
式Iの化合物の実施例には次のものが挙げられる:
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−フェニル]−アミド、及び
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(2−メチル−チオフェン−3−イル)−フェニル]−アミド、
並びにこれらの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの化合物の追加の実施例には次のものが挙げられる:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−(1,2,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−アミド、
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド、
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−アミド、
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2’−メチル−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−2−イル]−アミド、及び
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2’−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−2−イル]−アミド、
並びにこれらの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの化合物の更なる実施例には次のものがある:
(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−酢酸、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−カルバモイルメチル−ピペリジン−4−イル)−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(4−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(4−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−4−(1−ピリジン−2−イルメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−シアノ−エチル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メタンスルホニル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−ピリジン−2−イルメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロペンタ−1−エニル−4−[1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロペンタ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミド、
4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−フェニル]−アミド、及び
4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミド、
並びにこれらの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの化合物の他の実施例には次のものがある:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(1−オキシ−ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(1−オキシ−ピリジン−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(3−モルホリン−4−イル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−カルボン酸アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−3H−イミダゾール−4−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ピリジン−4−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−{1−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−フェニル)−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ピリジン−3−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メタンスルホニル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ピリジン−2−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、及び
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミド、
並びにこれらの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの別の実施例化合物には次のものがある:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−{2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−アセチル}−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミド、
並びにこの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの別の実施例化合物には次のものがある:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ジメチルアミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
並びにこの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの別の実施例化合物には次のものがある:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
並びにこの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの更に他の実施例化合物には次のものがある:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(3−アミノ−3−メチル−ブチリル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩、
4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドビストリフルオロ酢酸塩、
5−クロロ−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩、
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩、
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩、
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(R)−(+)−(2,3−ジヒドロキシ−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩、
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩、及び
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−シクロヘキサ−1−エニル−1’−(2−メタンスルホニル−エチル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミド、
並びにこれらの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
式Iの別の実施例化合物には次のものがある:
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メチルアミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド、
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[1’−(2−ジメチルアミノ−アセチル)−6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩、及び
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’−(2−メタンスルホニル−エチル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩、
並びにこれらの溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩。
本明細書で使用するとき、用語「本発明の化合物」には、その溶媒和物、水和物、互変異性体及び製薬上許容できる塩も含まれるものとする。
製薬上許容できる塩
前述のように、本発明の化合物はまた、製薬上許容できる塩の形態で存在し得る。
医療用には、本発明の化合物の塩は、非毒性の「製薬上許容できる塩」を指す。FDA認可の製薬上許容できる塩(International J.Pharm.1986,33,201〜217;J.Pharm.Sci.,1977,Jan,66(1),p1を参照)には、製薬上許容できる酸性/陰イオン又は塩基性/陽イオンの塩が挙げられる。
製薬上許容できる酸性/陰イオンの塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩(glyceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩及びトリエチオジド(triethiodide)が挙げられるが、これらに限定されない。有機又は無機の酸には、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、シュウ酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サッカリン酸又はトリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。
製薬上許容できる塩基性/陽イオンの塩には、アルミニウム、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トロメタン又は「TRIS」としても知られる)、アンモニア、ベンザチン、t−ブチルアミン、カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、クロロプロカイン、コリン、重炭酸コリン、塩化コリン、シクロへキシルアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、リチウム、LiOMe、L−リジン、マグネシウム、メグルミン、NH3、NH4OH、N−メチル−D−グルカミン、ピペリジン、カリウム、カリウム−t−ブトキシド、水酸化カリウム(水溶液)、プロカイン、キニーネ、ナトリウム、炭酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム(SEH)、水酸化ナトリウム、又は亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
プロドラッグ
本発明は更に、本発明の化合物のプロドラッグを本発明の範囲内に包含する。そのようなプロドラッグは一般に、生体内で容易に活性化合物に変化し得る本化合物の機能的誘導体である。それゆえに、本発明の処置方法における用語「投与する」は、具体的に開示した所与の化合物ではなくとも、明らかに本発明の範囲内に含まれるであろう化合物又はそのプロドラッグを用いて、本明細書に記述する症候群、疾患又は病気を処置、改善又は予防する手段を包含する。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための従来の手順は、例えば「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に述べられている。
立体化学的異性体
本発明のいくつかの化合物には、その構造中に1つ以上の不斉炭素原子があることが、当業者には認識されるであろう。本発明には、本発明の化合物の単一エナンチオマー形態、ラセミ混合物、及びエナンチオマー過剰が存在するエナンチオマー混合物がその範囲内に含まれることが意図されている。
本明細書で使用するとき、用語「単一エナンチオマー」は、本発明の化合物及びそのN−オキシド、付加塩、四級アミン、並びに生理学的な機能的誘導体が所持し得る、あらゆる可能なホモキラル形態として定義される。
立体化学的に純粋な異性体形態は、既知の原理の適用により得ることができる。ジアステレオ異性体は、分画結晶化及びクロマトグラフィー技法などの物理的分離方法によって分離することができ、エナンチオマーは、光学活性を持つ酸又は塩基とのジアステレオマー塩の選択的結晶化により、又はキラルクロマトグラフィーにより、互いに分離することができる。純粋な立体異性体はまた、立体化学的に純粋な好適な出発物質から合成することによって、あるいは立体選択的な反応を使用することによって、調製することもできる。
用語「異性体」は、組成及び分子量は同じであるが、物理的及び/又は化学的特性が異なる化合物を指す。このような物質が有する原子の数及び種類は同じであるが、構造は異なる。その構造の違いは構成の違い(幾何異性体)又は偏光面を回転させる能力の違い(エナンチオマー)であり得る。
用語「立体異性体」は、構成は同じであるが原子の空間配置が異なる異性体を指す。エナンチオマー及びジアステレオマーは、立体異性体の例である。
用語「キラル」は、鏡像を重ね合わせることを不可能たらしめる分子の構造的特性を指す。
用語「エナンチオマー」は、互いに鏡像であるが重なり合わない1対の分子種の中の一方を指す。
用語「ジアステレオマー」は、鏡像ではない立体異性体を指す。
記号「R」及び「S」は、(1個又はそれ以上の)キラル炭素原子の回りの置換基の配置を表す。
用語「ラセミ化合物」又は「ラセミ混合物」は、2種類のエナンチオマー種が等モル量含まれる組成物を指し、この組成物は光学活性を示さない。
用語「ホモキラル」は、エナンチオマー的に純粋な状態を指す。
用語「光学活性」は、ホモキラル分子、又はキラル分子の非ラセミ混合物が偏光面を回転させる度合を指す。
本発明の化合物を調製するために用いるいろいろな置換立体異性体、幾何異性体及びこれらの混合物は商業的に入手可能であるか、市販の出発材料を用いて合成的に調製可能であるか、あるいは異性体混合物として調製した後に当業者に周知の技術を用いて分割した異性体として得ることができると理解されるべきである。
異性体記述子「R」及び「S」は、本明細書において記述される場合、中心分子に関する原子配置を指し、これらは文献(IUPAC Recommendations for Fundamental Stereochemistry(Section E),Pure Appl.Chem.,1976,45:13〜30)に定義されているように用いられることが意図されている。
本発明の化合物はいずれかの異性体に特異的な合成を用いて個々の異性体として調製可能であるか、又は、異性体混合物から分割可能である。通常の分割技術には、光学活性塩を用いて異性体対の各異性体の遊離塩基を生じさせ(続いて分画結晶化そして遊離塩基の再生を行い)、異性体対の各異性体のエステル又はアミドを形成する(続いてクロマトグラフィーによる分離そしてキラル補助剤の除去を行う)か、あるいは調製用TLC(薄層クロマトグラフィー)又はキラルHPLCカラムを用いて出発物質又は最終生成物のいずれかの異性体混合物を分離することが含まれる。
多形体及び溶媒和物
更に、本発明の化合物は1種以上の多形体又は非晶質結晶形態も取ることができ、それらも本発明の範囲内に包含されることが意図される。加えてこの化合物は、例えば水(すなわち水和物)又は一般的な有機溶媒と、溶媒和物を形成することができる。本明細書で使用するとき、用語「溶媒和物」は、本発明の化合物が1つ以上の溶媒分子と物理的に結合していることを意味する。この物理的結合には、水素結合を含め、様々な度合のイオン結合及び共有結合が伴う。特定の場合において、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶質固体の結晶格子に組み込まれているとき、この溶媒和物は分離することができるようになる。用語「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物と分離可能な溶媒和物の両方を包含することが意図される。好適な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール付加物、メタノール付加物、及び同様物が挙げられる。
本発明には、本発明の化合物の溶媒和物がその範囲内に含まれることが意図される。それゆえに、本発明の処置方法における用語「投与する」は、具体的に開示したものではなくとも、明らかに本発明の範囲内に含まれるであろう化合物又はその溶媒和物を用いて、本明細書に記述する症候群、疾患又は病気を処置、改善又は予防する手段を包含する。
N−オキシド
本発明の化合物は、三価窒素をN−オキシド形態に変換するための既知の手順に従って、対応するN−オキシド形態に変換することができる。このN−酸化反応は一般に、出発物質を好適な有機又は無機過酸化物と反応させることによって実行することができる。好適な無機過酸化物には、例えば、過酸化水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の過酸化物(例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウム)が挙げられる。好適な有機過酸化物には、ペルオキシ酸(例えば、ベンゼンカルボペルオキシ酸)又はハロゲン置換ベンゼンカルボペルオキシ酸(例えば、3−クロロベンゼンカルボペルオキシ酸)、ペルオキシアルカン酸(例えば、ペルオキシ酢酸)、アルキルヒドロペルオキシド(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド)を挙げてもよい。好適な溶媒は例えば、水、低級アルコール(例えば、エタノールなど)、炭化水素(例えば、トルエン)、ケトン(例えば、2−ブタノン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン)、及びこのような溶媒の混合物である。
互変異性体
本発明の化合物は、その互変異性形態でも存在し得る。このような形態は、本出願において明示的に示されていなくとも、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
本発明の化合物の調製
本発明の化合物の任意の製造方法中、関与する任意の分子の感受性又は反応性基を保護することが必要かつ/又は望ましい場合がある。これは、Protecting Groups,P.Kocienski,Thieme Medical Publishers,2000;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.Wiley Interscience,1999に記述されているもののような、従来の保護基を用いて達成することができる。このような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。
調製方法
Figure 2011502991
スキーム1は、式Iの化合物調製のための一般的な方法論を表わしたものである。式1−2の化合物は、式1−1のアミノ化合物のオルトハロゲン化(好ましくは臭素化)の後、ボロン酸若しくはボロン酸エステル(鈴木反応、式中R2MはR2B(OH)2若しくはボロン酸エステル)又はスズ試薬(スティル(Stille)反応、式中R2MはR2Sn(アルキル)3)(評論についてはN.Miyaura,A.Suzuki,Chem.Rev.,95:2457(1995),J.K.Stille,Angew.Chem,Int.Ed.Engl.,25:508024(1986)及びA.Suzuki in Metal−Catalyzed Coupling Reactions,F.Deiderich,P.Stang,Eds.,Wiley−VCH,Weinheim (1988)を参照)との金属触媒カップリング反応によって得ることができる。式1−1の化合物は市販されているものであってよく、又は上記のパラジウム媒介クロスカップリング反応を使用して、出発物質1−0から式1−1の化合物を生成することができる。
1−1の臭素化のための好ましい条件は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)又はアセトニトリルなどの適切な溶媒中における、N−ブロモスクシンイミド(NBS)である。金属触媒カップリング、好ましくは鈴木反応は、標準的な方法論に従って実施することができ、好ましくは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh34)などのパラジウム触媒、水性Na2CO3などの水性塩基、並びに、トルエン、エタノール、ジメトキシエタン(DME)、又はDMFなどの適切な溶媒の存在下で実施することができる。
式Iの化合物は、アミン結合形成のための標準的手順に従って、式1−2の化合物を、カルボン酸WCOOHと反応させることにより(評論についてはM.Bodansky and A.Bodansky,The Practice of Peptide Synthesis,Springer−Verlag,NY(1984)を参照)、又は、酸塩化物WCOCl又は活性化エステルWCO2Rq(式中、Rqはペンタフルオロフェニル又はN−スクシンイミドなどの脱離基である)と反応させることにより、調製することができる。WCOOHとのカップリングのための好ましい反応条件は:Wがフランである場合は、触媒としてDMFと共にDCM中の塩化オキサリルにより、酸塩化物WCOClを形成し、次にDIEAなどのトリアルキルアミンの存在下でカップリングさせる;Wがピロールである場合は、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−スルホンアミドメチル塩酸塩(HOBt);並びに、Wがイミダゾールである場合は、好ましい条件はDCM中のヘキサフルオロリン酸ブロモトリピロリジノホスホニウム(PyBrOP)及びジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である。
式Iの環A上に場合により存在する置換は、出発物質1−1又は1−3において存在していてもよく、そのような場合、スキーム1に記述される合成を実施することができる。あるいは、式Iの化合物上の様々な置換基は、下記の数多くの方法において導入され、式Iのために列記されている、場合による置換を提供することができる。式1−0又は1−3の環A上にある脱離基「L1」は、スキーム1の前に、又はスキーム1中の任意の工程において、置換することができる。このような脱離基(好ましくはフルオロ又はクロロ)が式1−3のニトロ基によって、求核攻撃に対し活性化しているとき、これら脱離基は、K2CO3、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)又はNEt3などの適切な塩基の存在下において、アンモニア及びアジド陰イオンによって、あるいはアミン、アルコール、チオール及びその他の求核剤によって、直接的に求核芳香族置換されていてもよい。脱離基が金属触媒カップリングに好適である場合(好ましくはブロモ又はトリフルオロメタン−スルホニルオキシ)、数多くのクロスカップリング反応(例えばR2の導入に関して前述した鈴木又はスティル反応)が実行できる。他に使用可能である金属触媒カップリング反応には、芳香族及び複素環式芳香族のアミノ化及びアミド化が挙げられる(評論についてはS.L.Buchwald,et al,Top.Curr.Chem.,219:131〜209(2001)及びJ.F.Hartwig in「Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis,」Wiley Interscience,NY(2002)を参照)。L1が、場合によりメチル置換を生成するためにニトロによって活性化されたブロモ、ヨード、又はクロロである場合は、2,4,6−トリメチル−シクロトリボロキサンとの追加の金属触媒クロスカップリング反応を使用することができる(M.Gray,et al,Tetrahedron Lett.,41:6237〜40(2000)を参照)。
いくつかの場合において、最初の置換基は更に、後述のように誘導体化し、式Iの最終的置換をもたらすことができる。
窒素含有の複素環置換基を環Aに導入するための別の方法は、環A上のアミノ基から複素環を形成することである。アミノ基は、保護された形態又は非保護の形態で、出発物質に元々存在していてもよく、又は、出発物質に元々存在し得るか、若しくはニトロ化反応によって結合されたかのいずれかの、ニトロ基の還元により得ることができる。更に、アミノ基は出発物質に存在し得るアジド基の還元によって形成することができ、又は上述のように、アジド陰イオンによる、活性化したハロゲン化物の求核芳香族置換から得ることができる。アミノ基はまた、アンモニアによる、又は保護されたアンモニア同等物(例えば、カルバミン酸t−ブチル)による、活性化したハロゲン化物(例えば、ニトロハロ化合物中)の求核芳香族置換から得ることができる。アミンが保護形態で導入された場合は、標準的な文献記載の方法に従って脱保護することができる。(アミン保護基及び脱保護方法の例は、Theodora W.Greene and Peter G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.,NY(1991)を参照。)環形成反応は、アニリンアミノ基を、場合により置換された適切な求二電子剤(di-electrophile)(好ましくはジハロゲン化物又はジカルボニル化合物)で処理することを伴い、これにより、アミノ基に2つの置換基がもたらされ、場合により置換複素環を形成する。ジハロゲン化物の場合においては、数多くの好適な塩基のうち任意のもの、例えば炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、又はトリアルキルアミン(例えばトリエチルアミン)を、酸スカベンジャーとして加えることができる。よって、ビス(2−ハロエチル)アミン(例えば、ビス(2−クロロエチル)アミン又はビス(2−ブロモエチル)アミン)で処理することにより、ピペラジン環を得ることができる(例えばJ.Med.Chem.,29:640〜4(1986)及びJ.Med.Chem.,46:2837(2003)を参照)。試薬のアミン窒素上の場合による置換は、ピペラジンの末端アミン上の場合による置換を含み得る。例えば、N,N−ビス(2−クロロエチル)アニリンは、N−フェニルピペラジノ基をもたらし得る。ビス(2−ハロエチル)エーテル又はビス(2−ハロエチル)チオエーテルは、それぞれ、モルホリン環又はチオモルホリン環をもたらすことができる。
環Aに複素環置換を導入するための直接置換の別の代替的方法は、アルデヒド(すなわち環A上のホルミル基)から複素環を形成することである。ホルミル基は、保護された形態又は非保護の形態で、出発物質に元々存在していてもよく、又は、ビルスマイヤー・ハック(Vilsmeier-Haack)反応を含む文献で既知の数多くのホルミル化反応の任意のものから得ることができ(ホルミル化化学の評論については、G.A.Olah,et al,Chem Rev.,87:(1987)を参照)、又は、芳香族ニトロ化合物のパラホルミル化によって得ることができる(A.Katritsky and L.Xie,Tetrahedron Lett.,37:347〜50(1996)を参照)。
最後に、式Iの化合物は更に誘導体化できることが理解される。式Iの化合物上の保護基は、標準的な合成手法に従って除去することができ(Theodora W.Greene and Peter G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.,NY(1991))、次に更なる誘導体化の対象となり得る。化合物Iの更なる誘導化の例としては、式Iの化合物が一級又は二級アミンを含む場合、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下で、そのアミンをアルデヒド又はケトンと反応させて(Abdel−Magid J.Org.Chem.61,pp.3849〜3862,(1996)を参照)、還元的にアルキル化することができ;上述のように酸塩化物又はカルボン酸並びにアミド結合形成試薬と反応させて、アミドを形成することができ;塩化スルホニルと反応させて、スルホンアミドを形成することができ;イソシアネートと反応させて、尿素を形成することができ;上述のようにパラジウム触媒の存在下でアリールハロゲン化物又はヘテロアリールハロゲン化物と反応させて(Buchwald及びHartwigの上記参考文献を参照)アリールアミン及びヘテロアリールアミンを形成することができることが挙げられるが、これらに限定されない。更に、式Iの化合物がアリールハロゲン化物又はヘテロアリールハロゲン化物を含む場合、これらの化合物は、ボロン酸(例えば上述の鈴木又はスティルカップリング)、又はアミン若しくはアルコール(ブッフバルト型又はハートウィッグ型カップリング、Buchwald及びHartwigの上記参考文献を参照)との金属触媒反応の対象となる。式Iの化合物がシアノ基を含む場合、この基は加水分解して、酸又は塩基性条件下でアミド又は酸になり得る。塩基性アミンは酸化してN−オキシドになり得、及び逆に、N−オキシドは還元して塩基性アミンになり得る。式Iの化合物がスルフィド(非環状と環状のいずれでも)を含む場合、このスルフィドは更に酸化されて、対応するスルホキシド又はスルホンになり得る。スルホキシドは、一当量の(メタ−クロロ過安息香酸)MCPBAなどの適切な酸化剤を使用した酸化により、又はNaIO4で処理することにより、得ることができ(例えばJ.Regan,et al,J.Med.Chem.,46:4676〜86(2003)を参照)、スルホンは、二当量のMCPBAを使用することにより、又は4−メチルモルホリンN−オキシド及び触媒四酸化オスミウムで処理することにより、得ることができる(例えば、PCT特許出願WO01/47919号を参照)。
Figure 2011502991
スキーム2aは式Iの化合物に至る経路を示す。Fは−NQab3−、−O−、S、SO、又はSO2であり、AAは−NH2又は−NO2を表わす。D1及びD2は説明目的のためにのみ示されている。当業者には、D5678も存在し得ることが認識される。式2−1のケトンは、LDAなどの非求核性塩基で処理し、結果として得られるエノラートを、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、又は好ましくはN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドなどのトリフラート化剤でトラッピングすることにより、式2−2のビニルトリフラートに変換することができる。式2−3のボロン酸又はボロン酸エステルを、式2−2のビニルトリフラートに鈴木カップリングさせることにより、式2−4の化合物を得ることができ、式中、ZはCである(Synthesis,993(1991))。
式2−4の化合物をPd/Cで処理することにより、このオレフィン(及びAAがNO2である場合はニトロも)の両方を還元することができ、ZがCHに、AAがNH2となり得る。Fが−SO2を表す式2−4の化合物は、MCPBAとの酸化、又はスキーム1に記述した他の方法により、AAが−NO2でありFがスルフィド(Fが−S−である)である式2−4の化合物から調製することができる。このニトロ基は次にPd/Cで還元することができ、ニトロとオレフィンの両方が還元される。
式2−4(AAがNH2である)の化合物は、次に、スキーム1の記述に従い、式2−5の化合物(これはまた、更なる改変が不要な場合には式Iの化合物を表わす)に変換される。
式2−5の化合物は更に改変し、式Iの追加の化合物をもたらすことができる。例えば、Fが−NQab3−、Qabが直接結合であり、及びR3がBOC保護基(CO2tBu)である場合、このBOC基を、DCM中のトリフルオロ酢酸(trifluoroactic acid)(TFA)などの標準的手法に従って除去して(Greene and Wuts,ibid.)二級アミンを得ることができ、これを更に誘導体化して、式Iの化合物を得ることができる。更なる誘導体化には、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下で、アルデヒド又はケトンと反応させ、Fが−NCH23である式IIの化合物を得ること(A.F.Abdel−Magid,ibid.);酸塩化物と、又はカルボン酸及びアミド結合形成剤と反応させ(スキーム1の記述に従って)、Fが−NCOR3である式IIの化合物を得ること;スルホニル塩化物と反応させ(スキーム1の記述に従って)、Fが−NSO2aである式Iの化合物を得ること;イソシアネートと反応させ(スキーム1の記述に従って)、Fが−NCONRabである式IIの化合物を得ること;あるいは、スキーム1の概要に従って、金属触媒置換反応させ、Fが−NR3である式Iの化合物を得ること、が挙げられるが、これらに限定されない。(S.L.Buchwald,et al,ibid.;J.H.Hartwig,ibid.)上記の例について、Ra及びRbは独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロアラルキルである。
Figure 2011502991
スキーム2bは、式Iの部分的不飽和化合物を合成するための、スキーム2aの改変を示す。Eは−NQab3−、−O−(D1及びD2はHである)、−S−(D1及びD2はHである)、−(D1及びD2はHである)、又は−SO2−(D1及びD2はHである)を表わし、並びにRAAは−NH2又は−NO2を表わす。式2−4の化合物は、スキーム2に示すように調製される。RAAが−NO2である場合、このニトロ基は、鉄及び塩化アンモニウムなど、オレフィンを還元しない方法によって還元されなければならない。式2−4のRAAがアミノ基である場合、工程は不要であり、式2−4の化合物は式2−7の化合物でもある。Eが−SO2−又は−SO−である式2−7の化合物を調製するには、上記のように、RAAが−NO2である式2−4の化合物に対してスルフィドの酸化を行い、次いでニトロ還元を行う必要がある。
Figure 2011502991
スキーム3は、式Iの化合物の合成のための中間体調製を示しており、式中、環Aはピリジルであり、R5は場合による環A上の置換、又は式Iに定義されている複素環置換基の1つである。Kは、NH2、又はNO2、COOH若しくはCOORなどの他の官能基であり、これらは、NO2の還元(スキーム1で検討したように)、又はCOOHのクルチウス転位(評論はOrganic Reactions,3:337(1947)を参照)などの既知の文献記載の方法によって、最終的にアミノ基に変換することができる。L3及びL4はハロゲンである。(KがCOOHであるものは、KがCOORであるものを、単純な塩基又は酸触媒で加水分解することによって、形成することもできる。)一般にR2及びR5を導入する際の選択性及び順序は、化合物(3−1)で選択されるハロゲンL3及びL4の相対的反応性、複素環の固有の選択性、並びに/又は使用する反応条件によって、達成することができる。R2及びR5を導入する際の選択性においてハロゲンL3及びL4の相対的反応性を利用する例としては、L3がフルオロ基、L4がブロモ基である式3−1の化合物において、このフルオロ基を求核剤で選択的に置換し、続いて残るブロモ基を金属触媒置換化学反応(例えば、下記に詳しく記述される鈴木又はスティルクロスカップリング反応)によって置換することにより、達成することが可能である。同様に、L3及びL4のうち1つがヨード基であり、もう一方がブロモ又はクロロ基である式3−1の化合物において、このヨード基に対する選択的金属触媒置換化学反応(例えば、下記に更に記述される鈴木若しくはスティルクロスカップリング反応、又はブッフバルト/ハートウィッグ型アミノ化カップリング)を行い、続いて残るブロモ又はクロロ基を別の金属触媒置換化学反応によって置換することにより、達成することが可能である。
スキーム3に示すように、式3−1の遊離基L3を最初に置換して式3−3の化合物を得ることができ、又は、遊離基L4を最初に置換して式3−2の化合物を得ることができる。次に化合物3−2又は3−3を反応させてL3又はL4を置換し、式3−4の化合物を得ることができる。
このように、式3−1の化合物の、二級アミンn、アンモニア又は保護されたアミン(カルバミン酸tert−ブチルなど)による直接的求核性置換又は金属触媒によるアミノ化(評論についてはModern Amination Methods:Ricci,A.,Ed.;Wiley−VCH:Weinheim,2000を参照)を使用して、式3−2又は3−3にR5を導入することができ、ここでR5は一級若しくは二級アミン、アミノ基(NH2)、及びアミン同等物又は保護されたアミノ基である。スキーム1に記述された、化合物3−1と、ボロン酸若しくはボロン酸エステルとの金属触媒カップリング(鈴木反応、Mはボロン酸基若しくはボロン酸エステル基である)、又は、有機スズ化合物との金属触媒カップリング(スティル反応、MはSnR3であり、式中、Rはアルキル、その他の置換基は上述の定義通りである)は、式3−2又は3−3の化合物をもたらすことができる。
式3−2は更に、上述のように、金属触媒による鈴木又はスティルカップリングによって、化合物3−4に変換することができる。化合物3−3のL4はまた、この後、ここでも求核剤を用いた直接的求核性置換又は金属触媒反応によって、あるいは、上述と同じ金属触媒クロスカップリング反応によって、R5で置換して、式3−4の化合物を得ることができる。式(3−2、3−3又は3−4)中のR5が保護されたアミンであり、かつKがアミノ基でない場合、脱保護してアミノ官能基のマスクを除去することができる。このアミノ官能基は、スキーム1の記述のように更に誘導体化することができる。式3−4のK基がアミノ基でない場合(例えば、上述の官能基である場合)、既知の文献記載の方法によってアミノ基に変換することができ(例えば、Comprehensive Organic Transformations:Larock,R.S.;Wiley and Sons Inc.,USA,1999を参照)、結果として得られたアミン3−5は、スキーム(1)に記載されているアミド結合形成反応に使用して、式Iの化合物を得ることができる。式3−4においてKがアミノ基である場合は、上述のようにアミドカップリングに直接使用することができる。
Figure 2011502991
スキーム4a及び4bは、式4−1及び4−5のモノハロ置換化合物から開始し、第一の遊離基の置換を完了した後、第二の遊離基を導入することによって、スキーム3によって更に改変される中間体の調製を示す。これらはまた、環Aがピリジンであり、R5が環A上の場合による置換であるか、又は複素環置換基の1つであるかのいずれかの、式Iの化合物の合成に使用することもできる。スキーム3のように、ピリジン環の残る位置は、式Iに示されているように置換することができる。Kは、NH2、又はNO2、COOH若しくはCOORなどの他の官能基であり、これらは、スキーム3に記述されているように、還元又はクルチウス転位などの既知の文献記載の方法によって、最終的にアミノ基に変換することができる。L3及びL4はハロゲンである。これらの化合物において、TはHであるか、又はOHなどの官能基であるかのいずれかであり、これは、既知の文献方法によって、ハロゲン、トリフラート又はメシラートなどの遊離基L3又はL4に変換することができる(例えばNicolai,E.,et al.,J.Heterocyclic Chemistry,31,(73),(1994)を参照)。スキーム3に記述されている方法による、式4−1の化合物中のL3の置換、又は式4−5中のL4の置換により、式4−2及び4−6の化合物を生成することができる。この時点で、化合物4−2又は4−6の置換基Tは、標準的な方法により遊離基L4又はL3(好ましくはハロゲン)に変換し、式4−3及び4−5の化合物を得ることができる。例えばTがOHのとき、この変形を果たすのに好ましい試薬は、塩化チオニル、PCl5、POCl3又はPBr3である(例えばKolder,den Hertog.,Recl.Trav.Chim.Pays−Bas;285,(1953)、及びIddon,B,et.al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans.1.,1370,(1980)を参照)。TがHである場合は、直接ハロゲン化(好ましくは臭素化)し、式4−3又は4−7の化合物を得ることができる(例えばCanibano,V.et al.,Synthesis,14,2175,(2001)を参照)。臭素化の好ましい条件は、DCM又はアセトニトリルなどの好適な溶媒中のNBSである。
式4−3又は4−7の化合物は、上記方法により、残る基R2又はR5の導入によって、それぞれ式4−4又は4−8の化合物に変換することができ、これは、上記の方法を行い、次に式Iの化合物に対して、スキーム3に記述の(式3−4及び3−5の化合物を式Iの化合物に変換するための)方法を行うことによって達成される。
本発明の代表的な化合物及びその合成は、次の表及びその後に掲げる実施例に示される。下記は、例示目的のためにのみ示されるものであり、いかなる意味でも本発明を制限するものではない。本発明の好ましい化合物は実施例14、17、34、35、38a、38b、40、51a、51b、55及び56であり、最も好ましいのは化合物38aである。
Figure 2011502991
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Figure 2011502991
(実施例1)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸
Figure 2011502991
Ar下、攪拌棒及びビグロー(Vigreaux)精留塔を備えたフラスコに、2−ホルミル−5−フランカルボン酸(2.8g、20mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.7g、40mmol)、及び乾燥ピリジン(50mL)を加えた。この混合物を85℃に加熱し、無水酢酸(40mL)を加え、この混合物を3時間攪拌した。60℃まで冷ました後、水(250mL)を加え、この混合物を室温で70時間攪拌した。この混合物を濃塩酸でpH2の酸性にし、3:1比のジクロロメタン−イソプロパノールで抽出した(8×100mL)。合わせた有機層を水(100mL)で洗い、食塩水(100mL)で洗い、無水硫酸ナトリウムを入れて乾燥させ、減圧下で濃縮して、褐色固体の標題化合物を得た(1.26g、46%)。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ14.05(br s,1H),7.74(d,1H,J=3.8Hz),7.42(d,1H,J=3.8Hz)。
(実施例2)
4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸
Figure 2011502991
標題化合物は文献記載の手順によって調製された(Loader and Anderson,Canadian J.Chem.59:2673(1981))。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ12.70(br s,1H),7.78(s,1H),7.13(s,1H)。
(実施例3)
4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩
Figure 2011502991
a)1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
Figure 2011502991
イミダゾール−4−カルボニトリル(0.5g、5.2mmol)(Synthesis,677,2003)、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(SEMCl)(0.95mL、5.3mmol)、K2CO3(1.40g、10.4mmol)、及びアセトン(5mL)を入れたフラスコを室温で10時間攪拌した。この混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(20mL)及び食塩水(20mL)で洗い、有機層をMgSO4で乾燥させた。この粗生成物を20gのSPEカートリッジ(シリカ)で30%EtOAc/ヘキサンを用いて溶出させ、無色油として標題化合物0.80g(70%)を得た。マススペクトル(CI(CH4),m/z)C10173OSiの計算値224.1(M+H)、実測値224.1。
b)2−ブロモ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
Figure 2011502991
1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(0.70g、3.1mmol)(前の工程で調製)のCCl4(10mL)溶液に、NBS(0.61g、3.4mmol)及びAIBN(cat)を加えこの混合物を60℃で4時間加熱した。この反応物をEtOAc(30mL)で希釈し、NaHCO3(2×30mL)及び食塩水(30mL)で洗い、この有機層をNa2SO4で乾燥させてから、濃縮した。標題化合物を20gのSPEカートリッジ(シリカ)で30%EtOAc/ヘキサンを用いて溶出させ、黄色固体の標題化合物0.73g(77%)を得た。マススペクトル(CI(CH4),m/z)C1016BrN3OSiの計算値302.0/304.0(M+H)、実測値302.1/304.1。
c)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル
Figure 2011502991
2−ブロモ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(0.55g、1.8mmol)(前の工程で調製)のTHF(6mL)溶液に、−40℃で、2Mのi−PrMgClのTHF(1mL)溶液を滴下で加えた。−40℃で10分間攪拌して反応させ、次に−78℃まで冷却し、シアノ蟻酸エチル(0.3g、3.0mmol)を加えた。この反応物を室温にして、1時間攪拌した。この反応物に飽和NH4Cl水溶液を加えて反応を止め、EtOAc(20mL)で希釈し、食塩水(2×20mL)で洗い、有機層をNa2SO4で乾燥させてから濃縮した。標題化合物を20gのSPEカートリッジ(シリカ)で30% EtOAc/ヘキサンを用いて溶出させ、無色油0.4g(74%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C132133Siの計算値296.1(M+H)、実測値296.1。
d)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル(0.4g、1.3mmol)(前の工程で調製)のエタノール(3mL)溶液に、6MのKOH(0.2mL)の溶液を加え、この反応物を10分間攪拌してから濃縮し、黄色固体として標題化合物0.40g(100%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD)δ7.98(s,1H),5.92(s,2H),3.62(m,2H),0.94(m,2H),0.00(s,9H)。マススペクトル(ESI−neg,m/z)C111733Siの計算値266.1(M−H)、実測値266.0。
(実施例4)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
a)1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン
2−ブロモ−4−フルオロニトロベンゼン(949mg、4.31mmol)を2回に分けて、0℃の無希釈のN−メチルピペラジン(N-methypiperazine)(8mL)に加え、室温まで温めた。この反応物を60℃で1時間加熱してから、50mLのEtOAcで希釈して、H2O(50mL)に注いだ。層を分離し、この有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮して、黄色固体として標題化合物580mg(45%)を得た:マススペクトル(ESI,m/z):C1114BrN32計算値300.0(M+H)、実測値300.1。
b)4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−[1,3,2]ジオキサボロラン
Figure 2011502991
2−ブロモ−3−メチルチオフェン(methythiophene)(337mg、1.9mmol)の8mLのTHF溶液を−40℃で攪拌し、ここにn−BuLi(0.8mL、2.5M/ヘキサン)を加え、30分間攪拌して反応させた。この時点で2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(775μL、3.8mmol)を加え、この反応物を周囲温度まで温め、攪拌を1時間継続した。次に、この反応物を0℃に冷却し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)を加えて反応を止めた。この混合物をEtOAc(100mL)に注ぎ、H2O(2×50mL)で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(20% EtOAc−ヘキサン)で精製し、油として標題化合物224mg(53%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ1.36(s,12H),2.5(s,3H),6.99(d,1H,J=4.8Hz),7.50(d,1H,J=4.8Hz)。
c)1−メチル−4−[3−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−4−ニトロ−フェニル]−ピペラジン
Figure 2011502991
1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(68mg、0.2mmol、実施例4の工程(a)で調製)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−[1,3,2]ジオキサボロラン(61mg、0.27mmol、前の工程で調製)及びPd(PPh34(14mg、6mol%)の入ったフラスコに、トルエン(3mL)、エタノール(3mL)及び2MのNa2CO3(4mL)を入れた。結果として得られた混合物を80℃で2時間加熱してから、EtOAc(25mL)に注いだ。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc)で精製し、淡黄色固体として標題化合物40mg(63%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C161932Sの計算値318.1(M+H)、実測値318.2。
d)5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
1−メチル−4−[3−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−4−ニトロ−フェニル]−ピペラジン(60mg、0.18mmol、前の工程で調製)を、H2(101kPa(1atm))下で、40mgの5%Pd−C(MeOH(5mL)中)と共に2時間攪拌した。この反応物をセライトで濾過し、減圧下で濃縮して、茶色固体として4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−フェニルアミン40mg(72%)を得て、これは更なる精製無しに即座に使用された。実施例9、工程(c)と同様の手順を使用して、4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(3−メチル−チオフェン−2−イル)−フェニルアミン(40mg、0.13mmol)を、DIEA(61μL、0.34mmol)の存在下で、5−シアノ−フラン−2−カルボニルクロリド(30mg、0.19mmol、実施例9、工程(c)で調製)と反応させ、黄色固体として標題化合物18.9mg(36%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ2.13(s,3H),2.38(s,3H),2.59〜2.62(m,4H),3.24〜3.27(m,4H),6.92(d,1H,J=2.8 Hz),7.06(d,1H,J=5.1Hz),7.15(d,1H,J=3.7Hz),7.19(d,1H,J=3.7Hz),7.02(dd,1H,J=2.8,9.0Hz),7.42(d,1H,J=5.1Hz),8.11(s,1H),8.34(d,1H,J=9.0Hz);マススペクトル(ESI,m/z):C222242Sの計算値407.1(M+H)、実測値407.1。
(実施例5)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
a)4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−メチル−チオフェン−3−イル)−[1,3,2]ジオキサボロラン
Figure 2011502991
実施例4、工程(b)と同様の手順を使用して、3−ブロモ−4−メチルチオフェン(571mg、3.2mmol)をn−BuLi(1.41mL、2.5M/ヘキサン)で処理し、次に2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(775μL、3.8mmol)と反応させて、無色油として標題化合物189mg(26%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ1.32(s,12H),2.42(s,3H),6.90−6.91(m,1H),7.84(d,1H,J=2.9Hz)。
b)1−メチル−4−[3−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−4−ニトロ−フェニル]−ピペラジン
Figure 2011502991
実施例4、工程(c)と同様の手順を使用して、1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(162mg、0.54mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−メチル−チオフェン−3−イル)−[1,3,2]ジオキサボロラン(145mg、0.64mmol)及びPd(PPh34(37mg、6mol%)を反応させ、黄色固体として標題化合物108mg(71%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ2.02(s,3H),2.37(s,3H),2.55−2.57(m,4H),3.42−3.45(m,4H),6.66(d,1H,J=2.8Hz),6.87(s,1H),6.99−7.00(m,1H),7.09(d,1H,J=3.2Hz),8.13(d,1H,J=9.2Hz)。
c)4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−フェニルアミン
Figure 2011502991
実施例4、工程(d)と同様の手順を使用して、1−メチル−4−[3−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−4−ニトロ−フェニル]−ピペラジン(100mg、0.32mmol)をH2下で80mgの5%Pd−Cと共に攪拌し、濃色油として標題化合物82mg(89%)を得て、これは更なる精製無しに即座に使用された。スペクトル(ESI,m/z):C16213Sの計算値288.15(M+H)、実測値288.1。
d)5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
実施例9、工程(c)と同様の手順を使用して、5−シアノ−フラン−2−カルボニルクロリド(64mg、0.41mmol、実施例9、工程(c)で調製)を、DIEA(0.10mL、0.59mmol)の存在下で、4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−(4−メチル−チオフェン−3−イル)−フェニルアミン(80mg、0.27mmol、前の工程で調製)と反応させ、黄色固体として標題化合物25.8mg(24%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ2.09(s,3H),2.37(s,3H),2.59〜2.60(m,4H),3.24〜3.26(m,4H),6.83(d,1H,J=2.9Hz),6.98〜7.06(m,2H),7.14〜7.21(m,3H),7.96(s,1H),8.32(d,1H,J=9.0Hz)。マススペクトル(ESI,m/z):C222242Sの計算値407.1(M+H)、実測値407.1。
(実施例6)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(81mg、0.16mmol、実施例14、工程(b)で調製)のCH2Cl2(3mL)中スラリーに、NEt3(33μL、0.24mmol)を加えた。次に、この溶液を2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−オン(31mg、0.24mmol)で処理し、この反応物を3時間攪拌した。この時点でNaBH(OAc)3(51mg、0.24mmol)を一度に加え、反応物を更に4時間攪拌した。この反応物をH2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この有機層を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲル分取薄層クロマトグラフィー(10% MeOH−CHCl3)によって精製し、オフホワイトの半固体として標題化合物22mg(28%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C283553の計算値490.2(M+H)、実測値490.6。
b)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド(22mg、0.04mmol、前の工程で調製)のTHF−H2O(1mL、4:1v/v)溶液に、TFA(0.4mL)を加え、この反応物を1時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、琥珀色泡として標題化合物14mg(60%)を得た。1H−NMR(CD3OD,400MHz):δ1.78〜1.90(m,4H),2.03〜2.16(m,3H),2.29(br s,4H),2.88〜2.96(m,1H),3.37〜3.40(m,1H),3.46〜3.53(m,2H),3.74〜3.78(m,3H),5.83(s,1H),7.13(d,1H,J=2.0Hz),7.22(dd,1H,J=2.0,8.4Hz),8.03(s,1H),8.17(d,1H,J=8.4Hz);マススペクトル(ESI,m/z):C253153の計算値450.2(M+H)、実測値450.2。
(実施例7)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
モルホリン−4−イル−酢酸エチルエステル(117mg、0.67mmol)のエタノール(4mL)溶液に、6NのKOH(110μL、0.67mmol)を注射器から加え、3時間攪拌を続けた。減圧下で濃縮し、モルホリン−4−イル−酢酸カリウム塩122mg(100%)を得た。モルホリン−4−イル−酢酸カリウム塩(29mg、0.15mmol)、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(65.1mg、0.13mmol、実施例14、工程(b)で調製)及びPyBroP(93mg、0.19mmol)のCH2Cl2(4mL)中混合物に、DIEA(51μL、0.29mmol)を加え、反応物を一晩攪拌した。この反応物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、H2O(2×25mL)で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。シリカゲル分取TLCによる粗生成物の精製により、白色固体として標題化合物8.1mg(12%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ1.68〜2.04(m,5H),2.20〜2.29(m,4H),2.53〜2.78(m,5H),3.09〜3.23(m,6H),3.35〜3.40(m,1H),3.72(br s,4H),4.16〜4.22(m,1H),4.73〜4.77(m,1H),5.82(s,1H),7.00(s,1H),7.12(dd,1H,J=0.6,8.0Hz),7.73(s,1H),8.27(d,1H,J=8.1Hz),9.48(s,1H);マススペクトル(ESI,m/z):C283463の計算値503.27(M+H)、実測値503.1。
(実施例8)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(3−モルホリン−4−イル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
3−モルホリン−4−イル−プロピオン酸カリウム塩(94mg、0.47mmol、実施例7の記述通りに3−モルホリン−4−イル−プロピオン酸エチルエステルから調製)、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(179mg、0.36mmol、実施例14(b)で調製)、EDCI(83mg、0.43mmol)、及びHOBT(68mg、0.5mmol)の入ったフラスコに、DMF(4mL)を加えた。攪拌したスラリーにDIEA(157μL、0.9mmol)を加え、反応物を一晩攪拌した。この反応物をH2O(10mL)で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮し、この粗生成物をシリカゲル分取TLCで精製し、白色固体として標題化合物10.4mg(6%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ1.49〜1.93(m,5H),2.22〜2.31(m,3H),2.52(br s,4H),2.58〜2.63(m,3H),2.74〜2.76(m,4H),3.10〜3.17(m,2H),3.72(br s,4H),3.97〜4.02(m,2H),4.76〜4.81(m,2H),5.81〜5.82(m,1H),6.81〜6.82(m,1H),6.99〜7.00(m,1H),7.09〜7.13(m,1H),7.70(s,1H),8.26(d,1H,J=8.2Hz),9.51(s,1H);マススペクトル(ESI,m/z):C293663の計算値517.28(M+H)、実測値517.3。
(実施例9)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2’−メチル−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−2−イル]−アミド
Figure 2011502991
a)1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン
Figure 2011502991
冷却した(0℃)2−ブロモ−4−フルオロニトロベンゼン(Oakwood)1.00g(4.55mmol)の12mLのEtOH中溶液に、1.52mL(13.7mmol)のピペラジンを加えた。この溶液を0℃で0.5時間攪拌し、更に60℃で4時間攪拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc(60mL)に溶かし、水(3×100mL)及び食塩水(100mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で濃縮し、50gシリカSPEカラムのクロマトグラフィーで1〜3% MeOH−ジクロロメタンを使用し、褐色がかった黄色固体として標題化合物1.06g(77%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C1114BrN32の計算値300.0(M+H,79Br)、実測値300.1。
b)1−メチル−4−(2’−メチル−6−ニトロ−ビフェニル−3−イル)−ピペラジン
Figure 2011502991
Ar下で、200mg(0.666mmol)の1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(前の工程で調製)、136mg(0.999mmol)及び77.0mg(0.0666mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の混合物に、脱気したジメトキシエタン(DME)4.0mL及び2.0MのNa2CO3水溶液400μL(0.799mmol)を加えた。この混合物をAr下、80℃で加熱しながら14時間攪拌した。冷ました(RT)混合物を濃縮し、10gシリカSPEカラムでジクロロメタン−ヘキサン(1:1)中1〜5% MeOHを使用してクロマトグラフィーに通した。この生成物分留を、80mgの脱色炭素で処理し、濾過し、濃縮してから、再び同様のカラムで1〜3%EtOH−ジクロロメタンを使ってクロマトグラフィーに通し、黄色樹脂として標題化合物265mgを得た(トリフェニルホスフィンとの混合物として、1H−NMRの測定により純度75%)が、これは更なる精製無しに次の反応に使用された:マススペクトル(ESI,m/z):C112133の計算値312.2(M+H)、実測値312.2。
c)5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2’−メチル−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−2−イル]−アミド
Figure 2011502991
140mg(純度75%に基づき0.337mmol)の1−メチル−4−(2’−メチル−6−ニトロ−ビフェニル−3−イル)−ピペラジン(前の工程で調製)及び70mgの10%パラジウムカーボン(Degussa型、E101−NE/W、Aldrich社、50重量%の水)を5mLのTHF中で、水素バルーン下で激しく1時間攪拌した。この混合物を濾過し(セライト)、ジクロロメタン(2×2mL)で洗い、結果として得られたアニリン溶液をAr下に置いて、次の反応に即座に使用した。
上記の還元と同時に、2.5mLの無水ジクロロメタン中、55.4mg(0.404mmol)の5−シアノフラン−2−カルボン酸(実施例1で調製)をCaSO4乾燥管の下で、52.9μL(0.606mmol)の塩化オキサリルで処理し、次に10μLの無水DMFで処理した。この溶液を25分間攪拌し、減圧下、20〜25℃で急速に濃縮した。結果として得られた5−シアノ−フラン−2−カルボニルクロリドを高真空に2〜3分置いて、次にすぐにAr下に置き、氷浴で0℃に冷却し、上記で調製したアニリン溶液で処理した後、141μL(0.808mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)で処理した。室温で30分攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、結果として得られた残留物を20gシリカSPEカラムで2〜10% EtOH−ジクロロメタンを使用してクロマトグラフィーに通し、黄色樹脂を得て(これはEtOAc−ヘキサンから結晶化)これにより、70.3mgの不純な標題化合物を伴った、黄色固体として純粋な標題化合物17.2mg(13%)を得た。不純分留を50mLのEtOAcに溶かし、飽和NaHCO3−1MのK2CO3水溶液(1:1、2×20mL)で洗い、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、結晶性の黄色固体として追加の標題化合物43.4mg(32%)を得た(合計収率は45%)。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.32(d,1H,J=9.0Hz),7.73(br s,1H),7.34〜7.54(m,3H),7.25(d,1H,J=7.7Hz),7.12,7.14(AB q,2H,J=3.7Hz),7.01(dd,1H,J=9.0,2.8Hz),3.25〜3.27(m,4H),2.59〜2.62(m,4H),2.38(s,3H),2.15(s,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C212443の計算値401.2(M+H)、実測値401.1。
(実施例10)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2’−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−2−イル]−アミド
Figure 2011502991
a)1−(2’−フルオロ−6−ニトロ−ビフェニル−3−イル)−4−メチル−ピペラジン
Figure 2011502991
75.0mg(0.250mmol)の1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(実施例9、工程(a)で調製)、136mg(0.999mmol)の2−フルオロフェニルボロン酸ボロン酸、26.8mg(0.0232mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及び400μL(0.799mmol)の2.0MのNa2CO3水溶液をDME中で用いて、実施例9、工程(b)の手順を実施し、但しこの混合物は22時間加熱した。5gシリカSPEカラムで1〜5%MeOH(ジクロロメタン−ヘキサン中)(1:1)を用いてクロマトグラフィーに通し、黄色樹脂として標題化合物95.0mgを得て(トリフェニルホスフィンとの混合物として、1H−NMRの測定により純度76%)、これを更なる精製無しに次の反応に使用した。マススペクトル(ESI,m/z):C1718FN33の計算値316.1(M+H)、実測値316.2。
b)5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2’−フルオロ−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ビフェニル−2−イル]−アミド
Figure 2011502991
93.2mg(純度76%に基づいて0.225mmol)の1−(2’−フルオロ−6−ニトロ−ビフェニル−3−イル)−4−メチル−ピペラジン(前の工程で調製)、46mgの10%パラジウムカーボン、37.0mg(0.270mmol)の5−シアノフラン−2−カルボン酸(実施例1で調製)、35.3μL(0.405mmol)の塩化オキサリル、5.0μLの無水DMF、及び94.1μL(0.540mmol)のDIEAを使用して、実施例9、工程(c)の手順を行った。5gシリカSPEカラムで、1〜4%MeOH−ジクロロメタンを用いてクロマトグラフィーを使用し、黄色樹脂として標題化合物69.8mg(77%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.04(d,1H,J=9.0 Hz),7.93(br s,1H),7.434〜7.48(m,1H),7.37(td,1H,J=7.5,1.8Hz),7.22〜7.31(m,2H),7.13,7.18(AB q,2H,J=3.7Hz),7.02(dd,1H,J=9.0,2.9Hz),6.88(d,1H,J=2.9Hz),3.24−3.27(m,4H),2.57〜2.60(m,4H),2.36(s,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2321FN42の計算値405.2(M+H)、実測値405.2。
(実施例11)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
a)1−(3−シクロヘキサ−1−エニル−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン
Figure 2011502991
Ar下で、102mg(0.340mmol)の1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(実施例9、工程(a)で調製)、59.7mg(0.474mmol)のシクロヘキセン−1−イルボロン酸、43.8mg(0.0379mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の混合物を206μL(0.412mmol)の2.0M脱気Na2CO3水溶液、0.6mLの脱気無水トルエン及び0.2mLの脱気無水EtOHで処理し、この混合物を100℃で21時間加熱した。室温まで冷ました後、この混合物をEtOAc(10mL)に注ぎ、食塩水(10mL)で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。5gシリカSPEカラムで1〜3% EtOH(ジクロロメタン中)を用いて黄色油として標題化合物126mgを得て(トリフェニルホスフィンとの混合物として、RP−HPLC(C18カラム)により純度74%)、これを更なる精製無しに次の反応に使用した。マススペクトル(ESI,m/z):C172333の計算値302.2(M+H)、実測値302.2。
b)5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
5.0mLのEtOH−水(2:1)中の、122mg(純度74%に基づいて0.299mmol)の1−(3−シクロヘキサ−1−エニル−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(前の工程で調製)に対し、83.8mg(1.50mmol)の鉄粉及び160mg(2.99mmol)のNH4Clを加え、この混合物をAr下で12時間還流させた。更に83.8mg(1.50mmol)の鉄粉を追加し、この混合物を1時間還流させた。この混合物をEtOAc(12mL)に注ぎ、濾過し(セライト)、EtOAcで洗い(2×4mL)、減圧下で濃縮して、無水THF(4.0mL)に溶かした。結果として得られたアニリン溶液をAr下に置き、次の反応に即座に使用した。
2.5mL無水ジクロロメタン中、61.6mg(0.449mmol)の5−シアノフラン−2−カルボン酸(実施例1で調製)をCaSO4乾燥管の下で、60.0μL(0.688mmol)の塩化オキサリルで処理し、次に10μLの無水DMFで処理した。この溶液を25分間攪拌し、減圧下、20〜25℃で急速に濃縮した。この残留物を高真空に2〜3分間置いてから、すぐにAr下に置き、氷浴で0℃に冷却し、上記で調製したアニリン溶液で処理した後、104μL(0.598mmol)のDIEAで処理した。30分間室温で攪拌した後、この混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc(20mL)に溶かし、1MのK2CO3(2×10mL)及び食塩水(10mL)で洗い、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。結果として得られた残留物を、10gシリカSPEカラムで1〜4%MeOH−ジクロロメタンを用いてクロマトグラフィーに通し、黄色樹脂を得て、これをEt2O−ヘキサンで結晶化させて、結晶質黄色固体として標題化合物84.7mg(72%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.57(br s,1H),8.26(d,1H,J=9.0Hz),7.20,7.23(AB q,2H,J=3.7Hz),6.86(dd,1H,J=9.0,2.9Hz),6.74(d,1H,J=2.9Hz),5.84〜5.85(m,1H),3.20〜3.22(m,4H),2.57〜2.59(m,4H),2.36(s,3H),2.23〜2.30(m,4H),及び1.79〜1.84(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C232642の計算値391.2(M+H)、実測値391.2。
(実施例12)
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル−アミド
Figure 2011502991
a)1−[3−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ニトロ−フェニル]−4−メチル−ピペラジン
Figure 2011502991
ジオキサン(5mL)中、1−(3−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−4−メチル−ピペラジン(実施例9、工程(a)で調製)(225.1mg、0.79mmol)、K2CO3(310.9mg、2.25mmol)及び4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン(Murata,M.,et al,Synthesis,778,(2000))(157mg、0.75mmol)をAr下80℃で一晩加熱した。この反応混合物を室温まで冷まし、濃縮し、結果として得られた残留物をシリカ(10% EtOAc/ヘキサン−20%MeOH/EtOAc)でクロマトグラフィーに通し、標題化合物(82mg、36%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.04(d,1H,J=9.4Hz),6.78(dd,1H,J=9.4,2.6Hz),6.58(m,1H,J=2.6Hz),5.58(m,1H),4.34(m,2H),3.95(t,2H,J=5.3Hz),3.46(m,4H),2.57(m,4H),2.38(s,3H),2.30(m,2H)。
b)5−シアノ−フラン−2−カルボン酸[2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル−アミド
Figure 2011502991
1−[3−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4−ニトロ−フェニル]−4−メチル−ピペラジン(前の工程で調製)(80mg、0.26mmol)を、実施例4、工程(d)に類似の手順を用いて対応するアミンに変換し、実施例9、工程(c)で調製された5−シアノ−フラン−2−カルボニルクロリド(実施例1で調製された5−シアノ−フラン−2−カルボン酸137mg、1.00mmolから得られた)と、CH2Cl2(2mL)中0℃で化合させた。この生成物をシリカ(50% EtOAc/ヘキサン−10% MeOH/EtOAc)を用いてフラッシュクロマトグラフィーによって分離し、標題化合物(62.2mg、60%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.35(br s,1H),8.12(d,1H各,J=8.76Hz),7.24(d,1H,J=5.08Hz),7.19(d,1H,J=5.08Hz),6.88(dd,1H,J=8.76,2.7Hz),6.73(d,1H,J=2.7Hz),5.88(br s,1H),4.34(m,2H),3.94(t,2H,J=5.3 Hz),3.23(m,4H),2.59(m,4H),2.38(br s,5H)。LC−MS(ESI,m/z):C222443の計算値393.1(M+H)、実測値393.2。
(実施例13)
4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)4−(4−アミノ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
実施例35、工程(b)の手順に従って、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンと、4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(Synthesis,993,(1991))との鈴木カップリングにより、標題化合物が調製された。マススペクトル(ESI,m/z):C162222の計算値275.2(M+H)、実測値275.1。
b)4−(4−アミノ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
4−(4−アミノ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.35g、1.2mmol)(前の工程で調製)のメタノール溶液を、138kPa(20psi)で1時間、10% Pd/Cを用いて水素化した。この溶液を濾過し、濃縮して、黄色固体として標題化合物0.35g(100%)を得た:マススペクトル(ESI,m/z):C162422の計算値277.2(M+H)、実測値277.1。
c)4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
DCM(3mL)中の4−(4−アミノ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.20g、0.71mmol)(前の工程で調製)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(0.13g、0.71mmol)を加え、この反応物を室温で10時間攪拌した。この反応物をEtOAc(10mL)で希釈し、NaHCO3(2×10mL)及び食塩水(10mL)で洗った。有機層の濃縮により、黄色泡として標題化合物0.26g(100%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C1623BrN22の計算値355.1(M+H)、実測値355.1。
d)4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.13g、0.36mmol)(前の工程で調製)、シクロヘキサ−1−エニルボロン酸(0.060g、0.48mmol)、Pd(PPh34(0.04g、10mol%)、2MのNa2CO3水溶液(1.5mL)、エタノール(1.5mL)、及びトルエン(3mL)をフラスコに入れ、80℃で3時間加熱した。この反応物をEtOAc(10mL)で希釈し、NaHCO3(2×10mL)及び食塩水(10mL)で洗い、この有機層をNa2SO4で乾燥させてから、濃縮した。この標題化合物を20gSPEカートリッジ(シリカ)で30% EtOAc/ヘキサンを用いて溶出させ、黄色油として標題化合物0.10g(85%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C223222の計算値357.2(M+H)、実測値357.1。
e)4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.050g、0.14mmol)(前の工程で調製)、4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸(0.019g、0.14mmol)(実施例2で調製)、EDCI(0.040g、0.21mmol)、HOBt(0.019g、0.14mmol)、DIEA(0.073mL、0.42mmol)、及びDCM(0.5mL)をフラスコに入れ、25℃で10時間攪拌した。この反応物を直接、10g固相抽出(SPE)カートリッジ(シリカ)に入れ、結果として得られた中間体を30%EtOAc/ヘキサンで溶出させた。この化合物を50% TFA/DCM(2mL)中、室温で1時間攪拌し、次に濃縮し、RP−HPLC(C18)で、0.1%TFA/H2O中30〜50%CH3CNを用いて12分間かけて溶出させて精製し、標題化合物(0.052g、77%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ7.59(s,1H),7.50(d,1H),7.22(d,1H),7.16(m,2H),5.74(m,1H),3.54(m,2H),3.16(m,2H),2.94(m,1H),2.29(m,2H),2.15(m,4H),1.92(m,2H),1.72(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C23264Oの計算値375.2(M+H)、実測値375.1。
(実施例14)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
20mLのDCM中の4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩(3.34g、10.9mmol)(実施例3、工程(d)で調製)の溶液に、DIEA(3.8mL、21.8mmol)及びPyBroP(5.6g、12.0mmol)を加え、この反応物を25℃で15分間攪拌した。10mLのDCM中の4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.9g、10.9mmol)(実施例13、工程(d)で調製)の溶液を加え、この反応物を25℃で8時間攪拌した。この反応物をEtOAc(60mL)で希釈し、NaHCO3(2×60mL)及び食塩水(100mL)で洗い、この有機層をNa2SO4で乾燥させてから、濃縮した。この標題化合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2% EtOAc/DCM)で精製し、黄色油として標題化合物5.5g(85%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C334754Siの計算値606.2(M+H)、実測値606.2。
b)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
10mLのDCM及び0.3mLのEtOH中の4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.5g、2.5mmol)(前の工程で調製)溶液に、3mLのTFAを加え、この溶液を25℃で3時間攪拌した。この反応物を5mLのEtOHで希釈してから、濃縮した。この残留物をメタノール及びエチルエーテルから結晶化させ、白色固体として標題化合物0.85g(70%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD)δ8.18(d,1H),8.04(s,1H),7.22(dd,1H),7.12(d,1H),5.76(m,1H),3.54.(m,2H),3.16(m,2H),2.92(m,1H),2.30(m,4H),2.10(m,2H),1.75(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C22255Oの計算値376.2(M+H)、実測値376.2。
(実施例15)
4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
実施例37の手順に従って、4−シアノ−1H−ピロール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例13、工程(e)で調製)から標題化合物が調製された。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ10.82(s,1H),8.28(d,1H),8.18(s,1H),7.48(d,1H),7.16(dd,1H),7.02(s,1H),6.72(s,1H),5.88(m,1H),4.82(m,1H),3.98(m,1H),3.20(m,1H),2.70(m,2H),2.29(m,4H),2.18(s,3H),1.80(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C252842の計算値417.2(M+H)、実測値417.1。
(実施例16)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
実施例37の手順に従って、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例13、工程(b)で調製)から標題化合物が調製された:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ13.12(br s,1H),9.58(s,1H),8.34(d,1H),7.76(s,1H),7.21(dd,1H),7.05(d,1H),5.86(s,1H),4.84(m,2H),4.00(m,1H),3.22(m,1H),2.72(m,2H),2.30(m,4H),2.21(s,3H),1.80(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C242752の計算値418.2(M+H)、実測値418.1。
(実施例17)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(4−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例14の手順に従って、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩(実施例3、工程(d)で調製)及び4−[4−アミノ−3−(4−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例13、工程(d)の手順に従って調製、但し4−メチル−1−シクロヘキサ−1−エニルボロン酸をシクロヘキサ−1−エニルボロン酸の代わりに用いる)から標題化合物が調製された:1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.18(d,1H),8.04(s,1H),7.22(dd,1H),7.12(d,1H),5.80(m,1H),3.54.(m,2H),3.18(m,2H),2.94(m,1H),2.30(m,3H),2.12(m,2H),1.92(m,5H),1.54(m,1H),1.12(d,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C23275Oの計算値390.2(M+H)、実測値390.2。
(実施例18)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロペンタ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例14の手順に従って、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩(実施例3、工程(d)で調製)及び4−(4−アミノ−3−シクロペンタ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例13、工程(d)に従って調製、但しシクロペンテン−1−イルボロン酸をシクロヘキサ−1−エニルボロン酸の代わりに用いる)から標題化合物が調製された。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ14.25(br s,1H),10.00(s,1H),8.36(s,1H),7.72(d,1H),7.18(m,2H),6.06(s,1H),4.12(m,1H),3.42(m,2H),3.18(m,2H),3.00(m,3H),2.80(m,2H),1.92(m,5H)。マススペクトル(ESI,m/z):C21235Oの計算値362.2(M+H)、実測値362.2。
(実施例19)
実施例1に記述された中間体合成の別の方法を下記に記載する。
5−シアノ−フラン−2−カルボン酸
Figure 2011502991
機械的攪拌器、加熱マントル、及び凝縮器を装備した250mLの三口丸底フラスコに、5−ホルミル−2−フランカルボン酸(9.18g、65.6mmol)及びピリジン(60mL)を入れた。ヒドロキシルアミン塩酸塩(5.01g、72.2mmol)を加え、この混合物を85℃に加熱した。無水酢酸(40mL)を加え、この反応物を85℃で3時間攪拌した後、減圧下40℃で溶媒を蒸発させた。この残留物を水に溶かし、2.0NのNaOH溶液を加えてpH9の塩基性にし、4:1のジクロロメタン/2−プロパノールで抽出してピリジンを完全に除去した(5×200mL)。この水溶液を次に、2.0NのHCl溶液を加えてpH2の酸性にし、固体NaClで飽和させ、4:1のジクロロメタン/2−プロパノール(5×200mL)で抽出した。合わせた有機層抽出物をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、乾燥状態にした。この残留物をジクロロメタンで結晶化させ、白色固体として標題化合物6.80gを得た(76%)。マススペクトル(ESI−neg,m/z)C63NO3の計算値136.0(M−H)、実測値136.1。この1H NMRスペクトルは、与えられた構造と一致した。
(実施例20)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メタンスルホニル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
メタンスルホニル−酢酸(14mg、0.10mmol)、EDCI(30mg、0.15mmol)、HOBt(14mg、0.10mmol)、DIEA(36μL、0.20mmol)及び0.5mLのDCMをフラスコに入れ、25℃で攪拌した。10分後、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(40mg、0.08mmol)(実施例20、工程(b)で調製)及びNEt3(14μL、0.09mmol)を0.5mLのDCM中に含む溶液を加え、25℃で10時間反応させた。この反応混合物を5gSPEカートリッジ(シリカ)に入れ、標題化合物を10% EtOH/EtOAcで溶出させ、白色固体の標題化合物10mg(25%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ11.60(br s,1H),9.52(s,1H),8.30(d,1H),7.74(s,1H),7.60(dd,1H),7.03(d,1H),5.86(m,1H),4.84(m,1H),4.18(s,2H),4.12(m,1H),3.32(m,1H),3.20(s,3H),2.82(m,2H),2.30(m,4H),1.98(m,2H),1.84(m,5H),1.72(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C252954Sの計算値496.2(M+H)、実測値496.2。
(実施例21)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−ピリジン−2−イルメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(88mg、0.18mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、ピリジン−2−カルバルデヒド(17μL、0.21mmol)、NEt3(30μL、0.21mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(56mg、0.25mmol)及び0.8mLの1,2−ジクロロエタンをフラスコに入れ、25℃で10時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、標題化合物をRP−HPLC(C18)で、30〜50%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて20分間溶出させて精製し、白色固体81mg(78%)を得た。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ14.25(br s,1H),9.90(br s,1H),9.79(s,1H),8.72(s,1H),8.36(s,1H),7.98(m,1H),7.88(dd,1H),7.58(d,1H),7.52(m,1H),7.20(m,1H),7.12(d,1H),5.76(m,1H),4.56(s,2H),3.40(m,2H),3.18(m,2H),2.88(m,1H),2.20(m,4H),2.00(m,4H),1.72(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C28306Oの計算値467.2(M+H)、実測値467.2。
(実施例22)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(4−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−4−(1−ピリジン−2−イルメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
この化合物は、実施例21の手順に従って、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(4−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミド(実施例17で調製)及びピリジン−2−カルバルデヒドから調製された。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ14.25(br s,1H),9.90(br s,1H),9.79(s,1H),8.72(s,1H),8.36(s,1H),7.98(m,1H),7.86(dd,1H),7.54(d,1H),7.52(m,1H),7.20(m,1H),7.12(d,1H),5.74(m,1H),4.56(s,2H),3.40(m,2H),3.18(m,2H),2.88(m,1H),2.48−2.22(m,3H),2.18−2.06(m,4H),1.98−1.82(m,3H),1.52(m,1H),1.02(s,3H)。マススペクトル(ESI,m/z):C28326Oの計算値481.2(M+H)、実測値481.2。
(実施例23)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロペンタ−1−エニル−4−[1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
この化合物は、実施例21の手順に従って、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロペンタ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(実施例18で調製)及び1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドから調製された。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.03(m,2H),7.50(d,1H),7.42(s,1H),7.20(m,2H),6.02(m,1H),4.22(s,2H),3.96(s,3H),3.30(m,2H),2.82−2.40(m,7H),2.13−1.84(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C26297Oの計算値456.2(M+H)、実測値456.2。
(実施例24)
4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−カルボン酸アミド
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(51mg、0.10mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、NEt3(22μL、0.15mmol)、トリメチルシリルイソシアネート(16μL、0.11mmol)及び1.0mLのDCMをフラスコに入れ、25℃で10時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、標題化合物をRP−HPLC(C18)で35〜60%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて11分間溶出させて精製し、白色固体30mg(70%)を得た。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ14.28(br s,1H),9.76(s,1H),8.34(s,1H),7.84(d,1H),7.18(dd,1H),7.08(d,1H),6.00(br s,2H),5.72(m,1H),4.18(m,2H),2.80−2.60(m,3H),2.24−2.10(m,4H),1.80−1.60(m,6H),1.50(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C23266Oの計算値419.2(M+H)、実測値419.0。
(実施例25)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(75mg、0.15mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、K2CO3(84mg、0.60mmol)、2−フルオロピリジン(27μL、0.30mmol)及び0.3mLのN,N−ジメチルアセトアミドをフラスコに入れ、120℃で8時間攪拌した。この反応物を3mLのH2Oで希釈し、標題化合物をRP−HPLC(C18)で30〜50%CH3CN(0.1%TFA/H2O中)を用いて9分間溶出させて精製し、白色固体50mg(75%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.18(d,1H),8.06(m,1H),8.02(s,1H),7.94(dd,1H),7.48(d,2H),7.22(dd,1H),7.12(d,1H),6.98(t,1H),5.82(m,1H),4.32(m,2H),3.46(m,2H),3.00(m,1H),2.30(m,4H),2.18(m,2H),1.96〜1.74(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C27286Oの計算値453.2(M+H)、実測値453.2。
(実施例26)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
標題化合物が、実施例21の手順に従って、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(実施例14、工程(b)で調製)及びヒドロキシ−アセトアルデヒドから調製された。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.18(d,1H),8.02(s,1H),7.22(dd,1H),7.14(d,2H),5.82(m,1H),3.94(m,2H),3.74(m,2H),3.30(m,2H),3.18(t,2H),2.92(m,1H),2.30(m,4H),2.20−1.98(m,4H),1.96−1.74(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C242952の計算値420.2(M+H)、実測値420.2。
(実施例27)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−シアノ−エチル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(77mg、0.16mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、NEt3(24μL、0.16mmol)、アクリロニトリル(12μL、0.18mmol)、0.1mLのMeOH及び1.0mLの1,2−ジクロロエタンをフラスコに入れ、80℃で1時間攪拌した。この反応物を濃縮して、標題化合物をRP−HPLC(C18)で30〜50%CH3CN(0.1%TFA/H2O中)を用いて12分間溶出させて精製し、白色固体83mg(95%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.18(d,1H),8.06(m,1H),7.22(dd,1H),7.12(d,1H),5.82(m,1H),3.76(m,2H),3.60(m,2H),3.28(t,2H),3.12(t,2H),2.92(m,1H),2.30(m,4H),2.18−1.98(m,4H),1.92−1.74(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C25286Oの計算値429.2(M+H)、実測値429.2。
(実施例28)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−カルバモイルメチル−ピペリジン−4−イル)−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(50mg、0.10mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、NEt3(32μL、0.23mmol)、2−ブロモアセトアミド(16mg、0.12mmol)及び0.5mLのDCMをフラスコに入れ、25℃で4時間攪拌した。この反応物を濃縮して、標題化合物をRP−HPLC(C18)で30〜50%CH3CN(0.1%TFA/H2O中)を用いて12分間溶出させて精製し、白色固体42mg(75%)を得た。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ14.28(br s,1H),9.78(s,1H),9.50(br s,1H),8.34(s,1H),8.00(s,1H),7.88(d,1H),7.72(s,1H),7.18(dd,1H),7.10(d,1H),5.76(m,1H),3.94(s,2H),3.58(m,2H),3.12(m,2H),2.80(m,1H),2.20(m,4H),1.98(m,4H),1.80(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C242862の計算値433.2(M+H)、実測値433.2。
(実施例29)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ピリジン−2−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(25mg、0.05mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、ピリジン−2−イル−酢酸塩酸塩(10mg、0.06mmol)、EDCI(12mg、0.06mmol)、HOBt(8.0mg、0.06mmol)、DIEA(36μL、0.20mmol)及び0.2mLのDMFをフラスコに入れ、25℃で10時間攪拌した。この反応物を2mLのH2Oで希釈し、標題化合物をRP−HPLC(C18)で30〜50%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて9分間溶出させて精製し、白色固体22mg(70%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.82(d,1H),8.52(t,1H),8.14(d,1H),8.04(s,1H),7.96(m,3H),7.20(dd,1H),7.10(d,1H),5.82(m,1H),4.68(m,1H),4.32(m,2H),4.18(m,1H),3.40(m,1H),2.88(m,2H),2.30(m,4H),2.06−1.60(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C293062の計算値495.2.2(M+H)、実測値495.2。
(実施例30)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ピリジン−3−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例29の手順に従い、ピリジン−3−イル−酢酸を使用して、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(実施例14、工程(b)で調製)から標題化合物が調製された。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.80(m,2H),8.54(d,1H),8.10(d,1H),8.06(t,1H),7.98(s,1H),7.18(dd,1H),7.08(d,1H),5.78(m,1H),4.68(m,1H),4.20(m,1H),4.18(s,2H),3.36(m,1H),2.84(m,2H),2.28(m,4H),2.06−1.70(m,7H),1.62(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C293062の計算値495.2(M+H)、実測値495.2。
(実施例31)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ピリジン−4−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例29の手順に従い、ピリジン−4−イル−酢酸を使用して、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(実施例14、工程(b)で調製)から標題化合物が調製された。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.78(d,2H),8.12(d,1H),8.00(m,3H),7.18(dd,1H),7.08(d,1H),5.80(m,1H),4.66(m,1H),4.22(s,2H),4.18(m,1H),3.34(m,1H),2.84(m,2H),2.24(m,4H),2.00−1.70(m,7H),1.64(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C293062の計算値495.2(M+H)、実測値495.2。
(実施例32)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−{1−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例29の手順に従い、(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−酢酸を使用して、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(実施例14、工程(b)で調製)から標題化合物が調製された。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.82(s,1H),8.10(d,1H),8.00(s,1H),7.42(s,1H),7.16(dd,1H),7.06(d,1H),5.80(m,1H),4.66(m,1H),4.12(m,1H),4.04(m,2H),3.92(s,3H),3.28(m,1H),2.82(m,2H),2.26(m,4H),2.00−1.70(m,7H),1.64(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C283172の計算値498.2(M+H)、実測値498.2。
(実施例33)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−1H−イミダゾール−4−イル−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例29の手順に従い、(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−酢酸を使用して、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(実施例14、工程(b)で調製)から標題化合物が調製された。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.88(s,1H),8.12(d,1H),8.02(s,1H),7.44(s,1H),7.20(dd,1H),7.10(d,1H),5.82(m,1H),4.70(m,1H),4.18(m,1H),4.06(m,2H),3.36(m,1H),2.84(m,2H),2.30(m,4H),2.00−1.70(m,7H),1.64(m,1H)。マススペクトル(ESI,m/z):C272972の計算値484.2(M+H)、実測値484.2。
(実施例34)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドジ−トリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(830mg、1.34mmol)(実施例39、工程(a)で調製)、K2CO3(600mg、4.34mmol)、ヨウ化ナトリウム(40mg、0.27mmol)、4−(2−クロロ−エチル)−モルホリン塩酸塩(260mg、1.40mmol)及び5.0mLのN,N−ジメチルアセトアミドをフラスコに入れ、80℃で8時間攪拌した。この反応物をEtOAc(50mL)で希釈し、NaHCO3(2×50mL)及び食塩水(50mL)で洗い、濃縮した。この標題化合物はフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5% MeOH/DCM)によって精製され、白色固体650mg(78%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C345063Siの計算値619.4(M+H)、実測値619.3。
b)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
10mL DCM中の4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド(650mg、1.05mmol)(前の工程で調製)溶液に、0.3mLのEtOH及び3.0mLのTFAを加え、25℃で2時間反応させた。この反応物を10mLのEtOHで希釈して、濃縮した。標題化合物をRP−HPLC(C18)で、30〜50% CH3CN(0.1%TFA/H2O中)を用いて9分間溶出させて精製し、白色固体600mg(80%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.18(d,1H),8.04(s,1H),7.24(dd,1H),7.14(d,1H),5.84(m,1H),3.84(m,4H),3.76(m,2H),3.50(m,2H),3.30−3.10(m,4H),2.92(m,5H),2.30(m,4H),2.20−2.00(m,4H),1.90−1.74(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C283662の計算値489.2、実測値489.2。
(実施例35)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
a)トリフルオロメタンスルホン酸3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イルエステル
Figure 2011502991
−78℃、Ar下で、10mLのTHF中のテトラヒドロ−チオピラン−4−オン(1.00g、8.61mmol)溶液を、20mLのTHF中のLDA(2.0M,4.52mL、9.04mmol)溶液に加えた。この混合物を室温に温め、0.5時間攪拌してから、再び−78℃に冷却した。10mLのTHF中のN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(3.42g、9.47mmol)溶液を加えた。結果として得られた混合物を室温に温め、Ar下で0.5時間攪拌した。200mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(3×50mL)、食塩水(50mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(ヘキサン−3%EtOAc/ヘキサン)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、無色油として標題化合物810mg(38%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.01(m,1H),3.30(m,2H),2.86(dd,2H,J=5.7,5.7Hz),2.58−2.64(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C67332の計算値249.0(M+H)、実測値249.3。
b)4−(4−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン
Figure 2011502991
4−ニトロフェニルボロン酸(418mg、2.50mmol)、トリフルオロ−メタンスルホン酸3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イルエステル(前の工程で調製、931mg、3.75mmol)、Pd(PPh34(433mg、0.375mmol)及び塩化リチウム(LiCl)(212mg、5.0mmol)の20mLの1,4−ジオキサン中混合物に、2.0MのNa2CO3水溶液(3.13mL、6.25mmol)を加えた。結果として得られた混合物を80℃で2時間攪拌してから、室温まで冷ました。200mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(2×30mL)、食塩水(30mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(1〜3% EtOAc/ヘキサン)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、薄茶色油として標題化合物470mg(85%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.19(d,2H,J=9.1Hz),7.48(d,2H,J=9.1Hz),6.36(m,1H),3.39(m,2H),2.91(t,2H,J=5.7Hz),2.72(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C1111NO2Sの計算値222.1(M+H)、実測値222.3。
c)4−(4−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド
Figure 2011502991
−78℃、Ar下で、15mLのジクロロメタン(DCM)中の3−クロロ過オキシ安息香酸(1.04g、4.62mmol、77%)溶液を、15mLのDCM中の4−(4−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン(前の工程で調製、465mg、2.10mmol)にゆっくりと加えた。この混合物を−78℃で0.5時間攪拌してから、室温に温めた。100mLのEtOAcで処理し、この混合物を10% Na2SO3(2×15mL)、飽和NaHCO3水溶液(20mL)、H2O(20mL)、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(2〜5% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、白色固体として標題化合物518mg(97%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.23(d,2H,J=9.0Hz),7.52(d,2H,J=9.0Hz),6.04(m,1H),3.86(m,2H),3.26−3.31(m,2H),3.18−3.23(m,2H)。
d)4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニルアミン
Figure 2011502991
15mL MeOH中の4−(4−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン1,1−ジオキシド(前の工程で調製、502mg、1.98mmol)及び10% Pd/C(250mg、50重量%)の混合物を、H2下(バルーン圧)室温で2時間攪拌した。Pd触媒をセライトによる濾過で除去し、この濾液を濃縮して、わずかに黄色の固体として標題化合物314mg(70%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ7.03(d,2H,J=8.3Hz),6.67(d,2H,J=8.3Hz),3.51〜3.79(br s,2H),3.11〜3.17(m,4H),2.70(dddd,1H,J=12.3,12.3,2.9,2.9Hz),2.31〜2.43(m,2H),2.15−2.23(m,2H)。
e)2−ブロモ−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニルアミン
Figure 2011502991
0℃、20mLの3:1のDCM/MeOH中の、4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニルアミン(前の工程で調製、174mg、0.77mmol)懸濁液に、Ar下で、5mLのDCM中のN−ブロモスクシンイミド(NBS)(137mg、0.77mmol)を加えた。この混合物を室温に温め、Ar下で1時間攪拌した。100mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(2×20mL)、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(2〜3% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、白色固体として標題化合物155mg(66%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ7.28(d,1H,J=2.0Hz),6.97(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),6.73(d,1H,J=8.3Hz),4.07(br s,2H),3.09〜3.14(m,4H),2.66(dddd,1H,J=12.1,12.1,3.3,3.3Hz),2.26−2.39(m,2H),2.12〜2.21(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C1114BrNO2Sの計算値304.0(M+H)、実測値304.1。
f)2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニルアミン
Figure 2011502991
5mLの1,4−ジオキサン中、2−ブロモ−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニルアミン(前の工程で調製、150mg、0.493mmol)、シクロヘキセン−1−イルボロン酸(70mg、0.542mmol)及びPd(PPh34(57mg、0.0493mmol)の混合物に、2.0MのNa2CO3水溶液(2.0mL、4.0mmol)を加えた。結果として得られた混合物をAr下80℃で8時間攪拌してから、室温まで冷ました。50mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(3×15mL)、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(2〜5%EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、茶色固体として標題化合物130mg(86%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.89(dd,1H,J=8.4,2.3Hz),6.84(d,1H,J=2.3Hz),6.65(d,1H,J=8.4Hz),5.74(m,1H),3.74(br s,2H),3.08〜3.17(m,4H),2.66(dddd,1H,J=12.1,12.1,3.1,3.1Hz),2.29〜2.42(m,2H),2.13〜2.25(m,6H),1.73〜1.81(m,2H),1.65〜1.73(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C1723NO2Sの計算値306.1(M+H)、実測値306.1。
g)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
5mLのDMF中、2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニルアミン(前の工程で調製、122mg、0.50mmol)、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム(実施例3、工程(d)で調製、134mg、0.44mmol)及びブロモトリ(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBroP)(205mg、0.44mmol)の混合物に、DIEA(209μL、1.20mmol)を加えた。結果として得られた混合物をAr下室温で18時間攪拌し、室温まで冷ました。50mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(3×10mL)、食塩水(10mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(1〜3% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、無色油として標題化合物161mg(73%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.69(s,1H),8.29(d,1H,J=8.4Hz),7.78(s,1H),7.14(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),7.04(d,1H,J=2.2Hz),5.95(s,2H),5.83(m,1H),3.66(t,2H,J=8.2Hz),3.11〜3.20(m,4H),2.77(dddd,1H,J=12.1,12.1,3.2,3.2Hz),2.35〜2.47(m,2H),2.17〜2.33(m,6H),1.74〜1.89(m,4H),0.97(t,2H,J=8.2Hz),0.00(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C283844SSiの計算値555.2(M+H)、実測値555.3。
h)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
6mLのDCM中、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−アミド(前の工程で調製、145mg、0.261mmol)の溶液に、0.20mLのEtOHを加え、次に2mLのTFAを加えた。結果として得られた溶液を室温で3時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(20〜25% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、白色固体として標題化合物83mg(90%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ12.34(s,1H),9.60(s,1H),8.35(d,1H,J=8.4Hz),7.75(s,1H),7.30(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),7.08(d,1H,J=2.2Hz),5.86(m,1H),3.11〜3.23(m,4H),2.80(dddd,1H,J=12.2,12.2,2.8,2.8Hz),2.40〜2.57(m,2H),2.17〜2.35(m,6H),1.74〜1.91(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C222443Sの計算値425.2(M+H)、実測値425.6。
(実施例36)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)2−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン
Figure 2011502991
8mLの1,4−ジオキサン中、トリフルオロメタンスルホン酸3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イルエステル(実施例35、工程(a)で調製、500mg、2.01mmol)、ビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン(478mg、2.11mmol)、Pd(dppf)Cl2(147mg、0.20mmol)及びKOAc(592mg、6.03mmol)の混合物を、Ar下80℃で8時間攪拌し、次に室温に冷ました。50mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(0〜5% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、無色油として標題化合物351mg(82%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.62(m,1H),3.63(s,4H),3.21(m,2H),2.68(t,2H,J=5.8Hz),2.37(m,2H),0.96(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C1017BO2Sの計算値213.1(M+H)、実測値213.1。
b)4−[4−アミノ−3−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
5mLの1,4−ジオキサン中、4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例13、工程(c)で調製、200mg、0.563mmol)、2−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン(前の工程で調製、131mg、0.619mmol)及びPd(PPh34(65mg、0.056mmol)の混合物に、2.0MのNa2CO3水溶液(2.25mL、4.5mmol)を加えた。結果として得られた混合物をAr下80℃で7時間攪拌してから、室温まで冷ました。50mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(3×15mL)、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(15〜30% EtOAc/ヘキサン)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、無色油として標題化合物141mg(67%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.91(dd,1H,J=8.2,2.2Hz),6.81(d,1H,J=2.2Hz),6.65(d,1H,J=8.2Hz),5.91(m,1H),4.22(br s,2H),3.66(br s,2H),3.29〜3.31(m,2H),2.87(dd,2H,J=5.7,5.7Hz),2.77(m,2H),2.47〜2.56(m,3H),1.78(d,2H,J=12.6Hz),1.50〜1.63(m,2H),1.48(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C213022Sの計算値375.2(M+H)、実測値375.2。
c)4−[4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
2mLのDMF中、4−[4−アミノ−3−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、45mg、0.12mmol)、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム(実施例3、工程(d)で調製、44mg、0.144mmol)及びPyBroP(67mg、0.144mmol)の混合物にDIEA(42μL、0.24mmol)を加えた。結果として得られた混合物をAr下室温で4時間攪拌した。30mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(3×10mL)、食塩水(10mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(1〜2% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、薄黄色油として標題化合物64mg(85%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.51(s,1H),8.21(d,1H,J=8.5Hz),7.78(s,1H),7.16(dd,1H,J=8.5,2.1Hz),7.02(d,1H,J=2.1Hz),6.00(m,1H),5.92(s,2H),4.25(br s,2H),3.66(t,2H,J=8.2),3.42(m,2H),2.93(dd,2H,J=5.7,5.7Hz),2.79(m,2H),2.63(dddd,1H,J=12.3,12.3,3.3,3.3Hz),2.49〜2.56(m,2H),1.82(d,2H,J=12.8Hz),1.56〜1.66(m,2H),1.49(s,9H),0.97(t,2H,J=8.2Hz),0.00(s,9H)。
d)4−[4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
−78℃、Ar下で、1mLのDCM中3−クロロ過オキシ安息香酸(91mg、0.404mmol、77%)溶液を、3mLのDCM中4−[4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−(3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、120mg、0.192mmol)に加えた。この混合物を−78℃で15分間攪拌してから、室温に温めた。40mLのEtOAcで処理し、この混合物を15% Na2SO3(5mL)、飽和NaHCO3水溶液(2×10mL)、H2O(10mL)、食塩水(10mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(2〜10% EtOAc/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、無色油として標題化合物85mg(67%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.23(s,1H),8.03(d,1H,J=8.3 Hz),7.80(s,1H),7.21(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),7.06(d,1H,J=2.0Hz),5.93(s,2H),5.75(t,1H,J=4.1Hz),4.25(br s,2H),3.86(br s,2H),3.66(t,2H,J=8.2Hz),3.29(t,2H,J=6.3Hz),3.03(t,2H,J=5.4Hz),2.74〜2.86(m,2H),2.64(dddd,1H,J=12.3,12.3,3.3,3.3Hz),1.82(d,2H,J=12.3Hz),1.55〜1.65(m,2H),1.49(s,9H),0.98(t,2H,J=8.2Hz),0.01(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C324556SSiの計算値656.3(M+H)、実測値656.7。
e)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミド,トリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
6mLのDCM中4−[4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、81mg、0.123mmol)の溶液に、0.20mLのEtOHを加え、次に2mLのTFAを加えた。結果として得られた溶液を室温で3時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、白色固体として標題化合物64mg(96%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.02(s,1H),7.78(d,1H,J=8.3Hz),7.29(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),7.21(d,1H,J=2.0Hz),5.71(t,1H,J=4.2Hz),3.83(br s,2H),3.51(d,2H,J=12.4Hz),3.33(t,2H,J=6.0Hz),3.15(td,2H,J=13.1,2.6Hz),3.01(m,2H),2.94(dddd,1H,J=12.2,12.2,3.5,3.5Hz),2.08(d,2H,J=12.9Hz),1.91(m,2H,J=13.3,13.3,13.3,3.8Hz)。マススペクトル(ESI,m/z):C212353Sの計算値426.2(M+H)、実測値426.2。
(実施例37)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
4mLの1:1のDCM/DMF中、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−1λ6−チオピラン−4−イル)−4−ピペリジン−4−イル−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例36、工程(e)で調製、62mg、0.115mmol)懸濁液に、室温で、DIEA(60μL、0.345mmol)を加えた。この混合物を5分間攪拌してから、無水酢酸(11μL、0.121mmol)をこの混合物にゆっくり加え、結果として得られた混合物を室温で0.5時間攪拌した。40mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(2×20mL)で洗った。この水性層をEtOAc(4×10mL)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。この残留物を、シリカゲル(1〜4% MeOH/DCM)を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製し、白色固体として標題化合物50.9mg(95%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ13.0(s,1H),9.10(s,1H),8.13(d,1H,J=8.4Hz),7.77(d,1H,J=2.3Hz),7.26(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.08(d,1H,J=2.0Hz),5.77(t,1H,J=4.3Hz),4.84(dt,1H,J=13.3,2.1Hz),4.00(dt,1H,J=13.3,2.1Hz),3.89(br s,2H),3.31(t,2H,J=6.2Hz),3.23(td,1H,J=13.2,2.5Hz),3.02(m,2H),2.77(dddd,1H,J=11.9,11.9,3.4,3.4Hz),2.68(ddd,1H,J=12.6,12.6,2.9Hz),2.18(s,3H),1.70〜1.97(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C232554Sの計算値468.2(M+H)、実測値468.1。
(実施例38a)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−ジメチルアミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
DCM(15mL)中、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例14、工程(b)で調製、655mg、1.30mmol)の混合物を0℃に冷却し、DIEA(0.92mL、5.2mmol)を加えた。次にジメチルアミノアセチルクロリド塩酸塩(211mg、1.3mol)を10分間かけて少しずつ分けて加えた。この反応混合物を0℃で30分間攪拌し、室温まで温めて、2時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、結果として得られた残留物を食塩水とDCMで分配抽出した。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。得られた残留物をシリカ(5%MeOH:DCM)で精製し、白色固体として標題化合物432mg(70%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.49(s,1H),8.24(d,1H,J=2.3Hz),7.70(s,1H),7.12(dd,1H,J=8.4,2.1Hz),7.01(s,1H),5.82(m,1H),4.75(d,1H,J=13.4Hz),4.13(d,1H,J=13.4Hz),3.57(d,1H,J=14.2Hz),3.18(d,1H,J=14.2 Hz),3.12(td,1H,J=13.3,2.4Hz),2.73(dddd,1H,J=11.9,11.9,3.8,3.8Hz),2.65(ddd,1H,J=13.3,13.3,2.4Hz),2.40(s,6H),2.18〜2.32(m,4H),1.60〜1.98(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263262の計算値461.3(M+H)、実測値461.2。
(実施例38b)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メチルアミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
実施例38aのHPLC精製により、少量の4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メチルアミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミドも得られた。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.02(d,1H,J=8.4Hz),7.92(s,1H),7.07(dd,1H,J=8.4Hz,J=2.4Hz),6.98(d,1H,J=2.4Hz),5.73〜5.68(m,1H),4.60−4.51(m,1H),3.76−3.68(m,1H),3.20−3.11(m,1H),2.81−2.70(m,2H),2.67(s,3H),2.22−2.13(m,4H),1.88−1.66(m,6H),1.66−1.46(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C253062の計算値447.2(M+H)、実測値447.3。
(実施例39)
4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
Figure 2011502991
a)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミド,トリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
18mLのDCM中の4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例14、工程(a)で調製、81mg、0.123mmol)に、0℃で1mL EtOHを加え、次に5mLのTFAを加えた。結果として得られた溶液を室温で0.5時間攪拌し、20mLのEtOHで処理した後、20mLのn−PrOH及び5mLのH2Oで処理し、次に、この混合物を減圧下で濃縮し、わずかに黄色の固体を得た。この化合物を、シリカゲル(2〜4%MeOH/DCM)を用いてフラッシュクロマトグラフィーを行い、白色固体として標題化合物0.87g(85%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.70(s,1H),9.66(br s,1H),9.15(br s,1H),8.29(d,1H,J=8.3Hz),7.78(s,1H),7.13(dd,1H,J=8.3,2.2Hz),7.03(d,1H,J=2.2Hz),5.95(s,2H),5.83(m,1H),3.66(t,2H,J=8.4Hz),3.55(d,2H,J=12.3Hz),2.95〜3.11(m,2H),2.76(m,1H),2.18〜2.33(m,4H),1.99〜2.15(m,4H),1.82(m,4H),0.97(t,2H,J=8.3Hz),0.00(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C283952Siの計算値506.3(M+H)、実測値506.1。
b)4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
Figure 2011502991
4mLのDCM中、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(前の工程で調製、116mg、0.192mmol)及びDIEA(134μL、0.770mmol)の溶液を、−78℃、Ar下で、4mLのDCM中のトリホスゲン(23mg、0.0768mmol)溶液をゆっくり加えた。この混合物を−78℃で15分間攪拌し、室温まで温め、15分間攪拌し、再び−78℃まで冷却した。4mLのTHF中の2−アミノ−エタノール(350μL、5.77mmol)懸濁液を加え、結果として得られた混合物を室温まで温め、Ar下で20時間攪拌した。100mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(3×20mL)、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(10% EtOAc/DCM、次に5%MeOH/DCM)を用いたフラッシュクロマトグラフィーを行い、無色油として標題化合物95mg(83%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.68(s,1H),8.25(d,1H,J=8.4 Hz),7.77(s,1H),7.12(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),7.01(d,1H,J=2.2Hz),5.94(s,2H),5.83(m,1H),4.96(t,1H,J=5.6Hz),4.11(d,2H,J=13.3Hz),3.75(ddd,2H,J=4.4Hz),3.66(t,2H,J=8.3Hz),3.44(ddd,2H,J=5.0Hz),3.36(t,1H,J=4.6Hz),2.91(ddd,2H,J=13.0,2.2Hz),2.66(dddd,1H,J=12.2,12.2,3.3,3.3Hz),2.18〜2.33(m,4H),1.75〜1.91(m,6H),1.67(dddd,2H,J=12.9,12.9,12.9,4.0Hz),0.97(t,2H,J=8.3Hz),0.00(s,9H)。マススペクトル(ESI,m/z):C314464Siの計算値593.3(M+H)、実測値593.1。
c)4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
Figure 2011502991
3mLのDCM中、4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド(前の工程で調製、95mg、0.16mmol)の溶液に、0.10mLのEtOHを加え、次に1.0mLのTFAを加えた。結果として得られた溶液を室温で6時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(2〜8% MeOH/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、白色固体として標題化合物68mg(92%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.09(d,1H,J=8.4Hz),8.00(s,1H),7.15(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),5.79(m,1H),4.15(dd,2H,J=13.3,1.1Hz),3.61(t,2H,J=5.9Hz),3.27〜3.32(m,2H),2.90(ddd,2H,J=13.0,13.0,2.5Hz),2.73(dddd,1H,J=12.1,12.1,2.6,2.6Hz),2.26(m,4H),1.73〜1.88(m,6H),1.62(dddd,2H,J=12.6,12.6,12.6,4.0Hz)。マススペクトル(ESI,m/z):C253063の計算値463.2(M+H)、実測値463.2。
(実施例40)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メタンスルホニル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
a)メタンスルホン酸2−メタンスルホニル−エチルエステル
Figure 2011502991
15mLのDCM中、0℃のメタンスルホニルクロリド(484mg、4.23mmol)溶液に、Ar下で、10mLのDCM中の2−メタンスルホニル−エタノール(500mg、4.03mmol)を加え、次にDIEA(1.05mL、6.05mmol)を加えた。この混合物を室温に温め、Ar下で20時間攪拌した。この混合物を100mLのEtOAcで処理し、H2O(3×20mL)、食塩水(20mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去し、茶色油として標題化合物534mg(66%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ4.67(d,2H,J=5.5Hz),3.46(d,2H,J=5.5Hz),3.11(s,3H),3.04(s,3H)。
b)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(2−メタンスルホニル−エチル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
室温で、3mLのDCM中の4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例14、工程(b)で調製、85mg、0.174mmol)及びDIEA(91μL、0.521mmol)溶液に、2−メタンスルホン酸2−メタンスルホニル−エチルエステル(前の工程で調製、42mg、0.208mmol)を加えた。結果として得られた混合物を室温で3時間攪拌した。50mLのEtOAcで処理し、この混合物をH2O(2×20mL)、食塩水(10mL)で洗い、乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で溶媒を除去した後、この残留物をシリカゲル(1〜3% MeOH/DCM)でフラッシュクロマトグラフィーに通し、白色固体として標題化合物54mg(65%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.54(s,1H),8.25(d,1H,J=8.4Hz),7.72(s,1H),7.15(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.04(d,1H,J=2.0Hz),5.85(m,1H),3.21(t,1H,J=6.5Hz),3.09(s,3H),3.02〜3.11(m,2H),2.92(t,2H,J=6.5Hz),2.52(dddd,1H,J=12.1,12.1,3.3,3.3Hz),2.18〜2.34(m,4H),2.18(t,2H,J=10.8Hz),1.64−1.94(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C253153Sの計算値482.2(M+H)、実測値482.2。
記載されている実施例に従い、下記の化合物が調製された:
Figure 2011502991
(実施例43)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(ピリジン−3−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
CH2Cl2(10mL)中、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例14、工程(b)で調製、75.0mg、0.15mmol)の溶液を、Et3N(64.1μL、0.46mmol)で処理し、0℃に冷却した。この混合物をニコチノイルクロリド塩酸塩(0.030g、0.17mmol)で処理し、0℃で15分間攪拌してから、室温で17時間攪拌した。この反応混合物を直接シリカゲルに吸着させた。シリカゲルクロマトグラフィー(10% MeOH(EtOAc中))により、白色固体として標題化合物(61.0mg、83%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.51(br s,1H),8.77(s,1H),8.70−8.66(m,1H),8.32(d,1H,J=8.4Hz),7.86−7.81(m,1H),7.70(s,1H),7.42−7.37(m,1H),7.17(d,1H,J=8.4Hz),7.06−7.04(m,1H),5.87−5.82(m,1H),4.98−4.87(m,1H),3.94−3.84(m,1H),3.29−3.18(m,1H),2.98−2.86(m,1H),2.86−2.76(m,1H),2.34−2.20(m,4H),1.94−1.72(m,9H)。LC−MS(ESI,m/z):C282862の計算値481.2(M+H)、実測値481.3。
(実施例44)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−{1−[2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)[2−(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
CH2Cl2(10mL)中、N−BOC−グリシン(0.29g、1.63mmol)の溶液を、DIEA(0.85mL、4.90mmol)、HOBt(0.26g、1.96mmol)、及びEDCI(0.38g、1.96mmol)で処理した。この混合物を室温で10分間攪拌し、CH2Cl2(20mL)中の4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例14、工程(b)で調製、0.80g、1.63mmol)の懸濁液に加えた。この溶液を室温で17時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(50% EtOAc(ヘキサン中))により、白色固体として標題化合物(0.41g、47%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.53(s,1H),8.26(d,1H,J=8.4Hz),7.80−7.78(m,1H),7.71(s,1H),7.45−7.43(m,1H),7.06(d,1H,J=8.4Hz),7.00(s,1H),5.83(br s,1H),5.76(br s,1H),4.78−4.68(m,1H),3.96−3.85(m,2H),3.17−3.03(m,1H),2.78−2.63(m,2H),2.29(br s,2H),2.22(br s,2H),1.95−1.87(m,2H),1.86−1.72(m,4H),1.70−1.55(m,2H),1.44(s,9H)。LC−MS(ESI,m/z):C293664の計算値533.3(M+H)、実測値532.9。
b)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−アミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
CH2Cl2(20mL)中、[2−(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、0.41g、0.77mmol)の溶液を、EtOH(0.2mL)及びTFA(6mL)で処理した。この混合物を室温で45分間攪拌してから、溶媒を減圧下で蒸発させた。この粗物質を直接次の工程に使用した。LC−MS(ESI,m/z):C242862の計算値433.2(M+H)、実測値433.2。
c)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−{1−[2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
CH2Cl2(20mL)中、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−アミノ−アセチル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩(前の工程で調製、0.42g、0.77mmol)の懸濁液を、Na(OAc)3BH(0.33g、1.54mmol)及び固体グリオキサール(44.6mg、0.77mmol)で処理した。この混合物を室温で1時間攪拌してから、溶媒を減圧下で蒸発させた。この残留物をMeOHに溶かし、固形物を濾過して除去し、濾液を減圧下で濃縮した。逆相HPLC(C−18カラム)(20%〜60%アセトニトリル(水中)、0.1% TFA、30分間)により、白色固体として標題化合物(83mg、19%(2工程))を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.16−8.09(m,1H),8.05−8.01(m,1H),7.22−7.15(m,1H),7.11−7.06(m,1H),5.84−5.79(m,1H),4.72−4.62(m,1H),4.24−3.91(m,2H),3.89−3.80(m,2H),3.28−3.18(m,2H),2.92−2.79(m,2H),2.28(br s,4H),1.98−1.89(m,2H),1.89−1.76(m,4H),1.76−1.57(m,2H)。LC−MS(ESI,m/z):C263263の計算値477.2(M+H)、実測値477.2。
(実施例45)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−{1−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
MeOH(3mL)中、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−{1−[2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−アセチル]−ピペリジン−4−イル}−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例44、工程(c)で調製、50.0mg、0.085mmol)の溶液を、Na(OAc)3BH(39.5mg、0.19mmol)及び37%ホルムアルデヒド水溶液(8.2μL、0.10mmol)で処理した。この混合物を室温で5.5時間攪拌し、溶媒を減圧下で除去した。逆相HPLC(C−18カラム)(10%〜50%アセトニトリル(水中)、0.1%TFA、30分間)により、白色固体として標題化合物(19.5mg、47%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.12(d,1H,J=8.4Hz),8.02(s,1H),7.19(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.09(d,1H,J=2.0Hz),5.84−5.79(m,1H),4.72−4.64(m,1H),4.39−4.23(m,2H),3.84−3.79(m,1H),3.31−3.21(m,1H),3.03−2.94(m,6H),2.92−2.80(m,2H),2.32−2.24(m,4H),2.00−1.90(m,2H),1.90−1.76(m,5H),1.78−1.59(m,2H)。LC−MS(ESI,m/z):C273463の計算値491.3(M+H)、実測値491.2。
(実施例46)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−(1,2,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)5−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
THF(50mL)中のLDA(23.4mL、35.1mmol、シクロヘキサン中1.5M)溶液を、Ar下で−78℃に冷却した。この溶液を3−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.00g、25.1mmol)のTHF(15mL)溶液として滴下により加えて処理し、15分間攪拌した。この混合物を1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンイミド(12.5g、35.1mmol)のTHF(40mL)溶液で処理した。この混合物を室温に加温し、2.5時間攪拌した。この反応物に飽和NaHCO3水溶液を加えて反応を止め、Et2Oで希釈し、水で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5% EtOAc(ヘキサン中))により、無色油として標題化合物(2.45g、30%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ5.97−5.89(m,1H),4.09−4.01(m,2H),3.54−3.45(m,2H),2.36−2.26(m,2H),1.48(s,9H)。LC−MS(ESI,m/z):C11163NO5Sの計算値332.1(M+H)、実測値332.1。
b)5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
PdCl2dppf(0.16g、0.22mmol)、KOAc(2.18g、22.2mmol)、4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](2.07g、8.13mmol)、及びdppf(0.12g、0.22mmol)を丸底フラスコに入れ、このフラスコにArをフラッシュした。脱気した5−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、2.45g、7.40mmol)のジオキサン(70mL)溶液をこのフラスコに加え、80℃で16時間加熱した。この混合物をガラスフリット漏斗で濾過して固体KOAcを除去し、この濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5% EtOAc(ヘキサン中))により、無色油として標題化合物(1.62g、71%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.69−6.60(m,1H),3.98(br s,2H),3.49−3.42(m,2H),2.24−2.16(m,2H),1.47(s,9H),1.27(s,12H)。LC−MS(ESI,m/z):C1828BNO4の計算値310.2(M+H)、実測値311.0。
c)4−(4−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
標題化合物が、実施例35、工程(b)の鈴木カップリング手順により、4−ニトロフェニルボロン酸(167mg、1.00mmol)及び4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例13、工程(a)で調製、295mg、1.00mmol)を用いて調製された。シリカゲルクロマトグラフィー(10% EtOAc(ヘキサン中))により、油として標題化合物(273mg、90%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.19(d,2H,J=8.8Hz),7.50(d,2H,J=8.8Hz),6.23(m,1H),4.12(m,2H),3.66(m,2H),2.54(m,2H),1.49(s,9H)。
d)1−[4−(4−アミノ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−エタノン
Figure 2011502991
DCM/TFAの1:1混合物(10mL)中、4−(4−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、304mg、1.00mmol)の溶液を、室温で3時間攪拌し、濃縮した。この残留物を一晩減圧下で乾燥させ、CH2Cl2(10mL)に溶かし、0℃に冷却した。この溶液にEt3N(280μL、2mmol)を滴下により加え、次いで無水酢酸(102μL、1mmol)を加えた。結果として得られた混合物を0℃で1時間攪拌してから、室温まで温めた。この反応混合物を食塩水で洗い、この有機層を分離し、乾燥させ、濃縮した。結果として得られた生成物を、実施例4、工程(d)に同様の手順を使用して、還元し、標題化合物(143mg、65%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.97(d,2H,J=8.4Hz),6.64(d,2H,J=8.4Hz),4.75(m,1H),3.93(m,1H),3.13(m,3H),2.66(m,2H),2.12(s,3H),1.84(m,2H),1.57(m,2H)。
e)1−[4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−エタノン
Figure 2011502991
CH2Cl2(10mL)中の1−[4−(4−アミノ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−エタノン(前の工程で調製、0.36g、1.66mmol)溶液を−78℃まで冷却し、CH2Cl2(4mL)懸濁液としてのNBS(0.28g、1.58mmol)で処理した。この反応物を室温に温め、30分間攪拌した。この反応物をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗物質を直接次の反応に使用した。LC−MS(ESI,m/z):C1317BrN2Oの計算値297.1(M+H)、実測値297.1。
f)5−[5−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−アミノ−フェニル]−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
トルエン:EtOH(2:1、9mL)中、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例46、工程(b)、0.62g、2.02mmol)及び1−[4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−エタノン(前の工程で調製、0.20g、0.67mmol)の溶液を、2.0MのNa2CO3水溶液(2.7mL、5.38mmol)で処理し、Ar下、音波処理で脱気した。この混合物を80℃に加熱し、Pd(PPh34(54mg、0.05mmol)で処理し、80℃で4.5時間攪拌した。この反応物を室温まで冷まし、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮して、オフホワイト固体として標題化合物(0.25g、93%)を得た。LC−MS(ESI,m/z):C233333の計算値422.2(M+Na)、実測値422.0。
g)5−(5−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
CH2Cl2中の5−[5−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−アミノ−フェニル]−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、0.25g、0.63mmol)溶液を、PyBroP(0.44g、0.94mmol)及び4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸カリウム塩(実施例3、工程(d)、0.21g、0.69mmol)で処理した。結果として得られたスラリーを0℃に冷却し、DIEA(0.33mL、1.88mmol)で処理した。氷浴を外し、この混合物を室温で18時間攪拌した。この反応物をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(25〜45%EtOAc(ヘキサン中)、次に100% EtOAc)により、白色固体として標題化合物(399mg、98%)を得た。LC−MS(ESI,m/z):C344865Siの計算値649.4(M+H)、実測値649.9。
h)4−シアノ−1H−イミダゾール(imizazole)−2−カルボン酸[4−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−(1,2,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
CH2Cl2(20mL)及びEtOH(0.4mL)中の5−(5−(1−アセチル−ピペリジン−4−イル)−2−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、0.40g、0.61mmol)溶液を、TFA(3mL)で処理した。この溶液を室温で0.5時間攪拌した。この溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をすぐにEtOH(25mL)に溶かし、5℃で11時間保管した。この溶液を減圧下で濃縮し、残留物をCH2Cl2(20mL)及びEtOH(0.4mL)に溶かしてから、TFA(6mL)で処理した。この反応物を室温で2時間攪拌し、溶媒を減圧下で蒸発させた。逆相HPLC(C−18カラム)(10%〜80%アセトニトリル(水中)、0.1% TFA、30分間)により、白色固体として標題化合物(56.9mg、22%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ8.06(s,1H),7.81(d,1H,J=8.4Hz),7.32(d,1H,J=8.4Hz),7.22(s,1H),6.10−6.03(m,1H),4.74−4.64(m,2H),4.11−4.02(m,1H),3.95(s,2H),3.50−3.37(m,2H),3.29−3.20(m,1H),2.93−2.82(m,1H),2.80−2.69(m,1H),2.62−2.53(m,2H),2.16(s,3H),1.98−1.84(m,2H),1.78−1.54(m,2H)。LC−MS(ESI,m/z):C232662の計算値419.2(M+H)、実測値419.2。
(実施例47)
(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−酢酸トリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドTFA塩(33mg、0.067mmol)(実施例14、工程(b)で調製)、ブロモ酢酸t−ブチル(10μL、0.067mmol)、NEt3(20μL、0.135mmol)及び0.25mLのDCMをフラスコに入れ、25℃で10時間攪拌した。この反応混合物を5gのSPEカートリッジ(シリカ)に入れ、23mg(70%)の(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステルが、25% EtOAc/DCMで溶出された。この化合物を1mLのDCM及び20μLのEtOHに溶かし、1mLのTFAを加え、この反応物を25℃で3時間攪拌した。この標題化合物をRP−HPLC(C18)で30〜50%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて12分間溶出させて精製し、白色固体10mg(40%)を得た。1H−NMR(400MHz,CD3OD):δ8.16(d,1H),8.02(s,1H),7.22(dd,1H),7.10(d,1H),5.72(m,1H),4.04.(s,2H),3.76(m,2H),3.22(m,2H),2.90(m,1H),2.29(m,4H),2.10(m,4H),1.82(m,4H)。マススペクトル(ESI,m/z):C242753の計算値434.2(M+H)、実測値434.2。
(実施例48)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(3−アミノ−3−メチル−ブチリル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)[3−(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−1,1−ジメチル−3−オキソ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
ジクロロエタン(2mL)中、4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(実施例14、工程(b)で調製、40.0mg、0.0818mmol)、3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(J.Med.Chem.,34(2),633〜642,(1991)、21.4mg、0.0981mmol)及びPyBroP(55.0mg、0.0981mmol)の混合物に、DIEA(43μL、0.25mmol)を加え、結果として得られた混合物をAr下室温で1日攪拌した。この混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、H2O(2×10mL)、食塩水(10mL)で洗い、Na2SO4を入れて乾燥させ、次に減圧下で濃縮した。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10〜40% EtOAc/ヘキサン)で精製し、無色油として標題化合物33.0mg(70%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C324264の計算値575.3(M+H)、実測値574.8。
b)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(3−アミノ−3−メチル−ブチリル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
3mLのDCM及び0.10mLのEtOH中、0℃の、[3−(4−{4−[(4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボニル)−アミノ]−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−ピペリジン−1−イル)−1,1−ジメチル−3−オキソ−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(33.0mg、0.0574mmol)(前の工程で調製)の溶液に、1.0mLのTFAを加え、この混合物を室温に温めて3時間攪拌した。この反応物を3mLのn−PrOHで希釈し、減圧下で濃縮した。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、3〜8% MeOH/DCM)で精製し、白色固体として標題化合物33.5mg(99%)を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ13.3(s,1H),9.52(s,1H),8.57(br s,3H),8.26(d,1H,J=8.6Hz),7.69(s,1H),7.02(dd,1H,J=8.6,1.7Hz),6.98(d,1H,J=1.7Hz),5.78(m,1H),4.67(br d,1H,J=13.4Hz),3.88(br d,1H,J=13.4Hz),3.10(m,1H),2.55〜2.85(m,4H),2.23(m,4H),1.72〜2.01(m,8H),1.50(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C273462の計算値475.3(M+H)、実測値475.1。
(実施例49)
4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドビストリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸メチルエステル
Figure 2011502991
DMF(5mL)中、0℃の、NaH(60%分散液)(200mg、5.00mmol)の懸濁液に、DMF(5mL)中メチル−1H−1,2,4−トリアゾールカルボキシラート(635mg、5.00mmol)溶液を滴下により加えた。結果として得られた懸濁液を同じ温度で30分間攪拌し、SEMCl(0.90mL、5.0mmol)で処理した。結果として得られた溶液を室温で30分間攪拌し、氷上に注いだ。この生成物をエーテル(3×20mL)で抽出した。このエーテル層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカ(10% EtOAc/ヘキサン)を用いてクロマトグラフィーに通し、標題化合物(530mg、41%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C101933Siの計算値258.1(M+H)、実測値258.2。
b)4−(3−シクロヘキサ−1−エニル−4−{[1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4−]トリアゾール−3−カルボニル]−アミノ}−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
EtOH(2mL)中、1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸メチルエステル(前の工程で調製、257mg、1.00mmol)の溶液に、2NのKOH(0.5mL、1mmol)を加えた。結果として得られた溶液を室温で20分間攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をエーテル(10mL)中に懸濁させ、5分間音波処理した。次に、エーテルを減圧下で除去し、結果として得られた残留物を4時間乾燥させて、1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸カリウム塩(273mg、97%)を得、これは更なる精製無しに直接次の工程に使用された。
DCM(2mL)中、1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸カリウム塩(上記で調製、28mg、0.10mmol)、DIEA(34μL、0.20mmol)、4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例14、工程(b)で調製、35.6mg、0.100mmol)及びPyBroP(69.9mg、0.150mmol)の混合物を、室温で12時間攪拌した。この反応混合物をDCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び水(10mL)で洗った。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この生成物を、シリカ(20〜40% EtOAc/ヘキサン)を用いてクロマトグラフィーに通し、標題化合物(31.9mg、55%)を得た。マススペクトル(psectrum)(ESI,m/z):C314754Siの計算値481.2(M−BOC+2H)、実測値481.2。
c)4H−[1,2,4−]−トリアゾール−3−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドビストリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
DCM(0.4mL)及びEtOH(13μL)中、4−(3−シクロヘキサ−1−エニル−4−{[1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボニル]−アミノ}−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、81.9mg、0.140mmol)の溶液に、TFA(0.13mL)を加えた。結果として得られた溶液を室温で3時間攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を減圧下で1時間乾燥させ、エーテル(10mL)中に懸濁させ、5分間音波処理した。形成された固体を吸引濾過で回収し、標題化合物(56mg、68%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.53(br s,1H),8.20(d,1H,J=8.4Hz),7.21(dd,1H,J=8.4,2.1Hz),7.11(d,1H,J=2.1Hz),5.83(br s,1H),3.45(m,2H),3.19(m,2H),2.98(m,1H),2.28(m,4H),2.14(m,2H),1.95−1.75(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C20255Oの計算値352.4(M+H)、実測値352.2。
(実施例50)
5−クロロ−4H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)5−クロロ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸メチルエステル
Figure 2011502991
DMF(5mL)中、0℃のNaH(60%分散液、53.9mg、1.34mmol)懸濁液に、DMF(10mL)中の5−クロロ−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸メチルエステル(Bull.Pharm.Sci.,20(1):47〜61,(1997)、218mg、1.35mmol)溶液を滴下により加えた。結果として得られた懸濁液を同じ温度で30分間攪拌し、次にSEMCl(0.24mL、1.4mmol)で処理した。結果として得られた溶液を室温で30分間攪拌し、氷上に注いだ。この混合物をエーテル(3×20mL)で抽出し、このエーテル層を合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカ(10% EtOAc/ヘキサン)を使用してクロマトグラフィーに通し、標題化合物(227mg、58%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C1018ClN33Siの計算値292.0及び294.0(M+H)、実測値291.5及び293.6。
b)4−(4−{[5−クロロ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
EtOH(2mL)中の4−(4−{[5−クロロ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸メチルエステル(前の工程で調製、227mg、0.780mmol)溶液に、2NのKOH(0.4mL、0.8mmol)を加えた。結果として得られた溶液を室温で20分間攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をエーテル(10mL)中に懸濁させ、5分間音波処理した。次にエーテルを除去し、結果として得られた残留物を減圧下で4時間乾燥させ、4−(4−{[5−クロロ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸カリウム塩(223mg、91%)を得て、これは更なる精製無しに直接次の工程で使用された。
DCM(2mL)中、4−(4−{[5−クロロ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボン酸カリウム塩(上記で調製、35mg、0.10mmol)、DIEA(34μL、0.10mmol)、4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例14、工程(b)で調製、35.6mg、0.100mmol)及びPyBroP(69.9mg、0.150mmol)の混合物を、室温で12時間攪拌した。この反応混合物をDCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び水(10mL)で洗った。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この生成物をシリカ(20〜40% EtOAc/ヘキサン)を用いてクロマトグラフィーに通し、標題化合物(52mg、85%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ9.60(s,1H),8.29(d,1H,J=8.4Hz),7.18(dd,1H,J=8.4,2.2Hz),7.13(d,1H,J=2.2Hz),5.99(s,2H),5.84(br s,1H),4.18〜4.25(m,2H),3.72〜3.76(m,2H),2.58〜2.67(m,2H),2.51〜2.64(m,1H),2.18〜2.33(m,4H),1.78〜1.92(m,6H),1.55〜1.65(m,2H),1.49(s,9H),0.93〜0.98(m,2H),0.10(s,9H)。
c)5−クロロ−1H−[1,2,4−]−トリアゾール−3−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
DCM(0.5mL)及びEtOH(11μL)中、4−(4−{[5−クロロ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−[1,2,4]−トリアゾール−3−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、63.3mg、0.102mmol)の溶液に、TFA(0.1mL)を加えた。結果として得られた混合物を室温で12時間攪拌した後、更に0.1mLのTFAを加えた。この反応混合物を更に室温で5時間攪拌し、溶媒を蒸発させ、この標題化合物を、RP−HPLC(C18)で20〜70%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて20分間溶出させて精製することにより、標題化合物(30mg、58%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.14(d,1H,J=8.4Hz),7.20(dd,1H,J=8.4,2.1Hz),7.13(d,1H,J=2.1Hz),5.82(br s,1H),3.45(m,2H),3.19(m,2H),2.98(m,1H),2.28(m,4H),2.14(m,2H),1.95−1.75(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C2024ClN5Oの計算値386.1及び388.1(M+H)、実測値386.2及び388.1。
(実施例51)
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩、及び
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)シス/トランス2,6−ジメチル−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
エーテル(100mL)中のシス/トランス−2,6−ジメチルピペリジノン(Coll.Czech.Chem.Commun.:31(11),4432〜41,(1966)、1.27g、10.0mmol)溶液を、1NのNaOH水溶液(11mL、11mmol)及び(BOC)2O(2.18g、10.0mmol)で処理した。結果として得られた混合物を室温で48時間攪拌した。エーテル層を分離し、乾燥させ、濃縮した。この残留物をシリカ(10% EtOAc−ヘキサン)でクロマトグラフィーに通し、標題化合物(1.10g、50%)を得た:LC−MS(ESI,m/z):C1221NO3の計算値128.1(M−BOC+2H)、実測値128.1。
b)4−(4−アミノ−フェニル)−シス/トランス2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
THF(20mL)中のシス/トランスN−Boc−2,6−ジメチルピペリジノン(前の工程で調製、1.14g、5.00mmol)溶液を−78℃に冷却し、Ar下、LDA(1.5M溶液(シクロヘキサン、THF及びエチルベンゼン中)、4.4mL、6.5mmol)で処理した。
結果として得られた混合物を同じ温度で30分間攪拌し、THF(20mL)中のN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(2.34g、6.55mmol)で処理した。この反応混合物を更に30分間攪拌し、室温まで温めた。室温に置いて30分後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をエーテル(20mL)に溶かし、冷水(2×10mL)で洗った。このエーテル層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、シス/トランス−2,6−ジメチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(890mg、49%)を得て、これを次の工程に直接使用した。
次に、実施例35、工程(b)の鈴木カップリング手順に従い、4−アミノフェニルボロン酸(219mg、1.00mmol)及びシス/トランス−2,6−ジメチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(上記で調製、321mg、1.00mmol)を用いて、標題化合物を精製した。シリカゲルクロマトグラフィー(10〜20% EtOAc/ヘキサン)により、4−(4−アミノ−フェニル)−2,6−ジメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(172mg、57%)を得た:マススペクトル(ESI,m/z):C182622の計算値303.2(M+H)実測値303.1。
MeOH(10mL)中の4−(4−アミノ−フェニル)−2,6−ジメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(上記で調製、380mg、1.25mmol)溶液を、10% Pd/C(190mg)を用い、138kPa(20psi)で1時間水素化した。この溶液を、セライトパッドを通して濾過し、濃縮して、標題化合物(360mg、94%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C182822の計算値305.2(M+H)、実測値305.6。
c)4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−シス/トランス2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
DCM(10mL)中、4−(4−アミノ−フェニル)−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、334mg、1.09mmol)の溶液に、NBS(195mg、1.09mmol)を加え、この反応混合物を室温で12時間攪拌した。この反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び水(10mL)で洗った。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮して4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−シス/トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(367mg、87%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C1827BrN22の計算値327.0及び329.0(M−t−Bu+H)、実測値327.0及び328.9。
次に、実施例12、工程(d)の鈴木カップリング手順に従い、シクロヘキサン−1−エニルボロン酸(157mg、1.25mmol)及び4−(4−アミノ−3−ブロモ−フェニル)−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(上記で調製、382mg、1.00mmol)を用いて標題化合物が調製され、シリカ(20%EtOAc/ヘキサン)でクロマトグラフィーに通して254mg(66%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C243622の計算値384.2(M+H)、実測値385.1。
d)4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;及び4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
DCM(20mL)中、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸,カリウム塩(実施例3、工程(d)で調製、384mg、1.00mmol)、DIEA(0.34μL、2.0mmol)、4−(4−アミノ−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製、384mg、1.00mmol)及びPyBroP(699mg、1.50mmol)の混合物を、室温で12時間攪拌した。この反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び水(10mL)で洗った。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮して上記の2つの標題化合物(321mg、50.7%)の混合物を得た。この混合物をシリカ(10〜20% EtOAc/ヘキサン)を用いてクロマトグラフィーに通し、個々の標題化合物を得た。
4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(31mg)。マススペクトル(ESI,m/z):C355154Siの計算値634.3(M+H)、実測値634.1。
4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルは、10%の4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが混入していた(290mg)。マススペクトル(ESI,m/z):C355154Siの計算値634.3(M+H)、実測値634.1。
e)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩及び5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
実施例14、工程(b)の手順に従い、290mg(0.457mmol)の4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び31mg(0.048mmol)の4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルから標題化合物が調製された。
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(シス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩(93mg、32%):1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ 8.17(d,1H,J=8.4Hz),8.03(s,1H),7.22(d,1H,J=8.4Hz),7.11(s,1H),5.72(br s,1H),3.87(m,1H),3.78(m,1H),3.45(m,1H),3.23(m,1H),3.07(m,1H),2.22(m,4H),2.19(m,2H),1.75−1.92(m,4H),1.56(m,3H),1.37(m,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C24295Oの計算値404.2(M+H)、実測値404.2。
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(トランス−2,6−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドビストリフルオロ酢酸塩(17.3mg、56%)。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ13.9(br s,1H),10.3(br s,1H),9.98(s,1H),8.41(d,1H,J=8.4Hz),7.75(br s,1H),7.26(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.15(d,1H,J=2Hz),5.92(br s,1H),4.12(m,1H),3.59(m,1H),3.1〜3.3(m,4H),2.25−2.42(m,6H),2.05−1.78(m,6H),1.62(d,3H,J=7.1Hz),1.43(d,3H,J=6.3Hz)。マススペクトル(ESI,m/z):C24295Oの計算値404.2(M+H)、実測値404.2。
(実施例52)
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(R)−(+)−(2,3−ジヒドロキシ−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
a)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(R)−(+)2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
MeOH(2mL)中のメチル(R)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボキシラート(0.16mL、1.0mmol)溶液に、2NのKOH(0.5mL、1mmol)を加えた。結果として得られた溶液を室温で20分間攪拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をエーテル(10mL)中に懸濁させ、5分間音波処理した。次にエーテルを除去し、結果として得られた残留物を減圧下で4時間乾燥させ、(R)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルボン酸カリウム塩(173mg、94%)を得て、これは更なる精製無しに直接次の工程で使用された。
DCM(1.5mL)中の4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミド,トリフルオロ酢酸塩(実施例14、工程(b)で調製、40mg、0.08mmol)溶液に、(R)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサラン−4−カルボン酸カリウム塩(上記で調製、18mg、0.090mmol)、EDCI(18.8mg、0.0900mmol)、HOBt(13.2mg、0.0900mmol)及びDIEA(42μL、0.24mmol)の混合物を加えた。結果として得られた混合物を室温で6時間攪拌した。水(10mL)を加え、DCM層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。得られた残留物をシリカ(2% MeOH/DCM)を用いてクロマトグラフィーに通し、標題化合物(47mg、97%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C283354の計算値504.2(M+H)、実測値503.9。
b)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(R)−(+)−(2,3−ジヒドロキシ−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド
Figure 2011502991
MeOH(1mL)中、5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{2−シクロヘキサ−1−エニル−4−[1−(R)−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−カルボニル)−ピペリジン−4−イル]−フェニル}−アミド(前の工程で調製、45mg、0.090mmol)溶液に、2NのHCl水溶液(2mL)を加えた。結果として得られた混合物を室温で12時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、結果として得られた残留物を4時間乾燥させた。エーテル(10mL)を加え、5分間音波処理した。エーテルを減圧下で除去し、この残留物を12時間乾燥させ、標題化合物(21.3mg、52%)を得た。1H−NMR(DMSO;400MHz):δ14.1(br s,1H),9.85(s,1H),8.32(s,1H),7.92(d,1H,J=8.4Hz),7.18(dd,1H,J=8.4,2.1Hz),7.13(d,1H,J=2.1Hz),5.72(br s,1H),4.51(m,1H),4.33(m,1H),4.15(m,1H),3.55(m,1H),3.43(m,1H),3.08(m,1H),2.81(m,1H),2.63(m,1H),2.12〜2.24(m,4H),1.31〜1.38(m,10 H)。マススペクトル(ESI,m/z):C252954の計算値464.2(M+H)、実測値464.1。
(実施例53)
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)4−(1−メトキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−フェニルアミン
Figure 2011502991
THF中(20mL)のN−メトキシピペリジノン(J.Org.Chem.,26,1867,(1961)、650mg、5.00mmol)溶液を、−78℃に冷却し、Ar下、LDA(1.5M溶液(シクロヘキサン、THF及びエチルベンゼン中)、4.3mL、6.4mmol)で処理した。結果として得られた混合物を同じ温度で30分間攪拌し、THF(20mL)中のN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(2.3g、6.4mmol)溶液で処理した。この反応混合物を更に30分間攪拌し、室温まで温めた。室温に置いて30分後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をEtOAc(20mL)に溶かし、冷水(2×10mL)で洗った。EtOAc層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、白色泡としてトリフルオロメタンスルホン酸1−メトキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イルエステル(980mg、71%)を得て、これを次の工程に直接使用した。
次に、実施例35、工程(b)の鈴木カップリング手順に従い、4−アミノフェニルボロン酸(219mg、1.00mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸1−メトキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イルエステル(上記で調製、261mg、1.00mmol)を使用して、標題化合物を精製した。シリカゲルクロマトグラフィー(20〜50% EtOAc/ヘキサン)により、60mg(29%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C12162Oの計算値205.1(M+H)、実測値205.2。
b)2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニルアミン
Figure 2011502991
MeOH(5mL)中の4−(1−メトキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−フェニルアミン(前の工程で調製)(40.8mg、0.200mmol)溶液を、10% Pd/C(20.4mg)を用いて138kPa(20psi)で1時間水素化した。この溶液をセライトパッドを通して濾過し、濃縮して、4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニルアミン(38mg、92%)を得、これを更なる精製無しに直接次の工程に使用した。
DCM(2mL)中の4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニルアミン(上記で調製、42mg、0.20mmol)溶液に、NBS(36.2mg、0.20mmol)を加え、この反応混合物を室温で12時間攪拌した。この反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び水(10mL)で洗った。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮して、2−ブロモ−4−(1−メトキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−フェニルアミン(43mg、74.5%)を得、これを精製無しに次の工程で使用した。
次に、実施例12、工程(d)の鈴木カップリング手順に従い、シクロヘキサ−1−エニルボロン酸(27.9mg、1.00mmol)及び2−ブロモ−4−(1−メトキシ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン−4−イル)−フェニルアミン(上記で調製、44mg、0.15mmol)を使用して、標題化合物の調製を行い、シリカ(20〜50% EtOAc/ヘキサン)を用いてクロマトグラフィーに通し、2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニルアミン(33mg、74%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C18262Oの計算値287.2(M+H)、実測値286.8。
c)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミド
Figure 2011502991
DCM(2mL)中、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸,カリウム塩(実施例3、工程(d)で調製、35.6mg、0.100mmol)、DIEA(0.34μL、0.20mmol)、2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニルアミン(前の工程で調製、28.6mg、0.1mmol)及びPyBroP(69.9mg、0.150mmol)の混合物を、室温で12時間攪拌した。この反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及び水(10mL)で洗った。この有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この生成物を、シリカ(20〜40% EtOAc/ヘキサン)を用いてクロマトグラフィーに通し、標題化合物(26mg、48%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C294153Siの計算値536.3(M+H)、実測値536.2。
d)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
DCM(0.5mL)及びEtOH(11μL)中、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−シクロヘキサ−1−エニル−4−(1−メトキシ−ピペリジン−4−イル)−フェニル]−アミド(前の工程で調製、31mg、0.020mmol)の溶液に、TFA(0.1mL)を加えた。結果として得られた溶液を室温で6時間攪拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として得られた残留物を1時間乾燥させ、エーテル(10mL)中に懸濁させ、5分間音波処理した。形成された固体を吸引濾過で回収し、標題化合物(17.3mg、58%)を得た。1H−NMR(DMSO;400MHz):δ9.70(s,1H),8.30(s,1H),7.83(d,1H,J=8.4Hz),7.14(d,1H,J=8.4Hz),7.05(s,1H),5.71(br s,1H),3.30〜3.55(m,5H),2.41〜2.62(m,2H),2.12〜2.19(m,4H),1.60〜1.85(m,8H)。マススペクトル(ESI,m/z):C232752の計算値406.2(M+H)、実測値406.1。
(実施例54)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a)5−ニトロ−3’,6’−ジヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
4mLのトルエン及び2mLのEtOH中、202mg(0.994mmol)2−ブロモ−5−ニトロピリジン溶液を、338mg(1.09mmol)の4−トリフルオロメタン−スルホニルオキシ−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(Synthesis,993,(1991))及び1.49mL(2.981mmol)の2MのNa2CO3水溶液で処理した。この混合物を音波処理で脱気し、アルゴン下に置き、80.3mg(0.00700mmol)Pd(PPh34で処理し、80℃で4時間加熱した。この混合物をEtOAcで希釈し、水で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として得られた残留物を、50gシリカVarian MegaBond Elutカラムを用い、10〜25%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーを行い、薄黄色固体として標題化合物226mg(75%)を得た:マススペクトル(ESI,m/z):C151934の計算値306.1(M+H)、実測値305.7。
b)5−アミノ−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
15mLのMeOH中、226mg(0.740mmol)の5−ニトロ−3’,6’−ジヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製)溶液を、110mgの10% Pd/C(Degussa型E101−NE/W、Aldrich、50重量%の水)を用い、101kPa(1atm)H2、室温で18時間処理した。この混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキをMeOHで洗った。濃縮により、無色ガラス状固体として標題化合物220mg(107%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C152332の計算値278.2(M+H)、実測値278.0。
c)5−アミノ−6−ブロモ−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
10mLのCH2Cl2中、220mg(0.793mmol)の5−アミノ−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製)の溶液を、室温で20分間、134mg(0.753mmol)のN−ブロモスクシンイミドで処理した。この混合物をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残留物を、50gシリカVarian MegaBond Elutカラムを用い、10〜35% EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーを行い、無色ガラス状固体として標題化合物209mg(74%)を得た。1H−NMR(CDCl3;400MHz):δ6.97(d,1H,J=8.0Hz),6.91(d,1H,J=8.0Hz),4.28−4.15(br s,2H),4.06−3.90(m,2H),2.85−2.75(m,2H),2.77−2.68(m,1H),1.92−1.83(m,2H),1.68−1.54(m,2H),1.47(s,9H)。
d)5−アミノ−6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
5mLのトルエン及び2.5mLのEtOH中、209mg(0.587mmol)の5−アミノ−6−ブロモ−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製)溶液を、99.3mg(0.645mmol)の4,4−ジシクロヘキサ−1−エニルボロン酸及び2.34mL(4.69mmol)の2MのNa2CO3水溶液で処理した。この混合物を音波処理で脱気し、アルゴン下に置き、47.4mg(0.0410mmol)のPd(PPh34で処理し、80℃で16時間加熱した。この混合物をEtOAcで希釈し、水で洗った。この水性層を更にEtOAcで抽出し、合わせた有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残留物を50gシリカVarian MegaBond Elutカラムを用い、25%EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーを行って、白色泡状固体として標題化合物150mg(66%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C233532の計算値386.3(M+H)、実測値386.3。
e)5−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
15mLのCH2Cl2中の150mg(0.389mmol)5−アミノ−6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製)溶液を、131mg(0.428mmol)の4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩(実施例3、工程(b)で調製)、272mg(0.584mmol)のPyBroP、及び203μL(1.17mmol)のDIEAで、室温で3時間処理した。この混合物をCH2Cl2で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残留物を50gシリカVarian MegaBond Elutカラムを用い、50% EtOAc−ヘキサンでクロマトグラフィーを行って、白色固体として標題化合物215mg(87%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C345064Siの計算値635.4(M+H)、実測値635.3。
f)4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
10mLのCH2Cl2中、215mg(0.339mmol)の5−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(前の工程で調製)溶液を、3滴のMeOH及び3mLのTFAで、室温で4時間処理した。MeOH(10mL)を加え、溶媒を減圧下で蒸発させた。この残留物を50gシリカVarian MegaBond Elutカラムを用い、10% MeOH−CH2Cl2でクロマトグラフィーを行って、白色固体として標題化合物210mg(97%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.59(d,1H,J=8.4Hz),8.04(s,1H),7.28(d,1H,J=8.4Hz),6.02−5.93(m,1H),3.58−3.48(m,2H),3.32−3.03(m,3H),2.54−2.42(m,2H),2.23−2.02(m,6H),1.11(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C23286Oの計算値405.2(M+H)、実測値405.2。
(実施例55)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[1’−(2−ジメチルアミノ−アセチル)−6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
4mLのCH2Cl2中、20.9mg(0.203mmol)のN,N−ジメチルグリシンの懸濁液を、49.8mg(0.197mmol)のビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)及び75μL(0.54mmol)のEt3Nで、常温で1時間処理した。この混合物を次に70.0mg(0.135mmol)の4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロアセテート(実施例54、工程(f)で調製)で、室温で18時間処理した。この混合物をCH2Cl2で希釈し、水で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残留物を、RP−HPLC(C18)で、10〜80%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて30分間で精製し、白色固体として標題化合物34.9mg(53%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.38(d,1H,J=8.4Hz),8.05(s,1H),7.33(d,1H,J=8.4Hz),6.05−5.98(m,1H),4.68(d,1H,J=15.2Hz),3.82(d,1H,J=15.2Hz),3.16−3.05(m,1H),3.01−2.94(m,6H),2.52−2.40(m,2H),2.39(s,6H),2.17−2.10(m,2H),2.09−1.87(m,2H),1.67−1.59(m,2H),1.12(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C273572の計算値490.3(M+H)、実測値490.4。
(実施例56)
4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’−(2−メタンスルホニル−エチル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ(hexhydro)−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
10mLのCH2Cl2中、70.0mg(0.135mmol)の4−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミド(実施例54、工程(f)で調製)溶液を、32.7mg(0.162mmol)のメタンスルホン酸2−メタンスルホニル−エチルエステル(実施例40、工程(a)で調製)及び70.5μL(0.405mmol)のDIEAで、室温で6時間処理した。この混合物をCH2Cl2で希釈し、水で洗った。この有機層にMgSO4を入れて乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残留物をRP−HPLC(C18)で、20〜60%CH3CN(0.1% TFA/H2O中)を用いて30分間で精製し、白色固体として標題化合物48mg(85%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.65(d,1H,J=8.4Hz),8.05(s,1H),7.34(d,1H,J=8.4Hz),6.05−5.98(m,1H),3.85−3.66(m,6H),3.29−3.21(m,2H),3.20−3.01(m,1H),3.14(s,3H),2.53−2.45(m,2H),2.30−2.15(m,4H),2.15−2.10(m,2H),1.62(t,2H,J=6.4Hz),1.11(s,6H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263463Sの計算値511.2(M+H)、実測値511.3。
(実施例57)
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
a){2−[4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
2.5mLのDCM及び0.4mLのEtOH中、4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(231mg、0.380mmol)(実施例14、工程(a)で調製)溶液に、700μLのTFAを加え、この溶液を25℃で3時間攪拌した。この反応物を4mLのEtOHで希釈し、次に、1H−NMR及びLC/MSの測定によって、5−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−シクロヘキサ−1−エニル−4−ピペリジン−4−イル−フェニル)−アミドトリフルオロ酢酸塩対出発物質の比が約2:1の混合物となるよう濃縮し、更なる精製無しに次の工程に使用した。3mLのDCM中のこの混合物を、3mLのDCM中の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチル−プロピオン酸(53mg、0.70mmol)、DIEA(122μL、0.700mmol)及びPyBroP(144mg、0.300mmol)に加え、この反応物を25℃で一晩攪拌した。この反応物をEtOAc(25mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(1×25mL)及び食塩水(25mL)で洗い、この有機層をNa2SO4で乾燥させてから、濃縮した。この残留物を、分取TLC(50% EtOAc−ヘキサン)で精製し、白色固体として標題化合物40mg(15%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C375565Siの計算値691.3(M+H)、実測値691.1。
b)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸{4−[1−(2−アミノ−2−メチル−プロピオニル)−ピペリジン−4−イル]−2−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル}−アミドトリフルオロ酢酸塩
2mLのDCM及び20μLのEtOH中の、{2−[4−(4−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−3−シクロヘキサ−1−エニル−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−1,1−ジメチル−2−オキソ−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(40mg、0.050mmol)溶液に、1.5mLのTFAを加えた。この溶液を25℃で3時間攪拌し、2mLのEtOHで希釈し、減圧下で濃縮した。この残留物をエーテルで粉砕し、白色固体として標題化合物8.4mg(29%)を得た。1H−NMR(CD3OD;400MHz):δ8.10(d,1H,J=8.4Hz),8.00(s,1H),7.16(d,1H,J=8.4Hz),7.07(s,1H),5.79(s,1H),4.55−4.48(m,1H),3.30(s,6H),2.89−2.87(m,2H),2.40−2.25(m,4H),1.96−1.93(m,2H),1.86−1.83(m,6H),1.64−1.61(m,2H)。マススペクトル(ESI,m/z):C263362の計算値、461.2(M+H)、実測値461.3。
(実施例58)
5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−シクロヘキサ−1−エニル−1’−(2−メタンスルホニル−エチル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミド
Figure 2011502991
a)5−アミノ−6−シクロヘキサ−1−エニル−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
5mLのEtOH、10mLのトルエン及び5mLの2MのNa2CO3中、5−アミノ−6−ブロモ−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(331mg、0.93mmol)(実施例54、工程(c)で調製)及びシクロヘキセン−1−イルボロン酸(141mg、1.11mmol)の混合物に、Pd(PPh34(107mg、0.0930mmol)を加え、この結果得られたものをを80℃で16時間加熱した。反応物を100mLのエーテル及び100mLの食塩水で希釈し、層を分離した。この有機層を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、30〜60%エーテル−ヘキサン)で精製し、薄茶色油として標題化合物248mg(74%)を得た。LC−MS(ESI,m/z):C213232の計算値(M+H)358.2、実測値358.1。
b)5−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−6−シクロヘキサ−1−エニル−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2011502991
8mLのDCM中、4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボキシラートカリウム塩(296mg、0.970mmol)(実施例3、工程(d)で調製)溶液に、DIEA(291μL、1.72mmol)及びPyBroP(512mg、1.10mmol)を加え、この反応物を25℃で15分間攪拌した。4mLのDCM中、5−アミノ−6−シクロヘキサ−1−エニル−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(233mg、0.65mmol)(前の工程で調製)溶液を加え、この反応物を25℃で一晩攪拌した。この反応物をEtOAc(25mL)で希釈し、NaHCO3(1×25mL)及び食塩水(25mL)で洗い、この有機層をNa2SO4で乾燥させてから、濃縮した。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、5% MeOH−CHCl3)で精製し、白色固体として標題化合物167mg(40%)を得た。マススペクトル(ESI,m/z):C324664Siの計算値607.3(M+H)、実測値607.3。
c)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(6−シクロヘキサ−1−エニル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
Figure 2011502991
標題化合物の調製は、5−{[4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボニル]−アミノ}−6−シクロヘキサ−1−エニル−3’,4’,5’,6’−テトラヒドロ−2’H−[2,4’]ビピリジニル−1’−カルボン酸tert−ブチルエステル(167mg、0.27mmol)から、実施例14、工程(b)に同様の手順を使用して行われ、白色固体として標題化合物57mg(43%)を得た。LC−MS(ESI,m/z):C21246Oの計算値377.2(M+H)、実測値377.2。
d)5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸[6−シクロヘキサ−1−エニル−1’−(2−メタンスルホニル−エチル)−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル]−アミド
5mLのDCM中、5−シアノ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(6−シクロヘキサ−1−エニル−1’,2’,3’,4’,5’,6’−ヘキサヒドロ−[2,4’]ビピリジニル−5−イル)−アミドトリフルオロ酢酸塩(57mg、0.11mmol)のスラリーに、DIEA(50.4μL、0.290mmol)を加え、次に30.5mg(0.150mmol)のメタンスルホン酸2−メタンスルホニル−エチルエステル(実施例40、工程(a)で調製)を加えた。この反応物を、一晩攪拌して反応させ、20mLのDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液3(1×20mL)で洗い、Na2SO4を入れて乾燥させた。分取TLC(シリカゲル、40% EtOAc−ヘキサン)による精製により、白色固体として標題化合物22.3mg(40%)を得た。1H−NMR(DMSO;400MHz):δ10.02(s,1H),8.24(s,1H),8.11(d,1H,J=8.4Hz),7.18(d,1H,J=8.4Hz),5.96(s,1H),3.04(s,3H),3.02−2.99(m,3H),2.73(t,2H,J=2.7Hz),2.39−2.37(m,2H),2.11−2.05(m,4H),1.85−1.64(m,10H)。マススペクトル(ESI,m/z):C243163Sの計算値483.2(M+H)、実測値483.3。
(実施例59)
実施例3に記述されている中間体合成の別の方法を下記に示す。
4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸カリウム塩
Figure 2011502991
a)1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
Figure 2011502991
機械的攪拌器、温度プローブ、凝縮器、及び窒素流入口付きの追加漏斗を装備した22L四口丸底フラスコに、1H−イミダゾール−4−カルボキシアルデヒド(Aldrich、1.10kg、11.5mol)及びピリジン(3.0L、3.0mol)を入れた。この反応フラスコを氷浴で8℃に冷却し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(871g、12.5mol)を何度かに分けてゆっくり加え、内部温度を30℃未満に維持した。この反応物を周囲温度まで冷まし、周囲温度で2時間攪拌した。結果として得られた濃い黄色の溶液を、加熱マントルで80℃に加熱し、無水酢酸(2.04L、21.6mol)を200分間かけて滴下で加え、添加中、温度を110℃未満に維持した。この反応混合物を100℃で30分間加熱し、この後に周囲温度まで冷まし、更に氷浴で冷却した。25重量%NaOH(5.5L)を加えることによりpHを8.0(pH計)に調節し、このとき内部温度を30℃未満に保つようにした。次に、この反応混合物を22L分液漏斗に移し、酢酸エチル(6.0L)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(2×4.0L)で洗い、MgSO4を入れて乾燥させ、濾過し、減圧下35℃で濃縮して乾燥させ、黄色の半固体として粗生成物を得た。結果として得られた半固体をトルエン(3.0L)中に懸濁させ、1時間攪拌した後、濾過して、薄黄色固体を得て、これを再びトルエン(3.0L)に懸濁させ、1時間攪拌した。結果として得られたスラリーを濾過し、濾過ケーキをトルエン(2×500mL)で洗い、薄黄色固体として標題化合物(870g、82%)を得た。1H及び13C NMRスペクトルは、指定の構造に一貫していた。
b)1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル及び3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリル
Figure 2011502991
機械的攪拌器、温度プローブ、及び窒素流入口付きの追加漏斗を装備した22L四口丸底フラスコに、1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(830g、8.91mol、前の工程で調製)、炭酸カリウム(2.47kg、17.8mol)、及びアセトン(6.0L)を入れた。攪拌を開始し、この混合物を氷浴で10℃に冷却した。SEMCl(1.50kg、9.00mol)を追加漏斗から210分間かけて加え、内部温度を15℃未満に維持した。この反応物を周囲温度に温め、周囲温度で一晩(20時間)攪拌した。この反応混合物を次に氷浴で10℃に冷却し、水(8.0L)を30分間かけてゆっくり加えて反応を止め、内部温度を30℃に維持した。結果として得られた混合物を22L分液漏斗に移し、酢酸エチルで抽出した(2×7.0L)。合わせた有機層を減圧下35℃で濃縮し、濃茶色油として粗生成物を得、2:1のヘプタン/酢酸エチル(15L)を溶出液として用い、シリカゲルプラグ(16.5×20cm、2.4kgシリカゲル)に通してこれを精製した。生成物を含む分留を合わせ、減圧下35℃で濃縮して、薄茶色油として標題化合物の混合物(1785g、90%)を得た。1H NMRスペクトルは、指定の構造に一貫しており、位置異性体の比が64:36で存在することが示された。
c)2−ブロモ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル
Figure 2011502991
機械的攪拌器、温度プローブ、及び窒素流入口付きの凝縮器を装備した22L四口丸底フラスコに、1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル及び3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリル(600g、2.69mol、前の工程で調製)及び四塩化炭素(1.8L)の混合物を入れた。攪拌を開始し、この混合物を60℃に加熱した。この時点でN−ブロモスクシンイミド(502g、2.82mol)を30分間かけて何度かに分けて加え、発熱反応により74℃となった。反応物を60℃まで冷まし、更に60℃で1時間攪拌した。この反応物をゆっくり周囲温度まで冷まし、結果として得られたスラリーを濾過し、濾液を飽和NaHCO3溶液(4.0L)で洗った。この有機層を、2:1のヘプタン/酢酸エチル(6.0L)を溶出液として用い、シリカゲルプラグ(8×15cm、シリカゲル;600g)に通した。生成物を含む分留(TLC分析に基づく)を合わせ、減圧下で濃縮し、結晶質の薄黄色固体を得て、これを次に濾過し、ヘプタン(500mL)で洗い、結晶質の白色固体として標題化合物(593g、73%)を得た。1H及び13C NMRスペクトルは、指定の構造に一貫しており、副次的位置異性体の存在の証拠は示されなかった。
d)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル
Figure 2011502991
機械的攪拌器、温度プローブ、及び窒素流入口付きの追加漏斗を装備した12L四口丸底フラスコに、2−ブロモ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−4−カルボニトリル(390g、1.29mol、前の工程で調製)及び無水テトラヒドロフラン(4.0L)を入れた。攪拌を開始し、ドライアイス/アセトン浴を使用して、この反応混合物を−50℃まで冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2.0M、760mL、1.52mol)を追加漏斗から30分間かけて追加し、内部温度を−40℃より下に維持した。この反応物を更に−43℃で30分間攪拌し、この後、−78℃まで冷却した。エチルクロロホルメート(210mL、2.20mol)を追加漏斗から10分間かけて加え、内部温度を−60℃より下に維持した。この反応物を更に40分間、−70℃で攪拌し、この時点でドライアイス/アセトン浴を外し、反応物を1.5時間かけて周囲温度まで温めた。この反応混合物を氷浴で0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(1.8L)を、内部温度が10℃未満で維持されるような速度でゆっくり加えて反応を止めた。この反応混合物を12L分液漏斗に移し、酢酸エチル(4.0L)で希釈し、層を分離した。この有機層を食塩水(2×2.0L)で洗い、減圧下35℃で濃縮して茶色の油を得た。この粗製の油をジクロロメタン(300mL)に溶かし、クロマトグラフィー(15×22cm、シリカゲル1.5kg、10:1〜4:1のヘプタン/酢酸エチル)で精製して黄色の油を得て、これをEtOAc(100mL)に溶かし、ヘプタン(2.0L)で希釈し、冷蔵庫に5時間保管した。結果として得られたスラリーを濾過して、結晶質の白色固体として標題化合物(141g、37%)を得た。1H及び13C NMRスペクトルは、指定の構造に一貫していた。
e)4−シアノ−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸カリウム塩
Figure 2011502991
機械的攪拌器、温度プローブ、及び窒素流入口付きの追加漏斗を装備した5L三口丸底フラスコに、5(400g、1.35mol)及びエタノール(4.0L)を入れた。攪拌を開始し、固形物が全て溶けた後に水浴に入れた。内部温度を25℃未満に維持しながら6NのKOH(214.0mL、1.29mol)溶液を追加漏斗から15分間かけて加え、反応物を室温で5分間攪拌した。次に、溶液を減圧下20℃で濃縮して乾燥させ、白色固体を得た。結果として得られた固体をメチルt−ブチルエーテル(MTBE、4.0L)に懸濁させ、30分間攪拌した後、このスラリーを濾過し、濾過ケーキをMTBE(1.0L)で洗い、白色固体として標題化合物を得て、これを更に減圧下周囲温度で乾燥させて4d(366g、89%)を得た。1H NMR、13C NMR、及びマススペクトルは、指定の構造に一貫していた。C1116KN33Siの計算値:C,43.25;H,5.28;N,13.76。実測値:C,42.77;H,5.15;N,13.37。カールフィッシャー:1.3% H2O。
実験
材料と方法
本明細書図1Aに示されている、実施例38aの4−シアノ−N−[2−(1−シクロヘキセン−1−イル)−4−[1−[(ジメチルアミノ)アセチル]−4−ピペリジニル]フェニル]−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド一塩酸塩(本明細書で「JNJ−141」と呼ぶ)が、本明細書の記述に従い調製された。
キナーゼ検定
CSF−1R(CSF−1R 538〜972)及びCSF−1R−様チロシンキナーゼ3(FLT3[FLT3 571〜993])(チロシンキナーゼドメインを包囲する)の全細胞質領域が発現され、Schalk−Hihi C,et al.J Biol Chem 2007;208:4085 4093に記述されているように、バキュロウイルス系から精製された。幹細胞因子受容体チロシンキナーゼ(KIT)が、ProQinase(Hamburg,Germany)から購入された。AXL受容体チロシンキナーゼ(AXL)がUpstate(Lake Placid,NY)から購入された。ニューロトロフィン受容体チロシンキナーゼA(TRKA)がInvitrogen(Carlsbad,CA)から購入された。CSF−1R 555〜568ペプチド(SYEGNSYTFIDPTQ)がAnaSpec(San Jose,CA)によって合成及び精製された。CSF−1Rは、CSF−1R 555〜568ペプチドのY561でのCSF−1Rリン酸化反応を測定する蛍光偏光競合イムノアッセイを使用して検定された。反応混合物(10μL)には、100mMのHEPES、pH7.5、1mMのDTT、0.01%Tween−20(v/v)、2% DMSO、308μMのCSF−1R 555−568ペプチド、1mMのATP、5mMのMgCl2、及び0.7nMのCSF−1Rが含まれていた。反応はATPで開始し、室温で80分間インキュベートし、5.4mMのEDTAを加えて反応を止めた。この反応を止めたものに10μLの蛍光偏光緩衝液/トレーサー/ホスホ−Y抗体ミックス(チロシンキナーゼ検定キット、Green P2837、Invitrogen,Madison WI)を加え、30分後に、Analystリーダー(Molecular Devices)を用い、励起/放射が485/530nmで、蛍光偏光を測定した。CSF−1R用に記述されている蛍光偏光競合フォーマットを使用して、FLT3、KIT、TRKA、及びAXLを検定した。但しポリGlu4Tyr(Sigma,St Louis,MO)はユニバーサル基質として使用した。使用前に、AXLを1mMのATP、10mMのMgCl2、100mMのHEPESと共に、pH7.5で60分間室温でインキュベートすることによりリン酸化し、−70℃で保管した。FLT3反応には、10nMのFLT3、113μMのATP、及び20μg/mLのポリGlu4Tyrが含まれ、25分間であった。KIT反応には、1nMのKIT、50μMのATP、及び100μg/mLのポリGlu4Tyrが含まれ、30分間であった。TRKA反応には、5nMのTRKA、20μMのATP、及び20μg/mLのポリGlu4Tyrが含まれ、30分間であった。AXL反応には、0.5nMのAXL、20μM ATP、及び25μg/mLポリGlu4Tyrが含まれ、11分間であった。FLT3、KIT、TRKA、及びAXLのATP Km値(ミカエリス・メンテン定数)はそれぞれ50μM、44μM、29μM、及び16μMであった。1及び0.1μMでの60種のキナーゼのLCK IC50及び阻害は、Invitrogen SelectScreen(商標)キナーゼプロファイリングサービスを使用して決定された。他の51種のキナーゼは、Millipore KinaseProfiler検定サービスを使用して検定された。
細胞検定
CSF−1−誘発CSF−1Rリン酸化の阻害は、Baumann CA,et al.,J Biochem Biophys Methods 2004;60:69〜79に既述されているように、過剰発現の野生型CSF−1RにトランスフェクトされたHEK293細胞、並びに、ELISA及び免疫ブロット分析を用いて測定された。同様のアプローチを用いて、過剰発現の野生型FLT3にトランスフェクトされたBaf3細胞におけるFLT3−リガンド−誘発FLT3リン酸化の阻害が測定された。過剰発現の野生型FLT3にトランスフェクトされたBaf3細胞が、細胞におけるFLT3キナーゼ活性の阻害を調べるために使用された。(Yee、KWH、et al.,Blood、15 October 2002,Vol.100,No.8,pp.2941〜2949)。FLT3のリン酸化状態は、FLT3−Lでの刺激後に評価された。細胞は、RPMI 1640で0.5%血清及び0.01ng/mL IL−3を用いて16時間プレート培養され、次いでJNJ−141又はDMSOビヒクルの濃度勾配を用いて1時間インキュベーションした。細胞は37℃で10分間、100ng/mL FLT3−Lで処理し、すぐに溶解させた。リン酸化されたFLT3を、サンドイッチ型ELISAを用いて定量した。細胞片を除去した可溶化液を、FLT3抗体50ng/ウェルでコーティングしたマイクロタイタープレートに移し(Santa Cruz Biotechnology Corp,Santa Cruz,CA;sc−480)、SeaBlock試薬でブロックした(Pierce Chemicals,Rockford,IL)。可溶化液を4℃で2時間インキュベートした。洗浄したプレートを、HRP−結合したホスホチロシン抗体(Clone 4G10,Upstate Biotechnology)の1:8000希釈液で、室温で1時間インキュベートした。最後の洗浄の後、Berthold Orionマイクロプレート照度計で、メーカーの説明に従い、SuperSignal(登録商標)Pico試薬(Pierce Chemical,Rockford,IL)を用いた信号検出が行われた。阻害及びIC50データの分析は、多変数のS字型用量反応(可変傾き)式による非線形回帰を用いて、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアで行われた。
GAS6−誘発AXLリン酸化は、過剰発現AXLにトランスフェクトされたHEK293を使用して測定された。HEK293E細胞は、完全長Axlを発現するよう調節され、次いで、Gas6媒介Axlリン酸化のJNJ−141阻害を検定するのに使用された。エピソーム発現ベクターpCEP4−His6が、HEK293E細胞中の完全長ヒトAxlを過剰発現させるのに使用された。ヒトGAS6は、GAS6/HEK293E細胞株から生成した条件培地から精製された(Fisher PW,et al.,Biochem.J.(2005)387,727−735)。Axl/HEK293E細胞はJNJ−141で40分間前処理してから、200ng/mLのヒトGAS6で10分間刺激された。細胞をRIPA緩衝液(Santa Cruz sc−24948)で溶解させ、AxlをヒトAxl抗体(Santa Cruz sc−1096)と共に一晩免疫沈降させ、A/Gアガロース(Santa Cruz sc−2003)上に回収した。免疫沈降を4〜12%NuPAGEゲル上に分散させ、ニトロセルロースに移した。洗浄した免疫沈降の複製ブロットを、HRP結合ホスホチロシン抗体(クローン4G10、Upstate)又はヒトAxl抗体のいずれかを用いて検査し、合計Axlの搭載が等しいことを確認した。タンパク質は、SuperSignal(登録商標)West Chemiluminescent基質で検出された。X線フィルムの定量化は、UVPバイオイメージングシステム及びLabWorksソフトウェアを使用して、デンシトメトリーをスキャンすることによって行われた。阻害及びIC50データの分析は、多変数のS字型用量反応(可変傾き)式による非線形回帰を用いて、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアで行われた。
CSF−1Rの機能阻害は、CSF−1駆動マウスマクロファージ増殖、及び、ヒト単核細胞によるCSF−1誘発MCP−1の産生の検定を用いて検査された。StemCell Technologies(カタログ番号15068)から入手したRosetteSep(登録商標)ヒト単核細胞濃縮カクテルを使用したネガティブ選択によってヒト血液から単離された単核細胞は、丸底96ウェルのポリプロピレンプレート(Corning 3790)で、加熱不活性化した10% FBS、及びJNJ−141の勾配濃度を含むRMPI 1640と共に、30分間、培養された(2×105/ウェル)。細胞は次に100ng/mLの組換え型ヒトCSF−1(R&D Systems)で16時間刺激され、特異的ELISA(R&D Systems)を使用してMCP−1の培養上清が検査された。マウスマクロファージは、B6C3F1マウス(Harlan Industries,Indianapolis,IN)の大腿骨から洗い出された骨髄から誘導された。骨髄細胞は、培養培地(10% FBS、2mMグルタミン、100IU/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシン、並びに50ng/mLの組換え型マウスCSF−1(R&D Systems)を含んだEMEM)中に懸濁させ(細胞1×106個/mL)、組織培養フラスコ(Falcon)内で、37℃及び5%CO2で一晩培養した。浮遊細胞は、100mm細菌学用ディッシュ(Falcon 35 1029)で再びプレート培養し(10mL/ディッシュ)、培地は3及び6日後に交換した。7日目、Cellstripper(登録商標)(CellGro,Mediatech,Inc.,Herndon,VA)を用いて骨髄誘発マクロファージ(BMDM)を回収し、CSF−1を含まない培養培地に再懸濁させ、Costar 96ウェル組織培養プレートに細胞5000個/ウェルの密度で培養した。一晩培養した後、ウェルに5ng/mLのCSF−1、1μMのインドメタシン、及び勾配濃度のJNJ−141が含まれるよう調整を行った。24時間後、ブロモデオキシウリジン(BrDU)を含むようウェルを更に調整し、更に6時間置いた。増殖中のマクロファージのDNAへのBrDUの組み込みは、ELISA(Exalpha Corp.Watertown,MA)によって定量化され、BrDU組み込みを50%阻害するJNJ−141の濃度は、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェア及び四パラメーターロジスティックス式を使用して計算された。
ITD−FLT3、KIT、及びTRKAに依存する細胞増殖はそれぞれ、MV−4−11 AML細胞株(ATCC番号:CRL−9591)、M07e赤白血病細胞株(DSMZ番号:ACC 104)、及びTF−1骨髄性白血病株(ATCC番号:CRL−2003)を使用して評価された。MV−4−11細胞は、恒常的活性型ITD−FLT3変異体(Quentmeier H,et al.,Leukemia 2003;17:120〜124)の発現により、増殖因子依存性である。M07e細胞はKITを発現し、SCFに対応して増殖する(B Lange,et al.,Blood 1987;70:192〜199)。TF−1細胞は、TRKAを発現し、NGFに対応して増殖する(B Lange,et al.,Blood 1987;70:192〜199)。細胞は、JNJ−141の勾配濃度と共に、Costar 96ウェル組織培養プレート(細胞10,000個/ウェル)に注入された。M07e及びTF−1培養物はそれぞれ、25ng/mLのSCF又は1.4ng/mLのNGFを含むよう調整された。72時間の培養時間の後、相対的な細胞数が、CellTiterGlo(商標)試薬(Promega)を用いて決定された。MV−4−11増殖は、3日目対0日目のルミネセンスの差に基づいて計算された。M07e及びTF−1増殖は、増殖因子あり対無しの場合の細胞培養のルミネセンスの差に基づいて計算された。IC50値は、多変数のS字型用量反応(可変傾き)式による非線形回帰を用いて、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアで行われた。
細胞LCKの阻害は、Maier JA,et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2006;16:3646−3650の記述に従って決定された。ジャーカット細胞(105/ウェル)(ATCC TIB−152)(クローンE6−1)を、丸底96ウェルのポリプロピレンプレートで、1時間、勾配濃度のJNJ−141で前処理した。細胞は、CD3ε抗体(MAB100 R&D Systems)であらかじめコーティングされたディッシュに移された。次にPMAを加えて最終濃度を10ng/mLとし、細胞を37℃で一晩インキュベートした。24時間培養した上清を回収し、IL−2タンパク質発現がELISA(R&D Systems)により決定された。細胞の生存能力は、CellTiter−Glo(商標)試薬で確認された。
動物研究
動物は、American Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care(AAALAC)から完全認定されている施設で管理され、動物に関与する手順は、実験動物の管理と使用に関するNIH指針(NIH Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に準拠して実施された。
JNJ−141の生体内薬力学的活性。生後8週の6匹のB6C3F1マウス群(Taconic Farms)に、ビヒクル(20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPβCD)水溶液)又はJNJ−141を、10又は20mg/kg、経口投与した。8時間後、マウスの尾静脈から、生理食塩水又は0.8μgの組換え型マウスCSF−1(Cell Biosciences Inc,Norwood,MA)を投与した。尾静脈注入から15分後、マウスを殺し、脾臓を取り出し、ドライアイス上で急速凍結させた。凍結組織を組織50mg当たり1mLのトリゾール(Invitrogen)で均質化し、Trizolの説明書に従ってRNAを精製し、RNaseフリーDNase(Qiagen,Valencia,CA)6.8クニッツ単位で処理し、混入しているゲノムDNAを退化させた。このRNAを更に、RNeasyカラム(Qiagen)を使用して精製した。RT−PCRは、逆転写酵素qPCR Master Mix(Eurogentec)及び約50ngのRNAを用いて、25μL反応体積で実施された。マウスc−fos mRNA(部品番号Mm00487425)及び18S rRNA(部品番号4333760F)のプライマープローブセットが、Applied Biosystems,Inc.(Foster City,CA)から供給された。増幅及び検出は、ABI Prism 7000 Sequence Detectorシステムを使用して実施された。標準曲線は、c−fos mRNA及び18s rRNAについて、ビヒクル処置されたCSF−1誘発マウスから分離されたRNAを使用して作成され、他の全てのサンプルにおいて相対的発現レベルを計算するのに使用された。c−fos mRNA値は18S rRNA量に対して正規化された。平均化、正規化された、生理食塩水中のc−fos量(CSF−1無し)の群が、1つの値に割り当てられ、他の全ての群が、「折り畳み誘発(fold-induced)」として発現した。
NCI−H460ヒト肺腫瘍異種移植モデル。NCI−H460ヒト肺癌細胞(ATCC番号HTB−177)を、滅菌PBS中に細胞1×107個/mLの濃度で懸濁させ、100uLをメスの無胸腺ヌードマウス(CD−1、nu/nu、生後9〜10週)(Charles River Laboratories(Wilmington,MA)から入手)の左鼠経部に皮下注射した。3日後、マウスを無作為に4つの群に分け(各群15匹)、ビヒクル、又は25、50及び100mg/kgのJNJ−141の投与量で、経口胃管投与を開始した。投与は週日は1日2回、週末は1日1回、25日間連続で投与した。腫瘍の体積は、電子式Vernierキャリパーを使用し、式(L×W)2/2(式中、L=腫瘍の長さ(mm)、W=腫瘍の幅(最短距離、mm))を使用して決定された。研究終了時に、CO2麻酔下、心臓穿刺によって、リチウムヘパリンコーティングされたチューブ内に血液サンプルを採取した。4℃で10分間遠心分離(3000rpm)にかけて血漿を得て、特異的ELISA(R&D Systems)を用いてヒト及びマウスのCSF−1の分析を行うまで、−80℃で凍結保存した。各腫瘍の半分を、Tissue−Tek O.C.T.(最適切削温度(optimal cutting temperature))培地(VWR、ペンシルバニア州ウェストチェスター)に浸し、急速凍結し、腫瘍脈管構造の免疫組織化学的染色の処理を行った。各腫瘍の残る半分を、10%ホルマリン中で固定し、TAMの免疫組織化学的数量化のためにパラフィンに埋め込んだ。5μM切片を、ラットの抗マウスF4/80(クローンC1:A3−1、Serotec)並びにHRP検出システム(ビオチン化ウサギ抗ラット免疫グロブリン(Dako Cytomation、カタログ番号:E0468)及び抗ウサギEnvision(標識ポリマー−HRP付き)(Dako Cytomation、カタログ番号:K4003)並びにDABを含む)を使用して染色した。各腫瘍について、最もマクロファージ密度が高い3つの領域を、200X拡大によって評価した。F4/80で染色された細胞の各陽性領域の割合が、Image Pro Plusソフトウェアを利用して決定され、この3つの領域が各腫瘍について平均された。腫瘍の脈管密度を評価するため、8μmクライオスタット切片を低温のアセトン中で5分間固定し、空気中で乾燥させた。この切片をPBSで洗い、PBS中5%ヤギ血清でブロックし、更にアビジン−ビオチン溶液(SP−2001、Vector Corporation、カリフォルニア州バーリンゲーム)でブロックした。洗浄後、この切片を10μg/mLラット抗マウスCD31(RM5200、Caltag Laboratories,Burlingame,CA)を含むPBSで60分間覆い、洗浄して、ABC−AP Ratキット(AK−5004、Vector Corporation)を使用して染色した。レバミソールを基質と混合し、内因性アルカリホスファターゼを阻害した。ラットIgG(Caltag Labs、R2a00)が陰性対照として使用され、全ての事例について陰性であった。切片を軽く対比染色し、4x対物レンズを使用して写真が撮影された。腫瘍の断面積のうち脈管で占められているパーセンテージが、Image Pro Plus(フェーズ3画像)を用いて計算された。
ラットMRMT−1骨転移モデル。ラット***MRMT−1腺癌細胞の脛骨への接種が、骨転移モデルとして記述されている(Medhurst SJ,et al.,Pain 2002;96:129〜40)。モデル(Roudier MP,et al.,Clin Exp Metastasis 2006,23:167〜75)の適応が、MDS Pharma Services(ワシントン州ボセル)によって実施された。約125〜150グラムのメスのSprague−Dawleyラット(Harlan Sprague Dawley,Inc.,Indianapolis,IN)を、約1週間馴化した。動物はケタミン/キシラジンで麻酔し、右脚領域を剃毛し、クロルヘキサジン及び70%エタノール(SOP−SUR026)で洗浄した。脛骨の上半分の皮膚を、嘴−尾方向に1cm切開した。鈍的切開により近位脛骨が露出し、23ゲージ針を装備したハミルトン注射器を使用して、3μLの生理食塩水(偽薬)又は3×104個のMRMT−1細胞を含む生理食塩水を、各ラットの右近位脛骨の骨髄腔に注入した。注入部位を骨ろうで閉じた。切開創を手術用ステープルで閉じた。動物は、3日目から10時間おきに1日2回経口胃管で、ビヒクル(0.5%ヒドロキシプロピル−メチルセルロース)又はJNJ−141(20又は60mg/kg)のいずれかを投与された。対照として、第4群には生理食塩水中0.03mg/kgのゾレドロネートを1日おきに皮下注射で投与した。1群当たり8匹のラットに投与された。ラットは17日目に殺された。右脛骨を、周囲の腫瘍組織と共に摘出し、MX−20X線システム(Faxitron X−ray Corporation,Wheeling,IL)を使用してマイクロラジオグラフが撮影された。マイクロラジオグラフは、腫瘍誘発骨溶解を次のようにスコア付けした:0−破壊の徴候無し;1−放射線透過性の小さな病変が1〜3ヶ所;2−3〜6ヶ所の病変、及び骨髄骨の喪失;3−骨髄骨の喪失及び皮質骨の侵食;4−全厚にわたる単皮質骨(uni-cortical bone)の喪失;5−全厚にわたる両皮質骨(bi-cortical bone)の喪失及び/又は転位骨格骨折。このラジオグラフは、マイクロCT撮像のため、各群を代表する骨を選択するのに使用された。全ての脛骨を10%中性緩衝液ホルマリンに2日間入れて固定し、脱カルシウム化し、組織病理学的評価のため切片に切断した。Liu,C.,et al.,1987.Histochemistry 86:559〜565に既述の通り、TRAP染色が実施された。各脛骨について、腫瘍関連のTRAP+破骨細胞の数が、最も破骨細胞の頻度が高い3つの200x領域において計数された。処置群を比較するために、海綿骨体積に関して(3−>40%領域;2−>10% <40%領域(正常);1−1〜10%領域;0−無し)、及び腫瘍体積に関して(3−大;2−中;1−小;0−無し)の、準定量的な3点スコア手法が使用された。
痛み行動の評価。手術前並びに5日目、7日目、10日目、14日目及び16日目に、動物に対し触覚アロディニアの行動的分析が行われた。手術前に測定された触覚アロディニアの行動的試験には、処置群に対して動物の無作為化が使用された。ラットはvon Frey式試験装置内に慣らされ、ケージの床面を通して一連の測定済みナイロン繊維を適用し、後脚の足底表面に押し付けることにより、触覚(すなわち機械的)アロディニアが判定された。ラットは試験中、拘束も取扱いもない状態であった。von Freyフィラメントの直径は、かけた力の対数スケールに対応し、よって感受された強度の直線的インターバルスケールに対応した。脚引き戻し閾値は、Chaplanの「アップダウン」手法(Chaplan SR et al.,J Neurosci Methods 1994 53(1):55〜63)に従って決定された。この方法では、より太いファイバー及びより細いファイバーを連続的に使用し、これにより50%引き戻し閾値の識別が可能になる。簡単に言うと、圧力に対してラットが脚を上げたとき、フィラメントサイズが記録され、より弱いフィラメントが次に使用された。その逆に、反応がなかった場合は、より強い刺激が使用された。一連の類似の反応がこのようにして行われ、反応変数スプレッドシートを使用して50%反応閾値が計算された。触覚アロディニアの有意差は、群の平均値の比較に基づいた。
二次骨腫瘍の痛み及び骨溶解の2472肉腫モデル。実験は、腫瘍細胞注入時点で生後約7〜8週、体重25〜30gの成体オスC3H/HeJマウス(Jackson Laboratories,Bar Harbor,ME,USA)に対して行われた。ケタミン/キシラジン(2:1比;筋肉内(i.m.))での全身麻酔誘導後、関節切開が行われた。骨髄腔に針を挿入し、肉腫細胞の経路を生成した。次に、歯科用空気圧高速ツールを使用して、凹部を形成した。ハンクス緩衝生理食塩水(HBSS)(20μl、Sigma,St.Louis,MO,USA)、又は2472肉腫株(ATCC,Rockville,MD,USA)を含有するHBSSが、マウスに注入された。注入部位は歯科用アマルガムプラグで密封され、細胞を骨髄腔内に閉じ込めた後、滅菌水(低浸透圧溶液)で洗浄した。最後に、創傷用クリップで切開創を閉じた。行動試験の妨げにならないようにするため、クリップは5日目に除去した。
腫瘍誘発骨再組織化(骨溶解)の度合は、Faxitron分析(Specimen Radiography System Model MX−20、Faxitron X−ray Corporation,Wheeling,IL及びKodakフィルムMin−R 2000,Rochester,NY)を使用して放射線医学的に評価された。腫瘍を有する大腿骨のラジオグラフは、0〜5スケールでスコア付けされた:(0)破壊の徴候がない正常な骨;(1)骨破壊の小さな穴(1〜3個);(2)見られる穴の数が多くなり(3〜6)、骨髄骨の喪失;(3)骨髄骨の喪失及び皮質骨の侵食;(4)全厚にわたる単皮質骨(unicortical bone)の喪失;(5)全厚にわたる両皮質骨(bicortical bone)の喪失及び転位骨格骨折。
骨癌の痛みの度合を評価するために、様々な行動的測定が使用された。
自発的な生体防御行動:生体防御行動の現われである自発的なたじろぎ行動(Flinch)及びかばい行動(guarding)の数が、2分間の観察時間中に記録された。たじろぎ行動は、その動物が後脚を上げる回数として定義され、かばい行動はその動物が静止しているときに後脚を上げたまま保持している時間として定義される。
触知誘発の生体防御行動:2分間にわたって毎秒、大腿骨遠位に、通常は不快でない触知を行うことにより、膝関節の機械的なアロディニアが評価された。2分間の触知の後、マウスを観察ボックスに入れ、触知により誘発されたかばい行動及びたじろぎ行動(上記)を更に2分間測定した。
強制歩行のかばい行動:強制歩行のかばい行動は、Roto−Rod(IITC,Woodland Hills,CA)を使用して決定された。Roto−Rod機械には回転するロッドがあり、速度、加速、及び感度の制御が装備されている。動物をロッド上に置き、速度X4、加速8.0、感度2.5に調節した。強制歩行のかばい行動は、5〜0のスケールで評価された:(5)通常使用、(4)いくらか跛行があるが、顕著ではない、(3)顕著な跛行、(2)顕著な跛行と長時間にわたる脚のかばい行動、(1)部分的に脚を不使用、及び(0)全く使用できない。
統計分析。処置動物と対照動物との間の差は、ANOVA及びダネットのt検定を用い、p−値≦0.05(両側)を統計学的に有意であると見なし、統計学的に分析された。全ての統計分析及びデータのグラフ化には、GraphPad Prism Version 4.0が使用された。
結果
JNJ−141は、狭いキナーゼ選択性プロファイルを有するCSF−1R及びFLT3の有効な阻害物質である。酵素検定において、JNJ−141はヒトCSF−1Rキナーゼを阻害し、IC50値は0.00069μMであった。CSF−1Rと、他の110のキナーゼの特異性が調べられた。93のキナーゼが、1μMで50%未満を阻害した。残る17のキナーゼのうち、5つはIC50値が0.1μM未満であり、これにはKIT(0.005μM)、AXL(0.012μM)、TRKA(0.015μM)、FLT3(0.030μM)、及びLCK(0.088μM)が含まれた。
JNJ−141は細胞検定で更に特性づけられた。結果を表1に示す。
Figure 2011502991
低ナノモル濃度で、組換え型HEK細胞におけるCSF−1R自己リン酸化(図1B)、マウスマクロファージのCSF−1R−依存性増殖、及びヒト単核細胞によるMCP−1発現が阻害された(表1)。CSF−1R阻害に比べ、約7倍高い濃度のJNJ−141が、MV−4−11細胞のFLT3−依存性増殖、及び組換えBaf3細胞のFLT3自己リン酸化を阻害した。約15倍高い濃度で、M07e細胞のKIT依存性増殖が阻害された。TF−1細胞のTRKA依存性増殖も、JNJ−28312141のマイクロモル未満の濃度で阻害された。CSF−1R、FLT3、KIT、及びTRKA細胞の能力とは対照的に、AXL自己リン酸化及びLCK依存性IL−2産生についての細胞IC50値は、1マイクロモルよりも大きかった。JNJ−141(5μM)は、H460、MDA−MB−231、又はA375腺癌細胞の増殖因子依存性増殖は阻害しなかった。全体として、このデータは、JNJ−141を、ナノモル濃度での、CSF−1Rの有効な選択性阻害物質であり、更にFLT3、KIT、及びTRKAに対する追加的細胞阻害物質であると識別するものであった。
JNJ−141の生体内薬力学的活性。生体内でのCSF−1R阻害を確認するため、マクロファージc−fos mRNAを上昇させるCSF−1の既報の能力(Orlofsky A,et al.,EMBO J 1987;6:2947〜52)に基づいて、単純な薬力学的モデルが開発された。マクロファージは脾臓内に大量に存在するため、静脈内組換えCSF−1の後のマウス脾臓のc−fos mRNAが評価された。CSF−1は、15分以内に、脾臓c−fos mRNAを10〜50倍誘発したが、30分以内にベースラインに戻った。誘発は用量依存性であり(ED50は約0.8μg/マウス)、0.2mgのCSF−1−中和性モノクローナル5A1抗体(BD Biosciences Pharmingen)を投与(腹腔内)されたマウスにおいて100%ブロックされた。0.8μgのCSF−1攻撃の8時間前に、10又は20mg/kgのJNJ−141を経口投与した場合、図2に示すように、c−fos mRNA誘発はそれぞれ33%及び79%減少した。
H460肺腺癌異種移植のJNJ−141による増殖阻害。CSF−1R依存性マクロファージが、固体癌の増殖を支持しているという仮説を試験するため、JNJ−141が使用された。H460肺腺癌異種移植は、3つの基準に基づいてモデルとして選択された。第一に、ヒトCSF−1R発現は、H460細胞中又は異種移植においてRT−PCRで検出することができず、培養のH460細胞の増殖は、JNJ−141によって抑制されなかった(上述表1を参照)。第二に、H460腫瘍の可溶化液にはヒトCSF−1が大量に(35ng/g、湿潤重量)含まれており、H460腫瘍はマクロファージを十分に含んだ間質を産生した(図4を参照)。最後に、生存能力のあるH460細胞は、侵入性のS字脈管間質に隣接した領域に限定されており、間質依存性の腫瘍増殖であることが示唆された。全体として、これらの腫瘍の特性は、腫瘍増殖に対するCSF−1R−依存性のマクロファージの推定される寄与を調べる機会をもたらすものであった。
JNJ−141は、投与量に依存して、H460異種移植増殖速度を低減させた(図3A参照)。研究の終了時に、最終的な腫瘍重量は、25、50及び100mg/kgにおいて、それぞれ21%、32%及び45%減少した(図3B参照)。25日間の処置期間中、体重に対する明白な毒性又は副作用は観察されなかった(図3C参照)。
JNJ−141は腫瘍に関連したマクロファージ及び脈管質を低減させた。
Figure 2011502991
細胞レベルでのJNJ−141の作用機序を調べるため、画像解析によりTAMSが定量化された。F4/80陽性マクロファージは、ビヒクル処置したマウスの腫瘍間質に豊富であり(図4A)、腫瘍細胞が主である領域内に(数は少ないが)存在した。JNJ−141は、腫瘍関連マクロファージを投与量依存性で効果的に低減し(表2及び図4B)、100mg/kgの投与量で約97%低減した。残る陽性細胞は小型で丸く、成熟した組織マクロファージの形態に欠けていた。
減少したマクロファージ数が、減少した腫瘍微小血管密度に関連しているかどうかを判定するため、腫瘍を染色し、CD31+微小血管系の定量を行った(図4C及び4D)。ビヒクル処置を行ったマウスにおいては、CD31+微小血管系が腫瘍間質全体に存在した(図4C)。JNJ−141で処置した場合は、腫瘍脈管質が投与量に依存して低減する結果がもたらされ、最高投与量では66%低減した(表2及び図4D)。
骨転移のラットモデルにおける破骨細胞形成及び骨溶解のJNJ−141による阻害。肺癌及び乳癌はしばしば、溶解性の骨格転移を伴う(Roodman GD.,NEJM 2004;350:1655〜64.)。CSF−1−のないマウスは破骨細胞が欠損しているため、骨転移について、十分に特性づけられたラット同系MRMT***癌モデルにおいて、経口JNJ−141の効果が調べられた(Medhurst SJ,et al.,Pain 2002;96:129〜40)。JNJ−141の効果は、ビスホスホネート、ゾレドロネートと比較された。MRMT***癌細胞を脛骨に接種した後、骨髄腔及び周囲の骨膜の両方に腫瘍が形成された。17日目までに、マイクロラジオグラフ(結果を表3に示す)及びマイクロコンピュータトモグラフィー(図5参照)により、ビヒクル処置されたラットにおいて、海綿骨及び皮質骨全厚の多大な喪失が見られた。
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これとは著しく対照的に、JNJ−141での処置は、効果的に骨を保存した。17日目までに、20又は60mg/kgのJNJ−141を投与された14匹のラットのうち3匹には、マイクロラジオグラフで侵食は認められず、14匹のうち11匹においては、1〜3個の小さな放射線透過性病変を識別することができた。ラジオグラフスコアでのJNJ−141の影響は、ゾレドロネートと同様であった。組織学的検査により、MRMT腫瘍を有するビヒクル処置ラットにおいて、海綿骨病変の多大な喪失が確認された(図6及び表3)。JNJ−141は腫瘍関連の侵食を防ぎ、全体的な海綿骨スコアは偽薬(腫瘍を含まない)ラットと変わらなかった。全厚の皮質骨病変はビヒクル処置群に一貫して見られたが、JNJ−141又はゾレドロネートで処置したラットでは観察されなかった。処置にかかわらず、ほぼ全ての腫瘍接種されたラットの骨髄腔は、壊死した腫瘍で充満しており、一方、生存性の腫瘍は腓骨を覆っていた。JNJ−141とゾレドロネートの両方とも、17日目に評価された封入腫瘍の全体的な大きさを減少させた。ビヒクル処置のラットにおいては、大きな多核TRAP+破骨細胞が、腫瘍内に豊富に存在し、残る皮質骨を覆っていた(図6)。腫瘍関連の破骨細胞は、ゾレドロネートによって64%減少し、低倍率において依然として視認できた。一方、JNJ−141で処置されたラットにおいては、腫瘍関連破骨細胞を認めるのは困難であった。JNJ−141は腫瘍関連破骨細胞を95%を超えて減少させ、残るわずかな破骨細胞は小さく、しばしば単核であった。
JNJ−141は転移による骨痛の発症を防いだ。MRMT−1細胞を近位脛骨に接種すると、MRMT−1細胞を接種された動物においては、溶媒を接種された動物に比べて、最終時点で機械的アロディニアが有意に増大した(p<0.01)。影響を受けた動物をモルヒネで処置すると、アロディニアは2段階前のポイントに戻ったが、20mpk又は60mpkのいずれかのJNJ−141処置を受けた場合は、腫瘍を接種された動物に比べて、最終時点で機械的アロディニアが減少した(それぞれp<0.05及び0.01)。ゾレドロネート処置も、腫瘍を接種された動物に比べてアロディニアを減少させたが、その効果は統計的な有意性には達しなかった。図7に示す値は、群の平均値±SEMを表わす。
骨転移のマウスモデルにおける、JNJ−141による骨溶解及び痛みの阻害。同系NCTC 2472骨溶解肉腫細胞をC3H/HeJマウスの大腿骨に接種することにより、痛み及び骨溶解エンドポイントを伴う骨転移の十分に特性付けられたモデルが得られる(Sevcik MA et al.,Pain 2005;115:128〜41)。このモデルにおいて、JNJ−141は投与量に依存して、腫瘍関連の骨侵食を防いだ(表4)。骨溶解の防止は、骨と腫瘍の界面における、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRACP)陽性の破骨細胞の数減少を伴っている。自発的及び触知誘発のかばい行動(SG、PIG)及びたじろぎ(SF、PIF)を含む痛み関連の行動は、ビヒクル処置群において、腫瘍接種から7日後に明白となり、日を追うごとに進行した(図8及び表4)。痛みに関連する行動の進行的増加は、JNJ−141によって、投与量依存的に防止された。15日目までに、触知誘発のたじろぎ行動は、120mg/kgのJNJ−141で処置されたマウスにおいて約50%減少した(表4)。
Figure 2011502991
考察
本明細書の実験の項に示されているように、JNJ−141は有効なCSF−1R阻害物質であり、生体内での単核細胞/マクロファージによる増殖及びケモカイン発現をブロックする能力を有し、生体内でのCSF−1誘発のc−fos mRNA発現を防ぐ。111種の異なる組換え型キナーゼの検定により、追加の5つのチロシンキナーゼ標的(すなわち、KIT、FLT3、TRKA、LCK、及びAXL)が100nM未満の濃度で阻害されることが識別された。しかしながらこれらのうち、マイクロモル未満の濃度のJNJ−141では、KIT、FLT3、及びTRKAに依存する細胞機能を阻害したが、AXL及びLCK依存性の細胞活性を阻害するにはマイクロモルの濃度が必要だった。AXL及びLCKの細胞検定に影響を与えるためにJNJ−141が比較的高濃度で必要であることは、精製した組換え型キナーゼとこれらの自然の細胞の対応物との間の構造的な相違を反映している可能性がある。全体に、JNJ−141のキナーゼプロファイルは、原発性及び二次骨癌の予防と処置に魅力的である。なぜなら、CSF−1R依存性マクロファージ及び破骨細胞はそれぞれ、腫瘍の増殖を支持し、転移骨疾患の骨溶解を媒介していると考えられているからである。更に、FLT3、KIT、及びTRKAの阻害は、JNJ−141の望ましい治療的活性に貢献する可能性がある。肥満細胞は生存のためにKITに依存しており、マクロファージと合わせて、腫瘍の脈管形成及び悪性進行を促進する(Soucek L et al.,Nature Medicine 2007;10:1211−1218)。更に、肥満細胞は骨喪失に関係し(Chiappetta N and Gruber B,Semin Arthritis Rheum 2006;36:32〜6)、更にKITは過剰発現されて一部の骨肉腫(Entz−Werle N et al.,Int J Cancer 2007;120:2510〜6)及び胃腸の間質腫瘍(Demetri GD.,Seminars in Oncology 2001;28:19〜26)を促進する可能性がある。よって、KITの阻害は、腫瘍の増殖及び骨溶解を減少させることに貢献する可能性があり、一部の原発性及び二次骨癌を退化させる可能性がある。FMSと同様、FLT3はマクロファージ及び破骨細胞の前駆細胞によって多大に発現され、条件によっては増加し、あるいはFMSの代替となる(Lean JM et al.,Blood 2001;98:2707〜13)。よって、FLT3の阻害は、JNJ−141の骨保護活性、並びに腫瘍の脈管形成の阻害に貢献している可能性がある。TRKAは神経増殖因子(nerve growth factor)(NGF)の排他的受容体である。TRKA及びNGFは、侵害受容器の増殖と生存に必須であり、NGFを中和する抗体は、二次骨癌のモデルにおいて痛み関連の行動を劇的に減少させた(Halvorson KG et al.,Cancer Res 2005;65:9426−35)。これらのマウスにおけるデータは、JNJ−141によるTRKAの阻害が、MRMT−1及び2472肉腫モデルにおいて、腫瘍媒介の侵害受容を低減させるのに寄与している可能性と、原発性又は二次骨腫瘍に関連する激しい痛みに苦しむ患者の痛み緩和を提供できる可能性を示唆している。培養中のH460細胞の血清依存性増殖は、生体内で達成できるものよりも高い濃度(5μM)でも影響を受けなかったため、H460細胞に対するJNJ−141の直接的影響はないと考えられた。
本明細書に記述された実験において、JNJ−141で処置されたマウスでは、腫瘍関連マクロファージの枯渇は顕著であった(>97%)。CSF−1阻害はいくつかの機序によってマクロファージの数に影響を与え得る。CSF−1はマクロファージの直接走化性活性を有し(Webb SE,et al.,J Cell Science 1996;109:793〜803)、走化性ペプチド、単核細胞走化性タンパク質−1(CCL2)のマクロファージ発現を誘発する(Baran CP,et al.,Am J Respir Crit Care Med 2007;176:78〜89)。補充されたマクロファージ、又はその前駆体は、CSF−1の影響下でその場で増殖し、CSF−1は低濃度であっても強力なマクロファージ生存及び分化因子である(Chitu V et al.,Curr Opin Immunol 2006;18:39〜48)。結果的に、JNJ−141は、H460腫瘍の増殖に対し、単核細胞及びマクロファージ前駆細胞の補充を減少させ、細胞が補充されても、これらの細胞は生存、増殖、及び分化をすることができない可能性がある。GM−CSF、IL−3、VEGF、CCL2、及び他の未定義の増殖因子経路が、マクロファージの補充及び生存を支持している(Takahashi K.,J Clin Exp Hematopathology 2001;41:1〜33)。可能性のある重複する経路があったとしても、JNJ−141によるTAMの量的な低減の影響は著しい。
TAMと腫瘍増殖の低減は、腫瘍脈管密度が66%低減していることと関連していた。TAMは、脈管形成を支持する増殖因子及びプロテアーゼを多数発現することが報告されている(例えばVEGF、bFGF、IL−8、ウロキナーゼ、MMP−2及びMMP−9、その他)(Mantovani A. et al.,Trends in Immunology 2002;23:549〜555)。JNJ−141で得られた結果は、TAMが最適の腫瘍脈管形成のために必須であるという、現在増え続けている文献と一貫している。選択的マクロファージ毒素である非経口のリポソームクロドロネートは、F9奇形癌腫及びA673横紋筋肉腫の異種移植の増殖を、それぞれ75%及び66%低減させることが報告されている(van Rooijen N et al.,Methods Enzymol 2003;373:3〜16)。増殖抑制は、腫瘍関連F4/80+マクロファージの枯渇、及び腫瘍脈管構造の顕著な減少を伴っていた。A673腫瘍において、CD1+微小血管系の密度低下は、抗VEGFを使用して達成できる程度より優れていた。
最近になって、単核細胞の部分母集団が、Tie2を発現し、最適な腫瘍脈管形成に必要であることが見出された(De Palma M et al.,Cancer Cell 2005;8:211〜226)。この部分母集団の選択的削減が、ヌードマウスにおいて神経膠腫の異種移植を退化させた。他の研究では、より具体的に、腫瘍増殖及び脈管形成におけるCSF−1/CSF−1Rについて述べられている(本明細書の背景技術の項、及びNowickki A,et al.,Int J Cancer 1996;65:112〜119;Okazaki T,et al.,J Immunol 2005;174:7531−7538;Aharinejad S,et al.,Cancer Res 2002;62:5317〜5324;Aharinejad S,et al.,Cancer Res 2004;64:5378〜5384;Paulus P et al.,Cancer Res 2006;66:4349〜56を参照)。
CSF−1欠損齧歯類において破骨細胞がほとんど存在しないことは、通常の破骨細胞形成におけるCSF−1の重要な役割を示している(Pollard,J.W.et al.,Adv in Devel Biochem 1995;4:153〜193;Van Wesenbeeck L,et al.,PNAS 2002;99:14303〜14308)。
破骨細胞形成の調整がなされないと、関節炎及び転移性骨疾患を起こす。関節炎のマウスモデルにおいて、CSF−1R抗体を中和すると、骨溶解が劇的に止まり、これは免疫介在による破骨細胞形成におけるCSF−1の役割を示している(Kitaura H et al.,J Clin Invest;2005;115:3418〜27)。
本明細書の実験の項に示したように、破骨細胞形成及び骨侵食のJNJ−141によるほぼ完全な阻害は、同系の***癌骨転移モデルにおいて見られた。これらのデータは、骨転移及び骨溶解の黒色腫モデルにおける、別のCSF−1Rキナーゼ阻害物質であるKi20227による骨保護の既報を拡張するものである(Ohno H,et al.,Mol Cancer Ther 2006;5:2634〜2643を参照)。
本明細書記載の実験の項に示されているデータは更に、腫瘍誘発破骨細胞形成におけるCSF−1の重要な役割を支持し、骨転移が診断され、骨折、骨痛、高カルシウム血症の危険にさらされている、後期乳癌患者のほぼ85%の処置におけるJNJ−141の治療的有効性を支持するものである。
高投与量のビスホスホネート(パミドロネート及びゾレドロネート)は、骨転移のある個体において、骨格の問題を防止するために適応され(Body J.J.,Clin Cancer Res 2006;12(20 Suppl)6258s〜6263sを参照)、RANKL抗体であるデノスマブは、臨床試験において有望な抗再吸収活性を有している(Body J.J,et al.,Clin Cancer Res 2006;12:1221〜1228を参照)。しかしながら、JNJ−141などのCSF−1R阻害物質は、作用が短時間であり、容易に元に戻るため、特に患者の余命が長くなるに従って、骨壊死につながり得る特徴である数ヶ月にわたる半減期で骨に結合するビスホスホネートに対しての、魅力的な代替物を提供する可能性がある。
本明細書記載の実験の項で、H460及びMRMT腫瘍の増殖抑制が証明されたことから、JNJ−141は軟組織と骨格の転移の両方の増殖速度を低減すると見られる。これは、軟組織転移の増殖に影響をもたらさないと見られるゾレドロネートとは対照的である(Mundy GR et al.,Semin Oncol 2001;28(suppl6):35〜44))。
JNJ−141は固体腫瘍の増殖を低減し、骨格転移による骨侵食を防止した。JNJ−141によるCSF−1Rの阻害は、様々な状況における癌の処置に有用となる。例えばJNJ−141は、CSF−1に対する中和抗体が化学耐性遺伝子の腫瘍発現を低減させることが示されており(Paulus P et al.,Cancer Res 2006;66:4349〜56)、更にマクロファージ誘発の増殖及び生存因子の除去により化学療法後の腫瘍再生を遅らせ得るため、組み合わせ治療に有用となるまた、CSF−1Rは発癌性の可能性を有し(Kirma N et al.,Cancer Res 2004;64:4162〜70)、様々な癌に発現されているため(Kascinshi B.,Cancer Treat Res 2002;107:285〜82)、CSF−1R阻害物質は、場合によっては、直接的な抗癌活性を有している可能性がある。更に、腫瘍内の走化性研究及びライブのビデオ顕微観察により、腫瘍細胞は、EGFとCSF−1の両方に依存するプロセスを経てマクロファージと共に移動することが示されており(Wyckoff J,et al.,Cancer Res 2004;64:7022〜7029)、マウス遺伝子研究により、***癌の肺への自発的転移におけるCSF−1の重要な役割が明らかにされている(Lin EY,et al.,J Exp Med 2001;193:727〜739)。転移プロセスに対する直接的な治療は現在存在しないが、但し、循環する腫瘍細胞数は、一部の腫瘍において生存を正確に予測することが示されている(Budd GT et al.,Clin Cancer Res 2006;12:6403〜6409)。CSF−1依存性の腫瘍細胞が外に流出するのを防ぐことが、究極的には、末期癌患者の死につながる深刻な転移の広がりを遅らせる可能性がある。
処置/予防方法
本明細書で使用するとき、用語「癌」は、多細胞生物において1つ以上の細胞部分集合の、望ましくない細胞増殖で、その多細胞生物に害をもたらす(すなわち、不快感又は余命の短縮)ものを指す。本明細書で使用するとき、「細胞増殖疾患」は新生物形成疾患を含む。本明細書で使用するとき、「新生物形成疾患」は、異常又は無制御の細胞増殖による腫瘍を指す。
本明細書で使用するとき、「骨癌」は、骨組織に発する癌(本明細書では「原発性骨癌」と呼ばれる)、並びに、他の部位から骨へと移動してきた癌細胞(本明細書では「二次骨癌」又は「転移性骨癌」と呼ばれる)を意味するものとする。
原発性癌細胞には、骨肉腫細胞、ユーイング腫瘍群からの細胞、軟骨肉腫細胞、悪性巨細胞腫瘍細胞、悪性線維性組織球腫、及びアダマンチノーマ細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
骨癌の種類には、骨肉腫(骨の癌性腫瘍であり、通常は腕、脚、又は骨盤の骨にでき、最も多い原発癌)、軟骨肉腫(軟骨の癌であり、第二に多い原発癌)、ユーイング肉腫(脚及び腕の骨の空洞中に通常発生する腫瘍)、線維肉腫及び悪性線維性組織球腫(腱、靱帯、脂肪、筋肉などの軟組織で発生し、脚、腕、及び顎の骨へと広がる癌)、腱鞘巨細胞腫(発生時の約10%のみが悪性の原発性骨腫瘍であり、最も一般的には腕又は脚の骨に生じる)、及び脊索腫(通常、頭蓋骨又は脊椎に発生する原発性骨腫瘍)が挙げられる(が、これらに限定されない)。
二次骨癌又は転移性骨癌細胞(本明細書では「骨転移」と呼ばれる)は、***、肺、前立腺及び腎臓などの他の組織から転移してきた癌細胞である。このような癌は、更に、癌が始まった臓器又は組織の癌が「骨へ転移」した癌(例えば肺癌の骨への転移)を指す。このような癌は、本明細書において「骨癌」の定義内にあることが意図される。
本発明は、骨癌、並びに、骨癌に伴う骨喪失及び骨痛を有する患者のための治療方法、及びこれらが進行するリスク(又はこれらを被りやすいリスク)を有する患者のための予防方法を提供し、これらの方法は、式Iの化合物、好ましくは実施例38aの投与を含む。
本明細書で使用するとき、用語「被験体/患者」は、処置、観察又は実験に付されている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
1つの実施形態において、本発明は、式Iの化合物、好ましくは実施例38aの化合物、及び製薬上許容できる担体を含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における原発性骨癌と二次骨癌とを含む、好ましくは二次骨癌の処置方法を提供する。この治療薬の投与は、骨癌に特徴的な徴候の発現と同時に実施することができる。好ましくは、この二次骨癌は乳癌、肺癌及び前立腺癌からの骨転移を含み、最も好ましくは乳癌転移である。
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物、好ましくは実施例38aの化合物、及び製薬上許容できる担体を含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における原発性骨癌と二次骨癌とを含む、好ましくは二次骨癌である、骨癌に伴う骨喪失及び骨痛の処置方法を提供する。この治療薬の投与は、骨喪失及び痛みを是正するための治療として、骨癌に特徴的な症状の顕在化と同時に実施することができる。好ましくは、この二次骨癌は乳癌、肺癌及び前立腺癌からの骨転移を含み、最も好ましくは乳癌転移である。
1つの実施形態において、本発明は、製薬上許容できる担体、及び式Iの化合物、好ましくは実施例38aの化合物、及び製薬上許容できる担体を含む製薬組成物の予防的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における原発性骨癌と二次骨癌とを含む、好ましくは二次骨癌である、骨癌の予防方法を提供する。この予防薬の投与は、骨癌を予防する、あるいはその進行を遅らせるように、骨癌に特徴的な症状が顕在化する前に行うことができる。好ましくは、この二次骨癌は乳癌、肺癌及び前立腺癌からの骨転移を含み、最も好ましくは乳癌転移である。
別の実施形態において、本発明は、製薬上許容できる担体、及び式Iの化合物、好ましくは実施例38aの化合物、及び製薬上許容できる担体を含む製薬組成物の予防的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における原発性骨癌と二次骨癌とを含む、好ましくは二次骨癌である、骨癌に伴う骨喪失及び骨痛の予防方法を提供する。この予防薬の投与は、その症状を予防する、あるいはその進行を遅らせるように、骨癌に特徴的な骨喪失症状が顕在化する前に行うことができる。好ましくは、この二次骨癌は乳癌、肺癌及び前立腺癌からの骨転移を含み、最も好ましくは乳癌転移である。
別の実施形態において、本発明は、製薬上許容できる担体、及び式Iの化合物、好ましくは実施例38aの化合物、及び製薬上許容できる担体を含む製薬組成物の予防的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における原発性骨癌と二次骨癌とを含む、好ましくは二次骨癌である、骨癌に伴う骨痛の予防方法を提供する。この予防薬の投与は、その症状を予防する、あるいはその進行を遅らせるように、骨癌に特徴的な骨痛症状が顕在化する前に行うことができる。好ましくは、この二次骨癌は乳癌、肺癌及び前立腺癌からの骨転移を含み、最も好ましくは乳癌転移である。
用語「予防的に有効な量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められている、患者において症状の発症を阻害又は遅らせる、活性物質又は製薬組成物の量を指す。
本明細書で使用するとき、用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められている、処置されている疾病又は疾患の症状の緩和を含む、患者において生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は製薬的薬剤の量を指す。
本発明の化合物を含む製薬組成物の治療的及び予防的に有効な量を決定するための方法は、本明細書で開示され、当該技術分野において既知である。
本発明の予防方法及び治療方法の更なる態様において、本発明は、原発性骨癌と二次骨癌とを含む、好ましくは二次骨癌である、骨癌、並びに、骨癌に伴う骨喪失及び骨痛を有する患者を処置するため、又はこれらが進行するリスク(又はこれらを被りやすいリスク)を有する患者において予防するための、組み合わせ治療を包含する。好ましくは、この二次骨癌は乳癌、肺癌及び前立腺癌からの骨転移を含み、最も好ましくは乳癌転移である。
この組み合わせ治療は、患者に対し、本発明の化合物及び製薬上許容できる担体を含む製薬組成物の治療的又は予防的に有効な量を投与することと、化学療法、放射線療法、遺伝子療法及び免疫療法などの1つ以上の他の細胞抗増殖治療とを含む。
本明細書で使用するとき、「化学療法」は、化学療法剤を用いる治療を指す。本明細書に開示される組み合わせ治療方法には、様々な化学療法剤が使用され得る。代表的なものとして想到される化学療法剤には、プラチナ化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、タキサン化合物(例えば、パクリタキセル、ドセタキソール)、カンポトテシン化合物(イリノテカン、トポテカン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン)、抗腫瘍ヌクレオシド誘導体(例えば、5−フルオロウラシル、ロイコボリン、ゲムシタビン、カペシタビン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、チオテパ)、エピポドフィロトキシン/ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)、抗エストロゲン化合物(例えば、タモキシフェン、フルベストラント)、抗葉酸剤(例えば、ペメトレキセド(premetrexed)二ナトリウム)、脱メチル化剤(例えばアザシチジン)、生物由来薬(例えば、ゲムツズマブ(gemtuzamab)、セツキシマブ、リツキシマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、エルロチニブ)、抗生物質/アントラサイクリン系薬剤(例えば、イダルビシン、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトマイシンC、ダクチノマイシン、カルミノマイシン、ダウノマイシン)、代謝拮抗薬(例えばアミノプテリン、クロファラビン、シトシンアラビノシド、メトトレキサート)、チューブリン結合剤(例えば、コンブレタスタチン、コルチシン、ノコダゾール)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン)が挙げられるが、これらに限定されない。更なる有用な薬剤にはベラパミルが挙げられる。これは、利用されている化学療法剤に耐性の腫瘍細胞において化学感受性を確立し、薬剤感受性の悪性物においてはそのような化合物の有効性を増すために、抗新生物剤と組み合わせて使用するのに有用であることが見出されている(Simpson WG,Cell Calcium.1985 Dec;6(6):449〜67を参照)。更に、これから現われる化学療法剤も、本発明の化合物との組み合わせに有用であるものとして想到される。
本明細書で使用するとき、「放射線療法」は、必要とする患者に放射線を照射することを含む治療を指す。このような治療は当業者に既知である。放射線療法の適切なスキームは、放射線療法が単独で行われる場合、又は他の化学療法と組み合わせて行われる場合の臨床的治療に既に採用されているものと同様である。
本明細書で使用するとき、「遺伝子療法」は、腫瘍の発達に関与する特定の遺伝子を標的とする治療を指す。可能な遺伝子治療戦略には、欠陥のある癌阻害遺伝子の修復、増殖因子及びその受容体をコードする遺伝子に対応するアンチセンスDNAの細胞形質導入又はトランスフェクション、RNAによる戦略(リボザイム、RNAデコイ、アンチセンスメッセンジャーRNA、及び低分子干渉RNA(siRNA)など)、並びに「自殺遺伝子」と呼ばれるものなどが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「免疫療法」は、タンパク質固有の抗体を介した腫瘍発達に関与している、その特定のタンパク質を標的にした治療を指す。例えば、血管内皮増殖因子に対するモノクローナル抗体が、癌処置に使用されている。
本発明の化合物を含む製薬組成物に加えて、第二の製薬組成物が使用される場合、この2つの製薬物は、同時に投与してよく(例えば別の組成物として、又は一体型組成物として)、任意の順で連続的に投与してよく、ほぼ同時に投与してよく、又は別の投与スケジュールで投与してよい。後者の場合、この2つの製薬組成物は、有利な、又は共力効果が達成されるよう十分な期間内並びに量及び様式において投与される。投与の好ましい方法及び順序、並びに組み合わせの各組成物についてそれぞれの投与量とレジメンは、本発明の製薬組成物と共に投与される特定の化学療法剤、その投与経路、処置されるその特定の腫瘍、処置されるその特定の宿主に依存することが理解されるであろう。
当業者には理解されるように、化学療法剤の適切な投与量は一般に、その化学療法剤が単独で投与される場合、又は他の化学療法剤と組み合わせて投与される場合の、臨床的治療に既に採用されているものと同様、又はそれ未満となる。投与の最適な方法及び順序、並びに投与量とレジメンは、従来の方法を用い、本明細書に記載の情報を考慮して、当業者によって容易に決定され得る。
投与量は、例えば処置の過程で1回、2回又はそれ以上投与でき、例えば7日おき、14日おき、21日おき、又は28日おきに繰り返すことができる。
本発明の製薬組成物は、患者に対し、全身的に、例えば静脈内、経口、皮下、筋肉内、皮内、又は非経口的に投与することができる。本発明の製薬組成物は、患者に対し局所的に投与することもできる。局所送達システムの非限定的な例には、血管内薬剤送達カテーテル、ワイヤ、医薬用ステント、及び管内ペービング(paving)を含む管腔内医療装置の使用が含まれる。
本発明の製薬組成物は更に、標的部位で高い局所濃度の化合物を達成するため、標的剤と組み合わせて患者に投与することができる。加えて、本発明の製薬組成物は、数時間から数週間の期間にわたって標的組織と薬剤との接触を維持することを目的として、急速放出又は持続放出用に調剤することができる。
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
本明細書で使用するとき、語句「製薬上許容できる」とは、動物又はヒトに適切に投与されたときに、副作用、アレルギー反応、又はその他の目的外の反応を生じないような分子構成及び組成物を指す。獣医学的的使用は、本発明に等しく含まれ、「製薬上許容できる」製剤には、臨床用及び/又は獣医学的用途の両方が含まれる。
本発明の製薬学的組成物は、有効成分として式Iの化合物を、通常の製薬学的配合技術に従って製薬学的担体とよく混合し、この担体は、投与に所望される製剤の形態、例えば経口若しくは筋肉内のような非経口により多種多様な形態をとることができる。
本発明の製薬組成物は、式Iの化合物を約0.1mg〜1000mg、好ましくは約100〜500mg含んでもよく、選択される投与モードに好適な任意の形態に構成することができる。
担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない必要かつ不活性な医薬賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物は、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(それぞれ、迅速放出、時限放出及び持続放出製剤を含む)、顆粒、及び散剤などの固体形態、並びに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤、及び縣濁剤などの液体形態を含む。非経口投与用に有用な形態としては、滅菌液剤、エマルション及び縣濁液が挙げられる。
経口剤形における組成物の製造には、任意の通常の医薬媒体を用いることができる。したがって、例えば、縣濁剤、エリキシル剤及び液剤のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤及び同様物が挙げられ、散剤、カプセル剤、カプレット剤、ジェルキャップ及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。投与が容易であるため、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口投薬量単位形であり、その場合、固体医薬担体が明らかに使用される。場合により、錠剤は、標準的な技術により、糖コーティング又は腸溶コーティングされてよい。
非経口の場合、担体は、通常、滅菌水を含むが、例えば、溶解性を助けるなどの目的のため、又は保存のために他の成分を含んでよい。
注入用の縣濁液も製造することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤等を使用することができる。
本発明の製薬組成物には、式Iの化合物の持続放出用の製薬組成物も含まれる。この組成物には、持続放出用担体(典型的には高分子担体)及び式Iの化合物が含まれる。
持続放出用の生分解性担体は、当該技術分野において周知である。これらは、活性化合物をその中に捕捉する粒子を形成し、好適な条件下(例えば水性、酸性、塩基性など)でゆっくり分解/溶解し、これにより体液内で分解/溶解し、その中の活性化合物を放出することができる物質である。この粒子は好ましくはナノ粒子である(すなわち、直径約1〜500nmの範囲、好ましくは直径約50〜200nmの範囲、及び最も好ましくは直径約100nm)。
持続放出の調製において、持続放出用担体(典型的には高分子担体)及び本発明の化合物は、最初に、有機溶媒中に溶解又は分散される。得られた有機溶液を、次に、水溶液に加えて、水中油型の乳濁液を得る。好ましくは、この水溶液には界面活性剤が含まれる。次にこの水中油型の乳濁液から有機溶媒を蒸発させ、持続放出用担体と本発明の化合物とを含んだ粒子のコロイド懸濁液を得る。
本明細書の製薬組成物には、投与量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、茶さじ一杯等当たり、上述した有効投薬量を送達するのに必要な活性成分の量が含まれる。本明細書の製薬組成物は、投与量単位当たり、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、座薬、茶さじ一杯等当たり、1日に約0.01mg〜200mg/体重kg、好ましくは1日に約0.03〜約100mg/体重kg、及び最も好ましくは1日に約2〜40mg/体重kgを含む。
最も好ましくは、JNJ−141の製剤は、ケイ酸化した微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びブチル化ヒドロキシトルエンを含む。
この製薬組成物は、1日に1〜5回投与のレジメンであってよい。しかしながら、投与量は、患者の要求量、処置されている病状の重症度、及び使用される式Iの特定の化合物に応じて変動し得る。連日投与又は周期後投与のいずれを用いてもよい。
好ましくは、本発明の製薬組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下若しくは直腸投与用又は吸入若しくは吹送による投与用の錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、滅菌非経口液剤若しくは懸濁剤、定量エアゾール若しくは液状スプレー、ドロップ、アンプル、オートインジェクター装置又は座薬のような単位剤形である。あるいは、この製薬組成物は、週に1回若しくは月に1回の投与に適当な形態で与えることができ;例えば、デカン酸塩のような、活性化合物の不溶性の塩を筋肉内注射用のデボー製剤(depot preparation)を提供するために適応させることができる。
錠剤のような固体組成物の製造に関しては、主要活性成分を、医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はゴムのような従来の錠剤化成分、及び他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩の均質混合物を含む固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と称するとき、これは、活性成分が組成物全体にむらなく分散し、その結果、組成物は同等に効果的な、錠剤、丸剤及びカプセル剤のような剤形に容易に分割できることを意味する。この固体予備配合組成物は、次に0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む、上述した種類の単位剤形に分割される。
本発明の製薬組成物の錠剤又は丸剤は、長時間の効果の有利性を得るような投与形態をもたらすよう、コーティング又は他の複合を行うことができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投与成分及び外側投与成分を含むことができ、後者は前者の外被の形態である。2つの成分は、胃での崩壊を阻止し、また内側成分を無傷で十二指腸内まで通過させる、又は放出を遅延させることができる腸溶性の層により分離されることができる。このような腸溶性層又はコーティング用には様々な材料を使用することができ、そのような材料としては、セラック、アセチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料を伴う多数のポリマー酸が挙げられる。
経口投与又は注入投与用に式Iの化合物を組み込み得る液体形としては、水性液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性又は油性縣濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又はピーナッツ油のような食用油を含む香味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の製薬学的賦形剤が挙げられる。水性縣濁剤のための好適な分散剤又は懸濁化剤としては、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。好適に香味付けされた懸濁化剤又は分散剤の形態での液体には更に、合成及び天然ゴム、例えば、トラガカント、アカシア、メチル−セルロース等が含まれ得る。非経口投与のためには、滅菌縣濁液及び溶液が望ましい。静脈内投与が望ましいとき、好適な保存剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
有利なように、本発明に使用される製薬組成物は、1日1回用量で投与することができ、又は1日当たり1〜2回で、1日の合計用量を毎日2回、3回又は4回の用量に分けて投与することができる。投与すべき最適用量は、当業者により容易に決定することができ、また使用される特定の化合物、投与モード、製剤の強度、投与モード、及び疾病症状の進行により変動するであろう。更に、患者の年齢、体重、食事及び投与時間を含む、処置する具体的な患者と関連する因子が、投薬量を調整する必要性をもたらす。
本発明の化合物を投与するための別の代替的な方法は、作用の目的箇所(すなわち骨腫瘍細胞、二次骨腫瘍細胞、又は骨腫瘍関連のマクロファージ又は破骨細胞)と結合しようとする標的剤に、化合物を結合させることであり得る。標的剤には、抗体剤と非抗体剤の両方を使用することができる。標的剤とその対応する結合相手との間の固有の相互作用により、本発明の化合物は、標的部位に又はその近くに高い局所濃度で投与することができ、よって標的箇所の疾患処置をより効果的に行うことができる。例えば、骨に導く目的で、ビスホスホネート基をJNJ−141に加えることができる。
抗体若しくは増殖因子などのタンパク質、又は多糖が標的剤として使用される場合、これらは好ましくは注入可能な組成物の形態で投与される。骨癌の場合、管腔内投与が好ましい可能性がある。
標的剤と結合した本発明の化合物の治療的に有効な量は、患者、骨癌のタイプと進行度、及び他の臨床的変数に依存する。有効投与量は、本明細書に記述されているものを含め、動物モデルからのデータを用いて容易に決定することができる。
上述の明細書は、例示を目的として提供される実施例と共に、本発明の原理を教示するが、本発明の実践は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれる全ての通常の変形、改作及び/又は修正を包含することが理解されるであろう。



Claims (72)

  1. 製薬上許容できる担体と、式I:
    Figure 2011502991
    式中:
    Aは
    フェニル又はピリジルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
    Wは
    ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは、任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
    2
    シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
    Xは
    Figure 2011502991
    であり、
    Zは
    CH又はNであり、
    1及びD2
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    3及びD4
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    5
    水素又は−CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    a及びRbは独立に
    水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
    Eは
    N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
    a
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
    b
    不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
    3
    水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、該5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、該5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつ該5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
    4
    水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、
    の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、若しくは製薬上許容できる塩とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌の処置方法。
  2. Aが
    フェニル又はピリジルであり、
    Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    −NHCO−Wに対してパラ配向されている、
    請求項1に記載の方法。
  3. Wが3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルである、請求項2に記載の方法。
  4. 2が1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルである、請求項3に記載の方法。
  5. Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    Zが
    CHであり、
    1及びD2
    それぞれ水素であり、
    3及びD4
    それぞれ水素であり、
    5
    −CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    Eが
    Nであり、
    b
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、そして
    3が水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである、
    請求項4に記載の方法。
  6. Xが
    Figure 2011502991
    である、請求項5に記載の方法。
  7. 式Iの化合物が:
    Figure 2011502991
    又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記骨癌が二次骨癌である、請求項7に記載の方法。
  9. 必要とする患者における骨癌の予防方法。製薬上許容できる担体と、式Iの化合物:
    Figure 2011502991
    式中:
    Aは
    フェニル又はピリジルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
    Wは
    ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは任意の炭素原子を介して結合されてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
    2
    シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
    Xは
    Figure 2011502991
    であり、
    Zは
    CH又はNであり、
    1及びD2
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    3及びD4
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    5
    水素又は−CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    a及びRbは独立に
    水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
    Eは
    N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノラジカルであり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
    a
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
    b
    不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
    3
    水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、該5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、該5員又は6員環中の芳香族窒素は、N−オキシドとして存在してもよく、かつ該5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
    4
    水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、
    の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌の予防方法。
  10. Aが
    フェニル又はピリジルであり、
    Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    −NHCO−Wに対してパラ配向されている、
    請求項9に記載の方法。
  11. Wが3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルである、請求項10に記載の方法。
  12. 2が1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルである、請求項11に記載の方法。
  13. Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    Zが
    CHであり、
    1及びD2
    それぞれ水素であり、
    3及びD4
    それぞれ水素であり、
    5
    −CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    Eが
    Nであり、
    b
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、そして
    3が水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである、
    請求項12に記載の方法。
  14. Xが
    Figure 2011502991
    である、請求項13に記載の方法。
  15. 式Iの化合物が:
    Figure 2011502991
    又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記骨癌が二次骨癌である、請求項15に記載の方法。
  17. 製薬上許容できる担体と、式I:
    Figure 2011502991
    式中:
    Aは
    フェニル又はピリジルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
    Wは
    ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
    2
    シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかは、クロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
    Xは
    Figure 2011502991
    であり、
    Zは
    CH又はNであり、
    1及びD2
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    3及びD4
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    5
    水素又は−CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    a及びRbは独立に
    水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
    Eは
    N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは、次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
    a
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
    b
    不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
    3
    水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、該5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、該5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつ該5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
    4
    水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨喪失の予防方法。
  18. Aが
    フェニル又はピリジルであり、
    Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    −NHCO−Wに対してパラ配向されている、
    請求項17に記載の方法。
  19. Wが3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルである、請求項18に記載の方法。
  20. 2が1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルである、請求項19に記載の方法。
  21. Xが、
    Figure 2011502991
    であり、
    Zが
    CHであり、
    1及びD2
    それぞれ水素であり、
    3及びD4
    それぞれ水素であり、
    5
    −CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    Eが
    Nであり、
    b
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、そして
    3が水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである、
    請求項20に記載の方法。
  22. Xが
    Figure 2011502991
    である、請求項21に記載の方法。
  23. 式Iの化合物が:
    Figure 2011502991
    又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記骨癌が二次骨癌である、請求項23に記載の方法。
  25. 製薬上許容できる担体と、式I:
    Figure 2011502991
    式中:
    Aは
    フェニル又はピリジルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
    Wは
    ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
    2
    シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
    Xは
    Figure 2011502991
    であり、
    Zは
    CH又はNであり、
    1及びD2
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    3及びD4
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    5
    水素又は−CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    a及びRbは独立に
    水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
    Eは
    N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
    a
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
    b
    不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
    3
    水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、該5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、該5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつ該5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
    4
    水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨喪失の処置方法。
  26. Aが
    フェニル又はピリジルであり、
    Xが、
    Figure 2011502991
    であり、
    −NHCO−Wに対してパラ配向されている、
    請求項25に記載の方法。
  27. Wが3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルである、請求項26に記載の方法。
  28. 2が1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルである、請求項27に記載の方法。
  29. Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    Zが
    CHであり、
    1及びD2
    それぞれ水素であり、
    3及びD4
    それぞれ水素であり、
    5
    −CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    Eが
    Nであり、
    b
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、そして
    3が水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである、
    請求項28に記載の方法。
  30. Xが
    Figure 2011502991
    である、請求項29に記載の方法。
  31. 式Iの化合物が:
    Figure 2011502991
    又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記骨癌が二次骨癌である、請求項31に記載の方法。
  33. 製薬上許容できる担体と、式I:
    Figure 2011502991
    式中:
    Aは
    フェニル又はピリジルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
    Wは
    ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
    2
    シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
    Xは
    Figure 2011502991
    であり、
    Zは
    CH又はNであり、
    1及びD2
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    3及びD4
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    5
    水素又は−CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    a及びRbは独立に
    水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
    Eは
    N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
    a
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
    b
    不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
    3
    水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、該5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、該5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつ該5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
    4
    水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨痛の処置方法。
  34. Aが
    フェニル又はピリジルであり、
    Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    −NHCO−Wに対してパラ配向されている、
    請求項33に記載の方法。
  35. Wが3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルである、請求項34に記載の方法。
  36. 2が、1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルである、請求項35に記載の方法。
  37. Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    Zが
    CHであり、
    1及びD2
    それぞれ水素であり、
    3及びD4
    それぞれ水素であり、
    5
    −CH3であり、ここで、この−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    Eが
    Nであり、
    b
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、そして
    3が水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである、
    請求項36に記載の方法。
  38. Xが
    Figure 2011502991
    である、請求項37に記載の方法。
  39. 式Iの化合物が:
    Figure 2011502991
    又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記骨癌が二次骨癌である、請求項39に記載の方法。
  41. 製薬上許容できる担体と、式I:
    Figure 2011502991
    式中:
    Aは
    フェニル又はピリジルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、メチル、−N3、−NH2、−NH(アルキル)、−N(アルキル)2、−S(アルキル)、−O(アルキル)、又は4−アミノフェニルのうちの1つで置換されていてもよく、
    Wは、
    ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルであり、このいずれかは任意の炭素原子を介して結合されていてもよく、ここで、ピロリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、1,2,4−トリアゾリル、又はフラニルは任意の他の炭素に結合した1つの−Cl、−CN、−NO2、−OMe、又は−CF3置換基を含んでいてもよく、
    2
    シクロアルキル、チオフェニル、ジヒドロスルホノピラニル、フェニル、フラニル、テトラヒドロピリジル、又はジヒドロピラニルであり、このいずれかはクロロ、フルオロ、及びC(1〜3)アルキルのうちのそれぞれの1つ又は2つで独立に置換されていてもよく、但しテトラヒドロピリジルは炭素−炭素結合を介して環Aに結合しており、
    Xは
    Figure 2011502991
    であり、
    Zは
    CH又はNであり、
    1及びD2
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    3及びD4
    それぞれ水素、又は一緒になって酸素への二重結合を形成し、
    5
    水素又は−CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    a及びRbは独立に
    水素、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、
    Eは
    N、S、O、SO又はSO2であり、但しEは次の3つの条件:Qaが存在せず、Qbが存在せず、R3がアミノ基又は環状アミノ基であり、ここでEへの結合点はNであること、が同時に満たされる場合には、Nであることはできず、
    a
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、
    b
    不在、−NH−、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、EがNでありかつQaが不在である場合はQbは−NH−であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、
    3
    水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−アルキル−R4、−NH2、又は、少なくとも1つのヘテロ原子Nを含みかつ場合によりS、SO2、N、及びOから選択される追加のヘテロ部分を含み得る5員又は6員環であり、該5員又は6員環は飽和、部分的不飽和又は芳香族であってもよく、該5員又は6員環中の芳香族窒素はN−オキシドとして存在していてもよく、かつ該5員又は6員環は場合によりメチル、ハロゲン、アルキルアミノ、又はアルコキシで置換されていてもよく;R3はまた不在であってもよく、但しEが窒素である場合はR3は不在ではなく、
    4
    水素、−OH、アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、又はカルバモイルである、の化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨痛の予防方法。
  42. Aが
    フェニル又はピリジルであり、
    Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    −NHCO−Wに対してパラ配向されている、
    請求項41に記載の方法。
  43. Wが3H−2−イミダゾリル−4−カルボニトリルである、請求項42に記載の方法。
  44. 2が1つ又は2つのメチル基で置換されていてもよいシクロヘキセニルである、請求項43に記載の方法。
  45. Xが
    Figure 2011502991
    であり、
    Zが
    CHであり、
    1及びD2
    それぞれ水素であり、
    3及びD4
    それぞれ水素であり、
    5
    −CH3であり、ここで、該−CH3は相対的にsyn又はantiに配向されていてもよく、
    Eが
    Nであり、
    b
    不在、−CH2−、−CH2CH2−、又はC(O)であり、但しQaがC(O)である場合はQbはC(O)であることはできず、更に、R3がQbへの結合点がNであるアミノ基又は環式アミノ基である場合、Qbは−NH−であることはできず、そして
    3が水素、ヒドロキシアルキルアミノ、(ヒドロキシアルキル)2アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、−COOH、−CONH2、−CN、−SO2−CH3、−NH2、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、又はモルホリニルである、
    請求項44に記載の方法。
  46. Xが
    Figure 2011502991
    である、請求項45に記載の方法。
  47. 式Iの化合物が:
    Figure 2011502991
    又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記骨癌が二次骨癌である、請求項47に記載の方法。
  49. 製薬上許容できる担体と、
    Figure 2011502991
    である化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩と、製薬上許容できる担体とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌の処置方法。
  50. 化学療法剤の投与を更に含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記製薬組成物が、管腔内医療装置から前記化合物を放出することにより制御された送達によって投与される、請求項49に記載の方法。
  52. 前記製薬組成物が標的剤を更に含む、請求項49に記載の方法。
  53. 製薬上許容できる担体と、
    Figure 2011502991
    である化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩と、製薬上許容できる担体とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌の予防方法。
  54. 化学療法剤の投与を更に含む、請求項53に記載の方法。
  55. 前記製薬組成物が管腔内医療装置から前記化合物を放出することにより制御された送達によって投与される、請求項53に記載の方法。
  56. 前記製薬組成物が標的剤を更に含む、請求項53に記載の方法。
  57. 製薬上許容できる担体と、
    Figure 2011502991
    である化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩と、製薬上許容できる担体とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨喪失の処置方法。
  58. 化学療法剤の投与を更に含む、請求項57に記載の方法。
  59. 前記製薬組成物が管腔内医療装置から前記化合物を放出することにより制御された送達によって投与される、請求項57に記載の方法。
  60. 前記製薬組成物が標的剤を更に含む、請求項57に記載の方法。
  61. 製薬上許容できる担体と、
    Figure 2011502991
    である化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩と、製薬上許容できる担体とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨痛の処置方法。
  62. 化学療法剤の投与を更に含む、請求項61に記載の方法。
  63. 前記製薬組成物が管腔内医療装置から前記化合物を放出することにより制御された送達によって投与される、請求項61に記載の方法。
  64. 前記製薬組成物が標的剤を更に含む、請求項61に記載の方法。
  65. 製薬上許容できる担体と、
    Figure 2011502991
    である化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩と、製薬上許容できる担体とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨痛の予防方法。
  66. 化学療法剤の投与を更に含む、請求項65に記載の方法。
  67. 前記製薬組成物が管腔内医療装置から前記化合物を放出することにより制御された送達によって投与される、請求項65に記載の方法。
  68. 前記製薬組成物が標的剤を更に含む、請求項65に記載の方法。
  69. 製薬上許容できる担体と、
    Figure 2011502991
    である化合物又はその溶媒和物、水和物、互変異性体、又は製薬上許容できる塩と、製薬上許容できる担体とを含む製薬組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含む、必要とする患者における骨癌に伴う骨喪失の予防方法。
  70. 化学療法剤の投与を更に含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記製薬組成物が管腔内医療装置から前記化合物を放出することにより制御された送達によって投与される、請求項69に記載の方法。
  72. 前記製薬組成物が標的剤を更に含む、請求項69に記載の方法。






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